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2017年10月31日 厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第22回) 議事録

○日時

平成29年10月31日(火)10:00~12:00


○場所

厚生労働省共用第7会議室(6階)


○議事

○田中難病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから平成29年度第22回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会を開催いたします。委員の皆様にはお忙しい中お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。

 まず、本日の出席状況ですが、飯野先生からは御出席の御連絡をいただいておりますが、少し遅れているようでございますが、定刻となりましたので始めさせていただきます。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項をお守りいただきますようお願い申し上げます。ここからは水澤委員長に議事をお願いいたします。

○水澤委員長 まず、資料の御確認をお願いいたします。

○田中難病対策課長補佐 お手元の資料、まず1枚目から議事次第、委員名簿、座席表となっています。続いて本資料として資料1-1、前回(21)委員会の議論の整理、資料1-2、指定難病検討委員会として指定難病の要件を満たすと判断することが妥当と考えられる疾病の診断基準等、これは各疾病の個票となっております。資料1-3、既存の指定難病の診断基準等の修正案、これも個票になっております。参考資料1として研究班や関係学会から情報提供のあった疾病(疾患別一覧)、これは第20回指定難病検討委員会の資料となっております。また、参考資料2として、指定難病の要件について、こちらは第14回指定難病検討委員会の資料となっております。適宜、御参照いただきますようお願い申し上げます。資料の欠落等ございましたら、事務局のほうまでお申し付けください。

○水澤委員長 ありがとうございました。資料のほうはよろしいでしょうか。それでは、議題の1として、前回に引き続き、疾病ごとの個別検討を行いたいと思います。まず、前回の委員会の議論の整理について、今御紹介がありましたが、事務局から御説明をお願いいたします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-1を御覧ください。前回の委員会では、研究班や関係学会から情報提供のあった61疾病について、指定難病の要件に該当するかどうか、個別に検討を行いました。その結果、次の6疾病、特発性多中心性キャッスルマン病、A20ハプロ不全症、関節型若年性特発性関節炎、自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症、ジュベール症候群関連疾患、先天性声門下狭窄症について、本委員会として指定難病の要件を満たすと判断することが妥当と考えられるものとされました。本日の委員会では、当該6疾病について、再度指定難病の要件を満たすかどうかを確認し、その上で診断基準や重症度分類等が妥当であるか検討するとともに、指定にあたって、1.新規の指定難病として追加するのか、又は2.既存の指定難病と統合するのか等について、整理・検討することとなりました。1.新規の指定難病として追加することが適当との提案があった疾病は、特発性多中心性キャッスルマン病でした。2.既存の指定難病と統合することが適当との提案があった疾病は、A20ハプロ不全症関節型若年性特発性関節炎、自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症、ジュベール症候群関連疾患、先天性声門下狭窄症でした。以上です。

○水澤委員長 ありがとうございました。前回の議論の整理を読んでいただきました。それでは、これから6疾患について、再度、指定の要件を満たすかどうかということを確認した上で、診断基準や重症度分類が妥当であるかということも、検討していただきます。そして今も御説明がありましたが、新規の指定難病でいくのか、それとも既存の指定難病と統合するかについても、御議論いただきたいと思います。では、順番に最初から御説明をお願いいたします。

○片倉難病対策課長補佐 それでは、各疾患についての個票についての説明をさせていただきます。資料1-2を御覧ください。1ページ、特発性多中心性キャッスルマン病についてです。

 概要を御覧ください。リンパ節の病理組織像によって特徴づけられる非クローン性のリンパ増殖性疾患で、病変が複数の領域に広がるものです。5行目にありますように、高IL-6血症による発熱やリンパ節腫脹、貧血などの臨床症状を呈し、慢性の経過をたどります。原因は不明で、主症状はリンパ節腫脹などのほかに、胸腹水、腎障害、AAアミロイドーシス、拡張型心筋症など多彩です。また、症状の下から2段目にあります、臨床経過は多くの場合、年単位でゆっくりと進行するとあります。治療法はあくまで対症療法で、ステロイドの全身投与や、トシリズマブの併用になります。予後は、治癒は見込まれず継続的な治療が必要で、長期の療養が必要な疾病です。

2ページです。臓器障害として間質性肺病変、腎機能低下、AAアミロイドーシス等を合併すると、生命予後が悪化するとあります。患者数は約1,500人です。したがって指定難病の要件の判定に必要な事項は全て満たすものと考えております。

 診断基準は3ページにあります。複数の領域のリンパ節腫大に加えて、リンパ節又は臓器の病理組織所見がキャッスルマン病の組織像に合致することを満たし、鑑別診断を除外したものをDefiniteとし、対象とすることを考えています。

 重症度分類は4ページを御覧ください。貧血、血小板減少、腎機能障害、肺病変、心不全、二次性アミロイドーシスに起因する臓器障害といった、症候ごとに基準を設定し、いずれかが見られる場合を対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 ありがとうございました。いかがでしょうか。指定の要件、診断基準の妥当性や重症度分類の整合性等について、御意見はございますでしょうか。

○宮坂委員 3ページの診断基準の中に、書きぶりなのですが、鑑別診断を入れていて、「Aを満たし+Bのいずれかを満たし+Cを除外したもの」という書き方になっています。今までも多くの疾患で鑑別診断を入れているものもあるし、入れていないものもありますね。要するに、診断基準のほうは言わば表で、鑑別診断のほうが裏になりますから、表と裏を満たすものという書き方をしているのですが、従来は表だけでやっているものもあるし、鑑別診断を付けているものもあるので、ここは本当は書き方を統一できればそのほうがいいのかなという気がします。

 それから、4ページのほうですが、これも問題点で、どうすればいいのかよく分かりませんが、重症度分類は臓器別に、例えば貧血、血小板減少、腎機能と分かれています。例えば、肺病変は「間質性の肺陰影がみられ、日常の軽い労作で呼吸困難がみられる。」とあります。必ずしも全部の臓器別の重症度分類が同じレベルではないかもしれないのですが、従来はmodified RankinBarthelでやってきました。こういう臓器別の重症度分類が作らざるを得ないものをどうするかということも、全体の中から考えておいたほうがいいのかなと思いました。以上です。

○水澤委員長 ありがとうございました。今の御意見を含めて、いかがでしょうか。最初の御意見は多分皆さん御賛同されると思うのですが、統一した方が本当はいいですね。鑑別診断はもともと除外しなければいけないものですので、それをあえてカテゴリーの所に書き込むか、それとも書き込まないか。書き込まないほうが普通かなとは思います。

 それで、もう1つの問題、重症度に関して、これも今お話があったように、Barthel Indexか、modified Rankin Scaleを含む3軸での評価というのがほとんどだと思いますが、ここでは臓器別になっていて、しかも検査所見だけしか書いていないものもあるわけで、さらにいずれかですから「or」ですね。どれか1つで済んでしまうといったことなのですが、どうでしょう。キャッスルマン症候群に詳しい方、この疾患の場合、これでいかざるを得ないのかどうか、コメントがあればお願いします。

○直江委員 まず、鑑別の件ですけれども、総論としては宮坂先生がおっしゃるとおりだと思うのですが、特にやはり書いておいたら必要かなという鑑別診断では、HHV-8の関連キャッスルマン病という、これは日本は非常に少ないと思いますが、HIVを背景にして、HHV-8が感染して引き起こされるものがあります。これは診断のところ、つまりABを見ていて全くこのことは触れていませんので、もしも検査所見としては、鑑別に入れるのではなくて、検査所見のところで、免疫不全を背景としたHHV-8感染症のないこととか、そういうものを検査所見として含めるというのは、どうかという点です。

 それから、1ページ目にキャッスルマン病はそもそもという概要がありますね。ここに「非クローン性のリンパ増殖性疾患」とあります。私たちは単クローン性か多クローン性かという話をよくするので、吉崎先生が書かれた『キャッスルマン病診療の参照ガイド』というのをコピーして、どのように書いてあるのかなと思って見てみたのですが、やはり多クローン性と書いてあるのです。ポリクローンです。つまりクローン性というのは、単クローンか多クローンかという意味で、非クローンというのは書き方は余りないですね。

