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2017年10月25日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第49回議事録

○日時

平成29年10月25日(水)10:47~11:01

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 中村洋部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
榊原純夫委員
松本純一委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
日色保専門委員 昌子久仁子専門委員 上出厚志専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○試行的導入にかかる総合的評価(アプレイザル)の方法について

○議事

 

○荒井部会長

 ただいまより、第49回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。

 本日は、全員が出席です。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○荒井部会長

 それでは、議事に入ります。

 本日は「試行的導入にかかる総合的評価(アプレイザル)の方法について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 企画官、お願いします。

○古元医療課企画官

 ありがとうございます。

 それでは「中医協 費-1」の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。

 「試行的導入にかかる総合的評価(アプレイザル)の方法(とりまとめ案)」でございます。

 これまでの経緯を上部に記載してございます。2つ目のですが、これまでの当部会での協議並びに関係業界からの意見を踏まえ、試行的導入に係る総合的評価(アプレイザル)の具体的な方法について、今回、取りまとめを行うということでございます。

 具体的にはそちらに記載の3点「1.科学的な観点からの検証」「2.倫理的・社会的影響等に関する検証」「3.評価結果」について取りまとめたいと考えてございます。なお、下段でございますが、評価基準につきましては、価格調整に用いられるものということでございますので、後ほどの合同部会に議論を譲りたいと考えてございます。

 それでは、具体的な内容に入りたいと思います。2ページ目をごらんください。

 「1.科学的な観点からの検証」でございます。<検討の経緯>につきましては、そちらに記載のとおり、3月15日の当部会におきまして、図2にお示ししている内容の観点を御提示してございます。

 <具体的な対応案>でございます。下段でございますが「以下の主な項目を踏まえながら、分析結果の妥当性を科学的な観点から検証する」。ア、イ、ウ、エにつきましては3月15日に御議論いただいた内容でございます。

 また、一番下「複数の適応疾患を持つなどにより、複数のICERが得られる品目の場合には、分析結果で得られた複数のICERを使用患者割合等で加重平均し、総合的評価(アプレイザル)に用いることとする」こちらもこれまでの議論の内容でございます。

 3ページ目をごらんください。「2.倫理的、社会的影響等に関する検証」でございます。<検討の経緯>は記載のとおりでございますが、2つ目にございますとおり、先日の関係業界からのヒアリングにおきまして、ICERの値は多くの前提条件に基づいて算出されており、絶対的な数値ではないため、社会的・倫理的影響を含めた総合的評価が必要との御意見がございました。

 そこで<具体的な対応案>ですが、試行的導入における総合的評価において考慮する倫理的・社会的考慮要素、及び各要素に該当する品目の要件については、そちらに記載の表1のとおりとしたいと考えてございます。なお、各品目の考慮要素への該当性の検討につきましては、費用対効果評価専門組織で行うことといたします。

 最後、4ページ目でございます。「3.評価結果のまとめ方について」でございます。<検討の経緯>は記載のとおりです。

 <具体的な対応案>でございます。(1)比較対照となる品目もしくは技術に対しまして、費用、効果とも増加する場合、すなわちICERの算出が可能な品目の場合でございます。この場合、総合的評価の評価結果については「各品目のICER」及び「倫理的・社会的影響等に関する観点から考慮すべき各要素への該当の有無」を示すことといたします。あわせて各品目の対象集団、比較対照品目(技術)、分析結果などについても記載することといたします。

 (2)ですが、こちらは比較対照品目に対して効果が増加もしくは同等であり、費用が削減される、そうした品目の場合でございます。この場合は、ICERの算出が不可能でございますので、総合的評価の評価結果は「効果が増加しており、同時に費用が削減される」または「効果が同等であり、同時に費用が削減される」旨を明記した上で「倫理的・社会的影響等に関する観点から考慮すべき各要素への該当の有無」を示すことといたします。あわせて、先ほどと同様に、分析結果などについても記載することといたします。

 こうした取りまとめの案でいかがかということで御提案でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いします。

 吉森委員、お願いします。

○吉森委員

 3ページの「2.倫理的、社会的影響等に関する検証」の一番下段にある○のところで「各品目の考慮要素への該当性の検討は、費用対効果評価専門組織で行う」とあります。一義的にはこの案で理解はいたしますけれども、専門組織での検討結果を本部会、または総会にお示しいただく際には、単に考慮要素と要件に該当しているか否かということだけの報告ではなく、その検討結果に至った理由、判断経緯等についてまで、できる限りお示しいただきたいと思っております。そうすることで、本部会や総会においても考慮要素の該当性について重層的なチェックが可能になり、今後、本格的導入へ検討していくわけでございますので、それに資するのではないかと考えております。

