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2022年12月26日 第5回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会(議事録)

○日時

令和4年12月26日(月) 13:00~15:00

○場所

AP東京丸の内 A+B+Cルーム(オンライン開催)
 

○議題

 <審議事項>
 

1.次期国民健康づくり運動プランの骨子について

2.次期国民健康づくり運動プランにおける目標について

3.その他

○議事

○加藤健康課長補佐 それでは定刻になりましたので、ただ今から、第5回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会を開催いたします。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康局健康課の加藤と申します。委員の皆さまには、ご多忙の折ご参加いただき、御礼申し上げます。本日は、委員の皆さまにはオンラインにてご参加いただいております。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者および一般の方の傍聴は行わず、代わりの会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、ご承知おきください。
 議事に入る前に、ウェブご参加者への留意点、本日の出欠席状況についてご説明いたします。まず、オンラインでの参加の方に向けてお願いです。ビデオカメラはオンにしていただくこと。発言時以外はマイクはミュートにしていただくこと。発言される場合には、挙手をしていただき、委員長からの指名後、発言いただくこと。発言時にマイクをオンにしていただくこと。発言時に名前をおっしゃった上で発言してもらうこと。発言が終わったら、マイクをミュートにしてもらうこと。よろしくお願いいたします。なお、本会議はYouTubeによるライブ配信を行っておりますので、委員会中のチャット機能による資料提示等は、お控えいただきますようお願い申し上げます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないか、ご確認ください。座席表、委員名簿、議事次第がございます。資料として、資料1から3までの3つのファイルおよび参考資料1から3が、本日の配布資料になります。不備がございましたらお申し付けください。次に、出席および欠席状況でございますが、本日は、委員の方はウェブでのご参加になり、座席表上にご出席委員を記載しております。なお、甲賀委員、吉村委員におかれては、遅れてご出席と伺っております。また、若尾委員におかれては、他の用務のため途中退席と伺っております。
 それでは、以後の進行は、辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 それでは、委員の皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。では、本日の議題に入りたいと思います。議題1について、事務局からご説明お願いします。なお、資料は事前に送付されていますので、審議時間確保のため、説明は簡略にお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。資料1に基づきまして、骨子案についてご説明を申し上げます。骨子案につきましては、今までも、数次ご議論を頂いているかと思いますけれども、後半部分につきまして、これまで空白であったところを、今回、加筆あるいは修正をしているところでございます。そのため、今回は、基本的には、後半の部分について中心的に先生方にはご議論をお願いしたいというふうに考えている次第です。
 資料1でございますけれども、おめくりいただきまして、5ページ目以降が後半の部分、今までブランクであった部分になります。調査および研究に関する事項と書いてある部分以降が空白であったところでありますけれども、その前の部分についても、少し加筆しておりますので、ご説明を申し上げます。5ページの上の部分でございますが、都道府県健康増進計画、市町村健康増進計画の策定に関する基本的な事項の部分でございますけれども、都道府県の関係につきまして、地域・職域連携推進協議会等も活用して計画策定を行うという旨を追記してございます。加えまして、保健所の役割につきまして、市町村の健康増進計画策定の支援を行うという旨を追記してございます。3番とあります、市町村の役割と市町村健康増進計画という部分でございますけれども、その際には、庁内の関連する部局が連携して策定するという旨を、改めて追記をしているところでございます。
「調査及び研究に関する基本的な事項」とあるところについて、ご説明を申し上げます。こちらについて、基本的には、現行の健康日本21(第二次)にありますアウトラインを、おおよそ使ってるところでございますけれども、この10年間の変化等を踏まえてアップデートをしているという内容になってございます。一 調査及び研究の活用とある部分でございますけれども、国は、国民健康・栄養調査等の企画、あるいは効率的な実施を行うという旨、併せて、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上といった今回の内容に関して、調査研究についてしっかり推進する旨を記載してございます。
 国、自治体、独立行政法人等につきましては、先ほど申し上げました国民健康・栄養調査、あるいは他の調査でありますけれども、国見生活基礎調査、あるいは、健康診査に関するデータ、統計といったもの、データベースといったことを使いまして、情報を収集いたしまして、現状分析、評価、それらの結果を踏まえました必要な見直しといったことを行っていただきまして、PDCAサイクルの推進を行っていただきたいという旨でございます。また、これらの結果につきまして、積極的な公表に努めるというふうにしてございます。
 最後の段落でございますけれども。PHR、パーソナル・ヘルス・レコードの利活用というものを進めつつ、保健医療情報に関するビッグデータの活用といったことも見据えながら、健康増進の施策を実施していただくことが必要であるというふうに考えてございます。
 二 研究の推進という部分でございます。こちらも、現行の第二次にもある記載でございますけれども、国、自治体、独立行政法人等につきましては、さまざまな研究をしっかり推進して、かつ、情報をしっかり、国民や関係者に対して情報提供するという旨でございます。また、その研究を行う際には、社会実装もしっかり見据えながら、出口を見据えながらやっていくことが必要であろうというふうに考えてございまして、厚生労働省では、厚生労働科学研究等を、引き続き実施していくということでございます。
 次の「健康増進事業実施者間における連携及び協力」という事項でございます。健康増進法に基づきまして、自治体等が行っております健康増進事業については、健診、健康相談、健康教育といった内容がございますけれども、こうした事業を実施する者の間で、どのような連携あるいは協力があり得るか、といったことを記載しているセクションでございます。  「具体的には」とあります2パラでございますけれども、健康診査に関しては、例えば、転居、転職、退職といったことで、その保険者が変わるといった場合に、データを円滑に引き継ぐといったことも必要であろうかと思いますし。あるいは、がん検診と特定健診のような、異なるタイプの健康診査について、同時に受診できるような環境整備を行うことで、受診率の向上を図るといったことが、一部の自治体、保険者等では既に行われているところでございます。こうした取り組みを、全国単位でしっかり広げていくことができればという趣旨で書いているものでございます。
 6ページ目に入りますが、最後の段落は、健康増進法第9条第1項に基づきまして、健康診査の実施等に関する指針というものが、既に定められておるところでございますので、こうしたものも、しっかり参考にしつつ、進めていただきたいということでございます。
 次の山括弧でございますが、生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項というところでございます。1番、基本的な考え方とございまして、こちら、現行の第2次からアウトラインはおおよそそのままでございますが、比較的ベーシックな内容が並んでいるかと思います。健康増進のためにも、国民に対して情報提供をしっかり行っていく必要があると。その際には、科学的知見に基づいて、分かりやすく、また、国民にとって効果的、効率的、魅力的なものとするようにする、ということでございます。また、個人の生活習慣ということだけではなくて、社会環境の重要性についても、しっかり普及、啓発をしていくことが重要であろうという旨。また、正しい知識の普及を通じて、専門委員会でも何回かご議論があったかと思いますが、スティグマの解消というのにも努める必要があろうかというところでございます。
 2段落目でございますが、情報提供に当たっては、さまざまな経路、チャンネルを使っていくことが必要であるということでございますが。第二次策定時には、まだメジャーではなかったホームページやSNSの活用というものも、この直近の状況を踏まえまして、追記をしているところでございます。併せまして、国民に対して、誤った情報、あるいは偏った情報というものを情報提供しないということも、当然あるんですけれども、もう既に広まっている情報の中にはそういったものもあるということを、しっかり注意喚起することが必要であろうというふうに考えてございます。加えまして、情報取得、あるいは意思疎通に配慮が必要な者といった、いろんな方々がいらっしゃる中で、そうしたさまざまな方、あらゆる方が、正しい情報にしっかりアクセスできるような、情報にアクセスできるような環境整備というものに努めることとしてございます。
 最後の段落でございますけれども。国は、自治体や民間企業等が参画するプラットフォームということで、現行でございますと、スマート・ライフ・プロジェクト等ございますけれども、そういったものの活用も、しっかり行っていくということを記載してございます。また、地方公共団体につきましては、地域の実情というのを鑑みて、取り組みを行っていただきたいというふうに考えてございます。
 2番、健康増進普及月間等という部分でございます。9月、厚生労働省では、健康増進普及月間ということで設定いたしまして、さまざまなイベント等を実施しているところでございます。また、併せまして、食生活改善普及運動というものも実施してございます。こちら、まだ世間的な知名度がなかなか高いというわけでもないので、これも、しっかり引き続き取り組みを行っていく必要があろうというふうに考えてございます。
 3段落目、「加えて」とございますけれども、3月1日から7日までを、女性の健康週間というふうにしてございます。加えまして、5月31日から6月6日までを、世界禁煙デーと併せまして、禁煙週間というふうに設定してございます。こうしたさまざまな運動、月間、週間につきましては、今後も、国としても注力していくということに加えまして、最後にございますけれども、自治体、企業、民間団体といったさまざまなプレーヤーを巻き込んで取り組みを進めていく必要があろうというふうに考えてございます。
 7ページ目に移りまして、その他国民の健康増進の推進に関する重要事項というところでございます。1番、多様な主体による連携および協力ということでございまして、直近もそうでございますけれども、健康づくり、行政だけではなくて、地域、あるいは民間といったところのプレーヤーとの連携というのが必須、重要であろうというふうに考えているところでございます。保健、医療、福祉の関係機関、関係団体といったところもそうですし、大学をはじめとする研究機関、企業、教育機関、NPO、NGO、住民組織といった、さまざまな関係者がしっかりと連携して、効果的に取り組みを行っていくということが必要であろうというふうに考えてございます。加えまして、自治体は、これらの関係者の間のハブになっていただきまして、その連携を促していくということが期待されるということを、記載してございます。
 1番が、行政と民間、あるいは地域との連携でございますが、2番は、その行政内での連携でございます。国、自治体、いずれのレベルにおきましても、健康づくり、主管部局以外としっかり連携を進めていくことが重要であろうということでございまして、具体的には、医療、食育、産業保健、母子保健、精神保健、介護保険、医療保険といったものを記載してございます。こうした分野につきましては、現行の第二次でも記載があるところでございますが、今回、生活保護、あるいは生活困窮者自立支援という文言も加えておりまして、健康格差をはじめとする問題につきまして、取り組みを進めていくことが必要であろうというふうに考えている次第です。また、こうした、いわゆる厚生労働分野以外も、学校保健、教育、スポーツ、農林水産、経済・産業、まちづくり、建築・住宅といった、さまざまな分野におきまして、健康づくりにも関係する取り組みというのが行われているかというふうに思いますので、そうした分野との連携ということを、積極的に行っていくことが必要かと考えてございます。
