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2017年10月4日 中央社会保険医療協議会 総会 第362回議事録

○日時

平成29年10月4日(水)10:47〜12:16


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭会長 野口晴子委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
菊池令子専門委員 横地常広委員
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○個別事項(その2)について

○議事

○田辺会長

 ただいまより、第362回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告いたします。

 本日は中村委員、榊原委員、岩田専門委員、丹沢専門委員が御欠席でございます。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(カメラ退室)

○田辺会長

 それでは、議事に入らせていただきます。

 初めに、「個別事項(その2)について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。

 医療課長、よろしくお願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 資料「総−1」をお手元に御用意いただきたいと思います。

 今回は個別事項(その2)ということになっておりますけれども、がん医療、緩和ケア、感染症、移植医療を取り上げて、御審議をいただきたいと思っております。

 最初に、がん医療の関係でございます。

 4コマ目からでございます。まず、全体的な、疫学的な状況といたしまして、御案内のとおり、我が国における死亡率の推移を見ると、今や3人に1人ががんでお亡くなりになるということで、最多でございます。

 5コマ目であります。こうしたがんの罹患状況を踏まえて、近年、ずっとがん対策については力を入れて推進しているということでございます。5コマ目は、がん対策について、がん対策推進計画に沿って進めているということでございますけれども、その中で、これは平成2712月の策定でありますけれども、特に短期集中的に実行すべきという施策をまとめたもの、これをがん対策加速化プランとして位置づけております。経緯はこの5コマ目の上の四角に書いてございますけれども、その中で、特に今回、真ん中の治療にかかわる部分を中心的に見ていただくことになるのですが、これを反映させているのが次の6コマ目であります。

 今年度検討しております、新たながん対策推進基本計画、これは案ということになりますが、今、上で見ていただいた5コマ目の加速化プランも反映されているということでございます。

 6コマ目以降では医療の提供体制の関係で幾つか確認をしていただくことになりますが、特に医療については7コマ目からでございます。がん診療連携拠点病院という体制を確保しております。これは平成13年から、がん診療連携拠点病院という形で整備を進めておりまして、8コマ目が現状の具体的な数値です。

 拠点病院が400カ所、地域がん診療病院が34カ所。これは本年の4月1日時点のものでございます。

 9コマ目、10コマ目に、この拠点病院、それから地域がん診療病院の指定要件の概略をまとめてございます。2コマでまとめてございますけれども、最初の9コマ目が診療の実績関係、それから医療施設の言ってみれば装置等の施設関係。10コマ目が従事者に係るさまざまな指定要件でございます。このような充実した診療体制を求めているということでございます。

 次に、11コマ目。年々整備を進めておりまして、ここでは二次医療圏ごとで医療機関の数を見ているわけですが、緑の空白の二次医療圏、つまり二次医療圏ごとに見て、こういった施設がないという空白地域をなるべく減らしていこうということだろうと思いますが、年々これは減少してきているということでございます。

 ここまでが、がん全般でありますが、12コマ目以降、特に今回、小児のがん医療について少し焦点を当てて見ていただこうと思っております。

13コマ目であります。小児に限らず全般的な状況を先ほど見ていただきましたが、小児のがんについて、13コマ目で概略を書いてございます。小児においても病死の原因の第1位でございます。ただ、がん対策推進基本計画は、小児というようなフォーカスの当て方は必ずしもしておりませんで、全般的ながん対策という位置づけになっておりますので、この13コマ目の上の四角に書いてございますけれども、小児のがんのさまざまな状況、あるいは多種多様ながんの組み合わせや成長発達期の治療が必要になるというようなことで、ある意味、配慮が必要な状況であるということでございます。これは平成23年8月にまとめられた小児がん専門委員会の報告書でありまして、こういった状況を踏まえまして、14コマ目にまとめてございます。

 今のような問題提起があり、25年2月の時点で15施設になりますけれども、その前年の24年にこういった報告書をまとめまして、小児がん拠点病院の指定ということを行ってきたということでございます。

 次に、15コマ目、16コマ目。まず、15コマ目は、今触れた小児がん拠点病院の要件の概要でございます。小児のがんということで、この要件の中では、例えば臨床研究等、研究を推進していく体制や、療育環境の整備もあわせて必要だということであり、そういったことが要件になってございます。

16コマ目が小児がん拠点病院の現状であります。全国で15施設の指定がなされております。主には大学病院あるいは小児の専門病院といった施設でございます。

17コマ目以降に診療報酬関係のまとめがございます。1718コマ目では、がん診療に係る、特に報酬上の評価として、17コマ目はがん拠点病院の加算、それから18コマ目は緩和ケア診療の加算であります。算定回数等の実数、これは直近のものですが、ここに記載してございます。17コマ目ががん拠点病院の加算ですが、小児がんの拠点病院について、特に入院初日ということですが、この750点を設定しております。その加算の要件を17コマ目の右下に書いてございます。

 それから18コマ目は、専従のチームによる診療に着目した緩和ケアの加算が、実数としては28年度ですと月当たり4万回程度の算定となってございます。

 次に、1920コマ目。この課題意識としては、小児の医療については一方でこの19コマ目に記載しておりますけれども、小児入院医療管理料ということで、包括報酬を設定して、小児の診療の特殊性といいますか特徴を踏まえて包括的な報酬評価を導入しており、多くの小児の医療機関はこちらを算定する形をとっているということですが、20コマ目を見ていただきますと、この小児の入院医療管理料をとりますと、入院基本料等の加算は包括範囲に入っているということでございます。がん拠点病院の加算など、先ほど見ていただいた加算はこの包括範囲に入るため、別途算定できないという、言ってみれば算定上の課題がございます。

 戻っていただきまして、例えば1コマ目を見ていただきますと、右上のグラフのところですが、小児がん拠点病院に関しては、この小児がん拠点病院加算を設定したにもかかわらず、ほとんど算定件数がないということです。15の拠点病院の全てが入院管理料をとっているわけですが、平成28年に算定回数が3とあるのは、小児病棟ではない病棟、一般病棟で治療をされた場合には算定が可能なので、まれなケースとしてと言ったほうがいいかもしれませんが、0ではないけれども、実質的には多くの病棟において算定はできないという課題があるということでございます。

 それから、21コマ目以降では、がんゲノム医療に関して少し御紹介をしております。先ほど見ていただいた5コマ目の加速化プランの冒頭にも、がんゲノム医療の推進というものの位置づけがあり、その加速化プランで触れているような推進すべき医療分野としての位置づけを踏まえまして、例えばがんゲノム情報の収集・集約や分析といったことの仕組みを構築する。あるいは治験などで実際にがんゲノム医療を行うというようなことを考えると医療機関として中核的な施設が必要だということで、そういったものを位置づけることが今、検討されているということでございます。

 次に、23コマ目に、今お話ししたようなことを、今の時点でのまとめとして書いております。これは仮称として、がんゲノム医療中核拠点病院ということですが、こういったことが検討されているということでございます。

 以上を踏まえまして、まず、がん医療関係の課題と論点を24コマ目にまとめてございます。これは通常の御審議いただくフォーマットになっているのですが、課題は今御説明したようなことでありまして、論点を2つまとめております。1点目は、先ほど御説明したとおり、小児入管の届出をされているケースについては加算が算定できないということになっていますので、がん医療にかかる加算を2つ御紹介しましたが、こういったことの算定要件について少し見直してはどうかというのが1つの論点であります。

