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2023年11月1日 第103回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和5年11月1日(水)16:00~18:00

 

○場所     航空会館ビジネスフォーラム 7階 大ホール


○議事

○医療政策企画官 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第103回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、前回に引き続きまして、委員の先生方につきまして、あらかじめオンラインまたはここの現地会場での参加を選択の上で御出席をいただいております。
 本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀委員、都竹委員、野村委員より御欠席との連絡をいただいております。
 本部会の総委員数が24名、定足数8名となっておりまして、本日、21名の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、井伊委員より遅れての御参加である旨、御連絡をいただいております。
 次に、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。
 事前に議事次第、委員名簿、座席表に加えまして、資料1、それから参考資料の1-1、1-2、1-3を送付させていただいております。お手元にお願いいたします。
 では、以降の進行は、遠藤部会長にお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 皆様、こんにちは。本日もよろしくお願いいたします。
 まず初めに、欠席の内堀委員の代理としまして玉川参考人、福島県保健福祉部次長(健康衛生担当)の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 令和6年度診療報酬改定の基本方針について、これについて事務局から説明をお願いしたいと思います。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 資料1「令和6年度診療報酬改定に向けた基本認識、基本的視点、具体的方向性について」の資料を御説明させていただきます。
 1ページを御覧いただきたいと思います。
 1ページから2ページにかけまして「改定に当たっての基本認識について」ということで、4つの項目を立ててございます。
 前回9月29日の部会におきまして、この基本認識について、4つの例を掲げて御議論をいただきました。
 そこで委員の先生方から様々御指摘をいただきましたので、それを踏まえた形で、この4つの項目について、関係性も含めて分かるように文章を書き足したのが、この基本認識の案ということでございます。
 まず、1つ目の柱が「物価高騰・賃金上昇、経営の状況、人材確保の必要性、患者負担・保険料負担の影響を踏まえた対応」ということでございます。
 1つ目の○のところで、現下の物価高騰の状況、30年ぶりの高水準となる賃上げの状況が、サービス提供や人材確保にも大きな影響を与えており、機動的な対応が必要であること。
 その上で2つ目の○でございますが、令和6年度の改定では、物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者が必要なサービスが受けられるよう、対応が必要である旨を最初の認識として掲げてございます。
 2つ目が「全世代型社会保障の実現や、医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症等への対応など医療を取り巻く課題への対応」ということでございます。
 1つ目の○は、75歳以上人口の増加と、生産年齢人口の減少という人口構造の変化の中、健康寿命の延伸により、高齢者をはじめとする意欲のある方々が役割を持ち、活躍のできる社会を実現し、全世代型社会保障を構築することが急務の課題であること。
 2つ目の○では、令和6年度の改定は、6年に一度の診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定であり、ポスト2025年のあるべき姿を見据えた各サービスの連携が重要であること。
 また、3つ目の○では、新興感染症等に対応できる医療提供体制を構築することをはじめとして、引き続き、質の高い効率的・効果的な医療提供体制の構築に向けた取組を着実に進める必要があること。
 こうした直近の医療を取り巻く課題について掲げております。
 2ページに進んでいただきまして、3つ目は「医療DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現」でございます。
 1つ目の○で、医療情報の利活用が個人の健康増進、医療現場の業務効率化、質の高い医療を行っていく上で非常に重要であり、医療DXを推進することで、地域医療連携の円滑化、個々の医療機関等の負担軽減を図り、安心・安全で質の高い医療サービスを実現していく必要がある旨を記載しております。
 2つ目の○でございますが、新型コロナにより、医薬品等の存在意義や創薬力の重要性が改めて注目されました。イノベーションの推進により、創薬力・開発力を維持・強化するとともに、革新的医薬品を含めたあらゆる医薬品等を国民に安定的に供給し続けるということを述べてございます。
 4つ目の基本認識が「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」でございます。
 国民皆保険を堅持するため、経済・財政との調和を図りつつ、より効率的・効果的な医療政策を実現する。
 具体的には、骨太方針あるいは成長戦略なども踏まえつつ、対応していくといったことを書いてございます。
 3ページからは「改定の基本的視点について」ということでございます。
 前回9月29日の部会では、4つの例をお示しして御議論いただきました。
 この4つの例を今回の改定の基本的視点としてはどうかと考えております。
 また、前回の議論の際、医療分野における人材確保の重要性について、多くの御指摘をいただきましたので、現下の雇用情勢を踏まえた人材確保、働き方改革等の推進を重点課題としてはどうかと考えております。
 それぞれについて御説明いたします。
 4ページにお進みいただきたいと思います。
 「視点1 現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」でございます。
 最初に、この視点の考え方を書いてございます。
 1つ目の○では、今年の春闘などを通じて賃上げが行われているものの、医療分野では賃上げが他の産業に追いついていない状況であり、医療分野における人材確保の状況が厳しいこと。
 その上で、2つ目の○ですけれども、必要な処遇改善等を通じて医療現場を支えている医療従事者の人材確保のための取組を進めることが急務であり、その際、特に医師、歯科医師、薬剤師及び看護師以外の医療従事者の賃金の平均が全産業平均を下回っていることや、このうち看護補助者については、介護職員の平均よりも下回っていることに留意した対応が必要であることを書いてございます。
 3つ目の○では、これまでも様々な取組を進めてきた働き方改革について、2024年4月から、医師の時間外労働の上限規制が適用される中、引き続き進めていく必要性について記載しています。
 その下の箱の「考えられる具体的方向性の例」でございますが、各委員からの御指摘を踏まえまして、前回の部会から追加した部分を中心に御紹介したいと思います。
 2つ目の○でございますが「働き方改革に向けての取組の推進」。この下にある4つの黒いポツで打ってある文章を追加してございます。
 5ページにお進みをいただきたいと思います。
 「視点2 ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」です。
 1つ目の○では、2025年以降も、人口減少、高齢化が進む中、質の高い医療を適切に受けられるよう、介護サービス等と連携しつつ、切れ目のない提供体制が確保されることが重要であること。
 2つ目の○では、そのためにも、医療DXを推進し、医療機能の分化・強化、連携を着実に進めることが必要であることを記載してございます。