○宮坂委員 書き方がおかしいですね。

○直江委員 なので、ここはもしよければ、「多クローン性」に変えたらどうかというのが1つです。

 最後の重症度分類ですが、これを原則としては各臓器の障害があると、それに共通した重症度分類を用いるということが基本だと理解をしています。ここも特に、例えばある障害とある障害があったときに、ある疾患は合併した障害が非常に強くて、それぞれの重症度だけでは測れないものがあるとか、このヒートマップのようなもので、特に作らなければいけないというものがないのであれば、これまでのやり方に従ってもいいのではないかなと。私もこの疾患はそうたくさん見たことはないのですが、大体軽症で見付かることが多くて、治療にプレドニンで難渋しますと、トシリズマブが出てきますので、そこで恐らく医療費助成としては救われるというのがこの趣旨ではないだろうかと思います。重症度の所はギチギチの議論は要らないと思うのですが、ここだけ変えるというのも変かなという感じがします。私の感想ですが、以上です。

○水澤委員長 最後のところの確認ですが、例えばBarthel Indexなど、基準になるものを使っておいて、どうしても必要なものについては追加で入れると言う理解ですね。例えばBarthel等に入っていないものとしては、腎臓機能とかは入っていないかもしれないので、そういったものは追加で加えてもらうという感じですね。ありがとうございました。非常にうまく整理していただいたという感じがいたしますが、よろしいでしょうか。ほかにはどうでしょうか。

○千葉委員 1つだけ、基本的に先生方と同意見なのですが、最初の鑑別診断のほうは宮坂先生からお話があったように、全難病について統一したほうがいいですよね。これはどうしてもというところで、診断基準に入れなければならない例外というのはあるかもしれませんが、鑑別診断を診断基準に入れてくるというのは、基本的に変だと思うのです。ですから、鑑別診断はまた別の診断基準とは別の所に設けるような、そのような書式といいますか、きちんと統一させたほうがいいかなと思います。

○水澤委員長 これは事務局に質問なのですが、書式を揃えるという、重症度だけではないのですが、そういう議論は前からあって、どこで誰がやるという話もあったような気もするのですが、それは進んでいるのでしょうか。それともこれからのような感じなのでしょうか。

○田中難病対策課長補佐 まず、書式の変更について、概要、診断基準等については局長通知で規定されておりますが、臨個票に影響がある部分とそうでない部分とで、取扱いが事務局では異なっております。臨個票はOCRでの読み取りが行われるようになっており、臨個票を修正する際には、システムを変えるなどの事務的な作業が多く発生します。概要の一部を先ほどの非クローン性を多クローン性にするというところは、臨個票には影響がない話で、そこについては速やかに修正が可能と考えております。それ以外のところについては、一斉に全て横並びで修正する際の議論がまだ十分ではないというところがありまして、例えば広く何かガイドライン等が大きく変わったり、診断のカテゴリーが変わったものについては、速やかに検討を進めておりますが、全ての鑑別疾患を、というところについては今後検討を進めていきたいと思っているところであります。

○水澤委員長 前に少しやられたのですか。

○宮坂委員 どこかできちんと書式、フォーマットを整えたほうがいいという意見は前から出ていて、例えば重症度分類もBarthelmodified Rankinで入らないものは加えるとか、あるいは鑑別疾患は入れないで、千葉先生が言われたように、どうしても必要なものは検査所見に入れるなりして、フォーマットを統一しないと、臨床現場で不満が強くなります。実際に臨個票を書いてみると、現場にいると分かるのですが、ものすごく大変なのです。本当に必要な情報だけではなくて、必須とは思えないけれど記入に時間のかかるようなものがいっぱい入っているのがあります。特にSLEなどもその代表ですが、それは何が難病データベース上、必須の項目なのかを提示せずに学会の意見を聞いており、しかもOCRにした分だけスペースが増えて、結果的に10枚になっているのです。だから、やはりこれはどこかできちんとやらないと、いつまでもやりますやりますと言って動かないのはちょっとまずいかなと思います。

○水澤委員長 是非将来的にはそのようにしていったほうが良いと思います。フォーマットができると、新しく認定されるときには、それをお示しして、これに合わせてほしいということができますし、今後改定のときにやってもらうと、どこかで誰かが見直しをするのは、非常に大変だと思いますので、そういう案が良いかなと私も思います。

私からも1つ、これは研究班のほうに少しフィードバックがあるのだと思うのですが、診断基準のB.検査所見のところで、「以上は」という要件ですかね、「専門病理医による診断が望ましい」と書いてあるのですが、要するに病理診断をする方が必要で、全て病理の専門医になると思うのです。ですから、あえてこれが必要なのかなという感じが少しするのです。また、「望ましい」となると診断しなくてもよろしいのかなという感じがするのですが、下にいくと、今度はBのいずれか、すなわち病理所見がないと診断できないことになっていますので、少し文章を整理してもらったほうが良いかと思います。

 あと、先ほども議論があったのですが、重症度分類のところで、これは消えるかもしれませんけれども、例えば炎症性貧血は、特別それが炎症性かどうかは分かりにくいと思います。また、最後の●ポツの病理診断をされた二次性アミロイドーシスに起因する臓器障害のところで、いろいろな臓器が書いてあって、「のいずれか」となっていて、そこにアミロイドがちょっとでもあれば診断されるような表現なのです。したがって、先ほどの議論に少し追加なのですが、いろいろと文章的にもうちょっとブラッシュアップしたほうが良いというところがありますので、事務局と研究班で話合いをされるときに、これを追加でコメントしていただければと思います。情報提供元のところは、研究班しかないので、やはりいつも議論になるように、これはどこの学会ですか、血液学会のようですね、1つは。学会でのアプルーバルのことも、是非お話いただければと思います。

○宮坂委員 確か日本血液学会か日本リウマチ学会から出てきたと思います。

○水澤委員長 では血液とリウマチということでやられてもいいと思います。そうしますと、この特発性多中心性キャッスルマン病につきましては、新規の指定難病として追加する疾患としてよろしいですか。ありがとうございます。

○平家委員 もう、大分言い尽されていると思うのですが、やはり宮坂先生もおっしゃいましたが、やはり記載する者にとってみれば、うまく書けないところがあるので、例えば重症度にしても、長期の療養とかそういったところをどう書き込めばいいのか、指定難病という形の観点からいったときにBarthelとか、そういった形のところでも、こういったものを基準として書いてくださいというのを、あらかじめひな形みたいなものがあったら、書きやすいのではないかなと少し思ったので、繰り返しですけれども、コメントをさせていただきます。

○水澤委員長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、キャッスルマンを終わりまして、次の御説明をお願いいたします。

○片倉難病対策課長補佐 続きまして、6ページのA20ハプロ不全症について説明します。

 概要から説明します。自然免疫系に関わる遺伝子異常を原因とし、生涯にわたり炎症が持続する遺伝性自己炎症疾患群の1つです。タンパク質A20の機能異常により、炎症性サイトカインが過剰産生され、口腔内アフタ、発熱、関節痛、外陰部潰瘍、ぶどう膜炎といった、ベーチェット病様の症状を呈します。確立した治療法はなく、ステロイドの全身投与、コルヒチン、抗TNF製剤などの対症療法を中心とする長期の療養が必要な疾病です。予後は、治療抵抗例では眼症状による視力障害、自己免疫疾患による多臓器障害が進行するとあります。患者数は100人未満で、要件の判定に必要な事項が全て満たすものと考えています。

8ページです。診断基準ですが、主要症状に加え、遺伝学的検査が必須となっております。炎症所見陽性、便潜血陽性、針反応試験陽性のいずれかを満たす場合をDefinite、満たさない場合をProbableとし、その両者を対象としてはどうかと考えています。

9ページには、重症度分類がございます。Barthel Index 85点以下を対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 今、A20ハプロ不全症は、資料1で御説明いただきまして、これが資料1-3の最初になりますか、325番の遺伝性自己免疫疾患に書き込まれた形で認めてはどうかということだと思います。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-3につきましては、1-2の検討のあとに説明申し上げます。

○水澤委員長 そうすると、また説明があるのですね。今は、1-2だけで良いでしょうか。それについて、いかがでしょうか。

○宮坂委員 これ、8ページの遺伝学的検査Dは、診断のカテゴリーでDefiniteにも、Probableにも、いずれにも入っていますよね。ですから、これは必須ということになりますよね。しかし、これは保険で承認されていないですよね。どうなっていますか。

○片倉難病対策課長補佐 遺伝性自己炎症疾患の遺伝学的検査は現時点で保険適用となっておりません。

○宮坂委員 分かりました。

○水澤委員長 あとで、そこのところは説明があると思いますが、統合されれば良いということです。ほかは、どうでしょうか。よろしいですか。では、良いと思いますので、統合するかどうかの検討について、説明をお願いできますか。

