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2023年12月8日 第105回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和5年12月8日(金)14:00~16:00

 

○場所      AP新橋 4階Dルーム


○議事

○医療政策企画官 それでは、定刻となりましたので、会議を開催させていただきます。
 ただいまから、第105回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、前回に引き続きまして、オンライン・現地参加を御選択の上、御出席いただいております。
 まず、本日の委員の出欠状況でございます。本日は、内堀委員、楠岡委員、山崎學委員より、御欠席との連絡をいただいております。本日は、21名の皆様が御出席ですので、定足数の8名に達しているということを、まず、御報告申し上げます。また、神野委員、山崎親男委員より、途中退席の旨、佐保委員においては、遅れてのオンラインでの御参加ということで承っております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。議事次第、委員名簿、座席表のほかに、資料1-1・1-2及び参考資料を送付させていただいておりますので、お手元に準備をお願いいたします。
 それでは、報道の方、カメラはここまでになりますので、御退席をよろしくお願いします。
(報道関係者退室)
○医療政策企画官 それでは、以降の議事につきまして、遠藤部会長、よろしくお願いします。
○遠藤部会長 初めに、欠席の内堀委員の代理としまして、中原参考人、福島県地域医療課長の御出席を、また、山崎學委員の代理としまして、平川参考人、日本精神科病院協会副会長の御出席をお認めいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 「令和6年度診療報酬改定の基本方針について」、本日は、これまでの議論を踏まえた基本方針の取りまとめ案を、事務局より、提出していただいております。本日の議論にもよりますが、本日、当部会としての取りまとめができればよいと考えております。
 それでは、事務局から、説明をお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 診療報酬改定の基本方針につきましては、前回の部会では、骨子案をお示しし、御議論いただきました。本日は、それを踏まえまして、基本方針(案)をお示ししてございます。資料1-2の基本方針(案)の本文に沿って、骨子案から修正した点を中心に、御説明させていただきます。
 資料1-2の1ページでございます。「1.改定に当たっての基本認識」とございますけれども、このパートにつきましては、骨子案から修正した点はございません。
 4ページまでお進みいただきたいと思います。上から2つ目の○、1行目でございます。「医師等の働き方改革を進め、心身ともに健康に働き続ける」という記載がございます。ここは、精神面の健康も重要であることを強調する観点から、「心身ともに」という文言を追加するよう、医療保険部会で御指摘がございましたので、追記してございます。
 また、5ページを御覧いただきたいと思います。下から2つ目の黒ポツ、医歯薬連携も大事であり、追記するよう、医療保険部会で御指摘がございましたので、「医歯薬連携」という文言を追加してございます。
 次に、6ページでございます。最初の○の黒ポツの部分、リハビリテーションについて、既に早期から行われているため、「より早期から」という表現がいいのではないかと医療保険部会で御指摘がございましたので、そのとおりに修正させていただいております。次に、下から2つ目の○でございます。「新興感染症等」で始まる項目、黒ポツの部分、薬局と連携する取組の重要性につきまして医療保険部会で御指摘がございましたので、医療機関の後に「薬局」を追加してございます。
 続きまして、8ページを御覧いただきたいと思います。上から2つ目の○でございます。「重点的な対応が求められる分野への適切な評価」という項目でございますけれども、救急医療における「軽症、中等症」という表現につきまして、当医療部会におきまして、前回、複数の御指摘をいただきましたので、記載を適正化いたしまして「高齢者の救急医療の充実及び適切な搬送の促進」としてございます。
 また、11ページまでお進みいただきたいと思います。「3.将来を見据えた課題」というパートでございます。最初の○、全世代型社会保障を将来に向けて持続可能なものとするよう取り組んでいくことの重要性につきまして、医療保険部会で御意見をいただきましたので、追記してございます。また、公費も加わって現在の医療を支えているという実態に沿った表現にしていくべきとの御指摘が医療保険部会でございましたので、御指摘の趣旨を踏まえた修正を加えてございます。2つ目の○、国民への丁寧な説明だけでなく理解を得ていく努力が必要であるとの御指摘を医療部会でいただきましたので、追記してございます。最後に、3つ目の○、ヘルスリテラシーの向上の必要性につきまして明示的に記載していただきたいという医療保険部会での御意見をいただきましたので、追記してございます。
 なお、前回と同様、参考資料1-1といたしまして、前回の医療保険部会における各委員の発言要旨、また、参考資料1-2として、前回の医療部会における各委員の発言要旨、さらに、参考資料1-3として、医療を取り巻く状況等につきまして関連するデータなどの参考資料をおつけしてございます。
