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2018年3月19日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

○日時

平成30年3月19日(月)15:00~17:30


○場所

航空会館7階大ホール


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

村田 勝敬 倉根 一郎 穐山 浩
阿部 圭一 井澤 照介 浦郷 由季
大澤 真木子 苅田 香苗 川西 徹
栗山 真理子 財前 孝亮 中村 重信
西内 岳 二村 睦子 松本 吉郎
毛利 資郎 若林 敬二

事務局(3月19日時点)

宇都宮 啓 (生活衛生・食品安全審議官)
吉永 和生 (大臣官房審議官)
大西 友弘 (生活衛生・食品安全企画課長)
関野 秀人 (食品基準審査課長)
道野 英司 (食品監視安全課長)
森田 剛史 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長)
黒羽 真吾 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
梅田 浩史 (食品監視安全課輸入食品安全対策室長)
蟹江 誠 (食品監視安全課HACCP企画推進室長)
一戸 和成 (生活衛生・食品安全企画課長補佐)

○議題

(1)審議事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
・豆腐の規格基準の改正について
(2)報告事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
・食品添加物の使用基準の改正について
・清涼飲料水の規格基準の改正について
(3)文書による報告事項等
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(4)その他の報告事項

○議事

○一戸補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催いたします。

 最初に、分科会委員の出席状況を御報告いたします。本日は、安藤委員、五十君委員、大前委員、寺本委員、横田委員から御欠席との連絡をいただいております。また、二村委員から途中から出席との連絡をいただいております。現在の分科会委員総数22名のうち、現時点で16名の御出席をいただいており、出席委員が過半数に達しておりますので、分科会が成立しますことを御報告申し上げます。また、大澤委員、倉根委員は途中退席させていただきます。二村委員、お着きになりました。17名の御出席でございます。

 本日の議題につきまして、お手元の議事次第にございますように、食品中の農薬等の残留基準の設定、豆腐の規格基準の改正について御議論いただき、報告事項として、食品中の農薬等の残留基準の設定、食品添加物の使用基準の改正、清涼飲料水の規格基準の改正について事務局から御報告申し上げ、続いて、文書による報告事項等として、食品中の農薬等の残留基準の設定について御報告申し上げ、その後、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況、平成29年食中毒発生状況、平成30年度輸入食品監視指導計画(案)について、御報告申し上げます。審議事項に関する利益相反の確認対象となる案件はございません。

 続いて、配付物を確認させていただきます。議事次第の裏に資料が順番に並んでおります。まず、議事次第、座席表、委員名簿、資料1として、審議事項に関する資料、資料2で報告事項に関する資料、資料3で文書による報告事項等に関する資料、資料4でその他の報告事項に関する資料。それから、席上に置かせていただいておりますドッチファイルで審議事項に関する参考資料、報告事項に関する参考資料、文書による報告事項等に関する参考資料、その他報告事項に関する参考資料を配付させていただいております。

 なお、本日の審議事項ではありませんけれども、委員のお手元に3月13日に閣議決定が行われました食品衛生法改正法案の資料、法案の概要と条文案等の参考資料も御参考として配付しております。傍聴の皆様方におかれましては、厚生労働省のホームページの国会提出法案のところに掲載しておりますので、ごらんください。

 配付物に不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。よろしいでしょうか。

 それでは、以後の進行につきましては、村田分科会長にお願いいたします。カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。

(カメラ撮影終了)

○村田分科会長 本日は、年度末の御多忙の時期に委員の先生方にはお集まりいただき、ありがとうございます。先ほど事務局のほうから言われましたように、本日は審議事項2件、報告事項、その他がございます。
 それでは、審議事項について、事務局から御説明願います。

○事務局 それでは、資料1をごらんください。初めに、食品中の農薬等の残留基準の設定についてということで、2点ございます。

 1ページをごらんください。こちらにつきましては、新規の国内登録申請に基づく残留基準の設定を行うものでございます。農薬名はトリフルメゾピリムでございまして、殺虫剤として、稲の育苗期に使用するものでございます。我が国では、新規に登録申請がなされているものでございまして、現在もまだ登録されておりません。諸外国の状況につきましては、記載のとおりでございます。

 また、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果ですが、こちらに示すとおり、ADIARfDが設定されております。残留の基準値案でございますが、残留の規制対象物質をトリフルメゾピリム、親化合物といたしまして、基準値案を3ページの別紙1にお示ししております。こちらの基準値案に基づきまして暴露評価を行った結果を、2ページの表と、その下の短期暴露評価のところにお示ししております。長期暴露評価の結果ですが、最も高い幼小児でTMDI/ADI比が0.2%となっております。また、短期暴露評価について、米についてARfDを超えておりません。1つ目の新規農薬の残留基準の設定につきましては、以上でございます。

 続きまして、5ページをごらんください。こちらは、カカオ豆の分析部位の変更についてでございます。

 現在、食品衛生法に規定されております残留基準のカカオ豆の分析部位につきましては、カカオ豆、豆全体として規定されております。机上にカラー刷りの資料を配付しておりますが、カカオ豆につきましては、下の写真のように、外皮に包まれているものでございます。現在の告示上では、豆として、この外皮を含むものを分析部位として規定されております。一方で、EU諸国におきましては、外皮を除去した部分に対して残留基準を設定し、検査を実施しております。また、我が国でも、近年、選別機の開発・導入によりまして、外皮の除去が可能となっていることがございます。そのため、新たに基準値の見直しを行った一部の農薬等については、既に「カカオ豆(外皮を含まない)」として基準値を設定しているものがございます。

