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2018年11月15日 第77回先進医療技術審査部会

 
(了)


(1)日時:平成30年11月15日(木)16:00~17:45

(2)場所:厚生労働省 省議室

(3)出席者
山口座長、一色座長代理、天野構成員、石川構成員、伊藤構成員、上村構成員、真田構成員、柴田構成員、飛田構成員、藤原構成員、松山構成員、山中構成員

(事務局)
医政局研究開発振興課 課長
医政局研究開発振興課 先進医療専門官
医政局研究開発振興課 先進医療係長
保険局医療課 企画官
保険局医療課 医療技術評価室長
保険局医療課 課長補佐
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
保険局医療課 先進・再生医療迅速評価専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 課長補佐

議題
1. 総括報告の評価について
2. 試験実施計画の変更について
3. 協力医療機関の追加について
4. 先進医療の取下げについて
5. その他

議事録

○山口座長 定刻となりましたので、第77回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多忙の折、多数お集まりいただきましてありがとうございます。
本日の構成員の出欠状況ですが、掛江構成員、後藤構成員、佐藤構成員、大門構成員、田島構成員、手良向構成員、山本構成員より御欠席の連絡を頂いています。本日は19名の構成員のうち現在12名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えます。
それでは、配付資料と本日の審査案件の確認を、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
配付資料を確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿です。次に、総括報告書の評価についてとして資料1-1~1-3、先進医療B試験の認定臨床研究審査委員会への掛け替え申請の審議の迅速化についての案として資料2、試験実施計画の変更についてが資料3~14、協力医療機関の追加についてが資料15-1、15-2、先進医療B試験及び協力医療機関の取下げについてとして資料16となっています。続いて、参考資料1、2があります。会議資料の最終ページは76ページです。また、別冊資料として、先進医療B試験の評価過程の運用についての案及びその参考資料があります。本資料につきましては、会議終了後、厚生労働省ホームページにて閲覧可能となりますことを申し添えます。本日の資料は以上です。乱丁・落丁等ございましたら事務局までお知らせください。
続きまして、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業につきまして、事務局から事前確認をさせていただいています。今回、告示番号37の技術(東京大学医学部附属病院)につきまして、天野構成員、一色構成員、山中構成員より御報告がありましたが、50万円以下でしたので、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることができます。これ以外に、もし何らかの利益相反がございましたら御報告をお願いいたします。
○上村構成員 上村です。2017年に私の所属しております大分大学医学部附属病院と沢井製薬の間で締結されました治験契約がありまして、私自身が治験責任医師として当該治験の実施に関わっていたことを御報告いたします。
○天野構成員 ただいま事務局から御指摘いただいた利益相反について、念のため申し添えますと、企業内の研修において、患者の立場から講師としてお話させていただいたことに伴うものです。以上です。
○医政局研究開発振興課専門官 ありがとうございます。上村構成員におかれましては、運営細則によりますと、第4条の6に該当すると思われますので、皆様で御討議いただいて御判断いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山口座長 ここで決めればよいのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、そうです。座長の御判断ということになっています。お願いいたします。
○山口座長 皆さん、何か御意見ございますか。特に問題ないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。では、特に問題ないということで、よろしくお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 ありがとうございます。それ以外は該当なしということで承知いたしました。それから、今回もタブレットを使用します。届出書類等につきましてはタブレットより閲覧をお願いします。なお、会議資料とタブレットの内容は異なっていますので、発言者は、「会議資料の何ページ」又は「タブレット資料何番の何ページ」と、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○山口座長 早速、議事に入りたいと思います。総括報告書の評価につきまして、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 15ページにあります資料1-1を御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する評価を頂くのは、告示番号37、mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法です。申請医療機関は東京大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が藤原構成員、副担当が柴田構成員です。
本試験の概要につきましては23ページを御覧ください。本試験は、経口摂取困難な腹膜播種陽性胃がん症例を対象として、mFOLFOX6及びパクリタキセル腹腔内投与の併用療法を施行して安全性と有効性を評価する単群試験です。レジメンや対象症例、試験デザインはこちらに記載の通りです。目標症例は34症例となっています。以上です。
○山口座長 本技術の評価につきまして、主担当の藤原構成員から御説明をお願いします。
○藤原構成員 お手元の資料1-1を御覧ください。技術の内容は資料1-3の概要図の所に書いてあります。対象が腹膜播種陽性の胃がんという患者さんで、mFOLFOX6というオキサリプラチン、ロイコボリン、5-FUという胃がんに効果のある併用化学療法に加えて、パクリタキセルという抗がん剤を腹腔内に投与するというタイプのもので、シングルアームのトライアルでした。その辺りは資料1-1に戻っていただいて、医療技術の概要の所に書いてあります。これは、この先進医療Bでこれまでも審議してまいりました腹腔内投与のパクリタキセルあるいは腹腔内投与のドセタキセル、いろいろな大学がこの先進医療をやっていますが、その一環です。
16ページです。有効性ですが、シングルアームのトライアルでそこそこの有効性が出ていますし、既治療の成績、既治療というのは静脈内投与でパクリタキセルを使った場合の成績ですが、それとの併用療法での成績と余り変わったものではありませんので、C評価、従来の医療技術を用いるものと同程度という評価にしています。
安全性についてです。臨床試験としてはきちんとデザインされて、いろいろなことが起きていますけれども、その評価もきちんとされていると理解しますが、総括報告書だけを最初に読んだときには、このコメント欄に書いてあるような症例20番や症例19番で、「PS」というのは体の元気さを示す臨床試験の用語ですが、体が元気なのに投与を開始後すぐ亡くなられていたり、それから、この5-FUというのは狭心症を起こすことが有名なのですが、その5-FUの副作用が何も言及されずに、このmFOLFOXを使って、虚血性心疾患で亡くなっているのを、使っている試験薬とは関係ないと書いた記載が見られましたので、これは改めて事務局を通じて確認させていただきました。お手元のタブレット資料の「総括報告書東京大学医学部附属病院」をタップしていただくと、構成員照会事項と事務局からの照会事項が開きます。事務局からの照会事項を押していただくと、症例19、20をめぐっての各医療機関での倫理審査委員会での評価や効果安全性評価委員会での評価が、また、ナレーティブに、症例19、20がどのような経過だったかなどが書いてあります。私のほうでこれを事前に確認させていただきましたが、妥当な評価がされていますので、最終的に安全性の評価はB、余り問題ないという評価にいたしました。
技術的成熟度は、腹腔内投与ですから、腹膜透析などをやるカテはいろいろな所で普通のように使われていますので、当該分野を専門として数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる、B評価という記載にしました。
私としては、総合的なコメント欄をきちんとしておきたいと思っています。この腹腔内投与のパクリタキセル投与というのは、最初にも申しましたように、先進医療でも様々な臨床試験がやられていますけれども、いずれも中途半端で、一番最初にやられたS-1との併用のものもプライマリーエンドポイントでは統計学的に有意差がなくて、今、患者申出療養のほうで継続されているような状況で、生煮えのような状態で続いています。その辺りはどこかできちんと釘を刺して、きちんと薬事承認の方向に向けて舵を切っていただきたいと感じています。
