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2018年10月31日 第18回診療報酬調査専門組織・医療機関等における消費税負担に関する分科会議事録

○日時

平成30年10月31日(水) 9:58~11:15

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)
 

○出席者

荒井耕分科会長 野口晴子委員 吉村政穂委員 川原丈貴委員 吉森俊和委員 幸野庄司委員
伊藤参考人 間利子晃一委員 田中伸一委員 中川俊男委員 松本純一委員 猪口雄二委員 
伊藤伸一委員 三井博晶委員 森昌平委員 折本健次委員 五嶋淳夫委員
<事務局>
樽見保険局長 山本審議官 森光医療課長 樋口保険医療企画調査室長
古元企画官 田宮薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

1 配点方法等の見直しについて

○議事

 

○荒井分科会長
若干時間はまだ早いですけれども、全員そろいましたので、ただいまより、第18回「診療報酬調査専門組織 医療機関等における消費税負担に関する分科会」を開催いたします。
まず、委員の出欠状況について御報告します。
本日は、榊原委員が欠席です。
なお、平川則男委員の代理として、日本労働組合総連合会、総合政策局生活福祉局長の伊藤彰久氏が御出席されております。代理出席の場合、事前に分科会長の承認を得た上で、当日、分科会の承認を得ることにより、参考人として議論に参加いただくこととしておりますが、皆様、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○荒井分科会長
それでは、代理出席を認めることとします。伊藤さん、よろしくお願いします。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○荒井分科会長
それでは、議事に入らせていただきます。
まず「配点方法等の見直しについて」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、事務局から資料の説明をお願いします。
○樋口保険医療企画調査室長
保険医療企画調査室長です。
まず、本日から消費税分科会につきましても、ペーパーレスで行うこととしておりますので、皆さん、席上のタブレットをご覧下さい。サポート職員も配置させていただいておりますので、必要に応じましてお声がけいただければと思います。
資料でございますが、診調組の税-1「配点方法等の見直しについて」の資料を見ていただければと思います。
2ページ目からスタートでありますが、前回の消費税分科会で、補てん状況の結果につきまして、要因分析と個別の論点を示させていただいていたところであります。本日は、それぞれの論点につきまして御議論いただければということであります。
最初に、歯科に係る補てんにつきまして説明しております。
左上の表にございますように、前回の2014年度改定時の補てん項目につきましては、歯科初診料、再診料、そして訪問診療に乗せていたということでございます。これは、歯科の各医療機関に共通した報酬であることや、消費税対応分を簡潔かつ明確にする観点から、原則として初再診料に配分することとされたというものでございます。次回の改定に当たりましても、基本的にはこのような考え方を踏襲することでよいかということでございます。
なお、前回お示しさせていただきましたけれども、算定回数の見込みと実績に乖離があったということで、これについては、次回、補てん点数の設定に当たりまして、直近の通年実績のNDBデータを使用いたしまして、より適切な配点を行うこととしたいと考えております。
3ページ目の調剤の補てんにつきましても同様に、左上に前回の改定時の補てん項目を挙げさせていただいております。調剤基本料に1点、その他調剤料の加算といたしまして2~20点の点数を設定しているということでございました。
これも各保険薬局に共通した報酬であることや、消費税対応分を簡潔かつ明確にする観点から、原則として調剤基本料に配分することとされたということでありますが、今回の改定に当たりましても、基本的にこのような考え方を踏襲することでよいかということであります。
算定回数の見込みにつきましては、先ほどと同様、直近の通年実績のNDBデータを使用することで、適切な設定にしていきたいと考えております。
4ページ目以降が、医科の関係でございます。
まず、入院料の配点につきまして、課税経費率は、前回の論点でお示ししておりましたものでございますけれども、上に点線で囲っております。看護配置による区分をしないで設定していたということでございますが、これをより細かく見ていくといったことは考えられないかということで、論点で挙げていたものでございます。
これにつきましては、次の5~7ページに表を用意させていただいております。まず、5ページの表に基づきまして御説明したいと思います。
前回の設定につきましては、表の左側の青いところでございますが、一般病棟入院基本料でございますと、課税経費率は、そのときに直近で得られた27.9%を設定しておりました。それぞれこういった形で、看護配置基準等に応じたものではなくて、それぞれの入院基本料につきまして平均値をとっていたということでございます。
これにつきまして、その右側の黄色い欄でございますけれども、看護配置基準ごとに課税経費率を見ていけばどうなるかを挙げさせていただいております。それぞれこの中には、サンプル数が一定程度あるものもございますが、例えば、一般病棟入院基本料であれば、上から見ていくと、27.8%、28%、26.4%、30%、32%という形になっておりまして、特定の傾向は見られないということではないかと考えております。
こうした中で、看護配置基準ごとに見ていくのか。その際は、一定のサンプルがどれ以上あるものについて見ていけばいいかが議論になってくると思いますし、一方で、従来と同様、平均的な課税経費率で見ていくべきかが、さらにまた論点になってくるということだと考えております。
ただ、この課税経費率ですけれども、それぞれ一般病棟入院基本料が算定されている一般病院の課税経費率をとってきているということでございまして、つまるところ、その病院の中には、例えば、療養病棟の入院基本料を算定されたり、精神病棟の入院基本料を算定されている部分も含まれる数字でございます。
そういう意味で、例えば、一般病棟入院基本料のみ算定されている病院だけで課税経費率を見てみたのが、一番右側のオレンジ色のデータでございます。
これを見ていただけるとわかりますように、サンプル数の減少が大きいということでございまして、病院の中では、このようにそれぞれの複数の病棟の入院基本料が算定されているというケースが多いという実態を物語っているということだと考えております。また、課税経費率につきましても、特定の傾向は見られないということでございます。