 以上、意見です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 万代委員、お願いします。

○万代委員

 事務局におかれましては、丁寧にまとめていただいてありがとうございます。

 1ポツと2ポツについては方向性としてはおおむね賛成でございます。

 3ポツのところで質問がございます。むしろ参考人の先生方からお答えいただいたほうがいいかもしれませんが、4ページの(2)のところのICERの算出が不可能な品目ということにつきましては、いわゆるドミナントということでございますので、それにつきましてさらに倫理的・社会的影響等に関する要素に該当するか否かということを考える必要があるのかどうか。むしろ必要ないのではないかとも思います。もちろん試行的導入でございますので(1)との対比の関係からどういった形で該当すると今後の本格導入に向けての参考資料とするために、そういった記載も必要かと思いますけれども、学問的、学術的には実際、記載する価値があるのか、あるいは記載する必要があるのかというところについて質問したいと思います。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○古元医療課企画官

 ありがとうございます。

 不足がございましたら、補足いただければと思います。

 まず、今回の考え方といたしましては、まさに万代委員に御指摘いただきましたとおり、今回の試行の中で、13品目それぞれについてこういったものをしっかり検証してはどうかというのはベースにございます。その先に、実際価格調整においてどのような検討を考慮するのかということについては、後の合同部会でもあわせて議論をしたいとは思いますが、そういった御理解をいただければありがたいと考えてございます。

○荒井部会長

 参考人も補足がありましたら、お願いします。

○福田参考人

 参考人でございます。

 今のコメントとほぼ同じなのですけれども、学術的には費用対効果の観点と倫理・社会的な要素というのは別の項目になりますので、あくまでもドミナントになるというのは費用対効果の観点からということですから、別立てで取り上げることはあり得ると思います。あとは最終的にはそれをどう意思決定に反映していくかということによるかと思います。

○荒井部会長

 そのほかにはいかがですか。

 中村委員、お願いします。

○中村部会長代理

 1点質問というか確認をしたいのです。2ページ目の<具体的な対応案>で「複数の適応疾患を持つことなどにより、複数のICERが得られる品目の場合には、分析結果で得られた複数のICERを使用患者割合等で加重平均し、総合的評価(アプレイザル)に用いることとする」。こちらは1号側、2号側でも特に異議はなかったと思うのです。

 ちょっとテクニカルな質問をしたいのですけれども、例えば、複数疾患があります。その疾患間で非常に差がある場合。2つ想定していて、1つの疾患がICER1,000万です。もう一つの疾患がICER100万円です。こういった2つの例がある。ほぼ使用患者さんの割合が同等だとすると、大体これを加重平均すると、要は、ICER500とか550とかそのぐらいの数値になってくるのだと思うのです。中医協への報告の場合、550万円というICERのもとに総合評価されたものが情報として出てくるのか、それとも疾患ごとにICERがこれだけ違いました、それを加重平均して550とか600になりました、その結果として総合評価をこんな形にしました。要は、より疾患ごとのICERのデータを出した上で報告されるのか、これによっても大分印象も違いますし、恐らく1号側、2号側委員の先生方の議論の仕方も違うかと思うのです。こちらはどういった形で中医協のほうに情報が出てくるのか、ちょっと教えていただければと思います。

○荒井部会長

 企画官、お願いします。

○古元医療課企画官

 ありがとうございます。

 御指摘のとおり、具体的な形式につきましては、改めて御報告を申し上げたいと思いますけれども、できるだけ詳細なデータをお示ししたほうが今後の制度化に向けた議論にもつながるということもございます。そうした観点から、できるだけの情報をお示ししたいと考えてございます。

○荒井部会長

 ほかに御意見はどうでしょう。

 専門委員、お願いします。

○日色専門委員

 専門委員の立場から1点意見です。

 4ページ目の(1)○の1つ目、アプレイザルの評価結果において、各品目のICERを示すとあります。先ほどの事務局からの説明、または先日の業界意見陳述でも述べさせていただきましたけれども、ICERの値というのは非常に不確実な面もありまして、感度分析等を行いますと非常に幅をもって理解をしなければいけないということが理解されていると思います。価格の調整の際には、何らか1点のICERを使用して調整に用いるということは技術的にやむを得ないと理解しておりますけれども、アプレイザルの段階で示すICERについては、必ずしも1点のICERということではなく、いろいろな分析に基づいた、幅を持ったICERの値を提示して、より多くの情報をもとに判断ができるような、そういう形にしていただければと考えております。

 以上、意見です。

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 ほかにはどうでしょうか。ございませんか。

 ほかに御意見等がないようでしたら、本件については本日御提案いただいた内容で取りまとめることとしたいと存じますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○荒井部会長

 ありがとうございました。

 それでは、事務局においては、本日取りまとめた内容に従い、試行的導入対象品目の総合的評価(アプレイザル)を進めていただきますよう、お願いいたします。

 本日の議題は以上です。

 次回の日程につきましては追って事務局より連絡しますので、よろしくお願いします。

 それでは、本日の費用対効果評価専門部会はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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