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2018年3月28日 第十二回 地域医療構想に関するワーキンググループ

○日時

平成30年3月28日(水)10:00~12:00


○場所

厚生労働省中央合同庁舎第5号館省議室(9階)
東京都千代田区霞が関1-2-2


○議事

○田丸課長補佐 ただいまから、第12回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。本日、全員出席されております。また、邉見構成員につきましては、別の用務のため、途中退席されます。

 本日、私どもの医政局長の武田につきましては、別の公務のため、欠席とさせていただきます。

 なお、保険局医療介護連携担当審議官の伊原につきましては、別の公務のため、途中からの出席とさせていただきます。

 また、参考人として、佐賀県健康福祉部医務課の日野稔邦係長、高知県医療政策課の川内敦文課長をお呼びしております。

 オブザーバーとして、総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より、伊藤室長に出席いただいております。

 議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2、資料3、参考資料1、参考資料2をお配りしております。不足がございましたら、お知らせください。

 それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。

 もし報道の方で、冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。

○尾形座長 おはようございます。

 それでは、早速、議事に入らせていただきます。まず、議題1でありますが、「地域医療構想調整会議における議論の進捗状況について(その4)」を議論したいと思います。まず、資料1-1の説明を事務局から、資料1-2の説明を日野参考人から、資料1-3の説明を川内参考人から、それぞれ御説明をお願いします。一括して御説明を伺った後に、質疑に入りたいと思います。

 それでは、よろしくお願いします。

○鶴田課長補佐 まず、事務局から資料1-1について御説明させていただきます。お手元に資料1-1を御準備いただければと思います。

 1ページ、「地域医療構想調整会議について」の概要資料は、以前の合同ワーキングでも出させていただいた資料になります。

 2ページ、年に4回進捗管理をするスケジュール感を示した資料、こちらも以前お示しした資料になります。

 3ページ、これも前回の合同ワーキングの際に、昨年12月末時点での全国の状況を整理して取りまとめた資料になります。

 4ページ目以降が新しい資料になりますが、本日、ヒアリングにお越しいただいております、高知県、佐賀県の構想区域ごとの取組状況を整理したものになります。4ページ、「地域医療構想調整会議における議論の状況」で、それぞれの区域ごとにどのぐらいの開催実績または見込みがあるのかを整理した資料になります。

 5ページ、構想区域ごとの未報告の許可病床数がどの程度になるかを整理した資料になります。

 6ページ、こちらは非稼働病棟の病床数が構想区域ごとにどのぐらいあって、非稼働の病棟に関しましては調整会議で議論するということになっておりますので、実際に調整会議の議論がどのくらいの割合で実施されているかということを整理した資料になります。

 7ページ、新公立病院改革プランを策定済みの病院数がどのくらいあって、こちらに関しては今年度中に協議を開始するということを求めている状況ですので、高知県、佐賀県、それぞれ構想区域ごとに、あくまでも12月末時点ということになりますけれども、12月末時点で調整会議でどの程度の協議が行われたかを整理したグラフになります。

 8ページ、こちらは公的医療機関等2025プランの策定状況、協議の状況を整理した資料になります。

 9ページ目以降に、参考資料として、地域医療構想の達成に向けた具体的支援策をつけさせていただいておりますので、こちらに関しては、議論の参考として取り扱っていただければと思います。

 事務局からの説明は以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 引き続き、日野参考人、どうぞよろしくお願いいたします。

○日野参考人 佐賀県の日野と申します。

 資料1-2をごらんいただきたいと思います。「佐賀県地域医療構想調整会議の協議状況」という資料でございます。私は、昨年6月にもこの会議に出席させていただきましたので、内容がその点と少し重複することがあるものもありますが、その点は御了承いただきたいと思います。

 1枚おめくりいただきまして、本日御説明したいことが4点ございます。

 2ページ、1点目は佐賀県の構想区域の概況でございます。本県は、真ん中の表に構想区域ごとの人口、市町村数等がございますけれども、83万人の人口ということで、都道府県の中では41番目とか、比較的小さな県、政令市よりも人口が少ないわけであります。面積も右のほうに地図をつけておりますけれども、正方形に比較的近い形におさまっているということで、県庁所在地の佐賀市からどこのエリアにでも車で1時間半以内に大体行けるという非常にコンパクトな県でございます。本県におきまして、75歳以上人口のピークが2035年でございますが、この5圏域のうち3圏域は、今後、人口減少が顕著だろうと見込まれているところでございます。左下の表がございますけれども、医療機関数とか病院の数、病床数、医療のスタッフ数など、人口10万人当たりで全国との比較をしております。そういう人口がもともと少ないことでいろいろな状況がございまして、全国水準の指標といいましょうか、数値としては上回っております。ただ、需給の関係からどうかというのは、またこういうものは別問題だろうと思っています。特徴的なのは、1病院あたりの一般病床数が、本県はちょっと小さいというか、例えば、10万人当たりの病院の数でいくと全国が6.7に対して本県は12.9、ただ、一般病床で比較すると702.3771.9でそんなに変わらないということで、単純に割り返していくと、全国平均の規模よりも小さな病院が非常に多いというのが特徴であります。特徴的なことをもう一つ申し上げますと、中核病院という、佐賀大学とか、県の医療センター好生館、日赤の病院、NHOさんの病院ですけれども、こういった病院が県庁所在地にばかりあるわけではなくて、比較的県内に分散立地しているということがございますので、医療圏単位でこの地域医療構想が始まる前から医療連携というものがある程度構築されていったというのが背景としてございます。

 3ページ、佐賀県地域医療構想調整会議の構成でございます。今、申し上げたように、非常に人口が少なくてコンパクトな県ということもありまして、ある程度、医療圏だけではなくて県全体としても比較的まとまりのある地域ではないかと思っております。県の調整会議全体というのは、議長が県医師会長という形でございますけれども、県の調整会議と医療圏単位に設置している構想区域単位の会議との役割でございますけれども、上の囲みに書いてありますように、県の調整会議は基本的に地域医療構想そのものに対する協議方針とか、全県的な共通事項を協議いたします。個々の医療機関の転換とか統廃合等々につきましては、医療圏単位、構想区域単位の会議で開催する形にしています。協議のかなめになりますのは、医療圏単位の分科会の座長でありますけれども、これは基本的に郡市医師会長、複数の郡市医師会で1つのエリアを構成している場合はその中のお1人ということでございますけれども、その方と、「基幹病院長」とここでは表記しておりますけれども、例えば、地域医療支援病院とか特定機能病院とかの病院長さんは、それぞれ医療圏単位の会議にも入っていただきますし、県全体の会議にも入っていただくという形で、言ってみればあわせ兼ねるというか、医療圏単位の会議の代表者で県全体の会議をつくるという形をしておりますので、いろいろな問題意識の共有とか、佐賀県にとってこういうことが大事だよねということの問題意識の議論がある程度図りやすい構成にしています。構想区域単位の会議でございますけれども、これは地域医療構想調整会議としての性格だけではなくて、医療計画作成指針上の圏域連携会議の性格をあわせ持つといたしましたので、地域における医療提供体制全般を協議できると整理しておりますので、地域医療構想にこだわることなく、いろいろな課題を議論できるというたてつけにはしております。

 4ページ、地域医療構想調整会議における協議の取扱要領ということで、本県は平成2812月に県調整会議におきましてこういう協議の取扱要領を決定いたしました。この中では特に公的医療機関等2025プランに先立つ形で、特定機能病院とか地域医療支援病院の大幅な機能変更はこの調整会議の事前協議事項にするという形にしたわけでございます。

 5ページ、これまでの本県の地域医療調整会議における個別協議の状況でございます。これは診療所の個別協議はまだ入っておりませんので、病院の分だけでございますけれども、公立病院、公的医療機関は、合計で16がございます。16のうち14病院が2025プラン、公立病院改革プランの協議が終了いたしております。その中で、14病院の協議が整ったうちの2病院につきましては、1回目の協議で協議が整いませんでしたので、プランを修正していただいて、2回目の協議で了という形になっております。そこに表記しております今後の予定の2病院については、30年度に協議をするものあるいは29年度中にプランの修正にまで至らなかったものなどで、30年度に協議をすることにしております。一方、民間病院につきましては、77病院がございまして、これについては医療機関側で機能転換とか統合などのいろいろな準備が整ったといったところから、順次協議を実施しているところでございます。30年度の上半期も既に複数の病院を個別協議で議論するということが内定しておりまして、比較的、大分各論といったところに進んでいっているなという感じがいたしております。

 おめくりいただきまして、公的医療機関のほうの協議の実例でございます。これにつきましては、前回のワーキンググループの会議で厚生労働省さんから資料として提供されたものでございますので、説明の詳細は控えますけれども、基本的には、この公的医療機関の協議の中で、NHO東佐賀病院、伊万里有田共立病院、NHO嬉野医療センター、この3病院につきましては、1回目の協議で整わなかったという形で、プランの修正をお願いする。プランの修正は、ことしの1月と2月にそれぞれ整いまして、2回目の協議で了承という形になっています。

 どういう議論かということで、7ページ、NHO東佐賀病院につきましては、ここの現状でございますけれども、休棟中の病床が55床あったわけでございます。ただ、これについては、民間が回復期に取り組まない場合は、これを再稼働させて回復期としたいという意向が表明されたわけでございますけれども、議論の結果、このエリアにおいては、回復期については民間の今後の取り組みで大丈夫ではないか、わざわざNHO東佐賀さんの55床の休床状態の病棟を再稼働させる必要はないだろうということが協議の中で一致をいたしました。その結果、休棟55床は医療法上の許可病床から削減することで合意をいたしまして、そういうことを盛り込んだプランにしていただいたところでございます。1つ飛ばしまして、NHO嬉野医療センターさんのほうですけれども、ここは病院長さんから、回復期、地域包括ケア病棟を持ちたいということが、サジェッションというか、言葉の端々にあったもので、そこで民間病院の方からは、特に地域連携の観点でもうちょっとNHO嬉野センターさんにしっかりやってもらわなければいけない部分もあるのではないか、あるいは地域連携室の機能というのは一体どうなっているのかと、結構各論に入ったような意見があったわけであります。その結果、病院からプラン全体の修正案も示されましたけれども、ポイントとしては、病院側から、地域の医療機関との連携が少し甘かった面もあると、少し見直さなければいけない点もあったのではないかということが当該病院長から示されまして、また、民間の側もそれに対して一緒になって考えていこうではないかという話もできたわけでありまして、こちらについて、病床数のこともありましたけれども、むしろ公的医療機関と民間の役割分担のあり方をもうちょっとしっかりみんなで考えましょうといった議論の方向性ではなかったのかと思っております。