 2つ目の論点は先ほど少し触れましたが、がんゲノム医療の実用化に向けて、より高度な拠点病院を中心とした体制を検討しているわけですので、今後の進捗状況を踏まえて評価のあり方をあわせて検討してはどうかということです。

 以上が、がん医療関係のまとめでございます。

 続きまして、25コマ目以降が緩和ケアでございます。26コマ目をごらんください。緩和ケアに関して定義を掲げております。これはWHOの定義でありまして、上半分が英語で下半分に日本語をお示ししております。「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して(中略)QOLを改善するアプローチである」ということであります。

26コマ目以降、課題意識といいますか、幾つか整理しておりますけれども、27コマ目をごらんください。近年、特にこれは強調されておりますけれども、がんの医療については特に緩和ケアを早期から始めるということが非常に重要だということでありまして、お示ししておりますデータなどもそうですが、早期から専門的な緩和ケアチームがかかわることでQOLが改善でき、場合によっては生命予後が改善できるというようなことでございます。

28コマ目は制度上の位置づけでありまして、がん対策基本法の17条に、緩和ケアの適切な提供ということが位置づけられているということでございます。

29コマ目は、がんと診断されたときからいかに緩和ケアを推進していくのかということを、イメージとしてお示ししているわけですが、これは切れ目なく緩和ケアを提供できるような体制の整備が必要だということでございます。

 続きまして、30コマ目、31コマ目と、緩和ケアの提供に関する実際の状況について整理しております。まず、31コマ目。緩和ケアの提供を全般的にどう整理するかですが、大きく3つの形があるのかなということで整理をしております。緩和ケアチームが一般の病棟で緩和ケアを行うというのが上のほうの四角ですが、入院について見ていきますと、緩和ケア病棟における緩和ケア。その名のとおりですが、入院についてはこの2つが大きな提供の形態であります。それから、近年特に重点的な対応を進めようとしているのは、在宅の緩和ケアでありますけれども、居宅において緩和ケアを提供するという形がございます。

32コマ目ですが、これは専門病棟。緩和ケア病棟入院料というものを報酬上設定しておりまして、一定の評価をしているということですが、33コマ目をごらんください。先ほどもちょっと触れましたけれども、在宅における緩和ケアを推進するという観点も踏まえて、特にそういった場合のバックベッド、緊急入院に対応できるような体制をとっていくことが求められていますので、そういった加算を28年に導入したということであります。

34コマ目は体制、特に医療機関数・病床数の推移でありまして、緩和ケア病棟入院料の算定施設は年々増加しているということで、病床数については約8,000ということでございます。

 都道府県別に見ているのが3536でありますけれども、見ていただきましたとおり、ばらつきがかなりあるということで、35コマ目について言うと、これは人口当たりですので一番高いところと一番低いところで6倍程度差があるということで、かなり実態上は差があるということであります。

 それから36コマ目は、入院に至るまでの期間についてデータをとっておりまして、全体の平均で大体14日ということですけれども、中には90日を超えるような場合もあります。このように待機期間が長いということは、バックベッドの役割が果たせているのかという問題意識、懸念があるということでございます。

37コマ目。がん拠点病院等の緩和ケア病棟の平均待機時間。これを機関別に並べております。2週間以上の拠点病院が3分の1程度、36%あるということでございます。

 それから38コマ目。これは緩和ケア病棟の平均在棟期間ですが、平均的には30日。しかし、60日を超える長期のものもあるということです。

39コマ目をごらんください。病棟の緩和ケアと在宅の緩和ケアが連携していくということが非常に重要でありまして、これは関係する検討会での意見の抜粋ですが、円滑な移行ということとともに、やはりバックベッドの機能が非常に重要だということが強調されているということでございます。

40コマ目。特に居宅との関係について言いますと、緩和ケア病棟を有する保険医療機関と在宅医療や訪問看護を行っている医療機関はどの程度かというと、半分前後。4割から5割という状況になっております。

 それから、41コマ目以降は緩和ケアの中身の関連でございます。がんの患者さんは、やはりさまざまな症状がありまして、そういった影響で摂食の機能、あるいは食欲の低下といったことがありますが、管理栄養士さんが参画することで、そういったことへの対応が促されるということを、この41コマ目、42コマ目にデータとしてお示ししているところでございます。

 以上を踏まえまして、がんの患者さんに対する緩和ケア関係を43コマ目にまとめてございます。論点としては、入院患者さんに対する緩和ケア。これは御本人、それから御家族の希望ということも含めて、適切な緩和ケアの提供を推進する必要があるわけですが、特に先ほど見ていただきました待機時間に係る現状、それから在宅緩和ケアとの連携というものを考慮した評価を考えてみてはどうかというのが御提案でございます。

 関連して、44コマ目以降は医療用の麻薬でございます。緩和ケアにおいて医療用の麻薬を適切に使用することが非常に重要なポイントになるということでありますけれども、45コマ目はWHO方式ということで整理をさせていただいております。がんによる疼痛緩和のための治療。これは基本方針として鎮痛薬だけでなく、麻薬を適切に使うことが非常に有効であるということであります。そういう問題意識で大きく整理をしてあるわけです。

 これは多くの方が御案内だと思いますが、46コマ目であります。医療用麻薬がどの程度使われているのかということを国別に見ますと、日本はどの薬剤についても非常に少ないというのが実態でありまして、適切に麻薬を使うことで、がんの患者さんの疼痛をもう少しコントロールできるのではないかというのは常々指摘されているところでございます。

47コマ目は、投与期間等の関係が具体的にどうなっているのかということであります。医療用麻薬の投与期間をここにまとめてございます。麻薬は一方で規制対象の薬品ですので、診療報酬上の取り扱いも、その投薬期間については一定の制限がございます。ここに記載しているとおり、原則は14日ですが、疼痛の治療に用いられる薬品は一定程度の期間について、必要性に応じて考えていく必要があるということで、平成20年及び平成24年のときに30日上限と設定してございます。24年改定以降、新たに薬価収載されたものが幾つかありますが、これは上限が14日のままとなっているということでございます。

48コマ目は当時、24年改定のときの資料そのものでございます。

 こういったことから、オピオイドスイッチングと呼ばれている、麻薬の種類を変更する治療を行うというようなことが実際に行われているわけですが、見ていただいたとおり投与日数が違うということを踏まえますと、そのスイッチをするときの投与期間が違うということで、処方が少し複雑になるという指摘があるというのが実態でございます。

 ここまでが医療用麻薬のお話であります。

50コマ目以降にて、在宅緩和ケアについて整理をさせていただいております。

51コマ目、52コマ目。この辺は診療報酬の取り扱いですが、まず、51コマ目です。在宅医療の診療報酬は算定の構造として定期の訪問、総合的な医学的管理、それから特別といいますか、その時々の指導管理。大きく3つの要素で報酬の構成がなされているということでございます。

52コマ目を見ていただきますと、在宅で療養する患者さんは報酬の算定については、主にはこの2パターンに分かれるという整理ができます。パターン1、パターン2と、それぞれ書いてございますけれども、ただ、いずれにしましても、注射による疼痛の制御、治療、疼痛療法、それから投薬などの治療に係る費用は包括になっているということでございます。