当初、申請者たちがこの先進医療に申請してくる際には、ロードマップと言って、腹腔内投与のパクリタキセルを薬事承認にどうやって向けていくかというようなことが確か書かれていたと記憶していまして、その際には、臨床試験を積んだ上で、公知申請を経て公知承認という薬事上のステップを踏みたいと言っていたのです。18ページの、薬事承認申請の効率化に資するかどうかの助言ですが、今年7月4日の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で、パクリタキセルの腹腔内投与の医学薬学上の公知の申請は却下されていて、したがって、公知の申請の道は今のところ閉ざされていますので、きちんとした臨床試験、本当は一番最初にこの先進医療にかかった静注パクリタキセルとS-1、それから、腹腔内パクリタキセルとS-1を併用して腹膜播種陽性の胃がんに対する効果を見るようなランダム化比較試験、そういうものを再度デザインしていただいて、薬事承認申請に向かって進んでいただきたいと思います。以上です。
○山口座長 貴重な御意見をありがとうございます。これは非常に患者さんからも期待された治療なのですけれども、今、藤原構成員からも御指摘がありましたように、最初の比較試験で確実に行けるという予想のものがうまく行きませんでした。いろいろな事情があったのですけれども、そこで仕切り直しができたらよかったと思うのですが、少し斜めになったものの上にどんどん建物を建てていってしまったという感じがします。私自身も期待していたのですが、藤原構成員の御指摘のとおりだと思います。
次に、柴田構成員から御評価をお願いします。
○柴田構成員 お手元の資料18ページを御覧ください。有効性につきましてはCと評価いたしました。主要評価項目に関する解析結果は、事前にプロトコールで定められた基準を超えています。申請者の総括報告書から引用しますと、「新規治療法の安全性と有効性の評価を目的とする探索的臨床試験」、デザインに関する考察ですが、そういう試験の性質を考えた上で、有効性を示唆するエビデンスは得られていると判断してよいと思います。ただし、現時点でこの結果のみで、既存の治療法との優劣について結論付けることは困難である。探索的な段階での試験ということでもありますので、Cとしています。
18ページの下の安全性については、余り問題なしとしています。提出されました総括報告書を拝見しましたところ、当初、本試験のステップ1、用量制限毒性を評価する3~6例による検討部分に関する記載がなされていなかったことと、登録されて解析対象とならなかった患者さんがいらっしゃいますが、そのような患者さんに対する具体的な情報が記載されていないといった不十分と思われる点がありましたので、そこは問題だと考えていたのですが、あらかじめ確認しましたところ、申請医療機関の先生からきちんと御回答いただきました。それが資料1-2に書いてあります。これを見ますと、一次登録例41例中、二次登録例に至らなかった患者さんの内容と、二次登録されたけれども治療前に中止となってしまわれた患者さんの事情が記録されています。また、22ページに、ステップ1に関する安全性の評価の結果も書いてありますので、問題ないと考えています。念のために補足しますと、22ページのステップ1に関する話は、2016年だったと思いますが、本部会に諮られていますので、手続上は何ら問題なく適切に試験が行われているという点ははっきりしています。
19ページの技術的成熟度はB評価としています。本試験は総合的に見て適切に実施されているものと判断してよいと思います。ただし、先ほどの薬事承認申請への効率化のところで藤原構成員もおっしゃっていましたが、本試験の対象集団が非常に狭いために、薬事承認のハードルが下がるか否かという議論は、厳密には結論が導かれておらず、PMDAとの間で意見交換をされている場でも明確な結論が導かれているとは言えません。ですので、現時点で、薬事承認申請の観点から本試験の有効性のエビデンスが十分であるかどうか、その十分性については立場によって判断が異なり得る可能性があります。現時点では探索的な試験として実施されていることもありますし対象集団が狭いと判断するか否かについても厳密な判断が下せる状況にはありませんので、この試験の結果のみをもって薬事承認につながるかどうかは、ここでは明確なことは申し上げられないのではないかと判断しています。私からの説明は以上です。
○山口座長 ありがとうございました。藤原構成員、何かもう少し追加ございますか。
○藤原構成員 いえ、ございません。
○山口座長 それでは、何か御意見ございますでしょうか。
○天野構成員 この報告書自体は承知したのですが、先ほど、藤原構成員からの御説明にありましたが、この腹腔内投与については様々な薬剤が入れ替わり立ち替わりという形で先進医療で行われてきているのですが、有効性は必ずしも証明されていない中で、先進医療が行われているという現状があるということを鑑みて、2点質問があります。
1点目は、現在、患者申出療養でS-3を使ったほうの腹腔内投与が、新規の患者の組入れは終了していますが、治療自体は行われていると理解していて、このような状態がある中で、患者さんの期待が大きいという面は考慮するにしても、そういった治療を継続することについて、倫理的な面はどのような判断があり得るかについて、藤原構成員にお尋ねしたいということです。
もう1点は、今までの有効性が十分に検証されないまま、もし新たな腹腔内投与に関する臨床試験等が提出された場合、やはり今までの経過を見ると、今後はしっかり検討が必要ではないかと考えるのですが、その点についてもコメントがあれば藤原構成員から頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
○藤原構成員 まず、1点目についてですが、倫理的問題があるかという点では、シンプルに答えますと、ありませんということです。なぜかと言うと、これまでのいろいろな臨床試験成績を見ても、著しく副作用が多いなどというわけではありません。それから、有効性に関してもそこそこの有効性が出ていて、既存の治療群に比べて著しく劣るということでもないので、すごく優れているかどうかはまだ分かりません。また、統計学的に有意に優れるかどうかもまだ分からないですが、少なくとも劣るということはないので、それをあえて危ないから現在投与中の人たちまで止めるところまでは、少しやり過ぎではないかとは思います。
2点目についてです。今回の総括報告書にも付いていますけれども、PMDAに事前相談というのは入口の相談なわけで、本当の相談、本相談になってくるとPMDAが書いた議事録が出てきて、PMDAの公印が押されたものというのが本当の相談になるのですが、まだそこまで行っていないのです。ですから、薬事に関してきちんと承認を取るのであれば、そういう対面助言をきちんと受けて、どういう試験のデザインをやればいいかということをPMDAから聞いた上で、失敗とは言っても、サブ解析では有意差が出ているのが最初の試験なので、有意差が出るポピュレーションで、もう一度ランダム比較試験をきちんとやっていただいて、薬事承認に臨んでいただくのがいいと考えます。
アカデミックには、確か今年7月1日号の『Journal of Clinical Oncology』に、この最初のTS-1との併用のランダム比較試験の成績が掲載されているので、アカデミックにも非常に良い雑誌にも評価されていて、臨床試験成績が公開されていますので、科学的に何かすごくおかしいことを彼らがやっているわけではないとは思います。
○山口座長 よろしいですか。ほかにございませんか。そういう意味では、非常に期待されているものだけに、うまく進行したら先進医療の価値があったと思うのです。非常に残念なことに、最初のところで、リクルートされた患者さんが意思を撤回して反対の群に行ってしまったという例があったことが一番大きかったと思います。結果的に有意差が出なかったということになってしまったのです。今後はやはり、PMDAの有料の相談などを受けられて、全体の中で位置付けをきちんと最初から見直さないと、セレクトされたポピュレーションを狙ったり、新しい薬との組合せに行ってしまったりして、一番の土台がうまく行っていないところで、結局、何が何だか分からないまま終わりかねません。非常にもったいないと思います。ですから、是非一度PMDAの指導をきっちり受けて、藤原構成員のおっしゃるように、きちんとした試験計画を立てて再出発してもらえればいいのではないかと思います。
○天野構成員 先ほど藤原構成員から御指摘があったように、倫理的問題がないというのは承知いたしましたが、ただ、やはり患者さんは既存の治療よりもより優れていることを期待して入っていると思いますので、その部分はしっかり有効性についての評価を行っていただき、今後、仮に他の臨床試験等を行うにしても、従来の結果を十分に検証しつつ組み立てていただきたいと切に願います。以上です。
○山口座長 ほかにございませんか。
○石川構成員 前にも、このパクリタキセルのIPのことについては、早く保険収載に向けてしっかりと定式化してやったほうがよいのではないか。またこういうものが、今回は総括報告書で出てきているのですが、最初のIPプラスIVのものが、先ほど座長がおっしゃったように、うまく行かなかった。これから見ると、あれは生存率が、1年生存率などは確か上ですよね。ですから、そういう点で見ると、藤原構成員がおっしゃったこの提言のようなものがきちんと前に進める方向に行かないと、倫理的なところをおっしゃいましたけれども、私もそういう気持ちがあるのです。またこれを別のものにして、またIPをやってというような計画で、また出てくると思うのですが、そうではなくて、手応えとして、IVプラスIP、それから、S-1のものがしっかりと計画的研究で位置付ける方が良いと思うのです。そのように思いますが、いかがでしょうか。