 「考えられる具体的方向性の例」といたしましては、下から4つ目の○でございますけれども「外来医療の機能分化・強化等」、そして一番下の○でございますが「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」の項目を追加したほか、黒ポツを加筆修正してございます。
 また、下から2つ目の○でございますけれども「かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価」、この項目につきまして、前回の部会で、これが何を指すのか整理するよう、お求めがございました。
 この点につきましては、先般の法改正を受けて、医政局の検討会において議論を行っている、かかりつけ機能ではなく、従来から診療報酬において評価している機能の評価を想定しているものでございます。
 したがいまして、令和4年度の前回の基本方針で用いた、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の機能の評価という表現と同じ記載にしてございます。
 6ページにお進みください。
 「視点3 安心・安全で質の高い医療の推進」でございます。
 1つ目の○では、食材料費をはじめとする物価高騰を踏まえつつ、患者にとって必要な質の高い医療を確保する取組を進めること。
 2つ目の○では、患者の安心・安全を確保しつつ、医療技術の進展等を踏まえ、イノベーションを推進し、新たなニーズにも対応できる医療の実現に資する取組の評価を進めることを記載しております。
 「考えられる具体的方向性の例」といたしましては、上から2つ目の○でございますが、患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価。
 下から2つ目の○でございますが「生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理および重症化予防の取組推進」。
 7ページに続きまして、上から2つ目の○でございますが「地域の患者・住民のニーズに対応した機能を有する医薬品供給拠点としての役割の評価」、こうした項目を追加したほか、黒ポツを追記してございます。
 最後に8ページでございます。
 「視点4 効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」です。
 1つ目の○でございますが、医療費が増大していくことが見込まれる中、国民皆保険を維持するため、制度の安定性・持続可能性を高める不断の取組が必要であり、2つ目の○でございますが、医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上を図るとともに、効率化・適正化を図ることが求められる旨を記載しております。
 「考えられる具体的方向性の例」としては、下から3つ目の○ですけれども「医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進(再掲)」。
 その下の○ですけれども「患者の状態及び必要と考えられる医療機能に応じた入院医療の評価(再掲)」。
 その下の○ですが「外来医療の機能分化・強化等(再掲)」。
 9ページに続きまして、一番上の○でございますが「生活習慣病の増加等に対応する効果的・効率的な疾病管理および重症化予防の取組推進(再掲)」。
 その下の○でございますが「医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用等の推進」。こうした項目を追加したほか、黒ポツについて追記をしてございます。
 また、参考資料1-1といたしまして、前回の医療保険部会における各委員の発言要旨、参考資料1-2といたしまして、前回の医療部会における各委員の発言要旨、参考資料1-3として、医療を取り巻く状況等について参考資料をおつけしてございます。
 本日も各委員の先生方から幅広い御意見をいただきながら、さらに肉づけ・修正の作業をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からの説明は以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明のあった内容につきまして、御意見、御質問等あれば承りたいと思います。いかがでございましょう。
 泉委員、どうぞ。
○泉委員 ありがとございます。泉でございます。
 最初に質問をさせていただきたいのですが、本日、参考資料1-3として配られたものの中で、9ページとか10ページに、コロナ特例を除いても1人当たりの医療費が増加しているという棒グラフが示されております。
 ただ、病院で見てまいりますと、この増加分というのは、ほとんど高額薬剤費なのです。生物製剤とか抗がん剤なのですけれども、これが除外された数字なのか、あるいは含んだ数字なのかということをお伺いしたいのですけれども。
○遠藤部会長 医療課長、どうぞ。
○保険局医療課長 医療課長でございます。
 お尋ねは、参考資料1-3のページ数で申し上げると、8ページから11ページの中のコロナ特例分が何を含むのかというお尋ねでございました。
 こちらは、診療報酬上の特例扱いをしていて、例えば、入院ですと入院料を数倍していたり、外来も様々加算を設けていたりというものがございます。それを足し合わせたものということでございます。
○泉委員 つまり薬剤費も入っているということですね。
○保険局医療課長 特例では入っていないと思います。いわゆる特例で、診療報酬を何倍かするといったものを集計しているものでございまして、特例ではないものに関しましては、通常の医療としてカウントしております。
 もう一つお尋ねいただいた薬剤費は、これは、負担はございませんでした。これは保険給付してございませんので、これは、この中には入ってございません。ここは、保険診療の中で支払ったものを集計しておりまして、保険外のものに関しては、ここには集計されていないものでございます。
○泉委員 いやいや、保険の中で、高額な抗がん剤は保険で支払っていますね。
○保険局医療課長 そのとおりです。
○泉委員 入っているかどうかということを、ぜひ示していただいて、これは、ほとんど病院に残らないので、医療費としてはかかるかもしれないけれども、病院の収益にはなっていないということをきちんと示していただきたいということです。
 その上で御意見を申し上げさせていただきます。
 今、御指摘のように、近年まれに見ぬ水道光熱費とか診療材料を含む物価の高騰、それから30年ぶりとなる賃金が上がっているということで、非常に病院も経営に苦しんでいるということでございます。
 国民が安心できる病院の運営ができるような診療報酬体系を、ぜひ構築していただきたいということをお願いしたいと思います。
 今日の参考資料の1-3で、定期昇給で3.58%という数字が示されております。総理大臣が賃上げをするようにということを要請しているわけですけれども、病院の職員は、その原資になる診療報酬がないと賃上げをすることができないということでございますので、この3.58%、今年が幾らになるか分かりませんけれども、これがちゃんと対応できるような数値にしていただきたいことをお願いしたいということであります。
 それから、改定の基本方針の視点の1について、これは、重要課題と書いていただいておりますが、まさに重要課題と考えております。
 参考資料1-3の13ページにも、これもほかの職種では、医療分野では賃上げが追いついていないということが示されておるわけであります。
 ですから、ここで非常にほかの分野よりも賃上げが追いついていないということは、病院というのは、やはり人が非常に重要ですので、確保できないと大変なことになるということでございます。
 特に夜間勤務があるということ、それから、土、日、祝日の勤務があるということで、勤務が不規則ということが大きな特徴でございますので、他業種に人材が流出していて、病院の機能を維持するということは、非常に困難になっているという現状がございます。
 特に看護補助者の賃金が介護職員よりも低いということが、看護補助者の確保が非常に困難になっているということが、大きな問題となっているということを御留意いただきたいと思っています。
 それから、病院の薬剤師というのが、やはり夜間勤務がございますので、調剤薬局よりも非常に勤務形態が厳しいという状況になっています。