 一方で、53コマ目をごらんください。在宅で療養する患者さんについて、特に呼吸の関係で酸素療法を行うということがあります。在宅酸素療法指導管理料という点数の対象になっている必要があるわけですが、末期のがんの患者さんについては算定対象になっていないというケースになります。そうしますと、呼吸困難の緩和のための酸素療法が必要になるという場合でも、報酬算定ができないという指摘があります。

 こういったことも含めて54コマ目にまとめてございますけれども、がん患者さんに対する緩和ケアに関する論点として、今、2つ掲げておりますが、1つには医療用麻薬の話ですけれども、投与期間の日数制限の取り扱いについて、実際の使用実態を踏まえて見直していってはどうかということがまず1点目。

 それから2点目は、先ほど触れましたが酸素療法に関することです。在宅療養の末期のがん患者さん、これは苦痛の緩和を目的とした酸素療法について、この在宅療養指導管理料とその取り扱いについて、適切な見直しをしてはどうかというのが論点でございます。

 ここまではがん患者さんに対する緩和ケアですが、この後、55コマ目以降、緩和ケアの中で特にがんではない方、非がんの患者さんに対する緩和ケアについてまとめてございます。

 まず、56コマ目です。診療報酬上、緩和ケアに対する報酬の評価として、56コマ目は緩和ケア診療加算の実態というか現状についてまとめてございます。まず、前提として対象となる疾患。これは悪性腫瘍と後天性免疫不全症候群が対象の疾患となっているということでございます。

57コマ目で、それでは終末期に緩和ケアを必要とする患者さんというのは一体どのような状況になっているかという、ある意味、疫学的な数字ですけれども、見ていただくとわかるように、循環器疾患が最も多く、その次ががんということであります。

 こういったことを踏まえて、がんの患者さんとそうでない患者さんとで予後の経過が大きく違うというような指摘があります。58コマ目にイメージとして書かれています。これは別の検討会の資料を拝借しているわけですが、左側ががん等、右側が心・肺疾患の経過であります。特に右側については、急性増悪を繰り返しながら徐々に機能が低下していくというのが特徴でございます。

 次に5960コマ目です。終末期における苦痛の発生状況を疾患別に見ると、循環器、がん、それぞれ、当然かもしれませんけれども、同じように痛み、あるいは呼吸困難が症状として出てくるということでございます。

60コマ目を見ていただきますと、これは心不全の患者さんに対する緩和ケアの実際の推移あるいは病期の整理ですが、心不全の患者さんに対する治療、これは心不全の重症度によって当然内容が変わっていくわけですが、治療抵抗期になってくると心不全の治療とあわせて連携をした形で緩和ケアの提供が非常に重要である。これは治療ガイドライン上もそのような記載で位置づけられているということでございます。

61コマ目は心不全の患者さんに対する緩和ケアチームが継続的に支援するという実例です。この四角に書いているように、継続的に支援をすることが、QOL、不安、抑鬱、スピリチュアルの健康度で改善が得られるというような知見があるということでございます。

61コマ目は、海外のデータであります。

62コマ目は本邦における国立循環器病センターの実際の活動の状況でございます。

 以上を踏まえまして、63コマ目に非がん患者さんに対する緩和ケアの課題と論点をまとめてございます。進行した心不全の患者さんに対する緩和ケアについても、現行の末期の患者さんに対する緩和ケアについての診療報酬の評価を踏まえながら評価していくことを検討してはどうかという論点を掲げさせていただいております。

 次に、感染症と移植医療。まず、感染症ですが、65コマ目以降であります。まず、感染症の中で今、政策的な課題として掲げているのがAMR。これは薬剤耐性菌、Antimicrobial Resistanceということですが、通常、AMRと呼んでおります。現在の抗菌薬を無力化する病原体ということでありまして、これは国際的にも取り組みが重要だという位置づけになっております。耐性菌の検出割合を見てみると、この65コマ目に記載のとおりでありまして、日本はやはり検出率が非常に高いということでございます。

 この原因はどういうことなのかという話につながるわけですが、66コマ目であります。抗菌薬を不適切に使用してしまうことで耐性菌が発生しやすくなるということであります。日本の抗菌薬の使用状況は、量自体は決して多いわけではありませんが、問題は処方の内容でありまして、広域スペクトラムの抗菌薬の割合が多いということが大きな課題となっている。したがって、これを減らすということが非常に重要な対策の柱ということになります。

 こうした現状を踏まえまして、67コマ目でありますが、昨年、AMR対策アクションプランというものが政府の関係会議で策定されました。6本柱の4本目の柱として、抗微生物薬の適正使用というものが掲げられているところでございます。

 その下の68コマ目ですが、アクションプランにおいても幾つかの耐性菌、抗生物質を減少させるという具体的な数値目標を定めているということでございます。

69コマ目ですが、このような現状を踏まえ、報酬上の評価としては、感染防止対策加算というものが報酬評価として設定されております。院内感染対策の推進、それから耐性菌のサーベイランス、これは医療機関ごとの連携も非常に重要ですので、耐性菌のサーベイランスの実施が条件となっておりまして、抗菌薬の適正使用について要件がまだ余り具体的になっていないということが一つの課題と認識しております。

70コマ目は、その加算の実態です。2種類の加算がありますが、加算1、加算2の算定状況はこのようになっております。

71コマ目をごらんください。病院内における抗菌薬の適正使用の支援をどのように考えていったらいいのかということを、具体的に整理しております。先ほどからずっと見ていただいたような、抗菌薬をいかに適正に使用していくのかという取り組みについて、抗菌薬の適正使用を支援するチームとしてASTを置くということがあります。Antimicrobial Stewardship Teamということで俗にASTと呼んでおりますけれども、このASTによる感染症の患者さんへの介入が効果的であって、先進的な取り組みを行っている医療機関では実際に実施されているという状況でございます。

 その具体的な活動内容を、72コマ目に書いてございます。抗菌薬を使用する入院患者さんに対して、感受性の検査と、その結果を踏まえた適切な抗菌薬の使用、それから実際にその適正使用を支援することでアウトカムがどうなっているのかというようなことを評価する。こういったことを積極的に行うことで、効果的な対応ができているということでございます。

73コマ目は、実際にそういった対応をすることで、アウトカムとして耐性菌の発生がどの程度変わっていったのか、減少していったのか、というようなことがエビデンスとして得られているところでございます。

 以上を踏まえまして、74コマ目は課題と論点の整理であります。一番下ですが、AMR対策の推進、特に抗菌薬を適正使用するためには、今の感染防止対策加算を一つの参考としつつ、このASTの取り組みの推進に資するような評価をさらに検討してはどうかというのが御提案でございます。

 それから、感染症関係はもう一つ、結核病棟の取り扱いを掲げてございます。74コマ目以降であります。

76コマ目は疫学的な状況ですが、御案内のとおり、結核患者さんについては治療の普及等により、患者さんの数自体は減少し続けているということであります。

 一方で、患者さんが一定程度発生するのも事実ですので、特にそういった場合の入院医療体制を適切に確保することが必要です。77コマ目ですが、結核患者さんの場合には、感染防止のための陰圧の装置、施設を備えた結核病棟への入院が必要になります。患者さんの数が減少しますので、入院患者さんも減少するということです。病床数は現在、このチャートで見ていただくと5,500床程度となっております。患者さんについても高齢化が進んでいるということでございます。

