ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第91回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2022年1月7日)

 
 

2022年1月7日 第91回社会保障審議会年金数理部会 議事録

年金局

○日時

令和4年1月7日 13時00分~15時00分

 

○場所

全国都市会館 大ホール



 

○出席者

 
翁部会長、浅野部会長代理、小野委員、駒村委員、関委員、永瀬委員、野呂委員、枇杷委員


○議題

(1)令和2年度 財政状況について-国家公務員共済組合-
(2)令和2年度 財政状況について-地方公務員共済組合-
(3)令和2年度 財政状況について-私立学校教職員共済制度-
(4)その他

○議事

 

○鎌田首席年金数理官 定刻よりは若干早いですけれども、委員の先生、全員おそろいですので、ただいまより第91回「社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
 審議に入ります前に、資料の確認をお願いします。
 本日準備しております資料は、議事次第、委員名簿、座席図のほか、4点ございまして、資料1から3は、いずれも令和2年度財政状況になっておりまして、資料1は国家公務員共済組合、資料2は地方公務員共済組合、資料3は私立学校教職員共済制度、資料4は令和2度実績と財政検証における将来見通しとの比較でございます。
 なお、各制度から御提出いただいた資料4につきましては、前回の部会で報告の聴取を行った厚生年金保険(第1号)及び国民年金・基礎年金制度と同様の様式変更、積立金の平滑化、確定値による比較という様式変更を行っております。
 次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、山口委員から御都合により欠席との御連絡を受けております。
 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 なお、駒村委員、関委員、永瀬委員につきましては、オンラインでの御参加でございます。
 それでは、以降の進行については、翁部会長にお願いいたします。
○翁部会長 委員の皆様には御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。
 社会保障審議会年金数理部会では、年金制度の安定性の確保に関し、毎年度、報告を受けております。
 本日は、令和2年度財政状況について、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の報告を聴取いたします。
 それでは、本日の聴取に当たりましては、昨年度同様、資料4につきましては、令和元年財政検証における実施体制を踏まえ、資料1から3までの各共済組合等の財政状況に関する資料とは別に、各制度をまとめた形で御準備いただいております。こちらにつきましては、そのほかの資料と併せて各共済所管省から御説明をいただきますが、皆様からの御質問に対しては、財政検証について主要な役割を担う厚生労働省からも御説明をいただくこととします。
 それでは、議題(1)に入ります。
 本日は、お忙しい中、財務省主計局給与共済課の大石共済調査官と西尾共済計理官、国家公務員共済組合連合会の辻年金企画部長、水村資金運用部長、宮島運用リスク管理室長と高橋年金企画部数理第一課長に御出席いただいております。
 それでは、令和2年度の国家公務員共済組合の財政状況について、説明をお願いいたします。
○大石共済調査官 財務省でございます。本日は、国家公務員共済組合連合会からも担当者を同席させておりますので、質疑等の際には対応させていただきたいと思います。
 それでは、国家公務員共済組合の財政状況について、資料に沿いまして順次御説明いたします。
 まず、資料1の1ページをご覧ください。厚生年金保険給付を取引する厚生年金保険経理の収支状況についての推移でございます。令和2年度について御説明いたします。
 まず、収入でございますが、収入総額は3兆2063億円となっております。国共済の会計につきましては、法令上、簿価ベースを原則としておりますが、預託金時価ベースでは、括弧書きになりますが、4兆3375億円となっております。収入の内訳をご覧いただきますと、まず、保険料収入は1兆2849億円、国庫・公経済負担は2945億円、追加費用は1545億円、運用収入は3785億円となっております。なお、正味の運用収入では3784億円、預託金時価ベースの運用収入は1兆5096億円となっております。
 これらを利回りにいたしますと、数字を並べた一番下の欄の積立金運用利回りにございますように、簿価ベースでは6.25%、預託金時価ベースでは22.62%となります。このような高い運用利回りとなったのは、令和2年度の国内外株式市場が好調だったことを受けたものと承知しております。
 このほか、上の収入欄に戻っていただき、基礎年金交付金は349億円、厚生年金交付金は1兆562億円、その他の収入は28億円となってございます。
 次に、支出でございますが、支出総額は2兆9573億円となっております。その内訳でございますが、給付費は1兆2649億円、基礎年金拠出金は5750億円、厚生年金拠出金は1兆601億円となっております。地方公務員共済とは、平成16年度以降、財政単位の一元化により財政調整の仕組みが導入されておりますが、これに伴う地方公務員共済への財政調整拠出金531億円が計上されております。その他の支出は43億円となっております。
 令和2年度には以上のような収入・支出がございました結果、収支残はプラス2490億円であり、年度末積立金は6兆4256億円となっております。また、預託金時価ベースでは収支残はプラス1兆3802億円、年度末積立金は8兆1607億円でございます。
 2ページをご覧願います。経過的職域加算額等を取引する経過的長期経理になります。
 まず、収入でございますが、収入総額は262億円となっております。国共済の会計につきましては、法令上、簿価ベースを原則としておりますが、預託金時価ベースでは255億円となっております。事業主負担金、これは一元化前の公務上給付に充てる負担金ですが、22億円。国庫・公経済負担金は5億円、追加費用は139億円、運用収入は93億円となっております。なお、正味の運用収入では84億円、預託金時価ベースの運用収入は76億円となっております。
 これらを利回りにいたしますと、2年度欄末尾記載のとおり、簿価ベースでは2.68%、預託金時価ベースでは2.43%となります。
 このほか、基礎年金交付金は0.5億円、その他の収入は3億円となっております。
 次に、支出でございますが、支出総額は1666億円となっております。その内訳でございますが、給付費は1642億円、その他の支出は24億円となっております。
 令和2年度には以上のような収入及び支出がございました結果、収支残はマイナス1404億円であり、また、年度末積立金は2517億円となっております。また、預託金時価ベースでは収支残はマイナス1412億円、年度末積立金は2518億円でございます。
 次に、給付状況について御説明いたします。3ページをご覧願います。まずは、被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者と、被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者の合計です。
 令和3年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にありますように、合計で131万2千人であり、前年度に比べプラス9千人、0.7%の増加となっております。
 その下の欄、年金総額につきましては、欄外の注にありますように、(ニ)経過的職域加算の額も加えまして、合計で1兆5576億円であり、前年度に比べマイナス149億円、0.9%の減少となっております。
 次に、4ページをご覧願います。被用者年金一元化前に受給権が発生した共済年金受給権者の状況です。
 令和3年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にあるように、合計で89万9千人であり、前年度に比べマイナス4万5千人、4.7%の減少となっております。
 年金総額につきましては、その下の欄になりますが、合計で1兆1333億円であり、前年度に比べマイナス688億円、5.7%の減少となっております。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金給付費は含まれておりませんが、昭和61年3月までに裁定された方の基礎年金に相当する分は含まれています。
 続きまして、5ページをご覧願います。被用者年金一元化後に受給権が発生した厚生年金受給権者の状況です。
 令和3年3月末の国共済の受給権者は、右から2番目の列の一番上の欄にあるように、合計で41万3千人であり、前年度に比べプラス5万3千人、14.8%の増加となっております。
 年金総額につきましては、下の欄になりますが、合計で3703億円であり、前年度に比べプラス474億円、14.7%の増加となっております。この年金総額には日本年金機構が支払っている基礎年金給付費は含まれておりません。
 なお、下段の特記事項の(注2)にありますように、平成29年8月に施行された受給資格期間短縮の対象者は9255人となってございます。
 続きまして、6ページをご覧願います。被用者年金一元化後に受給権が発生した経過的職域加算の受給権者の状況です。
 令和3年3月末の国共済の受給権者数は、右から2番目の列の一番上の欄にあるように、合計40万2千人であり、前年度に比べプラス5万2千人、14.8%の増加となっております。
 年金総額につきましては、その下の欄になりますが、合計で541億円であり、前年度に比べプラス65億円、13.6%の増加となっております。
 7ページは、共済年金の減額支給・増額支給の状況になります。