 私からの説明は、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。前回からの修正点について、御説明いただきました。
 それでは、ただいまの報告内容につきまして、御質問、御意見等があれば、承りたいと思います。いかがでございましょうか。
 泉委員、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
 最初の「1.改定に当たっての基本認識」については、全くそのとおりだと思っております。
 「2.改定の基本的視点と具体的方向性」、3ページに当たりますけれども、「(1)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革の推進」を重要事項ということで挙げていただいております。この中で、4ページ目の1番目の丸、看護補助者については介護職員などの給料よりも下回っていることに留意した対応が必要であると記載されております。まさにこのとおりでありまして、処遇改善をしないと人材確保は極めて困難であるという状況をぜひ強調させていただきたいと思っています。2つ目、医師等の働き方改革が進んでおり、心身ともに健康に働き続ける環境を整備することが重要であるということを記載いただいておって、まさにそのとおりだと思っています。この中で、タスク・シェア/タスク・シフティングやチーム医療の推進がますます重要であるということが記載されております。ただ、これに携わる医療従事者の処遇改善を図っていかないと、賃金が安過ぎるということで、なかなかタスク・シェア/タスク・シフティングが進まないということです。特に最近では看護師の確保すら困難になってきているということなので、病院薬剤師や看護補助者などの確保も含めて、きちんとした処遇改善のための診療報酬改定をぜひお願いします。入院基本料の増額をぜひお願いしたいと思います。また、医師について時間外労働の上限規制が適用される予定になっておりますので、各病院が準備をしているわけでありますけれども、同規制の適用以降も、引き続き、総合的な医療提供体制改革の進展の状況、医療の安全や地域医療の確保、患者さんや保険者の視点を踏まえながら、診療報酬の対応がより実効性のあるものとなるよう対応する検討する必要があると記載されておりますので、ぜひこのとおりに進めていただければと思っております。
 「(2)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」の欄、この具体的な方向性の例についてであります。「医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進」はまさにそのとおりで、医療はDXは進めるべきであると思います。ただ、非常に多額な費用がかかるということで、これが病院の経営の圧迫にならないようにぜひ御考慮と御支援をお願いしたいと思っています。4つ目の丸のところで、高齢者施設と医療機関の連携を強化すると記載されていますが、最近、高齢者施設では、ACPでこれ以上の医療を望まないという同意が取れているにもかかわらず患者さんが救急車で搬送されるということも結構あるということでございます。適切にACPをきちんと推進していただくということもぜひお願いしたいと思っています。
 「(3)安心・安全で質の高い医療の推進」の具体的方向性についてであります。2つ目の丸、人生の最終段階における医療・ケアを充実させる等の取組を推進するということで、ここについても地域でのACPをもっと推進していくことをぜひお願いしたいと思います。施設入所者の方でACPが取れているにもかかわらず救急搬送されるということもやはり見受けられますので、引き続き、ACPを進めていただくことをお願いしたいと思っています。4つ目の丸のところで、重点的な対応が求められる分野の適切な評価です。8ページの2つ目の丸であります。人口減少は地域ごとに大きな差があってむしろ人口が増えている地域もあること、総人口が増えている地域では救急車がむしろ増加しているということで、ぜひ地域の実情に合った対応にしていただければと思っております。7つ目の丸のところで、病院薬剤師の業務を適切に評価してほしいということでございます。特に救急入院や手術の前後におきましては、病院薬剤師は、医療安全上、極めて重要な役割を果たしておるということでございます。病院薬剤師に対する評価、確保ができるような処遇改善をぜひお願いしたいということでございます。
 最後に、「3.将来を見据えた課題」でございます。丸の4つとも、非常に重要なことが記載されておるわけでございます。医療機関の連携や在宅の支援など、非常に重要なことばかりですので、国民がきちんと理解できるような形で国にきちんと説明していただきたい。ぜひお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 会場の方で、ほかにございますか。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 今、泉委員から御説明があった点に関しましては、私も全く同意見でございます。特に医療DXでの病院の負担は非常に大きなもので、今後、医療DXを進めるに当たっては、診療報酬上の対応でどういう対応をするのか、はっきりとしていただいて、我々が現場で医療DXが進められるよう、ぜひともお願いしたいと思います。
