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2017年11月17日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

○日時

平成29年11月17日(金)14:00~16:30


○場所

中央合同庁舎5号館(厚生労働省)3階 共用第6会議室


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

村田 勝敬 穐山 浩 井澤 照介 浦郷 由季
大前 和幸 苅田 香苗 川西 徹 栗山 真理子
財前 孝亮 寺本 民生 中村 重信 西内 岳
松本 吉郎 横田 明美 若林 敬二

事務局(11月17日時点)

宇都宮 啓 (生活衛生・食品安全審議官) 大西 友弘 (生活衛生・食品安全課長)
関野 秀人 (食品基準審査課長) 道野 英司 (食品監視安全課長)
森田 剛史 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長) 黒羽 真吾 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
梅田 浩史 (食品監視安全課輸入食品安全対策室長) 蟹江 誠 (食品監視安全課HACCP企画推進室長)
一戸 和成 (生活衛生・食品安全企画課長補佐)

○議題

(1)腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果の取りまとめについて
(2)食品衛生規制の見直しについて
(3)審議事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
・食品添加物の指定等について
(4)報告事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(5)文書による報告事項等
 ・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(6)その他の報告事項

○議事



○一戸補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催いたします。

 最初に、分科会委員の出席状況を御報告いたします。本日は、阿部委員、安藤委員、五十君委員、大澤委員、倉根委員、二村委員、毛利委員から御欠席の御連絡をいただいております。栗山委員と寺本委員はちょっとおくれておられます。

 現在の分科会委員総数22名のうち、現時点で13名の御出席をいただいておりまして、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。

 本日の議題につきまして、お手元の議事次第にございますように、腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果の取りまとめについて御報告を申し上げ、続いて、食品衛生規制の見直しについて御議論いただき、食品中の農薬等の残留基準の設定について、食品添加物の指定等について御審議いただき、その後、何点か事務局から御報告を申し上げます。

 審議事項に関する利益相反の確認対象となる案件がありますが、退出が必要または議決に参加できない委員はいないことを確認しております。

 続いて、配付物を確認させていただきます。議事次第、座席表、委員名簿、資料1-1で関東地方を中心に広域的に発生した腸管出血性大腸菌による感染症・食中毒事例(調査結果取りまとめ)、資料1-2で腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果取りまとめ、資料2-1で食品衛生法改正懇談会取りまとめ(ポイント)、資料2-2で食品衛生法改正懇談会取りまとめ(概要)、資料2-3で食品衛生法改正懇談会取りまとめ(報告書)、資料3で審議事項に関する資料、資料4で報告事項に関する資料、資料5で文書による報告事項等に関する資料、資料6でその他の報告事項に関する資料。あとは、委員のお手元に黄緑色ファイルで食品衛生規制の見直しに関する参考資料、青色ドッチファイルで審議事項に関する参考資料、報告事項に関する参考資料及び文書による報告事項等に関する参考資料、主要国・地域における残留基準に関する参考資料を配付させていただいております。

 配付物に不足等がございましたら、事務局まで申しつけください。よろしいでしょうか。

 それでは、以後の進行につきましては、村田分科会長にお願いいたします。

 頭撮りはここまでとさせていただきますので、以降のカメラ撮影は御遠慮願います。

(カメラ撮影終了)

○村田分科会長 冬将軍の到来で北海道、北東北では雪が舞う季節となりました。食中毒というよりはインフルエンザの流行を心配しなくてはならないのでありますが、この年末近くの多忙な時期に委員の皆様にお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日も議題が盛りだくさんですので、会議の円滑な進行について御協力をお願いいたします。

 それでは、まず本年8月に関東地方で発生しました腸管出血性大腸菌感染症・食中毒事例の調査結果の取りまとめについて、事務局から御説明願います。

○道野課長 それでは、資料1-1、資料1-2に基づいて御説明をいたします。経緯といたしましては、資料1-1の経緯というところに該当しますが、本年8月に腸管出血性大腸菌感染症のうち、血清型で言うとO157、毒素型で言うとVT2の患者の報告が関東地方を中心に多発したということがございました。

 これを踏まえまして、通常、腸管出血性大腸菌感染症につきましては、感染症法の届出と調査、食品衛生法に基づく食中毒の関連調査ということを行っておるわけでございますが、それに加えて、別添の資料として追加させていただいていますけれども、「腸管出血性大腸菌による食中毒等の調査及び感染症予防対策の啓発について」という資料の2ページ目以降の暴露状況調査票というものもあわせて関係自治体のほうに配付いたしまして、患者の行動調査等を行いまして、関係する自治体、地方衛生研究所、国立感染症研究所の御協力をいただきまして、今回の一連の食中毒及び感染症の調査状況について分析をし、取りまとめたものであります。

 資料1-1の右下のグラフを見ていただきながら、腸管出血性大腸菌の報告ということで申しますと、資料1-2の2のグラフですと、過去のピークを超える水準に患者数がふえたというのは、8月のちょうど半ば、第33週と書いていますが、ここをピークとして減少している。全体数としてはこういった分布でありました。黄色の色がついているところが毒素型VT2の患者数ということになりまして、結局、O157の感染症の報告数を押し上げていたのは、VT2による感染者の数ということになるわけです。

