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2022年12月8日 第4回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会(議事録)

○日時

令和4年12月8日(木) 13:00~15:00

○場所

AP東京丸の内 E+F+Gルーム(オンライン開催)
 

○議題

 <審議事項>
 

1.次期国民健康づくり運動プランの骨子について

2.次期国民健康づくり運動プランにおける目標について

3.その他

○議事

○加藤健康課長補佐 定刻になりましたので、ただ今から、第4回次期国民健康づくり運動プラン(令和6年度開始)策定専門委員会を開催いたします。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます健康局健康課の加藤と申します。委員の皆さまにはご多忙の折ご参加いただきお礼申し上げます。本日は、委員の皆さまにはオンラインにてご参加いただいております。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者、一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しております。議事に入る前に、ウェブご参加者への留意点、本日の出欠席状況についてご説明いたします。
 まず、オンラインでの参加の方に向けてお願いです。ビデオカメラはオンにしていただくこと。発言時以外は、マイクはミュートにしていただくこと。発言される場合には挙手をしていただくこと、委員長の方のご指名後、発言いただくこと。発言時にマイクをオンにしていただくこと。発言時に名前をおっしゃった上で発言してもらうこと。発言が終わったらマイクをミュートにしてもらうこと。よろしくお願いいたします。なお、本会議はYouTubeによるライブ配信を行っておりますので、委員会中のチャット機能による資料提示等はお控えいただきますよう、お願い申し上げます。
 次に資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないかご確認ください。座席表、委員名簿、議事次第がございます。資料として、資料1から資料3までの三つのファイル、および参考資料1から3が本日の配布資料になります。不備がございましたらお申し付けください。
 次に出席および欠席状況でございます。本日は、委員の方はウェブでのご参加になります。座席表上にご出席委員を記載しております。欠席委員につきましては、瀧本委員から欠席の連絡を受けております。
 それでは、以後の進行は辻委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 それではどうぞ皆さんよろしくお願いします。では、早速本日の議題に入りたいと思います。議題1について事務局からご説明お願いします。なお、資料は事前に送付されていますので、審議時間確保のため、説明は簡潔にお願いいたします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。続きまして、議題1についてご説明を申し上げます。資料1、次期プランの骨子(案)でございます。第3回のこの策定専門委員会、および栄養部会におきまして、こちらの骨子(案)を提示さしていただきまして、その委員会、あるいは部会でいただきました先生方からの意見を踏まえまして、修正をしているものになります。修正したバージョンで、またご審議をいただければというふうに考えている次第であります。細かい技術的な部分、修正している部分もありますけれども、内容的に大きく変わっているところについて、ご説明をしたいというふうに考えております。
 1点目でございます。1ページ目の二つ目の丸でございますが、多様な主体という、健康づくりに取り組む多様な主体につきまして、教育機関、民間団体といったところも追記をしてございます。同じページの4点目、白丸の四つ目でございますけれども、これまでの記載、高齢化あるいは独居世帯の増加といったもの、社会変化として記載しておったところでありますけれども、もう少し就労世帯での変化というものも記載すべきではないかというご意見頂戴いたしまして、少子化あるいは生産年齢人口の減少、あるいは、その次の点でございますけれども、育児・介護との両立の広まりといった点を記載してございます。加えまして、高齢者につきましても就労拡大するという旨を、記載を追加してございます。
 続きまして2ページ目に移ります。基本的な方向のセクションでありますけれども、一つ目、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の部分であります。こちらにつきまして、もともと前回は、健康寿命の細かいディテールについて、例えば政府で長期目標が立てられているとか、あるいは学術的に確立しているとか、そういったことを記載しておったところでございますけれども、そうしたものにつきましては、この後出てきます具体的な目標の設定の考え方の部分に移管をしておるものになります。もう1点。この一、健康寿命の延伸と健康格差の縮小の後半の部分ですが、「その際は」以降の部分でありますけれども、こちら、もともと三の社会環境の質の向上の部分にあった記載をこちらに動かしております。その趣旨といたしましては、動かしてきたもの、社会環境の質の向上と、個人の行動と健康状態の改善の関係性、あるいは、社会環境の質の向上自体が健康増進に重要であるという旨の記載でありますけれども、それは、社会環境の質の向上単品というよりは、二で出てきます個人の行動と健康状態改善とか、もう少し他の部分にもまたがる大きなお話でございますので、この一番の、一番大きな部分のところに持ってきたという修正の趣旨でございます。
 続きまして、三の社会環境の質の向上でありますけれども、これまで、この三つに整理をしたというふうにしておったところですが、順番といたしましては、自然に健康になれる環境づくり、社会とのつながりの維持・向上、基盤整備という順番にしておりました。ただ、改めてこちらでも検討いたしまして、自然に健康になれる環境づくりと、社会とのつながり維持・向上の順番を入れ替えてございます。この趣旨といたしましては、二番の、個人の行動と健康状態の改善の部分の最後にあります、生活機能の維持・向上といったところの部分につきましては、より、つながりとかあるいは居場所づくり、社会参加といった概念とも結び付きが強いところでございますので、文章の流れとして、社会環境の質の向上の三つの要素を入れ替えて、より現場にしっかりお伝えしたいという趣旨でございます。
 続きまして、3ページ目のライフコースの部分であります。ライフコースの部分については、前回お示しをした際、あるいは栄養部会においても、基本的な考え方だったり、コンセプト自体に異論があったというわけではないんですけれども、自治体を含めた現場にしっかりこの考え方を伝えるための書きぶり、定義付け、そういったものをどうやっていくかというところを、ご指摘いただいていたかと考えております。ライフステージという言葉につきましては、現行、第二次の告示においても、乳幼児期、青壮年期、高齢期等の、人の生涯における各段階という定義が置かれておりまして、それはこちらでも記載してございます。加えまして、2段落目でございますけれども、ライフコースの部分でございますが、こちらでも検討させていただいた結果、ライフコースアプローチというものをしっかり伝えていく必要があろうということを考えておりまして、以下のような記載にしてございます。現在の健康状態は、これまでの自らの生活習慣や社会環境の影響を受ける可能性がある、あるいは次世代の健康にも影響を及ぼす可能性がある。こうしたことを踏まえ、新たに念頭に置きながら、胎児期から老齢期までの人の生涯を経時的に捉え、ライフステージとは異なり経時的に捉えて、健康づくりを行っていくというような記載ぶりにしているところであります。ただ、われわれとしても、実際メッセージとしてこれが最適なのかといったところにつきましては、まさに先生方のご意見を頂戴しながら、ブラッシュアップしたいというふうに考えておりますので、ぜひご議論いただければというふうに考えている次第です。
 続きまして4ページ目でございます。目標設定の考え方でございますけれども、1番、健康寿命の延伸と健康格差の縮小という部分、先ほど申し上げました健康寿命のディテール、細かい部分につきまして、こちらに記載を動かしております。加えまして、健康格差について、今まで記載がなかったところでありますので、今回追加しております。「また」以降でありますけれども、社会環境の質の向上等を通じて、各生活習慣等について健康格差をまず縮小する。いろんな生活習慣、運動、栄養・食生活等ありますけれども、それをしっかり、健康格差というものをとらまえて縮小するということでございますけれども、ここのセクションは目標設定の考え方というものでございますので、そうしたものを通じて、最終的には健康格差の地域格差の縮小といったところ。前回、目標(案)でもお示しさしていただきましたが、そこにつなげていくという流れで、この文章を記載しているところであります。
 続きまして、計画の策定に関する基本的な事項と、山括弧で書いてある部分になります。こちらは現行も計画の策定について記載があるところでありますけれども、そちらを流用しつつ、新しい要素も加えて文章を作成しております。
 一番、健康増進計画の目標の設定と分析・評価というところでありますけれども、都道府県、市町村、計画を策定する際には、人口動態、あるいは各分野の統計、地域の社会資源等の実情を踏まえつつ、課題を選択し、目標を設定し、定期的に分析を行った上で改定を行うという、PDCAサイクルをしっかりと回していただきながら健康づくりを行っていただきたいという趣旨で、こちら記載してございます。今回、現行の第二次から追記しているところが、一つ目は、統計やの後ろに、データベースという言葉を追加してございます。自治体によっては、KDBあるいはNDBといったデータベースを活用して、健康づくりを取り組んでいただいていると承知しております。そういった取り組みが広まっていってほしいという思いであります。二つ目が、定期的に分析の後に、評価という言葉も追加してございます。こちら、委員の方からもご指摘がございましたけれども、自治体には、しっかり評価をしていただいた上で、PDCAサイクルを回していただきたいという趣旨になります。2段落目、健康増進計画の策定に当たっては、関連する他計画としっかり連携をするという旨の記載でございます。他計画と連携する旨は現行も記載ございまして、がん計画、医療費適正化計画、医療計画、歯科の計画等ございます。今回新しく成育の関係につきまして記載を追加してございます。
 二番、都道府県の役割と都道府県健康増進計画というセクションでありますけれども、こちらもおおむね現行のものを流用してございます。都道府県は、国が設定した目標を勘案しつつ、具体的な目標を設定する。また、区域内の地域間健康格差の是正に向けた目標を設定し、しっかり解消に努めるという旨。次の段落でございますが、都道府県は、市町村、医療保険者、教育機関等の、関係者の連携強化のための中心的な役割を担っていただく、市町村が健康増進計画を策定する際の支援を行うという旨でございます。今回追加しているところとしては、「データの活用や分析を積極的に行い」という旨、記載してございます。こちらの趣旨といたしましては、都道府県、市町村、比べた際には、やはり都道府県のほうがリソースもあり、しっかりデータ分析のヘッドクオーターとして活動していただくということと、あとは、前の段落にございました格差について見える化等も通じて、しっかり取り組んでいただきたいという思いで、このような記載にしているところであります。
 三番、市町村の役割と市町村健康増進計画というセクションでございますけれども、こちらはほぼ現行どおりでありまして、市町村は、国や都道府県が設定した目標を勘案しつつ、具体的な目標を設定する。健康増進法にございます健康増進事業につきまして、しっかり位置付けるということを記載して、都道府県と市町村でコントラストを付けて、役割分担をこちらからもある程度お示ししたいというところであります。
 これ以降のセクションにつきましてはブランクとさしていただいておりまして、この後ご議論いただきます目標等が定まってきた中で、しっかり今後加えていきたいというふうに考えている次第です。事務局からは以上になります。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは、この議題につきまして、委員の皆さまからご質問・ご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。尾島委員からお願いします。