一方で、先ほども申し上げましたように、複数の病棟の入院基本料が算定されているということでございますので、それぞれの区分の見直しをしてみてはどうか。そうすることで、より実態に近いものにならないかということを検討しまして、見直してみたのが次のページでございます。6ページの表をごらんいただければと思います。
まず、上の2つは一般病院の一般病棟入院基本料と療養病棟の入院基本料の姿ですが、これは病院全体の中で、療養病床の数が6割以上と6割未満で分けてみたということでございます。これは医療経済実態調査上の分け方でこういったものがございましたので、これを参考に分けさせていただきました。
具体的には、療養病棟入院基本料の課税経費率の23.3%というのが、療養病床が6割以上ある病院の数字でありますし、その上の一般病棟入院基本料で27.9という数字になっておりますのは、6割未満のところをとってきているということでございます。
また、真ん中の精神病棟入院基本料のところは、従来は一般病院の中で精神病棟入院基本料を算定されている病院のデータをとっておりましたけれども、ここでとっておりますのは、精神科病院の精神病棟入院基本料の数字を課税経費率で見てみたものでございます。こういった数字を見ることで、より実態に近い設定ができるのではないかと考えております。
続きまして、7ページのその他の入院基本料でございます。
例えば、結核病棟入院基本料や専門病棟入院基本料等ございますが、これは従来と分類の見直しはしておりません。サンプル数が一定以下でありますので、例えば、結核病棟であれば、平均的な課税経費率を適用する、もしくは一般病院全体の平均の課税経費率を適用するという従来の考え方でやっていくこととしてはどうかと考えております。
今、るる御説明した内容につきましては、8~10ページに文章で記載しております。
次の論点でございますが、11ページをごらんいただければと思います。
前回の論点で、課税経費率や算定回数の変動だけでは補てん率の説明が難しいものがございました。これにつきまして、病院の収入における各入院料のシェアを前回は考慮していなかったということがありましたので、これを考慮してはどうかということを論点だけお示ししていたものでございます。
具体的には、11ページの絵に描いておりますけれども、病院収入における入院料のシェアを緑色の破線で書いております。「イ/ア」という部分の割合が、病院の種別に応じまして違いがあるということでございますけれども、そこの考慮がされていなかったということでありまして、そこを考慮していきたいということであります。
具体的な内容は12ページからでございますが、まず、入院料の財源の配分につきましては、前回からも御説明いたしておりましたけれども、この白抜きのところの3番です。以下の病院の入院料間での財源配分につきましては、入院料ごとの医療費シェアと課税経費率を掛け合わせたものの大きさに応じまして、財源配分をしてきたということでございます。
入院料ごとの医療費シェアにつきましては、その下に説明を少し書かせていただいておりますけれども、入院医療費に対して当該入院料が占める割合ということで、算定回数と点数と10円を掛けたものを医療費で割ったものに応じて配分された財源を、最終的に算定回数と点数に応じて具体的な配点をしていたということであります。つまり、結果として課税経費率のみを考慮して実際の配点をしていたということでありました。この辺を図にしてお示ししたものが13ページになっておりますので、そちらのほうを見ていただければと思います。
この資料の右上に、精神科病院の例と特定機能病院の例を挙げさせていただいておりますけれども、精神科病院の例でありましたら、左側の費用のところの課税経費率は前回は25%というデータがございました。一方で、特定機能病院は課税経費率が32%ということでございました。
これの大きさ、比に応じて、右側の補てん項目の設定をしていたということでありまして、青いところが再診料で、これは診療所で決定した初再診料を適用したということでありますが、薄い緑色のところが入院料でございます。
ごらんいただいているこれはイメージ図でございますけれども、精神科病院のシェアと特定機能病院のシェアでいうと、精神科病院のほうが収入におけるシェアが大きい。特定機能病院の場合は、それ以外のさまざまな特掲診療料がさらに算定されるということがございますので、全体に占める入院料のシェアという意味では小さいということでございますが、その点にかかわらず、課税経費率の比に応じまして、精神科病院であれば1.6%、特定機能病院では2.1%の割合で、入院料に消費税の点数をつけていたということであります。
結果として、この図の下に不等式で絵にしておりますけれども、収入に占める入院料のシェアが大きいところのほうが補てん率が高くなる。逆に、収入に占める入院料の割合が低いところは補てん率が低くなるという結果になっていたということでありますので、今回、これを改善したいということであります。
14ページに、今、御説明したようなことを文章で上のほうに書かせていただいておりますけれども、絵のほうでいいますと、右下の精神科病院でありますと、入院料のシェアは、薄い緑色のところが入院基本料をあらわしておりまして、紫のところが特定入院料でございますが、精神科病院は16%と31%というシェアになっておりますし、特定機能病院であれば13%と5%で、これに応じて配分するということです。
具体的には、左側の課税経費率と消費税率の割合を掛けたもので、この絵でいいますと、精神科病院であれば、25%というものと、従来、5%から8%に引き上げた分を再調整するところと、来年10月に向けまして2%上がるものを合わせて5%がございましたので、それを掛けた1.2という数字の部分に応じて、つまり、ここのオレンジ色のところの面積に応じまして、右側の診療報酬の補てんの面積が同じようになるように配点をしていく。そうなるように、収入の横に矢印で引いております補てんの割合を設定していきたいということであります。具体的に、入院基本料と特定入院料の補てん幅の決定方法の詳細につきましては、今後、さらに検討したいと考えております。
続きまして、15ページの初再診料と入院料の配分につきまして、論点として挙げさせていただいておりました。
前回の対応といたしましては、まず診療所に配分される財源につきまして、ほぼ全額を初再診料に配分する。それに応じて病院の初再診料も決まるものでありますので、病院に配分される財源の中で病院の初再診料の部分も決まり、残った分を入院料に上乗せすることとしておりましたが、この点につきまして、何らかの工夫をすることは考えられないかということでございます。
下に3つ挙げておりますけれども、その2つ目でございます。
