ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会)> 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録(2018年3月2日)




2018年3月2日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

○日時

平成30年3月2日(金)17:30~


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(21名)五十音順

◎五十嵐   隆、 石 井 明 子、 石 井 則 久、  伊 藤 清 美、
  乾    英 夫、 今 村 定 臣、 薄 井 紀 子、○遠 藤 一 司、
  柿 崎   暁、 金 澤    實、 倉 根 一 郎、  後 藤 功 一、
  斎 藤   充、 佐 藤    薫、 佐 藤 泰 憲、  戸 部 依 子、
  三 村   將、 村 島 温 子、 望 月 眞 弓、  矢 野    哲、
  萬    知 子

欠席委員(3名)

  小 松 康 宏、 小宮根 真 弓、 清 水   渉
  (注)◎部会長 ○部会長代理

行政機関出席者

 宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
 森    和 彦 (大臣官房審議官)
 佐 藤 大 作 (医薬安全対策課長)
 江 野 英 夫 (安全使用推進室長)
 宇 津    忍 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 他

○議事

○医薬安全対策課長 ただいま定刻になりましたので、平成29年度第3回「薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会」を開始いたします。

 本日御出席の委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、有り難うございます。

 本日の部会は公開で行います。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解と御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 また、傍聴の方におかれましては、静粛を旨とし、喧騒にわたる行為はしないこと、部会長及び部会長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日の出席状況でございます。小宮根委員、小松委員、清水委員より欠席との御連絡をいただいており、現時点で21名の委員が出席しております。本部会の定員は24名でございますので、定足数に達していることを報告いたします。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 以後の議事進行は、五十嵐部会長にお願いをいたします。

○五十嵐部会長 有り難うございました。では、早速、議事に入りたいと思います。

 初めに、事務局から審議参加に関する遵守事項などにつきまして、説明をお願いいたします。

○事務局 議事参加について御報告いたします。

 本日御出席の委員の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金、契約金などの受け取り状況を御報告いたします。

 本日の議題に関しまして、競合品目、競合企業につきましては、事前にリストを各委員にお送りして御確認をいただいておりますが、全ての委員から寄附金等の受け取りの申告はございませんでした。

 一方、戸部委員におかれましては、別途利益相反の申告がありましたことから、議題1の審議中につきましては御退室をお願いいたします。

 そのほかの委員におかれましては、意見を述べ、議決にも加わることができます。

 これらの申告につきましては、ホームページで公表させていただきます。

 続きまして、事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。

 薬事分科会規程第11条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告ただいておりますので、報告させていただきます。

 委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 審議参加に関する遵守事項についての説明、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の報告は以上です。

○五十嵐部会長 有り難うございました。

 ただいまの事務局からの御説明につきまして、何か御意見はございますか。特によろしいですか。

(「はい」と声あり)

○五十嵐部会長 それでは、競合品目と競合企業の妥当性を含めまして、御了解をいただけたものといたします。

 続きまして、事務局から配付資料につきまして御説明をお願いいたします。

○事務局 資料につきましては、前回部会に引き続きペーパーレス化を実施しており、各委員におかれましてはお手元のタブレット端末で資料を御確認ください。

 前回と異なるタブレットを使用しておりますので、まず初めにタブレット端末の操作方法について説明いたします。

○事務局 それでは、タブレットの使用方法について御説明いたします。「ペーパーレス審議会等タブレット操作説明書」をお手元に御用意いただき、御確認ください。

 まず、タブレット操作説明書の1ページをごらんください。タブレット側面にございます電源ボタンを押して電源を入れていただき、画面が表示されましたら、画面を上にスライドしてください。サインインのボタンが表示されましたらタップしていただき、ロックを解除してください。すると、資料1-1が表示されますことを御確認ください。

 続きまして、資料の切りかえ方法について御説明いたします。2ページをごらんください。資料を切りかえる際は、まず画面上の黄色いフォルダーアイコンをタップしてください。すると、資料一覧が表示されます。参照したい資料をタップすることで資料が表示されます。