 3番、デジタル技術の活用という部分でございます。デジタル技術の活用というのが健康づくりでも重要だということは、これまでもいわれてきたところでございまして、こうした中で、ICT、オンライン、アプリケーションといったさまざまなサービスを活用した健康づくりというのを、さらに進めていく必要があろうかと考えてございます。また、そのサービスというか、支援の提供だけではなくて、例えば、自治体内の事務手続き等におきましても、デジタル化というものを活用して、さらに、見直し、あるいはよりよいサービスをしていくということも必要かというふうに考えてございます。一方で、デジタル格差、デジタルディバイドによりまして、健康増進の取り組みが受けられないといった、新しい格差を生んでしまうようなことはないようにという、そこにしっかり留意する必要があるということは、ここに明示的に追記をしてございます。
 4番、人材の育成という部分でございます。こちらも現行、記載がございますけれども、健康増進の取り組みには、医師、歯科医師、保健師、看護師、管理栄養士など、さまざまな専門職の方が携わっていらっしゃると。こうした人材につきまして、資質の向上を、国、自治体レベル、どちらでもしっかり行っていくということ。加えまして、こうした方々が、研修等、自己研鑽に励むことができる環境整備というものをしっかり整えていく必要があるということ。加えまして、これらの人材の方々の連携、多職種連携とございますけれども、それが進むような支援を、しっかり行っていく必要があるということでございます。
 5番、最後でございますが、その他考慮すべき事項とありますけれども、今回、計画期間につきましては12年間ということで、今まで議論をさせていただいているところでございます。12年間という長い期間でございますので、今はないけれども、今後、発生し得る変化というものがあるかと考えてございます。地球温暖化をはじめとする気候変動、あるいは、新興・再興感染症の拡大、あるいは、孤独・孤立問題がさらに深刻化するといったことによりまして、健康影響というのが出てくるかもしれない。そうしたこともしっかり頭に入れながら、考慮しながら、健康増進に関する施策を進めていくことが必要であるということを、記載しているものでございます。私のほうから、説明はいったん以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは、本議題につきまして、委員の皆さまから、何かご質問、ご意見ございますでしょうか。まず、澤田委員、それから津下委員、お願いします。
○澤田委員 澤田です。ご説明ありがとうございました。ご説明いただきました内容につきまして、異存はございません。ご提案を2点させていただきたいと思います。
 1点目は、資料の前半部分になりますが、各項目の記載順について提案をさせていただきます。2ページからの基本的な方向と4ページからの目標設定の考え方につきまして、いずれも現在は「1」の「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」の次に、「個人の行動と健康状態の改善」「社会環境の質の向上」「ライフコース」と続いていますが、大きな枠組みから個人の行動へ向かうという流れがよいのではないかと考えています。具体的には、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」の次に、「社会環境の質の向上」、そして、「ライフコース」、最後に「個人の行動と健康状態の改善」という流れを提案させていただきます。こうしますと、想定されるロジックモデルの流れと同じになることから、自然で理解しやすいではないかと思います。
 2つ目は、5ページの「調査および研究の活用」につきまして、以前の委員会で、次期プランに向けた課題として、「PDCAサイクルの推進が不十分」という指摘があったかと思いますので、この部分の2段落目のところに、「PDCA」というキーワードを含めた記載をすることを提案させていただきます。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、津下委員、お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。前回までの議論の内容を踏まえて、具体的な記載がされたと認識しております。まず、都道府県の役割において、地域・職域連携推進協議会の記載がございます。都道府県レベルだけではなく、二次医療圏レベル、市町村レベルでも、このような地域職域の連携、これが地域ぐるみで健康増進を進めていくためのプラットフォーム、一つの基盤ともなっていくと思いますので、この記載を入れていただいたことは適切と思います。今後、具体的に進めていただきたいと思っております。
 次に、市町村の役割におきましても、庁内連携についての記載がございます。その上で、できれば、健康増進計画と総合計画、市町村の基本的な計画とのリンクがなされますと、この計画の実効性、部局内連携、庁内連携が進みやすいと思います。そのような事例が数多く出ておりますので、市町村における基盤的な計画との連動などについても、記載していただければとよいかと思います。また、市町村においては、こういう統計データだけではなく、実際の保健事業を担っているというような強みも生かした取り組みを進めていただければと思っております。
 それから、2の研究の推進のところの「社会実装を深めつつ」ということについてです。健康増進事業を効果的に進めるためには、健康増進事業者間の連携協力を進めるということなど、データの連携などについての記載があります。この際に、健康増進事業者の中に、保険者については、このデータ連携等の話になってきますけれども、さらに、健診事業者の関与も一層進んでくると思いますので、ここの指針に、健康診査の事業者間の連携について記載されたということが、重要だと思っております。
 それから、人材育成のところでございますけれども、専門職の人材育成について、専門的な各分野、専門職が必要とする知識だけではなく、健康増進計画は、どちらかといえば、住民、または多様な非専門職の方々が中心になって動くことになります。それを専門職がどのようにバックアップできるかというような視点が重要と思います。例えば、保健師さんなどが一生懸命旗振って動かしている、それ自体も価値があることですけれども、それは、住民が主体的に動くための下支えである、というような認識の下での人材育成が必要であろうというふうに思います。
 それから、ちょっと戻りますけど、2の関連部局についてですけれども。喫煙・飲酒習慣、は非常に重要なことだと思いますが、大学等で学生時代に吸い始めるということや、就職してすぐという若い世代、そこで生活習慣の大きな変化がある、親元を離れていく世代に対する生活習慣の確立というのが非常に重要だと思います。この関連する分野として、大学等の役割という、大学生を取り巻く社会環境なども重要ではないかと思います。
 最後に、その他考慮すべき事項として、先日も、国際学会の中で、栄養分野においてもCO2排出や廃棄物を減らすなどの環境面への配慮と健康な食事との両立など、新たな課題がどんどん出てきておりました。このようなことに対して、柔軟に検討できるような進め方を記載していただくとよいと思います。
以上、特に反対意見ということではございませんが、意味することを具体的に示すことが必要かなというふうに考えております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。時間の関係もありますので、皆さん、手短にお願いしたいのですが。まず、若尾委員からお願いします。
○若尾委員 ありがとうございます。私、6ページの真ん中あたりの情報提供について、1点だけです。こちら、誤った不適切な情報に対する注意喚起について、追記していただきまして、ありがとうございます。ただ、今回、注意喚起を行うというふうに書いていただいたんですけど、行うだけではなくて、行い、理解の促進に向けた取り組みを行うと、そういう、ただ間違った情報があるということではなくて、それをちゃんと正しく対処するようなことを進めるということが必要だと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、吉村委員、お願いします。
○吉村委員 ありがとうございます。私からも、ささいな言葉なんですけども、6ページの情報提供と同じで、誤った情報というところ、非常に大事だと思うんですが。デマはいけないと思うんですけども、医学情報というのは、時に、その時の情報量で間違っていることがあるものですので、それを、いきなり「誤った」と言っていいのかどうかというのは、少し難しいことがあると思います。なので、書く必要はないと思うんですが、何を誤ったとするかというものについての、ある程度の意味付けというのをしておく必要があるんじゃないかと思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、4名の委員の先生方からご意見いただきました。これにつきまして、事務局からご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。澤田先生から頂きました、大きな記載順につきましては、今までのこうした記載順で議論させていただいていたところでございますので、その議論の経過を踏まえながら考えたいとは思いますけれども、一番重要なのは、自治体だったり現場レベルで理解していただくことが一番容易なものというところでございますので、そうした観点を踏まえながら検討したいと思います。
 PDCAサイクルというワーディングにつきまして、入れることにつきましては、法令的な要素を持つ告示として用例等も含めて検討が必要でございますけれども、趣旨としては、先ほど、私が申し上げましたとおり、PDCAサイクルをしっかり回していただくということでございますので、この告示だけではなくて、別の資料等でしっかり目出ししていく必要があるのではないかと考える次第でございます。
 津下先生から頂きました、市町村レベルあるいは県レベルの連携といったところは、先生おっしゃられているとおりでございまして、私どもも、具体的に進めていくためのアクションプランというか推進体制について、今後、しっかり検討していく必要があろうと思っております。
また、総合計画との連携につきましても、一部自治体では行っているというふうに承知してございますが、こちらも、告示に書けるのかどうかといったところがございます。そうした推進体制の中で、こうした例もあるといったものをお示ししていくことで、理解を深めていくことが必要なのかというふうに考えているところでございます。統計データだけではない自治体の事業のデータも、というところも同様でございます。
 人材育成の部分につきまして、専門職だけではなくて、住民だったり非専門職についてのバックアップといったこともございますけれども、人材の育成というよりは、健康増進の体制というか、進め方みたいなことなのかなとも思いますので、どのようにお示ししていくかということは、考えたいと思っているところでございます。
 先生、最後おっしゃられました、地球環境だったりといった部分は、先生おっしゃるとおり、食生活分野等で先行して議論ございますけれども、そうしたことも含めて、現場レベルでも頭に置いときながら、健康増進政策を進めていただきたいという趣旨でございますので、その辺は、先生のおっしゃられるところと齟齬がないのかなと考えているところでございます。
 若尾先生がおっしゃっていただきました、注意喚起ではなくて理解促進といったところは、このセクションの、まさに思っているところでございますので、書きぶりを含めて検討したいと思います。
 吉村先生のご指摘でございますが、誤った情報といったのはどういったことかということは、確かに、なかなか難しい部分もあろうかと思っております。ここは、繰り返しになるんですけれども、誤った情報という言い方自体は、告示の現行でもあるところでございますけれども、われわれの意図するところはどういったところにあるかというのは、丁寧に説明していきたいというふうに考えてございます。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、福田委員、その後、尾島委員、お願いします。
○福田委員 福田でございます。骨子案、ご提出いただきありがとうございました。大枠に関しては、私も異存ございません。私からは、5ページにつきまして、3点ほどコメントさせてください。まず1つ目は、3番の市町村の役割と市町村健康増進計画のところですけれども、「都道府県や保健所と連携しつつ」ということ、書いてあります。当然のことではありますけれども、関係者、あるいは関係団体との連携というものも必要になってくるかと思いますので、追記があればと思っております。
