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2018年4月11日 第2回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成30年4月11日(水)16:00~18:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省18階 専用第22会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

1 実地調査の結果について
2 各措置の進捗状況について
3 その他

○議事

○兵頭室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第2回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議」を開催いたします。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。まず、本会議開催に当たり、大臣官房審議官の吉永和生より御挨拶をさせていただきます。

○吉永大臣官房審議官 健康局担当審議官の吉永でございます。先生方におかれましては、お忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。第2回臍帯血を用いた医療の適切な提供に関する検証・検討会議の開催に当たりまして、医政局・健康局を代表して一言御挨拶申し上げます。昨年11月に第1回の検証・検討会議を開催しましたが、その際に今後の検証・検討の進め方として、各事業者への実地調査を行い、届出内容を確認することとして、特に保管臍帯血の品質安全性の観点から、トレーサビリティが確保されているかについて検証すること。2件目として、新規契約を行っている事業者の契約書の見直しについて、見直しの状況及び内容について確認すること。3点目として、契約終了後も廃棄せずに保管されていた臍帯血について、各事業者による契約者への意思確認の状況や、それに基づく処分の状況について引き続き確認することを御指示いただいたところです。

 こうした前回の御議論を踏まえて、本日、第2回では臍帯血プライベートバンクの実地調査及び各措置の進捗状況について、事務局より報告させていただいた上で御議論をお願いしたいと考えているところです。先生方におかれましては、それぞれのお立場から様々な御意見を頂き、検証いただいた上で、必要に応じて更なる対策の御指示を頂ければと考えているところです。本日はよろしくお願い申し上げます。

○兵頭室長補佐 審議官は所用のため、この後、退席させていただきます。本日の構成員の皆様の出欠状況ですが、田島構成員、野村構成員より、御欠席の御連絡を頂いております。

 前回の検証・検討会議以降、41日付けで事務局の異動がありましたので、紹介いたします。医政局研究開発振興課再生医療等研究推進室室長補佐に着任した竹内康人です。医政局研究開発振興課再生医療等研究推進室再生医療等対策専門官に着任した藤原なほです。健康局難病対策課移植医療対策推進室室長補佐に着任した、私、兵頭利之です。最後に、健康局難病対策課移植医療対策推進室室長補佐に着任した幕内陽介です。

 続きまして、資料の確認をいたします。議事次第に資料と参考資料の記載がありますので、お手元の資料を御確認ください。資料1「臍帯血プライベートバンクの実地調査の結果について」、資料2「各措置の進捗状況について」、参考資料1「各事業者による契約者への情報提供の取組の例」、参考資料2「臍帯血凍結処置及び長期保管委託契約書約款(株式会社アイル)」です。参考資料3「臍帯血分離保管契約書<アドバンスドプラン>(株式会社ステムセル研究所)」です。以上5点となっております。資料の不足や落丁等ありましたら、事務局までお知らせください。これより議事進行を小澤議長にお願いいたします。なお、報道のカメラは御退室をよろしくお願い申し上げます。

○小澤議長 議長の小澤でございます。まず、構成員名簿を1つ訂正させていただきたいのですが、私の所属、役職の所が、東大医科学研究所附属病院院長となっておりますが、3月いっぱいで定年退職になりましたので、4月からは自治医科大学の名誉教授並びに客員教授になります。

 それでは、議事に入ります。本日は議事が2つあります。まず、「臍帯血プライベートバンクの実地調査の結果について」です。昨年11月の前回会議において、今後の検証・検討の進め方として、各臍帯血プライベーートバンクに対し実地調査を行い、届出内容について確認し、その結果を報告頂き、更なる議論を行うことになっておりました。そこで、事務局から実地調査の報告を受けて、本日、議論を行いたいと思います。

2番目ですが、「各措置の進捗状況について」です。これは昨年9月の臍帯血プライベートバンクの実態調査を踏まえ、講じることとされた臍帯血プライベートバンクの届出等をはじめとする各措置について、事務局から進捗状況を御報告いただき、議論を行いたいと思います。

 早速、議題1「実地調査の結果について」、事務局から説明をお願いいたします。

○井内移植医療対策推進室長 それでは、「臍帯血プライベートバンクの実地調査の結果について」、資料1において説明いたします。前回の検証・検討会議の議論を踏まえということで、実地調査にまいりました。本日御出席の神田構成員にも来ていただいて、調査をしてまいったものです。調査の対象事業者ということで、プライベートバンク7社のうち、1031日時点で国に届出のあった2社、株式会社アイル、株式会社ステムセル研究所及び届出準備中との報告のあった株式会社ときわメディックスの3社に対して、調査を依頼ということです。この結果、承諾の回答があった2社、株式会社アイル、株式会社ステムセル研究所に対して、実地調査を実施しました。調査の概要の所で、実施日、方法等を記載しております。

 次ページの調査結果です。上段の部分が品質管理・安全対策に関する書類の管理状況ということで、これは事前に提出いただいて確認をしたものです。組織体制及び人員が分かる書類から、例えば調製・保存に関わる責任者の履歴書。また、臍帯血の採取に関する標準作業手順書のところから、臍帯血の移植施設への搬送に関する標準作業手順書までの手順書関係のところがあるかどうかということで、確認させていただいたものです。いずれにしても、2社ともに作業手順書がありました。ステムセルに関しては、採取のところについては採取機関に送りますので、採取マニュアルという形になっておりますが、基本的にこういった作業をするという手順書がそろっていたというものです。

 下の部分ですが、臍帯血に関する記録の有無ということで、説明同意文書、問診票に関する記録のほうから、採取、調製・保存に関わる等々の記録があるかどうかということで、これは現地調査により確認をしたということで、両者とも我々が挙げた項目については○が付いて返ってきた、あるということです。

