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2019年4月25日 第16回特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会議事録

○日時

平成31年4月25日(木)

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター新館

○議事

○渡邊総務課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第16回「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、本検討会に御出席いただき、まことにありがとうございます。本日は、大月構成員より御欠席の御連絡をいただいております。また、島崎構成員よりおくれての御出席になる旨の御連絡をいただいております。
事務局において、医政局長の吉田、審議官の迫井、地域医療計画課長の鈴木が、本日は所用にて遅れての出席の予定でございます。
議事に入ります前に、参考人の御紹介をさせていただきます。
本日は、研究班より清水先生、日本医療機能評価機構より橋本先生のお二方に参考人として御出席いただいております。
続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。
議事次第、座席表のほか、次のとおりです。
資料1「地域医療支援病院の見直しについて」。
資料2「地域医療支援病院等の医療提供体制上の位置づけに関する研究」。
資料3「特定機能病院の第三者評価について」。
資料4「病院機能評価『一般病院3』におけるガバナンスと医療安全の評価について」。
参考資料1「地域医療支援病院の実態に関する調査、調査票」。
参考資料2「地域医療支援病院制度についての都道府県医師会アンケート調査結果 2012年実施」
参考資料3「病院機能評価について」。
以上でございます。
資料の欠落等がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。
それでは、以降の進行は座長にお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。
○遠藤座長 おはようございます。
それでは、早速議事に入りたいと思います。
最初に議事の1「地域医療支援病院の見直しについて」に入りたいと思います。
まずは、資料1「地域医療支援病院の見直しについて」事務局から説明をお願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局です。
お手元の資料1を用いまして、御説明をさせていただきます。
まず、1枚おめくりいただきまして、2ページ目、3ページ目、4ページ目の資料につきましては、昨年11月にこの検討会で御議論していただいたときに事務局から提示させていただいた論点になります。この論点に対しまして、前回の検討会でいただいた御意見を5枚目でまとめさせていただいておりますが、この内容について御紹介させていただきます。
設立の趣旨から考えて、地域医療支援病院は一定の役割を終えたのではないか。
地域医療支援病院は、地域医療構想の中で抜本的にあり方を議論するべきではないか。
地域医療支援病院の4つの要件・機能を一体的に評価する必要があるのか。個別に診療報酬で評価した方がよいのではないか。
地域医療支援病院は、地域医療構想の中でどういう役割をしていくのかということを一度立ち止まって考えるべきではないか。
在宅療養の後方支援は、全ての地域医療支援病院が実施すべきとされてはいないのではないか。
今、一番重要なのは、地域で高齢者が増えていく中で、地域の医療をどう守るかなのではないか。
こういった御意見を前回いただいたところです。
また、前回の検討会では、地域医療支援病院に関する調査をしますということで、調査票についても御議論をいただきました。本日は、この後に研究班の先生に御発表いただきますが、関連するところを事務局資料でも抜粋しておりますので、その内容について御説明をさせていただきます。
6枚目ですけれども、今回研究班のほうでは地域医療支援病院と群市区医師会、都道府県の3者を対象に調査をしております。3者に対して、「二次医療圏において、今後も地域医療支援病院は重要だと考えられますか」という設問に対して、「非常に重要」「どちらかといえば重要」というのが青と赤ですけれども、青と赤を足した割合というのは3者ともにかなり高い割合でありました。
7ページ目ですけれども、こちらも3者に対して、地域医療支援病院が担うべきとされる機能も含めて、どのような機能を担うべきと考えていますかということを御質問させていただいておりますけれども、3者とも1番が「紹介患者への診療」でありました。2番目と3番目は順位が対象によって異なりますけれども、「救急医療」「医師確保に資する体制整備」を回答した割合が高くなっておりました。
8ページ目ですけれども、こちらは群市区医師会が位置する二次医療圏における医療機能の過不足というものを聞いております。医療機能としましては、この表で行くところの一番左側の列のところですけれども、「紹介患者への診療」ですとか「総合診療」「救急医療」「がんに対する診療」等々の医療機能を聞いているわけですが、これらの医療機能について過剰か不足しているかがわからないか、ということを質問しているわけですけれども、不足しているという回答が高かった、50%以上あったのがここの表で行きますと色がついているところですが、「医師確保に資する体制整備」「周産期医療」「小児医療」「在宅医療」について回答が高かったという状況でありました。
過剰に関しましては、いずれもそこまで割合としては高くなかったというのが調査結果で見てとれるところです。
9ページ目に関しましては、地域医療支援病院に対して、医師少数区域等を支援する機能として、巡回診療の実施の有無、医師派遣の実施の有無、代診医派遣の実施の有無、総合診療の部門を持つかどうかということについて質問しておりますけれども、巡回診療については4.3%、医師派遣については49.4%、代診医派遣が13.8%、総合診療に関しましては、64.9%の地域医療病院において実施しているという回答が得られました。これら4つのうちのいずれか1つ以上実施しているというものに関しましては、回答しました73.7%の病院が実施しているといった回答が得られております。
一点、調査の読み方として留意しておくべき事項としましては、医師少数区域自体がまだ二次医療圏で確定しているわけではありませんので、この調査の中では、医師派遣巡回診療の先が医師少数区域であるかどうかについては問うておりませんので、どこかしらに巡回診療、医師派遣、代診医の派遣をやっていると答えた地域医療支援病院がこの回答であったということについて、御留意いただければと思います。
10枚目、11枚目のスライドが調査結果も踏まえて、事務局としての改めての論点整理ということになるわけですけれども、まず「現状・課題」ですが、「1.かかりつけ医等を支援する機能について」のところですが、今、地域医療構想の達成に向けて、2025プラン等の作成をし、地域医療構想調整会議での協議が昨年度まで実施されていたところです。この中で構想区域の医療需要や現状の病床稼働率などを踏まえ、地域医療支援病院でなければ担えない分野で重点化するということが求められています。
2ポツ目ですけれども、今回の調査結果で、地域において地域医療支援病院は重要であると認識されているということが調査結果としては見えてきているところです。一方で、かかりつけ医等からの支援ニーズは地域によって異なり、地域によっては地域医療支援病院の要件となっていない医療機能についても「地域医療支援病院が担うべき」といった回答が得られております。地域の実情に応じて、対応する機能が求められているのではないかということが読み取れるかと思います。
2つ目として、「医師少数区域等を支援する機能について」ですが、地域医療支援病院には、医師少数区域等を支援する機能が求められております。現状においても、少なくない地域医療支援病院が医師派遣等を実施しているというのが調査結果からわかりました。
「見直しに係る論点」ですけれども、1つ目が地域でかかりつけ医等を支援するために必要とされる機能をどのように考えるか。
2つ目として、「医師少数区域等を支援する機能」に関しては論点が2つあると思っておりまして、医師少数区域を支援する機能を全ての地域医療支援病院に求めるのか、もしくは一部の地域医療支援病院の場合は新たな類型となるわけですが、一部の地域医療支援病院に求めるのかという論点があろうかと思います。
また、「医師少数区域等を支援する機能について、具体的にどのような要件を定めるのか」というのも論点かと考えております。
その次が「見直しに係る方向性(案)」ということで、事務局からのたたき台ということにはなりますけれども、「地域でかかりつけ医等を支援するために必要とされる機能の見直し」につきましては、地域ごとに地域医療支援病院に求められる機能は異なるという実態が調査結果からも読み取れますので、地域の実情に応じて要件を追加することができるといった見直しをしてはどうかという御提案になります。また、この際、地域医療構想調整会議における協議を踏まえて、地域ごとに機能要件を追加できるといった対応としてはどうかということを注書きで書かせていただいています。
2つ目ですけれども、「医師少数区域等を支援する機能の追加」ということに関しては、全ての地域医療支援病院にかけるのか、一部の地域医療支援病院にかけるのかという論点がありますが、事務局の御提案としましては、全ての地域医療支援病院の責務としてはどうか。その際の要件の内容としましては、(1)から(3)に書いておりますけれども、「(1)医師少数区域等における巡回診療の実施」「(2)医師少数区域等の医療機関への医師派遣機能(代診医の派遣を含む)の実施」「(3)総合診療の部門を持ち、プライマリ・ケアの研修・指導機能を持つ」。これら3つにつきまして、いずれか最低1つというわけですけれども、それを要件としてかけてはどうかということの御提案になります。調査結果上は7割強の地域医療支援病院が実施しているという結果になっているわけですけれども、やっていない地域医療支援病院もありますので、全体にかける場合には、十分な経過措置を設ける必要があるということを注書きとして書かせていただいております。
あと、後ろに参考資料をつけさせていただいておりますが、参考資料の29ページ目も既出の資料でありますけれども、こちらの資料だけ簡単に御説明をさせていただきます。こちらに関しては、医師需給・医師偏在の文脈で2020年から医師少数区域で勤務した医師を期間としては最低6カ月以上ですけれども、そういった方を認定する制度というものが昨年の医療法改正を踏まえて施行になります。
認定医師のインセンティブとして、「一定の病院の管理者としての評価」ということになりますけれども、地域医療支援病院のうち医師派遣・環境整備機能を有する病院の管理者は、認定医師でなければならないということにされているところです。ですので、今回事務局から提案させていただいている医師少数区域等を支援する機能を地域医療支援病院全体にかけた場合は、この管理者要件との関係で言いますと、全ての地域医療支援病院に認定医師でなければ管理者になれないといった要件がかかる。そういった構成になっていますので、その点も御留意いただきながら御議論をお願いできればと思います。
事務局からの説明は以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、引き続きまして、資料2につきまして清水参考人より説明をお願いいたします。
○清水参考人 それでは、研究班の質問紙調査の速報につきまして、資料2をご覧ください。
概要につきましては、前回の検討会のときに御説明させていただきました。
3ページ目は「調査の概要」となっております。実施期間が2019年1月から2月にかけて、3つの調査を実施いたしました。自治体調査に関しましては、47都道府県の地域医療支援病院の承認を担当する部局の方、地域医療支援病院調査並びに群市区医師会調査に関しましては、悉皆調査ということで実施しております。
