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2023年2月2日 第6回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会(議事録)

○日時

令和5年2月2日(木) 10:00~12:00

○場所

AP日本橋 Gルーム(オンライン開催)
 

○議題

 <審議事項>
 

1.次期国民健康づくり運動プランの素案について

2.その他

○議事

○加藤健康課長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただ今から「第6回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会」を開催いたします。
 本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康局健康課の加藤と申します。委員の皆さまには、ご多忙の折ご参加いただき、御礼申し上げます。
 本日は、委員の皆さまにはオンラインにてご参加いただいております。
 なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者および一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様はYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、ご承知おきください。
 議事に入るまでの間、WEBご参加者への留意点、本日の出欠席状況について、ご説明いたします。まず、オンラインでの参加の方に向けてのお願いです。
 ビデオカメラはオンにしていただくこと。発言時以外はマイクはミュートにしていただくこと。発言される場合には挙手をしていただき、委員長からの指名後、発言いただくこと。発言時にマイクをオンにしていただくこと。発言時に名前をおっしゃった上で発言してもらうこと。発言が終わったらマイクをミュートにしてもらうこと。よろしくお願いいたします。
 なお、本会議はYouTubeによるライブ配信を行っておりますので、委員会中のチャット機能による資料提示等はお控えいただきますよう、お願い申し上げます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないか、ご確認ください。座席表、委員名簿、議事次第がございます。資料として資料1から2までの2つのファイルおよび参考資料1から2が、本日の配布資料になります。不備がございましたら、お申し付けください。
 次に、出席および欠席状況でございますが、本日は委員の方はWEBでのご参加になり、座席表上にご出席委員を記載しております。
 なお、吉村委員、山縣委員におかれましては、遅れて出席と伺っております。
 また、福田委員におかれましては、欠席と伺っております。
 それでは、以後の進行は辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 皆さん、おはようございます。それでは、議題に入りたいと思いますが、議題1につきまして、資料1と資料2がございます。まずは資料1について、事務局からご説明をお願いいたします。
 なお、資料は事前に送付されていますので、審議時間確保のため、説明は簡潔にお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。資料1および資料2に基づきまして、ご説明を申し上げます。
 まず資料の構成でございますけれども、資料1につきましては、今回の最終成果物であります大臣告示の素案としてお示しをしているものでございます。こちらにつきましては、これまで骨子という形でお示ししたものを、これまでの議論等を踏まえまして修正等を行ったものでございます。
 加えまして、資料2につきましては、説明資料案という形でお示しをさせていただいております。こちらにつきましては、現行、健康日本21(第二次)も、大臣告示に加えまして参考資料という形で2部構成になっておるものを踏襲しているという形でございます。
 資料1の素案に書き切れなかったような細かいデータだったりエビデンスだったり、あるいは考え方といったものを、資料2の説明資料のほうに書き加えていくと、そういったイメージで考えていただければというふうに考えております。
 本日は、資料2につきましては、右肩にもございますけれども、「イメージ」ということでお示しをしておりまして。こちらについてはまだ、空白の部分だったり書き込みが足りない部分、多々ございます。こちらの本体を、資料2を議論いただくというよりは、資料1のほうを、議論を中心に行っていただきたいというふうに考えてございます。
 では、資料1のほうに移りまして、内容についてご説明をさせていただきます。先ほど申し上げましたとおり、骨子としていたものを、一番上ですけれども、「素案」という形でお示しをしております。
 1ページ目でございますけれども、前文の部分でございます。今までお示ししておりました骨子では、箇条書き、あるいは脚注を使った書き方をしていたところでございますけれども、大臣告示という法令であるということでございまして、いろいろ、書き方だったり形式に制約がございます。その制約だったり、あるいは書きぶり、法令的な書きぶりになっているかということを中心に修正をしております。
 ただ、今までの先生方にご議論いただきました内容から変更しているものではございません。もともとの箇条書き、あるいは脚注を入れたバージョンは、先ほどの資料2のほうにお示しをしておるものでございますので、そうしたものも併せて、最終的にはお示しをしていくということになろうかというふうに考えてございます。
 1ページ目、内容変わりはないと申し上げたところですが、1点だけ追加がございます。一番最後の段落でございます。「これらを踏まえ」から始まってるところでございますが、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、令和6年度から令和17年度までの『二十一世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))』を推進するものである」という書きぶりでございまして。ここで初めて、この次期プランの名称が「健康日本21(第三次)」であるということをお示しさせていただいております。
 今まで「健康日本21」という名称で、この20年間、国民健康づくり運動を展開してきたということで、一定程度の知名度だったり、あるということも鑑みまして、このような名称とさせていただいておるところでございます。この点につきましても先生方からもしご意見があれば、後ほど伺えればというふうに考えております。
 続いて2ページ目でございます。前回までの議論で、心の健康というものが項目立てとしてなかなか見えてこないというご指摘を頂いていたところでございます。それを踏まえまして、「三 社会環境」の部分でございますが、3行目から4行目でございます。「こころの健康を守るための環境整備を行うことで」ということと、ここの項目の名前を「社会とのつながり・こころの健康の維持・向上」という形にさせていただいております。後ほどご説明いたしますけれども、目標についても、前回の専門委員会でもご提案のあったとおり、少し場所の移動等はさせていただいております。
 続きまして、3ページ目に移ります。目標に関する事項のセクションの「二 目標設定の考え方」というところでありますけれども、これまで「1 健康寿命の延伸と健康格差の縮小」のみ記載をしておりまして、それ以下の部分については空白としていたところであります。これまでの議論がおおよそ目標について固まりつつあるというふうに認識してございまして、それを踏まえまして、ここにも文章として記載をしているものになります。ここの目標設定の考え方というセクションは、現行の健康日本21(第二次)でもございまして、その書きぶりを踏襲したものを基本的には使っているということでございます。
 2-1の「(1)栄養・食生活」を例に見ていただければと思うんですけれども、それぞれの目標設定につきまして、極めて簡潔に述べているセクションになってございます。栄養・食生活で申し上げますと、「栄養・食生活は、生活習慣病の予防の他、生活機能の維持・向上の観点からも重要である」と。そのため、目標については適正体重の維持あるいはバランスの良い食事、野菜摂取量、果物摂取量、食塩摂取量について設定するということでございまして。こうした書きぶりの粒度でそろえさせていただいているという旨、ご承知おきいただければと思います。
 4ページ目に入りまして、「身体活動・運動」「休養」「飲酒」「喫煙」「歯・口腔の健康」についても、同様の粒度で記載をさせていただいております。それぞれの目標について、簡潔な考え方とどういった目標を立てているかという説明でございます。この辺は健康日本21(第二次)から大きく変更はしていないところでございますので、全ての説明をさせていただくことは割愛させていただきたいと思います。
 また、6番、「歯・口腔の健康」につきましては、以前から申し上げてますとおり、歯科の専門委員会で別途議論をさせていただいておるところでございます。歯科専門委員会での議論等を踏まえまして事務局でも調整をさせていただいて、このような文章を提示させていただいておるところでございます。