一つの調整の方法としては、初再診料を病院と診療所で変えることが理論的にはあり得るのかもしれませんけれども、これまでの議論といたしましては、患者の納得、わかりやすさなどの観点から、診療所と病院の初再診料は同一にすることと整理されておりましたので、そういった方法ではない形で、具体的にどのように工夫ができるかということでございます。
その下に「具体的には」と書かせていただいておりますけれども、こういった見直しをしたいということであります。
まず、前回は診療所に配分される財源をほぼ全額、初再診料に充てることとしておりましたが、今回はまず、無床診療所につきまして、補てんが適切になるように初再診料を配分いたしまして、それで設定した初再診料を病院にも適用させまして、病院の初再診料と入院料の比率を変えて、入院料の割合を高めることとしてはどうかということであります。
次のページに、絵にしたものも記載しております。こういった見直しをしていきたいということでありますが、その影響につきましては、16ページの下にグラフを挙げさせていただいております。これは前回の分科会でもお示しさせていただいておりましたけれども、初診料、再診料の診療所と病院の算定回数をグラフにしたものであります。ごらんいただいてもわかりますように、病院の初再診料を若干変更することで、入院料に配分するものがふえないかということでありますが、真ん中のところに※で書かせていただいておりますけれども、算定回数は病院のほうが少なくて、規模が診療所に比べて大きくないということでありまして、この変更自体はやっていくべきだと考えておりますが、病院の財源に与える影響は一定程度にとどまるものだと考えております。
17ページですけれども、今まで御説明したような見直し、各論点における対応をしていくことによりまして、具体的には、まず補てん点数の設定に当たりまして、直近の通年実績のNDBデータを使用して、より適切な配点を行っていきたい。
また、課税経費率につきましては、直近の医療経済実態調査に基づくデータを使用する。実態に即したより適切な補てんを行う観点から、課税経費率の算出区分を、病院の入院料につきまして、例えば、療養病床の割合に応じて区分を行うといったことを指しておりますが、そういった見直しを行う。
また、病院の種別や入院料別ごとに入院基本料、特定入院料それぞれの収入におけるシェアが異なりますので、それぞれの収入におけるシェアも考慮して補てん割合を設定する。
また、病院における初再診料と入院料の比率を変えまして、入院料の割合を高めることが、全体として今まで御説明した内容になっております。
こういったことによりまして、今まで補てん状況の結果につきまして、要因分析をしてまいりましたけれども、補てん状況につきましてばらつき等が生じていた要因それぞれに対応する形になりますので、これの見直しによりまして、全体の補てん不足でありますとか、医療機関種別ごとの補てん率のばらつきは相当程度是正されると考えております。
18ページでありますけれども、今まで御説明したところで、まだ御説明していなかったところとしては、「個別項目」への補てんをどう考えるかということでございます。
これにつきまして、18ページの下の【過去の整理等】からまず挙げさせていただいておりますけれども、従来の議論を改めて御紹介させていただきますと、前回対応した25年の9月のときに、議論の中間整理が行われておりましたけれども、このときは透明性、公平性の観点からと、あとは高額な投資に一定の配慮をするという観点から、基本診療料への上乗せによる対応を中心としつつ、「個別項目」への上乗せも組み合わせる形で対応することを基本とするとされていたところであります。
ただ、その後のさまざまな議論を経まして、26年2月の中医協の総会におきまして、公益裁定ということで定まったものといたしまして、まず、高額投資への配慮の観点で、「個別項目」に設定することについては、どの「個別項目」にどの程度上乗せすればよいかを判断するのは、データの制約上、困難であるということ。
また、高額な投資が行われた時点が、消費税引き上げの前か後かによりまして、投資に係る消費税負担と診療報酬による補てんとの間に不整合が生じるという問題もあるという御指摘がございました。
次のページの4のところでございますが、結果といたしましては、基本診療料、調剤基本料に点数を上乗せすることを中心に対応し、個別項目につきましては、基本診療料との関係上、上乗せしなければ不合理となると思われる項目等に補完的に上乗せすることとされたということであります。これは、過去の経緯として御紹介させていただきました。
今回につきましてどうしていくかがその次の説明になっておりますが、まず、個別項目それぞれにつきまして、一つ一つの項目を検証していくというのは、項目が非常に多いということでありまして、やるとしても項目群で捉えて検証を行う必要があるということであります。
それぞれの項目群の収入に占める割合がどれぐらいかというところからまずは見ていこうということで、20ページにグラフを挙げさせていただいております。
見ていただけるとわかりますけれども、入院以外の項目でいいますと、検査と手術の占める割合が高かったということでございます。その他の項目につきましては、割合の規模も小さいということで、補てん項目とした場合における改善への寄与度は相対的に低いと考えられるのではないかということでございます。
また、この検査と手術につきましては、右上に変動係数、これは相対的なばらつきの度合いをあらわしておりますけれども、これを見ると、「検査」の占める割合は入院基本料等に次いで病院ごとにばらつきが小さい一方、「手術」の占める割合は病院ごとでばらつきが見られるということでございました。
ただ、21ページに続いておりますけれども、「検査」「画像診断」等の項目につきましては、結局のところ、DPCの対象病院におきましては、そのほとんどが包括点数の中に含まれているということでございます。こういうことになりますと、これらの個別項目への補てんによりまして、医療機関ごとの細やかな補てんを行うというのは、現実問題としては難しい。また、事後的に補てん状況を把握することも困難になると考えております。
そういう意味で、DPC病院で包括化されていない手術の項目についてはどうかということを書かせていただいておりますが、まず、課税経費率との相関関係などを見てみたものが左下のグラフであります。これを見ていただくと、特段の相関関係は見られないということでございます。
一方で、右下にありますように、各病院における診療報酬収入に占める「手術」の割合と補てん率との相関関係を見たところ、緩やかな負の相関関係が見られているということでございます。
最後は22ページでありますが、いずれにしましても、手術の項目も数が非常に多いということでありますので、それぞれにつきまして個別具体的に課税経費率や補てん率の関係を検証しても、個別の項目の組み合わせや回数・割合の状況等は病院ごとにさまざまでございますので、病院ごとのばらつきが出ない個別の配点は現実的に困難であると考えておりますし、前回、平成元年、9年のときの経験も踏まえますと、個別の配点につきましては事後的な検証も困難になることが見込まれるのではないかと考えております。