4ページ目に「基礎データ」ということでまとめさせていただきました。自治体調査には全ての自治体、地域医療支援病院調査は88.4%、群市区医師会調査は67.6%から御回答をいただきました。群市区医師会調査に関しましては、全ての県から御回答いただき、最も少ないところは鳥取県の1つというところがありましたが、おおむね県ごとに10程度の医師会から御回答をいただいております。最も多いところで大阪の33となっております。
御回答いただきました群市区医師会のうち、地域医療支援病院がないと御回答されたのが14.2%、また、制度の趣旨を知らないと御回答いただいたのが10.6%ということになっております。その下なのですけれども、二次医療圏単位で群市区医師会をまとめた際に、そこに地域医療支援病院があるというところが大体83.5%、ないというところが15.5%ということになっています。
5ページの資料は先ほどの事務局資料にございましたので割愛させていただきまして、次の6ページが「医師少数区域等を支援する機能の実行状況」というところで、先ほどの資料と重なっていない点ですけれども、上から4番目「地域の医師からの技術的相談に応じる体制の有無」という質問もしております。こちらですけれども「体制有り」と御回答されたのが44.4%でした。
次に、地域医療支援病院に対して「医師少数区域等を支援する機能の実行状況」について、自由記載でコメントをいただいております。こちらを分類し、まず「ホットライン」という観点で御回答いただいたものが多かったです。例えば治療方針やヘリ搬送の判断、周産期の相談について、救急スタッフ、小児科医、産科医等が24時間待機し電話相談可能である。ないしは各科の医師がホットライン用の携帯電話を持っている。また、ファクスの相談システムがある。またはメール相談という御回答も多かったです。また、地域連携室が取りまとめをしていて、ホットラインを構築しているという御回答も多くございました。
「共同診療」に関しましては、医師と地域の医師による主治医・副主治医制をとっている。また、開業医の医師とネットワークにより情報交換が可能で、オープンシステム登録医は医療機器を使用して検査、治療が可能である。
「研修・合同カンファレンス」等についての御意見ですけれども、地域の開業医から診療方針についての相談や手術技術向上のための立ち会い等を希望された場合、原則受け入れているですとか、アンケートや訪問によって要望に即した学習会を開催している。また、症例検討会を開催している。研修を受け入れているなどの実際の実行状況について御意見をいただきました。
8ページ目です。在宅医療の実施状況について、地域医療支援病院の回答結果になります。「在宅療養支援病院の届出の有無」ということですけれども、届け出があるというところは非常に少なく、7病院、1.3%ということになっております。その2つ下「在宅療養後方支援病院の届出の有無」に関しましては「届け出有り」と御回答されたのが98病院ということで、こちらは18.7%という結果でございます。
次に地域医療支援病院が担うべき医療機能は何ですかという質問をしております。これは3つ全ての調査で質問しておりまして、先ほどの事務局資料において、このまとめが書かれておりますので、こちらは説明を割愛させていただきます。
10ページ目、目指すべき病院像は何ですかということで、自由記載でコメントをいただいております。こちらは「地域の医療機関の支援」というところで、在宅医療を受ける患者が大幅に増加することが予測されるため、時間外や休日の緊急の受け入れが重要でありますとか、地域における特性を考慮した病院・在宅医療を支援する病院を目指すべきだ。ないしはかかりつけ医の支援は相当にできているけれども、地域医療を取り巻く環境は大きく変化している。今後は、機能の異なる病院間の連携の中核となることが必要、post-acute、sub-acuteの患者につき急性期病院と在宅の橋渡しをする病院であるべきということを目指されている。
また、研修・指導・技術的支援等におきましては、「地域のかかりつけ医が気軽に当院に足を運び、共同診療や合同カンファレンス、学習・研修会等を充実させる」と。また、地域の医療機関が合同で運営する研修会等を運営するという御意見をいただいております。
「その他」につきましては、地域包括ケアシステムへ向けて地域での医療変革のリーダーを目指すべき、かかりつけ医やかかりつけ歯科医師だけではなくて、かかりつけ薬剤師を含めた地域の医療全体の後方支援を行うとともに福祉介護への支援を行うべき、また、人材育成という観点のコメントも多くいただいております。
同様の質問を自治体に行った結果です。マル5-3に関しましては事務局資料にございましたので、その次のページ「地域医療支援病院が目指すべき病院像」ということで、自治体の自由記載のコメントという結果についてお話しさせていただきます。
こちらは、医療法に規定するこれまでの役割に加えて、過疎地域や離島などそれぞれの地域の実情に応じたハード・ソフトの両面で医療提供体制の核となる機能を担うことを目指してほしい、でありますとか、二次医療圏において機能がない診療科目の確保、僻地医療の支援、それに伴う医師の配置支援が望まれる、医療従事者の育成支援を充実させる。また、医療従事者の確保であるとか在宅医療など、地域の実情に応じて不足する機能を提供する中核的な医療機関としての役割を期待する。地方部においては、各医療圏に設置された地域医療支援病院が二次・三次の医療を担い、post及びsub-acuteについては、他の中小・小規模医療機関への医師派遣等を行うことにより機能分化を目指してはいかがかという御意見をいただいております。
研修・指導・技術的支援等に関しては、単に承認要件を満たすだけでなく、かかりつけ医を支援する能力を備えた病院を目指す。
また、機能の分化や連携の中心的役割としての御意見もいただいております。地域医療構想調整会議等における主体的なリーダーシップの発揮を期待するという御意見を頂戴いたしました。
同様の質問を群市区医師会調査で行った結果です。結果マル5-5に関しましては先ほどと同様割愛させていただきまして、その次のページです。自由記載欄に関する内容について御説明させていただきます。「あらゆる診療科において、こちらが責任を持って紹介できる体制をととのえてほしい」でありますとか、スムーズで切れ目のない医療体制の確保。かかりつけ医が安心して地域医療に取り組めるフォローというのを期待していると。
また「地域の医師会員が高齢化する中、在宅医療も行ってほしい。又、急変時の患者様をスムーズに引き受けてくれる事を望みます」。また、在宅の展開が求められておりますけれども、在宅には十分な介護力がないというところで、退院時カンファレンスの充実やレスパイト入院受け入れなど、在宅医療の負担を軽減する支援も期待するでありますとか、逆紹介し、連携を重視する。また、地域の中心的役割として在宅医療の提供等その他地域のニーズに合った医療を提供するという御意見等もいただいております。
「その他」としては、「すべてをカバーするというスタイルでなくてもそれぞれの病院に特徴があっても良いと思う。得意な分野を拡大することは、結果的に地域の診療レベルの向上につながると思う」という御意見を頂戴いたしました。
「二次医療圏における医療機能の不足」の結果です。先ほど右側の群市区医師会調査については御説明いただきましたので、左側の病院の調査の結果です。こちらも同様です。医師確保に対する体制の整備でありますとか「総合診療」「周産期医療」、小児、在宅というところが不足しているのではないかという御回答でした。
次のページ「総合診療科の状況」について、地域医療支援病院調査の結果です。総合診療を行う部門の有無というところですけれども、あるという御回答をされたのが226医療機関、48%程度ということになっております。
次におめくりいただきまして、「地域医療支援病院が果たしている医療機能の状況」というところをお伺いしております。こちらも病院の調査ないしは医師会の調査ともに、両方が同じ項目で提供していないと思われると御回答されているところが多いです。それは医師確保に対する体制整備でありますとか「へき地の医療」という結果になっております。
「都道府県のフォロー状況」に関してです。こちらは自治体に対する調査の結果ということになります。「業務報告書以外の確認の実施」ですけれども「確認している」と御回答されたのが37都道府県、割合としては78.7%ということになっております。
「承認要件を満たさなくなった地域医療支援病院の有無」は、あると御回答されたのが27.7%。その下に関しましては、どういった改善計画の提出の有無があったかでありますとか、どういった立入検査を実施したか、ないしは実施状況についての結果ということになっております。
どういったフォローをしているのかというところを自由記載でお伺いしております。「ヒアリングにおいて確認した具体的内容」ですけれども、例えば要件を満たしていない項目に関してはその理由の聞き取り調査を行って、改善計画の提出を求めたでありますとか、要件を満たしていないというところに関しましては、当該の二次医療圏について定められた医療計画を踏まえて、体制の確保の観点から承認を与えることが適当と判断したため承認を継続したなどの御意見をいただいております。また、立入検査において、具体的にどういったことを確認しているのかという御回答をいただきました。
「まとめ」です。地域医療支援病院については、自治体・群市区医師会ともに90%以上が重要性ありと認識している。
また、地域医療支援病院への期待に関する自由記載欄からは、自治体・地域医療支援病院・群市区医師会ともにかかりつけ医・在宅医療への支援でありますとか、その地域の特色やニーズに応じた支援を行うべきというコメントが多く寄せられております。
本データは、データの最終提出を受けたのが3月というところでまだ分析期間が十分にとれていないという点がございますので、さらに地域に分けた分析等を実施するとともに今後の調査におきましては、個別の医療機関における事例調査等を通じて、地域医療支援病院が果たしている役割や、具体的にどのような連携をされているかというところを明らかにしたいと考えております。
御多用中、多くの御回答をいただきまして、この場をおかりして、御礼を申し上げます。
以上になります。
 
○遠藤座長 清水参考人、ありがとうございます。
それでは、ただいま2つの資料の報告がありましたけれども、何か御意見、御質問等はございますか。
特に資料1の10ページ、11ページで事務局の案も出されておりますので、これについての御意見ということも大変重要かと思いますので、御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
事務局、どうぞ。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局ですけれども、今回関連する内容として、参考資料として日本医師会の中川委員からも資料の提出をいただいておりますので、それも御説明いただいた上で、御議論していただければと思います。
○遠藤座長 それでは、中川構成員、よろしくお願いいたします。
○中川構成員 参考資料2は、2012年のものですけれども、もう一度記憶をよみがえらせていただきたいなと思いました。
まず、2枚おめくりいただいて1ページをお願いします。2012年7月の時点で厚労省が「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」で実態調査を行うと決めました。厚労省の調査は都道府県と病院を対象にしたもので、日本医師会では都道府県医師会へのアンケート調査を実施したというものです。
2ページをお願いします。表1.2.1にありますように「地域医療支援病院制度についてのアンケート調査内容」です。問1から問5までで構成されています。問1から問4までについては地域医療支援病院の制度についての質問で、都道府県で一つの回答を依頼しました。全ての都道府県医師会から回答がありました。問5については個別の地域医療支援病院についての質問で、それぞれについて回答をお願いしました。例えば北海道は、この時点で7施設あるので回答数は7病院分となります。ただし、1つの病院について複数の回答があったもの、地域医療支援病院ではありますが、問5の回答がなかったケースは有効回答数から除外しております。
