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2022年9月5日 第90回社会保障審議会医療部会

医政局総務課

○日時

令和4年9月5日(月)15:00~17:00

 

○場所   AP新橋 3階 Aルーム


○議事

○医療政策企画官 定刻になりましたので、ただいまから、第90回「社会保障審議会医療部会」を開催させていただきます。
 まず、委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とさせていただきます。傍聴は報道関係者のみとさせていただいております。
 会議中の留意事項につきましては、事前に送付させていただいております「オンライン参加の留意事項について」を御覧ください。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、遠藤直幸委員から御欠席との御連絡をいただいております。医療部会の総委員数が24名で、定足数は3分の1の8名となっており、本日は23名の委員の皆様が御出席となりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 また、内堀委員、松田委員より遅れて出席されるとの御連絡をいただいております。
 次に、議事に入ります前に、資料等の確認をさせていただきます。事前に、議事次第、委員名簿、座席表のほか、資料1から4、参考資料1及び2を送付させていただいておりますので、お手元に御準備いただければと思います。
 では、以降の進行は、永井部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、議題に入ります。まず「現行の感染症法等における課題と対応等について」事務局より説明をお願いいたします。
○医療政策企画官 御説明いたします。お手元の資料1を御覧ください。資料1の1ページ目から13ページ目までは前回の医療部会で事務局より提出させていただいた資料でございまして、主に今年6月15日にまとめられました有識者会議の課題についてと、あとは6月17日にまとめられました政府対策本部決定を中心に御説明させていただきました。本日は14ページ目以降を使って御説明させていただきたいと思います。
 先週金曜日、9月2日に改めて新型コロナウイルス感染症対策本部が開催されまして、新たな政府対策本部決定が行われたところでございます。政府対策本部決定自体はお手元の参考資料につけさせていただいておりますが、その中で本医療部会に関連があります部分につきまして、私のほうで抜粋させていただいて、本体の資料とさせていただいておりますので、本日はこちらの資料を活用して御説明させていただきたいと思います。
 まず14ページ目、一番上の○のところでございますが、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症法の改正については、以下の方向で検討し、速やかに必要な法律案の提出を図るとされてございます。
 (1)感染症発生・まん延時における保健・医療提供体制の整備等ということで、関係法律がここに列挙されておりまして、この中に医療法も含まれているところでございます。こちらは感染症発生・まん延時と記載がありますが、要は感染症有事、感染が流行し始めてからそれが収束するまでの間全てということで御理解いただければと思っております。
 平時からの計画的な保健・医療提供体制の整備ということでございますが、感染症法に基づきまして都道府県が平時に定める予防計画について、保健・医療提供体制に関する記載事項を充実するとともに、医療・検査・宿泊施設等の確保について数値目標と。この具体的な数値目標の中身が規定されておりまして、病床、発熱外来、自宅療養者等に対する医療の提供、さらには後方支援、人材派遣、個人防護具の備蓄とされているところでございます。さらに、自宅療養者等に対する医療の提供というところで、これまでも前回の政府対策本部決定でもオンライン診療、往診・訪問看護と記載されておりましたが、今回新たにオンライン診療、往診・訪問看護に加えまして、医薬品等対応というのも記載が追加されているところでございます。それらを定めることといたしまして、予防計画の部分につきましては、保健所設置市は都道府県の計画を踏まえた新たな計画を策定するということでございます。
 こちらとパラレルで、医療に関する部分については、第8次医療計画から反映させていく方針になると考えているところでございます。
 15ページ目でございますが、感染症発生・まん延時における確実な医療の提供ということで、こちらも前回から議論させていただいてございますけれども、都道府県と医療機関が、いわゆる感染症発生時の具体的な役割、対応について、あらかじめ医療機関の機能を踏まえた協定を締結するということでございます。こちらは協定の内容自体も先ほど記載があったように、病床、発熱外来、自宅療養者に対する医療の提供、後方支援、人材派遣、個人防護具の備蓄となっておりまして、自宅療養者に対する医療の提供については、先ほどと同様ということになりますが、それらについてあらかじめ協定を結びます。
 それに加えまして、公立・公的医療機関ですとか特定機能病院・地域医療支援病院につきましては、その機能を踏まえて感染症有事に担うべき医療の提供を義務づけるということ。それに加えまして、全ての医療機関との間で協定の締結を含めた医療審議会の調整の枠組みをつくるということでございます。あわせて、保険医療機関につきましても、感染症医療の実施について、国・地方公共団体が講ずる措置に協力するということ、さらには、今もお願いさせていただいておりますけれども、都道府県等が医療関係団体に対して協力要請できることとするということでございます。さらに、初動対応等地域の中核的な医療を担うということでの特別な協定を締結した医療機関につきましては、感染症流行初期において、感染症流行前と同水準の医療を確保することという趣旨でございまして、いわゆる経営保証を行うということでございます。
 あわせて、こちらは感染症有事になりますけれども、都道府県が協定の履行状況の報告徴収・公表を行うことに加えまして、協定に沿った対応を行わない医療機関に対する勧告・指示・公表と、医療法の並びになりますが、特定機能病院・地域医療支援病院につきましては、こうした指示に従わない場合に承認を取り消すことができ得るとしているところでございます。
 3が先ほど簡単に御紹介した経営補償でございますけれども、感染症に対する診療報酬の上乗せ、補助金による支援というものが、今回の感染症もどのぐらいの感染の状況かというものが分からないと、なかなか補助金の高さですとか診療報酬の特例の水準が決まってこないということもありますので、そういった診療報酬の上乗せ、補助金の支援が充実するまでの暫定的な支援ということで位置づけられておりまして、その措置額については、感染流行前の月と当該感染医療を行った月を比較して、その差分を支給するということでございます。こちらの費用につきましては、国・都道府県ということになると思いますけれども、公費とともに保険として負担するということでございます。
 16ページ目は自宅・宿泊療養者等への医療や支援の確保ということでございますけれども、4で健康観察についてということで、少し遠くはなりますけれども、都道府県が医療機関に対する委託ですとか、地域の医療関係者への協力の求めを進めると。さらに、いわゆる生活支援周りについては市町村に協力を求めるということとして、都道府県、市町村との情報共有を進めると。さらに、宿泊施設の確保のための協定も締結すると。
 5番目でございますけれども、今、感染に係る入院医療については公費負担医療ということで自己負担が無料化されているわけでございますけれども、外来とか在宅につきましても公費負担医療化するということでございます。なお、現在もコロナ感染者に関しまして、在宅医療ですとか外来についても自己負担がかかっていないわけでございますが、こちらは公費負担医療という位置づけではなくて予算補助となっているところを、今回、法律上、公費負担医療として安定的に位置づけるということでございます。
 次が広域での人材派遣の仕組みの創設ということでございますが、国による広域での医師・看護師、いわゆる医療人材の派遣や患者の搬送について円滑に進めるための仕組み。都道府県知事が医療逼迫時にほかの都道府県知事に医療人材の応援を求めることができる仕組みを設けるということでございます。それに加えて、都道府県知事の求めに応じて派遣される医療人材の養成・登録の仕組みも整備し、派遣や活動を円滑に行えるようにするということ。
 7番目としまして、感染症有事において病床過剰地域における増床の特例許可が可能である旨を明確化するということ。
 16ページの最後のところでございますけれども、地域における関係者間の連携強化と行政権限の見直しということで、都道府県等、その他の関係者が平時からの意思疎通・情報共有・連携を推進するために、都道府県に連携協議会を設置するということでございます。それに加えて、人命に関わるような緊急時の入院勧告・措置について、都道府県知事が保健所設置市等の長に指示できる権限を創設するということでございます。
 17ページ目、保健所の体制・機能の強化ということで、感染症発生・まん延時に、保健師等の専門家が保健所業務を支援する仕組みを整備する。
 10番目としまして、都道府県等が専門的な知識・技術を必要とするような調査研究や試験検査等を実施するための必要な体制ということで、地衛研等を整備するということでございます。
 次が情報基盤の強化と医薬品の研究開発ということでございますけれども、まず11番で情報基盤の強化のために医療DXの取組との整合性を図りながら、医療機関による発生届の電磁的入力、入院患者の重症度等に係る届出等を進めるということ。発生届の感染症の疫学情報について、レセプト情報、ワクチン接種情報等との連結分析ですとか匿名化した上での第三者提供を可能とする仕組みを整備するということ。
 医薬品の研究開発につきましては、関係医療機関の協力を得て、医薬品の研究開発を推進するとともに、関係機関にその事務を委託できるということでございます。
 物資のところでございますけれども、13番目でございますが、医薬品、医療機器、個人防護具の確保のために、緊急時における国から事業者への生産要請・指示、必要な支援を行えるようにするとともに、平時から事業状況の報告を求めるような枠組みを整備すると。
 14番、国・都道府県の費用負担ということで、新たに創設する事務に関して都道府県において生じる費用については、国が法律に基づいてその一定割合を適切に負担するということでございます。
 18ページ目、ワクチン接種体制の整備ということで、こちらの部会の所掌を超えている部分もありますけれども、3番目で感染症有事に厚労大臣及び都道府県知事の要請によって医師、看護師等以外の一部の者が検体採取やワクチン接種を行うことができるといった枠組みを整備するということでございます。
 (3)水際対策の実効性の確保ということで、こちらは検疫法になりますけれども、一部関連のあるところといたしまして、3でございます。検疫所長が、入国者の隔離措置のために医療機関に入院させるといったことが必要になる場合がありますけれども、そういった場合の医療機関の確保ということで、先ほど来、都道府県と医療機関の協定というスキームを御説明してまいりましたけれども、こちらの検疫所長と医療機関の間でも、入国者に対する入院医療の実施のための協定を結ぶといったことでございまして、都道府県知事とも連携した上でと記載があるのは、県内の国内感染者に対する対応ということで医療機関と都道府県の協定があるわけでございますので、そことどのようにデマケーションするのかということの意識を踏まえて都道府県知事とも連携した上でという記載があると理解しているところでございます。こちらは9月2日にまとめられた政府対策本部決定ということでございます。
 以下、参考資料をつけさせていただいておりますので、適宜御覧いただければと思います。
 少し駆け足になりましたけれども、私からの御説明は以上とさせていただきます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、御質問、御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 河本委員。