 8ページ、公立病院、これは自治体病院のほうでございます。自治体病院につきましては、1病院のプランが多分今週中にはできる、年度内中にはできると思いますけれども、佐賀市立富士大和温泉病院の協議は今後になります。あとは、公立病院の中で小城市民病院とか、多久市立病院という、病床数が非常に似通って、ちょうど建てかえ時期を両方とも迎えておりましたので、2病院の統合に向けた協議を実施するということを今は検討して、プランとして書き込んで了承する。ただ、統合後の病院の病床数とか機能については、両市において検討いただくと同時に、並行して検討状況は調整会議の分科会に出していただいて、そこらでもまた議論をしていただくという形でのピンどめという形になっているわけでございます。

 9ページ、こういう公立病院に関係する議論の中で出された主な意見ということでございます。1つは、まず、地域から求められる役割に関する意見という形で、1つ目の○でございますけれども、本県の場合、結構地域のほかの医療機関や民間では対応できない役割、高度急性期、3次救急、精神疾患もそうだったのですけれども、いろいろそういう政策医療に充実したいというような医療機関のプランについては、比較的好意的な受けとめの中、議論が進んだと思います。ただ、そういった医療機関については、当然、一層の紹介・逆紹介の強化をしないと、今度はその病院の経営が成り立たないわけで、それについては一生懸命応援していこうではないかという感じの議論が多かったように思います。一方で、周辺に民間病院がない地域もございます。そういった地域において50床前後の自治体病院が地域包括ケアの中核機能を担っているといった場合は、特に立ち位置についての異論はなかったわけでございます。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、地域医療支援病院が、回復期の充実とか、その検討をサジェッションした場合には、非常に厳しい意見が出たと。ただ、それも議論のポイントとして、当該病院における地域連携室とか、そういったものと民間病院との連携のあり方とか、例えば、中核病院からこういう患者さんを抱えてなかなか転院ができませんという発言が出たときに、具体的にそれはどういう点で転院ができないのかと。例えば、自分たちが持っている機能、スキルでは、何が足りないのか具体的に教えていただきたいという形で、その結果、例えば、もし研修とかで対応できる部分があるのだったらできるのではないかみたいなことが意見として出されるなど、より具体的な説明を病院側さんから中核病院さんに求める傾向があったと思います。

10ページ、1点だけ、回復期の関係で少し申し上げるのは、これらの議論の流れの中で、公的医療機関から、本県の場合、端的に言うと、公的医療機関等2025プランをつくったところから回復期を新たに取り組みたいもしくは充実させたいという意見が出たわけでございますけれども、回復期は足りているのか足りていないのかという意見が当然その中で出てくるわけであります。それのみならず、ずっとこの地域医療構想の議論をやっていく中で、赤字で書いてありますけれども、少し「イメージがわく」整理ができないかと。つまり、定量的にがちがちにやってしまうと、病床機能報告というのは自院が判断して報告するというものなので、なかなか整合性がとれないのではないかと。あるいは、報告基準を県で独自につくってしまうと、それも今度は統計上はどうなのだろうかという話がありますので、「イメージがわく」整理という形、そして、医療機関側の負担にならないような形で参考資料みたいなものはできないのかというのは前々からあったわけであります。そこで、本県としては、地域医療構想調整会議の関係者でありますが、県の病院協会さんとかといろいろ話とかをする中で、大きくポイントは2つですけれども、2つについては数字を出している。1つは、回復期とみなすことができる病床数ということで、例えば、急性期病棟として報告されているものの中に、室料を病床単位で算定している地域包括ケア入院管理料算定病床数はこれだけありますよみたいなものは、当然病床機能報告から数字を引っ張ってくればお見せできるわけで、そういったことをお見せする。あるいは、転換協議が整った病床。本県は、既に民間病院の個別転換とかも始まっています。ただ、協議が整っても、実際に転換するまでに、例えば、施設整備とか何とかで1年ぐらいタイムラグがある。そうすると、またそれが病床機能報告に反映されるにはさらに1年タイムラグがあるということもありますので、そういったもの時間軸の問題でありますから埋めていく必要があるだろうという形で、一つ整理する。もう一つは、急性期病棟の中にいろいろな人が混在しているよという御意見が結構ありました。先ほど冒頭に申し上げましたのは、本県の病院の特徴として、一般病床を持っている病院の規模が、全国平均だと1病院当たり100なのに対して、1病院当たり本県が50だという形で、要するに、複数病棟、2~3の病棟で構成する病院が少ないわけであります。1病棟だけで構成している病院が結構多い。そうなると、どうしても急性期ということをセレクトするのだという御意見を現場からいただいたところでございます。そうすると、その中にいろいろな方がいらっしゃるということであれば、1つは平均在棟日数を切り口にして何かお見せできないかということを、いろいろな人と話をして、数字として出す。ただ、回復期とみなすというものは急性期病棟ということで今は御報告をいただいているわけで、それは回復期に近い急性期の病床数という表現になるのかなと思いました。いずれにしろ、その実数というものが今はどうなっているかということを構想区域ごとにお示しする。それで、各圏域ごとで見ていただいて、何か過不足でお気づきの点はありますかという形で、まさに圏域ごとの過不足感の判断材料にしていただきたいと思ったわけであります。したがって、この数字で何か結論を出すとかということではなくて、あくまでも議論のときのイメージ資料、このページに冒頭に申し上げたように、「イメージがわく」整理ができないのかということも一つだったと思います。基本的には、本県の中で病院協会さんとかから中心にいただいた御意見は、本県の民間病院の実態から見て非常に納得感がある数字が出てきたという御意見はいただいたところです。これは、先ほど申し上げましたように、1病院当たりの規模が小さい、1病棟しかセレクトできないという中での話があったと思います。ですから、ある意味こういった本県の事情というものと、関係者の中で話した話なので、これが全国的に通じるか通じないかというのは全く別の話だろうと私どもは思っております。いずれにしろこういった話をする中で、基本的には以下の趣旨を第7次佐賀県保健医療計画に明記するということを先月県の医療審議会の部会と県の地域医療構想調整会議の合同会議で決定したということで、基本的に回復期については、今、県内5構想区域がありますけれども、そのうち4構想区域については、必要な病床数が確保できるといいましょうか、充足感がある程度はあるよねという共通認識が一つはある。ただ、その中でも出てきたのが、回復期というのは中に地域包括ケアだったり回リハがあったりとかいろいろなものがありますので、地域によっては、回リハは十分にあるのだけれども、どうも地域包括ケアは足りないのではないかと。逆に、地域包括ケアの中でも、病棟として地域包括ケア病棟をとっているのだけれども、ポストアキュート的なところが多くてサブアキュートが少ないとなると、これから本当にどうなるのだろうかという形で、病床数というよりもむしろその中で求められている機能というか、そういう質というか、そういったところにそろそろ議論のステージが移っていっているのではないかと感じているところでございます。

11ページ、このワーキングでお取りまとめをいただいて、厚生労働省さんから各県に通知が出された地域医療構想についてという通知は、ワーキングで「議論の整理」と言う形でまとめられたわけでございますけれども、これについての対応方針についても、私どもは先月に県全体の調整会議で了承しているところでございます。基本的には、個別方針といたしましては、例えば、「議論の整理」では、その他の医療機関、民間医療機関が中心ですけれども、平成30年度末までに協議を開始するということでございましたけれども、これについては、既に転換とか統合の議論が整ったところからは協議を進めておりますけれども、今、具体的な動きがないようなところを含めまして、全ての医療機関に対してどのような形で求めるのかということについて、求めることについてはことしの2月に御了承いただいて、その具体的な様式とかスケジューリングというのは、30年度の1回目の調整会議、6月を予定しておりますけれども、ここで方針を決定したいと思っております。あとは、真ん中ほどでございますけれども、有床診療所の特例が今度の4月から拡大されるわけでございますけれども、これについては、医療審議会に先立って、調整会議でも協議するということでどうだろうかということを2月にお諮りしたところ、それで了という形で、御議論というか、私どももまた30年度以降に進めていこうかと思っております。

12ページ、総括的な話でございますが、28年3月に構想を策定して、大体各論といいましょうか、個別協議に入って2年がたつわけでございますけれども、本県が進めてきて、今、振り返ってみるとこういったことだろうと。私ども県の基本的なスタンスとして、医療関係者と「データと悩みを共有する」のだと。「顔が見える」から「腹を割って話せる」関係という言葉を書いていますけれども、はっきり申し上げて、率直な意見交換とか、そういう関係がないと、恐らくこの問題は進まないのではないかと思っています。節目節目で関係者といろいろな状況説明をしたり論点整理をしているということは大事ですし、調整会議の場だけではなくて、1の2つ目の○でございますけれども、「病院協会等」と書いてあります。主に病院協会が中心となって郡市医師会も一緒になって、エリアごとに病床機能分化に向けたいろいろな懇談会を開催していただく。理事長・院長さん、経営者層が参加していただいて、私どもからの説明とか意見交換で問題意識を共有するとか、あるいは、個々に郡市医師会、医療法人さん、いろいろな関係団体等からちょっと話を聞いたり少し意見交換をしようといったときには、積極的に現地に足を運んでいろいろな話をするという形を重ねておりますので、そういった地道な取り組みというか、データだけでばさっと物を決めるという形ではなくて、データにプラス悩みというものも共有しながら進めていかなければいけないのだろうなとは思っております。大きな2つ目でございますけれども、これは昨年6月にも私は申し上げましたけれども、この問題は人口問題からはどうしても切っても切り離せない。特に私どものような地方部にとっては、ここを間違えてしまうと大変なことになるなと、正直、思っております。そのときに病床機能報告というのは非常に有効なツールというか、情報源になるわけですけれども、2の3つ目の○に書いてありますけれども、データが多いわけなので、何もやっていないところは非常にデータの海に流されてしまう。ですから、ここはポイントを整理しなければいけないのだろうなと思っています。