 特にO157VT2につきましてですが、9月以降になるわけですけれども、資料1-2の2の(2)にありますように、42の地方自治体から提出された暴露状況調査票を取りまとめて分析いたしました。そうすると、資料1-1の下の図にありますように、同一遺伝子型のO157VT2による患者報告数というのがこういう分布になっております。すなわち、7月の下旬から8月の中旬、後ろの9月のほうにも若干報告がございますけれども、同一の遺伝子型のO157VT2の患者の発生というのがこういった形で見られたということが判明いたしました。

 資料1-1の調査結果のところに参りますが、そういった暴露状況調査票に記載のあるO157VT2タイプの遺伝子分析の結果、7月17日から9月1日までに発症した141件のうちの116件に関してそういった菌株情報が判明いたしまして、この中の91件が同一の遺伝子型であったということで、それをグラフにしたのが1ページの下のところのものであります。

 ごらんいただくとわかるとおり、8月の中旬に例えば総菜専門店とか飲食店等で同じ遺伝子型の腸管出血性大腸菌による食中毒が発生しておるわけでございますが、実は7月の下旬からこういった形で感染症の患者として散発的に実際には発生していたということが判明いたしました。

 資料の1-1の2ページ目をごらんください。最初にございますように、7月の下旬から最初の山が認められたわけでありますが、明らかな集団事例はなかったということで、広域食中毒としての有効な調査開始というのはなかなか困難な状況でございました。

 恐縮ですけれども、資料1-2の3ページの上の表、平成29年腸管出血性大腸菌O157食中毒事例一覧というのがございます。この中で黄色の着色のある3、5、6、8の事例が先ほどの同一の遺伝子型のO157VT2による食中毒ということであったわけですが、こういった通常同一の遺伝子型ということになると、共通の汚染源、もしくは汚染食品があるのではないかという推定も成り立つわけでございますが、結果としては、そういった共通の汚染源、経路については今回解明ができなかったという状況でございます。

 個別の食中毒事例の調査結果については、3ページの(5)(6)(7)のところに記載しておるところであります。特に総菜チェーンで発生した食中毒事例というのは、上の表の3番、5番、8番が該当するわけでありますが、ここにありますように、総菜を喫食した患者24名のうち22名が同一のチェーン店で提供されたサラダ類を喫食している、共通食として挙げられているわけでありますが、それ以外の方も2名あったということでありました。

 ただ、食中毒の調査としては、6番にありますように、サラダ類の製造施設でポテトサラダに関連しての調査を行っていますが、検食を含めて施設から腸管出血性大腸菌は残念ながら検出されていないということであります。もちろん、これをもって原因とは関連しないということは言えないわけでありますが、少なくとも調査の段階では検出はなかったということであります。

 資料1-1に戻っていただきまして、今回食中毒としてはあらわれてきたのが8月の中旬以降ということがございまして、その食中毒の発生状況から見て共通の原因があるのではないかということで、厚生労働省として情報の収集や注意喚起等々を始めたのが8月の下旬ということであったわけです。ただ、振り返って調査をしてみると、資料1-1の1ページにありますように、最初の山と書いていますけれども、7月下旬から患者の発生というのが実際にはあったということがレトロスペクティブには確認されたということでございます。

 そこの部分についての原因としては、資料1-1の2ページ目の調査結果の評価の2番目にございますが、調査に際して、広域発生事例の早期探知がうまくいかなかったということが一つあるわけでございます。その要因として、なかなか各自治体間での情報共有がうまくいかなかったのではないか。国の情報取りまとめ、当該取りまとめ情報を関係自治体に共有していく、さらには遺伝子型別の検査をやるわけですが、これに2つの方法を用いていた、自治体によって検査手法が違っているということがございました。こういったことで全体として時間を要していたということが、同一の遺伝子型の菌による感染者がふえているということに対する調査のスタートがおくれてた要因ではないのかと考えています。もちろん、発生状況自体は、2ページの1点目にありますように、実際に最初の山があって、集団発生がなかったということがあって、この時点で原因になった病原体が環境に広がっていったということもあるのだと思います。そういったことでなかなか共通の要因が2つ目の山では見つからないということがあるわけですが、調査のほうについてもかなり課題があったということでございます。

 2ページ目の主な今後対策ということでございまして、こういった広域発生に対する早期の探知が必要だということで、現在食品衛生法を実際に現場で施行する自治体が、中核市の増もありまして、関係自治体が非常にふえてくる。広域発生の場合、連携して対応していかなければならないということがありまして、今後はブロックごとに協議体をつくって、統一的な方針のもとで調査をしていくということが一つ必要ではないかということであります。

 2番目は、地方自治体、国レベルの関係部局、感染症法を施行している担当と食品衛生法、食中毒を担当しているところが連携して、なおかつ患者の情報や食中毒に関する喫食状況の調査といったものについて、統合して情報管理をしていくということが必要だろうということであります。

 さらには、国による地方自治体間の情報共有への支援ということで、今回対応したところではありますが、早期から国が取りまとめて、関係自治体に情報提供していくということ。さらに、情報発信の関係で、関係自治体がばらばらに報道発表したということで、全体像が国民の皆さんにうまく伝わっていないという状況もございました。そういったことで、一元化であるとか、関係機関における情報の共有が重要だろうということ。