○河本委員 健保連の河本でございます。ありがとうございます。
 9月2日に対策本部が決定した対応の具体策について御説明いただいたわけですけれども、前回申し上げましたとおり、今後の新たな感染症有事に備える観点から、今回の一連の仕組みを設ける必要性については十分に理解をいたします。今後詳細な検討がなされるのであろう初期対応を含む特別な協定の内容ですとか、あるいは協定に沿った医療提供の水準につきましては、国民から見て減収補償に見合うだけの納得性のあるものとなるように、国は基本的な内容や基準を設定すべきだと思います。
 この対応の具体策を見てみますと、都道府県が初動対応などを含む特別な協定を締結した医療機関に対して協定の履行を求めた際の減収補償、この費用は保険としても負担することになっております。診療実績が発生しなくても、保険にも負担を求めるということでございますけれども、一方で、実際に感染症が発生した場合には、それに伴う診療が発生して、その医療費は保険者が負担するわけでございます。
 今回の新型コロナについても、実際に公費負担になっているのは自己負担部分だけでありますから、保険部分は保険者、すなわち加入者が負担をしているわけでございます。一部に、コロナは全額公費負担と誤解されている向きもございますけれども、自己負担分を除いた部分は保険者負担で、昨年度、令和3年度1年間で見れば被用者保険全体で4000億円を超える給付を行っているということでございます。
 また、今回の新型コロナのまん延初期、これは民間企業も保険者も大変厳しい状況に置かれていたということは御承知のとおりだと思います。こうした点を踏まえれば、新たな感染症まん延時に必要な医療機関を維持するための費用というのは、やはり全額公費によって賄われるべきであるという考え方は変わっていないということを強調させていただきたいと思います。
 また、協定の履行状況等の公表ですとか、あるいは協定に沿った対応をしない医療機関への勧告・指示・公表を行うとございますけれども、前回も申し上げましたとおり、協定履行状況の公表の際には、減収補償の内容とか内訳も明確にすべきですし、協定を締結した医療機関名とその役割は、ホームページ等でもあらかじめ地域住民に公表しておくべきと考えております。
 私からは以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。スライド3、具体的事項の2つ目の○について、感染症法改正では新興感染症に備えて都道府県と医療機関が結ぶ病床提供等の協定を法定化することとされています。感染症発生・まん延時における確実な医療の提供に備えるという目的は理解できます。それとともに、機能分化と連携強化に向けた地域医療構想の取組を同時に進めていくことが重要と考えます。今回を契機に、構想区域ごとに人口減少下や感染症下でも安心して医療を受けられるよう、地域医療構想を再検討し、切れ目のない効率的な医療提供体制を構築していくことが求められます。
 次に、具体的事項の3つ目の○に関して、スライド15にもありますが、9月2日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部では、流行初期医療確保措置のための費用については、公費とともに保険としても負担することとするとされています。
 診療報酬は減収補填のためのものではなく、保険料財源から拠出する考えには納得できません。医療提供体制の確保は大変重要でありますが、感染症まん延時に必要な医療機能や保険診療体制を維持するための費用については、基本的に公費によって賄われるべきと考えております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 御説明をいただいたのは9月2日の対策本部決定、具体策でありますが、感染症部会等でも発言をしておりますけれども、医療部会でも情報共有という意味でもう一度言わせていただきます。この協定を結ぶ前提としての感染症のイメージは、新型コロナウイルス感染症の最も厳しい状況を想定して考えていくということになるだろうと思いますが、今後出てくる新たな感染症は、今回の新型コロナと同等の可能性もありますが、全く別の強さ、あるいは全く別の規模ということもあって、なかなか協定というものの前提が難しいだろうなと思います。その辺りのところをしっかり手当てできるような形の整理にしないと現実的でないなと強く感じます。
 もう一点は、感染症に対する対応を各医療機関はそれぞれの役割に応じて担うわけですけれども、感染症以外の通常の診療もずっとやっているわけでありまして、その辺りの両者をしっかりやれること、あるいはそのバランスということが極めて重要だろうと思っております。
 もう一点は、16ページから始まります自宅・宿泊療養者等への医療や支援の確保の部分で、ここで読み込むのだろうなとは思うのですが、コロナの例からすると、高齢者施設等における療養あるいは治療というところが非常に、そこでぜひ行われなければならなかったという場面がたくさんあって、それが高齢者にとって最もよかったという面もあるわけで、その辺りの高齢者施設等において医療を提供する場合のありようについての記載があまり具体的に書かれていない点については、今後の検討課題だろうと思っています。
 その場合に特に高齢者施設はいろいろな種類があるので、通常あまり医療と関わりのないようなところがどういうふうに対応できるのか。協力医療機関というのは決められるということになっていますけれども、実際にそれが本当に役に立って機能するのかどうかというところ辺りについての今後の課題がまだまだあるだろうと思って指摘をしておきます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。私も釜萢委員と同じところでは、こういった新興感染症拡大時の一般医療といいますか、特に一般医療の中でも不要不急ではない救急医療に関してはしっかりと議論をしておくべきだと私自身も思っております。
 それと、やはり問題点は、釜萢委員がおっしゃったように、今回のコロナの対応という形の取組だけではなくて、もっとさらに病原性の強い感染症が起こったときにどうするかとか、そのことを含めての新興感染症の対応ということも考えていただきたいと思います。
 その上で1つ、前回もこれは申し上げたのですが、15ページの公立・公的医療機関、特定機能病院・地域医療支援病院だけでは、恐らく大阪を例にとれば、今回の状況では全体の入院患者さんの3割も受け入れが出来ないのではないかと思っております。多くはその他の病院との協定締結という形になるかと思っております。7割近く患者を受け入れた民間病院がこれに参加しないことには受けられないと、その民間病院等も含めたその他の病院が協定をしなければいけないと思うのです。その場合、この協定はあくまでも都道府県の医療審議会で内容を決めるということなのですが、その前提で特別な協定を結んだ病院群と同じように、今回の補助金による支援等が充実するまでの暫定的な支援が適用されるのかどうかということを一つお聞きしたいと思っております。
 もう一点は、16ページの6に関してです。今回、医師・看護師等の人材派遣等で医療人材としてDMAT等となっており、DMAT、DPAT、AMAT、JMAT、また、災害支援ナースという形になるかと思います。その場合、例えば災害支援ナースですと、やはり押し出し派遣する病院の経営的な負担、職場における人材的な負担も含めていろいろあるので、そこらも考慮した形でこういう組合せを創設していただきたいと思っております。これは要望です。
○永井部会長 今、1つ御質問がありましたが、いかがですか。
○医療政策企画官 お答え申し上げます。いわゆる感染流行初期の対応ということで結ぶ特別な協定でございますが、ここは感染初期の段階から基幹的な役割を担っていただくようなところをあらかじめ決めていただくためでございまして、そちらについて減収補償を行うということで記載されていると理解しております。
 それに加えて、こういう特別な協定ではない普通の協定を結ぶ医療機関も当然あるわけで、そういったところについて入院医療等々を実施していただくことになれば、こちらのほうはむしろ診療報酬ですとか、いわゆる補助金といったところで支援をする形で考えておりまして、感染初期に中核的な役割を担うというところを限定的に決めて、そちらでまずは対応していただきながら、だんだんとその感染の状況が分かってくるタイミングで、その他の医療機関も感染医療に参画してくるという、このようなイメージで考えております。そのようなものでございますので、感染初期の経営補償というところと、その他の医療機関を全て含めてということになりますけれども、今やっているような補助金ですとか診療報酬の特例加算で対応していくことをイメージしているものでございます。
○加納委員 そうなると、初期の段階では、ここでその他の病院というものは補償されないという認識でいいわけですね。
○医療政策企画官 まず初期の段階でどの程度の医療機関が特別な協定を結ぶのかということもあるのですけれども、初期の一番最初の段階を想定して、まずは中核的な規模の医療機関に対応していただきながら、だんだんとその他の結んでいただいている協定の医療機関についても対応が広がっていくような、そんなイメージで考えております。
○加納委員 分かりました。非常に微妙なところだと私は認識しておりますので、その辺りはまた少し調整させていただければと思っております。ありがとうございました。
○永井部会長 では、井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。これまでの3年近い経験を踏まえて次の感染症にどのように適切に対応していくかという観点から医療の体制を整備することで、国民の安心感を醸成するとともに、社会経済活動全体との両立をどうやって図っていくかということが非常に重要であると思います。
 今回具体策として示されました協定の仕組みは非常にいいと思うのですけれども、これが本当に有事の際に確実に機能することが大前提になります。都道府県等におきましては、ネットワークとしての各地域の医療資源をしっかり把握した上で、その協定の実行性が保てるように、平時からさらなる医療機関の分化、連携とか集約化もぜひ同時に推進していただきたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 野村委員、どうぞ。
○野村委員 野村です。よろしくお願いします。
 今回、平時からの計画的な保険や医療提供体制の整備ということで、本当に様々な視点があり、充足されていると思っております。今回は医療的な内容であったり、法的な内容を議論していることも理解しておりますが、今回のコロナの一連の流れによって、私たち国民の意識も、やはりコロナ以前とは大きく変化していると思っております。有事のときに備えて、やはり保険診療の部分もある中で、医療の向き合い方なども含めて今後、国民も置き去りになることなく、取り残されないように安全な医療が受けられるように、ともに進んで検討していただければと思っております。よろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。3点お話しさせてください。
 まず1点目は、17ページ、医療DXの話がありましたけれども、御承知のとおり、今、HER-SYSの入力等で医療機関は大変苦労しているわけでありまして、このDXを大きな決意で進めていただきたいと思います。
 それから、2点目でありますけれども、私の医療機関は地域医療支援病院で、コロナ重点医療機関で、かつ保険者でございます。そういった意味で、河本委員、佐保委員の援護射撃になるかもしれませんけれども、被保険者の病気の早期発見とか早期治療、いわゆる健康経営に関わることは保険者の責務として、また、そこにインセンティブがあるのは当然であると思います。ただ、こういったパンデミックということに関して、そこまで保険者に責任を負わせるのかと思います。だから、ここはやはりこういう有事に関しては、保険ではなくて公費でやるべきだというのを強く申し上げたいと思います。