○片倉難病対策課長補佐 それでは、資料1-31ページです。指定難病325 遺伝性自己炎症疾患に、A20ハプロ不全症を統合した場合の個票の案です。追記された部分は、赤字で記載されております。既存の部分の削除はなく、1)NLRC4異常症、2)ADA2欠損症、3)エカルディーグティエール症候群の次に、4)A20ハプロ不全症として追加されています。

 資料1-37ページに、A20ハプロ不全症の診断基準がございますが、1)から3)のあとに4)として追加されています。8ページの重症度分類は、これまで同様にBarthel Index 85点以下を対象としてはどうかと考えています。

○水澤委員長 以上でよろしいですか。

○片倉難病対策課長補佐 以上です。

○水澤委員長 これは325の遺伝性自己炎症疾患、これまで3疾患含んでいたわけですけど、そこにA20ハプロ不全症が加わるという形で、それぞれのところに赤字で追記された形で、診断基準も4)として追加されています。重症度分類は、全体で共通のものを使うという形になっております。これについては、いかがでしょうか。追加なので、余り新しくなったものはなく、問題はないかなと思っているのですけれども。

○宮坂委員 これも鑑別疾患が入っていますよね。

○水澤委員長 ええ。

○宮坂委員 Cのところに鑑別診断と入っていて、それが必要かどうかということと、それから、さっきのDの遺伝学的検査のところ、もう一度確認したいのですけれど、現在保険承認をされていなくても指定難病に認められれば、保険診療外でやった検査も、医療費は公費負担の対象となるということでいいのですか。

○田中難病対策課長補佐 遺伝子検査につきましては、指定難病の指定に必須な遺伝子検査については、全て保険収載の方向で検討をさせていただいております。

○宮坂委員 それは、収載の方向ですよね。ただ、今はされていませんよね。

○田中難病対策課長補佐 一部途中で追加したものについては、まだ収載の手続は進んでいないものがありますが、今年度の見直し等でも、私どもとしては医療費助成を受けるために必須な検査については保険収載の方向で検討を行うようにしております。

○宮坂委員 それは、いつまでにされるのですか。保険収載されないと、現場はすごく混乱しますよね。

○田中難病対策課長補佐 平成30年の改定に向けて、今調整中ということになります。

○宮坂委員 だから、半年か、もうちょっとかかるということですよね。

○田中難病対策課長補佐 そうです。

○水澤委員長 遺伝子診断はなかなか難しいですね。すなわち、ミューテーションを、変異を見付けなければいけないわけですけれども、それがスパッと決まるもの、例えば、リピートとかは一発で決まりますけども、何箇所もスポットがあるようなものについては、全部をシークエンスしないと駄目だといったこともあるので、そうなってくると通常のコマーシャルのテストでは引っかかってこないということも出てきます。大体、指定難病でこのように出てくるものは、こういう班とか何かである程度サービス的に、研究的に、やってらっしゃるようにも思うのですけども、そういった点、何か情報はあるのでしょうか。この研究班から。特にないですか。

○宮坂委員 これは、例えばAMEDなんかでも話し合われているのですけど、当初はサービス的に解析をやっても、ある研究対象から少し外れてくると、みんなやりたくなくなるのですよね。これ、自分の時間とお金でやっていますから、自分の研究対象のときにはサービスでやってくれるのですけれど、そこからちょっと外れてきたならば、もうやりたくない。だから、ここを何とかちゃんとしてあげないと、現場はすごく混乱する。そのために、診断基準の中に参考項目で入れて、これを必須の項目としないというものもあるのですよね。遺伝子検査はあくまで参考項目として、必須項目があれば、遺伝医学的な検索はしていないけれど、これこれの基準を満たせばDefinite、あるいはProbableProbableでも遺伝子検索がなくてもProbableで入れているものもありますよね、だからここは、でもそうではなくて、遺伝子検索を必須にして入れているのですよね。だから、必須にして入れると、保険外診療でまだ認められていなくて、半年とかそのうちには保険承認されるのでしょうけれど、現場は困るのかな。だから、そこは少し明確にしておいたほうがいいと思います。まあ、来年4月から入ってくる疾患ですから、そこまでに、ある程度保険のことがはっきりしていればいいのかもしれませんけれど。書きぶりも、要するに遺伝学的検索を必須にしたものと、入れなくてProbableでもいいとしているものがあるので、その辺が非常に問題になる。

○千葉委員 よろしいですか。今の問題は、保険に入れる入れないという問題と、どこで検査するのかという問題があって、実際には保険適用になっているけれども、日本でなかなか検査ができないというようなものもあるので、それは一度にはなかなか難しいでしょうけども、実際には厚労省も検討されておられますけれども、そこの組立てというのは必要だし、今の点数からいいますと、皆さん御承知のように、結局は企業としては持ち出しみたいな恰好になってしまうので、なかなかドライブがかからないというのが現状なので、確かに抜本的に考えていく必要があると思います。

 それから、もう1つよろしいですか。この疾患を一緒に自然炎症で括るのは賛成ですけども、こうして見てくると、先ほどの診断基準等々について鑑別のこととかいろいろ疾患ごとに温度差が出てきているように思いますので、そこは統一するときにこれを誰がするのか、そういう専門家集団が集まって検討する、そういうことが必要ではないですかね。

 それで、もう1つ言いますと8ページの、よく考えてみたら、これ、Probableとありますが、Dを満たしたらそのままDefiniteになるのではないですか。ですから、そういう意味では全部Definiteというところで済んでしまいそうに思います。

○水澤委員長 今、最後のところはProbableDefiniteの差が余りないのではないかというご質問です。Dを入れた場合ということだと思うのですけども、平家先生、班長として分かりますか。

○平家委員 当事者ではあるので。確かに遺伝子検査が、もう唯一確定診断、なおかつ、もう断定的に診断できる、疾患関連性のある変異があれば、Definiteになってしまいますので、Probableの意義というのは確かに薄いと思います。

○水澤委員長 先ほどの遺伝子診断の件です。これは、全体のことにつきましては、やはり全体の議論が必要で、難病に関しては、いくつかのワーキンググループとか研究班があると思いますので、是非議論していただくとともに、コマーシャルベースのものかどうかということが1つあります。それから、遺伝子検査がもっているリミテーションみたいなものが、先ほど僕が申し上げたことですけども、あると思うのです。そういう意味で、これは、平家先生が研究班の班長でいらっしゃるので、希な疾患の数等からいったときに、研究班で引き受けた場合、臨床ゲノムや難病班でやっていらっしゃるので、多分、全部引き受けても十分シークエンスできますね、恐らく。だから、プラクティカルにはこの疾患については多分問題ないだろうとは思います。

○平家委員 個別の話になって申し訳ないのですけれども、遺伝子診断に関しては、研究ベースではなくて事業ベースでないと、倫理的な問題も絡んできますので。そういった意味で、ある研究所にISOを取っていただいて、事業としてやると、そういう所のシステムを組んでいます。

 それはいいのですけれども、1つ困ったことがありまして、やはり私どもの疾患でも例えば10個やらなければいけない、20個の遺伝子検査をやらなければいけない。そうなってきても費用の支弁が1個だけなのです。それで20個やれるかとか、30個やれるかとなってくると、これが事業所にとってみても持ち出しになるのです。

 その辺のところが、やはり何らかの工夫がないと、ここに書いてある遺伝子検査、例えば20個やりなさいと言っても、保険の点数内ではできなくて、やはり持ち出しになってしまうと。そのような問題点も残っているということは、少しお伝えしておきたいと思います。

○錦織委員 それと、水澤先生も何度もおっしゃっていたことなのですけれども、実際に現場としては、遺伝子検査というようにしても、やはりほかの症状からして確実にこの疾患だろうと思っても、例えば遺伝子の変異が介在配列にあるとか、様々な遺伝子検査で引っ掛かってくるのは9割ぐらいで、あとの1割は、ほとんど確定診断と思っても引っ掛かってこないものもあるので、診断基準の中に遺伝子検査を、絶対に必須として入れてしまうというのが、ちょっと難しいのかなと。

 それがある意味、不公平というか、10年たったら、やはりそうだったと分かるかもしれないのだけれど、全てのゲノムを読むというのは、今でもまだかなり難しいことなので、そこの限界というのが結構あると思うのです。ですから、やはりタンパクとか遺伝子検査に代わるタンパクの発現でもOKにするとか、何か機能的なところでの診断基準というのを入れておかないと実際には難しいし、医学的な面でも、やはり問題は出てこないかなというのを懸念します。以上です。

○千葉委員 遺伝子の話は難病対策委員会でも何度か問題になって、議論がなされてきた経緯があると思います。厚労省のほうも、この難病が決まってから、異例の速さで30遺伝子程を保険収載したという、そういう努力はなされているので、実際にそういう意味では非常に進んでいるわけです。