 また、資料でいきますと、資料1-2の8ページです。前回お願いしました、2つ目の丸のポツの1つ目、「高齢者の救急医療の充実及び適切な搬送の促進」は本当に大事なことだと思っております。高齢者の救急に関しましては、生死に関わる急変となる可能性が高く、トリアージを含めた判断が重要とされ、同時に、基本的には重症としての対応が必要であるということをぜひとも認識していただいて、今後、ぜひとも対応いただけるようよろしくお願いしたいと思います。
 資料全体では、概要の中ではっきりと明記されていなかったのですが、どういう判断でこの概要の中で高齢者救急に関する記述が入っていないのか、教えていただきたいと思っております。
 よろしくお願いします。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 今、ポンチ絵、資料1-1で概要をお示ししてございますけれども、下の箱の中、「改定の基本的視点と具体的方向性」に丸で打ってございます部分は、本文の丸で記載されている部分について抜き書きをさせていただいております。今加納委員から御指摘いただいた高齢者の救急医療の充実の部分については、丸の下の黒ポツの部分で記載をさせていただいている部分でございますので、全体バランスの中でそのような記載にさせていただいているということで御理解いただければと思います。
○加納委員 よろしくご理解お願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ほかにございますか。
 それでは、後であればまた戻りたいと思いますので、オンラインに移りたいと思います。
 それでは、都竹委員、お願いいたします。
○都竹委員 ありがとうございます。
 大変よくまとめていただいておりまして、内容につきまして、意見は特段ございません。
 ただ、今回が最後の取りまとめとなるということですので、次の診療報酬改定の申し送り的な意味も含めて、1つ、申し上げておきたいと思います。
 11ページの「3.将来を見据えた課題」、丸の1つ目であります。ここに「国や地方自治体の補助金等の予算措置などにより社会保障が支えられていることを踏まえ」と記載いただいたわけでありますが、この地方自治体の補助金の実態はあまり知られていないのではないかと思っております。結構いろいろなことが行われておりまして、例えば、不足している診療科の確保・維持に対して、補助金が投じられる、しかも巨額な補助金が投じられる例はたくさんございます。例えば、産科医の確保でありますが、当市のある岐阜県飛騨地域でも、中核病院の産科の維持に、年間3000万、地元自治体で負担をしております。また、地元の中核病院の高度医療機器にも相当な補助をしている例は全国にもたくさんございますし、僻地においては一般の診療所に対しての補助もあって、これも当市の例ですが、民間診療所の人工透析装置の更新などにも補助を行っている例もございます。それに加えまして、補助金ではないのですが、同様の形で使われているものが大学の寄附講座であります。実質的には医師確保のために取り組まれているということで、多くの自治体が取り組んでいるわけでありますけれども、年間の拠出額が数千万規模というものが非常に多い。さらに、もちろん自治体病院に対しては自治体からの繰り出しというものもあるということなのです。これに対して、どの自治体も大変苦労しています。今回、このように書いていただいておるわけでありますが、ぜひ皆さんに御理解いただきたいと思うのは、当たり前のことではないということです。財源は各自治体が本当に苦労に苦労を重ねて捻出しておりますし、特に財政力の弱い自治体では手が出せないという実態もあって、それが医療機関の地域間格差につながるというケースも現実にございます。したがって、本来、国全体であまねく必要とされる医療では、診療報酬で手当をされる、あるいは、もし無理であるならば、国でしっかりとこうした補助金に対する財源の措置をしていただく必要があるということを、この際、皆さんに御認識いただきたいとお願い申し上げて、この最終の取りまとめに当たっての私からの意見とさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。実態を御報告いただいたということです。
 それでは、藤田委員、お願いいたします。
○藤田委員 ありがとうございます。歯科医師会の藤田でございます。
 本日提出をされている「令和6年度診療報酬改定の基本方針(案)」につきましては、「1.改定に当たっての基本認識」、「2.改定の基本的視点と具体的方向性」に関して、これまで議論されてきたことや重点項目がおおむね網羅されていると認識しており、事務局案に賛同いたします。厚労省を含め、関係各位の御尽力に感謝を申し上げます。資料1-2の11ページに示されております「3.将来を見据えた課題」に記載のある4つの課題にも十分留意をしながら、この基本方針に沿った取組が確実に推進されるよう要望いたします。
 また、前回と重複いたしますけれども、歯科診療所の歯科衛生士等の賃金確保を強く要望いたします。
 私からは、以上となります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、井伊委員、お願いいたします。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の井伊でございます。
