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2023年2月24日 第96回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和5年2月24日(金)15:00~17:00

 

○場所   AP新橋 4階 Dルーム


○議事

○保健医療技術調整官 定刻になりましたので、ただいまから、第96回「社会保障審議会医療部会」を開会させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 会議中の留意事項については、事前に送付しております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 初めに、部会長の交代について御報告させていただきます。1月28日付で永井良三部会長が御退任され、社会保障審議会令第6条3項の規定に基づきまして、部会長は社会保障審議会本委員の互選により選任することとされており、その結果、学習院大学経済学部教授の遠藤久夫先生が選任されましたので、御報告させていただきます。
 永井先生におかれましては、平成25年より医療部会長に御就任いただいておりまして、10年の長きにわたり、医療行政の発展に多大なる御尽力をいただきました。本日は、冒頭、永井先生に御出席いただいておりますので、一言御挨拶をお願いしたく存じます。よろしくお願いいたします。
○永井先生 永井でございます。10年間部会長を務めさせていただきました。皆様には、大変お世話になり、ありがとうございました。
 この間、医療をめぐっては大変多くの課題がございましたが、皆様のお力で何とか1つずつ乗り越えていくことができたと思っております。改めて御礼申し上げます。これからは、日本の医療、まだいろいろと課題があり、引き続き、コロナ対応とか情報化、地域医療構想などの課題が山積しております。ぜひ医療部会で適切な方向性を示していただければと思います。どうぞ引き続き、よろしくお願い申し上げます。また、大変ありがとうございました。
 以上でございます。
○保健医療技術調整官 ありがとうございます。事務局一同、大変感謝しております。心よりお礼を申し上げます。
 次に、新たに部会長に就任されました遠藤部会長より一言御挨拶をお願いしたく存じます。
○遠藤部会長 今回、部会長に選任されました遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。永井先生の後を引き継ぐということでございますので、身の引き締まる思いでございます。
 永井先生からもお話ございましたけれども、人口構造の変化や経済成長の鈍化などを背景にしまして、医療制度改革は喫緊の課題でございます。とりわけ医療提供体制の改革につきましては、地域医療構想の推進、あるいは新興感染症への対応、あるいは医師の働き方改革、外来機能報告制度の導入、かかりつけ医機能の充実、あるいは従来からある医師の地域偏在対策など、数多くの重要で、かつ解決がなかなか難しい課題が山積してございます。これらのテーマの多くは当部会の職掌でありますので、委員の皆様方の御協力を得て、課題の解決に向けて微力を尽くしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
○保健医療技術調整官 ありがとうございます。
 次に、本日の委員の出席状況について申し上げます。本日は、医療部会の総員数24名、全ての皆様が御出席となっておりますので、定足数に達していることを御報告させていただきます。
 また、内堀委員より、公務のため途中退席されるとの御連絡をいただいております。
 次に、議事に入ります前に資料等の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1から資料4、また参考資料を送付させていただいておりますので、御確認ください。
 それでは、議事に入ります。
 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ撮り終了)
○保健医療技術調整官 以降の進行は遠藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 まず、本日の議事の進行でございますけれども、議題が4つございます。いずれも報告事項ということですが、4番目の報告事項は予算案、税制改正についてということでございまして、例年、この時期に報告されるものでございますので、これにつきましては、事務局からの説明は行わずに、資料の配付のみにさせていただきたいと思います。
 それでは、議題1「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の閣議決定について」、議題としたいと思います。事務局から関連資料の説明をお願いいたします。
○参事官 医政局参事官でございます。
 資料1の「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の閣議決定」ということで、2月10日に閣議決定されました法案の概要の御報告でございます。
 1ページ、法律案の概要ということでありますけれども、改正の趣旨のとおり、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、ということで、大きく改正の概要ということで、1から3の全世代で医療費を持ち合っていくということであり、また、4のところで、医療・介護の提供体制の基盤強化ということであります。
 特に4につきましては、昨年末に本医療部会で取りまとめいただきました、医療提供体制の改革に関する意見を踏まえまして、4の(1)、かかりつけ医機能についての強化の関係。(3)、医療法人の経営情報の報告、データベースの整備の関係。(4)、地域医療連携推進法人制度の要件緩和の関係。(5)、出資持分の定めありからなしの医療法人への移行の計画認定制度の期限延長ということを盛り込んでおります。
 参考資料の2ページは医療保険制度の関係でありまして、3ページを御覧いただきまして、地域完結型の医療・介護提供体制の構築ということであります。医療と介護の関係法律を今回、一体的に改正するということについての簡略化したイメージ図です。
 つまり、ざっくり申し上げまして、医療のほうで、例えば地域医療構想ということで、左上の急性期からの縦の連携というものがあるわけでありますけれども、一方で右側の青の円で広がります、主に介護のほうで用いられます地域包括ケアでの連携がありまして、それぞれ整備が進められているところでありますけれども、左下の今般のかかりつけ医機能が発揮される制度整備ということで、医療機関を中心としまして、医療・介護の水平的連携を進めていくということで、その際は、医療・介護それぞれの計画に基づき連携体制を整備していく、ということなどをお示ししているイメージ図でございます。
 かかりつけ医機能の強化ということで、資料の19ページを御覧いただきまして、かかりつけ医機能が発揮される制度整備につきまして、今回の法改正の概要、下半分にありますとおり、基本的に昨年末の医療部会の取りまとめに沿った形で、(1)医療機能情報提供制度の刷新、(2)かかりつけ医機能報告の創設、(3)患者に対する説明について盛り込んでおります。
 1点、昨年の医療部会の議論から更新した点が、(2)の2つ目のポツの県による確認の部分です。取りまとめでは、県は地域におけるかかりつけ医機能の充足状況や複数の機能を併せ持つ医療機関を確認、としていただいておりましたが、その後の国会等での議論も踏まえまして、部会の取りまとめにもあり、また法案概要にもありますが、地域におけるかかりつけ医機能の確保のための方策に関する協議、これを効果的に行うためには、地域の機能の現状全体を的確に把握することが重要、ということで、県の確認については、報告を行うそれぞれの医療機関が、かかりつけ医機能の確保に係る体制を有することを確認すること、ということで、記載を更新しているところでございます。
 法案の概要の報告は以上でございまして、今後、国会で審議され、法律が成立すれば、施行に向けて詳細を検討していくこととしております。
 説明は以上となります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から御説明のあった内容につきまして御意見等あれば承りたいと思います。なお、できるだけ多くの方の御意見を頂戴したいと思いますので、御意見は簡潔にお願いできればと思います。いかがでございましょうか。
 それでは、内堀委員、お願いいたします。
○内堀委員 遠藤部会長、ありがとうございます。公務のため途中退席させていただきますので、議題1と3について、まとめて発言させていただきます。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。
○内堀委員 まず、議題1です。外来医療に関する機能の把握は、今後、重要性を増していきます。その上で、かかりつけ医機能が発揮される制度の整備や、医療法人等の経営情報のデータベース構築など、新たな制度については、現場で混乱が生じることがないよう、都道府県に対し、十分な期間を取って制度や具体的な内容を説明していただくようお願いします。
 次は、議題3です。新興感染症に係る対応においては、医療提供体制の確保が極めて重要です。医療計画において、平時より体制を定め、協定締結等の過程を通じて医療機関との協力関係を築く必要があります。また、感染症対策においては、国の強いリーダーシップ及び地方との連携が重要です。予防計画や新興感染症対応を含めた医療計画においても、都道府県に求められる役割が大きいことから、現場の状況を十分理解し、指針を示していただくようお願いします。
 その上で3点申し上げます。
 1点目です。新興感染症の想定において、3か月程度の流行初期期間の後は、全ての協定締結医療機関が対応するという方向になっています。現在の医療体制は、確保病床、診療・検査医療機関のいずれについても、従来にない体制となり、その継承が望まれますが、振り返りますと、武漢株、デルタ株、そしてオミクロン株等への移行といったウイルスの変化と、それらに伴う感染規模の大幅な拡大にも対応しながら、現在の体制に至っています。現在、2段階を軸とする想定となっていますが、その対応について、より段階的な考え方を取り入れていただくよう検討をお願いします。
 また、協定締結医療機関の確保に関する目標の多くは、新型コロナの実績を参考に、その数値を上回ることを目指すとされています。単純に上回ることを目指すという考え方ではなく、地域の実情を踏まえた柔軟な設定の考え方、及び目標を実現するための方策の提示について配慮をお願いします。併せて、協定締結医療機関に求められる機能に応じて、医療機関においては、設備整備や人材育成が必要となります。それらの技術的支援や財政措置についても検討をお願いします。
 次は、2点目です。数値目標や前提とする新たな感染症の想定、基盤となる考え方については、今回の新型コロナウイルス感染症を踏まえつつも、コロナとは異なる想定も十分あり得ることを念頭に置きながら検討し、新たな感染症に備える体制強化につなげる必要があります。そのため、感染症対策を標榜する感染症部会において、しっかり議論されることが重要です。感染症部会の議論が基になり、その議論の内容が関連する計画等に反映され、計画同士が整合するよう議論をお願いします。
 また、医療提供体制を考える上では、高齢者施設等への医療支援についても重要な課題となります。介護・高齢者福祉の視点からの検討も深めながら、嘱託医や協力医療機関の役割などについて対応の方向性を示していただくようお願いします。
