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2018年8月3日 第24回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 議事録

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

平成30年8月3日(金)9:30~11:30

 

○場所

労働委員会会館(中央労働委員会)7階講堂


○出席者

委員

柏女委員長 相澤委員 安部委員 犬塚委員
井上委員 江口委員 奥山委員 北川委員
熊川委員 桑原委員 玉岡委員 中村委員
橋本委員 林委員 平井委員 平田委員
増田委員 松本委員 宮島委員 森下委員
山縣委員 横田委員 吉田委員 乙部代理(菅田委員代理)
 

委員

清水オブザーバー 浜田オブザーバー 藤林オブザーバー


事務局

濱谷子ども家庭局長 藤原内閣官房審議官 長田総務課長
成松家庭福祉課長 宮腰虐待防止対策推進室長

○議題

(1)「『都道府県社会的養育推進計画』の策定について」等について(報告)
(2)法務省法制審議会特別養子制度部会における検討状況について(報告)
(3)「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」について(報告)
(4)平成28年改正児童福祉法附則第2条第3項の規定に基づく検討について
(5)その他

○配布資料

資料1-1 都道府県社会的養育推進計画の策定要領(概要)
資料1-2 「都道府県社会的養育推進計画」の策定について
資料2-1 フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)及びその業務に関するガイドライン(概要)
資料2-2 「フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)及びその業務に関するガイドライン」について
資料3-1 乳児院・児童養護施設の高機能化及び多機能化・機能転換、小規模かつ地域分散化の進め方(概要)
資料3-2 「乳児院・児童養護施設の高機能化及び多機能化・機能転換、小規模かつ地域分散化の進め方」について
資料4-1 一時保護ガイドライン(概要)
資料4-2 一時保護ガイドラインについて
資料5 法務省法制審議会特別養子制度部会における検討状況について
資料6-1 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策のポイント
資料6-2 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策
資料6-3 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策参考資料
資料7-1 市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループの設置について(案)
資料7-2 今後の検討について
資料7-3 検討スケジュール(イメージ)
資料8 委員提出資料
参考資料1 「都道府県社会的養育推進計画」の策定に向けた検討体制について
参考資料2 児童虐待防止対策の取組状況について
参考資料3 児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策関係通知
参考資料4 児童養護施設等に入所する子ども間の性的暴力等の事案への対応について
 