○山口座長 今の点について、何かコメントある構成員の方はいらっしゃいますか。藤原構成員、何かありますか。
○藤原構成員 石川先生のおっしゃるとおりで、皆が言っているのになぜやらないのか不思議なのです。そこは厚生労働省からもきちんとこの人たちを指導してあげて、新しい組合せを考える前に、きちんとしたシンプルなデザインで良い結果を早く出してあげてくださいと言ってあげたほうがいいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 そのようにお伝えさせていただきます。
○山口座長 お願いします。私も臨床家としては理解できるのですが、現場の参加するグループの熱意が先行してしまった感じがします。今、腹膜播種に対する問題が解決したら、胃がんはほとんど治る時代なのです。ですから、そこで少し気持ちが勝ち過ぎてしまって、踏み出し過ぎたという感じがします。表現が余り現実的ではありませんが、現場の声に押され過ぎてしまったという点があると思うので、是非その辺りを反省して、今の皆さんから御意見がありましたように、きちんとした科学的な検証の計画を立てて再度頑張ってもらいたいというのが、私自身の意見です。ほかにございませんか。それでは、いろいろ御発言いただいたようなことを取りまとめまして、先進医療会議に報告したいと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、資料2について説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いします。資料25ページの資料2を御覧ください。先進医療B試験の認定臨床研究審査委員会への掛け替え申請の審議の迅速化についての案を御説明いたします。
まず背景です。本年3月に改正されました先進医療の課長通知におきまして、臨床研究法施行前から実施している臨床研究法の対象となる研究について、同法に基づき「実施計画」を作成した場合(以下、掛け替え申請という)には、この通知に定める必要書類を、本年10月を目途に当方、研究開発振興課に提出することとしています。また、提出された「実施計画」の内容及び認定臨床研究審査委員会(以下、CRBという)の審査の結果生じた修正については、新規申請技術と同様に、先進医療技術審査部会及び先進医療会議で審議の後、実施することとしております。これについて参考資料1の73ページと74ページに申請の流れ図がございますのでご覧ください。73ページの左図が従来の変更申請の流れで、73ページの右側の図が臨床研究法の掛け替え申請の現状の流れです。
続いて25ページに戻り、背景の続きです。先進医療Bで現在実施中の試験のうち、手術手技等を除きますと、およそ45件程度のCRBへの掛け替えが年度内に必要な見込みです。提出をお願いしているところですが、まだ少し出足が遅くて、年明けに審議が集中するおそれがあります。もしも、経過措置期間である今年度内に臨床研究法への対応を完了できない試験が生じると、当該試験は4月からの継続が不可能となってしまい、患者の不利益となりますので、極力避けるべきところです。そこで、試験の質を担保できる形で、適宜審議過程を簡略化することで、試験期間の短縮に努めたいと思います。
それから、掛け替え申請の審議において御評価いただく項目は、CRBからの指摘で修正された内容および、「実施計画」、利益相反管理基準、利益相反管理計画、様式第10号です。様式第10号はCOIの書類です。また、4月の通知改正で、「実施計画」及び様式第10号の変更を伴わない試験計画書、プロトコールの変更は部会審議が不要としましたが、安全性・有効性等の技術的妥当性に影響を及ぼす試験計画の変更については、全て部会審議としている運用でして、こちらは、当面の間継続するために、「実施計画」に安全性及び有効性に影響する事項を全て含めて御作成いただくとお願いしているところです。ですが実際にこれまで申請された試験の「実施計画」を確認しますと、いずれの試験もそれらの事項が全ては含まれておりませんでした。これらの試験に対して、現状の審査の流れで、部会審議の結果、「実施計画」への項目追加などの修正を求めますと、CRBでの再審査、再度の部会審議が必要となり、対応に長期間を要して経過措置期間中に完了できない試験が生じることが懸念されます。
そこで、対応方針の案です。「実施計画」に安全性及び有効性に影響する事項全てを含まなくてもよいこととし、その代わり、これまでどおりの運用で、プロトコールや届出書に変更があれば全て届け出るとしてはどうかと提案させていただきます。それによって、「実施計画」の評価は不要となります。図の74ページの右側がその迅速化案です。また、利益相反管理基準、利益相反管理計画、様式10号は、事前の評価ではなく、部会審議で評価することとしてはどうかと御提案させていただきます。それにより、主担当構成員による事前評価が不要となります。また、4番目、臨床研究法の対象でない試験の変更申請の審議と同様、先進医療会議での審議は不要としてはどうかと提案させていただきます。そして、これらの案の審議後に、承認事項を踏まえて先進医療通知を改正することとしてはどうかと提案させていただきます。
最後に、その他の注意事項です。上記の掛け替え申請の手続を経ていると、来年3月31日までの臨床研究法の経過措置期間中に、jRCT登録等の臨床研究法への対応が完了できないことが明らかとなってしまった場合、各医療機関の判断で、上記手続を経ずに臨床研究法対応のみを実施して差し支えないということです。ただ、その場合は部会承認まで先進医療としての実施はできないことになります。以上です。御意見をお願いします。
○山口座長 ありがとうございました。ただいまの御説明で、何か御質問あるいは御意見はございませんか。実際に対応がなかなかできなくなってきて、今度、患者さんに対して不利益なことにならないように、少し内容を損ねないように迅速化しようということです。74、75ページにありますように、本来であれば73ページの右側の流れになるわけですが、極めてこれは時間が掛かると思いますので、その内容を損なわないように、74ページの右の案にしたいということかと思います。何か御質問、御意見ございませんか。
○柴田構成員 基本的に、御提案の方向で非常に現実的な対応だと思います。1点だけ、患者さんに不利益が生じないように確認させていただきたいと思います。26ページの掛け替えが間に合わない場合の対応です。「臨床研究法対応のみを実施して差し支えない。(その場合、部会承認まで先進医療としての実施はできない)」という所は、既に先進医療として実施して治療継続中の患者さんについては、治療を継続するのは差し支えないし、例えば、経過観察をすることも差し支えなく、新しく患者さんを登録するのを控えるようにという解釈でよろしいでしょうか。
○山口座長 いかがですか。
○伊藤構成員 これは、基本的に新規登録だけを控えるということで、新規登録以外の経過でずっと来ている人に関しては、お目こぼししていただけると皆さんが同意されているということでよろしいのでしょうか。法律上は、保険診療上、継続ができなくなる可能性があると思っているのですが。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね。臨床研究法に対応いただければ、臨床研究としては法的に実施できることになりますが、評価療養、先進医療としては実施できないという状態になってしまうと思います。それは御承知いただき、十分そういうことのないように対応していただきたいということです。
○伊藤構成員 ということは、部会で認められるまでの間は全くの自由診療ということでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 そういうことになってしまいます。先程の柴田先生のご質問につきましても、ご回答としては、経過観察は差し支え無く、治療継続中の患者さんのためには治療を継続いただきたいですが、評価療養としては実施出来ない状態となってしまいますので、万が一、評価療養、先進医療として実施出来ない期間が生じてしまう場合には、その期間は新しく患者さんを登録するのは控えてください、ということです。そのような事態を避けるべく、極力御対応いただきたいというところです。
○石川構成員 質問です。要するに、臨床研究審査委員会で、どのぐらいの、例えば差違とか差戻しみたいなもの、そういった由々しきものがかなり出るという感じなのでしょうか。やはり先進医療Bというのを、例えば、先進医療会議だとかそういった所で一応、認定したわけですね、その時代では。そうですよね。それで、一方で、その途中でちょっとやったら、その後に出てきた人たちには同等のことができない、治療ができないというのは、やはり平等性の観点からちょっとおかしいと思うのです。また、その方たちが全部自費診療になるとかいうことになれば。一定、その時代で、先進医療会議だとか技術部会を通ってちゃんときたものであれば、同じプロトコールだとか、由々しき事態でなければ、それで行くことが公平性の問題では担保されるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○山口座長 いかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 認定臨床研究審査委員会から、先進医療の各プロトコールに対してどれぐらい修正が入るのか、法施行前の時点では予測が難しかったのですが、現在掛け替え申請を頂いている10試験程度を見る限りでは、ほとんど指摘がなかった試験もあります。そういった意味でも予想よりはスムーズに移行ができるのではないかと思っています。今回、この案がお認めいただけますと、審査も迅速化しますので、それで全ての、45程度の試験が年度内にしっかりと掛け替えいただけるように、是非お願いしたいというところです。