 最後に3点目です。今回、提示していただいた内容は、詳細・多岐にわたる内容です。また、都道府県ごとに事情が異なりますので、この方針について都道府県に丁寧な説明をしていただき、意見を聴取する場を設けていただくようお願いします。
 私からは以上です。どうぞよろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見、御要望として受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、加納委員、よろしくお願いいたします。
○加納委員 私からは、1点要望をお願いしたいと思います。3ページ目は、以前から、かかりつけ医機能を説明する上では分かりやすいポンチ絵なのかもしれません。しかしながら本来、地域包括ケアにおきましては、一番大事な急変時の高齢者救急に関わる2次救急病院の立ち位置が全く分からず、余計混乱するようなポンチ絵になっておるかと思います。これは今後、法律が通った後はあまり使わないように、ぜひともしていただきたいというのと、正しい、分かりやすいポンチ絵をつくっていただきたいかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。要望です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。同じ御要望を他の検討会でもお聞きした記憶がございます。
 事務局、この資料について何かございますか。
○参事官 参事官でございます。
 御指摘、そのとおりでありまして、あくまでもイメージ図ということで、これは、法律を束ねるための説明として、それぞれの機能を簡略化したものとなっております。他方、今後は、これまで御指摘にありました、さらなる地域医療構想の議論や、かかりつけ医機能の具体化の検討に当たって、2次救急の在り方や連携といったことは、非常に重要なテーマでありますので、同様の絵を作成する際には、しっかりと位置づけた上で検討していくことになるかと思います。今回は別の整理のためのイメージ図ということで、御理解いただければと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。
 同じく3ページの絵の話でございます。2点ございます。
 まず、絵ですけれども、今、お話があったように、それなりにまとまっているということかなと思いますし、この絵がこれから一人歩きするのかなと思います。情報基盤の話も入っているということになるのかなと思いました。まさに今回の1丁目1番地のかかりつけ医機能を有する医療機関ですけれども、ブルーの輪のところに病院と診療所があるので、病院も診療所もかかりつけ医機能を有する医療機関等になり得ると思います。
 一方で、左のほうに行きまして、特定機能病院とかとか地域医療支援病院とか紹介受診重点医療機関ということで、これまでの議論のとおりなのですけれども、かかりつけ医機能を有する医療機関でもなく、特定機能、地域医療支援、紹介受診でもない医療機関というのは、今後あり得ないのかどうか。今、これは二者択一的な絵になってございます。その辺のところをちょっと整理する必要があるのかな。例えば偉い方が鼻の手術をした鼻科専門のクリニックは、どっちになるのと。これは紹介受診重点クリニックになるのか、それともあそこには普通の患者さんが行くならかかりつけ医機能じゃないかといった、どっちでもないというのをどうするのかというのは、この絵というよりは、これから全体の議論になるのかなと思います。
 それから、2点目でございます。ブルーの枠が従来の地域包括ケア、そして全体の大きな薄い黄色い枠が、まさに今回の地域医療構想の圏域、医療圏的なものだと思います。これまでの地域包括ケアの話の中に、生活支援とか介護予防といったところが、医療と介護のもう一つ下のところにたしかあったのです。その辺をどう位置づけるかというところ。これから絵をまた描き直すかもしれないということですけれども、この辺の議論を進めなければいけないのかなと思いました。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 幾つか御意見であると同時に、若干の疑問点というお話だと思いますけれども、何かこの段階で事務局、コメントできることはございますか。
○保健医療技術調整官 事務局でございます。
 特定機能病院のような病院とかかりつけ医機能を有する医療機関の二者択一になるのかということのコメントをいただいたと思っておりますが、現段階でかかりつけ医機能が具体的にどういうものなのかということも、これから有識者の御意見を踏まえて御議論いただきながら定まってくるものと考えておりまして、医療機関が今の時点で2つの類型になるといったことが決まっているわけではないと認識しておりますので、また今後、御議論いただきながら具体化していくことになると考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。神野委員、そういうことで、今後の議論の中でということでございますので、よろしくお願いします。
○神野委員 またよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 今回、法案が閣議決定されました。かかりつけ医をはじめ、この間、部会で議論が重ねられてきた内容については、今後の国会審議においても丁寧な議論が行われるようお願いしたいと考えております。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
 それでは、河本委員、お願いいたします。
○河本委員 ありがとうございます。
 私どもは、かかりつけ医機能が発揮される制度整備については、今回はゴールではなくて、医療の最適化・効率化に向けた第一歩であると捉えております。まずは、今般の法律案による制度整備を通じて、高齢者に限らず、できるだけ多くの国民・患者が、それぞれの希望やニーズに応じて、かかりつけ医機能を有する医療機関を適切に選択できる環境が整うことを期待しております。制度整備の詳細は、法案成立後の検討事項であると理解しておりますけれども、医療機関が報告するかかりつけ医機能の確認については、都道府県において、しっかりと行われ、国民・患者から信頼が得られる仕組みにすべきだと思います。
 また、都道府県が確認した結果の公表に当たっては、国民・患者がかかりつけ医機能の発揮状況を容易に確認できる適切な医療機関選択に資する方策を検討すべきだと思います。私どもとしましては、認定・登録の具体的な設計とか、合理的な診療報酬・患者負担の在り方といったいろいろな課題が残されていると認識しております。今後、医療の最適化・効率化、あるいは国民の健康増進・疾病予防に役立つ制度の実現に向けて、検討・取組をさらに進めていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。今後の議論をする上での御要望、視点をお示しいただいたと受け止めさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、楠岡委員、お願いいたします。
○楠岡委員 楠岡です。
 かかりつけ医機能について、どういう病院・医療機関がかかりつけ医機能と定義されたものを持つかということに関しては、今回、大体定まったかと思うのですけれども、それを国民・患者さんにどう使っていただくかというところが、まだあまり明確でないような感じがします。特に、これまで賢い医療機関のかかり方ということで、患者さんにどういうふうにそこを伝えていくかという議論もありましたけれども、その時点では、まだかかりつけ医機能という話が入っていなかったので、今後、患者さん側から見て、このかかりつけ医機能というのはどういうふうに活用できるのか、どういうときにかかりつけ医機能のあるところにかかればいいのか。
 あるいは、逆にかかりつけ医機能を持たない方にとっては、どういう形で自分に合ったかかりつけ医を見つけていくのかという辺り、患者さん、国民にどう伝えていくかというのが今後の大きな問題になるかと思いますので、ぜひこの部分も検討していただきたいと思います。病院側はかかりつけ医機能を持っていますよと看板を上げても、それに誰も頼ってこないということになりますと、まさに宝の持ち腐れになりかねませんので、ぜひその辺りの検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。大変重要な御指摘であります。今後の検討の中では、当然議論しなければいけない内容だと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、山崎學委員、お願いいたします。
○山崎(學)委員 この医療部会で何回か指摘させていただいたのですが、かかりつけ医機能というものが現存していないわけですね。これからそういう機能をつくろうということなのでしょうけれども、既にある病床機能報告制度の中で、診療機能別の診療所とか病院というのは公表されているわけです。そういう既存の制度と、このかかりつけ医との整合性というのはどういうふうに図っていくのでしょうか。これは、事務局にお答えを願いたい。
○遠藤部会長 では、これは御質問ですので、事務局、お答えをお願いします。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 資料1の20ページ目にかかりつけ医機能が発揮される制度整備の骨格の絵がございまして、その左下にイメージ図というものがございますので、こちらを御参照いただきながら御説明させていただければと思います。御指摘いただきましたとおり、既に入院の機能の部分については病床機能報告がございまして、外来につきましては外来機能報告が令和3年の法改正で入ったという状況の中、このかかりつけ医機能報告が今、新設という形で進んでいるという状況でございます。
 どのように違うのかということにつきましてですが、病床機能報告とか外来機能報告というのは、法律上の意味合いとしましては、機能分化と連携を進めるためのものということになっておりまして、今ある病床機能とか外来機能などを報告いただいて、それをいかに機能分化させていくかという観点で活用していくというのが目的となっておりますが、このかかりつけ医機能報告というのは、対象を無床診まで含めて、また在宅医療まで含めて、幅広いところを対象としまして、かかりつけ医機能、すなわち身近な地域における医療の機能を確保していくということで、機能分化という観点よりは、機能をきちんと地域で確保していくという観点に基づいて、報告をいただいて活用していくということで、趣旨もそうですし、その対象となる医療機関も変わってくるということで、既存の制度とそういった違いがあると考えております。
 以上です。
○山崎(學)委員 追加で質問していいですか。
○遠藤部会長 お願いします。
○山崎(學)委員 例えば、これは前の部会でも指摘しましたが、高齢者の場合、内科で高血圧とか糖尿病でかかっているし、白内障で眼科にもかかっていますし、皮膚疾患で皮膚科にもかかるわけです。こういういろいろな診療科にかかっている人というのは、どの先生がかかりつけ医になるのですか。全員をかかりつけ医と決めるのですか。