○尾島委員 浜松医大の尾島です。ブラッシュアップされて、より分かりやすくなって、全体に妥当だと思いました。大きな点として、健康日本21の第二次に比べて、この次期プランはどういうところが変わったんですかというところが、うまく打ち出せているといいなと思っておりまして。そこが、ビジョンのところに書いてあります、誰一人取り残さない健康づくりの展開ということと、より実行性を持つ取り組みの推進という辺りなのかなというふうに思っております。この辺り、特に誰一人取り残さない健康づくりの展開というのは、より具体的にはどういうことなのだろうかということが、より明確になるといいなと思っております。骨子としてはこのぐらいの記載でいいと思いますが、参考資料などにより分かりやすく書いていけるといいのではないかと思っております。
 私としては、障害者の方ですとか、重篤な疾患を持った方々も健康づくりの対象として重要であるということがあると思います。これまで一次予防、二次予防に力を入れてきましたが、三次予防も含めてということにもなってくるのではないかと思っております。また、自らの力だけでは生活習慣の改善が難しい方ですとか、生活困窮者とか、そういう方への支援に、よりしっかりと取り組んでいくことだと思っておりまして、参考資料などに記述が入れられればと思っております。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 ありがとうございます。では、続きまして澤田委員、お願いします。
○澤田委員 ご説明ありがとうございました。身体活動・運動分野を担当しています澤田です。身体活動・運動分野担当の立場から、資料1に関しまして、お礼とコメントをさせていただきたいと思います。
 身体活動・運動分野の推進にとりまして、社会環境の整備は非常に重要な要素だと認識しております。この点から、基本的な方針の骨子、資料1の2ページに、三としまして社会環境の質の向上を加えていただきましたこと、また、3ページに、健康な食事や運動できる環境を記載していただいたことを、高く評価させていただきたいと思います。
 その上で1点コメントさせていただきたいと思います。身体活動・運動分野では、身体活動と運動の定義を明確にして取り組みを展開しております。3ページには運動できる環境と記載していただいておりますけれども、運動の定義は、健康増進と体力向上、あるいは楽しみなどの意図を持って、余暇時間に計画的に行われる活動であり、身体活動の一部を構成する要素となっております。身体活動は運動以外に生活活動という要素があって、運動できる環境だけでなく、生活の中で自然に健康になれる環境、例えば、ウォーカブルなまちづくりといったことが重要だと考えております。こういったことから、3ページの記載を、例えば、健康な食事や適切な身体活動を行うことができる環境といった表現に変更していただくことをお願いさせていただきます。以上です。よろしくお願いします。
○辻委員長 ありがとうございます。では、若尾委員、お願いします。
○若尾委員 事前に指摘した箇所について、修正していただきましてありがとうございます。非常に分かりやすくなったと思います。表記的なことも含めて3点コメントさしていただきます。
 まず、2ページ目の社会環境の質の向上の部分で、「大きく三つに再整理し」とあって、3段落作ってるんですが、各段落の文章が散文調になっていて、もう少しこの各三つの項目のタイトル的なものを目立つようにしたら、ぱっと読んで分かりやすいのではないかと思いました。
 それから、3ページの四つ目のライフコースのところで、人の生涯を経時的に捉えた健康づくりとあるんですが、もう少し、経時的だけではなくて、やっぱり生涯の筋道とかあるいは人生の在り方みたいなものの違いが、ライフコースに絡んでくるんではないかと思いまして、その辺の文言を追加したほうが、よりライフコースのことが分かるんではないかと思いました。
 それからもう1点、4ページの都道府県のところで、これは単なる記載上のエラーかもしれないのですが、健康増進計画の策定に当たってはの部分で、がん対策推進計画や循環器病対策推進基本計画とありますが、ここはおそらく都道府県の計画なので、循環器病対策も、推進基本計画ではなくて循環器病対策計画だと思いますので、ご確認して修正していただければと思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。ただ今ライフコースのお話が出ましたので、先ほど事務局からも、この書きぶりとか定義付けについて意見いただきたいっていう旨のお話ありましたので、まず、今ちょっとライフコースに関わるご発言いただきたいと思うんですが、津下委員はライフコースですか。
○津下委員 はい、それも入ってます。
○辻委員長 では、まずライフコースだけお話しいただけますか。たぶん甲賀委員はライフコースのお話ですね。あと、できれば山縣委員からもライフコースについてご発言いただきたいと思います。それでライフコースについて詰めたいと思います。お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。この中で、「現在の健康状態は、これまでの生活習慣や」等々の記載がありまして、年代だけではなく、ということが表現はされていると思うんですけれども、性、年代とか調整しても健康格差が生まれることは、遺伝的体質のほか、現在だけでなく過去の暮らし方の影響とか、そういうライフコースが影響してることと考えられます。ライフコースの影響によって健康格差が生まれる可能性があることに触れていただくと、後段の健康格差の縮小のためにライフコースに着目する意義があるということにもつながりやすいと思いました。また、ライフコースの視点で考えると、これまで過ぎてきたことは変えられないのですけれども、どんな時点でもそこからの健康を守るプロティクティブな要因があって、そこに着目して働きかけることが大切であるなど、ライフコースになぜ着目するかという、意義を加えたらいいんではないかと思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、甲賀委員、お願いします。
○甲賀委員 私は産婦人科医の甲賀と申します。産婦人科医の立場から、ライフコースのところについてご意見申し上げたいと思います。
 私も最後の加えてというところに関してなんですけれども、そもそもこの言葉が、健康状態が社会環境に影響を受けるっていう話と、今の健康が次世代の健康に及ぼすっていう、ちょっと分かりにくくなっていますので、例えば、加えて、生活習慣や社会環境等が、現在の本人の健康状態だけでなく、将来の健康状態、さらに次世代の健康にも影響を及ぼすというような書き方に変えていただければと思います。
 と申しますのも、これ、次世代のというふうに書かれてはいるんですけれども、私は産婦人科医という立場から、最近プレコンセプションケアというような言葉もありますけれども、妊娠前の、これは男性も含めて、若い世代の健康状態が、次の世代の健康状態に反映されるってことがよく知られておりますので。健康状態が、その方の老後の健康状態だけではなくて、特に若い方に関しては、次世代の健康にも影響が起きるということを、分かりやすく書いていただければなというふうにお願いしたいと思います。
 また、乳幼児期、青壮年期、高齢期とありますけれども、一直線ではなくて、特に若い世代の健康については、次世代にも回っていくということが何となく分かるような。例えば最後から2行目の、胎児期から老齢期とありますけれども、例えば、妊娠前、妊娠中、括弧、胎児期からというふうに書けば。胎児期って結局妊娠中というふうに、分かるとは思うんですけれども、そこら辺がちょっと、胎児というよりは妊娠中のお母さん、あるいは、妊娠前の健康づくりも次世代の健康に反映されるんだということが分かるような書きぶりに工夫していただければと思って、発言させていただきました。
○辻委員長 ありがとうございます。黒瀨委員、ライフコースでしょうか。それとも違うテーマでしょうか。
○黒瀨委員 ライフコースではございません。後ほどまた。
○辻委員長 では、ちょっとお待ちいただけますか。後で指名させていただきます。では、山縣委員、お願いします。
○山縣委員 ありがとうございます。WHOはLife Course Approach to Healthを使っており、ライフコースアプローチという言葉がやっぱり一般的には使われてるようなので、ライフコースだけではなかなか分かりにくいなとか、ライフコースヘルスケアっていうのも何かジャパニーズイングリッシュの感じがあって分かりにくいので、ライフコースアプローチが入ったのはは良かったかなと思っていまづので、、四のところも、ライフコースアプローチを入れてもいいかなというふうに思いました。
 あと甲賀先生が言われたことはごもっともだと思っておりまして、そういう意味では、成育期とか成育サイクルとかっていう言葉を使うことによって、思春期、それから妊娠期間、また胎児期にぐるぐる回るっていうところも、意味合いが出てくるのかなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは一度区切って、事務局からご対応お願いしたいと思います。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。ライフコースアプローチ以外の、他のご意見をまずいただいていたかと思いますので、そちらからご回答させていただきます。
 尾島先生からいただきました、第二次と比べてどういうところが変わったかっていうのが分かるようにというのは、以前からもご指摘をいただいていたかと思いまして、最終的には、まさにこの次期プランの売りというのがどういうところかというのは、分かりやすく伝えていく必要があるかと考えております。先生おっしゃられたとおり、骨子だけではなくて、後ろに説明資料だったりいろんなものが付いてきますので、そういったところで、こちらの概念っていうのをしっかり分かるような形にしたいというふうに考えてございます。
 澤田先生からいただきました、自然に健康になれる環境づくりの定義の部分につきましては、身体活動と運動の言葉の定義分けというか、使い分け自体はあるというのは承知しておるところでおりまして、その定義と、また、自治体への、あるいは現場へのメッセージとして分かりやすいものとなっているか。あるいは、今まで使われてきた文言との整合性等含めて、ちょっとどういった書きぶりがあるかというのは、検討さしていただきたいというふうに考えてございます。
 若尾先生からいただきました、社会環境の質の向上の部分、ちょっと分かりづらいというところ、どういうふうに分けたらいいのか、あるいはどういうふうにすればいいのかというのは考えたいと思います。あと、循環器計画の名称は大変失礼いたしました。ちょっとここは、実は県と市が今ごちゃ混ぜになっているところにもなっておりますので、そこの文言はしっかり見直して修正したいというふうに考えてございます。
 ライフコースアプローチあるいはライフコースの部分について、先生方に活発なご議論いただきまして大変ありがとうございました。われわれとしても、先ほど申し上げましたとおり、実際の現場、あるいは健康づくりに取り組む方が、しっかりこの概念を理解していただいて、考え方を持って取り組んでいただけるための文章ということかと考えておりますので、いろんなご意見をいただいたかと思っておるところでございますが、そういったニュアンスをしっかり入れればなというふうに考えておるところであります。
 まさにその要素といたしまして、今までの生涯の健康づくりだったり健康状態というのが今後にも影響するし、プレコンセプションケアという言葉もございましたけれども、妊婦さんとか子どもの関係といったところまで、幅広いいろんな概念が含まれてるものかというふうに考えております。また、津下先生もおっしゃってくださいましたが、暮らし方とか、人のありようとか、そういったところのニュアンスもあろうかというふうに考えてございますので、そういったものをどこまで入れられるか。一方で、いろんなものを入れ過ぎると、結局どういうことなのかよく分からないというのも、行政用語では多々ある失敗例かなとも思いますので、そこはバランスを取りながら、ここで何を書くか。加えて、参考資料にもう少し細かいことを書くとか、いろいろ工夫の仕方はあるかと思いますので、今日のご議論踏まえまして、さらにブラッシュアップしたいなというふうに考えてる次第です。以上です。
○辻委員長 それでは、黒瀨委員、どうもお待たせしました。その後、津下委員。このお二方で議題1は閉じたいと思います。
○黒瀨委員 ありがとうございます。すいません。私のほうからは、医療提供側の視点で、少しお話をさしていただきたいと思います。
 1ページ目の丸の4のところに、「加えて、計画期間では」ということで、今後いろんな変化が起こってくることを、具体的に書いていただいておりますけれども。2024年から2036年の12年間という非常に長いスパンで見ていくと、やはり、ここにも指摘があるように、生産年齢人口が減少してまいります。ということは、今後高齢化が進んで、あるいは、先端医療がさらに開発、普及されていく中で、医療の需要というのは非常に大きくなっていく中において、逆に生産年齢人口の中で医療従事者を確保していくのは、非常に困難だと今予想されてるのは、皆さんご承知のとおりだと思います。