 したがいまして、現在はカカオ豆について、外皮を含んだ残留基準と外皮を含まない残留基準が混在しているという状況でありを、こちらにつきましては、今後、統一していく必要があります。また、国際的状況を鑑みまして、統一する方向としましては、外皮を含まない部位に統一することが望ましいことから、規定を改定いたしまして、カカオ豆の検体を原則として外皮を除去したものに改めるというものでございます。

 一方で、現在、既に豆、外皮を含むものとして基準が設定されております農薬がございますので、こちらにつきましては、見直しのタイミングで、外皮なしのデータが入手でき次第、基準値は外皮を含まないものとして設定し直すものでございます。具体的には、7ページの表にございます具体的な農薬名が記載されているものにつきましては、既に外皮を含む豆として本基準が設定されているものでございますので、これらの農薬については、今後、見直しのタイミングで外皮を含まないデータに基づいて基準値を見直していくというものになります。以上で残留農薬の基準の説明を終わります。
 続きまして、豆腐の規格基準の改正について御説明させていただきます。8ページをごらんください。

 1.経緯でございます。豆腐は、古くから親しまれてきておりますけれども、過去には豆腐が原因食品として、人の健康に危害を及ぼした例として、腸チフス、赤痢などがございました。その原因としましては、製造及び保管中における食品や器具等の取り扱いが不衛生であったということがあります。これらのことから、昭和49 年に製造基準・保存基準が定められております。豆腐は、ごくわずかであっても、細菌が生存していれば、保管方法によって急激な細菌増殖が起こってしまうことから、できるだけ低温で管理する必要があるため、保存基準では冷蔵しなければならないといった規定が定められております。現在、技術の進歩に伴いまして、連続流動式の加熱殺菌機で殺菌した後、無菌的に充填を行った豆腐、以下、無菌充填豆腐と言わせていただきますけれども、こちらの製造が可能となっております。無菌充填豆腐につきましては、常温保存が可能か否か検証するため、現在、製造が可能な2施設につきまして、平成27年度に微生物に関する試験調査としまして、厚生労働省が調査をいたしました。

 また、事業者によりますと、当該無菌充填豆腐につきましては、常温保存品として昭和61年から欧州等の諸外国への幅広い輸出実績や米国での現地生産実績がありまして、これまでに当該食品を原因とした食中毒等の報告はございません。

 2の審議の結果でございます。豆腐の成分規格及び製造基準におきまして、次の条件を設定することで、無菌充填豆腐を常温保存した場合の安全性は確保できるとしまして、保存基準として常温保存を設定できるものと考えられました。

 (1)原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させ、又は除去するのに十分な効力を有する方法で殺菌又は除菌を行うこと。1つ目が豆乳に関すること、2つ目が凝固剤に関することが定められております。

 (2)無菌充填に相応しい機器を用いて、あらかじめ殺菌された適切な容器包装を用いて、無菌的に充填されていること。

 (3)最終製品は、容器包装詰加圧加熱殺菌食品の成分規格に規定する試験法において発育し得る微生物が陰性であることとされております。

 3.食品健康影響評価の結果でございます。2段落目の括弧をごらんいただければと思いますけれども、こちらに答申結果がございます。「豆腐の規格基準では冷蔵保存することとされている無菌充填豆腐について、その保存基準を常温保存に変更した場合のリスクに差があるとは考えられない。」、このような形で答申を受けております。

 以上を踏まえまして、豆腐の規格基準を改正しまして、無菌充填豆腐について常温保存を認めることとしたいと考えております。

 次のページでございます。10ページには、告示の改正案を記載させていただいております。2ページおめくりいただきまして、12ページでございますが、こちらの別紙に平成27年に厚生労働省が実施した調査の結果の概要を記載しております。

 以上でございます。

○村田分科会長 議論に入る前に、各部会での審議の状況について、特段御報告いただくことはございませんでしょうか。まずは、動物用医薬品の部会長、穐山先生、お願いいたします。

○穐山委員 部会の審議の概要を御説明いたします。
 まず、トリフルメゾピリムですけれども、事務局から御説明がありましたとおり、本剤は殺虫剤でありまして、国内では農薬登録されておりませんが、資料中の適用作物あるいは適用病害虫等の欄に記載されておりますように、稲のウンカ類の防除のための農薬登録申請が行われたことから、残留基準の設定を行うものであります。今回、新たに残留基準値を設定するもので、昨年の1221日に開催した部会において、米に対する基準値案の審議を行いました。部会では、部会報告書の記載整備に対する指摘はあったものの、食品安全委員会の評価結果として、催奇形性、免疫毒性、遺伝毒性は認められておらず、規制対象物質、分析法、残留基準値及び暴露評価などについては適切であり、特段の問題はないという結論に至っております。

 次に、カカオ豆の分析部位の件でありますが、こちらも事務局から御説明があったとおり、農薬のカカオ豆の分析部位は、分析機関において、選別機が導入されておらず、外皮が容易に除去できなかったことから、従前、外皮を含めて調整した試料において検査を実施しておりました。

 一方で、カカオ豆の外皮は加工時に取り除かれ、食用に供されないこと。近年、選別機の開発・導入が進み、検査機関においても外皮の除去ができるようになったこと。多数の農薬にカカオ豆に基準値を設定しているEUの分析部位は、外皮を除いていること。日本でも新たに基準値見直しを行った農薬の基準は、「カカオ豆(外皮を含まない)」としていることから、今後は原則としてカカオ豆の分析部位は外皮を含まないものとする改定を行ったものであります。このカカオ豆の分析部位の変更について、昨年1221日に開催した部会において審議を行い、告示改正案の記載整備に関する指摘はあったものの、変更して差しつかえないという結論に至っております。