○議事

○成松家庭福祉課長
それでは、定刻となりましたので、ただ今から第24回「社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の出欠状況でございますが、青木委員は、御欠席と伺っております。
菅田委員は御欠席と伺っておりますが、代理として、乙部公裕、全国母子生活支援施設協議会副会長にお越しいただいております。
今回、新しい委員の任命がございましたので、御紹介させていただきます。
山縣委員でございます。
本日は、就任手続中でございますが、オブザーバーとして御出席いただいておりますので、御紹介させていただきます。
山口県健康福祉部こども・子育て応援局こども家庭課の清水課長でございます。
浜田・木村法律事務所、浜田弁護士でございます。
福岡市こども総合相談センター、藤林所長でございます。
また、厚生労働省におきまして、7月31日付で人事異動がありましたので、御紹介します。
新たに着任いたしました、子ども家庭局長の濱谷でございます。
審議官の藤原でございます。
順番が逆になって恐縮ですが、委員の交代もございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
三代川委員の後任として委員に就任された、熊川委員でございます。
竹中委員の後任として委員に就任された、玉岡委員でございます。
卜蔵委員の後任として委員に就任された、北川委員でございます。
初めに、資料を確認させていただきます。
配付資料は、右上に番号をしておりますが、大部になって恐縮ですが、資料1-1から資料8、参考資料といたしまして、参考資料1から参考資料4となってございます。
その都度でも結構ですので、資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
カメラの撮影は、ここまでといたしたいと思います。
それでは、これより先の議事は、柏女委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○柏女委員長
皆さん、おはようございます。
1月31日、新しく社会的養育のほうになってから、4回目の委員会が開かれて、ほぼ半年になろうとしております。今日は、お暑いところ、お集まりをいただきまして、本当にありがとうございました。
この間の洪水等で犠牲になられました方々、恐らく社会的養護関係者の中にも、被災された方がいらっしゃるのではないかと思いますけれども、謹んで哀悼の意を表したいと思いますし、また、被災された方については、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
7月6日に策定要領の通知が出されました。その後に開かれた、内閣府の子ども・子育て会議においても、この策定要領が紹介されて、策定要領の骨子を含めて、都道府県子ども・子育て支援事業支援計画に反映させていくという報告が事務局よりありました。そういう意味では、策定要領そのものは、局長通知ということで、いわば技術的助言ということで、強制力はないわけですけれども、今回の指針は、大臣告示という形になります。そこでも、骨子が定められていくことになるかと思います。
今日は、その報告を受けて、少しディスカッションをし、さらに今後に向けての幾つかの検討課題がございますので、それらについて、議論を進めていきたいと思います。皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ってまいりたいと思います。
議題(1)都道府県社会的養育推進計画の策定について等についてですけれども、今、申し上げましたように、昨年10月から今年1月まで、この委員会において、策定要領等について御議論をいただいていたところですが、その後、厚生労働省で調整し、先月6日に、各自治体宛てに通知したということでございますので、その内容について、御報告をいただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○成松家庭福祉課長
家庭福祉課長でございます。
柏女委員長からお話しがあったように、改正児童福祉法を受けた現行の都道府県推進計画の見直しに関して、昨年10月来、この委員会で御議論いただいていたところでございますが、これもお話しがあったとおり、1月31日の本専門委員会において、家庭養育を進めていくという全体の方向感については、委員の皆さんのコンセンサスが概ね得られている一方で、幾つかの論点については、意見に隔たりがございました。
具体的には、後ほど申し上げますが、里親委託率、あるいは施設の在り方、施設内ユニットの在り方、もう一つが、プロセスの面、策定期限といった面で、委員の皆さんから様々な御意見をいただいたところでございましたので、1月31日の専門委員会で、私どもからは、厚生労働省で引き取らせていただいて、関係の方面と調整に入るということで、申し上げさせていただいたところでございます。
その後、各般の調整を経させていただきまして、7月6日に、後ほど申し上げる他の文書とあわせて、厚生労働省より全国の都道府県、自治体に通知いたしましたので、御報告をいたしたいと考えてございます。
その中で、策定要領に関しては、資料1と資料2の関係でございますが、具体的に御報告をさせていただきたいので、資料1-2を御参照いただければと思います。