 したがいまして、病院の薬剤師の確保が極めて困難になっているということでございます。夜間救急であるとか、夜間の入院ですね、これは病院の薬剤師の役目が非常に大きいわけですし、それから手術の際に安全に医療を行うことに支障を来さないように、病院薬剤師の処遇改善ということを十分に配慮していただきたいということをお願いしたいと思っています。
 病院の薬剤師というのは、医師の働き方改革に伴うタスク・シフト、タスク・シェアに非常に重要な要素であるということを申し上げたいと思いますので、ぜひ処遇改善をお願いしたいという点でございます。
 それから、視点の2についてでございます。病院の中の電子カルテというのは、病院が支払って、病院が電子カルテを更新するということはやっているわけですが、地域連携システムの構築であるとか、医療機関の連携とか、及び介護サービス連携ということが、これは、地域ごとにシステムが違って、ほかの地域に行ったら使えないということであると非常に困るので、やはり国が主導して、インフラ整備をしていただきたいということを、ぜひお願いしたいと思っています。
 それから、視点の3についてであります。「安心・安全で質の高い医療の推進」として、○の1番として挙げていただいているのですが、これは食材だけではなくて、水道・光熱費、診療材料も大幅に高騰しているということなので、食材だけ強調することではなくて、全てが高騰しているということを御考慮いただきたいと思います。
 それから、○の4番ですけれども、周産期医療についても、最近、分娩年齢が上がってきているということで、分娩年齢が上がると、合併症が多くて緊急入院をされたりとか、緊急帝王切開が非常に多くなってきているということです。緊急輸血も必要になるということですので、我が国の出生数を減らさないためにも、きちんと訓練を受けた助産師とか検査技師などの配置が必要だということなので、やはり分娩数に合わせて、分娩数を増やすような方向で、きちんと安心して分娩を受ける体制をつくっていただきたいと考えています。
 それから、救急医療が、やはりだんだん高齢者が増えるに従って、救急車が増えてきているわけですが、医師の働き方改革ということをやらなければいけないので、タスク・シフト、タクス・シェアが極めて重要だということになってきているわけであります。
 そこで、やはり病院薬剤師の役割というのは極めて重要だと思いますので、ぜひ病院薬剤師の処遇改善を行って、人員の確保ということが急務だと思っております。
 それから、がん医療についても、この部分で書いていただいていますが、質の高いがん医療を提供するためには、やはり術前、術後、これも病院薬剤師の役割は極めて大きいと思いますので、ぜひ病院の薬剤師に対する評価も、今回含んでいただきたいと、ぜひ配慮をお願いしたいということでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、山口委員、その後、オンラインに移りたいと思います。
 では、山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。4点ほど意見と、質問をしたいと思います。
 まず、資料1の5ページの視点の2のところですけれども、枠囲みの○の上から4つ目です。増加する高齢者急性期医療と書かれていますけれども、今、高齢者の急性期医療の中で複雑系と言われるような患者さんが増えていて、急性期から次に受け入れてくれるところがなかなか見つからないと、そういった御相談が私たちのところにも結構届きます。
 特に急性期の次の段階で、複雑系と言われるような患者さんであっても、しっかり受け入れられるような、そういう医療機関の確保が、これから高齢者がますます増えていく中で必要になってくると思いますので、そういった質の確保と連携ということにも、やはり力を入れていただきたいというのが1点目です。
 2つ目として、次の6ページの「視点3 安心・安全で質の高い医療の推進」の上から2つ目の○の黒ポツの下のほう、人生の最終段階における医療・ケアの充実、この中にACP、Advance Care Planningが入ってくると思うのですけれども、こういった項目について、具体的にどのようなことを評価することを想定されているのかということをお尋ねしたいと、これは質問でございます。
 というのも、例えばACPであれば、医療者が取り組むだけでは内容を伴ったACPにならなくて、やはり、まずは国民が、その必要性であったり、どういったことを自分たちが考えないといけないのかという、そういった理解と納得が不可欠ではないかと思っていますので、そんなことも含めた充実をしていく必要があるのではないかなと思って、質問したいと思いました。
 3点目としまして、8ページの一番上の○のところで、視点4ですけれども、後発医薬品についての安定供給と書かれていますけれども、ジェネリックの後発医薬品の割合を8割ということを目指してやってきた中で、ジェネリックを製造している会社が、生産することに力を入れていて、それが止まってしまったときに、今の供給が不安定という問題が起きていますので、ぜひそういった不安定なことが生じた背景を反省した上での取組を進めていって、ジェネリックのシェアを増やすのであれば、やはり安定した供給ができるような、そういう体制も同時に伴っていかないといけないのではないかと思います。
 最後に9ページのところで、医師、特に病院薬剤師と薬局薬剤師の協働というのが2つ目に書かれています。
 例えば、患者が入院するときには、持参薬を持っていって、日頃服用している薬が、入院するときには病院側にしっかりと情報の提供がされます。ところが、入院中の薬物療法を経て退院するときに、そこで情報がぷつりと途絶えてしまう。そのことによって、病院と薬局との連携がなかなかできていない現状があって、薬局薬剤師が本来の役割を果たし切れていないという面があると思っています。
 一部抗がん剤で、病院から薬局に情報提供することに対しての点数は、数年前に出てきたと思いますけれども、もう少ししっかりと、薬薬連携ということ、情報の連携ということができるような、そういったシステムというか、取組につながるような、そういう診療報酬ということも必要ではないかと思いますので、ぜひお考えいただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 4つの点でコメントをいただきました。1つが質問でありますので、まずは質問にお答えいただきたいと思います。ACPに関しての問題です。
 ほかの御意見のところにも、もしコメントがあるようでしたら、コメントをしていただいても結構でございます。よろしくお願いいたします。
○保険局医療介護連携政策課長 まず、質問についてお答えをさせていただきたいと思います。
 御質問は、視点3の中にあります「人生の最終段階における医療・ケアの充実」についての御質問でございました。
 具体的な改定の中で、どういう評価をしていくのかということについては、また、中医協のほうで当然御議論をいただくお話だと理解しておりますけれども、今、現行の診療報酬におきましても、地域包括ケア病棟でありますとか、あるいは在宅療養支援診療所等におきまして、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインを踏まえた評価を、既に行っていると承知してございます。
 また、今回同時改定に当たりまして、中医協と、それから介護給付費分科会の委員の先生方に、合同で意見交換会も開催をさせていただいておりまして、その中でもテーマの1つとされた経緯がございますので、重要な施策であると認識をして、今回記載を提案させていただいたという趣旨でございます。
 あと、御意見にわたる部分については、また、それを踏まえて、この基本方針の案の策定に当たって、検討させていただきたいと思っております。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 山口委員、よろしゅうございますか。
○山口委員 はい、ぜひACPのところは、ガイドラインというのは、医療者が何をするかというところに視点が置かれてしまいますけれども、しっかりと患者に対して情報提供するということを踏まえるような、そういう中身になるような、何か働きかけというか、項目にしていただければと思いますので、ぜひお願いいたします。
○遠藤部会長 それでは、お待たせしました、オンラインに移りたいと思います。
 山崎學委員、よろしくお願いいたします。
○山崎學委員 ありがとうございます。