 私からのコメントは以上であります。

○村田分科会長 どうもありがとうございました。

 もう一つの食品規格部会の部会長は大前先生でございますが、本日、欠席の御連絡をいただいております。事務局にてコメント等を預っておられましたら、お願いいたします。

○事務局 事前にコ メントをいただいておりますので、読み上げさせていただきます。

 食品規格部会では、無菌充填豆腐を常温流通することの安全性を審議し、成分規格として容器包装詰加圧加熱殺菌食品と同様の発育し得る微生物を設定すること。及び製造基準として、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ発育し得る微生物を死滅させ、または除去するのに十分な効力を有する方法等の規定を設定することで、安全性は確保できるものと取りまとめました。また、食品安全委員会からの答申においても、保存基準を常温保存に変更した場合のリスクに差があるとは考えられないとされており、今般の豆腐の規格基準の改正については適切であると考えます。

 以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、審議事項について、御意見、御質問をお願いいたします。川西先生。

○川西委員 カカオ豆の件ですけれども、それだけじゃないのでしょうけれども、国際的状況から改めると、結論については書いてあるのですが、一方で、国際的状況に関する説明では、EU諸国ではということ以外の記述がないのですけれども、EU諸国以外でもそういう流れなのでしょうか。

○事務局 事務局から説明させていただきます。

 まず、コーデックスにおきましては、カカオ豆の検体部位についてはwhole commodityとされております。したがいまして、輸送時に自然に外皮が剥離するとは考えにくいことから、恐らく検査部位には外皮が含まれているということが推測されるものでございます。しかしながら、カカオ豆の基準が設定されている農薬で、コーデックス基準があるのは6種類のみとなっております。そのうち2つは、ポストハーベスト農薬として使用されるもので、さらに2つは定量下限を根拠とした基準値となっております。米国におきましては、19種類の農薬に基準値が設定されているのですが、事務局で確認しましたが、具体的な検査部位については不明という状況でございます。

 一方で、EUにおきましては、400種類以上の農薬にカカオ豆の基準が設定されており、検体部位につきましては、発酵後に外皮を除去したものとされているものでございます。したがいまして、カカオ豆の基準値は、EUで設定しているものが多いということです。

 また、我が国におきましても、先ほど部会長からも説明がございましたけれども、選別機の開発・導入によりまして外皮の除去が可能となっていることから、新たに基準の見直 しを行った一部の農薬については、既に検体部位を「カカオ豆(外皮を含まない)」としております。という状況を踏まえて、今後は統一していくということで部会のほうで御審議いただいたものでございます。

○川西委員 ありがとうございます。

○村田分科会長 ほかに。では、毛利先生から順番に。

○毛利委員 豆腐ですけれども、従来の豆腐と無菌充填豆腐。消費者が間違う可能性が、ありそうですが、表示をどのようにされるかということを示していただきたいのですが。

○村田分科会長 どうぞ。

○事務局 御質問ありがとうございます。先ほどのお問い合わせ につきまして、まず表示につきましては、現在、消費者庁が所管しておりまして、今般の食品健康影響評価の中で食品安全委員会の答申の中には、表示につきまして考えるべきという旨の記載がございますけれども、食品安全委員会より消費者庁に、表示に関して通知といいますか、通達が行っていると伺っておりますので、実際の表示につきましては、消費者庁からまた聞き取りながら進めていきたいと考えております。

○毛利委員 消費者が間違わないような、きちんとした表示をしていただきたいと思います。

○村田分科会長 それでは、若林先生、どうぞ。

○若林委員 カカオ豆の分析のことについて、お伺いしたいのですけれども、カカオ豆で外皮を含まない、農薬についての基準値を設けるということは、より実態に近いものかと思うのですけれども、外皮を含む場合と含まない場合で、実際に農薬の残留値は何分の1ぐらいになるのでしょう。

○事務局 御質問ありがとうございます。農薬の種類や使用方法によっても、外皮を除いた場合と除かない場合は違うと思いますので、一概にどれだけ減るのかというのは申し上げられません。ケース・バイ・ケースになるかと思います。ただ、外皮を除けば、確かに減ると考えられ、増えることは余りないのかなと思われます。

○若林委員 およそ半分以下とか10分の1とかイメージできればと思ったのです。

○事務局 申しわけありません。

○穐山委員 恐らく実際の生産国だと、収穫の際に外皮にくっついてしまうことがあるので、外皮にくっついたものをカカオ豆全体ではかったときに、実際にカカオに使用しない他の農薬が検出されてしまうことがあります。実際、食べるときには外皮を除くので、基本的にはそれは問題ないということで、今回、そういう改正になっているということであります。

○若林委員 実態に近い方法ですので、よりいいかと思うのですけれども 、農薬の基準値が下がれば下がるほど、農薬に暴露される量が少ないということが、実際に認知できますことから、質問しました。

○村田分科会長 わかりました。なるべく早く、外皮を除去したときの基準値というものが出てきてほしいところですね。

 そのほか、ございませんでしょうか。それでは、これは審議なのですけれども、お認めいただけますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、この審議は皆さんの御了解のもとに終えたということにいたします。続きまして、報告事項について、事務局からお願いいたします。

○事務局 事務局から説明させてい ただきます。

 資料2をごらんください。おめくりいただきまして、初めに、食品中の農薬等の残留基準の設定についてということで、今回、報告させていただくものを表にまとめさせていただいております。こちらの表を使って説明させていただきます。今回、残留基準の設定について御報告させていただくのは、農薬5品目、動物用医薬品及び飼料添加物1品目、動物用医薬品3品目でございます。