3ページをお願いします。この円グラフをごらんいただきたいのですが「このまま制度をつづけるべき」が25.5%、「役割や承認要件を見直して制度をつづけるべき」が68.1%でありました。
4ページですが、地域医療支援病院制度を「つづけるべき」と回答した都道府県医師会への質問です。この円グラフのように二次医療圏、人口などで制限すべきという意見が合計で36.4%でありました。
5ページをお願いします。地域医療支援病院の承認数についてでありますが、例えば地域医療支援病院が多い九州地方では、二次医療圏ごとに一つ、一定人口ごとに一つであるべきという回答が多くなっています。図2.2.2をごらんください。地域医療支援病院がふえてくると、二次医療圏や人口で制限すべきという意見がふえてくる可能性があると思います。
6ページをお願いします。承認に当たっての都道府県医師会の関与はどうなっているのかというところですが、この円グラフのように「医療審議会などで、積極的に発言し、医師会の意見が反映されている」というのが42.6%、「医療審議会などで意見を述べているが、あまり反映されていない」というのが31.9%でありました。
7ページをお願いします。「承認後の実績についての情報提供」が都道府県から医師会へあるかというところですが、「特に情報提供されていない」というのが53.2%となっています。
8ページをお願いします。個別の地域医療支援病院の評価ですが、都道府県医師会には「関係群市区医師会とご相談の上、ご回答ください」とお願いしました。この時点では、地域医療支援病院は432ですが、今は600近くになっているという状況です。
9ページをお願いします。図3.2.1をごらんいただきたいのですが、「評価できる」という回答が多いのは「紹介率・逆紹介率の高さ」「救急医療の実施」。「課題がある」という回答が多いのは「病床の共同利用」「在宅医療の支援」、在宅医療とその後方支援病床としての役割に課題があるということがうかがえます。
10ページからは「調査票」であります。
以上です。ありがとうございました。
○遠藤座長 中川構成員、ありがとうございます。
それでは、ただいまの資料の内容も含めまして、御質問、御意見等を承りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 少子高齢化の波を受けて、地域の医療の状況は1~2年ごとに激変をしてきていると思っております。その中で新たにつくられた制度として、地域包括ケア病棟というものがつくられて、地域包括ケア病棟の役割とすれば、在宅で療養しておられる患者さんはかかりつけ医の先生が診ておられることが圧倒的に多いのですが、この患者さんをかかりつけ医の紹介で受け入れるという機能と、急性期が終わった後のpostacute、急性期後の患者さんを受け入れる機能がその病棟に付加されました。この病棟はそういう地域医療の貢献、かかりつけ医の先生方が困ったときに受け入れるという機能を有するわけで、そういう病棟が新たに新設されたということで、私はかなり地域の患者さんの流れは変わったように思っております。
私の病院のことをお話しして申しわけないのですが、急性期をやる病院と地域包括ケア病棟だけをやる病院の2つに分けてみますと、かかりつけ医の先生からも御紹介される誤嚥性の肺炎、軽度の心不全、手術を要さない骨折、軽い脳梗塞の患者さんがかかりつけ医の先生から地域包括ケア病棟をやっているところに紹介をされてくるという流れが起こっています。一方かかりつけ医の先生はそう言っても、これは急性期病院できちんと治療をしなければいけないという患者さんはそちらに紹介しています。私は紹介の流れが二通りになっているような気がするのです。これを地域でどう受けとめて、地域医療をどう構築していくかということは非常に大きな問題で、そこの視点を持って、地域医療支援の病院というのは何をどう支援していくのかということを、もう一度しっかりと議論をし直さなければいけないのではないかなというぐあいに思っております。
そういう中で先ほどのアンケートを見ますと、かなり地域によって違うとか、あるいは自治体とかかりつけ医の先生方と地域医療支援病院と全然考え方が違っているとかさまざまなことがありまして、恐らくこれは地域の医療事情にかなり影響されて、いろいろなことが起こっているのだろうというぐあいに私は思います。そうなりますと、これまでのやり方でやってきた地域医療支援病院1本でいいのか、それとも2つにするのか、それとも1つの地域医療支援病院でいろいろな機能を持たせるほうがいいのか、いずれにしろそこを議論しなければいけないということと、厚労省のこれからの検討にというところにありますように、地域の事情に応じて、地域ごとに少し幅を持たせて決めていくということが、私は大事になってくるのではないかなということで発言をさせていただきました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 地域医療支援病院に関して言うと、資料1の5ページにありますようにこれまでの検討会でも議論が行われ、率直に言うと、私のバイアスが多少入っているかもしれませんが、根本的に見直すべきだという議論が多かったのではないかなと思います。私の意見をつけ加えて言えば、前から申し上げているとおり、地域医療支援病院が4つの要件・機能を一体的に持つことによるシナジー効果が本当にあるのだろうかは疑問であり、4つの機能を個別に診療報酬で評価していくほうが適切なのではないかと思っております。そのほうが地域ごとの実情に応じた適切な評価ができます。
また、単に特定機能病院という名称を名乗るだけであればまだしも、先ほど御説明があったかもしれませんが、地域医療支援病院については入院診療加算ということで1,000点という決して小さい額ではない診療報酬上のお金もついていますし、DPCの機能別評価係数のところでも若干の重複があるのかもしれません。
さらに、先ほどちょっと説明があったかもしれませんが、県や医療圏によって地域医療支援病院の数に偏りがあって、率直に申し上げれば、北九州や福岡では、一つの二次医療圏の中に10以上あります。ということは結局単なる名称だけの話ではなくて、医療の財源の資源配分上もゆがみが生じていると考えるべきではないかと思います。そのこともあって、前回の検討会ではそういう議論があったにもかかわらず、今回こういう御提案をされたという理由・根拠は何なのでしょうか。
先ほどの伏見先生の研究の中で、関係者が評価しているとのことですが。これは聞き方の問題で、例えば先ほど申し上げたように診療報酬との関係でどうかとか、そういう提示の仕方をすれば回答も変わってくる可能性があるし、率直に申し上げれば、都道府県が評価として「比較的重要である」ということは、解釈としては、実はそれほど重要ではないということと同じだと言うと言い過ぎかもしれませんが、絶対的に重要性を評価しているわけではないと思います。いずれにせよ、なぜこういう提案になってくるのか。そこのところをもう一度説明をいただけますでしょうか。
○遠藤座長 これまでかなり抜本的に検討という意見もあったわけでありますけれども、今回事務局がこういう提案をされているということの根拠、あるいはこの提案の位置づけといったことについて、少し御説明をお願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 5ページ目のところに、これまでの検討会での御意見ということで抜本的に見直すべきではないか。その中には、廃止も含めて検討すべきではないかという御意見も入っているものと受けとめているところです。
今回調査をさせていただいた結果、6ページ目のところになりますけれども、もちろんこの調査の読み方というのはいろいろと御議論があろうかとは思いますが、3者とも地域医療支援病院は重要であるといった回答が得られたのではないかと考えているところです。
7ページ目のところで、地域医療支援病院に求める役割というものがマクロで集計した数字だけにはなってしまうので、もう少し分析を加えたほうがいいとは思いますけれども、地域によって求められているニーズというのがさまざまであり、全国一律に何らかの要件をはめるというのは、無理があるのではないかなと事務局としては受けとめておりますので、地域のニーズを踏まえて要件を課すといった運用の仕方のほうが地域医療支援病院としてはそれぞれの地域ニーズに合わせて、しっかりした役割を果たせるのではないかといった考え方で、方向性としては、都道府県、また、地域医療構想調整会議の議論を経て、地域の実情を踏まえて、要件を追加することができるといった運用をしてはどうでしょうかという御提案をさせていただいているところです。
また、医師少数区域等の支援に関しても、医師需給・医師偏在との関係で地域医療支援病院の管理者要件との関係から求められているところではありますけれども、そこに関しては一部にするのか、全体にするのかは論点になろうかと思いますが、実態ベースで見ていても7割以上の地域医療支援病院が既にやっている実態がありますので、ここは全ての病院に医師少数区域といった総合診療の機能も含めて、どれか一つということではありますけれども、そういった役割を求めるということを事務局としては提案させていただいたところです。
あと、島崎先生からおっしゃられたのは、診療報酬との関係のところに関してはもちろん論点としてあろうかと思いますけれども、診療報酬の各論のところはどうしても中医協のほうで詳細は議論するということになろうかと思いますが、大きな考え方としてどうするのかというのは、この検討会でも御意見いただくことは可能だと思いますし、その御意見を踏まえて、我々としてどういうことができるかというのは改めて考えたいと思っておりますので、そういった方向で検討を重ねていただければなと思っているところです。
○遠藤座長 島崎構成員、よろしいですか。
○島崎構成員 いろいろありますが、ほかの方も意見も聞きたいと思います。
○遠藤座長 中川構成員、お願いします。
○中川構成員 この地域医療支援病院の要件を満たさなくなったらどうするか。そのまま継続するのかどうかは都道府県の判断ですか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○鶴田保健医療技術調整官 要件を満たさなければ、当然取り消すに当たっては一定のプロセスを踏まないといけないと思っておりますけれども、基本的には、要件を満たさなくなれば都道府県の医療審議会の意見を踏まえて、都道府県としてどう対応するかということにはなりますが、基本的には取り消すことも含めて、しっかり検討していただくということになろうと思いますけれども、今回、調査の中で確かに要件を満たさないという回答はあるのですが、具体的にどうなのかというところは精査できていないところもありますので、恐らくそこを精査していくと、本当に要件を満たしていないのかどうかというのは、もうちょっと丁寧に見ないとわからないのかなというところもあります。
○中川構成員 伏見先生の調査で思うのですけれども、地域医療支援病院が重要ですかと聞いたら、それは重要だと答えますよ。申しわけないけれども、それは地域医療支援病院だから重要だと思っているのではないと思います。地域医療支援病院はどこの病院だったかな、あの立派な大病院か、あの病院は重要だと答えるのが普通でしょう。例えば5ページはみんなが重要だと。どちらかといえば重要だと。ほとんど9割だと。これでこのまま継続するということではないですよ。私がちょっと古いデータを報告しましたけれども、このまま存続すべきだというのはほとんどないのですよ。
島崎先生が言ったように、5ページのこういう意見を踏まえて、あの提案は全然違いませんか。私は思うのですけれども、一定の役割を終えたとか、いろいろ認識は大体の委員の皆さんの共通認識になってきているのだろうとは思うのですが、松田先生、福岡で非常に多くて困っているというお話を漏れ聞いているのですよ。もう何とかしてくれという意見も非公式にですけれどもいただいているので、ちょっと福岡県の実態を教えていただけませんか。