3ページ以降ですが、それぞれアイル及びステムセル研究所に関して、どうだったかということを記載しております。株式会社アイルに関して、上段から、「臍帯血の採取に関しては」ということで、採取マニュアルに従って採取するよう依頼しているということであったり、必要があれば採取手順が撮影されたDVDを送付するということ。また、調製・保存に関しては手順書が作成され、それにのっとった作業がなされていた。臍帯血の品質管理についても手順書が作成されており、それにのっとった作業が行われ、記録も管理されている。臍帯血の破棄に関しては、破棄手順書にのっとって作業がされている。移植施設への搬送に関しては、保管細胞の移動作業手順書も作成され、それにのっとって行われることになっている。ただ、現時点では搬送実績がないため、記録はないということです。プライベートバンクからの臍帯血の受入れに関しても、移管作業手順書が作成されているというものです。

 文書や記録の管理に関しては、管理手順が作成されて、それにのっとった作業が行われている。保管されている臍帯血の記録の中から、臍帯血をランダムに選択して調査をしたということを、現地に行ってやっております。その中で、当該臍帯血が記録されている場所に保管されている。また、採取施設での臍帯血の採取、採取施設からの搬送、受入れ、調製・保存までの記録が臍帯血にきちんと紐づく形で、記録が全て保管されていることを確認したというものです。これは1例だけやったということです。

 職員の教育訓練は毎年行われ、記録は保管されていた。通常の作業手順からの逸脱が発生した場合も報告ということで、原因調査・結果の報告の記録が保管されている。IMSグループの産科医療機関での保管申込みの契約者には説明をきちっとしているということですが、それ以外には資料請求のあった希望者に対してのみ書面で確認ということになっているものです。実態調査の際に厚生労働省へ報告した臍帯血の契約件数には、つくばブレーンズが破綻した際に移管した臍帯血27件の契約数は含まれていなかったことが現地に行って分かったというものです。このうち、現在も契約中の臍帯血は19件、契約が終了し破棄された臍帯血は3件、廃棄予定は1件、契約終了後も契約者の意向が確認できていないため内規に基づく保管を継続している臍帯血は4件ということで、内訳も確認ができましたというものです。

 次ページは株式会社ステムセル研究所に関してです。これも同様の順番で記載しております。臍帯血の採取に関しては、臍帯血採取方法が記載されたマニュアルの入ったキットを送付して、そのマニュアルに従って採取するように要請しているということです。臍帯血の調製・保存に関しては、有核細胞分離作業手順書が作成され、それにのっとって作業が行われております。品質管理に関しても手順書が作成され、作業が行われております。臍帯血の破棄に関しては、細胞払い出し指示書の運用手順にのっとって行われていたが、新たに破棄手順書を作成し、社内倫理委員会の承認を得て、この4月中に臍帯血を破棄する予定という報告を受けております。移植手術への搬送に関しては、保管細胞の移動作業手順書が作成され、それらにのっとって作業が行われている。他のプライベートバンク等からの臍帯血の受入れに関しては、さい帯血継続保管委託契約書が作成され、この手順書にのっとって作業が行われている。

 文書管理に関しても手順書が作成され、それにのっとっている。ここでも臍帯血をランダムに選択して、それが記録されている場所に保管されているか。また、その記録が紐づく形で保管されているかということで、これも1例やったところ、それはしているというのが確認されたものです。職員の教育訓練はされて、記録も保管されている。通常の作業手順からの逸脱が発生した場合についても報告されることになっております。資料請求を行った希望者に対し、スタッフが電話にてパンフレットを用いながら公的臍帯血バンクと民間臍帯血バンクの違いについて説明するとともに、再生医療に用いるために臍帯血を保管することを説明している旨の報告を受けております。実態調査の際に、厚生労働省へ報告した臍帯血の契約件数には、血液培養が陽性などのために有償契約とならなかった臍帯血163件が含まれていなかったことも、今回、実地調査で分かりました。このうち、現在も契約中の保管臍帯血は142件、無償契約期間終了による廃棄予定の臍帯血は21件と報告を受けております。

 最終ページの総括の所ですが、株式会社アイルの所で、採取、調製・保存、品質管理、破棄等については、作業手順書に従って行われるとともに、記録の管理も行われていた。採取施設における保管施設への搬送、調製・保存、検査、移植施設への引渡しまでの過程における同一性は担保されており、医師が臍帯血を実際に使用する際には、品質や安全性を確認できる状態であったということです。さらに、契約希望者への保管契約に関する説明は、公的臍帯血バンクと民間臍帯血バンクとの違いについて説明同意文書内に記載されているものの、契約希望者全員に対する口頭説明も併せて行われることが望ましいと考えております。改訂後の新たな契約書においては、契約終了後、あるいは破棄時の臍帯血の扱い、処分方法等について明確化は図られております。改訂前の契約書により委託契約を行った臍帯血に関しては、契約終了後に破棄する旨の記載がないことから、住所不明等の理由で契約者の意思確認が取れない場合は、内規に基づき、契約終了後も保管を継続することとしている。これについては、毎事業年度の届出において、保管臍帯血破棄状況等の報告を求めて、保管臍帯血数の推移を見ることで、契約者の意に沿わない臍帯血の提供がなされることのないよう、継続的に確認していく必要があると考えております。

 ステムセル研究所ですが、採取、調製・保存、品質管理、搬送等について、手順書に従って行われるとともに、個々の臍帯血ごとに当該作業に関する記録の管理も行われていた。臍帯血の破棄については、作業手順書が準備でき次第、順次行っていく予定であるという報告を受けております。採取施設における採取から保管施設への搬送、調製・保存、検査、移植手術への引渡しまでの過程における各臍帯血の同一性は担保されており、医師が臍帯血を実際に使用する際に、品質や安全性を確認できる状態にあったと考えております。さらに、契約希望者への保管契約に関する説明は公的臍帯血バンク、民間臍帯血バンクとの違いを含め、契約希望者全員に行われている。さらに、改訂後の新たな契約書においては、契約終了後、あるいは破棄時の臍帯血の扱い、処分方法等について、明確化が図られていると判断しております。今回、実地調査で分かったことは以上です。