少々長くなりましたけれども、以上でございます。
○荒井分科会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明について、何か御質問等がございましたら、どうぞお願いします。
猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
幾つか意見を述べたいと思います。
まず、6ページの課税経費率の考え方ですが、5ページよりも6ページが今度の新しい考え方ということで、このほうが現実の状況をちゃんとあらわしていると思いますので、課税経費率の考え方は、6ページの左側の大きな分類で課税経費率を考えるということについては賛成したいと思います。
続きまして、入院料のシェアという問題ですけれども、12ページの下に書いてある、課税経費率のみで考えてきた。これがいわゆる「急性期」と言われている7対1、10対1、もしくは特定機能病院の補てん不足の本体は、実は私はこれだと思っております。
つまり、入院基本料をはるかに超えて収入の多くなる急性期の病院につきましては、入院基本料だけ考えたのでは、課税経費率を幾ら乗せても足らないわけです。つまり、収入全体でこの課税経費率を見ないといけない。つまり、課税経費率ではなくて、課税経費額が問題であったわけです。
それをちゃんと見なかったがゆえに、急性期の補てん不足が起きたというのが前回の真相だと思っておりますので、ぜひこのシェアという形で、これもかなり細かく7対1、もしくは特定入院料、特にICU、CCUも相当の課税経費額があると思うのですが、こういうものがどこまで出せるか、ぜひこの14ページの考え方をできる限り進めていただきたいと思っております。
これによってかなりの部分が変わるということで、17ページにおきまして、回数についてナショナル・データベースを使うことも賛成ですし、そのほか、ここに書いてあることは非常にいい方向に進んだということで、賛同したいと思っております。
もう一つは、個別項目というものが出てきているのですが、個別項目をやり出すと、どこまでやるのかというのが必ず出てきます。特に、ここに手術ということが出ておりますけれども、手術だけ見て、果たして本当にそれが精緻化されていくのかどうかというのはなかなか難しい問題があろうかと思います。
したがいまして、まずは入院基本料等でどこまで精緻化できるかが重要なのかなと思います。
以上です。
○荒井分科会長
そのほかにどうでしょうか。吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
ありがとうございます。
配点方法の見直し等については、実績の算定回数を取得する際のデータを、医療経済実態調査の単月の調査から通年実績のNDBデータに変更するとか、入院基本料の課税経費率をより精緻に把握するということで、病院種別ごとの入院シェアを考慮した補てん点数を決定する。
ここに御提示いただいていますように、看護配置であるとか、それぞれ入院料シェアについては、イメージ図にあった消費税負担額と補てん額の面積を同等にするという考え方等々、このような極力、過不足が生じない方向での提案はしていただいたということで、先ほど猪口委員もおっしゃっていたことについて、理解はいたしますが、おのおのこうした御提案、見直しにおいて、実際に各施設別に結果としてばらついていたわけでございますので、どの程度ばらつきが抑えられるのか。
できるならば、過年度実績を使って具体的なシミュレーションをした、目に見える形でお示しいただくと理解がより進むのではないかと思いますし、どちらを選択するかという御提示もありますけれども、そういうものも考えやすいのではないかということだろうと思います。ばらつきがどの程度抑えられたかというシミュレーションをぜひお願いしていただきたいと思いますけれども、現実的にできるかどうかをお聞きしたいと思います。
○荒井分科会長
室長、どうぞ。
○樋口保険医療企画調査室長
今、御指摘いただいた件は、過年度実績でシミュレーションしてみてはということでございます。改めまして、対応を検討したいと思います。
つまるところ、もう一回、過去にやった点数の設定を見直して、結果、どうなるかをシミュレーションしてみてはということなのだと思いますけれども、そうやったときにまた、算定回数にも影響が及び得るとも考えておりまして、果たしてちゃんとシミュレーションできるかは、今のところはぱっと自信を持ってお答えできる状況にはありません。今、きれいにシミュレーションができるかというと、難しいのではないかとも思っているのですけれども、対応を改めて検討したいと思います。
○荒井分科会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
精緻なものでなくても、ある程度選択肢があるものについては、どちらかよりでこぼこというか、ばらつきが少なくなるのかを判断できるようなものがあればいいと思います。
もう一つ、若干のばらつきは仕方ないですけれども、そのばらつきが本当に抑えられて、ある程度合理的だと思えるようであるならば、この個別項目の補てんについて、19ページの4.に書いていますけれども、ばらつきがなければいいのですが、上乗せしなければ不合理になると思われるような項目が本当に出てくるならば、個別のあり方についても十分議論をしていくべきだと思います。
今回、こういう形で手術については御提示いただいておりますし、病院別にばらつくからなかなか難しいという結論にはなっていますけれども、ほかにないのかどうかも含めて、その前提となるのが、ばらつきがどの程度抑えられるのかが大事なのだろうと考えております。
○荒井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。中川委員、どうぞ。
○中川委員
今の吉森委員の御意見に関連してですが、診療報酬で補てんすると言う以上、医療機関ごとにばらつきがあるのは当然なのです。精緻化して、極力それを少なくすることは追求すべきですけれども、ばらつきは残るのです。ですから、ばらつきがなくならないから個別項目につけるのを検討するべきと議論するべきということは、短絡的ではないかと思います。この資料の18~19ページの過去の議論の整理に対して、それを論破していただかないと、個別項目につけるという話にはならないと思います。
○荒井分科会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
ばらつきが生じるのは理解しておりますけれども、そのばらつきが不合理なばらつきでないかどうかを見てからの議論だというふうに申し上げているので、それが不合理でなければ、当然、おっしゃるように、個別項目については検討する必要がないと考えております。