 さらに、遺伝子検査の手法が複数存在したということがございまして、これも突合するのはなかなか難しいということがございますので、これを統一していこうということ。

 検食、ポテトサラダから菌が検出できなかったということであるとか、こういった食中毒の場合、さかのぼり調査ということで、どこからどういう食材を仕入れてきて、それが喫食されたのかということを調べるわけですが、これも時間がたつとなかなか難しくなってくるということがありますので、そういった記録の保存のあり方にもついて課題を整理していくということで、今後の対策を取りまとめたところであります。

 事務局からの説明は以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 ただいまの説明に対しまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。穐山先生、どうぞ。

○穐山委員 御説明、ありがとうございました。

 今回の食中毒事例は、報道では死亡例があったとお聞きしていて、比較的重篤な症状を示す事例だと感じておりますが、ポテトサラダということから、総菜とか野菜関係で過去を見てみますと、2012年に浅漬けで北海道で8名亡くなられていますけれども、その事件もO157だったと思います。あと、昨年の集団施設での事例も何人かお亡くなりになっているかと思いますが、それの事例もあったりして、過去のO157の遺伝子型と今回のVT2の遺伝子型は違うものなのか、それとも変異が起こっているのか。その辺をお聞きしたいところです。

○村田分科会長 どうぞ。

道野課長 今回のものは、過去のそういった集団事例で見つかったものとは異なる遺伝子型でございます。

○穐山委員 そうすると、これは変異されているのか、それとも全く汚染源が違うというふうに考えればいいものなのでしょうか。

○村田分科会長 どうぞ。

○道野課長 例えば大腸菌の場合は15分に1回二分裂するわけでありますので、突然変異というのも一定の頻度で起きてきます。そういったことで、遺伝子型が違うからといってもとが違うとは言えないのかもしれないですけれども、少なくとも発生した状況とか、見つかった遺伝子から見て、過去の事例との関連というのは考えにくいと見ております。

○穐山委員 そうすると、変異ではないということですね。

道野課長 はい。

○村田分科会長 松本委員、どうぞ。

○松本委員 資料1-1の2ページ目の今後の対応ということが多分一番重要になるのではないかと思いますが、お書きになっている対策はそれぞれ納得できるものですけれども、例えば(1)ですと、ブロックをまたいで発生することも幾らでもありますし、結局、どんなふうに上げてくるかというところが一番大事なところであって、どういった事例をどういった形で上げていくか、スピード感を持って上げていくかということに尽きると思うので、そういった意味で、(3)の国による地方自治体間の情報共有への支援というところをしっかりやっていただいて情報提供する。国の役目は非常に大きいと思います。

 それぞれの都道府県というのは、なかなかどこに発信していいかわからないですし、1番の広域連携協議会の設置もどんな形であるか。結局、上がってこないと話にならないわけですから、これを教訓にして、その辺をしっかり取り組んでいただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 中村委員、どうぞ。

○中村委員 何点か御要望という形で申し上げたいのですけれども、まず1点が検査法の開発という意味で、やはり迅速性を求めるのであると、現状としてO157の場合、感染してから発症するまでが2日、それから血便等の症状が出て、そこから検便が始まって、実際にO157感染とわかるのが、下手すると10日後ぐらいになると思うのです。そういう意味で、今後とも迅速で確実な検査法の開発というのを国のほうにお願いしたいというのが1点目です。

 2点目が検査法の体制整備ということで、資料1-2を見ますと、今後MLVAにより遺伝子解析を行っていくということですが、実際問題、地方衛研ですと機器の整備がなかなか進んでいないという状況がございます。資料1-2を見ますと、来年度からという書き込みもございますので、ぜひともそういった機器整備等に関します財政的な支援をお願いしたいということ。さらに、地方衛研だけではなくて、民間の検査機関、あるいは大学の研究室といったところの活用というものをお願いしたいと思っております。

 3点目としまして、調査票を配付いただきまして調査等を行ったわけでございますが、現場からはもう少し使い勝手のいい調査票への改定というような声もあると伺っておりますので、協議会をつくられるということでございますので、ぜひとも自治体の意見等を十分に聞いていただいて対策を進めていただきたいと思います。

 最後でございますが、今回食材等の汚染状況が解明できなかったということでございますが、先ほど穐山先生のほうからありましたけれども、浅漬けであったり、東京都の場合ですと、昨年にはキュウリのあえものでO157という事件もございました。やはり食品の安全というのは生産から消費までということでございますので、どちらかというと今回の取りまとめは消費段階の対策というのがメーンになっているかなと思いますので、生産段階での取り組みというものも農林水産省とタイアップしながら究明のほうをしていただければと思います。

 以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 どうぞ。

○道野課長 4点御要請をいただきました。

 まず、1点目の検査法の開発につきましては、従来から迅速試験法ということで、PCRを用いたもの等々を。以前に比べると少し早くなってきているということは言えると思いますけれども、引き続きそういったところについては研究等を進めていきたいと考えています。