○遠藤座長 松田構成員、コメント、お願いします。
○松田構成員 福岡で地域医療委員会というのを県医師会のほうで開いております。地域医療支援病院の問題は常に話題になりまして、これはどういうことかというと、一番大きな問題は要件さえ満たしてしまえば拒否することはできない。例えば朝倉医師会立病院は同じような機能を果たしているのに、幾つかの要件を満たさないために結局なれない。承認の平等性が地域差を考えたときに担保できるのかということで今議論になっております。
北九州の場合には、御存じのとおり複数の病院は全国でも一番多いぐらいだと思うのですけれども、結局同じような機能を持った病院が割と地理的にきちんと配置されていますので、そうすると、この4要件でやれば必ず満たされてしまう。それぞれの各地区の医師会の先生方の支援をしているのも確かですので、そうすると、拒否することはできないとなりますので、大都市で比較的北九州みたいに中規模以上の病院が割と地理的に配置されているところでは、そういう条件で4要件が当然出てしまう。ただ、北九州みたいなところと朝倉みたいな1カ所しかないところでは同じような機能を果たしているのに、同じ評価をしてもらえないという平等性に関してどう考えるのかという議論が出ています。医療圏をまたいだ支援機能ということも含めて、地域医療支援病院の要件を決めるべきではないかという議論をまさにやっているところです。
○中川構成員 ありがとうございます。
先生、お聞きしたいのですけれども、地域医療支援病院が一つもないところも全国でありますよね。
○松田構成員 ないです。
○中川構成員 そういうところには整備すべきだと思いますか。
○松田構成員 診療報酬のことを別に考えると、例えば福岡では朝倉地区がそうなのですけれども、実際にきちんと機能を果たしているのです。今の制度の中では、その機能が評価されていないということで不平等になっていますので、整備するかしないかということになると、実際にもうやっている病院はありますので、ないことが問題というよりも、地域医療支援病院に課せられている機能がある病院があるのかないのかということが問題だろうと思います。
地域医療支援病院がやっているような幾つかの機能がない地域があり、それによって地域の医療機関の方たちがお困りになっているので、それは問題だと思いますので、地域医療支援病院という名前で評価するというよりは、その機能を果たしている病院があるかないかという点で言えば、それを果たしている病院があるのであればその地域の問題はないし、果たすべき病院がないのであればやはり問題だろうと思います。そういう意味では、名称の問題よりは機能の問題ではないかなと私は考えています。
○遠藤座長 中川構成員。
○中川構成員 これは、明らかに地域医療構想の中で、調整会議でも十分に議論するという案件だと思うのですよ。ですから、こういうところで要件を追加してはどうかといった類いで済む話ではないのではないかと思うのです。
5ページの意見をほとんど踏まえないで、要件の追加という提案をされても非常に困るなという感じがします。何とかしましょうというか、考え直したらどうですか。
○遠藤座長 相澤構成員。
○相澤構成員 中川先生、地域医療支援病院に否定的な御意見をいつもおっしゃられるので、私は地域医療支援病院をやっているので非常に反発をするのですが、地域医療支援病院の役割というのは紹介率だとか逆紹介率のパーセントを満たすのではなくて、その地域の医療を本当に支援しているかどうかということが大事だと思います。例えば、その地域に一つしかない公立病院なども頑張っているのにもかかわらず、開業医の先生が少ないために紹介率、逆紹介率が全然満たされない。だけれども、その病院はすごく大事な病院で、そういう地域の方々のお役に立っているし、そこの医療機関の患者さんもきちんと紹介を受けてやっているということがありまして、それで、私は地域ごとに機能を決めていったほうがいいのではないかということをお話ししたわけです。
もう一つ、先ほど医療圏を越えてという話がありましたけれども、そうなると、地域という概念をどの地域にするのかということは極めて大事なことで、その病院が幅広い範囲で、場合によっては二次医療圏を越えても、その地域の医療を支援するという機能もあるのでしょうし、ある限られた範囲の地域を支援するということもあると思いますので、地域の医療を支援する病院というと私はさまざまだと思うのです。ただ、私は地域医療支援病院が果たしてきた役割というのは病院だけが抱え込むのではなくて、外来機能をなるべくかかりつけ医の先生にお願いをして、入院が必要あるいは病院の機能を利用することが必要な外来の患者さんだけを診るということで、私はかなり整理をされてきているのではないかなというぐあいに認識をしています。
ですから、そのままの要件で続けるのかということも、地域医療を支援するような病院をある地域的な範囲で、それも機能によっては幅広い範囲なのか、狭い範囲なのかをその地域ごとに決めて、そこでやっていくということが私は大事なことではないかなというぐあいに思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、全自協のお話もお聞きしたいと思います。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 今、相澤先生が言われたとおりだと私は思っています。と言いますのは、私が実際に現場にいて、逆紹介とか紹介率をクリアできなくて、うちの病院は今の要件から言ったら支援病院に絶対なれません。そういったところが地方においてはたくさんあります。そういった病院にとっては、支援病院になれないということは条件がある限りなれないので諦めていますが、地域における医療は中心的にやっているということであります。
我々公立病院から言いますと、この支援病院の役割というのは地方の中小の公的病院、あるいは僻地の公的病院といったところに対する支援がテーマではなくて、都会の診療所の先生を支援することがテーマになっていると常々思っております。
ですから、今回の地方への派遣というのは私どもにとりましては、支援病院がそういう機能を持っていただくと非常にうれしい、助かると思っております。今思いついたのはそこだけです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今、多くの方々からは、地域の特性に応じた地域医療支援の形があるのであるから、要件はそれに見合うように対応するべきだ、というお話が御発言者の中ではほぼ共通していた感じがします。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 小熊先生、質問です。ちょっと失礼な質問かもしれませんけれども、先生の病院はどうして地域医療支援病院になりたいのですか。
○小熊構成員 今も言いましたけれども、紹介率と逆紹介率が全く基準をクリアしません。
○中川構成員 どうしてなりたいのか。
○小熊構成員 なりたいという意味ですか。
○中川構成員 はい。
○小熊構成員 それは、支援病院になると点数が上がるではないですか。はっきり言いますと入院時で1,000点です。
○中川構成員 そうなのですよね。点数が上がらなかったらなりたいと思わないでしょう。
松田先生、違いますか。わかりやすい議論をしないとだめだと思うのです。
○松田構成員 ありがとうございます。きょうは余り心の準備をしてこなかった。
福岡県で、やはりそういう議論は出ています。今、小熊先生が言われたみたいに、同じように機能を果たしているのに、規定を満たさない病院が診療報酬上で不利な扱いを受けているのではないかという議論があって、県の医療審議会等で県独自に基準をつくって評価すべきではないかという話になっています。
ただ、私、実はある地域医療支援病院の外部評価委員をやっているのですけれども、それにずっと出させていただいて、そういう点数とか基準だけでは見えないいい面も確かにあると思っています。それは何かというと、この委員会に地区の医師会長の先生、行政の方、消防署の方が出てきて、受け入れ実績というものを見て、なぜこういう問題が起こっているのかということを話し合うということが行われています。それは今までの病院ではなかったことですので、そういう意味でそういう会議がきちんと開かれて、地域のいろいろな関係者の方々と病院の担当者、トップの人たちが話し合って改善をしていくという枠組みができたことは非常によかったのではないかなと思います。そういう意味で、地域医療支援病院の中でそういう会議等を開いて、地域とつながろうという努力がされていることは積極的に評価していいのかなと思います。
○中川構成員 何度も済みません、相澤先生、私は地域医療支援病院を目の敵にしているわけでは全然ありません。
○相澤構成員 失礼しました。
○中川構成員 ただ、2ページのマル1~マル4の4つの要件は地域医療支援病院でない医療機関も当然随分やっているのです。ですから、地域医療支援病院が4つの要件で診療報酬上評価されるのではなくて、個別の診療報酬でこれをきちんと評価すべきだということを申し上げたいのであって、さらに譲れば、これ以上は地域医療支援病院をふやすなということを言いたいのです。よろしくお願いします。
○遠藤座長 地域医療支援というものは診療報酬でかなりきめ細かく評価されるようになっていますので、そもそも医療法上の地域医療支援病院とは何なのかということが議論になっているわけです。ここでは地域医療支援病院の要件を検討するということで、事務局の案が出されたわけです。お話を聞いていると、事務局提案は現行の要件プラスアルファの要件は地方の独自性に任せてはどうかということなのですが、現行の要件そのものも地方の事情で見直してもいいのではないかという御意見が多かったようにうかがえます。
さらには、そもそも地域医療の支援を医療法で病院の形態と関連づけるのではなくて、もう診療報酬一本で評価したらどうかというのが島崎構成員とか中川構成員のお考えだと思います。ただ、診療報酬は基本的に全国一律ですので、地域の特性をどこまで反映できるのかということがあり、なかなか難しいかなという感じはいたします。
ほかの方からの御意見もお聞きしたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、こちらから行きましょう。
まずは本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 前回までの議論を踏まえ、私も、要件について基本的に見直すべきだと考えます。今回の事務局提案について、地域医療構想でいろいろ議論が進んでいることを考えますと、ここで大きく変えるとまた混乱が生じる可能性があることは、一定の理解ができます。
そもそもこの検討会は、特定機能病院等が担う三次救急と、地域医療支援病院等が担う二次救急をどうしていくのかという背景があります。二次救急を担う地域医療支援病院は、地域におけるハブ機能を持ち、病病連携や病診連携を担うことが本来の役割であったと思います。今の話を聞いて、この4要件が現状と余りマッチしていないようにうかがえます。明確な基準は申し上げられませんが、患者や、地域の医療機関に頼られる病院になるために、当面は地方の意見を聞きながら進めることが一番望ましいと思っております。
しかし、地域医療構想の調整会議も地域によっては、まだこなれていない場所もあります。地域の状況を反映するということは一定の理解をいたしますが、単に調整会議の協議に追加機能を委ねるという形は、不合理なばらつきが生じかねないため、病院ごとに異なる機能をどう評価するかについて、厚生労働省から一定の要件や選択肢のようなものを示すべきだと考えます。仮にこの事務局提案に沿って承認要件を見直すとしても、新たな承認要件と評価の関係について、この検討会として一定の考え方を整理すべきではないかと思っております。