○遠藤部会長 事務局、お願いします。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 今回の制度改正は、どの方がどのようなかかりつけ医なのかということ、かかりつけ医の制度整備ではなくて、あくまでかかりつけ医機能の制度整備でありまして、地域の中でかかりつけ医機能を確保していくという観点の制度となっておりまして、個人個人、どの方がかかりつけ医にならなければいけないのかといった観点は含まれていなくて、あくまで国民・患者の皆さまが、それぞれの医療機能情報提供制度などを活用して、自分のニーズに合った医療機関を選択していただくということで、ここしかかかれないといった観点での制度整備ではないと認識しております。
○遠藤部会長 山崎委員、よろしいですか。
○山崎(學)委員 結構です。
○遠藤部会長 それでは、相澤委員、お願いいたします。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 3つ質問と意見を申し上げたいと思います。
 今朝、テレビを見ておりましたら、東京の事例だったのですが、御高齢の方が足が痛い痛いと言っている。足が痛いからどこにかかろうか。自分は整形のかかりつけ医を持っていないから、どこへ行っていいのか分からないということで、そういうときのファストドクターというのを呼んで診てもらったら、大腿骨頸部骨折が1例。1例は、お子さんが急に右手だったか、だらんとして痛い痛いと言い始めた。そうしたら、肘の関節の脱臼だったのですね。それで御両親は、整形のかかりつけ医を持っていないから、どこへ行っていいのか分からないということでファストドクターを呼んだ。これが僕、今の現実ではないかと思うのですね。
 そうなったときに、1回、ある程度整理して、どうしていくのかをしっかりとしないと、国民は困るのではないかと思うわけです。そうなったときに、この辺の整理を時間をかけてやっていくのですけれども、そういうことをやっていくときに、医療者と国民と行政が同じ目線で、同じ土俵に立って物を考えないと、多分おかしくなっていくと思うので、ぜひその辺、どう考えているのかをひとつ教えていただきたい。
 それから、かかりつけ医とはちょっと外れてしまうのですが、17ページの第4期医療費適正化計画のいろいろなことをやるという中に、有識者による検討体制を発足させて、エビデンスを継続的に収集・分析して、そしてこれを医療費適正化につなげると書いてあるのですね。そうすると、有識者による検討体制は、何を考えて、どうしようと思っているのか、ちょっと教えていただきたいという質問であります。
 もう一つは、21ページです。ここに、これから医療・介護というのは、御高齢になればなるほど、しっかりと区分できなくて、医療も介護も混然一体となっているというのが現実だと思います。その中で、介護側の情報があまり十分ではないというところで、下のところに事業のイメージ、共有する情報の具体的な範囲や共有先については検討中と書いてある。そうすると、今、検討しているということなのですが、どう進めていくのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 3つの御質問がございました。それぞれについて事務局、お答えをお願いします。
○保健医療技術調整官 保健医療技術調整官です。
 まず、1点目にいただきました御質問は、特に病院とか診療所にかかる際の、初診でどこにかかるのがよいかという観点の御指摘だったかと思います。医療部会の年末いただいた医療提供体制の改革の意見の取りまとめにおきましても、最初に診療を受ける医療機関としてのかかりつけ医機能の在り方についても検討すべきという形で、意見を取りまとめいただいておりますので、そういった観点で今後、検討していかなければならない課題として、今、事務局としても認識しているところでございます。ですので、現時点で具体的にこうあるべきといったことは持ち合わせておりませんが、今後、今、御指摘いただいた観点を含めて、きちんとかかりつけ医機能について検討を進めていければよいのではないかと考えております。
 2点目につきましては、医療費適正化計画の部分かと思います。保険局の担当部分になりまして、本日、保険局の者がいないので、正確なお答えは難しいところでありますが、私のほうが聞いておりますのは、資料に記載してありますとおり、効果が乏しいエビデンスがあることなどが指摘されている医療、例えば急性気道感染症とか急性下痢症に対する抗菌薬の処方といったことについて、今後、有識者による検討体制を発足させて検討していくということで、こういった形で検討されていくと認識しております。本日、いただいた御意見については、担当部局にお伝えしますし、必要に応じて相澤委員のほうにも詳しく御説明させていただければと思っております。
 あと、3つ目が介護データの部分についてかと思います。こちらのほうも老健局のほうが担当になりまして、本日、担当者からの説明という形で御説明申し上げることは難しいのですが、委員の問題意識を承りましたので、担当者に報告させていただいて、また先生のほうに詳しい御説明をさせていただければと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ほかによろしいですか。
○相澤委員 どうもありがとうございました。
○遠藤部会長 ほかの部局にその旨はちゃんと伝えておくということなので、また何かあれば御報告させていただくということです。ありがとうございました。
 では、島崎委員、お待たせいたしました。
○島崎委員 かかりつけ医機能の制度整備につきましては、詳細が省令に委任されているだけではなくて、内容についても詰めるべき点が多々あります。同床異夢と言うかどうかはともかく、意見の食い違いも相当あると思います。その際、重要なことは、相澤委員も御指摘されましたが、医療提供側だけの視点ではなく、国民・患者の視点に立って、医療の質や効率性の向上に資するように、エビデンスに基づき議論を行うことだと思います。この「エビデンスに基づいて」というのは、永井前部会長が再三強調されたことですが、私もそのとおりだと考えます。
 具体的には、年齢別・主要疾患別に見た場合の、かかりつけ医に対する国民の意識がどうなっているのか。例えば、メンタルの病の患者は精神科の医師がかかりつけ医だと思う場合が多いと思いますが、認知症で内科系の疾患もある高齢者の場合、かかりつけ医は誰か、他の医師とはどういう関係になるのかということは結構デリケートな問題だろうと思います。それから、研修も重要になりますが、日本医師会のほか病院団体や学会も行っているわけであり、どの程度の水準を目指しているのか、研修の効果はどうかといったことの分析も重要だと思います。さらに、一口にかかりつけ医機能と言っても、当然のことながら、都市部と農村部では医療資源の分布や人口密度等が違いますので、それぞれの地域特性に応じたモデル事例というか成功事例の分析といったことも求められてくると思います。
 これらにつきましては、この医療部会でも紹介がったように、既にある程度の調査研究の蓄積があると思いますけれども、建設的な議論に資するためには、不足しているデータについては補完する取組が必要になると思います。先ほど、法律が通ってから具体的な検討を行うという趣旨の説明がありましたけれども、時間が限られておりもったいないと思います。こうした作業を進めることは決してフライングには当たらないと思いますので、ぜひ議論すべき論点の整理を行うとともに、必要なデータの整備を進めていただきたいと思います。
 以上、意見と要望です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。医療政策、全てエビデンスベースドでの議論ということになっておりますので、その重要性を改めて御指摘いただいて、具体的な案まで御提示いただいたと理解いたします。ありがとうございます。
 本件について、大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、まだ議題がございますので、次の議題に移らせていただきたいと思います。議題の2番目は「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法の閣議決定について」でございます。事務局より関連資料の説明をお願いします。
○医療経営支援課長 医療経営支援課長でございます。
 私のほうから、資料2、縦書きのものでございますが、「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法の閣議決定」につきまして御報告いたします。本法案につきましては、令和5年度以降における我が国の防衛力の強化及び強化された防衛力の安定的な維持に必要な財源を確保することを目的といたしまして、2月3日に閣議決定されました。
 本法案の内容についてでございますが、2.法律案の概要の(3)、赤枠で囲ってあるところでございますけれども、国立病院機構及び地域医療機能推進機構の積立金につきましては、各法人の個別法に基づいて、中期計画期間満了後に必要な業務の財源に充てるために繰越しが認められた額を除き、国庫等に納付することとされているところでございますが、新型コロナ対策の予算等による積立金のうち、国立病院機構については422億円、地域医療機能推進機構については324億円を、令和5年事業年度中に特例的に前倒しで国庫納付いただくこととしております。
 最後になりますけれども、国立病院機構及び地域医療機能推進機構におかれましては、これまで新型コロナ病床の確保とか臨時の医療人材の派遣など、通常の診療を行っていただきながら新型コロナへの対応に御尽力いただいていることに対しまして、この場をお借りしまして深く感謝を申し上げます。
 資料2の説明は以上となります。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、これについて御意見、御質問等いただければと思います。
 釜萢委員、お願いいたします。
○釜萢委員 日本医師会の釜萢です。
 この法律案の趣旨については、もちろん賛成でありますし、大臣間での合意が得られた内容と承知しておりますので、その前提の下で発言いたしますが、この2ポツの(3)のそれぞれの機構は、地域においても非常に大きな役割を果たしておられて、私の身近なところでも本当にお世話になっている医療機関です。経常損益というのは、もう既に公表されているところですけれども、毎年、大変な経営努力にもかかわらず、ぎりぎりのところでずっと運営しておられると承知しています。
 今回のコロナに対する体制整備の観点から、国からのいろいろな補助金が支給されたということで、あくまでも例外的な措置であって、これがずっと今後、このように積立てが多くなる、あるいは利益剰余金が発生するということは、とてもないと思います。このことはしっかり指摘しておきます。
 以上です。
○遠藤部会長 どうもありがとうございました。補足の意味合いも含めた御意見だったと理解しております。ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょう。
 それでは、佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 私からは、質問が1点、意見が1点、それから国立病院機構に関連して発言が1点、計3点申し上げたいと思っております。
 まず、1点目は、国立病院機構及び地域医療機能推進機構の国庫納付金の納付の特例を含め、法案が閣議決定されました。中期計画期間中に前倒しで国庫に納付することになると認識しておりますが、今回の対応で各機構への影響はあるのか、把握されていることがあれば、お尋ねしたいと思います。
 2点目ですが、各機構が果たすべき役割や、今後の新興感染症等への対応を考えたとき、率直な感想として、今回のような対応には懸念が残ることを申し上げたいと思います。