 次に、遺伝子型の試験の体制整備というところでありますが、従来PFGEによる遺伝子型別ということが行われておったわけですが、現在MLVA法と混在しているという状況がございまして、これをMLVA法への移行を進めていきたいと考えております。基本的には感染症研究所のほうでも菌株を送っていただいて対応していただくということもやっておるわけですが、衛生研究所のほうで対応されるという場合には、私どもとしてもできる限りの支援ということを検討していきたいと考えております。

 3番目の調査票につきましては、広域散発食中毒患者の発生を想定したものを従来から厚生科学研究等で検討してきたところでございまして、そういったものを活用しているわけでございますが、引き続き内容については御意見を賜りながら検討させていただきたいと思います。

 4番目、今回の場合、なかなか原因食品もしくは汚染要因が明確にならなかったと。まずはそういったことを明確にしていくということも大事なわけでございまして、今後の対策の6番目のような調査をしっかりやって原因を突きとめるということがあるだろうと思います。それと、諸外国を含めて、御指摘にあったようなものの汚染ということも指摘されているところですから、そういったことに関しては農林水産省ともよく相談して対応していきたいと考えております。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 よろしいですか。

○中村委員 はい。

○村田分科会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。もうございませんか。

 では、特にないようですので、どうもありがとうございました。

 それでは、次に行きます。食品衛生規制の見直しについて、事務局から御説明願います。

○大西課長 生活衛生・食品安全企画課長です。資料2-1から2-2、2-3とございますが、資料2-1に沿って御説明いたします。適宜、資料2-3のほうの関連ページも御紹介しながら御説明したいと思います。

 それでは、資料2-1をごらんください。食品衛生法改正懇談会については、5回にわたり開催してまいりました。最後の回が11月8日に行われまして、文言修正などの御意見をいただいたので、取りまとめにつきましては、1115日付でまとめて、発表させていただいたものです。

 その取りまとめの概要ですが、資料2-1を御覧いただくと、「基本的考え方」として記載しています。平成15年の食品衛生法改正から約15年が経過して、食品の安全を取り巻く環境が変化していること、あるいは国民のニーズ等が変化していることや広域食中毒事案なども発生しているということ、そして東京オリンピック・パラリンピック競技大会を控えて、国際基準と整合的な食品衛生管理が求められているということを背景として、食品衛生法改正等に直ちに取り組むことが必要とされています。

 主な提言内容といたしましては、資料2-3では4ページ目以降になりますが、「健康被害の防止や食中毒等のリスク低減」ということで、まず「(1)食中毒対策の強化」として、フードチェーン全体を通じた衛生管理向上のために、食肉処理段階での対策の強化や生産段階との連携強化等を行うこと、あるいは広域的な食中毒事案に対応するために、厚生労働省、都道府県等の関係者間での連携等の体制を整備するといったことについて、御指摘をいただきました。

 次に、資料2-3では5ページ目以降になりますが、「(2)HACCPの制度化」として、HACCPによる衛生管理を制度化するということで、全ての食品等事業者を対象に、衛生管理計画を作成し、手洗い励行等の一般衛生管理に加えて、事業者の規模等に応じたHACCPによる衛生管理の実施を求めるとされています。

 次に、資料2-3では10ページ目以降になりますが、「(3)リスクの高い成分を含むいわゆる「健康食品」等による健康被害防止対策」として、健康食品については、健康被害防止の観点から、リスクの高い成分を含む健康食品等について、製造工程管理、あるいは原材料の安全性確保のための法的措置を講じ、実効性のある仕組みを構築すべきということ、あるいは事業者から行政への報告の制度化を含めて、健康被害の情報収集・処理体制を整備するといったことを御指摘いただきました。

 次に、資料2-3の9ページ目以降になりますが、「(4)食品用器具及び容器包装規制の見直し」として、ポジティブリスト制度導入に向けて、さらに対象となる材質・物質の範囲、事業者間で伝達すべき情報やその伝達方法、適正な製造管理等について具体化すべきとされています。

 次に、資料2-1の右側のほうへ行きまして、「食品安全を維持するための仕組み」についてです。資料2-3の15ページ目以降になります。

 まず、「(1)営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設」として、現在政令で定める34営業許可業種については、食中毒リスクとか営業の実態に応じて許可対象業種を見直すということと、あわせて営業の届出制度を創設すべきとされています。

 次に、資料2-3の16ページ目以降になりますが、「(2)食品リコール情報の把握・提供」として、食品等事業者が自主回収情報を行政に報告し、行政が国民に提供するという仕組みを構築すべきとされています。

 次に、資料2-3の17ページ目以降になりますが、「(3)輸入食品の安全性確保・食品輸出事務の法定化」として、輸入食品の安全性確保のために、輸出国段階での対策強化として、HACCPによる衛生管理、乳製品・水産食品については衛生証明書を添付するということを要件するとされています。また、食品の輸出については、自治体の食品輸出関連事務の根拠規定など法的な規定を創設すべきとされています。

 3番目として、資料2-3の20ページ目以降になりますが、「食品安全に関する国民の理解促進」です。リスクコミュニケーションを強化するべきということで、リスク等に関する情報を正しく消費者に伝えるために、行政から国民への情報の発信方法や内容を工夫すべきということ、国民との双方向での情報及び意見交換を推進すべきとされています。

