ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 小児からの臓器提供に関する作業班> 第3回小児からの臓器提供に関する作業班議事録(2018年3月9日)




2018年3月9日 第3回小児からの臓器提供に関する作業班議事録

健康局難病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成30年3月9日(金)15:00~17:00


○場所

航空会館 701+702会議室
(東京都港区新橋1-18-1)


○議題

(1)臓器提供・移植に係る環境整備について
(2)これまでの議論を踏まえた今後の対応
(3)その他

○議事

 

○蔵満室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより第3回「小児からの臓器提供に関する作業班」を開催させていただきます。班員の先生方におかれましては、お忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は大野班員より御欠席、笠原班員より遅れて出席されるとの御連絡を頂いております。本日の会議におきましては、厚生労働省として取り組んでおります会議のペーパーレス化の一環としてタブレットを使用し、議事を進行させていただきます。それでは、簡単にタブレットの使用法を説明させていただきます。また、頭撮りを希望されている傍聴者に関しては、ただいまより頭撮りをお願いいたします。

 頭撮りはここまでとさせていただきます。以降、カメラによる撮影は御遠慮ください。

 それでは、以降の議事進行は、横田班長にお願いしたいと思います。横田班長、お願いいたします。

○横田班長 皆さん、年度末の忙しい中、また、今日は本当に足下が悪い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。座って議事進行をさせていただきます。

 今回は第3回の作業班ということです。過去、第1回は昨年224日に行われていて、それぞれの班員の皆さんから小児の臓器提供に関する課題や現状についてお話があったと思います。また、第2回目は、昨年82日、4人の講師の先生にお話を頂いて、1人は、お子さんを亡くした御両親のグリーフケアという形でリーフカードをお渡しして、どのようなお気持ちなのかという御意見を頂いている内容のお話でした。また、小児科学会としての認識、それから、特に小児救急に携わっている先生方や看護師を対象にアンケート調査をした結果、過去の結果と最近の結果を比較して、小児の臓器提供に関しては意識が向上しているといった説明もあったかと思います。それから、高校の先生から、命の教育の一環として、生きるとはどういうことか、死亡するとはどういうことか。そういう中に脳死という状態があって、さらに臓器提供という選択肢があるというような話を高校生にしているという紹介がありました。

 ということで、過去2回、この作業班が行われたわけですが、今日は、第3回ということで、事務局で幾つか資料をまとめていただきました。この作業班は、特にこの年度をもって報告書を書くとか、あるいは結論を出すということではなく、小児の臓器提供という問題は様々な面からディスカッションをしなくてはいけないという認識から、今後の課題を抽出して、様々対応に反映していくということです。そそて今回は、これから資料の説明が事務局からあると思いますが、過去2回の議論の内容、今後のことについてのお話があると思います。

 皆さんのお手元のタブレットに議事次第が書かれています。これにのっとって始めたいと思います。それでは、議事に入ります。最初の議題は、「臓器提供・移植に係る環境整備について」です。事務局から説明を、よろしくお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 それでは、御説明させていただきます。資料1です。昨年度の11月に、この作業班の上の臓器移植委員会、本会のほうで議論をした内容です。これについては、小児のところにも大きく関わるということだと思いますので、まず冒頭、臓器移植委員会で御議論されたことを御報告させていただきます。

1ページ目、臓器移植の提供数です。近年は徐々に伸びてきています。その下の棒グラフを見ていただくと、脳死下での臓器提供数は、諸外国と比べればまだまだですが、順調に伸びてきているというものです。こういった環境の中、今、どういう状況になっているかということで、2ページのほうです。

 提供施設の状況については、5類型施設の分析をさせていただいた結果になります。5類型施設、大学附属病院、日本救急医学会指導医指定施設等々5類型施設の、合計が896施設ということです。896のうち、右側の円グラフですが、「体制が整っていない」というのは51.4%あります。下の円グラフは、体制が整っていると言われている中でも、「0事例」というのが241施設ということで、体制が整っていると言われながら、0例というところが半分を超えている。さらに、1例目、これは20年の類型ですが、20年で1例というのが90施設、ここで75%、4分の3ということで、実際、今の臓器提供というのは、ごく限られた施設の中でやられているという現状です。この現状を踏まえて、現在の厚生労働省としての対応ということで、3ページ目です。

 今、院内体制整備支援事業というのを行っております。実際、これは病院のほうに手を挙げていただいて、脳死判定の方法やシミュレーションといったことについて院内で何かするというときに、そのお金を使っていただくという事業です。この中で参加施設数については、実際、今、徐々に増えてきているということで、25年が1729年が85ということで、これは都道府県を経由して募集していたのを、各病院に直接応募して頂くというようにして平成28年度は66に増えまして、その後も順調に伸びているということです。提供施設のほうでも臓器提供への体制整備の気運というのは徐々に上がってきていると認識しております。日本地図にドットをしているのは85施設がどこにあるかということです。全国津々浦々、いろいろな病院が手を挙げていただいているということです。

4ページ目、臓器提供に係る手順整備プロジェクト会議です。実は今日、班長をやっていただいている横田先生の研究班に臓器提供側の手順整備ということで研究をしていただいております。この研究の中で、救急医学会、臨床救急医学会、脳神経外科学会、集中治療学会の4学会から、代表の方に出ていただきまして、それぞれの中で課題を出してやっていただいております。実際、徐々にですが臓器提供が増えてきているという中で、我々の定性的な感覚でいくと、やはりドナーになられる方が、かなり強い希望を持ってドナーになりたいと、ドナーにしてあげたいというようなことを家族の方がおっしゃって、それで、臓器提供につながるケースが出てきています。こういった状況の中で、提供施設においても、しっかりとした体制整備というのを今後進めていかなければいけないと考えておられます。

 その中で、例えば、先ほどの0例、1例のような施設が、これから臓器提供の場に望む可能性が以前よりも高くなってきているということを考えて、その対応ということで考えていただいたのが、その検討項目の123の所です。1つ目は、搬送から摘出までを網羅した手順マニュアルの作成。これについては、次ページになりますが、救急医学会のほうを中心に、今、脳死判定基準マニュアルというのが厚生労働省でありますけれども、それではなくて、意識レベルの落ちた患者さんが病院へ来てから、臓器提供、お見送りに至るまでのプロセス、その間の全てを円滑に行うためにはどうするべきなのかというマニュアル、国のほうで作るとそれがルールということになってしまいますが、これは救急医学会のほうで最後は出版していただければ有り難いと思っております。プロが見た自分たちでのやり方の手順書を作っていただいております。

 この中には、それぞれの段階でどういったことに気を付けなければいけないかというところから、また、院内でどういった体制を作っていないと駄目なのか。実際、我々も1例でやめた病院のお話を聞くと、やはり1人の方に、例えば救急部長に全ての責任と業務が伸し掛かってしまって、23日、徹夜でやるというようなことになって、もうその先生は、できればこれからはやりたくないというような意向になるということも聞いております。例えば事務職、看護職やそれ以外のコメディカルの方、医師がどういった体制で、どういう手順で連携してやっていけばスムーズにできるのかというようなことが分かるような教科書という意味で、今、作っていただいております。0例、1例の所が今後、また臓器提供の場に至ってもそれほど混乱しないようにという御配慮の下、様々な工夫をして作っていただいていると聞いております。

2つ目は、選択肢提示の方法です。この下の所で、これまでの選択肢提示ということで絵を付けています。まず、左のほうから、患者さんが搬送されて、各種検査があって、手術があって、集中治療をする。脳死とされうる状態となると。実際、患者さんが搬送されて来ているときには、当然、この患者さんを救って、社会復帰をさせるということを前提に検査や手術をして、集中治療が行われています。残念ながら脳死となる状態となって、そこで、今、ここにもありますが、終末期医療が最後に行われていく中で、選択肢提示をやることになっております。

 こういったやり方で、やはり最後に唐突感があるというのと、今まで患者さんの命を救うというところから、急に臓器提供の意向があるかどうかを聞くというのはなかなか難しい、という御指摘が現場からもありました。その上で、この下のソーシャルワーカー等という所ですが、患者さんが搬送されたときからソーシャルワーカーが付くと。これは臓器提供のためのソーシャルワーカーではなくて、あくまでも、この方が社会復帰されるときの社会復帰支援、なかなか良くならない場合は家族の支援といったことをやっていくことを主とするということです。

 そういった中で当然、御家族とお話をすると。例えば、医者の説明が分かりにくいということも、この方には素直に言うことができるといった関係を築いていただく中で、実際にその患者さんが、例えばこうなった場合には臓器提供の意向がある御家族なのか、そういうことは一切考えたくない御家族なのかといったことをしっかりと把握していただく中で、結果的に、例えば脳死となってしまった場合には、その意向をいかすような動きがスムーズにできるのではないか、ここにソーシャルワーカーを付けることで、今、この方がどういった方であればいいのか、どういった業務をどのようにしていけばいいのか。今おられる院内コーディネーターとはどう住み分けるのかといったことの検討をいただいております。これについては、横田先生の研究班の中で、本日も来ていただいている名取先生の所にメインでやっていただいていると聞いております。