 3点目、今回の報告内容に関連してですが、国立病院機構に所属する全国の病院に働く看護師に関して、残業代の未払いが常態化しているということが、最近、報じられております。こうした事態が生じているとすれば、看護人材の確保や働き方改革が課題となっている中で問題です。所管している厚生労働省としても、状況の把握、対応等が必要ではないかと考えます。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 質問がございました。あとは御意見ではありましたけれども、事務局として、もしコメントがあれば、いただければと思いますが、いかがでございましょう。まず、第1番目、影響ですね。
○医療独立行政法人支援室長 医療独立行政法人支援室長でございます。よろしくお願いします。
 今回、国立病院機構と地域医療機能推進機構について、前倒しでの国庫納付という対応となりましたこと、誠に異例でございますが、政府の方針ということは説明のとおりでございます。各法人への影響に関しましては、特にこの積立金を利用しまして施設整備の促進ということを進めるように考えていたところでございますが、今年度と来年度いっぱいで中期計画期間が定められておりますが、その中期計画期間というのは、コロナの流行前に5年間の計画を定めたものと伺っております。
 そういう関係ですと、今回、病床確保料等の補助金が交付されたことによりまして、予定外の積立金が計上されたということでございますが、それは考慮せずに中期計画を作成されたという経緯があると伺っております。したがいまして、今期計画中については、計画どおり、予定どおり、支障を来さないように進めると伺っているところでございます。
 それから、3点目にございました全国の国立病院機構の看護師の問題でございますが、これにつきましては、先日も国会で厚生労働大臣が答弁しておりますとおり、基本的に厚労省としても法人からの御報告をいただきながら、適切に労働関係法規が重視されるように努めていくという答弁をさせていただいておりますので、引き続き、その辺を注視してまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 佐保委員、いかがでしょう。
○佐保委員 引き続き、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、お待たせしました。加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。
 今回、前倒しで積立金をこういう形で納付するということですが、今あった説明の中では、どういうふうな形で積み立てるのかというのを少しお聞きしたのですけれども、そのような形で取り上げられてしまうことがあるのであれば、逆に不足するときは補塡されることもあり得るのでしょうか。国立病院機構にしろ、地域医療機能推進機構にしろ、本当に地域医療を守っている中で、必要なことが起こったときにはちゃんと補塡されるということがあるかどうかをちょっとお聞きしたいと思いまして、質問させていただいております。
○遠藤部会長 分かりました。
 事務局、いかがでしょうか。
○医療独立行政法人支援室長 独立行政法人通則法におきまして、独立行政法人は、基本的に運営費に関して長期の借入れができるような規定が設けられていません。これは前提としまして、NHOあるいはJCHOについては運営費交付金というのは入っていないのですけれども、そのほかの法人ですと一部交付金が入っているところもございます。そういうふうに運営費交付金の措置ということを通じて、独立行政法人の維持を図っていくということ、これは国からの財政措置になになりますけれども、そういう建て付けになっております。したがいまして、独立採算で運営していただくということが基本になっておりますが、運営に支障が生じるということになれば、財政当局とも相談していくという仕組みになっているところでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 加納委員、いかがでしょうか。
○加納委員 御説明ありがとうございました。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、山口委員、お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。
 私、この両方の機構の有識者会議の委員を務めておりまして、とても大変な余裕のない中で運営されていることも存じ上げておりますし、今回のコロナについては、本当に大変な状況の中で人を出したり、いろいろな病院に派遣されたりということで、とても尽力されてこられたということも認識しております。そんな中で、これからアフターコロナということで、医療機関にとってもいろいろと費用も大変なときに、非常に多額な金額を納付するということにちょっと驚きを隠せませんでした。コロナ対応で補助金を得たというのは、コロナの患者さんを診ていた医療機関は同じように得ていたわけで、何もこの2つの機構だけが多額のお金を得たということではないのではないかと思いまして、疑問に思っているところです。
 この2つの機構が選ばれたプロセスというか、理由というか、こういう決まりだからということなのですけれども、ほかにも候補があって、その中で選ばれていることなのかということをお聞きしたいことと、この先、ほかにも同様のことが適用されるようなことがあるのか、あるとしたらどんな場合なのかということをお聞きしたいと思いました。質問です。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、事務局、お答えをお願いします。
○医療独立行政法人支援室長 今回、この2つの法人がコロナの補助金の関係で積立金が増加したということでございますが、これにつきましては、財務省のほうで広く独立行政法人を対象として点検を行ったということがございます。結果的には100億円を超えるような大きな金額の積立金が残ったのが、この2法人ということで選定されたと伺っております。
 そういうことで、そもそも独立行政法人に焦点が当てられたわけでございますが、先生もおっしゃられましたように、独立行政法人は基本的に中期計画期間終了後に積立金を清算するという仕組みがある。そこに着目して、それを前倒ししてということで、今回の返納に至ることになりましたけれども、そういう観点でいきますと、現在のところ、同じように補助金を頂いた他の医療機関への波及というのは、現時点ではないと考えているところでございます。
 以上でございます。
○遠藤部会長 山口委員、いかがでしょう。
○山口委員 私がこういうことが決まる前に聞いていましたのは、コロナの中で出てきたいろいろな課題について、有効にプラスになったお金を活用していくということをお聞きしておりましたので、これだけ多額の納付をすることによって、できなくなる事業も多々あるのかなということは危惧しております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、楠岡委員、よろしくお願いいたします。
○楠岡委員 楠岡です。
 当事者ですので、あまりお話しするという立場ではないのですが、ただいま加納委員から御質問があった借入れの問題ですけれども、国立病院機構は1年間の借入れは外部からできるようになっておりますけれども、それはその年度内に返さなければならないという形になっております。借入れが生じる状況であれば、返すめどもつかない状況が発生すると予想されますので、借入れはほとんど不可能に近いと我々は認識しております。
 それから、今回、すごく積立金が多いので、早期に返納するということになったわけでありますけれども、実は令和2年度までは繰越欠損金がずっとございました。それが令和2年度において、コロナの関係で少し黒字になったために、何とか繰越欠損金が解消されたような状況で、3年度におきましては、ゼロベースから積み上がったために非常に大きな額になってしまったという状況でございます。したがいまして、それまでずっと繰越欠損金は残っていた状況で、もしこのままの状況でしたら、毎年の経常収支は何とか黒になっておりましたけれども、それ以外の臨時損失金等があるために、結果的に総収支はマイナスになり、繰越欠損金になっていた状況です。
 これが長期に続きますと、我々のところは3年前から運営費交付金がもらえないというか、もらわない形になりましたので、あまり長期化しますと、当然、民間で言う倒産に匹敵する。そのときに、厚生労働省なり財務省なりでいろいろ御配慮いただけるものとは思っているのでありますけれども、法律にはそこは何も書かれておりませんので、何が起こるか全く分からない。納めることは納めるのですけれども、マイナスのときにどうなるかに関しては全然議論されていないという状況でございます。少し説明させていただきました。ありがとうございます。
○遠藤部会長 楠岡委員、ありがとうございました。国病機構の実態を御説明いただいたわけであります。恐らくいろいろお考えの委員もいらっしゃるかと思いますけれども、御意見は大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、2番目の議題もこれぐらいにさせていただきまして、議題の3番目に移りたいと思います。「第8次医療計画等に関する検討会(6事業目(新興感染症対応))等について」でございます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○参事官 参事官でございます。
 第8次医療計画検討会で議論されています、6事業目(新興感染症対応)につきまして御報告させていただきます。2ページの表紙にもありますけれども、こちらは2月17日の厚生科学審議会感染症部会でも報告して議論いただいている、ということでありまして、3ページから9ページまでは感染症部会の資料でありまして、昨年12月に成立しました改正感染症法によりまして、次の感染症危機、つまり、新興感染症に備えるために、感染症法に基づいて都道府県が平時に定める予防計画の(1)、記載事項を充実する。(2)で、県で数値目標を定めることなどとされております。こちらは令和6年4月施行であります。
 次の○で、また、県は、予防計画を定めるに当たっては、医療計画等との整合性を図ることとされておりまして、3つ目の○ですけれども、予防計画の基本指針の内容を充実していくということとされております。
 この点、補足ですけれども、つまり、予防計画の中の医療提供体制の部分につきましては、内容的には医療計画の内容そのものでありまして、4ページの表で、医療のほか、検査や宿泊施設、物資の確保等の数値目標、また具体的対応を盛り込んだ予防計画を策定していくこととされております。
 5ページから8ページにかけては、予防計画の基本指針と予防計画それぞれの目次がありまして、今後、感染症部会で肉づけ作業がなされていくということでございます。
 9ページからは、2月2日の第8次医療計画の検討会の資料でありまして、医療計画策定等に当たっての対応の方向性について議論が行われているということであります。
 10ページですけれども、検討会の進め方ということで、2つ目の○ですけれども、県と医療機関との間の病床確保等の協定締結を円滑に進めるための御議論をいただいているということであります。
 令和6年4月からの第8次医療計画の開始に向けて、令和5年度中に県で計画を策定していただきますので、今年度をめどに、できる限り早く検討会の議論のまとめを行って、5年度早期に医療計画の指針等を示すこととしたいと考えてございます。