先ほど、中川先生からもありましたが、入院初日の入院診療加算がどの機能を評価しているのか報酬上明確ではありません。昨今では、例えがよろしくないかもしれませんが、妊婦加算など、この加算は何でとられているのかわからないと、患者の納得感が全く得られていないものもございました。診療報酬上の点数の取り扱いは中医協のマターであることは十分承知していますが、この検討会として、承認要件と評価のあり方の関係についても整理していく必要があると思います。この機能に応じた評価のあり方などの論点について、取りまとめまでに議論をしていただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、こちらから行きましょう。
三浦構成員、お願いします。
○三浦構成員 今までの議論にありましたように、地域の実情に応じてということで要件を追加するのはもちろんいいと思うのですが、追加だけではなくて、地域の実情に応じて4要件も含めて見直したほうがいいのではないかという気はしています。先ほど松田構成員が地域医療支援病院という名称ではなくて機能だとおっしゃいましたけれども、その機能の部分をどう評価できるか。例えば先ほどもおっしゃった地域を超えた連携で、恐らく交通網等の関係で自分の医療圏の病院に支援してもらうよりも、隣の県から支援してもらうほうが便利な地域とかがあると思うのですが、そういったものは評価されないですよね。その辺を評価できる形に何か変えられないかと思っております。
医師少数区域等を支援する機能の追加は、全ての病院の責務としてはというのには賛成で、先ほど7割の病院がいずれかをやっているとあったのですが、逆に言えばたった7割と思ったのですよね。いずれかの支援機能は果たしていただきたいと思っております。
あと、ちょっと気になったのは別件なのですが、在宅医療がこれから重要になりますけれども、在宅医療を地域医療支援病院がじかにやるというのはちょっと違うと思うのですが、在宅医療を支援する機能はちょっと足りないというか、要件に入れられないのかなと思っておりまして、調査で後方支援病院の登録をしているところが非常に少なかったですよね。後方支援病院がいいのかどうかも含めて、在宅を支援する機能というのがもう少し議論できたらと思っております。
以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。
吉川構成員、どうぞ。
○吉川構成員 ありがとうございます。
伏見先生の調査の在宅医療の状況の中に訪問看護を特出ししていただきまして、資料2の8ページの結果を見ましたところ、536の地域支援病院の中で、330~350前後の病院が在宅の訪問看護をやっているという結果が出たことは非常に心強く思っております。大体65%ぐらいはやっているのだなというところです。
「地域の医療をどう守るか」というのが5ページに書かれていますが、今、御意見がありましたとおり、私どももやはり在宅医療をどのように支援していくかというのが非常に重要だと思っております。特に看護職員の需給分科会で、2025年に訪問看護として12万人が必要になるのに対し、現在4.7万人しかいないという状況から、訪問看護師を在宅医療の中で増やしていくことが非常に喫緊の課題と考えております。
事務局から見直しに係る方向性が2点示されていますけれども、1つ目と2つ目に関しては特に反対の意見はないです。ただ、これに加えまして、在宅医療ですとか訪問看護提供体制を支援する機能というものを加えていただけないかなと考えております。具体的には、実際に事業所を支援するですとか、訪問看護を直接提供するですとか、人材を育成するという機能になるかと思うのですけれども、群市区医師会または地域医療支援病院の中の自由記載の中からも、そうした意見が出ていたと思いますので、そういった機能を追加することが必要ではないかと考えます。よろしくお願いします。
○遠藤座長 まだ御意見があるかと思いますけれども、もう一つ大きなアジェンダがありますので、この課題はもちろん次回以降も検討いたしますので、事務局におかれましては多様な御意見が出ましたので、それを整理していただきまして、次回以降の議論に資する資料の作成をお願いしたいと思います。
それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。
議題2「特定機能病院の第三者評価について」で、資料3「特定機能病院の第三者評価について」を事務局からまず御説明をお願いしたいと思います。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局です。
資料3を用いて、御説明をさせていただきます。
まず、2ページ目のところですが、平成29年の医療法改正において、第三者評価を特定機能病院の承認要件とすることというのが附帯決議に盛り込まれたという経緯があります。それを踏まえて、第13回、3回前の検討会で一度御議論していただいているわけですけれども、そのときの御意見としましては、
「特定機能病院を取り消された2つの病院は群馬大学と東京女子医科大学に当たりますが、2つの病院が一般病院2の認定を受けていたことを考えると限界があるのではないか。」
「病院機能評価で、大学病院の医療を網羅的にチェックするのは困難なのではないか。医療安全に特化してもよいのではないか。」
「評価機構に限定せず、マーケットの中で、評価する第三者の評価が形成されていくことが望ましいのではないか。」
「第三者評価は医療の質と病院の質を高めていく1つのツールである。承認要件とするのではなく、第三者の評価を受けるべきであるとすべきではないか」。
「国会における議論も踏まえ、検討すべきではないか」
といった御意見をいただいているところです。
おさらいになりますが、3ページ目ですけれども、平成26年に本検討会において承認要件の見直しということで中間取りまとめをしていただいているわけですが、その中では、特定機能病院については以下のような取り組みが求められることから、その実施を促進するとして第三者評価を受けることと書いておりますので、報告書の中では、第三者評価を推奨するといった内容が取りまとめられていますので、それを踏まえて、平成26年2月に規定を見直しまして、下線部のところですけれども、次に掲げる取り組みを行うことが望ましい。病院機能については、広域を対象とした第三者の評価を受けていることという内容が盛り込まれているところです。ですので、現状の運用としては推奨ということになっていますので、極論を言えば、第三者評価を受けていなくても特定機能病院にはなれるといった運用となっているところです。
4ページ目は、2つの事案を踏まえて、医療安全の観点から省令改正を平成28年6月に行っておりますので、その概要資料ということになります。その後、ガバナンスについては検討を重ね、平成29年の医療法改正において、特定機能病院におけるガバナンス体制の強化ということで、改正した内容を6ページ目にまとめさせていただいておりますが、特定機能病院の場合、高度の医療の提供、研究、教育は三本柱であるわけですけれども、それに加えて、高度の医療安全というものを法律上も条文として位置づけたといった見直しをしておりますし、「管理者の選任方法の透明化」ですとか「管理者権限の明確化」といったことも手当てをしているところです。
7ページ目が冒頭御説明しましたが、そのときの附帯決議として、第三者による病院の機能評価を承認要件とすることが盛り込まれておりました。
8ページ目ですけれども、附帯決議が盛り込まれるに至った国会での審議内容がどうであったのかということを抜粋してきておりますが、2017年6月6日の参議院の厚生労働委員会の議事録ということになりますけれども、足立信也先生からの「この特定機能病院を応援する意味でも、やっぱり第三者のきちっとした評価を受けながら、そして更新していくという形が私は望ましいんじゃないか」という御質問に対して、厚労大臣から「今承認の更新制ということはどうなんだということでありますが、昨年六月の」というのは、先ほど御紹介した省令改正のところですけれども、「六月の承認要件の見直しを行いましたし、今回法改正を行いますので、これらがどういうふうになるのかということを含めて、今後、この更新制の問題については検討すべき課題かなというふうに思います」と。
また、外部評価、第三者評価ですけれども、既に9割の特定機能病院が評価機構による認定を受けていますと。この第三者評価については9割ではなくて、10割にするということもあり得るのではないかと思いますという答弁をしております。
また、病院機能評価を実施している評価機構では昨年6月、これは先ほど御紹介した医療安全の省令改正のところを指していますけれども、特定機能病院の承認要件見直しを踏まえて、評価プログラムを新たに作成していて、平成30年4月の受審開始に向けて準備を進めていますと。特定機能病院に外部評価、第三者評価を義務づけることについては、機構の新たな評価プログラムの運用実績、あるいは医療関係の御意見を踏まえながら、これからやはり前向きに検討していくべきという御発言を国会でしておりまして、それを踏まえて、先ほど御紹介した附帯決議というものが盛り込まれているといった経緯となっております。
9ページ目ですけれども、評価機構において、この後、橋本先生から御発表をいただく予定ではありますが、特定機能病院を対象にした一般病院3というものが新たにつくられて、昨年4月から運用がなされています。現時点で既に7つの特定機能病院、静がん、名古屋市立大学、大阪国際がんセンター、長崎大学、獨協医科大学、和歌山県立医大、九州大学が既に一般病院3の認定を受けているといった状況になっております。実績も踏まえて、この後、御発表をお願いしているところです。
10ページ目、論点ということになりますけれども、「現状・課題」として、第三者による病院の機能評価を承認要件とすることの必要性が指摘されております。評価機構で特定機能病院を対象とした「一般病院3」が新設されています。
「論点(案)」としては、「一般病院3」をどう評価するのかという観点と、あとは「特定機能病院の第三者評価についてどう考えるか」という論点について、本日は御議論をお願いできればと思っております。
事務局からの説明は以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、引き続きまして、橋本参考人より資料4について御説明をお願いいたします。
○橋本参考人 それでは、橋本でございます。
今、事務局から一般3の説明がありましたように、昨年4月から実際の運用をしております。現時点で19の病院をサーベイしております。結果としては、御紹介いただいたように7つの病院が出てきておりますけれども、残りの病院のさまざまな検討を加えているといった最中です。限定的ですが、1年間の運用状況を説明したいと思います。
私の資料は資料4ですが、どんなものかというのをこの前も申し上げたつもりですけれども、ちょっと見ていただくために私の資料の5ページ目、参考1というところを見ていただければと思います。一般3は従来の一般2と比べてどう違うのかということです。まず訪問日数が3日間です。実際に訪問する病棟が8病棟以上になっている。これはいろいろなところを見ていくので「以上」という言い方になっております。延べで訪問先を見ると33カ所になります。サーベイヤーと言われる人たちがどのぐらい行くかというと9名です。この中が9名にふえたのはリーダーが取りまとめをしたい、あるいは後で申し上げる病院の幹部とのさまざまなやりとりをするときのリーダーになるわけですのでその方、安全をよく知っている方が安全の項目についてしっかりと見るということで安全のサーベイヤー、薬剤のサーベイヤーは一体的な活動をしていますけれども、そういったものです。
6ページですが3日間やります。3日間といっても2日半ですけれども、ここに赤字で記しているようなものが今回新たに加わった内容です。1日目に「組織運営についての説明」というのを院長先生にしていただいて、この病院をどういうふうにしていくかというのと、この病院は地域でどういう役割を果たしているかといったことを中心にお話しする。これまでもこの辺はやっていたのですが、さらに時間をとってしっかりとやっていただくということです。そういうことをサーベイヤーは頭に入れて、1日目の午後からはあちらこちらに行ってみます。