 「2-2 生活習慣病の発症予防・重症化予防」につきまして、こちらも現行の健康日本21(第二次)から、おおよそ流用しているものになります。わが国の主要な死亡原因であるがん、循環器病の対策に加え、患者数が多く重大な合併症を引き起こす恐れのある糖尿病、高齢化に伴い有病者の増加が見込まれるCOPDという4つのものにつきまして、項目立てをした上で目標をそれぞれ立てているという形の説明をさせていただいております。
 続いて2-3でございます。「生活機能の維持・向上」という部分でありますけれども、健康寿命の延伸の実現のためには、生活習慣病の予防に加えまして、心身の健康の維持、それを通じた生活機能の維持・向上が重要であるということでございまして。身体の健康に関連してロコモティブシンドロームあるいは骨粗しょう症関係の目標を、心の健康に関しまして、うつや不安の軽減に関する目標を設定するというふうにしてございます。
 3番、「社会環境の質の向上」のセクションでありますけれども、従前からご説明させていただいておりますが、社会環境の質の向上、それによって個人の行動と健康状態の改善を促すということであります。そうしたことを通じまして、健康寿命の延伸を図っていくというものでございます。
 「3-1 社会とのつながり・こころの健康の維持・向上」。先ほど申し上げましたとおり、項目名を修正してございます。内容でございますけれども、社会とのつながりについては、ソーシャルキャピタルの形成というのが、健康という意味では重要であるということでございまして。地域の人々とのつながり、あるいは社会参加を促すということを目標として設定している旨、記載してございます。また、関連する栄養・食生活分野の目標としまして、共食の関係を設定しております。また、「こころの健康」につきましては、地域あるいは職域、さまざまな場面での課題解決、そのための環境整備ということでございまして、メンタルヘルス対策に取り組む事業場あるいは心のサポーターに関する目標というものを設定してございます。
 「3-2 自然に健康になれる環境づくり」でございますけれども、自然に健康になれる環境づくり自体の定義とか、そういったものはここでは述べず、栄養・食生活、身体活動・運動、喫煙といったさまざまな分野で進められておりまして、これらをさらに進めていくという趣旨で目標を設定するというふうに記載してございます。「具体的には」ということで、目標についてそれぞれ述べられております。
 「3-3 誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備」でございますけれども、こちらの整備のためには、まずは自治体だけではなくて、企業あるいは民間団体といったさまざまな主体が健康づくりに取り組んでいただくような環境づくりということでございまして。地方公共団体や企業等が参画するプラットフォームあるいは健康経営に関する目標、加えまして、栄養・食生活関係で特定給食施設について目標を設定するということでございます。
 4番、「ライフコース」でございます。これまで先生方にもさまざまご議論いただいていたところかと思いますけれども、ライフステージに特有の健康づくり、あるいはライフコースアプローチというものについて重要であるということ自体は、この前のセクションで記載がございます。そうした背景の中で「特に」ということで、子ども、高齢者、女性に関する目標を設定するとしております。
 次の段落は子ども関係でございまして、幼少期の生活習慣、健康状態については大人になってからの健康状態にも影響すると。ということで、子どもの健康あるいは子どもに加えまして妊婦の健康というものを、しっかり考えていく必要があるということでございます。そのため、運動習慣あるいは適正体重、妊婦の関係の目標を設定するということを記載してございます。
 続いての段落は、高齢者関係でございます。高齢者の方の健康を支えるということは当然重要でありますけれども、その手前の若年期からそういった健康づくりをすることで、高齢期に至るまでの健康を保持できるというライフコースアプローチとしての考え方を記載しているところでございます。適正体重あるいはロコモティブシンドロームの予防、社会参加の関係の目標を設定しているところであります。
 次の段落は女性関係でございまして、女性ホルモン量が劇的に変化するといった特性から、ライフステージごとで健康課題が大きく変わるということが、女性の健康課題を考える上では重要なポイントかと考えております。こうしたことも踏まえつつ、女性に多い痩せ、骨粗しょう症あるいは男性とは異なる傾向にある目標、妊婦に関する目標というものを設定するというふうにしてございます。
 また、それぞれのセクションで具体的な目標については、別表第なんとかのとおり設定するというふうに記載してございます。これも現行の健康日本21(第二次)と同じ構成でございまして、別表につきましては一番最後のところに記載してございます。後ほど、別表についてはご説明をさせていただきます。
 続きまして、9ページ目になります。「その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項」という部分でございまして、三であります。これまでわれわれから、この健康日本21、今回、「第三次」という名称を付けさせていただくことで案として提示しておりますけれども、それを策定するだけではなくて。その後のアクションプラン、具体的な方策、自治体あるいは職域といった現場の方にどういった取り組みをしていただいたらいいのかといったところを示していくことが重要であるということを、お伝えさせていただいていたところであります。
 ただ、そうした旨がこれまで告示の本体では出てきていなかったので、今回改めて書き加えさせていただいているものになります。国民の健康の増進に関する目標、先ほど申し上げました目標達成のために、国、自治体のいずれにおいても、予算や人員の確保に努めることは必要であると。
 加えてということで、「国は、地方公共団体の取組に資するよう、令和5年度以降、速やかに具体的な方策(アクションプラン)等の策定に取り組む」という形で書かせていただいております。
 「四 デジタル技術の活用」の部分でございます。こちら、今まで記載があったところでございますけれども、若干の追記をしておりまして。2行目、「ウェアラブル端末」あるいは、その次の行の「民間事業者との連携」といった記載をしておるところでございます。現行も民間のアプリ業者などとの連携によるPHRの活用といったことは進んでおるところでございまして、こうしたことをこのプランにもしっかり書かせていただいておるというものになります。
 また、その後、「加えて」という部分で、今後実用化が進む、現行ではまだ発展途上であっても今後さらに実用化が進んでいくであろうデジタル技術についても、しっかり、科学的根拠を踏まえつつではありますけれども、活用を検討していくという旨を記載してございます。
 「六 その他考慮すべき事項」の部分でございますが、「災害」という言葉を追記させていただいております。こちら、前回、一部の先生方からご指摘を頂いていた内容かと思いますので、こうした災害という言葉を追加しているところでございます。
 9ページ、下の部分、「別表第一」とある部分からが、先ほど申し上げました各目標についての別表になります。今まで表形式でお示ししたものがこちらに吸収されていき、告示として出ていくということでございます。
 内容について、ご説明いたします。「別表第一 健康寿命の延伸と健康格差の縮小」であります。これは今までも内容的には先生方にもご議論いただいていた内容かと思いますが、不健康期間の短縮を目指すということと、あとは健康寿命の上位4分の1都道府県と下位4分の1都道府県というのを比べて、格差の縮小というのを図っていくというものでございます。
 「別表第二 個人の行動と健康状態の改善に関する目標」であります。「栄養・食生活」、①番、適正体重に関してはトレンド推計を行いまして、そうしたものを踏まえつつ、66%という目標を設定してございます。④番の野菜摂取量につきましては、現行、第二次の目標を達成できていないことを踏まえまして、350gとしております。⑥の食塩摂取量につきましては、食事摂取基準等を踏まえまして7gという数字を置いているところでございます。
 「(2)身体活動・運動」につきましてでありますけれども、こちらにつきましては、①、②、どちらも現行目標が立てられておりますけれども、目標達成ができていないところであります。そのため、現行の足元の数字からプラス10%をまずは目指すということで、こうした目標値を記載してございます。
 「(3)休養」につきまして、①、②とも、この10年間、悪化傾向にございます。そのため、約10年前の水準に戻すということをまずは目指すということで、このような目標を設定してございます。③番の労働時間の関係につきましては、過労死防止大綱から流用させていただくことを予定してございます。
 「(4)飲酒」につきまして、①、10%とございますけれども、こちらも現行ある目標を達成できていないということで、現行のものを据え置いておるというものになります。
 「(5)喫煙」について、①喫煙率についても同様でございまして、12%という目標をまずは目指すというものでございます。
 「(6)歯・口腔の健康」につきましては、歯科専門委員会でご議論いただいているものを、こちらにも書かせていただいているということでございます。
 2番、生活習慣病関係でございますが、「(1)がん」につきましては、がん計画の見直しが現状進んでいるところでございますが、それを踏まえた記載としております。