 令和3年3月末の男女合計におきまして、減額支給が6万1千人、増額支給が4千人となっております。
 次の8ページの厚生年金受給権者でありますが、令和3年3次月末、男女合計で繰上げ支給が5千人、繰下げ支給が2千人となっております。
 続きまして、9ページをご覧願います。老齢・退職年金受給権者の平均年金額及び平均加入期間になります。
 受給権者計の令和3年3月末をご覧いただきますと、一番上の男女合計の老齢・退年相当で13万704円であり、前年度に比べマイナス1355円、1.0%の減少となっております。先ほど申し上げましたとおり、この平均年金月額には日本年金機構から支払われる基礎年金が含まれておりません。そこで、厚生労働省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、18万5491円となり、前年度に比べプラス161円、0.1%の増加となっております。平均加入期間は433月であり、前年度に比べ1月の増加となっております。
 下段の男女別の説明は割愛させていただきます。
 続きまして、10ページをご覧願います。
 共済年金受給権者の令和3年3月末をご覧いただきますと、一番上の男女合計の退年相当で13万7034円であり、前年度に比べマイナス909円、0.7%の減少となっております。厚生労働省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、19万3806円となり、前年度に比べプラス266円、0.1%の増加となっております。平均加入期間は429月であり、前年度と同じとなっております。
 下段の男女別の説明は割愛させていただきます。
 11ページをご覧願います。厚生年金受給権者の令和3年3月末をご覧いただきますと、一番上の男女合計の老齢相当で11万3883円であり、前年度に比べプラス147円、0.1%の増加となっております。厚生労働省から提供されたデータを用いて基礎年金額を含む平均年金月額を推計したところ、その下の欄にありますように、16万3397円となり、前年度に比べプラス3636円、2.3%の増加となっております。平均加入期間は442月であり、前年度に比べ1月の増加となっております。
 続きまして、12ページをご覧願います。新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間になります。
 (イ)の共済年金受給権者の令和2年度の平均年金月額をご覧いただきますと、一番上の男女合計で12万6077円であり、前年度に比べマイナス2689円、2.1%の減少となっております。また、平均加入期間は383月、前年度に比べ1月の増加となっております。
 下段の(ロ)の厚生年金受給権者の平均年金月額をご覧いただきますと、一番上の男女合計で10万7911円であり、前年度に比べマイナス1438円、1.3%の減少となっております。なお、平均加入期間は444月で、前年度に比べ3月の増加となっております。
 13ページから21ページは、老齢・退年相当受給権者の給付状況を年齢別にお示ししたものでございますが、説明は割愛させていただきます。
 22ページから24ページは、老齢・退年相当の受給権者数について、年齢構成と平均年齢をお示ししたものでございます。
 22ページになりますが、男性・女性及び男女計とも、70歳~75歳の階級が最も大きくなっております。男女計では、その割合が22.8%となっておりまして、その後、年齢階級が高くなるに従って減少しております。
 また、平均年齢は、男性が76.4歳、女性が79.0歳で、男女合計では76.9歳となっております。
 23ページと24ページの共済年金・厚生年金の分布は、説明を割愛させていただきます。
 続きまして、25ページから28ページは、老齢・退年相当、通老・通退相当の受給権者数について、年金月額階級別の分布をお示ししたものになってございます。
 25ページをご覧いただきますと、共済年金受給権者でございますが、退年相当の男女計では、年金月額階級が13万円以上14万円未満の割合が最も高く、15.8%となっており、分布の山を形成しております。また、通年相当・25年未満の男女計では、年金月額階級が1万円未満の割合が最も高く、63.1%となっております。
 26ページの厚生年金受給権者につきましては、共済年金受給権者とおおむね同様の傾向が見られます。
 27ページ、28ページの特別支給の受給権者を除いたものに関しましては、説明を割愛させていただきます。
 次に、被保険者の状況について御説明いたします。29ページをご覧願います。
 令和3年3月末の欄をご覧いただきますと、一番上の108万4千人が被保険者数であり、前年度に比べプラス6千人、0.6%の増加となっております。男女別では、男性78万3千人、女性30万1千人となっており、全体の7割を男性被保険者が占めておりますが、徐々にですが、女性被保険者の割合が増加してきております。被保険者の平均年齢は41.9歳となっております。標準報酬月額の平均は41万4209円であり、前年度に比べマイナス3603円、0.9%の減少となっております。
 標準報酬月額総額は5兆3846億円であり、前年度に比べプラス69億円、0.1%の増加となっております。また、標準賞与総額は1兆7179億円であり、前年度に比べマイナス149億円、0.9%の減少となっております。標準報酬月額総額と標準賞与総額を合算した標準報酬総額は7兆1025億円となり、前年度に比べマイナス80億円、0.1%の減少となっております。
 下の表の右下にあるとおり、総報酬の被保険者1人当たり月額では、男女計で54万6285円であり、前年度に比べマイナス4811円、0.9%の減少となっております。
 30ページから32ページは、被保険者の年齢階級別、加入期間、階級別の分布表でございます。
 30ページの男女合計では、45歳以上50歳未満の階級が16.2%と、最も多くなっております。
 次のページの男性でも、45歳以上50歳未満の階級が16.8%と、最も多くなっております。
 また、次のページの女性では、25歳~30歳と45歳~50歳で山を形成しておりまして、男女とも傾向といたしましては、厚生年金1号被保険者と同じ傾向となっております。
 33ページは被保険者の標準報酬月額等級の分布表でございますが、説明は割愛させていただきます。
 34ページになりますが、厚生年金保険経理の積立金の資産構成を示しております。このページは預託金時価ベースの欄の数値で御説明申し上げます。
 令和2年度末における年金積立金の合計は8兆1607億円ですが、そのほとんどを固定資産として運用を行っております。固定資産の内訳は、財政融資資金への預託金2兆461億円、有価証券等5兆8446億円となっております。なお、預託金の時価については、財投預託金と同じ残存期間である国債の市場における利回りを基に算出しております。
 運用利回りとしては22.62%となっております。表には記載してございませんが、資産種類別に申し上げますと、国内債券がマイナス0.41%、国内株式が42.48%、外国債券が5.59%、外国株式が58.72%となっております。
 35ページは、資産区分別の内訳を示しております。
 年金積立金総額に占める割合は、国内債券が27.3%、国内株式は24.4%、外国債券19.8%、外国株式25.1%、短期資産が3.4%となっております。
 令和2年度末の国共済連合会の基本ポートフォリオとしては、国内外の債券・株式に4分の1ずつが中心値でございますが、令和元年度末の基本ポートフォリオ中心値が、国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%でありました。そこから新たな基本ポートフォリオに近づけている過程でありますことから、表に出ておりますように、実績は国内債券30.7%、国内株式24.4%、外国債券19.8%、外国株式25.1%となっております。
 以上が資料1の説明になります。
 続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。令和元年度財政検証につきましては厚生労働省で作成されたものですが、将来見通しとの比較を行うため、共済組合から実績を提供しております。通しページ7ページ、資料4-1と記載されているところからが国共済になります。
 次の通し8ページ、国共済資料としましては1ページをご覧いただきたいと思います。こちらの表では、財政検証ベースの実績と令和元年財政検証に基づく将来見通しとの比較を示しております。2ページ以降の表では、実績と令和元年財政検証に基づく将来見通しとの比較を示しております。
 それでは、国共済資料1ページ、収支状況の比較について御説明いたします。なお、財政検証ベースの実績においては、特記事項及び脚注に記載しているとおり、確定値ベースの額に置き換えるなど、令和元年財政検証結果と比較のため、同水準となるよう組替えを行っております。また、比較については、将来見通しのケースⅢと比較して御説明いたします。
 まず、収入の計をご覧いただきますと、将来見通しのケースⅢでは2兆8010億円であったのに対し、実績では4兆1725億円と、プラス1兆3715億円となっております。この乖離の主な要因ですが、時価ベースの運用収益がプラス1兆3871億円となったことによるものです。運用収益のプラスは、見通しと運用利回りの差によるものです。
 次に、支出でございますが、計の欄をご覧いただきますと、将来見通しのケースⅢでは2兆8082億円であったのに対し、実績推計は2兆7719億円と、マイナス363億円となっております。この乖離の要因ですが、基礎年金拠出金がプラス220億円となったものの、厚生年金拠出金がマイナス301億円、給付費がマイナス180億円、その他支出がマイナス101億円となったことが挙げられます。給付費のマイナスは、見通しの受給者数と年金改定率との差、その他支出のマイナスは、見通しの国共済・地共済間で行われている財政調整拠出金との差によるものです。