 それから、次の1、調査および研究の活用で、実施につきましては、「効率的に実施」というふうなことが書かれております。近年、私どもの歯科疾患実態調査においても、参加率、あるいは回収率が減少しております。回収率向上に向けた工夫等も記載があればいいのかなと思っております。
 それから、最後の点ですが、これは、澤田先生の意見と全く同じで、PDCAを明記したほうが分かりやすいのかなと思っております。以上です。
○辻委員長 では、尾島委員、お願いします。
○尾島委員 6ページの、食生活等の基本的な考え方についてです。情報提供などについて、中心に書いていただいています。新型コロナでも、双方向のコミュニケーションが大事ということもいわれておりますので、こちらを、例えば、ヘルスコミュニケーションとか、双方向を意識したような書きぶりも入れたらいいのではないかと思いました。その他、全体に妥当だと思いました。
○辻委員長 ありがとうございます。では、横山徹爾委員、お願いします。
○横山(徹)委員 横山です。私からは、5ページ目の真ん中あたりの、調査および研究の活用の部分になりますけれども。国、地方公共団体等で利用できるデータについて列挙してるんですが、これ、第二次の時は、レセプトデータとか、がん登録とか、各種疾病に関する統計というものが入ってたんですが、それは省略した「等」に入ってるのかもしれないですけど、省略した理由が何かあれば教えていただきたいということと。
 あとは、自治体の方は、具体的に列挙していただいたほうが、分かりやすいと思いますので、第二次の時は、参考資料のほうに活用可能な統計例の一覧出てたと思うので、そういう形でもいいので、できるだけ具体的に示すとよいのではないかと思います。以上です。
○辻委員長 では、近藤尚己委員、お願いします。
○近藤(尚)委員 私は、おおむね異存はございません。7ページの2の関係する行政分野との連携のところの記載について、先ほどの横山委員と同じで、やはり、自治体に下りてった時の捉え方で、1点気を付けなきゃなと思うのが、この後半の「食育うんぬんといった取り組みに加え」、ここまでが、保健や福祉に関する活動で、「に加え、学校保健、教育、スポーツうんぬんなどの分野における取り組みと積極的に連携することが求められる」と書いてあります。こういうふうに、保健の枠を超えた連携を具体的に並べて記載することは素晴らしくて、大変重要だと思っております。
 一方で、自治体等がこれを読んだ時に、ここに自分の分野の、自分の活動の分野が書かれていないと、私たちは関係ないから大丈夫かなっていうふうに捉えてしまう懸念があります。ですので、ここの書き方で、ちょっと工夫していただきたくて。例えば、「学校保健うんぬん、住宅など、保健福祉以外のあらゆる分野における取り組みと積極的に連携することが求められる」など保健以外の分野も関係してるんですよというメッセージを込めていただけるといいのではないかと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。では、以上4名のご意見に対しまして、事務局からご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。福田先生からご指摘いただきました、市町村の中での取り組み、連携につきまして、ここにどこまで書くかというのはあるんですが、もちろん、推進あるいは計画策定の際には、さまざまな団体等の連携というのも必要になってこようと思います。そうしたことの利用というのは、何かしらお示しできればというふうに考えてございます。また、調査の参加率あるいは回収率というのが下がってきているというところは、ご指摘のとおりかと思いますので、その辺の工夫というのも、何かしら自治体にメッセージとして伝えればというふうに考えてございます。PDCAサイクルの明記については、先ほど、澤田先生のお答えと同様になりますので、割愛させていただきます。
 尾島先生から頂きました、ヘルスコミュニケーションだったり双方向のコミュニケーションにつきまして、非常に重要な観点だと思いますが、これは、やり方みたいなものも、ここもそうなんですけれども、実際に、どのようにやっていくかといったところの示し方もあると思いますので、どこにメッセージとして伝えていくかというのは考えたいと思います。
 横山徹爾先生から頂きました、活用できるデータの種類でございますけれども、今は、先生おっしゃるとおり、「など」のところで丸めているということでございますけれども、第二次と同じく、どういったデータがアベイラブルで活用でき得るのかといったことは、分かりやすい形でお示ししたいというふうに考えてございますので、その活用のやり方等を含めて、一番、自治体の方が実際使っていただけるような見せ方というのを考えたいと思います。
 近藤尚己先生から頂きました、他分野との連携につきまして、自治体の中で、自分が関係ないという思いに至らないようにというご趣旨だと思いますので、またそこは、書きぶり含めて検討させていただければと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、続けたいと思いますが、時間の関係もありますので、今、手を挙げてくださってる5名の委員の方々のご発言を頂いて、この議題は閉じたいと思います。どうぞよろしくお願いします。では、最初に、近藤克則委員、お願いします。
○近藤(克)委員 5ページの上から3分の1あたりにある、1、調査および研究の活用のところについて、ぜひ、以下のような点を補足していただけないかというお願いです。
 今は、国民健康・栄養調査等の企画が、国が取り組むこと、後ろに「併せて」と書かれています。そこに、前もお願いしましたが、全国共通の結合可能なデータが収集できるような仕組みを、次期に向けて、国がひな型を示すことをすれば、特別に大きな予算をかけなくてもできることですので、ぜひ、そういう調査票および収集システム、そういうものを設計するということを、ぜひ、文章として加えていただけないかと思います。いくら人工知能が発達したとしても、元データがなければ限界があります。全国の市町村がやった調査データを結合できるようにするために、国がそのひな型を示すというのは、老健局等で前例がありますので、ぜひ加えていただきたいと思います。
 あと、先ほど澤田委員が言われた、並べる順番、言われてみて、なるほどと思いました。あと、福田委員の言われたPDCA、アルファベットを入れられないということであれば、せめて評価の前に、中間評価とか事後評価とか、そういう言葉を入れていただくだけでも、随分、受ける印象が違うのではないかなと思いました。
 それから、最後ですけれども、7ページの下から5行目に、多職種連携っていう言葉があるのですが、社会環境の質、社会環境をつくっているのは、実は産業界、民間企業がかなり大きな役割といいますか、そういうものを提供して、今、社会が成り立っていますので、保健人材の中の多職種連携だけではなくて、産官学の連携とか、そういうことも、人材育成の視点のところに入れる必要があるのではないか。
 あと、前のほう読み直してみますと、2ページの社会環境の質の向上のところに、産業界とか民間企業が果たす役割が、今はほとんど書かれていませんが、そういうことも一言書き加えておく意義があるのではないかなと思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、横山彰仁委員、お願いします。
○横山(彰)委員 私からは、7ページの最後のところ、その他考慮すべき事項に、「災害」というような言葉を入れなくていいのだろうかっていう点を申し上げておきたいと思います。一部の自治体は、私は今、高知にいますけども、高知などでは、大変、この災害に対する備えというのが重要になっておりまして。5ページのPHRも、災害時に役立つものでなければならないわけですし、この7ページあります、関連する行政分野との連携においても、重要なことではないかなと思っている次第です。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、村山委員、お願いします。
○村山委員 ありがとうございます。村山です。私からは、骨子案全体としては異存がございませんが、7ページについて、3点お願いします。
 1点目は、関係する行政分野との連携という、このことは、先ほど近藤委員おっしゃったように、とても重要な点だと思います。その中で、並びが、レベル感が若干違うものが並んでいるのが、ちょっと違和感があって。例えば、生活困窮者自立支援っていうのと精神保健というのでは、事業のレベルのものと、分野的なレベルのものが混在しているようで、その辺の整理、一回必要かなというふうに感じました。
 それから2点目は、先ほど、津下委員からのご発言にもありまして、ご回答も頂いてるところではありますけれども、栄養食生活の分野では、ヘルシーなだけじゃなくて、サスティナブルダイエットということが提唱されていると。ということで、7ページの一番下の、その他考慮すべき事項の中に、地球温暖化をはじめとする気候変動という記載はあるんですけれども、これですと、環境が生活や健康に影響するという方向性なんですけれども、逆に、生活自体が環境に影響するという視点も必要と考えると、持続的な環境というようなキーワードを入れていただくと分かりやすいと思いました。
 3点目は、ただワードの問題なんですけれども、7ページの上から3行目に「地方自治体」とあって、その他は「地方公共団体」となってるんですが、これ、地方自治体と地方公共団体を使い分けられてるのか、ご説明いただけたらと思います。よろしくお願いします。以上です。
○辻委員長 では、池原委員、お願いします。
○池原委員 池原です。私からは、人材の育成のところなんですけれども。データヘルスや研究の活用など、そういったものを進める上で、研究を充実させるということは非常に重要だと思います。医療従事者だけではなくて、社会科学や工学とか教育分野など、そういったところも関わってくるかと思いますので、研究者等の育成というものも重要になってくるのではないかと思います。私からは以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、瀧本委員、お願いします。
○瀧本委員 ありがとうございます。私からは1点だけで、7ページのとこに、デジタル技術の活用というところが挙がっております。ここで、健康づくり、健康増進に活用するっていう趣旨で書かれていると思うんですが、デジタル技術の活用は、調査研究でデータ取得の部分でも非常に有効と思いますので、少しそこを追記いただけると、よりよいのではないかと思いました。骨子全体の案としては、異存ございません。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、事務局から答え、お願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。近藤克則先生から頂きました、データの共通化あるいはひな型の示し方というのもあるんではないかというところでございますが、ここは、すいません、どういったものがあり得るのかという検討と書きぶりを、併せて考えたいと思います。PDCAサイクルの部分につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、どういった表現があり得るかというところは、法令的なものであるということも鑑みまして、検討したいと思います。
 他職種連携の部分につきまして、民間も含めたという視点ということでございまして、先ほど、津下先生からも頂いたようなご指摘と、あるいはオーバーラップすると思うんですけれども、ただ、実際、どういうふうに健康づくりを進めていくかという論点に、やや寄っているのかなと思っておりますので、その育成のパートだけではなくて、全体として、どのように人を関係していただくかといったところは、見せ方があるのではないかというふうに考えてる次第でございます。
 横山先生から頂きました、災害の関係でございますが、先生がおっしゃられるとおり、PHRをはじめ、デジタル技術というものを含めまして、災害への対応というのは、今後、12年間で大きな変化の一つであろうというふうに考えておりますので、何かしら記載できないか研究したいと思います。
 村山先生からご指摘いただきました、各分野のレベル感につきましては、おおよそ関係部局とも調整しながら、こうした書きぶりにしておるところでございますので、整理はしたいと思います。
また、サスティナブルな環境と、あと、行動あるいは個人との関係性といったところは、ここに書いてあるところで、ある程度読み込めているのではないかと思っておりますけれども、そこは、自治体だったり、あるいは現場の方がどう考えるかといったところに、より収斂していくのかなというふうに考えてございます。