 ただ、やはりそこで議論された問題としては、例えば倫理の問題、それから患者さんの承認とか承諾等々の倫理的な問題と、制度管理の問題などが、非常にまだまだ不十分なところもいろいろ指摘されて、ここはしっかり改善していかないといけないところに話が進んでいるのではないかと思うのです。ですから、いろいろな問題が絡んでいるというところだと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。その問題は議論されていると思いますし、今後も引き続き議論していただいて、その後の難病研究、あるいはゲノム研究のほうとの関係者の方々で深めていただければと思います。今、錦織先生がおっしゃったことや、私が言ったことに関しまして、リミテーションがありますので、それで分からないのは、先生、仕方がないと思います。それは今の技術をもってしても分からない。

 これはほかの検査も同じですけれども、やはり引っ掛かってこないものはありますので、当該疾患について診断基準を作っていくときに、どういうものを必要項目として入れていくかといったときに、そういうことを念頭に置いて作られています。一応、専門家が、作っている方々がそういうことは御理解されています。

 全体としての議論は、また是非そのように続けていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。それでは、この疾患についての個別の議論はどうでしょうか。

○平家委員 1点よろしいですか。今、千葉先生から、少し制度の問題のお話があったと思うのですが、多分、私の理解では、これは保険収載されて、事業所でこのような遺伝子検査をするということであれば、その検査会社というのは、ISOとかを取っておかないと、多分そういった形で事業ができなくなる。質の担保というのはそういった所でできるのではないかと、外形的にはそのような形になるのではないかと理解しています。

 今までやはり私たちも保険収載に入らないと、以前は研究レベルで遺伝子検査をして、それを治療に展開していると。それはやはり、今、考えれば、少しずれたことで、当時は致し方なかったと思うのですけれども、保険収載されるということになれば、逆にされる所は、ISOとか、そういった形の認定を取った検査会社でないとできなくなるということだと、私は理解しているのですが、ちょっと理解に間違いがあるかも。

○和田委員 おっしゃるとおりだと思います。全般的に、特にこういったDefiniteな診断に必要なところに、遺伝学的検査が入ってくる場合というのは、標準化という問題がすごく大きいと思います。いわゆる質の担保、恐らくISOを有する外部への委託をした場合には、恐らくそれが担保される。そうすると各研究室、研究班で施行した場合も、標準化が今後必要で、ここがやはり1つの大きな次の課題なのだろうなと思っています。外部委託では、先生がおっしゃるとおりだと思っています。

○水澤委員長 遺伝子検査に関する全般的な御議論は、今、御議論いただいたとおりだと思いますので、それは厚労省のほうで、また議論を進めていただくということにいたします。

○宮坂委員 この疾患について、先ほどのお話ですと、遺伝学的検索を診断のカテゴリーの必須項目として入れるのは分かったのですけれども、もしそうだとすれば、Cを鑑別したものというのがDefiniteProbableにも入っていますが、鑑別する必要はないですよね。鑑別診断も入れる必要はなくて、遺伝子検索をすれば、これは当たるわけですよね。ですから、書きぶりは一緒にしたほうがいいのではないですか。

○水澤委員長 それは直江先生もおっしゃったことで、研究班につないでいただいて、整合性を取っていただきます。ほかの1)から3)までも類似のパターンの書き方ですので、その辺の整合性を取っていただいた上で、学会承認を得て完成していただくということでよろしいでしょうか。その上で御承認を頂いたと理解したいと思います。

○平家委員 すみません、当事者であるので、少し確認させていただきたいのですが、この鑑別診断の書き方というのは、統一的にはどのような形を、この委員会としてはサジェスチョンするというか、それはもう一回確認させていただきたいのですけれども。

○水澤委員長 これまでの議論では、全体としてある程度共通のフォーマットというものがありますが、やはりこういう個別の疾患での内容も入ってくると思いますので、最終的には個別の議論になるのかと思います。事務局と研究班で話し合ってもらって、そしてそれを学会に見てもらうといった仕組みでお願いできればと思います。大澤先生、この疾患についてでしょうか。

○大澤委員 すみません、遺伝子検査にこだわってしまうのですけれども、診断のカテゴリーのところで、今は遺伝子検査を満たしていないと駄目ということになっているのですが、ほかの疾患では、例えばDの「いずれかを満たし」という表現になっている疾患もあるのですよね。

○水澤委員長 もちろんあります。ほかにもマストのものもあります。

○大澤委員 でも、これはマストなのですか。タンパクとか遺伝子検査に代わるタンパクの発現でもOKにするとか機能的なところでの診断基準がないと現場は困ることが多いと思います。

○水澤委員長 これはそうなっていますね。

○宮坂委員 これは、でも、ABだけだとすると、もうぐちゃぐちゃでいろいろなものが入ってきますよ。なぜなら、Aには特異的な症状は余りないですよね。Bは炎症反応とか潜血とか針反応、まあ、針反応の場合は別かもしれませんが、でも非常に非特異的ですから、これは遺伝子で縛らないと、もう本当にありとあらゆるものが入ってくると思いますよ。

○平家委員 疾患の名前自体も、このタンパクの異常症という形での名前の付け方、つい最近分かった症例ですので、もう疾患の概念があった後から遺伝子が分かったのではなくて、遺伝子の異常があって、この疾患が括られた疾患ですので、そういった意味ではイコールだと理解しています。

○大澤委員 はい、納得しました。

○水澤委員長 議論すると本当にきりがないかもしれませんけれども、これまでも特に新しく加わった疾患で、遺伝子検査がやはり必要というのはたくさんあります。先ほどもちょっと議論がありましたが、遺伝子検査も含めて、診断基準はいつも100%、全て診断できるものではないというのは、皆さんよく御存じだと思いますので、できるだけ一番良いオプティマムのもの、そういうものを研究班ないしは学会から出してきていただいているという前提で、御議論いただいていると思いますので、その点は御理解をよろしくお願いいたします。

 そうしますと、今、御議論をたくさん頂きましたけれども、遺伝性自己炎症疾患のほうに含めて、A20ハプロ不全症をお認めするということで、よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは次の御説明をお願いいたします。

○大澤委員 すみません、ちょっと前に戻らせていただきたいのですが、キャッスルマン病の重症度分類は、Barthel Indexを使うことにはなったのですか。

○水澤委員長 なっていないと思います。

○大澤委員 分かりました。では、結構です。

○水澤委員長 そうではなくて、検討し直していただくということになりました。

○大澤委員 はい、結構です。

○水澤委員長 Barthel Indexにすると言うことではなく、今の分類にはいろいろ問題があるということを御指摘して、研究班の担当は吉崎先生でしょうか、と事務局とで話し合っていただいて、できるだけ共通のものにしていただくようにお願いするということだったと思います。よろしいでしょうか。

○大澤委員 はい、ありがとうございます。

○水澤委員長 では、次の疾患をよろしくお願いします。

○片倉難病対策課長補佐 それでは、資料1-211ページを御覧ください。関節型若年性特発性関節炎になります。

 概要を説明いたします。16歳未満に発症した、原因不明の6週間以上持続する慢性の進行性・破壊性関節炎です。原因は不明ですが、個体側の要因と環境因子の双方が関与し、自己免疫現象を惹起すると想定されています。症状は関節症状が主体で、関節炎が進行すると関節変形を伴います。また、関節炎の活動性とは無関係にぶどう膜炎が発症し、ぶどう膜炎発症者では、約10年で60%に虹彩後癒着、緑内障などの眼合併症を発症します。治療は対症療法として、NSAIDsやステロイドが用いられ、免疫抑制剤も投与されますが、難治の場合は生物学的製剤の併用が行われます。

12ページ、予後の中ほどに、治療を減量・中止すれば容易に再燃するため、長期にわたり療養の必要がある疾病とされています。患者数も約3,000人とあり、要件の判定に必要な事項は全て満たすものと考えます。

13ページに診断基準があります。診断のカテゴリーでDefinite4パターンあります。関節症状と検査所見を満たし、鑑別され、画像所見で関節破壊像を認める場合がDefinite、画像所見を認めない場合をProbableとして、その両者を対象とすることを考えています。

 診断のカテゴリーは、14ページにあるILAR分類基準の抜粋に基づいて作成されています。14ページ下段、重症度分類はあります。これは寛解基準を満たさず、15ページにある若年性関節炎の活動性評価指数を用いて、中等度以上の疾患活動性を認めるもの、関節変形又は関節強直があるもの、活動性ぶどう膜炎を認めるもののいずれかを満たすものを対象としてはどうかと考えております。以上です。