 資料2-3の22ページ目ですが「おわりに」として、この取りまとめを踏まえて厚生労働省のほうで検討して、関係事業者との調整、国民の意見の聴取などを行いながら、食品衛生法改正を含めて具体的な対応を計画的に進めることを求めるということ、その際、自治体や関係事業者への影響も大きいことから、丁寧な説明、意見交換、必要な支援等を行うことが重要であるということ、さらに、食品衛生規制については、時代や国民のニーズの変化等に対応できるように、制度改正の施行の数年後を目途として、その実施状況等を踏まえて検討を行うなどの定期的な検討も含めて、時宜に応じた点検・検討を行うことも必要とされています。

 私からの説明は以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 ただいまの説明について、御意見、御質問ございますでしょうか。川西委員、どうぞ。

○川西委員 今回のこの懇談会は、私のほうが取りまとめをさせていただいたということもあって、1点だけ補足させていただければと思います。この中で健康食品のところの表現ですけれども、資料2-2の3ページ目「リスクの高い成分を含むいわゆる『健康食品』等による健康被害防止対策」の中で「法律上の定義がない、いわゆる『健康食品』の分類」という表がありますが、これは旧来の使い方としては、「健康食品」という言葉があって、消費者庁所管の保健機能食品という形で機能性表示食品、栄養機能食品、特定保健用食品、それ以外のものを「いわゆる『健康食品』」というように厚労省のホームページなどを見ると表現されていたのですけれども、今回の懇談会の議論の中で、そもそも「健康食品」という言葉自体が誤解を生んで、消費者に非常にポジティブな印象を与えて、問題があるものもちょっと誤解されるということもあって、とにかく「健康食品」というのも「いわゆる『健康食品』」でくくってしまおうということでこの報告書は取りまとめたということがございます。

 ですから、旧来「いわゆる『健康食品』」と言っていたところ、ここのオレンジのところが「いわゆる『健康食品』のうち、保健機能食品以外の食品」と書いてあって、その上の全部のくくりを「いわゆる『健康食品』」という言葉を用いつつ、資料2-3の14ページの中段あたり、「(6)野生鳥獣肉の衛生管理」の上のパラグラフで、「なお、健康食品という呼称自体が消費者の誤解を生む一因でもあり、また法令上もいわゆる「健康食品」の明確な定義が存在しない。これらの見直しについても検討すべきである」。これは、よく考えますと、では、一体どういう言葉を使ったらいいのというのは、また議論が必要かもしれませんけれども、今回の報告書では、「健康食品」という言葉は避けるような形で、「いわゆる『健康食品』」という言葉を使って取りまとめたという経過がございます。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 今の川西委員の御説明も含めていかがでしょうか。

 私のほうから。資料2-3の21ページに「BSEについては歴史上の話となり」と書いてあるのですけれども、例えば妊婦のメチル水銀摂取に関する指導などももう歴史上の話になりつつあるようで、単に過去の話にしてほしくないなと。絶えず何らかの形で発信していただきたいなというのがあったのですが、いかがですか。

○川西委員 これは、まさに先生がおっしゃったことをここに書きたいということで、リスクコミュニケーションの中でBSEについては話題に上ることも一般の中では少なくなって、私などは非常に強い記憶として残っていますけれども、若い人たちには過去の話として映るかもしれないので、結局、BSEについて、「リマインドが必要であることにも留意すべきである」というのは、そういう意図を込めてここに入れたという表現であります。

○村田分科会長 わかりました。確かにそうなのですけれども、メチル水銀についてはもう過去の話で、最近の若い人は、水俣病はわかるけどというぐらいにしか認識がなくなっているというのが現状のような気がして、ちょっと危惧した。そういう意味で、リマインドが必要ではないかなと私も思ったということでございます。

○川西委員 もう一つの問題としては、少ないながら非常に低頻度で出ているということをサイエンティフィックに見たら、まだ何かあるということでもありますので、それはまた別の意味として、サイエンティフィックには常に常に考えておかなくてはならない問題としてある。ただ、これはリスクコミュニケーションのところですので、こういう書き方にさせていただいたということがございます。

○村田分科会長 どうぞ。

○大西課長 ただいまの御議論に関しまして事務局から補足でございますけれども、川西先生から御説明いただいたとおりですが、懇談会ではBSEの議論がございましたが、その他にも分科会長から御指摘のあったメチル水銀の問題もあるということで、私どもとしても、今後の施策の展開に当たって配慮していくことが必要であると考えております。

○村田分科会長 よろしくお願いします。

 若林委員、どうぞ。

○若林委員 言葉遣いの問題かもしれませんが、「歴史上の話」となりますと、非常に昔の話というように一般の人は受け取ってしまう危険性があるものですので、その辺は、院長が言われるように、確かに少し考慮が必要なのかなと思いました。

○村田分科会長 横田委員、どうぞ。

○横田委員 今の話ですけれども、今の大学生にとっては、地下鉄サリン事件も歴史上の話になっているということは御留意いただきたいと思います。すなわち、生まれる前に起きた事象については、教えられないと知らないということがたしか議論としてあったと思います。