13ページ、本県においては、病床機能報告の整理という形で、28年度からある程度のダイジェスト版を作成して一応お配りするという形にいたしておりますけれども、こういったことというのは、今後とも積み重ねていかなければいけない。よりよい改善をどんどんしていかなければいけない。とにかく今のままではデータ量が余りにも多過ぎるので、少しお見せするときに加工するなりの工夫は必要だろうなと思っています。3つ目でございますけれども、調整会議の議論であります。大事なのは2つ目の○でございまして、私どもの県とか、それぞれの構想区域の実情に合った論点整理と協議を展開していかなければいけないのだろうなと思っております。それは、それぞれのエリアの中にどういう医療機関が立地しているのか、域内完結率が高いのか低いのか、介護との連携が過去からの積み重ねでどうなのかというところがありますので、なかなかここは全国一律でいかない問題、だからこそ恐らく都道府県がいろいろな現場で医療関係者の方あるいは介護関係者の方も含めて意見の交換をしながら進めていかなければいけない問題なのだろうなと感じているところでございます。

 私からは以上でございます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 引き続き、川内参考人、よろしくお願いします。

○川内参考人 高知県健康政策部医療政策課の川内でございます。よろしくお願いいたします。

 2ページ、高知県のアウトラインですが、高知県は人口72万人ということで、佐賀県よりも一回り少ない状況であります。人口を見ていただければわかりますように、中央医療圏、特に高知市に一極集中している状況です。御承知のとおり、病床数は人口当たり1位ということで、基準病床数ないしは地域医療構想の病床の必要量、ともに既存病床数が大きく上回っている状況であります。右端の安芸医療圏のみ、次期医療計画では病床非過剰になることが見込まれています。

 3ページ、高知県の特徴を列記しておりますけれども、人口減少、特に自然減が平成2年から進んできているということで、高齢化率が全国でも2番目に高い状況であります。また、森林面積割合も非常に高いということで、特に中山間地域での高齢者人口の減少が既に始まっているということであります。ですので、県全体の医療需要のピークはおおむね20252030年と言われておりまして、そういう意味での2025年問題が高知県には存在するということであります。医療資源は、全国平均で見ると、医療従事者数、病床数も全国有数でありますが、一方で、それは高知市に一極集中をしているということ、また、療養病床の数の割合が非常に高いということで、全国標準から見ると高知県の医療が非常にいびつな状況であることが言えると思います。一方で、介護保険施設のベッド数は、参酌標準の制限があったという経緯もありますが、大幅に少ないということで、このバランスが非常に課題ということであります。下から3つ目でありますが、民間病院の構成割合が比較的高い状況であります。公立病院、公的医療機関については、この十数年で一定の再編・集約化が図られてきた状況で、それぞれの診療圏がおおむね固定化しております。ですので、それぞれ診療圏域を担っていただきながら、今後の人口減少や周辺の医療機関の機能の変化に応じた再編をしていただくことになります。

 4ページ、高知県の状況がしばらく続きますけれども、一極集中しているがゆえに、病院の人口当たりの病床数、特に一般病床を見ますと、この丸をつけているあたりは、全国平均と同じか低いかという状況で、高知市以外の地域を見ますと、急性期医療という観点から言うと著しく充足率が多いという状況でないことが見て取れます。また、この10年間で療養病床の数も1割程度の減少ということで、医療療養病床ないしは一般病床への転換が進んでいるということで、介護への転換が余り十分に進んでいないことになります。

 5ページ、医療従事者の状況ですけれども、若手医師の減少が非常に顕著でありましたけれども、直近の数字では最下位をやっと脱することができまして、40歳未満の医師数も増加に転じたということで、これまでの取り組みが一定の功を奏してきているのかなと思いますが、一方で、その下の段にあるように、医師数の地域偏在の進行はまだとまってはいない状況であります。

 6ページ、各構想区域の状況ですが、大きく言いますと、この左側の安芸区域、高幡区域では、公的医療機関が少ないということで、特にこの高幡区域には中核となる病院が点在しているということ、安芸区域は県立病院の再整備で急性期医療が充実をしてきた一方で、唯一の一般病床の病院が廃止になるという危機的な状況の地域もあるということです。中央区域は、ほぼ全ていいますか、8割方の医療機能が集中しておりますので、高知県全体の問題でもあります。

 7ページ、高知県の地域医療構想調整会議の状況ですけれども、先ほど申し上げましたように、中央区域が非常に広大で、人口も多く、複数の保健所の区域にまたがっておりますので、それぞれの区域の調整会議とは別に、保健所の所管区域ごとに4つの部会を設けて、通常の医療機能の協議はこの部会単位で行う。病床の調整が必要な協議について、この中央区域の全体会議を開催する。また、病床の調整については、非常に個別性が高いということで、県全体の地域医療構想調整会議連合会で調整するケースもある。これについては、連合会としてはまだ開催されていませんが、医療審議会の医療計画の推進部会と表裏一体の形にしておりますので、平時から地域医療構想の議論は行っているという状況です。3つ目の赤い●ですけれども、回復期機能への転換に対する補助制度を設けております。この交付決定の際には、この調整会議で合意するということを要件としていまして、転換も早い者勝ちにならないように、真に必要性があるものかどうかということを協議する予定です。また、これは法令に基づく対応ではありませんけれども、特に中央区域は、高知市への病床の集中に歯どめをかける必要もありますので、市町村域を越える病院の移転については調整会議における調整の対象ということで、同一医療圏の中で病床が増床しない場合は勧告の対象とはならないのですが、この調整会議の議論に付するということで、公明正大に議論を整理して取り組んでいくということにしております。

 8ページ、調整会議における議論の内容です。こういった事項は通知のほうで示されているものと大体同じではありますけれども、今年度は特に公的医療機関の休床、非稼働病床の確認を重点的に行っているということで、おおむね休床、休棟のある医療機関については、今後、病院再編、病棟再編において解消するないしは将来的には廃止の方向ということが確認できているところでございます。

 9ページ、調整会議の開催状況です。先ほど申し上げたように、中央区域は、部会を設置していますので、その関係で回数が積み上がっているということでございます。今年度は、まだ高知市部会を開催しておりませんので、その数が入っておりません。

10ページ、公立病院及び公的病院の議論です。資料1-1では議論がゼロということでありますけれども、年度後半に議論を行っておりまして、この緑色で記したものがそうでございます。先ほど申し上げたように、高知市の部会をまだ開催しておりませんので、特に中央区域における公的医療機関の議論はまだこれからということになります。この表記については、それぞれ各プランの内容を説明いただいて、今後の病床数や医療機能などの議論を行っておりますので、これまで議論を開始したところについては、おおむねこのプランの内容については了承ということでございます。ただ、特に中央区域、高知市に公立病院や公的病院が集中しております。特に救命救急センターを有する3次機能を担う医療機関が、大学病院を含めて4施設ありますので、これらの病院機能の役割分担はどうするかということについては、地域医療構想調整会議とは、別途4施設と県ないしは医師会の参画のもとで個別の協議を進めていきたいと考えております。

11ページ、こちらは病床機能報告の既存病床数と病床の必要量との比較でございます。冒頭に説明しましたように、安芸区域においては、回復期機能の病床が現在は42床しかないということもあって、この合計数でいいますと、必要病床数が唯一上回っている区域になります。4月からの第7次の医療計画では、基準病床数も既存病床数を19床上回るということで、先ほど申し上げた某市における一般病床を有する病院が廃院となったことへの対応について、この19床をどう活用するかという議論を安芸区域の中で進めていきたいと考えております。

12ページ、調整会議でどのような資料を用いて議論していくかということであります。下段については、当該区域の病床機能の状況を供覧しております。特に療養病床については、入院基本料ごとの状況についても共有して、高知県としては、今後療養病床を介護施設への転換ということが非常に大きな課題ですので、今後の動きについてここで情報共有をしているということ。それと、全ての区域の調整会議で県下の全病院の入院基本料ごとの病床数も供覧して、病床機能報告の数との比較をしております。

13ページ、これは地域医療構想策定前のものですけれども、直近の公的病院の再編事例ということで、県立病院の統合の事例であります。これはほぼ同一敷地内にありました一般病院と精神科病院の統合であります。統合によって、総合診療医の育成拠点であるという旗印が明確になったことと、高知大学との連携ということもあって、医師数の増加、また、それに従って救急搬送件数が2倍にふえるなどして、県下のこの区域の中核病院としての機能強化が図られたということであります。

14ページ、今後の取り組みですけれども、調整会議につきましては、特に公立・公的病院の今後の機能連携について議論を進めていきます。特に高知市内の公的病院については、まだ議論が未着手ですので、これについて進めていく予定であります。あとは、記載のとおりでございます。

15ページ、県全体としては、病床再編と並行して地域で住民の方々が住み続けられるような体制づくりを構築するということで、来年度から「高知版地域包括ケアシステム」の推進と銘打って進める予定でおります。その中で、下段にありますように、保健所の機能強化を行って、地域包括ケアを推進する専任職を配置して、市町村と共同して各地域での地域包括ケアシステムの構築に積極的に関与するということ、それと総合診療専門医などのゲートキーパーの機能強化を行っているということであります。

 本県の最も大きな課題の一つである療養病床からの転換であります。これについては、地域医療介護総合確保基金の介護分を活用して、介護医療院等の介護施設への転換を進める予定であります。ただ、療養病床を有する病院は非常に老朽化が進んでおります。南海トラフ地震対策という観点も踏まえて、転換とあわせて、耐震整備も行う場合は基準額を50%増とする加算を設けるということで、転換と耐震化の促進をあわせて行うことになります。この転換に当たっては、高知県は保健医療と福祉部局が分かれておりますので、両部にまたがることによって情報の偏在が生じないように、特に療養病床の転換に当たっては情報共有が必要であることを考えております。