 「(2)循環器病」につきまして、①、循環器病計画、こちらも同様に改正が現在進んでいるところでございますので、そこからの流用になります。②、③番につきましては、栄養・食生活あるいは喫煙といった関係の目標から、今後、目標値を算出したいというふうに考えてございます。
 ④、⑤、⑥のメタボリックシンドローム、特定健診、特定保健指導に関しましては、医療費適正化計画等の見直しを踏まえまして、こうした内容を流用させていただいております。
 「(3)糖尿病」につきまして、①、④の関係は一定の、またこれも推計をさせていただきまして、そこから算出をさせているものになります。②治療継続者については、現行、据え置いております。③番、血糖コントロールにつきましては、現行ある第二次の目標はHbA1c8.4%以上の者であったところ、この目標を達成しておりましたので、ガイドラインの変更等を踏まえまして8.0とした上で1.0%というふうにしてございます。⑤、⑥、⑦については、循環器病と同様でございます。
 「(4)COPD」につきましては、COPDの死亡率について、現行まだ調整させていただいているところでございます。
 「3 生活機能の維持・向上」につきまして、①ロコモの減少につきましては、足元から10%減を目指すということであります。
 ②骨粗しょう症検診につきましては、足元5%程度の受診率であります。この底上げを図っていくということでありますけれども、同様に自治体が健康増進事業として行っている検診で、特に女性の方が受けていただいております乳がん検診だったり子宮がん検診が足元で15%程度でございますので、それをまずは目指すという形でございます。
 ③番、心理的苦痛の関係は、こちらも現行の目標を達成できていないということから9.4%を据え置いております。
 「別表第三 社会環境」の関係でございます。「1 社会とのつながり」でございますけれども、①、②につきまして、ソーシャルキャピタルでありますが、①につきましては足元の数字40%程度から少し上を目指すというものでございます。
 ②社会活動につきましては、今回、就労・就学と、より広い概念で捉えていくということでございまして、ベースライン値がまだないところでありますので、そこから5%の増加を目指すというふうにしてございます。
 ④番、⑤番、心の健康の関係でございますが、メンタルヘルス対策に取り組む事業場の増加、こちらは労働災害防止計画、こちらも現行見直しが進んでおるというところでありますけれども、こちらから同じ目標を使わせていただくことを予定してございます。心のサポーター数につきましても、こちらも省内の別部局で取り組んでいるものでございますが、そちらの目標を、同じものを立てるというものであります。
 「2 自然に健康になれる環境づくり」でありますけれども、1番の食環境イニシアチブを推進する都道府県については、全都道府県、47都道府県が行っていただくことを目指します。②番の歩きたくなるまちづくりにつきましては、国交省の目標である100市町村というものを流用させていただく予定でございます。
 「3 誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備」でありますが、②番、健康経営の推進につきましては、日本健康会議で出されている10万社という目標を、そのまま流用させていただく予定でございます。
 ④番、必要な産業保健サービスを提供している事業者というものもございますが、こちらも先ほどもありましたが、労働災害防止計画のほうで盛り込む予定ということで、そちらの計画から同じものを使う予定でございます。
 「別表第四 ライフコース」でございます。ライフコースにつきましては、これまでのセクションにある目標を、そのまま同じものを出させていただくものもございます。
 一方で、例えば高齢者につきましては、「①低栄養傾向の高齢者の減少」ということで、こちらについては13%という目標をトレンド推計等から算出してございます。
 同じく女性につきましても、①、「やせの減少」ということでございまして、こちらもトレンド等から推計をしているものになります。③番のアルコールの関係につきましては、女性の飲酒につきまして、この目標を現行は達成できておりませんので、そのまま据え置いておるということでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、資料1の中に書き切れない内容につきましては、資料2の説明資料のほうで追記をしていくということでございます。最終的には、現場の方にご理解を頂けるような形でお示しをしていくことが重要であろうかというふうに考えている次第です。
 いったん、私のほうからの説明は以上になります。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは、ただ今のご報告につきまして、委員の皆さまからご質問、ご意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。黒瀨委員からお願いします。
○黒瀨委員 おはようございます。ご説明ありがとうございました。また、いろいろと文章に関してもご講義を頂きまして、ありがとうございます。
 全体的な傾向として私は賛成でございますけれども、1点お願いしたいところは、こういった素晴らしい取り組み、健康増進プランを策定して、それを国民の皆さまにしっかりと国民の目線で理解していただいて、全体的な必要性を理解していただいた上で個々の目標を達成していくための施策を打っていくというところが必要だと思いますので。この増進プランそのものを、きちんと国民にもう一度しっかりとご紹介して、理解していただくという視点が重要なのかなと思って聞いておりました。以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。では、続きまして、津下委員、お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。告示素案につきまして、これまでの議論が踏まえられているというふうに感じました。その上で、まず第1点は書きぶりなんですけれども、別表の項立てとその文章ですね。例えば2-1の中に(1)で栄養・食生活というふうに括弧まで入れている部分と、それが生活習慣病になりますと、がん、循環器、糖尿病、COPDは(1)、(2)とかいう表現ではなくて続きになっていたり。さらに、4になりますと、4-1、4-2など、項目として分かれているんですけれども、そういう表記になっていないということで。少し項目、告示の中の項目として立っているというのは非常に大きいことだと思いますので、この表との整合性を取っていただくのがいいのかなというのが1点目です。
 それから、2点目は、他省庁・部局と調整してこの目標値が立っているということが、非常に重要なメッセージではないかなというふうに思います。これはこの告示ではなくて説明資料に含まれるべきだと思いますけど、どこの省庁と連携してこの数字が立っているんだということを、きちんと記録というか、説明資料に残していくということが重要で。そうしますと、都道府県、市町村においても、その部局と調整していくことの必要性というのが理解できるのかなというふうに思いました。
 それから、説明資料になると思いますけれども、例えば今ご説明いただいた中で、継続的に見ていく指標、それから更新していく指標、それにはどういう理由があって新たに入ったのか、または数値が変わったのか。そういうことを最初の部分できちんとまとめて示していただいて、そして各論に入るとか、そういうことでご説明いただけると分かりやすいかなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、若尾委員、お願いいたします。
○若尾委員 ありがとうございます。私のほうから、がんの部分についてコメントさせていただきます。先ほど事務局から、現在検討してます第4期のがん対策推進基本計画との関係で調整していただいてるというお話あったんですが、それを踏まえて、4ページ目の2-2の発症予防・重症化予防のところの記載についてと目標の設定について、2点、コメントさせていただきたいと思います。
 最初の記載についてなんですが、「生活習慣の改善を通じた予防等」ということで記載してあるんですが、今度、基本計画、がんの計画を見ますと、やはり生活習慣だけではなくて、がんを発生させる感染症予防も重要なファクターとなりますので。やはりここ、発がんに寄与する感染の減少ということも触れておくことで、ワクチンの接種の勧奨などにも触れられるんではないかと思います。
 それと、その次の検診の部分も、「早期発見を促すために、がん検診の受診率の向上」とありますが、別にこれ発見を促すことが目的ではなくて、目的は死亡率減少ですので。死亡率減少のための科学的根拠に基づいた検診受診率の向上というふうに記載するのがよろしいと考えます。
 それと、大きなここの目標なんですが、「がんの年齢調整死亡率の減少」ということで、これ第2期の途中から、もともと20%減が途中で減少に変わってしまったんですが、がん対策推進協議会の議論の中では、具体的な数値目標を挙げるべきだという議論が途中で行われておりました。