 「地方公共団体」と「自治体」というワーディングにつきましては、大変失礼いたしました。「地方公共団体」というのが法令上正しいということでございますので、そちらにそろえたいと思います。
 池原先生から頂きました、人材の部分です。こちら、社会科学や工学といった他分野との、といったところも必要ではないかというところで、ここに書くのか、研究の関係に書くのかというところも含めて、検討したいと思います。
 瀧本先生から頂きました、デジタル技術の部分は、どちらかというと、これは、全体にかかる、この告示というかプラン全体にかかってくるところでございますので、当然、調査研究についても、ICTの活用というのをしっかりやっていくといったことの趣旨でございますというところで、全体にかかってるというところで考えていただければと思ってる次第です。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。本日、委員の皆さまから大変貴重なご意見を頂きましたので、そのご意見に沿って、事務局でさらに検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、引き続き、議題2に移りたいと思いますけれども。資料2と資料3について、それぞれご議論いただきたいと思います。まず、資料2につきまして、事務局から説明お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。資料2に基づきまして、目標案についてご説明を申し上げたいと思います。前回、前々回と、前半後半に分けまして、目標案について、先生方にご議論を頂いたところでございます。それらも踏まえまして、改めて全体のラインナップをお示ししているというものでございます。
 前回からの変更点、大きな変更点といたしましては、今まで目標項目というところ、ありましたけれども、やや粒度が違うのではないかというご指摘を頂いていたところでございます。今回、改めて、全ての目標につきまして見直しまして、2つの行に分けております。目標項目というところと、その目標に向かってどういった指標を取るのかと、実際、どのように図っていくのかというところを、右側の指標というところで分けておるというところでございます。
 一番上の、健康寿命の延伸というところでございますと、今まで、この後ろに括弧書きで、健康寿命とはどういうものかというものが記載していたところですが、右側の指標として、日常生活に制限のない期間というものの平均であるというのが健康寿命である、ということで、この指標を取っていくということでございます。今後、具体的に、この平均をいったい何年にするのか、あるいはどう延ばしていくのかというのを、目標値として、お示ししていくという流れで考えていただければというふうに考えている次第でございます。
 具体的なそれ以外の修正点について、あるいはポイントについて、ご説明を申し上げます。2番、健康格差の縮小というところでございますが、こちら、指標については「日常生活に制限のない期間の平均の下位4分の1を見る」ということでございますが、先ほど申し上げたとおり、目標については、今後、別途お示ししていきます。その際に、以前からご議論ありました、上位4分の1との差とか、そういったものを見ていくんだということを示していきたいというふうに考えてございますので、いったん、書きぶりとしては、ここは下位4分の1だけを文字としては目出しさせていただいているというところでございます。
2の1、生活習慣の改善の(1)、栄養・食生活でございますけれども、⑤、果物につきまして、以前からご議論ありましたが、今回、追記をしてございます。果物摂取量が不足している者の減少ということで、今後も、具体的な指標だったり目標は検討していきたいと思いますけれども、こうした目標を立てていきたいというふうに考えている次第でございます。
 (4)、飲酒の部分でございますが、①、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の減少ということ自体は、以前からお示しさせていただいているところでございますが、今回、指標といたしまして、1日当たりの純アルコール量が、男性40グラム、女性20グラム以上という具体的な数値を出させていただいてございます。こちら、現行の第二次から変わらないものでございますが、直近のエビデンス等を踏まえまして、こうした数値を考えてはどうかというものでございます。
 (4)の②、(5)の②、今まで「未成年」としておりましたけれども、成年年齢の引き下げがあったではないかというご議論を頂きまして、20歳未満というふうに記載をしてございます。同様に、(5)の喫煙につきましても、成年喫煙率ではなくて、20歳以上の喫煙率ということで、書いているところでございます。
 (6)、歯・口腔の健康につきましては、後ほど資料3に基づきまして、歯科専門委員会での議論を踏まえました目標案について紹介、あるいは先生方にご議論を頂きたいというふうに考えている次第でございます。
 2の2、生活習慣病の発症予防・重症化予防につきましてでございますが、(2)循環器、(3)糖尿病につきましては、以前、具体的な取り方、指標につきまして、全体の平均値を取るのか、あるいは、一定のカットオフ値以上、以下の者の割合を取るのかというところに議論がありますという紹介をさせていただいたところでございます。その後、事務局と担当する先生方と議論をさせていただきまして、今回、案として、具体的な指標案を出させていただいているところでございます。
 (2)循環器の②高血圧の部分でございますけれども、こちらについては、血圧の平均ということにさせていただいております。こちらは、その血圧がローワーザベターだという考え方に基づいて、平均値を取ってはどうかということで、現行どおりのものとしておるところでございます。その下の、③脂質の部分でございますけれども。ここは、まず、脂質異常症としていたのを、脂質高値ということで、表現の適正化をしているということでございまして、加えまして、そのLDLコレステロールにつきましては、カットオフ以上の者という割合を指標としてはどうかということで、記載をしているところでございます。
 (3)の糖尿病につきまして、③血糖コントロール不良者の減少という部分でございますが、ここも、HbA1cの8.0%というのを、今回記載してございます。こちらは、現行では8.4%としておるところでございますけれども、ガイドラインの変更等、直近の動きを踏まえまして、こうした形に修正をしているというところでございます。
 2の③でございますけれども、以前、心理的苦痛といった項目がある中で、もう少しこころの関係が入っているということが分からないかというご指摘を頂いていたところでございますので、「心身の」という言葉を追加させていただいているところでございます。こうした言葉によりまして、自治体にもメッセージとして伝えたいというふうに考えてございます。
 3の1、社会とのつながり、維持・向上の部分でございますけれども、①、②のソーシャルキャピタルにつきましては、調整中ではございますが、例えば、この、こうした取り方をしてはどうかということで、「コミュニティの人々とつながっていると感じる者」だったり、社会活動、もう少し広く取ってはどうかということを、以前も紹介させていただきましたが、こうしたものを取ってはどうかということで、引き続き、まだ調整がつき切っていない部分がございますが、考えたいというふうに思っております。
 3の2、②まちづくりの関係、あるいは3の3の②健康経営の関係につきましては、関係省庁との連携が重要な部分かと思っておりまして、目標あるいは指標についても連携したいというふうに考えてございます。ただ、前回もご説明させていただきましたが、12年間という長い計画期間におきまして、ずっと取り続ける公式統計だったりそうしたものがあるのかといったところに課題があるというのはありまして、まだ、調整がついていないところもございます。こうした部分につきまして、引き続き関係省庁と連携あるいは調整したいというふうに考えてございます。
 3の3の④のメンタルヘルス、あるいは、若干上に戻りますけれども、2の1の(3)の①の労働時間といったところも、省内の労働部局と調整をしているところでございます。こちら、労働部局も別の計画の改定が進んでいたりするところでございますので、そうしたところとしっかり連携したいなというところでございます。いったん、全体のラインナップとしては以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。なお、本議題につきましては、がん対策推進協議会から意見書を頂いておりますので、参考資料3について、事務局からご説明お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。参考資料の3をご覧いただければと思います。がん対策基本法に基づきます、がん対策推進基本計画の策定、改定を議論しております、がん対策推進協議会より、次期プラン策定に向けたご意見というのを頂戴しているところでございます。その意見書につきまして、今回、事務局からご説明を申し上げたいというふうに考えてございます。
 我が国におきまして、がんは昭和56年より死因の第1位であるとともに、令和3年には、生涯のうち2人に1人が罹患するといったところで、依然として健康あるいは生命にとって重大な課題である。予防可能ながんのリスク因子としては、飲酒、喫煙、肥満といったところで、生活習慣などさまざまあると。これらについて「がんの1次予防」を進め、避けられるがんを防ぐことは、がん対策の第一のとりでであり、がんによる死亡者につながるということでございます。
 また、令和4年6月に、このがん対策推進協議会においてまとめられました、第3期がん計画の中間報告書におきましても、たばこ対策、あるいは飲酒、運動習慣について、評価がされておるところでございまして、がん対策における1次予防というのをさらに進めていく必要があるということでございまして、次期プランの策定に向けて、大きく2点の意見を頂いているところでございます。
 1、がん対策基本法に基づく「がん対策推進基本計画」は、がんの1次予防として、生活習慣の改善に係る取り組みを掲げており、健康増進法に基づく「国民健康運動づくりプラン」とは、互いに密接に関連する施策として十分に連携の上、取り組みを進めていくべきである。2、喫煙、飲酒、栄養・食生活、身体活動・運動をはじめとする食生活の改善は、がん対策においても重要である。特に、がんの最大のリスク因子である喫煙が与える影響を十分に認識した上で、成人喫煙率については、現状より厳しい目標設定についてご検討いただきたい、という内容でございます。目標値等につきましては、今後、議論とさせていただいておりますので、こうした意見もございますということで、ご紹介でございます。以上です。
○辻委員長 また、若尾委員が先ほど途中退席されましたけれども、事前にご意見いただいておりますので、事務局からご代読いただけますでしょうか。
○山本健康課長補佐 はい。ありがとうございます。若尾先生から幾つかの意見を頂いているところでございます。がん検診の目標について、受診率に加え、精密検査、受診率を併せて目標とすることが、健診の精度管理の評価にもつながり、望ましいと考えます。現在検討されている、第4期がん対策推進基本計画においても、精密検査、受診率も個別目標に設定されておるところでございます。以上、ご検討のほどよろしくお願いいたします、という内容でございます。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは、資料2および参考資料3につきまして、委員の皆さまからのご意見、ご質問を頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。まず、西委員、それから吉村委員、澤田委員の順番でお願いします。
○西委員 よろしくお願いいたします。まず、2の3のところで、「心身の」という、心という感じを出していただいたことにお礼を申し上げますのと、先ほどの資料1でも、メンタルヘルス不調に関して追記していただいたことに関して、お礼を申し上げます。その上でのご提案ですけれども、やはり、繰り返しになりますけれども、項目数が増えるわけでもありませんので、そのメンタルヘルスの3つの目標をまとめて、心の健康という中カテゴリーを作っていただくことを、引き続きぜひご検討いただきたいというのが、1つ目のご提案になります。
