ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会)> 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第88回議事録(2017年11月24日)
2017年11月24日 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第88回議事録
○日時
平成29年11月24日(金)12:08~12:29
○場所
厚生労働省講堂(低層棟2階)
○出席者
関ふ佐子部会長 松原由美部会長代理 中村洋委員 荒井耕委員 |
幸野庄司委員 平川則男委員 宮近清文委員 |
松本吉郎委員 島弘志委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員 |
五嶋規夫専門委員 堀之内晴美専門委員 日色保専門委員 |
<事務局> |
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官 |
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他 |
○議題
○保険医療材料制度の見直しの検討について
○議事
○関部会長
ただいまより、第88回「中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会」を開催いたします。
まず、本日の委員の出欠状況について報告します。
本日は、榊原委員が御欠席です。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○関部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
今回は「保険医療材料制度の見直しの検討について」を議題といたします。
事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
企画官でございます。
それでは、資料材-1に基づきまして御説明をさせていただきます。
本日は論点が2つで、内外価格差の是正及び材料価格調査についてということでございます。
資料の2コマ目からが1つ目の論点で、まず3コマ目をごらんください。保険医療材料につきましては、そちらに記載のとおり、従来より内外価格差の存在が指摘されておりまして、平成14年改定において外国価格参照制度を新規医療材料の価格調整に導入しております。平成28年改定において1.3倍とされたところでございます。
4コマ目、保材専からもこういった御意見をいただいてございます。
実績で、5コマ目をごらんください。前回の改定から29年6月までの間に保険適用された新規医療材料におきましては、1.3倍を超えて外国価格調整を行ったものは1製品2区分でございました。また、一昨年の同時期と比較いたしますと、減少傾向にございます。
6コマ目は、海外の状況を御参考までに記載してございます。
7コマ目で、各製品で最高価格であった国別割合についての記載でございます。
御説明申し上げたいのは8コマ目でございます。ここで外国平均価格と申しておりますが、その計算方法を説明したものが8コマ目でございます。
ルールは大きく2つございまして、1つ目に、最高価格が最低価格の3倍を超える場合は、当該最高価格を除外するということ。2つ目のルールといたしましては、価格が3カ国以上あり、そのうち最高価格がそれ以外の価格の相加平均の2倍を上回る場合におきましては、当該最高価格をそれ以外の価格の相加平均値の2倍相当とみなす。こういったルールがございます。
実際にルールの適用状況で、9コマ目をごらんください。1つ目のルールで、最高価格が最低価格の3倍を超える場合につきましては、過去3年の実績を見ますと、そのグラフの赤い点線の右側、合計7品目が該当いたしております。
また同様に、10コマ目をごらんください。2つ目のルールで、2倍のルールに該当したものが同じく赤い点線の右側ということでございます。
11コマ目をごらんください。そこで論点でございます。
外国平均価格比が減少傾向にある中、内外価格差の是正のための方策として、外国平均価格の算出方法について見直すこととしてはどうか。具体的には、ルール1につきましては、現在3倍であるところ、記載のとおり、2.5倍としてはどうか。ルールの2つ目につきましては、現在2倍であるところ、記載のとおり、1.8倍としてはどうかという御提案でございます。
ここまでは新規収載時のお話をさせていただきました。2点目、12コマ目からは既収載品の再算定についてのテーマでございます。