 そして、3点目でございます。3点目はちょっとここの話ではないと言われるかもしれませんけれども、今回、感染症法等の改正と伺っております。1類から5類というのは感染症法で決まっているのだと思いますけれども、今、2類相当がいいのか、5類がいいのかというような話が一方でいろいろなところで議論されているわけであります。例えば公費負担の在り方とかで、5類ではなくて2類のままがいいのだとおっしゃる方もいらっしゃると伺っておりますけれども、この1から5は、どこでの話か分かりませんけれども、感染症法を変えるなら本当にこの1から5でいいのか。1から6なのか、1から7なのか、4.5があったらどうなのだと、そんな議論は今まで全然されていないような気がするのですけれども、この辺のところでもしコメントがあったらよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 今の点はいかがでしょうか。
○総務課長 医政局の総務課長でございます。
 感染症法上の分類の話につきましては、健康局のほうで担当しているということでございますけれども、私の承知している限りでお話をさせていただきます。基本的には、2類相当とか何類相当というふうな話がございますが、今のコロナに関しては、株の特定に応じて、講じるべき措置というのはその性質に応じて選択ができる形で対応しているということでございます。そういった意味で、今の措置類型が、そういった類別がないからなかなか柔軟に対応しがたいというところ、全てがそのような御指摘が当たっているかというと、そういったことでもないのかなと考えているところではございます。
 その上で、類別につきましては、これも公費でありますとかそういった全体の体系の中での話でありまして、感染症として隔離の対象になるとか、私権の制限と公費の負担というのはある程度リンクをしながら考えていくべきものではないかと考えております。
 そういった中で、今回の感染症法の改正におきましては、今日御紹介をしたかどうかですが、今まで入院医療についてだけ公費負担があるということで、外来や在宅については公費負担がないという中で、実際上、予算措置によって、こういった患者さんについて患者負担を公費で負担するということをやってまいりましたけれども、今回の事象のある意味反省を踏まえて、なかなか入院ができないような場合がある、あるいは自宅療養をお願いせざるを得ない場合があるということを踏まえまして、こういった外来とか在宅の医療については公費負担の対象にすることで制度を改めているということでございます。そういった意味で、今回の反省の中で、予算等で対応してしまったということについて、柔軟に対応すべきところは引き続き柔軟に対応できるようにしながら、他方で制度的な対応に今回しておくべきだろうという点については、一定の対応をさせていただいているということで御理解をいただければと存じます。
○神野委員 ありがとうございます。非常に素人的な考え方ですけれども、法律を変えるなら一緒に議論したらどうというのが私の思いでございました。すみませんでした。ありがとうございます。
○永井部会長 安部委員、どうぞ。
○安部委員 私からは3点申し上げたいと思います。
 まず、14ページの平時からの計画的な保健・医療提供体制の整備に関してでありますが、事務局から、この予防計画について3行目にあります医薬品等対応等というものを追加して明記したという御説明がございました。前回の医療部会においても、医薬品提供に関してはここにしっかり明記してほしいという意見を申し上げましたが、意見として取り上げていただいたことについて感謝したいと思います。
 続きまして、17ページの13、医薬品、医療機器、個人防護具等の確保でありますけれども、特に医薬品につきましては、これまで医療用医薬品の安定確保に関する関係者会議等で十分な議論をしてきて、どのような対応をするかというのは様々な意見を申し上げてきたところでありますけれども、現在、後発品の問題や感染症に対する医薬品の問題等がございますが、それに関しましては短期的な取組のほかに、ここに記載してありますように、枠組みをしっかりつくって、今後、医薬産業振興・医療情報企画課で担当されると思うのですが、しっかりと取り組んでいただければと思います。
 それから、18ページの(2)の3に関しましては、本日の参考資料2の検討会報告書の最後の部分に今後の課題として書いてありますが、我々薬剤師としては、想定を超えるような有事があった場合に、国の要請に応じてしっかりと対応できるように引き続き硏さんを重ねていきたいと考えているところであります。
 以上であります。
○永井部会長 ありがとうございます。
 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 楠岡です。
 平時のところの問題点としまして、現在はコロナを前提にしていると思うのですけれども、パンデミックになる疾患は必ずしも呼吸器系疾患ばかりではなくて、場合によっては消化器系とかその他の疾患も考えられます。それを引き受ける機関が、契約があるから、協定があるから引き受けろと言われても、疾患によっては、設備の問題として引き受けられない場合も出てくる。そうしますと、平時においてどのような疾患に対して、どのような対応すべき設備を持っておかなければいけないかという、その辺りをしっかり示していただいて、また、引き受ける疾患の内容によって協定の対象になるものが変わるというような対応も必要になってくるのではないかと思います。これらの点についての検討、計画の立て方についても留意いただきたいという点が1点であります。
 もう一点は、人の確保で、ベッドがあっても人がいなければ動かないわけでありますけれども、例えばこういう協定を結んだ機関に対しては、医療従事者が集まりにくくなるという可能性はあり得ることかと思います。すなわちパンデミック時にはその病院で働くことになりますので、そのリスクを考えると、協定のない病院のほうがいいのではないかと考えることもあり得るわけで、そのような場合にどのように人を確保するか、その点に関する方策を考えていただく必要があるのではないかと思います。
 いずれにせよ、計画という紙の上のことだけではなく、平時においてどのような準備をするかという具体的なものと、それに対する具体的な支援を明確にしていただきたいと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 島崎委員、どうぞ。
○島崎委員 感染症法に基づく予防計画と医療法に基づく医療計画との関係について質問したいと思います。感染症法は保健所の機能・役割を重視しておりますので、都道府県のほか、政令指定都市、中核市、保健所政令市や東京23区にも一定の権限を与えています。これに対して医療法は基本的に都道府県に権限を全て集中させており、政令指定都市等に対する特例権限というのは基本的に設けられていないという建付けになっていると思います。
 そこで、スライド14を見ますと、今般、「感染症法に基づく都道府県が平時に定める予防計画について保健・医療提供体制に関する記載事項を充実化」する、そして、その最後のところでは、「保健所設置市等は都道府県の計画を踏まえ、新たに平時に予防計画を策定する」ということになっています。私がお尋ねしたいのは、そうしたときに、先ほど申し上げた感染症法上の予防計画と医療法上の医療計画との関係がうまく整合するのかということについて、どのような頭の整理をされているのかということです。特に気になりますのは、入院調整についての権限です。考え方としては、1つは、入院調整は保健所の本来業務として位置づける、2つ目としては、入院調整というのは都道府県の業務であって、保健所の本来業務ではないという位置づけの建付けもあると思います。また、3つ目として、都道府県と保健所設置市との関係は、今回のコロナ禍の実態はそうだったと思うのですけれども、都道府県によって様々でありますので、入院調整の業務の在り方については各都道府県の中でうまく調整してほしいという考え方もあるかもしれないと思います。ちなみに、私は、入院調整は基本的に都道府県に権限を集約化したほうがよいと思っているのですけれども、その辺りにつきまして、厚生労働省の考え方がどうなっているのかお伺いしたいと思います。
 併せて、先ほど申し上げましたけれども、この予防計画と医療計画との整合性の問題については、私は本部会で第8次医療計画との関係できちんと整理すべきだということを申し上げたことがあると思います。今回の措置を含めて、あるいは今後の予定を含めまして、新興感染症に関する対応が、いわゆる一事業として追加したわけですけれども、それについてどういう議論を行っているのか、あるいは行おうとしているのかということについて御説明いただきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 事務局、お願いします。
○参事官(救急・周産期・災害医療等・医療提供体制改革担当) 医政局参事官でございます。保健所、予防計画、また医療計画に関する御質問をいただきました。まず、今回のコロナ対応におきまして、それぞれの保健所におきまして実質的に入院調整に尽力されてきたという実態があるわけですけれども、今後の新たな対応に当たってということで、県と保健所設置市、特別区との間の連携を強化していくということで、今日の資料の16ページの8にもありますけれども、平時からの協議会での入院調整の方法等を協議する連携協議会の設置、また、有事には県が設置市、23区に指示ができる仕組みを設けることとされておりますけれども、その実効性をしっかり確保できるようにというのが委員の問題意識なのかなと思いますので、その点を含めまして、担当部局、健康局のほうにも伝えたいと思っております。
 また、予防計画につきましては、これら保健体制も含めて感染症対応に係る医療提供体制の確保などが盛り込まれるものと承知しておりますけれども、一方で医療計画との関係ということですが、こちらにつきましても、令和6年4月開始の第8次の計画から新興感染症等の感染拡大時の対応ということで6事業目として追加して、各県に計画を策定いただくことになっております。一般医療との両立の観点などもより充実することになるのかなと考えておりますけれども、感染症医療への今般の対応につきましても、予防計画の内容を引用できるような、整合を図るような形での策定を想定しているところでございます。
 最後にスケジュールについての御質問もありましたけれども、法案の成立後、具体的な検討が必要と考えておりますので、令和6年4月から始まる第8次医療計画の策定に向けまして、今後は第8次医療計画等に関する検討会でも御議論をいただきたいと考えております。
 以上です。
○島崎委員 一言だけ申し上げますと、私は今回のコロナ禍の対応を見ていましても、都道府県と保健所設置市あるいは特別区の関係は、都道府県ごとに結構微妙な問題がいろいろ生じたと理解をしています。ですから、決して、きれいごとというか、「連携の強化」といったきれいな言葉で済ますのではなくて、本来的にどういうあり方が望ましいのか、そして、入院調整というのは保健所の本来業務なのかという観点も、第8次医療計画でせっかく一つ事業を加えることになったわけですから、きちんと議論をすべきだということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、木戸委員、お願いします。
○木戸委員 感染症に備えて医療提供体制を平時からきちんと整備していくことは大変重要ですけれども、皆様の御指摘のように人手も費用もかかることで、せっかく準備するのであれば、計画をつくって終わりではなくて、やはり本番において実効性のある対応ができるよう、定期的にシミュレーションするなど、確実に備える必要があると思います。
 特に受入病床数の計画においては、全体数だけではなくて、子供とか妊産婦など患者さんの属性にも配慮していただきたいと思います。陣痛が来ても、少しでも熱とか風邪症状があれば、なかなかかかりつけでは対応できないということで、今でも現場では大変困っています。地域によっては10件以上断られて自宅でお産になったというケースも報道されています。今年の出生数も上半期で38万人ということで、少子化も一段と加速しています。その原因の一つのコロナ禍による不安があると言われており、やはり感染してしまって分娩先が見つからないというのは非常に危険なことです。別の知らない病院に搬送される際には、これまでの診療情報がきちんと共有されるように、やはりデータ連携の仕組みが進むこともぜひ期待したいところで、もちろんこれは妊産婦さんに限らず全ての患者さんにおいてデータ連携をぜひ進めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。山口でございます。2点ございます。