 それが1つ目なんですが、何らかの事情で、どうしてもそれがかなわないという場合の代替のご提案ですけれども。この、今、3の3の4と5にメンタルヘルス関連の目標が入っておりますが、これ、以前ご提示いただいてたものでは、3の1に入っていたと思います。基盤整備ともいえますけれども、社会とのつながりの維持・向上ともいえると思いますので、代替のご提案としまして、3の3の丸4、丸5を、再度、3の1の丸4、丸5に戻していただいた上で、3の1の中カテゴリーを、今、「社会とのつながりの維持・向上」となっていますのを、「社会とのつながりと心の健康の維持・向上」というふうにしていただけないか。もちろん、「心の健康」が独立した中カテゴリーになるのが、最も望ましいと思っておりますが、それがどうしてもかなわない場合の代替の提案として、それを提案させていただきたいと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、続きまして、吉村委員、お願いします。
○吉村委員 吉村です。よろしくお願いします。私、ライフコースについて、前回の会議でも、ここは再掲が多いということで、少しご考慮いただければということを言っていたんですが、今回、あまり変更がなくて残念に思っております。特に、私の高齢者の部分についてなんですけども、何回もしつこく言うようなんですけども、高齢者のBMIが低いのと、例えば、若い子のBMIが低いのというのは、やはり意味が違うはずです。ですので、ここで再掲という形ではなく、高齢者の低BMIを防ぐという形で、括弧20以下、それでその後ろに、例えば、高齢者の場合は、フレイルの予防に貢献するとか、そういうふうに、フレイルという言葉を何とかして入れていただけないかというのが、私のご提案でございます。
 というのは、このロコモフレイルというのは、高齢者の要介護予防の両輪でございまして、70以上の学会がフレイル・ロコモ宣言というものを共同で発出いたしまして、全ての学会が、それらを予防するためのアクションを行うということを、今年の4月1日に発表したばかりでございますので、そこはぜひ、お考えいただきたいということが一つ。
 それから、もう一つは、脂質高値というふうにご訂正なさったということですが。確かに、目標値から見ると、脂質高値で間違いはないんですが、ここは、脂質異常を少しご考慮いただきたいと思います。というのは、脂質低下、コレステロール値低下などが、高齢者フレイルの予防に影響するという論文もございますので、その文章、目標値自体は高値でいいかと思うんですが、高値に偏ってしまうと、今度、低値のほうが軽視される可能性がございますので、そこを少しご考慮いただけたらと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、澤田委員、お願いします。
○澤田委員 澤田です。資料2について、提案させていただきます。先ほどの吉村委員のコメントに関連した提案になります。先ほど、資料1の記載順について提案させていただきましたが、その理由の一つが、こちらの資料2の見え方に関連したものとなります。現在、「4」の「ライフコース」が再掲のオンパレードになっていて、一見、重要性が低いような印象を与えてしまっていると思います。資料1の記載順を変更するのに併せて、2のほうの記載順を変更することによって、ライフコースの再掲というものが消えてライフコースの重要性が低いような印象を与えることを避けることが可能になると思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。今まで3名の委員からご意見いただきました。これにつきまして、事務局からご対応お願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。西先生からいただきました、こころの関係でございますけれども、こころの関係につきましては、先ほど申し上げたとおり「心身」といった言葉を入れさせていただいたところでございまして、ここは、以前も申し上げたかもしれませんけれども、その自治体での取り組みといったものを鑑みまして、あるいは、その精神保健分野での連携だったり、あるいは、さまざまな疾患との関連性といったところで、こうした文章と、あるいは構成というふうにしているところでございます。
 3の3のところの④、⑤、3の1に移管するというご提案について、すいません、私の説明が抜けていたのですが、3の3ということで、まさに先生がおっしゃるとおり、その基盤整備の要素が強いのではないかということで、移させていただいたところでございますが、そうしたご提案といったものも含めまして、内容、あるいは取り方、先ほど申し上げたとおり、省内の担当部局、労働部局とも調整しているところでございますので、そうしたご提案も受け止めさせていただいて、どういったものがあるようか考えたいと思います。
 吉村先生から頂きました、ライフコースの関係でございますけれども。BMIの意味合いが違うというのは、ご指摘のとおりかと思いますが、ここ、目標に全て書き切るというのは、冒頭申し上げましたとおり、項目がある程度、まさに目標項目として、別の指標というのを分けてシンプルにしたというところでございます。今後、その参考資料を、なぜ、この目標だったり指標を取るのかといった資料を作っていく際に、そうした内容も入れていくということも併せて考えたいというふうに思っているところでございます。
 澤田先生から頂きました、全体の構成の入れ替えと再掲といったところは、全体の構成につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、全体としてどういう伝え方をするかというところも関わってきますので、すぐに変えますということを、今すぐには申し上げることはできないんですが、見せ方も含めてのご提案というふうに理解しておりますので、先生のご指摘も踏まえながら、どうやったらそれぞれの重要性というのがきっちり伝わるかというのを考えたいなというふうに考えてる次第でございます。
 吉村先生から頂きました、すいません、飛ばしてしまいましたが、脂質の関係は、何を重点的にこの健康づくりで見ていくかというところとも関連するのかなとも思いますので、ご指摘として、まずは承りたいと思います。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは、近藤尚己委員、お願いします。
○近藤(尚)委員 2点あります。1点目、先ほど、西委員からありましたように、心の健康についての項目立てをすべきではないかというご意見ありましたが、私もそれに賛同いたします。健康の定義、身体的、精神的、社会的に良好な状態であるというWHOの定義にございます、こういった分け方の観点で、今のこの健康日本21のプランの中で、精神的健康っていう部分が、ちょっと一段下がっているように見受けられますので、その点、私からも項目立てすることをお願いしたいと思います。
 もう一点は、これは、私から繰り返しになりますが、健康格差に関しての目標は、前回からほぼ増加していないという点に、やっぱり懸念を感じます。資料1にありましたように、理念として「誰一人取り残さない」ということを言う以上、それをモニタリングしていくための指標というのは大事だと思います。現行では、都道府県による健康格差のみを、健康寿命に関して取り上げておりますが、誰一人取り残さないということは、個人単位で健康状態を見ているということですので、やはり、個人の置かれた社会環境、社会、経済的な状況による健康状態の格差といったものも、1項目でも2項目でも、目標として入れるべきではないかと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、尾島委員、お願いします。
○尾島委員 私からも、今の近藤尚己委員と似た意見になりますが、心の健康についてです。今回、例えば、医療計画と期間が整合するようにということで、他の計画との整合ということも意識しながら作っていただいていると思います。医療計画の5疾病という時に、一つ、精神というのが入っていて、それ以外の疾病は、今、ちゃんと対応がつくかなと思います。それだけ、こちらの計画に項目として挙がってないっていうのは、不自然ではないかなと思いますので、入れていただいたほうが、他計画と整合が取りやすいかなと。データヘルス計画に向けた方針の検討などでも、メンタルヘルスなど位置付けられていますので、入れていただけるといいと思います。
 もう一つですが。前回と今回で、目標指標で一つ注目していますのが、スマート・ライフ・プロジェクトのところが、1群ということで位置付けていただいた点です。前回までは、企業等登録数として4群だったんですが、これを移動しますと、今、4群で残っていますのが、20歳未満の喫煙と飲酒の2指標だけになります。例えば、イギリスなどでは、目標は立てないけども、いろんな指標をモニターしながら健康づくりを進めるという戦略にしておりまして、この4群の指標について、目標は定めないけどもモニターするという位置付けにしてはどうかと思っています。その4群の中に、今、近藤尚己委員からご提案がありました、健康格差についてですとか、あと、「誰一人取り残さない」ということに関して、障害がある方や、重篤な疾病のある方に関する指標とか、そういうもので、今の段階で目標を入れるのは難しいけども、モニターしていくべきというものを入れてはどうかと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、黒瀬委員、お願いします。
○黒瀬委員 ありがとうございます。まず、2の2の括弧3の糖尿病のところの丸1なんですけども。以前から申し上げているように、確かに、現在の課題として、糖尿病腎症というのは、非常に大きな問題であることは間違いありませんけれども、やはり、今後増えてくるであるであろう腎硬化症等も含めて、CKDという考え方をやはりここに入れていただきたい。場合によっては「糖尿病性腎症および腎硬化症などを含むCKD」というような表現でもいいですので、できる限り、ここにその項目として入れてあげるのが、10年後先の日本のことを考えた時に、必要なのではないかなというふうに感じています。
 それと1点、先ほどの骨子案のほうで、ごめんなさい、発言をし忘れたんですけども。先ほど、災害の件をご指摘いただいた委員の先生、いらっしゃいますけども、私も全くそのとおりだと思います。やはり、気候変動によって、甚大災害が非常に多くなってきている。それによって、医療の継続ですとか、あるいは保健医療活動の継続ということが阻害される可能性が非常に高いので、国土強靭化ということも含めて、われわれもその視点を入れておくという必要があるということは、大切な視点かなというふうに思います。以上でございます。ありがとうございました。
○辻委員長 ありがとうございます。ただ今、3名の委員からご質問、ご意見いただきました。これにつきまして、事務局から対応お願いいたします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。近藤尚己先生から頂きました、こころの健康については、先ほど西先生にお答えしたとおりでございまして、そこの部分は、自治体の精神保健の所管部局がある中でどういったやり方が、見せ方があるのかと。われわれのその健康づくりというところが、連携をして、精神保健分野と連携して、うまくやっていくというほうが実質にも合うのではないかといったことも、ご意見としてはあるかと思いますので、そうしたことも踏まえながら考える必要があるかと思ってございます。
 健康格差につきましては、前回の資料3でございましたとおり、評価あるいは分析をするところで、性、年齢、階級別と併せて、都道府県あるいは社会環境、社会経済の別の格差というものもしっかり分析するといったことをお伝えさせていただいたとおりでございます。なので、ここの部分についての重要性ということ自体はあるんですけれども、ここの目標の中に入れるだけではなくて、全体のトータルパッケージの中でどのようにやっていくか。実際の自治体において、保険者の現場において、ある程度、やはりリソースも限られているという事実もございますので、全てやり切るのではなくて、仕分けというのが必要ではないかというふうに考えてる次第でございます。
 尾島先生からおっしゃっていただきました、1点目のこころの健康は、先ほど申し上げたとおりでございます。2点目の4群の取り扱いに関連してでございますが、目標は立てないけどもモニタリングするのみであるということにつきましては、従前から申し上げておりますけれども、ここに入れるのではなくて、参考資料として、こういったものもあるのではないかといった示し方だったりとか、いろんなやり方があるというふうに考えてございます。また、前回、資料3でお示ししたとおり、この目標だけではなくて、もう少し分析というのもしっかりやっていったほうがいいのではないかということを、この委員会でも、先生方にはおおむねご了承いただいたというふうに認識してございますので、そうしたことを、自治体等にもお示ししていくといったことで、トータルとしてやっていただくということを、うまく見せられればいいなというふうに考えている次第でございます。