 もう一点、いいですか。

○村田分科会長 どうぞ。

○横田委員 先ほどの健康食品のところも、座長がおっしゃっていただいたように、かなり議論があったところでした。先ほどお示しいただいた概要の3ページの図は、いわゆる「健康食品」というものを食品衛生法、すなわち食べ物の扱いとしての安全性の確保という観点と、その表示にかかるもの等のパラグラフがすごく見やすい図になっておりまして、検討会の中でも、今後はこの図もうまく使って食品安全としての側面、食べ過ぎたら、どんなに表示がすばらしくても危ないのだとか、そういう話と表示がきちんとできるという観点、両方の観点で啓発活動をしていただきたいという議論があったことを補足します。

○村田分科会長 ありがとうございます。

 それでは、寺本委員、どうぞ。

○寺本委員 今のお話なのですけれども、「いわゆる『健康食品』」という言葉は、私どもが機能性表示食品の議論をしているときに、どういうふうに分類するかというのはいろいろと議論があって、あのときは「いわゆる『健康食品』」という言葉を使わざるを得ないのだろうなということで、しかし、皆さん、ある意味違和感を持ちながら使っていたわけですね。消費者の立場から見ると、「いわゆる」という言葉がついても「健康食品」、そこが基本的には一番ポイントになってしまうので、この言葉に関しては幾つか議論しておかないといけないし、その意味で言うと、消費者教育というか、そういうことも必要になってくるのではないかと思うので、ここはぜひともしっかりと言葉の定義というのをしておいたほうがよろしいのではないかなと思います。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 松本委員、どうぞ。

○松本委員 全く同感でございます。「健康食品」という言葉自体が果たして適切かどうかというのは、本当にもう一回考えないと。健康食品を摂取したからといって決して健康になるわけではないということもたくさんありますので、そういった意味では、先ほど表示の問題もございましたけれども、御指摘がありましたとおりだと思いますので、ここは今後しっかりと議論していかなければいけないところだろうと思います。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 そのほかございませんでしょうか。浦郷委員、どうぞ。

○浦郷委員 私も懇談会のほうにかかわらせていただいたのですけれども、今回大変短い期間でありましたが、あらゆる観点からさまざまな課題が出されてきまして、委員からもたくさんの意見が出されました。今回この取りまとめは、それをできる限り反映していただいたというか、取り込んでいただきまして、うまくまとめていただいたと思っております。

 このポイントのところに主な提言ということで何点か出ていまして、その中から食品衛生法の法改正になるものもあり、法改正までは至らないものもあると思いますけれども、具体的な対応を進めるということで、ここで「計画的に」という言葉を入れていただきましたので、ここはきちんとやっていただきたいと思います。また、定期的な検討もということもありますので、そのときそのときに応じてやっていただきたいと思います。今、お話に出ていた「健康食品」という言葉の定義などもできれば早いところ進めていっていただきたいと思います。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 寺本委員、どうぞ。

○寺本委員 この提言内容の(3)のところを見ていて、「リスクの高い成分を含むいわゆる『健康食品』」という言葉自身が同語矛盾というか、リスクが高いものが何で健康食品なのかと。恐らくそういった感情をどうしても持ってしまうので、本当にこの言葉は考えなくてはいけないと思いますので、よろしくお願いします。

○村田分科会長 ほかに意見はないようですが、健康食品については可能な限り食品衛生法の改正の中できちっと定義していただければと思います。

 もうそろそろ意見もないので、今回はこのあたりとさせていただきます。次回も引き続き議論したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、食品中の農薬等の残留基準の設定について、審議を行います。

 まず、事務局からアミノシクロピラクロルの説明をお願いいたします。

○松原専門官 それでは、資料3の3ページをお開きください。農薬、アミノシクロピラクロルでございます。経緯といたしましては、こちらは海外のインポートトレランス制度に基づく基準値設定の要請を受けて設定するものでございます。こちらは新規の基準値設定となるものでございます。

 用途といたしましては、農薬でございます。

 適用作物のところをごらんいただきたいところでございますが、海外の牧草等の使用がございまして、日本においての農薬登録はございません。したがいまして、こちらは農薬ではございますが、食用の農作物への使用がないということもあり、畜産物に対しての基準値設定とすることとしております。

 海外の状況でございますが、記載のとおり、国際基準が設定されている、また諸外国でも畜産物に対して基準が設定されているといったものでございます。

 食品安全委員会における食品健康影響評価では、ADIARfDがこのようにつけられているといったものでございます。また、今回設定根拠のところに、ADIのところに最小毒性における毒性所見も記載をさせていただいております。

 これに基づき基準値案でございますが、4ページの基準値案のところに書かせていただいているとおり、国際基準を参照して案を作成しております。また、この基準値案に基づきまして暴露評価を行った結果でございます。今まで4つの分類の一番上、1歳以上については「一般」と書かせていただいておりますが、今回から「国民全体」と書かせていただいております。全てのところにおきましてTMDIADI比はこのようになっており、安全性に問題ないと考えております。

 今後の状況ですが、先月1026日に在京大使館の説明を実施いたしまして、また今後パブリックコメントを実施する予定でございます。

 答申案は、5ページ目の答申(案)、別紙2のとおりでございます。

 説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 議論に入る前に、部会での審議の状況について、特段御報告いただくことはございますでしょうか。