先ほど申し上げた2つの論点のうち、里親委託率の目標につきましては、資料1-2の15ページをご覧いただければと思います。15ページの真ん中のあたり、iiiでございます。里親委託率の関係です。特に都道府県の計画の関係でございますが、少し読み上げさせていただきますと、iiiとして、国においては、概ね7年以内、3歳未満は概ね5年以内に里親委託率75%以上、概ね10年以内に学童期以降の里親委託率50%以上の実現に向けて、取組を推進する。都道府県においては、これまでの地域の実情は踏まえつつも、子どもの権利や子どもの最善の利益はどの地域においても実現されるべきものであること、及び上述した数値目標を十分に念頭に置き、子どもに対する十分なアセスメントを行った上で、代替養育を必要とする子どもの見込み等を踏まえ、数値目標と達成期限を設定するという形で、書かせていただいてございます。
「なお」ということでございますが、数値目標の設定というのは、子どもが健やかに養育される権利を保障する環境を整えるために、必要な取組を計画的に進めるものでございますので、個々の子どもに対する具体的な措置は、当然のことながら、家庭養育優先原則を十分踏まえたアセスメントの結果によって、子どもの最善の利益の観点から行われるべきものであって、里親委託率の数値目標達成のために、機械的に措置が行われるべきものではないということを、なお書きとして書かせていただいてございます。
また、国として、必要な支援策を講じる、委託率の引き上げの進捗と子どもの状況について、丁寧にフォローの上、都道府県の代替養育を必要とする子どもの状況や里親等委託の取組状況を評価し、支援の在り方や進め方について検証する。進捗状況は、毎年、公表するということで、御議論がございました、里親委託率の関係、都道府県の目標設定の関係につきましては、こういう形で記述をさせていただいてございます。
もう一つの論点でございました、施設の在り方、あるいは施設内ユニットに関しては、18ページをお開きいただきたいと思います。18ページの真ん中でございますが、iiiでございます。施設の関係につきましては、児童福祉法第3条の2の規定に則り、できる限り良好な家庭的環境を確保するべきであり、質の高い個別的なケアを実現するとともに、小規模かつ地域分散化された施設環境を確保することが重要である。
ivとして、今後、計画される施設の新築、改築、増築の際には、小規模かつ地域分散化された施設の設置を優先して進めていく。大きな方向性として、小規模かつ地域分散化という方向性を示してございます。
一方で、大舎からそういうものを進めていくときには、例えば施設内ユニットを経て、独立されていく方法があるということを書かせていただいてございますし、viの部分で、既存の施設内ユニットについても、小規模かつ地域分散化を進めていくということを書かせていただいています。そのために、施設内ユニット、既存のもの、あるいは新しく作るものについても、概ね10年以内に、地域分散化などを進める計画を立てていただくという形で、vとviを書かせていただいてございます。
viiとして、小規模かつ地域分散化の例外として、ケアニーズが非常に高い子どもに対する専門的なケアを行うために、専門職の即時の対応が必要な場合には、生活単位が集合する場合もあり得る。このような場合においては、十分なケアが可能となるよう、できるだけ少人数、将来的には4人までの生活単位とし、集合する生活単位も大きくならない、概ね4単位までということが求められるということを、押さえさせていただいた上で、そのためには、予算の確保が大事だということで、2019年度以降の予算において、引き続き検討し、安定的な財源の確保に向けて、最大限努力していくという記述ぶりにさせていただいてございます。
最後、プロセスの面でございます。策定期限の関係でございますが、22ページの下の(11)留意事項に書かせていただいてございますが、この関係は、現行の計画を全面的に見直していただくということもございますし、様々な関係者の方々、各都道府県の関係者の皆様と十分な協議・調整を行っていただきたいと思っておりますので、当初、2018年度中に各都道府県の計画を見直してほしいという方針でおりましたけれども、それを1年ずらさせていただいて、2019年度末までに、新たな計画の策定を行うことという変更をさせていただいています。
一方で、なお書きで書かせていただいてございますが、計画策定中でも、その計画策定を待つことなく、例えばマル1フォスタリングの関係について、しっかり調整・検討をしてほしい。
次のページでございますが、マル2でございますけれども、乳児院・児童養護施設の高機能化、多機能化、地域分散化に関して、各施設の意向を確認するなど、調整をしてほしい。
マル3これらの関係は、人材が大事でございますので、人材確保の取組をしてほしい。
マル4として、里親等委託が必要な子どもの調査ということで、様々な調査の中で、こういったこともやってほしいということで、計画策定を待つことなく、可能なものから準備を進めてほしいということをお願いさせていただいて、計画の策定自体を2019年度末という形で、お示しをさせていただいているものになってございます。
非常に簡単ですが、大きな変更点で申し上げると、策定要領自体の御説明は、以上でございます。