 黒瀬先生から頂きました関係でございますが、CKDにつきましては、先生おっしゃるとおり、課題としてはあるというふうに認識はしておるところでございますけれども、生活習慣病関係につきましては、ある程度、その生活習慣の改善によって予防可能であるかというのが目標立ての一つのポイントだというふうに考えてございます。CKDにつきまして、予防可能な部分もあるとは思いますけれども、一方で、CKDに起因する透析導入患者のおよそ半分が、例えば、慢性糸球体腎炎だったりするといったところで、少し他の疾患とは違うのかなというところを感じているところでございます。ただ、繰り返しになりますが、先生おっしゃるとおり、CKD自体が非常に重要だとは思いますので、何か、この目標だけではなくて、他の部分でしっかり取り込みをして、示していくということが一つあるのかと思いますので、その部分については、しっかりと検討したいというふうに考えているところでございます。
 骨子案の災害の部分につきましては、先ほど申し上げたとおり、どこかにうまくお示しをできて、伝えればいいのかなと、自治体等に伝えれらればいいのかなというふうに考えてる次第です。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。それでは、引き続きまして、岡村委員、それから津下委員、お願いします。
○岡村委員 先ほどの吉村委員の言われた脂質異常症のところの追記なんですが。循環器のところに入ってるということで、要するに、高いほうにターゲットを入れてっていうことの記載になってるっていうことを補足しておきたいと思います。循環器のほうで、低いのを上げるっていう治療戦略ってあり得ないのでっていうことで。ただ、観察研究等で、低いほうでいろいろ不都合が出る、フレイルとかも含めてっていうのは十分承知しておりますので、それがあるので、血圧のように全部下げるというのにはしてないっていうのが、実際のところは背景としてございます。ただ、観察研究でいろいろありますということであれば、どこかで追記とかはしてったらいいのかなというのは思っておりますけれども、場所が循環器のとこなのでっていうことで、ちょっと補足です、これは。
○辻委員長 ありがとうございます。では、津下委員、お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。まず一つは、指標の構造についてですけど。二次の時には、健康寿命の延伸、健康寿命を縮める原因は何だろうっていうことで、がん、循環器、糖尿病、そして、それに関連する生活習慣として、栄養・食生活とか、そういうブレークダウン形式で構造を示しました。第二次の評価の結果、生活習慣関係についてはいい面もあるけれども、特に、2の1の項目については、悪化しているところも多かったっていうことで、より強調する意味で、2の1が上に来たのかなというふうに理解していますけれども。二次の時がブレークダウン方式だったところから、順序が逆になっているいうところについても、説明が何か必要なのかなと思いました。
 それから、誰もがアクセスできる健康増進のための基盤整備で、これまでも、近藤尚己先生からも出てきていることでもありますけれども、セーフティーネット的なことも一つ、この指標の中に欲しいかなというふうに思います。スマートライフとか健康経営とか、やる気があるところが頑張っていく環境づくりというのもあるんですけれども、誰も取り残さない、ということに対する指標、例えば、生活保護受給者に対する健康管理をしっかりやってる自治体とか、何かそういうセーフティーネット的なものに対応する指標が一つ入るといいのかなというふうに考えました。
 それから、4のライフコースのところですけど。全体的にみて、例えば、1の分野だと、どうしても成人の話が中心になっているんですけど、4の1では、子ども、高齢者、女性というテーマにおいて、例えば、運動も口腔も指標には上がってないんですけど、今指標としてあがっているのは、代表的な一つであって、ライフコースの部分については、指標ありきというよりも、分野横断的に検討していったり、進めていく方法を検討すべきと思います。生活習慣の分野縦割りではなくて、一緒にいろんな分野のデータを見ていく、そういう仕組みをつくっていくことが重要と思います。対象者層に合わせて分野横断的に検討していくという方針を、次期の参考資料の中できちんと示していくことが必要ではないでしょうか。そういう検討を経た上で、ここに各分野に代表的な項目を指標としてあげていく。さらにその次に向けて必要な指標を検討していってもいいのではないかと思いました。今回は指標としては再掲で仕方がないとしても、やはり、重要なポイントであることを、しっかりと記載していただきたいなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。ただ今、2名の委員からご意見いただきました。これにつきまして、事務局からお願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。岡村先生からは、ご意見というよりは補足を頂いたという認識でございますので、そうした考え方で岡村先生含め、ご議論させていただきたいということでございます。
 津下先生から頂きました、今回、なぜ、生活習慣とか個人の行動と健康状態の改善のほうが上に来ているかというところは、以前も別の先生からご指摘を頂きましたが、その目標の考え方とか、どういうリーズニングなのかとか、そういったところと併せて示していくといったところで、重要なポイントだというふうに認識してございます。そういった点も含めまして、順番も見せていく必要があろうというふうに考えてございます。
 誰もがアクセスできるための基盤の整備というところの目標の追加でございますけれども、そこは、先生のおっしゃるとおり、「誰一人取り残さない」ということを今回申し上げているところでございますが、全体の整合性の中で考えたいというふうに考えているところでございます。
 ライフコースにつきましては、先生おっしゃるとおり、この目標としては、残念ながらこれというところではなくて、再掲というふうにしているところでありますので、その伝え方、この目標値ありきではなくて、どういった、考え方として、どういうアプローチとしてやっていただくのがよいのかということを、今回、改めて、あるいは新たに自治体等にお示しするという趣旨でございますので、そうしたことも鑑みながら、この見せ方というのが、「これだと、確かに」というところもありますので、その辺も含めて検討したいと思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。まだ予定の時間よりも若干余裕ありますので、これまでのご議論を踏まえまして、新たに、あるいは、既にご発言された方が、事務局からのお返事に対して、さらにということ、何かありましたらば、お受けしたいと思います。どうぞ、挙手をお願いしたいと思います。近藤克則委員。
○近藤(克)委員 はい。今もご説明いただいて、それなりの理由があるのだなって思いました。ただ、この目標というのが、一人歩きするというか、目立ってしまうものですから、今言われたような背景とか、どういう考え方で約50の目標を選んでいるのか。ここに載ってないものも、モニタリングするというようなことを、ぜひ、本日の資料1の3ページから4ページにかけて、目標の設定と評価っていう項目とか、目標の設定の考え方という項目がありますので、そこに盛り込んでいただきたいと思いました。数はこれ以上増やせないと、しかし、モニタリングはここに数値目標は示さないものも含めてやってくんですよとか、その間の関係であるとか、そのあたりを、ぜひ、資料1の骨子のほうに記載していただきたいと思いました。
 あと、先ほど何人かの先生が言われた、心の健康っていうのが、やっぱり、身体と心と社会、これが3本柱だっていうのは、目標のところの構造でも見えるような形にしていただきたいなと。他の法律との関係があるというのは分かりましたが、普通の人が、そういうことが分からないままこれ見ると、心の健康ってあんまり重要じゃないんだという誤ったメッセージが届かないように、ぜひ、いろいろ工夫をしたり、説明を書き残していただきたいなと思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他にどなたかいらっしゃいませんか。よろしいですかね。いらっしゃらないのであれば、私からも一言申し上げたいと思います。今まさに、近藤克則委員がおっしゃったとおりで、心の健康の話について、新しい次期プランを、最終的に出来上がった文章を見た国民や自治体の方々がどう思うかというと、今、近藤委員がおっしゃったような懸念が私にもあります。
 もう一つは、一定数の方々が、第二次と次期プランとを、比べて見たりすると思います。そうしますと、第二次では、心の健康というのが一つのセクションとしてまとまっていたのが、それが次期プランでは、いくつかの場所にあいまいに分散しているかなという印象を与えることになると、国民健康づくり運動の中で、心の健康というのが何かグレードダウンしているんじゃないかという、全く誤った理解をされかねないということを、私も大変懸念しています。その辺、さらにご検討いただきたいということ。
 もう一つ、格差の問題は、今後、広まる一方でありまして、次期プランが目標にしている2035年になると、日本人の体の健康自体が、心の健康とその格差によって、相当大きな影響を受ける状況になると思いますので、その辺のことがきちんと分かるように書き足していただきたいということをお願いしたいと思います。
 他に、皆さんからございますか。よろしいですか。それでは、事務局からご対応を頂いて、この議論を閉じたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
○山本健康課長補佐 ありがとうございます。今、頂いたとおり、全体像をいよいよ示していく必要がある段階に移りつつあると思っております。年明けにつきましては、この目標がどうしてこうなっているのかだったり、あるいは、全体の、以前から申し上げておりますとおり、アクションプランというか、どう推進していくかと、インプリメンテーションどうするかというところを、体制も含めてお示ししていくことが重要だというふうに考えてございます。そうしたもののトータルパッケージとしてお示ししていく段階に移りつつあると思いますので、そうしたものをうまく伝えながら、自治体と現場、どう回っていくかというところを鑑みたいというふうに思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。きょうの委員の皆さまから、大変貴重なご意見を頂きましたので、また引き続き、事務局におかれましても、ご検討、ご修正よろしくお願いしたいと思います。では、続けて、資料3について、事務局からご説明をお願いいたします。
○小嶺歯科口腔保健推進室長 事務局でございます。医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室から、資料3についてご説明させていただきます。資料3に関しましては、次期国民健康づくり運動プランの歯・口腔領域に関する事項についてでございまして、先ほど、事務局からも追って説明すると申しました、歯・口腔領域に関してご説明いたします。
 ページをおめくりいただきまして、2ページ目をご覧ください。次期プランにおける歯・口腔領域の検討の進め方についてとしてございますけれども、現在、歯・口腔領域に関しては、栄養部会の下にございます歯科口腔保健の推進に関する専門員会において、歯科口腔保健の施策等を総合的に推進するための事項について定めてございます歯科口腔保健の推進に関する基本的事項について議論をしておるところでございます。
 この歯科口腔保健の推進に関する基本的事項でございますけれども、次期プランの歯・口腔領域の内容に関しまして、非常に内容面で関連が強いものでございますので、次期プランの歯・口腔の内容に関しましても、歯科口腔保健の推進に関する専門委員会で議論をするとされておるところでございます。このため、今、歯科口腔保健の推進に関する専門委員会で、まさに議論をしておるところでございます。このため、歯科専門委員会での議論の状況について、ご説明させていただきたいと思ってございます。
 資料をおめくりいただきまして、3ページ目にお進みください。次期歯科口腔保健施策の推進に関する基本的事項における歯科口腔保健パーパスの案をお示ししてございます。歯科におきましても、次期の基本的事項が目指していく方向性を明確化して、実現していくことを目的といたしまして、歯科口腔保健パーパス、いわゆる社会的な存在意義ですとか、目的、意図といったものを設定したいと考えてございまして、議論されておるところでございます。
 その内容について、簡単にご説明させていただきます。まず、左側にある、これまでの成果という箱でございますけれども、現行の基本的な事項が策定されて以来、こどものう蝕の減少ですとか、あるいは高齢者の歯数の増加、いわゆる8020といったものでございますけれども、こうしたものに見られる口腔衛生状態の改善傾向、あるいは、歯科保健医療へのアクセスが困難な者への対応の改善が見られておるところでございます。また、自治体によって、口腔の健康づくりへの取り組みの推進ですとか、国民の歯科口腔保健への関心の向上といったものが、これまでの歯・口腔の健康に関する取り組みの成果として、ご議論いただいたところでございます。