○穐山部会長 御説明の補足をいたします。事務局からも説明がありましたように、本剤は除草剤で、国内では農薬登録をされておりませんけれども、資料中の「適用作物 適用病害虫等」の欄に記載がされていますように、海外において牧草地での使用が認められていることから、今般インポートトレランス申請があったものになります。今回新たに残留基準値を設定するもので、1012日に開催した部会において、牛や豚などに対する基準値案の審議を行いました。部会では、部会報告書の記載整備に関する指摘があったものの、食品安全委員会の評価結果として、神経毒性、発がん性、繁殖能、催奇形性、免疫毒性、遺伝毒性は認められていないということと、規制対象物質、分析法、残留基準値、暴露評価などについて適切であり、特段の問題はないという結論に至っております。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、本件について、何か御意見、御質問ございますでしょうか。大前委員、どうぞ。

○大前委員 健康影響評価結果のところの表記を今回からは「設定根拠 2世代 繁殖試験」の後に括弧書きで、繁殖試験の中の何が問題だったかということを書いていただきました。前回までは「2世代 繁殖試験」とあって、「無毒性量」とありましたので、これは繁殖に何らかの影響があったのだろうと誤解があったと思うのですけれども、今回からはその中身を書いていただきましたので、非常に誤解がなく、わかりやすい表現になったと思います。この点に関しまして、ありがとうございました。

○村田分科会長 そのほか、いかがでしょうか。

 ほかに御意見がないようですので、分科会としてこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。

(「はい」と声あり)

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。

 パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。

 その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 続きまして、食品添加物の指定等について審議を行います。

 事務局からプロピコナゾールを御説明願います。

○中矢補佐 同じ資料3の6ページをごらんください。添加物、プロピコナゾールでございます。審議対象は、食品添加物としての指定の可否及び規格基準の設定を審議いただくもの。事業者からの要請により指定等を行うものでございます。

 プロピコナゾールは、後ほどの議題の報告事項でも出てまいりますが、収穫の前に農作物に使用された場合は「農薬」となりますが、収穫後に防カビ剤として使用するものについては「添加物」としての規制を受けます。既に農薬としては国内で使われておりますが、収穫後に添加物として使用されるのは初めてでございますので、新たな添加物としての指定を審議いただくものでございます。

 6ページ中ほど、諸外国での状況でございますが、ごらんのとおり、米国や欧州連合で収穫前の農薬としても、収穫後にも使用がなされております。食品安全委員会における健康影響評価結果はごらんのとおり。また、7ページの摂取量の推計についても食品安全委員会においてごらんのとおり推計がなされております。

 使用基準案につきましては、プロピコナゾールは、あんず、おうとう、みかんを除くかんきつ類、すもも、ネクタリン及びもも以外の食品には使用してはならない。かんきつ類については1キログラムにつき0.008グラム。あんず、おうとう、ネクタリン、ももにあっては1キログラム当たり0.004グラム、すももにあっては1キログラム当たり0.0006グラムを残存基準案としております。

 また、成分規格案、答申案については8ページ目以降にございます。8ページ以降に答申(案)、使用基準(案)、成分規格(案)として、構造式や物理化学的性質、その他、試験法などが11ページまで記載がございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

○村田分科会長 議論に入ります前に、部会での審議の状況について何か報告することはございますでしょうか。若林委員、どうぞ。

○若林部会長 添加物部会からの報告ですけれども、今、事務局から説明がありましたように、プロピコナゾールの防カビ剤の摂取量推計からの安全性ですとか、使用基準(案)または成分規格(案)等について議論がありましたけれども、特段大きな問題点は指摘されませんでしたので、報告いたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、本件につきまして、何か御意見、御質問ございますでしょうか。いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。

 ここでは「かんきつ類(みかんを除く。)」と書いてあるのですけれども、これはみかんには全然使っていないからということでよろしいですか。

○中矢補佐 添加物の使用基準については、要請者がこの品目に使いたいという希望に基づきまして打つのですが、みかんについてはその希望がなかったということで、みかんには使われないということでございます。

○村田分科会長 いかがでしょうか。ほかにございませんか。どうぞ。

○穐山委員 これは、一応食品安全委員会で急性参照用量を出されていますけれども、ARfDを短期暴露評価で超えないということは確認しているということですね。

○中矢補佐 添加物部会のほうではARfDに基づく評価を行っていないのですが、同じ週に開催しました農薬部会のほうでその評価を行っておりますので、この摂取量は農薬としての摂取量と添加物としての摂取量を合わせたものですので、ARfDの問題もないと考えております。

○穐山委員 どうもありがとうございました。

○村田分科会長 ほかにいかがでしょうか。

 ほかに御意見がないようですので、分科会としてこれで了承いたしたいと思いますが、かがでしょうか。

(「はい」と声あり)

○村田分科会長 了承、どうもありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。

 パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。

 その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 次に、事務局からの報告事項に入ります。食品中の農薬等の残留基準の設定について4品目、御報告いただきます。

 事務局からどうぞ。

○小川補佐 それでは、資料4をごらんください。おめくりいただきまして、3ページに今回残留基準を設定いたします農薬等の一覧をお示ししておりますので、こちらに基づいて説明させていただきます。今回食品中の農薬等の残留基準の設定について報告させていただきますのは、農薬3剤、動物用医薬品1剤でございます。