 11ページからは、参考で、新型コロナ対応の医療提供体制について、昨年12月に各県で策定された保健・医療提供体制確保計画の全体の概要でありまして、主に各県の新型コロナ対応を積み上げた全国ベースの最大値などをまとめております。例えば、中ほどにコロナ確保病床ということで5.1万床確保ですとか、また、下のほうの枠で、自宅療養等について、健康観察・診療医療機関2.7万医療機関、訪問看護ステーション2.8千、薬局2.7万などの体制が整備されたということで、12ページでは、外来の体制としまして、右下の注4のところ、診療・検査医療機関の箇所数4万1000ということで、現在、4.2万の医療機関の体制が確保されているということでございます。
 13ページですけれども、昨年12月に成立した改正感染症法の概要でありまして、こちらは前回、報告しましたが、1の(1)の(1)で、都道府県が定める予防計画等、つまり医療計画も入るわけですけれども、これに沿って県と医療機関との間で協定を締結する仕組みが法定化された、ということと、(2)で、初動対応を行う協定締結医療機関について流行前と同水準の医療の確保を可能とするため、費用負担・支援する仕組みを新たに導入することとされたということであります。
 その上で、14ページになりますけれども、医療計画を策定していく上での、想定する新興感染症とその対応の方向性ということでありまして、これまでの国会審議等での議論をまとめているものであります。
 1つは、最初の○で、医療計画の策定に当たっては、一定の想定を置くこととしますが、まずは、現に対応している、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナへの対応を念頭に取り組むということで、次の枠では、初動対応となりますと、流行初期の医療確保措置の期間、こちらは、国会の附帯決議を踏まえて3か月を基本として、3か月の経過以降は、順次、全ての協定締結医療機関で対応するということです。
 一番下の3つ目の枠のところは、コロナ対応同様、各県で感染状況に応じて、一般フェーズ、緊急フェーズを設定して計画していくこととしております。
 15ページになりますけれども、そうした前提に立って、主に感染症法に基づく医療措置協定の(1)から(5)までの5項目に沿って、計画検討会で論点整理の議論を進めていただいているということであります。
 16ページからですけれども、1つは、協定締結に当たっての基本的方針ということで、対応の方向性で、県が医療機関との間で協定を締結するに当たっては、医療機関の能力などの調査を行って、またコロナ対応の実績も参考に協議を行って、医療機関の機能や役割に応じた内容の協定を締結する。こちら、感染症法上の医療機関は、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーションになりますけれども、協定を締結する。
 また、通常医療の確保のためにも、医療審議会等を含む協議のプロセスも活用しながら、広く地域で医療提供の分担・確保を図るということでございます。
 17ページからが、協定の主な5個のうちの(1)病床関係で、(1)協定締結医療機関の対象基準ということであります。こちらは、コロナでの重点医療機関の施設要件を参考に、酸素投与等の設備とか、県からの要請後1~2週間をめどに即応病床の対応ができるなどとされております。数値目標は一番下にありますけれども、コロナ対応の実績を参考に、その数値を上回る。一番下の行で、先ほど申し上げました5.1万床というのがあります。先ほど内堀委員からも御意見いただきまして、「上回る」という意味は、コロナでの実績、最大値を目指していくということで、そこは誤解のないように丁寧に説明していきたいと考えてございます。
 18ページですけれども、公費負担医療としていくために、県に一定の基準の下で指定するという行為が伴いますけれども、協定の履行に必要な基準、いわば必要最低限の基準としまして、左下で、病床の確保を行う協定締結医療機関、こちらは第一種協定指定医療機関ということになりますけれども、県からの要請を受けまして、必要な医療を提供する体制が整っている、といった基準を設けていくということでございます。
 19ページですけれども、流行初期医療確保措置の対象となる協定(特別な協定)締結医療機関の基準ということであります。こちらは、新型コロナ対応で全国で400床以上の重点医療機関が500程度あったということも参考・目安に、また下のほうにありますけれども、新型コロナ発生後、最初の冬で入院患者約1.5万人ということでありましたので、ここを流行初期3か月のところで対応していくということで、1.5万人割る500機関で、例えば30床以上確保していただいて、また県の判断で上下ということもあろうかと思います。また、県からの要請後、原則1週間以内に即応化していただくといったことを要件としてはということで記載してございます。
 20ページが(3)疑い患者の取扱いということで、こちらは独立した動線等を要するということで、協力医療機関の施設要件も参考に、病床の確保を図っていくということであります。
 21ページですけれども、重症者用病床の確保ということでありまして、こちらも必要な設備、また対応人材の確保に留意していくということでありまして、次の○で、地域で通常医療を担う医療機関との連携ということ、また、数値目標につきまして、コロナの対応の実績を参考に、そこを目指していくということでございます。
 (5)特に配慮が必要な患者の病床確保ということでありまして、こちらも各県の実情に応じて確保を求めていくということ、また、それぞれ患者の特性に応じた受入れ医療機関の設定、関係機関との連携など、周知を図っていくということで、23ページまで、それぞれの特性等に応じた留意事項を示してきておりますので、さらに充実して周知していこうということを考えてございます。
 24ページの(6)で、現行の特定・第一種・第二種感染症指定医療機関の役割、関係を挙げております。
 また、(7)地域医療構想との関係ということで、中長期的には地域医療構想も進めつつ、新興感染症の感染拡大の短期的な医療需要には、それはそれで対応していく。ただし、感染症対応で顕在化している課題につきましては、25年以降の地域医療構想の策定に向けた課題整理・検討の中で反映していくということでございます。
 25ページですけれども、(8)協定病床と基準病床の関係ということでありまして、こちらは、病床過剰地域においても特例的に増床の許可を行うことができるということが、今回、法律上、明記されましたので、そちらで対応していくということでございます。
 26ページが協定の2つ目の発熱外来の関係になりますけれども、協定締結医療機関の対象基準としましては、コロナでの診療・検査医療機関の施設要件を参考にしていくということです。
 数値目標、下のほうですけれども、現在、診療・検査医療機関4.2万か所ということでありまして、その最大値を目指していくということでございます。
 27ページが、先ほどと同様、公費負担医療の対象とするために、指定するための基準ということでありまして、協定の履行に必要な基準ということで、右下が、発熱外来の協定ですと第二種協定指定医療機関ということになりますけれども、県からの要請を受けて必要な体制が整っている、という要件とするということでございます。
 28ページが流行初期医療確保措置の対象ということでありまして、こちらが新型コロナでの流行の初期頃、1500程度の医療機関で対応ということを目安に挙げておりまして、先ほどの入院と同様、新型コロナでの最初の冬、20年冬の外来受診者約3万人ということでありましたので、この3万人を流行初期3か月で1500ほどの医療機関で行うとすれば、例えば1日、20人を受けていただく。県の判断での上下はあろうかと思いますけれども、そういったものを設けまして、要請後、原則1週間以内には発熱外来を開始するということを記載しております。
 29ページが外来における診療所の役割ということでありまして、今回、この法律に基づきまして、診療所も含め、全ての医療機関に協定協議に応じていただくことになりますけれども、できる限り協定を締結するということでありまして、最後のパラグラフで、感染症医療を行うことができない場合は、患者からの相談に応じ発熱外来等の適切な受診先の案内に努めるなどの記載をしております。
 30ページが協定の3つ目、自宅・宿泊療養者・高齢者施設での療養者等への医療の提供関係でありまして、協定締結医療機関、病院、診療、訪問看護ステーション、薬局が連携しまして、往診やオンライン診療等、また訪問看護や医薬品対応等を行うということ。
 2つ目の○のところですけれども、患者に身近な診療所におきましては、できる限り健康観察の協力を行うという記載がありまして、31ページになりますけれども、数値目標につきましては、先ほど申し上げました健康観察・診療医療機関約2.7万、また自宅療養等のフォローを行う訪問看護ステーション約2.8千か所、薬局約2.7万か所ということで、この数値を目指していくということであります。
 また、指定基準につきまして、それぞれ県からの要請を受けて、実施できる必要な体制が整っているということを基準として挙げているということでございます。
 32ページが高齢者施設等に対する医療支援ということでありまして、こちらにつきましても、新型コロナ対応でも、各都道府県に施設からの連絡等があれば、支援チームを派遣する体制の整備、また、全ての高齢者施設において医療機関の事前の確保ということを進めてきておりますけれども、これらを参考に、新興感染症対応においても同様に行っていくということを意識しながら、高齢者施設との連携を含めて、協定締結していくということでございます。
 33ページが(4)の後方支援の関係であります。
 後方支援につきましては、(1)特に流行初期の感染症患者以外の患者の受入れ、(2)感染症から回復後の入院が必要な患者の転院の受入れを想定しているということでありまして、後方支援医療機関の現にあります協議会とか関係団体間の連携の枠組みとも連携した上で対応していくということ、また、数値目標につきましては、現在の約3.7千機関を目指していくということでございます。
 34ページは(5)人材派遣の関係になりますけれども、人数等の基準は特段設けないということ、また、医療機関のほうで、自院の医療従事者への訓練・研修等を通じ、対応能力を高めること、数値目標につきまして、約2.7千医療機関、医師約2.1千人、看護師約4千人を目指していくということでございます。
 (2)派遣される医療人材の処遇等ということでありまして、協定のモデル例を国としても示していくということを考えております。
 35ページが、国が直接派遣を要請できる医療機関ということでありまして、公立・公的医療機関等のほか、特定機能病院や地域医療支援病院、広域的な医療人材派遣も想定されているDMAT・DPAT等の在籍する医療機関を対象とする。
 (4)都道府県が他の都道府県等に広域派遣を依頼する場合の判断基準ということで、最後の※のところで、陽性者、病床使用率、医療従事者の欠勤者数などの事情を総合的に勘案して、医療の逼迫が認められると判断される場合を基準とするということでございます。
 (5)国が直接派遣を要請できる医療機関が都道府県からも派遣要請を受けていた場合の判断ということにつきましては、国において県の状況等も勘案しながら、派遣元となる医療機関と調整しながら派遣の要請を行うということでございます。
 36ページからは、3.協定締結プロセスにおいて考慮すべき事項ということで、(1)圏域設定の考え方、弾力的に設定ということでありまして、最後のところで、二次医療圏にこだわらず、例えば、重症患者等への対応等につきましては、県単位で確保するなど、地域の実情に応じて柔軟に体制を構築するということ。