78コマ目。結核に関する特定感染症予防指針というものを見直しているわけですが、一定程度やはり体制を確保することがどうしても必要です。その一方で患者さんの数が減ってまいりますので、医療機関としても対応を工夫する必要がございます。そのために、従来ですと病棟単位でそういった体制を確保してきたわけですが、ここに記載しているのは一定程度の患者さんの減少を踏まえて病室単位での確保を求めるように対応を変えてきているというのが現状であります。

 次に、79コマ目。結核病棟の届け出を見ていただきますと、国公立が多く、看護師さんの配置についても7対1、10対1が多いということでございます。

80コマ目、81コマ目と続くのですが、今見ていただいたとおり病床数の減少に伴いまして、病棟で全て結核病棟でというように運用するのではなく、一般病棟と組み合わせていくということも工夫をしていくというように運用上は広がっているわけですが、問題というか課題としては報酬上の設定でありまして、一般病棟と組み合わせている場合には、結核病棟だけでなく一般病棟とあわせて要件をクリアすればよいのですが、結核病棟だけで見て要件を満たさない場合も結局区分の変更は必要なく運用できるのですが、障害者施設棟の入院基本料と組み合わせている場合には、現状ですと結核病棟だけが要件を満たさないという場合であっても障害者施設等入院基本料も区分の変更が必要になっているということなので、若干これはディテールになるわけですが、結核病棟、結核病室を運用している立場からしますと、少し運用が難しいという指摘があり、そういった御意見をいただいているということでございます。

82コマ目に、今の話をまとめております。論点としては、結核対策を推進するということで、いい意味で結核の入院患者さんは年々減少しているわけですが、一方で体制を確保することは当然必要なので、今お話ししたような運営について、少し工夫をし、取り扱いを見直してはどうかというのが課題でございます。

 長くなって恐縮ですが、最後に移植医療でございます。83コマ目以降であります。

84コマ目。移植医療のうち血液の中の細胞である造血幹細胞の移植について、これは非血縁者間ですが、その数字をお示ししております。現在、年間2,500程度の件数となっているところでございます。

85コマ目が報酬設定でありまして、非血縁者間を含む同種移植について一定程度の報酬設定をしているということでございます。

86コマ目。同種移植の場合、コーディネートすることが当然必要になるわけですが、非血縁者間の場合については、あっせん事業者、これは骨髄バンクになるわけですが、そちらにコーディネートを依頼することになるわけです。その費用などを加味しているということで、報酬設定が一定程度必要になるということです。

 指摘されている事実としては、コーディネートに要する期間です。87コマ目以降に記載させていただいておりますけれども、患者さんが登録されて、実際に移植を実施するまでに中央値で150日という時間を要しているということでございます。

88コマ目です。これは当然ですが、コーディネートの待機期間が長いということは、移植の成績が当然低下していくわけでありまして、患者さんの病状が悪化するということも含めて、移植が中止になったケースが約30%あるということでございます。すなわち、可能な限り移植に至るまでの期間を短縮することが重要だということであります。

8990コマ目です。実際のオペレーションはどのようにしているのかということを図示させていただいております。まず、89コマ目。現状のオペレーションでコーディネートの流れをどうやっているのかということを見ますと、コーディネート開始時に最大で5名の候補者を選択して、同時にドナーになれるかどうかという確認作業を行っているというのが現状であります。

 このやり方について、少し改善の余地はないのかという問題提起をお示ししているのが90コマ目です。5人全員がドナーになれない場合には、改めてまたドナーの候補を選定し、コーディネートを行うということですので、結果的に時間が長くかかってしまうということです。ですから、そういう意味では、最初から10人の候補を選定して行うというトライアルを現在行っておられるということであります。

 そのトライアルによる移植までの期間を91コマ目にお示ししております。いずれも中央値で約150日の短縮ができているということでございます。こういった形で運用していくことにより期間の短縮が期待できるということございます。

 それから、医療機関によって専門のコーディネーターを配置する施設はあるわけですが、これは92コマ目であります。全国で数十名程度の配置があるということでございます。

 こういった専門のコーディネーターを配置することで、93コマ目以降ですが、移植に関する情報が十分に得られるというメリットもあるということであります。

94コマ目ですが、このコーディネーターが配置されているかされてないかで、当然ですけれどもコーディネートの期間が短くなっていくという報告もあるということでございます。

 最後、95コマ目がまとめであります。造血幹細胞移植について、このようにコーディネート期間が短縮できるような体制がある場合に、一定程度の報酬上の評価の見直しを行ってはどうかということを最後に論点として掲げさせていただいております。

 以上、少し長くなって恐縮ですが、本日の御審議をお願いしたい事項であります。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関して何か御質問等があればお願いいたします。

 松本吉郎委員、お願いいたします。

○松本吉郎委員

 緩和ケアのところです。3536コマ目は、緩和ケア病棟には地域差もあり、また、地域によっても病院間の差があるということだと思いますけれども、ただ、平均待機期間が14日というのは、確かにこれだけを見ると非常に多い気がしますし、緩和ケアの対象になる患者さんのことを考えると、もっと少なくあるべきということは理解しますが、ただ、このグラフの中に、平均待機期間0の62病院を除くと書いてございますので、0の病院もこれ以外に62あるという理解だと思います。また、緩和ケア病棟が少しずつ増加してきていますので、この平均待機期間は今後減少していくのではないかと思います。

 また一方で、その受け皿となる在宅緩和ケアのデータがないということはありますけれども、在宅緩和ケアが進展することによって、緩和ケア病棟のニーズが今後大幅に増加することはちょっと考えにくい。これも地域によって違うとは思いますけれども、そのようにも思います。

 緩和ケア病棟は民間の一般の病院でも可能であって、在宅緩和ケアとの連携を考えれば、そのほうが望ましいとも思います。がん診療拠点病院における緩和ケア病棟のあり方は見直す必要があり、むしろ緩和ケアチームを中心とする地域の医療機関に対する緩和ケアの教育を中心とすべきであろうと思います。地域の民間の、一般中小病院の緩和ケア病棟の緩和チームは直接在宅ケアも担当することが考えられます。なお、緩和ケアチームにおける精神症状の緩和を担当する常勤医師の確保はなかなか困難な地域もございます。

 ただ、緩和ケアについては多様性があると思いますので、病棟によって早目に入るのか遅目に入るのかという違いもあると思いますし、また一方、在宅に戻りたいと思っても戻れない人もいるというような面もあろうかと思います。

 それから48ページ目、がん性疼痛に適応のある医療用麻薬の問題です。実際に30日間、同じ量で経過するということは少ないようにも思いますし、投薬期間の日数上限を30日にそろえることによって、変更によって無駄になる薬も増加してくる懸念はあるかと思います。

53コマ目ですが、もう一つ、在宅で緩和ケアを受ける末期がんの患者が必要な酸素療法が受けられるようにすることに関しては、在宅酸素療法指導管理料や材料加算を算定できるようにすることは考えていただいていいのではないかと思います。

 それから56コマ目です。進行した心不全を含む非がんの患者さんと、現行の末期がん患者さんに対する緩和ケアのアプローチがあるということなのでしょうけれども、高齢化の進行した我が国においては、緩和ケア病棟の対象は現行どおりとした上で、非がん患者に対しては緩和ケアチームによる支援を中心とする体制をしっかりと構築する必要があると思います。そのためには今後、がん診療連携拠点病院や緩和ケア病棟のある病院以外にも、非がん患者を対象とする緩和ケアチームを増強する必要があるものと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