○荒井分科会長
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
まず、今回の2%部分についての議論がされているわけでありますが、今、猪口委員が言われたように、前回と比べて大変精緻な形でもって議論されていて、方向性としては正しいと思っております。
あと、ぜひ確認しておきたいのは、前回の検証で、5~8の部分については明らかな不足があったエリア・分野がございまして、ここの部分をどのように協議会の中で、今度の2%プラスのところで考えていくか。
今、御議論いただいていますように、2%でも大変精緻な形でもって計算をしていくわけでありますが、その不足した部分も、今回と同様に大変精緻な形でもってそこを議論していいものかどうかを少し教えていただきたいと思います。
○荒井分科会長
どうぞ。
○樋口保険医療企画調査室長
申しわけございません。御質問の趣旨をもう少し御説明をお願いします。
○伊藤委員
前回の検証で、明らかに病院部分で加算が足りなかったところを検証されたわけですが、そこの不足部分に関しては、今回、2%を上乗せするに当たってベースになる部分ですから、当然、ここは修正をされた上で今回の2%の議論はされるべきだと思いますが、その修正の際に、こういうより正しい形、精緻な形でもって修正をするのかどうかについてのお尋ねでございます。
○荒井分科会長
室長、どうぞ。
○樋口保険医療企画調査室長
済みません、失礼いたしました。
これは今回の作業をしていくに当たって、我々は基本的に前回の部分も含めてやっていくということでありまして、前回、補てんの不足とばらつきが3%の部分でもあったということがデータでも出ておりますので、そこを調整することとあわせまして、来年度の2%に上がる部分も含めて、今回、お示ししたようなやり方でやっていきたいと思っております。
○伊藤委員
わかりました。
○荒井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
今回の見直しにより、医療機関に対してよりきめ細かく補てんされるということで、補てん率のバラツキが改善されればいいのですが、病院の85.0%の補てん不足に対する診療所の111.2%の補てん超過という大きな乖離が生じている状況が私にはまだ払拭できていません。今回の診療所に配分される財源の見直しのほか、診療所の算定項目と課税経費率の相関関係をデータに基づき分析したうえで初再診料の配点を決めていく方法も検討してみてはどうかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。
○樋口保険医療企画調査室長
御指摘いただいたことは、まさに診療所について、初再診料でやっていくという基本的な考え方で前回はやられたということでありますけれども、そうではなくて、個別項目に応じて設定することを改めて検討すべきではないかという御議論でおっしゃっているのではないかと思いますが、まず、そういう基本的な考え方との関係でどう考えるかがあった上で、どうしていくべきかなのだと思うのです。今までるるいただいていた、前回の26年の改定時からの議論の経緯を踏まえますと、そういうことかなと思っております。
○荒井分科会長
幸野委員は、続きはどうしますか。
○幸野委員
なぜ診療所の財源について、ほぼ全額を初再診料へ配点したのかというところも考えてみてはどうかということです。
○荒井分科会長
室長、どうぞ。
○樋口保険医療企画調査室長
御指摘いただいた点を、私はちゃんと理解できていなかったかもしれません。今回、提示させていただいた資料の16ページをごらんいただければと思います。
前半を具体的に御説明いたしておりませんでしたけれども、診療所の財源配分と個別の点数をどのようにしたかを少し説明させていただければと思います。前回は、診療所全体につきまして、その診療所に配分される財源を設定して、それについては診療所の初再診料で使い切るということで基本的にやっておりました。
今回、見直しさせていただこうと思っておりますのは右側のところでありますけれども、無床診療所の部分につきまして、右側のイメージ図で、無床診療所の収入と費用の構造を簡単にまとめておりますが、左側はまさに実績の課税経費に応じた消費税の負担額がどれぐらいあるかに応じて、右側の初再診料の点数を設定するということでありまして、まず、無床診療所のほうでこれを調整することによりまして、病院にも影響があるというのは御説明したとおりでありますが、このように、課税経費率の実際のデータとこの面積に対応するような形で補てんしていく考え方であります。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
それは理解していますが、診療所のいくつかある算定項目と課税経費率の相関関係も見てみたいと申し上げているのです。
○荒井分科会長
室長、どうぞ。
○樋口保険医療企画調査室長
医療経済実態調査に基づくもので課税経費率を算出しておりますので、個々の診療行為に係る課税経費が幾らかというのは見られないということでございます。
課税経費とはどういうものかということでございますけれども、さまざまなものがこの中に含まれまして、薬剤、特定保険医療材料以外のさまざまな物品を買ったときにも発生するということでありますし、業務委託を医療機関から行った場合にも委託費にかかってくるということもありますし、その他の設備投資をやった場合も、減価償却という形で見て、その分の課税経費をもとに補てんの点数を算出しているということであります。
課税経費がかかる理由もさまざまでありまして、それが個々の診療行為と結びつけて見られるかというと、データの面では先ほど申しましたような制約もあるということでございます。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
なぜこういうことを言いたいかといいますと、まず、診療所の初再診料の点数を決め、その点数を病院の初再診料に適用するという手順を今後も変えないということであれば、本当に診療所の財源を初再診料だけで割り戻した点数が正しいのかどうかということです。初再診料以外の画像診断とか検査などの個別項目についても診療所は算定している中で、例えば、機器が必要となる画像診断の点数に補てんすることなども検討するべきだと考えます。初再診料だけで診療所の財源を割り戻すと決めつけていることに違和感を覚えるのですが、その辺についてはいかがなのでしょうか。
○荒井分科会長
室長、どうですか。
中川委員、どうぞ。
○中川委員
幸野委員はなぜそんなにそこにこだわるのですか。診療所の何が気になるのですか。もっとわかりやすく言ってください。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