 続きまして、資料の閲覧方法ですが、資料を指でスライドすることで資料をめくることが可能です。

 その他の操作方法につきましては、操作説明書に記載しておりますので、各自御参照ください。

 なお、セキュリティー上、一定時間操作しておりませんと、画面がスリープになるよう設定しております。スリープ状態になりましたら、再度1ページにある起動の操作をしていただくようお願いいたします。

 御不明な点、不具合等がございましたら、事務局にお申しつけください。

 御説明は以上です。

○五十嵐部会長 どうも有り難うございました。

 皆さん大丈夫ですか。もし、途中で困ったことがありましたら、事務局に手を挙げて助けを求めてください。よろしくお願いします。

 では、議題に入りたいと思います。議題1「一般用医薬品のリスク区分について」を審議したいと思いますが、個別成分の審議する前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順につきまして、改めて事務局から説明をお願いいたします。

(戸部委員退室)

○事務局 資料1-1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」をごらんください。本日御審議いただくアルミノプロフェンについて示しております。

 現在リスク評価中であるために第1類医薬品とされているアルミノプロフェンにつきまして、製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分の変更の検討をお願いするものです。

 次に、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について御説明いたします。次のページ「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」をごらんください。

 手順としましては、3の()として安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果、リスク区分の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行う。

()安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっており、本日は()の位置づけです。

 なお、本日御審議いただく品目に関しては、平成2911月9日に開催された安全対策調査会で事前整理を行い、パブリックコメントを実施しております。パブリックコメントの結果は、資料1-3に示しております。

 資料1-1については以上です。

○五十嵐部会長 有り難うございます。

 何か御質問等ございますか。よろしいですか。

 では、アルミノプロフェンについての審議に入ってよろしいでしょうか。では、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-2の1ページをごらんください。

 アルミノプロフェンは販売名がルミフェン、ミナルフェンS。

 効能・効果は、表にお示しのとおり()関節痛、腰痛、肩こり痛、咽頭痛、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、耳痛、神経痛、筋肉痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)、外傷痛の鎮痛。()悪寒、発熱時の解熱。

 用法・用量は、成人(15歳以上)1回1錠、一日に2回まで。ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できるとされています。

 「製造販売後調査概要」をごらんください。個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配る形で行われた特別調査では、調査例数3,191例で、副作用が39例、57件、副作用発現率は1.22%でした。内訳は、傾眠13件、腹部不快感9件、口渇6件、頭痛3件、上部腹痛・腹痛3件等で、重篤と判断された症例はありませんでした。

 使用者または薬剤師からの自発報告である一般調査における副作用報告は、1例1件寄せられており、発疹でした。

 安全対策調査会での審議概要を御説明させていただきます。

 調査会においては、これらの製造販売後調査の結果を踏まえ、内科の専門家の参加のもとで審議を行いました。既に類似成分を含有する一般用医薬品が指定第2類医薬品として流通してきていること、医療用医薬品及びほかの解熱鎮痛薬と比較しても重篤な副作用がなく、特記すべき点は認められないことを踏まえ、指定第2類医薬品へ分類することが適当であるとされました。

 御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 御説明有り難うございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御意見・御質問をお願いしたいと思います。どうぞ。

○薄井委員 薄井でございます。この薬はイブプロフェンとかロキソプロフェンと同じようなお薬と認識しているのですが、最初の資料の1ページに、ロキソプロフェンはまだ第1類に分類になっているのでしょうか。この薬も同じようなお薬で、多分副作用等々も同じ。ロキソプロフェンは第1類で、これが第2類になるのがよくわからなかったものですから、御説明いただけるとありがたいです。