 次ページ、検証会議の方法です。全ての臓器提供で、その救急医療がしっかりと行われたか、臓器の提供を前提に救急医療が手を抜かれていないか。もう1つは、脳死判定がしっかりなされたか、できているかどうかということ。3つ目、あっせんを行う際に誘導しているようなことはないかという3点について検証を全ての症例でやっているというものです。これが現在、最初に見ていただいたグラフのとおり、年間6470の提供事例が生じています。一方で検証会議は、月に5例の検証をするのが限界ということで、我々のほうも限界なのですけれども、病院のほうにもかなりの負荷がかかっている現状の中で、この検証作業をしっかりやるという前提で、効率的にできるのか、できないのかできるとすればどんな方法なのかについて、今、検討していただいているものです。これが提供側の臓器提供に係る手順整備プロジェクト会議ということで、提供のほうを横田先生のほうで検討いただいております。

 さらにその続きですが、移植環境整備プロジェクト会議も併せて実施を、横田先生の研究班でやっていただいております。これは臓器移植の側、いわゆる移植をする側の問題点ということで、今、課題を整理していただいております。横田先生の研究班の中で、日本移植学会理事長の江川先生に各臓器の方々と一緒に考えていただいていると聞いております。

 その中で論点としてここに挙げているのが、メディカルコンサルタントの派遣ということで、今、全症例、メディカルコンサルタントというのが現場に入っております。この方たちが今後、数が増えてきたときに、今の体制でできるのかということ。さらに、手術関連物品・臓器の搬送ということで、今は提供施設から行った医師が、主にこの手術関連物品を持って行って、帰りはそれを持って帰って来るのと併せて、臓器のほうも持って帰ってくるということをやっております。

 さらに、摘出チーム互助制度ということで、今は摘出チームは、基本的には移植実施施設のほうから行っておりますが、これから数が多くなってきたときに、今の体制でいけるかどうかと。大体、今、症例が出ると、4臓器、5臓器となった場合には、現場には移植医中心に各病院から送られてきた人で、総勢12人とか15人という人数が駆け付けることになっていて、今後、本当に数が増えてきたときに、今の体制が維持できるのかということ。私が聞いているアメリカなどでは、肺と心臓を取る人が1人と、肝臓と膵臓と腎臓を取る人が1人ということで、原則2人で行って摘出しているとも聞いておりますので、日本でもそういったことができないのかと。これで移植成績が下がると元も子もない話なので、クオリティを維持したまま、今、日本の臓器移植の生着率、生存率は世界でもトップレベルで、群を抜いておりますので、それを守りながらどういった体制ができるのかということを考えていただいております。

 移植実施施設数の妥当性・院内体制連携システムということで、今後、移植数が、例えば10倍になったときに、移植実施施設数も10倍になっていれば、結局1施設でやる症例数というのは変わらないということになります。今、移植施設、提供のほうもそうですが、現場で苦しいというのは、ドナーが出たときにスクランブルで動くということ、通常業務をやった上でその業務をやらなければいけないということで、かなりの負荷がかかっていると。移植実施施設では、次の日の朝、午前中に入っている移植以外の手術などをずらしてやっています。例えば、集約化して移植の数がある程度読めるということになれば、それを中心の病棟や手術室ということで集約化するというほうが、現場への負荷というのは減るのではないかというのが1点。あとは、10倍になったときのキャパをどのように維持していくのか。クオリティを落とさずにキャパを作っていくにはどうすればいいのかということを考えていただいております。

 最後、院内体制・他科との連携というのも、施設によっては、移植医が徹頭徹尾、最初から最後まで、集中治療室の中まで行って見ているというのがあります。数が増えてきたときに集中治療医等といろいろ連携する中で、役割分担というのも重要になってくるのではないかという視点から検討していただいているものです。基本的には、これらの研究班は臓器移植数が徐々に増えてきているという中で、今後も増えていくだろうという前提で研究をやっていただいているものです。

 これについては、後段、小児の所にも共通でかかってくるような、先ほどの提供施設のコーディネーターのところなどは入ってきておりますので、こういった議論が臓器移植委員会、本会のほうでされていますということを、まず冒頭に御説明をさせていただきました。以上でございます。

○横田班長 現在の問題点を説明していただきました。脳死下臓器提供全体に係る問題と、その中で小児がどのように関わってくるかというところが大切だと思います。冒頭にお話していただいた5類型の中でも、様々な5類型があるというところで、それぞれどのような対応をしていくかというお話でした。それから、移植側にとっても、年間70例でこれから100例、更に増えていく中で、どのように効率的に移植医療を進めていくのかといったお話も、頂きました。また、その検証会議の在り方に関してもお話を頂きました。

 今、説明いただいた所は、脳死下臓器提供全般に係る部分と、また、小児固有の部分もあると思います。今の説明に関して、何か御意見がありましたら、是非、よろしくお願いいたします。

○名取班員 私は脳外科医なもので、脳外科として思っております内容で、なかなか分析して出てこない内容があります。今、御説明があった資料2ページを御覧ください。一番上のほうに表があります。脳神経外科学会の基幹施設又は連携施設が飛び抜けて多くあります。どうしてかというと、脳外科学会は従来からA項という項目に入った部分だけだったものが、脳外科学会の教育システムが変わったので、ここまで入ってしまった。これによって単科で開業されている脳神経外科の病院まで入っていくということになります。ですから、847のうち大学病院も入っていて、救急医学会の指導医指定施設も既にそこに包含されているのがほとんどだと思いますし、救命救急センターももちろんというところで、小児総合医療施設協議会の会員施設がどこまで入っているか私は存じ上げませんけれども、この1項目だけで入っている病院がどれだけあって、その病院に果たして、マーケティングというか、アクションを起こすことが適切であるかどうか。つまり、30床、40床しかないような施設がそこに入っている可能性があるので、その妥当性というのはどこでも検討されていないかと思います。私も脳外科学会の所属医で、横田先生もそうですが、脳外科学会のほうに何か自分たちでこれは無理だから種別しろということで、厚生労働省として何か御意見がありましたら、私たちが学会のほうに届けますが、何かありますでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 我々のほうで認識している事実としては、実際、この法律では5類型施設というか、提供施設の縛りというのは入っていない。その中で我々のガイドラインのほうで一定の医療水準、特に初期段階では一定の医療水準ということで、これが入ったと。この中でそれぞれの学会に臓器提供を行うと、脳死判定をきちんとしなくてはいけないという中で、どういったカテゴリーにするのが適切かということで、いろいろ御相談した結果が、この施設数だと思っております。ただ、この施設についても、5類型に入っていて必ずしなければいけないというものではないので、逆に、例えば脳神経外科学会のほうからは、枠はある程度広めにしていた上で、例えば単科の病院でもそういった臓器提供にかなり熱心というか、しっかりやれる体制を作っている所はできるようにということで、この枠組みを作っていただいたのかと理解しております。

 我々のほうも、896が全て臓器提供施設として機能するべきだというのは現時点では思っておりません。当然、きちんとした体制を取っていただいている病院で、我々のほうで言うと、下の円グラフになりますが、きちんと提供事例を出していただける、当然しっかりした体制でやっていただくという前提ですが、やっていただける施設を実行上、どこまで増やしていけるかということだと思っております。この枠組み自体で何かこうしてほしい、ああしてほしいということは今のところはありません。

○横田班長 5類型施設には、厚労省からアンケートがきます。5類型の中で、どこの枠組みに入るかというのも最初にチェックするのですが、恐らく名取先生のおっしゃった体制が整っていない461施設の多くは、恐らく脳神経外科学会の連携施設の中で小規模な施設ではないかと思います。そのような5類系の中でどのような枠組みになるかのアンケート、分析を過去やったことはあるのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 今は数字はありません。もとのものを洗えば出てくるかもしれませんけれども。

○横田班長 これは想像ですが、恐らくそういうことだと思うのです。以前、脳神経外科学会の専門医施設C項と呼んでいた施設の中で、連携施設多くを占めているので847と急に数字が増えてしまった大きな理由です。だから、名取先生がおっしゃったように、体制整備を求めることは、なかなか難しいのではないかというお話だったと思います。ほかに何かありますか。

○今村班員 プリミティブな質問で恐縮ですが、心停止下の臓器移植がずっと減ってきている理由と、もう1つは、メディカルコンサルタントの資格とその役割というのをもうちょっと知りたいというのと、今、集中化の議論というのが進んでいるということですが、どういった方向に進んでいるのか、それをお聞かせください。

○井内移植医療対策推進室長 まず、心停止が少ない現状の原因分析ですが、これは我々のほうも多かったときに、心停止を出していた病院で、出なくなったような病院に聞いてみてはいますけれども、結論から言うと、分からないということです。

○今村班員 分からない。

○井内移植医療対策推進室長 はい。やはり臓器提供というと、脳死というイメージがついて、実際、この法改正をした後に、いわゆる家族の同意ということで、基本的にいけるということになったのもあって、心停止というのがなかなか思い付かなくなっているのではないかというような印象は受けますけれども、確たる、これがこういう原因で減りましたというのは、我々でいろいろ努力してみましたけれども、つかめていないということです。

○今村班員 これを増やしていこうという考えは余りないと。

○井内移植医療対策推進室長 実は両方とも増やしていくべきだろうと考えておりまして、実際に今、横田研究班の中でやっているコーディネーターのお話もしていただきましたが、コーディネーターについては、脳死になろうと心停止になろうと、病院に運ばれたときから患者さんの家族の御意向を聞くということなので、これについては、心停止であったとしても脳死になったとしても、多分その御家族の御意向、本人の意向というのが確立すれば、両方増えてくるのではないかと思っております。