 初めに、1つ目の農薬でございますけれども、アセフェート、こちらは有機リン系の殺虫剤でございまして、我が国ではとうもろこし、だいず等に使用されているものでございます。暫定基準を見直すものでございます。

 アセフェートは、代謝されたり、分解された場合にメタミドホスという別の農薬に変換されることが知られております。したがいまして、今回、アセフェートとメタミドホスの基準値を、それぞれ別に設定するのですけれども、部会での審議は同時に行っていただきました。アセフェート由来のメタミドホスについても、メタミドホスの基準値を設定しているものでございます。 ADIARfDにつきましては、記載のとおりでございまして、こちらと基準値案をもとに暴露評価を行った結果を表の一番右の列に示しております。EDI試算で最も高い幼小児で、アセフェートにつきましては78.9%、メタミドホスにつきましては47.1%となっております。短期暴露評価につきましては、両方ともARfDを超えておりません。

 続きまして、2品目め、農薬、シアゾファミドでございます。こちらは殺菌剤でございまして、適用拡大申請とインポートトレランス申請があったものでございます。我が国では、既にぶどう、小麦等に使用されております。

ADIARfDは記載のとおりでございまして、こちらをもとに基準値案から暴露評価を行った結果ですが、EDI試算で最も高い幼小児で28.4%となっております。

 続きまして、ピフルブミド、殺ダニ剤でございます。こちらは適用拡大申請があったものでございまして、我が国では既に小豆類、ピーマン等に使用されております。記載されておりますADIARfDに基づきまして、基準値案から暴露評価を行った結果でございますが、一番右に記載されておりますとおり、最も高い幼小児で28.7%で ございました。また、短期暴露評価を行った結果ですが、ARfDを超える食品はございませんでした。

 続きまして、農薬、フルバリネートでございます。こちらは殺虫剤、殺ダニ剤でございまして、動物用医薬品として、蜜蜂にも使用されているものでございます。適用拡大申請、インポートトレランス申請とあわせて暫定基準の見直しを行うものでございます。我が国では、農薬として、ばれいしょ、梨等に使用されております。食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露評価を行った結果でございますが、EDI試算で最も高い幼小児で59.8%となっております。また、短期暴露評価につきまして、ARfDを超えた食品はございません。
 続きまして、メタミドホスでございますが、こちらは先ほど説明したとおり、アセフェートの代謝物ということでございます。我が国では、農薬登録はされておりませんが、アセフェートは使用されておりますので、アセフェートが使用された作物につきましてはメタミドホスが残留するということで、基準値を設定することとしております。食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露評価を行いましたが、先ほど説明したとおり、最も高い幼小児で47.1%でございました。

 以上が農薬でございます。

 続きまして、動物用医薬品でございますが、1品目めがセンデュラマイシンです。こちらは、我が国では動物用医薬品としては承認されておりませんが、飼料添加物として鶏の抗コクシジウム剤として使用されているものでございます。暫定基準の見直しを行うものでございまして、食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露結果を行った結果でございますが、TMDI試算で最も高い幼小児で13.1%となっております。

 続きまして、おめくりいただきまして、動物用医薬品、カナマイシンでございます。こちらは抗生物質でございまして、我が国では、牛、豚、鶏に承認がございます。また、ヒト用医薬品としても承認されているものでございます。食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露結果を行った結果でございますが、EDI試算で最も高い幼小児で26.3%となっております。

 続きまして、ジシクラニル、動物用医薬品、昆虫成長抑制剤でございます。暫定基準の見直しを行うものでございます。我が国では、動物用医薬品として承認されておりませんが、ニュージーランド等におきまして羊に使用されているものでございます。こちらの食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露結果を行った結果ですが、TMDI試算でいずれの群におきましても0.02%となっているものでございます。

 続きまして、メチルプレドニゾロンでございます。こちらも動物用医薬品でございます。我が国では動物用医薬品としては承認されておりません。ヒト用医薬品としては使用されているものでございます。暫定基準を見直すものでございまして、こちらの食品健康影響評価の結果に基づきまして暴露結果を行った結果、お示しのとおり、国民全 体、妊婦及び高齢者におきまして0.03%となっているものでございます。

 以上が今回の農薬の残留基準の設定についての報告事項でございます。

 また、詳細につきましては、この後ろにそれぞれの農薬等につきまして資料をおけしておりますけれども、46ページからのフルジオキソニルにつきましては、本来、文書での報告事項ということで資料3にも掲載させていただいておりますが、今回、食品添加物の使用基準の改正におきまして、この後、御説明させていただきますけれども、フルジオキソニルの使用基準が変更されるということで、あわせてフルジオキソニルにつきましても暫定基準の見直しを行っておりますので、御参考までにこちらの資料2のほうにも掲載させていただいているものでございます。

 食品添加物の使用基準の改正について御説明させていただきます。資料2にあります食品添加物の使用基準の改正についてという記載をごらんください。

 今回、使用基準を改正する添加物はフルジオキソニル、防かび剤でございます。こちらはポストハーベスト農薬と言われるもので、収穫前に使われる場合は農薬として、収穫後に使われる場合は添加物として規制されているものでございます。今回、その収穫後の使用ということで、パイナップル、ばれいしょなどの作物に適用拡大することについて要請をいただいたものでございます。我が国では、既にキウィーやかんきつ類等に使用が認められております。食品安全委員会のADI0.33 mg/kg体重/日です。これに基づきまして、推定摂取量の対ADI比を求めますと、最も高いのが幼小児で16.7%となっております。このフルジオキソニルの詳細な資料については、54ページから56ページまでに記載がございます。1点、資料の修正がございまして、55ページの下に「意見聴取の状況」というボックスがありますが、その一番最後の行、「今後、WTO通知を実施する予定」とありますが、先週、3月13日付けで既に実施しておりますので、口頭での修正とさせていただきます。