○小澤議長 1枚目に書いてあるように、今回はこういう調査の実施に関して承諾の回答があった2社、株式会社アイルと株式会社ステムセル研究所に対して、実地調査が行われたわけですが、調査に参加された神田構成員より、何か御意見を頂ければと思います。

○神田構成員 調査の個々の項目については、もう既に事務局から採点結果のお話があったと思いますので、私はどちらかというと面接点のようなところでお話したいと思います。調査に伺った順番でいくと、ステムセル研究所は都心にある大きな美しいビルの12階を使っているような状況で、ものすごくシステムがしっかりしているという印象を受けました。最大手だけあって、しっかりとしたシステムで、管理のデータベースなどもしっかりしている施設でした。非常に安心できるようなところだったと思います。アイルのほうは、もう少し下町の雰囲気で、建物も古いのですが、こじんまりとした規模でありながら、スタッフの方たちが非常に誠実に仕事をしていることがうかがい取れました。印象として言うと、どちらも非常に任せられる施設かなという印象を持ちました。以上になります。

○小澤議長 ありがとうございました。それでは、構成員の皆さんから何か御質問等お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

1つ私からお伺いしたいことがありますが、参考資料1にも、各事業者の所で公的バンクと民間バンクの違いについて、いろいろパンフレット等を作って説明がなされているわけです。ここには抜粋だけ載っていますが、先生がいろいろ調査されて、パンフレットに書かれている民間バンクの存在意味みたいなことに関して、何か誇大広告めいたことが載っていないかどうかとか、その辺はいかがだったでしょうか。

○神田構成員 そうですね。恐らく昔は民間バンクのほうも白血病治療とか、そういうことまで含めた印象で説明されていたように思うのですが、今回はいずれの施設ともに、そういった白血病の治療ではなくて、今後の将来の治療に使えるかもしれないというような、公的バンクより、ある意味、一歩引いたような立場での説明がなされていると思いますので、公正な説明になっているのではないかと思います。

○小澤議長 主に再生医療への利用という感じになっているのですね。

○神田構成員 そうですね。

○小澤議長 ほかに何か確認しておきたいこと等、いかがでしょうか。

○紀ノ岡構成員 まず、すごく大変なお仕事をありがとうございます。明確になってきたと思います。そもそも今回の調査なのですが、きっと将来、体に戻すことが前提となっている臍帯血バンクの在り方、再生医療法的には、加工はとりあえずまだない、治療していないからという範疇の中で、管理とトレーサビリティが取れていますかということが焦点だと思うのです。管理とトレーサビリティについては、文書体系の管理とトレーサビリティということで、今日、御紹介いただいて、細胞の質、これはまだ戻した経験がない、事例が今ないはずなのです。あったら再生医療評価部会のほうに上がってくるので、これは。

○森光研究開発振興課長 幾つか、自家で。

○紀ノ岡構成員 自家であったのか。あった事例はあるか。何を申し上げたかったかというと、文書に対しての管理とトレーサビリティはできていますと。今度、再生医療法の範疇で言うと、ここで出ていった後に使われるときに、出荷判定が実はここにはないのです。先ほどの検査する項目はあるのですが、恐らくこれは受入れのときの管理のための15番の所にあった話だと思うのですが、「臍帯血が適切なものであることを検査等により確認した結果」というのは、推察するに、これは受入れのときのかなと思っています。出荷するときに。

○瀬戸室長補佐 ステムセル研究所においては、出荷した事例についての記録も確認しております。

○紀ノ岡構成員 事例がある場合は、ちゃんと出荷確認のものがあって、無菌性であるとか、どこまで測られているか。今ここの議論ではないと思うのですが、何らかの検査を行っていると。というのは、文書体系では見られないことが、凍結保管をしているので、一度でも温度がずれることによって上がってしまったら、二度と戻れない工程であるという意識が、製造の中だったらあると思うのです。受入れだけでなくて、出荷のときに、今のステムセルの会社の方は出荷検査をされているのだったら、それですごく満足になります。

 だから、「適切なものであることを検査等により確認した結果」というのは、ここの会社に入荷するときと出荷するときという両方なのか、片方なのか、質に関することを言おうと思ったら、そこのところがポイントになるかなと思いました。要は停電とかで、操作は合っているのですが、時間の項は書いていないので、ほったらかしになると溶けてしまったとか、そういうことは文書からなかなか分かりにくいので、出荷するときには出荷検査というものが本来は要るかなとは思いました。

○小澤議長 事務局からは、その辺に対する対応は何か。

○神田構成員 出荷時にテストチューブのもので、バイアビリティのチェックをするという話ではなかったですか。

○紀ノ岡構成員 出荷時。

○瀬戸室長補佐 はい。検査結果は見させていただきました。

○紀ノ岡構成員 無菌性もやっているのですから、今はこれはもともとがそのままなので、無菌性の評価が要るかというところから議論なのですが、生存率だけは測られていると。

○神田構成員 確かそうだと。

○紀ノ岡構成員 バイアビリティは。

○瀬戸室長補佐 移植で提供されるときにバイアビリティを測ったのは確認しました。

○紀ノ岡構成員 臍帯血移植で使われたということですか。

○瀬戸室長補佐 そうです。血縁間の移植で提供された事例に関して確認しましたので。

○紀ノ岡構成員 それだったら、医療機関に提出する文書は出荷側ですよね。

○瀬戸室長補佐 はい。

○紀ノ岡構成員 いや、もしかしたら、これは病院側かもしれないです。1回溶かして。

○瀬戸室長補佐 そうです。臍帯血は病院で溶かすはずなので、溶かした後の検査はプライベートバンクにはありません。私どもではまず保管したときの状況と、提供するに当たって付随する情報をきちんと付けているかというところは確認させてもらいましたが、その後の情報は確認していないです。