 また、(2)協定締結の具体的なプロセスということで、県の医療審議会の意見を聴いた上での対応、協定の協議で合意に達しない場合には、県審議会の意見を聴くことができるということでございます。
 37ページ、公的医療機関への義務付けのプロセスということで、こちらは県から公的医療機関等に対して、義務となる医療の提供について通知することになりますけれども、内容については、協定締結協議を行いながら、医療機関の機能等に応じて定めることとなるということです。
 (4)で、県における締結した協定等の報告・公表の方法などでありますけれども、医療機関がG-MISを活用して県に報告することになりますけれども、その中から一部を県において公表するということであります。公表の内容につきましては、協定締結段階では、その医療機関名や協定の内容、また、協定実施の段階では、病床の稼働状況や、発熱外来であれば診療時間などの情報の公表を行うということ。
 (5)協定が履行できない「正当な理由」の範囲ということでありまして、こちらは個別具体の判断が必要ではありますけれども、例えば、院内での感染拡大等で医療機関内の人員が縮小している場合とか、自然災害など、想定と異なる事情が発生しまして、やむを得ないということで、都道府県が判断する場合が該当するということでございます。
 (6)協定の実効性確保のための従事者の状況等の把握ということで、こちらは医療人材の欠勤等の状況も含めまして、G-MISを活用して県において把握していくということ。
 最後、(7)予防計画の数値目標と現行の医療計画の指標との関係性ということでありまして、先ほど来の数値目標、これは予防計画と共通になりますけれども、医療計画としましては、指標が他の事業でもありますので、それと同様、39ページに赤字で挙げている先ほど来の数値目標に加えまして、例えば、左上の重症者に対応する医師とか、下のほうの研修・訓練を実施している医療機関の割合とか、感染対策向上加算を取得している医療機関の割合とか、派遣人材の研修のうち、研修を受講している人数といった指標についての検討をしているということでございます。以上が医療計画検討会の配付資料でございます。
 40ページからは、参考で検討会の過去の資料ということでありますけれども、72ページまで飛んでいただきますと、72ページから76ページまでは、これらの論点に沿いまして、先日の検討会、また感染症部会でいただいた御意見をまとめているもので、御参考までということでありまして、引き続き、議論、検討を進めることとしております。
 御説明は以上になります。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 結構ボリュームが大きくて恐縮ですけれども、御意見、御質問等あればいただければと思います。いかがでございましょう。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 都道府県と保健所を設置している市との権限の関係について質問したいと思います。これは以前、この部会でも指摘したのですけれども、医療法は基本的に大都市の特例がなく都道府県に権限が集中していますね。それに対して感染症法は保健所の役割を重視しているために、都道府県以外に政令指定都市、中核市、特別区、保健所政令市が一定の権限を有する体系となっています。今回のコロナの対応を見てみますと、私は47都道府県全て詳細に把握しているわけではありませんけれども、例えば、県設置の保健所と市設置の保健所からばらばらに医療機関に対して入院の依頼があり医療現場の混乱を招いたという県があった一方で、指揮命令系統の輻輳化を避けるために、都道府県に調整権限を一本化した県もあったと思います。
 私は、率直に言って、入院調整は基本的には都道府県に調整権限を一元化したほうがよいということを私は申し上げてきましたが、入院調整の問題は、感染症法と医療法のまさに重複する部分だと思います。今回の検討に当たって、この入院調整の権限については、そもそも保健所の役割だったのかという論点もあると思いますけれども、ただ今申し上げた都道府県の権限と保健所を設置する市の権限との関係につきまして、どういう考え方に基づいて、どのような整理を行ったのかということについて、少し御説明いただきたいと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょう。
○参事官 お答えいたします。
 まさに御指摘のとおり、新型コロナ対応におきましては、入院調整の問題、保健所業務が逼迫したということ。また、おっしゃるとおり、都道府県と保健所設置市との連携なり関係性が不明確であったということもありまして、これへの対応として、法律上の措置もなされております。今日の資料ですと65ページにつけております。御指摘のとおり、都道府県が中心となって行っていくという前提に立ちまして、65ページの上のほう、調整権限ということで、県から保健所設置市・特別区に対する権限としまして、平時からの総合調整権限というものを追加しているということと、併せて、有事、感染症発生・まん延時におきましては、都道府県から保健所設置市・特別区等に対する指示の権限が設けられたということであります。
 こういった措置に加えまして、法律上の平時からの追加的な措置としましては、連携協議会を設置する、と。これは資料としましては64ページのほうになるのですけれども、平時から、都道府県、保健所、医療機関等、関係機関が集まって、有事における体制についての協議をあらかじめ、要は備えの準備について協議、検討していくという仕組みを設けております。したがいまして、こちらを有効に活用しながら、また、適宜、法律に設けられました権限も活用しながら、都道府県中心に円滑に入院調整を図っていくこととされたということでございます。
 以上です。
○島崎委員 了解しました。私は先ほど申し上げましたように、基本的に都道府県に調整権限を一元化しておいたほうがよいと思います。また、具体的な対応については、今回のコロナの対応の評価も含めて、ぜひ都道府県に周知していただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 では、安部委員、お待たせしました。
○安部委員 ありがとうございます。日本薬剤師会の安部でございます。
 私からは、資料の13ページ、それから、30、31ページに関連して、公費の観点について、お伺いしたいと思っております。外来・在宅医療については、感染症法で患者の自己負担分を公費が負担する仕組みを創設する。これは必要な法的な措置であり、大変ありがたい措置だったと思います。
 そして、30ページ、31ページを見ていただきますと、公費医療に当たっては、協定締結医療機関に関する対応の方向性が示されておりますが、薬局に関しては、新型コロナ対応実績が約2万7000か所、新たな医療提供体制整備では、それを上回る数値を目指すと記載がございます。この今後の対応については、自宅や在宅療養において必要な医薬品を確実に提供する対応を確保するために、750余の地域薬剤師会、47の都道府県薬剤師会の活動を通じて、医療機関、関連団体、行政と連携して、より多くの薬局が対応できるように努めたいと考えております。
 一方、本日、お示しいただいた30ページ、31ページの資料を読む範囲では、若干懸念される事項もあり、その点について事務局にお伺いできればと思っています。現在の新型コロナ感染での公費対象になる処方に関しては、ゾコーバなど、国で無償配布される薬剤の調剤に関しては、登録制などを取って一定のコントロールをしておりますが、ほかのコロナ療養に関する治療薬に関しては、原則、全保険薬局で対応できています。6万余の薬局で応需が可能であるということでありますし、公費対象についても、都道府県をまたいだ場合でも応需が可能な状況になっています。
 一方、今回の案を見ますと、新たな新興感染症の対象では、都道府県の公費を提供するために、都道府県と協定締結医療機関として指定を受けることが求められます。現行のコロナ対応の応需体制と比較して、対応する薬局に一定の制限がかかってしまうのではないかというところが懸念されるところであります。また、都道府県ごとの公費で協定締結が求められておりますので、例えば、現行では県をまたいでも公費は使えるわけですけれども、新たな仕組みでは、例えば埼玉県在住の患者さんが東京都で処方箋調剤を受ける場合協定が不在となるので、不具合が生じるのではないかなどが現場的には懸念されるわけであります。
 これまでの経験を踏まえて、今後の新興感染症発生時に、公費に関わる制度上の課題で現場に混乱を招くということがあってはなりませんので、厚生労働省の事務局におかれましては、事前に予測できるような課題や問題点というものは検討していただきたいなと思っているわけでありますが、まず、今日、私がお話しさせていただいた懸念事項等についてコメントがあれば、お答えいただければと思います。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
○参事官 ありがとうございました。
 今回、公費負担医療の対象となる基準も、案ということでお示しさせていただいておりますけれども、これは国のほうで一律に告示などで示していこうと考えており、、提供する医療や指定医療機関の基準ということでありますので、どこの県に所在の医療機関であっても、基本的には当該医療を提供する医療機関ということであれば、指定される想定でありますので、そのため、その前提となる協定を締結していただきたいと考えておりますので、その趣旨は周知していきたいと思っております。
 一方で、御懸念は、そういった医療を実施しているにもかかわらず、協定締結に至っていない協定指定医療機関以外の医療機関、冒頭申し上げましたとおり感染症法上の医療機関には、薬局や訪問看護ステーションも含まれているわけでありますけれども、そこで医療を受けた場合はどうなるかということでありますけれども、ここは感染症法の条文でもございますけれども、緊急やむを得ない場合ということであれば、公費負担医療の対象としていくということであります。したがいまして、県を越えて、医療、これには薬局での調剤等も含まれてくるわけですけれども、それらを受けましても患者負担が変わるということはないよう対応していきたいと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長 安部委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、お待たせしました。佐保委員、お願いいたします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 私から3点、意見を申し上げます。
 まず、1点目ですが、資料13ページから14ページにかけてです。昨年12月に成立した感染症法等改正法案では、流行初期医療確保措置が導入されました。審議会において、その財源については、診療実績がなくても支払われることになる負担であることや、保険者機能を踏まえ、基本的に全額公費によって賄われるべき旨を何度も発言してまいりました。改正法でも、公費とともに保険として負担することは変わりませんでしたが、国会審議において委員会附帯決議が付されております。附帯決議で示されたとおり、同措置は、費用の一部に保険料が充当される例外的かつ限定的な措置です。3か月を基本として、必要最低限の期間とすることを踏まえた上で、充実した対応が図られるよう、詳細の周知も含め、しっかりと対応いただくよう、お願いいたします。