○山口座長 石川先生、よろしいでしょうか。
○石川構成員 では、なるべくないような形で行ってるということですね。お目こぼしみたいな形も含めてということですよね。由々しきことではなければいいのではないかと思うのですが。そうでないと、やはりおかしいと思うのです。新しい法律が出てきたら、今までの治療、継続した治療だとか同じような治療が阻害されるというのは、やはりちょっとおかしいと思うのです。
○医政局研究開発振興課長 今回の御提案は、できるだけそういうことがないように、我々も柔軟に迅速に対応したいというメッセージでもあります。今、実施している先進医療については、こちらからも働き掛けを行って、そういうことがないように取り組んでまいりたいと思います。1点だけ。臨床研究法の法の趣旨としてCOIへの関係がありましたので、主にそういったところがCRB等で議論されるのではないかと思います。
○山口座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。どうぞ。
○真田構成員 今回の御変更に関して、迅速に、あるいは柔軟に対応していただけるという趣旨は、非常に現場にとっても助かるのではないかと思うのです。今のような解釈が認められるということは、かなり運用上重要なことだと思います。5番の所に、「承認事項を踏まえて先進医療通知を改正」等々記載されていて、通知に載るのか、どういう形なのかは分かりませんが、仮に臨床研究法対応そのものが間に合わなかった場合、法的に成立しないのでこれは無理だということについては、流石にそれがないようにと我々も願うのですが、一方でこのような臨床研究法対応ができていて先進医療への対応が間に合わなかった場合、こういう運用にしましたということを、なるべく明示的に出していただいたほうが、運用上、現場としてもはっきりして助かるのではないかと思うのです。そこは適宜御検討をいただければと思っています。
○山口座長 ありがとうございます。いかがでしょうか、何かコメントありますか。
○医政局研究開発振興課長 今日、御提案させていただいた内容については、御了解を頂ければ、現場の方々になるべく早く周知をさせていただきたいと思っております。
○山口座長 ありがとうございます。ほかにございませんか。それでは、掛け替え申請の審議の迅速化についての今の案を、この案のとおり進めるということにいたします。
次に、別添の資料について事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 ありがとうございます。引き続きまして、別冊としております資料、先進医療B試験の評価過程の運用についての案及びその参考資料を御覧ください。こちらは、先ほどの掛け替え申請とは違いまして、通常の新規申請など一般の評価過程についてです。
まず背景です。先進医療B試験の申請から告示に至る評価過程は、現在、参考資料の左図に示すとおりの運用となっております。すなわち、倫理審査委員会(IRB)、認定臨床研究審査委員会(CRB)、あるいは特定認定再生医療等委員会、これらをまとめまして、以下、IRB等といいますが、これらIRB等で審査の後に申請されまして、先進医療会議において先進医療A又はBへの振り分けが行われます。先進医療Bに振り分けられた医療技術は、先進医療技術審査部会(以下、部会という)で審議され「適」となった後に、先進医療会議の審議へと進みます。部会で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合は、修正版を再度IRB等で審査の後に、先進医療会議の審議のための書類を御提出いただいております。その後、先進医療会議で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合、例えば「条件付き適」などの場合ですが、その場合も同様に、修正版を再度IRB等で審査の後に告示、すなわち先進医療の実施へと至ります。
次に、論点です。CRBや特定認定再生医療等委員会は、IRBよりも審査に時間を要する傾向があり、部会後、先進医療会議の前に、この審査を要することで先進医療試験の総評価期間の長期化が懸念されます。先進医療会議後にも、もう一度この審査を実施することとなっておりますため、部会で指摘を受けて生じた変更も、その際に一緒に審査を受けることも可能と考えられます。
そこで、対応方針の案です。部会で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合であっても、先進医療会議前に、再度のIRB等での審査は不要としてはどうかと御提案させていただきます。具体的には、指摘を反映した全ての申請書類の修正版(見え消し版及び溶け込み版)と、それぞれの新旧対照表を作成して、先進医療会議の申請前に研究開発振興課に御提出いただき、部会の指摘が試験内容に反映されていることを確認させていただきます。その後、先進医療会議で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合は、部会指摘の修正版に、先進医療会議の指摘を反映させた修正版を再度IRB等で審査を頂くとしたいと思います。また、先進医療会議で何も指摘がなかったとしても、部会で指摘を受けて試験内容に変更が生じた場合は、その変更を、先進医療会議後に修正版を再度IRB等で審査いただくということです。以上です。
○山口座長 ありがとうございました。ただいまの御説明について、何か御質問ございませんか。これちょっと確かに煩雑なので、これで構わないと思いますが、いかがでしょうか。これは特に御意見ございませんので、それでは、この案のとおり進めることといたします。
次に、試験実施計画の変更に移ります。事務局より御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 よろしくお願いいたします。先進医療Bの試験実施計画の変更について、今回12件の申請がありました。これらのうち、認定臨床研究審査委員会への掛け替え申請を伴う試験については、先ほどお認めいただきました資料2の迅速化された流れに沿って御審議いただきたいと存じます。
27ページの資料3を御覧ください。静岡県立静岡がんセンターからの申請で、告示番号5、ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法です。適応症は完全切除された非扁平上皮非小細胞肺がんです。本試験は、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺がんに対するペメトレキセドとシスプラチン併用療法の有用性を、標準治療であるビノレルビンとシスプラチン併用療法とのランダム化比較において評価し、術後補助化学療法における標準治療を確立することを目的としております。予定症例数は800例で、今回の申請時点で登録は804例となっております。
御審議いただく主な変更内容について、28ページを御覧ください。中間解析を省略し、主解析を2018年8月時点の追跡期間で追跡期間を終了して、最終調査によってデータを確定します。また、臨床研究法への移行のための記載の変更です。変更理由は、2018年2月の中央モニタリングの結果、再発ペースが予想を超えて高く、既に385件の無病生存期間イベントが観測されていることが判明しました。それを踏まえると、現時点で既に最終解析に必要な予定イベント数の420件に達している可能性が高いということで、運営委員会で協議し、2018年8月時点でデータカットオフを行い、最終解析を行うこととしたとのことです。
また、臨床研究法への移行に際し、作成された利益相反管理基準、利益相反管理計画及び様式第10号については、タブレット資料としております。こちらの内容も御覧いただき、もし御意見がありましたら併せてお願いいたします。
○山口座長 タブレットには数ページにわたり様式第10号が書いてありますので、御覧いただきまして、何か御意見はありませんでしょうか。中間解析を止めて最終解析を行うことに関しては、特に問題はないでしょうか。何か御意見はありませんか。それでは告示番号5の変更について、認めることといたします。
続いて、次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 31ページの資料4を御覧ください。千葉大学医学部附属病院からの申請で、国示番号8、NKT細胞を用いた免疫療法です。適応症は頭頸部扁平上皮がんです。当該試験は、昨年度有害事象があり、それに対応する変更を今回申請していただきました。
主な変更内容は、除外基準に感染を有する症例とあったものを、2週間以内に38度以上の発熱又は白血球が10,000/μl以上の増加、又は治療を要した感染症の既往を有する症例に変更する。また、除外基準で、肺気腫若しくは肺線維症としていたものを、肺疾患に広げるものです。それから、次のページですが、選択基準でSpO2が93%以上を追加。除外基準で、MRC息切れスケールgrade2以上を追加などが主な内容です。
○山口座長 登録期間の延長と、もう1つは有害事象に備えて勧告を受けたので、その勧告に従って変更をしたものだと思いますが、何か御意見はありますか。
○松山構成員 ベースに間質性肺炎とか肺線維症があった場合、誤嚥性肺炎を起こすと結構な頻度で間質性肺炎が増悪したりするのですね。そういう意味で、肺疾患にしていただいたというのは非常に合理的な御判断だし、よく見てくださっていると思います。