○紀ノ岡構成員 今おっしゃっているのは、病院側でなされていたら、ちゃんと引継ぎができていたら、全然問題ないと思うのですが、今のはとにかく移植前には何らかのバイアビリティのテストはしていると。

○瀬戸室長補佐 移植医療機関に行ってからの検査の内容は把握しておりませんので。

○神田構成員 小分けのチューブがなかったですか。

○紀ノ岡構成員 サンプリングしているような感じですか。

○瀬戸室長補佐 セグメントの話でしょうか。

○神田構成員 そうです。

○瀬戸室長補佐 セグメントを使って行われた検査情報として追記で出しているという形になりますので。

○紀ノ岡構成員 サンプリングテストをされているというのが結論ですか。

○瀬戸室長補佐 はい。

○小澤議長 仮に温度が上がったとしても、無菌性を繰り返す必要はありますかね。

○紀ノ岡構成員 無菌性に関する話と温度の話は若干違っていて、加工ではないので加工と言えないのですが、採取したときのリスクというのは当然、無菌性に対してはあると思うのです。それは医療行為の範疇のところから、そのまま凍結されているのだったら、そのまま引き継がれて移植しているので、これは医師のほうで判断されるといいのではないかなと思います。

○小澤議長 加工していなければ、繰り返すことは必須ではないという理解でいいのですね。

○紀ノ岡構成員 そうです。培養していないので、コンタミネーションのリスクが上がるとは言い難いです。ただ、常温に戻すとなった場合は、そもそも臍帯血としての存在が品としてはもう存在しないという解釈になると思います。

○小澤議長 そのほか、いかがでしょうか。

○花井構成員 前回、欠席しまして申し訳ございません。今の議論は、保存されている臍帯血が使用に耐え得るものであるというクオリティがどれだけ担保されているかという議論だと思うのですが、ここでの法律の統制の建て付けから言うと、民間が民間に預けて、預けるまでは別にこちらが規制する必要もなく自由なのですが、出口のところで再生医療等法があるので、例えば時間の場合であると、お抱えのクリニックであれば、採るところから何となく責任を持っているので、当該医師は「これは大丈夫だよ」と、一連の医療行為を一体化するのですが、そうでない場合は、個々の医師がこれを信用できるかどうかというのは、医師の現場の判断になって、そのときに多くの医師がこれは使えるものだというスペックでなければ、実際に保管したけれども、当該医師は「これはちょっと心配だから使えません」と言われてしまうというリスクが1つありますよね。

 もう1つは、御自身で使われる、お子さんのために保存してあげたい、お子さんのために、家族で使うという場合は他家になってきて上がってくるわけですね。そうすると、それで信義に堪え得るのかということが預けた者のリスク。これは民間なんで、それ自体ここであれするものではないのですが、せっかく高いお金を出して預けているのに、実際には使えないというリスクは、その部分としてあると思うのです。当該医療行為を行う、下流で医療行為を行う医師が、これを信頼できるものというようにできるスペックがあるかということですね。実際どうかというサイエンティフィックなことよりも、法律的にはそうなるので、そこのところの説明がちゃんとインフォームされているかというところがちょっと気になりました。

 もう1つは将来の話で、今は何か有効性があるとは言っておらず、医学の進歩も含めてなっているので、それはそれでお守りみたいなイメージだと思うのです。ただ、一方で、再生医療という言葉、確か再生医療法を作るときにも議論になったのです。あれは「再生医療法」ではない、「再生医療等法」ではないですか。本来、「等」のほうが大きな集合で、細胞治療の中の部分集合で再生医療があるのですが、「再生」という言葉のほうが耳障りがいいから、「再生医療等法」にしたという経緯があったと思うのですが、これを再生医療と言っているので、何となく細胞治療と再生医療が混同していて、再生という言葉自体に何か組織が復活する医療というイメージですね。一般的な言葉が再生医療はそうなっていて、それがちょっと誇大ではないかという2つですね。

 だから、恐らく実際に使えるということは保証しているわけではないのです。なので、そこのところがインフォームしてあるかということと、再生医療と言っても夢みたいな話ではないということ。神田先生がそのようにおっしゃっているので、大丈夫だと思うのですが、そこがユーザー側に対しての配慮としてはちょっと思いました。その辺どうなのですか。恐らくさすがにそこまでは保証できないのですか。当該医師が本当にそれをアクセプトするのかどうかですね。自分の所のクリニックであれば、それはやると言えると思うのですが、その辺りのインフォームド・コンセントというか、説明では、どういう扱いになっていたのですかね。

○小澤議長 その辺に関しては、先ほどの私からの質問に関連すると思います。公的バンクと民間バンクの違いに関して、パンフレットでどこまで丁寧に書いているかということと関係してくる話だと思うのですが。

○井内移植医療対策推進室長 まず、預けたものが使えるのかということで、結局、出口でどういう使われ方をするのかというのが、現時点でまだ分からない状態なので、例えば造血幹細胞移植に使うのであれば、細胞数であったり、このぐらいの量がないと駄目だというのがあるのですが、もしかしたら細胞1つでもできるかもしれないと。可能性としては否定できない、ゼロではないわけで、そこが分からないということで、今回、我々のほうが見たのも、あくまでそのものの品質を使う人が評価できるかどうかということが、しっかり追えるかどうかということを重視した調査になっております。恐らく、そういうところをどこまで契約者が御理解した上で、例えば再生医療のこともそうですし、預けたものがどの程度の率で使われるのかという情報が入っているかということなのですが、多分これは説明するほうも現時点では分からないこともあるのです。ただ、現時点では必要な造血幹細胞移植は、あくまで公的バンクで保証されていると。それ以外の、医療が将来進んだとき用のものなのだという説明の中に、ある程度包含されていると我々は考えて、そこは説明するにしても、何パーセント使えるか、それも分からないので、そういったあくまでも未来のことなのだということがしっかり説明できていればいいかなと思って、聴取りをしているという状況です。