 まず、14ページの平時からの計画的な保健・医療提供体制の整備ということで、先ほど釜萢委員、あるいは楠岡委員から、今後の新興感染症がどんな感染症なのかということが想定できない部分があるというお話がございましたけれども、私もまさしくそう思っていまして、今回のコロナで見えてきた対策に縛られて、あまりがちがちになり過ぎないようにしていく必要があるのではないかと思っています。特に1のところに書いてある数値目標ですけれども、これも例えばこれぐらいの患者が出た場合には病床数がどれぐらいとか、発熱外来がどれくらい必要かということはある程度数値目標を立てられるかと思いますけれども、オンライン診療や往診・訪問看護というのは突然できるようになるわけではないですので、これはやはり日頃から充実させていく必要があることではないかと思っています。だとすると、数値目標と一律に書かれている中でも、有事の目標と分けて日頃から充実させていく目標ということ、そういったことの違いを分けて考える必要があるのではないかと思いました。
 もう一点が17ページの11です。医療機関による発生届の電磁的入力ということで、医療DXのことが書かれているわけですけれども、先ほど神野委員もおっしゃっていましたけれども、全数把握のために医療機関の負担が重くなっている。それで全数把握をもうやめようという話が出ているわけですけれども、聞くところによると、アメリカで感染者が1日に100万人以上発生したときでも全数把握ができていた。それはやはり発生届の届出の仕方に違いがあるのではないかなと思いますので、ぜひ何の違いなのかということも含めて改善して、できれば医療機関が負担のない、そして全数把握もできるような仕組みづくりが必要ではないかなと思いました。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 内堀委員、どうぞ。
○内堀委員 永井部会長、ありがとうございます。公務のため途中で退席をさせていただくため、議題の1、2、3について、まとめて発言をさせていただきます。
 初めに議題1です。まずは医療体制確保のための財源についてです。医療機関に対する減収補償や病床確保等に要する経費については、現在の新型コロナウイルス対応と同様に、国庫による負担が基本と考えます。法制化に伴い、仮に地方負担を求められる場合にあっては、枠組みの前提が国全体での大規模感染症対策となることから、災害時と同様の措置が必要であり、地方財政に配慮し、国庫のさらなるかさ上げなど、負担の極小化を図っていただくよう求めます。
 次に、医療機関との協定締結に際しては、平時からの環境整備や人材配置、診療報酬の加算措置などの財政支援、有事における支援制度の提示が必要です。また、病床数の加算など、弾力的な病床制度も必要と考えます。計画策定については都道府県が策定する際に必要な基準や考え方等について早期の提示が必要です。自宅・宿泊療養については、都道府県等に多大な負担が生じることから、どのような状況下で、どのように自宅・宿泊療養を運用するのか、前提条件の整理が必要です。広域的な人材派遣については、平時からの人材育成と余力を持った配置が必要です。また、国が応援の求めを行う場合に都道府県とどのように調整を行うのか、あらかじめ整理が必要です。検査体制の強化については、国による協定締結など全国的な体制確保をお願いします。また、医師・看護師以外の者によるワクチン接種等については、事前研修などの体制整備も重要です。
国と地方の役割について、地方が行う協定や検査等は大規模感染症という国家危機に対応するものであり、国全体の計画や国自らによる取組も明確に法に定める必要があります。それらを踏まえ、都道府県等が行う取組については、平時からの対応も含め、国において確実に財政措置を講じるようにお願いします。
そして、引き続き、制度設計に当たっては、地方と十分協議をし、意見を反映していただくようお願いします。
 次は議題2です。医療関係資格におけるマイナンバー制度の活用は、医療従事者の利便性の向上や医療従事者の確保対策の充実につながるものです。取組を進めるに当たっては、医療従事者等が使いやすいシステムの構築に努めるとともに、地方自治体に新たな負担が生じる場合には、必要な財源を措置するようお願いします。
 最後に議題3についてです。新型コロナワクチン接種においては、医療従事者の確保が全国的に大きな課題です。このため今後、オミクロン株対応ワクチンの接種が開始されるに当たり、看護師等の確保の選択肢が広がることは、各自治体が迅速な接種を進める上で非常に重要であり、全国知事会等による要望を踏まえた御対応に感謝いたします。国においては、ワクチン接種の円滑な実施に向け、引き続き御支援をお願いいたします。
 私からは以上です。よろしくお願いします。
○永井部会長 ありがとうございます。
 相澤委員、どうぞ。
○相澤委員 どうもありがとうございます。最初に1つ質問を申し上げたいのですが、今回の感染症法の改定では、従来あった感染症指定医療機関というものは廃止をするということなのでしょうか。まずそれをちょっと教えていただきたいと思います。
○医療政策企画官 お答え申し上げます。感染症指定医療機関については、現在のスキームがそのまま残る形になります。
○相澤委員 そうしますと、ここに感染症発生時からあらかじめ都道府県と協定を結んだ医療機関が対応するということになるわけです。そうすると、一体これまでの感染症指定医療機関とここで協定を結んだ医療機関との兼ね合いはどうなるのか。そして、感染症指定医療機関は多分普段から補助金が入っていろいろな整備をしていると思うのですが、それとここで協定を結んだ病院とはどうなってしまうのか。その辺はしっかりと整理をしていただきたいなと思うところでございます。
 2つ目ですが、私も懸念するのは、感染症法での感染症に対する圏域と医療法で医療を計画している圏域とが完全にずれているわけですね。そうすると、その調整は一体誰が責任を持ってするのか。そして、そこの整合性が取れないということが、先ほど加納委員も心配していた二次医療圏ごとに構築している救急医療体制をどうしていくのかということと深く関係してきますので、ここのところはしっかりと考えていかないと問題を生ずる可能性が大いにあるのではないかと思っております。
 もう一つは、感染症時の医療DXは多分2つあると思うのです。感染症の実態を把握するのと、我々ですと重症の患者さんをどこにお願いしようかという、今、その地域での医療体制がどうなっているのかと瞬時に把握して、保健所と話をしながら一番適切なところにできるだけ素早く送るということをしなければいけない。その情報の把握と、やはり僕は質が違うと思うのですが、それを全て同じところでやってしまおうとすると大変な問題が生ずるのではないかと思っていますので、その辺はぜひ考慮して、感染症時のDXをつくっていっていただきたいなと思っております。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。最後に1つだけ私のほうから言わせていただきたいのは、総論といいましょうか、総説的な方向性は国が考えているのでやむを得ないし、それに反論する意向は全くございません。ただ、各委員がお話しになったように、実際にそれを実行する際になると、非常に難しい問題がそれぞれに起きてくるということで、それを具体的にどうやって解決していくのかというのは、具体策が今のところは出ていないと思っております。人の問題にしろ、施設の問題にしろ、お金の問題にしろ、一般医療との区別にしろ、情報の問題にしろ、それから国と地方がどう関わり合っていくのかというような全ての問題について、具体策というのはなかなか難しいのだろうなと思っておりますが、ぜひ皆様から出た意見を参考に、具体策についてお示し、あるいは実行していっていただきたいと思いまして、発言させていただきました。ありがとうございました。
○永井部会長 よろしいでしょうか。私からも2点発言させてください。島崎委員がおっしゃった都道府県と市区町村の連携は、感染症法における市区町村長の役割の明記が必要ではないかということで、有識者会議でも意見が出ておりました。
 また、木戸委員、山口委員がおっしゃった医療情報改革ですけれども、そろそろ医療の電子情報の規格を国が標準化するために本格的に乗り出す時期ではないかと思います。今、JIS規格のない工業製品のような野放し状態になっておりますので、この機会にぜひ力を入れていただければと思います。
 以上です。
 そのほかよろしいでしょうか。
 それでは、本日、御意見をたくさんいただきましたけれども、医療部会の所掌を超える御提案につきましては、私が事務局に指示をして、関係部会に伝えさせていただくということでよろしいでしょうか。御一任いただければと思います。
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 続いて、「医療関係資格におけるマイナンバー制度の活用について」事務局より説明をお願いいたします。
○看護職員確保対策官 看護職員確保対策官の草野と申します。医事課も併任してございます。資料2に基づきまして御説明いたします。なお、「地方からの提案等に関する対応方針」に基づきまして実施します三師届・業務従事者届のオンライン届出も密接に関連しますので、あわせて御説明いたします。
 資料をおめくりください。1ページでございます。デジタル改革関連法は昨年成立してございますけれども、これによりまして、マイナンバー法、住民基本台帳法、看護人材確保法が改正されまして、令和6年度より、医療関係資格22種類、これは下にございますけれども、この資格情報についてマイナンバー制度の活用を図ることとされてございます。
 これらの法改正、それから、先ほど申し上げました三師届・業務従事者届のオンライン届出を可能にすることを盛り込んだ「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」に基づきまして、医療関係資格におけるマイナンバー制度の活用については、以下の方向性に沿って対応したいと考えてございます。
 まず、左下の緑の枠は、医療関係資格22種類共通の対応・効果ということでございます。1つ目が届出のオンライン化・簡素化ということで、マイナポータルを活用したオンラインにより、免許申請等を行える。それから、マイナンバー情報連携を行うことで、免許申請時の戸籍抄本等の省略ができるというメリットがございます。
 2つ目でございますけれども、資格データ、籍簿データの適正化ということで、住民基本台帳ネットワークシステムへの照会等を通じて、定期的に生存・死亡情報などを確認・訂正することで、資格データを適正なものにするという効果がございます。
 3点目でございますけれども、マイナポータルを活用した資格情報の閲覧、スマホ等に資格情報を表示して、自ら閲覧できるということがございます。
 それから、籍簿に加えて、三師届・業務従事者届といった形で業務従事状況についての届出を行っている医師・歯科医師・薬剤師、それから看護職については、三師届情報や業務従事者届情報も含めた効果が生じるように対応していこうと考えてございます。具体に医師等のほうでございますが、籍簿情報と三師届情報を突合して管理する、それから、医療機関等に勤務されていない医師・歯科医師・薬剤師の方が、マイナポータルを通じて三師届のオンライン届出を行えるようにするということがございます。
 それから、看護職については、資質向上への支援や潜在看護職の復職支援が重要ということでございまして、デジタル改革関連法に基づき、マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムを構築する。幅広いキャリアデータベースを整備して、看護職の資質向上の支援と潜在看護職に対する復職支援の充実を図っていくことにしてございます。