13~14コマ目と経緯を記載してございまして、15コマ目をごらんください。これが現行のルールのまとめ並びに経緯となりますが、直近2回の改定を通じた下落率。それを15%の上下で、それに応じまして記載のとおり、取り扱いを変えているところでございます。
16コマ目ですが、結果として、平成28年改定におきましては、17区分において再算定を実施してございます。
17コマ目で、保材専からも、内外価格差の是正について、記載のような御提案がございました。
また、内外価格差については、18コマ目にございますとおり、これまでの取り組みによりまして、また為替の影響等もございますが、縮小している状況でございます。
19コマ目、まとめでございます。
【論点】で、既収載品の再算定に係る内外価格差の是正のための方策として、新規収載品と同様に、外国平均価格の算出方法について見直すこととしてはどうか。また、その際、激変緩和と安定供給の観点を考慮することとしてはどうかといった論点の御提案でございます。
では、続きまして、材料価格調査につきましては、経済課のほうからよろしくお願いします。
○小林医療機器政策室長
では、20コマ目以降でございますけれども、材料価格調査につきまして、私、医政局経済課医療機器政策室長から御説明させていただきます。
21コマ目で「材料価格調査結果の正確性の確保について」という論点でございます。市場実勢価格につきましては、卸売販売業者と保険医療機関・保険薬局間の取引価格で、現行調査は、任意の協力によって把握しているところでございます。
卸売業者につきましては、約6,500の客体、全数を対象に調査を行っております。一方で、購入側である病院、診療所、歯科技工所、薬局につきましては、客体の数が膨大ですので、無作為抽出により対象を絞って調査をしているところでございます。
22コマ目で、購入側のデータにつきましては、ある機能区分、JANコードの製品を、幾らで購入したかということを把握できる仕組みでございますけれども、どの販売業者から買ったかということは現行制度では確認できない状況です。
23コマ目で、正確性の確保について検証したところ、購入側と販売側の報告について単価も含めた細品目では約55%の突合率です。
対応案ですが、調査データを検証する仕組みとして、購入側調査において、販売側データとの突合を可能とさせるため、調査票に購入した卸業者(営業所名)を記載する欄を設けてはどうかという提案でございます。一方で、その場合の負担軽減という観点から、客体の調査数を減らしてはどうかと考えています。
24コマ目が、そのイメージでございます。22コマ目と比べまして、どこから買ったかといった仕組みを把握するような欄を設けています。
25コマ目ですが、左側が現行の抽出率で、基本的には半分の抽出率に変更するという提案です。一方で、歯科技工所については現行の客体数が約100客体と少のうございますので、歯科技工所については現行どおりございます。
26コマ目で、透明性の確保につきまして、現行は全体の平均乖離率のみを公表しているところでございますけれども、情報の機密性や公正な取引を阻害しないといった配慮の可能な範囲で、公表する項目を増やしてはどうかというご提案で、現行の全体の平均乖離率に加えまして、分野別の乖離率、医科、歯科、調剤の別に、その数量シェアの追加公表をしていく。それから、速報の段階で回収率について追加公表してはどうかと考えています。
27コマ目からは、材料価格調査の毎年価格調査についての論点でございます。
28コマ目にございますように、これまでの中医協での御意見では、二号側の委員から、保険医療材料の特性、医薬品の相違点を踏まえた対応を検討すべきという意見をいただいております。
一方で、一号側の委員からは、高額機能区分については、毎年価格調査を行ってもよいのではないかという意見をいただいております。
業界からは、イノベーション推進の体力をそぎ、デバイスラグの再燃やデバイスギャップの拡大につながることが懸念される、また、価格改定時に行われる一連の業務等を考えると「安定供給」と「適正使用支援業務」の安定的な継続に弊害が出るおそれがある、といった問題点も指摘されているところでございます。
30コマ目で、毎年調査を実施するとなった場合の課題ということを論点として挙げさせていただいております。
20万品目と品目数が多く、少量多品種である材料について任意の調査として毎年実施するには多くの負担がかかっていいます。医療機器販売業は、診療科に応じた専門性を発揮するという観点から、比較的規模の小さい、いわゆる零細企業が多いという実態がございます。現行の調査におきましては、2年ごとの改定で5カ月の期間をとってございますけれども、仮に毎年改定を実施するとなると、さらに販売業者の継続的な負担が増大する可能性がございます。価格交渉ですとか、価格調査、価格調査を踏まえた商品・価格データベースの修正といったことも考慮すると、かなり膨大な負担が発生するとご懸念されます。