2日目に評価機構が指定をするという観点から、ケアプロセスを3つ見させていただく。そのほかにカルテを延べで20症例を見させていただきます。それから安全の人が加わったということもあって、医療安全ラウンドということを、評価機構のサーベイチームが2日目の朝に指定をして見せていただくということをやっています。これが5カ所以上ぐらいになっているところが実態です。
そのほかに、テーマを持って、患者との対応をどうしているかといったようなこと。それからお話がありましたように、特定機能病院特有の高難度新規医療技術及び未承認云々のところのことをしっかりとルールとか、運用あるいは実績を見させていただいたりということをいたします。
教育についても我々はかなり重要視しておりますので、そのことを個別の部署ごとにお話を聞いたり、あるいは病院全体としてどうなのかという話を聞いたりします。
3日目は、私はある種のハイライトだと思っていますけれども、そういった実態を踏まえて病院幹部とお話し合いをさせていただくということです。面談といっても、我々はこう見たのだけれども、ここはどう思いますかとか、1日目でおおよそのことを聞いているので、それが実際に病院の末端まで行っているべきものが行っているかどうかということを評価する。その中には安全の問題、倫理の問題、教育の問題、コミュニケーションの問題だとかいろいろなものが入ります。安全の問題が一番浮かび上がってくるかなと思います。
私の資料4の1ページ目に行きたいと思います。包括的な言い方をすると、一般3の特徴というのは今のような仕掛けをしながらガバナンスの仕組み、あるいは高度の医療技術の開発とか人材開発といったことです。そのほかに高度の医療安全確保の取り組みというものもしっかり見ている。きょうは、こういうスペックの中でのガバナンスの問題と高度の医療安全確保の取り組みというお話を申し上げたいと思う。それが3ページ目であります。なお、ガバナンスと安全の問題というのは個別の問題ではありません。独立しておりません。ある意味でガバナンスに収れんしていくのかなと思いますけれども、そのほかにもガバナンスの問題はありますので、そういった観点からガバナンスの評価のお話をしたいと思います。
我々のスキームとしては、組織運営の説明、書類がどうなっているか、これは、ルールブックですよね。みんなで決めたことはみんなで守れるのかという話を前提にやっております。ケアプロセスを実際にして、実際の患者さんを見ている中で、それが守られているのかということを見ます。それから、病院幹部との面談という流れで全体を通じてガバナンスの状況を評価しております。
「一般病院3における評価方法」というところですが、これまでよりかなり拡充したケアプロセスの調査をしています。申し上げたように、我々が今まで病院が用意してくださった2症例を見ているのですが、我々が前の日に指定をする3病例を加えていきますので、我々のキーワードとしては定常状態を見るという言い方をするのですが、その状態に近いものが見られていると思います。
こういったものを見て、サーベイヤーは病院を退室してからホテルの会議室で2時間ぐらい合議をしています。どういうものが見えたとか、これはどう考えたらいいのかといったことをかなり真剣にやっている。そういったつもりであります。
指摘事項としては、こんなことがございます。ガバナンスの問題ですが、ローカルルールがありますね。これはどうしてなのでしょうか。意外と病院のトップマネジメントはそのローカルルールがあることを御存じなかったりもします。そういったことがあります。
倫理の問題は先ほど一緒に申し上げました。病院全体として対応すべきことだろうと考えていますので、それをどうも看護部はやっているのだけれどもという状況については、まずいのではないでしょうかという話をさせていただきます。
教育を推進するときの不統一感というのが結構ありますね。大学病院ですからそれぞれの目的が個別にあるのだろうとは思いますけれども、教育という観点から言うと一定の質の職員を育てる責務がありますので、それは統一的にやっていただく部分が大きくていいだろうと考えております。そういったことです。
これについての「受審病院の声」は一番下が特徴的かなと思いますけれども、病院で定めたルールに基づいて現場で実際に運用させているかという観点の審査は、より実効的な評価だなと感じ取られるといった病院からの声がございます。サーベイヤーについても、これまでよりかなり拡充してよく見えてきましたよねという話です。ガバナンスをこれまでも気にしていなかったかというとそんなことはないのですが、しっかりとサーベイの結果の中に位置づけていくというのは一般3の特徴ですので、そういうことについて、かなり考えながら収れんさせて言及していくというサーベイヤーの声が出てきたかなと私は見ております。
4ページです。「医療安全の評価」ですが、安全と薬剤のサーベイヤーの専門家を加えました。そこではかなりトレーニングをしています。まずはサーベイで行う確認症例、ケアプロセスといったものを我々評価機構側から指定していく。どこを見せてくださいという病棟でのさまざまな安全の取り組みを見させていただくのですが、それも我々が指定する。それからカルテレビューもいたします。これは2日目にやるのですが、1日目にこれを見させてくださいという形で大きな母集団の中から選びます。何を見ているかというと、カルテをちゃんと書いているかという形式的な問題も少しは見るのですが、むしろ病院の中でインフォームド・コンセントをどういうふうに考えて、どういうルールをつくっているかということに関して言うと、そのとおりに患者さんを見ているかどうかは明らかにカルテの中に表現されているかどうかがわかるわけですよね。例えば看護であれば、看護が入院してくる患者さんについてどのようなサポートをしているか、入院支援とか意思決定支援という言い方がありますけれども、そういったものも見えてきます。そういったものを見ているということになります。「医療安全ラウンド」もそんなようなことです。
ここに「一般病院3における評価方法」と逐一書いてございますので、ごらんいただければなと思います。
審査における指摘事項ですが、「医療安全に関する各種ルールの部門・部署間の不統一」はやわらかい書き方ですけれども、全体のルールは世の中一般のルールなのだが、行ってみると部署の中でさまざまなローカルルールがある。そのことは医療者、看護師さんを非常に危険な状態にさらしているだろうということが実際にはあります。そのことを病院のトップマネジメントがわかっていないとか知っていないということがしばしば観察されました。それはもちろんガバナンスの問題に帰結されていきます。
よくあるのは、「口頭指示の手順の不備」といったことがある。忙しい病棟ですから当然口頭指示があるはずです。そのときに間違いがないように、合理的にできているかどうかというのは結構ばらつきがあるなと感じます。
これは我々も驚くのですが、高濃度のカリウム製剤がそれなりに使われているなというか、アンプルということです。それが例えば学会などでは、高濃度のものは非常に限定的に扱うだろうという流れがあるのですが、必ずしも病院の末端の診療科に行くとそうではない使い方がされていることがわかっていて、それは病院全体がわかっていなかったということもございます。最近は病棟の中で患者さんが急変しそうなときに予兆をわかって、そして、それを担当の医師が適切な対応をするためにRRSというのをやっているのですが、その教育がどうなっているのかといったことを我々は見ます。そういったものの不備があったように思います。
「受審病院の声」としては、ここに書いていることです。見直しができるということです。現場で生かされているかどうかを見ることができたということであります。
「サーベイヤーの声」も先ほどと似たような声で、人員と時間をかけているため、多角的な視点から確認ができている。従来より質の高い評価となっているというのはサーベイヤーの実感のところです。そういったことであります。病院の定常状態を見ることもできるようになったということです。総じて言うと、これまで19の病院を見させていただいて7つの結果が出ておりますけれども、いろいろと我々が指摘すべきことが多々ある。それは我々の反省でもあるのですが、一般2ではちょっと届かなかったかなと思い、これは前回も御指摘をいただいて、今のではだめではないかという言い方をなされたと思いますけれども、一般3で現実にやっていくと、今まで見えなかったものが相当見えてくるということの効果はあるのかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明を受けまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、金澤構成員、お願いします。
○金澤構成員 橋本先生、御説明ありがとうございます。
特定機能病院として、質をきちんと高めるという意味では、第三者評価というのは非常に大事だと思いますし、厳格化するということについても私は全く異存がないところです。ただ、こんなことを言ってしまってはいけないですが、病院側の負担ですよね。正直申し上げて、もちろんこれがあるからこそ準備もします。一方きのうも国立大学病院長会の常置委員会というのがあって、病院長として、今何が一番大変かというと働き方改革なのです。働き方改革をするという意味では、時間外手当をきちんと払うということももちろんなのですけれども、例えばうちの局などでもモーニングカンファレンスといって、7時半から8時半までカンファレンスをして診療に入っていたのですが、それをちゃんと診療時間の中に入れ込みましょうということで、一生懸命院内改革をしているところなのですけれども、非常に働き方改革をするということがある意味で病院の負担になっていて、この機能調査が一般病院3になるということが、こんな言い方をしたらあれなのですが、なるべく病院の負担にならないような形でやっていただければというのが私どもの希望です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
橋本参考人、何かコメントはありますか。
○橋本参考人 大学病院がさまざまな外部評価を受けている。例えば一番きついのは共同指導シートだと思いますけれども、そのほかに厚生局から立ち入りを受けている。それからそれぞれの大学のグループごとでピュアレビューをやっている。多分それは少しずつ役割が違うのかなと思いますが、今の御指摘は働き方改革云々も含めて我々に寄せられている一般3だけではない御意見で、我々は今まで要らないものは削ろうよというスタイルでやってきたので、それをさらに進めていく必要があるかなと思います。
ただ、病院の中の全体で何か取り組んでいただきたいところは、それなりに取り組んでいただかなければいけないねという話で、これはジレンマのところもあるのですが、そこは要求せざるを得ないのかな。ですから、病院のほうではそれなりに精査をしていただくようなことが必要かな。我々はそのための精査に資するような活動をしたいなと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、川上構成員、どうぞ。
○川上構成員 似た意見になるのですけれども、大学病院などでは、最初に特定機能病院になる時には社会保障審議会医療分科会で厳しく申請内容を確認されます。その後は毎年厚生局と保健所の共同立入検査を受けます。その上で、病院長会議の下での相互チェック・ピュアレビューも受けているので、自分自身としては国会の附帯決議は深く受けとめるべきだと思いますので第三者評価を入れることは賛成なのですけれども、第三者評価には社保審、厚生局、ピュアレビューでは見切れていない部分をよく見ていただくのが宜しいのかと思います。
そして、一般病院2から一般病院3になった内容を見ていきますと、すごく丁寧に見ていただけて高い水準が要求されており、充実した評価だと思いますけれども、東京女子医科大学病院や群馬大学病院のような事案が起こったときは、限られたところで起こったことが隠蔽されたり、病院として見えなくなっていたり、改善が図られなかったりという問題点を、いかに明らかにするかということも大事なのではないかと思います。