○事務局 こちらは、1ページの類薬のところでお示ししておりますとおり、ロキソプロフェンについては第1類、イブプロフェンについては指定第2類ということでこれまで御議論いただいております。ロキソプロフェンにつきましては、かつてこの部会で議論になりまして、いろいろ御意見がありました。その中で御指摘がありましたのは、ロキソプロフェンについては医療用として販売量が多く、一般の方々にも認知度が高いといった背景を踏まえますと、他剤と比べて安易に服用されるのではないかという懸念が示されたところがございます。特に、こちらは妊娠後期の方等に使いますと、胎児に対するリスクがございますので、そういったところからも注意すべきであろうという御指摘を踏まえまして、ロキソプロフェンについては第1類という整理になったところでございます。

○薄井委員 有り難うございます。そうしますと、アルミノプロフェンの方は妊婦さんが飲んでも大丈夫という認識ですか。

○事務局 そちらについても、薬理作用的には同様の懸念はございます。ただ、そこはロキソプロフェンがやや特殊といいますか、先ほど申し上げたような懸念がありまして第1類になっており、類薬でありますイブプロフェンについては、指定第2類で差し支えないという御意見をいただいておりまして、現状このようになってございます。

○薄井委員 有り難うございます。しつこいようで申しわけないのですけれども、こういう鎮痛剤というのは安易に飲めるので、種々の副作用もあります。十分に注意してお飲みいただけるように皆さんにお知らせいただきたいという意味を込めて、しつこい質問をしました。どうも失礼いたしました。

○五十嵐部会長 有り難うございます。通常の第2類ではなくて、指定第2類ということですので、少し制限はかかっていると御理解いただきたいと思います。

 ほかはいかがでしょうか。

 それでは、御異議は余りないようですので、議決をとりたいと思いますがよろしいでしょうか。このアルミノプロフェンにつきましては、御提案どおり指定第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐部会長 有り難うございます。異議ないものとしたいと思います。

(戸部委員入室)

○五十嵐部会長 続きまして、議題2の「医薬品等の市販後安全対策について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、議題2「医薬品等の市販後安全対策について」を御説明いたします。資料2-1「医薬品等の使用上の注意の改訂について」をごらんください。

 平成2911月に開催されました、平成29年度第2回医薬品等安全対策部会で、平成2910月までの改訂を報告しておりますので、今回は11月から2月までに改訂の通知を発出したものについて一覧でお示ししております。

11月に3件、1月に6件、2月に7件の改訂指示を行いました。これらの使用上の改訂につきまして、本部会の先生方に事前に御確認いただいたものであり、また、改訂時にPMDA、メディナビで配信するとともに、PMDAのホームページと、医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載しております。

 資料2-1については、以上でございます。

○事務局 続きまして、資料2-2「ワクチンの安全性に関する評価について」をごらんください。

 ワクチンの安全性に関する評価につきましては、昨年1129日、1222日及び平成30年2月19日に開催されました安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同会議におきまして、ワクチンの安全性について評価をいただきましたので、御報告させていただきます。

 まず、1のHPVワクチンの報告状況です。

 昨年5月から8月までの報告状況について集計した結果が、表1のとおりです。安全性への懸念となる症例集積は認められませんでした。

 また、協力医療機関等を受診している方を対象とした症例フォローアップ調査の進捗状況について、研究代表者より報告されました。

HPVワクチン接種後に生じた症状については、()に記載のとおり審議が行われました。臨床現場では、医師の専門性や主たる症状の違い等により、さまざまな傷病名で診療が行われている実態があるものの、それらは合同会議で整理している機能性身体症状と同一のものであると考えられるとされました。

 また、ワクチンの安全性及び有効性に関する最新の知見を情報提供していくとともに、機能性身体症状については、医療従事者及び医学的知識がない方でもわかるよう理解を深めていくことが必要であるとされました。

 それを踏まえまして、国民への情報提供として()に記載していますとおり、これまで公表しておりました保護者向け、被接種者向け、医療従事者向けのリーフレットを安全性・有効性に関する内容を充実させ、本年1月に公表しております。今後は、情報提供の内容が理解されたどうか評価を行っていく予定です。