 添加物、フルジオキソニルの説明につきましては、以上でございます。

 清涼飲料水の規格基準の改正について、御説明させていただきます。お手元資料の57ページをごらんいただければと思います。

 1の経緯でございます。清涼飲料水につきましては、平成15年の内閣府食品安全委員会の発足とともに、化学物質48項目につきまして食品健康影響評価を依頼しております。この食品健康影響評価につきまして結果が得られました物質につきまして、平成2612月に一度、成分規格等の改正を行っております。このとき食品健康影響評価が未答申であったことから、部会で審議を行えなかった物質につきましては、食品安全委員会から の答申状況を踏まえ、規格基準の改正を行うこととしておりました。その後、新たに食品安全委員会からの答申があった物質につきまして、清涼飲料水の規格基準の改正につきまして、平成28年、29年におて食品規格部会にて審議をしてきております。

 2の審議の結果でございます。次のページの別紙のとおり改正することが妥当とされております。58ページの別紙をごらんください。上段が、ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないものの化学物質等の成分規格。下段が、ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行うものの化学物質等の成分規格となっております。物質名につきましては、セレン、ヒ素、フッ素、ホウ素、マンガン、アンチモン、亜鉛、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、亜硝酸性窒素とございますけれども、殺菌・除菌を行うもの、行わないもの、同じ項目となっております。また、改正案につきましても、今般につきましては同じ値となっております。

 今般、この中で、亜鉛につきましては基準値なしとなっておりますけれども、こちらは食品安全委員会の食品健康影響評価の結果におきまして、亜鉛の摂取量に関する上限値と比較し、ミネラルウォーター類、水道水、食事等から、亜鉛摂取によって健康被害が生じるリスクは低いと評価されております。また、海外でも、コーデックス等にて基準値の設定等は特段ございません。

 次のページでございます。こちらにつきましては、ミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水の製造基準としまして、鉄とカルシウム・マグネシウム等(硬度)が設定されております。こちらにつきましても、改正案としましては基準値なしとさせていただいておりますが、先ほどの亜鉛と同様、健康影響が生じるリスクは低いと評価されております。また、同じくコーデックス等の国際基準につきましては、基準値がないといった状況でございます。

 説明は以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 ただいまの事務局からの報告に対して、御意見、御質問ございましたら、お願いいたします。順番にでもよろしいですし、順不同で農薬等の残留基準、食品添加物の使用基準あるいは清涼飲料水の規格基準、どれでも結構でございます。浦郷委員、どうぞ。

○浦郷委員 アセフェートについてですこちらは代謝物としてメタミドホスができるということで、メタミドホスは農薬としては使用できないものですが、これは誰もが知っている毒性の強い成分だと思います。このメタミドホスが生成されてしまう農薬、アセフェートが認められているということで、使用基準をしっかり守っていれば農薬の残留値というのは基準を下回るので、問題はないかと思うのですけれども、もし使用の仕方を間違ってしまうということを考えると、非常に危険なのではないかと思っています。そんな危険があるかもしれないアセフェートの使用が認められて いるというのは、それだけ非常に有効性が高いものとして理解すればいいのか、その辺を教えていただきたいと思います。それと、現在、どのくらいこれが使われているのかもあわせてお願いします。

○村田分科会長 どうぞ。

○事務局 お答えさせていただきます。まず、アセフェートとメタミドホスは、御指摘のとおり、有機リン系殺虫剤ということで、我が国でも、暫定基準を設定したものについて、今回、基準を見直すものでございます。当然、アセフェートが代謝されてメタミドホスに変換されますので、アセフェートの暴露評価を行う際に、アセフェートのメ タミドホスとしての残留もあわせて暴露評価を行っております。

 資料2の2ページをごらんいただきたいのですけれども、アセフェートの暴露評価を行った際に、アセフェートの残留濃度だけではなく、メタミドホスの残留濃度をアセフェート換算で補正した値を作物残留試験の成績・濃度などから算出いたしまして、これらをあわせて暴露評価を行っております。また、メタミドホスについても、それぞれADIARfDが食品安全委員会の食品健康影響評価において設定されておりますので、残留基準の範囲内であれば、当然、人の健康へ影響がないということは確認されております。

 また、ADIARfDにつきましては、動物試験の結果に基づきまして安全係数を除して、動物試験の無毒性量に基づいて、そこからさらに安全係数を100で割った、動物試験で影響が出ない値から、さらにマージンをとった値で設定しているものでございます。したがいまして、多くの場合におきましては、人の健康に直ちに影響があるということはそれほどないとは想定されますし、また、当然、使用基準を守るということは、別の日本国内におきして、世界的にも法律の枠組みの中で規定されていることがほとんどだと思いますので、使用基準についても、それぞれ各国規制して守られるようにしているということでございます。どのぐらい使用されているかということについては、現在、こちらでデータを持っていないところでございます。

○黒羽室長 すみません、補足で説明させていただきます。

 3ページ目をごらんください。この「登録の有無」のところに印がある農作物は、現在、日本で使用されているものでございます。これにつきましては、作物残留試験をもとに新たに基準値案を設定してございます。これらについては、現に使用されているものですから、原則としては、この使用方法によるデータに基準値を設定していますが、例えば、4ページ目の真ん中にぶどうというものがございますが、ぶどうは、もともと使用されており、基準値も設定されていましたが、今回、短期暴露評価をすると、食品安全委員会で評価されましたARfDを超えてしまうということで、ルールに従って基準値を削除するという対応をとっております。