 2ページを御覧ください。2ページの絵はデジタル庁が構築する国家資格等情報連携・活用システムのイメージでございますが、今般のマイナンバー制度活用の一般的な効果を示したものでございます。左からございますけれども、オンライン申請等の可能化とありますが、マイナンバーカードを使ってマイナポータル経由でオンライン申請が可能になる。それから、マイナポータルを通じて国家資格等情報連携・活用システムに情報が格納されますけれども、こちらのほうでマイナンバーを通じて住基システムや戸籍システムと情報連携を図ることによって、免許申請時の添付書類の省略や籍簿情報の適正化を図るということでございます。
 このシステムのほうからマイナポータル経由でデータを送信しまして、スマホ等に資格情報を表示し、自ら閲覧できるという効果がございます。
 3ページを御覧ください。三師届・業務従事者届のオンライン届出、令和4年度以降でございます。医師、歯科医師及び薬剤師は、2年ごとに業務従事状況等の届出、三師届を行うこととされてございます。これは全ての方に届出義務がございます。また、業務に従事する看護職、歯科衛生士及び歯科技工士についても、2年ごとに業務従事状況等の届出、業務従事者届を行う。これは業務従事者に届出義務がかかってございます。
 これらの届出は、従来、主に紙による届出のみとされてございましたけれども、医療機関・医療従事者・地方自治体の事務負担の軽減を図るため、もともと都道府県のほうから御提案いただいたものでございますけれども、「令和3年の地方からの提案等に関する対応方針」に基づきまして、令和4年度から、つまり、今年12月31日時点の状況報告から、三師届・業務従事者届のオンラインによる届出を可能といたします。
 下の図にございますように、従来は主に紙媒体で、医療機関等に勤務する医師等については、医療機関で取りまとめの上、保健所等に提出していた。都道府県を経由して国に提出してございました。業務従事者届も、主に紙媒体で、医療機関等で取りまとめの上、保健所等に提出、これは都道府県に届出となってございます。
 こうした中で、令和4年度から医療従事者届出システムの運用を開始することによりまして、まず、三師届についてでありますけれども、医療機関等に勤務する医師等の方について、医療機関等で取りまとめの上、この届出システムの活用によりオンライン届出が可能となります。なお、オンライン届出の場合、都道府県経由は不要となり、オンラインにより国に直接届出となります。なお、引き続き紙による届出も可能でございまして、紙での届出の場合は、従来と同様の手続・事務となります。
 なお、医療機関等に勤務していない医師等の三師届については、令和4年度は紙による届出のみですけれども、後ほど御説明しますが、マイナンバー制度の活用に伴いまして、令和6年度からオンライン届出を可能にする予定でございます。
 業務従事者届も、同じように、医療機関等で取りまとめの上、オンライン届出が可能となります。業務従事者届については、オンライン届出の場合も、都道府県に対して御提出いただきますけれども、医療従事者届出システムの運用開始によって、都道府県は、システムを通じた衛生行政報告例の様式に基づくデータ集計等が可能になるということでございます。こちらも同じように、引き続き紙による届出も可能でございます。
 こういったオンライン届出を可能とすることによりまして、医療機関、医療従事者、都道府県等の事務負担の軽減を図っていくということを目的としてございます。
 4ページを御覧ください。こちらは三師届・業務従事者届のオンライン届出の仕組みということでございます。左側の灰色のところが現状でございますけれども、紙媒体により手交または郵送により提出する流れです。
これを右側の緑の部分でございますけれども、届出のオンライン化を図りまして、医療従事者届出システムを構築しますが、基本的に医療従事者が入力し、医療機関の事務の方が確認の上、データを登録するシステムとしてございます。
 ID・パスワードはそこに記載してございますけれども、医療従事者届出用のIDは医療機関等ごとに設定できるようにする予定でございます。一方、セキュリティを確保しつつ、アクセスの利便性を確保するために、令和6年度以降は、機関管理用のID・パスワードについて、シングルサインオンによってG-MISのID・パスワードを活用できるようにすることを検討してございます。
このような形でシステムに登録いただくことで、個票を検索可能ですとか、集計データのファイル出力が可能ですとか、衛生行政報告例の様式に基づく集計やこの集計結果の出力が可能ということでございまして、行政サイドでは、個票・集計データを施策に活用しやすくなるという効果がございます。
 5ページを御覧ください。こちらは医師・歯科医師・薬剤師の資格管理におけるマイナンバー制度の活用、令和6年度以降の流れでございます。マイナンバー制度を活用することによって、図の青い矢印にありますように、免許申請のオンライン化・簡素化、資格データの適正化、マイナポータルを活用した資格情報の閲覧が可能になります。
 続いて、三師届については、先ほど御説明したとおり、医療従事者届出システムの運用開始によって、医療機関等に勤務する医師等の方については、令和4年度からオンライン届出が可能になります。一方、医療機関等に勤務していない医師等については、医療従事者届出システムによるオンライン届出の対象外ではございますけれども、図の一番下の緑の矢印にございますように、令和6年度以降は、マイナンバー制度の活用に伴って、マイナンバーカードを用いて、マイナポータル経由で三師届のオンライン届出を行えるようにする予定でございます。このようにして、三師届を届出しやすい環境の整備を図るということでございます。
 なお、図の右側にありますように、医療従事者届出システムにおいて籍簿情報と三師届情報を突合して管理いたします。
 6ページでございます。デジタル改革関連法に基づきまして構築します、マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムでございます。これは令和6年度に運用開始でございます。これは潜在看護職に対する復職支援の充実や看護職の資質向上の支援を図ることを目的とするものでありまして、令和4年6月の新型コロナ対策本部決定におきましても、新興感染症に対応するための医療提供体制強化の観点からも、本システムを構築するものとされてございます。
 まず、右の緑の箱に看護職キャリアデータベースとあります。このデータベースは、籍簿情報、業務従事者届情報、それから、これは任意の登録でございますけれども、経歴等情報を突合して看護職の幅広いキャリア情報を整備したものとなります。なお、ポートフォリオと書いてございますが、これは、職歴、組織内役割、取得資格等を、看護職の御希望に応じて御登録いただくものです。このようにして登録された情報を、左側の看護師が、スマホ等でこれらの情報をマイナポータルを通じて閲覧できるようになるとともに、随時、情報の追加登録や変更登録を行えるようになる、これをもって看護職の資質向上を支援するというものであります。
 それから、緑の箱から青い箱に矢印が出てございます。これはナースセンターへの情報提供に同意いただいた場合ですけれども、同意いただいた場合は、この看護職のキャリア情報を都道府県ナースセンターに提供し、そこから矢印が出てございますけれども、例えば、離職されている方に多様なキャリア情報に基づく復職支援等の実施を図るですとか、就業されている方に多様なキャリア情報に基づいてスキルアップに資する情報提供を行うということを考えてございます。
 それから、7ページは、今申し上げた、マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムにおける情報の流れを詳しく説明したものなので、これは説明を割愛させていただきます。
 それから、8ページは籍簿情報とマイナンバーの紐付け方法ということでございますが、これはデジタル改革関連法による改正マイナンバー法の規定に基づいて実施する籍簿情報とマイナンバーの紐付けでございますけれども、免許を新規に申請いただく場合は、マイナポータル経由で申請いただくことで紐付ける、もしくは、紙申請時にマイナンバーカードを提示いただくことで紐付ける。それから、既に資格を持っていらっしゃる場合で4情報が把握されている場合は、マイナンバー法の規定に基づきまして、住基ネットへの情報照会を通じて、籍簿情報とマイナンバーを紐付ける、こうした場合以外は、マイナポータルを通じて登録できることになってございますので、こういう対応を通じて籍簿情報とマイナンバーの紐付けを図ります。
 これらの措置は、法律を根拠として実施され、マイナポータルを活用したオンラインによる免許申請手続の簡素化など、医療従事者の方の利便性向上を図ること等を目的として実施するものでございます。
 それから、その下のシステム開発等の実施方法でございますが、国家資格等情報連携・活用システムの開発、これは全資格共通ですので、デジタル庁によるシステム開発により対応いたします。一方で、厚労省の既存システムと情報連携する部分については、独自の対応を行います。
 2ですが、三師届との連携ですとか、マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システム、こういう厚労省独自の部分については、厚労省独自のシステム改修ということでございまして、下にスケジュールがございますが、令和4年度にシステム調査・仕様書作成、令和5年度に仕組みの構築、システム改修、そして、令和6年度に運用開始というスケジュールで進めてまいります。
 9ページにつきましては、今まで御説明してきた内容をシステム的に御説明した内容ですけれども、赤で囲んでいる部分が厚労省等において独自に改修等を要する部分となります。
 10ページ以降は参考資料となりますので、適宜、御参考に供していただければと存じます。
 説明は以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、質問をお願いいたします。
 まず、小熊委員、どうぞ。
○小熊委員 ありがとうございます。6ページにはマイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムの案がございまして、その看護師さんがどれだけ専門知識を持っているか、あるいは研修したかということが登録されるとなっていますが、医師については現行の三師会と同じような内容で、この医師がどういう専門資格を持って、どういう技術を持って、どういうキャリアを持っているかということは、この案からは明らかにならないのではないかという気がしております。
 マイナンバーを使って活用することは何も反対ではございませんが、わざわざ新たにそういうシステムをつくるのであれば、医師の養成の問題、医師の配置の問題、そういうことからいきますと、どの医師がどういう資格を持って、どういう医療行為ができるかということを捕まえることは非常に重要なことだと私は考えております。ですから、できるのであれば、看護師さんで肩書を出すということを検討するのに、もっと必要な医師のほうにはそういうことをオミットしているというふうにしか思えないので、ぜひ医師についても検討していただければと思います。私の意見でございます。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 加納委員、どうぞ。
○加納委員 ありがとうございます。私は、2ページ目の右隅にこそっと、小さく書かれている民間アプリ等というのがちょっと気になりまして、これは今の小熊委員もおっしゃったように、ナースセンター等のいろいろな情報も含めて今回いわゆる資格管理なさるわけなのですけれども、医師も含めてなのですが、この民間アプリ等というのは等も含めて御説明願えたらと思うのです。これは例えば我々、医師不足、看護師不足が続いている限り、法外な値段で紹介料を取りながら運営している株式会社等のこともあり、先ほどのナースセンターとかそういったものとはまた違った意味で変な形で使われる可能性があるシステムなのかどうか、この民間アプリ等というものについて御説明いただけたらと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。どうぞ。