加えて、仮に一部の品目のみを対象として調査をするとなった場合には、特定領域の販売業者のみに負担が集中する、あるいは、事前に調査対象品目が明らかとなることで、品目間の取引価格の恣意的な調整ですとか、販売業者の選別が生じまして、適正な価格での取引が損なわれるといった懸念がございます。
また「2.医療材料固有の事情」で、これは次の31コマ目を見ていただければと思いますけれども、特定保険医療材料につきましては、銘柄別ではなく、多くの製品群をまとめた機能区分制度で運用されており、サイズや附属機器の有無等のバリエーションが非常に多い。また、改良・改善を踏まえた入れかえも早いため、調査の準備作業としてメーカー側において製品コード表を作成していただいています。
31コマ目にございますように、本体や構成品の規格違いを全てリスト化しておりまして、10cmを超える非常に分厚いデータとなります。そういったものをメーカー側で調査に先立って準備をしていただいているところです。このコード表については医療材料の品目に応じて、31コマ目の右側にございますが、例えばCV、中心静脈のカテーテルで、非常に複雑な構成となっている中で、材料として価格設定されているものはガイドワイヤーとCVカテーテルのみ。その一方で、ガーゼや三方活栓のように、包括対象となっているものがございます。そういったものを細かく把握し、あらかじめ按分割合を製品ごとに定めておくといったきめ細かな作業が必要となります。
また、34コマ目で、医療機器販売業におきましては、緊急手術対応ですとか適正使用支援業務といったいろんな業務を担っています。そういった業務を中小零細の販売業者が担っているといった実情を考えますと、仮に毎年調査が導入され、これまで以上に負担がふえますと、このような業務の存続も危ぶまれるといった懸念もございます。
37コマ目ですが、医療機器の流通形態は、少量多品種、院内での管理体制もさまざまであり、診療科の専門性に合わせた支援業務の対応が求められるなど、医薬品とは違った構造でございます。
現行でも、価格調査に5カ月を要しています。
論点ですが、薬価につきましては、平成30年度から平成32年度までの3年間継続して薬価改定が行われる見込みであり、薬価改定に係るさまざまな影響を総合的に勘案した上で検討が行われることとなっています。材料制度につきましては、薬価制度の動向を見つつ引き続き検討することとしてはどうかといった御提案でございます。
説明は以上でございます。
○関部会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に関して御質問等ありましたら、お願いします。
松本委員、どうぞ。
○松本吉郎委員
まず11コマ目でございますけれども、4-1の論点のところですが、公定価格の有無や、どこの国の価格が高いかなど、薬価と材料価格の外国価格の状況については理解いたしました。
その上で、新規収載品の最高価格や最低価格等の価格分布の状況を見る限り、ルール1においては3倍を2.5倍に、ルール2におきましては2倍を1.8倍にする提案については賛成いたします。
続いて19コマ目でございますけれども、4-2に関しまして、これまでの改定で内外価格差は是正されてきたということで、それ自体は結構なことかと思いますが、今後、円高になった場合、また内外価格差は拡大するのではないかというふうに疑問にも思います。
既収載品のところで為替について触れられていますけれども、このように為替に直接影響を受ける内外価格差について、事務局はどう考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○関部会長
企画官、どうぞ。
○古元医療課企画官
ありがとうございます。
御指摘いただきましたとおり、為替というのはもとより変動するものでございます。そのため、新規の保険適用につきましては、保険適用申請直前の1年間で、既収載品の再算定につきましては、過去2年間の平均値を用いるなど、できるだけ安定的な運用ができるよう、取り組みをいたしてございます。今後も為替の動向も把握しながら、内外価格差の是正に向け、取り組んでまいりたいと考えてございます。
○松本吉郎委員
それについては、わかりました。
○関部会長
松本委員、どうぞ。
○松本吉郎委員
続けさせていただきますけれども、23コマ目でございます。(検証結果及び課題)のところですが、突合ができていない原因の一つに、回収できていない卸業者との取引があるということですけれども、まず、その割合はどの程度あるのでしょうか。おわかりになれば教えていただきたい。
○小林医療機器政策室長
お答えいたします。
前回の調査のときでございますけれども、販売サイドの未回収率は32.7%でございます。回収率は3分の2程度でございます。