 まず、具体的方向性についての視点1なのですが、次回の診療報酬改定は、来年度の4月から行われる働き方改革とかぶっているわけですね。働き方改革で、今、非常に問題になっているのは、大学病院の医師の給与が非常に安いということです。それで働き方改革によって、出張病院へのアルバイトが制限されてしまうと、本当に大学病院で働いて生活できない程度の給料しか支払われていないということが大きな問題だと思います。
 そういう状態の中で、中堅の医師が大学病院に見切りをつけてしまって、開業してしまったり、あるいは民間病院に移って、非常に大学病院のスタッフが今少なくなっています。
 こうした環境のなかで大学病院は、診療と研究と教育と3本立てで少ないスタッフでやらなければいけないということで、医学教育の根本が揺らいでいるという現実を、私は指摘したいと思っております。
 したがって、今回の診療報酬改定でも、大学病院に勤務する医師に、きちんと大学病院の給料で生活できる給料を支給することを特に考えていただきたいと思います。
 次は、視点2ですが、地域包括ケア病棟というのは、一般科ではありますが、精神科にはありません。精神科でも、短期入院で退院していっても、なかなかうまく社会に適応できなくて、また、急性増悪して入院して来るという回転ドアみたいな患者さんがかなりいるわけで、そういう患者さんに対応するための精神科地域包括ケア病棟というのを、今回の診療報酬で提案しておりますので、この精神科版の地域包括ケア病棟を今回の診療報酬の中にぜひ入れていただきたいと思います。
 また、視点3の「安心・安全で質の高い医療の推進」のところですが、高齢化に伴って、準夜、深夜の救急対応を地域でどのようにしていくかというのは、これから物すごく大きな問題になってくると考えています。
 例えば、従来の大学病院でもスタッフが少なくなって、各科当直で救急外来に対応していたのが、結局、各科当直で救急外来に対応できなくて、3つか4つの科でもって1つの当直に対応するといった、準夜、深夜の救急外来が非常に縮小してきています。
 そうすると、何か専門外来に特化したような患者さんが、救急外来で診てもらえないという問題が起きてくると思います。
 また、精神科の場合でも、最近、非常に大きな病院からの紹介があるのは、末期がんの患者さんが興奮して暴れているので何とかしてほしいとか、あるいは認知症の患者さんが、台所で包丁を振り回しているから何とかしてほしいとか、がんの患者さんとか、あるいは認知症の患者さんの行動障害の患者さんの事例というのが非常に増えています。
 そういう患者さんに対応できるような精神科の救急医療システムというのを、どう構築していくのかというのを考えなければいけないのかなと思っています。
 最後に視点4ですが、効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性という点に関しては、厚生労働省、国は、後発医薬品を使えという、キャンペーンをして、後発医薬品が大体80%ぐらいまでいったところで、今度、ジェネリックの薬が数千品目、現在、欠品になっているといった状態になっています。
 どうしてかというと、これがジェネリックの原料というのは、外国に全部依存しているからです。中国、フィリピン、イスラエル、インドといった国に原薬は依存していて、日本のジェネリックメーカーは、単に粉末を加工しているものだけなのです。
 したがって、その原薬から国内でつくるようなサプライチェーンをきちんとつくらないと、この問題というのは、いつまでたっても解決しないと思っています。
 厚生労働省の担当に、いつになったらジェネリックの欠品状態が改善するのかと言ったら、分かりませんと言うのですよ。分かりませんと言っている一方で、ジェネリックを使え、使えというのは、何かおかしいと思いませんか。
 いま、精神科の場合も非常に困るのは、ベースで使っている炭酸リチウムとか定型抗精神薬とか、あるいは抗うつ剤とか、あるいは、抗パーキンソン剤というのが、これがみんな欠品になってしまっている状態です。
 ほかの薬を使えと言っても、ほかの薬がないのです。したがって、早急にジェネリックを、原薬の製造から始めて長期に安定した形での生産体制を確立することが国の喫緊の課題であると思っております。
 ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、神野委員がお手を挙げておられますので、神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。神野でございます。
 前回の発言要旨ということで、参考資料の1-2につけていただきました。前回言ったことを、もう一回だけ同じことを言わせてください。
 それは、どういうことかというと、厚生労働省の医療経済実態調査で人件費を3%上げるということは、診療報酬で2.19%プラスに相当するということを前回申し上げました。これを、あえてもう一回言わせていただきたいと思います。
 さて、今、まさに医療と非医療のいろいろな産業との間の人材の取り合いでございます。病院の医療資格職だけではなくて、病院はチームとして非医療資格職もいるわけでありますけれども、これがどんどん取られています。あるいは先ほどありましたように、看護補助者あるいは介護からもどんどん取られているといったような状況にあります。
 そういった意味で、私は具体的な話をせずに、あえて物価高騰、雇用の話で少しマクロ的なお話をさせていただきたいと思います。
 どういうことかというと、物価が上がっているということは、消費税収は国にとっては増えている。賃金が上昇しているということは、所得税収あるいは保険料収入というのは増えているということになります。
 ここで、そういった国がいっているいろいろな収入、すなわち税金、あるいは保険料収入が上がっているということを好循環で回すということが必要になってくるわけです。好循環で回すということは診療報酬を上げていただいて、それを賃金に反映させるということです。ここで診療報酬を抑えるということになると、この好循環の輪が切れてしまうことになるということであります。
 そういった意味で、物価高騰と雇用ということを守るためにも、ぜひとも診療報酬は、ここで上げるということが必要になってくるのではないのかと思います。
 そして、恒久的な診療報酬アップということに対して警戒されるということも多々あるかと思います。ここであえて申し上げますけれども、例えば、航空運賃に対して燃料サーチャージといったものがあります。物価急上昇分を調整する機能といったものを導入するという考え方も、本部会とは関係ないかもしれませんけれども、ここで思い切ったことをやらないと大変なことになってしまうのではないのかと思うところでございます。
 この部会、あるいは今回の資料の中身に対するコメントを少し超えているかもしれませんけれども、ただ、こういったマクロ的なことを、やはりしっかり議論する必要があると思って話させていただきました。
 以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、藤田委員、続けてお願いいたします。
○藤田委員 日本歯科医師会の藤田でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、基本認識についてでございますけれども、ここに「現下の食材料費をはじめとする物価高騰の状況、30年ぶりの高水準となる賃上げの状況」と書かれてございます。これは、歯科医療機関においても物価高騰、賃金上昇への対応は喫緊の課題と考えておりますので、まず、冒頭に記載いただきましたことに感謝を申し上げます。
 一方で、歯科診療所では、食材料費はかかっていませんが、光熱水費や、日々の診療で使用する歯科材料費や医療機器の価格、さらに委託費等の価格も高騰しております。公定価格で診療を行う中で、これ以上の対応をするには限界があり、診療報酬による対応は必須であるということから、食材料費だけではなく、光熱水費なども明示的に記載をするべきではないかと考えております。
 4ページの視点1の2つ目の○には、看護師以外の医療従事者の賃金平均は、全産業平均を下回っているということが記載されておりますけれども、歯科においても歯科衛生士、歯科技工士の賃金は過去から低い状況が続いています。日本歯科医師会が独自に実施いたしました、物価高騰に関する調査の結果では、歯科診療所における物価高騰への対応として、人材確保の観点からも、スタッフ給与の増額は実施されている状況が伺えましたが、歯科衛生士の手当については、十分とは言えない状況でございます。