次に、同日に出させていただきました、3つの文書について、簡単に御説明させていただければと思います。
1つ目、フォスタリング機関及びその業務に関するガイドラインということで、資料2-1と資料2-2でございます。こちらは、全体像を御理解いただくために、資料2-1、横書きの概要で御説明させていただきたいと思います。
目的に書いてございますが、先ほども申し上げたように、改正児童福祉法の家庭養育優先原則、こういったものを実現していくためには、質の高い里親養育を図っていかなければならないということで、それを支援するため、都道府県が行うべきフォスタリング業務の在り方、あるいはこれらの業務を民間機関に委託する場合の留意点というものを、このガイドラインにお示しさせていただきました。各自治体、各地域において、質の高い里親養育を実現していくための1つの有力な手段である、フォスタリング機関を確保していってほしいという趣旨で、このガイドラインを作らせていただきました。
IIでございますが、フォスタリング業務とその重要性ということで、質の高い里親養育を実現するための目的、成果目標というのは、どういうものであるべきかということを押さえさせていただいてございます。里親の開拓、あるいは相談しやすく、協働できる環境をつくる、安定した里親養育を継続する、これはいわゆる不調を防ぐということですが、それらを成果目標とさせていただいてございます。
フォスタリング業務というものは、児童福祉法の中で規定されてございますが、ここに書いてございますような業務を規定させていただいておりまして、フォスタリング業務自体は、一貫した体制のもとに、継続的に提供されることが望ましいということを書かせていただいてございます。
III、フォスタリング機関と児童相談所の関係でございますが、2つ目の○で、フォスタリング業務自体は、都道府県(児童相談所)の業務でございますが、民間機関への委託が可能ということを書かせていただいていまして、民間機関がしっかり確保できるように、積極的に検討してほしいということです。
4つ目の○のところで、民間機関を育成する視点を持ってほしいということです。
ただし、民間委託をしたとしても、最終的な責任は児童相談所が負うということです。
次の○で、しっかりとしたパートナーシップを構築してほしい、あるいは児童相談所の体制強化は、民間委託をしたとしても、引き続き重要であるということに留意が必要ということでございます。
IV、フォスタリング機関の担い手及びチーム養育ということで、フォスタリング機関のメリットというか、強みをこちらに3点ほど書かせていただいています。民間ならではのリクルート手法、児童相談所と異なる立場からのサポート、継続性・一貫性のある人材育成、里親との関係構築というメリットがございます。こちらは、児童養護施設あるいは乳児院というのが、有力な担い手として期待されてございますので、こういった地域の資源をしっかり活用しながら、フォスタリング機関を作っていってほしいということでございます。
2ページ目に移らせていただいて、そのためには、フォスタリング機関だけではなくて、応援チームとして、様々な関係機関と連携しながら、地域ネットワークの構築を図っていってほしいということを書いてございます。
V、フォスタリング機関の職員体制とそれぞれの業務内容でございます。職員体制、業務内容というのは、Vの3つの○に書かせていただいているとおりでございます。
VI、フォスタリング業務の実施方法ということで、それぞれのフォスタリング業務に関して、具体的に丁寧にそれぞれの留意点をこの中に書かせていただいております。
段階としては、マル1リクルート、アセスメント、マル2登録前、登録後、委託後における里親に対する研修、マル3子どもと里親家庭のマッチング、マル4里親養育への支援ということで、具体的なところは、時間の関係で省略いたしますが、それぞれの支援を行う際の留意点を丁寧に書かせていただいてございます。
VII、里親支援事業の活用ということで、フォスタリング機関の支援という形で、現行の我々の予算としては、里親支援事業という予算がございますので、その活用を図っていっていただきたいと思いますし、また、こちらの里親支援事業というのは、引き続き、来年度以降の予算において、拡充が可能かどうかということも、我々は考えていきたいと思ってございます。
ガイドラインをお示しさせていただきまして、今後は、各地域の具体的な取組、あるいは先ほど申し上げた、フォスタリング機関の確保とか、育成とか、そういう具体的な取組を地域で行っていただくことが、非常に大事だと思ってございますので、我々としても、ガイドラインの説明とか、あるいはこれを用いた支援、アドバイスなどを丁寧に行っていきたいと思ってございます。
ガイドラインにつきましては、以上でございます。
続きまして、資料3-1、資料3-2でございます。これは、施設の高機能化、多機能化、機能転換、小規模かつ地域分散化の進め方でございます。
「はじめに」で少し書かせていただいていますが、家庭養育優先原則を進める中で、施設にどのような機能をさらに持っていっていただきたいか、あるいは施設の中身、施設内ケアについて、どういう形態を目指していっていただきたいかということを、施設側の立場、施設の目線で書かせていただいてございます。