変な例えになりますけれども、木製の水桶のようなイメージを考えたときに、壁をつくっている各木板の高さをそれぞれ高くしていっても、どこかに低い板があるとそこから水が漏れていきます。とにかく全部を高めようというよりも、漏れを生じさせる一番低いところがどこかということを見出して、そこの部分だけを的確に指摘していただける第三者評価であると、特定機能病院の立場としてはありがたいと思います。
医療機能評価機構の一般病院3は、大変良い内容だと思います。それ以外にJCIやISOなどが資料にも書かれていますけれども、ほかの第三者評価も仮に取り入れるならば、日本の医療法で特定機能病院に求めている高度の医療の提供、技術の開発評価、研修そして安全確保といった内容を本当に漏れなく見られる審査になっているのか。そうでないものを殊さら細かく評価しても、本来の第三者評価を入れる目的とは変わってくるかと思いますので、そういったことも含めて幅広に御検討をいただくのが良いかと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 特定機能病院の管理者という立場だけでなくて、私は一般病院3の策定にも関与しておりましたので、バイアスが入っているとは思いますけれども、一般病院3に限らず大学病院として病院機能評価の審査を受けることは、一つは先ほどの受審病院の意見にもございましたが、ふだん自分たちが見えないものを外から教えてもらえるということと、もう一つは、診療科ごとの独立性が高い大学病院というところで、病院全体としてのルールをきちんと実行していくというための外圧として、この受審によって病院全体を変える力になるという点は非常に大きいと思います
一方で、弱いところを埋めるという話がありましたけれども、これは1回目、2回目の受審で、それまで自分たちは気がついていなかったところを埋めていくというところで、ある標準線まで行くためには非常にいいのですが、そこからさらに受審の点数を上げていくことで、本当に病院としてのクオリティーが上がっていくかというエビデンス、すなわち、病院機能評価のルールに従うことを追求していくだけで病院が更によくなるのかということは、また別の次元の問題かなと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 橋本さんにお聞きしたいのですが、一般病院3はこのシステムで進んでいるのですか。
○橋本参考人 昨年の4月から進んでいます。19の病院が現在受けられております。
○中川構成員 幾つが認定されたのですか。
○橋本参考人 先ほど、事務局からありましたように今のところ7つの病院です。
○中川構成員 19のうちの7ですか。
○橋本参考人 まだ審議中のものは幾つかあります。
○中川構成員 例えば3日間行って、結果出るまでに大分時間がかかる。
○橋本参考人 それなりの議論をしますので、我々もまだ最初の年ですので、かなり慎重にやっています。
○中川構成員 それで、だめだったところはあるのですか。
○橋本参考人 あります。
○中川構成員 これではだめだと。
○橋本参考人 我々は、だめだからそのままだめよという話ではなくて、ここがだめだから直してくださいねという言い方である一定の時間を差し上げて、そのことに取り組んでいただいて、少し実績を見せていただいて、満足すべき状態になったかどうかの確認をさせていただいているという仕組みです。
○中川構成員 確認したらオーケーを出すのですか。
○橋本参考人 そうです。ただ、その確認も重要な項目については、3年目にもう一度見せてくださいねというスキームは用意しています。まだそこに陥っているものは現実的にはないと思います。
○中川構成員 前回の意見というところに私の意見も書いていただいているのですが、一般病院3というものをつくられた御努力は評価しますけれども、私は一貫して、特定機能病院はガバナンスと医療安全に特化すべきだと思っているのですよ。
橋本さんの資料の5ページの3日間にして、4病棟から8病棟にして、サーベイヤーの人員を6人から9人にふやしたと。そこで職種の内容を見ると「診」と書いてあるのが医師ですか。
○橋本参考人 そうです。
○中川構成員 金澤先生、坂本先生、松村先生にお聞きしたいのですが、医療機能評価機構の審査として、橋本さんの2ページのところの項目で2番目から「高度の医療の提供」「高度の医療技術の開発および評価」「高度の医療に関する研修および人材開発」を3日間の調査でわかるのかという問題があると思うのです。これは、むしろ特定機能病院の承認要件をクリアするかどうかで、かなりの精度で判定できますので、私はこの3日間を大事にして、ガバナンスと医療安全に特化すべきだということを一貫して申し上げているのですよ。3人の大学の先生方、いかがでしょうか。
○遠藤座長 金澤構成員、お願いいたします。
○金澤構成員 私も御指摘のとおりかなと感じています。
この3つの要件というのは、特定機能病院の本来的な要件で、恐らくこういったことはガバナンスがあって、安全を確保されて行われているかということが大事であって、私たちも第三者評価で指摘していただきたいのは、「ガバナンスの仕組みと実践」あるいは「高度の医療安全確保の取り組み」の2点が一番大きいのかなと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、坂本構成員、お願いします。
○坂本構成員 恐らく「高度の医療の提供」というのは、医療の高度性を評価しているのではなくて、高度の医療を行うに当たっての十分な安全性とガバナンスがあるかどうかというところだけを見ていると私としては認識しております。
○遠藤座長 それでは、松村構成員、お願いいたします。
○松村構成員 私も「高度の医療の提供」よりも、それを患者さんに適用するに当たっての医療安全、何かあったときのガバナンスがきちんと確保されているかどうかというのが主眼だろうと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
橋本参考人、そういう理解でよろしいのか。
○橋本参考人 それで結構です。
医療法でかなり細かく規定されていて、こうやるのだよというのは高度の医療のいろいろなところであります。大体、今のところはそのとおりにできていますが、我々のサーベイヤーが見ると通報の仕組みがないよねとか、よく指摘させていただくのは議論した結果、こういうことに気をつけてやってくださいねという結論でやるのですが、その後のモニターが余りできていないといった現実は見えています。だから我々のサーベイがあって、それが見えているのだろうなと思います。
ちょっときつい言い方かもしれませんけれども、安全のサーベイヤーで、この病院は2回厚生局の審査を受けているよね、どうして厚生局はこれがわからないのだろうという意見はあります。それは我々がすぐれているという言い方でもないのですが、それなりにしっかりと入り込んで、一つ一つの施設の事例を見ながらやっていくということの方法のいいところかなと私は認識しております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 橋本さんにお願いしたいのですが、資料3の4ページと6ページ、特に4ページの右側の「見直し後の内部統制」をぜひサーベイヤーの方にしっかりと見てほしいなと思うのですよ。特定機能病院の側から見ると、これを本当にクリアしているのかどうかはなかなか難しいと思います。非常に厳しい内容になっているので、これを本当にクリアできていれば、かなり医療安全の質は高まったのではないかと私は思えるのだと思うので、現場に行くと嫌がられると思いますが、ぜひしっかり見ていただきたいなと強くお願いします。
○遠藤座長 これは、この検討会でも議論した内容でありますので、いかがでしょうか。
コメントをお願いします。
○橋本参考人 確かにおっしゃられるとおりで、ある大学病院の先生は、これからの大学病院は内部統制と外部統制でうまくバランスをとっていく能力が病院長に要求されているという認識を示していた。我々も内部統制がしっかりできているかというのを見たいと思いますし、もう一つは我々が見るのですが、病院の中に医療安全の外部監査委員というものを新しく制度として設けましたよね。あれがどう機能しているのかが我々サイドからよく見えていない。それとうまくマッチングすればいいかなと思っています。
○遠藤座長 よろしいですか。
それでは、島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 前にも同じような質問をさせていただいたことがあるのかもしれませんが、こういう第三者評価によって、見逃した場合の責任というのはどういうことになるのでしょうか。違う例で言うと、同じかどうかは別にしまして、例えばある会社が決算報告をするときに会計監査事務所がチェックしますが、そのときにその不正を見抜けなかったといったときは会計監査を行う会社が責任をとることというのはあるのではないですか。JCIの認証とか、ほかの事例でも結構だし、あるいは病院機能評価機構の中でそういう議論がされたことがあるのであれば、あるいは上田座長代理のほうがよろしいのかもしれませんが、そういう責任問題というのはどういうふうに考えていけばよろしいのでしょうか。
○遠藤座長 もし、何かコメントがあれば、橋本参考人。
○橋本参考人 多分、それはこれが承認要件となるならないの制度との関連で詰められるべきで、我々は考えています。もし事故が起こった後の責任ということではなくて、むしろ評価結果が違うではないかということは今でもスキームがあるのですが、承認要件が必須となった場合にはもうちょっとシビアな話になる。これはアメリカの例で、JCIで認定を受けていると保険の認定になりますので、そのことの経緯はかなり見てきています。
○島崎構成員 実はそのことをお伺いしたかったわけで、受審が望ましいというのと、それを要件にするというのは法的な効果が違ってくるのではないかと思うのです。
そこは事務局のほうにお伺いしたいのですが、その点については法制的に何か議論されたのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 今回、10ページ目で論点として、一般病院3をどう評価するか、特定機能病院第三者評価についてはどう考えるかということで、オープンな投げかけで御議論をお願いしているわけですけれども、特に2ポツ目の特定機能病院の第三者評価を承認要件上どう位置づけるかによって、制度設計が大分変わるのではないかなと思っています。それは、要件の中に認定を受けていることを要件と書くのか、受審することを要件と書くかによっても手当ての仕方が違うと思いますし、認定することを要件として設けるのであれば、そこは認定している機関も含めて、国がしっかりと監視・指導できるような構成まで持っていかないと、なかなか法制上つくり込めないのではないかとも思いますし、そこはしっかりと今後詰めていきたいと思っていますが、要件の書き方によって、島崎先生がおっしゃる論点というのがどのように影響するかで変わってくると思います。
○島崎構成員 もし、そうだとすれば、それはむしろそういうことをお示しいただいた上で、こういうふうに効果が違ってくるよという上で、議論されるべき話だと思います。
○遠藤座長 重要な御指摘だと私は思います。
ほかにございますか。
相澤構成員、どうぞ。
○相澤構成員 私も一般病院3の評価をどうするかというところに加わらせていただいたので、ちょっとバイアスがかかるかもしれませんが、特定機能病院であるからには、ある程度日本の病院の模範になるような病院であるべきだという観点で、さまざまな評価をするという基準をつくりました。今来ていらっしゃる先生ともかなり激烈な議論をしたのですが、そこでの皆さん方の共通の認識も評価が通るかどうかというよりも、評価を受けて、自分たちの病院の質あるいは医療の質というのを改善していく。このままではちょっと足りないというところの改善をしていくために受けていくことが極めて大事であるということで、このようなものをつくらせていただきました。もしそれをがちがちにこの基準を通らないと絶対だめだということにすると、私は本来の目的が果たせなくなるのではないかということで厚生労働省のほうにもお願いしたのですが、そのように評価というのは使っていただきたいなというぐあいに思っております。
以上です。