 また、今後、歯科口腔保健が取り組むべき課題といたしまして、右側の緑の箱でございますが、例えば、現行の基本的事項において一部の指標が悪化してございますので、そうしたところに対する取り組みですとか、定期的な歯科検診の受診率をさらに上げていくこと、また、歯科・口腔の領域におきましても、いわゆる健康格差について地域格差も含めまして指摘をされておるところでございまして、こうしたところへ取り組んでいくことが必要ではないかと、ご議論いただいております。
 また、地方自治体における課題といたしましては、自治体内外での関係部局、関係職種、職域との連携、そして、PDCAサイクルの推進が不十分ではないかといったご指摘が、今後の課題として議論されておるところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、黄色の箱の予想される歯科口腔保健を取り巻く環境の変化でございますが、歯科口腔保健においても、総人口の減少、こども・若者の減少、また、高齢化の進展、そして、デジタルトランスフォーメーションが加速すること、また、PHRを含めたデータヘルスのさらなる活用、こうした変化にも、歯科口腔保健としてもしっかりと対応していかなければならないのではないか、というご議論をいただいているところでございます。
 以上を踏まえまして、歯科口腔保健パーパスとして、下の赤い箱でございますけれども、全ての国民にとって、健康で質の高い生活を営む基盤となる歯科口腔保健の実現を、設定いたしまして、下の1つ目の丸でございますけれども、個人のライフコースに沿った歯や口腔の健康づくりを展開できる社会環境の整備。また、2つ目でございますけれども、より実効性を持つ取り組みを推進するために適切なPDCAサイクルの実施に取り組むといったところでございます。
 具体的には、下段に細かく4つの内容をポツでお示ししてございますけれども、例えば、個人の特性・背景に配慮しつつ、さまざまなライフステージにおける課題に対する切れ目のない歯科口腔保健を展開することによりまして、個人のライフコースに沿った支援を実現していく。また、さまざまな担い手が有機的に連携することによる社会環境の整備。そして、基本的な歯科口腔保健に関する情報収集体制あるいは管理体制の確立、地域における適切なPDCAサイクルを実行できるマネジメント体制の強化、こういったものに取り組んでいくといった方向性を、お示しをしております。
 おめくりいただきまして、4ページ目にお進みください。次期基本的事項のグランドデザインでございますが、今、ご説明いたしましたような歯科口腔保健パーパスの具体的な実現に向けて、歯・口腔の健康づくりの施策に取り組む方向性として、グランドデザインをご議論いただいておりますので、こちらに関しても、ご紹介させていただきたく思ってございます。
 まず、赤の箱でございますけれども、例えば、歯・口腔の健康が関わる疾病の予防、重症化予防を達成することによりまして、適切な食生活の実現ですとか、社会生活の質の向上といったことに寄与するとともに、健康寿命の延伸、それから健康格差の縮小といったものに歯・口腔からもしっかりと寄与できるという観点を踏まえまして、歯科口腔保健の施策に取り組んでいくといった方向性をお示ししておるものでございます。
 下の箱でございますけれども、こうした健康格差の縮小や健康寿命の延伸に寄与するために、まず、健康で質の高い生活のための歯科口腔保健の実現ですとか、歯・口腔の健康格差の縮小、こうしたものを達成していく必要があるのではないかというところで、例えば、具体的には、歯・口腔の健康のための個人の行動変容、先ほどもご議論あったようなヘルスコミュニケーション、こうしたものも含めたものでございます。こうしたものを通じまして、まずは、器質的な側面といたしまして、良好な口腔領域の成長発育、あるいは歯科疾患の発症予防、歯科疾患の重症予防、これには、う蝕や歯周病の対策も含まれますけれども、こうした発症予防、重症化予防をしっかりと行っていくという器質的な側面でございます。
 そして、機能的な要因といたしまして、口腔機能の幼少期の獲得ですとか、あるいは、しっかり成人期以降において維持していく、また、機能が低下した場合は、しっかりと向上を図っていくという機能的な要因への取り組みを通じまして、生涯にわたる歯・口腔の健康、こういったものを達成していくというところで、最終的な上の青の箱でございますけれども、歯・口腔の健康格差の縮小ですとか、健康で質の高い生活のための歯科口腔保健を、しっかりと実現を図っていくというところでございます。
 今、申し上げたような、歯科口腔保健を実現していくというもののためには、一番下の緑の箱でございますけれども、歯科口腔保健の推進のためには、社会環境をしっかり整備していく必要があるのではないかというところで、例えば、その要素として、誰一人取り残さないユニバーサルな歯科口腔保健を実現するための基盤の整備という視点、それから、歯科口腔保健を通じた医療への橋渡しというふうな観点でございます。
 この中には、歯科検診を行うことによって、歯科治療が必要であるが、歯科診療を受診してない方を、歯科医療機関の受診につなげる。あるいは、必要に応じて、歯科から医科への紹介を行うといった医科歯科連携。こうした歯科口腔保健を通じた医療へのスムーズな橋渡しという趣旨でございますけれども、こうした要素を示してございます。
 そして、最後でございますけれども、国や地方自治体における歯科口腔保健が関わる母子、児童、労働、高齢者等々のさまざまな関係部局や医療保険者、その他関係者間とのしっかりとした有機的な連携を図っていく。こうした社会環境の整備を達成していくという、健康づくりを進める上での方向性を、お示しをしております。
 おめくりいただきまして、5ページ目にお進みください。歯科口腔保健の推進に関するロジックモデルの考え方について、といった資料でございます。今、ご説明いたしました、歯科口腔保健パーパスを踏まえた次期歯科の基本的事項の指標の策定に際して、参考となるロジックモデルをご議論いただいておるところでございます。
 こちらに関しましては、まず、インプット、ストラクチャーの要素といたしまして、例えば、都道府県による市町村支援、歯科口腔保健施策に関わる歯科専門職の配置・養成といった、自治体等における歯科口腔保健に関する体制整備の取り組み。また、2つ目の箱でございますけれども、歯科検診事業と、あるいは歯科保健指導事業、こうした地方自治体による歯科口腔保健事業の実施。そして、最後に、歯科医療機関等による歯科保健、歯科医療提供体制の確保といった、インプット、ストラクチャーの要素。
 そして、その横にございますけれども、例えば、歯科口腔保健に関わる行政職員の確保・資質のさらなる向上ですとか、PDCAサイクルに沿った効果的な歯科口腔保健の推進といった、歯科口腔保健をさらに推進するための社会環境の整備。また、歯科口腔保健の意識への向上ですとか歯科検診の受診といった、個人のライフコースに沿った歯科口腔保健へのアプローチといったアウトプットの要素です。
 そして、一番右側の箱になりますけれども、アウトカムといたしましては、う蝕の減少、未処置歯の減少、そして歯周病の予防、こうしたことによる歯の喪失の防止、あるいは口腔粘膜疾患、そういった疾患の減少といったことも踏まえました歯科疾患の予防ですとか、重症化予防。また、口腔機能の獲得・維持・向上といった側面では、口腔習癖の改善ですとか、あるいは咀嚼良好者の増加、こうしたものによって、口腔機能をしっかりとしていくといったアウトカムです。
 こうした歯科疾患の予防ですとか、口腔機能の獲得・維持・向上、こうしたものを踏まえて、生涯にわたる歯・口腔の健康を達成していく。こうしたことによって、社会としては、歯・口腔の健康格差の縮小を図っていく。また、歯・口腔の健康が関わる疾病の予防・重症化の予防の観点をアウトカムとしてお示しをしておるところでございます。
 また、一番下の赤の箱ですけれども、こうしたアウトカムを通じまして、社会に与えるインパクトといたしまして、先ほどご説明したような適切な食生活の実現ですとか、社会生活等の質の向上によって、健康寿命の延伸ですとか健康格差の縮小、こういったものに寄与していくといったロジックモデルを、考え方としてご議論いただいたところでございます。
 ページをお進みいただきまして、6ページ目をご覧ください。こちら、参考としてございますけれども、今まで、歯科の専門委員会でご議論いただきました、次期歯科の基本的事項の指標の案といったものでございまして、具体的には、17程度の大臣告示とする指標をご議論いただいてございまして、それぞれ、例えば、口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小ですとか、歯科疾患の予防、こうした5つほどの基本的な歯科の方針に沿った指標を、ご議論いただいておるところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、7ページ目をご覧ください。次期国民健康づくり運動プランについてでございますけれども、こうした今までの歯科の状況、指標も含めてご議論いただいたものの中から、次期の国民健康づくり運動プランにおける歯・口腔領域の指標として、3つの指標を、歯科のほうでは議論いただいておるところでございます。3つ、それぞれをご説明いたします。
 まず、1つ目でございますけれども、40歳以上における進行した歯周炎を有する者の割合の減少でございます。健康づくりの中で、糖尿病、こうした生活習慣病がございますけれども、こうした疾患と歯周病との関係性といったものは指摘をされておるというところでございまして、歯周炎の割合について、指標としてはどうかとしたところでございます。
 また、2つ目といたしましては、50歳以上における咀嚼良好者の割合の増加をお示ししてございますけれども、こちらに関しましては、健康づくりの中で、栄養・食生活もございますので、この観点から、歯・口腔の役割として、しっかりかんで食べるというところで、咀嚼良好者といった割合、こういった形での貢献ということで、こちらの指標をご提案を頂いておるといったところでございます。
 今、ご説明した2つは、基本的に歯科疾患、あるいは口腔機能といった、先ほどの観点でいえば、アウトカムに近いような指標でございます。最後の指標ですけれども、過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加というところでございまして、いわゆる歯科検診の受診というのは、早期発見ですとか、早期治療を含めて、歯・口腔の健康づくりに大きな役割を果たすものでございますので、ストラクチャーに近い指標といたしまして、歯科検診の受診率を3つ目の指標としてお示しをしておるところです。
 まとめますと、40歳以上における進行した歯周炎を有する者の割合、それから、50歳以上における咀嚼良好者の割合の増加、そして最後に、過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加といった、3つの指標をお示しいただいておるところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、8ページ目でございますけれども、こちら、参考といたしまして、健康日本21第二次における歯・口腔の領域について、現行の指標をお示ししておるものでございます。事務局からは以上でございます。
○辻委員長 どうもありがとうございました。資料3につきまして、委員の皆さまから、ご質問、ご意見いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。ございませんでしょうか。福田委員から、何か補足とかご追加とかございますか。
○福田委員 ありがとうございます。歯科口腔保健推進に関する専門委員会の委員長も務めております福田でございます。委員会では、これらの項目出しをする際に、歯周疾患だけでよいのかとか、あるいは高齢者に偏っているのではないかとのご意見をいただきました。これらのアウトカム指標を達成するための取り組みの中には、う蝕予防対策、あるいは乳幼児期から成人期への対策等も含んでおります。これらの取り組みも同時に実施することを、ご理解いただければと思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他に、委員の方から何かございますか。では、尾島委員、その後、津下委員、お願いします。
○尾島委員 たくさんの指標を検討されているなかから重要な指標を厳選いただいたと思います。次期プランの評価指標案となっているもののデータソースについて、歯科疾患実態調査なのか、どういうものから取ってくるのか、現時点での案などがありましたら、教えていただければと思います。
