ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会・援護局(社会)が実施する検討会等> 生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会> 第5回生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会 議事要旨(2018年11月30日)

 
 

2018年11月30日 第5回生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会 議事要旨

社会・援護局保護課

 

○議題

 これまでの意見を踏まえた課題の整理・対策の方向性について

○議事

 事務局から資料説明を行い、これまでの意見を踏まえた課題の整理・対策の方向性について、出席者による意見交換を行った。主な意見は以下のとおり。

1.自立支援のあり方について
 ・ 「自立支援」の議論と、「補足性(要件)としての稼働能力活用の評価」の議論は分けると整理が容易になる。
 ・ 障害等がある人について就労指導の援助方針を立てた場合、毎月の収入申告書や求職活動状況報告の提出が、本人・ケースワーカーの双方に重荷となるところもあるので、なるべくそうならないような運用にすべきである。
 ・ 様々な通知が発出されているが、関係性の理解が難しいので、支援の流れを整理出来ないか。
 ・ 就労につながらない方については、ボランティア活動等へつないでいくような働きかけもするべきではないか。
 ・ 働くことは権利であって義務であると憲法に書かれており、人間にとって大切なことである。法4条に基づき稼働能力の活用について説明することは簡単だが、それで人の人生が大きくは変わらない。廃止の恐怖を感じた人は頑張るかもしれないが、それは将来的な生活の安定につながる生きがい、やりがい、自己肯定感が高まる勤労や就労とは言えない。大切な「働く」ということを応援するという姿勢で就労支援をされてこそ、人の人生や生活も変わるのではないか。
 
2.課題を抱える者に対する就労支援のあり方
 ・ アセスメントについては信頼関係がなければ難しく、準備支援事業対象者なのに就労支援事業につなげてしまうとか、間違った方向性につないでしまう可能性もある。
 ・ 就職困難者をダイバーシティ(多様)的に受け入れる団体の力を借りて、ハローワークや福祉事務所以外に第3の場所として、居場所づくりや障害特性を理解した専門的な支援等多面的に支援を行うとともに、そのような団体が企業と福祉事務所を結び付けられないか。
 ・ 意欲の喚起というのは「働いてください」と言い続けることではなく、信頼関係の構築、居場所の提供、自分のできることを発見、生きるという意欲を喚起するものである、といった自立支援の方向性を示せないか。
 
3.就労支援を実施するための体制強化・連携強化
 ・ 福祉事務所の常設の窓口においても雇用保険の手続が可能となれば、そのような者も連携して就労支援をしてあげられるのではないか。
 ・ 一般就労が難しい者はなかなか行く場がないので、障害者、生活保護受給者、生活困窮者の各制度の就労支援制度が一緒になって、ともに働く居場所というのが必要ではないか。
 ・ 民間の有料職業紹介も活用できるので、そことの連携という視点もあるのではないか。
 ・ ケースワーカーが多忙であり異動も多いため、困難な者に対する支援では一歩引いた立場とした上で、就労支援員等を中心とした支援は可能か。
 ・ ケースワーカーと就労支援員が役割を分担して支援を行っており、ケースワーカーの異動の際は就労支援員がフォローしている。
 ・ ケースワーカーのケースワークを細分化しすぎると、給付業務だけになってしまうことが危惧される。
 ・ 就労支援を外部委託する場合、求人開拓等で効果的な支援が期待できる一方、支援場所の違い等により、福祉事務所職員との連携に課題を生じる場合もある。
 ・ 事業によって定着支援の内容に差があるので、一定期間丁寧に支援をできるようにするべきでないか。
 
4.就労支援の実施状況の評価
 ・ KPIを重視すると、危険な議論になりかねない。
 ・ 費用対効果を求めるKPI数値目標の設定は、支援の視点とは相反するものではないか。
 
5.稼働能力の評価、指導指示のあり方
 ・ 例えば何カ月か自主的求職活動の成果がでない場合、原則的には各就労支援事業に参加することを制度としてできないか。
 ・ 稼働能力活用要件で廃止した事案がその後どうなっていたかについて、追跡した調査はあるか。保護廃止後にどうなるのかが不明確だと、要件の議論というのは現場としては辛くて進めなくなるのではないか。
 ・ 稼働能力の不活用を理由に指導指示による廃止を繰り返していた者が、実は知的障害があったということが判明した事例があった。型どおりの指導ではなく、なぜ活動しないのか、なぜやれないのかという背景を十分に理解しないと、裁判や審査請求に至る可能性がある。
 ・ 法解釈として自立支援プログラムの法的根拠が27条の2か、27条かというのは学説が分かれているが、厚労省の説明としては自立支援プログラムは27条の2の相談援助の一環という説明である。
 ・ 受診歴がなかったり、家族がいない単身のその他世帯の方で、なぜ・どうしてかつどうができないのかの課題が明確に分からない場合、指導(支援)も長期となってしまい、判断が難しい。
 

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会・援護局(社会)が実施する検討会等> 生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会> 第5回生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会 議事要旨(2018年11月30日)

ページの先頭へ戻る