 続いて、麻しん、風しん等の報告状況についてごらんください。

 昨年5月から8月までの報告状況について集計した結果が表2のとおりです。これまでと比べて大きな差はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとの評価をいただいております。

 死亡症例につきましては、今回の評価対象期間中に2例報告されましたが、専門家による評価の結果、いずれの症例もワクチン接種と死亡との直接的な明確な因果関係は認められないと評価をいただいております。

 最後に、3の百日せき、ジフテリア等の各ワクチンの報告状況です。

 昨年7月から10月までの報告状況の集計結果が表3のとおりです。こちらもこれまでと比べて大きな差はなく、新たな安全対策措置をとる必要はないとの評価をいただいております。

 死亡症例については、今回の評価対象期間中に同時接種で2例、単独接種で1例報告されましたが、専門家による評価の結果、ワクチン接種と死亡との直接的な明確な因果関係は認められないと評価をいただいております。

 資料2-2は以上でございます。

○事務局 続きまして、資料2-3をお願いいたします。

 抗インフルエンザウイルス薬の安全性につきましては、昨年11月9日の安全対策調査会、前回の安全対策部会におきまして御審議をいただいたところでございます。その際に、抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の因果関係につきましては、不明ではあるものの、実際に異常行動を起こして飛び降りて亡くなってしまうといった事例も生じていることから、抗インフルエンザウイルス薬の処方の有無にかかわらず、異常行動に関連する万が一の事故のリスクを減らすために、具体的な対策を処置する必要があるという御意見を委員の先生方よりいただいたところです。

 そこで、従来具体的な対策としまして、1ページの下に四角で囲っているところがございますが、「原則」に記載があるように、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、少なくとも治療開始後2日間は小児・未成年者を1人にしないという従来の注意喚起の内容に加えまして、小児・未成年者が住居外に飛び出ないための追加の対策ということで、例えば、内鍵、補助錠の活用も含めた部屋の施錠を確実に行うことであったり、一戸建ての場合に、できる限り1階で寝かせるといった具体的な注意喚起の内容を周知すべきという御意見をいただきました。

 2ページに、実際に発出した通知をつけております。これが都道府県宛てに出した通知でございますが、都道府県等その他職能団体、関係団体、また抗インフルエンザ薬の製造販売業者に対して、部会の後でございますが、昨年1127日に通知を発出しまして、医療機関等に注意喚起の徹底を依頼したところでございます。同日、このような形でプレスリリースもいたしましたので、この場で御報告させていただくものです。

 資料2-3につきましては、以上でございます。

○事務局 続いて、資料2-4をごらんください。「輸血用血液製剤使用時の安全確保措置の周知について」です。

 輸血用血液製剤は人の血液を原料としているため、感染症伝搬等のリスクを完全には排除できないことから、添付文書等により必要な注意喚起を行ってきたところです。

 このたび、人血小板濃厚液の使用後に細菌感染により重篤な症状を呈し死亡に至った事例、及び人赤血球液の使用後にE型肝炎ウイルスに感染し、その後複合的な要因で劇症肝炎となり死亡したという事例が報告されました。いずれの事例も、投与された血液製剤と患者から検出された大腸菌またはE型肝炎ウイルスが一致いたしました。

 これらの事例を受けまして、昨年12月4日付及び本年2月1日付で通知を発出し、医療関係者に対して、改めて、輸血用血液製剤投与後の患者の経過観察や、感染が確認された場合には適切な処置を行うことなどの注意喚起を行いましたので、御報告させていただきます。

 なお、現在、献血血液の核酸増幅検査により、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス及びヒト免疫不全ウイルスの混入の検査が行われていますが、この検査対象にE型肝炎ウイルスを加えるかということを、これまで薬事食品衛生審議会血液事業部会で検討してきており、引き続き検討を進めていくこととしております。

 資料2-4については、以上でございます。

○事務局 続きまして、資料2-5について御説明させていただきます。ことし1月24日に関係学会、自治体等に通知しましたオシメルチニブメシル酸塩製剤の使用成績調査の中間報告の結果について御説明いたします。