 また、既に給与の低さ等の問題から、歯科衛生士、歯科技工士が他業種に転職する事例も報告されており、歯科医療においても人材確保が難しい状況になっています。
 歯科衛生士、歯科技工士は国民の健康寿命延伸や、QOLの改善のために重要な口腔健康管理の推進にとっては欠かせない職種であり、歯科衛生士、歯科技工士の確保は、歯科における重点課題として認識しております。
 これ以上、歯科医療現場から人材の離脱が進まないようにするためには、歯科衛生士、歯科技工士の処遇改善は喫緊の課題と考えております。
 ほとんどが歯科診療所で提供されている歯科医療の実情を御理解いただき、適切な対応をお願いしたいと思います。
 視点2における、リハ、栄養、口腔の連携推進や、かかりつけ歯科医の機能や、視点3の口腔疾患の重症化予防や口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進については、資料に記載のとおり、確実に進めていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。歯科のお立場からの御意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。
 それでは、今度はリアルのほうで少しお願いしたいと思います。
 では、佐保委員、河本委員の順番でお願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 私からは、視点1、2、3について、それぞれ意見を申し上げます。
 まず、視点1の現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進について、具体的方向性の例に掲げられている医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組、働き方改革に向けての取組の推進は重要です。今回の改定で着実な前進を図ることができようにすべきと考えます。
 人材確保のためには、働きに見合った処遇改善が欠かせません。患者本位で質の高い医療の確保とともに、人材の面でも持続可能な医療提供体制の構築に向けて、看護職員をはじめ医療従事者全体の賃金、労働環境の改善につながる報酬改定としていくことが必要です。
 また、働き方改革としては、医療従事者の負担軽減や勤務間インターバル制度の導入などに資する体制整備に加えて、一人一人が専門性を十分に発揮できるよう、業務負担の軽減と効率化に資するICTなど、医療DXの活用促進も重要です。
 次に視点2のポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進についてです。入院医療については、医療機能や患者の状態像に応じた評価による機能分化をさらに進めていくことが必要です。
 外来医療についても機能分化と連携強化が重要であり、そのためにもかかりつけ医機能に関して現行の体制評価から実績評価への転換を進めていくことが必要です。
 視点3では、周産期医療を担う医療機関の連携強化とハイリスクの周産期医療を担う医療機関の集約化・重点化を図り、安心・安全の周産期医療を確保することが重要です。
 その際、メンタルヘルスの不調など、複合的な課題を抱える妊産婦への支援の充実を図ることも必要と考えます。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、続きまして、河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 まず、今回示された基本認識あるいは具体的方向性、これにつきましては、高齢化、それから技術革新等々に対応しつつ、効率化・適正化を進めて、安心・安全で質の高い医療、あるいは国民皆保険制度の堅持、こういったことの両立を目指す内容に整理されていると思います。課題の網羅性とか全体感という意味では、特に異論はございません。
 しかしながら、重点課題の設定については、正直、かなり違和感がございます。前回も申し上げましたけれども、物価高騰とか、あるいは賃金上昇への対応、これは医療関係者が主張されることは、もちろん否定いたしませんけれども、これまでも、物価や賃金が伸び悩む中で、高齢化相当分の伸びが許容されて、本体は、おおむねプラス改定が繰り返されてきたと。
 その結果として、医療費、特に1日当たりの医療費が増え続けているということも事実として受け止めるべきだと考えます。
 足元の状況ということだけでも、医療費は大幅に増加しております。さらに、今後その支え手が減少していくと。その一方で、団塊の世代は、2025年には全て75歳以上になると。このままでは、医療費の高騰というのは確実だと考えます。特に今回は、2025年をまたぐ節目の改定になるということだと思います。
 視点2でポスト2025年を見据えた対応を整理していただいておりますけれども、もちろん、これは重要なのですけれども、その前に、まずは2025年に向けて進めてきた医療保険制度の安定性、持続可能性の向上、これにつながる取組をしっかりとやり遂げることが不可欠だと思います。
 したがって、視点1に加えて、視点の4を令和6年度改定の重点課題として位置づけることを強く主張させていただきたいと思います。
 次に、視点の1について、患者あるいは保険者の視点でコメントをさせていただきたいと思います。
 処遇改善については、医療機関の収入である医療費が増加する中で、医療関係者全体の賃金マネジメントによって対応すべきだと考えています。
 また、来年度から医師の時間外労働規制が始まって、タスク・シフトあるいはタスク・シェアが本格化していくことだと思いますけれども、そうなると、職種間の人件費配分というのも当然変化していくのではないかと考えられます。医療DXの推進や、あるいは医療資源の最適配置、そういったことによる効率性の向上も期待しているところでございます。
 改定に当たっては、医療関係職種全体の賃金水準や、あるいは処遇改善の原資となる医療費収入について、病院と診療所の違いも含めて、他の産業と適切に比較する必要があることを指摘させていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 続いて、加納委員も先ほどお手を挙げておられましたね、加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 今回の診療報酬改定に関しましては、かつてない物価の高騰、賃金アップというのが、やはり一番大きな、かつてない対応策を練らなくてはいけない大事な課題だと思っております。
 その中で、今回、基本認識に関しましては、物価高騰、賃金上昇等々をしっかりと明記していただいているのは、非常に評価させていただきたいと思います。
 先ほどから話題になっております「現下の食材料費をはじめとする」という書き方に関しましては、やはり入院時の食事療養費に関して、もう30年間上がっていない、そのような状況でありますので、やはり物価高騰に関しましては、加えて光熱水道費等の明記も必要ではないかなと思っております。今、これには非常に大きな負担を強いられております。
 我々はどうしても公定価格で運営する中、経費が非常に急激な上昇をしているわけで、かつては診療報酬が年2回ほど改定されたことがあった時期もあったわけです。今、それに近い状況が起こっていると認識しておりますので、この点に関しましては、ぜひとも今回の診療報酬改定で、一丁目一番地という位置づけで対応のほうをよろしくお願いしたいと思います。
 基本認識②の医療DXに関してですが、医療DXに関しましては、いろいろな形での効能があることは非常に分かっておるのですが、医療DXの中心となる、例えば電子カルテの問題に関しましては、我々は非常に大きな導入の経費負担、加えて運営費負担をしております。
 この点も運営負担の適正化という形で考えていただいた上で、こういったものを遂行するということも、ぜひとも明記のほうをお願いしたいと思っております。
 あと、個々に言いますと、いわゆる看護補助者の問題に関しましても、今回、個別に明記していただいたことは非常に大きなことだと思っております。我々の現場では、介護の職員との差が明らかに大きくありますので、ここらに関する今回の対応をぜひともお願いしたいと思います。
 その他では、病院薬剤師さん、これは本当に、我々病院経営者、運営者にとりましては非常に困っていることです。なかなか病院の薬剤師さんを確保することができなくなっているのです。と言うのは大きなドラッグチェーン店の薬剤師さんに関する処遇と、我々のような病院の薬剤師さんに対する、いわゆるコストの問題とか、そういったいろいろな問題が絡み合っておりまして、これは、やはり病院薬剤師さんに対するある面の評価のアップというものが緊急で必要だと考えております。