 最後になりますけれども、一定の今後の資料を拝見すると、対応が予定されているものもございますが、1点目が、地域包括ケア入院管理料については、病棟単位のものではありませんので、佐賀県さんの資料にもありましたように、急性期の病床の中でこういった回復期機能を担う場合、どうしても回復期の数には入らないということで、昨年度、病床調整を行った公立病院については、療養病床から一般病床に転換した上で、一般病棟入院基本料の病床に、地域包括ケア入院管理料、回復期機能を付加するということで、結果的に慢性期から急性期への転換という形になってしまいましたが、実質的には回復期機能だという合意形成のもとで調整会議は了承されました。こういった入院管理料を有する病床単位については、制度上もそごのないように病床数単位での報告を認めているという制度の見直しもあってもいいのではないかとは思います。ただ、一方で、先ほど申し上げたように、各県独自の運用の仕方も可能ではあろうかと思います。それと、高知県や佐賀県のように人口としては比較的コンパクトにまとまっている県については、余り問題はないような気もしますが、ただ、地域医療構想調整会議は保健所所管区域ごとにおおむね設置をされていると認識しております。この調整会議は本庁が事務局の全てを担うということは物理的に不可能ですので、一定、保健所がこの事務局機能を十分に果たせるように、地域保健法に基づく指針等において、保健所が担うべき「地域医療課題の調整機能」について、一定の地域包括ケアに係る地域医療の調整という1文が書かれておりますが、これらの規定ぶりを充実して、保健所が地域医療の調整役も十分に担うべきものであるということを明確にする必要もあろうかと思います。地域医療介護総合確保基金につきましては、特に事業区分Iに重点投資ということで、これはこれで本県としても対応していきたいと思います。ただ、一方で、医療従事者の確保育成ということが非常に重要であります。それと、政府全体で働き方改革を推進している中で、医療従事者の勤務環境改善に努めていく必要がありますので、働き方改革に資する勤務環境改善の事業なども重点配分の対象としてはどうかと、この際、御提案申し上げたいと思います。最後に、病床機能報告の情報については、本県としても、わかりやすい形で各医療機関、県民の方々に情報提供をしようと考えております。ただ、都道府県の職員の企画立案機能については、国としても検証を実施していただいているところではありますが、実際に分析をするに当たって、県独自で取り組むというよりは、国全体で病床機能報告の分析、簡単に調査を行えるような、ウエブ上で操作できるようなプラットフォームを構築する方向で御検討いただければと考えております。

 本県からの説明は以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ただいま御説明がありました資料1-1、1-2、1-3について議論したいと思います。御意見、御質問をお願いします。

 伊藤構成員、どうぞ。

○伊藤構成員 資料1-1の10ページにございます「地域医療構想の進め方について」ですが、これは順調に構想の調整が進んでいる地域も随分あるようでございますけれども、なかなか現実に調整が進んでいないところも特に都市部においては多くございまして、地域的に急速な人口減とか高齢化とか医療職の退職があるようなところ、もう一方は、既にこの地域医療構想の前に病院の機能の連携が完成しているところも、お話は進みやすいと思うのですが、都会部で同じ機能を有するほぼ同じ規模の病院が競合するような地域では、とても話し合いが進捗しているという状況ではないということも実感しておるところでございます。

 進め方のポイントの中で、地域医療構想調整会議で個別の医療機関の取組状況を共有するということなのですが、これがさまざまなデータが供覧されていないという現状もございます。例えば、経営に関する情報等が十分に提供されない中で、話し合いが遅々と進んでいない実態もございます。したがいまして、こういう情報提供に関して、さらに国から県に対して指示をお出しいただくことが可能かどうかということをお尋ね申し上げたいと思います。

○尾形座長 これは事務局に対する質問ということですね。お願いします。

○鶴田課長補佐 資料1-1の10ページ目に関連して御質問いただいているところですけれども、2月7日にこのような課長通知という形で、全都道府県に対して、調整会議においてここに書いてあるような項目を共有してくださいということをしっかりとお伝えしているところでありますので、こういったことをしっかり実施しているかどうかといったこともしっかり我々としても確認していきながら、この実施がしっかりと実行されるように進捗管理等を行っていきたいと考えているところです。

○尾形座長 伊藤構成員。

○伊藤構成員 例えば、「地域医療構想調整会議における議論の状況」が3ページにもございますが、こういうところで議論も確かに回数は重ねてはおるのです。しかし、その議論の内容として、いわゆる結論の出るような話し合いというのはなかなか進んでいないという状況もございます。こういうところは強く方針についてお伝えいただきたいとお願いいたします。

○尾形座長 ありがとうございました。

 中川構成員。

○中川構成員 地域医療構想調整会議が機能するように、何かアイデア、知恵を絞ってくださいと言っていますが、まだ知恵は出ませんか。紙が同じだから。これは黙っていても全国の調整会議は機能しないのです。

 それはいいのですけれども、佐賀県は非常に機能していると思います。日野課長さんの説明で、非常に機能しているとわかりました。質問なのですが、9ページの「イコールフィッティングに関する意見」のところは、「近隣の民間病院と同水準ないしは競合関係にある場合は、公が一定の財政支援を受けていることから、イコールフィッティングの観点を念頭におくべきとの指摘」という意見があったというのは、それはいいと思うのですけれども、具体的にどういう意味ですか。特に公立病院は莫大な税金を投入しているのです。税制優遇ももちろんあるし、何もない民間病院とイコールフィッティングの立場というのは、どうやって実現するのか。同じ条件だと、イコールフィッティングになりませんからね。どのようにしようと思っていますか。

○尾形座長 日野参考人。

○日野参考人 8ページをごらんいただきたいのですけれども、どのシチュエーションで出たかということを申し上げたほうがわかりやすいと思うので申し上げると、本県は5つの自治体病院があって、今のお話では、小城市民病院と多久市立病院の統合の話で出たわけであります。中部医療圏の中でも一番中心は県庁所在地の佐賀市なのですけれども、その西側に小城市と多久市という2市があって、それぞれに1個ずつ市立病院がある。ところが、同じ小城市の中に大体190床ぐらいの民間病院が1個あって、ここが2次救急も結構とっていらっしゃるようなのです。また、同じ小城市の中に100床ぐらいの民間病院があって、ここが、救急はたしかそれほどでもなかったと思いますけれども、急性期と慢性期をやっているというような形で、病床機能報告を見ていただければわかるのですけれども、だだかぶりしているのですよね。だだかぶりして、一緒になってまた強い病院ができたら一体これはどういうことだろうかという観点から、そういう御議論が出たと。

 この2病院については、統合が決定したわけではなくて、具体的には30年度以降、統合に向けた本格的な協議を開始するということになったので、このときの調整会議の落とし方としては、統合そのものの個別協議というのは両市でやるのだろうけれども、その中間だとか、節目節目で調整会議にきちんとかけてくれと。つまり、両市で決まりました、だから、これで調整会議は認めてくださいねという話ではなくて、中間段階からいろいろな議論をしましょうということで、今のところ、整理している形になります。

○中川構成員 今のお話だけを聞くと、小城市民病院は要らないのではないですか。そういうことなのですよ。そういう方向性に議論を持っていかないとだめだと思いますね。それでないと、イコールフィッティングにならないと思います。これは屋上屋を架して県民の莫大な税金を使っているわけですから。小城市民病院でないと担えない医療ではないわけですよね。そういう意味では、そっちの方向にぜひ頑張っていただければと。これは全国モデルになる可能性がありますので、頑張っていただきたいと思います。調整会議が非常に機能していて、例えば、私が評価するのは、県全体の調整会議をつくっていて、かつ、構想区域ごとに分科会という名前になっていますけれども、その調整会議があってというのは、非常に私はいいと思います。これはモデルにしたほうがいいなと思います。ありがとうございます。

 それと、高知県の説明ですが、回復期に物すごく苦労されていると聞きました。回復期が、不足しているのですか。不足しているという根拠は何ですか。

○尾形座長 川内参考人、お願いします。

○川内参考人 病床機能報告と病床の必要量との関係で不足しているという評価でありますが、急性期機能の中にも実質的に回復期的な機能を担っていると思われる医療機関も多いということ、それと、回復期病床の中でも回復期リハビリテーション病床の人口当たりの病床数を見ると全国平均を大きく上回っております。1位ではあります。ですので、そういう中で、今後、回復期機能への転換の補助制度を創設しておりますけれども、真に地域に必要な転換かどうかという観点で、地域医療構想調整会議で御議論いただくということにしておりますので、フリーハンドで回復期病床が不足しているという認識をしているわけではございません。

○中川構成員 お出しになった資料の11ページのグラフを見て、4つの構想区域の回復期のところを見ると、27年の報告、28年の報告、病床の必要量となっていますが、これは、去年、医政局から全国に通知を出してもらいまして、単純に比較して回復期が足りないのだという結論は慎重にしてくださいという紙を出しました。まさにこれはそれなのですよ。11ページのこのグラフの4つの区域の回復期が、病床の必要量が多くて報告が少ない。これを根拠に回復期が足りないのだと単純に言わない、結論づけないでくださいと言っているのですけれども、現場の感覚として、例えば、回復期のリハビリテーションが足りないというのなら実感としてわかるのです。患者さんがリハビリをするところがなくて待っている、ウエイティングをしているということだったらわかるのですけれども、単にこのグラフを改善しようとして、地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟をたくさん誘導して、そこで回復期だという報告をふやすということであれば、これは本末転倒だと思いますが、そうではないのですか。これは佐賀県の調整会議の考え方とかなり違うような気がします。責めているわけではないですよ。そう考えているなら早目に修正したほうがいいと申し上げたいので、聞いているのです。