○花井構成員 ありがとうございます。理解しました。すごい素人っぽい話をすると、一番良い説明は、「ある種、お守りですよ。お子さんの」と、そういう説明であれば、正に実態かなと思います。了解いたしました。

○小澤議長 その辺は実際、大丈夫なのですね。パンフレットなり、口頭での説明の仕方に関しても、先ほど言いましたような誇大になるようなことは言っていないという理解で。

○神田構成員 実際の現場には立ち会っていないので分からないですが、パンフレットを見た印象、あるいはそれぞれの会社の説明においては、そういうお守りという印象でのお話だったように思います。

○小澤議長 こういう調査等を実施して、国がお墨付きを与えるような印象にならないことが重要かなと思います。そのほか、何か御意見等いかがでしょうか。ここまでのところはよろしいでしょうか。

○花井構成員 今の話ですが、これはこれで厚生労働省届出施設と書くのは構わない。

○井内移植医療対策推進室長 そうですね。届出は出ております。厚生労働省のほうにも届出されている、ホームページに載せております。

○花井構成員 分かりました。

○小澤議長 よろしいでしょうか。

○紀ノ岡構成員 今思ったのですが、今さらなのですが、臍帯血バンクは、業としてどういう業種なのですか。これは細胞加工施設としての業ではないと思っているのですが、バンクという業があるのですか。どういう業態として。許可は要らないものですか。会社として行うときは、何かしらの業務があって、許可は何も起こらない現象で業を行っておられるという表現ですか。

○井内移植医療対策推進室長 まず、再生医療法に位置付けられたものであれば、実際、業というのになるのだと思うのですが、法律に位置付けられていないものだということなので、民間ベースでその物を預かるということ。これを再生医療法にのっとった、いわゆる加工等のプロセスを行うのであれば、当然、申請、CPCを取っていくということになると。これに関しては、もう預かっているだけと。

○紀ノ岡構成員 言い方は分からないですが、バンク業があるかどうか知らないですが、倉庫業みたいな形だと、保管業みたいな形。

○井内移植医療対策推進室長 そうですね。業と言うと、やはり法律があって、それに位置付けられた業になるので。

○紀ノ岡構成員 業が定められているわけではないということですか。

○井内移植医療対策推進室長 はい。

○大比良室長補佐 補足させていただきますと、基本的には、臍帯血を個人保管したいお母さんがいて、本来は自分で保管をしたいのですが、保管をするには液体窒素を用いて冷凍保存するといった仕組みが必要ですので、個人ではなかなかできないので、委託契約という形で保管を業者に委託して、その業者は、お母さんに代わって委託契約に基づいて保管をしていると。事実関係からするとそういうことになるかと思います。こういった業態が何かの法律で位置付けられているかというと、今、室長が申し上げたとおり、造血幹細胞移植法にも再生医療法にも、ただ単に細胞を保管しているという限りにおいては該当してこないと考えられます。一方で、例えば、それを更に加工して再生医療に使うとか、出口である細胞の使途が決まってくれば、再生医療法上のCPCの許可が必要とか、そういったことになっていくという理解だと思います。

○紀ノ岡構成員 あくまでも保管しているだけなので、例えば細胞の質に対して契約書の中に担保されていなかったら、ただ預かっているだけ、それが劣化しようが何しようが、預かっているだけという表現になるという形でいいのですか。分かりました。ありがとうございます。

○小澤議長 よろしいですか。次の議題2「各措置の進捗状況について」、事務局から説明をお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 資料2で説明をさせていただきます。前回の1回目の会議のときに、破綻したプライベートバンクから流出した臍帯血が、再生医療法違反につながったという事案を踏まえ、厚生労働省で事業の届出の体制を作ることとし、平成29912日付けで届出制度になりました。この届出の中でどういった状況にあるかということで、411日現在の状況が以下のとおりとなっております。実際に実態調査をしたのが、この7社です。実際に活動が確認できたので、我々はこの7社がオールジャパン、これが全てだという認識をしており、その7社がどうなったかということです。

 先ほどの実態調査にもあった株式会社アイル、株式会社ステムセル研究所については届出ありです。

 現在、事業を実施していない旨の報告を文書で頂いているのが、次の4社です。レクラン株式会社に関しては平成292月に解散、株式会社オンロードに関しては平成2910月に、全ての保管臍帯血がときわメディックスに移管されたということを、我々も現地に立ち会って確認をしております。さい帯血協会(京都健康クリニック)は、現在クリニックの事業自体を行っておらず、今後も事業を行う意思がない旨の書面の提出がありました。株式会社臍帯血保管センター(株式会社ビー・ビー)は契約者の意向に基づき、他業者への移管希望者の臍帯血は、平成303月末にアイル又はステムセル研究所への移管を済ませました。残りの臍帯血に関しては46日に破棄済みということで、現在は廃業の手続中です。この4社について、いわゆるプライベートバンクとして契約者から預かった臍帯血というのは、ここにはもうないと我々は認識しております。

4番目が事業の届出がない1社です。前回は届出準備中ということで、今も届出準備中かもしれませんが、株式会社ときわメディックスの届出がまだできていない。先ほどの実地調査でもありましたように、実地調査の御協力も得られなかったという状況です。ただ、ときわメディックスについては、新規の契約は行っていないという連絡を受けております。