○水澤委員長 では、この診断基準や重症度、これについていかがでしょうか。

○宮坂委員 既にこれは全身型、いわゆるスティル病というのは別に認められていて、今回は末梢の関節炎を呈するタイプだと思うのですけれども、それを4つの形に臨床的に分けるのは、これは分けざるを得ないかなと。こういう形でしか、なかなかうまくできないのかなと思うのです。

13ページに診断基準が書いてあるのですが、とてもややこしいことに、14ページのCのところ、Edmonton改定ILAR分類基準に書いてあるのですね。これはすごく混乱するし、こちらのEdmontonILARの分類基準というのは、強直性脊椎炎とか乾癬とか、ほかのものも入っているのです。したがって、このCは、必要ないのではないかと思います。

 それから、もう一点、別件ですけれども、この14ページの重症度分類には、「寛解基準を満たさず、下記のいずれかを満たすものを対象とする」と言って3つ書いてあります。「活動性ぶどう膜炎を認めること」というのがあるのですけれども、一般的には活動性のぶどう膜炎があってもステロイドの点眼をすれば、治ってしまうのは幾らでもあるはずなので、活動性ぶどう膜炎を有したら即重症というのは、ちょっと問題かなと。

 それから、2番のところは「関節変形または関節強直があるもの」ですが、これはどこの関節が強直しているか、硬縮しているかによっても違いますし、臨床的によく経験するのは、変形は起きたけれど、日常動作にはそれほど問題がなくて、しかも寛解に入ってしまうというものがいるわけです。ところがそういう症例は、この重症度分類を満たすことになってしまうのです。ですから、ちょっと臨床の現場には即さないような書きぶりになっているのかなと思います。そこは一度、学会あるいは研究班にフィードバックをしていただいて、再検討していただいたほうがいいと思います。

○水澤委員長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。ちょっと見た瞬間、この分類はとにかく非常に細かいですよね。なかなか大変だなと思いますが、もう少し簡潔になるといいかもしれません。

○田中難病対策課長補佐 1つ確認をさせていただきたいのですが、学会の承認につきましては、こちらの疾患については小児の学会、日本小児科学会と日本小児リウマチ学会を情報提供元とされておりますが、成人の学会への承認というものが必要かどうか、御意見を頂きたいのですが。

○宮坂委員 主たるものは小児の学会だろうと思いますが、これを成人の人たちを対象に、小児は小慢でカバーされるわけですから、当然、成人が対象になってきますから、日本リウマチ学会にも御下問を受けたほうがいいと思います。

○田中難病対策課長補佐 ありがとうございました。

○水澤委員長 では、それも併せて、研究班の方にお伝え願いたいと思います。ほかにはよろしいですか。

○和田委員 診断のカテゴリーのところですが、宮坂先生に教えていただいたほうがよろしいかもしれません。このDefiniteの一番下、リウマトイド因子陽性多関節炎のところです。この基準はCの鑑別診断の中に、関節リウマチが入っているのですが、この診断基準で関節リウマチというのは、どのぐらいの感度と特異度ぐらいで鑑別ができるものなのでしょうか。

○宮坂委員 リウマトイド因子でですか。

○和田委員 リウマトイド因子陽性です。

○宮坂委員 リウマトイド因子陽性は75%しかないですから、25%は成人の例では陰性ですよね。

○和田委員 関節リウマチが鑑別診断に上がっているのですけれども。

○宮坂委員 それは、ですから、成人の関節リウマチですよね。しかもここは16歳の誕生日以前に発症した6週間以上持続する慢性の関節炎という前提がありますから、それは大丈夫だろうと思います。

○和田委員 分かりました、ありがとうございます。

○水澤委員長 ほかはよろしいでしょうか。そうしたら、統合する案のほうの御説明をよろしいでしょうか。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-310ページを御覧ください。指定難病107 全身型若年性突発性関節炎と統合し、若年性突発性関節炎とする個票の案になります。統合に当たり、全身型のみ適合する部位が削除され、関節型の記載が追加となっています。11ページ中ほどの患者数は約8,000人となります。

13ページからの診断基準は、関節型のものに全身型の症状として、3.a.即時消退紅斑性皮疹、b.全身のリンパ節腫脹、c.肝腫大又は脾腫大、d.漿膜炎を追加し、診断のカテゴリーにも全身型を追加した形となっています。これも14ページのILAR分類の抜粋に基づいて作成されています。これまでの全身型の診断基準は、15ページに削除された形で見えるようにしております。

16ページの重症度分類は、全身型の重症度分類にあったマクロファージ活性化症候群を繰り返すことと、進行性の関節炎を合併することは、modified Rankin Scale(mRS)3以上に相当し、これを対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 統合案のほうは、かなり全面的に書換えという形になっております。それでは、この案につきましては、いかがでしょうか。

○平家委員 これは統合をしたときに、私たちも非常に苦労したのですが、どういう書き方をしたらいいのかというのが、やはり全体としてまとめたほうがいいのではないかと思うのです。前に承認されたものを大幅に書き換えていくことになってくると、いわゆる整合性というものが、どういう形で担保されるのかというのが、結構やはり難しくなってくるので、もちろん14番の概要、原因、3.症状、4.治療法、5の予後といったところの、これはまとめて書くにしても、行を変えて追加的な書き方をすると、先ほど水澤先生がおっしゃったように、非常に矛盾なくできるのではないかと。

 疾患がもともと違う疾患ですので、診断基準とかそういった統合するとしたら、結構、矛盾があるのではないかという、この疾患に限らず、広い視野で見たときには、ちょっとその辺のところは、むしろ単に合わせたほうがいいのではないかという気が、私は少ししたのですが。

○宮坂委員 そうです。この場合でしたらば、2つのものを1つに合わせたものを作るよりは、全身型は全身型で診断し、関節炎型は関節炎型で診断して、それを2つ合わせた形にする。それで重症度分類は共通のものにするという形にしたほうが、多分。

 それで、これは一度にどーんと見せられても、何か整合性が本当にあるのかないのかが、今ひとつよく分からないのですよね。検証しにくい部分というのはありますから、むしろ今まであるものを大幅に直さないで、今まであるものはあるもので生かして、そこに付け加えるというほうが、無理がないかなと思います。

○水澤委員長 今の御提案は、その1個前の、先ほどの議論した遺伝性炎症疾患と同じように、あれは4個の疾患が並列されていると思いますけれども、そういう形の書きぶりのほうがいいのではないかという御提案だと思います。その書き方も含めまして、何か御意見はありますでしょうか。

○直江委員 重症度もそれでいけるのですか。

○水澤委員長 重症度は統一でいけるのではないでしょうか。関節炎とかの症状自体は、かなり共通しているのではないかという気はしますけれども。

○平家委員 自己炎症疾患のときに、重症度のこともいろいろどのように書くのかということを考えたのですが、指定難病の全体を考えたときに、やはり疾患によって重症度の書きぶりがすごく違うと問題があるのではないかと。そういった意味では、横串を刺すというような観点で、そういう点で重症度という形に私たちは統一したのですけれども、やはりそういう観点が必要なのではないか。

 そういった意味では、重症度のところはできるだけ同じ括りになっている、そういう概念でいいのではないかと、基本的には。もちろん疾患によって特異性があるときには、先ほども御議論がありましたように、そこにプラスアルファという形で、疾患の特異性を担保するというスタンスで全体を眺めたほうが、全体が理解しやすいのではないかと。個人的な意見かもしれませんけれども、そういう感じがします。

○水澤委員長 いやいや、最初からそういう議論がありますので、それでいいと思いますけれども、これは関節炎という共通項で括られているわけですので、重症度などは共通のものを採用していただけるとも思います。今、ここに載っているものでもいいと思います。

 ただ、その前のところですね。病態とかそういうところの説明については、一緒にしないほうが分かりやすいのではないかという御議論だったと思うのです。これはそれほど難しいことではないので、つまり足せばいいことですから、今の御意見はそのような形ですけれども、よろしいでしょうか。

○宮坂委員 これは私は少し内部事情を知っていますけれども、多分、ここの統合案というのは、学会では全然まだ検証されていなくて、研究班の中で、これに合わせるために「えいやっ」とできたものであって、検証が不十分なのです。それをここで認めてしまうと、これは当分の間、変えられませんから、それよりはむしろ、先ほどから出ている2つのものを合わせた形のほうが、多分いいと思います。