○尾形座長 川内参考人、お願いします。

○川内参考人 御指摘のように、この病床の必要量との差を踏まえて、一概に回復期が不足しているという認識ではありませんし、昨年の厚労省からの通知も、各医療機関に通知をして、病床機能報告の際もこのようにいただくようにしておりますので、急性期として選択している病床の中にも、実質的に回復期的機能を担っている病床、病棟も多数あると思います。そこは数字上出てきていないところはあると思いますので、そこらあたりをあぶり出せるような分析を今後できればと思っておりますので、中川先生からの御指摘を十分に踏まえて今後は議論していきたいと思います。

○尾形座長 どうぞ。

○中川構成員 佐々木課長、これが実態なのですよ。だから、物すごく全国で苦労している。しなくてもいい苦労をしているのですよ。各4つの病床機能、特に最初の3つは、特に高度急性期、急性期は、治療過程に伴って必ず回復期に相当する病期を通過するのですから、そこを集計して病床の必要量としての回復期の数が出ているわけで、この辺は本当に抜本的に修正しないと、全国の県庁で余計な苦労をしているのです。これは何とかしましょうよ。本当にしなくてもいい苦労をする。これは大変なことですから、そして、補助金まで設定しようとしている。調整会議で、うちの構想区域は、例えば、リハビリテーション機能が不足しているというのはわかりやすいですよ。それは回リハ病棟をつくるべきなのですけれども、そうではなくて、例えば、高知の資料に書いてある地域包括ケア入院管理料とか、入院料とか、そういうものを算定する病院をつくって回復期と報告してもらおうというなら、これは筋が違うと思います。どうですか。

○尾形座長 佐々木課長。

○佐々木地域医療計画課長 今の御議論は、まさにこの1年近く議論してきていただいたことの話だと思っております。我々としては、通知を出すことによって明確化をして、特に大事な点としては、病床機能報告と診療報酬の連携がないことを明確にすることにいたしましたし、また、各都道府県の担当者の研修会においても、きちんと議論していただいて、そういったことが伝わるようにということは取り組んでいるところでございます。

 いずれにしましても、全体の機能としては、各4機能でこのぐらいのボリュームが要るということは決めていただいているところでございますので、それをどういう形で具現化していくかというところに、もう少しわかりやすく追加的にその情報を出していく必要があるということでございまして、今回、佐賀県さんや高知県さんにおいでいただいて御説明いただいているのも、実際の取り組みの中でどういう工夫をされているかというところを我々も共有して、参考になるようなものについては、できる限りほかの県に対しても提供していきたいと考えているところでございます。抜本的にというところはどこまで今すぐできるかというのはありますけれども、非常に重要な御指摘とは捉えているところでございます。

○尾形座長 中川構成員。

○中川構成員 最後に、佐賀県の係長さんに聞きたいのですけれども、調整会議が活性化しているようにお見受けするのですが、調整会議が活性化する、機能することで一番大事なことは何ですか。率直に教えてください。

○尾形座長 日野参考人。

○日野参考人 私の提出しております資料の12ページなのですけれども、「対話と信頼」に尽きるのだろうと思います。私が地域医療構想を担当していて最初のころに言われていたのは、役所の言うことは信用が余り置けない、ころころ変わるからとよく言われていたわけですよ。ただ、こちらに信頼感を持っていただかなければ、率直な議論にもならないでしょうし、そこの「対話と信頼」をどうやってつくっていくのかということに私は尽きるのではなかろうかと思います。

○中川構成員 いい意味で役所が調整会議をしっかりグリップしているわけですね。そうですか。

○日野参考人 基本的な論点整理とか、そういったことをこちらからさせていただくというのは当然だと思います。

○中川構成員 その調整会議の議長役の郡市医師会、県医師会が、例えば、あなたと非常にうまくいっているわけですね。

○日野参考人 それはそうだと思います。

○中川構成員 その辺がポイントで、そのためには、率直に言って、飲みニケーションとか、それも積極的に活発にやられているわけですね。それも大事ですからね。

○日野参考人 いろいろな意味での意見交換はさせていただいています。

○中川構成員 わかりました。ありがとうございます。

○尾形座長 織田構成員、どうぞ。

○織田構成員 なかなか本人は言いにくい部分があると思いますが、12ページを見ていただくと、実は調整会議以外に、2年間で50回以上、懇談会、研修会をやっているのです。その間、県のそういう真摯な姿勢をだんだんみんなが理解したということと、調整会議で闊達な意見が出るようになったということだと思います。そういう意味では、やはり飲みニケーションも含めて、県と「顔の見える」関係ができ、遠慮なく意見が言える関係が今はできているのだろうと思います。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 野原構成員、どうぞ。

○野原構成員 佐賀県さん、高知県さん、具体的な取組の御紹介をいただきまして、ありがとうございました。大変参考になりました。

 きょうは、高知県さんから具体的な提案があったのですけれども、この中身は都道府県の立場からすると非常に共感できる内容も含まれておりますので、厚労省さんにおかれましては、引き続き、地方からのこういった提言について、構想の実現に資するものについては、反映をしていただければと考えております。

 現在、各都道府県では、佐賀県さん、高知県さんと同じように、さまざまな工夫をしながら地域医療構想の取組を進めております。地域医療構想調整会議につきましても、それぞれの地域の実情に応じた柔軟な運営について御理解いただければと考えております。これは意見でございます。

○尾形座長 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 今村構成員。

○今村構成員 高知県さんにちょっと教えていただきたいのですけれども、介護医療院の条件が大分出そろって、今後、その状況を見て各病院が介護医療院に転換するのかどうか決めようという場面に来ていると思うのですけれども、今はこれから調整していくということですけれども、今後の見通しとして、介護医療院が今の条件だと高知県にどういう影響を与えそうかということがもしわかれば、御意見としていただければと思うのです。

○尾形座長 川内参考人、お願いします。

○川内参考人 ありがとうございます。

 昨年9月に療養病床を有する全ての医療機関に転換の意向の調査をいたしました。詳細なデータは、今、手元にはありませんが、その時点では、療養病床6,000数百床のうち、介護への転換意向の明確なものは500数十床にとどまっておりました。その後は、まだ現時点では調査をしておりません。年度が明けた段階でまた実施しようと思いますけれども、医療機関からの個別の相談などを聞いておりますと、方針が明確になったこともあって、おおむね介護医療院への転換、特に介護療養病床ないしは25対1からの介護医療院への転換を検討し始めているという声が多いと思います。

 ただ、一方で気になるのは、例えば、25対1から20対1への転換や、回復期などへのアップグレードの傾向も若干あるかなということ、また、介護療養病床から介護への転換も、一部医療療養病床への転換も検討されているというような話も聞いておりますので、介護医療院が介護療養病床の制度的な受け皿となるということが想定されますが、実際の検討の動きが、比較的高知県の看護職員の数が多いということもあって、そこの転換の動きについては、ちょっと注意が必要かなと考えております。

○尾形座長 今村構成員。

○今村構成員 ありがとうございます。

 受け皿になると思って制度はつくられているとは思うのですけれども、その受け皿になる反面、逆戻りするような効果もあれば、生む可能性があって、そこのところはまた動向を抽出していかなければいけないと思っていますので、ぜひまた進捗があったら教えていただきたいと思います。

○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。

 伊藤構成員。

○伊藤構成員 佐賀県の日野参考人にお尋ね申し上げますが、10ページの「イメージがわく」という「回復期の見通し」のところですけれども、これは大変にすばらしいアイデアでして、なかなか調整会議の議論が進まない中で、こういう形でイメージをもって分類をしていくと、とてもわかりやすくて、しかもこれはかなり進んでいくのではないかと思います。実態をもとに議論するというのはとても重要なことなのですが、ただ、1つ、この資料1-1の2ページにありますように、地域医療構想調整会議の進め方ということになりますと、毎年具体的な病院名を挙げて病院機能を決定していくという国の方針がございまして、このやり方でいくと、一部の機能だけを示していることから、いつまでたっても全体の構想会議の中で病院名を挙げて示すことはできないような気がするのですけれども、ここはどんな形で調整をするというか、2年後あるいは6年後には病院名を挙げて機能分けをすることに対して、どんなお考えで進められるかということを教えていただきたいのですが。

○尾形座長 日野参考人、お願いします。

○日野参考人 ストレートなお答えになっているかどうかはあれなのですけれども、11ページをごらんいただきたいと思いまして、今、考えておりますのは、要するに、全体がないとなかなかわからないのではないかという御指摘だったと思いますけれども、「個別方針」のところで、その他、今、例えば、要するに、2025プランをつくれたとか、公立病院改革プランをつくってきたところは出てきているけれども、そうではないところが出てきていない中で、なかなか全体像がつかみにくいというところがあるかと思います。そういったところもあって、「議論の整理」でもまとめていただいたとおり、私どももその他の医療機関についてとにかく対応方針を一旦俎上にのせようかと思っているのです。これは現場で話をいろいろ聞いている中で、すごくこの問題について関心が高くて、自分の病院をどうしようかということで、これを真剣に考えようと思っている経営者の方とそうではない方の落差というのでしょうか、結構温度差があるということをいろいろお伺いしたわけです。そうすると、整ったところから持ってきてくださいと言ったとしても、例えば、一生懸命考えていらっしゃる方が、自分の医療圏の中の別のこの病院と組んで何かをやりたいと思っても、この組みたいと思っているところが、まだ火が温まっていないというか、そういう状態だといつまでたってもかみ合わないわけですね。

 そういうことで、一旦2025年に向けた対応方針を平場でばんと出してもらおうではないかと。ただ、どこまで書き込んだものを求めるのかということと、それはこれが最終決定ではないですよみたいな位置づけをきちんとはっきりさせないと無理だろうとは思うのですけれども、そういったものを、とにかく30年度、本県の中でぱっと並べてみたい。それをまた構想区域ごとにお出しすることによって、いろいろな御議論をいただきたいなと考えているところです。

○伊藤構成員 わかりました。

○尾形座長 中川構成員。

○中川構成員 課長さん、褒めてばかりで、恐縮ですが、今度は褒めないのですけれども、今の11ページの「議論の整理」のところの「その他の医療機関について」というところは、民間の医療機関のことで、大きく機能を転換するときに出しましょうということですよ。今までどおりやるというものは出す必要はないのですよ。税金が入っていないのですから。それから、いろいろな優遇がされていないので。それと、同じところなのですけれども、10ページの真ん中ら辺の回復期とみなすことができる病床数、回復期に近い急性期の病床数、平均在棟日数22日超というここは気になりますね。これも、高知県と同じように、回復期病床が不足していると思っているのですか。