○田辺会長

 それでは医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。本日は関係する部局の管理職も同席しておりますので、内容的な部分につきましては関係部局からお答えをさせていただければと思っております。

 総括的には、きょう御意見をいただきまして、今後、検討させていただくということが、まず前提であります。

○田辺会長

 では、がん・疾病対策課長、よろしくお願いいたします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 がん・疾病対策課長でございます。御指摘、ありがとうございます。

 まず、緩和ケア全体の方向として、先ほどのスライド31にありましたとおり、緩和ケアチームと緩和ケア病棟と在宅緩和ケア、これをどう組み合わせていくのか。先ほど需要がふえるのか減るのかという話もありましたが、今後、まず、亡くなるであろう方の数はふえていく。この予測はほぼ確実な中で、どうこの3つを組み合わせていくのかということで、がん、さらには緩和ケアの政策を今、ちょうど現在、第3期のがん対策推進基本計画の見直しを進めているところでございます。そうした背景にあって、まず、がん診療連携拠点病院だけでなく、ほかの、例えば在宅等にも進めていくべきではないか。これについては、緩和ケアの研修を拠点病院だけでなく、拠点病院と連携する他の診療所を含めた医療機関等に広げていこうとしております。その意味では政策の方向性については、今、御指摘いただいたとおりではあります。

 一方で、まず、御指摘いただいた後ろのほうから申し上げますと、スライドの60前後、63がよいかもしれません。非がん患者に対しての緩和ケアをどのような方向でということですが、私どもの政策におきましても、循環器に関する緩和ケアはチーム加算、つまり緩和ケア診療加算までの議論が適切ではないか、そのような方向性で進めていくのが現実的ではないかと、政策の方向性としてはそのように考えております。

 もう一つの御指摘、前段のほうで、例えば薬についても御指摘いただきました。薬剤については先ほど、スライド47から49までで御指摘いただいたところでございます。現在の診療の現場、これはもちろん患者さんや御家族の側から考えても、投薬期間の上限を今の必要なもの、より長くとれるものについては、そうしたほうが、より診療の側、患者さんの側にとっても利便性があるのではないかと考えております。

 それからもう一つ、緩和ケア病棟という形での整備。1つ目の指摘だったと思いますけれども、これがどうかということがありました。まず、緩和ケア病棟が、本来これから先どういう役割を担っていくかということにも関連しようかと思います。これについては先ほど申し上げました、今まとめようとしている第3期がん対策推進基本計画の中でも触れていますが、従来の緩和ケア病棟の役割もありますけれども、先ほど迫井課長からの説明にありましたように、まず、バックアップ的な機能をちゃんと担える。在宅での緩和ケアを行っている患者さんが、いざというときには戻ってこられる。そういう体制整備の役割も担うこと。また、同様に、在宅緩和ケアの支援が、バックアップもそうですし、サポートをしていく。これは先ほど申し上げましたがん診療連携拠点病院の役割も含めてそうですけれども、そう考えると緩和ケア病棟は、確かに先ほどのスライド31の三者を充実していく上で、量的にも今後、亡くなる方の数の増加を考えたときに、緩和ケア病棟の量的な必要性ということ、また、役割としての多様性も今後進めていくべきということで、現在、考えております。

 以上です。

○田辺会長

 よろしいでしょうか。

 では、今村委員、お願いいたします。

○今村委員

 今の松本吉郎委員の御質問に関係のあることが多いのですが、36ページです。県ごとに病棟入院までの平均待機期間が違っている。これは県ごとに違うということも大きな問題だと思うのですが、一例として栃木県が上の段に出ています。同じ県内に70日近くかかるところと、数日でほとんど入院できているところとが何カ所もある。県内でこのような大きな差が出るということは、がん診療連携拠点病院を初めとした、こういった病棟間の連携とか調整が全くきいていない。同じ県内にいて、これぐらい対応に差があるということは非常に問題だと思います。ぜひとも、こういった連携もできるように。例えば病院と診療所の連携というのも、もちろん大事ですけれども、こういった病棟間のきちんとした連携がとれるようにしていただきたいと思います。これは要望です。

 それから、先ほど、医療用の麻薬の話がありました。46ページ。日本の医療用麻薬の使用量が少ないというのは、よく知られている事実ですが、薬剤間の比較として、例えばモルヒネとフェンタニルの割合を見ると、日本は圧倒的にフェンタニルの使用量が多いわけです。全体としては多くなくても、薬剤間の極端なばらつきがある。どうしてこういうことが起こっているのか。今回、長期処方で30日処方にしようと言っているのも、フェンタニルのクエン酸塩の注射薬を30日にしようという提案だと思いますけれども、そもそも注射薬を30日間処方するというのは、どういう意味があるのか。これは、誰がどのようにして在宅で管理されているのかということを、ぜひ教えていただきたいと思います。つまり、アンプルを30日分お渡しして、それを患家で誰がどのように管理をしているのか。これは患者さんにとってみると、早期から適切に医療用麻薬を使用するということは非常に大事なことですが、使用量の多い国というのは、麻薬によるさまざまな問題も多い国です。したがって、この辺のバランスはとても大事だと思います。

 それから、先ほど53ページで在宅酸素療法のお話がありました。松本吉郎先生からは、指導料というものも検討してはどうかというお話ですけれども、指導料の話と濃縮器加算の話とは明確に区別したほうがいいと思っています。酸素を濃縮する機器のリース料等については、これがきちんと請求できなければ非常に困るわけですけれども、がんの総合的な、いわゆる指導管理の中に、こういう管理というものも、本来的には包含されているものだと思うので、ここは明確に区別をしていただけたらと思っています。

 以上、3点。お答えいただけることがあればお答えをお願いします。

○田辺会長

 では、よろしくお願いいたします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 がん・疾病対策課長です。

 まず、1点目。スライドで言うと36の拠点病院間の連携です。こちらは先ほど要望という形での御指摘ではありましたが、連携拠点病院が、どうあるべきなのか、そのための指定要件をどうするのか、ちょうど今、同じ時間帯でその議論を省内の別の会議で行っているところです。

 繰り返しになりますが、今、緩和ケアをどういう形で拠点病院が地域の中で担っていくか、そして御指摘の、拠点病院間の連携をどうしようかということを進めているところですので、それぞれの病院の特性もあろうかと思います。一方で、それに応じた患者さんの、拠点病院であっても患者さんの状態に応じては難易度が高いので、こちらの病院でないとちょっと難しいという場合は、そこでベッドが埋まっていると、ほかの病院では対応できないため、どうしても待機せざるを得ないということもあろうかと思います。そうした、さまざまなパターンも考慮しながら連携し、さまざまな組み合わせのあり方を想定した上での議論を進めていきたいと思います。

 2つ目は、スライドで言うと46474849にかけてのところですが、それでは、誰がどういう形で管理をすればうまくいくのかということです。また、国の背景等を考えたときに、我が国においてはどういうあり方であるべきかということですが、まず、基本的には14日であれ30日であれ、その管理を誰がという考え方は同じであるべきだと思います。その上で、今御指摘いただいたように、14日と30日とでは、ある意味で倍に延びるわけですから、それに伴ってどういう課題があるのかということの整理は当然必要かと思いますけれども、利便性ということとあわせて、メリットに対するデメリットのところをもう少し整理したいと思っております。