2つ目のポツに書いてございますように、この進め方は、いわゆる施設の皆さん、あるいは自治体関係者向けのマニュアル、参考資料として提供させていただくものです。例えば平成30年度予算において可能である措置費等の活用方法について取りまとめて、これをもとに、これから各都道府県で新しい計画を作っていただくことになります。その際に、施設の方々、あるいは自治体の方々にこの進め方を持っていただいて、調整をいただきたい、マニュアルとして、提供させていただきたいと思ってございます。
3つ目のポツですけれども、取組をさらに進めていくためには、必要な財政支援の在り方が課題だということで、これらの課題について、来年度以降の予算において、安定的な財源の確保に向けて、引き続き努力をしていきたいということです。マニュアル自体も、2018年の予算を前提としておりますので、そういったものも踏まえて、マニュアルも逐次改正をしていくものでございます。
第Iの部分が、高機能化、多機能化、機能転換、小規模かつ地域分散化に向けて目指すべき方向性ということで、各地域、各施設、様々な強みとか、地域の資源の状況がございますので、それぞれの地域の状況に応じて、あるいは各施設の強み、弱みも踏まえつつ、下に書いてございますような、施設養育の高機能化の方向性、あるいは多機能化、機能転換の方向性について、施設長のリーダーシップのもとに、職員とともに目指していっていただきたい。そういう方向性を示させていただいてございます。
第IIの部分は、取組を進める上での活用可能な予算ということで、活用可能なメニューを具体的に示させていただいている部分でございます。
めくっていただきまして、第IIIの部分につきましては、先ほど申し上げた、小規模かつ地域分散化と記述内容自体は同じでございますので、省略をさせていただきます。
第IVの部分で、それに向けた人材の育成が大事になってくるということで、これも人材育成に向けた活用可能な予算制度等を紹介させていただくとともに、厚生労働省においても、プログラムなどを作らせていただきまして、都道府県においても、人材育成の機会の確保に努めているということを書かせていただいてございます。
こちらも7月6日に出させていただきまして、それぞれ各地域で御活用いただきたいと思ってございますが、我々としても、しっかりフォローをさせていただきたいと思ってございます。
大変駆け足で恐縮ですが、続きまして、一時保護のガイドラインについて、資料4-1、資料4-2という形で、お示しをさせていただいてございます。
一時保護のガイドラインにつきましては、一時保護の目的を押さえた上で、現状、なかなか個別的な対応が十分にできていない、あるいは自治体間格差、学習権の保障の問題、一時保護の長期化などの問題が指摘されている中で、平成28年の児童福祉法の改正により、子どもが権利の主体であること、あるいは家庭養育優先の理念を踏まえて、一時保護の見直しをさせていただくということでございます。
子どもを一時的にその養育環境から離す一時保護中においても、子どもの権利擁護が図られ、安全・安心な環境で、適切なケアが提供されることが重要ということで、そのためのガイドラインを、自治体の皆さん、あるいは関係者と共有をするために作らせていただいているものでございます。
IIのところで、一時保護の目的と性格でございます。
目的は、先ほど申し上げた、法律にも載っていることでございます。
一時保護の在り方といたしましては、子どもと関わり寄り添う、あるいは関係機関と連携して、子どもや家族の支援を行う。
2つ目の○として、子どもや保護者の同意を得るべく努めるのですが、同意がなくても、ちゅうちょなく保護を行うべきということを書かせていただいてございます。
1つ飛ばさせていただいて、4つ目の○のところで、一時保護の期間というのは、必要最小限の期間とするということで、書かせていただいています。
特にマル1緊急保護につきましては、子どもの安全を確保するために行うということを押さえさせていただいて、その上で、子どもの自由な外出を制限する環境で保護する期間は、必要最小限とし、その必要性を2週間以内など、定期的に検討するということを書かせていただいてございます。
アセスメントに関しても、子どもの状況に適した環境等で行うということでございます。
3の部分は、従来よりも記述を充実させていただいた部分ですが、子どもの権利擁護ということで、権利擁護のための様々な事項について、記載をさせていただいているということです。
4では、一時保護の環境及び体制整備ということで、まず必要な定員設定をする、あるいは地域の実情に応じて、委託一時保護の活用を含めて考えていただく。その際、里親家庭とか、一時保護専用施設などで、可能な場合には、子どもの外出や通学ができるような配慮を行うということで、書かせていただいてございます。
IIIとして、一時保護所の運営について、書かせていただいてございます。
IVとして、委託一時保護のそれぞれのポイント、留意点について、書かせていただいてございます。
Vは一時保護生活における子どもへのケア、アセスメントということで、これも必ずしも十分ではなかった記述を、従来よりも丁寧にさせていただいているものでございます。
大変駆け足になりましたが、資料1から資料4、7月6日に通知をさせていただいたものについて、御説明をさせていただきました。
以上でございます。