○日野参考人 まず、ここについては、回復期病床が不足しているかどうかというのを私どもが判断するわけではなくて、こういったものを数字として出して、調整会議の中で、皆さん、どう思いますかということをお出ししている。

 つまり、このことについては、我々のほうが結論を持っているわけではないのですよ。平均在棟日数が22日を超える急性期病棟の報告をしている中でも、平均在棟日数が22日を超えている病床数がこれだけありますと報告をいただいている。皆さん、これをどのように考えたらいいのでしょうかねみたいな話をしたときに、これは1つの病棟の中に確かに急性期から回復期まで連続しているから、長くなっても仕方がないよねと。そうすると、例えば、40床の病棟が丸々急性期と報告されていても、40床が丸々本当にがんがん急性期の人がいるわけではなくて、例えば、25人ぐらいが急性期の人で15人ぐらいが回復期の人なんだよということを現場の人から御意見をいただいて、そういったことを考えていくと、今、このエリアの中で一般的な回復期が直ちに不足しているという話ではないですよねという結論を得たときの参考資料ということです。

○中川構成員 わかりました。行政がちょっとグリップし過ぎかなという気がしますね。病床機能報告制度は、各医療機関が自主的に報告するので、例えば、急性期と報告した病棟に全て急性期の患者がいるなどというのは絶対にないという前提の報告なのです。ですから、平均在棟日数が22日以上の急性期というのはどうかという議論を行政から持っていくこと自体が、報告したらまずいのかななどと必ず思いますので、その辺はデリケートな部分ですから、お気をつけあそばせという感じです。

○尾形座長 関連しますけれども、この22日というのはどういうデータなのですか。

○日野参考人 これもどこで線を引こうかと思ったのですけれども、いろいろな方と事前にお話をしていく中で、基本的に、今、10対1のものが21日というところがあるので、プラス1日でとりあえず切ってもらおうかという話であります。

○尾形座長 織田構成員。

○織田構成員 先の話になってしまって済みません。資料3の6ページです。これは多分佐賀県の資料ですね。佐賀県はほとんど5060床の中小病院なのですね。例えば、脳外科などがメインの病棟はもっと長くても急性期という医療機関はおられるのですけれども、ほとんど地域に密着した急性期なのです。そういうことで、現在は急性期が6対4の割合でも、2025年にはもしかしたら4対6になるかもわからないねという一つの議論がベースです。その中で、各病院が考えてくれというのが今回の議論の始まりでしたよね。

○日野参考人 はい。

○織田構成員 以上です。

○尾形座長 ありがとうございます。

 ほかはよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。本日は、非常に貴重な御意見をいろいろいただいたと思います。事務局においては、引き続き、調整会議の進捗状況の確認をお願いしたいと思います。

 続いて、議題の2つ目であります「平成29年度病床機能報告の結果について(その1)」と3つ目の「平成30年度病床機能報告の見直しについて(その1)」を議論したいと思います。

 まず、資料2、資料3の説明を事務局からお願いします。

○鶴田課長補佐 事務局です。

 資料2から御説明させていただきたいと思います。「平成29年度病床報告の結果について(その1)」という資料です。

 1ページ、平成29年度病床機能報告の結果の概要を示しております。こちらに関しては、2月16日時点での状況を速報値として集計した内容になっております。今のところ、回収状況等で報告されている状況に関しましては、例年どおりということになっております。

 2ページ、こちらに関しては、病床機能報告272829と経年変化を整理した資料になります。こちらを見ていただきますと、全体的には緩やかな減少傾向にあります。4機能の構成割合については、例年のパーセンテージとしてはそんなに大きく変化はありません。絶対数としましては、回復期のところが約1万ぐらい病床数としてはふえているといった状況となっております。

 3ページ、病院に限定した資料になります。こちらのトレンドとしましては、基本的に横ばいという状況となっております。回復期のところの報告している病床数が絶対数としては増加している状況になっております。

 4ページ、診療所ですけれども、こちらに関しては、絶対数に関しては減少傾向にあります。

 5ページ、今度は開設主体別にどのような報告をしているのか。また、病床の稼働率がどのような状況になっているのかというものを整理した資料になります。開設主体によって特徴が一定程度見られるといった資料となっております。

 6ページ、病床機能報告においては、6年後の病床機能をどのようにするかということを報告していただくことになっているわけですけれども、開設主体ごとに、6年後、どの機能をどのようにふやしたり減らしたりしようとしているかというのを整理させていただいております。見ますと、回復期のところの病床機能、病床数の割合をふやそうとする、そういった傾向にあるかと思います。また、こちらに関しては、地域で過剰な病床機能に転換する場合は調整会議での協議が必要ということになっておりますので、今回の報告結果も踏まえながら、各都道府県において適切に調整会議で運用していただきたいと考えています。

 7ページ、こちらは足元で非稼働病棟と報告していた部分について、6年後、どのように取り扱うのか、そこの部分に着目して集計した内容になります。これを見ますと、多くの開設主体では、6年後までに非稼働病棟の一部を再稼働しようとする意向が示されているのが読み取れます。非稼働病棟に関しましても、再稼働をしようとする場合は調整会議での協議が必要ということになっておりますので、こちらの運用を各都道府県調整会議において徹底していただく必要があると考えているところです。

 8ページ、今度は特定機能病院に限定して、個別の医療機関ごとにどのように報告しているのかというものを整理した資料になります。特定機能病院については、昨年のワーキングで報告が高度急性期に偏っているといった議論がありましたので、今回、どのように報告しているかというのを個別の病院ごとに提示させていただいております。高度急性期を減らして急性期と報告するといった病院が一定程度見られるといったデータになっております。

 8ページ、9ページが、個別医療機関のリストです。

10ページ、昨年お出ししたデータになります。

11ページ、特定入院料等届出病床ごとの病床機能について、どのような状況になっているかということを、272829と経年で並べた資料になります。救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料など、これらに関しては、例年どおり高度急性期として報告しているという傾向が見られます。

12ページ、こちらは、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア入院医療管理料、地域包括ケア病棟入院医療の報告状況ですけれども、基本的には回復期として報告しているトレンドが例年どおりの傾向となっております。

13ページ、こちらに関しては療養病棟入院基本料等になるわけですけれども、基本的には慢性期として報告する。そういった傾向となっております。

14ページ、入院基本料等届出病床ごとの病床機能についてになりますけれども、7対1、10対1、13対1、15対1、いずれもどの機能に報告しているかの傾向に関しては、例年どおりという状況となっております。

15ページ、今度は、報告している病床、4機能に分けて、それぞれの報告している病棟の平均在棟日数の分布がどのようになっているのかというものを整理した資料になります。中央値に着目して見ますと、平成29年度につきましては、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の平均在棟日数の中央値は、9日、14日、55日、233日となっております。昨年の実績と比べると減少傾向となっております。

16ページ、昨年のデータを整理したものになります。

17ページ、これは4機能を積み上げてどのように病棟の平均在棟日数の分布となっているのかというのを整理した資料です。91日以上のところは省略をしております。

 資料2の説明については、以上です。

 続きまして、資料3の説明もさせていただきます。こちらは、平成30年度、次の病床機能報告の見直しについてという資料になります。

 平成30年度の病床機能報告の見直しに向けて整理が必要な論点として、2つあると考えております。一つは定量的な基準も含めた基準の検討、もう一つは平成30年度の病床機能報告における項目の見直し、この2つについて今後御議論いただきたいと考えております。

 2ページ、スケジュールになりますけれども、30年度の病床機能報告に反映させるためには、4~6月にかけて入念的な議論が必要だと考えておりますので、こちらについて引き続き御協力をお願いしたいと考えております。先ほどの2つの論点、それぞれについて資料をおつけしておりますので、そちらを説明させていただきます。

 3ページ、「1.定量的な基準も含めた基準の検討について」です。

 4ページ、医療機能の選択に当たっての基本的な考え方ですけれども、病床機能報告においては、病棟が担う医療機能をいずれか1つ選択して報告することになっております。実際の病棟にはさまざまな病期の患者さんが入院していることから、当該病棟でいずれかのうち最も多くの割合の患者を報告することを基本としているところです。こちらは、昨年度、整理していただいた考え方になります。

 5ページ、前半の議論でも回復期の議論があったわけですけれども、昨年9月29日に回復期の解釈について考え方を示させていただいております。4パラのところにありますけれども、現時点では、全国的に回復期を担う病床が大幅に不足し、必要な回復期医療を受けられない患者が多数生じている状況ではないと考えているが、病床機能報告の集計結果と将来の病床の必要量との単純な比較から、回復期機能を担う病床が各構想区域で大幅に不足している、そういった誤解をさせる状況が生じているという解釈をお示しさせていただいているところです。これに関しては、理由としましては、回復期は回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟に限定されるといった誤解をはじめ、回復期の理解が進んでいないことにより、主として回復期機能を有する病棟であっても、急性期機能や慢性期機能と報告されている病棟が一定数は存在すると想定されること、また、実際の病棟にはさまざまな病期の患者さんが入院していることから、主として急性期や慢性期の機能を担うものとして報告された病棟においても回復期の患者が一定入院し、回復期医療が提供されている。この2点から、単純比較をすると大幅に回復期が不足しているといった状況が生じているという解釈をお示ししております。このため、病床機能報告の集計結果と将来の病床の必要量との単純な比較だけで評価するのではなく、それぞれの地域医療構想調整会議において、地域の医療機関の診療実績や将来の医療需要の動向について十分に分析を行った上で、回復期機能の過不足の状況を見きわめていただきたいといったことをお示しさせていただいているところです。