○看護職員確保対策官 これは、デジタル庁のシステムになりまして、デジタル庁の国家資格等情報連携・活用システムという、32ぐらいの資格で始まっていますが、将来的に300ぐらいの資格を対象にする、そのデジタル庁の構想の中で、御本人が同意した場合ということだと思いますけれども、API連携を使って民間にも御本人が希望すれば情報提供できるというようなことをデジタル庁の中で考えていらっしゃる。その具体は、また今後、このシステムの運用開始は6年度以降ということになるので、そこに向けてということになりますけれども、デジタル庁の構想の中でこういうことを考えていらっしゃるということでございます。
○加納委員 今ちょっと申し上げたような紹介会社へ変な形で情報を提供するというシステムにもなり得るという話なのでしょうか。
○看護職員確保対策官 どういうところにというのは、今後、またデジタル庁の中で検討されますが、御本人の知らないところでということにはならないと思いますけれども、そこは、また、御本人が使いたい場合にということだと思うのですけれども、デジタル庁における全体の検討の中で、そういうことを検討されているということです。
○加納委員 今のところちょっとはっきりしないということで理解してよろしいのでしょうか。ありがとうございます。
○永井部会長 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。2点お話しします。
 1点目は、例えば医師の資格、医療職の資格がマイナンバーカードに統合されれば、これでオンリーワンでよろしいですね。いろいろな種類の資格確認証があるというのはおかしいと思います。
 2点目でございます。これは厚労省に質問ですけれども、令和4年に関してはオンラインと紙と併用であると。そうすると、例えば三師調査の結果というのはいつ出るのでしょうかね。今、例えば専門医のシーリングの問題とか、医師需給、あるいは医師偏在というところは喫緊の課題であります。地域偏在とか診療科間の偏在、あるいはもしかしたら年齢の偏在とか、病診の偏在とか、いろいろなものを早いうちに決断するためには、早く結果を出さなければいけない。それにはやはりオンラインならすぐ出るでしょうという思いがあるわけです。今は紙を併用することによって、この秋にやる三師調査の結果はいつ出るのでしょうかね。
○看護職員確保対策官 先生がおっしゃっていただいたとおり、引き続き紙もございます。三師届のスケジュールをどういうふうにできるかは、オンラインを導入はしてございますけれども、一方で、データ数確保の観点から、引き続き、法定期限の1月15日以降の届出の受付もしていく必要があるでしょうし、おっしゃっていただいた紙による届出も残るので、紙の届出がありますと、従前の都道府県を経由した集計や業者によるパンチ入力も必要になるということでございます。一方で、オンラインにより届け出られたデータについては、直接、国に電子データとして届出が行われることになりますし、業者による紙データのパンチ入力も不要になり、集計業務の効率化が可能になる部分もございますので、具体的に今どうこうと申し上げるのはなかなか難しいのですけれども、今回のオンライン届出の導入を契機として、三師統計の公表時期の早期化に向けて、努力していきたいと考えております。
○神野委員 ありがとうございます。私は今の喫緊の問題を解決するためには急ぐべきだというふうに主張いたします。
 以上です。
○永井部会長 井上委員、どうぞ。
○井上委員 ありがとうございます。御説明いただいた内容は医療のDXにも資するものでございますので、ぜひ強力に進めていただきたいと思いますし、これを通じて医療関係者のマイナンバーの活用、カード普及というのも進むのではないかということを期待いたします。
 今後進めるに当たって、新しく構築されるできたシステムがどのように活用されているのかというのも定期的にしっかりフォローをして、最終的には紙をなくしていくという方向に持っていくことも視野に入れながら進めていただきたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 都竹委員、どうぞ。
○都竹委員 ありがとうございます。3ページに令和4年度以降、引き続き紙の届出も可能ということになっているのですが、今、マイナンバーカードの取得は総務省、政府を挙げて全国民に取得をさせるのだということで、我々現場も今、大変苦労しながら進めております。そうしたこともありますので、オンライン届出が可能というよりも、オンライン届出が原則として推進を図っていただきたいと思います。
 もう一点、看護職の人材活用システムの件です。潜在看護師、あるいは教育とか福祉の現場への看護職の採用というのは本当に苦労していまして、その中でもこうした形で潜在看護師の情報を一元化して、もちろん本人の希望ということなのですが、扱えるようになるというのはいろいろな意味で朗報ではないかと思います。
 資料の中では、ナースセンターでの絵が描かれているわけですが、柔軟な形でこういったことを様々なところで使えるように、またお声がけができるようにしていただけると大変ありがたいと思います。
 それから、先ほど小熊先生もおっしゃっておりましたが、医師、薬剤師も、やはり地方の医療現場は非常に苦労して人材不足に悩んでいるということもございますので、こうした職種についても同様にいろいろな形でのアプローチができるようになるとありがたいと思いますので、積極的な御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。今回医療関係資格におけるマイナンバー制度の活用ということで、今、様々なマイナンバーカードを使ったシステム改革が進められていて、例えばオンライン資格確認であったり、来年1月からは電子処方箋が始まりますし、今日の議題の4に出てくる追加される診療情報、共有できるものということ。それからまた、来年5月になると手術の情報もということで、どんどん進められてきている中で、医療関係者の資格もマイナンバーカードを使ってマイナポータルから入力して届出をするということになっているわけですが、やはりこれはマイナンバーカードを持っているということが前提になっています。
 さっき都竹委員もおっしゃったように、今、国民全体でたしかまだ40%台ぐらいの普及率だと聞いていますけれども、やはり役所まで取得するためには出向かないといけないということがハードルになっているのではないかと思っています。これだけ政府としていろいろなところでマイナンバーカードを使ってマイナポータルの利用を進めていかれるに当たって、同時進行でもっとマイナンバーカードを取得しやすいような仕組みをつくらないといけないのではないかと思っているのですが、何かその辺りの工夫というのは実際に始まっているのでしょうか。何か具体例があれば教えていただきたいと思います。
○永井部会長 事務局、いかがでしょうか。
○看護職員確保対策官 すみません。マイナンバーカード自体を直接担当しているわけではないので、具体には把握しておりませんけれども、今、委員からもおっしゃっていただいたとおり、マイナンバーカードの取得率は最近上がっておりまして、総務省のデータによれば、7月末現在、全人口におけるマイナンバーカードの取得率、人口に対する交付枚数率は45.9%ということでございますので、進んできている。もちろん、今後とも進めていくように、政府として努力していくということだと思っております。
○山口委員 御担当でなくても、例えば国としてそのような何か具体的な取得しやすい方向性がもう始まっているのであれば、皆さんも把握されているのだろうと思いますので、まだそういったことが具体的に始まっていないということだと思います。ぜひ取得したい人がもっと簡単に取得できるような在り方を考えていただきたいということを伝えていただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございます。
 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤(秀)委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の遠藤でございます。
 まず、要望が1つあるのですけれども、マイナンバーカードを活用して人材活用システムということで、特に看護職、当然不足しているということで重要な項目だと思うのですけれども、看護職のみではなくて医療職全般にこういった課題はあると思っております。特に歯科においては、例えば歯科衛生士の不足とかそういったこともある中で、人材確保、また復職支援といったことは、様々な医療職に関してもこういったものをぜひ拡大していっていただきたいという点を要望したいと思います。
 あと1点質問ですけれども、先ほどほかの委員からもありましたが、マイナンバーカードに資格情報との連結がされるという中で、今、オンライン資格確認とか様々な医療DXが進む中で、ID関係をマイナンバーカード、何らかの形で統一されるのかどうか、そういった考えがあるのかどうか。カードが幾つもあってもなかなか扱いにくいということもありますので、可能であれば何らかのシステムに統一してほしいなという希望はあるのですけれども、医療職の資格についてマイナンバーカードに載せていくということであるならば、そういった統一の方向性はお持ちなのでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。
○永井部会長 お願いします。
○看護職員確保対策官 多分、HPKIカードとの関係だと思うのですけれども、HPKIカードの重要な機能として、電子的な医療文書を医師などの医療関係資格保持者である本人が作成したことを証明する電子署名を行えるという機能がございます。
 一方、マイナンバーカードにつきましては、電子的な文書を本人が作成したこと、こういうことを証明する電子署名は行えますけれども、その本人が医療関係資格保持者、医師とか歯科医師であるかどうかを証明する機能は有しておりませんので、マイナンバーカードをHPKIカードと同様の目的で利用することはできないということでございます。この点について、資格保持者としての電子署名について、マイナンバーカードの取扱いに関する事項ですので、デジタル庁の所管となりますけれども、現時点において、そうした事項について、具体的な検討が進められているものとは承知してございません。
 以上です。
○遠藤(秀)委員 ありがとうございます。
○永井部会長 安部委員、どうぞ。
○安部委員 ありがとうございます。私も、先ほど加納委員が御指摘の民間アプリ等へのAPI連携というところが気になったところであります。もちろんAPI連携という技術を使って民間の優秀なアプリケーションと連携できるということについては良いと思うのですが、その一方で、民間のアプリですから、例えば急にサービスを停止するというようなリスクもあるでしょうし、莫大な費用を最終的に請求されるというようなリスクもあるということが気になっていたところであります。
 これについてはデジタル庁での考え方だという説明をいただきましたが、逆に、この仮称の国家資格等情報連携・活用システムというのは、厚労省が管理するのではなくて、デジタル庁が管理するというような理解でしょうか。それを質問として回答いただければと思います。
○看護職員確保対策官 システムの保有・運営自体はデジタル庁です。ただ、この国家資格等情報連携・活用システムの中にはいろいろな役所の資格が入りますので、その資格保有主体として厚生労働省の権限とかは変わらないのですけれども、システム自体を運用していくのはデジタル庁でございます。
○安部委員 ありがとうございます。そういった意味では、大変公的な情報連携活用のシステムでありますし、データベースでもあろうかと思いますので、どれとでも民間のアプリケーションとAPI連携できるということでは駄目かと思いますので、そういったところではしっかりと一定の管理監督の下でやらないと、現場も混乱しますし、それこそ弱みにつけ込んだ対応等をされては医療機関や薬局は非常に困りますので、そういったところについて、今はイメージの段階でありますけれども、具体化するときに現場の意見を確認し、厚労省がデジタル庁に対してしっかりとした管理をしていただければと期待しております。