 ですから具体的に言うと、例えば2040年には生産年齢人口、このままでいくとだいたい今より1,000万人減る中で、医療従事者の、あるいは福祉も含めて、従事者がだいたい1,000万人以上必要。要するに2割は、医療、福祉も従事者が必要というふうに考えられているところではありますけれども、残念ながらたぶんそこまで確保できない。そうなると、やはりわれわれ医療提供側としても、医療の効率化ということを考えなきゃいけない。
 その中で、このデジタルトランスフォーメーションというのが、一つのキーワードになってくるということで。ここに、あらゆる分野でDXが加速するというふうに書いてありますけど、ただ単に加速するのではなくて、やはり医療の効率化を目指した上で、その基本となる効率化の一つの手段としてのDXが加速するという視点を、一応ここにしっかりと明記しておいていただければなというふうに思いました。
 また、丸2のところで、自治体、保険者、企業、教育機関、民間団体など、多様な主体が予防・健康づくりに取り組むようになったというふうに書いてありますけども。今後はやはり、今全世代社会保障会議等でも話し合われてるように、未病のうちからしっかりとかかりつけ医もそこに関与して、いわゆる病気になってからではなく、未病のうちから、かかりつけ医がそこに主体的な役割を果たして、多職種とチームを組んで関与していくということが考えられておりますので。そういったことも、この計画期間中には、当然ながら起こってこなければいけないことでありますので、そういった視点をぜひ入れていただければなと。12年後の、かなり大きく日本の人口構造が変わる中で、どういった医療提供の効率化が起こっていくのかっていうことは、しっかりと明記していただきたいなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 続きまして津下委員、それから、今3名の委員から手が挙がってますので、それぞれ手短にお願いします。まず津下委員。
○津下委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。予防について、例えば認知症とか、それから糖尿病、肥満においても、スティグマに留意すべきとされています。ライフコースアプローチについても、親ガチャじゃないですけれども、何か変えられないものとか、予防ができなかった駄目な人みたいなイメージにとらわれることが、非常にネガティブに作用するっていうことも指摘されています。予防については、どの時点になってもその人の健康寿命を延伸する。科学的知見や方法論などを活用し、どういう健康状態でも、それが誰一人取り残さないっていうことにも通じると思うんですけれど、そういう前向きなメッセージが出てくるように、書きぶりを調整していただけるといいかなというふうに思います。ライフコースについても、できなかったことばかりを考えているのというように捉えている、国民の皆さまもたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思いますので、スティグマにも注意した書きぶりをお願いしたいっていうのが1点目です。
 2点目は役割のところで、市町村なんですけれども。健康増進事業を位置付けるということになっておりますが、市町村においては庁内連携を図っていただいて。教育部門、それから保険者部門、高齢者部門、介護予防、まちづくり、いろいろなところと一緒になって健康増進計画を進めていく必要があります。健康増進事業だけではなく、庁内連携を図って一緒に進めていくということも、メッセージとして書いていただければというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 古井委員、お願いします。
○古井委員 ありがとうございます。今回この基本的な骨子の中で、持続可能な社会を実現するためにということで、一で社会環境の整備、それから、三で特出しをして、社会環境の質の向上というのは画期的だと思います。その中で、地域の関係機関、社会資源が、この健康づくりになるべく主体的に関わっていただくと。例えば事業主や、企業さんにしても、製造業、コンビニ等の流通にしても、あらゆる社会資源が主体的にこの国民的運動に関わっていただくことが、重要だと思います。
 それぞれ探していくと、4ページの都道府県による計画策定のところに、確かに関係機関の連携を推進するというふうにあるんですが、そのために、例えば地域ごとの健康課題であるとか、あるいは、どういう健康課題の解決を目指すかというアウトカム指標など、そういうことを関係機関にしっかりと周知をしていくこと。社会資源が主体的に、国民、住民とかあるいは自治体に寄り添っていけるようなことも必要ではないかと感じたところです。全体的なトーンとか要素としては、非常に分かりやすいと思いました。以上です。
○辻委員長 では、近藤克則委員、お願いします。
○近藤(克)委員 3点あります。まず、今回の基本的な方向の見出しとして初めてライフコース、あるいは、山縣先生からライフコースアプローチとしたらどうかとご意見ありましたけども、加わります。そのことをぜひ、第三期というか、次期のこの運動の大きな特徴であるっていうことが分かるように、さっきの2ページ目の一番上ですかね。これが今回の大きな特徴ですよっていうところに、ライフコースって言葉をぜひ入れていただきたいと思いました。具体的には、2行目にある黒ぽちの一つ目の、集団に加え個人の特性をとありますが、その間に、ライフコースを含む個人の特性とか、ライフコースっていう言葉は特出ししていただきたいなと思ったのが1点目です。
 2点目は目標設定と評価の考え方のところ、3ページの下半分ですけども。以前からここで、あるいは研究班会議のほうで出てるのが、目標となるような指標、それは大事なんだけれども、なぜそれが改善したのか、あるいは、なぜそれが改善しなかったのかを分析できるような中間指標をロジックモデルに沿って設定して、全体をモニタリングするようなことを始めないと、いつまでたっても、結果として目標達成しました、しませんでした。なぜですかと言われても、いや、よく分かんないです、そこが。というのを繰り返してしまう。50指標程度から増やしたくないっていう事情があるは分かりますので、目標指標は50なんだけれども、今後は、そのメカニズムを解明するようなロジックモデルに沿った中間評価指標、プロセス指標みたいなものを別途定めるとか、参考指標としてモニタリングするとか、そのような考え方は、ぜひここに明示していただけないかということが2点目です。
 それから3点目のモニタリング……、4ページの下半分の、増進計画の基本的な事項のところで、目標設定だけじゃなくて分析・評価というのを明示していただいたこと、ありがとうございました。ただ、日本語の「評価」には、事前評価と事後評価を区別する響きがなくてですね。要するに事前に調査して、○○調査やって報告書があればいいんでしょうっていうふうに捉えてる向きがあります。PDCAのC(チェック)が、日本はなかなか進まないっていうことが問題点として書いてありますので、ぜひここを、事前評価だけではないんだよっていうことを明示するために、事中、事後評価とか、効果評価をして、次のアクト、やり方を見直すとこにつなげるための、PDCAで言うとCのとこなんですよっていうことが誤解の余地のないような表現に、ぜひ補っていただきたいと思います。以上3点です。
○辻委員長 ありがとうございました。それでは事務局よろしくお願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。黒瀨先生からいただきました、まず、医療提供体制から見た時の社会変化というところにつきましては、まさに先生からもありましたとおり、全世代型社会保障会議等でも、今医療の在り方等について検討が進んでいるというふうに、承知をしているところであります。そうした中で、今後の見通しというのは、まさに健康づくりに影響する面も多々あるかと思いますので、そういったものも踏まえつつ、どのような記載があるかっていうのは考えたいなというふうに思っております。
 津下先生からいただきました、ライフコースだったり、あるいは、予防がどの段階でもできるという前向きなメッセージというところですね。スティグマの議論が以前もあったかと思いますけれども、そういった要素は何かしら入れていきたいなというふうに考えております。市町村の連携につきましては、すいません、この後に、連携に関する事項というものが出てきておりますので、今回はブランクになっておりますが、そういったところでしっかり見直ししたいなというふうに考えてる次第です。
 古井先生からいただきました、各プレーヤーだったり社会資源というのが、自立的に関わっていただくための仕掛けづくりとか、あるいはメッセージということかと、先生の意見をお伺いしてて思った次第であります。そういったものをしっかり引き出していくための仕組みづくりもそうですし、今回の書きぶりとして、そういったものが分かるニュアンスがしっかり出ていくようにというご趣旨だと思いますので、そこは考えたいなと思っております。
 近藤克則先生からいただきました、まず1点目ですが、ライフコースというのが今回の目玉であるというのは、もうそのとおりだと思いますので、ちょっと、どういった目出しの仕方があるかというのは考えたいなと思います。2番目ですけれども、目標の設定とか評価に当たって、改善につなげていく必要があるというところ。こちらもちょっと骨子には細かいプロセス全てまで書き切れないので、ここに書くのは難しいかなと思いつつ、結局自治体に何をやってほしいかということを、われわれとしてもお示ししていく必要があろうかと思いますので、骨子に限らず、示し方というのはしっかりやりたいなと思っております。3点目の分析・評価の部分についても同様かと思います。評価が単に事前評価だけではなくてという趣旨かと思いますので、そこはやり方をしっかりお示しして、自治体が主体的に取り組んでいただく仕組みづくりをしていきたいと思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。時間の関係で、議題1につきましてはここまでとさせていただきますが、本日の委員の皆さまからのご意見に沿って、事務局でさらに検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは議題2に移りたいと思いますが、資料2と資料3について、それぞれ分けて議論したいと思います。まず、資料2について事務局からご説明お願いします。
○山本健康課長補佐 事務局でございます。資料2、目標(案)についてご説明を申し上げます。目標(案)につきましては、前回、第3回、あるいは栄養部会におきまして、1番と2番、前半につきましてはご提示をさしていただき、先生方にご議論、あるいは、ご意見を頂戴したところであります。今回は後半の、3番、社会環境の質の向上と、4番、ライフコースと今はいったん置いておりますけれども、そちらの部分につきまして、先生方にご議論をいただきたいというふうに考えておるところでございます。
 一番上から簡単にご説明を申し上げます。3-1、社会とのつながり維持・向上のセクションでございますけれども、①、②につきましては、いわゆるソーシャルキャピタルと呼ばれてるものをとらまえようとする指標であります。ソーシャルキャピタルにつきましては、認知的ソーシャルキャピタルと構造的ソーシャルキャピタルの大きく二つに、概念としては分けられるというふうにもいわれてるところでございまして、①につきましては認知的ソーシャルキャピタル、つまり、つながっているとか絆があるとか、そういった、認知に着目したものとして挙げているものになります。こちらにつきましては、現行の目標を基本的には流用したいというふうに考えております。
②番でございますが、認知とは違って、こちらは構造的ソーシャルキャピタルと呼ばれてるものを捉えようとするものであります。構造的ソーシャルキャピタルはネットワーキングですね。職場あるいは社会活動全般かと思いますけれども、そういったところでネットワークがあるかといったものであるというふうに理解しております。そうしたネットワークがあるということをもって、健康にもつながっていくんだというふうなことも、いわれてるところでございまして、今回は、社会活動に参加しているというところを捉えようとしているものであります。この指標、目標につきましては、現行は活動の中でもボランティアに限っている、あるいは、健康に資する活動であるというふうな限定をかけているところでありますけれども、今私がご説明いたしましたとおり、ボランティアに限らず、趣味だったり、スポーツだったり、あるいは就労といったところまで、もう少し広めに捉えて、こういった社会活動というのを捉えることができないかというふうに考えてる次第であります。
 ③番、共食の増加につきましては、現行は栄養・食生活セクションにあるものになります。共食につきましては、親子だったりあるいは高齢者ですね、孤独な高齢者じゃなくて、みんなで一緒に食べるということをもって、健康な食事を取って、健康にもつながっていくということを鑑みまして、このような目標を設定してるところであります。