 これらと冒頭のところを含めて、我々にとりまして一番大事な一丁目一番地をしっかりと考えていただける診療報酬改定にしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、しばらくオンラインに戻りたいと思いますので、井上委員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○井上委員 ありがとうございます。
 今回、重点課題として視点の1、人材確保、働き方改革の推進ということですけれども、やはり報酬改定に当たっては、もう少し中長期視点を重視すべきではないかと考えております。
 先ほど来、物価高騰、賃金上昇の話が出ておりますけれども、この対応に当たっては、基本認識、また、骨太等にも書き込まれておりますけれども、患者負担、保険料負担への影響を踏まえた対応ということを、ぜひ徹底していただきたいと思います。
 そのためにも、やはりしっかりと賃金の改定が必要となるところに回っているということを明らかにしていくこと、透明性を持って改定をしていくということは、やはり公費、保険料が入っている保険制度の下では大前提となりますし、視点の4にあります、効率化、この辺りも、本当にぎりぎりの効率化を図られている医療機関も当然あると思いますけれども、本当に全部そうなのかということを明らかにした上で、まず、それがあっての報酬の改定ということを強調しておきたいと思います。
 もう一つは物価対応でございますけれども、この物価の問題というのは、前回も申し上げましたが、医療機関のみならず、社会全般の問題でございまして、まさに、今、経済対策等々で政府が様々な手当をしているというところでございます。例えば、ガソリンとか、そういう価格についても補助していくのを延長する話になっております。
 したがいまして、医療分野において、特に保険制度の中で対応しなくてはならない部分というのは何なのかということを、よく区分けをしながら対応していただきたいと思います。
 経済全般を見ますと、今、30年ぶりの賃上げもありましたけれども、デフレからの脱却というのは、一番重要な局面に来ております。残念なことがら、社会保険料の増大というのは、やはり負担増という受け止めがなされやすいファクターでありまして、それが、やはり経済とか消費に与える影響、マインドに与える影響というのも十分考えながら、この報酬改定に当たっていただきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、日本医師会さんは、城守委員、角田委員、どちらでしょうか。
○角田委員 遠藤部会長、ありがとうございます。まず、角田から御指摘させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○遠藤部会長 どうぞ。
○角田委員 まず、2ページ目のところでございます。改定に当たっての基本認識、これの下から2行目「無駄の排除」という記載がございます。人間を対象とした医療では、無駄な医療というのはございませんので、これは誤解を招きます。そこで、別の表現にお願いしたいと思います。例えば、さらなる適正化等々、そうした形へ変更をお願いしたいと思っております。
 もう一つ、4ページ目の視点1でございます。「現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進」についてであります。
 既に泉委員、神野委員、佐保委員等からも御指摘がございましたが、現状、人手不足にある医療業界では、さらに今、人材の流出が起こっております。こういった形で、もし医療従事者のみの対応が十分改善されなければ、この人材流出に拍車がかかると思っております。
 令和6年度の診療報酬改定に当たっては、医療従事者の賃金をしっかりと、しかも確実に、持続性を持って確保するということを強く要望したいと思います。
 幾つか、過去の診療報酬のアップについての御意見はございましたが、これらは、やはり高齢化とか、あと医療の進歩に伴う高額医療であったり薬剤、そういったことによる必然的なアップでございますので、それは十分踏まえた上でお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 城守委員、ございますか。
○城守委員 ありがとうございます。
 角田委員からお話があったことにつながる発言をさせていただきたいと思います。コメントでございます。
 まず、資料1の4ページの視点1に、人材確保と働き方改革等の推進というものを入れていただいたことは、よかったと賛同をさせていただきたいと思います。
 その上で、これは前回の部会でもお話をさせていただいたのですけれども、先ほどからいろいろな先生方もおっしゃっておりますとおり、医療機関における収入というのは、診療報酬が全てでございます。この診療報酬というのは、いわゆる公定価格でございまして、他産業のように価格に転嫁することができないわけでございまして、現在の物価高騰、また、賃金の上昇という状況の中においては、本来フローですべき賃上げというものが、他産業のようにはなかなかできない状況にあることを、この委員の先生方にも共有していただきたいと思います。
 その中において、先ほど制度の持続可能性のお話がございましたが、医療制度というのは、御案内のとおり、医療保険制度と医療提供体制で成り立っているわけでありますが、医療保険制度の持続可能性とともに、やはり医療提供体制の持続可能性というものも同じく重要になってこようと思います。
 そのため、医療機関の運営が、持続可能となるような、賃上げができる環境整備をしていただきたいと思います。しかし、4ページにある考えられる具体的な方向性の例として、医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組という記載からこれらを読み取るということは、なかなか難しいのではないかと考えております。
 やはり、今回の改定は、高齢化の伸びに即したものにとどめられてきました従来の改定に加えて、この賃上げ分というものが、同じく診療報酬改定の中において、別に用意して行うことがないと、組み入れた場所や率などが分からなくなります。やはりそこは別に分けた形で、財源を確保していただいて、そして診療報酬改定に臨んでいただきたいと思います。
 私のほうからは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、木戸委員、お願いいたします。
○木戸委員 ありがとうございます。
 基本認識、視点、具体的方向性、いずれも必要不可欠な項目がきちんと盛り込まれていて、分かりやすく記載されており、特に異論はございません。
 その上で1点だけ意見を申し上げます。視点1を重点課題として踏み込んで取り上げていることには賛成ですけれども、現下の雇用情勢を踏まえた人材確保というところの、この「現下の」という枕詞について、これが現時点だけの問題と誤解されないことも非常に重要です。
 中長期的な視点において、人材確保が医療提供に不可欠であることが示せるタイトルになるよう工夫すると、なおよいかなと思いました。
 今後、少子化によって働き手は確実に減少していき、一方、高齢化で医療や介護のニーズが上がっていく中で、もし人材の争奪戦に負けてしまえば、医療を受けたくても、お金を出しても受けられない事態になりかねません。
 ケア労働は女性が多い仕事だからと、通常より低い賃金水準にとどまりがちです。しかし、人間相手の仕事でやりがいもありますけれども、いわゆる感情労働で、先ほど御指摘があったように、夜間、休日にも対応することもあるきつい仕事です。業務内容に見合った適正な待遇にしていくべきであり、単年度の見直しにとどまらずに、時間をかけてでも継続的に今後行うべきことだと思います。
 物価が高いだけではなく、やはり医療安全、感染予防など、現場に要求される水準はどんどん上がってきています。それにかかるコストも当然上がっています。ディスポの医療資材が値上がりしていますし、そうした医療廃棄物の処分にも通常以上にお金がかかります。
 先ほど加納委員もおっしゃっていましたが、電子カルテやいろいろな部門システムも導入だけではなく、ランニングコスト、そして定期的な更新にも億単位の費用がかかっています。