 もう一点は、メディカルコンサルタントです。私が聞いているところでは、心臓移植の先生が入られて、移植医から見た臓器の状況ということで、患者さんの全身状態とか、どのようなお薬が使われているのかといったことをしっかりと見た上で、移植医の側に伝えるという仕事だと聞いています。特に何か公の資格とかというのではなく、あくまで移植医の中でこの人ならできるだろうというような人が、実行上行かれていると聞いております。

○今村班員 その数が、ここに書いてある数なのですね。総合で1名、心臓で31とか。

○井内移植医療対策推進室長 そうです。

○今村班員 これがそのメディカルコンサルタントの数ということになりますね。

○井内移植医療対策推進室長 はい。ただ、実行上は大体心臓の先生が行かれることが多いと聞いております。

○今村班員 集中化は。

○井内移植医療対策推進室長 これについては、矛盾する2つの問題があるということで検討されて、1つはキャパの問題で、数が少なくなると入りきらないと。要は、臓器提供があるけれども、手術がしきれないという話と、あとは、実施施設数がある程度絞られないと現場の過重・負荷が一向に直らないという両方の観点から、今、議論していただいて、今のところは、まだどちらに向かうといった話は出ていなくて、今、論点の洗い出しをしていただいているところです。

○横田班長 安河内先生、どうぞ。

○安河内班員 今の件についてです。臓器移植関連学会協議会、今度名前が変わって日本移植会議となりますが、そこでも出ていた話では、最近、組織移植の数もドンと減ってしまって、実際は先ほどおっしゃった心停止の提供も減っていますが、危機的状況にあるということでした。そのときの会議で出た話では、先ほどおっしゃったように脳死移植ばかりではなくて、グリーフケアの1つとして心停止下臓器移植や組織移植などの提示がされていないと、家族はそういう方法があることも知らないというのが現状の問題です。これは先ほどのコーディネーターの話ではないですけれども、グリーフケアの一環としてそういうオプションがあることをきちんと提示して、家族がその情報をもらうということが非常に大切ではないかと。是非、それは進めていただきたいということです。これは直接この会議に関係ないかもしれませんけれども、その点はきちんとしたほうがいいのではないかと思います。

○井内移植医療対策推進室長 正にそのコーディネーターの方の配置というのは、今おっしゃっていただいたような観点から、早くからきちんと家族の御意向、家族が悔いのないようにするためにどうするかという観点で検討いただいていると。それも、医師ではなくて、家族側に立った位置付けで見ていただくということで、今、先生におっしゃっていただいたことの効果は出てくるのではないかと思っております。

 組織移植は、少し話がずれて申し訳ありませんが、組織移植学会とも少しお話していますが、例えば全国にあるこういった形の脳死下での提供というのとリンクさせるのかどうかというので、組織移植のほうも、実際一番の原因は診療報酬が低いという問題があったので、今回の改定でそれが改善されたというのもありますので、その上で今後、皮膚、心臓弁、血管なりをどういった施設からどのように提供していただくかということを、組織移植学会中心で議論していただけると聞いております。

○安河内班員 そういう意味ではコーディネーターの役割は非常に重要になってくるわけです。コーディネーターについては、きちんとした教育資格を与えた形でやる必要があり、具体的に、どういう制度設計をしなければいけないか検討すべきと思います。そこは是非、進めていただきたい部分です。資格を取れる人がどういう人で、どういう形で取って、どういう形で維持するかということは大きな問題かと思います。

 もう1つは、先ほどのコンサルタントの話ですが、私たちの日本小児循環器学会には重症心不全相談窓口が用意されており、必ずしも移植に結び付かなくても、治療に困った重症心不全例については学会が相談の窓口を担保する制度を作成しています。この窓口は全国ネットワークを組んでいて、例えばEXCORの装置が東京の施設で満杯で使えない場合に、大阪で空いていれば、大阪の施設に患者さんを輸送してくださいというような整理をしています。多分、メディカルコンサルタントなどが個人のレベルでこのような話をしても、なかなかうまくいかないと思います。このような、全国的なコンサルタントのネットワークをきちんと作って、全国の状況を踏まえて、患者さんの治療の振り分けをしてあげるというほうが総合的にはよくなるのではないかと思います。実際にメディカルコンサルタントが行かれて、どうされているかということについては私は知りませんけれども、多分、個人の資格で行かれて、相談を受けてやっても限界があるから、それはやはり組織としてそのような相談のコンサルタントのシステムのネットワークをきちんと構築するほうが、全体的効率と有効性をよくできるのではないかと思います。その点はどうなのでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 メディカルコンサルタントは移植医の方が行かれています。JOTとリンクしていて、JOTのほうが全国どの施設で移植をするかというのを1番から順番に当たっていくので、どこで移植をするかというのはJOTで全て決めます。あくまでその中で移植医が、例えば自施設でこの方に移植する、心臓移植をするべき心臓かどうかというのをしっかりチェックをするというのを、現場に入ってドナーの方の心臓をチェックしています。あくまでメディカルの部分でのチェックなので、実際どこで移植をするかということは全てルールどおりJOTでやっているので、メディカルコンサルタント自体はあくまでもメディカルな助言や、例えば、必要であればエコーをやったりといったことをやられていますので、少し先生のおっしゃることとニュアンスが違うかもしれません。

○安河内班員 逆に移植をされる先生が移植の適否の判定をしにそこへ行って、メディカルコンサルタントの活動をするということは、結局、移植が前提になってしまうのではないでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 メディカルコンサルタントは脳死判定が終わってから行っています。

○安河内班員 終わってからですか。

○井内移植医療対策推進室長 終わってから行っています。

○安河内班員 そうですか。でも、大切なのは脳死判定が終わる前の話ですよね、この会議で話をしているのは。脳死判定に進む人が増えて、臓器提供を速やかに行うことをこの会議で話し合うので、脳死判定後の相談というのとまた違うのではないかと思います。

○井内移植医療対策推進室長 先生がおっしゃったように、ここは、小児の臓器提供に関する作業班ですので、小児の臓器提供に関するお話をしていただくということなのですが、実際、臓器移植委員会のほうで臓器移植全体に関してこのようなお話合いをしていますということでの御紹介という意味です。

○横田班長 この資料12ページで、円グラフの緑色の「18歳以上の体制が整っている」というのは、18歳未満は体制が整っていないということです。これが166施設あり、この数を少しでも減らしていくという方法や、18歳未満の児童や小児が判定できない理由を作業班で議論しなくてはいけないと思うのです。この点に関してご意見をお持ちですか。単に経験がないからなのか、あるいは、別な理由があるのか、その辺はいかがでしょうか。

○井内移植医療対策推進室長 実際、我々も実態は、数は分かっているのですが、それぞれの理由までは拾えていませんので、前段は臓器移植前提でこういうことをしていますということでのお話なので、後段で小児のお話をいたします。実際、そういった問題意識があるということで、この作業班で御意見を頂き、また、それを解決するような形でやっていきたいとは思っております。

○横田班長 犀川先生。

○犀川班員 2点、今のことに少し関係しますと、18歳以上の体制が整っていない施設は恐らく、小児に関して言いますと、小児科医の数がそう多くない、1施設当たり実施できる施設は、大学病院など小児科医がある程度はそろっていないと、先ほど言ったように日常診療の中で同時並行で動かしていくのは不可能になる、すなわち、人数が少ない所では大きな影響が出るので、現実的にはそういうことが起こっているのではないかと1つ思います。

 もう1つは、5ページのオプション提示のことに関して、「ソーシャルワーカー等」という中に、具体的にどのような方が想定されているのか。現実的にはソーシャルワーカーの人は、例えば、大学病院では、全入院患者さんに対応する形で人数も限られています。ですから、小児の場合も成人と少し違う点は、恐らく、ソーシャルワーカーの人が介入してくるのが少し後半になってくることが多いわけです。

 いろいろなことのめどが立って、在宅になるなど、そういう状況のときに初めていらっしゃることが多いので、最初からいろいろ入ってくるというのは、少し現実的ではないと感じましたので、そうすると、「ソーシャルワーカー等」の「等」にどのような方が含まれると小児の移植にいいのかを聞きたいです。

○横田班長 これは名取先生が研究班の中で御議論している部分だと思うので、名取先生から説明をお願いします。

○名取班員 いつもありがとうございます。この話に関しては誤解をされることが多くあるので、きちんと説明したいと思います。これは、在るべき姿として、この赤枠で書いてあり、超早期から入っております。

 実際に、院内コーディネーターとして入る場合はどこかというと、一番最後の緑の矢印の所でしか、現在の院内コーディネーターを設置している病院では、そこからしかタッチしていません。若しくは、もう1つ右から2番目の矢印のレベルだと思います。それでも早過ぎるのかもしれません。院内コーディネーターは一番最後の部分だけしかタッチしていないので、院内コーディネーターは、「自分たちが突然出て行って臓器提供の話をするなんてできない。」という病院がほとんどです。

 実際に、先ほど室長からお話がありましたが、ドクターに最後に臓器提供の話をさせるというのは、手のひらを返したようにという表現がよく使われますが、少々難があるだろうと思います。それは世界的に見てもほぼ日本だけに近い状態で、スペイン、ヨーロッパのモデル、そして、アメリカのモデルでも、第三者がやっている話です。ですから、それを取り入れるような形で行うならば、早期である程度のタイミングからソーシャルワーカー等が介入する、小児の場合は、4月から専門ネームが変わりますが臨床心理士が当院ではタッチしております。