 今回お示しいただきました診療報酬改定の基本方針(案)に異論はございません。これでよろしいと考えております。
 私からは、賃上げに関して、1点、コメントをしたいと思います。前回も発言いたしましたが、他産業への人口流出が懸念される中で、全ての医療関連職種の賃上げは大変重要だと考えています。その上で、4ページ目に、看護師の賃金について、記載がございます。看護師の賃金は全産業平均より上ということが読み取れる記載になっておりますが、これは夜勤手当を含んでのことです。それを考えますと、ベースとしての給与は決して高い水準ではなく、私どもでは労働に見合ったものではないと考えています。また、看護師の賃金は、経験を積んでも、あまり上がりません。30代後半は一般産業を下回ります。年齢を追うごとにその差は広がって、40代前半では一般産業よりも月額で7万円以上低く、40代になりますと月額で約10万円低くなるのが現状です。人材流出が懸念される状況があることを、重ねて申し上げたいと思います。これも前回にも申し上げましたが、看護職員処遇改善評価料が前回の診療報酬改定で設けられましたが、看護職の3分の2に当たる約100万人はその対象になっておりません。看護師の処遇改善はまだ道半ばと考えています。夜勤の負担も大きく、責任の重さということにおいて、年代によっては全産業平均よりも賃金が低いという状況は改善していく必要があるということをぜひ御理解いただきたいと考えております。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。看護職員の給与の実態について、御説明いただきました。
 お待たせしました。井上委員、お願いいたします。
○井上委員 ありがとうございます。
 今回の基本方針につきましては、異論はございません。経済界の立場から、今後の報酬改定に臨むに当たって、一言、申し上げさせていただきたいと思います。
 現在、経済界では、成長と分配の好循環ということで、30年ぶりのこのデフレからの脱却を目指して、本年度、賃上げをいたしましたけれども、来年度、それよりも強く賃上げを呼びかけていくつもりで活動しているところでございます。ただし、賃上げだけでは経済の好循環は回らないと考えております。何が足りないかというと、将来不安の払拭。それによって、賃上げしたものが貯蓄ではなくて消費に回って、さらに新たな需要が生まれて経済へ拡大していくという好循環をつくっていかなければならないと考えております。そのためには、将来不安をなくすための全世代型社会保障改革の構築が急務で、ここに書いてあるとおりでございます。その経済が回り出せば社会保障制度自体も安定していくという循環を回していかなくてはならないと思っております。したがいまして、今回、この基本方針にお示しいただきました中にもございましたけれども、診療報酬改定に当たっても、中長期的な視点からこの改定がどういう位置づけにあるのかということを常に念頭に置きながら、国民の皆様の理解を得ながら、進めていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、平川参考人、お願いいたします。
○平川参考人 日本精神科病院協会の平川と申します。今日は、代理で参加させていただきます。
 今の基本方針の概要につきましては、当協会としても、賛成いたします。
 ただ、4ページ目の丸のうち、先ほど井伊委員からもございましたけれども、病院、医療機関には、いろいろな職種の方がいらっしゃいます。看護助手ばかりではない。看護師も、薬剤師も、もちろんドクターも、事務員も、いろいろな職種がございます。看護補助者だけにスポットを当てた形で人件費を上げるような施策にならないように、入院基本料や特定入院料という形で、全体の底上げをぜひお願いしたいと思います。今般、最低賃金などの問題で賃金の見直しをしておりますが、初任給などで最低賃金に引っかかってしまう職員もいるほど、医療・病院に関わる職種の給料は安い状態が続いています。この辺の方の処遇改善を今回の改定でぜひお願いしたいと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、中原参考人、お願いいたします。
○中原参考人 ありがとうございます。
 今回提示された基本方針(案)について、これまでの本部会での議論を踏まえた内容となっており、賛同いたします。
 全国知事会としてこれまで求めてきたところですが、物価高騰、人材確保、新興感染症への対応、医療DXの取組について、従来の診療報酬だけでは十分な対応が難しい状況であることを踏まえ、今回の診療報酬改定において適切な評価が実施されるよう、重ねてお願いいたします。
 私からは、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 お待たせしました。木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 ありがとうございます。
 今回の案については、いずれも必要な事項が全て網羅されており、異論はありません。