 以下二つにつきましては、心、メンタル関係でございます。④番、メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場ということでありまして、こちらは現行もあるところでございますけれども、引き続き、環境整備の一つとして取っていきたいと思っております。
⑤番、心のサポーターでございますけれども、こちらは、省内の別部局であります、障害保健福祉部のほうで取り組まれているものでございますけれども、地域におきまして、精神疾患の前の、もう少し広い意味でのメンタルヘルスといったところについて、まさに傾聴して予防していくという取り組みだというふうに承知しております。なので、今回この指標は新たに追加してるものになります。
 3-2、自然に健康になれる環境づくりでありますけれども、①、食環境、イニシアチブの関係の指標でございます。こちらにつきましては、まさに、自然に健康になれる環境づくりの一環といたしまして、産官学で食環境づくりというものを取り組んでいくという取り組みでございます。こちらの関連の指標を捉えることで、食環境、あるいは栄養・食生活の分野で、この環境づくりを整えていくということであります。
 ②番、こちらは、住民が運動しやすいというふうにしておりますけれども、歩きたくなるまちづくり、運動したくなるまちづくりといったところでございまして。こちらも現行あるところでありますけれども、こちら、国交省さんの取り組みとも、密に連携していく必要があろうというふうに考えてる次第でございます。国交省さんでも、いろいろウォーカブルの取り組み等されているということでございますので、そこで取っている指標等を例えば使えないかということを、今国交省さんともやりとりをさしていただいてるところであります。
 ③番、受動喫煙関係でございますけれども、家庭・職場・飲食店とありますが、現行はこれに医療機関あるいは行政機関といったものもあります。ただ、医療機関と行政機関につきましては、健康増進法で原則屋内禁煙が徹底されているということと、統計上もかなり受動喫煙が少なくなってきているということも鑑みまして、今回われわれとしては、家庭・職場・飲食店という、残ってるところをしっかり取り組むという趣旨で、このような形にしてございます。
 3番、基盤整備でございますけれども、①、少し長い文章続いておりますが、こちらはスマート・ライフ・プロジェクト、健康局健康課で行ってる取り組みでございますが、そこの参画企業数を今想定してございます。ただ、スマート・ライフ・プロジェクト、約10年続いてきておるわけでございますけれども、なかなか全ての登録していただいてる企業が、活発に活動しているというわけでもないというようなことも、聞き及んでるところであります。そうしたことを踏まえまして、スマート・ライフ・プロジェクトの在り方そのものも含め考えつつ、どういった目標を設定するかということを、しっかり検討したいというふうに考えてる次第です。
 ②番、特定給食施設。こちら、健康増進法にも規定がある施設でございますけれども、こちらの割合、整備ということでございまして、健康な食事が提供できる基盤整備につなげていくというものでございます。
 ③番、健康づくりを行う民間拠点の数の増加。こちら、やや抽象的に記載をしてございますけれども、一つ想定されるのは健康経営を行ってる企業数といったものになります。ただ、健康経営、経産省さんで取り組まれているところでありますけれども、こちらについてはなかなか制度も動いており、健康経営としてはどういった制度があるかというものも、いろいろ変わりつつある中で、どういった目標を立てていくかということにつきまして、今回12年という計画予定しておりますので、長期的なものとしてどういったものがあり得るかっていうところは、まさに調整をしているところでありまして、いったんはこのような抽象的な書き方とさしていただいてるところであります。
 4番、ライフコースにつきまして、以前の資料でもございましたけれども、基本的には、2、3に出てきたものを再掲するという形を取ってございます。4-1、子どもでございますけれども、運動、スポーツ、あるいは肥満、未成年の飲酒、喫煙といったものを再掲してございます。高齢者につきましては、低栄養、あるいは足腰に痛みのある高齢者。あとは、先ほどご説明いたしました社会活動関係でございます。4-3、女性につきましては、痩せの問題、あるいは骨粗鬆症検診ということで、女性特有の課題であります骨粗鬆症をとらまえるもの。あるいは飲酒、喫煙といったものの、それぞれ女性に関係するものを並べているという形でございます。
 こちらでおおよそ今50強、目標を立てているところでありますけれども、今後、全体のバランスを見ながら決めていくということかと考えております。冒頭申し上げましたとおり、今回は3番と4番の議論を集中的に、先生方にはお願いしたいというふうに考えてる次第です。いったん説明は以上になります。
○辻委員長 ありがとうございました。では、資料2につきまして、委員の皆さまからご質問・ご意見お願いします。まず吉村委員、それから西委員の順でお願いします。皆さん手挙げてらっしゃいますので、できるだけ多くの方にご発言いただきたいので、それぞれ手短にお願いします。
○吉村委員 東京大学の吉村です。ご説明ありがとうございました。私ちょっとライフコースのところでご質問させていただきます。
 ほとんどが再掲になっているわけなんですけれども、もともとのところで挙げられているのと、下のライフコースのところで挙げられてる目標というのは、少し意味が違ってくるんじゃないかと考えております。例えば、栄養・食生活のところで低体重というのが問題になっていて、高齢者のところでも同じように、再掲ということで低体重って出ているんですけども、高齢者における低体重というのは、やはりフレイルという大きな問題があります。ですので、ここではフレイルという言葉を入れていただけたらと思っております。
 同様に、生活機能の維持・向上で、ロコモティブシンドロームという言葉が入って、手足の痛みという言葉が入ってるんですが、ここでは、再掲にもかかわらず、ロコモティブシンドロームという言葉が削られておりまして。これはぜひこのロコモ、私、高齢者の生活機能の維持・向上、フレイルとロコモ、この二つは両輪だと思っておりますので、この言葉を入れていただくということをご検討いただきたいと思っております。
 あと、もう一つ、女性のところで、骨粗鬆症定期検診というものが入っておりますけれども、骨粗鬆症検診というのは高齢者にとっても非常に重要な問題でして、女性だけの病気ではないので、骨粗鬆症検診というのを高齢者のところにも入れていただけたらというふうに考えております。以上です。
○辻委員長 では、西委員、お願いします。
○西委員 東京大学、国立精神・神経センターの西です。よろしくお願いいたします。3-1の④と⑤にメンタルヘルス、心の健康に関する項目を入れていただいて、大変ありがとうございます。ただ、この3-1の④と⑤は、社会とのつながりの維持・向上、社会環境の質向上に資するとともに、心の健康の向上にも資するものだと思っております。
 前回の会議でも申し上げましたが、やはり心の健康というカテゴリーが今ないので、それをぜひ。これ、入るとしたら2になってしまうかもしれないので、今日のテーマではないかもしれませんけれども。しかし、3-1の④と⑤、例えば2-3の③、この三つを再掲というふうにすれば、目標項目数は増えないと思いますので、それで心の健康というカテゴリーをぜひ作っていただくことを、ご検討いただきたいなと思います。
 やはり第二次とこの今の案を比べた時に、ぱっと見て何が違うかというと、カテゴリーに心の健康がないということが違いだなというふうにも思いますので、作っている側はそういう意図はないと思いますけれども、心の健康が、健康づくり運動においてあまり重要でなくなってきているかのような誤ったメッセージを届けないために、ぜひご検討いただければ幸いです。以上です。
○辻委員長 古井委員、お願いします。
○古井委員 ありがとうございます。この国民の健康づくり運動の成果を上げていくために、先ほど医師会の先生からもありましたが、例えばかかりつけ医を含めて、あらゆる社会資源が力を合わせていくことが大事だと思います。
 その中で、3-3の基盤整備の辺りだと思うんですが、例えば企業による健康づくり、健康経営ですとか、あるいは、国保によるデータヘルス計画に、自治体の健康増進計画の目標とか評価指標を活用する流れがあります。各都道府県がやってる健康経営の認定でも健康増進計画の評価指標を使う、あるいは、自治体の国保のデータヘルス計画でも、なるべく健康増進計画にも載っている生活習慣の指標を使うということは始まっています。企業だけではない、給食施設だけではない、そういった健康づくりに関与してくれる社会資源が、なるべく主体的に国民運動の旗を振っていただけるように、そういった目標、評価指標を連動するとか、活用していくことが大事ではないかと思った次第です。以上です。
○辻委員長 では、尾島委員、お願いします。
○尾島委員 目標指標としまして、さまざまな担い手や部門の有機的な連携ですとか、先ほど申し上げました誰一人取り残さない健康づくりの展開とか、そういうことに関する指標も入るといいなと思っています。今回、指標について、Ⅰ群、Ⅱ群、Ⅲ群、Ⅳ群という枠組みを作っていただきましたが、告示にはⅠ群からⅢ群を載せるということです。目標の指標の設定ですとか、あと、何%の指標が達成したとか、そういう評価はⅠ~Ⅲ群について行うことにして。Ⅳ群については、エビデンスなどが十分確立していなくても、今後10年間の展開で重要な指標なども入れていくと。モニターだけしていく整理というのもあり得るのではないかと。そこに幾つかの指標を入れ込んだらどうかと思っています。
 もう一つは、西委員からありました心の健康についてですが、中項目としてぜひあったほうがいいのではないかと思っています。先ほど、骨子のほうで生活習慣病(NCDs)というふうになっていますが、今2-2のところが生活習慣病とだけ書いてあるんですが、ここを例えば生活習慣病等ということでNCDという解釈にして、そこの中に、歯・口腔(こうくう)の健康と心の健康を入れるというような整理も、あり得るのではないかなと思っています。以上です。
○辻委員長 近藤尚己委員、お願いします。
○近藤(尚)委員 社会環境の質の向上については、辻一郎先生の研究班で、私は貧困のモニタリングというものを提案しました。なぜなら、貧困やあるいは経済困窮があらゆる健康問題等の原因になっているのは間違いないというエビデンスがあるからです。ですので、それがこの度の厚労省の指標案ではなくなっているのは一つ残念に思います。
 また、これは健康づくりのプログラムなので、貧困対策などの厚労省以外の取り組みをモニターするのは難しいっていうのが理由だと思うんですけれども、貧困対策など、誰一人取り残さないという観点は、厚生労働省の中では社会・援護局が担当となっているはずです。そういったところが、健康づくりの観点、特に生活困窮者の健康づくりの観点で取り組むべきものとして、貧困の人を減らすとか、そういった目標はあってもいいのではないかなと思っております。また、諸外国のヘルス・プロモーション・プランの中にも、イギリスやスウェーデン、アメリカなどの国にいてて確認しましたが、どこの国も、経済対策の目標は入っていることも確認しております。いま一度そういったことを考えていただけるとありがたいと思います。
 あと、グローバルヘルスの分野で、世界では、経済困窮している人の健康づくりでまず何をしてるかっていうと、貧困の解決が一つあります。例えば条件付き現金給付であるとか、マイクロファイナンスなんていう取り組みが、盛んに世界中でやられておりますし、それこそ社会保障の強化といったものが健康づくりのための第一歩であるということは、よくいわれていることですので、そういったグローバルヘルスからの学びも保健アクセスにも入れていただくことも、検討していただきたいと思います。そういったロジックを立てて目標値を定めるっていうことをしていただきたい。
 あと、社会環境の質の向上も、そのゴールの一つに、健康格差の縮小があると思います。今全体で健康格差の縮小については――今の現行の第二次とほぼ同じですね――健康寿命の格差の縮小という1項目だけになっています。ここがちょっと残念でして、やはり社会環境の質の向上を挙げるんであれば、そのゴールとしても、健康格差については重要な指標について、例えばがんの罹患率であるとか、そういったところの格差をモニタリングしていくということも、必要なのではないかなと思います。
 もう一つ、これで終わりです。受動喫煙の機会を有する者の割合の減少っていうのがありますけれども、受動喫煙も大事なんですが、そもそも日本人の、数の面で最も死亡率を上げているのは喫煙になります。受動喫煙よりも本人の喫煙を下げるための社会環境整備は、目標に含めないのかなと思います。特に日本のたばこの値段ですね。諸外国、特に先進諸国の中ではかなり安くなっております。買いやすくなってます。そして、未成年がID等の確認をせずにたばこを買えてしまうという状況も、いまだに続いております。こういった社会環境は、ぜひ優先的に止めるべきものとして、目標に掲げるべきではないかなと思います。研究者ですので、エビデンスに基づきこのような発言をさしていただきます。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、横山彰仁委員、お願いします。