 ですから、それをモデルとして、その御家族の御意向が何らかの形で揺れている、若しくは、その治療継続に対して揺れているとき、それはなかなか医療関係者にダイレクトに臓器提供の話をしにくいことであろうと思います。本来は、理想論としてはソーシャルワーカー若しくは臨床心理士等々の何かそのスペシャリストを養成すべき、終末期医療のスペシャリストを養成すべきところなのですが、なかなか、今の段階で思い付く人材としては、院内的にはソーシャルワーカー、そして、小児の場合は私どもでは臨床心理士という考え方をしています。

 一般の事務職という形で資格のない方が病院で介入されている例もあるのかもしれませんが、あくまでも、このような方々、特に臨床心理士ではないソーシャルワーカーの場合は、生きて転院するときだけ介入し終末期のときには介入しないというのは、私は片手落ちだと思っております関係で、本来は、この矢印4つのうちの右の2つぐらいを、まずはソーシャルワーカーがやりませんかということで臨床研究を始めているところです。

 ただ、「等」と言いましたのは、病院の規模によって、それが第三者的な立場にいられる、中立的な立場にいる病床管理等々をしているような、例えば、看護師、専門職の看護師長クラスの人間であれば、それは同じことができるのではないかということで、ある程度、などということをぼかしています。

 その方々も、その方が入って最後に臓器提供の話をするのだとなりますと、御家族にとっても、うがった見方ではないですが、あの方々が入ると臓器提供の話があるのだという誤解もされますので、あくまでも、終末期医療のグリーフケアの延長線上になるような形で、そういう方に入っていただく。院内コーディネーターが既に設置されている病院では、適切なタイミングで院内コーディネーターを呼び、そして、その方々から病院のポリシーで、やはりドクターが話せということであれば、その方々が同席する形でドクターから選択肢提示をするようなパターンもあるでしょうけれども、将来的には、医師からその業務を外すべきだという流れの中で考えております。よろしいでしょうか。

○犀川班員 ありがとうございます。実際、私どもの施設でも小児科専門の臨床心理士がいますので、その方は早期から介入というのが一般化しています。ありがとうございました。

○奥山班員 小児病院の場合、終末期に関してこのような支援を考えると、前回の委員会でもお話したのですが、チームでやるほうがいいのではないかと考えています。実際、ついこの間も脳死の可能性がある患者さんがいたときに、緩和ケアチームの医師がまずグリーフケアに入ってみるとか、特に子供の場合、兄弟対応があるので、チャイルドライフスペシャリストの人が入るとか、いろいろ対応が必要です。確かにコーディネートするのはソーシャルワーカーがいいのかもしれませんが、できれば終末期チームみたいなものを作れるといいのかなと考えています。

○横田班長 名取先生によくよく調べていただいて、ソーシャルワーカーの役割の中で、必ずしも退院後の調整ということだけではなく、家族の精神的なケアも職種として可能だという局長通達が確かありましてね。

○名取班員 平成14年度の厚労省の局長通知に記載がありました。

○横田班長 しかも、ソーシャルワーカーも人材がたくさんいるわけではないのですが、奥山委員がおっしゃられたように、ともかくチーム医療でやる、医師だけに、あるいは院内コーディネーターだけに任せるのではなく、チームとして関わっていく、そういう中でソーシャルワーカーも対応可能という、そのような判断であると思っています。また後で時間がありましたら戻って議論を深めたいと思います。

 続いて、次の議題です。これまでの議論を踏まえた今後の対応ということで、事務局から御説明をお願いします。

○井内移植医療対策推進室長 資料2です。「前回までの作業班における主な意見等」ということで、資料にまとめております。1ページ、第1回作業班をしていただいて、いろいろな論点でお話を頂きました。普及・啓発に関しては、日本小児循環器学会では、命の授業というプログラムを作成しているが、現状では学校の授業で十分に取り入れられていないということです。また、提供についてだけでなく、移植後の成果についても普及・啓発が重要ではないかというお話を頂きました。(2)臓器の提供施設における環境整備についてということで、グリーフケアの1つとして展開できないか。家族申し出の所の分析を実施すべき。あと虐待の対応というところで、相談窓口や、いわゆる虐待のチェック体制を頂いております。

2枚目、第2回作業班のほうで、これは冒頭で横田先生からもありましたが、富山大学の種市先生、埼玉医大の荒木先生、東京大学の水口先生、トキワ松学園の佐藤先生からお話を伺ったというところです。

 それを踏まえて資料3では、現状がどういう状況なのか、前回までの議論を踏まえて、我々でこういった取組をしているというものです。資料31枚目、現状は、中学生向けパンフレットをずっと配っております。アンケートで「使いましたか」と聞いたのですが、そもそも回答があったのが9.3%、返ってきた9.3%の結果が、真ん中の円グラフで、「活用しなかった」「授業で活用した」「短学活で活用した」というのが3分の1ずつでした。回答を頂ける時点で、恐らくこれについて使われている方が多いことを考えると、実際はかなり少ないのかなと。活用しなかった理由ということで、「授業で取り上げる時間がなかった」「内容が難しい」ということがありました。これは2回目の作業班の後、トキワ松学園の佐藤先生にも聞きましたが、やはり、学校の先生が取り上げて、臓器移植の話をするのはなかなか難しいと。子供にいろいろ素朴な質問をされたときにどう答えるか。そういったことが普通はなかなか難しいのですよねと。それが難しいと言う人が周りに多いというお話も聞いております。

 それを踏まえて、次のページ、教育セミナーの開催ということです。今、教育セミナーというのをやろうということで、学校の先生に聞きに来ていただける会を開くということです。下にあるように教育セミナー、座談会があります。教育新聞社というのがあって、これは学校の先生がみんな読む新聞らしいのですが、この教育新聞社でいわゆる座談会を開いて、臓器移植についての普及・啓発をやっていこうということです。1回目、2回目の作業班を踏まえて、子供たちに教える先生に知っていただいて、いかに重要か分かっていただくことが必要ということで、こういった取組を始めました。今後もこれをいろいろ充実させていきたいと考えております。

 次のページ、臓器の提供施設における環境整備ということで、1枚目が、先ほどお話したものです。次のページは、日本小児循環器学会から頂いた資料で、2012年と2017年の比較をしていただきました。この資料の中では、「脳死下臓器提供に対応できるか」「脳死下臓器提供の経験があるか」の全体に占める割合は増加しているということで、少しずつ整備は進んできている感じと聞いております。

 次のページ、これが先ほどのページ、冒頭で説明させていただいた臓器移植委員会、本会での議論ということです。その中でやっていただいていることについても、実はコーディネーターについても、2回目の作業班の種市先生、グリーフケアの重要性を非常に言っておられました。これについては、大人も子供も同じかと思います。

 次のページ、3つ目が虐待への対応ということです。ここに挙げているフローチャートに沿って虐待かどうかチェックをしていく。ただ、この作業班でもありましたが、この運用に迷う部分があるという御意見を頂いております。

 次のページ、こういったことで、家族の意向を早く知るということで、虐待かどうかについても、いきなりその場面、最後の場面で知るというよりは、先ほどのコーディネーター、いわゆるMSW等のコーディネーターが事前に情報を聞いていくという中で、多少緩和はできるのではないか。あと右下に小さく書いてありますが、平成30年度厚労科研研究班ということで、現在、今募集中で、2つの応募を頂いているのですが、来年、小児の分野について研究班を立てることにしております。課題名としては、小児からの臓器提供に係る基盤整備と普及・啓発のための研究ということで、研究班を立てて、今、募集をして審査をしております。2人の研究者から応募を頂いております。その結果、4月から新たな研究班が動き出すという中で、実際、例えば虐待のお話が出ていましたが、倫理委員会でどういうことをやっているのかとか、あと、うまく臓器提供をやった所について、いわゆるフローチャートやチェックリストをどういうような運用をして、しっかりと乗り切っているのかということ。うまくいかなかった所の比較や、我々が現状分析まで個別にしていくのは、人数と時間の兼ね合いでなかなかそこまでし切れないというのがありますので、この作業班で出た御意見で分析が必要なものは、その研究班の中でいろいろ調べて分析していただきたいと思います。

 また、本日頂いた意見、今、我々が考えているのがこういったこと、今まで出た意見でもありますが、例えば、先ほど横田先生からあったように、小児の体制が整っていない病院の理由も調べるべきではないかという御意見がこの作業班で出たら、我々から今後新たに立てられる研究班の中に、こういった調査はできないかとか、調べられないかということをお伝えして、できる限り対応していただきたいと思います。今後は実際こういったデータが上がってくる度に、こういった対応策を、また作業班の中で検討を頂いて進めていければよいと思います。以上です。

○横田班長 いろいろデータを見せていただきながら説明していただきました。今のお話に何か質問、コメントがあったらお願いします。

○奥田班員 明星大学の奥田です。児童相談所関係からの班員として参加しておりますので、前回までの作業班における主な意見等の1枚目の(3)、虐待への対応について御確認いただきたいと思います。臓器提供にかかわらず、「子供が亡くなった場合には、虐待の有無を全てチェックできる体制を整えるべき」という意見がまとまったということですが、当時もお話しましたが、虐待の有無を全て医療機関でチェックするのは非常に困難ではないかと考えております。児童相談所であったとしても、あるいは警察であったとしても、虐待の有無の問い合わせがあった際にお答えできるのは、これまで関わっていたか、関わっていないかということだけで、関わっていない児童に虐待があったかどうかというのは分からないというほど判断が難しいところです。ここを虐待の対応についてまとめるのでしたら、有無を全てチェックする体制はむしろ児童相談所を含めた関係機関と、万全なチェックができる体制を整えるべきと書いていただければと思っております。以上です。