 平成28年7月22日に、ニボルマブの前治療歴がある患者に対して、ゲフィチニブやオシメルチニブなどの上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)を投与した際に、重篤な間質性肺疾患を発現した症例が複数認められたことから、EGFR-TKIを投与する際には間質性肺疾患の既往歴等に注意していただくとともに、ニボルバム等の前治療歴も含めた副作用情報の収集に協力いただくよう、関係学会や自治体に通知を発出しておりました。

 今般、オシメルチニブメシル酸塩製剤の使用成績調査の中間結果がとりまとめられまして、継続して間質性肺疾患の副作用が報告されていることから、現時点ではニボルマブの前治療歴との関連性については明らかではないものの、ニボルマブ等の免疫チェックポイント阻害剤は投与終了後、相当期間経過後に間質性肺疾患を含め重大な副作用が発現することもございますので、EGFR-TKI投与前に間質性肺疾患の既往歴に加えて、ニボルマブ等の免疫チェックポイント阻害剤の投与歴を確認していただくとともに、投与中は十分な注意と経過観察を行っていただきたく、改めて今年の1月24日に注意喚起させていただきました。

 資料2-5については以上になります。

○五十嵐部会長 どうも有り難うございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、何か御意見・御質問ありますか。どうぞ。

○倉根委員 資料2-1のクロザピンについてよろしいですか。表の一番右に「直近3年度の国内副作用症例の集積状況」が書いてあるのですが、この読み方を教えていただきたいのですけれども、「胸膜炎関連症例6例(うち、因果関係が否定できない症例1例)」。これは、5例は因果関係があるものと読むのですか。それと6例は報告されたけれども、因果関係の否定できないものが一つあって、ほかはそうではなかったということでしょうか。どのように読めばいいでしょうか。

○事務局 御質問有り難うございます。先生がおっしゃられた後者の方でございまして、5例に関しては因果関係が明らかでないもの、1例に関しては因果関係が否定できないものでございます。

○倉根委員 わかりました。

 あと、関連症例の「関連」というのは、最終的には因果関係がないということですから類似のという話ですか。なぜかというと、改訂内容は胸膜炎とクリアーに書いてあるので。

○安全第二部長 機構の方からお答えさせていただきます。

 この改訂に当たりましては、機構の方で副作用症例などを評価しまして、先ほど御説明しました因果関係が否定できない症例などの部分も、機構の職員及び専門委員に御意見を聞きまして評価をし、また症例につきましても、症例の状況から確認しております。

 胸膜炎関連症例の「関連」が具体的にどこまでを含めているのか、お手元に資料がないのですけれども、胸膜炎と同等と見なせるような副作用と因果関係が疑われるものがあったということで、このような改訂案になっているかと思います。

○五十嵐部会長 有り難うございます。よろしいでしょうか。どうぞ。

○乾委員 資料2-3でございますけれども、小児・未成年者がインフルエンザにかかったときの異常行動については、11月の部会でも議論があって、こういう形でプレスリリースも例年にはないものをしていただいたということで、本当に今シーズンのインフルエンザは非常に多くの患者さんが出て、私も薬局店頭で服薬指導に異常行動ということで、より注意してきたわけですけれども、医療関係者・従事者は当然しっかりと通知できるわけですが、この部会でも話が出たように、次年度も含め、国民にしっかりとそういうことが周知できるように、プレスリリース以上のものと言ったらないのかもしれませんけれども、また検討していただきたいという意見も出ましたので、ぜひ、その辺をしっかりと厚労省として進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 御要望があったということで、よろしくお願いします。

○医薬安全対策課長 しっかりと対応させていただきます。有り難うございます。

○五十嵐部会長 そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、議題2の報告は以上といたします。

 続いて、議題3に入りたいと思います。「医薬品等の副作用等報告の状況について」、御説明をお願いしたいと思います。

○事務局 議題3「医薬品等の副作用等報告の状況について」御説明いたします。資料3-1「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第68条の12の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用等報告について」をごらんください。