○安部委員 ありがとうございます。そういった意味では、大変公的な情報連携活用のシステムでありますし、データベースでもあろうかと思いますので、どれとでも民間のアプリケーションとAPI連携できるということでは駄目かと思いますので、そういったところではしっかりと一定の管理監督の下でやらないと、現場も混乱しますし、それこそ弱みにつけ込んだ対応とかをされても医療機関や薬局は非常に困りますので、そういったところ、今これはイメージの段階でありますけれども、具体化するときに現場の意見や厚労省のデジタル庁に対してしっかりとした管理をしていただければと期待しております。
○永井部会長 ありがとうございます。
 井伊委員、どうぞ。
○井伊委員 ありがとうございます。日本看護協会の井伊でございます。
 6ぺージのマイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システムについてですが、このシステムは今般の看護師等の人材確保の促進に関する法律の改正を受けて構築されるものであり、ぜひこの方向でお進めいただきたいと思います。
 本日お示しいただいているシステムの仕様や運用については、概要であって、今後さらに詳細な検討がされると思いますが、看護師キャリアデータベースの情報が、都道府県ナースセンターが行う看護職の資質向上支援や復職支援にしっかりと活用されるように、それから看護職自身がメリットを得られるように、さらなる御検討をいただきたいと思います。
 1つ意見ですけれども、ポートフォリオについてです。この項目は任意の登録項目ですが、その項目の中に個人の目標とか将来ビジョンとか非常に内面的なことが含まれています。それから、組織外役割という項目については、プライベートなことを記載するような誤解が生じることが心配されるのではないかと思います。この看護職キャリアデータベースは、イコール医療従事者届出システムでもあり、業務従事者届の任意記載項目というふうにするのであれば、今はP6のようになっておりますけれども、入力する側の抵抗感とか、その後の効果的なデータ活用の方法などをしっかり吟味していただきまして、項目についてはさらに精査をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 では、最後に木戸委員、どうぞ。
○木戸委員 データを集めて解析しやすくする、このような仕組みができるのは大変望ましいことで、恐らく政策的な意向を反映した項目だと思いますが、前回の医師届出票では勤務状況、宿直の回数とか出身地とか分娩の取扱いの有無などについて結構詳しく記載する欄もありました。やはりこれだけのたくさんのデータを紙とデジタルデータと混在すると手間もかかりますので、できるだけ早く全て完全にデジタルに移行していく必要があると思います。それにはやはりデジタルにしていくことのメリット、早く集計できるとか、データをこう活用できるということを皆さんに示して、ぜひ進めていただきたいと思います。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。もし御意見がなければ、この議題についてはここまでとさせていただきます。
 続いて、「新型コロナワクチン接種会場への看護師の労働者派遣について」説明をお願いいたします。
○看護職員確保対策官 資料3に基づき御説明いたします。資料3を御覧ください。
 1ページを御覧ください。一番上にございますけれども、医療機関への看護師等の労働者派遣については、原則禁止とされてございます。地方分権対応として行った政令改正によりまして、令和3年4月1日から、へき地の医療機関に限り、看護師及び准看護師の労働者派遣が可能になってございます。これによりまして、へき地の新型コロナワクチン接種会場への看護師及び准看護師の労働者派遣が可能となってございます。
 下の枠です。過去2回、医療部会で議論いただいているものでございますけれども、新型コロナワクチンの1回目・2回目接種については、1年間の間に約1.1億人を対象に、それから、追加接種、3回目の接種については、10か月の間に約1.1億人を対象に予防接種を実施することが必要とされ、接種を行う看護師を確保するための対応が必要でございました。
 こういった状況を受けまして、新型コロナワクチン接種会場の看護師確保のための選択肢の一つとして、コロナ禍の特例措置として、従事者を看護師、准看護師に、場所を新型コロナワクチン接種会場に、期間を今月末までと限定した上で、新型コロナワクチン接種会場への看護師及び准看護師の労働者派遣を可能としてございます。
 右下の四角にございますように、ワクチン接種業務の適切な実施を確保するための措置として、へき地以外のワクチン接種会場への派遣に当たっても、へき地と同様に、ワクチン接種方法等についての事前研修の実施を求めてございます。
この特例措置につきましては、時限的な措置でございまして、部会での御意見も受けて、一番下にございますように、この間、厚生労働省より都道府県・市町村に対して、本特例措置が本年9月30日までの時限措置であることを御説明するとともに、直接雇用や個別接種などへの移行を通じて、労働者派遣の特例を活用しない接種体制の構築を求めてきたところでございます。
 2ページを御覧ください。こうした状況下で、オミクロン株対応ワクチンの接種の関係でございますけれども、現在、オミクロン株対応ワクチンの開発が進められていて、8月8日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、オミクロン株対応ワクチンについて、初回接種を完了した全ての方、約1億人を対象者とすることを想定し、接種体制の準備を進めること、それから、オミクロン株対応ワクチンの接種の開始時期については、今年の10月半ばとなることが考えられる、こういった方向性が確認されました。
 その後、製薬企業と交渉・調整を進めてきました結果、輸入等が一部前倒しされることとなり、我が国でも9月半ば過ぎから国内配送を開始できる見込みとなってございます。先週金曜日、9月2日の夕方に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきましては、9月半ば過ぎから前倒しで配送されるオミクロン株対応ワクチンについては、まずは、重症化リスクが高い等の理由で4回目接種の対象となっている方から接種を開始すること、それから、4回目接種の一定の完了が見込まれた自治体においては、配送ワクチンの範囲内で、社会機能を維持するために必要な事業の従事者や年代別など、その他の初回接種、1・2回目接種が終了した方への接種へ移行すること、それから、これら以外の初回接種を完了した全ての方へのオミクロン株対応ワクチンの接種については、引き続き、10月半ばを目途として準備を進めることといった方向性が確認されたところでございます。
 なお、予防接種法に定められた特例臨時接種の期限は、今年度末までの延長を想定した調整が行われてございます。
 こうした状況を受けまして、各自治体におきましては、初回接種を完了した全ての方、約1億人の方へのオミクロン株対応ワクチンの接種に対応できるよう、接種体制を準備いただくことが必要になってございます。あわせて、免疫を迅速に国民の皆様に獲得していただく観点から、迅速な接種が重要になってございまして、各自治体におきまして大規模かつ迅速な接種を進められるよう、接種を行う看護師を確保するための対応が必要となってございます。
 こうした大規模かつ迅速な接種を行うためには、自治体において集団接種会場・大規模接種会場の設置などの対応が必要になりますけれども、こうした集団接種会場等では、従前、看護師の確保が難しく、労働者派遣の特例措置を活用している自治体も一定程度ございました。
 なお、厚生労働省から、直接雇用や個別接種などへの移行を通じて、労働者派遣の特例を活用しない接種体制の構築を求めてきたところ、下にもございますけれども、派遣労働者に頼らない接種体制を構築できたとする自治体がある一方で、派遣労働者に頼らない接種体制の構築に懸念があると考える自治体や、派遣労働者に頼らないと秋以降の接種体制の構築が困難であると考える自治体も存在しているということであります。
 なお、一番下にございます、先ほど内堀知事からもございましたけれども、知事会さんのほうからも労働者派遣の特例措置の期間延長について要望をいただいているところでございます。
 3ページ目、対応方針案としてございますけれども、こうした状況を受けまして、新型コロナワクチン接種会場の看護師確保のための選択肢の一つとして、コロナ禍の特例措置として、従事者を看護師、准看護師に、場所を新型コロナワクチン接種会場に、期間を現行は令和4年9月30日までに限定した上で可能としてございますけれども、へき地以外の新型コロナワクチン接種会場への看護師及び准看護師の労働者派遣について、オミクロン株対応ワクチンの接種に対応するために、延長後の特例臨時接種の期限、これは今年度末を想定して調整中でございますけれども、そこまで期間を延長してはどうかとしてございます。
 なお、右にございますように、本特例措置の延長に当たっては、ワクチン接種業務の適切な実施を確保するための措置として、ワクチン接種方法等についての事前研修の実施を引き続き求めることといたします。
 なお、今後の進め方といたしましては、へき地以外の新型コロナワクチン接種会場への看護師及び准看護師の労働者派遣に係る特例措置の延長の実施については、最終的に労働政策審議会の御意見を伺う必要がございますので、本日のこの医療部会での議論の内容を労働政策審議会に御報告した上で、労働政策審議会において最終的な結論を得ていただくこととさせていただければと存じます。
 説明は以上となります。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問、御意見をお願いいたします。
 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 ありがとうございます。新型コロナワクチン接種会場への看護師の労働者派遣については、昨年も申し上げたとおり、期間を区切って認める特例措置として受け止めております。ただ、新型コロナ感染症の収束が見通せない中で、2回目となる特例措置の延長は、特例措置の延長の常態化につながりかねない点、また、この例外的な措置をきっかけとして、なし崩し的に派遣業務の拡大へとつながりかねない点で危機感を抱いております。今回の資料からは、自治体または委託業者の直接雇用が増えたのか、増減の変化は見てとることができませんが、自治体に対しては派遣に頼らない体制整備に向け、引き続きしっかりと働きかけをお願いしたいと思います。
 あわせて、派遣された看護師等が接種に関わる業務以外の業務を行っていないかなどのチェック機能が十分に果たされるよう、監督指導の徹底をお願いしたいと思っております。
 私からは以上です。
○永井部会長 ありがとうございます。
 都竹委員、どうぞ。
○都竹委員 ワクチン接種でありますけれども、今回の接種は現場感覚からすると、これまでの1回目・2回目ほど殺到して逼迫するということには恐らくならないだろうと思われますけれども、短期間で接種を行うという上で、こうした配慮をしていただけるのは自治体としては大変ありがたいことでありまして、この点については現場として歓迎を申し上げたいと思います。
 一方で、この議論は人材派遣会社から労働者派遣という形で看護師が派遣されるということが前提になっているわけでありますけれども、例えば個別接種の場合などは、実際には余裕がある医療機関が看護師を派遣する、一時的に行ってもらうというようなことが現実的に行われているあるいは行いたいことだと思っています。
 その意味からすると、人材派遣会社からの派遣ではなくて、医療機関間の人材の融通というようなことを柔軟にできる議論をふだんからしておいていただきたい。これは僻地の看護師確保という非常に難しい問題に対しても有効に使えることだと思っておりますし、私どものまちでも現実にそういった話があります。ただ、制度的にはハードルが高いものですから、この機に人材の融通というような観点の中で、看護師の派遣をもっと柔軟にできる方法について御検討賜りたいと思います。
 以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特に御意見なければ、この議題についてはこれまでとさせていただきます。本議題については、事務局において、本日の医療部会における議論を労働政策審議会に御報告をお願いいたします。