 また、国際基準があるものは、通常、国際基準を導入するのですが、3ページ目の一番上の米は国際基準が1ppmに設定されているのですが、これを導入しますとADI80%を超えてしまうので、導入しないという対応をとっております。このように、ルールに従って、ADIとかARfDを超える場合については基準値を変更するという対応をとっているものでございます。

○村田分科会長 はい、浦郷委員どうぞ。

○浦郷委員 ありがとうございます。そのようにかなり厳しい基準をつくっているということはわかっております。それで、きちんと使用の基準を守っていれば影響がないということはわかっているのですけれども、万が一、その農家さんが間違って使ってしまった場合、そういう危険性があるのになぜかなと思ったのですけれど。それで、登録の有無のところで丸印がついている。食品については登録をされているだけでなく、実際、使われているということで考えていいのでしょうか。ということは、それだけこの農薬に対しては需要があると考えていいのかどうか、その辺、お願いします。

○黒羽室長 どれだけ需要があるかというのは、こちらではわからないのですけれども、1日摂取量調査という調査を毎年行っています。これは、一般のスーパーマーケットで売られている食品から農薬をどれだけ摂取するかというものでございまして、スーパーマーケットから食品を買ってきて、その中の残留農薬を見るというものでございます。この結果では、平成25年では、先ほどのADI比、計算上は80%近くなってしまうのですけれども、このADI比は0.11%となっておりまして、実際にはアセフェートが使われていない食品が多く、いと。また、基準値が設定されても、その基準値の上限まで含まれているものは確率的には非常に低いということで、ただ、ほかの農薬についても大体同じような割合でございますので、特段、アセフェートが余り使われていないということにはならないのですが、実際の食品では、残留量は非常に低いと認識しております。

○村田分科会長 はい、浦郷委員どうぞ。

○浦郷委員 農家さん、きちんと使っていらっしゃると思うので、残留も出てこないと思います。ただ、もし間違ってしまった場合のことを考えると、非常に怖いなというのを思いましたので。消費者からしてみれば、この農薬、禁止してもいいのではないかぐらいに思うのですけれども、それだけ有効性が高くて需要があるならば、あとは使う側の人がきちんと守って使ってもらうというところかと思いますので、ありがとうございました。

○村田分科会長 倉根委員。

○倉根分科会長代理 ミネラルウォーターのところですが、58ページで、殺菌又は除菌を行わないものと、それから殺菌又は除菌を行うものが、値としては全く同じように見えるのですが、この2つを分けているという理由はどこにあるのですか。それぞれ分けて表記するということですね。

○村田分科会長 どうぞ。

○事務局 御質問ありがとうございます。こちらにつきましては、先ほどの経緯の中で御説明させていただきました、平成2612月の改正の際に、ミネラルウォーターの中でも殺菌・除菌、ありとなしということで分けさせていただきました。大きく世界で流通しておりますミネラルウォーターの中には、製品名はちょっと控えさせていただきますけれども、EU等から輸入されて おります殺菌・除菌等を行っていない飲料というものが幅広くございまして、そういった国際基準もございます。そういった中で、日本の中にも大きく流通しておりましたので、平成26年のときには、そういった国際基準を日本も取り入れるということで改正させていただいております。

○倉根分科会長代理 わかりました。 現実に、今は殺菌・除菌を行うものであれ、行わないものであれ、基準は全て一緒という話になるのですか。

○事務局 今般改正させていただきました中身につきましては、同じものがございますけれども、例えば殺菌・除菌ありには基準値があるけれども、殺菌・除菌なしにはないとか、そういった基準値が幾つかございます。

○倉根分科会長代理 そういう違いが現在でもあるわけですね。

○事務局 例えば、殺菌・除菌ありにつきましては、塩素であったり、そういったものは消毒等を行っております。そうしますと、それによって出てくる副産物といいますか、消毒剤の残留物といったものが基準の対象となっております。

○村田分科会長 そのほか、いかがでしょうか。毛利委員、どうぞ。

○毛利委員 副腎皮質ホルモンのところです。基 準値を設定して慎重にというのはいいのですが、食品安全委員会による食品健康影響評価結果の3で、経口投与による慢性毒性試験の結果がないことから、安全係数として10を追加する。すなわち、今までいろいろな評価のときには、安全係数100だったのが1,000に上げてあるということですが、評価を行う場合において、慢性毒性試験の結果がないから10加えるというやり方が一般的なのか、適正なのか、それについて教えていただければと思います。

○黒羽室長 お答えいたします。メチルプレドニゾロンの食品安全委員会の評価で、係数追加の10を入れられていることですけれども、食品安全委員会がリスク評価をする際に、どういった場合にプラスの安全係数を掛けるかというルール的なものがございまして、今回はそういう毒性試験が足りないということから、10を追加で入れられていると認識しております。

○毛利委員 安全性を評価する際に、不明であるから10掛けるというやり方が正しいのかどうかということに関して、少し疑問を感じます。

○関野課長 若干誤解があるといけないので、正確に申し上げておきますが、通常、長期の2年等の慢性毒性試験があれば、それにこしたことはないのですけれども、メチルプレドニゾロンに関しては、食安委の評価では、63日間の亜急性毒性試験の結果はあります。それをより長期で見たときに、どのくらい手がたいかといったところで総合的な評価をした結果、プラス10、係数を追加したほうが妥当だろうという判断がなされていますので、全く毒性試験がないというわけではなくて、63日間の試験に基づいて、それをさらに1年ないし2年の長期で見たときに出てきた毒性量というものに関して、より手がたいADIということで考えた場合には、追加の係数が必要だろうという判断があったと理解しています。