 医療機関の経営が厳しくなれば、待遇改善どころか、人件費の切り下げにつながるおそれもあります。せっかくやりがいを持って医療の仕事に就いても、待遇が悪いとか、あるいは多少、医師など報酬が他よりましであったとしても、過労死水準を超える働き方を余儀なくされて、時々報道されているように、若くしてお亡くなりになってしまったり、心身の健康を害してしまったり、ほかの分野に残念ながら転職してしまうのはもったいないことです。
 基本的視点の1に書いてありますように、健康に働き続けることができる環境を、ぜひ整備していただくこと、そのための働き方改革を、ぜひ着実に進めていただくことを要望したいとともに、視点2にある医療DXにより、働き方の改革だけではなく、働き手が将来減っても、人間ではなくてもニーズに応えられるように、今から着実に準備していくということも、将来における医療提供体制の確保に向けて大変重要と思います。
 いずれの項目においても足元だけではなく、中長期的な課題を見据えてしっかり記載されており、とてもよいと思いますが、この内容が多くの国民に分かりやすく正しく伝わることも大切です。
 診療報酬が何%上がったという報道がなされるときに、必ず医師等の人件費である診療報酬と繰り返されていて、誤解を招くものとなっています。せっかくこうした内容に取りまとめていただいたものがありますので、それに基づいて、診療報酬、そして医療の在り方について、正しい情報に基づいて議論が広まって、多くの国民が国の取組を理解して協力していただけるように、ぜひ働きかけも同時に進めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、玉川参考人、お願いいたします。
○玉川参考人 ありがとうございます。
 私からは、基本的な観点をお話しさせていただきます。
 まず、基本認識についてですが、物価高騰や人材の確保、新興感染症等への対応、医療DXの推進など、現下の社会情勢を踏まえた必要な認識が盛り込まれているものと考えます。
 また、基本的視点についても、記載の4点とすること、そして、「人材確保・働き方改革等の推進」を重点課題とすることについて賛同いたします。
 その上で、出席委員からも御発言が多数ありましたとおり、医療機関においては、物価の高騰や人材の確保、新興感染症への対応、医療DXの取組について、従来の診療報酬だけでは十分な対応が難しい状況と認識しております。適切な評価につながるよう、御対応のほどよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、島崎委員、よろしくお願いします。
○島崎委員 まず、細かいところから1点だけ。1ページ目の基本認識の真ん中ぐらいのところですが、「今後は、75歳以上人口の増加と。生産年齢人口の減少という人口構造の変化に直面することとなるが」という表現がありますけれども、これはおかしいですね。75歳以上人口は、統計を取り始めて以来、戦時中の一時期を別にすれば、ずっと増加してきていますし、それから生産年齢人口の減少も1990年代の前半にピークアウトしています。したがって、「今後は…直面することとなるが」というのは、今後、さらにこうした傾向が加速されるとか、深刻化するとか、そういう表現にすべきだと思います。細かいことのようですけれども、時代認識にかかわることなので、正確に書いていただきたいと思います。これは後で指摘すればよいようなことであったかもしれませんが、私が申し上げたいのは視点1についてです。
 確かに人材確保の必要性と、他の職種の賃上げが行われている中で医療人材を確保するためにコストアップすることについては、私も十分理解いたします。ただし、たしか4年前にも同じことを申し上げたかもしれませんけれども、働き方改革の推進が、コストアップ要因になるかどうかということについては、よく考えるべきだと私は思います。なぜかといえば、診療報酬の一部は患者の負担になるわけですが、患者からすると違和感があります。働き方改革は、本来は、それを通じて生産性の向上、この言葉を安易に使うと松原委員からお叱りを受けるかもしれませんが、生産性の向上、効率化を図るのが本来の在り方のわけで、働き方改革が当然にコストアップ要因になるという認識があるのだとすると、それはちょっと違うと、私は思います。
 その上で申し上げれば、私は、さりとて働き方改革の推進のために一切診療報酬というツールを使うべきではないということまで申し上げているわけではありませんけれども、前回の診療報酬改定で地域医療体制加算の引上げを行ったにもかかわらず、実際には、その加算を算定している医療機関において、むしろ時間外労働時間が長くなってしまっていたという結果などもあるわけです。そうした中で、診療報酬を使う場合の手法については十分よく吟味をしていただきたいと思います。
 あわせて言うと、先ほど来、多くの委員から各職種の賃上げの必要性について御指摘がありました。私は、個々の御指摘について、例えば病院薬剤師でありますとか、看護補助者等々の賃上げの必要性については理解できますけれども、本来、診療報酬というのは、補助金とは違って、特定の費目とひもづけて行うべきではありません。ひもづけて行いますと、どうしても個々の医療機関の実情に応じた自律的な裁量を阻害させ、経営原資の配分を硬直化させることになりかねませんので、その点については、手法をよく吟味すべきだと思います。
 最後に、視点の1を重点課題にするかどうかという話です。私はそれほどこだわりませんけれども、2年前の診療報酬改定のときには、COVID-19が蔓延し、その対応が重点課題であることについては、異論がなかったと思います。けれども、今回の各視点を見てみますと、視点1も、それからトリプル改定の中で視点の2も非常に重要です。また、そもそも視点3の、医療について安心・安全で質の高い医療の推進を図っていくことも極めて重要ですし、それから、先ほど河本委員からも御指摘がありましたように、医療保険制度の安定性、持続可能性の向上ということも非常に重要だと考えます。そうすると、今般、重点課題を視点の1だけにすることが適切なのかというと、これまで、何か1つか2つ重点課題とするという慣例があったかもしれませんけれども、必ずしもそれにこだわらなくてもよいのではないかと個人的には思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 それでは、山崎親男委員、お願いいたします。
○山崎親男委員 全国町村会を代表いたしまして、1つ御意見を申し上げます。
 これまでの議論を踏まえまして、より具体的な内容を示していただいていると理解しております。
 その上で、視点2について申し上げます。
 5ページにも記載されておりますように、医療DXの推進が非常に高まっている、あるいは早くしなければという上で、私の意見でございます。
 中山間地域や離島などの医療資源が少ない地域が多い我々町村におきまして、オンライン診療をはじめとする遠隔医療が非常に重要視されております。これは、医療の平準化というところにもつながると思います。
 オンライン診療を行うに当たりましては、通信環境の整備のみならず、医師と患者の間をサポートする介添者のような方が必要不可欠ということであります。
 要するに、患者が安心して診療が受けられない環境があると思っておりまして、医療従事者不足が喫緊の課題となっている昨今であります。オンライン診療を、さらに実効性のあるものにするために、オンライン診療を必要としております、地域住民に寄り添ったサポート等の支援体制の構築をぜひお願いしたいと思います。これは、非常に大重要なことだろうと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、松原委員、お待たせいたしました。どうぞ。
○松原委員 ありがとうございます。
 言わずもがなではありますが、医療機関は、地域の安全を守る社会的共通資本であり、この領域から人がいなくなっていくというのは、地域の安全を守るという基盤が揺らぎ、経済にも大きなマイナスとなると考えられます。地域を守るためにも、処遇改善というのは非常に重要な点です。
 また、過去20年間を見てみますと、労働者が最も増えている産業は、この医療福祉産業です。この分野でしっかり処遇していくということは、購買力のある消費者が育っていくということにも繋がり、経済全体にも効果がある、意味のあることだと思います。