 ところが、最後の段階になって、こちらの予防についての目標は、こちらの次期健康づくりプランのほうで検討するという話になって、あまり具体的な検討がされず。あるいは今日のお話を伺ってると、こちらでもそれはがん計画のほうでやるからということで、ちょっと両方の何かポケットに落っこってしまっているようなところがあって。今単に「減少」と言ってますが、今でも減少傾向ですので、単に減少というのは何も、この計画、運動を進めることでの効果というのが非常に分かりにくくなってるので、やっぱりここはしっかりと数値目標を立てることが大事だと考えます。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、黒瀨委員、津下委員、それから若尾委員から、それぞれ大変貴重なコメント、また、ご質問を頂きましたので、それにつきまして事務局から答えをお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。黒瀨先生から頂きました、まさに国民の方々へしっかりこのプランを伝えていくということが、非常に重要であろうかと思います。そのためのやり方というのはどういったものがあるかというのは、今後、まさにアクションプラン等も含めて、しっかり考えていく必要があろうかと思っておりますので。まさに先生の、頂いたご指摘のとおり、そこはPRをしっかりやっていきたいと思っております。
 津下先生から頂きました書きぶりの整合性につきましては、確かにちょっとずれているところもございますので、ただ、現行の第二次から基本的には流用していたところというのもございますので、その辺も含めて、どのような形にするかは考えたいと思います。
 また、他部局あるいは他省庁との連携とか調整とか、そういったことについて説明資料等で明示をすべきだというのは、まさにそのとおりだと思います。今の説明資料の案でも、どういった計画と連動してるかとか、どの省庁というのは一定程度記載ございますので、そういった観点をよりしっかり持ちながら考えていきたいと思います。
 また、私から口頭でご説明しました、どういった考え方でこういった目標を作ってるかと、どうしてこの目標を立てているのかといった部分につきましては、まさに説明資料できっちり書いていくべきものだと思いますので。黒瀨先生のご指摘とも重なると思いますが、国民の方にも理解いただけるような形で書いていきたいなというふうに考えてるところでございます。
 若尾先生から頂きましたがんの関係でございますけれども、がんの部分の書きぶりにつきましては、先生からおっしゃっていただいたように、がん計画ではもう少し広いところを捉まえて言うというところであろうかと思いますが。こちらの計画が、もちろんいろんな観点はあるんですけれども、まずは予防だったり健康づくりといったところの計画として、そのがんというものを、セクションとしてあったり目標として立てているということでございますので。そうした趣旨から逸脱しない部分で書いていく必要があろうというふうに考えてるところでございます。とはいえ、どこまでどういった工夫があり得るのかというのは、先生のご指摘を踏まえて考えたいとは思います。
 がん計画との整合性を取りながらの目標につきましては、まさにここはいろいろと議論があったというふうには承知はしておるところでございますけれども、一定程度がん計画が進んでいる中で、われわれのほうで別途目標を立てるというのも、それはまた不整合というか、起こしてしまうことでございます。
 他の計画との連携というところもございますので、その点につきましては、がん計画の進展を見ながら、同じものを使っていくという方針で進めさせていただきたいというふうに考えてございます。以上です。
○辻委員長 黒瀨委員、それから津下委員、若尾委員、いかがでしょうか。今のでよろしかったでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。では、引き続き、横山彰仁委員、お願いいたします。
○横山(彰)委員 私からはCOPDについて、お願いしたいと思います。4ページの一番下のところに、「COPDは、喫煙が最大の発症要因である」というのは正しいと思うんですけども、その後の、COPDは「禁煙により予防可能である」というと、この病気が禁煙によって全て予防可能というふうに、ちょっと読めてしまうなというのが気になります。
 グローバルでは喫煙が原因というのは5割ぐらいですし、日本でも恐らく7割か8割ぐらいというのが正しいところだというふうに思います、喫煙が関わっているという意味では。最近は、肺の成長障害というのが非常に注目されておりまして、小児ぜんそくですとか低出生体重から、それこそライフコースのあれで肺の成長障害を起こして、これがCOPDの半分ぐらいの原因だというふうなこともいわれるようになっています。
 ですので、全部予防可能というふうな記載はちょっと具合悪いかなと思いますので、あんまり変わらないかもしれませんけども、多くが予防可能だとか、そういうふうに変えていただければというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、近藤克則委員、お願いします。
○近藤(克)委員 千葉大学ならびに国立長寿医療研究センターの近藤です。2点、意見を述べたいと思います。
 1点目、資料1の5ページ目の「社会環境の質の向上」のところに3-1、3-2、3-3がありますが、この3-2を3-1と入れ替えたほうがいいのではないかという意見です。資料2のほうにシェーマが、9ページにございます。それを見ると、一番土台になってるところに、この3-1、3-2、3-3に当たるものが、並列ではなく左に、やや見出しのような形で「自然に健康になれる環境づくり」というのが配置されていて。右に今3-1にある「社会とのつながり・こころの健康の維持・向上」があり、3-3に当たるものがその下にあるという形になっています。
 この絵を見た時、普通思い浮かべるのは、3-1が「自然に健康になれる環境づくり」で、3-2が「社会とのつながり・こころ」で、3-3がその下ではないかと思うということが一つの理由と。あとは、この絵を作られた時に恐らく念頭にあったんではないかな、暗黙の前提になったのではないかな、あるいは私がそのように理解してるというのは、自然に健康になれる環境というのは、ウオーカビリティとか食のほうのイニシアチブだけではなくて。社会とのつながりとか心の健康を促す環境も、自然とそういうものが促される環境というのがあり得ますし、誰もがアクセスできる健康増進のための基盤を整備するというのも、そんなに特段の努力しなくても自然に必要な情報が手に入れやすい、そんな基盤が整った社会をつくろうという形で、自然に健康になれる環境づくりというのは、この3-1、2、3全体に関わってることだと思います。そのことを伝える、あるいはずっと整合性という意味で3-1と3-2を入れ替えたほうがいいのではないか、ご検討いただきたいというのが1点目です。
 それから、2点目。冒頭の課題のところにPDCAサイクルが十分回っていないという記載があります。その理由を考えてみますと、評価計画がない、そのためにデータがないので事後評価ができない、効果評価ができない、そこのいわば悪循環を繰り返してきたところにあると私は考えております。
 そのことを考えますと、7ページの一の5行目辺りになろうかと思いますが、右端のほうに、「現状分析を行うとともに」の後に、「評価計画に基づき」という言葉を入れていただけないか。そうすると、評価計画を立てなければいけないということが明示的になり、事前に評価するために必要なデータを集める、そのための計画であったり、ビフォーデータあるいはプロセスデータの収集を始めることが可能になると考えるからです。
 もう一点、今は「施策の評価を行い」というのが6行目にありますが、この評価というのを狭く、事前のアセスメントに捉えてる、あるいは実態がそうなってる面がありますので、「施策の事後評価」を行いと、「事後」という言葉を入れていただけないかと思います。効果評価という表現もあろうかと思いますが、プロセス評価も大事だとかいう話も出てくるかと思いますので、一番短くするためには「事後評価」と、「事後」の2文字を入れていただけないかというお願いです。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。続きまして、西委員、お願いいたします。
○西委員 心の健康に関しまして、さまざまな調整、ご検討を行っていただき、大変ありがとうございます。独立したカテゴリーになっていないなど残念な点も残ってはおりますが、しかし、3-1に「こころの健康」というワードを出していただいたこと、ならびにそれに連動して参考資料2の図のところでも、「社会とのつながり・こころの健康の維持・向上」というふうにワードを出していただいたことに関しては、大変良かったと思っておりまして。これによって、心の健康の維持・向上が自己責任ではないというメッセージが、よりよく伝わるのではないかなというふうに考えております。
 一方で、他の2に挙げられている各疾患などと同様に、社会環境の質の向上とともに個人レベルでも対策が必要ですし、その点に関する重要性が軽視されないように留意する必要というのは、これからもあるのだろうというふうに感じております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、横山彰仁委員、近藤克則委員、それから西委員からの3名の方から大変貴重なご意見、ご質問を頂きました。これにつきまして、事務局からご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。横山先生から頂きましたCOPDの書きぶりにつきましては、先生のおっしゃるとおりかと思います。こちらは第二次のものを基本的に流用していたというところであったんですけれども、今回の現行の現状を踏まえまして、先生のご指摘を踏まえた書きぶりに修正をしたいというふうに考えております。