○遠藤座長 了解いたしました。ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
金澤構成員、どうぞ。
○金澤構成員 先ほどの橋本先生からの外部監査委員はどう機能しているかというお話が出たのですけれども、正直申し上げて、この医療機能評価と比べると余り意味がないなというのが私の実感です。ほとんど大学病院の膨大なさまざまな背景というのをお示ししても、外部監査委員の方には医師会の方、弁護士さんもいらっしゃる。いろいろな方がいらっしゃるのですけれども、余り大学病院そのものについての御理解がしっかりした方というのはそんなにいないのです。確かに外部ということで、我々が考えつかないようなことを質問される方もいらっしゃいますけれども、あれがあるから病院の質が高まるかといったら、正直言って、余りそういった感じはしておりません。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、川上構成員、どうぞ。
○川上構成員 今の点ですけれども、外部監査委員会に求められる役割や機能の問題かなと思います。医療安全上の隠蔽等がないかということを外部からチェックする役割は一定程度あるのかなと思います。自分の所属する病院でも、半年に一度は外部監査委員会で審議した内容を議事録としてホームページに公開していますし、仮にですけれども一般病院3の立ち入りの際に必要でしたら、外部監査委員の先生にもヒアリング等をしていただいても宜しいのかなとも思いますので、それぞれの委員会の役割と機能に応じた位置づけがあるのかなと思っております。
○遠藤座長 それでは、坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 先ほど、相澤構成員からもございましたけれども、4ページにもございますように、地方厚生局による立入検査というものは監査でありますが、医療機能評価は、やはりそのプロセスを通して病院を改善していくということが一番大事な目的になります。受審しているということを要件とするのは非常に大事だと思いますけれども、これに通っているかどうかということによって、直接的に評価する役割ではないのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、小熊構成員、お願いします。
○小熊構成員 受審が大事だというお話を今先生方がされているのですけれども、受審だけをして、改善もしなければどうなるのですか。先ほど橋本先生は改善してくださいという点もあるとおっしゃった。そういったところを放置されたらどうなるのでしょうか。
医療機能評価をしないという意味ではなくて、病院の中にはそのまま放っぽり出しておく、うまい解決策を出せないというところもあるのではないでしょうか。そういったものの状態のままで特定機能病院として認めるということでよろしいのでしょうか。
○遠藤座長 そうすると、御趣旨は受審ではなくて、要件としては、承認されたということを要件とするべきだということをおっしゃりたいという理解でよろしいですか。
○小熊構成員 私はそう思っています。
○遠藤座長 そうなると、先ほど言ったように機構そのものもそれに値するかどうかの管理が必要になるわけで、単なる民間の組織でありますから、ある民間の組織の意向によってという形になります。そういう意見が一方であるわけなのです。そういう中での御意見としてはよく承りました。
上田座長代理、何かありますか。
○上田座長代理 今、ご意見が先生方から出されていますが、それぞれについてメリットや意義と課題がありますので、その辺は次回以降に厚労省のほうで整理していただいて、議論していただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今のに関連してでもいいですし、違う視点でも結構でございますが、何かあれば御意見を賜りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 遠藤先生が言うように、やはりこれを要件にするというのはなかなか遠い道だなと思います。しつこいようですけれども、橋本さんの5ページのスライドではなかなか難しいですよ。例えばサーベイヤーを20~30人にして、医師が10人とか、訪問日数は10日間とか、そのぐらい本気でやらないとこれはできませんよ。
これは、だんだんずれてくるのですけれども、始まりは群馬大学と女子医大の問題ですから、それをみんな忘れてはいけないのですよ。だから私はガバナンスと医療安全に特化すべきだと繰り返し言っているのです。高度な医療技術は承認要件のほうでやってもらえばいいので、なかなか難しいなと思っているのは、一般病院3を承認、認定された病院が同じような事故を起こしたときにどう責任をとるのかということも私は心配しているわけです。そのぐらいの覚悟でやっていただきたいなと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 私も中川先生と全く同じく、そもそもこのような見直しが検討されたきっかけは群馬大と女子医大ですので、患者側の立場からするとミスが極力起こらないような形になればと思います。第三者評価を受けても結果的にはミスが起きることはあるかと思いますが、そこにウエートを置いた形で見直していただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
事務局、どうぞ。
○北波総務課長 御議論、いっぱいの御指摘いただきまして、ありがとうございます。
事務局の資料としては、最後に参考資料ということで「病院機能評価」「JCI認証」「ISO9001」等という形で提示をさせていただいております。今回の論点ということで一般病院3をどう評価するか、第三者評価についてどう考えるか、これは受審でいいのか、認定までなのかという論点もございますが、そもそも評価というところについて限定をするのか、いろいろな第三者評価をどう取り扱うのか、どう考えるのかというところも少し論点ではないかなと考えております。もし、御指摘等がございましたらありがたいと思っております。
○遠藤座長 島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 そこは、先ほどの特定機能病院の承認要件にするかどうかということともかかわるわけで、もしそこまでやるのだとすると、多分第三者評価というよりも指定検査機関ではないのですけれども指定チェック機関みたいなものを、省令かどうかがわかりませんが、基準を決めて適合マークみたいなものをつけていくこといとになると思います。例えば、病院機能評価はその基準に照らして、確かにこういう検査ができるという「お墨付き」を与えて受けさせる形になるのだと思います。
そうではなくて、もっと緩やかな、望ましいタイプだとすると、もっとそこのハードルは全然違う形になるのではないかと思います。そこは法的な効果も含めてセットの議論なので、そこの点の整理をする必要があるのではないかと思います。
○遠藤座長 それでは、中村構成員。
○中村構成員 第三者評価をどれにするかという話が今出たのですけれども、私のところの病院は3つともとっているわけなのですが、ISOとかJCIに関してはマネジメントというよりは品質、物の管理、やはり今の日本の医療制度に関しては病院機能評価、機構のほうが一番適しているのではないかと思います。
それはどうしてかというと、例えばJCIは本当に全世界なので、薬剤がにせものがまじっていないかとか、看護婦さんが賄賂をとっていないかという質問からスタートするような部分があるものですから、もし、この中で選ぶとなればそうだし、第三者評価ということでやっていく中で機能評価の3というものができてきて、これはかなり完成されているものに近いと思います。その中でトラブルがまた起こる可能性は当然あると思うのです。病院の中でさまざまなものが起こってくる。その都度、それをブラッシュアップしていくという努力をしていってもらうということが大事なのではないかと思うのです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
それでは、三浦構成員。
○三浦構成員 先ほどの受審を要件とするか認定を要件とするかという話で、やはり受ければいいというものではないと思うのですが、認定だと厳し過ぎるということがあるのだとすれば、受審して改善しないケース、何回受審しても合格しないケースというのは結構あるものなのでしょうか。
○遠藤座長 それはお尋ねですね。
橋本参考人、どうぞ。
○橋本参考人 今の一般病院3に該当する特定機能病院という限定でしょうか。それとも、評価を受けているという全体の問題でしょうか。
○三浦構成員 3に対しては、まだ実績が少ないのでおっしゃるのも難しいかと思うのですが、全体を踏まえて。
○橋本参考人 全体で言うと、結局我々が提示した改善策に到達できなくて、そのままになっていく病院はごくわずかですけれどもあります。我々もしつこいところがあって、何とかこういう改革はできないでしょうかということを、かなり丁寧に我々としてはやっているつもりですね。そこら辺は若干甘くなる部分もあるのかもしれませんけれども、我々は認定をしないという原則も余り立てていないのですよ。何とか努力して、認定してあげたいと思って、ずっとここ20年間そうやってやってきている。多分それが我々評価機構の役割だと思っていますので、ぜひ改善のプロセスに乗ってほしい。そのためにちょっと余計な話ですけれども、評価だけではない教育のプログラムということも用意しています。ですから、そういうものに乗っていただいて、改善の道に乗っていただきたいというのが我々の趣旨です。ただ、残念ながらドロップアウトしていく病院はわずかですがあります。
一般3については、多分それなりの資源があるので、それは現実的にはないと思います。ただ、問題は私も大学病院にいたのでよくわかっているのですが、割にこれでやり過ごそうという知恵が働くところなので、そこら辺を我々はどのぐらい厳しくというか、丁寧にというか、対応していくかは運用していく知恵が必要なのかなと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
よろしいですか。ほかにございますか。
何かありますか、三浦構成員。
○三浦構成員 今のお話を伺いますと、やはり、受審ではなくて認定が要件かなと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。
ほかにありますか。
それでは、高野構成員、どうぞ。
○高野構成員 時間がない中、申しわけございませんが、1つ前のテーマの伏見先生の調査に関連して述べさせていただければと思います。
資料1のページ8の表では、歯科診療について過剰とされる回答もありますが、特に病院歯科における歯科診療は、外傷など病院でしかできないような歯科口腔外科的な治療や全身的疾患を有する人の歯科治療があります。
資料2の17ページ表にもありますように、地域医療支援病院のみ提供しているとされる回答もありますことから、少なくとも地域医療支援病院においては在宅歯科医療への支援を含めて、歯科を診療科として加えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
まだ御意見はあるかと思いますけれども、そろそろ時間になりました。また、このテーマにつきましては、今後も当然議論をいたしますので、本日はこれぐらいにさせていただきたいと思います。活発な御議論ありがとうございます。
橋本参考人におかれましては、大変長時間ありがとうございました。
それでは、事務局はいろいろな議論が出ましたので、それらを整理して、次回以降の議論に資する資料の作成をお願いしたいと思います。
「その他」で、事務局から何かありますか。
○渡邊総務課長補佐 次回の開催については、また改めて御連絡を差し上げます。ありがとうございます。
○遠藤座長 それでは、本日はこれをもちまして、閉会したいと思います。
どうも長時間ありがとうございました。
 
 

 

 

 

 

(了)

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