 その上で、重点課題である1番について、私もコメントをさせていただきたいと思います。平川参考人の先ほどの意見に私も全く賛成で、看護助手などの特定の職種だけではなく、人材確保のためには、全ての医療関係職種において、ほかの産業に決して後れを取らないように、必要な待遇改善を行う必要があります。勤務医におきましても、責任が大きい分、給与のベースが高めのため、上げる必要などないと思われがちですが、医師の給与は、このところ、実はほとんど上がってきていません。特に夜間・休日におきまして救急対応している人は、負担の大きい仕事をしていますけれども、宿日直だから、寝ていることが前提だから、安くていいよねとか、自己研さんだから、この仕事はただでいいよねということで、働き方改革によってむしろ報酬が悪化してしまうこともとても心配されます。夜も寝ないで頑張って命に関わる仕事をしているスタッフに貢献に応じた待遇をしていただかないと、担い手がいなくなって、結局、困るのは患者さんや住民です。近年、若手に限らず、自由診療に進む医師が目立ってきており、私の周囲でも1人や2人ではありません。せっかく苦労して育てた医師、現場で活躍していただけるはずだった医師たちが、保険診療に見切りをつけて、美容などの自由診療に転向しています。自由診療もこのところは過当競争となりつつありますので、例えば、糖尿病の治療薬をダイエット目的に販売するなどによって、その薬が本当に必要な方に回らない、健康な人への不適切な使用で健康被害が出るなど、大きな問題です。これまでの部会でも、山崎委員からも意見が出ましたけれども、特に大学病院の医師の待遇改善は大変重要であります。大学では、診療はもちろん、教育・研究活動、次世代の医療者を育てる、医療の未来、イノベーションにつながる研究といった、極めて大切な仕事を担っています。ただ、時間外における教育や研究に関しましては、自己研さんとされているところも多くて、時間外をつけられてももともとお金が出せないという事情もあるのかもしれませんけれども、大学病院から医師が流出してしまうことを非常に危惧します。これは診療報酬だけの問題ではありませんので、教育にかける全体の予算も含めて、国として適切な予算配分をしっかりと行って、大学病院をしっかりと守る取組を進めていただくことをぜひ要望したいと思います。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、こちらから行きましょうか。荻野委員、お願いいたします。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
 私からも、基本方針について異存はございませんということを、まず、申し上げさせていただきます。
 その上で、薬局や薬剤師について、意見として申し上げました事項を盛り込んでいただき、御礼を申し上げます。
 医薬品の安定供給についても記載いただいておりますけれども、現場では、処方医と連携しながら、様々な対応を行っているところであります。医薬品の長期収載品の保険給付の在り方の見直しに関しまして議論が進んでいるところでありますけれども、そもそも安定供給が担保されていることが大前提であると申し上げたいと思います。そうした事項への対応も引き続きお願いしたいと存じます。
 私からは、以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。神野でございます。
 3点あります。
 まず、1つ目です。6ページの一番上、リハビリテーションのところです。これまでも、「早期からの取組の評価」ということで、極めて高齢者が増えているあるいは要介護者の入院が増えていることを考えると、早期のリハビリは大事であります。今回、あえて「より」を入れたということは、それなりに「より早期」に関して見ていただけるということになるかと思います。恐らく、「より早期」にやるとするならば、それなりの人員も必要でありますし、まさに入院初日あるいは翌日からリハビリをやることに対して、より高い評価をいただかなければいけないということになるかと思います。
 2番目でございます。8ページであります。先ほど加納委員がおっしゃった、上から2つ目の丸、高齢者救急の話でありますけれども、ここでいう「適切な搬送」は、救急搬送時と、下りと呼ばれています救急処置が終わった後のほかの機能のところとの役割分担と関係していると思います。その辺のところはこの「適切な」に入っているのだとは思います。発言しておきますので、きちんと議事録に残していただきたいと思います。
 3つ目であります。先ほど、都竹委員から、地方自治体が大変だというお話を伺いました。過疎地や地方で医療を続けていくためにはそれなりの補助金等々がたくさん必要であることは、やむを得ないことかと思います。一方で、今、総務省から公的病院に対して約8000億の繰入金が出ているわけであります。それが本当の過疎地の医療あるいは周産期や小児といったお金のかかる医療に関しての費用であるならばよろしいのですけれども、運営交付金的なことで払われているとするならば、イコールフッティングといいますか、その地域でやっている医療の中身に対して、民間でも、DXあるいは仕組みを変えるとか、工夫、効率化を重ねて、歯を食いしばってやっている場合もいっぱいございますけれども、繰入金はいただけないということがあるわけであります。そういった意味では、もし財源としての8000億がこちらの診療報酬に入ってきたなら、それをきちんと適正に分けていただければと、必要な医療をやったところにはきちんとつけるといった形もあり得るのかなということを、あえて申し上げたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 まず、お示しいただいた基本方針(案)には異論はございません。