 近藤克則先生から頂きましたシェーマの部分あるいは3-1と3-2を入れ替えるというご提案でございますけれども、こちらについては、3-1が今まで「つながり」とか「こころ」とか、そういうものが2-3とも割と連関が近いのではないかというところの議論から、3-1をこの部分に持ってきたという経緯がございます。
 そこの部分も踏まえての掲載となっておりますので、こうした置き方が一番いいのではないかというふうに思っておりますけれども、そうした意味では、他の先生方のご意見もぜひ頂きたいなというところでございます。
 一方で、「自然に健康になれる環境づくり」というのが他の3-1とか3-3でも関連するというのは、そのとおりでございまして。この3の「社会環境の質の向上」の3-1、3-2、3-3の分け方というのは、きれいに分かれるものではないというふうには考えております。どれかが1対1で完全に対応するものではないというものもあるかと思いますので。
 ただ、一方で、社会環境の質の向上というのが、現場の方含め、なかなか伝わりづらい部分もあるというところを踏まえて、こうした分けを一定程度しているというものでございます。そうした旨を説明資料のほうには、例えば3-1、3-2、3-3のこの分け方が、ゴールデンスタンダードであるというわけではなくて。一定の頭の整理のために置いているんだというような趣旨のようなことを書いておくことで、先生のご懸念にはお応えできるのではないかというふうに考えている次第でございます。
 また、PDCAサイクルの関係につきましては、言葉のところでございますけれども、ここの部分については少し、どういったものがあり得るかというのは検討させていただきたいというふうに思います。
 西先生から頂きました心の健康につきまして、個人のレベルでの取り組みというか、関係というのが重要であるというのはそのとおりであるかと思いますので、そうした旨が伝わっていくような形にしていく必要があるのではないかと思っております。以上です。
○辻委員長 横山先生、近藤先生、西先生、いかがでしょうか。ご追加ございますか。よろしいですか。
○近藤(克)委員 すいません。そういう趣旨であれば、順番を変えることが難しい場合、3の今2行あるところに、この「自然に健康になれる」というのを、全体に係ることなんですよというのを文言として加えていただく方法もあり得るなと思いました。ありがとうございました。
○辻委員長 事務局、いかがでしょうか。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。ここの文言、告示にどこまで書くかというのは、少し、全てを書き切ることは難しいというところもございますので、どう説明資料の中で対応するのか、告示の中に書き込むのかは、含めて検討したいと思います。
○辻委員長 もう少しご検討をお願いしたいと思います。
 では、次、移りたいと思います。近藤尚己委員、お願いします。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。私のほうからは、主に2点あります。まず最初、素案の冒頭の1ページ目のところなんですけれども、やはりこういった主張する根拠が明確になっているほうがいいんだろうと思っております。
 それで、論文ですと、根拠となるエビデンスを引用するということをよくやるんですが。そういったことがこういった文章で難しいとした場合にどうするかという問題はあるんですが、何らかの形で、どういった根拠を基に重要とするのかというところが、分かりやすく示していただきたいなと思っています。
 具体的なとこで言うと、健康格差の縮小というものを目標にする根拠は何か、あるいはそれを目標にする理由が、もうちょっと明確に書かれていると良いなと思います。この素案の最初の数段落、その中で関連するところは「誰一人取り残さない」というところだけかなというのが、ちょっと気になっています。
 現状認識について最初書かれているんですけれども、その中に、例えば依然として地域間に大きな健康寿命の格差が存在するとか、第二次の最終評価でそのことが示されたということが書かれていると、次につながるかなというふうに思っております。それが1点目ですかね。
 それと、格差については第二次の時も、これは難しいなと議事録を読んでて思ったんですけれども、やっぱ健康格差というのは、社会がこれだけ複雑になると、どうしても存在すること自体をゼロにすることはできないというのがあります。ですので、やはり社会として許容できない格差があるという認識が必要なんだろうと思います。
 じゃ、都道府県間の健康寿命が3歳弱あるという、この事実を許容できるのかどうなのか。許容できないと思うので格差対策をするということなんですけれども、そのことがやはりどこかしらで表現されていることも必要なんだろうなというふうに、研究者としては感じるところです。
 例えば国民皆保険ができた時も、みんなで成長していく、発展していくためには、誰も置いていかずに、それを経済的にも保証するために皆保険が必要だみたいなことが、政府文書でも示されていたというふうに記憶しております。同じような形で、健康日本21についてもされていくといいのではないかなというのが1点です。
 同じことで、2ページ目の2番ですね。「個人の行動と健康状態の改善」、これについてもやはり健康格差の縮小、健康格差をモニタリングすることも記載されておりますので、何らかそのことが触れられてるといいのではないかなと思いました。
 例えば後半ですね。「『誰一人取り残さない』健康づくりの観点から、生活習慣病(NCDs)の発症予防及び重症化予防だけでない健康づくりが重要である」というところを、「重要であり、また、その格差を縮小することが求められる」であるとか、そういった言葉を入れてはどうかなと感じます。
 ちょっと長くなってますが、あと2点目が、先ほど近藤克則先生からのご発言とも関連するんですけども、3番の「社会環境の質の向上」のところが、ここで示したいこと、その趣旨は完全に同意しています。どういうふうに書くとロジカルに整理されるかなというところでの意見なんですけれども。
 これが、今の立て付けで言うと3-1というのが、先ほど克則教授がおっしゃったように、3-2と3の結果として起きる個人の社会的な健康状態、また、心の健康については精神的な健康状態ということなんだと思います。そういう意味では、もしかしたら3-1は、その前の2番の2-3のところのレベルのことを言っているようにも思います。
 この「ソーシャルキャピタルの形成」というもの自体は、どちらかというと、私もう3-2に入る、みんなが、誰もがつながりをつくれるための社会環境の整備に入る活動なんじゃないかなと思いまして。その辺のロジックの整理と書きぶりの整理というものがされると、より分かりやすくなるんじゃないかなと思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。では、村山委員、お願いします。
○村山委員 ありがとうございます。大臣告示の資料1につきましては、これまでのやはり議論を踏まえて整理いただき、ありがとうございます。
 私も今近藤尚己委員がおっしゃった格差の観点で、その告示の中身を、例えば告示では社会環境の質の向上自体が健康格差の縮小につながるとか。さらに3ページは、「社会環境の質の向上等を通じて、各生活習慣等についての格差を縮小することで、健康寿命の地域格差の縮小も目指す」というふうに記載されていますので、それを資料2のほうにどのように反映するかということが大事になってくるかなというふうに思いました。
 ですので、資料2のほうで、格差に関するエビデンスとかデータをどの程度盛り込むか、その辺も今後の検討課題にしていただけたらなというふうに思いました。
 それから、2つ目ですけれども、こちらも資料2のほうの内容になりますけれども、9ページに概念図があります。これもこの委員会で検討をしてきた中で作られたということですが、この概念図について、第二次の時は各分野ごとに、分野内の目標間の関係が関係者に分かりやすく示せるように、分野ごとにこれに載せていったわけです。
 そのやり方が結構、特に栄養・食生活分野では分かりやすいというふうに自治体の方々からもご意見ありましたので、この構造図に各分野の目標を載せるという方向性、こちらを1つご提案、あるいはご検討いただきたいというお願いです。
 それから、3つ目が、それとも関連しますけれども、資料2のほうで。やはり前回の参考資料では、分野間の関係図、分野間の目標の関係図、具体的に言いますと、特に循環器疾患の3層のモデルがあったんですけれども、こういったモデルをぜひ入れていただけると、生活習慣と疾患などの関係が分かりやすくなりますので。これも自治体の関係者には非常に好評でしたので、ぜひご検討いただきたいというお願いです。以上です。
○辻委員長 引き続き、古井委員、お願いします。
○古井委員 ありがとうございます。私からは3点、コメントいたします。
 1点目は、今村山先生とか尚己先生からお話があった、やっぱり今回の計画でInclusion、それからImplementationの視点は、すごくいいなと思っていまして。せっかくなんで、その視点がより伝わるような書きぶりというのが、今おっしゃったように重要かなというのが1点です。
 それから、2点目は今後のちょっと運用のほうについてなんですけれども、やはり健康づくり、持続可能性の視点が今後重要ではないかなと思っています。各時点での実績を捉えるという、いわゆる微分的な考え方だけではなくて、積分的な考え方が大事だと思います。