 この状況を見ますと、今までこの検討会議で検証いただく前、厚生労働省が実態調査をする前は、プライベートバンクというものが世の中に一体何件あってどの程度だったのか、何件保管されているのかということすら分からなかったのですが、おおむね全体像が見えてきたということと、届出のあった2社がある一定レベルでできているということを勘案しますと、少なくとも新規で預ける方については、基本的にきちんとした体制でできているのかなと思っております。

 ときわメディックスについては、我々もまだ届出が頂けていないということと、実地調査もできていないということがあるので、実際のところは分からないのですが、その前の調査では協力を頂いております。そのときには契約者数1,000名ぐらいの方の臍帯血を預かっているということが確認され、その部分がまだ一部届出がなく、実地調査もできていません。

2ページを見ていただきたいと思います。契約終了後に破棄されず保管されていた臍帯血の状況についてです。これについては破綻したプライベートバンクから臍帯血が流出したという観点から、契約終了後も保管され続けている臍帯血を我々は問題視しています。それが2,100件あるという状況から、実際にその2,100件できちんと破棄されるべきものは破棄する、契約延長するべきものは契約延長するという形にならないかということで、各会社に協力を得て、その後もきちんとした対応をしていただくということでお願いをしていたものです。

 ここにあるアイル、ステムセル研究所、ときわメディックス、ビー・ビーのうち、ときわメディックスの届出がないということで、調査をした時点で契約終了後も残っているのが4件ですが、その後は不明です。臍帯血保管センター(ビー・ビー)に関しては廃業するということで全て移管し、契約終了後のものは全て破棄しました。

 アイルについては、去年の912日の時点で75件ありましたが、破棄が完了したのは35件で、40件に関してはまだ破棄の同意がなく保管を継続しています。※の3にありますように、事業者において契約者への意思確認を再度行おうとしたものの、住所不明等により意思確認を行うことができなかったため、内規により廃棄は行わず、保管を継続することとされたものです。実際にアイルからお話を聞きますと、保管していて連絡が取れずにある一定期間、例えば1年とか2年とかたった後に、やはりもうちょっと契約を延長したいという申出が結構な率であるということです。契約書を変えて新しい契約書になった部分については、1年で破棄すると明記されているのですが、その前の契約書ではそうなっていないことから、そういった対応が不可能になるので破棄は差し控えたいということで40件です。先ほどの実態調査でも御説明しましたが、こういった数がどうかというのを、しっかりと届出等で報告したいという御意向だと聞いております。

 ステムセル研究所に関しては、破棄が確定している件数が1,285件、再度の契約により保管を継続することになったのが27件、研究利用が629件です。※の5ですが、書面による同意を得ていた384件及び契約終了者への再度の意向確認の結果、研究利用について書面による同意を得た245件の計629件については、研究利用のために保管を続けたいと。これに関しては、ステムセル研究所内部の倫理委員会等で承認された、基本的には基礎研究で使うということで保管したいと聞いております。当初はどういった状態か分からないまま2,100件あったのですが、実地調査も含めていろいろ各社に御協力を頂いた上で振り分けをしていった結果、何か分からないけれども、どういう目的かがよく明確でない中での保管臍帯血はなくなりました。ときわメディックスが不明というのはあるのですが、おおむねなくなったという理解をしております。

3ページが契約書の見直しの状況です。厚生労働省において望ましい契約書のひな形を、昨年929日付けで通知を出しております。この新しい契約書にのっとって、株式会社アイルは平成30310日以降、株式会社ステムセル研究所は平成3011日以降から使用していただいています。新たな契約ということで、契約終了後の状況や仮に破綻した後、契約者に臍帯血をどう返すかということが明記された契約書においての新しい契約に切り替わっているものです。

4番目が、公的さい帯血バンク及びプライベートバンクに関する情報提供です。厚生労働省子ども家庭局母子保健課から各自治体の母子保健主幹部()、日本助産師会へ、「公的さい帯血バンクに関する周知について」というのを依頼しました。各自治体においては、例えばホームページに載せたり、ピンポイントではありませんが、母子関係なので母子手帳を配るとき、そういった活動をする中で、公的さい帯血バンクとプライベートバンクに関する情報やチラシなどを配っていただいていると聞いております。各措置の進捗状況は以上です。

○小澤議長 ただいま事務局から御説明があった内容について、御意見はいかがでしょうか。1つよろしいですか。結局、契約終了後に破棄されずに残っていた臍帯血については、ほとんどが研究利用の予定ということのようですが、どういう利用なのか、その具体的な内容はお分かりになりますか。

○井内移植医療対策推進室長 今ここで保管されているものが将来、どういう研究にするかというのは、ステムセル研究所の中で倫理審査委員会を通してということなので、現時点では分からないのです。

○小澤議長 過去のは分かりますか。

○井内移植医療対策推進室長 それは相手方もあるので、情報が出せないということです。基本的には動物実験と聞いています。

○小澤議長 前回の議論だったと思うのですが、契約終了後の臍帯血ではなくて、現在契約の期間中で保管している臍帯血の数というのは、例えばステムセル研究所ではどのぐらいでしたか。

○井内移植医療対策推進室長 43,000とか42,000ぐらいだったと思います。

○辰井構成員 ときわメディックスに関して、幾つか質問をさせてください。まず、オンロードからときわメディックスに移管ということになっていますが、ここは関連会社だったりするのですか。別にそういうわけではなく、ただ移管されたのですか。

○井内移植医療対策推進室長 実は、前回の調査のときにオンロードとときわメディックスが、同じ臍帯血をお互いに自分のものだということで、両方から情報を頂いていたという経緯があります。それがもう完全にときわメディックスのものだということが確定したときに、場所を移管したのです。

○辰井構成員 そうすると、この実態調査が912日で、その後に移管ということになっていますが、それによって、ときわメディックスの契約終了後も保管している件数が増えた可能性はあるのですか。