 なお、今回の様式におきまして、1号厚年と同様の平滑化を行った積立金を計上しております。1号厚年と規模は異なりますが、直近年度の収益が一番大きい場合には、平滑化を行うと、直近年度末時価と比べると多少低めに出るという点は、1号厚年と同様の傾向ではないかと考えてございます。
 続きまして、2ページに参りまして、被保険者数及び受給者数について、将来見通しと実績の比較表でございます。
 令和2年度の被保険者数は、将来見通しが106万2千人であったのに対し、実績は108万3千人と、プラス2万2千人となっております。受給者数につきましては、将来見通しが128万3千人となっているのに対し、実績は126万7千人と、マイナス1万5千人となっております。
 続きまして、3ページ以降では、各種財政指標について、実績と財政検証の比較をしております。
 まず、3ページでは、年金扶養比率について比較しております。
 令和2年度の年金扶養比率の実績は、上の表の一番左下の欄にありますように、1.71となっております。財政検証結果では1.71となっており、実績と同じということになっております。
 最後になりますが、4ページは積立比率でございます。令和2年度につきましては、実績は4.9となっております。
 財政検証結果では、労働参加が進むケース、労働参加が一定程度進むケースともに5.1となっており、実績と比較しますと、いずれも財政検証結果のほうが高くなっております。
 国共済の説明は以上でございます。
○翁部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、何か御質問などがございましたら、お願いいたします。
 野呂委員、お願いします。
○野呂委員 どうもありがとうございました。
 3点ほどありまして、1つは、1ページ目の支出の中の給付費のところですけれども、対前年マイナスの1.9%ということで、その給付費を補うための厚生年金拠出金が対前年マイナス2.9%、あるいは追加費用がマイナス5.8%ということで、支出の減り方のほうが大分少なくなっており、このギャップはどういうことで起こるのかというのが1点目の質問です。そのギャップは、後でどういう形で精算するのか、その辺りについての精算の仕組みなどをお聞きしたいというのが1点目でございます。
 2つ目が、このページの下のほうの注2の財政調整拠出金Bのマイナス50億円。マイナスの拠出ですから、収入が50億円ということです。毎年お聞きしていますけれども、トータルでは収支残がプラスなのに財政調整拠出金Bの収入があるということで、その関係は多分予測といいますか、予算の段階との乖離だと思うのですけれども、余りにも分かりにくいので、もう少し確定ベースか、あるいはそれに近い推定値に置き換えるような表記の仕方ができないものかというのが2点目の質問です。また、2年前の未精算分がどこかに反映されていると思うのですけれども、それがどこに反映されているかというのが2つ目の質問でございます。
 最後は、非常に簡単な質問ですけれども、35ページ目のポートフォリオを見ますと、外国債券の比率が、今、御説明あったとおり、かなり増えております。昨今の為替の変動を見ますと、その為替レートの影響もかなりあるかと思うのですけれども、今は円安なので収支的には良好かと思うのですが、ちなみに、現時点で円ドルが例えば1円単位動きますと、どの程度収支に影響があるかというのを教えてほしいです。単純な質問でございます。
 以上でございます。
○西尾共済計理官 お答えさせていただきます。
 1点目でございます。委員御指摘のような、給付費の減少幅と厚生年金交付金の減少幅の違いといった点につきましては、1つは、厚生年金交付金でありますとか追加費用につきましては、年度の始まる前の予算の段階で見込みを立てまして、その見込みを立てた額を頂いたり、拠出したりということになっておりますので、今回のずれにつきましては、令和2年度の予算段階におきまして、実績よりも給付が大きく減ると見込んでいた結果、そのようになったものと承知してございます。こちらの交付金とか追加費用は、暫定額として予算で見込んだ額ということですので、翌々年度に、予算額に加えてその精算分も一緒に措置するということになっております。
 2点目でございます。財政調整Bは、令和2年度に、国共済の収支が黒字で、地共済の収支が赤字となる見込みでありましたことから、2年度分として国共済から地共済に527億円、拠出いたしました。一方、この2年度のB財調につきましては、前々年度の平成30年度に概算で拠出しました577億円が、結果的に地共済のほうでの収支が黒字となりましたことから、それが返ってくるということで、相殺しまして527億円から577億円を引きました△50億円という形で計上しております。
 令和2年度の確定値ベースにつきましては、これは令和4年度の財政調整に向けた積算基礎となるものでございまして、現段階では確認中ということで未確定でございますので、このタイミングの年金数理部会のほうにお示しすることはちょっと難しいということでございます。ただ、もう少し分かりやすくするということでございましたら、例えば、注記にありますような△50億円につきまして、先ほど申し上げましたような、当年度拠出分と前々年度の精算分の内訳を表示させていただくといった対応は可能でございます。
 3点目でございます。先ほどちょっと説明のほうでございましたように、国内債券から外国債券へのシフトにつきましては、基本ポートフォリオの中心値が、令和元年度末、国内債券がそれまで35%であったのが25%に減りまして、その分外国債券が25%から35%に増えたということに伴うものでして、特段、為替の見通しを踏まえた資産移動を行っているということではございません。ざっくり申し上げますと、基本ポートフォリオ上、国共済の資産8兆円のうち半分の4兆円が外貨建てということになりますので、例えば、平均的に1ドル100円前後で取得しているとすれば、1円相当というのは1%程度ですので、4兆円の1%程度、数百億円のオーダーでございますけれども、それよりは少し少なめになるものと見込んでおります。
○翁部会長 野呂委員、よろしいですか。
○野呂委員 ありがとうございました。
○翁部会長 そのほか、いかがでしょうか。
 関委員、お願いいたします。
○関委員 今の御質問があった点と同じなのですけれども、財政調整の表の注のつけ方です。上のほうの表では「注」とあるのですけれども、下のほうには「注1」と「注2」があって、「注2」はどこかという表示がもしかしたらないので、どれがどこに当たるか、見にくいかもしれないと少し思いました。
 コメントでございます。
○翁部会長 ありがとうございました。
 それでは、浅野委員、お願いいたします。
○浅野部会長代理 御説明ありがとうございます。
 3点ほどあるのですけれども、1つが2ページの経過的長期経理で、これについては積立金が減少していって、いずれ枯渇すると地共済のほうの積立金を取り崩す、充当することになるのだと思うのですけれども、そこは何年後ぐらいかというのは予測されているのでしょうかというのが1つ目です。
 2点目が、12ページの厚生年金受給権者の一元化後の平均年金月額の推移で、令和元年度が高くて、ほかの共済も令和元年度が高くてピークになっているように見えるのですけれども、これは何か理由があるのでしょうかというのが2つ目です。
 3点目が、資料4-1のほうの通番のページで9ページですが、受給者の見通しとの比較で、通老・通退相当・25年未満のところが、ここは結構大きく乖離していて、率にして92.4%ですけれども、この辺り、受給者数はそんなに期間がたっていないので狂わないのではないかなと思うのですけれども、ここは何か原因とか要因とかあって、次回の財政検証で改善すべきことがあるのでしょうか。
 以上3点です。
○翁部会長 はい。
○西尾共済計理官 それでは、お答えさせていただきます。
 1点目でございます。経過的長期経理の財政調整につきまして、昨今の決算状況からおよそ見込まれるのは、令和4年度のうちには国共済の経過的長期経理の積立金がおそらくなくなっていくであろうということで、令和4年度中の適切な時期に地共済のほうから拠出金を頂いていくということになろうかと見込んでございます。
 2点目でございます。確定的な分析はできておりませんけれども、令和2年度の新規裁定の方といいますのは、令和元年度新規裁定と比べますと、平均的に、乗率なりベースとなる標報なりが少し高かったのではないかと考えてございます。
 3点目でございます。これもなかなか確定的なことは申し上げにくいのですけれども、請求されたものを裁定するという性質上、実績では、年度内に実際に請求・裁定されたものが出てまいります。その辺りの将来見通しの作成上の取扱いにつきましては、次期財政検証に向けて厚労省さんのほうと相談していくものと考えてございます。
○佐藤数理課長 すみません、数理課長です。
 少し補足させていただきますと、厚生年金のときにもちょっとお話ししましたが、財政検証では10年の受給資格期間というのを見ずに、10年未満の人についても全部年金を発生させるというシミュレーションを行っているところですので、通老相当についてはシミュレーションが大きく出やすいという傾向はあるかと思います。
 あと、65歳というか、支給開始年齢に達しても、まだ裁定請求してきていない。それは、単に遅れているだけとか、繰下げをしている人とか、いろいろいるわけですが、そういった人もいつ請求してくるかというのは分からないですけれども、シミュレーションでは5年間かけて全員発生させる。つまり、70歳未満の待期期間ですけれども、全員発生させるということをやっておりまして、その辺の前提・仮定が妥当かどうか、今後検討していきたいと考えております。
○翁部会長 よろしいですか。はい。
 そのほか、ございますでしょうか。
 永瀬委員、お願いします。
○永瀬委員 ありがとうございます。
 1つは、9ページを見ますと、平成29年から令和3年の比較的短い5年間の期間で、平均の年金月額が8000円ほど下がっているのですけれども、これはたしか高齢者で受給額の多い方が亡くなっているからという説明があったような気もするのですが、それにしてもかなり急速に縮小している印象があるのですけれども、ここのところの具体的な理由を。そういうことだとしても、どうしてそれだけ下落しているのかというのを教えていただければというのが1点目です。