 その上で、一言、申し上げたいと思います。繰り返しになりますけれども、医療保険制度の安定性・持続可能性の向上は極めて重要であると認識しております。2025年を迎える今回の改定では、その効率化あるいは適正化の観点から、病床機能のさらなる分化・強化あるいは外来医療の最適化を推進して、過不足のない医療提供体制を実現する必要があると考えております。今後、中医協で改定の内容を具体化する際に、効率化や適正化の視点も強く意識した議論をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。医療保険制度の大前提になるわけですから、極めて重要であることは言うまでもないということであります。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、松田委員、お願いいたします。
○松田委員 松田でございます。
 先ほど木戸委員が言われたことは本当にそのとおりでありまして、大学病院の若手医師、助教の前、いわゆる専攻医と言われている人たちですけれども、その人たちの処遇改善をやらないと、恐らく地域医療が非常に大変なことなると思います。木戸委員の言葉を引き継ぐ形ですけれども、ぜひ大学病院の若手医師の処遇改善についてお願いしたいと思います。
 もう一点、最近、過疎地の病院・医療施設の見学をずっとしているのですけれども、今の専門医制度が地方への医師派遣を阻害しているところが少しあります。地方は、例えば、指導医がいても、施設基準を満たせない、症例数を満たせない、あるいは、患者さんがいても、指導医がいないということで、大学医局からの若手医師の派遣が難しくなっているところがあります。そういうところで、要するに、医師不足が非常に顕著になっています。そういう意味では、専門医制度も含めて、若手の医師が地方に回るような仕組みを考えていただけたらと思います。
 イコールフッティングに関しましては、神野委員が言われるとおりで、いわゆる諸外国、ドイツやフランスでは、公的な機能を果たしている病院に対しては、公民にかかわらず、同じように補助金が入る、性状での取扱いをするという対応をしています。我が国も、その設立母体が公的なのか民間なのかではなくて、その病院が地域で果たしている機能に対して補助金を入れるということを考えるべきかと思います。
 地域医療支援病院に関しましては、例えば、過疎地でありますと、いわゆる都市部の地域医療支援病院とほぼ同じ機能を果たしているにもかかわらず、外来等、いわゆる紹介・逆紹介というところを満たさないということで、地域医療支援病院にならない病院がかなりあります。そういう意味では、地域性を考慮して地域医療支援病院の在り方を考える必要があるかと思いました。
 全体の方針については、特に異見はございません。
 以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございます。現在起きている様々な課題を非常に包括的にお示しいただいたと思います。診療報酬以外のことも幾つか入っておりましたけれども、重要な御指摘をいただいたと思います。
 松原委員、お願いいたします。
○松原委員 私も、基本方針については、異論はございません。
 今後の在り方としまして、情報開示をしながら、対話をしながら、きちんと国民に理解を得る努力がますます重要だと考えております。この報酬改定のときに、厚労省以外から出てくるデータや解釈に間違いがあることが目立って散見されます。そういうデータを出すときには、これは私が毎回繰り返し申し上げていることですけれども、そのデータの見方もセットで示していかないと、不要な社会分断を引き起こすと思いますので、国民の理解を得るためにも、ぜひその見方を一緒に示すようにしていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 初めに、遅参し、申し訳ございません。
 今回、基本方針(案)について、異論ありません。
 その上で、重点課題となっている人材確保・働き方改革の推進を進めていただきたいと考えております。
 私からは、以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。ほかに御意見もないようでございますので、基本方針としての取りまとめを行いたいと思います。その際、社会保障審議会の医療保険部会においても基本方針の議論を行っておりますので、本日いただきました御意見と医療保険部会との調整も含めまして、様々ないただいた御意見がありますので、最終的な文言につきましては部会長一任という形にさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(首肯する委員あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。そのように対応させていただきたいと思います。
 本日の議題につきましてはこれまででございますが、ほかに、事務局から、何かございますか。
○医療政策企画官 事務局でございます。ありがとうございます。
 次回の医療部会の詳細につきましては、また決まり次第、御連絡させていただきたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきたいと思います。
 本日は、大変ありがとうございました。

(了)

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