○井内移植医療対策推進室長 時間がたっているので、例えばその間に契約が切れているものが出ている可能性は1つあります。ただ、このときのときわメディックスの4件というのも、オンロードとときわメディックスから御報告いただいた、調査に御協力いただいた件数自体は、同じ臍帯血を指して言っておりましたので、そこは同じかと思っております。

○辰井構成員 最後ですが、ときわメディックスは前回は届出準備中ということで、今も届出がなされていなくて、この先も余り届出がなされる見込みはなさそうということでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 我々としては再三再四お願いしているところです。実際に届出を出されるのはときわメディックスですので、我々のほうも分からないのですが、出したい意向があるということは聞いております。聞いてはおりますが、実際に現時点で届出がないというのが事実です。

○小澤議長 届出の義務は法的にはないのですね。

○井内移植医療対策推進室長 はい。あくまでも局長通知に基づく届出です。

○小澤議長 そのほか御意見、いかがでしょうか。

○辰井構成員 ときわメディックスから、そのうち届出が出てくるということであれば、それで一応安心できるということでよろしいかと思います。しかし、今も持っていることが明らかで、廃棄するつもりもなさそうで、事業自体は継続するということで、届出も一向になされないのに何もできないというのは、なかなか安心できない状況ではありますよね。もちろん法律がありませんので、無理矢理何かさせるということはできないわけですが、確か当初厚生労働省のほうから、こういうことはしないでくださいというのではないのですが、こういうことをすると再生医療法違反になりますというような、注意喚起がなされていたかと思います。この後も届出が出てこないようであれば、その1社に対しては改めて注意喚起をなさったほうがいいのではないかと思います。

○小澤議長 対応が難しいところではありますが、その関連で何か御意見がありましたら。

○井内移植医療対策推進室長 本日、この検証・検討会議の中でそういった御意見を頂いたということで、我々としても対応を考えさせていただきたいと思います。

○小澤議長 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら、議題3の「その他」になります。本日報告のあった実地調査の結果や臍帯血プライベートバンクの現状を踏まえ、私から今後の行政の対応について提案があります。事務局から追加資料を配布していただけますか。「今後の行政の対応について(提案)」としてあります。それでは、ざっと読んでいきたいと思います。

 今後の行政の対応について(提案)。現在も活動が確認でき、契約者からの委託を受けて臍帯血を保管している事業者は3社あり、このうち、厚生労働省に対し事業の届出があったのは2(株式会社アイル、株式会社ステムセル研究所)である。当該2社については、事業者への聞取り及び実地調査を行った結果、臍帯血の品質管理・安全性に関する情報を提供できるようにすること(トレーサビリティ)を確保するための措置を講じていること。

 厚生労働省が示した望ましい契約書のひな形を踏まえ、契約者の意に沿わない臍帯血の提供をなくす観点から、これまでの契約書を見直し、契約終了時あるいは廃業時の臍帯血の取扱い等について明確化が図られたこと。

 パンフレットの改訂を行う等により、契約者に正確で分かりやすい情報の提供に取り組んでいること。この3点が確認できました。

 厚生労働省においては、上記の実地調査の結果についてもホームページで情報提供するとともに、今後も、事業者からの届出を基に、保管臍帯血の管理状況や活用実績、契約終了後の廃棄状況等について、ホームページ等により契約者や関係者に対する情報提供を継続的に実施すること。

 このほか、現時点では未届けである1(株式会社ときわメディックス)から届出があった場合には、厚生労働省においては、当該業者の協力を得て実地調査を実施し、業務実態の把握に努めるとともに、当該調査の結果や届出内容について、ホームページ等により契約者や関係者に対して情報提供を行うこと。

 また、臍帯血プライベートバンクへの臍帯血保管委託を検討している者に対し、届出のあった2(株式会社アイル、株式会社ステムセル研究所)以外の臍帯血プライベートバンクとの契約を検討する場合は、これらの事業者からは届出が出ていないことを踏まえ、当該事業者の業務内容、契約内容、契約終了時の臍帯血の取扱い等を十分に確認するよう、注意喚起を行うこと。

 厚生労働省においては、今後とも、契約者に正確で分かりやすい情報が行き届くよう、関係省庁、産科医療機関等と連携し、公的臍帯血バンクに関する情報も含めた適切な情報提供に努めること。

 以上ですが、余り厳しく取り締まるような形にはなっておりません。このようなまとめ方について、御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。

○神田構成員 下から2つ目の段落の注意喚起は非常に重要だと思うのですが、これは具体的にどういう方法で注意喚起をされるのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 本日御提案を頂いた時点で、我々のほうでもまた検討させていただきますが、今はこういった情報を厚生労働省のホームページに載せておりますので、そういった中での対応です。この会議でまとめていただけましたら、我々も対応を考えたいと思います。

○花井構成員 最後に他省庁とも連携してということが書いてありますが、考えてみると、医療行為の注意喚起は厚生労働省の所管ですが、そもそも所管が厚生労働省というのは、下流で見つかったからその経緯でやっているのですよね。ということは、どこになるのかは分かりませんが、他人事と思わないように。その関係省庁はどこですか。やはりこれは消費者庁のほうが、かなり主体的に注意喚起をやっていただくことになると思いますので、そちらのほうに強く働きかけてほしいと思います。

 それから、先ほど辰井構成員がおっしゃっていた件はどこかに書き込みますか。下から3段目の段落に、「届出があった場合には」となっています。逆に言えば、届出がなければ何もしないと書いてあるとも読めるので、表現は難しいですが、「未廃棄分が存在することから、引き続き届出の意思について確認するとともに、届出があった場合は」とすれば書き込めるかと思いました。