○田中難病対策課長補佐 では、研究班のほうには、2つ合わせたような形であるということ、それから学会について、成人の学会にも併せて了解を得るということでよろしいでしょうか。

○水澤委員長 そうですね、手順としては、まず研究班で作っていただいて、それから学会にアプローチしていただくのがいいと思います。同時にやってしまうと、また混乱してしまうかもしれないので、うまく考えてやっていただければと思います。

 では、これはそのような形で、2つ合わせて書く、相加的にやるということで、統合して全部書き直すのではないというやり方でよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、その次の疾患の説明をお願いいたします。凝固因子かな。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-216ページ、自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症です。

 概要を御覧ください。血液が凝固するために必要なタンパク質であるF5が、先天性や遺伝性でない理由で著しく減少するため、止血栓ができにくくなったり、弱くなって簡単に壊れやすくなり、自然にあるいは軽い打撲などで重い出血を起こす疾病です。原因は自己抗体によるF5の活性阻害や、F5との免疫複合体が迅速に除去されるために、F5が失われることが出血の原因ですが、後天的に自己抗体ができる理由は不明です。症状は、軽症から致死性のものまで、種々の重症度の出血症状を突然発症し、急に大量に出血して貧血になり、ショック状態を起こすこともあります。治療法は止血療法としての新鮮凍結血漿あるいは濃厚血小板の投与のほかに、対症療法として自己抗体の産生を抑える副腎皮質ステロイドや、免疫抑制剤投与、リツキシマブ投与などが行われており、長期の療養が必要な疾患です。患者数は約200人とあり、要件の判定に必要な事項は全て満たすものと考えています。

18ページ、診断基準ですが、Aの症状全てと検査で、抗F5自己抗体を認めた場合がDefinite、自己抗体を認めなくともF5インヒビターの存在が検査で認められる場合をProbableとして、両者を対象としてはどうかと考えています。

20ページ、重症度分類ですが、(1)(4)の重症出血を起こした例を重症例として対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症の御説明を頂きましたが、いかがでしょうか。診断基準や重症度が指定難病に合致するかということです。直江先生、よろしいですか。何か御意見はありますか。

○直江委員 仮にですけれども、診断のカテゴリーとしては、DefiniteProbableを対象にするということでいいのですね。

○水澤委員長 そういうことですね。

○片倉難病対策課長補佐 はい。

○直江委員 ありがとうございます。

○水澤委員長 そのようになっていますね。では、この疾患そのものの承認は得られましたので、それを統合するかということについて、御説明をお願いいたします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-318ページを御覧ください。指定難病288 自己免疫性後天性凝固因子欠乏症に今の自己免疫性後天性凝固第V/5因子(F5)欠乏症を統合した個票の案となります。追記した部分は赤字で記載されております。既存の部分の削除はなく、1)XIII/13因子(F13)欠乏症、2)VIII/8因子(F8)欠乏症、3)フォンウィルブランド因子(von Willebrand factor:VWF)欠乏症の次に、4)V/5因子(F5)欠乏症として追加されています。25ページに第V/5因子(F5)欠乏症の診断基準が追加され、27ページの重症度分類は共通のものを用いております。以上です。

○水澤委員長 これは、今は御議論がありましたけれども、追加するという形で全体の括りの病名の中に、これを加えたという書き方ですので、非常に単純明快で分かりやすい形になっております。いかがでしょうか。鑑別診断のところで入っていたものが抜けてくるという程度の変更はあります。どうでしょうか。良いでしょうか。

○直江委員 すっきりしていると思います。

○宮坂委員 そうですね。

○水澤委員長 すっきりしてよろしいという御意見ですが、良いでしょうか。では、ありがとうございました。非常に進捗が早いかなと思います。そうしますと、自己免疫性後天性凝固因子欠乏症のほうが終わりまして、その次ですね。ジュベール症候群でしょうか。お願いします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-221ページ、ジュベール症候群関連疾患の説明をいたします。

 概要の4行目にあるように、この疾患群は放射線学的な脳幹の形成異常を特長とし、原因遺伝子の違いから、28亜型に分類されています。臨床的特徴は、脳画像と様々な程度に知的障害、運動障害、視覚障害、肝障害、腎障害などを呈することです。有馬症候群、セニオール・ローケン症候群、COACH症候群、口--指症候群などが含まれます。原因は、遺伝子異常ですが、発症病態は不明です。症状として、いずれも乳児期に筋緊張低下、呼吸障害がみられることが多く、早期より精神運動発達遅滞がみられ、進行性の腎障害も見られます。

22ページに移ります。治療は、対症療法のみで、成人期では、症状に応じた肝保護療法、肝移植、腎透析、腎移植などが行われ、長期の療養が必要な疾病です。患者数は100人未満とされており、要件の判定に必要な事項は全て満たすものと考えています。

23ページに診断結果がありますが、特徴的な症状や検査所見を認め、鑑別診断を除外したものをDefiniteProbableとして対象としてはどうかと考えており、遺伝学的検査は必須としておりません。

24ページ、重症度分類ですが、modified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸の評価スケールを用いて、3以上。あるいは腎障害でCKD重症度分類ヒートマップが赤の部分。視覚障害で良好なほうの眼の矯正視力が0.3未満の場合のいずれかに該当するものを対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 ジュベール症候群の御説明を頂きましたが、この診断基準や重症度分類について、指定難病としてよろしいですか。御意見がありましたらお願いします。

○平家委員 これはこの後議論すべき有馬症候群との関連という形で、もう既にジュベール症候群の概要の所に、有馬症候群を含む形でのジュベール症候群になっていると。今までは、いわゆる凝固因子とか、自己炎症疾患の場合には、独立した疾患は追加するということでしたが、もう既にこの疾患に関しては、以前あった有馬症候群がこの中に入ってきてしまって、2つのものを合体するのではなく、のみ込まれてしまうような書き方になっているのですよね。そういったところが、今までが有馬症候群で、いろいろな診断基準とか、重症度が、ここに既にきちんと入り込んでいかないと、有馬症候群との間に少し矛盾が出てくるので、その辺のところは検証できているのかなというのが少し気になるところです。そこができれば、これはこれで議論したのでいいかなと思いますが。同時に有馬症候群については、最初から見ないと駄目ではないかと思ったのですが。

○水澤委員長 おっしゃることはよく分かります。ここに有馬症候群も入っていますから、後で出てくる統合案も一緒に議論するような形になりますよというのは論理的な帰結ですね。どうでしょうか。そうしますと、先に進みますか。それとも、ここでもし議論できることがあれば、また議論すべきでしょうか。これは大澤先生と平家先生が詳しいかと思うのですが。

 また、遺伝子の検査は必須になっていないので、先ほど議論したようなことはないわけですが、今度逆に、遺伝子検査を必須にしなくても、症候とか通常の検査所見だけで、この疾患の鑑別や診断ができるかということになります。その点はいかがですか。大丈夫そうですか。

○大澤委員 放射線学的な所見というのがDefiniteにあって、その人たちの中で症状のバリエーションがあるというところで、その症状のバリエーションの部分については、重症度分類の所で分けられます。あと、これはそれぞれの疾患が全部OMIMのナンバーが振られているもので、Definiteというか、必ずしも遺伝子がなくても大丈夫だと思います。

○水澤委員長 平家先生、何かありますか。

○平家委員 特に今のコメントはありません。

○水澤委員長 そういうことでよろしいですか。

○千葉委員 先ほどの鑑別診断という話になりますと、遺伝子が必須要項になる場合は、恐らく鑑別診断はいらないと。しかし、遺伝子検査は含めなくても診断できる場合、その場合は鑑別診断はいるのかなというか、そこはまた統一的な話になりますが、そういうふうに思いました。

○水澤委員長 よろしいですか。先ほどもお話があったように、これは有馬症候群を含んでいますので、次の統合案をどうしましょうかということの議論に進みたいと思います。よろしくお願いします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-328ページ、指定難病177 有馬症候群と統合し、ジュベール症候群関連疾患に含まれる形の個票の案です。統合に当たり、有馬症候群のみに適合する部位が削除されています。

29ページ、中ほどの患者数は100人未満となります。30ページからの診断基準は、ジュベール症候群関連疾患の記載が基準となり、有馬症候群の記載は一部削除されています。

31ページ、診断のカテゴリーで、有馬症候群ではDefiniteとするには、主要症状5項目全てを満たすことになっておりましたが、統合案では、症状の2つと頭部MRI所見の小脳虫部の形成異常としてはどうかと考えています。