○横山(彰)委員 4-1のところなんですけれども、ライフコースのところですが、私は呼吸器の医者でもあるわけですけども、COPDっていうのは、その原因の半分ぐらいが、20歳前後の最大到達肺機能の減少によって生じるというふうに考えられています。その最大到達肺機能を決める因子の重要な部分は小児期にあるわけですけども、特に低出生体重というのが大きな因子になるというふうに考えられています。そういう意味で、もちろん妊婦さんの低栄養ですとか、飲酒、喫煙の結果として、低出生体重児というようなこともあろうかと思いますけども、より直接的なものとして、低出生体重児の減少とか、そういうふうなものがあってもいいんじゃないかなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。まだたくさん、多くの委員の方々から手が挙がってますので、いちいち事務局には対応をお願いしないで、最後にまとめてコメント、お返事いただくということにして、委員のご発言続けたいと思います。澤田委員、お願いします。
○澤田委員 澤田です。身体活動・運動分野担当の立場から、こちら、資料2につきまして、意見と、幾つかの提案をさせていただきたいと思います。
 まず、3番の社会環境の質の向上の、3-2の、自然に健康になれる環境づくりにおきまして、②で身体活動・運動分野に関する目標を組み込んでいただきまして、ありがとうございます。先ほどの資料1に関係する発言と同じ趣旨になりますけれども、運動しやすいまちづくりという表現を、身体活動を行いやすいまちづくり、あるいは、身体活動に取り組みやすいまちづくりといった表現に変更していただくことを提案させていただきます。
 加えて、3点提案をさせていただきたいと思います。まず、4のライフコースの、4-1の子どもの、③運動やスポーツを習慣的に行っていない子どもの割合の減少につきまして。前回の健康日本21(第二次)で、おそらく、山縣委員が中心になって策定された目標と同じ内容だと思いますが。現在厚労科研の班会議で、身体活動、座位行動のガイドライン案を作っておりまして、その中で、子ども・青少年のガイドラインを作っておりますので、子どもに関する目標設定時には、ぜひ私たち研究班員を策定の作業に加えていただければと思っております。
 次に、3-3の③の民間拠点ですけれども、厚生労働大臣認定健康増進施設も、民間拠点を考える上での視野に入れていただきますようお願いいたします。
 最後に、前回の委員会の繰り返しになってしまいますけれども、2番の生活習慣の改善の、(2)の身体活動・運動分野の目標で、②の運動習慣者の割合の増加に代えて、座位行動時間の減少の追加を改めて提案させていただきたいと思います。今後10年を見据えると、テレワークの普及ですとか、あるいは人流と物流改革などによって、座ってる時間が今以上に長くなることが想定されていますので、座位行動に関する目標を掲げて取り組んでいくということは、大きな意義があると考えております。以上です。
○辻委員長 では、北原委員、お願いします。
○北原委員 ありがとうございます。北原です。2点あります。
 受動喫煙のところで、先ほどご説明していただいた中で、医療機関とか行政機関については、もうだいぶ整ってきたので抜かしましたというお話がありましたが、実際そうでしょうか。確かに建物の中の喫煙所はなくなったかもしれませんけれども、外に出しただけで、実は受動喫煙は存在するというところはまだあるんじゃないかと、特に行政機関は多いんじゃないかというふうに思いますので、今時点で抜かさないほうがいいのではないかと。ここに受動喫煙のことが書いてあることは非常に重要なので、抜かさないほうがいいんではないかということが1点と。
 それから、西先生のご発言にもありましたとおり、心の健康の部分がやはり、アウトカムにつながるような指標がなくなっている部分については、やっぱり再検討いただきたいなというふうに考えます。少しバランスが悪いように思います。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、福田委員、お願いします。
○福田委員 福田でございます。私からは4番のライフコースに関する指標、それから、分野をまたぐ指標についてのコメントをさしていただきます。
 まず、ライフコースの指標ですけれども、まだ実は歯・口腔の指標というのが出そろっておりませんで、今現在専門委員会のほうで検討しております。ここの中でも、例えば乳幼児期のう蝕(しょく)であったりとか、あるいは高齢期の8020といったような、たぶんここにも該当するであろうと思われるような指標が多々ありますので、歯科口腔保健の指標が出そろいましたら、またこちらのほうも検討いただきたいというのが1点です。
 それから、これ、1、2のほうにちょっと戻ってしまうような形になるんですけれども、分野をまたぐ指標についてのコメントです。例えば歯周病に関しましては、糖尿病あるいは喫煙と関連があるということが、もう既に分かっております。歯周病の指標に関しましては、私どものところでは、当然ながら、糖尿病あるいは喫煙というものの事柄には、触れる必要があろうかなというふうに思っておりますけれども、逆に言うと、また、糖尿病あるいは喫煙のところの指標に関しましても、歯周病などの関連ある疾患についても記載をいただければ、お互いに補完できるのかなというふうに思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。では、甲賀委員、お願いします。
○甲賀委員 私は、ライフコースの4-3の女性のところ、産婦人科医からコメントさせていただきたいと思います。
 先ほど来出てまいりましたが、ここは全て上の再掲ということだけで、上で書かれたことの繰り返しが書かれて。女性は特にということで、強調されてるということで、ありがたく思いますけれども、やはり目的をはっきりさせるというか。例えば妊娠中の合併症を減らすため、例えばFGR、胎児発育不全を減らすため、減少させるためということで痩せの減少を目指す、あるいは妊娠中の喫煙をなくす、あるいは受動喫煙もここに本当は入ってくることだと思いますけれども、それを減らすというようなことを、ちょっとテーマに分けて、同じ再掲だとしても意味が分かるような並べ替えにするということが、工夫されてもよろしいかなと思います。
 あるいは、骨粗鬆症ということだけが出ておりますけれども、これは男女あることという先ほどコメントがありましたが、この中に、女性特有の疾患に関して一つも項目がありませんけれども。例えば子宮頸がんに関して検診率を上げるですとか、そのような女性特有の疾患に関する、あるいは、職場での、女性特有の疾患に対する措置をしている職場を増やすとかっていうようなことも、ちょっと厚労省の管轄でない、あるいは数値化しにくいというようなことがあろうかと思いますけれども、もしよろしければその辺りも考慮していただければと思います。
 また、国際的なことということに鑑みますと、国連はSexual and Reproductive Health and Rightsっていうことも、SDGsのことでも掲げておりますので、そのような観点からも、女性の健康ということで、この再掲をただ載せるというだけではなくて、何か、ちょっと私も思い付かないんですけれども、文言を入れていただければと思って、お願いしたいと思います。以上です。
○辻委員長 矢部委員、お願いします。
○矢部委員 すいません。聞こえてますでしょうか。
○辻委員長 はい、聞こえてます。
○矢部委員 すいません。糖尿病担当の矢部でございます。手短に3点コメントができればと思います。
 一つは4のライフコース、ないしライフコースアプローチ。今回の中で大きく取り上げていくということでありますが。子ども、そして高齢者、女性ということで、三つ挙がってるわけですけれども、本来、健康づくりというところで、就労世代っていうのが大きなテーマだったかというふうに思いますが、ここに就労世代が挙がってこないので、ややもするとそこが忘れられないかなと。やはりこの中で勤務をしている、勤務体制なんかずいぶん変わってきていて運動が減っているとか、あと、また、糖尿病分野で特に問題になっていますが、やはり就労世代がなかなか受診につながらない等々がございますので、これ、何らかの形でここに盛り込んでいただければというふうに思いました。
 それからもう1点、先ほど津下委員からもございましたが、スティグマの問題ですね。これ、糖尿病に限らず、がんであったり、精神・神経疾患であったり、こういった分野をまたがる形で、スティグマの問題っていうのが取り沙汰されているところでございますが。これ、社会環境のところで、社会とのつながりという観点で、さまざまな患者さんの団体であったり、学会、こういったところがスティグマの取り組みをしているか否か、そういったことを評価項目に入れられないかなというふうに思いました。
 それから、議論が前回のところに戻ってしまって申し訳ございませんが、2のところで、2-2の(3)糖尿病の指標の中で③ですね。血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少というところを、従来から見てきたわけでありますけれども、糖尿病対策が進み、かなり血糖のコントロール状態が良くなっている方が増えているので、むしろこれは合併症等々を予防する、そういった目標値の達成率とか、そういったところにまた議論していっていただければなっていうふうに思います。以上となります。
○辻委員長 では、津下委員、お願いします。
○津下委員 ありがとうございます。よろしいでしょうか。この目標指標を見た時に、ライフステージ別の健康状態とか行動が、そのまま再掲で出ていて、今回の計画の目玉として見た時に、他の委員も言われたように、力不足感が感じられるところです。世代間を通じてお互いにつながっていく課題感っていうのをどう示すかっていうことが、もう少し、再掲だけではなく、議論したほうがいいのかなというふうに思いました。
 その際、その世代別の健康課題だけではなく、その課題に対してどう対策していくのか、例えば子どもが健康的に育っていくための環境づくりをどういうふうに進めていくんだろうとか、子どもが健康づくりから少し遠ざかっている、なかなかそこに入れない時に、誰がどうアプローチしていくんだろうっていう、支える環境。社会環境の質のところにもつながると思います。自然に健康になれる環境づくりや、それからアクセスができると。困った時、女性もそうですし、子どもも高齢者もそうですけれども、支えるところにうまくアクセスしていくっていうことが、すごく重要と思います。、ライフコースについては、基本となる3の指標とも絡めながら設定すること、もう一つは、世代間の連続性といいますか、全体像を示せるような指標の出し方をすると、まさに目玉的になるのではないかなとに感じた次第です。よろしくお願いいたします。
○辻委員長 今3名の方から手が挙がってますので、それで以上にしたいと思います。では、まず池原委員からお願いします。
○池原委員 大阪大学の池原です。私も聞いていて思ったのが、ライフコースを目玉にするのであれば、再掲というのはちょっと弱いんじゃないかなというふうに感じたところです。
 あと、共食の増加というのも、子ども、高齢者など関係してくると思いますので、ライフコースでは、そちらの評価もお願いしたいと思いました。
 また、ライフコースをこうやって示すことになると、未成年の飲酒や喫煙が、法的に禁止されているということで、これをあえて載せるのかということを辻先生と前に議論したことがあるんですけれども、どういうふうに考えるべきか。また後でお話があると思いますが、未成年や妊婦の飲酒をなくすという表記について、目標値を0%にするということは現実的に難しい状態といいますか、評価が難しいと思われます。ここら辺をどうするのかということも議論が必要かと考えておりました。
 あと、先ほどライフコースのところで、就労世代をどうするのかというようなご意見がありましたが、ライフコースと捉えた場合に、父親の育休取得、父親の育児参加など、そういったところも関わってきて、それが、女性の健康などにも影響するんじゃないのかなというふうに思います。そうなると、社会環境の質の向上というところでそういった、育休を取りやすいような環境をつくるというようなことも、厚生労働省としては取り組んでらっしゃると思いますので、検討してもいいのかなというふうに感じました。以上です。
○辻委員長 では、近藤克則委員。
○近藤(克)委員 チャットにも書きましたけど、前回確か論議があって、まだ修正の検討中なのかもしれないのでチャットにしたんですけど。1の②が、下位4分の1の都道府県の平均の延伸という側面だけが書いてありますので、それ以上に上位が伸びてしまうと、格差が拡大してしまってもこの目標達成なんていうことになってしまうので、ちょっとこれはやはり見直していただく必要があるという、前回の指摘事項の確認でした。