はっきり言いますと、診療所の場合、100%を超える補てん率になっていますが、それは計算の仕方に何か問題があるのではないかという懸念があるからです。
○荒井分科会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
診療所の112%は5から8の3%分に対してだけ言っているのですよ。それ以前の5%までの議論はするつもりはありませんが、トータルで0から8%までを実際に計算したら、推計ですけれども、診療所もぐっと下がりますよ。だから、5から8のたった3%分までの112%にこだわって、基本診療料以外の個別項目に乗せることを検討すべきだというのは趣旨が違うと前回も言いました。
そして、きょうの資料に出してもらった結論で、基本診療料に乗せることを基本とするべきだという議論があったとここに書いてありますよね。個別項目に乗せたら今以上にばらつきが大きくなって、要するに、多数の診療行為や機器など物を買ったとか、そういうことの課税経費率を出すのは大体不可能です。そんなことは物理的にも事務的にも不可能ですよ。そう思いませんか。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
個別項目と課税経費率の相関関係を見て議論することはいいのではないかと思うのですが。
○荒井分科会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
幸野さん、きょうの資料の「手術」につけるというのは難しいという結論なのですけれども、それは了解いただけますか。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
相関関係がないということなので、それは仕方がないと思います。
○中川委員
ありがとうございます。
○荒井分科会長
では、田中委員のほうから。
○田中委員
今、中川委員のおっしゃられたことで、ちょっと違うのではないかと思うところを1点だけご指摘します。
今回、これをまた議論するときに、確かに消費税が0%から5%に上がったときまでは、個別の点数が検証できないことは理解していますけれども、5%から8%に乗せたときは、どのように乗せたかがはっきりしておりますので、5%の時点で既に診療報酬で消費税の5%分は措置をされているという前提で加点をするという理解をしておりますので、先ほど室長から説明がありましたように、5%時点の点数に対して、前回8%時の補てんの過不足を加味したものが今回の消費税対応だと理解しておりますので、再度、事務局にはその点を確認したいと思います。
それから、いろいろ議論が出ておりますけれども、前回の消費税の分科会では、個別項目といっても、高額の投資の対応をどうするのかということが議論だったと記憶しております。ですから、通常の診療行為、治療、療養といったことの検証の難しさから、結果的には前回は診療所のほうは初再診で対応となったと記憶しております。
そこで、今回も結果的に診療所に関して初再診で対応するとしても、先ほどから支払い側の委員も申していますように、それができるだけ公平な、すなわち、税の不足、益税といった状態をできるだけなくしていく方法を検証することが大事だと思っています。したがって、考え方はそれほど差異はないと思っているのです。
実際は検証が難しいと室長もおっしゃっていましたけれども、難しい、難しいと言うと、検証できないまままた加点することになるわけですから、一定程度の前提を設定した上で、できるだけ公平な形での税対応を具体的にシミュレーションしていただいて、その数字を見て、初再診だけで対応可能なのか、あるいはもう少し違う項目への対応が必要なのかという検証が要るのだろうと思っています。
1点質問ですけれども、診療所と病院の税負担のマクロでの仕分けというのは、前回でもやりましたし、データ的にそれは可能だと思うのですけれども、診療所の中の実際の状態が余り検証されていないと思うのです。診療科別の税の負担が多いか少ないかという問題がないのかどうかも検証がもし可能であれば、科ごとに確認をして、一律的に対応しても問題ないことが確認できれば、それもそういう方法がいいと思うのですけれども、もしばらつきがあるのであれば、そういうものも是正する必要があるのではないかと思います。
以上です。
○荒井分科会長
医療課長、どうぞ。
○森光医療課長
議論の前提となるところにつきまして、私どもの説明がまずかった部分があるかと思いますので、少し補足させていただきます。
1点目は、先ほど御質問がありましたように、私どもが前回お示しした、診療所が過不足の点で111%だったという部分に関しては、田中委員のおっしゃるとおり、5%から8%分、要するに、3%乗せたところに関して比較をして、110%を超えていたという結果でございます。これはそういう結果で出しております。
そこで、1点、幸野委員等から御質問等がありました、再診料に点数を設定したという話と、100%を超えた診療所になったことに関しての因果関係の話でございますけれども、実は私どもは前回、病院と診療所の課税経費率の、いわゆる経年の医療費シェアと課税経費率を掛けた、そして、病院と診療所に財源を割り振るシェアの部分に関して御説明が足りなかったかと思うのですが、基本的には、分母となる病院と診療所のシェアのところが、実は平成24年は診療所は27%、病院が73%であったのが、平成28年には診療所が24.2%、病院が75.8%ということで、診療所の分母となる部分に関して27%から24.2%と、約1割減しております。
基本的には、再診料・初診料につけたことよりも、過不足の分母の部分が小さくなってしまったところが、診療所が百十何%になった主な要因だろうと分析しております。
○荒井分科会長
田中委員、どうぞ。
○田中委員
今回の対応で、それは100に近づけるという理解でよろしいですか。前回の5%時から比較して、100に極力近づけるのだという理解でよろしいでしょうか。
○森光医療課長
はい。その点につきましては、現在の状況に応じて点数をつける形で改善するというふうに考えております。
○荒井分科会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
私の名前が出たのでお聞きしますが、田中委員は先ほど5%までの分は何と言ったのですか。決着済みだと言ったのですか。私の意見とは違うとおっしゃったので、確認したいのですが。
○荒井分科会長
田中委員、どうぞ。
○田中委員 意見と違うと申し上げたのではなくて、理解が違うと申し上げたわけで、5%までの消費税対応というのは、どこにどう配点をしたかがわからない、検証できないことが前提だと申し上げています。
したがって、もちろん5%まではどこに乗せたかはわからないわけですけれども、それが損税だったか益税だったかは持ち出さないということで、前回の5%から8%になるときも議論をしましたし、今回は8%から10%に消費税が上がるわけですから、診療報酬の点数としては5%からしか検証できないわけですから、5%時のところからの対応については検証可能だという共通の理解で議論をしているという理解です。