 例えば取り組みから得られる知見、ノウハウを抽出をして、それを蓄積、ストックをしていくと。そういうことを促したり評価をするということが、これはもしかすると、資料で言うと8ページ目以降の「その他」の、9ページ目の三の辺りかなと思ったんですが。
 この計画自体のバランスはすごくいいと、全体感を持っているんですけれども、これを回していく時に、やはり持続可能性を担保するような、各主体がモチベーションを持って毎年それを回していくようなことを入れ込めないかなというのが2点目です。
 それから、もう一つは、これはちょっとご報告も兼ねてなんですが、6ページ目の一のところで、他計画との連携とか、自治体では関連施策との連携ということだと思うんですが。今この検討会を、とても多くの自治体さん、特に都道府県さんがウオッチをされていまして、現時点でもう10都県以上が、この第三次の計画の目標とか評価指標を、例えばデータヘルス計画に使っていこうというような、そういう動きがあります。
 そういう中で、別表ですとか、あとは資料2のほうで拝見すると、評価指標の考え方とか背景にある参考文献とかがしっかり示されていまして。これを自治体の他の部局が――この資料自体は健康増進計画側の書きぶりで、もちろんいいと思うんですが。これをデータヘルスとか他の医療費適正化のほうから見た時に、「ああ、こういうふうに評価指標、目標値を設定してるんだな」「これ活用できるな」ということで、すごくいい作りだなというふうに感じました。以上、感想も含めてです。ありがとうございます。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、近藤尚己委員、村山委員、それから古井委員からコメント、大変貴重なご意見を頂きました。それにつきまして、事務局、お願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。近藤尚己先生から頂きました部分でございますけれども、健康格差につきまして、なぜ縮小を目指すのかといったところとか、あるいはエビデンスの部分についてというところは、告示の本体なのか、あるいは説明資料なのかというところはありますけれども、背景を考えていく必要があると、しっかり残していく必要があるというのは、そのとおりかと思いますので。そうしたことについてどういったものができるかというのは、今後の説明資料のほうのブラッシュアップも含めて考えていきたいなというふうに思ってるところでございます。
 また、3-1、3-2、3-3の部分の議論については、近藤克則先生のお答えと同じでございますけれども。一定程度、どういう考え方でやってるのか、あるいは3-1、3-2、3-3の分け方自体がというよりは、一定の頭の整理でということを先ほど申し上げましたけども、そういったものも伝わっていくような形にしていきたいなというふうに思ってるところでございます。
 村山先生から頂きました部分、1点目の格差の関係は、今お答えしたことと同じなのかなと思いますけれども。いろいろなところに散らばっている考え方、告示の中で散らばってる考え方を、しっかりさらに補強しつつ、資料2、説明資料のほうで伝えていくというスタイルになってくるかと思いますので、その点については考えたいなというふうに思います。
 9ページにあるシェーマから各分野の目標との関係とか、そういったものにつきまして、今までも、全ての分野というよりは一部の分野については、かなりクリアに示しているかというふうに考えておるところでございます。
 それぞれの分野の特性上、どこまでできるかというのは正直あるんですけれども、できる限りのところで、しっかりそうしたものをお示ししていって、関係する分野とか関係する目標間の在り方とか、そういったものを示していけたらいいのかなというふうに考えてる次第でございます。
 古井先生から頂きました1点目の、Inclusion、Implementationが、その視点からどのような取り組みをやっていくのか、あるいはどういった目標を立てているのかといったことが伝わるような形にしていくというのは、まさに、国民の方々だったり現場の方々に伝えていく時の、われわれとしてのメッセージの在りようだと思います。ですので、そういったことができるように、この資料をブラッシュアップしていきたいと思っております。
 また、2点目頂きました持続可能性というところです。ノウハウの蓄積とか、そういったことでうまく、ある意味、サイクルを回していくという趣旨かなと思ったところでございますけれども。アクションプランの在り方とか、あるいはそういったものでめだしができればいいのかなというふうに思っておりますので、告示なのか説明資料なのかというのは、他の分野と同じくあるんですけれども、書き方は考えていきたいと思っております。
 また、3点目に頂きました、いろんな方々がウオッチしてるということでございますので、まさにそういったことも踏まえながら、そうしたことも意識しながら、一番良いものを作っていきたいなというふうに思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。近藤尚己委員、村山委員、それから古井委員、いかがでしょうか。何かご追加ございますか。
○近藤(尚)委員 特にございません。
○古井委員 ありがとうございます。
○村山委員 ありがとうございました。
○辻委員長 では、続きまして、池原委員、お願いいたします。
○池原委員 私のほうからは、8ページの「情報提供に当たっては」というところがちょっと気になりました。注意喚起を行うとか情報提供ということなんですけれども、ヘルスリテラシーの向上という言葉は、やはり大事なキーワードなのかなというふうに感じています。
 特に私が思うのが、CMとかで、飲酒のところなんですけれども、規制はなかなかできないという、飲酒については。CMとかですごく情報が流れているとか、そういったところを未成年とかそういった人が見て飲酒してしまうというようなことを抑制するには、教育とかを通してヘルスリテラシーの向上というのが大事かなというふうに感じています。
 そういったものが向上することによって、その上にある「スティグマの解消」とか、そういったところとか自然に健康になれる環境づくりというところでの個人の行動にもつながると思いますので、キーワードとして重要かなというふうに感じています。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、尾﨑委員、お願いします。
○尾﨑委員 よろしくお願いいたします。私のほうからは、休養のところについて意見を述べさせていただきます。結論から申しますと、今のタイトルのところが「休養」だけになっておりますが、できましたら、「休養・睡眠」でお願いできればと思っております。
 第一次健康日本21では「休養・こころの健康」、第二次では「こころの健康」が取れて現在の「休養」になっております。休養の考え方はさまざまなものがございますが、大きくは休息という大きな概念の中に含まれるといわれておりまして、休息の中には、休養、休憩、それから安静、睡眠というふうな考え方がございます。
 実質的には、人間にとって最も優れた休息の方法が睡眠ということでございますので。ぜひこの休養の中身も、実質的には睡眠について書かれているのと、それから労働についてのところも、やはり睡眠との関連で述べられておりますので、睡眠について前面に取り上げていただきたいなというふうに思いました。
 特に、第二次では1次予防であります睡眠の指標が悪化したこともございますので、この睡眠を前面に出すことによって重要性が、より伝わりやすくなるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 ありがとうございます。では、矢部委員、お願いします。
○矢部委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。糖尿病分野からに関連しまして、今回、「生活習慣病(NCDs)」という書き方で統一をしていただいてること、誠に感謝申し上げます。今般、糖尿病はじめ生活習慣病において、このスティグマが生じているということがございます。
 これ糖尿病に関して言うと、生活習慣だけで発症するわけではなくて、もともとの体質に生活習慣が深く関わって、それで発症するというところでございますので。将来的には、グローバルとの一致性というところでNCDという統一がよろしいのではないかという意見も出ているところかと思いますので。今回、括弧書きで書いていただけたということは、大変ありがたく感じておる次第でございます。
 11ページ目、2番のところで「生活習慣病の」という書き出しなんですけれども、できましたら、全文を通してやはり「生活習慣病(NCDs)」という形にしていただければというふうに思いますし、また、資料2にあります概念図のところですね。ちょっとスペース的に難しいかもしれませんけれども、やはりこういう概念図が表になって説明されること多いと思いますので、ここでも「生活習慣病(NCDs)」というところもご検討いただけますと幸いです。以上です。ありがとうございます。
○辻委員長 ありがとうございます。ただ今、池原委員、尾﨑委員、矢部委員からご意見を頂きました。これにつきまして、事務局からいかがでしょうか。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。池原委員から頂きました情報提供の関係でございますけれども、先生がおっしゃるとおり、この情報提供なりしっかりやっていくことで、ヘルスリテラシーといわれてるものが向上していくということであろうかというふうに考えてるところでございます。