○横田班長 そこはこれからまた議論をしなくてはいけない部分だと思います。確かに100%対応するのは無理なので、関係機関との連携を的確に行うというところですね。

○奥山班員 今の所ですが、虐待がないというのと、虐待が疑われるのを発見するのは全く別の話です。普段の場合には、当然我々は、虐待が疑われるかどうかというのは、必ず頭においてで見ています。つまり、全ての患者さんに対して虐待が疑われるかどうか見ている面はあるのですが、虐待がないことを証明するのはまた別の話と思うので、今の段階では、そこは分けたほうがいいのではないかと思います。

○井内移植医療対策推進室長 資料2はまとまったというのではなくて、こんな意見が出ていましたということで、我々で拾わせていただいたという位置付けです。

 あと今の研究班でやっていただくのも、うまく臓器提供にまでつながった倫理委員会や、フローチャートに沿った虐待の除外が具体的にどうされていたか見ることで、今、頂いた御意見などもうまく形にできればいいかなとは思います。そういったことは前回もお話いただきましたので、この研究班でやっていただきたいと思います。

○米村班員 今の議論に大きく関係する点ですが、資料36ページ「(3)虐待への対応について(現状)」にフローチャートが載っています。このフローチャートに従った判断は、「脳死下臓器提供者から被虐待児を除外するマニュアル改定案(Ver.4)」を使って判断することを意味するのだろうと思いますが、これは、このマニュアルの使用を厚労省として公認ないし推奨しているという理解でよろしいのですか。

○井内移植医療対策推進室長 はい、そうです。研究班の報告を、そういうふうに使ってくださいということでやっております。

○米村班員 参考資料2がマニュアルの本体だろうと思いますが、内容的に、私の目から見てかなり問題があると思われます。

 最も問題があるのは、4ページの「3.考察」の本マニュアルの趣旨の冒頭部分です。最初に、「本マニュアルは、被虐待児ではないと確実に判断できる児童を選び出すためのものである」と書かれておりまして、その次の段落で、最初は省略しますが、最後の所だけ読みますと「脳死下臓器提供者から被虐待児を除外するために、現時点ではやむを得ないと判断した」という書き方がされております。これは、すなわち虐待児である可能性も、ない可能性も、どちらもある人は全部除外に持っていこうという趣旨です。本来の法律ないし厚労省の移植運用指針には、被虐待児の取り扱いについての定めがあるわけですが、これは、そこに書かれている内容と全く違います。私は以前から、山田不二子先生ほかの先生方が作られたマニュアルは、厚労省の指針と一致していないということをずっと申し上げておりまして、今回の改定版も、それが改められていないどころか、ますます進められている。その判断基準に従ってフローチャート化して判断すれば、当然、虐待の可能性が少しでもあるものは、全員除外することになるだろうということは想像に難くないわけです。こういうことをしていては、当然ながら臓器提供数が増えるはずがありません。法律ないし厚労省の指針と違う内容で、無意味に厳しい基準を設定し、それを運用することは私は不適切であると考えておりますが、いかがですか。

○井内移植医療対策推進室長 すみません、すぐに事実関係の整理ができないので、整合性が取れるようにという御指摘だと思いますので、我々も調べて、いずれにしても整合性が取れる形にしたいとは思います。今すぐ答えられないので、今日御意見を頂いたということで宿題として持って帰らせていただきます。

○横田班長 よろしいですか。

○安河内班員 私も見せていただいた範囲内では、SIDSは最初から疑われたらもう除外ですよという話になっているとか、内容的に現場の臨床とそぐわない部分もあるかと思います。私たちの学会でやったアンケートについても、ここに虐待の否定などの対応ができているという回答の中には、単に病院の中にCAP委員会があるだけで虐待の対応が整っているというものも入っている場合もあります。 また、そもそも虐待を否定したと言っても、虐待が怪しきものは最初から積極的な虐待の判断はしないで全部除外するという判断も含めてCAP委員会で判定した事象も入れたアンケートの結果になっているだけなのです。

 虐待対応が可能としている小児医療施設が多いはずなのに、小児施設の中で結局、脳死判定をして臓器提供が行われたのが1施設しかないことが逆に問題であると思います。それだけ体制が整備されれているのにもかかわらず、実際臓器提供が行われないのかという話になってしまうわけです。ここは単純にアンケートの結果だけを捉えて、体制整備が進んだ、進まないという話にせず、その実態に踏み込まなければいけないと思います。

 もう1つは命の授業についてです。富山の高校生が高校で使用している教科書を全部調べて、そこにどんなふうに書いてあるか調べた報告があります。記載が適切、不適切とありますが、比較的中立と高校生が判定した教科書の中にどういうことが書いてあるのかと言うと、臓器移植の説明の文章に、「人体が資源化、商品化する?」、若しくは「臓器売買」という言葉が出てくるわけです。そういう業者の教科書を使って今の高校生は臓器提供について勉強しているわけです。教科書の内容を検定することはできませんが、臓器移植の情報提供のあり方について、命の授業うんぬんの前に、一般の方が読む教科書にどんなことが書いてあるのか、ちゃんと認証すべきです。臓器移植イコール臓器売買とか、資源化という話の取り扱いかたを間違えば、そこで間違った認証を持つのは当たり前で、命の授業についても私はちゃんと中立的に正しい形で進めるべきではないかと思いますが。

○奥山班員 先ほどのSIDSは虐待で除外ではないので、もともとのガイドラインの原疾患が明らかでない場合は対象にならないというところで、結局、省かれてしまうという話になったのです。ですから、これは虐待とか何とか考える前に省くべきものというところで、省かれるという結論だったのです。

 細かくガイドラインを読んでいくとこうなりますよというのがフローチャートになっているので、やはり、フローチャートを変えたほうがいいと言うのだったら、ガイドラインをきちんともう一回見直さないといけないのではないかと思います。

○横田班長 いずれにしても、そこの部分は厚労省でもう一度調べるということです。

○奥山班員 もう1つ、虐待除外に関しては、フローチャートとかいろいろなものを作ってきたので、チェックリストに従って、チェックしていけば大丈夫となることが多いです。ほとんど今までのうちの脳死だろうというのも、虐待に関しては割とチェックで何とかなっているのですが、一番迷うのが障害なのです。障害があったら駄目ということになっているので、どのぐらいの遅れがあったら障害と言えるのかなどに関してです。それに関しては判断基準がないのです。そこのところで、この前も非常に悩みました。ということもあって、その辺の判断基準も明確に出していただければやれると思いますし、それ以前に、何で障害が駄目なのという疑問にも明確に答える必要があると思います。法律に書いてないので。

○横田班長 この部分は以前に水野先生がおっしゃった部分なので、その議論を持ち出すと議論が進まないので、よろしくお願いいたします。

○奥山班員 現場としてはある程度この線で考えてくださいという基準を提示いただいたほうが、さくさくとできるのではないかと思います。みんなで議論するとすごく大変で、少し遅れがあったらしいとか、そういう話になってきて、かなり議論になってしまうので、是非その辺はお願いしたいと思います。

○横田班長 そこはもちろん問題点として議論するということです。恐らくこれからこの議論を踏まえて、小児の研究班ができてきたところで、そういう話は出てくると思います。「虐待児、又はそれが疑われるものからの臓器提供はできない」とされていて、本当に白でないと提供できないというロジックになってしまったのだと思うのです。

○米村班員 それは思い込みなのです。そうは書いていないのです。法律の条文は「政府は、虐待を受けた児童が死亡した場合に当該児童から臓器……が提供されることのないよう、……必要な措置を講ずるものとする」という書き方です。それがどこまでのことを求めているのかがまずもってよく分かりません。もともとが議員立法で、条文の一つ一つについて丁寧な文言の調整がされたというわけでもないので、余り法律の条文に依拠してそこを判断するわけにはいきません。

 厚労省で指針を整備する際にいろいろな議論があって、必ず除外できなかったら臓器提供にいかないということではないという前提で議論がなされて、その趣旨が指針にも書き込まれたと私は了解しているわけです。にもかかわらず、一部の小児科の先生方が、いやいや全部除外にできなかったら、絶対に臓器提供に回してはいけないのだということをおっしゃり、なぜかそれが厚労省の方針であるかのように言われ、現時点までそれが通用しているのが、私は非常にまずいと思っております。

○奥山班員 ガイドラインを作ったときにいたのですが、そういう議論ではなかったです。やはり、きちんと除外するという話は出ていました。しかも、最初はとにかくそれで虐待で亡くなったことをきちんと除外しましょうと。少しでも疑いがあるのだったら除外しましょうという話だったのですが、それだけでは駄目だと。法務省から過去に虐待があったケースも駄目なのだということを言われて、過去も調べなければならないということが入ったということもありました。最初から一般の臨床で疑うというラインでいいのだという話はありませんでした。

○米村班員 いやいや、過去のことを調べなければいけないかどうかということと、完全に可能性が否定されなければならないのかどうかというのは違う話です。過去も調べなければいけないというのは当然です。虐待児童であるかないかというのは、現在の所見だけで決まることではないので、過去も調べなければいけないというのは当然です。しかし、通常可能な方法で調べたが、虐待があったという疑いが出てこない場合には、疑いなしとして良いのです。疑いがある場合は除外せよと書いてあるので、疑いがあったと言えない場合については、臓器提供に持って行っても何ら問題はありません。疑いがあると言えないのに、否定できなかったら全部除外だと言うと、悪魔の証明を求めることになる。基本的には、過去の事実で、ないことを証明するのはほとんど不可能なのです。