 もう一点は、1ページ目ですけれども、例えば収入総額の中の保険料、国庫・公経済負担、追加費用、運用収入、基礎年金交付金、厚生年金交付金、財政調整拠出金収入、その他とか、支出のほうの給付費、基礎年金拠出金、厚生年金拠出金、財政調整拠出金、その他という分類分けが、これを見ていてもなかなか分からないので、注というか、これはこれを意味するのだというのが入っていると、一般の方がご覧になっても分かるのではないかと思うのですけれども、その辺のことについて教えてください。
 以上2点です。
○西尾共済計理官 まず、1点目でございます。こちらは、たしか前回、元年度の決算ヒアリングの際にも類似の御質問をいただいたかと記憶してございますが、29年から令和3年にかけてということですと、前回のときにちょっと申し上げましたような、古い年代の方々は給付乗率が今よりも高かったといったこともございまして、そういった乗率の高い方々というのは、5年なり10年なりたつと失権、死亡などによって減ってまいりますので、結果的にそうした乗率の高い方が減ってきているということが原因なのではないかと考えてございます。
 2点目でございますけれども、こちらの収支状況の表、御指定いただいたものを淡々と埋めているということではございますけれども、委員御指摘のような、わかりにくい項目名の説明といったことを注のほうに書いたりすることは可能ではないかとも思いますので、それは年金数理部会の事務局などとも相談させていただければと考えてございます。
○永瀬委員 御検討いただければありがたいと存じます。
 もう一度、先ほどの9ページの件ですけれども、見ますと、イ、ロ、ハとありまして、イについては8000円ぐらい減っていて、ロについては3000円ぐらい減っていて、ハについてはほとんど変わりがない、1000円ぐらいなので、これは、1つは、イの中に占めるロの割合が減少して、ハが増えたということも意味しているのでしょうか。
○西尾共済計理官 ロのほうは、被用者年金一元化前に受給権が発生したということですので、こちらは年々減る一方ということかと考えております。一方で、ハのほうは、一元化後に発生したということですので、増える一方です。そうしますと、併せると、全体に占めるロの割合というのは、御指摘のとおり、減っていくと考えられます。
○永瀬委員 では、もう一つ、ハとロで非常に水準が違う理由は何なのでしょうか。2万円ぐらい違うのですかね。
○西尾共済計理官 こちらもなかなか確定的なことは申し上げにくいのですけれども、共済年金、特に一元化前の期間ですと、旧共済の仕組みで年金額が決まりますので、一元化後の厚生年金とは乗率などが違っているかと思います。
○永瀬委員 違っているというのは、どう違っているのですか。
○西尾共済計理官 先ほど申し上げましたような、共済年金の算定の際に平均標報に掛ける1000分の幾つという乗率は、一元化前は世代によって違っておりまして、詳細はちょっと手元にございませんけれども、今の一元化後の厚生年金の乗率よりは高かったということがあるかと思います。
○永瀬委員 分かりました。でも、対象は資格的には同じ方たちということですね。かつての共済に入っていらした方たちと思ってよろしいのですか。
○西尾共済計理官 共済に入っていらしたという意味では同じですけれども、世代がちょっと違っている。ロの世代のほうがより古い世代ということになってございます。
○永瀬委員 ありがとうございます。
 その人数の推移というのはどこのページにあるのですか。11ページと10ページでは集計対象の人数が年度によって随分変わってくるということを、今おっしゃっていたのですけれども、その人数はどこに表示されているのですか。
○西尾共済計理官 例えば、ロの共済年金受給権者につきましては4ページのほうに出ておりまして、平成29年3月末の1165.3というところから、令和3年3月末の899.1という形で推移しておりまして、ハの一元化後の厚生年金につきましては、5ページのほうですね。表の上のほうで113.6から412.7と推移してございます。
○永瀬委員 見方が分かりました。ありがとうございました。
○翁部会長 ありがとうございます。
 それでは、御質問がないようですので、次に移りたいと思います。ありがとうございました。
 次に、地方公務員共済組合について報告を聴取いたします。総務省自治行政局公務員部福利課の野村課長と春原数理官、地方公務員共済組合連合会の大川資金運用部長、年金業務部の村上部長と山内数理課長に御出席いただいております。
 それでは、御説明をお願いいたします。
○野村福利課長 総務省福利課長の野村でございます。本日は地方公務員共済組合連合会の担当者も同席しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速でございますが、地方公務員共済組合の令和2年度の財政状況について、資料に沿って御説明申し上げます。資料2をご覧ください。
 まず、資料の1ページ目をご覧ください。収支状況でございます。
 (1)厚生年金保険経理の令和2年度について御説明申し上げます。
 まず、収入でございます。一番上の欄の収入総額は8兆8570億円となっております。以下、その内訳でございますが、保険料は3兆4553億円となっております。国庫・公経済負担は7684億円となっております。追加費用は3259億円となっております。運用収入は9416億円となっております。また、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は9320億円となっており、さらに正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は4兆6816億円となっております。基礎年金交付金は671億円、厚生年金交付金は3兆2437億円、財政調整拠出金は国共済から地共済に531億円が拠出されております。その他は19億円でございます。
 次に、支出でございます。支出総額は8兆3404億円となっております。以下、その内訳でございますが、給付費は3兆7453億円となっております。基礎年金拠出金は1兆5085億円となっております。厚生年金拠出金は3兆694億円、その他は172億円となっております。
 収入総額から支出総額を差し引いた収支残は5166億円となっております。
 その下の年度末積立金は19兆6315億円となっており、積立金運用利回りは4.93%となっております。また、時価ベースの年度末積立金は24兆1401億円となっており、同じく時価ベースの積立金運用利回りは23.81%となっております。
 以上が令和2年度の厚生年金保険経理の収支概要でございます。
 続いて、2ページをご覧ください。経過的長期経理の令和2年度分について御説明申し上げます。
 まず、収入でございます。一番上の欄の収入総額は1兆952億円となっております。以下、その内訳でございますが、事業主負担は21億円となっております。国庫・公経済負担は2億円となっております。追加費用は248億円となっております。運用収入は1兆676億円となっております。また、有価証券売却損等の費用を除いた正味運用収入は1兆613億円。さらに、正味運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は4兆8650億円となっております。基礎年金交付金は1億円、その他は3億円となっております。
 次に、支出でございます。支出総額は5541億円となっております。以下、その内訳でございますが、給付費は5469億円となっております。その他は72億円となっております。
 収入総額から支出総額を差し引いた収支残は5410億円となっております。
 その下の年度末積立金は19兆5499億円となっており、積立金運用利回りは5.58%となっております。また、時価ベースの年度末積立金は24兆3393億円、同じく時価ベースの積立金運用利回りは24.32%となっております。
 以上が令和2年度の経過的長期経理の収支概要でございます。
 次に、給付の状況について御説明させていただきます。3ページをご覧ください。共済年金と厚生年金を合計した受給権者数について御説明いたします。
 令和3年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は318万3千人となっており、前年度に比べ2万6千人、0.8%の増加となっております。また、年金総額については、経過的職域加算の額も合計した額が4兆6829億円で、前年度に比べて8億円の減少となっております。内訳等については、記載のとおりでございます。
 次に、4ページをご覧ください。ここにつきましては、共済年金受給権者についての表でございます。
 令和3年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は204万8千人となっております。また、年金総額につきましては3兆1433億円となっております。
 次に、5ページの厚生年金受給権者について御説明いたします。
 令和3年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は113万6千人となっております。また、年金総額につきましては1兆3222億円となっております。
 次に、6ページをご覧ください。経過的職域加算の受給権者について御説明申し上げます。
 令和3年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数は111万4千人となっております。また、年金総額については2175億円となっております。
 次に、7ページをご覧ください。これは、共済年金受給者数について、減額・増額別に表したものでございます。
 減額支給の受給権者は令和3年3月末で5万人、その年金総額は719億円となっております。また、増額支給の受給権者は、令和3年3月末で8千人、その年金総額は108億円となっております。