 2点目ですが、17ページ、協定締結医療機関の対象基準・数値目標についての対応の方向性(案)の2つ目の○にあるとおり、確保した病床を稼働させるためには、医療従事者の確保も重要です。人員確保の関係については、平時からの感染症対応人材の確保や育成が欠かせません。協定締結医療機関に必要な設備整備や物資の確保も含め、患者の立場からも充実した対応が図られるよう、国として必要な支援策を講じていただくよう、お願いいたします。
 3点目、36ページ、協定締結の具体的なプロセスとして、都道府県は、予防計画・医療計画に定めた病床の確保のため、都道府県医療審議会の意見を聴いた上でとあります。会議体としては都道府県医療審議会になると考えますが、新興感染症発生時に地域の実情に応じた医療提供がなされるためにも、また患者の立場から充実した対応が図られるためにも、その場に限らず、保険者・被保険者の声を広く聴くことが重要ではないかと考えます。
 以上、よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。御意見、御要望として承りたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、野村委員、お願いいたします。
○野村委員 野村と申します。よろしくお願いします。
 新型コロナウイルス感染症の発生から今まで、様々な検討や対応をいただきまして、ありがとうございます。今後、今回の経験を踏まえまして、細かく、どの部分がどうということではございませんが、たくさん検討されている中で、1点のみ発言させていただきたいと思います。子供を育てる中で、平時であっても、小さな子供の病気のときは不安が大きい中であります。新型コロナウイルスの発生から最初の数か月や大流行の時期など、受診したいときに受診できない状況もあったり、発熱外来がありましたが、それが実際、どこに行ったらいいのかとか、連日の報道も多くて、ふだんだったら受診しなくてもいいかもしれないけれども、感染のことも考えて行ったほうがいいかなど、非常に困惑する時期もありました。
 子供は大人とは違って、病気の進行や初期対応なども違うことがあります。オンライン診療の充実や感染対策の必要性も十分理解しておりますが、地域の状況や小児の特有の病気の特徴なども踏まえて検討していただけたらと思います。少子化という中であっても、大人と子供が全て同じ対応ではなく、分けるべき点はしっかり分けて、小児に関して、ぜひ今後、有事のときにも御対応いただけたらと思います。そうする中で、私たちも安心して子育てしていけるのではないかなと思いますので、要望として発言させていただきました。ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。感染症対策、小児という観点からの議論もあり得るだろうということの御要望でしたが、何かコメントございますか。
○参事官 ありがとうございます。
 まさに、今回、協力いただける協定締結医療機関として、小児対応の医療機関も含めて、協定の公表の仕組みも設けることとしておりまして、どこで行われているかということをより示すことによって、選択に資するような仕組みを、コロナの対応も参考に、取り入れていきますし、また、実際に感染症が発生してからは、まさに先ほど診療時間なども示していくということを御紹介しましたが、対応可能な患者、小児の受入れが可能かといったことも公表の仕組みとして入れていくことも検討していきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 それでは、都竹委員、お願いいたします。
○都竹委員 ありがとうございます。
 3点申し上げたいと思います。
 全体として、様々な医療機関、あらゆる医療機関が新興感染症の際に役割を果たしていくということを、あらかじめ協定で定めておくということは、大変有意義で必要なことだと考えます。その一方で、地域の医療機関でありますとか、あるいはこれは市町村もそうなのですけれども、コロナの経験の中でどういうふうに感染制御すればいいのか、感染対策をすればいいのかということに対して、知見がないまま、最初、結構な混乱状態になったということがございました。そうしますと、新興感染症、コロナのような形のものが仮に起こったときに、各医療機関、各地域は一体どうすればいいのかということを指導できる人材を確保しておいて、そういった方がちゃんとアドバイスできる体制を整えておくことが必要ではないかと思います。
 その意味では、中核となる医療機関の感染症の知識を持ったドクターがいろいろなところの指導に入れるようなことを、特に中核となる医療機関との協定の中では含めておいていただきたいなということを思います。また、そうした方々を一定ストックして、継続的な研修とか継続的な状況の知識のアップデートができるような体制を平時から整えておいていただきたいということを思います。これが1点目です。
 2点目は、配慮が必要な患者に対する対応です。認知症患者とか障害児・者の対応は、コロナの中で大変苦労して現場での混乱の原因になったところでございました。特に認知症患者については、施設でクラスターが発生する原因になって、病院に移送されて、今度は病院でまたクラスターの引き金になるということが、実際にかなりございまして、その対応というのは、医療機関ではどうしたらいいか分からないということも現実にありましたし、高齢者施設、福祉の現場との連携ということが求められたと認識しています。
 この点については、例えば、クラスターを最小限に抑えていく、あるいは初期の対応をしていくということも含めて、あらかじめ福祉の現場と医療機関との連携体制をどう取るのかということを、別途にしっかり深掘りして議論いただきたいと思います。これが2点目です。
 3点目は、地域の診療所の役割です。コロナ禍の中で不安がある方も含めて、地域の医療機関に取りあえず行くということが現実にかなり起こりました。そうした際に、今の感染対策の動きとか都道府県の方針というのが、地域の診療所に伝わってきていないということが現実にかなりあり、我々のような市町村がそういったことに答えるということが現実にありました。県の医師会から地域の医師会への情報の流れが決してスムーズではないものですから、現場で何をどうすればいいのかということが伝わらないということであったと思います。
 ですので、感染症の時々の変化する状況とか、それに対する対応について、直接、地域の診療所に情報が行くような仕組みを構築していただきたいと思います。これが全体として対応するときに不可欠の条件になると思いますので、ぜひ御検討賜りたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 現場から重要な御指摘をいただいていると思います。この医療計画の中にも、それらに関連するところがあるかと思いますけれども、事務局、何かコメントいただけますか。
○参事官 それぞれ重要な御指摘かと思っておりまして、人材育成も、国のほうも院内感染対策講習会という事業で、地域において指導的立場を担うことが期待される病院向けの講習ということでやっているものもありまして、それをその指導者から他の医療機関への展開ということも考えられるかと思いますし、そういった研修の充実も含めて、引き続き検討していきたいと思っております。
 また、認知症患者の方の対応ということにつきまして、先ほどの資料の中でも配慮事項ということも少々紹介させていただいておりますけれども、さらに配慮すべき事項というものを示していくべきとされたということであります。現在、医療現場で認知症対応能力向上のための研修を進めてきておりますけれども、その研修をさらに活用していくということを考えておりますし、また、高齢者施設の現場のほうでは、現在、感染防止、安全管理の普及などを記載した手引きの作成に向けた研究も行われているということを担当部局からも聞いておりますので、その研究成果も活用していって、どういった連携なりしていけるかということも、引き続き、関係部局と連携して検討していきたいと思っております。
 3点目、まさに国からの情報発信ということも、また関係部局とも連携しながら、広く周知されるような方策を引き続き検討していきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 都竹委員、いかがでしょうか。
○都竹委員 ありがとうございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、お待たせしました。神野委員、お願いいたします。
○神野委員 ありがとうございます。
 この会でも以前から申し上げていましたサージキャパシティーの話をさせていただきたいと思います。民間であろうが、公であろうが、今、急性期の病院は90%以上の稼働率があって、そして急性期の手術や救急患者をいっぱい受け入れて、手術・処置をして高回転でやるということで、それでもようやく利益率が数%といった現状ではないでしょうか。今回、協定締結医療機関について、1週間程度で切り換えるという話があるわけであります。そのためには、サージキャパシティー、先ほど都竹委員がおっしゃった人材の話もありますし、病床を空けておく話もあるわけですし、いろいろな器材といったところでも少し余裕を持たないと、実際問題として受け入れることはなかなか難しい。
 ましてや、コロナのときにできたのだからいいでしょうという話があるかもしれないですけれども、まさに、この新興感染症がコロナよりも強いか弱いかも分からない時点で、1週間ぐらいで平時から有事に切り換えるというお話が出ているわけでありますので、そういった意味では、余裕、サージキャパシティーがないとなかなか難しいのではないかと思います。それに対しての平時からの感染症対策に対する何らかの補塡がないと、大変難しい。金目の話というのは、感染症法改正であまりないような気がするのですけれども、平時における余裕に対して、どうするのだという議論をぜひしていただきたいと強く思います。
 私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。従来からある議論だと承りました。特段、これは事務局のコメントは必要なくてよろしゅうございますか。では、今後の議論の課題と受け止めさせていただきます。
 それでは、相澤委員、いかがでしょうか。
○相澤委員 どうもありがとうございます。
 質問と意見がありますが、まず、あちこちにフェーズという言葉が出てくるのです。例えば、14ページを見ますと、フェーズ設定の考え方を通知した上でと書いてあるのですが、フェーズは、これだと、もう決められていないという話になってしまうと思うのですが、従来、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ4というのは、フェーズ1は拡大が制御されている状況で、フェーズ2になると拡大の初期だと書いてあるのですね。そうすると、ここで流行初期と書いてあるのは拡大初期のことを言うのか、それとも感染症が始まってしまったフェーズ1のことを言うのか、知事が判断すると書いてあるのですが、判断基準を示しておいてもらわないと病院は動きようがないわけですね。そうすると、このことをどう考えておられるのかということを教えていただきたいのが第1点です。
 第2点は、32ページに協定締結医療機関が担う高齢者施設等に対する医療支援体制ということについて確認し、協定を締結するとあるのですが、この協定は高齢者施設と締結するのでしょうか。それとも県が、あなたはこことここの高齢者施設の面倒を見てくださいと言うのか、その辺について、どういうお考えかをお教え願いたいということです。