○奥山班員 本当にそれです。それですごく苦労しているというのが事実です。

○米村班員 ですから、それは思い込みなのです。

○奥山班員 そのときに、そうじゃないよという意見がガイドラインを作る中であったかと言うと、そうではないです。

○横田班長 ここは多分、水野先生にお話をまとめていただきたいと思います。

○水野班員 私が入っていた作業班では、そんなことはなかったです。

○奥山班員 作業班ではなく、委員会のほうではなかったですか。

○水野班員 委員会ではなく、作業班だったように記憶しております。上の委員会で、その後、どういう議論があったかまでは存じませんが。

○横田班長 この間、町野先生がまとめたものです。

○水野班員 私は町野先生と一緒に被虐待児童の問題と親族の同意などに関してガイドラインを実質的に作る作業班に入っていました。もう何年も前のことになりましたが、この虐待の問題については、はっきり記憶しております。どうしてこんな変な条文が入ってしまったのかという嘆きが、私も町野先生などもそうでしたが、そこで基本的に共有されていたマジョリティーの意見でした。しかし、法律に従わなければならず、法律を破ることができないので、我々ができることは何だろうかと考え、ともかく現場で悪魔の証明を求めることをやめさせるために、警察と児相にだけ連絡をし、そこでこの子供が、過去虐待だと取り扱われていなかったことがはっきりすれば、それで進められるという形にしました。そうすれば、何とか条文にも逆らわなったということになり、かつ、とんでもない条文が一番残酷な移植妨害になってしまうことを防ぐことができるだろうという狙いでした。私が出ていた作業班では、あくまでもそういう議論でした。被虐待児童がドナーになれないという合理的な理由は考えられず、臓器提供故に虐待を刑事立件できなくなることを防ぐくらいしか考えられません。それ以外の理由付け、たとえば虐待親には同意権はないという理由なら、代わりの同意権者が決められていなくてはならず、その手当がないときには、一番残酷な移植妨害になるだけです。つまり、お子さんが脳死になった御両親が、自分たちは悲しいけれども、この子の体を使って、このような悲しみから逃れられる他の御両親がいるのなら、そのお子さんのためにと申し出てくれた途端に、「あなたは虐待していたのではないですか」と問われることになるのです。そして、その虐待の可能性を調べ上げようとし、結局「虐待をしていなかったということは立証できませんから駄目です」と言って、その子は荼毘に付されます。これは、一番残酷な臓器移植に対する妨害だというのは、その作業班では圧倒的に多くの意見でした。だからこそ、そのような妨害を封じ、この変てこな条文が邪魔にならないようにするために、苦労した記憶があります。

○奥山班員 それがガイドラインの中に、そういうふうには入らなかったと思うのです。

○米村班員 いえ、入りました。入っているのです。それをもう一度読み直していただければと思います。

○安河内班員 知的障害のことに関しても、今の話もそうですが、ガイドラインに入っていて解釈が間違っているのだったら、ガイドラインの解釈についての説明を、もう一回きちんとした上で、誤解のないような形で進めないと。そこのボタンの掛違いがずっと続いていて、多分、奥山先生ももともとは虐待の調査は難しい立場でおられるはずだから。

○奥山班員 そうなのですよ。

○安河内班員 そうすると、ここにいる方はみんなそうなのに、条文の解釈の仕方だけで議論がおかしくなるのは変ですよね。それはやはりきちんと整理整頓を、厚労省でもやってもらうなり何なりしてやっていけばいいのではないかと私は思うのですが。

 さらに、知的障害に関しても法律の本文には一切記載がありません。臓器の移植に関する法律の運用に関する指針、ガイドラインというのがあって、この中の第1の項目に初めて知的障害が出てくるのです。ここは米村先生にお聞きしたいのですが、本文には、「本人の意思確認ができない場合は家族の意思確認をもって移植の適用としてよろしい」と書いてあります。これを元に成人の場合は家族の同意で移植が可能となっているのに、どうして知的障害の小児では家族の同意があってもできないのかということです。知的障害者にこの条項が適用されないのは、運用ガイドラインの所に曖昧な書き方をされているからだと思うのです。奥山先生が先ほどおっしゃったように、実際、1歳の子供の発達障害を証明することは難しい。小児神経専門の先生でも、1才のこどもの発達障害を診断することができないという回答です。そうすると、知的障害があっても両親がちゃんと了解をして、本人の意思確認ができなくても、家族の希望、意思が確認されれば、臓器提供の対象としてよろしいということになるはずなのに、なぜそうならないのかというのは、法的にはどういうことになるのですか。

○横田班長 この部分に関しては、最初の検討会ときに、知的障害に関して小児の脳死下臓器提供は課題になるという議論はされました。本検討会でこうしましょうと言っても、なかなか対応は難しいと思いますので、この議論はこの辺りで取り合えず終わりにします。

○安河内班員 1つ横田先生にお願いがあるのは、せっかくここの会でいろいろな議論がなされています。先生が冒頭におっしゃったように、この会の決着をどうするのかという話なのですが、何らかの形でまとめとしてステートメントみたいなものを出すという話に持っていくのであれば、この議論に関してもある程度決着を付けなければいけないはずです。

○横田班長 課題に関しては、作業班から言っていいと思うのです。その課題の結論は研究班にもう少し深めてもらい、また虐待の対応に関してもそうだと思います。

○安河内班員 ここはそのための班会議、作業班ではないのですか。

○横田班長 私の認識は、そもそも論になってしまいますが、小児の脳死下臓器提供が進まない現状は、何所脳死判定をしないのか、なぜ選択肢の情報提供をしないのか、当いとところです。その中に虐待や知的障害の課題もあるのでしょう。

○安河内班員 ここは課題抽出と、問題提起をするのが作業班のタスクということですか。

○横田班長 はい、冒頭で私が申し上げたのは、そのような内容です。

○米村班員 課題を提示するのが目標というのは、それは私もそうなのだろうと思います。ただ、単にこういう問題があります、ああいう問題がありますと言うだけでは、親会も、世の中一般も、それが喫緊の課題であり、急いで議論して結論を出さなければいけない問題であるというようには認識できないだろうと思います。きちんとデータに基づき、あるいは様々な有識者の見解を聞いた上で、現状の運用には非常に問題があって、臓器提供数の減少にもつながっているので、すぐにそこの部分を整理して、きちんと適正な考え方の下に制度を運用していく形にしないと、どんどん貴重な命が失われていってしまうということを、我々が提起するということだろうと思います。

○横田班長 全くそのとおりだと思います。

○米村班員 ですから、知的障害の問題についても、そのような形で問題を提起することはありうるのではないでしょうか。知的障害児を実務的に除外することも難しいし、先ほどの御質問へのお答えになると思いますが、法的に除外しなければならない根拠があるかと言われると、ほとんどないのです。一部の法律家が、1回きちんと判断能力を獲得するに至った子供ないし成人と、一度もそういう判断能力を獲得するに至らなかった子供というのは扱いを異ならせるべきだと主張したのです。なぜなら、一度も判断能力を獲得したことがないと、もともとその人がどういう考えを持っていたかということを、家族が忖度することができないからです。臓器移植法第6条が臓器提供に遺族の同意を要求している理由については、いくつかの考え方があるのですが、その1つに、本人の生前の意思を知っている者がそれを代弁する形で表明するのが遺族の同意である、という考え方があります。それによると、生前におよそ本人の意向を表明できなかったような子供に関しては、遺族も本人の意志を代弁することはできないのだから、臓器提供の対象にしてはいけないということになり、実際にそのような主張がかつて頻繁にされました。それに基づいてこういう制約が入っているのです。

 ただ、そもそも1歳の子供は、仮に健常児だったとしても、そういう判断能力を獲得したことはないわけです。ですから、もともとその議論は小児移植を想定した議論ではなく、限界のある議論だったと言わざるを得ません。小児臓器提供をするということならば、そこの部分は割り引いて考えて、知覚障害児を含めて遺族が判断するということで行っても良かっただろうと私自身は思っております。ですから、その辺りの議論をきちんと整理し直して、今後の小児臓器提供の在り方を議論してくださいと問題提起することは十分あり得ることではないかと私は思っております。

○横田班長 私もそのとおりだと思います。そういう意味の問題提起ということで御理解いただきたいと思います。あと教育に関しては、実は先ほども紹介があったように、教育から始めるというのは回り道ではあるのですが、すごく重要だと思います。先ほど安河内先生がおっしゃったように、偏った形で解説されていることです。先日、ある座談会に参加したときに私が感じたのは現場の先生方はすごく難しく感じているということです。 私も医学部の学生には脳死と臓器提供に関しては教えていますが、ここで言っている教育というのは、もう少し低学年や一般市民という意味です。リーフレットがすごく難しかったと書いてありますが、そんなに難しいリーフレットはないと思いますが、その辺はどうですか。

*

○奥田班員 私もこの会議に参加できてから、大学生にはこういったお話を授業でやります。大学生の関心は高いです。一般的な自分以外のことでしたらこういったことはとても大事で、パンフレットを一緒に配りたいというような意見も出るのですが、では、自分が角膜を提供するとか臓器を移植する、いわゆるカード提示者になれるかというと、みんなそこでうつむいてしまって、自分の問題に引き付けるところで躊躇しているなという思います。献血の問題とよく似ているなと思うのですが、自分自身の体から何か取られる、傷付けるということに対して抵抗感が一般的にあるというのが、現場からの意見です。