○辻委員長 では、山縣委員、お願いします。
○山縣委員 山梨大学の山縣です。ライフコースアプローチのところですが、今皆さんおっしゃるとおりで、確かに指標としては、もっと何か新しい指標はないかっていうところはあるとは思うんですが。例えば子どもの部分であれば、成育基本法における成育医療等基本方針にの中にも指標がありますので、そういうところと連携して、それを踏まえてという形で、この健康日本21の中で盛り込むことによって、全体の計画として、これと関連する計画の進捗も見ながらというような形のものができればというふうに思いました。
 それぞれのライフコースのアプローチで言うと、子どもの場合だと、とにかく将来を見据えた健康リテラシーなり、その習慣を身に付けましょうっていうのが基本でしょうし、高齢者のところであれば、社会参加をすることによって元気に長生きしましょうっていうところでしょうし、女性であれば、ジェンダフリーとはいいながら、女性特有の健康支援っていうのは当然必要だし、そういう女性、性差を踏まえた健康増進といったものがキーワードになると思します。
 ただ、今のことをじゃあ指標にするとなった時に、基本的な指標の考え方に、それが合うものがあるかといわれると、なかなかなくて、今後の課題ということになると思います。今回は、このライフコースアプローチというものがとても大切で、その中でそれぞれのことをバランス良く、生涯の健康を考えた健康増進を目指していくんだという考え方を基本に据えた計画ということで、いいのかなというふうに思いました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございました。ただ今、多くの先生方から非常に貴重なコメントをいただきましたが、これにつきまして事務局から対応をお願いしたいと思いますけど、一人一人のご意見にしたら時間が持ちませんので、全体を通しておっしゃりたいことを簡潔にお伺いしたいと思います。
○山本健康課長補佐 先生方、大変貴重なご意見たくさんいただきましてありがとうございます。まず、全体の整理といたしましてですけれども、今ちょっとこの議論のために表形式にしておるところでありますが、最終的には告示、あるいはその後ろに説明資料という中で溶け込んでいって、それぞれの目標がどういう趣旨で、どんなデータがあって、どんなエビデンスがあって、どういう施策があって、他計画ではどうなっていてというのを、併せて示していくことになります。
 ですので、今のは、確かに単品では、例えばライフコースだったら全部再掲になっていてよく分からないというようなことは、われわれの示し方でちょっとまずいところもあるんですけれども、そういったものを併せて、自治体の方、現場の方にしっかり伝えていくということを考えておるところでございます。先生方からいただきましたそれぞれの目標の趣旨、あるいは、目標を立てることでいったい何をやっていただきたいのか、どういう課題感があって、どういう社会像を目指していくのかっていうところを、しっかりわれわれとして伝えていく必要があるのかなというところでありまして、そこは、ライフコースのところも含めてですけれども、工夫をしていきたいなというふうに考えてる次第です。
 また、目標の数につきましては、どうしてもやはりリミットがあるというのは、第1回からお話をさしていただいてるところでございます。ですので、繰り返しになるんですけれども、目標が全てではなくて、目標の後ろにある告示の本文もそうですし、説明資料もそうですし、あるいは、来年度以降開催いたします推進専門委員会で、アクションプランとしてどう示していくか、そういったことも含めて、トータルでパッケージにしていくということが重要であろうというふうに考えてる次第であります。
 ですので、そこは、いろいろ仕分けはどうしても必要でございまして。目標にするもの、目標にはしないけれども、参考資料にはしっかり文章として書くもの。アクションプランの中でしっかり、自治体あるいは職域も含めていろんな方々にやっていただくもの、他計画の中で連携していくもの、他分野と連携していくもの。そういったものを仕分けて、トータルとしていいものにしていく必要があるかと思っております。
 どの課題も非常に重要であって、欠かせないというのはおっしゃるとおりなんですけれども、総花的であるというご批判も、正直なところいただいてるところであります。ですので、そういったところとのバランスを踏まえて、ぜひ先生方のそれぞれの専門のご知見を踏まえて、いいものにしていきたいというふうに考えてる次第ですので、引き続き先生方ともご相談さしていただきながら、いいものにしていきたいなというふうに考えてる次第でございます。すいません、総論的なコメントでございますが、以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございます。本日の委員の皆さまからのご意見を基に、事務局でさらに検討を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。では、続けて、資料3について事務局からご説明お願いします。
○寺井健康課長補佐 事務局でございます。資料3についてご説明いたします。健康日本21(第二次)の最終評価の際には、最終評価を行う直前になってさまざま評価方法を詳しく決めたという経緯がございまして、次期プランにおいてはあらかじめ評価方法を決めておくべきだという課題があげられておりました。また、今後、指標を決めて、具体的な目標値を設定していくに当たりまして、例えば年齢調整をするのかどうかといった具体的なことを決めておかなければ、具体的な数値目標を設定しにくいということもございますので、今回資料3として、一定程度の評価方法案をお示ししたいと思っております。資料3につきましては、事務局から大枠をご説明させていただいた上で、詳細、テクニカルな部分につきましては、横山徹爾先生からもご説明いただきたいと思っております。
 まず、基本的な考え方についてですが、第1回の委員会でご議論いただきました資料を参考資料に入れておりますので、画面投影しながらご説明させていただきます。次期プランは12年計画ということになりますが、計画開始後6年を目途に中間評価を、10年を目途に最終評価を行う予定でございます。また、目標は、最終評価を行う時点で実際に目標に達したかどうかを判断できるものが望ましいという観点から、計画開始後概ね9年を目処として設定する。また、計画期間中の諸活動の状況を評価するという観点から、中間評価、最終評価に用いる比較値(ベースライン値)につきましては令和6年度までの最新値を用いるということを、第1回の委員会でご議論いただいたところでございます。これらを踏まえて、どのように評価をしていくかということを資料3に書いてございます。
 資料3に戻りまして、まず、評価区分についてです。中間評価や最終評価におきましては、計画開始時のベースライン値と直近値を比較していただくことになりますが、どのような評価区分で評価するかということを、①に図でお示ししております。第二次の最終評価と同様に、「A_目標値に達した」、「B_目標値に達していないが改善傾向にある」、「C_変わらない」、「D_悪化している」の4段階で評価してはどうかと書いております。次期プランにおきましては、最終評価時点でデータが手に入る令和14年度を目標年度として目標値を設定とするということにしておりますので、第二次の最終評価等で用いておりました、今後目標年度までに目標値に到達しそうかどうかという判断、つまりBかB*(アスタリスク)かという判断は、次期の最終評価においては不要になろうかと思います。
 一方、中間評価におきましては、最終評価までに目標値に達しそうかどうかという判断が必要になってきます。第二次の中間評価におきましては、aかa*(アスタリスク)かという評価方法を用いておりましたが、a*(アスタリスク)がaより良いのか悪いのか分かりにくいというご意見もございましたので、このアスタリスク(*)という表記はやめて、次期プランにおきましては、図に示しますようなスモールのa、b、c、dで中間評価を行ってはどうかとさせていただいているところです。
 2ページ目に移りまして、上から三つ目の点のところでございます。第二次におきましては、一つの目標項目の中に、男性、女性、または年齢階級別に複数の指標があり、それぞれに目標設定をしている目標項目がございました。それらの目標項目におきましては、指標それぞれ一つ一つにA、B、C、Dという評価付けを行っておりましたが、今回は、一つの目標項目の中に性・年齢階級別に複数の指標があり得る目標項目に関しましても、目標項目全体としての目標値を設定して、その目標値に対する実績値の評価を行ってはどうかとさせていただいております。その上で、詳細分析として、性・年齢階級別等の評価を行っていただきたいと記載させていただいております。
 少し飛ばしまして、一番下、②直近値に係るデータ分析についてですが、こちらには、評価の時にどのようなグラフを描くのか、どのような分析をするのかといったことを記載してございます。直近値が目標値に対してどのような動きになっているのかを分析し、次のページ、図表2、図表3に第二次の最終評価時の例をお示ししておりますが、このように数値が分かるような図表を併せて作成するという分析方法を用いていきたいと考えております。
 3ページ目、下半分でございます。A、B、C、Dの判定をどのようにするのかということを記載しております。まず、直近値と目標値の比較に関しまして、直近値が目標値に到達しているかどうか、これはA評価かどうかという判断ですが、この判断につきましては、有意差検定の結果によらず直近値が目標値に達しているどうかで判断してはどうか、とさせていただいておりまして、これは第二次の最終評価と同様でございます。
 少し新しく書き加えましたところが、直近値とベースライン値の比較について、でございます。計画開始時のベースライン値と直近値の比較において、直近値がベースライン値から改善しているかどうかの判断、つまりB評価かどうかという判断についてです。第二次の最終評価時におきましては、ベースライン値と直近値で検定を行い、有意差があるかどうか、もしくは検定を行えない目標に関しましては、ベースライン値から相対的に5%以上の変化があるかで、Bかどうかを判定しておりました。
 つまり、目標値に対してどの程度動いているかということは、判定要素として含まれていなかったということでございます。例えば目標値に全く達していなくても、有意差さえあれば、1%でも動いていれば改善と判定するというルールになっていたということでございます。
次期プランにおきましては、目標に対しまして一定程度改善しているということをB判定の条件としてはどうかということを、ここに新しく書かせていただいているところでございまして、それをどの程度の数値にするのかということ等、詳細につきましては、後ほど横山先生からご説明いただきたいと思います。
 次のページでございます。ベースライン値から悪化しているかどうかの判断、つまりD判定かどうかという判断は、有意かつベースライン値から相対的に5%以上変化をしているかということで判定してはどうかということで、こちらは最終評価と概ね同じ評価方法になります。図表は横山先生にご説明いただきますので飛ばしまして、5ページ目でございます。
 今まで申し上げましたような評価方法を、原則として用いてはどうかとさせていただいているものの、幾つか、これらの評価方法では評価できない目標項目があろうかと思います。そうした項目を5ページ目に上から三つ書かせていただいております。まず、第二次におきましては、目標値が具体的数値ではなく「増加傾向」「減少傾向」となっている項目が幾つかございました。次期プランにおきましては、基本的に、こうした「増加傾向」「減少傾向」は目標値として用いずに、具体的な数値目標値を設定していただきたいと考えておりますが、他計画からの引用等で用いざるを得ない場合もございます。そういった場合は第二次の最終評価と同様に、有意かつベースライン値から相対的に5%以上の変化があるかどうかで、改善・悪化を判断してはどうかと書かせていただいております。
 二つ目の丸です。将来予測を行った上で、例えば、予測値から一定程度の抑制を目指すというような目標項目が幾つかございます。例えば「糖尿病有病者数の増加の抑制」のような目標でございます。こちらも詳細につきましては横山先生よりご説明いただきたいと思いますが、こうした項目は、予測曲線、また、ベースライン値と目標値を結ぶ直線の上か下か間かというようなことで、判断してはどうかとさせていただいております。
 三つ目の黒い丸でございます。先ほど、資料2に関しまして池原先生からもコメントいただいたところに関することでございますが、目標項目の中に、目標値を0%または100%と設定せざるを得ない項目が幾つかございます。例えば未成年の飲酒・喫煙でしたり、妊婦の飲酒・喫煙のように、法律で決まっておりましたり、概念的に、0%または100%以外の目標を立てるのがなかなか難しかったりというような場合でございます。