 まず、今回の報告期間についてですが、平成29年8月1日から平成291130日までであり、前回の報告期間は、平成29年4月1日から平成29年7月31日まででございます。

 「1.製造販売業者からの医薬品等の副作用等報告」について御報告いたします。

()には国内症例の副作用等報告について、医療用医薬品、医薬品たるコンビネーション製品、要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品における報告件数をお示ししており、その内訳は資料3-2にまとめてお示ししております。

()には外国における副作用等の報告について、医療用医薬品、医薬品たるコンビネーション製品における報告件数をお示ししております。

()には外国での新たな措置の報告件数をお示ししており、その内容は資料3-3にお示ししております。

()には研究報告の報告件数をお示ししており、報告された文献等のリストは資料3-4にお示ししております。

 「2.医薬関係者からの医薬品等の副作用等報告」について御報告いたします。

 ワクチン類を除く医薬品の副作用報告とワクチン類の副反応報告とを分けてお示ししており、これら重篤症例については、企業もしくは機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及びそのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししております。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料3-5にまとめてお示ししております。

 「3.副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」について御報告いたします。

 報告期間内に救済給付に関する決定がなされたもののうち、安全対策に活用されたものの件数を副作用救済給付・感染症救済給付についてお示ししております。なお、その内訳は資料3-6にまとめてお示ししております。

 議題3については以上でございます。

○五十嵐部会長 資料3-2と資料3-3についての説明はいいのですね。

○事務局 資料3-1にてまとめてお示ししているところです。資料3-2以降は内訳でございます。

○五十嵐部会長 失礼しました。

 それでは、ただいまの御報告につきまして、何かございますか。特によろしいですか。

 それでは、議題3の報告は以上で終了したいと思います。有り難うございました。

 続きまして、議題4に移りたいと思います。「医薬品の感染症定期報告の状況について」です。御説明をお願いいたします。

○事務局 資料4-1、資料4-2をごらんください。感染症定期報告についてです。

 まず、資料に入る前に、感染症定期報告の制度について概要を御説明いたします。医薬品医療機器法に基づく副作用等の報告においては、製造販売業者は、その製造販売する医薬品等によるものと疑われる感染症を報告することが義務づけられています。他方で、血液製剤やワクチン等の生物由来製品については、厳格な承認審査を得て承認を受け、適正な製造管理及び品質管理のもとで製造されているものの、ヒトその他の生物に由来するものが原料となっており、細菌・ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。

 また、感染症については、科学的合成された医薬品による副作用とは異なり、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に症状が進行する可能性があり、また、感染した後は時間の経過に伴い軽減することなく一定期間後に顕在化する可能性もあります。こういった性質・状況を踏まえて、生物由来製品等については、製品への直接的な影響が不明であるものも含めて、定期的に原料動物等の感染症に関する報告を行うことが義務づけられています。

 なお、寄せられた報告については、厚生労働省の本医薬品等安全対策部会また血液事業部会運営委員会において報告しており、対応の要否が検討されているところです。

 以上が、感染症定期報告の概要です。

 続きまして、今回の報告状況について御説明いたします。資料4-1、資料4-2をごらんください。

 今回の報告は、昨年8月1日から1031日までに報告された結果をまとめております。資料は二つございますが、資料4-2は全体のもので、これまでに報告済みのものも含まれています。重複等を除き感染症ごとにまとめたものが資料4-1です。

 資料4-1のとおり、今回新たに報告された文献は全体として72件でした。このうち比較的報告が多かったものとしましては、インフルエンザが11件ございます。これらの報告については、これまでと同様、事前に国立感染症研究所の倉根委員、石井()委員、また国立医薬品食品衛生研究所の石井()委員に事前に御確認いただいております。今回の特段コメントはございませんでした。