○村田分科会長 そのほかございますか。よろしいですか。ただいまのものは報告事項でございますので、どうもありがとうございました。
 次に、文書配付による報告事項等に移ります。この資料に関しましては事前に委員の皆さんのところに配付されていると思いますので、この場での特段の御意見がなければ、次へ移らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。

 それでは、最後にその他の事項について、事務局から報告、お願いいたします。

○黒羽室長 資料4でございます。

 おめくりいただきまして、前回の本年1月16日及び前々回、昨年1117日に開催されました食品衛生分科会において審議もしくは報告いたしました農薬及び動物用医薬品、添加物につきまして、その後の処理状況について御報告させていただきます。この表中、全部で19品目ございます。この表の中で1月16日の品目でございますが、パブリックコメントの状況におきまして、実施中となっております。これは、ことしの3月14日までの期限でございまして、既に終了しております。このうち2品目を除きまして御意見をいただいたものでございます。いただいた御意見につきましては、現在、内容を精査中でございます。
また、WTO通報におきましては、基準値が厳しくなる場合に実施することになっておりまして、WTO通報の対象外と記載されているものは現行より基準値が緩和される品目でございます。前回の分科会、前々回の分科会から期間が余りたっておりませんので、WTO通報が必要な品目については、現在実施中、または実施予定となってございます。パブリックコメントやWTO通報実施中のものにつきましては、今後、御意見をいただいた場合には、その内容を確認いたしまして、対応が必要かどうかについて検討したいと思っております。

 この項目についての説明は以上でございます。

○道野課長 続きまして、平成29年食中毒発生状況、輸入食品の監視指導計画について御説明いたします。

 資料4の2ページをお願いします。本統計につきましては3月12日に公表させていただきまして、当日の食中毒部会でも報告させていただいております。3ページの食中毒事件数・患者数の推移、件数・患者数につきましては、平成29年、事件数1,014件、患者数1万6,464名、死亡者数3名ということでございます。長期的に見た下げどまり傾向というのは、依然継続しているという状況であります。

 次のページをおめくりください。毎年、この統計では、患者数500人以上、いわゆる大規模食中毒ということで整理させていただいております。29年につきましては、和歌山県、東京都でそれぞれ1月、2月に起きた事例でありまして、下の注記にございますように、上記2例、いずれも同一製造者が加工した「キザミのり」によるノロウイルスによる食中毒ということでございました。

 また、死亡者が発生した食中毒事例につきましては、3件ございます。1件目が発生は2月、蜂蜜のボツリヌスによる乳児ボツリヌス症。それから、自然毒によるイヌサフラン。それから、腸管出血性大腸菌、O-157による女児の方の死亡事例ということでございます。それから、次のページが病因物質別事件数発生状況でありまして、事件数でいいますと、カンピロバクター・ジェジュニ/コリによる食中毒が31.6%。それから、ノロウイルスが21.1%ということで、総事件数1,014件のうちの約半数を少し超えた状況ということでございます。

 次のページでございますけれども、今度は、病因物質別患者数の発生状況ということでございまして、ノロウイルスは1件当たりの患者数が非常に多いということもございまして、総数1万6,464人のうち、ノロウイルスによる患者数が51.6%、続きまして、カンピロバクター・ジェジュニ/コリが14.1%という状況になっております。こういった食中毒事案に対応しまして、私どものほうで都道府県を通じて、ケースにもよりますけれども、一般の国民の方にも注意喚起するという対応をとってございます。それの一覧が資料のその次のページ、7ページと8ページということであります。このうち、先ほど触れました死亡事例関連といたしましては、8ページの9月の腸管出血性大腸菌感染症・食中毒の予防対策等の啓発の徹底。それから、蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事例についてということで、一番下の4月7日という対応をとってございます。

 続きまして、平成30年度輸入食品監視指導計画(案)の概要ということであります。輸入食品の監視指導計画につきましては、法23条に基づいて、毎年度、監視指導の計画について公表し、実行していくというたてつけになってございます。輸入食品の監視指導の基本的な考え方としては、輸入時の監視ということで、輸入される食品の安全チェックと、輸出国における生産段階からの安全確保といったことが中心でやってございます。例えば、29年度の監視指導の概況ということで、9ページの3番にありますように、モニタリング検査や検査命令等の輸入時における監視指導の強化を実施。それから、○の一番下のところの輸入時の検査体制の整備、これが水際の対策となります。間の3つが、輸出国における安全対策の推進ということでございまして、輸出国における調査であるとか個別問題における協議、それから現地での調査といったことを実施してございます。