33ページの重症度分類ですが、これまでの有馬症候群と同様にmodified Rankin Scale、食事・栄養、呼吸の評価スケールを用いて3以上、あるいは腎障害でCKD重症度分類ヒートマップが赤の部分。視覚障害で良好なほうの眼の矯正視力が0.3未満の場合のいずれかに該当するものを対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 これが統合案ということになりますが、いかがですか。

○和田委員 2つほど教えていただければと思います。先ほど有馬症候群の所は削除されたと言われましたが、例えば、もともと有馬症候群で認定されている方がいらっしゃるのではないかと思います。その方々はどのような扱いになるのか少し懸念しています。それがまず1点です。

○水澤委員長 今の質問は分かりましたか。

○片倉難病対策課長補佐 認定されている方が、これで落ちることはないという研究班からの判断はありましたが、ただ、診断基準の症状の所、あるいは検査所見から大分削除されている部分が多いということになります。

○和田委員 2つ目の点です。例えば、29ページに生命予後があります。成人の場合には、腎機能と肝障害によると。30ページ、主要症状の所で消されている部分があります。例えば、ここでは眼と視覚障害と、腎機能障害は消されています。32ページには、重症度分類があります。例えば、視覚症状、腎障害は重症度分類に入っている。つまり、実際の予後と関係して、重症度分類にも入っているにもかかわらず、主要症状から眼と腎臓が抜けているのは少し矛盾するような印象を受けますが、いかがですか。

○水澤委員長 おっしゃるとおりですね。重症度分類に入っているものが主要症状から抜けているというのは少し奇異な感じがします。

○直江委員 私もこの疾患は全く素人ですが、もともとこのジュベール症候群というのは、有馬症候群を拡大して大きな広義の疾患名を付けるということですと、これを見ますと、班の名前とか、記載振りを見ますと、ジュベール症候群とその関連疾患というのは広義の名前、大きな名前ですよね。ですから、ジュベール症候群だけでいいのかということがまず1つです。

 もう1つは、ジュベール症候群とその関連疾患の中には、有馬症候群等々が含まれるということで、例えば、書き方としては、その中に有馬症候群だとこういうふうな診断基準。今までのものをそのまま使って、そのほかにセニオール・ローケン症候群やCOACH症候群、口--指症候群を書いていくというやり方もあるのかなと。そうしますと、今和田委員がおっしゃったように、「あれ、これ抜けたよ」というものがなくてすむのではないかと聞いていて思いました。

○水澤委員長 今、和田先生がおっしゃったことの1つの解決策ですね。先ほど来議論されているように、うまく統合がしにくい場合に、幾つかの疾患を並べて、並列して書いていただくというやり方で、全体を1つの症候群と認定するというやり方です。もとのものが分からないと難しいかもしれませんが。大澤先生、何か分かりますか。今の御意見はどうでしょうか。

○大澤委員 ジュベール症候群関連疾患ということで、有馬症候群という言葉が完全に消えると、患者さんのほうが混乱することはあると思います。

○水澤委員長 多分、名前は消えないというか、この中に含まれますので、先ほど来幾つかの疾患は担保されますから、例えば原発性免疫不全症候群といった形のもたくさんありますので、それは多分心配ないと思います。ただ、みんな非常に似かよっていて、病態などの説明文は共通化したわけですが、そこに無理はないかと。もしそれが難しいようであれば、別々にしたほうがいいのではないか。その心配の1つの理由が、先ほどの話にありましたように、主要症状の所に少し変更があったわけですが、重症度分類に残っている視覚や腎臓の症状に関して、主要症状の所から消されているのを見ると、整合性を取るのは難しいのかもしれないというご意見です。

○直江委員 もしその案ですと、資料1-328ページ、「有馬正高により報告された疾患うんぬん」の所は消してはいけないのではないかと思います。というのは、広義の大きな意味でのジュベール症候群及びその関連疾患があって、その中の一部分として、有馬症候群があるわけですから、有馬症候群はこういう疾患である、セニオール・ローケン症候群はこういう疾患であると書いてあるので、ここだけを消すと、有馬症候群が消えてしまいます。

○水澤委員長 これは一応、その上の行に残っていて、「有馬症候群では」というのがあって、2行分残っています。

○直江委員 2行分だけ残っているのですか。分かりました。

○水澤委員長 内容的に御判断されたのだろうとは思いますが、これは、この研究班に聞いてもらうのが一番いいと思います。加えるほうはどちらかというと楽ですので、そのほうがいいのか、これで問題がないのかということで、先ほどの症状に関しては、少し見落としがあったのかもしれません。また、先ほど来議論もあるのですが、29ページの研究班を見ますと、そんなに大きな班ではないと思いますので、小児神経学会といった所にきちんと見ていただく、アプルーブしていただくことを是非お伝え願いたいと思います。そうすれば、今の症状等の問題はまず解決するかと期待しております。大澤先生、これは小児神経学会でいいのですか、それとも小児科学会、あるいは両方が良いのでしょうか。

○大澤委員 日本小児神経学会。

○水澤委員長 小児神経学会だけでよろしいですか。ということです。ほかにはどうですか。今、そういう御指摘を頂いたほうが、研究班の方々も、担当者の方々も改訂するときに非常に助かると思いますので、たくさんの疾患を御覧いただいた委員の方々からのコメントは非常に有用だと思います。ほかにはないですか、よろしいですか。腎臓はこの基準で、いつもこのパターンで、統一されているということですね。

○和田委員 はい、統一していただければと思います。ありがとうございます。

○水澤委員長 視力も今回0.3になっています。それでは、ジュベール症候群については、ジュベール症候群かジュベール症候群と関連疾患というように入れるかということも含めて、御議論があった点をお伝え願いたいと思います。それで改訂をしていただく。その上で、お認めするという形にしたいと思います。よろしいでしょうか。次は気管狭窄症について御説明をお願いします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-227ページ、先天性声門下狭窄症です。

 概要の2行目にあるように、声門下狭窄症は気道の狭窄でも代表的であり、多くが緊急の診断、処置、治療を要します。声門下腔は狭窄を来しやすく、一旦狭窄症状を呈すると極めて難治性です。原因は不明で、症状は出生直後から呼吸困難や呼吸障害を来すことがほとんどです。しばしば気管内挿管や気管切開が必要となります。成人期には、声門下狭窄により呼吸困難を認め、声門に病変がおよぶ場合などその部位や程度により、発声困難となります。治療法は手術ですが、再発しやすく、複数回の入院と手術が必要であり、極めて難治とされています。

28ページには、成人期以降、外科治療の奏功例でも喀痰の排出不良などから、気道感染を繰り返し、頻回の入院加療を要する例が多く、長期の療養が必要な疾病です。患者数は約1,000人とあり、要件の判定に必要な事項は全て満たすものと考えています。

29ページ、診断基準ですが、症状と検査により、声門下狭窄を認め、二次性のものを除外したDefiniteを対象としてはどうかと考えています。重症度分類ですが、modified Rankin Scale、呼吸の評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象としてはどうかと考えています。以上です。

○水澤委員長 先天性声門下狭窄症について、いかがですか。診断基準、重症度等、指定難病として適切であるということでよろしいですか。

○飯野委員 私ども耳鼻咽喉科でも、成人期まで持ち込んだ人たちというのは非常に難治で、本当に一番困っている疾患の1つです。これは診断基準全て妥当だと思いますので、これでよろしいのではないかと思います。

○水澤委員長 予後の所を読みますと、今、先生がおっしゃったような記載になっています。重症度等につきましては、十分満たすと思います。診断基準はこういう形でよろしいですか。小児関係の先生方で、ほかにはどうですか。平家先生、よろしいですか。それでは、この基準そのものはよろしいかと思いますので、統合案の御説明をお願いします。

○片倉難病対策課長補佐 資料1-334ページ、指定難病330 先天性気管狭窄症と先天性声門下狭窄症の統合案です。病名は、先天性気道狭窄症とする案となっています。治療の部分で、気管狭窄症のみ適合する部分は削除されております。35ページ、患者数は約1,000人となります。37ページ、診断基準は声門下狭窄症、気管狭窄症、それぞれに設けられております。38ページ、重症度分類は共通のものとなっております。以上です。

○水澤委員長 これは両者を統合して記載するような書きぶりになっております。これについてはいかがですか。

○飯野委員 声門下狭窄と気管狭窄を合わせて、気道狭窄症としたときの概要の一番上の所ですが、これは分かりにくくて、「気道は上気道(鼻咽頭腔から声門)と狭義の気道(声門下腔、気管、気管支)」、これは、私どもの教科書的な分類から言うと、非常におかしいと思います。狭義の気道が下気道だけというのはおかしいので、気道と言っても上気道の、例えば先天性の鼻咽腔閉鎖症とか、そういうものを除くみたいな形で、もう少しきちんとした定義をしていただいたほうがいいような気がします。