○白石委員 この辺りのことは日本の文化とも多少関係があるのかなと、いつも思うのですが、どちらかというと日本人は、よく分かっている人にお任せで、それで一番いいものをもらえるといったところが、私たちの生き方の中で恐らく楽な選択肢なのだと思います。それで大多数の人たちが選ぶような方法を選んでいることで、何となく安定しているところがあるのです。こうした生死の問題とか臓器提供の問題というのは、その人の価値観が非常に問われるところで、その辺りの議論が、なかなか十分にできにくい社会なのかなとも思っています。

 例えば、アメリカで移植医療をやっていた知合いのドクターが言っていたのですが、ドナーを待っている15歳のお子さんが、今、自分は誰かの心臓をもらえるのを待っているけれども、それは誰かの死を望んでいるということになる。そういう自分はすごく罪深いのではないかという投げかけを医療者にされたときに、どういうふうに答えるかというと、決してマニュアルではなく、その医療者自身がどんな死生観を持っていて、どんなふうにいろいろなことを考えているか、そういったところに掛かってくると思います。そうしたことが教育の中で十分にできているかというと、できていないと思います。なので、単に臓器の提供うんぬんというよりは、意思決定のあり方をどうしていくかといったところと、医療者としてどう意思決定を支えていくかといったところを、もう少し充実させていかなければいけないのかなと、私も大学生の教育に関わっていて思っています。

○横田班長 ありがとうございます。教育というのは資料にもあって、すごく重要だと思います。資料3に関して、今日はまだ織田先生や笠原先生のお話がないのですが、何か御意見はありますか。

○織田班員 今、ちょうど教育や文化という話が出たところですが、私が普段、現場で情報提供、特に臓器提供に関する情報提供している立場からは、教育は大事だと思う点が私は若干違っております。献血は生きている人から採りますね。正に生きている人の血液を抜いて差し上げる。ここでちょっと勘違いがあるのが、臓器提供は、亡くなってから臓器を提供するものなのですが、そこが同じようなイメージになってしまっている。外国では「ギフト」と言うようですし、先ほど誰かの死を待っているというお話もありましたが、そうではなくて、亡くなってから提供するものなのだというところに教育の力点を、もうちょっと置いたほうがいいかもしれないなと感じます。もう1つ、日本の文化が特殊なので、とよく出てくるのですが、ここは日本なのですから、そこをもって悲観するのではなく、日本の文化に合わせた情報の提供の仕方を考えていくしかないと、こう思っています。

 あと、先ほどの小児のところですが、虐待の除外のところです。議論が沸騰したところですけれども、ものすごく大事ですから、一番に解決したほうがいいかもしれないぐらいだと個人的には思っています。なぜかというと、今は、完全に除外し、虐待がない、ないということでこれを証明しないといけないのだ、という噂が流れてきたり、あるいは通常調べられる範囲で頑張って調べて、それでなさそうだったら、それで足りるのだとか、どっちも情報として我々には入ってくるのですが、今ひとつはっきりしない。そうすると、提供事案が成立した後に、もし自分が前提として信じていたものが違うよとなったときに困るなというところで、二の足を踏んでいる間に亡くなってしまったというように、ちょっと踏み込みにくい、近寄り難い領域となってしまっている恐れがあります。ですから、ここをはっきりさせることは、移植医療に関する情報提供をする医療者や御家族の安心を担保することにもなるかと思いますので、ここは現場の意見としては最も先に解決してほしいと実は思っています。

○横田班長 確かにそうですね。

○織田班員 そこさえしていただけたら、もうちょっと積極的に情報提供できるのになと思います。あと、あまりグリーフケア、グリーフケアと言い過ぎるのはいかがかと、本当にグリーフケアになっているかどうか、というのは御家族次第のことであるので、そっちよりも、はっきりさせていただけたら一通り全員に情報提供を、というふうに進めやすい、こう思います。

○横田班長 なるほど。この作業班としては、そこの虐待への解釈と対応ですね。

○織田班員 是非ともお願いしたいです。

○横田班長 そこは是非、笠原先生、移植の先生としての御意見を頂きたいと思います。

○笠原班員 臓器移植を実際に行っている者からしますと、元気になったお子さんを、なるべく皆さんに知っていただきたいということを、今、積極的にやっています。例えば資料3にございます一番最初のJOTのポスターに出ている女の子ですね。うちの病院で脳死の移植を受けたお子さんですが、現在も非常にお元気にしています。こういった元気になったお子さんたちを、なるべく外に出ていただいて、小児の臓器提供に関して啓発をするということは、我々、臓器を受ける側の人間としては最大限、それができるのではないかと思います。幸い、御家族は大変協力的な方々が多いですので、そういったことは御協力できるかなと思いますし、積極的にやっていきたいと思っています。

 学校教育に関しましては、近隣の学校に授業させてくれと申し上げたりはしているのですが、なかなか難しいところがございまして、何かしら行政のほうで機会を作っていただければ、実際に臓器移植をやっている人間として御協力できることは多々あるかなと思います。以上です。

○横田班長 ありがとうございます。難しい点というのは、具体的にどういうことですか。

○笠原班員 例えば自分の子供の担任の先生に、こんなことをやっているんですけど、今度、授業でもやらせていただけませんかと申し上げても、ちょっと難しい問題ですよねとか、そういう感じで言われることのほうが多いです。

○横田班長 分かりました。ほかに、どうぞ。

○水野班員 文化的な違いという御意見が先ほどありましたけれども、たしかに遺体への感覚などは、相当に彼我の違いがあるでしょう。でも基本的に臓器移植という治療が可能になったのは比較的新しい話で、西欧社会でも、それほど大昔からこの問題への意識が形作られてきたわけではないのです。10年ほど前にパリに行きましたときに、パリ市が市庁舎で展覧会を開いていました。臓器移植をテーマに、フランスの芸術家たちに絵画を描かせたり彫刻を作らせたりしまして、それを展示して一大キャンペーンをやっていました。フランスでも、そういうキャンペーンは必要なのだと思いました。私も見に行ってみましたけれども、美しい芸術作品が揃っており、会場で当然のことながら、たくさんのパンフレットをそろえて臓器移植の説明がなされていました。日本はもちろんですが、どの国でも、こういう新しい治療法、臓器ギフトについてのキャンペーンが政策的に必要なのだろうと思います。

○奥山班員 私、何回か同じ意見を言っているような気もするのですが、先ほどの御意見は大人のほうの御意見でしたが、子供の心臓死下での臓器提供、それから組織提供に関して、小児科医が知らなさ過ぎるのではないかと思います。私自身、脳死の状態でなくて亡くなったような方々に組織提供もできるんですよということを、あまり提示したことがないのです。そういう医師の教育というのをまずする必要があると思います。ただ、心臓死下でも虐待が絡んできてしまうのでややこしいのですが、でも、なぜか組織は絡まないのですね。

○横田班長 法律からはどうでしょうか。

○奥山班員 外れるから。だから、その辺は本当に法律の問題がややこしいのです。

○横田班長 もし虐待が関わっていたら、むしろ法医解剖や検視になります。

○奥山班員 虐待で亡くなった場合ですね、突然に。

○横田班長 はい。

○奥山班員 虐待の除外のところがもう少し簡単になれば、それはそれでいいと思いますけれども。一方で、心臓死下での提供に関する提示をするんだという意識を、医師が持つというのも必要なことではないかと常々思っています。それが普通になってくれば、脳死のときも、もう少しやりやすくなってくるのではないかと思います。

○横田班長 小児循環器学会や小児救急医圧壊のアンケート結果では、少しずつ周知されているというデータになりますね。小児科学会のデータがないので何とも言えないのですが、小児のクリティカルケアに関わっている医師やメディカルスタッフにとっては、少しずつ脳死下臓器提供意識という意識も上がっているのかなと解釈していました。

○奥山班員 小児科学会でデータを取った方が良いでしょうか?