○荒井分科会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
5%までのところはわからなくなっているから議論するな、それは全くなかった話だというふうに聞こえるのですよ。5%まで蒸し返すつもりはないですが、5%までのところで個別の診療報酬につけたことはわかっているのだけれども、その診療報酬項目がどこへ行ったのかがよくわからなくなっているのです。
医科・歯科・調剤の配分とか、そういうものは最初の3%はわかりません。でも、個別項目のどこにつけたかはわかっているのです。ただ、個別項目は全く検証ができない状態になっているのです。だから、基本診療料に乗せることになったのです。
そして、あえて言いますけれども、最初の5%に対して診療報酬で充てたのは0.43%ですよ。5から8%の3%に対して充てたのは0.63%ですよ。5%に対して0.43%で、3%に対して0.63%といったら、最初の5%分に対する診療報酬の手当は適正ですか。そういうことも含めて言っているのです。ただ最初の5%までのことを何とかしろなんて言っていないのですよ。それは我々診療側も医療界も、過去の検証も無理だし、不問に付すと言っているのです。議論を蒸し返すつもりはないのです。
だから、確認をしているのですよ。5から8までの3%分についての補てん状況なのです。そういう意識を持って議論するのと、5%まではもう決着済みだ、何も四の五の言うなということではないのです。我慢の上の議論なのですから、それをぜひ理解してください。
○荒井分科会長
田中委員、どうぞ。
○田中委員
中川先生が後段でおっしゃられたことは非常によくわかります。
ただ、確認をしておきたいのは財源の問題ですよね。財源というか費用の話です。要するに、消費税は5%からは支払い側が幾ら負担するかははっきりしているわけですから、その範囲でこれから議論がなされるということさえ確認できていれば、何も問題ないと思います。
○荒井分科会長
松本委員、どうぞ。
○松本委員
先ほど、田中委員から診療科のことについて発言がありました。
前回もたしかそういう発言があったかと思いますけれども、多分わかっていらっしゃると思いますが、標榜科と対応する医師と疾患というのは一対一で対応しているわけではありません。全て多対多、複数で対応しておりますので、診療科によってそういった形で切り分けるのは非常に意味がないことだと思いますし、グループの間で何らかのデータが出たとしても、グループの中でばらつきが必ずあるわけですから、そこまで考えていくのは意味がないのではないかと私は思います。
○荒井分科会長
田中委員、どうぞ。
○田中委員
この消費税の対応で、実際に損税が出てしまい、経営が厳しくなることは非常に困るわけですから、そういうくくりでの検証が難しくて、かつ診療所の経営に何ら影響を及ぼさないということであれば、診療科別に検証することが余り合理的でない、必要でないということであれば、それは納得できます。
ただ、何かそういう一くくりの措置でもし問題があるとすれば、消費税が低い時代から10%まで上がってきており、負担する総額としては当然ふえてきているわけですから、そういう懸念があって、意見として出させていただきました。
○荒井分科会長
ほかに御意見は。では、猪口委員、どうぞ。
○猪口委員
科別のばらつきとか、入院も幾ら入院基本料で精緻化したとしても、最後には個々の医療機関のばらつきは絶対に残るのです。それはそれぞれの病院が同じことをやっているわけではないからなのです。そうすると、このばらつきを診療報酬で最後まで見ていくというのは、多分、どう精緻化してもできない話です。したがって、診療報酬以外の個々の医療機関への対応というのはどうしても必要になります。
ただ、その対応が必要なことは事実なのですけれども、多分、これはここの分科会でお話ができることではないと思いますので、そういうばらつきは残るのだという前提で、ここではどこまで精緻化できるかというお話しかできないのかなと思っていて、それは別の場の議論かなと思っております。
○荒井分科会長
中川委員、どうぞ。
○中川委員
私も猪口委員と全く同じ意見です。
繰り返しますが、診療報酬で補てんするということで、ばらつきは絶対に残ります。個別項目に乗せると、さらにばらつきが激しくなる危険性が高いのです。だからだめだと言っているのです。
それと、診療科ごとというのは天文学的な作業になると思いますし、同じ診療科でも医療機関ごとに全然違います。
結論としては、猪口先生と同じですけれども、診療報酬で補てんした上で、何らかの新たな仕組みが必要だという結論にどうしてもなると思います。ぜひ御理解をいただきたいと思っています。
○荒井分科会長
伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員
個別補てんのところですけれども、個別項目で特に診療科というお話がございましたが、基本的には個別個別の医療機関の補てんがきっちりできるわけではないという前提で、そうは言いつつも、その中で過去5年間やってきたことに対して、明らかに十分な補てんができていないところもカテゴリーとしてはあるわけです。
そういうところなども、例えば20ページを見てみますと、外来部門は非常に小さな割合にはなっておりますけれども、その中で特に一例を挙げますれば、透析の部門は十分に5%から8%への引き上げの際に十分な補てんがされていたかといいますと、そういうところもなかなか検証がされていないわけでして、診療科ごとという細かい分け方ではなくて、特定の分野に関してはある程度の検証が必要になってくると思っておりますので、ぜひここの部分も御配慮いただきたいと思います。
○荒井分科会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
このままでは個別項目への補てんは行わないという方向で今、議論がされていて、我々はまだそう結論づけてほしくないと思っているのですが、例えば、DPC以外の病院のデータに基づき分析することなどは不可能なのでしょうか。
○荒井分科会長
医療課長、どうぞ。
○森光医療課長
一応、私どもの持っているデータの中で、DPCのデータは、いろいろな項目という意味では非常に幅広く、そして、情報量の多いものだと思っています。
また、それぞれの医療機関ときちんとひもづけた形でとれるものですので、そういう意味では一番精緻なデータだろうと思っております。
○荒井分科会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