ただ、一方でSpO2が93%以上でいいのかどうかというのは結構微妙なところで、厳しく取りすぎているだろうと、もう少し低くてもいいのかなと思いつつ見させていただきました。肺線維症に関しては、可能だったら投与直前にプレーンCTなりで、後肺部とかにそういうものがあるのか見ていただきたいのですが、現実的に研究としてそれが可能かというと、難しかろうというところもあって、特に投与する直前に患者さんをCTのために搬送とか難しいと思いますので、せめて胸の写真ぐらいは撮っていただいて、ファイブローシスとか結構まずそうなものがあるかどうかを見ておいていただければ有り難いかと思います。
○山口座長 ただいまの御意見、胸部レントゲンを追加したほうがよろしいのではないかとです。もし、何かそこでおかしければ、すぐCTを撮るなりという対応ができるということです。ほかに、この点について何か御意見はありませんか。
○真田構成員 事務局に確認ですが、今回、2.3版への変更と、2.4版への変更が1年ほど空いていると思うのです。これは2.3版への変更の報告が遅延しているという意味ではないのですか。
○医政局研究開発振興課専門官 はい、これについては当方への報告が遅延しているということではございません。2.2版までに報告の遅延があったのですが、その件については3月の部会で、遡って変更をお認めいただき、再発防止策もその際にご報告がありました。2.3版は、今回の有害事象への対応のためにご作成いただいた変更案なのですが、それだけでは不十分とのご指摘を踏まえ、2.3版から2.4版への変更も加えて、まとめて今回お出しいただいたということです。
○山口座長 よろしいでしょうか。ほかにありませんか。それでは、告示番号8の変更については、松山先生から御指摘がありましたように、胸部レントゲンの実施を追加した形で認めることといたします。
続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 35ページの資料5を御覧ください。近畿大学医学部附属病院からの申請で、告示番号B-21、術前のTS-1内服投与、パクリタキセル静脈内及び腹腔内投与並びに術後のパクリタキセル静脈内及び腹腔内投与の併用療法です。適応症は、根治切除が可能な漿膜浸潤を伴う胃がんです。予定症例数は50例で、現時点の登録は51例です。変更申請する内容は試験期間の短縮で、3年間短縮し、来年の1月末をもって終了したいということです。
変更申請する理由は、もともと観察期間5年として、5年生存率を求めるとしていましたが、5年生存率はプロトコール治療の効果を科学的に評価するというよりは、プロトコール治療ではない後治療も含めて、実際にどうなのかという中長期の予後に関する事実を評価するためのものだということです。したがって、プロトコール治療自体の効果を科学的に評価するには、2年生存率までで十分と考え、試験期間を3年間短縮したいということです。御意見をお願いいたします。
○山口座長 御意見はありませんでしょうか。
○藤原構成員 36ページの変更申請を申請する理由の中段辺りに、第3相試験としては研究代表者東京大学が、周術期化学療法の第3相試験をこれから先進医療として申請する予定であると書いてあるので、先ほども話題になりましたが、その際には、PMDAとの事前相談ではなく、対面助言とかをきちんと受けて、薬事用のロードマップをしっかりしてから申請してくださいとお伝えいただけますか。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。
○山口座長 よろしいでしょうか。これは一応、根治手術が可能な胃がんで、根治手術の胃がんの予後を2年で判定するというのは、ちょっと外科医としてはややおかしいなと思うのです。例えばPがたくさんあって、2年だけ評価というのはうなずけるのですが、これは結構治しにいっている治療なので、2年で判定するのは、特別の理由がない限りちょっとおかしいのかなという感じがしますけれども、いかがですか。
○山中構成員 座長と同じことを思っていまして、恐らく一旦クローズしても、その後の予後、5年生存率とかのフォローアップは必要になりますよね。なので、例えば観察研究みたいな枠組みでフォローアップされることを考えておられるのでしょうか。多分、研究者の観点からすると、これは評価を絶対やるつもりだと思うのです。ただ、先進医療として、最初に5年といって、それをずっと引っ張っていくと、報告の義務とかいろいろ多分出てくるので、一旦打ち切って、その後観察研究にするみたいなイメージで捉えているのではないか、と思うのですけれども、そうした何か、今後の計画とかに関してはお聞きになられていますか。
○医政局研究開発振興課専門官 現時点では詳細には確認しておりません。もしこれをお認めいただくのであれば、観察研究として5年間行うということを含めるのがよろしいでしょうか。
○山中構成員 多分それ自体は、観察研究として行うということ自体は問題ないですよね、いかがですか。一旦クローズして、その後の予後のフォローアップだけを観察研究でやる枠組みみたいなことは、試験が長期化する臨床試験に関して、ずっとその間も先進医療として抱えるのかどうかという問題にもなるので、ちょっとその辺を整理していただけると有り難いです。
○医政局研究開発振興課専門官 申請者に5年間の観察を行う意思があるのかという点について照会したいと思います。ありがとうございます。
○山口座長 これは2年で判定できるという、何か根拠はあるのでしょうか。でなければ、最初のプロトコールのときから2年でいいわけで、別に面倒なことをする必要はないわけです。恐らくこれはペーパーになったときに、5年までの計画を本当は書かざるを得ないと思うのです。そのときに、それは試験外ですということになると、その内容については全くデータが担保されないわけです。やはり、これは患者さんに負担が掛かるわけではないですから、やってもらいたいなと思います。
○柴田構成員 厳密に記憶しているわけではないのですが、基本的にこれは、主たる解析が短期エンドポイントであって、その結果で問題なければ、次の検証フェーズに進む。ただし、長期の予後も、山口先生がおっしゃるように、取っておいたほうがよいので、最終解析を長期たって確認する。つまり、あくまで主たるエンドポイントは短期のエンドポイントであったということです。ですから、2年で最終的な結論が出るわけではなく、その結論については次の検証試験で導く、ただし、この患者さんたちの予後もフォローしておいて、データを集めることになっていたと記憶しています。先進医療において、そういうものはいままで幾つかあったと思うのですが、それについて、この枠組みの中で長期のものも取っておいてこの場に出していただいたほうがいいか否か、という判断なのではないかと思います。特に、晩期の毒性が懸念されるような医療技術であれば、やはり絶対出していただくべきだと思いますし、ここはちょっと私は判断付かないのですが。
○山口座長 例えば、2年のところで良い成績が出たけれども、5年たったら駄目という可能性はゼロではないですよね。生存期間追跡を5年から2年にして差し支えないかもしれませんけれども、あえてそれを積極的にやる理由はないと思うのです。やって差し支えないことも事実なので、やらなくても差し支えないかもしれないけれども。だとしたら、今の研究を止める積極的な理由がないといけないのではないでしょうか。単に、面倒だから止めると捉えられても仕方ないのではないかと思います。
○天野構成員 今、委員の方々の御意見を伺っていて、これは5年を2年にする意味が正直見いだせないというふうに感じます。先ほど来、この腹腔内投与については様々な議論が出ているところですし、今一度行ってきた試験をしっかり評価することが視点として重要であると考えますので、今までの先生方の御意見を聞いている限りは、2年にする合理的な理由がないと私も考えます。
○真田構成員 この試験の特異的な理由と、一般論としての理由があると思うのですが、先ほど来、座長や構成員の先生方がおっしゃっているように、申請時の試験計画としては割と何でも検討しますという総花的なプロトコールが立ってきて、それを基にこの会議で承認した場合、後からその試験から出てきた客観的データやその他の状況に基づかない判断で、その期間を短縮し、あるいはデータを減らすということになると、やはり最初に承認したときの経緯や、その承認理由との整合性が図れない場合が出てくるのではないかという懸念があると私は思っています。
先ほどおっしゃったように、2年でよければ最初から2年でよかったのではないかと。確かに、5年見られるところを2年に短縮した結果をもって次の試験に進まれることは、それは科学的には阻害されることではないとは思うのですが、ここでこのまま2年の観察でよいというようにしてしまうと、その後の患者さんたちのデータは、どこかには蓄積されるのかもしれませんけれども、こういう公の表舞台には出てこないことになってしまいますので、評価を最初にしますと言っていたのであれば、やはりその評価を何らかの形で集積して示していただくのがいいのではないかと私も思っています。ただ現実的に、それを先進医療の枠組みでやるかどうか、あるいは、その後ろに観察研究を付けてやるかどうかについては、様々な試験ごとの事情や患者さんの事情があると思うので、そこは勘案してもいいと思うのですけれども、そのデータはもう見ないですというように言ってしまうのは、ちょっとどうかなと感じました。
○山口座長 恐らく、これは最初の試験のときに、もう2年で打ち切りますよと言ったら、5年見ないと駄目でしょうという意見が出たのではないかと思います。これは一応、根治手術を狙っている手術ですから、多分それでは許されないのではないかというのが私の意見です。ほかに何か御意見はありませんか。