 もう1点ですが、これは統合案で、症状、診断、予後とかがほとんど同じなので、統合しても余り問題ないものと思います。ただ、37ページの診断基準が14までありますが、この書き方をもう少し整合性を取っていただきたいと思います。例えば、先天性声門下狭窄症の23が気管狭窄症の場合、23が逆になっているので、せっかくきれいに整合性を取っていただいたので、書きぶりも同じようにしていただければいいかと思います。例えば、先天性声門下狭窄症の2番の「により診断される」ではなく「により狭窄が認められる」とか、下と同じような形で整合性を取っていただければ余り問題がないのではないかと思います。それから、少し誤字がありました。34ページの「症状」の6行目の「発生困難」というのは「発声」です。7行目、「気管石灰孔」の「石灰」が違っています。その辺も直していただきたいと思います。同じ研究班で、同じ学会から出てきていますので、非常に書きぶりもいいと思いますし、整合性を取っていただければ問題はないかと思います。

○水澤委員長 先生に御質問です。37ページの診断基準の所で、私も類似の印象を持ったのですが、これを読んでみますと、14とありまして、4番は全く同じですし、1番もほぼ同じで、2番も3番も順番が違うという書き方だけでほとんど同じなのです。

○飯野委員 一緒にしてもいいのかなとは思ったのですが、ただ、完全気管軟骨輪という記載が、先天性気管狭窄症にはあります。これは声門下に狭窄、あるいは完全気管軟骨輪が確認できるというように記載してもいいのかなとも思いました。どちらでもいいですし、別々にしてもよいです。病態が若干違うものですから。

○水澤委員長 なるほど、分かりました。そういう所が分かるように、もしすっきりとしていただけたら良いかもしれません。私は何となく同じようなことが書いてあるので、一緒にできてしまうかと思ったのですが、その点はよく分かりました。ありがとうございます。今の点、そういう問合せは一応していただければと思います。最初の概要の1行目、これは確かに上気道と狭義の気道というのは対応しませんので、この部分を正しい、より適切な文章に変えていただきたいと思います。もし先生から御意見があればサジェストしていただいて、文章を実際に直していただければそのようになると思います。あとは石灰等誤字脱字を直していただくと。ほかにはどうですか。よろしいですか。比較的すっきりとまとまっているかと思います。これは研究班だけではなく、学会等でも承認されているようでしょうか。

○飯野委員 それは大丈夫だと思います。

○水澤委員長 分かりました。ほかにはありますか。よろしいですか。

○直江委員 34ページの症状の上から3行目、文章で「気管内挿管が試みられ発見される」というのは、要するに疾患が発見されるということですね。

○飯野委員 そうです。

○直江委員 これは文章として、ここだけを読むと何のことだかよく分からないのです。

○水澤委員長 「狭窄が」という主語がないのですね。狭窄が発見されるとか、そういう分かりやすい文章に変えていただくということでしょうか。ほかにはどうですか。よろしいですか。全体を通じても大丈夫ですか。

○千葉委員 全体を通じて、今、おっしゃられた気道狭窄症については、前の班と、今回の班が同じで整合性が合っているというお話でしたが、例えば、これは有馬とジュベールも一緒なのですね。それなら問題はないですが、もし違った所が合わさっている場合は、やはり両班が一緒に検討するという機会が必要かと思いました。

 もう1つは、例えば330番にしても、制度的に統合させていくというのは、私は基本的に賛成ですが、その結果、例えば国際病名とか、教科書に載っていない病名になったりするようなものが難病として入ってきているわけです。そういうのは見受けられると思いますが、それについては制度的な観点から、正式病名から外れていくことは必ずしも好ましくないと思いますので、従来の病名を概要等々の中に何らかの形で残しておくというのは非常に重要かと思います。

 ついでに言いますと、これは申請を上げてくる際にも、いわゆる国際的な疾患の概念と少し外れたような形で、指定難病としての要望として出てくる傾向もあるように思いますので、その辺の是正といいますか、よく見ていくことは必要かと感じました。

○水澤委員長 例えば、研究班が統合前と統合後で変わってくる場合、あるいは増えるという場合、両方にチェックしてもらうという御意見だと思いますので、そういう点は今回は大丈夫ですか。何かありそうですか。あとでチェックしていただいて、そこは対応していただければと思います。病名では、これはどうでしょうか。例えば、「ジュベール症候群」は既に国際的病名として問題はないと思いますが、「先天性気道狭窄症」は言葉としてはどうなのでしょうか。

○飯野委員 非常にこれは難しい問題で、それでは、上気道はどうするのかということになるのですが、かといって、下気道狭窄症とは言えないのです。というのは、喉頭までが一応は上気道なので、声門下というのは上気道に入ってしまうわけです。ですから、概要の所で「上気道は除く」と、「声門以下のレベルにする」とするか、それとも、はっきり「声門下・気管狭窄症」とするか、どちらかかと思いました。

○水澤委員長 それは従来の言葉として、声門下狭窄症、気管狭窄症というのはあるわけですね。

○飯野委員 あります。

○水澤委員長 気道狭窄症というのはないのですか。

○飯野委員 ないです。気道狭窄症と言ったら、全てを含まれます。

○水澤委員長 そういう意味ですね。

○飯野委員 鼻咽腔まで。

○水澤委員長 なるほどね。

○飯野委員 口鼻腔閉鎖も入ってしまうのです。

○水澤委員長 それは確かに大事な問題です。外国の人が聞いて分かりにくいということも。指定難病については、これらを英訳して日本ではこの様に頑張っていますと発信しようとしていますね。ですから重要な御指摘だと思います。今の点は、先生としてはよろしいでしょうか。つまり、2つを中黒で続ける「声門下・気管狭窄症」というのは問題ないということで。

○飯野委員 それなら問題ないと思います。

○水澤委員長 それでは研究班で、これに関してお聞きいただいたらいいかもしれません。どうでしょうか。

○宮坂委員 声門下狭窄症と気管狭窄症を/でやるという手もあります。要するに、・でつなげる名前というのは、国際的には承認されていないのではないですか。本来は、先ほど千葉先生もおっしゃったのは、国際的に承認されている、あるいは一定のところで承認された名前にしておかないと、この難病のために新しい病名を付けるというのは、承認されていないものを作るというのはまずいのではないですか。

○水澤委員長 /だったら大丈夫ですか。

○千葉委員 今までもありましたよね。/はありました。

○宮坂委員 /はありますよね。

○水澤委員長 もしどうしても駄目だったら、全部並べて書くというか、2つ並べて書くことも手ですよね。

○飯野委員 声門下気管狭窄症と。

○水澤委員長 その2つを並べて書くというのも1つかと思いますので、/でやるかどうかということを含めて検討してください。/はほかにあったわけですか。

○宮坂委員 ありましたよね。

○水澤委員長 調べてみていただいて、それに倣って/でいくのか、それとも2つを並べて書くのかということです。やはり、国際性があったほうがよいと私も思います。重要な御指摘をありがとうございました。ほかはどうですか。ジュベール症候群は今言いました。「自己免疫性後天性凝固因子欠乏症」は、既にあった所に名前として入れるということですね。「若年性特発性感染症」はどうですか。

○宮坂委員 これはいいのではないですか。

○水澤委員長 これは大丈夫ですか。そうしますと、「遺伝性自己炎症疾患」も既にあったものですし、何となく一般名という感じもしますが、よく意味が分かりますね。問題ないですね。今の最後の気管狭窄症だけだと思いますので、確認していただきたいと思います。

 それから、いろいろな記載の仕方について指定難病のことを考えるあまり、本来の姿が伝わらなくならないようにというのは、引き続きお伝え願うということでよろしいですか。全体を通じて、何か御議論はありますか。よろしいでしょうか。それでは、少し早いですが、今後の予定をお願いします。

○田中難病対策課長補佐 委員の皆様方、本日はありがとうございました。頂いた御意見については修正の上、次回の委員会で確認をお願いしたいと思います。ただ学会等への承認等もありますので、場合によってはその次に出てくるものもあるかとは思いますが、その点についてはまた御説明をさせていただきたいと思います。次回第23回の指定難病検討委員会の日程については、決まり次第、事務局から改めて御連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

○水澤委員長 よろしいでしょうか。それでは、これで会議を終了します。本日はどうもありがとうございました。

 


(了)

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