○松本吉郎委員
対応案にありますけれども、医療機関が卸売業者を記載しても、その卸売業者が調査に回答していなければ突合できないことに変わりはないということで、調査の正確性を確保するためには、医療機関に負担を求めるのであれば、その負担が無駄にならないようにしていただきたいと思います。調査は任意協力が前提であるとは思いますけれども、卸売業者の回答率向上についても今後の課題として検討してみてはどうかと思います。仕事を位置づけて行うにはいいのではないかと思います。
1のほうでございますが、医療機関が卸売業者を記載するにはかなりの手間がかかると思われます。負担軽減のため、客体数を縮小するのはいいと思いますけれども、その分、対象客体に負担がかかってしまう問題は出てくるかというふうに懸念はいたします。
最後、37コマ目でございますが、毎年改定につきましては、医薬品とは製品数も大きく異なりますし、また新たな改良品が続々と出てくることを考えますと、同じ扱いにする必要はないと考えます。事務局案に賛成いたします。
以上です。
○関部会長
安部委員、どうぞ。
○安部委員
26コマ目に透明性の確保ということで、分野別の乖離率及びその数量シェアの追加公表というように変えるということついては賛成をさせていただきたいと思っております。
その理由でありますが、薬局におきましては、特定保険医療材料を処方箋の指示に基づいて交付しているわけでありますが、それについては調剤報酬上の評価が全くない中で価格が逆ざやになっているような製品も多々あり、提供すればするほど赤字になってしまう。こういった苦情も現場から多く寄せられておりますので、分野別にちゃんと調べていただくことで、その実態をきちんと把握していただいて、今後、在宅医療の参加もふえてきますと特定保険医療材料の影響が大きくなりますので、しっかりとその状況を踏まえた対応ができるような調査をしていただければと思います。
要望です。
○関部会長
どうぞ。
○小林医療機器政策室長
御指摘でございますけれども、材料価格につきましては、市場実勢価格加重平均値一定幅方式によりまして、市場実勢価格に基づいて材料価格を改定しています。
御指摘のように、一部の製品によってはいわゆる逆ざやのような問題が発生しているといった実態もございます。今回、26コマ目にございますように、医療材料、歯科材料、調剤と、それぞれの分野別の乖離率を出していくことをご提案しておりますので、今後、きめの細かな把握ができていくのではないかと考えてございます。
○安部委員
ぜひよろしくお願いいたします
○関部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
内外価格差の是正については、異論はありません。
材料価格調査については、以前、高額機能区分の品目だけでも毎年の価格調査を実施してはどうかと提案し、高額機能区分の品目の市場規模が保険財政に影響を与えるようなものであれば、毎年の価格調査は行うべきだと思います。そこで質問ですが、高額機能区分に属する品目は何品目あり、約1兆円の市場規模のうち、どれぐらいの割合を占めているのかをお教えいただけますでしょうか。
○関部会長
医療機器政策室長、どうぞ。
○小林医療機器政策室長
医療機器政策室長でございます。
この点につきましては、そのような細かい把握はなかなか難しく、現状、お答えは難しいのかなということでございます。
○関部会長
幸野委員、どうぞ。
○幸野委員
保険財政に影響を与える規模でないのであれば、毎年の価格調査を実施する必要はないと思います。
○関部会長
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。
ほかに御意見等がないようでしたら、本日の議論はこれまでとさせていただきます。
本日までの議論を踏まえまして、次回は業界団体から保険医療材料制度の見直しに関する意見聴取を行いたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○関部会長
異議なしということで、ありがとうございます。それでは、次回は業界団体の意見聴取の場を設けたいと思います。
本日の予定された議題は以上です。
次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の保険医療材料専門部会は、これにて閉会といたします。
遅い時間までどうもありがとうございました。
<照会先>
保険局医療課企画法令第1係
代表: | 03-5253-1111(内線)3288 |
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会保険医療材料専門部会)> 中央社会保険医療協議会 保険医療材料専門部会 第88回議事録(2017年11月24日)