○小澤議長 引き続き働きかける程度のことは、追加記載ができるかと思います。いかがでしょうか。何かうまい書き方はありますか。

○井内移植医療対策推進室長 我々としては、この会議でまとめていただいたことが重要です。ここの御提案に関わらず、辰井構成員から出たことも当然我々の対応ということで、本日出た意見、これとはまた別かもしれませんが、対応することは可能です。あと、この中に入れるかどうかということについては、もちろん入れるということであれば、どこにどういう形かというのは後日というか、ちょっと検討させていただきたいと思います。また委員会を開くわけにはいかないのですが、御趣旨が合っているかどうかを議長と御相談させていただければと思います。

○小澤議長 何もしないというのも何ですから、少しはそういうアクションをするということくらいは入れておいたほうがいいかなと思います。辰井構成員、何か追加コメントはありますか。

○辰井構成員 余り大きな声で言えないというか、インフォーマルな措置としてしかできないことなので、文書に入れるのは難しいかもしれないと思います。実質的にやっていただければいいような気もします。

○紀ノ岡構成員 3の下の段落で、「状況等について、情報提供を継続的に実施すること」と申し上げるのは、かなり重いお仕事をお願いすることだと私は思うのです。これが毎年になってしまうのは。普通はこう書くと、毎年レポートを出しなさいという話になっているような文章なので、もう少し和らげてもいいのかなと思います。使用状況は余りないと思うので、そのぐらいを課すようなイメージ。毎年のイメージで書かれているのか。これは再生医療ではないので、私はもう少し。そこの程度感が、このままいくと私たちが提案すると、普通は毎年になっているかなと思ったのです。

○小澤議長 何かいい表現はないでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 今はどちらにしても毎年、届出をしていただくことになっておりますので、年度までのものを46月の間に出していただきます。少なくとも我々は毎年、ホームページのほうのアップデートは必ずしなければいけないと思っております。

○紀ノ岡構成員 一緒に、同じことになっていると。

○岡本構成員 毎年でいいと思うのですが、恐らくこういうデータが出ることによって、実際にバンクがどれくらい活用されているかといったことが、もっと見える化され、実際にどれくらいの意義があるものなのかがパブリックに明らかになると思います。やはりオフィシャルな形でのレギュレーションには限界があるので、いわゆるパブリックアウェアネスを高め、情報をマスコミと共有し、いろいろな形でその不適切な使用を縛っていく方向があるのではないかと思います。ですから私は、毎年でいいかなと思いました。

○小澤議長 何万件もバンキングしている割に、実際の活用実績は非常に少ないわけですよね。そういったものが数値としてクリアに出ていることは重要かなと思います。そのほかにいかがでしょうか。

○梅澤構成員 届出がなかったときにどういうことができるかということに関してです。この会議で、構成員が言ったのですから、是非実現をお願いしたい。この会議体で構成員みんなが合意しているのであれば、そのような形で進めることは可能なのかなと思います。

 事業の届出の関連の法令は何になっているのですか。局長通知とか。

○井内移植医療対策推進室長 法律はないので、いわゆる公衆衛生上の観点から、健康局長通知で届出をお願いしております。それだけです。

○梅澤構成員 いつ頃ですか。

○井内移植医療対策推進室長 昨年の9月です。

○梅澤構成員 分かりました。

○小澤議長 よろしいでしょうか。特に御意見がないようでしたら、この提案の内容については、事務局において本日の議論も踏まえ、今後の対応について更に微調整等を行いながら必要な取組をお願いします。

 最後に全体を通じて、各先生方から御発言等がありましたらお願いいたします。何か御意見はありますか。

○岡本構成員 この提案は非常に良く、特に異議はないのですが、1つだけ確認したい。情報提供のパンフレットについてです。その中には公的バンクの情報が入り、かつ、以前は白血病に使いますといった可能性の極めて低い事についても釘が刺さっていて良いと思うのです。今書かれている再生医療に使うということについては、将来的には別に自分だけでなく、他人にも十分使える可能性もあるわけです。そういった医療の進歩に伴って、適切にパンフレットの改訂を行っていく必要があると思います。どういうようにすればいいかは分からないのですが、そこが気になったのでコメントさせていただきました。

○小澤議長 その辺は、また検討する機会が別途あるという理解でもよろしいですか。

○井内移植医療対策推進室長 本日いただきましたので。要は医学の進歩がどうかというときと、例えばiPSにしても、誰かの株でみんなの分ができるということをイメージされているかと思うのです。そういったことが具現化してきたときに、やはりプライベートバンクの表現自体が時代に合っているかどうかということは、また別途、この会議でするかどうかは分からないし、いつぐらい先かも分からないので、そのときは適切な検討の機会、検討の場を持たせていただきたいと思います。

○小澤議長 岡本構成員にお聞きしたいのですが、海外のプライベートバンクでは、そういうパンフレット等にはどんなことが書かれていますか。

○岡本構成員 はっきり言って、もっとアトラクティブなことが書かれていると思います。

○小澤議長 そうですか。

○岡本構成員 日本だけがこういうようにしっかりと規制というか、適正使用的なことが書かれています。アメリカでは、最初にパブリックのバンクができて、パブリックバンクがプライベートバンクをレギュレートしようとしたときに、彼らのほうからパブリックをまずレギュレートすべきだという話になった。やり放題とは言いませんが、彼らはやはり自由な国なので、なかなかレギュレーションを掛けるのは難しく、かなり誇大な、インフォメーションになっているという話は聞いたことがあります。

○小澤議長 要するに、もうビジネスなのですね。

○岡本構成員 おっしゃるとおりです。

○小澤議長 よろしいでしょうか。特に先生方から御意見がないようでしたら、本日の議題は以上となります。そのほか、事務局から何かありますか。

○兵頭室長補佐 本日は活発な御議論を頂き、ありがとうございました。次回以降の開催につきましては、また別途調整させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小澤議長 それでは、本日の会議を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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