 議題4については、以上です。

○五十嵐部会長 どうも有り難うございました。

 それでは、ただいまの御説明に対しまして何かございますか。どうぞ。

○薄井委員 慈恵医大の薄井です。有り難うございます。これはここでお話しすることではないのかもしれませんけれども、E型肝炎について先ほどお話があったように、輸血でE型肝炎で亡くなられた患者さんのご報告がありました。E型肝炎については皆さん知らないことが多いかもしれません。最近はジビエブームでこういう(E型肝炎ウイルス感染リスクの高い)お肉を食べる方もふえています。資料を拝見しますと海外では肝炎の発症というお話もあるので、この辺をもう少し国民の皆さんにアピールするような工夫も厚労省として必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○医薬安全対策課長 有り難うございます。確かに、E型肝炎の輸血由来の感染も過去からはあるのですけれども、これまではどちらかというと一定の地域での発生ということだったのですが、薄井先生に御指摘いただいたように、いろいろな食生活・食文化の変化にもかかわってくる部分なのかもしれません。今回公表させていただいた事例もそうですが、割と全国的な広がりが起こってきているところで、例えば、供血された際の検査でHEVNATを入れるとか、そういう検討は今並行して進めてはいるのですけれども、おっしゃるように、いわゆる食品由来の部分や食生活由来の部分があるので、この辺の注意喚起はまた食品部局とも連携させていただいて、一般の方にも適切に注意がなされるように、対応していきたいと思っております。有り難うございます。

○五十嵐部会長 どうも有り難うございました。

 どうぞ。

○倉根委員 内容ではないですが、19番から20番のところに「日本脳炎B型」と書いてあるのですけれども、「B型」は要りませんので「日本脳炎」で結構です。

○事務局 御指摘有り難うございます。修正いたします。

○五十嵐部会長 有り難うございました。そのほかよろしいでしょうか。

 では、議題4の報告は以上にしたいと思います。有り難うございました。

 では、最後、議題5「その他」にまいりたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 資料5-1「ワクチン類等の添付文書等の記載要領について」御報告申し上げます。

 平成29年7月に開催しました、平成29年度第1回医薬品等安全対策部会において、医療用医薬品の添付文書等の記載要領についての通知を発出し、医療用医薬品の添付文書等の記載要領を改訂した旨を御報告いたしました。

 ワクチン類等の添付文書等の記載要領については、医療用医薬品の添付文書等記載要領とは別になっていることから、その改訂に伴いワクチン類等の添付文書についても記載要領の改訂を行い、平成291227日に関連の通知を発出しましたので、御報告いたします。

 通知の概要といたしましては、基本的な構造は医療用医薬品添付文書等の記載要領に従い、添付文書における用語をワクチン用に読みかえています。お手元の資料の3ページにありますが、医療用医薬品における「禁忌」は、ワクチンでは「接種不適当者」。「合併症・既往歴等のある患者」は「接種要注意者」。「投与」は「接種」など、それぞれ読みかえて記載することとしています。

 なお、10ページ、11ページの通知で医療用医薬品に記載のない「製法の概要」の項について、記載方法とその項で記載すべき品目を定めております。

 ワクチン類等の添付文書の新記載要領の施行については、医療用医薬品と同様に平成31年4月からを予定しており、2024年3月末までの経過措置期間を設けております。

 添付文書等記載要領に関する御報告は以上です。

○五十嵐部会長 どうも有り難うございました。

 何か御質問等ございますか。よろしいですか。

 それでは、きょう予定しておりました議題は以上で終了ですけれども、全体を通して委員の先生方から何かございますか。よろしいですか。

 では、事務局から何か連絡事項はございますか。

○医薬安全対策課長補佐 本日は、御議論いただきまして有り難うございました。

 次回の部会につきましては、日程調整の上、改めて事務局より御連絡させていただきます。

 以上でございます。

○五十嵐部会長 それでは、きょうの部会はこれで終了いたしたいと思います。どうも有り難うございました。


(了)

備  考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 安全対策課 課長補佐 太田(内線2752)

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