○石川構成員 36ページに理由が書いてあるわけですが、この理由の2段落目、「本試験のポジティブな結果をもって」という所からのくだりですが、ここに明確に、この変更の理由がここにあるのだと思うのです。最終目標である有効性評価の開始に早急に着手するほうが医学的にも意義があると。先ほど来議論しているものを、それがあって観察期間を5年から2年に短縮して差し支えないと判断したというのが理由ですよね、モチベーションですよね。とすると、この最後の所に、「プロトコール治療の効果を科学的に評価するという点においては生存期間追跡を5年から2年にしても差し支えない」とありますが、つまりここで一旦結論を出して、その後、5年追跡することはもちろんいいと思うのですけれども、第3相試験のほうとかに進みたいと考えるならば、この変更はある程度許容できるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○山口座長 具体的に、すぐに次の試験が始まるのでしょうか。そのような予定があるのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 書いてある限り、そういうことを検討されているということですが、まだ明確に定まってはいないと思います。ただ、近々の申請は検討されているように思います。
○山口座長 今、石川先生がおっしゃいましたが、その具体的なものがあるかないか分からないのに、まだこの結果もはっきりしていないのに、ちょっとそういう解釈はなかなか難しいのではないかと思いますけれども。
○柴田構成員 今、石川先生がおっしゃった件に関しては、この臨床試験のプライマリーエンドポイントが2年になっている、いわゆる抗がん治療のフェーズ2が短期のものであるというのと同様の意味において、2年の段階で一旦主たる解析の決断を出すという話は、もともと織り込み済みであったということで、それに基づいて次の検証フェーズに進むというのは、基本的には想定されていた範囲の話だと思います。問題は、そうであったとしても、経過観察、フェーズ3を進行しつつ、登録された患者さんの経過観察をしておくことで、フェーズ3のデータと今後の長期のデータとを組み合わせて分析することもできますので、組合せで分析するというか、両方貴重な情報ですし、患者さんのフォローアップも重要ですので、それをやろうというのは付加的に追加した長期のデータをここに入れていたので、意思決定としては、プライマリーエンドポイントの結果に基づいて主たる解析の総括報告書が出てきて、先ほど石川先生がおっしゃったようなステップを踏まれることを、もともと想定されていたのだと思います。
問題は、5年長期の追跡をもう止めてしまうことをよしとするかということで、それについては山口先生がおっしゃるように、何らかの形でデータを出していただくべきではないかという話は、また別途あると思います
○山中構成員 生存期間追跡5年のデータは臨床的には当然必要だとして、それを先進医療のクオリティーできちんと必ず、最初にプロトコールに書いたのだから最後までやってくださいということで求めるかどうかだと思うのです。毒性の問題に関しては、恐らく化学療法をやっている先生ならアグリーしていただけると思うのですが、そんなに変なことは起こらないと思うのですよ。なので、要はOSのフォローアップをきちんと先進医療の枠組みでやる必要性の可否ですよね。最初に言ったのだから最初から最後までやってください、何が起こるか分からないのだからやってくださいというのは、私自身はちょっとトゥーマッチだと考えていて、観察研究でフォローアップしても、先進医療の中でフォローアップしても、OSですからそんなに間違ったデータは出てこないでしょうし、また、2相試験ですから、その後に3相試験がなされるべきと考えれば、私は観察研究の枠組みで、データは取ってもらうとして、一旦その先進医療をクローズして、その後、観察研究の枠組みでやってもらえれば、先進医療の試験の目的は達せられるのではないかと思っています。
○上村構成員 これはちょっと、申請されている方、研究者に確認をしていただいたほうがいいと思うのですけれども、よく見ると試験の期間が2019年1月31日にしておられます。ちょっとこれは想像が入っているのですが、もしこれを先進医療のまま続けることになると、先ほどのCRBの問題とか、いろいろな問題が出てきますよね。なので、一旦先進医療としては2019年1月31日で閉めたほうが、サイト側のオペレーション上の問題としては、そちらのほうが随分楽になるのではないかと想像は容易につくのですね。ただ、理想を言えば、1つのプロトコールの中で、この副次評価項目まで含めて評価してしまうのが、確かに理想的ではあるのですが、いろいろな事情があると思いますので、研究者の先生方ともう1回、事務局から確認をしていただいて、このケースに関しては、例えば山中先生がおっしゃるような形で、観察研究として5年間を生存期間追跡することを考えているのであれば、それも許容できる範囲ではないかなと個人的には思います。
○松山構成員 それが許容されるべきかどうかは、かなりハードな問題だと思っています。気持ちはよく分かるのです。臨床研究法はかなりハードル高いし、大学の中でもかなり議論しますから。ただ、法律は法律ですし、それはアダプティブしていかなければいけないと。それが本心であるならば、それはおかしいでしょうと言わないといけない。彼らもそんなことはこの申請書類の中には書いてきていなくて、第3相の開始に早急に着手するほうが医学的に妥当であると考えているわけだから、であれば、もう既に着手していると思うので、そこは実際に準備状況をお聞きくださいというのもあるのかなと私は思っています。それを含めて、今日ディシジョンするのが正しいのかどうかはちょっと分からないです。
○山中構成員 これは今後も起こり得る問題だと思うのです。論点として今後もこういうケースが出てくると思うので、観察研究の枠組みで取ってもらうことも許容するのかどうか、副次エンドポイントの全生存期間のようなデータまで、きちんと先進医療のクオリティーで求めるのかどうかということを、今日でなくてもいいのですが、審議してもらいたいです。
○山口座長 ほかにはありませんか。
○天野構成員 込み入った部分は私も理解できていない部分があるのですが、観察研究にしていただくにせよ、どのような方法を取るにせよ、一人一人の患者さんが自身の命や体を落として先進医療に参加されているわけで、そのデータが仮にそういう観察研究になった場合、公にならないということだけは是非避けていただきたいと考えております。どのような方法を取るにせよ、何らかのデータが公のものになるような仕組みを担保していただきたいと切に願っております。
○山口座長 ほかにありませんか。
○真田構成員 私も天野先生が言われたようなことと全く同じ意見でして、どういう枠組みがあるかは工夫のしようがありますが、それはさておき最初にデータを取りますと言っていたものについては、何らかの形で公開され評価されるというのがよろしいのではないかと思います。今の書きぶりですと多分、観察研究は恐らく科学的にはするのだろうという内々のコンセンサスみたいなのはありますけれども、これを正式にやりますとは言っていないし、観察研究をやりますとも言ってはいないわけですので、そういう意味では試験を小さくするとか、エンドポイントを早くするという理由について、それがポジティブな結果だったからということであれば、それを具体的に示して頂きたいと思うのです。。枠組みとして観察研究でいいというのであれば、観察研究をしますと言っていただければ、それで後はその結果がどこかで出てくるということで我々も受け入れやすくなるのではないかと思っているのです。そこがはっきり出てきていないので、ちょっと不信感みたいなのがあるのかなという気もしました。
○山口座長 最初に申し上げましたように、これは治癒切除できる疾患なのですね。つまりPもない状態ですから。例えば一時的に再発が遅れてしまうということにすぎない結果が出るかもしれないので、本来はやはり5年見なければ私は絶対駄目だと思うのです。ですから、本来この治療法の意義に関わることで、2年間生きたらいいというものではなくて、5年後に助かるかどうかを本当は見なければいけないものなのです。ただ、早く結果を知りたかったということで、2年にエンドポイントを置いたと思うのですけれども、非常に絶望的な病気の中での2年ではなくて、これは治癒につながる治療の中での2年ですから、まだ分からないところがあるというので、そういう意味では結構重いと思うのです。皆さんおっしゃるように、少なくとも5年間の観察は何らかの形できちんとして、公開できる形にするという工夫があればよろしいというような条件を付けて認めたいと思うのですが、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、告示番号21の変更につきましては、2年間に短縮はせずに、観察は5年間やっていただくと。この枠組みかどうかは別にして、そういう御提案を頂きたいということで認めることにしたいと思います。どうもありがとうございました。
続きまして、次の試験実施計画の変更について事務局から御説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 37ページ、資料6を御覧ください。静岡県立静岡がんセンターからの申請で、告示番号26、術前のS-1内服投与、シスプラチン静脈内投与及びトラスツズマブ静脈内投与の併用療法です。適応症は切除が可能な高度リンパ節転移を伴う胃がんです。変更内容ですが、臨床研究法の掛え替え申請を行いましたが、CRBからその試験内容そのものに関わる指摘はありませんでした。臨床研究法への移行に際し作成された利益相反管理基準、利益相反管理計画及び様式第10号についてはタブレット資料とさせていただいております。それらの内容を御覧いただきまして、特に御意見がなければお認めいただければと思っております。以上です。
○山口座長 それでは、御覧いただきまして、本変更内容について御意見はありませんでしょうか。タブレットの様式第10号を御覧いただいて。