 8ページをご覧ください。これは、厚生年金受給権者についての表でございますが、それを繰上げ、繰下げ別に表したものでございます。
 繰上げ支給の受給権者は、令和3年3月末で1万人、その年金総額は77億円。また、繰下げ支給の受給権者は令和3年3月末で3千人、その年金総額は38億円となっております。
 次に、9ページをご覧ください。これは、共済年金と厚生年金を合計した受給権者計の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。
 令和3年3月末の老齢・退年相当の平均年金月額は13万5375円。前年度に比べて1317円、1.0%の減少となってございます。その1段下をご覧いただきますと、基礎年金を含めた平均年金月額を記載しております。金額は18万8741円、前年度に比べ384円、0.2%の増加となっております。さらに、2段下の平均加入期間については431月、35年と11月となってございます。
 10ページをご覧ください。これは、共済年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。
 退年相当の平均年金月額は14万5599円、前年度に比べて728円、0.5%の減少となっております。その1段下をご覧いただきますと、そこに基礎年金を含めた平均年金月額を記載しております。金額は20万2654円。前年度に比べ90円の増加となっております。さらに、2段下の平均加入期間については425月となっております。
 11ページは、厚生年金受給権者の平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。
 老齢相当の平均年金月額は11万6752円となっております。その1段下をご覧いただきますと、基礎年金を含めた平均年金月額を記載しておりますが、金額は16万3398円となっております。さらに、2段下の平均加入期間については441月となっております。
 次に、12ページをご覧ください。新規裁定者に係る平均年金月額及び平均加入期間についての表でございます。
 下の表の(ロ)厚生年金受給権者の新規裁定に係るものをご覧ください。令和2年度における平均年金月額は11万207円となっております。その1段下の平均加入期間は442月となっております。
 続いて、13ページから21ページについては、老齢・退年相当に係る支給区分別、年齢別の表でございます。説明は割愛させていただきます。
 次に、22ページをご覧ください。この表は、受給権者計の老齢・退年相当に係る年齢階級別の表になってございます。
 男性では70歳~75歳、女性では65~70歳の階級が一番多く、その後は年齢階級が高くなるにつれ減少しております。平均年齢は男性が74.90歳、女性が75.81歳、男女合計が75.23歳となっております。
 次に、29ページをご覧ください。被保険者の状況についてでございます。
 まず、被保険者数でございますが、令和3年3月末現在で299万8千人、前年度に比べ14万1千人の増加となっております。また、平均年齢は全体では42.7歳、うち男性が43.6歳、女性が41.6歳となっております。それから、標準報酬月額の平均につきましては40万4274円で、前年度から1万1300円の減少となっております。
 下の表に移りまして、標準報酬月額総額が14兆5236億円、標準賞与総額が4兆7432億円、標準報酬総額が19兆2668億円となっております。
 続いて、34ページをご覧ください。積立金の運用状況について表したものでございます。
 令和2年度の欄をご覧ください。令和2年度末における厚生年金保険給付積立金の総額は、表右側の合計欄でございますが、簿価ベースで19兆6315億円、時価ベースで24兆1401億円となっております。
 資産区分別の状況は、次の35ページのとおりとなっておりますので、ご覧いただければと思います。
 構成割合は、一番右の時価ベースで申し上げますと、国内債券は21.5%、国内株式は25.2%、外国債券は23.0%、外国株式は25.9%、短期資産は4.4%となってございます。
 以上が資料2の説明になります。
 次に、資料4に参ります。資料4-2の地方公務員共済組合に係ります令和2年度実績と財政検証における将来見通しとの比較をご覧ください。これは、令和2年度実績と令和元年財政検証における将来見通しとを比較したものでございます。財政検証を実施した厚労省の数理課と連携し、共同で作成した資料となります。
 まず、収支状況の比較でございますが、通しページの14ページをご覧ください。これについて御説明申し上げますと、ここで令和元年財政検証との比較を行うに当たり、厚労省数理課に確認の上、実績を作成した表となってございます。なお、上から2段目の令和2年度実績と令和元年財政検証における将来見通しとしては、ケースⅢについて御説明申し上げます。
 収入について申し上げます。保険料の令和元年財政検証の将来見通しでは、3兆3696億円に対し、実績は3兆4553億円でございます。また、運用収入について、将来見通しでは3533億円に対し、実績は4兆6816億円となってございます。そして、その他でございますが、将来見通しでは735億円に対し、実績は654億円でございます。これは、国共済からの財政調整拠出金収入が減少したことによるものでございます。このようなことから、収入の計は、将来見通しでは7兆8374億円に対し、実績は12兆3133億円でございます。
 続いて、表右側の支出でございますが、給付費の将来見通しは3兆3246億円に対しまして、実績は3兆3505億円でございます。また、基礎年金拠出金の将来見通しでは1兆4325億円に対し、実績は1兆4960億円。厚生年金拠出金の将来見通しでは3兆1210億円に対し、実績は3兆1255億円でございます。このようなことから、支出の計は、将来見通しでは7兆8845億円に対しまして、実績は7兆9797億円でございます。収支残の将来見通しはマイナス471億円に対し、実績はプラスの4兆3336億円でございます。
 続きまして、通しページの15ページをご覧ください。これは、被保険者数及び受給者数について比較したものでございます。
 まず、被保険者数についてでございますが、将来見通しでは282万2千人とされているところ、令和2年度の実績では299万6千人となってございます。受給者数につきましては、将来見通しでは302万4千人とされているところ、令和2年度の実績では303万2千人となっております。年金種別ごとの数字は、それぞれ右に記載しているとおりでございますので、参考にしていただければと思います。
 次に、通しページの16ページをご覧ください。年金扶養比率に関して比較したものでございます。
 将来見通しでは1.42とされているところ、令和2年度の実績は1.49となってございます。
 最後に、17ページをご覧ください。積立比率について申し上げます。
 将来見通しでは5.6とされているところ、令和2年度の実績は5.2となってございます。
 簡単ではございますが、地方公務員共済組合の説明につきましては以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○翁部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして御質問ございましたら、お願いいたします。
 枇杷委員、お願いします。
○枇杷委員 御説明ありがとうございました。
 2点お伺いしたいと思います。
 最初ですが、12ページの共済年金受給権者の被用者年金一元化前に受給権が発生した受給権者の表ですけれども、去年ももしかしたら質問しているかもしれないのですが、平成30年度、令和元年度、令和2年度の年金額が結構大きく増加していて、国共済さんのほうの同じ表を拝見すると、同じぐらいの水準で推移されているのに対し、地共済さんのほうが金額の伸びが非常に大きくなっていますが、その理由をちょっと教えていただきたいということが1点でございます。
 それから、もう一点ですけれども、これはもしかしたら年末の報告のときにあったかもしれないのですが、29ページの被保険者の状況で、被保険者数は比較的大きく伸びておられて、それで標準報酬月額の平均は割と大きく下がっておられます。何か特殊要因があったとちょっとお伺いしたような気もするのですけれども、その要因を教えていただきたいのと、それが一過性のものなのかどうかという観点でも、もしコメントをいただけたら幸いです。
 以上です。
○翁部会長 それでは、お願いいたします。
○春原数理官 それでは、お答えさせていただきます。
 1点目は、これは、一元化前に受給権が発生した方で、令和2年度に新規裁定をしたということで人数を申しますと、125人ということで、本当にごく限られた方でございます。このごく限られた方だけをもって、年金額が高いとか低いとか、統計的に何か申し上げるのはちょっと難しいのかなと考えております。この方々は例えば受給権は一元化前に発生していたけれども、繰下げ受給を希望されていた方とか請求を忘れていた方とか、そういった限られた要因の方ということで御理解いただければと考えております。
 2点目、被保険者数の増加の要因ということで、令和元年度と比べますと14万1千人の増と大幅な増加になっております。増加の内訳を見ますと、このうち約11万人が公立学校共済組合の組合員、端的に言いますと公立学校の教職員の方であります。その理由については、これは所管する文科省に確認しましたところ、要因としましては、令和2年4月1日に施行されました地方公務員法によりまして、臨時的任用職員という方がおりますけれども、そういった方については、この法改正後は常時勤務を要する常勤職員としての位置づけになったことによるものです。この方々の被保険者の資格で申し上げると、採用の日から地方公務員等共済組合法の組合員になったということでございます。
 従来は、この臨時的任用職員は、採用されてから12月を経過しないと組合員となることができなかったところでありますけれども、この法改正後は、その任用期間に関わらず、採用と同時に公立学校共済組合の組合員となりますので、これによって大幅に組合員が増加したと考えております。