 一方で、その書きぶりとして、ヘルスリテラシーというワードをそのまま入れれるかというのは、大臣告示という性質上、どこまで入れれるかというのがございますので。その説明資料のほうも含めて、書けるものをしっかり書いていって、先生おっしゃるとおり、アルコール分野だけではないとは思うんですが、そうしたものを含めて皆さんの健康意識というものを高めていく必要があろうかというふうに考えております。
 尾﨑先生から頂きました休養の部分の睡眠という言葉でございますけれども、経緯としては先生からおっしゃっていただいたとおりでございます。第一次、第二次と変遷している中で、こうした形に落ち着いているというところでありますけれども。1つは、健康増進法に基づく告示としてある中で、健康増進法では裸で「休養」というふうに使っているところです。そこに「・睡眠」という言葉を入れることの是非については、法的な検討も一定程度必要かと思っております。そうした制約もあるんですけども、どういったものがあり得るかというのは考えたいなと思っております。
 矢部先生から頂きましたNCDsという言葉については、ご指摘のとおりかと思います。今までも、この専門委員会でも、まさにスティグマの議論も含めて、名称については一定程度ご議論があったというふうに承知をしております。
 私どもとしても、誤ったメッセージにはならないような形にしていきたいというふうに思っておりますので、他の部分についても書けるところはしっかり書いていきたいなというふうに思ってるところであります。以上です。
○辻委員長 池原委員、尾﨑委員、それから矢部委員、いかがでしょうか。何かご追加ございますか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 では、津下委員、どうぞ。
○津下委員 ありがとうございます。2-2の「生活習慣病の発症予防・重症化予防」のところでございますけれども、「高齢化に伴い有病者数の増加がみこまれるCOPDへの対策は」となっております。実は糖尿病の有病者数の推計で一番影響があったのは、高齢者層の増加、有病率自体は年齢とともに高くなっていきますけれども、人数を推計する上で高齢化の影響というのは、糖尿病の有病者数を検討する上でも大きなファクターになっておりますので。この「有病者数の増加」というのは、生活習慣病全体に係ってくるかなと思いますので、「高齢化に伴い」というところは、生活習慣病全体にかけるような位置に置いていただいたほうがいいのかなというふうに感じました。以上です。
○辻委員長 続きまして、黒瀨委員、お願いします。
○黒瀨委員 すいません。ありがとうございます。1点だけ、ちょっと追加でコメントさせてください。13ページの(4)のCOPDに関してなんですけれども、先ほどご指摘があったように、やはり喫煙が一番大きなファクターで、それ以外のファクターもあると思いますけども、禁煙することによって予防できると。
 ただ、COPDの大きな問題点は、資料の51ページにもありますように「死因の第9位」ということですが、実際には、われわれ臨床医が死亡診断書を書く時に、多分COPDじゃなく、その合併症のほうで。例えば肺がんですとか、あるいは呼吸器感染症で死亡診断書を書くことが多いと思いますので、実際にCOPDで本当に亡くなってる方というのが正確に把握できてるかどうかというのが、ちょっと疑問なんですね。
 もう一つは、ご存じのとおり、COPDになりますと結局生活の質が落ちてしまいまして、資料のほうにもご指摘がありますように、いろいろな疾患の原因にもなってまいります。
 ですので、現在は難しいかもしれませんけど、今後の一つの目標として、例えば罹患(りかん)率とか、あるいは酸素吸入が必要なレベルの重症化したCOPDの方の数の減少とか。そういったものが科学的なエビデンスに基づいて指標としていけるかどうかということを、ここに関して、できれば今後検討していただきたいと思いますので、この点、ちょっとお願いしたいと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他に委員の皆さまからご意見ございませんか。よろしいですか。
 では、取りあえず、津下委員と黒瀨委員に対する事務局のご対応、お願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。津下先生から頂きました生活習慣病の部分の書きぶりでございますけれども、確かに他の疾患にも、持っている性格の部分がCOPDだけに係ってるように見えるというふうに思います。ですので、分量なかなか増やせないというのもあるんですけれども、全体に係るような書きぶりに工夫したいなというふうに思っておるところでございます。
 黒瀨委員から頂きましたCOPDの関係につきましては、まさに先生おっしゃるとおり、この死亡率というのも、今取れるデータとしてこうしたものを取るということである一方で、罹患率だったり、もうちょっと他のものが、予防健康づくりという観点ではよりクリティカルじゃないかといったことも、ご指摘もあるのは事実かと思いますので。死亡率というのを今回のプランでは取っていくんだけれども、今後そうした、よりインプルーブできるところがあるのではないかといったことが分かるような形で、その辺は説明資料等に書いていくということかなと思っておりますので、その辺の書きぶりは考えていきたいなと思っております。以上です。
○辻委員長 津下委員、黒瀨委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○津下委員 ありがとうございます。
○黒瀨委員 ありがとうございました。
○津下委員 すいません。ちょっと追加でもう一つあるんですけれども。
○辻委員長 はい。
○津下委員 今回、健康寿命の延伸っていうことで、認知機能の低下というのが今非常に大きな問題として、これから10年の中では出てきます。その書きぶりというのは結構難しいかもしれませんけれど、こういうNCDsがリスクファクターになっていることで、より若い世代から取り組むことの必要性とか、そういうことがうたえたらいいかなとは思うんですけれども。ちょっと今までの議論の中ではあまり出てこなかったかもしれませんし、説明資料の中で補足説明をしてもいいことかもしれませんけれども、健康寿命を縮める要因としてそれがあるという認識を示しておいたほうがいいのかなという気もしております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、事務局、お願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。今までの議論を踏まえると、なかなか告示の本体にというのは難しいのかなと思いますけれども、説明資料のほうで何かしら書けるものがあるのかといったところは考えていきたいと思います。
○辻委員長 その辺の工夫を、どうぞよろしくお願いいたします。
 他に委員の皆さまから何か。はい、尾﨑委員、お願いします。
○尾﨑委員 たびたび申し訳ございません。先ほど、健康増進法のほうの関係で休養というところが掲げられているというお話だったんですが。今確認しましたら、例えば食生活のところも、健康増進法で「食生活」と書いてあるところが「栄養・食生活」になっていたり、運動のところは「身体活動・運動」というふうになってたりしますので、必ずしもここが――休養という言葉を削除するわけではございませんので、ぜひそちらのほうでご検討いただけたらと思います。以上です。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 他に委員の皆さまから何かご質問、ご意見ございませんか。まだ時間ありますので、できるだけ多くの方からご意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、尾﨑委員に対するご対応、事務局からお願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。先生おっしゃるとおり、他の分野では健康増進法とは違う書き方をしているというのは、そのとおりでございます。なので、これを私が申し上げたのは、健康増進法にある書きぶりが一定程度、法律で何かしら経緯があってこのような書き方をしておるというところも踏まえながら考えていく必要があろうというところでございますので。そうしたことも踏まえて、この書きぶりの変更というのが逆に変な、何というんですかね、他のニュアンスが、含んでしまったりとか、そういったことがないかという点も含めて検討していく必要があろうかという趣旨でございますので。健康増進法に書いてあるからできないということではないんですけれども、そうした旨でありますので、そうした点も含めて検討させていただきます。
○辻委員長 尾﨑委員、いかがですか。よろしいですか。
○尾﨑委員 はい。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 この点、非常に重要だと思います。またご検討いただきたいと思います。
 他に委員の皆さまから何かご質問、ご意見ございますか。よろしいでしょうか。他にございませんか。はい、近藤尚己委員ですか。
○近藤(尚)委員 よろしいでしょうか。
○辻委員長 はい、どうぞ。