○医政局研究開発振興課専門官 分かりにくいですが、様式第10号はタブレット資料の試験実施届出書の最後の41ページです。よろしくお願いいたします。
○山口座長 何か御意見はありますか。ないようですので、非常に迅速化されましたので、これで。先ほどの案が有効なことが示されたかと思います。それでは、告示番号26の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 39ページ、資料7を御覧ください。杏林大学医学部付属病院からの申請で、告示番号34、テモゾロミド用量強化療法です。適応症は、膠芽腫で初発時の初期治療後に再発又は増悪したものに限るとなっております。当該試験の予定症例数は各群が105例で、合計は210例です。現在の登録状況は両群合計で25例となっております。
御審議いただく主な変更内容について、40ページの中ほどを御覧ください。主には適格基準の変更で、前治療の許容範囲の拡大と対象となる初発時の組織型の変更です。他記載整備等です。
理由ですが、先ほど申し上げましたように患者登録がまだ25例と滞っておりまして、協力医療機関にアンケートをしたところ、現在では初発時治療でもベバシズマブが多く使用される傾向にあり、標準治療の状況変化があったということです。それでリクルートがなかなか進まないということなので、それらの前治療歴を適格とすることとしたいということです。現在の標準的な治療に即した組入れ基準にすることでリクルートが進むのではないかということです。
もう1点、組織型については、Grada2星細胞腫であるびまん性星細胞腫も膠芽腫として再発し得る組織型なので、こちらも組入れ対象に含めたいということです。これを組み入れることで、およそ年間10例ほど登録の増加が見込まれるということです。これらの変更によって残りの組入れを加速して、目標達成したいということです。また、この試験は臨床研究法への移行もしておりまして、利益相反管理計画や様式第10号はタブレットにありますので、そちらも併せて御覧ください。以上です。
○山口座長 なかなか症例を集めるのに苦労しているようですけれども、何か御質問はありますでしょうか。
○真田構成員 私はがん領域が専門ではないので、専門の先生方にも御指導を頂きたいところなのですが、今回、適格基準を変更して対象を拡大すると、そこには、この当時では想定されていなかった標準治療が入ってきたために、標準治療との比較ということになるのかと思いますが、当初の予定症例数が105名と105名の210名のところ、既に25名入っているところで、新しい基準の患者さんの集積があった場合、約1割強の患者さんが古い基準、残りが新しい基準ということになって、新しい基準による患者さんの相対比較をより少ない症例でやらないといけないことになるのですが、そこについては統計解析上、症例数を変更しなくても、彼らは有意差が出るという見込みでそのままの状況で臨むという理解でよろしいのでしょうか。
○山口座長 いかがでしょうか。何かコメントはありますか。リクルートの条件が変わったのに、この症例数で十分かどうかということが検証できているかということですね。
○真田構成員 はい。
○柴田構成員 自分の所属する部門が支援している試験なので、発言は控えます。
○山口座長 大きな変化がないという場合には、一応述べているわけですよね。
○医政局研究開発振興課専門官 申請者はそのように認識しており、検出力は十分だと考えて、目標症例数を増やすことまでは必要ないという御判断でした。
○真田構成員 それが確認できれば私も大丈夫ですので、結構です。
○山口座長 まれな疾患であるので、なかなかデータはないのが実情ではないかと思います。ほかにありませんか。それでは、告示番号34の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 43ページ、資料8を御覧ください。東京大学医学部附属病院からの申請で、告示番号38、FOLFIRINOX療法です。適応症は胆道がんで切除が不能と判断されたもの又は術後に再発したものに限るとなっています。試験の予定症例数は35例で、現時点で登録は9例となっています。主な変更内容ですが、試験期間の1年間延長と、その他協力医療機関を5つ追加と、臨床研究法への移行です。
変更申請する理由ですが、次ページにグラフがあります。このように症例登録が少し滞っているので、協力医療機関を5つ追加することも含めて、最終的には月3例のペースを達成して、1年間の延長で目標を達成したいということです。また、臨床研究法対応の関連書類はタブレットにあります。こちらも併せて御確認いただければと思います。以上です。
○山口座長 それでは、御確認ください。何かありませんか。施設を増やしてリクルートを、より一層促進するということかと思いますが。よろしいですか。それでは、特に御意見がないようですので、告示番号38の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 47ページ、資料9を御覧ください。慶応義塾大学病院からの申請で、告示番号50番、ヒドロキシクロロキン療法です。適応症は関節リウマチです。予定症例数は60例で、今回の申請時点で登録は23例です。
御審議いただく主な内容は48ページを御覧ください。主には試験期間の8か月の延長と、臨床研究法への移行です。目標症例数60例に対して現在23例ですが、リウマチ・膠原病内科には1,000人以上の関節リウマチの患者さんが通院しているということで、今後は更にリクルートを促進して、8か月延長で目標を達成したいということです。臨床研究法関係の書類はタブレットにありますので、併せて御参照ください。よろしくお願いいたします。
○山口座長 本変更内容について何か御意見はありますでしょうか。主には期間延長ということですね。臨床研究法に対応したところが様式第10号ということで。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○山口座長 御確認いただけましたでしょうか。何か御意見がありましたらどうぞ。よろしいでしょうか。それでは、告示番号50の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 49ページ、資料10を御覧ください。同じく慶応義塾大学病院からの申請で、告示番号52、トラスツズマブ静脈内投与及びドセタキセル静脈内投与の併用療法です。適応症は乳房外パジェット病で、HER2が陽性であって、切除が困難な進行性ものであり、かつ術後に再発したもの又は転移性のものに限るとあります。当該試験の予定症例数は13例で、今回、申請時点で登録は6例となっています。
御審議いただく主な変更内容は50ページにありますが、主には最大2年の維持投与を許容しているため、追跡期間の修正ということです。2019年4月から2020年3月と書いてありましたが、最大2年というところが明示していなかったので、明示的に1年延長しまして、「2021年3月まで」と明記したということです。併せて、その期間も企業から「薬剤が無償提供されること」も追記いただいています。また、臨床研究法対応の記載の変更もしておりまして、その関連書類はタブレットにありますので、併せて御確認ください。よろしくお願いいたします。
○山口座長 では、タブレットのほうで御確認ください。主に追跡期間の修正、延長ということですね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○山口座長 よろしいでしょうか。それでは、告示番号52の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 51ページ、資料11を御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号53、術後のカペシタビン内服投与及びオキサリプラチン静脈内投与の併用療法です。適応症は小腸腺がんです。御審議いただく内容ですが、本試験も臨床研究法の掛え替え申請を行いましたが、CRBから試験内容に関わる指摘はありませんでした。ですので、様式第10号などがタブレット資料としておりますので、そちらに御意見がありましたらお願いいたします。以上です。
○山口座長 それでは、御確認をお願いいたします。
○一色座長代理 この案件だけではないのですが、タブレットで様式第10号を必ず見るのであれば、フォルダー名か名称を同じものに必ず統一していただいて、すぐにそれが見られるようにしていただかないと、大学や施設によって入れている場所と名前が違っていて非常に探しにくいので、よろしくお願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課専門官 御指摘のとおりと思います。次回より、ファイル名やファイルの順序などをより見やすいように修正させていただきます。御指摘ありがとうございます。
○山口座長 ページ数が少ないから、これだけプリントアウトしてもらったら楽ではないかと思いますが。
○医政局研究開発振興課専門官 そのように、次回より構成員のみの資料としてお手元に配布させていただきます。
○山口座長 ハードコピーはなるべく少ないほうがいいですけれども、それぐらいは許されるのではないかと思います。少し工夫していただければ、皆さんが楽になると思います。
○医政局研究開発振興課専門官 承知いたしました。
○山口座長 よろしくお願いします。ほかにありませんか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号53の変更について認ることといたします。