 これが一過性のものなのかどうかというところですけれども、端的に地方公務員の数というのは、行政需要の変動とか各地方公共団体における行政改革の取組などの影響を受けますので、この辺が今後どうなるのか、なかなか申し上げにくいところではありますが、引き続き、動向は注視していく必要があると考えてございます。
 以上でございます。
○枇杷委員 ありがとうございます。
 最初のほうの年金額の話は、理解としては、母数が少ないということで、たまたま裁定がちょっと後になった方で、昔の年齢の高い方が多かったということが続いているということですか。分かりました。
 後半のほうですが、標準報酬の水準については、すみません、ちょっと聞き逃したかもしれないので、もしコメントをいただけたら。そちらが下がっていることの理由についてもお願いできますでしょうか。
○野村福利課長 そこも詳細な分析が必要かと思いますけれども、先ほどの組合員の内訳で臨時的任用職員の方の増加の分が若干影響している部分はあるのかなと思っております。
○枇杷委員 今回、追加で入られた方が相対的に水準の低い方が多いのではないかという、それが一因であろうということですかね。
○野村福利課長 所管の文科省にも確認する必要があると思いますが、臨時的任用の方が入られたことが影響している。要因としてはそういったことかと。それが具体に数字としてどれだけ影響しているのかというのは分析が必要でございます。
○枇杷委員 分かりました。ありがとうございます。
○鎌田首席年金数理官 枇杷委員の最初の質問の補足なのですけれども、ほかの共済制度も同じですが、先ほど御議論いただいた12ページの(イ)の表は、御説明がありましたとおり、ちょっとイレギュラーな方というか、そういうことですので、来年度以降の取扱いは無しの方向で検討したいと思ってございます。
 同じ話が、16ページ、17ページ、18ページの詳細版も、一元化前に受給権が発生した受給権者の60代前半というのは、この先、見込まれないので、これも併せてスクラップという形で検討させていただければと思っております。
○翁部会長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 野呂委員、お願いします。
○野呂委員 資料の2ページ目の経過的長期経理のところですけれども、今年度の支出総額が5541億円ということで、これは閉鎖勘定ですので、受給権者数もどんどん減っていって金額も減っていくと思われます。それに比べて、感覚的で恐縮ですが、時価ベースでの収支残が4兆3447億円ということで、結構多額にあるわけですけれども、今後、減っていく閉鎖勘定の中で、4兆からの時価ベースの収支残というのはどのように扱われるのか。極端に言うと、遠い将来、この閉鎖勘定の対象者がいなくなった場合、残額などの取扱いについては何か取り決めがあるのかどうかという辺りについて教えていただきたいと思います。
○野村福利課長 御質問ありがとうございます。
 今の点にお答え申し上げれば、まず、一元化のときに積立金の仕分けを行い、共済組合が保有していた積立金のうち。
○翁部会長 すみません、ちょっと聞き取りにくいみたいなので、少し大きな声でお願いできますか。
○野村福利課長 一元化の当時、地共済で保有していた積立金のうち、厚生年金に充てるものと、それ以外のものに分けたという経緯がございます。その上で、今の4.3兆円の収支残につきましては、この経過的長期経理の部分の給付が終わるのが大体90年後という見通しを立てておりますが、そのときにも一定程度、積立金が残るような試算は出ております。ただ、90年後に具体にそれをどう処理するのかというものについては、スキームとしてはまだ決まっていないというのが現状でございます。
○翁部会長 ありがとうございます。
 そのほか、御質問いかがでしょうか。
 では、お願いいたします。
○浅野部会長代理 御説明ありがとうございます。
 2点ほどありまして、1点目が、今、論点になりました、2ページ目の経過的長期経理ということで、時価残高で言うと積立金が24兆円ありまして、厚生年金経理の積立金とほぼ同水準の金額ということで、90年後ぐらいになくなるというのですけれども、きっと相当余るのではないかなと思うのですけれども、このまま置いておくというのはすごく非効率で、早めにどこかに移管して、もっと運用するとか、年金財政のためのプラスにしていくとか、そういうことはないのかなと思うのですけれども、その辺り、いかがでしょうかというのが1点目です。
 それから、2点目が、資料4の通し番号15ページのところで、先ほどと同じような質問で恐縮なのですけれども、1つは、被保険者数が今回、法令の改正で大きく変わったということで、この被保険者数だけで6%ぐらい乖離があるのですけれども、これはこの後、どんどんシミュレーションと乖離していくということは、シミュレーションの値はだんだん意味がなくなってくるような気がするので、これだけ乖離したら、シミュレーションは法律でやっているから簡単には変えられないのかもしれないですけれども、比較のためには別のものをつくっておいたほうがいいのではないかと思うのですけれども、そういうことは考えられないのでしょうかというのが1点と。
 あと、受給者数のほうですが、さっき通老・通退のほうに乖離がある理由について御説明いただきましたが、地共済については、老齢・退年相当も逆に実績のほうが増えているのですけれども、これは何か要因があって、次回の財政検証に当たってシミュレーションで見直すべきことがあるのかどうか、その辺りを教えていただければなと思います。
○翁部会長 どうぞ。
○佐藤数理課長 シミュレーションのほうについて、お答えさせていただきます。
 まず、被保険者の数字が大きく変わっているということについてですが、財政検証については少なくとも5年に一度行うということになっています。まさに、こういった変化を織り込むためにそういった規定が設けられているところなので、きちんと要因とか動向を分析して、次の財政検証に織り込んでいくということなのかなと、今のところ思っております。
 あと、老齢相当についても受給者数が結構ずれているという話ですが、シミュレーションのロジックとしては、ほかの1号厚年も2号厚年も3号厚年も4号厚年も、全て同じロジックで基本的にやっています。ただ、基礎率のうち、失権率と脱退力といったものについては、制度によって少し変えているところがあります。なので、ちょっと分析が必要ですけれども、基礎率の問題なのか、それとも地共済だけ何か特殊な要因があるのかといったことは、よく分析して、次の財政検証に反映していきたいと考えております。
 以上になります。
○春原数理官 お答えいたします。
 まず、経過的長期経理に残る積立金の在り方でございますけれども、繰り返しで恐縮ですけれども、旧3階部分の処理にあと90年程度かかるということで、今後どうなるかというのを今の段階で見通しをつけるというのは、なかなか難しいのなというところが1点ございます。
 もう一つ、一元化前の地共済においては、積立金の水準がそもそも高かったという経緯もございます。これは、地方公務員の共済年金におきましては、過去に一元化前の厚生年金の保険料算定方式である段階保険料方式よりも相対的に高い保険料率を設定する方式、これを平準保険料方式と言いますけれども、それを採用していた時期が長かったという歴史的な経緯もございまして、積立金の水準が高かったものでございます。
 もう一点が、資料4-2の受給者数の老齢・退年相当の将来見通しの乖離でございますけれども、恐縮ですが、将来見通しのほうは厚労省さんのほうで策定しておりますので、今の段階で何が要因かというのは、この場では申し上げることはできないというのが現状でございます。
 以上でございます。
○翁部会長 ありがとうございます。
 それでは、関委員、お願いいたします。
○関委員 駒村委員も手を挙げていらっしゃいますが、今との関係なので、先に発言してよろしいでしょうか。
○翁部会長 どうぞ。
○関委員 今、御質問と御回答があった積立金の話なのですけれども、額が多いというお話もありましたが、今後、国共済のほうでは積立金が枯渇するということの関係で、国共済と地共済の財政調整にも使われるという意味で、これだけの額を想定しているということもありますでしょうか。
○野村福利課長 経過的長期経理についても、今後財政調整が発生するということで、そういったところについても、この部分を使うことになるところでございます。
○翁部会長 関委員、よろしいですか。はい。
 それでは、駒村委員、お願いします。
○駒村委員 ありがとうございます。
 ちょっと確認したいのです。これは制度の確認になるのですけれども、ちょっとややこしかったので。先ほど、29ページで被保険者が急激に増えたというところが、公立学校の臨時任用の方が増えたという説明があったと思うのですけれども、一方で、短時間の方は令和2年から共済の中での長短の扱いが少し変わってくると聞いているのですけれども、臨時任用の方は、長短いずれも地方公務員の共済、3号になって、短時間の方は1号のままという扱いだということで、確認したいのですが、それでよろしいのでしょうか。
○野村福利課長 先ほどお答え申し上げました、臨時的任用職員といった区分で採用されている教員の方が、全体としては11万人ぐらい増えたと。そこは、令和2年4月からの制度改正によって常勤職員という形で扱われたので、これまでは1年たった後に地共済の組合員になっていた方が、年度当初から組合員となられるということで、その分で長期給付適用者が増えたということでございます。
 もう一点、短時間勤務の方、非常勤職員の方について、健康保険の話でございますけれども、これは令和4年10月からでございますが、これも法改正によりまして、この方たちについて、これまで協会けんぽに入っていただいておりますが、共済組合員となっていただいて短期給付を適用するという方針でございまして、それは今後、令和4年10月からの法施行を予定しているものでございます。