○近藤(尚)委員 京都大学の近藤尚己です。「生活習慣病(NCDs)」と記載するところの話です。私もそれ伺ってて、生活習慣病という言葉あるいは慢性疾患のスティグマの課題、ここのところを思い出しまして、ご発言いただきありがたく思いました。
 これ、いっそ生活習慣病という言葉はもう使わずに、NCDsでいくということも選択肢として、もしかしたらあるのかなと思って。そういった方向性や、この用語についてのこの間の議論とか厚生労働省あるいは皆さまのご認識について、お時間あれば伺いたいなと思いました。
○辻委員長 事務局、いかがでしょうか。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。生活習慣病という名称が、スティグマの問題を引き起こしているのではないかというご指摘があったと。この専門委員会でもあったかと思います。一方で、これは私の私見かもしれませんけども、一定ここの生活習慣病という言葉自体が、定着、善きも悪くも定着してしまっている面もあるかと思います。
 厚生労働省関係でこうした言葉を変える際には、例えば認知症という言葉あるいは精神分裂病という昔あった言葉、痴ほうという言葉を変える際には、別途検討会を立てて広く意見を収集して決めているというふうに認識しております。
 ですので、次期プランの中でそれだけをちょこっと議論するというものではなくて、しっかりとした社会的な議論が必要なんだというふうに認識しております。ですので、先生がおっしゃってくださった問題意識は受け止めさせていただくんですけれども、なかなか今回の次期プランだけでパッと変えるのは難しいのではないかというふうに考えております。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。とてもよく分かりました。
○辻委員長 では、矢部委員、お願いします。
○矢部委員 ただ今の議論について、私も、善くも悪くもっておっしゃられたところで、生活習慣病というのが定着をしているので、継続性という点で今回この用語を引き続き使いつつ、また、長期的に議論をされるというのはいいことだと思いました。
 事前に、これ恐らく医学会とかで生活習慣病の議論が必要かというところで、何人かの先生方に確認をしたんですけれども、医学会の用語として生活習慣病というのは存在しないということでございますので。恐らく国の中で、市民の方であったりメディアの方々等々とも議論が必要だと思いますけれども、医学会的には特に問題ないというようなことを受けています。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。これについて、事務局から何かございますか。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。矢部先生の今の情報は、大変有意義なものだと、有益なものであります。ありがとうございます。
 一方で、先ほど申し上げたとおり、医学会ももちろんですけれども、他の、幅広く社会で考えていく必要がある長期的な課題だというふうに認識してございますので、そうした指摘があったということをしっかりと受け止めていきたいなと思っております。
○辻委員長 ありがとうございます。津下委員、どうぞ。
○津下委員 今のに関連してです。津下です。生活習慣病という言葉に、あなたは生活習慣が悪いから病気になったんだよねっていう見方とか、病気が良くならないのは生活習慣が悪いせいというふうに決め付けが起こるということが非常に大きな問題だと思うんですけれども、体質的に負荷がある人についても、その人については生活習慣の影響が疾患の増悪に影響するということで。
 そこのニュアンスというか言葉の使い方については、説明資料の中で課題について触れていくということは、説明していくということはしたほうがいいのかなというふうには思います。昔は成人病だったけど、子どもの成人病っておかしいよねということで、それから、生活習慣の重要性を意識してもらうために、こういう名称に変更されたという経緯もありますので。
 体質的な負荷がある人は、やっぱりその人にとって、良くするためには生活習慣というのも非常に考えていかなきゃいけない課題であることは間違いないので、その言葉の使い方かなというふうに思います。
 逆に言うと、メタボでも、昔メタボリックシンドロームという医学用語の場合はスティグマなかったんですけど、広くいろんなところで使われるようになって。そして、使い方がちょっと、偏見が加わったことによって、どちらかというとあまり使われたくない言葉みたいなイメージが出来上がってしまうので。
 やはりこの言葉がどう使われるかという、いくらニュートラルな言葉でも影響が出てくるということがございますので、説明資料の中で十分に、関係者には知っていただくことが必要なのかなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。皆さまから何かございますか。言葉の問題ってすごく難しいところ――津下先生、どうぞ、もう一回。
○津下委員 それで、もう一つ、健康無関心層という言葉も、ある意味、あの人生活に無関心っていうスティグマ的な。指導者が「やりましょう」ということに対しては関心がないとか、関心がないわけじゃなくて、やりたくてもなかなかそこまで到達してないとか、いろんな方が入ってると思うんですね。
 無関心っていう言葉自体も少し、スティグマ的な要素といいますか、非難するイメージもないわけではないので、告示の中で使っていくことについて、一定の配慮というか、が必要なのかなというふうには感じました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他にどなたかいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。他にございませんか。
 では、事務局から、ご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。今頂きました用語の議論は、非常に重要だと思っております。まさに津下先生おっしゃられたとおり、何というんでしょうか、健康増進のためには、レッテルを貼るというよりは、いろんな方々にしっかり参加していただくなり、あるいはいろんな方に効果的にアプローチしていくなり、そういったことがこの健康増進の方々に伝えていくメッセージなのかなというふうに認識しております。
 ただ、そういった言葉をまとめることによって、ある程度、まさにメタボという言葉が広まることで認識が高まるといった効果もあったかと思いますので。何かこう、やり方と結末と、それが時代によって変わっていくというところが、この言葉の難しさなのかなというふうに認識してございます。
 その意味で、この12年間の計画ということで、そうした言葉の重みとか考え方というのも恐らく変わっていくことになろうかと思いますので。あくまでわれわれのコアのメッセージは、先ほど申し上げたとおり、国民の方の健康がしっかり増進されていくというところにあると。そのためのいろいろな方法を使ってアプローチして考えていくんだということを、皆さんにご理解いただくための書きぶりというのをしっかり考えたいなというふうに思います。
○辻委員長 ありがとうございます。そもそも言葉があるからスティグマが生まれるのか、あるいは社会的な何かイメージがあって、それがスティグマに発展していくのかって、非常に難しい話になりますので。言葉を換えればスティグマなくなるかというと決してそうじゃないのであって、そこも含めて、長期的に言葉自体も変わってきますので。また、この議論だけじゃなくて、それこそ今事務局おっしゃったみたいに、これから12年続きますので、そういった中でまた様子見ながら再調整していけばいいのかなというふうに思ってます。どうぞよろしくお願いします。他にございませんでしょうか。
 それでは、もう皆さんからご意見いただいたというふうに思いますので、どうも活発なご意見、ありがとうございました。本日の委員の皆さまからのご意見に沿って、事務局におかれましては、さらにご検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、議題1は以上にいたしまして、その他として、議題「2. その他」というのがございますけども、委員の皆さまから何かございますでしょうか。
 それでは、他にご意見等ないようでしたら、本日の議論はここまでというふうにさせていただきたいと思います。
 では、最後に今後のスケジュールなどにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○加藤健康課長補佐 今後のスケジュールについて、ご案内申し上げます。次回の委員会につきましては、今回の議論を踏まえまして追って調整させていただきますので、お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
○辻委員長 それでは、本日の委員会はこれをもって終了したいと思います。委員の皆さまにおかれましては、大変活発なご議論いただきましたこと、また、スムーズな議事進行にご協力いただきましたこと、改めて御礼申し上げたいと思います。
 では、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。
○一同 ありがとうございました。
 
-----了-----

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