 次に、先ほどの神野委員の話ともちょっと関連するところがあるのですが、知事がフェーズを変えたときから1週間以内にと書いてあるのです。先ほど言いましたように、ほとんどの病院は、90%かどうか知りませんが、85%とか、稼働率の高い病院は95%とかあるのです。その病院が1週間で感染症用のベッドを準備することは無理です。私たちの病院もコロナでやりましたけれども、現場では2週間から3週間、時間をくれ。なぜかというと、その病棟を空けるために患者さんを移動させなければいけないことが第1点。
 第2点は、予約患者さんがずっと詰まっているのを何とか後ろへ延期してもらって、何とか患者さんにお願いして、それをやる。これだけでかなり時間がかかるのに、1週間でやれというのは、僕らに言わせるとふざけるなと言いたいということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 事務局、お願いいたします。
○参事官 まず、1点目のフェーズの考え方といたしましては、先ほど説明を割愛いたしましたが、14ページの一番下のところにフェーズに応じた対応ということで記載しておりまして、新型コロナ対応でも、一般フェーズと緊急フェーズということで、各県でそれぞれ段階的に3フェーズ+3フェーズでしたり、5フェーズ、7フェーズでしたり、決定して取り組まれていたこともありますけれども、それも参考にするということが1つあります。また、御指摘の流行初期との関係ということでありますが、まず、流行初期の最初の3か月につきましては、一般フェーズ、緊急フェーズということではなくて、流行初期確保措置の対象医療機関を中心に対応していただくということでありまして、もちろん、それ以外の医療機関にも可能なところには対応していただくということで考えております。ですので、最初の3か月は流行初期としての対応。その後は、これまでのコロナのような一般フェーズ、緊急フェーズの仕組みでの対応ということで考えております。
 続きまして、32ページは高齢者施設での医療の確保の関係の協定のところでありまして、こちらは都道府県との協定の締結は医療機関ということになっておりまして、高齢者施設での医療を提供していただくという協定を締結していく中で、可能であれば、どこの高齢者施設で提供するか、あるいは行く可能性ということも含めて、連携も含めた確認ができれば、ということでの記載としております。
 3点目は、1週間での即応化ということにつきましては、資料の19ページかと思います。流行初期のところで、発生から1週間での即応化は困難というお話かと思いますけれども、例えば、19ページの中ほどの参考のところで、コロナでの対応で2020年1月28日の政令が出て、2月1日から指定感染症2類相当に位置づけられたわけであります。これに当てはめますと、2月1日から発生の公表ということになりますと、ここから1週間でベッドの確保ということになるわけですけれども、コロナのときも、その前から、1月14日のWHOなり、15日の国内での1例目発生ということがございますので、、2月1日より数週間前から、こういう情報があるのであれば、今度は国として、先ほど御指摘もありましたけれども、広く医療機関全体にも情報が届くような形で、数週間前から準備していただきたいといったメッセージを発していくということを検討しておりまして、そういった形での対応をお願いしたいと考えてございます。
 以上です。
○遠藤部会長 相澤委員、いかがでしょう。
○相澤委員 感染症患者が国内で発生した場合に最初に対応するのは、感染症指定医療機関ですね。感染症指定医療機関で賄えなくなったときに、一般病床を感染症病床に変えてくれという指示が都道府県からあるという流れだと思うのですが、そういう考え方でいいのでしょうか。というのは、感染初期というのが非常に曖昧な言い方で、何だか分からないので、そこのところを確認したいということです。ちょっと教えてください。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○参事官 そういう意味では、ここで使っています流行初期といいますのは、19ページの年表でいいますところの指定感染症の2類相当にした施行以後ということになりますので、これ以降が今回でいうところの流行初期になりまして、これ以降の3か月は、今回の新たな仕組みの流行初期確保措置の内容を含む協定締結医療機関に対応していただきたいということでありまして、その整理を24ページの(6)のところで記載しておりまして、2パラ目のところで、新興感染症が発生した場合というのは、これは発生というのが指定感染症に位置づけられる前から、先ほどの国内で発生ということになりますけれども、ここでは現行の感染症指定医療機関の感染症病床を中心に対応いただくということであります。
 2類相当になって、指定感染症なのか、新興感染症なのか、新型インフルなのか、再興型なのか等々ありますけれども、厚労大臣がそれに位置づけられたと公表した後からの流行初期3か月は、流行初期医療機関で対応いただくという整理をしております。
 以上です。
○遠藤部会長 相澤委員、いかがでしょう。
○相澤委員 問題は何を言いたいかというと、感染症2類なら2類に指定しましたということと、次に都道府県が病床を準備してくれという、それをどういうタイミングで出すのかということは、都道府県の自由になるのでしょうか。それとも、ある程度、この状況になったら発してくれということを言うのか。その都道府県の知事がそういうことをやってくれと言ってから1週間ということであると、我々は非常に困るので、それを何とかしてくれというのがお願いということになるわけです。
 以上です。
○遠藤部会長 事務局、よろしいですか。コメントがあれば。
○参事官 その辺り、ある程度時間的な幅を持って対応していただけるように、事前に周知、また都道府県における医療機関への依頼のタイミングも早め早めに行っていただけるように、まず、国が情報を提供することが重要かと思いますので、御指摘の点を念頭に置きながら、今後、設計していきたいと思います。
○相澤委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○遠藤部会長 よろしくお願いします。ありがとうございました。
 では、お待たせしました。山崎學委員、お願いいたします。
○山崎(學)委員 今回のコロナの感染症の経過を見ていますと、私は15ページの人材派遣のところに非常に疑問を感じています。というのは、コロナの加算については、診療報酬で何点加算をつけるということが公表されているわけです。ところが、人材派遣については、医師は幾らで、看護師は幾らで、ロジスティクスは幾らでという値段が全く公表されていません。報道で見ると、パソナを中心に大手の人材派遣業者に出しているわけですが元請で受けて2次受けに下ろしています。
○遠藤部会長 山崎委員、声が聞こえなくなりました。
○山崎(學)委員 その2次下請けというのが、1次のパソナに登録した人数よりも少ない人数しか派遣していないのに満額を請求していたとか、そういう話が出てきた。また、派遣の価格にしても、1次下請けで受けたところが、現場で払っているのと同額に近いような中抜きをしているという話があります。これは公共事業と同じような、構図になっています。全部そういうふうに下へ下ろしてしまっているのです。
○遠藤部会長 山崎委員、また声が聞こえなくなりました。
○山崎(學)委員 この構図というのは、東京オリンピックで電通がやったのと同じようなことを、今度のコロナの混乱に乗じている気がします。したがって、派遣業務についても、どういう経緯でその会社が選択されたのか、あるいは医師は幾ら、看護師は幾らと、下請けに出した原価をきちんと公表するべきだと考えていますが、事務局としてはいかがなのでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、何か御意見ございますか。
○参事官 人材派遣の調整の関係では、先ほど少々御説明した34ページの(2)の人材の処遇等というところで、協定のモデル例を示すということをうたっておりまして、今後、具体的な手当も含め、モデル例を示していきたいと思っておりますし、また、具体的にその手当・額ということにつきましては、協定の実施に要する費用、新興感染症の性状に応じた対応状況も踏まえながらの設定ということで、有事に入って速やかにということになろうかと思いますが、そこの中である程度の手当という基準も出てくるのかなと思っております。そういう検討の中で、御指摘のような問題があれば、それを何らかアナウンスしていくタイミングみたいなことは、ちょっと留意しておきたいと思っております。
○遠藤部会長 山崎委員、いかがでしょうか。
○山崎(學)委員 選定の経緯と価格をきちんと公表していただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 事務局、何かコメントありますか。
○参事官 新興感染症の人材派遣の関係の設計はこれからでありますので、設計の中で、どういうタイミングで何ができるかということは考えていきたいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 山崎委員、よろしゅうございますか。
○山崎(學)委員 結構です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、加納委員、お待たせいたしました。
○加納委員 ありがとうございます。
 もう時間がないと思いますので、先ほどから神野先生、相澤先生から病院に関する問題点を御指摘いただいたと思うのですが、私からは、救急に関して、ちょっと確認したいと思うのです。新興感染症初期であろうが拡大期であろうが、不要不急ではない救急搬送患者があったわけで、以前、千葉市消防局の救急の報告によりますと、コロナの搬送患者のほぼ10倍以上の一般の救急患者があったわけであります。その患者さんに対して、我々、しっかりと疑い患者扱いとして、まずは受けなければいけなかったということが現実的にありました。その対応に関しまして検討会のほうでも質問させていただいたのですが、20ページの疑い患者として扱うのか、どういう形で扱うのかということがはっきりされておりません。
 これは救急も6事業のうちの一つですので、どちらかではっきりとその点を分かるように確認させていただきたいかなと思います。要望でございます。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御要望として承りました。
 ほぼ予定していた時間になりましたが、何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、本日の議論は大体このぐらいにさせていただきたいと思います。
 事務局から何かございますか。
○保健医療技術調整官 事務局でございます。
 遠藤部会長におかれましては、本日は司会進行いただき、誠にありがとうございました。引き続き、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、本日は一般傍聴の制限をしておりますことから、議事録につきましては可能な限り速やかに公表できるよう、事務局としても校正作業を進めてまいります。委員の皆様におかれましても、御多忙中とは存じますが、御協力いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○遠藤部会長 それでは、本日の会議はこの辺りにしたいと思います。大変長時間にわたりまして御参加いただきまして、どうもありがとうございました。失礼します。

 

(了)

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