 では、続いて、「『全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大』の運用開始について」事務局より説明をお願いいたします。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 医療情報担当参事官の代理でございます。本日代理で恐縮でございますが、私から、資料4「『全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大』の運用開始について」について御説明をさせていただきます。
 この仕組みの拡大につきまして、1ページ目でございますが、まずはスケジュールということでございます。本年6月よりレセプトデータの蓄積を開始いたしまして、7月より運用テストを開始してきたところでございます。これを踏まえまして、以前、9月というふうにお知らせをしていたところでございますが、サービスの運用の開始につきまして、具体的に今度の日曜日、9月11日より診療情報の閲覧開始ということでお知らせをさせていただきます。マイナポータルでの患者の御本人様による閲覧につきましても、同日より可能ということでございます。
 2ページ目、閲覧ができるようになる情報ということでございますけれども、こちらも従前よりお示しをしていると理解しておりますが、そこにありますとおり、医療機関名、受診歴、診療年月日、入外等区分、診療識別、診療行為名、それから薬剤情報について、医療機関名、薬局名というふうになってございます。
 その下でございますけれども、対象レセプトは今年6月以降ということで、以後3年分の情報が閲覧可能ということでございます。
 簡単ではございますが、御説明は以上でございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明に御質問、御意見をお願いいたします。
 相澤委員、どうぞ。
○相澤委員 細かい話で申し訳ありませんが、これは医療機関から毎月請求をしたら、それがデータになるのでしょうか。例えば返戻だとかそういったものがあった場合、それはデータにはならないのでしょうか。ここのところに請求されるとあるので、請求したらもうすぐにデータになるのか、それとも返戻だとかがあった場合は、それが確定されるまでは情報にならないのか。そこだけ教えていただきたいのですが。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 ありがとうございます。今御説明をはしょってしまったのですが、御質問については、請求がされた時点ということでございます。返戻分については、再請求をしていただいたタイミングで対象になるということでございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○相澤委員 分かりました。
○永井部会長 ありがとうございます。
 楠岡委員、どうぞ。
○楠岡委員 マイナポータルでいろいろな情報が見えるようになっているのですけれども、すぐに見える情報と、しばらく時間がかかるので届いたらお知らせしますという、それでメールアドレスを入れてくださいというタイプの情報とあって、実際にマイナポータルで見える情報の中には非常に時間がかかるものもございます。今回のものはどれぐらいのレスポンスタイムで出てくるのか。やはり自分の情報がどうなっているかとかいうのを見たいときに、半日かかるとかいうことですと、あまり使われなくなってしまうところがあると思うのですが、この辺は現状どのような形になりそうなのでしょうか。
○永井部会長 いかがですか。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 ありがとうございます。大変恐縮でございます。こちらもちょっと説明をはしょりましたところでございますが、診療情報についてという2ページ目の下のところの抽出タイミングということでございます。御覧いただいたとおりですが、5日から10日までの受付レセプトは翌11日の朝までに、11日受付レセプトは翌12日、12日受付レセプトは翌13日ということで、事実としてはそういうことでございます。
○楠岡委員 実際いつのタイミングから参照できるかというのではなくて、マイナポータルで見に行ったときにどれぐらいかかるか。私自身、毎名ポータルにある情報を見にいったら、データを見ることが可能になるのに半日かかったということがあります。どれぐらいのレスポンスタイムかということが十分に確定されていないと、どんどん使え使えといっても、見に行っても全然すぐに見られないじゃないかという話になり、かえって使われなくなってしまう可能性があるということで、その点に関して一度確認をしておいていただきたいという点でございます。
 以上です。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 大変恐縮でございます。おっしゃるとおりと思いますので、確認をしておきたいと思います。
○永井部会長 神野委員、どうぞ。
○神野委員 ありがとうございます。私も確認というか、まず、医療情報というのは誰のものかといったら、これは患者さんのものですから、どんどんお返しすべきだと基本的には思います。その中で何が見られるかという2ページの項目を見せていただきますと、この項目を決めるのにいろいろな審議会ないしはプロセスがあったのだと思います。その議論をもしよろしければお聞かせいただきたいのですが、例えば患者さんが一番知りたいのは病名だと思うのだけれども、病名はないですよね。それは何らかのプロセスで載せるべきではないという話になったのかということ。
 それから、もう一つ、医療機関・薬局で閲覧可能なブルーのほうの項目ですけれども、診療行為名の下のほうに細かい字で画像診断とか病理診断と書いてありますが、これは画像診断をやったという記録だけなのか、何の画像診断をして、結果はどうだったというところまで見られるのでしょうか。ちょっと詳しいことが分からないのでお聞きします。
 以上です。
○永井部会長 お願いします。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 ありがとうございます。すみません。把握ができていないところもあるかと思うのですけれども、まずこの情報を、なぜこの情報なのかということにつきましては、過去二、三年の検討会やワーキングでの議論を踏まえまして、過去や現在の具体的な診療歴を把握することによりまして、今後、より適切な診断ですとか検査、治療方針の検討に有用と考えられる情報ということで、この情報が選択されたと理解をしております。
 基本的にレセプトからの情報ということではあるのですけれども、過去の議論の記憶をたどりますと、病名については、レセプトに載っている病名の情報が必ずしも患者さんのほうにお知らせをされていない場合もあるとか、そういったところでちょっと慎重に検討するべきではないかという議論があったと記憶をしているところでございます。
 以上でございます。
○永井部会長 よろしいでしょうか。
○神野委員 もう一つ、最後に質問しましたけれども、例えばレントゲンをやったというのは、病理診断とか診断名が出るのですか。それとも、病理診断をやったということだけですか。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当)代理 すみません。ちょっとそちらは今、把握をしておりませんで、確認をしまして、お答えしたいと思います。申し訳ありません。
○永井部会長 ありがとうございます。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。これはレセプトデータなので、病理診断結果や画像診断結果は出ないと私は聞いています。検査をしたことぐらいしか分からないということになっていると思います。
 昨年から3年分の医薬品情報、それから5年分の特定健診の情報は、患者が同意すれば共有できるようになっていて、この9月11日からまた新たに診療情報が加わるということなのですけれども、実際に私の経験で、オンライン資格確認を導入しているところに受診したことがあって、マイナンバーカードで本人確認したのですけれども、本人確認だけで終わってしまって、医薬品や5年分の特定健診の一括同意の画面が出ないのですね。ということは、本人確認のみに使われていて、情報の共有をしていない医療機関があるのだということを知りました。
 オンライン資格確認を導入した医療機関というのは、必ず共有するということをくっつけて運用されることになっているのか、各医療機関独自の判断で共有する、しないということを選べるのか、あるいは今まだそういうシステムが追いついていなくてできていないのか、その辺りは今後のことも含めてどのような方向性なのかということを教えていただきたいと思います。でないと、患者にとっては、ここでは共有するかどうか聞かれたのに、ほかの医療機関に行ったらそういうのがなくて、一体どうなっているのだということになりかねないと思います。例えばオンライン資格確認を導入する医療機関に対してどのように指導というか、伝えておられるのか。共有は必ず同時にしてくださいということなのか。その辺りを教えていただきたいと思います。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 御意見ありがとうございます。オンライン資格確認の仕組みにつきましては、所管は保険局だというふうに承知しておりますので、詳細については明確にお答えできませんが、現時点ではオンライン資格確認の仕組みを入れて、その後、情報共有をするかしないかは医療機関がそれぞれの判断で行っていると。その画面も、どの画面を患者様に見せるのかということを医療機関側で選択をすることができる仕組みというふうに聞いております。
 その背景としては、電子カルテの情報とレセプトの情報とを連携させるようなシステム改修というのがやはり医療機関の中で必要になりますので、そのシステム改修の進度というか、必ずしもすぐにシステム改修が対応できていないケースもございますので、そのような対応になっていると承知しております。なので、9月11日からこういった情報が閲覧可能にはなるものの、やはり電子カルテの改修であるとかそういったことが一緒にできないと、すぐに共有しますかという同意画面が出ない可能性があるということはお伝えさせていただきたいと思います。
○山口委員 では、今は過渡期だとしたら、将来的にはオンライン資格確認を導入している医療機関であれば共有する方向性だと受け止めてよろしいでしょうか。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 方向性はそのように受け止めていただいて結構でございます。
○山口委員 ありがとうございます。
○永井部会長 先ほど病理診断の質問があったのですが、病理診断を行ったということが出るのであって、結果については出ないということですね。
○医政局参事官(特定医薬品開発支援・医療情報担当) 出ません。検査については全て、検査をしたかしないかということだけになりますので、その点について結果は伴わないということでございます。
○永井部会長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もしございませんでしたら、本日の議題はこれまででございます。
 では、事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○医療政策企画官 本日は一般傍聴の制限をしていることから、議事録につきましては、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいります。委員の皆様におかれましても、御多忙中とは存じておりますが、何とぞ御協力いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次回の医療部会の詳細につきましては、また決まり次第、改めて御連絡させていただきたいと思います。
○永井部会長 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議はこれまでとさせていただきます。お忙しいところをありがとうございました。
 

(了)

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