 最後、3点目の御指摘が、スライド53のところです。目的としているものを、どの診療報酬に対応して考えるべきなのかという趣旨での御指摘だと思います。まず、その整理をした上で、末期がんの患者さんについては、その診療に携わっていれば常にお感じになっていると思いますけれども、末期になってきますと呼吸困難となる。それに対しての在宅酸素療法指導管理料になじむような、その状態に対しての管理の難易度に応じた報酬を設定することによって、末期になった状態でも、在宅での療養が可能になるような体制を整備したいということで、この形での指導管理料の対象となっているものの拡大ということで、今回、お諮りしている次第でございます。

○田辺会長

 それでは、医療課長から補足をお願いいたします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 報酬の関係なので、私のほうから少し補足をさせていただきます。53コマ目の報酬設定に加えて、今村委員の御指摘の点は、例えば酸素ボンベ加算といった付随するような加算の組み合わせで報酬を一定程度手当てをしないと、御指摘のような課題が解決できないという問題意識であろうと思います。したがって、今後見直しをする中で、そういったことも含めて検討させていただくということが必要であるという問題提起として受けとめましたので、これは今後の議論の中で、対応案も含めて御審議をいただけるようにしていきたいと考えております。

 事務局からは以上です。

○田辺会長

 それでは今村委員、どうぞ。

○今村委員

 理解できたような、できないようなところが若干あったので。ボンベというよりも在宅酸素は濃縮器という、いわゆる空中、空気から酸素を濃縮する機器が一番点数の高いもので、これはリースで医療機関が借りているわけです。ですから、それが診療報酬でこのがんの患者さんに酸素を使用したときに、とれないということになれば、これは大きな問題なので、当然そこはお願いしたいと思っています。ただ、いわゆる指導料です。先ほど、がん・疾病対策課長から御説明があったようなものというのは、これはがんの管理の一元的なものの中に当然いろいろ起こってくることなので、さらに、それに酸素を投与したからといって加えるのであれば、通常の加算、いわゆる慢性閉塞性肺疾患等に行っている酸素療法と同じような点数設定にするかどうかというのは今後の議論だと思うのですが、そこは慎重に考えていただきたいということを申し上げています。

 それから、注射薬を14日から30日にするか。これは単に日にちが延びたという問題ではない部分があって、内服薬に比べると注射薬というのは非常に副作用というか中毒を起こしやすいものでありますので、そこについては、やはりそういうことも考えた上で、慎重に対応していただきたいということを申し上げているということです。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 それでは猪口委員、お願いいたします。

○猪口委員

 まず、38コマ目の、平均在棟期間の話です。緊急時に在宅から引き受ける初期加算がついて、実際、緩和ケア病棟から退棟するときに、在宅なのか、または亡くなられているのか、その辺がどのように変化しているのかということがわかるようでしたら教えていただきたいということが1点です。

 それから、57コマ目。緩和ケアを必要とする非がんの患者さんのことです。先ほど、循環器系の話が出ましたが、この表を見ると循環器系とがんと、その次が呼吸器系、さらにHIV等が入っていますので、もしも何らかの評価をして、これからデータをつくるということを考えるならば、呼吸器のほうも、この際ある程度評価して、今後のデータをつくるということが重要ではないかと思っております。

 それから70ページ、AMRの対策です。69ページですか、感染予防対策加算の1と2がありまして、これは、それぞれの病院でやると、なかなかデータをそろえて方針を出すのが難しいので、ぜひ、今後も連携体制と、それから基幹病院で主にいろいろなデータをつくって、それを周りの病院も協力して、地域においてどのような対策をしていくかということが非常に重要だと思いますので、ぜひ、その辺のことに力を入れていただければと思っております。

 以上です。

○田辺会長

 それでは事務局、お願いいたします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 御質問ありがとうございます。

 1点目の、緩和ケア病棟の患者さんがどのような転帰をたどるのか。スライド38に関連してですけれども、手短にお答えいたします。私どもの手元のデータでは85%程度がお亡くなりになっての死亡退院でございます。ほかの方は自宅への退院や他施設、他院への転院ということになります。ちなみに出典ですけれども、日本ホスピス緩和ケア協会が288施設を対象にした2014年の調査でのデータが、85%程度が死亡退院というものです。

○三宅結核感染症課長

 結核感染症課長の三宅でございます。

 先ほど、感染防止対策加算についてお話がありました。おっしゃるとおり、現在でも地域連携加算があるところですが、今後、ASTのことについても感染症の専門医が地域でしっかりと多くいるわけでもないという現状、また、チームでしっかりと、そして知識を引き上げるということを相互にやっていく必要性から、いただいた意見についてはいろいろ検討させていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

○田辺会長

 それでは松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 まず、緩和の件と、医療用麻薬の件と、それから結核の話について、3点ほどしたいと思います。

 まずは緩和ケアです。3233のスライドは、28年度改定の際の議論に使った資料ですよね。38の平均在棟期間があるわけですが、ここにある現行というのは恐らく改定前の話だと思うのですが、これが改定後にこうなって、診療報酬の点数が少し変わった。その前後で平均在棟期間がどうなったかという資料を出していただくと、何を議論したいのかが非常によくわかるのですが、これの323338ですと、どういうことを議論したいのか、よくわからない。まず、その辺について、いかがでしょうか。

○田辺会長

 では、お願いします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 スライド33の、28年改定での緩和ケア病棟緊急入院初期加算によるデータですけれども、私どもが事前に調べた段階では、今はありません。御指摘の、緩和ケア病棟緊急入院初期加算の導入によって、どの程度の影響があったかについては、私どもも調べているところですけれども、現時点でお示しできるデータは、恐縮ですけれどもございません。

○松本純一委員

 わかりました。

 それから、先ほど退棟の理由で85%が死亡退棟とお聞きしましたが、在宅緩和ケアとの連携は確かに大事だと思います。死亡退院以外は全て在宅緩和ケアになるという理解でよろしいですか。

○田辺会長

 では、お願いいたします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 残りの15%の方が御自宅なのか、それとも他院、他施設なのかということは、手元には数字がございませんが、先ほどの出典のところに問い合わせて、お示しできるようにしたいと思います。

○松本純一委員

 できれば在宅で緩和ケアを行っている、実数は難しいかと思いますが、全国でどれぐらいいるのか、あるいは地域に偏りがあるのか、その辺を調べられれば調べていただきたいと思います。

 それから、4849だったと思います。先ほど今村委員も質問しましたが、45に鎮痛薬使用の5原則があります。いわゆる外用薬もここに含むとすれば、やはり医療用麻薬の注射剤の用法・用量というものを示していただきたいと思います。というのは、保管のこともありました。患家で保管をすることと比較して、我々医療機関で保管することは、かなり厳しい制約があります。普通の一般家庭で保管するのは、なかなか難しいと思うのですが、そこに危険性はないのかどうかということについての見解もお聞きしたいと思います。

 それから、注射薬というのは、例えば糖尿病患者では自己注射をするわけですが、まさか同じように自己注射するわけではないと思うのです。30日分を処方して、自宅に置いて、どのように使用するのでしょうか。まず、それをお願いします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 先ほどの今村委員の指摘にも関連するところですが、使い方、保管等について、患者さんによる適正な管理が行われるよう、在宅の患者さんに対し、患者さんの居宅での保管方法や保管場所等について、適切な指導を行っていらっしゃると思います。まず、それが大前提ですし、さらには使用せずに残った麻薬については診療施設または薬局に返却するよう、患者さんや御家族の方に指導していらっしゃると思います。まず、これが基本だと思います。