 6ページ、こちらは先ほどの前半で佐賀県さんからとても丁寧に御説明していただいております。回復期の充足度をどのように評価するかというときに、佐賀県さんでは、先ほど御説明があったように、病棟単位の報告である病床機能報告の制度的限界を補正するというところで、ここでは、病床機能報告における急性期・慢性期病棟のうち、病床単位の地域包括ケア入院管理料算定病床数、こういったものを既に回復期相当とみなすとか、先ほどの施設整備というところでタイムラグを補正するとか、回復期に近い急性期に関して平均在棟日数が22日というものを、一定程度、資料としてはお出しした上で調整会議で御判断いただく、そういった運用をされている。先ほどの前半の御説明のとおりかと思います。

 7ページ、こちらも奈良県さんに1026日に報告していただいている内容ですけれども、奈良県さんの場合は、急性期と報告される病棟のうち、重症急性期、軽症急性期と2つに区分をして、機能の明確化をする。そのときの運用の仕方として、手術件数と救急入院件数、こういったものに着目しながら区分するといった取り組みというものを実施している。そのように伺っているところです。

 8ページ、こちらに関しましては、議論の整理の中で既に整理されている内容でありますけれども、急性期と報告している病棟のうち、急性期らしい医療を実施していない病棟が一定程度ある。

 9ページ、そちらに関して、今回の29年度のデータを用いまして、高度急性期・急性期病棟と報告している病棟のうち、急性期らしい医療を全く提供していないとデータ上は見られる、そういった病棟が一定程度ありますので、こちらに関しては、地域医療構想調整会議の中で各都道府県において御確認いただくことが必要になろうかと思っているところです。

10ページ、定量的な基準も含めた基準の検討の論点として、1つ目の○、繰り返しになってしまいますけれども、病床機能報告においては、病棟が担う医療機能のいずれか1つを選択して報告することとしており、実際の病棟にはさまざまな病期の患者が入院していることから、最も多くの割合を占める病期の患者に提供する医療機能を報告することを基本としています。平成29年度の病床機能報告の結果においては、28年度の病床機能報告の結果と同様に、病床機能報告の集計結果と将来の病床の必要量とを単純に比較すると、回復期機能を担う病床が各構想区域で大幅に不足しているとの誤解を生じさせる状況が続いており、病床機能報告制度の改善を図る必要があります。3つ目ですけれども、一部の都道府県では、回復機能の充足度を評価するために、平均在棟日数を活用したり、施策の対象となる医療機能を明確化するために、救急患者の受入件数とか手術件数を活用する、そういったことを行って、各構想区域における地域医療構想調整会議の議論の活性化につながっています。また、平成29年度の病床機能報告の結果においても、高度急性期、急性期と報告した病棟のうち、急性期医療を全く提供していない病棟が一定数含まれることから、調整会議において、その妥当性を確認する必要があります。これらを踏まえまして、1つ目の○ですが、都道府県の取り組みなどを参考にしながら、定量的な基準も含めた基準を具体的に検討してはどうか。2つ目ですけれども、高度急性期または急性期機能と報告した病棟のうち、急性期医療を全く提供していない病棟について、地域医療構想調整会議での議論の状況を、今後、国としても確認していってはどうかということを論点として提示させていただいております。

30年度の病床機能報告における項目の見直しについてです。

12ページ、これまでの経緯を整理させていただいております。平成26年7月24日に取りまとめていただいております「病床機能情報の報告・提供の具体的なあり方に関する検討会の議論の整理」の中では、医療機関が報告する具体的な報告項目については、病床機能報告制度の施行状況及び地域医療構想の進捗を踏まえて、必要に応じて項目を追加するといった整理がされております。実際、平成28年度、29年度と、病床機能報告の改善に向けた報告項目の見直しといった観点と、診療報酬改定を途中に挟んでいますので、それに伴う修正等を行っているところです。

 「平成30年度診療報酬改定に伴う報告項目の見直しについて」ということでまとめさせていただいておりますけれども、今回の改定におきましても、その改定の名称が、例えば、「褥瘡評価実施加算」が「褥瘡対策加算」とか、名称が変更になっているものもありますので、こういった名称変更とか、下にあります「入退院支援の推進」ですと、ア~ウ、エ、オ、カ、キ~ケとなっている項目が、間にエ、オが追加されるといったことが改定で行われていますので、こういったものに対して対応する必要があるということを13ページ目でお示ししております。

14ページ、自治体の取り組み、データの分析の仕方の一例ですけれども、こちらに関しては、特定の地域においてどこの病院で入院している患者さんが多いのか、そういったデータをお示ししながら、市町村からすればどこの医療機関と連携すればいいのかということがわかりやすくなるような、そういった資料の示し方、分析の仕方を提示しているところもあります。

15ページ、平成30年度の病床機能報告における項目の見直しに係る論点ですけれども、医療機関が報告する具体的な報告項目については、診療報酬改定を踏まえた対応、病床機能報告の改善に向けた対応の観点から、28年度、29年度と見直しを行ってきています。今般の30年度の診療報酬改定を踏まえて、報告項目の名称の変更とか、項目の見直しとか、そういったものに対応する必要があります。また、一部の都道府県では、地域医療構想の達成に向けて、調整会議の議論が活性化するように、独自の分析を行っており、有用な分析については普及を図っていく必要があろうと考えています。これらを踏まえまして、病床機能報告の改善に向けた対応の観点から、都道府県の取り組みを参考にしながら、地域医療構想の達成に向けて有用な項目の追加を検討してはどうでしょうか。具体的な項目については、今後のワーキングの中でさらに御議論いただきたいと考えているところです。

 事務局からの説明は以上です。

○尾形座長 ありがとうございました。

 資料2と資料3を一括して御説明いただきましたが、議題が2つありますので、まず、議題の2つ目の「平成29年度病床機能報告の結果について(その1)」を議論したいと思います。資料2につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。

 中川構成員。

○中川構成員 病床機能報告制度はそもそも何のためにあるのですか。お答えをお願いします。

○鶴田課長補佐 地域医療構想の達成に向けて、それぞれの地域で病院がどういう医療機能を持っているのかということを報告していただいて、関係者の方々の中でしっかり共有すると。

○中川構成員 ありがとうございます。

 そうなのですけれども、例えば、資料2の8ページ、9ページを見てください。報告マニュアルに、特定機能病院、特に大学病院本院であるからといって、全病棟を高度急性期と報告しないでくださいねと毎回書いていますよね。医学部長病院長会議でも言っているし、やっていますけれども、これを見てください。固有名詞を言いますけれども、例えば、筑波大学附属病院、横浜市立大学附属病院、先祖返りして全部戻しているではないですか。あとは、高知大学医学部附属病院、せっかく前回正しい報告になったと思ったら、逆に京都府立医科大学は844床を急性期にしているのです。高度急性期ではなくて。非常に正しいですよね。ですから、何を言いたいかというと、病床機能報告制度を過大評価してはいけないのです。大体の傾向だと見なければいけないと思いますよ。

 資料3で、定量的な基準も含めてという議論は今までもしましたよね。そのときには、9ページにあるように、定量的という意味では、外れ値は調整会議に呼んで事情を聞くというようなことをしましょうということは合意しました。ここの9ページの全国の2万1,262病棟のうち3,693病棟、17%も、どこからどう見ても高度急性期でも急性期でもないと見えるわけでしょう。この報告の仕方を見直してもらえば、余りにも急性期が突出しているというのがかなり改善されるのではないですか。病床機能報告制度の当初の目的は、その程度なのですよ。だから、がちがちに定量的な基準を導入して、報告制度を自主的に報告する自由度を少し低める、制約するということになったら、これはまた趣旨が大幅に変わってくる。例えば、仮にですけれども、急性期でない病棟が急性期と報告して何か問題はありますか。何か変わりますか。医療事情、医療提供体制とか、患者さんに対してとか、急性期でもない患者さんに急性期の治療や何かをして診療報酬を請求するなんて、まさか思っていないですよね。どうも定量的な基準を導入するべきだという人たちの中で、必要のない治療をするのではないかと思っている人がいるような気がするのですが、そんなことはないですか。

○尾形座長 資料3のほうの議論に入ってしまっているので。

○中川構成員 済みません。これは関連するのです。

○尾形座長 とりあえずお答えいただきましょうか。

○鶴田課長補佐 病床機能報告自体は、地域医療構想調整会議の中でそれぞれの医療機関が、実態、今、足元はどのような機能を担っているのかということを適切に報告していただいて、それを共有することによって調整会議の議論が進んでいくと思っておりますので、できる限り関係者の皆さんが同じ頭というか、考え方で、同様の報告をしていただく、そういった制度の改善を図っていく必要があろうかと思っています。実際に、現状でも報告をするときに、急性期と報告するのか、回復期と報告するのか、報告しづらいという声も実際にあろうかと思いますので、そういったものに対して一定の目安をちゃんと示して、最終的には病床機能報告制度は自主的な報告ですので、そういった一定の定量的な目安に従って報告をしていただくということは、制度を改善する上では必要ではないかと思います。

 また、中川先生がおっしゃられた、医療をしているときに無駄な医療をするどうこうという話に関しては、基本的にはお医者さん方は患者さんに対して必要な医療を日々提供されていると思っておりますので、そういった医療を提供している中で、地域の中でちゃんと連携が進むように、病床機能報告制度がわかりやすく報告されるように、どう制度の改善を図っていくのか、そういった論点が非常に重要かと思っております。

○尾形座長 中川構成員。

○中川構成員 定量的な基準ということに関しては、特定入院料と外れ値、これに関しては、私はある程度了解します。それ以外に、それ以上に定量的な基準を導入するということに関しては、現時点では反対です。

○尾形座長 資料3のほうの議論にも入っているので、一括して、資料2、資料3、あわせて御質問、御意見を承りたいと思います。

 織田構成員。

○織田構成員 病床機能報告制度と病床の必要量は整合性をとるというのは難しいと思うのです。片や病棟単位で見ていますし、片や病床でしょう。4ページの資料を見ても、例えば、急性期でこの病棟を報告すると、この病棟の病床は全てが急性期に変わってしまうわけです。先ほど佐賀県のことでも言いましたけれども、6ページを見ていただいて、実際に何で22日にしなければいけなかったといったら、これは結果的に急性期病棟で報告するとこの回復期のところも全部急性期に変わるのです。