次の試験実施計画の変更についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 53ページ、資料12を御覧ください。金沢大学附属病院からの申請で、告示番号57、131I-MIBGを用いた内照射療法、神経芽腫です。適応症は神経芽腫です。こちらの試験も認定臨床研究審査委員会での御指摘は、試験内容についてはありませんでした。様式第10号などはタブレットにありますので御確認いただきたいと思います。告示番号57というフォルダを見ていただきまして、上から2つ目、03別紙1という所に様式第10号があります。
○山口座長 本変更内容について何か御意見はありませんか。だんだん皆さん慣れてきてスピードが上がっていることと思います。よろしいでしょうか。
○一色座長代理 これ、「いいえ」が入っていませんけれども。
○医政局研究開発振興課専門官 そうですね、おっしゃるとおりです。空欄部分は「いいえ」と承知していますが、空欄ですとそれが明示されませんので、「いいえ」を記入するようにお願いしようと思います。
○山口座長 御指摘ありがとうございます。ほかにありませんか。それでは、一色先生に御指摘いただいた点を追加しまして、告示番号57の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 55ページ、資料13を御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号61、術後のアスピリン経口投与療法です。適応症は下部直腸を除く大腸がん(ステージ3期であって、肉眼による観察及び病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る)となっております。予定症例数は各群440例で、合計880例です。今回、申請時点で登録は14例です。
御審議いただく主な変更内容については、56ページを御覧ください。中ほどにありますが、術後補助化学療法であるCAPOX療法の投与期間変更です。標準6か月から3か月も許容するということと、臨床研究法対応です。
変更理由ですが、もともと合同会議の審査時点でも御評価いただいた先生方から、最近のエビデンスに基づいて3か月も許容するのはどうかと御指摘を頂いておりましたが、当時はまだ論文化されておりませんでした。その後に論文化されたということで、それに合わせて3か月も許容したいということです。臨床研究法の様式第10号はタブレットを御参照ください。
○山口座長 それでは、御検討をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課専門官 こちらの様式第10号は、先進医療実施届出書、一番上の書類の最後のページになっています。検索しづらくて、恐れ入ります。46ページにあります。
○山口座長 何か御意見はありませんか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号61の変更について認めることといたします。
次の試験実施計画の変更についてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 59ページ、資料14を御覧ください。国立病院機構刀根山病院からの申請で、告示番号62、TRPV2阻害薬経口投与療法です。適応症は心不全で、13歳以上の患者に関わるものであって、筋ジストロフィーによるものに限るとあります。予定症例数は20例ですが、今回の申請時点で登録はありません。
御審議いただく主な変更内容は、まず、選択基準年齢を13歳以上から15歳以上に引き上げるということです。また、総研究期間を4年から4年7か月に変更ということですが、確認したところ、これは4年6か月の間違いで、「4年6か月」に変更の御希望とのことです。プロトコール上は4年6か月となっています。それと、臨床研究法への移行です。
次ページ、変更申請の理由ですが、臨床研究法への移行審査過程で、成人用量が適応になるのは15歳以上だという指摘がありまして、13歳、14歳の小児用量では体重換算になることを踏まえて検討したところ、15歳以上に基準を上げることに変えましたということです。
また、2試験期間ですが、こちらを少し御説明させていただくと、登録開始時期を2018年10月に変更となっています。これは事実と異なりまして、実際には先進医療は2018年2月に開始されています。そこで申請医療機関の本来の意向を確認したところ、2018年2月から10月まで症例登録がゼロだったので、その8か月分の登録期間を延長したいということでした。
もう1つは、総研究実施期間は、研究終了から公表までの期間を含めるために、この「7か月」という記載は先程も申しましたとおり「6か月」の誤りなのですが、解析と総括報告作成の期間を申請当時入れていなかったために、その6か月も追加したいということです。つまり、組入期間の8か月と、解析期間の6か月を合わせて14か月の延長を認めていただきたいということです。そのようにプロトコールが変更されています。また、臨床研究法移行ですので、様式第10号などはタブレットに入れております。よろしくお願いいたします。
○山口座長 では、御検討をお願いいたします。
○石川構成員 これは2月から8か月の間、ずっと該当する患者さんがいなかったということですよね。
○医政局研究開発振興課専門官 はい。
○石川構成員 15歳に引き上げたら、ますますいなくなってしまうのではないですか。それは私の経験からも、15歳に上げると、心不全の患者さんと言っているわけだから、なかなかいなくなってしまうのではないかと思いますが、どうなのでしょうか。
○医政局研究開発振興課専門官 おっしゃるとおり少し狭まりますので、対象範囲は狭くなってしまうかとは思います。考え方としては、13歳、14歳の小児用量についてプロトコールに記載することで、13歳まで組入れ可能というやり方もあろうかと思いますので、今後そのように、再度拡大することも申請者に検討いただくようにお伝えしたいと思います。
○山口座長 ほかにありませんか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号62の変更を認めることといたします。
次は、協力医療機関の追加について、事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 61ページ、資料15-1を御覧ください。これまでに大臣告示されている4つの技術について協力医療機関の追加申請がありました。
63~69ページにある資料15-2を御覧ください。事務局において、いずれも先進医療実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認しました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 では、次に先進医療B試験及び協力医療機関の取下げについてお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 71ページ、資料16を御覧ください。まず、告示番号44の技術について、先進医療Bの取下げ申請がありました。取下げ理由ですが、予定症例数32例中19例が登録されまして、当初の予定登録期間が終了したので、試験治療の有効性と安全性を検討した結果、主要評価項目の無増悪生存期間中央値が2.8か月ということで、期待値の3か月以上に届きませんでした。そこで、これ以上継続しても余り新しい情報は得られないと判断して、取り下げたいということです。
また、最近のがん薬物治療の開発は、免疫チェックポイント阻害薬を中心に進んでおりまして、アキシチニブはVEGFRを標的とした選択的血管新生阻害薬ですが、免疫チェックポイント阻害薬との併用治療の臨床試験も、他のがん種では行われているということで、今回のこれまでの19例のデータを生かして、今後、アキシチニブの効果が期待できる患者の同定することなどを進めたいということです。また、総括報告書については、提出に向けて現在準備中とのことです。
もう一件は、告示番号27の技術の、先進医療Bの協力医療機関の取下げです。取下げ理由は、患者登録期間は終了して、これまで、これらの医療機関においては患者登録がなかったための取下げです。特に御意見がなければ、手続を進めさせていただきます。
○山口座長 よろしいでしょうか。本日の議題は以上です。構成員の皆様から何か御意見、御質問はありませんでしょうか。
○石川構成員 今のトラニラストの確認ですが、60ページの変更申請する理由の1の所を、これを、そうではないと言っていただけるということですよね。
○医政局研究開発振興課専門官 そのように指示をしたいと思います。もしよろしければ、変更には時間を要しますので、今回の版でひとまずお認めいただいて、一旦はその版で組み入れを開始しておきながら、速やかに再度修正して組み入れ基準を広げて13歳、14歳も入れるようにしていただく、その変更に限っては部会審議不要、という順序でもよろしいでしょうか?
○山口座長 それで、よろしいでしょうか。
○石川構成員 はい。
○山口座長 ありがとうございます。ほかにありませんか。それでは、今日は大変御熱心な御討論をありがとうございました。次の日程を事務局からお願いします。
○医政局研究開発振興課専門官 次回の日程は12月13日(木)、時間は16~18時までの予定とさせていただきます。場所については、別途御連絡させていただきます。また、本日の議事録については、作成次第、先生方に御確認をお願いし、その後公開させていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。
○山口座長 それでは、第77回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

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