○駒村委員 分かりました。同じ非常勤の職員ですけれども、臨時任用の方は厚生年金の3号になれるけれども、短時間の方は、来年、制度変更は健康保険のみであって、厚生年金のほうは1号に入るという処遇の区別があるというのが現行制度だという理解。先ほど3号になるのだというのが分かりましたので、そこだけ確認させてもらいたいなと思いました。
 ありがとうございます。
○翁部会長 それでは、御質問ないようですので、これで地方公務員共済組合についての報告の聴取は終わります。
 続きまして、私立学校教職員共済制度について報告を聴取いたします。文部科学省高等教育局私学部私学行政課私学共済室の秋庭室長と德成室長補佐、日本私立学校振興・共済事業団の松澤数理統計室長、大山数理統計室主幹、資産運用部の田代部長と小守林次長に御出席いただいております。
 それでは、御説明をお願いいたします。
○秋庭私学共済室長 文部科学省私学共済室長をしております秋庭と申します。本日は、日本私立学校振興・共済事業団の担当者も同席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、資料3「令和2年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」について御説明いたします。
 全体構成は、国共済さん、地共済さんと一緒でございますけれども、1ページ、厚生年金勘定の厚生年金経理分の令和2年度の状況について御説明いたします。
 収入総額については1兆538億円、時価ベースで収入総額1兆5200億円となっております。内訳ですけれども、保険料が4788億円、国庫負担が1340億円となっております。運用収入は、簿価ベースで962億円、時価ベースで5624億円となっております。厚生年金交付金が3033億円、その他が388億円となっております。
 中ほど、支出の欄でございます。支出総額が8960億円。内訳で、給付費が2917億円、基礎年金拠出金が2642億円、厚生年金拠出金が3371億円となっております。その他が29億円でございます。
 収支残の欄ですけれども、簿価ベースですと1578億円、時価ベースですと6240億円となっております。
 年度末積立金につきましては、簿価ベースで2兆2833億円、時価ベースで2兆8486億円となっております。
 積立金運用利回りについては、簿価ベースで4.52%、時価ベースで25.27%でございます。
 続きまして、2ページ、厚生年金勘定・職域年金経理分の状況でございます。
 令和2年度分につきましては、収入総額が775億円、時価ベースで2678億円となっております。内訳で、国庫負担が経過措置分で1億円です。運用収入については、簿価ベースで772億円、時価ベースで2676億円となっております。
 中ほど、支出の欄ですけれども、支出総額は721億円、そのうち給付費が358億円、その他については363億円でございます。
 収支残ですけれども、簿価ベースで53億円、時価ベースで1957億円となっております。
 その下、年度末積立金は、簿価ベースで1兆9559億円、時価ベースで2兆2338億円でございます。
 積立金運用利回りは、簿価ベースで3.98%、時価ベースで13.19%となっております。
 続きまして、給付状況でございます。3ページ以降になります。
 共済年金受給権者と厚生年金受給権者の合計で、令和3年3月末で受給権者数が57万2700人、前年度末と比較しまして2万600人、3.7%の増でございます。このうち、老齢・退年相当が13万9千人、通老・通退相当が34万4700人。幼稚園を中心としまして短期間での退職者が多いので、他制度と異なりまして通老・通退相当の人数が少し多めになっております。
 年金総額は、一元化後に受給権が発生しました、経過的に支給する経過的職域加算、旧3階部分も含めた合計で3751億6000万円、前年度末比で49億9000万円、1.3%の増でございます。このうち、老齢・退年相当については2353億3000万円で20億9000万円増、通老・通退相当では738億1000万円で19億5000万円の増でございます。
 続きまして、4ページ、共済年金の受給権者数です。
 令和3年3月末の受給権者数33万1300人で、1万3300人、3.9%の減少です。このうち、退年相当が9万7300人、通退相当が17万3900人となっております。
 それから、年金総額ですけれども、2612億2000万円で、前年度末と比較して109億8000万円、4.0%の減少でございます。このうち退年相当につきましては1690億円で、60億6000万円の減、通退相当が467億3000万円で21億8000万円の減でございます。
 5ページでございます。今度は、厚生年金の受給権者数ですけれども、令和3年3月末では24万1400人で、前年度末比較では3万3900人増でございます。このうち、老齢相当が4万1700人、通老相当が17万800人となっております。
 年金総額ですけれども、1004億2000万円で、前年度末と比較して143億6000万円の増。老齢相当が565億2000万円、通老相当が251億7000万円となっております。
 6ページでございます。経過的職域加算部分の受給権者数です。令和3年3月末の受給権者数20万4400人で、前年度末比較で2万8300人増加しております。このうち、老齢相当が4万3100人、通老相当が13万2600人となっております。
 年金総額ですけれども、135億2000万円で、前年度末比較で16億1000万円の増。このうち、老齢相当が98億1000万円、通老相当が19億1000万円でございます。
 7ページでございます。共済年金における減額支給・増額支給の人数と年金総額でございます。令和3年3月末の状況で、減額支給の人員が1400人、年金総額8億9000万円。増額支給の人員が1万6300人、年金総額180億円でございます。
 8ページです。厚生年金の繰上げ支給、繰下げ支給の人員と年金総額です。同じく令和3年3月末で、繰上げ支給が2400人、3億9000万円。繰下げ支給が3100人、28億9000万円となっております。
 9ページが、共済年金と厚生年金の合計で受給権者の平均年金月額、平均加入期間でございます。令和3年3月末、老齢・退年相当の平均年金月額が13万5211円、前年度末に比べて860円、0.6%の減でございます。基礎年金を含めた平均年金月額が18万9648円で、212円、0.1%の増でございます。
 10ページでございます。共済年金における退職年金の平均年金月額と平均加入期間でございます。令和3年3月末の平均年金月額が14万4744円で、前年度末に比べて507円、0.3%の減。基礎年金を含めた平均年金月額が20万2260円で、前年度末より32円、0.02%の減でございます。
 11ページは、厚生年金における老齢年金の平均年金月額と平均加入期間でございます。令和3年3月末の平均年金月額が11万2964円で、1801円、1.6%の増。基礎年金を含めますと16万213円で、5660円、3.7%の増でございます。
 12ページが新規裁定の老齢・退職年金の平均年金月額です。
 上段が共済年金ですけれども、平均では令和2年度15万8970円で、前年度に比べて194円、0.1%の減。平均加入期間は391月となっております。
 下段が厚生年金ですけれども、新規裁定の老齢年金で11万4970円、前年度に比べて1193円、1.0%の減。平均加入期間は421月となっております。
 13ページから21ページにつきましては、平均年金月額についての年齢別・年金額の構成要素別の状況でございますので、説明は割愛させていただきます。
 22ページ、老齢・退職年金受給権者、老齢・退年相当の年齢構成でございます。
 右側の合計の欄、受給権者数合計13万9千人でありまして、年齢構成では70歳以上75歳未満の割合が男性・女性とも最も高くなっております。平均年齢につきましては、男性が74.9歳、女性で76.2歳となっております。
 それを共済年金と厚生年金に分けたのが23、24ページですので、説明は省略させていただきます。
 25ページから28ページは、年金月額の分布を御参考としてつけさせていただいております。
 飛びまして、29ページ、被保険者の状況でございます。
 令和3年3月末の状況は、被保険者数57万9800人で、9700人、1.7%の増となっております。特に女性の増加が、これまでもそうですけれども、大きく、8700人、2.6%の増でございます。学種別で見ますと、大学と幼稚園の加入者が主に増えております。ほかの学種も全体的に増えておりますが、特に大学と幼稚園が増えております。被保険者の平均年齢が42.8歳で、男性が47歳、女性は39.9歳となっております。標準報酬月額の平均は36万4302円で、前年度末に比べて1116円増加しております。
 下段の表ですけれども、標準報酬月額総額については2兆5240億円で、558億円の増。標準賞与総額については7032億円で、15億円の増。標準報酬総額については3兆2272億円となっております。被保険者数の年度間平均が58万1800人で、1万人増でございます。標準報酬総額の1人当たり月額が46万2255円、235円の増でございます。
 短時間労働者について、再掲で記載しておりますけれども、年度末で被保険者数4千人で、前年度末に対して400人、12.1%の増となっております。
 30ページでございます。被保険者の分布について、加入期間別、年齢階級別でお示ししております。詳細については、後ほどご覧いただければと思います。
 31ページが男性の加入者の分布、32ページが女性の加入者の分布でございます。
 33ページ、標準報酬月額の等級別の分布状況でございます。これも御参考にしていただければと思います。
 それから、積立金の状況、34ページでございます。厚生年金勘定・厚生年経理における積立金の運用状況です。
 令和2年度末の積立金が簿価ベースで2兆2833億円、時価ベースで2兆8486億円となっております。このうち包括信託における運用が簿価ベースで85.5%、時価ベースで88.4%でございます。運用利回りについては、簿価ベースで4.52%、時価ベースで25.27%となっております。
 35ページが資産区分別の状況でございます。