○犀川班員 私も小児科医の一人として知っているか知っていないかと言われると、昔から知っていたわけではないです。ただ、施設として臓器移植を推進するのは何も小児科だけがやるわけではなく、むしろ先に成人の臓器移植を提供できることが基盤にあって、それに小児を乗っけていくわけで、そうなると小児科医だけでなく施設です。先ほど先生がおっしゃった会議に行っていて、どんどん減っているというのは、施設自身の組織移植に対する意識が薄れていっている。そういう現状があるのではないかと思います。

○横田班長 ありがとうございます。先ほど室長が、心停止後の臓器提供の減少は原因が分からないとおっしゃったけど、私自分も調べたことがあって、室長がおっしゃるとおりなのです。ただ、1つ言えることは心停止後、特に腎提供に関しては、脳死下臓器提供に比較して更に拘束時間が長くなるというのは理由の一つとしてあるかもしれません。組織に関しては心停止後に提供いただけるので、そこが減っているというのは私は分からないです。

○安河内班員 くどいようですけど、先ほどの虐待の話もそうですが、いつも私たちが現場で困るのは、調べる限り調べてないことが証明できればOKという中で「調べる限り」という曖昧な言葉が一番問題なのです。人によってそれは違うので、後から検証のときに、ここまで調べたら、これがあったじゃないかと言われたときに困る。それは現場の意見です。

○織田班員 全くそのとおりです。

○安河内班員 それは逆に言うと、明らかに虐待と判断するとガイドラインにも書いてあるshaking headbaby所見で、3徴があった場合は虐待として判断するが、3徴がなければ臓器移植の対象としてOKにしてもらえればいいということです。いつもここのところが曖昧にされてしまうのが、できる限りの範囲内で調べる、若しくはできる限り児相や警察に届けて問題ないことを調べた上でやりなさいということになり、実臨床ではここが一番難しい話になるところだと思います。

○奥田班員 マニュアルに従い病院から連絡を受けた児童相談所はこれまでかかわりがあったかどうかの経過調査をするのですが、児童相談所が関わっている虐待案件で今、一番多いのは心理的虐待なのです。これまで身体的虐待が5割を超えていたのですが、今、7割以上が心理的虐待、しかも警察を通じたDV(ドメスティック・バイオレンス)目撃が急増しています。つまり夫婦喧嘩を見ただけで虐待だということでキャッチしていますので、病院から虐待があったかなかったかの相談があった場合は「虐待があった」と回答し、それは心理的虐待、夫婦喧嘩を見ていたということだけで病院に回答するしかありません。とすると、この子供の臓器移植はできないのか、助かる生命を救えるのかどうかということからは、果たしてこの回答でいいのかという状況が続いているのです。

○安河内班員 そこは、だから先生、制度として整理が必要な部分で、正にこの作業班も議論の結果を本会のほうに戻すのだったら、そこを明確にしなければ駄目だということではないでしょうか。具体的な案としてはこうこう、こうですよというのを付けるべきではないかと思います。小児関係のほうの移植の委員会にも私は入っていますが、現在、小児の移植に関してはベルリンハートのEXCORという装置が導入されて以降、以前には亡くなっていた患者さんがこのEXCORという補助人工心臓を付けて生きることができるようになりました。ところが今度は逆に、その後の小児の心臓移植が日本ではできないので、結果として海外渡航移植が増える結果になっています。しかも、渡航心移植をするためには、今のお金で3億から5億かかります。皆さんもご存じだと思いますが、イスタンブール宣言で自国の臓器移植は、自国でやりなさいという宣言がでています。今のままの状況を続けるて海外渡航移植が増えてくると、日本は臓器を売買しに海外に患者さんを送っていると批判されかねません。もう喫緊の問題で、あまり時間的猶予はないと私は思います。

横田先生には申し訳ないのですが、この作業班で議論したことを喫緊の課題として、こう解決すべきだという形まで踏み込んで課題の提案をしないと、こういう課題がありますよとリストアップするだけでは、不十分ではないでしょうか。そこは明確にすべきだと思います。

○井内移植医療対策推進室長 まず障害とか虐待のところで、いろいろ疑義が出ているところですが、これは我々のほうで一旦整理をして、現状をしっかりと御説明させていただきたいと思います。その上で、詰まっていないところ、詰まっているところ、それはそのまま、詰まっていないなら詰まっていないという事実をお示しをさせていただきたいと思います。あと、先ほどから御意見ということですが、この会自体、健康局長の諮問機関という位置付けですので、ここで御議論いただいたことは、我々は健康局ですから、そのまま我々のほうで受けるということで、行政での動きというのはここでお話いただければと思います。実際、ここでお話いただいたもので、我々のほうで動かせるものは動かしていこうと考えています。

 虐待のところにつきましても、ここは移植の委員会ですので、こういったお話になりますが、虐待については多様な見方がある中で、移植医療の価値観のみ踏まえた考えでよいのかとの議論になります。今まで検証会議を経た小児の実例というのがございます。それについては個別で、いわゆる大臣の諮問機関である検証会議が、斡旋も、いわゆる救急も脳死判定も妥当だったと言っているものなので、そういったところで虐待の除外というのが、具体的にどうされたのかという実例をしっかり示すことで、そうやれば大丈夫なんだということを示していくほうが、建設的な議論になると考えております。新しい研究班でしっかりそういう実態を調べていただきたいと。それも前回、前々回のこの作業班で頂いた意見を踏まえて、実際、フローチャートを我々は使っていると思っているのですが、使っていないかもしれない。院内の独自のマニュアルでもいいとなっているので、それをやられているかもしれないし、そうなると実際の運用と違うので、例えばマニュアルのほうを変えていく必要があり得るかもしれない。そういった観点で見ていきたいと思っています。

 進め方としては、虐待のところ、まずしっかり事実関係のところで決まっているところ、決まっていないところ、あやふやなところ、現場が困るところも含めて、次回は整理をさせていただきます。その上で、どういった進め方をするのかは、また御相談させていただければと思います。

○横田班長 ありがとうございました。これだけのメンバーがそろって議論したことは決して無駄にしてはいけないということです。それは室長にお話していただいたので、今後につながって解決しなくてはいけない課題も明確になったと思います。ありがとうございました。ほかに全体を通じて何かありますか。

○笠原班員 先ほど織田先生からもあったのですが、あと室長の御意見ももっともですけれども、現在、どうなっているかということと、我々がちょっとまだ分からないのが、どういう経過で今まで虐待を除外したり、知的障害児が除外されたりしてきたか。歴史的なことの背景がちょっと分かりませんので、そこを1回、説明していただけると我々の理解がより深まるのではないかと思いますので、是非、よろしくお願いいたします。

○横田班長 そこは水野先生や奥山先生が、この法律のそもそも論のところを一番御存じなのだと思います。

○笠原班員 そうなのです。そこの議論になるとなかなか付いていけなくなってしまいますので、一度、理解を深めるという意味で御説明いただければ。

○横田班長 そうですね。私自身もそこは分からないのです。15歳未満の小児に関しては忖度を認めながら、知的障害児は駄目というところの議論、被虐待児の対応など違和感がある部分に関しては理由があったと聞いてはいます。その理由が必ずしも科学的、医学的なことではないというのもあると思いいます。

○水野班員 科学的な理由ではなかった。

○横田班長 名取先生、最後。

○名取班員 今のお話につながるのですが、各急性期の病院では、どこかのタイミングで虐待の疑いを理由に断念した症例がデータとしてあると思います。それを吸い上げたことが我々はないのです。ですから、これは過剰だよというのも、それでいいんだというのも、それぞれの病院で判断したときに、それが過剰だったかどうかのフィードバックもないのです。ですから、それでやめたからという前例の中で、あのときやめたから、2年前にこれをやめたから今回もこれをやめるという独自のルールが、もうできてきているのです。それはいいのかどうかなのです。ですから、ガイドラインを見直されたというところも、そこに趣旨がおありなのだと思いますけれども、それがガイドラインをもう1回紐解いて読んでみたら、もっと厳しくなっていたよとなると、もっと厳しくなるだろうという話も出てくるので、できたらですが、この情報を一番持っているのはJOTだと思うのです。そのJOTが小児で断念した事例が、どういう理由で、どのタイミングで断念したのか。どの理由で断念したのかというのを、この場にある程度出していただいたほうが、実際にこれは過剰だよねとか、それは納得できるとか、それがみんなで、これだけ判断基準がばらけていますよというのを、目の当たりにすることができるのではないでしょうか。

○奥山班員 JOTに行く前に除外してしまっているのではないですか。

○名取班員 JOTに行って除外している所と、JOTに行く前に除外している所と両方あると思います。

○奥山班員 両方ありますよね。

○名取班員 とは言いましても、JOTに行って除外された例すら、ここには出てきてないわけですから。

○奥山班員 そういう意味ですか。

○横田班長 メディアがそのようなアンケート以前、よくしましたね。

○名取班員 ただ、アンケートというと、その事例が起きた半年とか1年後とか、そう言えばあったかなというレベルのときにアンケートが来ますから、アンケートの場合は非常にリアルにピンポイントで、この理由で断念というのが見えていなかったりするのです。ですから、事例を何らかの形で吸い上げるというところ、後処理でなくて前向きの調査をしてもらいたいなと思います。

○横田班長 今村先生、最後、一言、よろしくお願いします。

○今村班員 本当に、現場の先生方、法律家の先生方の御意見を聞いて非常に活発なというか、作業班らしい議論ができているなとお聞きしました。先ほど、今後の対応についても事務局のほうからお聞きしましたので、この議論というのが行政の部分できっちり生かされるように対応していただきたいと思いますし、日医としても、その方向で対応してまいりたいと思っています。

○横田班長 ありがとうございました。それでは、今日はこのぐらいにして、今後もこの作業班が続くことだとおもいます。次回以降も含めて今後のことに関して事務局からよろしくお願いしたいと思います。

○蔵満室長補佐 本日は活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。また、本日いただきました御意見を踏まえまして、今、班長が言われたとおり、次回以降の作業班の準備をさせていただきます。タブレット、タッチペン、スタンドと紙ファイルに関しましては、持ち帰らず卓上に置いたままとしていただきますよう、お願いいたします。また、お手数ですが、今回初めて実施いたしましたタブレットを使用した会議につきまして、お手元に配布しておりますアンケートに御記入いただきますよう、御協力をお願いできればと思います。記載していただいた上で机の上に置いていただきましたら後ほど事務局が回収いたします。事務局からは以上になります。

○横田班長 班長の不手際でうまくまとまらなかったのですが、問題点は抽出できたと思います。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局難病対策課移植医療対策推進室
代表電話: 03(5253)1111
直通電話: 03(3595)2256

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 小児からの臓器提供に関する作業班> 第3回小児からの臓器提供に関する作業班議事録(2018年3月9日)

ページの先頭へ戻る