 これらの項目は評価を行いますと、現実的に0%または100%を達成するのは難しいと思いますので、A評価にはなり得ない項目ということになってくるだろうと思います。つまり、これらの項目は、目標を立てた時から、最高でもB評価ということになろうかと思いますけれども、こうした評価方法でいいのか、それとも、何らか評価方法を別で考えておいたほうがいいのかということは、ぜひ先生方にもご議論いただきたいところでございます。例えば、95%達成していたらAと評価してもいいのではないかという評価方法も考えられますが、そのようにした場合は、目標値が二つあるような形になってしまうということもございますし、法律で0と規定されているものでも多少ならば良いという、間違ったメッセージが伝わるということにもなりかねないかとも思いますので、これらの目標値に対する扱いをどのようにするのかということは、この後ご議論いただければと思います。
 6ページ目に移りたいと思います。簡単にご説明いたします。有効桁数はあらかじめ設定しておきたいということを一つ目の点に書いております。二つ目、年齢調整につきましても、あらかじめ設定しておきたいということを、書いております。評価に用いるデータについて、年齢調整値を用いるのか、粗データを用いるのかに関しましては、目標設定時に、目標項目ごとに判断した上で目標設定を行っていただきたいと考えます。どのような目標項目で年齢調整が必要なのかということにつきましては、この後横山先生からご説明いただきます。
 その下にいきまして、詳細分析について、でございます。先ほど、目標項目は全体としての目標値を立てるというように申し上げましたが、分析としましては、性・年齢階級別の分析や、都道府県格差、市区町村格差の分析、また、可能な項目においては、社会経済的要因による格差の分析も行っていただきたいと記載しております。また、基本的に評価判定は、ベースライン値と直近値の2点比較においてA、B、C、Dの判定を行いますが、必要に応じてトレンド検定等も行ってくださいということを記載しているところです。
 7ページ目は、それぞれ第二次の最終評価からの例示になります。
 8ページ目、一番上、長期的な変化の分析についてでございます。こちらは参考でございますが、長期的にデータを取っている指標もございますので、必要に応じて、健康日本21の第一次の開始時や第二次の開始時との比較も行ってくださいということを記載しているところです。
 最後、③のところでございます。評価困難な場合の代替評価および補助的評価等について記載させていただいておりますが、二つ目にございますように、健康日本21(第二次)の最終評価においては、新型コロナウイルス感染症の影響でデータソースとなる調査が中止となったため等の理由で、評価できない項目が7項目ございました。これらも踏まえまして、特に数年に1度しか調査していない指標に関しましては、可能な限り、あらかじめ補完的な指標を設定しておいてはどうかとさせていただいております。
 これは、例えば国民健康・栄養調査で取っている指標に関しましても、NDBやKDBを使った補完的な指標が設定できるのであれば設定しておく、というようなことが考えられるかと思いますが、今回の次期プラン策定専門委員会では時間も限られますことから、メインの指標をご検討いただき、補完的指標に関しましては、来年度以降の推進専門委員会で詳細を検討いただいてはどうかとしております。
 次の点でございます。今回は現在手に入る最新値、つまり令和元年、令和2年、令和3年等のデータになるかと思いますが、そうしたデータを用いて、初めに述べましたように、令和14年度の目標値を設定していただくわけですが、評価の際の比較値(ベースライン値)は、令和6年度の調査で、今後セットするということになろうかと思います。ベースライン値、令和6年度の調査の値が、現在、目標設定時の予測と大きく外れていた場合には、来年度以降設置予定の推進専門委員会において目標値の再設定を行うことも検討するということを、記載させていただいているところです。
 最後、ベースライン値や中間評価時における直近値が、既に目標値に到達していたような場合には、最終評価に向けて、新たな目標値を設定し直してはどうかと記載させていただいております。厚労省から大枠の説明は以上でございます。
○辻委員長 ありがとうございました。では、続いて、横山徹爾委員からご説明お願いします。
○横山(徹)委員 国立保健医療科学院の横山です。それでは引き続きまして、資料3をそのまま使ってご説明いたしますので、1ページ目にお戻りください。
 先ほどご説明いただきましたとおり、AからDの4段階で評価するという形ですが、少し細かくご説明いたします。Aに関しては第二次と同じで有意差検定は必要ないですが、ただし、行った場合は片側P値を記載しておくことによって、A判定がどのぐらい間違ってるか、危険があるかということが分かるので、行った場合には記載するということです。それから、B、C、Dについては、あまり変わってないのですが、特に変わった点は、一定値以上改善したとか、一定値以上悪化したということを、条件に付けてはどうかということでございます。といいますのは、先ほどご説明ありましたとおり、大きな調査ですと、ごくわずかな変化であっても有意になってしまうということで、ある程度基準を設けたほうがいいんではないかということになります。
 この一定値のところなんですが、少し先に進めまして、こちらのページは4ページ目になりますけれども、ここでその一定値についてご説明したいと思います。例えばこれ、例示なんですけれども、ベースラインが食塩10gだったとします。目標8g。この10から8に向けて十分に動けばいいというふうに考えると、この辺で少し動いたところで、あまり変わったと言えないんじゃないかということで、基準として、最小変化範囲って書いてありますけれども、要するにあまり変わってるとは思えない範囲を決めて、この範囲で動いたのであればそれは変わらなかったし、この範囲の場合にはCにするという考え方でございます。
 じゃあ、これをいったいどのぐらいにするかということなんですが、やはりベースライン値から目標値に向けての変化なので、そのうちの例えば30%とか40%とか、そういう感じで決めるのが良かろうというふうに考えるわけですが、ここでは仮に30%。例えば10gであれば、8に対する30%は0.6なので9.4ということになります。なぜ30なのか、40じゃいけないのかっていう議論があると思いますので、仮にこの基準を用いて、第二次の最終評価をもう一度やってみるとどうなるかということなんですが。
 最終評価でBまたはBアスタリスクと判定された指標は、ベースライン値を0として目標値100とした場合、どのぐらい動いていたかというと、このようなグラフになっております。よく動いてるものから順番にしてあります。100を超えたらAになるわけですが、そうでないのでBというものですけれども。見ていただくと、おおむね30%から40%以上超えてるものが多いです。
 例えば30%にすると、下回っているのは、血圧の平均値、受動喫煙、職場、食塩摂取量という辺りで、確かに元の数字を見ると、変化は小さいというふうに思われるような指標ではないかと思われますので。30%辺りにしておけば、第二次の評価ともさほど大きくは変わらないし、あまり変化がなかったものに関してはCと判定されるということで、その理由から、30%程度が良いのではないかとご提案させていただいたところです。
 一方で、C判定になったもののうち、例えばCOPDの認知度は、これは25が28に変わって。目標80だったので、実は相対的に5%は変わってるんだけど、あまりにも変化が少ないっていうことでC判定してます。一方、朝昼夜、3食食べる子どもの割合が、これは元が89が93に変わってて、高い水準でさらに上がったということで、それなりに変化したように思えるんですが、相対的に言うと5%でCでした。この基準にすると30%以上変わったということでBになるだろうということで、感覚的にも合ってるのではないかということから、30%ということでございます。悪化についても同様です。こちらのほうは30とかではなくて、相対的に5%。第二次の時と同じで、有意かつ5%以上悪化の場合にはD判定ということでございます。
 それから、AとBの違いですけれども、中間評価も同じです。中間評価で、ベースラインと目標を結んだ線より下側、下というのは、良い方向で推移してればスモールa、それより上側で推移してれば、このままだと達成できないのでスモールbという形で、第二次の中間評価の時にはAアスタリスク(A*)になってたものを、こういうふうに小文字のa、bにしたということでございます。
 それから、将来予測を伴うような、先ほどの要介護の利用者数であるとか、参考指標でしたが、第二次の時の糖尿病の有病者の数がございました。その場合の考え方も基本的には今と同じで、ただし、ベースラインの値と目標値の考え方が少し複雑なので、ご説明いたしますと、これは糖尿病の、点線が将来予測です。策定時の将来予測がこの青い点線になっております。青い実線が目標値、1,000万に抑えるというものでした。従いまして、評価する時には、ここがベースライン、ここが目標値というふうに読み替えていただいて、目標に対してどのぐらい変わったかと。有意差検定とともに、30%以上というふうに見ていくという考え方にすればいいかと思います。ちなみにご参考までに、これ、42%目標に向かって変化しています。
 それから年齢調整の考え方についてですけれども、年齢調整する場合としない場合は、目標項目ごとに判断した上で、やはりやらなければならないかと思いますが、基本原則として、特に個人の健康状態の改善に関する目標の場合には、高齢化によって値が動いてしまうと評価が困難ですので、基本的に年齢調整を行うと。例えば、がんの年齢調整死亡率、高血圧の改善、適正体重の割合などというものになります。
 一方で、将来予測など行った上で、目標値を人数で設定する場合、これは年齢調整すると意味が分からなくなりますので、例えば先ほどの糖尿病有病者数の増加の抑制のように、人数で設定する時は、年齢調整というものを行わないということになります。
 その他生活習慣に関するものは、個別に調整する、しないの判断、しなければならないかと思いますけれども、特に加齢によって変化するものは年齢調整が必要になるかと思います。ただ、年齢にかかわらず一定の基準を設けているものとか、そういう場合に関しては、項目ごとに少し検討の余地があるかというふうに考えられます。また、年齢調整の基準人口については、ベースラインの調整人数使っていくと、ベースライン時の粗データと年齢調整値が一致するという事情により、解釈しやすいということになります。
 それからもう一つ、参考資料の3に行きたいと思いますけれども。健康格差の分析についてになります。この健康格差の分析、どう考えるかですけれども、健康寿命に関しては、先ほど近藤克則委員からもご指摘ありましたとおり、4分の1とか書いてありましたけれども。考え方まず確認いたしますと、都道府県格差などに関しては、考え方としては全てのグループで、47都道府県全てで、全体がベースラインから評価時にかけて向上する。かつ、下のほうほどたくさん改善することによって、この幅が狭まる。これが望ましい格差縮小の姿であろうというふうに考えられます。
 従って、第二次の最終評価で、一番長い県と一番短い県だけしか比較してなかったんですが、全体の格差縮小という視点からもう少し考えたほうがいいだろうというのが、第二次の最終評価の課題としても挙げられていた点ですので。それについて、第三次では、次期計画ではどうするかということですけど、例えば全体を四分位などに分けて、上位グループの改善と下位グループの改善の差を見る。健康寿命はこれに相当します。上位4分の1と下位4分の1、いずれも改善するという前提で、下位グループのほうがよりたくさん改善する。それによって格差縮小するという考え方かと思いますので。先ほどの資料2の文言の調整はそういう考え方かと思いますので、改めて検討する必要があるだろと思います。
 その他の指標としましては、第二次の最終評価でも使ってましたが、健康指標の都道府県間のばらつき、標準偏差であります。この図で言うとこの横幅ですね。これを地域格差指標といいますが、これで表すという考え方もありますし、それから、第二次までは登場してなかったと思いますけれども、各グループを量的基準で分けてというのは、例えば社会経済的な指標、所得水準。量的というのはそういう意味です。所得水準で分けて、さらに人口を考慮して、格差勾配指数(SII)っていう指標がございますので、そんなものも使って、社会経済状態との関連による格差というものを評価、……こともあり得ますので。格差の評価の際の指標として、こういったものを使うことが考えられるだろうというふうに思われます。
 これは健康寿命以外、指標として挙がってなかったものに関しても、例えば第二次の最終評価では、食塩摂取量の都道府県格差が縮小したという分析とか、生活習慣に関する分析などいろいろ行っておりますので、そういったサブ分析といいますか、関連指標の分析する際には、こういった考え方をしていけばいいんではないかというふうに考えております。以上、私からの追加説明でした。