個別項目については、先ほども申し上げましたけれども、まず前提としては、今、こういう御提案していただいている部分で、本当にばらつきが出ないのか。ばらつきが出たときに、本当にそれが不公平感があって、非常に不合理だという項目がないのかは検証してみないとわからないし、その部分について個別で対応すべきだということになるのかもわからない。
前回の消費税のときに、高額な設備についてどう考えるかといったら、結論的にはなかなかやりようがないということで公益裁定になったのだと思うのです。
そういうことがなければ、別に個別項目を考える必要がないのかもわかりませんが、ばらつきがどこにあるのか、先ほどちょっと議論になっていましたが、診療所とどうのこうのと言うけれども、そこではそんなに不合理なことがなければ、別に個別の話をする必要はないし、分析も手間をかける必要はないと思うのですけれども、今回のこのやり方でフラットになっていく。先生たちがおっしゃるように、完璧にフラットはあり得ないことは重々承知しているのですが、本当にそれで不公平感がないのですか。
先ほど、猪口委員からありましたけれども、別途、消費税としてその部分は担保する方法を考えることは、この場では何も前提にしていないと思いますので、まだ結論も出ていないわけです。ですから、我々が診療報酬に対して上乗せしていくところの中で、どれだけフラットに、できる限り公平感、透明性を持ってできるかという議論をすべきだと思います。その中には、当然ながら個別項目についての議論をしないのだという結論はないと考えております。
○荒井分科会長
三井委員、どうぞ。
○三井委員
前回も個別項目に関しまして、歯科のほうとしましては、個別項目にありつける部分には反対なのです。
まず、基本的に歯科は医科と異なりまして、歯科点数表という点数項目で算定を行います。その歯科点数表にない部分の医科の手術や処置は、医科表の準用が用いられております。
ですから、医科の手術、処置に対して個別項目で配点されますと、それこそ準用があったりなかったりというところで非常にばらつきが出るというか、検証が全く不可能になる危険性があることも考えまして、歯科のほうとしましては、基本診療料に張りつけで、個別項目には張りつけはしていただきたくないところでございます。
○荒井分科会長
森委員、どうぞ。
○森委員
ありがとうございます。
調剤ですけれども、消費税の引き上げは全ての薬局が影響を受けることになります。そして、調剤基本料は全ての薬局に共通したものになります。そのようなことから調剤基本料に配分をしていただきたいのが1点目になります。
2点目は補てん点数の設定なのですけれども、NDBのデータが利用可能になりましたので、ここはぜひ精緻な見込みということを考えても、通年のNDBデータを使用していただきたいと思います。
また、算定回数を見込むことになるのですけれども、前回もお話ししましたが、直近の処方箋の枚数の伸び等の状況も踏まえて計算をしていただきたいと思います。
以上です。
○荒井分科会長
伊藤参考人、どうぞ。
○伊藤参考人
参考人ですが発言させていただきます。
先ほどから、支払側からもいろいろ意見があるわけですけれども、私どもとしましても、吉森委員がおっしゃっているように、今回の入院基本料と特定入院料というシェアに応じて補てんをするやり方ですとか、課税経費率の分類の見直しなどをやることは非常に前向きな対応だと思うところではあるのですけれども、それにより実際にどの程度ばらつきの是正になるのかを見てみないことには、それ以上の対応が必要なのかの判断がつかないと思っています。先ほど、シミュレーションがいろいろ難しいと聞こえる答弁もありましたけれども、ぜひそれを出していただいて、また議論ができるといいなと思っております。
支払側としては、消費税分を含めての負担がありますので、その観点からもばらつきの是正は重要だと思っております。もちろん、経営側にも思いをいたすところではありますけれども、そういう意味でぜひ試算を出していただきたいと思っております。
○荒井分科会長
室長、どうぞ。
○森光医療課長
シミュレーションのお話は吉森委員からも御指摘いただいておりましたし、伊藤参考人からもお話しいただきました。
先ほども御説明いたしましたとおり、対応を検討したいと思いますけれども、点数を過去にさかのぼってやるとしても、配分をし直してやっていかなければいけない。そのときに起こる算定改正への影響等も踏まえてやっていくことは容易ではないと思っておりまして、できるかどうかは今のところは御説明できない段階でありますけれども、どういった対応ができるかは考えたいと思います。
本日の資料にも書かせていただきましたけれども、今までの補てん状況の結果の要因として考えられるものを一通り挙げさせていただきまして、それに応じた改善策を講じるということでやってきています。
そういう意味では、我々がやろうとしている作業は、理論的には相当程度改善すると申し上げさせていただきましたけれども、医療機関種別ごとにはまさしく改善していくと考えております。
一方で、課税経費が発生する原因も、実際に診療行為、算定回数が個々の医療機関でどうなるかも、まさしく個々の医療機関に応じて千差万別でございますので、そこまでを調整するのは、いかにシミュレーションしても、そのようには出ないということでございますし、そこまで完全に個々の医療機関の補てん率のばらつきの是正にならないという前提で、できるだけ精緻化をやっていきたいということでございます。
○荒井分科会長
吉森委員、どうぞ。
○吉森委員
ありがとうございます。
前提は前提で、制約条件をきちんとしていただいて、今回変えたところはこうだというシミュレーションをしても、多分、ある程度のものは出るのだろうと思っていますので、ぜひその辺の工夫をよろしくお願いしたいと思います。
○荒井分科会長
ほかにはいかがでしょうか。御意見はないということでよろしいでしょうか。
御意見、御質問等もないようでしたら、本日の質疑はこれまでとさせていただきたいと思います。
事務局におかれましては、次回以降の資料につきまして、本日の御意見も踏まえて整理して、また今後の議論に資するような形の資料を準備いただければと思います。
本日の議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局から御連絡いたしますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の分科会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 

 

(了)
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厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室企画調査係
代表:03-5253-1111(内線3540)

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