 次のページを見ていただきますと、平成30年度の監視指導の具体的内容、監視指導計画(案)の概要ということになるわけであります。

 この中で具体的なものとして、重点的に実施する事項に関して新しいものとしては、下線部の貨物確認検査の実施。これにつきましては、1つは、継続的に輸入されている食品や事前相談のあった食品でも、実際に本貨物で来るものが時々一致しない、原材料が変わっているということがあります。また、届け出られた内容と貨物が一致しないというケースが散見されるため、こういったことが特記されてございます。輸入者による自主的な衛生管理の推進の中でも、同様のことについて指導を強化するという内容がございます。そのほかに、30年度の新規事項として、「健康食品」として販売する食品に対する安全性確保の指導とか、器具・容器包装に対する輸出国での生産等段階における必要な確認の指導ということで、これは食品衛生法改正案の議論の過程においても議論された内容について、ここで反映しておるという状況でございます。
 11ページでありますけれども、この30年度の監視指導計画(案)の策定に当たりましては、2月1日と7日に大阪と東京で意見交換会を実施したほか、パブリックコメントをとっております。それの概要でございますけれども、30日間のパブリックコメントの間に、7の個人・団体から延べ27件について意見が出されました。主な意見の概要については、3に記載しているとおりであります。この中で、先ほども触れました「健康食品」に対する監視指導につきまして、明確に位置づけて取り組みを進めてほしいという意見が4にあります。それにつきまして、計画(案)の修正を行いました。「健康食品」として販売される食品については、食経験の確認と安全性の確保に努めるよう指導するとともに、国内外の健康被害事例を受けて、本省が注意喚起している成分を含む食品にあっては、適切な管理を実施するよう指導する」という内容に変更し、御意見を反映したという経緯でございます。

 その次の12ページにつきましては、参考情報でございまして、近年の輸入食品の動向ということでございます。輸入届出の数・重量が、重量については横ばい傾向ですが、届出件数については増加しているということ。それから、検査の推移、さらに検疫所の職員や監視員の年度別の強化の状況であります。資料の訂正でございますけれども、年度推移の一番右端、28年度になっていますけれども、29年度、419名ということですので、訂正させていただきます。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございました。

 ただいまの事務局からの報告に対しまして、御意見、御質問ありましたら、お願いいたします。穐山委員、どうぞ。

○穐山委員 8ページの平成29 年6月16日の「大量調理施設衛生管理マニュアル」の改正ですが、これは平成28年の0-157の死亡例が、東京と千葉で報告されていると思うのですけれども、それを受けて、これを改正されたのでしょうか。それで、その中身というのはどういうものなのでしょうか。

○道野課長 平成29年6月16日付けの改正の内容については、幾つか要素がございます。御指摘の28年に発生した東京・千葉での0-157の死亡事例に関して申しますと、野菜・果物等についての殺菌処理をするということ。特に、高齢者とか若齢者、要は抵抗力の弱い方に提供する場合には、生野菜、それから生の果実については、原則殺菌してくださいということが追加されております。そのほかにも、ここにありますように、ノロウイルスの食中毒の多くの原因が、たしか7割と記憶していますけれども、調理従事者からのウイルス汚染ということがございますので、調理従事者に関する健康確認等々の規定についても追加した等の、複数の要素が入った改正になっております。

○村田分科会長 そのほかございませんでしょうか。どうぞ。

○栗山委員 今の中身に少しずれるかもしれないのですけれども、先ほども御質問があったかと思うのですが、具体的にここでは農薬の基準とか、そういうもので私たちが見て、どうこう言っているのですけれども、それが実際にどういうふうに使われているかというのは、どこが担当して、どんな感じで監視されているのでしょうか。

○村田分科会長 はい、黒羽室長どうぞ。

○黒羽室長 お答えいたします。農薬については、農薬の登録や使用方法 等については農林水産省が所管しております。また、例えばJAとか、そういう生産者団体でも農薬の検査をしているという状況にあります。また、輸入食品については、検疫所でモニタリングの検査命令等で検査を実施しているということになります。したがって、そういう検査で違反があった場合については、自治体のほうが生産者まで行って、それで適切に使用されているかどうかの指導をするという仕組みで管理されていると承知しています。

○栗山委員 では、それで使用のほうは担保されていることになるのかと思うのですけれども、現実にはどれぐらいの違反というか、注意とか監視とか指導とかが入っているのでしょうか。

○黒羽室長 すみません、使用方法についての指導とか、どれだけ行われているかというのは、農林水産省が行っているので、具体的に何件行われているというのは、今、申し上げられないのですが、自治体と検疫所が行った検査結果については、厚生労働省でその検査結果を集めて、毎年、モニタリング検査結果という形で公表させていただいております。検査したものに対する違反率は非常に低いですし、違反があれば、自治体等が指導しています。

○栗山委員 ありがとうございます。

 それでは、違反率はすごく低いというお返事ということで、私たちはここでどこまで了解したことが現実に守られているかなというのを、ちょっと肌で感じたいなと思ったものですから、ありがとうございました。

○村田分科会長 そのほか、ございませんでしょうか。若林委員、どうぞ。

○若林委員 確認のために教えてください。蜂蜜を原因とする乳児のボツリヌス症ですけれども、この蜂蜜は輸入品なのですか、それとも国内で生産されたものなのでしょうか。

○道野課長 すみません、今、手元に資料がないのですけれども、包装自体は国内と記憶しておりますけれども、蜂蜜そのものの原産国というのは、手元に資料がございませんので、また後ほど御連絡させていただきます。

○村田分科会長 大澤委員、どうぞ。

○大澤委員 今の蜂蜜の件でございますけれども、小児科の領域におきましては、数十年前から乳児に蜂蜜は食べさせない。なぜならば、そこにボツリヌス毒素が入っている可能性が高いからということで、国際的な教科書にもそのように記載されておりますので、国内か国外かわかりませんけれども、一応そういう状況でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。そのほか、ございませんでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。

 以上で議事は終わりましたが、最後に事務局から何か連絡事項はありますでしょうか。

○一戸補佐 次回の分科会につきましては、今後、日程調整をさせていただきます。ドッチファイルは重いので、お持ち帰りにならないと思いますけれども、机上にそのまま置いておいていただければと思います。

○村田分科会長 長時間の御議論、まことにありがとうございました。これをもちまして閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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