○辻委員長 では、津下委員、お願いします。
○津下委員 8ページにさまざまな指標が検討されている中で、子ども、ライフコースというか、乳幼児、学童期のう蝕、このあたりは、子どものころの基本的な生活習慣の確立と関係があり、また、健康格差の最初の一歩として重要な項目と思っておりましたので、子どもの頃の歯・口腔の指標が一つ入るといいのかなと思っております。
 といいますのは、もう一つは、今、尾島委員からもご指摘がありましたけれども、40歳以上の歯周炎、または50歳以上の咀嚼良好者、これは歯科検診なのか特定健診の質問から出るのかどうなのかっていうことですが、客体数とか信頼度も考慮すべきかと思いました。また、40歳以上の歯周病が50歳以上の咀嚼良好者の割合が密接に関連しているとすれば、どちらかを採用してもよいかもしれないと思いました。そんなような印象を持ったんですけれども、いかがでしょうか。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、尾島委員、それから津下委員からコメントいただきました。これにつきまして、事務局、お願いします。
○堀歯科口腔保健推進室主査 事務局でございます。今、尾島先生からご質問いただきましたデータソースに関してでございますけれども、1つ目の、40歳における進行した歯周炎を有する者の割合に関しましては、歯科疾患実態調査の指標を活用したいと考えてございます。一方で、50歳以上における咀嚼良好者の割合の増加、また、過去1年間に歯科検診を受診した者の割合の増加に関しましては、国民健康・栄養調査において、この調査項目を現行でも使用してございますので、そちらを活用したいと考えておるところでございます。
 また、津下先生からご指摘いただきました、こどものう蝕に関しましてですけれども、資料6ページに記載がございますどおり、歯科の基本的事項においては、例えば、健康格差の縮小の観点から、3歳児で4本以上のう蝕がない者の割合の増加、両括弧1でございます。また、両括弧2では、例えば、12歳児でう蝕のない者の割合が90パーセント以上の都道府県の数の増加というものを設定しているところでございます。こどものう蝕に関しても、歯科の指標ではご議論をしっかり頂いたところでございますけれども、なかなか今回、指標の数の関係というところもございまして、次期のプランでは、先ほどの3つの指標を、歯科の専門委員会のほうではご議論いただいたというところでございます。ただ、先生の頂いたご指摘も踏まえて、また事務局の中でも、しっかりと再度検討していきたいと思ってございます。事務局からは以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございます。では、北原委員、お願いします。
○北原委員 北原です。すいません。基本的なところを教えてください。ここで書いてある歯科検診の「けん」の字が2種類使い分けてるのと、使い分けてないのがあるんですが、歯科の領域におけるこの「検」と「健」の使い分けは、具体的にどういうところなんでしょうか。職域だと、特殊健診というのがあって、そこの健診というのがありますけれども、この中でいう「検」と「健」の使い分けについて、教えてください。
○辻委員長 事務局、お願いします。
○堀歯科口腔保健推進室主査 歯科保健課でございます。今、北原先生からご質問いただきました、歯科における健診の用語の使い分けの点でございますけれども、歯科でも主に特定の疾患を確認するという検査に関しましては、「検診」という用語を用いておるところではございますけれども、一方で、今しがたご説明いたしました歯科口腔保健の推進に関する基本的事項、こちらを策定すると定めております元の法律、歯科口腔保健の推進に関する法律という法がございますが、こちらで、「歯科検診」という文言、検査の「検」を使っておるといったところが現状でございまして、歯科のほうでは歯科検診という文言を使う際に、検査の「検」、そして括弧閉じで健康の「健」を使っておるといったところが現状でございます。なかなかややこしいところではございますけれども、こういった点をご理解いただけたらと思っておるところです。事務局からは以上でございます。大変失礼いたしました。
○北原委員 ありがとうございました。
○辻委員長 では、近藤尚己委員、お願いします。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。ロジックモデル等、誰一人取り残さないユニバーサルな歯科口腔保健実現するための基盤の整備等含まれており、非常に崇高な理念が書かれていて、素晴らしいなと思いました。歯科口腔保健は、生活困窮の状態が反映されやすい領域だと思っております。健康格差の観点でも重要で、特に子どもの口腔の健康については、家庭の教育歴や所得によって、う歯、つまり虫歯の数が最大10%ぐらい異なるなんていうエビデンスが、東北大の相田潤先生や、あとは、東京大学なんかがやってるJ‐SHINE、まちと健康の調査、あとは、足立区による独自の生活困窮世帯とそうでない世帯の間での口腔保健のモニタリング結果などで示されております。そのような社会的な困難による歯科口腔の健康格差については、この専門委員会の中でどのような議論がされたのかなというのを、もし、お時間があれば伺いたいと思いました。いかがでしょうか。
○辻委員長 事務局、お願いします。
○堀歯科口腔保健推進室主査 事務局でございます。ご指摘いただいたとおり、歯・口腔の領域に関して、やはり、健康格差が現れやすいですとか、健康格差自体も指摘をされておるところでございまして。例えば、6ページ目にお戻りください。基本的事項における指標案でございますけれども、大きく5つの方針がございまして、そのうちの一つ、一番上でございますけれども、口腔の健康の保持・増進に関する健康格差の縮小とされておりまして、まさに、今、先生がご指摘いただいたような、こどもにおける健康格差があるというところ、あるいは、社会的にもしっかり取り組んでいくべきではないかというところでございまして。例えば、1つ目の指標でございますけれども、3歳児で4本以上のう蝕のない者の割合の増加でございまして、いわゆる、多くう蝕があるような、社会的にネグレクトされてるような方々に対するアプローチといった観点の指標ですとか、下の箱の両括弧2の、う蝕がない者の割合に関してもそうでございますけれども、同様にこうした指標を設定するというところでは、対応しておるところでございます。歯科の専門の委員会のほうでも、先生ご指摘いただいたような議論がされておったといったところが現状でございます。事務局からは以上でございます。
○近藤(尚)委員 返答でよろしいでしょうか。
○辻委員長 どうぞ。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。私の質問も、この6枚目、7枚目のスライドあたりから来たんですが、これ、健康格差の縮小ということで書かれてるんですけれども、この6枚目のスライドに書かれてる3つというのが、都道府県、例えば2番目、12歳児でう蝕のない者の割合が90%以上の都道府県数の増加、これが、健康格差指標と言えなくもないなと思う以外は、基本的には、全体的な虫歯の減少というのを目指していますので、必ずしも健康格差の縮小の指標にはなっていないのではないかなと気になりました。そこ質問したことです。
 その7枚目のほうでは、さらに3個に絞られていますので、これも、やはり先ほど近藤克則先生からありましたように、全部を入れるのは難しいというのは分かりますので、やはり、何らかこういうことを検討して、社会経済状況による口腔の格差については、こうこうこういうふうなことを考えたっていうような理由の説明が、やはり、計画の中で示すことを、最低限やっていただけるとありがたいのではないかなと思った次第です。以上です。
○辻委員長 事務局、どうぞ。
○堀歯科口腔保健推進室主査 事務局でございます。説明が少々不足しており、大変失礼いたしました。先ほどの、例えば、「3歳児で4本以上のう蝕」に関しましては、現行の歯科口腔の基本的事項においては、3歳児でう蝕のない者の割合というより単純な数値目標だけだったところではあるのですが、歯科の専門委員会の議論でも、4本以上とすることで、今、先生にご指摘いただいたような、う蝕が多い小児に対する予防という観点で、こうした社会経済格差によるう蝕の多い方と少ない方の差というのを縮めていこうという背景がございまして、こちら、4本以上を、具体的にお示しをしておるといったところでございます。
 ただ、健康づくり運動プランのほうに、全ての指標を入れるということは、数の関係上、困難がございます。先生に今ご指摘いただいたような社会経済格差、その重要性を計画の本文の中でも、歯科のほうとしてもお示しをできるように、事務局としても検討していきたいと思っておるところでございます。
 また、加えて補足いたしますと、50歳以上における咀嚼良好者というもの、やはり、50歳以上でよくかめる状態にあるというところでは、先ほど福田委員からもご説明いただいたとおり、それ以前の時期からしっかりとう蝕予防ですとか、歯周病予防、しっかりしていく必要があると考えてございまして、その観点の取り組みの中でも、そうした健康格差、社会経済的に恵まれていない方々に対するアプローチの考え方といったものも、しっかりお示しできないかということを検討していきたいと思ってございます。事務局からは以上でございます。
○辻委員長 近藤尚己委員、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○近藤(尚)委員 よろしいです。結構です。ありがとうございました。
○辻委員長 ありがとうございます。それでは、ただ今、多くの先生方からご意見いただきましたので、それに沿って、事務局でさらに検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、以上で議題1、2についてのご議論いただきましたが、若干、まだ時間ございますので、委員の皆さまから、何か全体を通してご意見などございますでしょうか。まだ、ご発言いただいてない方も何名かいらっしゃいますので、もしよろしければ、いただければと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。特にございませんでしょうか。それでは。
○津下委員 すみません。私、何度も発言してるのでちょっと発言しにくいなと思ったんですけれど。1点、数字の見え方なんですけど、さきほどのう蝕でも、90%以上の者という、比較的いいデータを見ると、安心してしまう、軽く考えちゃう部分もあります。一方、例えば、「う蝕のある者が10%」とか、どちらにフォーカスをしていくかで、危機感が違うような気がします。大体の国民はいいんだけどねっていうような、全体を動かすポピュレーションアプローチなのか、ハイリスクアプローチなのかで、どちらにフォーカスしたほうが届きやすいっていうこともあります。アプローチ方法と併せて数字の見せ方についても、検討いただければいいと思いました。
○辻委員長 では、事務局から、答えはございますか。
○堀歯科口腔保健推進室主査 事務局でございます。今、指標の見せ方ですとか、指標数値設定の仕方という観点のご意見だったと思っております。実は、歯科の専門委員会のほうでも、同様に、あると見せるのか、ないと見せるのか、どちらが効果的に見せられるのかといったご意見も頂いておりますので、事務局でも、再度、全ての指標に関しまして、どういった見せ方をしていくのが適切かという観点も含めて、検討していく予定としてございます。ご意見ありがとうございました。事務局からは以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございます。他にどなたかございますか。よろしいでしょうか。それでは、ご意見ございませんようですので、本日の議論は、これまでとさせていただきたいと思います。最後に、今後のスケジュールなどにつきまして、事務局から説明お願いいたします。
○加藤健康課長補佐 今後のスケジュールについて、ご案内申し上げます。次回の委員会につきましては、今回の議論等を踏まえて、追って調整させていただきますので、お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
○辻委員長 それでは、本日の委員会を終了したいと思います。委員の皆さまにおかれましては、大変活発なご意見等、さらには、スムーズな議事進行にご協力いただきまして、どうもありがとうございました。では、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○一同:ありがとうございました。
 
-----了-----

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