 また、もう一つ。麻薬注射薬の御指摘もありました。これについてはアンプルに入ったままでの患者さん等への交付は行わないことが前提になろうかと思います。麻薬注射薬を患者さんに交付する場合には、患者さんや御家族などが注入速度の変更ができなかったり、また、薬液が取り出せないような構造になっている。それで連続注入器を用いるというような工夫をしているところでございます。

 それが14日の場合と30日の場合とで、今村委員の御指摘の、どの程度それが付加的に、リスクと申しますか、課題が生じるのか。これについては、今、手元で課題整理しているものはありませんので、それは改めてお示しできるように準備をしたいと思います。

○松本純一委員

 持続点滴のような形でずっと入っているのであれば、何となく理解できるのですが、誰が患者さんに注射するのですか。まず、教えてください。

○佐々木がん・疾病対策課長

 医師が原則で、医師または看護師ということで考えております。

○松本純一委員

 その都度、医師あるいは看護師が患家に訪問するということですか。

○佐々木がん・疾病対策課長

 そのようなことで考えております。

○松本純一委員

 それでなぜ、14日、30日と、患家に置いておかなくてはいけないのですか。

○佐々木がん・疾病対策課長

 まず、この30日、14日ということについて、これはあまねく30日にするという趣旨ではございません。当然ながら、診療報酬上の投薬期間の上限にかかわらず、必要な患者さんに安全な処方管理を行う、これがまず第一の視点になります。その上で、例えば管理が十分に行えないと想定される患者さんについては、当然ですけれども医師の判断で処方日数の調整が行われるべきものと考えています。ですから、実際には30日ということが原則というのではなく、上限を引き上げる、それによって医師の判断によって調整すべきものということで考えております。

○田辺会長

 それでは今村委員、お願いします。

○今村委員

 恐らくこの議論をされている方は、自分でそういう薬を投与した経験がない方だと思います。私は麻酔科ですが、恐らく注入ポンプのようなものにつけて、皮下なり、あるいは硬膜外の脊髄腔等に、持続的に注入するということを想定しているものだと思います。そうであって、先ほどの御説明のように、医療機関でそのポンプの中に充填したものを渡して、患家でそれを持続的に使うということを言っているのだと思うのですが、それを前提としても、医師の判断ではもちろんあるのですが、30日連続して使うような想定というものを最初からする意味があるのかどうか。つまり、皮下であろうが硬膜外であろうが、そこに入れているものをそのまま何の処置もしないまま、観察をしないでただ患家に渡して患者さんに使ってもらうということは現実的ではなくて、訪問看護であれ、訪問する在宅の医師であれ、そこでその注入部位がきちんと感染を起こしていないかどうかなど、管理をするということが前提になると私は思っているので、これは2週間でも別に十分いいのではないかということで、あえてそれを30日にするということについて、御意見を申し上げたということです。

○田辺会長

 事務局、お願いいたします。

○佐々木がん・疾病対策課長

 この議論をした中の1人としては、かつてこのような形での投薬を行った経験もある程度は踏まえております。一方で、今、今村委員から御指摘のように、この分野は進歩が早い分野ですので、それが今の現場において、この14日を30日にするということが、リスクとの関係で適切なのかということが論点になろうかと思います。ここで、繰り返しのお答えになって恐縮ですが、そこは最終的には個々の医師の判断で処方日数の調整を行うということを前提とした上で、この議論をお願いしたいということで御理解いただきたいと思います。

○田辺会長

 松本純一委員、お願いします。

○松本純一委員

 まだ続きます。最初に、持続点滴とか、持続していてずっと血管内や皮下に入っていた場合、患者ないし患者家族が注入したりできないわけです。そこに、医師なり看護師が訪問するのであれば、注射液を持っていけばいいわけですから、患家に置いておく必要はない。したがって、スライドの54の論点の上の○は見直さなくていい。むしろ今まで30日とか、あるいは注射薬に限ってですけれども、14日でも患家に渡していたものは見直して、その都度医療者が持っていったほうが安全ではないかと思います。

 続いて、結核です。82のスライド。ここで見直してはどうかということがあるわけですが、現状で、全国的な傾向がどうなっているのか。結核患者が少なくなっているということは理解しておりますが、全くゼロにはなっていない。もちろん、地域によって差があることも承知しています。集約化して県内1カ所にまとめてというところも、あることも聞いております。

 ただ、こんな声も聞こえてくるわけです。採算のこともあるわけですが、国立病院が結核病床を、例えば30床なり50床を、もうやめたいと。それには、今も言ったように、採算性のこともあるのですが、専門医がその病院内にいない。呼吸器専門医、あるいは結核を診られる専門医がいないというようなことも理由に挙げている面があります。そのあたり、こういう緩和をしている公的病院、いわゆる国立病院といえども運営が困難というので見直しも必要だということで、このように論点を整理されているということはよく理解できるところなのですが、実際のところ、全国的な傾向を厚労省はつかんでいますか。

○田辺会長

 では、お願いいたします。

○三宅結核感染症課長

 結核感染症課長でございます。

 結核の現状につきましては、今でも全体で毎年1,800人の方が亡くなっている、感染症の中では最大の感染症でございます。そういう中では、厚生労働省といたしましても結核の現状ということを、医療の提供体制も含めて把握することは重要だと考えております。

 そして実際に、その前の75ページ以降でいろいろ現状について少しはお話しさせていただいているところでございますけれども、おっしゃるとおりで、都道府県によっては何カ所かで集中して当たるなど、いろいろな医療体制を試みられている。その中で、先生がおっしゃるように、専門医をどのようにきちんと維持するかということと、それから、アクセスと数との関係で、どのような体制にするかということが重要だということで、今回の結核に関する特定感染症予防指針、78ページですが、平成28年から話し合いが行われて、1125日に適用になったところでございます。

○松本純一委員

 それで、県任せですか。

○三宅結核感染症課長

 最終的なところはおっしゃるとおり県任せのところがございます。医療体制の構築そのものは自治体にしっかりとやっていただくことが一番重要だと思っています。ただ、それを支援する体制は国が持つべきだということは、ここで現在、診療報酬をどうするかということを考えているのも含めて重要なことだと考えておりますし、結核を診られる専門医をどうするかについては、例えば結核予防会結核研究所のほうで、そういう専門医をふやすための講習会をやらせていただいたり、また、これについては、我々結核感染症課では、1種感染症病床、2種感染症病床、それから結核の病床と、医療法と感染症法で考えると、3種類の病床が主にあるわけですが、2種の感染症病床をどう活用して地域でうまく回せるようにするか。そのようなことを支援しているところでございます。

○松本純一委員

 ぜひ、その実態を把握していただいて、せっかく、結核感染症課というものがあるわけですから、主体は県かもしれませんが、ぜひ、バックアップ体制を、あるいは支援というものを、診療報酬だけではなく、支援をしていただきたいと思います。