○辻委員長 ありがとうございました。では、残り時間が20分弱ございますので、委員の皆さまからご意見いただきたいと思いますが、論点が幾つか明確に出されてますので、それに沿ってご議論いただきたいと思います。
 最初の論点なんですが、直近値とベースライン値の比較というところで、B評価の判定方法ですね。改善。あるいはD評価の、悪化の時の、一定の値をもって一つのクライテリアと考えるというところが、今回明示的に出されました。B評価に関しては30%以上と、それからD評価に関しては5%以上が悪化ということが出ましたけれども、このような具体的な数値で仕切ってよろしいかどうかということについて、皆さんからご意見いただきたいと思います。いかがでしょう。岡村先生、お願いします。
○岡村委員 B評価のところは、やっぱり最終評価のところでもいろいろ考えるところがありましたんで、一定の基準が必要だということと、それからこれ統計的に、5%、30%、決めれるものではないので、ある程度実際の、前の最終評価の実績に基づいて決めてるということなんで、そういう意味では合理的かなと思いました。要するに何か計算で決めれるものではないので。ということで、ちょっと帰納法的ですけど、この決め方はある程度妥当かなというふうに私としては理解いたしました。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他の方いかがでしょうか。よろしいですか。では、これにつきまして、一応後でまたもう一回いたしますけども、一定のコンセンサスがあるというふうに思います。
 それから二つ目ですが、0%または100%を目標とする指標をどう評価するかということ。先ほど池原委員からもございましたが、私も以前お話したことありますけれども、例えば未成年の飲酒を0にする、喫煙を0にする、妊婦の喫煙を0にする。そういった0という目標が出ているわけですけども、その場合、基本的になかなかその0を達成することは難しいので、Aはちょっと難しいかなと。では、多少の改善があればBということで、そのB評価が最高ランクになっていいのかという議論が出てきます。これにつきまして皆さんからご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。尾島委員、お願いします。
○尾島委員 先ほど少しご提案しましたが、未成年の喫煙とかⅣ群に位置付けられていますが、Ⅳ群については達成などの評価の対象外として、Ⅰ~Ⅲ群について評価をするという位置付けでどうかと思っています。一方で、妊娠中の喫煙などはⅢ群に入っています。例えば、目標の言葉としては「なくす」として、数値目標としては実際に目指す具体的な数字を入れて、それで評価するというのもあると思います。一方で、事実上達成は無理な指標だけれども、目標値として0という数字を挙げるというのも、両方あり得ると思います。以上です。
○辻委員長 若尾委員、お願いします。
○若尾委員 ありがとうございます。本当に両方あり得ると思うんですが、やはり0は0という目標を立てて、それで達成できてなくてBであっても、より改善されてればBと。Bが最高の評価となるということで、Aが取れなくても改善を認めて、あと、まだ達成できてないんだっていうことを、やっぱりしっかりと明示することが大事かなというのが私の意見です。以上です。
○辻委員長 津下委員、どうぞ。
○津下委員 ありがとうございます。この0%以外に、特定保健指導実施率など、トレンドから言ったらなかなか達成が困難的な指標もあって、目標値の設定の考え方を整理をしていく必要があると思います。政策的に決められているものであればそちらを優先。そうではないものについては、トレンドとか、それを何%上げるという、そういう合意の下に作るということで進めるべきかと思います。一定の方針の下に定めていくということを考えれば、今回の場合はやはり0%。政策的なものを変えることは、ちょっと難しいのかなというふうには考えております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。先ほど池原委員からもご意見いただきましたが、もう一度、以上の議論を踏まえて何か追加のご意見ございますか。池原委員。
○池原委員 目標とするのであれば0%になるかと思います。ライフコースということ出てきたので、その考え方からすると、やはり、教育といったところでも重要になるので、ちょっとここら辺は外せなくなるのかなというふうに思っております。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。他にどなたかいらっしゃいますか。
 いつだったか忘れたんですけど、前のこの委員会で、私が以前、この未成年喫煙防止、未成年飲酒防止っていうのはもう法律で決まってる事項なので、今更国民健康づくり運動で取り上げるべきものなのかという疑問を出したわけですけども。やはり今、池原委員がおっしゃったように、ライフコースという形でこの目標を掲げることによって、次に、来年度以降アクションプランの議論が出てくると、もっとライフコースらしくなってくるので、この目標は残した方がいいのかなということで、私も今納得したという感じで申し上げております。
 そうなりますと、目標は0%に当然なります。それでどれくらい改善したかというところで、取りあえずは、この健康日本次期プランの評価の枠の中では、B評価がベストという形になるということになろうかと思いますが、いかがでしょうか。皆さん頭を縦に振っていらっしゃるような感じですので、お認めいただいたということにいたします。
 横山委員から年齢調整について、指標の中身に応じて仕分けたほうがいいんじゃないかというご提案いただきました。これは、いかがでしょうか。津下委員、どうぞ。
○津下委員 ありがとうございます。前回糖尿病分野で最終評価をさせていただいた時に、新規透析導入については人数で評価したんですけれども、年齢調整をすれば下がっていた可能性があると。総数では変わらなかったということでC判定になりましたが。本来年齢調整できればいいと思うんですけれども、例えばこれは日本透析医学会から提供いただいたデータであり、個別の年齢まで情報入手が難しい可能性があります。なかなか入手困難なデータソースに関しては、今までどおり総数なのかなと考えたりしております。
 また、糖尿病有病者数の推計なんですけれど、高齢化とともにもちろん人数は増えていくという、有病率は増えるというのはあるんですが、人口動態の変化が大きくなります。前期高齢者はいったん増えてまた減るとか、人口構造が一律ではない時代に入っていきます。そういう時に将来予測を、中間評価と最終評価と予測人口が違っている場合に、どう作るのかなということが、この目標を考える上で悩ましいことだと思っています
 例えば、将来予測で今まではやってたんですけれど、年齢調整にしたほうが有病率は影響が少ないのかなと。人口動態の変化を個別に見ていくのはなかなか難しい12年間ではないかなと思います。個別の指標については、きちんと議論しながら指標を決めていく必要があるのかなというふうに感じている次第です。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。今の津下委員のお話、大変重要な話で、やはりこれから人口構成が大幅に変わってきますし、その変わり方が県によって全然違うんですよね、おそらく。ですので、そこを含めた対応が必要ということと、もう一つは、委員が今おっしゃったように、有病者全体の値でいくか、年齢階級別の値を出していくかということについて、関連の学会ともまたご調整いただければと思います。よろしくお願いします。
 他にどなたかご議論ございますか。よろしいですか。それでは、この年齢調整につきましても、先ほどの事務局、それから横山委員からのご提案どおりで進めてよろしいでしょうか。
 では、最後に四つ目ですね。格差の縮小について横山委員からお話ございましたけども。格差の評価っていうのは非常に難しいわけですけども、それにつきまして研究してらっしゃる先生方もたくさんいらっしゃいますので、ご意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。近藤尚己委員、どうぞ。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。格差の評価、本当に難しい中、事務局も横山先生も考えていただいて、ご提案ありがとうございます。
 まず、厚労省に確認なんですけども、資料3の詳細分析っていうところで、性、年齢、そして都道府県格差、市区町村格差、また、社会経済的要因による格差についても、可能な項目においてモニタリングしていうことですが、目標値は期間中ずっと定めないでいくのか、それとも、評価法とかが成熟したら、途中から目標値も入れていくようなことをお考えなのかでしょうか。
 先ほどもお伝えしたように、社会環境の整備を進めていった時に健康格差がどうなったのか、そして、誰一人取り残さないっていうことを強く言っているわけですから、その意味でいうと、やっぱり社会経済的に困窮してる方とそうじゃない方の格差などはは、モニタリングすることがすごく大事です。ですのでモニタリングすべきという体案については強く評価してるんですけども、できれば、目標値も定められるところは定めたほうがいいのかなと思ってるところです。以上です。
○辻委員長 ありがとうございます。よろしいですか。まだありますか。
○近藤(尚)委員 大丈夫です。まず厚労省の方に。
○辻委員長 これについて事務局からお願いできますか。
○寺井健康課長補佐 近藤先生、ありがとうございます。現時点で、今回お示ししている資料では、詳細分析としまして格差の分析も、行えるものに関しては行っていただきたいというところを記載しているところでございまして、現時点ですぐに目標値を設定するということは明示しておりません。この格差の分析は、詳細な分析に当たるかと思いますので、どのようにしていけるのかということは、今後、来年度以降の推進専門委員会の中でも、具体的にご議論いただければというように思います。
○近藤(尚)委員 ありがとうございます。つい最近の、都道府県や市区町村における社会経済状況の評価法と、それに基づく健康寿命の格差についての論文なんかもアクセプトされたりして、少しずつエビデンスもたまってきているような状況ですので、また継続してご審議、ご検討いただきたいと思います。誰一人取り残さないっていう部分を、アカウンタブルに数字で国民に示せるような政策になっていくことを期待しておりますし、私たちができる協力をしたいと思っております。よろしくお願いします。
○辻委員長 ありがとうございます。他にどなたかいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。それでは、今の近藤尚己先生のコメントも、もちろん含めた上でですけども。そういったところも今後検討を深めることが必要だということは、もちろん含んだ上で、大筋はお認めいただけるということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、資料3につきましては、おおむねご了解いただいたということでよろしいでしょうか。それでは、詳細につきましては事務局で調整お願いしたいと思います。また、先ほど近藤尚己委員の、格差の評価方法について、また研究のエビデンスも出ていてるようですので、そういったことも加味しながら、中長期的に議論を深めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 議事は以上になりますが、まだ数分残っています。委員の皆さまから、何か全体を通してご質問とかご意見とかございますでしょうか。今日ご発言いただいてない委員もいらっしゃいますので、もしよろしければ何かいただければと思いますけど、いかがでしょうか。よろしいですか。ございませんか。どうもありがとうございました。それでは他にご意見ないようですので、本日の議論はこれまでとさせていただきたいと思います。
 最後に今後のスケジュールなどにつきまして、事務局からお願いいたします。
○加藤健康課長補佐 今後のスケジュールについてご案内申し上げます。次回の委員会については、今回の議論を踏まえまして、追って調整させていただきますので、お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
○辻委員長 それでは本日の委員会を終了したいと思います。委員の皆さまにおかれましては、大変活発なご意見をいただいたとともに、スムーズな議事進行にご協力いただきましてどうもありがとうございました。では、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
○一同 ありがとうございました。
 
-----了-----

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