 続きまして、資料4-3、私学共済制度の令和2年度実績と財政検証における将来の見通しとの比較でございます。通し番号20ページ以降になります。特記事項にありますように、実績と将来見通しを比較するために、決算に基礎年金拠出金等の確定値を用いて財政検証ベースの実績を作成しております。また、見通しにつきましては、以下、ケースⅢを例に御説明いたします。
 通し番号20ページ、収支状況ですけれども、収入の将来見通しは合計で9909億円でしたけれども、令和2年度の財政検証ベースの実績は1兆5016億円で、5107億円多くなっております。内訳ですけれども、保険料については5169億円で、将来見通しよりも33億円少なくなっております。また、運用収入が5624億円と、将来見通しよりも5213億円高い結果が出ております。
 支出の将来見通しは合計で9091億円でしたけれども、これに対して実績が8917億円で、174億円少なくなっております。このうち給付費については2892億円で、将来見通しよりも107億円少なくなっております。この結果、収支残は将来見通しでは818億円であったのに対して、実績は6099億円で、5281億円多くなっております。年度末積立金については、将来見通し上が2兆4804億円でしたけれども、実績で2兆8348億円となっております。
 通し番号21ページ、被保険者数と受給者数の将来見通しの比較です。実績は58万1800人で、将来見通しの57万1800人を1万人上回っております。受給者数の実績が54万1400人で、将来見通しの56万900人よりも1万9500人少なくなっております。
 通し番号22ページからが財政指標の比較でございます。令和2年度でみますと、実績の年金扶養比率が4.36で、将来見通しの年金扶養比率よりも0.19ポイント高くなっております。
 通し番号23ページが積立比率でございます。令和2年度の実績で4.8となっております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○翁部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして御質問などありましたら、お願いいたします。
 野呂委員、お願いします。
○野呂委員 ありがとうございました。
 単純な質問ですけれども、1ページ目の保険料の伸びが上から3つ目ですけれども、4.6%の伸びということで、一方で、29ページの標準報酬総額のほうの伸びがプラス1.8%ということで、伸びにかなり乖離がありまして、これは保険料率引上げの影響が大きいのだと思うのですけれども、それにしても保険料の伸びが結構大きいので、料率改定以外にも何か構成上の要因などがあるかどうかという辺りについて、教えていただけますでしょうか。
○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 その点につきましては、いろいろ検討してみたのですけれども、標準報酬総額のプラス1.8%と、保険料で言いますと率的に2.4%のプラスなので、0.3~0.4%ぐらいのプラス要因がまだ何かあるはずなのですけれども、これの分で0.3、0.4というものが正直見つからないので、いろいろな誤差の積み上げかなと今のところは考えております。
○翁部会長 ほか、いかがでしょうか。
 小野委員、お願いします。
○小野委員 ありがとうございます。
 1つだけ質問させていただきたいのですが、29ページの被保険者状況の表の中で、短時間労働者の平均標準報酬月額と年間の標準報酬総額の平均のうち、男性の下がり方が結構大きいかなと思っているのですけれども、これは何か特殊要因があったのか。あるいは、800人とか900人というオーダーのようですので、ある種、標本誤差的な話なのかな。その辺、どう判断したらいいかなということだけ教えていただきたいと思います。
○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 私学教職員の男性に限って何かということは特段ないと思っていまして、個別の人数もそんなに多くないので、そういう方々の状況がたまたまそうだったということかなと思っております。
○翁部会長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。
 浅野委員、お願いいたします。
○浅野部会長代理 ありがとうございます。
 1つ質問なのですが、2ページの職域年金経理を見ますと、簿価ベースですと収支が過去5年見てもほぼとんとんで推移しているのですけれども、今後こういう状況が続くという見通しなのでしょうか。
○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 閉鎖年金ですので、どんどん払っていくので、基本的には一定程度ずつ減っていくという見通しはしております。現在のところ、運用収入の関係でとんとんだったり、プラスのときもありますけれども、最終的には逓減していくものと思っております。支払いが終わるまで、ずっと減っていくものと考えております。
○浅野部会長代理 ありがとうございます。
 今のことを踏まえて、さっきの地共済も含めて、閉鎖年金で年度末の積立金は、将来の負債を考えると24兆円とか2兆円ということで、単年度収支に比べるとそれぞれ多いのではないかという気がするので、公的年金の効率性の観点から少し考えられたほうがいいのではないかなと思います。
 あと、コメントだけなのですけれども、資料4のほうの被保険者数と受給者数の将来見通しとの比較なのですけれども、私学共済のほうも受給者数がシミュレーションで乖離していまして、先ほど御説明があった要因のほかに幾つかあると思うので、特に受給者数のほうは、本来、そんなにぶれるものではないと思うので、次回、財政再計算に向けて、もう少し精度が高くなるようにいろいろな観点から御検討いただければと思います。
 以上です。
○秋庭私学共済室長 ありがとうございます。
 職域経理につきましては、現在のところは法律事項でございますので、当面はそのまま粛々と、というところではあると思いますけれども、地共済さんと似ているところもございますが、昭和29年から制度がスタートいたしまして、厚生年金よりも高い保険料で、将来の私学のためにということで昔の私学の方々が積み上げてきたというところもございますので、そういうことを踏まえて今後検討するということかなと考えております。
 それから、見通しとのずれにつきましては、見通しのつくり方との御相談もあるかと思いますけれども、受給権者につきましては、私学の場合、特に繰下げを選択される方が多めということもあって、それで受給者数とのずれの要因になっているというところはありますけれども、繰下げを選択されるか、されないかを読み切れないところはあるので、そこの推計はなかなかつくりにくいかなと考えております。いずれにいたしましても、見通しを作成されている厚労省さんとの御相談かなと考えております。
○翁部会長 ありがとうございます。
 永瀬委員、お願いします。
○永瀬委員 今のことに関連してなのですけれども、繰下げ、繰上げ支給ですが、私学共済さんは増額支給される方のほうが減額よりも多くて、これは国共済や地共済と反対なのですけれども、その理由を教えていただけますか。
○秋庭私学共済室長 御質問ありがとうございます。
 ずっとこういう傾向であるのですけれども、私学共済の加入者の中で、雑に申し上げて4割ぐらい大学の教職員の方がいらっしゃるので、非常に多いのですけれども、特に大学で長く働かれている方が一定程度の数、ずっといらっしゃるので、そういう方々は年金を受給しなくても常勤として働いておられる給与が常にあるので、年金は後でもいいかといった選択をされる方が多いのかなというところもありまして、他制度に比べて多いという傾向が出ているところでございます。
○永瀬委員 ありがとうございます。
○翁部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、私立学校教職員共済制度についての報告の聴取を終わります。
 また、今後、審議をしてまいりますので、その過程でいろいろな質問などが出てきましたら、事務局を通じて照会いたしますので、御協力をいただきますようお願いいたします。
 今後の進め方でございますが、令和2年度につきましても公的年金財政状況報告を取りまとめることといたします。その起草作業はこれまでと同様に作業班で進め、報告書の草案の準備ができましたら、また部会を開催して審議を行いたいと思っております。
 最後に、事務局から何か連絡がございましたら、お願いいたします。
○鎌田首席年金数理官 次回の部会の開催日時等につきましては、改めて御連絡いたします。
○翁部会長 それでは、第91回「年金数理部会」はこれにて終了いたします。どうもありがとうございました。
○永瀬委員 すみません、1つだけ質問してよろしいですか。
○翁部会長 お願いします。
○永瀬委員 終わりの挨拶の後で申し訳ありません。
 先ほど、60歳、61歳、62歳、63歳、64歳、65歳以上の支給の表は今後なくしていく方向ということをおっしゃったのですけれども、65歳以上で比較できるような表は残ると思ってよろしいのでしょうかという質問をさせてください。
○鎌田首席年金数理官 詳細はまた後で検討しますけれども、一元化前に受給権が発生した新規裁定者というのはイレギュラーな方なので、そこに関する表はスクラップしたいという趣旨です。
○永瀬委員 そうですか。65歳以上のところと比較したほうが分かりやすいこともあるので、その点はよろしくお願いいたします。
○鎌田首席年金数理官 その辺りは、また作業班なりで一緒に検討させていただければと思っております。
○永瀬委員 ありがとうございました。終わりの御挨拶の後に失礼しました。
○翁部会長 とんでもありません。ありがとうございました。
 それでは、これで終了いたします。ありがとうございます。

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(年金数理部会)> 第91回社会保障審議会年金数理部会 議事録(2022年1月7日)

ページの先頭へ戻る