 そういう意味では、病床の必要量と整合性をとるというのは難しくて、何らかの目安を取らざるをえないところがあるのです。ですから一応22日を目安として出しているのですけれども、あくまで目安として各病院に考えてもらうようにしたのです。本来は病床の機能報告制度において、例えば、急性期で報告していても、その内3~4割ぐらい急性期を脱した患者さんがいるとか、そういうものをつけ加えさせるとか、そういうものにしないと、定量的なもので病棟ごとを変えさせてしまうことになりかねないのではないかと思います。

 特に急性期のみで出している病院といったら、全国で1,400病院以上がありますよね。その急性期のみで報告している病院の平均病床は87病床だったと思いますけれども、要するに、病棟が1つか2つしかない病院は、結果的には、さっきの6ページの病棟のように実際は急性期、回復期が混在していても、急性期で報告した場合、全部急性期に変わってしまうのです。1病棟しかないから、そこら辺は非常に難しいのです。急性期か回復期かと言われても、判断できないのです。ですから定量的なものを持ってこられると、さらに混乱しますので、病床機能報告で急性期を選択しても、追記により回復期の患者を何割くらい抱えているのかわかるようにすべきではないかと思います。

○尾形座長 中川構成員。

○中川構成員 織田先生、平均在棟日数22日という、これは物すごく危険ですよ。平均在棟日数21日以内でないと急性期と報告できないのだなどとみんな思ってしまいますよ。だから、こういうものはちょっと慎重にしなければだめだと思います。

○織田構成員 先生がおっしゃるように、このライン引きというのは、さっきも話をしたように、これぐらいかなと言わざるを得なかったのです。実際に病棟の機能を選ぶ時に、病床の必要量と整合性をとらせるという方向で、国が進んでいるように調整会議の構成員はどうしても見ているわけですよね。我々はそう思わなくても、調整会議の構成員はみんなそう考えてしまうのです。だから、ぜひ定量的なものを入れないと明確にしてもらえれば、ここら辺はもっと自由な議論ができるようになるのだろうと思います。

○尾形座長 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 私は、これまでも定量的基準を入れたほうがいいということを申し上げているのですけれども、先ほど中川構成員がおっしゃっているとおり、この病床機能報告制度の29年度を見ますと、これまでと同じ傾向で、2025年に向けて回復期機能がどの程度不足しているか、これでははっきりしないという意味では全く同じに思っております。構想区域によっては不正確な現状認識で将来を見据えた議論が行われている可能性もあると思いますので、このままでは公表情報を目にした地域住民や患者も現状を誤認しかねないということはあるかと思います。これまでも、先ほど申し上げたとおり、私は定量的基準の必要性を申し上げてきておりますけれども、今、申し上げたような理由から、都道府県の取り組みを参考に、定量的な基準の検討を私は進めてほしいと思います。

 ここの例で出ておりますけれども、奈良県と佐賀県の事例はいずれも現場の理解と納得を得た上で活用されている点に着目すべきであって、こうした取り組みは他の都道府県においても大いに参考になるのではないかと思います。

 今後の検討におきましては、これまでのように病床機能報告等の既存のデータから検討に資する分析結果なども示していただきたいと思います。いずれにしても、医療機関が自身の立ち位置を知って、客観的にそういったことを知って、自主的に病棟機能を判断する際の参考となる、そういった定量的な基準については、データの正確性を向上させるためにも必要であると思っております。

○尾形座長 ほか、いかがでしょうか。

 中川構成員。

○中川構成員 これを言うのは100回目ですけれども、地域医療構想は不足する病床機能の手当てをする、それのみですからね。何でこんなに全国の都道府県が苦労しているのかというと、みんな過剰な病床機能を減らさなければならないのだと思っているのです。法的にも、そんなことはできないのです。絶対にできないのです。自主的にやるしかないのですよ。行政がグリップしてはいけないし、してもできないのです。2025年の病床の必要量よりも既存病床が多ければ、病床が余るだけなのです。余った病床は何か悪いことをしますか。医療費も発生しない、公費も使わない、保険料も使わない、患者一部負担も使わない、総務省からの補助金もこれからは稼働病床にしか出ないのですから、悪いことは何もないではないですか。使わない病床が発生することに何でそんなに過敏になるのかと、私は改めて言いたいです。

○尾形座長 佐々木課長。

○佐々木地域医療計画課長 今の点でございますけれども、これは少し丁寧な我々の資料の提供とか議論をさせていただく必要があるのですけれども、使わない病床、今、御指摘のありました、必ず病院が使わないということであれば、確かに問題ないと思うのですが、今の制度上、逆に医療法の許可を得ていて厚生局等に届出をすれば病床が使えるということになりますので、そういう意味では、地域できちんと議論をしていただいて、医療施設、医療スタッフともに貴重な資源ですから、地域にとって必要な形に転換をしていただくというか、そのまま放っておいたらいいということではないのかなと思います。

 多分おっしゃりたいことと私の言っていることは余り変わらないと思いますけれども、地域にとって必要な体制に変わっていただくというか、そういうことは必要かと思いますので、我々は今回の定量基準のことに関しましても、先ほど来、各都道府県で非常に調整というか議論に苦慮しておられますので、いろいろな意味でもそういった議論を活性化するなり、よりこの議論がきちんと進められるような情報提供をしっかりしていかなければいけないという視点でやっておりますので、正直に申し上げて、47都道府県47通りのやり方があるのだと思いますが、いろいろな角度で情報提供をして、よりその議論が進んでいくようにしていきたいということでございます。この議論はきょうでどうこうということではなく、引き続きぜひ御議論を続けていただきたいと思っております。

○尾形座長 本多構成員。

○本多構成員 10ページの2つ目の○ですが、幅広い手術や重症患者の対応、救急医療の実施といった項目につきましては、住民や患者目線で見ても急性期らしい医療だと思いますので、こうした項目を実施していないのに急性期機能を担っていると報告された病棟について、調整会議でどのような議論が行われたのかは、ぜひ確認して報告していただきたいと思います。

○尾形座長 要望として承っておきます。

 ほか、いかがでしょうか。

 伊藤構成員、どうぞ。

○伊藤構成員 資料3の8ページですけれども、具体的な医療の内容に関する項目の分析方法というところで、地域医療構想調整会議で機能について確認をしろと書いてありますが、ここで示されているような、AもBもCもやってないという、該当あり・なしというところの資料はどういう形で提供されたか教えていただきたい。現場でこういう資料を見たことがないものですから、よろしくお願いします。

○尾形座長 事務局、お願いします。

○鶴田課長補佐 資料3、9ページ目のところで、対象となる、これはオールジャパンで2万1,262病棟となっているわけですけれども、そこから幅広い手術の実施状況とか、がん・脳卒中・心筋梗塞等への治療状況とか、こういった右側に書いてある項目がいずれも該当していない、もしくは、ここの項目を報告していない、そういったものを国で集計して、そのデータを都道府県にフィードバックをしようと思いますので、実際、先行して28年度データからやった都道府県もあるかもしれないですけれども、29年度データからは我々としても通知を発出して、このデータに関してもどの医療機関がそこに該当しているのかということを、改めて我々から県に提供するようにしますので、30年度の議論に関しては、国から提供したデータ、リストに基づいて、それぞれの都道府県、調整会議において御確認いただければと考えているところです。

○伊藤構成員 それは個別の病棟といいますか、医療機関ごとのデータが出るということですね。

○鶴田課長補佐 はい。

○尾形座長 よろしいですか。

 ほか、いかがでしょうか。

 今村構成員。

○今村構成員 定量基準の検討についてちょっと御意見をと思うのですけれども、定量基準があったほうがいいとは思うのですけれども、なかなか難しい面がたくさんあって、1つの定量基準に集約していくというのは難しいと思います。実際、自分がいろいろな定量基準をつくってみて、中でもさまざまな議論をさせていただいて、最初、どんな定量基準でも出したら物すごく怒られるのですよ。そのうち、それを何種類か出していっていると、だんだん信頼関係が出てきて、信頼関係が出てきたら、何種類かある定量基準のうち、これをベースに考えましょうという議論が進んでいって、そのうちその地域にとって一番いい指標を意見として集約されていって、それをベースに議論が進んでいくということだと思うのです。だから、1つに最初から決めていくというのは難しいのではないかと思うことと、地域そのものでの議論が活性化するように誘導していってあげる必要があると私は思います。

○尾形座長 ありがとうございました。

 中川構成員。

○中川構成員 今の今村先生の意見には、がっかりしました。私がこれだけ申し上げたことを御理解していただけないのですね。そんなにいろいろな基準をたくさんつくって、好きなものでいい、その地域に合うものを使いましょうなんて、それだったらこの仕組みというのは全くだめになりますよ。何のために報告制度にするのか、そこから議論を始めましょうよ。

○尾形座長 先ほど佐々木課長からもお話がありましたように、この議論はきょうで終わりということではなくて、引き続き行いますので、きょうはそろそろ時間になってきましたので、この辺でまとめたいと思います。

 まず、平成29年度の病床機能報告の結果の分析については、引き続き事務局にお願いしたいということと、平成30年度の病床機能報告の見直しについて、今後、特に定量的な基準等について、先ほどから御議論が出ておりますが、引き続きここで検討をしてまいりたいと思います。

 最後に、全体を通してでも結構ですが、何かございますでしょうか。

 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 先ほど資料3の15ページの論点に関してですが、地域医療構想の達成に向けてこういった有用な項目が追加される方向で検討されることについては、賛成いたします。それだけではなくて、先ほど高知県からも、いろいろ御指摘がありましたが、調整会議の議論の活性化につながる分析手法についても都道府県間で共有できるよう、国から都道府県に対して情報提供等の支援を継続的に行ってほしいと思っております。

○尾形座長 ありがとうございました。

 それでは、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。

 最後に、事務局から何かありますか。

○田丸課長補佐 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いします。

○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループはこれまでとさせていただきたいと思います。

 どうも長時間にわたる御審議ありがとうございました。


(了)
<照会先>

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直通電話:03-3595-2194

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