 農薬の1剤目、キャプタンですが、こちらは暫定基準の見直しの適用拡大申請を行うもので、現在は国内でいんげんまめ、はくさい等に使われておりますが、ほうれんそう、小麦等に対して拡大の申請があったものでございます。

 フェンブコナゾールにつきましては、殺菌剤でございまして、ブルーベリーに拡大の申請があったものでございます。現在は、りんご、なし等に申請されております。

 プロピコナゾールにつきましては、先ほど添加物としての指定の申請がございまして、御審議いただきましたけれども、農薬としても家畜の餌になる作物に使用されることから、畜産物へ残留するということで、畜産物への基準値設定依頼がございましたので、畜産物についても基準値を設定するものでございます。現在は、小麦、大麦等に国内でも使われております。

 最後は動物用医薬品、プレドニゾロンでございます。こちらにつきましては、合成副腎皮質ホルモンでございまして、暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では、牛、豚、馬に使われておりまして、人用医薬品としても使用がございます。いずれの品目につきましても、食品健康影響評価において、動物用医薬品についてはADIのみですけれども、ADIARfDが設定されておりまして、それに基づきまして暴露評価を行った結果を一番右の列にお示しさせていただいておりますが、長期暴露評価についてはADI比で80%を超えるものはございませんでした。また、短期暴露評価につきましてはARfDを超えているものもございませんでした。

 以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 この御報告について、御意見、御質問ございますでしょうか。若林委員、どうぞ。

○若林委員 キャプタンのところですけれども、暴露評価結果の幼小児のTMDI/ADI比が76.5%になっておりまして、80%にやや近い値になっていますが、76.5%というのは、非常に極端な例のものであるかどうかということも問題になると思いますが、その点について何か説明をしておいていただければと思います。

○村田分科会長 どうぞ。

○黒羽室長 事務局から説明いたします。

 3ページの下に注をつけさせていただいております。暴露評価の方法には2種類がございまして、1つはTMDI試算というものでございます。これは括弧書きで「理論最大値一日摂取量」と書いてございますが、基準のあるものについては、基準値いっぱいいっぱいまで食品に含まれていると仮定して、基準のあるものについて全て足し合わせて計算したものでございます。こちらは暴露評価をする際に非常に計算しやすいのですが、実際に基準値いっぱいいっぱいまで全てのものが含まれているということはあり得ないということで、非常に過大な評価になります。

 ですから、TMDI試算でもし80%を超えた場合については、実際の残留に即した形の計算をしております。それが一番下のEDI試算、推定一日摂取量と言われるのもです。こちらは、実際の作物残留試験に基づくデータをもとに、実際に含まれている最大の量ぐらいに見積もって計算をする方法でございます。

 先ほど御指摘いただいたキャプタンについては、TMDI試算、基準値いっぱいいっぱいまで含まれていると仮定して計算した結果でございますので、これが76.5%。確かに8割近いのですが、精密化、EDI試算にすると、もっと低い数値になりますので、もしこれが80%を超えた場合は先ほどのEDI試算で再計算をするという形で、それでも80%を超えていれば基準値の見直しを行う。そういう仕組みになってございます。

 説明は以上です。

○村田分科会長 よろしいでしょうか。

 そのほか、いかがでしょうか。

 特に御意見、御質問もないようですので、報告ですので、どうもありがとうございました。

 文書配付による報告事項等に移ります。文書配付による報告事項等でございますが、この資料に関しましては、事前に委員の皆様のところに郵送で配付されていると思いますので、この場での特段の御意見がなければ、次に移らせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。よろしいですか。

(首肯する委員あり)

○村田分科会長 どうもありがとうございました。

 続きまして、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局より御説明をお願いいたします。

○黒羽室長 資料6をごらんください。おめくりいただきまして、3ページでございます。前回平成291027日に開催されました食品衛生分科会において審議もしくは報告させていただきました農薬及び動物用医薬品等の処理状況について、御説明させていただきます。農薬、動物用医薬品、また分析部位の変更につきまして、全部で31品目ございます。前回の分科会から余り日がたっておりませんので、パブリックコメント及びWTO通報につきまして、実施中とか実施予定と記載されている項目が多くなってございます。パブリックコメントやWTO通報において御意見をいただきました品目につきましては、今後基準値の変更が必要か否かを検討する予定でございます。

 この項目の説明は以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 何か御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいですか。

 では、どうもありがとうございます。

 以上で、審議事項はほぼ終わったのでございますので、後で事務局から連絡事項についてはお話しいただくのですが、ここで一言述べておきたいことがございましたら、委員の方から御発言願います。

 何もないということでございますので、それでは、最後に事務局から連絡事項はございますでしょうか。

○一戸補佐 次回の分科会につきましては、日程調整をさせていただきますので、よろしくお願いします。

 それから、配付資料については、重ね重ねで恐縮ですが、黄緑色ファイルと青色のファイルはお持ち帰りにならないようにお願いいたします。

 それから、後ろで傍聴されているマスコミの方向けにお願いですけれども、この場所で17時めどで先ほどの腸管出血性大腸菌関係のブリーフィングを行う予定ですので、必要な方はお集まりいただきたいと思います。

 以上でございます。

○村田分科会長 定刻よりもかなり早く終わって申しわけございません。

 これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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