○田辺会長

 ほかに、いかがでしょうか。

 それでは安部委員、お願いいたします。

○安部委員

 医療用麻薬の投与期間のことで意見を申し上げたいと思います。

47ページを見ていただきますと、14日制限の内服薬の部分にフェンタニルという記載があります。本日の提案は49ページにもあるように、ベースとなるようなオピオイドスイッチという観点から投与期間を延長するという御提案ですので、ベースのオピオイドにならない内服のフェンタニルが対象になっていないと推察をいたします。

 一方で、フェンタニルの内服は、今、バッカル剤と舌下錠の両製剤あり、いわゆるレスキュードーズとして使用されているほかに、在宅の日常生活で予測されるような疼痛、例えば入浴や排便、炊事洗濯、そういったことを行うときに突出して起こるような体動痛に対し、事前に服薬することで疼痛コントロールするということでも、よく使われています。そういう意味では、ベースとなるオピオイドの処方日数とフェンタニル内服製剤の投与日数制限に差があると、患者さんにとっても問題が起きるということがありますので、そういった差が生じないような対応も必要かと考えます。したがって、フェンタニルの内服の投与期間制限についても、現場や関連学会の意見等を聞いて御検討いただきたいという要望です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 それでは平川委員、お願いいたします。

○平川委員

 戻りますけれども、緩和ケアの関係について。2号側の先生方からも、この緩和ケアの病棟の地域差の問題について、るる御指摘がありました。診療報酬は全国一律で評価をしていく、それによって問題を解決していくという手法ですので、地域差が余りにも大きいということについて、この地域差の要因、要するに平均待機期間の地域差ですが、その要因がどうも余りはっきりしないのではないかという感想を持ちましたので、そのあたり、しっかりとそれを解決できるようなものにしていかないと、診療報酬で一律に評価したとしても、なかなか解決することは難しいのではないかと思っているところです。

 緩和ケアチームへの管理栄養士さんの参画は効果があるということですので、これは検討してもいいかと思いますけれども、43ページにある平均待機期間に係る現状への考慮というところについては、もう少し精査をしていかないとだめなのではないかと考えているところです。

 そういう中で、もう一つの緩和ケアである、非がん患者に対する緩和ケアに関して。これについて評価をしていくということですが、問題は、この要件です。56ページに緩和ケア診療加算が書いてあって、その施設基準においては専従の緩和ケアチームということで、常勤の医師や看護師についても「5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事した経験を有し」ということ、もしくは「研修を修了している者」ということも明確に書いてありますので、要件についてもしっかりと、患者が安心してこの緩和ケア病棟に入って治療を受けられる体制というものが重要ではないかと思っています。

 以上、意見として言わせていただきます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 それでは万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 まず、先ほどの49ページのオピオイドスイッチングの図に関して、その前に幾つかデータがありますが、ただ、49ページのデータの提示の仕方は、30日と14日があって、そこをそろえるというためだけに提案されているやにも解釈されてしまうので、今までのような議論があるのかなと思います。したがって、この30日処方であるオピオイドが現場で使用されている現状について、もう少し詳しいデータを出していただければ、さらに詳細な議論ができるのではないかと考えております。

 次に、感染症の関連です。64ページからの薬剤耐性対策です。日本はこの薬剤耐性に関して欧米と比べて10年おくれているという現状もありますので、これは喫緊の課題と私自身も考えていますし、事務局もそのような視点のもとに、診療報酬上も対策を立てようという、そういった形で提案されているものと理解しています。したがって、要点は、69ページの感染防止対策加算とこれに関連して、71ページでのASTのチームを、このコマの右側の絵の下のオレンジのように、どのように形をつくっていくかということで、診療報酬上の要件が今後設定されていくものと考えます。

 その場合に、まず、感染防止対策加算については、データがあるのかないのかわかりませんが、現場感覚としては、これが導入されることによって、先ほど猪口委員も言われたように、地域で面として対策を立てていますので、非常に効果が上がっているなという実感があります。もしもアウトカムを出せと言われれば、今、ちょっと考えたところでは、例えば院内における一定規模以上の感染症の流行、すなわちアウトブレイクについては、疾患によって違いますけれども、保健所に届けるということになっています。したがって、この感染防止対策加算の導入前後で、そういう保健所への届け出のアウトブレイクの数等がもしも出せれば、それをもとにアウトカムが出るかなとは考えていますので、そういったことも含めて、今後、このASTについては非常に重要になるかと思っています。

71ページの絵に戻っていただいて、ここでは医師、看護師等々が、上下で共通のような形になっているやに見えますけれども、今後、要件等を細かく設定していくときに、余りストラクチャーばかりで厳しく要件をつけられてしまうと、なかなか取り組めないと思います。したがって、プロセスのところを評価していただくというような形での評価をお願いしたいと考えています。

 結核病棟については、いろいろ議論があるかと思いますけれども、実際問題として、いろいろな病院長と話していると、結核病棟は、なかなかやっていられないというのが本音のようですが、結核への対策が重要であるということは皆様御案内のとおりですので、やはり、いろいろな工夫をして、結核に対する対策を、診療報酬上も立てていくということが必要かと思っております。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

 今回示された個別事項は非常に専門的であり、個々の論点について是非を述べることは控えたいと思いますが、基本的な考え方について、要望と意見を述べさせていただきます。回答は不要です。

 まず、がん対策の推進や、がんゲノム医療の推進は、いわば国家戦略として進めていくことですので、補助金や税制上の優遇措置を講ずるなどの国家予算と、診療報酬上の対応をどのように組み合わせていくのかということは、きちんとすみ分けた上で対応していただきたいと思います。

 例えば、24ページにあるがんゲノム医療中核拠点病院に新たな報酬を設けるという提案があります。これは既存の病院の中から選ばれますが、この評価によって、患者にどのようなメリットがあるのかということは、論点の判断材料として、きちんとお示しいただきたいと思います。単に名称が設けられるので、これまでとは異なる点数が算定されるが、求められる機能は変わらないということでは困りますので、しっかりとデータを示していただきたいと思います。

 次に、緩和ケアについてです。今後、非常に重要になってくる分野だと思いますが、今後、地域包括ケアシステムを構築していく中では、患者が望む場所で緩和ケアを提供していただくということが患者の希望だと思いますので、在宅における緩和ケアや、緩和ケア病棟から在宅への切れ目のない連携を図っていく体制を考えていただきたいと思います。

 また、今回提案されている、感染防止対策加算についてです。この加算に、ASTの取り組みの推進に資する評価を検討してはどうかという提案がありますが、医療の現場を理解していない我々は、ASTの取り組みなどは加算を届け出ている医療機関では当然やるべきことではないかと思います。

全てのご提案に関してですが、改定の財源規模が決定していない中で、評価するという提案に対して了承するとは言える状況にはないので、財源規模との関係で丁寧に議論していただきたいと思います。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 それでは吉森委員、お願いいたします。

○吉森委員

 今の幸野委員の意見と全く一緒ですが、我々の知識で判断をするためには、この御提案の方向性は理解していますけれども、やはり今、医療現場自体でこういうことを進めるために何が課題であって、現場の状態がどうなっているのかということについて、やはりエビデンスをきちんと出していただいて、それだったらこうですねと、これは重点課題ですねと、これは適正化ですねというように判断できるような資料をお出しいただけるとありがたいと思います。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほかに、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 ほかに御質問等もないようですので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございます。なお、次回の日程については追って事務局より連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 本日の総会はこれにて閉会といたします。御参集いただき、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

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