 医療費がずっと上がり続けるということは常に指摘されるのですけれども、先進国において医療費が下がるということはないと思います。公的資金で賄われている以上、効率化に取り組むのは当然ですが、医療技術が上がっていけば医療費も上がっていくのも当然だと思います。医療従事者がこの分野から離れずに地域を守っていく、この体制をしっかり堅持できる、処遇改善ができる報酬が必要だと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 フロアでいかがでしょうか。
 それでは、荻野委員、どうぞ。
○荻野委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の荻野でございます。
 事務局よりお示しをいただきました、資料1の基本認識の内容、方向性につきましては、おおむね異論はございません。
 特に、現下の物価高騰、賃金上昇などの影響を踏まえた対応、これは薬局、医療機関における人材確保をはじめ、経営基盤の確保のために不可欠であり、国民皆保険の堅持、維持のためにも最重要事項であると考えております。
 その上で、後ろに続きます基本的視点の具体的方向性について、幾つか意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、視点1のところでございますけれども、医療従事者の人材確保は重要な事項であり、そのためには医療界に限らず、賃上げの取組が必要だと考えます。
 特に小規模な薬局につきましては、収益状況が厳しい薬局が多く、物価高騰もさることながら、薬剤師だけでなく、薬剤師以外の職員の賃上げも十分に対応できないところがあると聞いております。
 また、医療の質の向上・維持のためにも、これまで御発言がございましたけれども、病院薬剤師の確保と評価の充実は重要でありますので、そうしたことが取り残されないような記載をお願いしたいと思います。
 次に、視点2のところですが、医療DXの実現において、マイナ保険証の活用・維持は、その基盤となる重要なものであります。
 患者さんのマイナ保険証の利用を起点とした医療情報連携基盤の活用、多職種連携の強化・充実へとつながる医療の質の向上に不可欠です。
 ただ、そのためには、薬局や医療機関におけるコスト負担は避けて通ることができない課題でもありますので、負担の在り方などを含め、そうした視点も忘れてはならないものであると考えます。
 また、視点2と視点3の両方にかかることかもしれませんが、医療提供体制における医薬品の役割は切っても切れない大変重要な位置づけであることは言うまでもありません。
 そのためにも、夜間、休日に調剤または服用薬に関する相談が必要になった場合に、対応できる薬局の確実な整備と地域住民への周知は、地域に対して過不足なく医薬品を提供する上で大変重要であると理解しています。
 また、認知症基本法の成立も踏まえ、多職種と連携した医療提供体制、医薬品提供体制の整備を進めていくことが必要です。
 最後に視点4の効率化・適正化に関連してでございますけれども、現在も医薬品が安定的に供給されるまでの道筋が、いまだに見えない状況にあります。医療機関、薬局ともに、医薬品の在庫を確保することにかなりの負担がかかっています。薬価制度、産業構造、流通システム等の諸課題はあるものの、中長期的方策に加えて、短期的な改善策についても併せて示し、実施するべきと考えます。
 また、これまでも再三申し上げてきたところでありますけれども、いわゆる敷地内薬局については、本来の医薬分業が目指す姿や、方向性と全く異なるものであると考えれば、さらなる適正化が必要であると考えます。
 これ以上のかかりつけ薬剤師の機能と逆行したビジネスモデルは、認めるべきではないと考えております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。
 ほかにまだ御発言がなかった方で、御発言を希望される方はいらっしゃいますでしょうか。
 よろしゅうございますか。それでは、二度目、三度目でも結構でございますが、何か御意見のある方はいらっしゃいますか。
 それでは、楠岡委員、お願いいたします。
○楠岡委員 楠岡です。
 少し細かいことになるのですが、基本認識として4つ挙げられているうちの1番目、2番目、そして4番目というのは、今回の診療報酬改定において非常に密接するところかと思います。
 少し奇異に感じるのが、3番目の医療DXやイノベーションの推進等による質の高い医療の実現というところで、医療DXに関しては、そのとおりかと思うのですが、ここにある2つ目の○のイノベーションの推進により創薬力・開発力を維持・強化するというのは、診療報酬という点から考えると、薬価に関することを何か考えて書かれているのか、そこが少し気になるところです。イノベーションそのものだけであれば、診療報酬に直結するところはなかなかないかと思うので、この辺りどういう意図になるのか、少しお聞きしたいところであります。
 後半にある医薬品等の安定的供給というのは、まさに現状の問題であり、それは診療報酬上、現在いろいろ議論されているところかと思いますが、このイノベーションを、あえてここに書き込んでおられる意図というところを、ぜひお教えいただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
 事務局、お答えいただけますか。
○保険局医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 今、楠岡委員のほうから御指摘がございました、イノベーションの推進による創薬力・開発力の維持・強化ということでございますけれども、その一行上のところにもございますように、医薬品・医療機器等の存在意義云々と書いてございまして、念頭に置いておりますのは、まさしく医薬品・医療機器といった薬価における評価というものを念頭に書かせていただいていると、御理解をいただければと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 楠岡委員、よろしゅうございますか。
○楠岡委員 ただ、イノベーションというのは、すぐに効果が見えるものではなくて、どちらかというと、長期的なもの、今日開発に着手して、明日市場に出るというものではないので、その辺りの長期的なことを前提にしているという理解でよろしいのでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○保険局医療介護連携政策課長 同じく医療介護連携政策課長でございます。
 まさに、委員御指摘のとおりでございまして、基本認識としての位置づけとさせていただいていることも、まさに中長期にわたっての認識をお示ししていると御理解いただければと思います。
○楠岡委員 分かりました。ありがとうございます。
○遠藤部会長 私のほうからも関連で1つだけ確認ですけれども、基本方針を両部会で決めるわけですが、そのときの診療報酬の基本方針というのは、診療報酬を本体部分と薬価と両方を含めた議論という理解でよろしいのでしょうか。
○保険局医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長でございます。
 まさに、今、部会長から御指摘いただいたとおりでございまして、本体にかかわらず、薬価の部分も含めたものという認識のもとに、このような形で位置づけさせていただいているということでございます。
○遠藤部会長 そういう意味で、狭義の診療報酬というわけではなくて、両方併せた広い意味での診療報酬について御議論をいただいていると、そういうことだと思います。
 ほかに何か御意見ございますか。
 よろしゅうございますか。本日も非常に活発な御意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議題につきましては、これぐらいにさせていただければと思います。
 本日の意見も踏まえつつ、議論を深めていければと存じますので、事務局のほうは準備のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から、ほかに何かありますか。
○医療政策企画官 ありがとうございます。
 次回の医療部会につきましては、また、決まりましたら御連絡差し上げます。
 以上です。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議は、これまでとさせていただきたいと思います。
 本日は、大変お忙しいところ、どうもありがとうございました。

(了)

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