○柏女委員長
ありがとうございました。
今、事務局から、都道府県社会的養育推進計画策定要領等々についての説明がありましたけれども、御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。全体の流れからいうと、15分間ぐらいは、時間がとれるかと思いますので、何かございましたら、お願いしたいと思います。どなたでも結構です。
お願いいたします。

○玉岡委員
東京都の玉岡でございます。
都道府県を預かる1人として、今回の都道府県推進計画策定要領について、意見を申し上げたいと思います。
先ほど成松課長様からお話しがありましたとおり、推進計画についての策定期限を来年度末までにしていただいたことですとか、あるいは里親委託率等につきましては、地域の実情を踏まえていくこと、数値達成のために機械的に措置をするものではない旨が、策定要領に入ったことは、評価をさせていただきたいと思っております。
こちらから申し上げたいことといたしましては、その上で、今後、国において、指標を提示し、毎年、各都道府県の計画を取りまとめ、進捗のモニタリングや評価を行うと思っておりますが、その際には、そういった趣旨を御勘案いただきまして、単純に数値の高低を競わせるようなものになることがないように、御配慮いただきたいと思っております。
もう一点ですけれども、東京都でも、今後、これを含めまして、関係機関への説明、調整をしながら、計画を策定していくことといたしておりますが、施設関係者に対する丁寧な説明を引き続きお願いするとともに、こうした高い目標を国として打ち出している以上は、それに相応した、これまでとは比較にならない、抜本的・具体的な財政措置が必要になるかと思いますので、それを確実に実施していただきたいと思います。
簡単ですが、以上でございます。

○柏女委員長
ありがとうございました。
奥山委員、お願いします。

○奥山委員
今の玉岡委員の発言の中に、地域の実情を踏まえていくと書いてあるという御指摘があったのですけれども、都道府県推進計画策定要領を読みますと、これまでの地域の実情は踏まえつつということ、つまり、「これまでの地域の実情」と書かれています。「今の地域の実情」ではありません。つまり里親の委託率が今まで低かったとか、高かったとか、いろんな事実がある。その実情は踏まえつつも、「子どもの権利や子どもの最善の利益は、どの地域においても実現されるべきものであること、及び国における目標を十分に念頭に置き」と書かれているわけです。つまり子どもの権利はどこでも同じに守られなければいけない、家庭を優先する原則というのは、守らなければいけないということが、最大の課題であるわけです。評価においても、当然ここが一番重要な点として評価されていかなければいけない。つまり全国で同じように子どもの権利が守られるということが、最大の目的として、きちんと評価されていかなければいけないということが、ここには書かれているはずであって、地域の実情で差があってよいということではないと思いますので、そこは御検討いただきたい、十分に念頭に置いていただきたいところだと思います。

○柏女委員長
ありがとうございました。
その他には、いかがでしょうか。江口委員、お願いします。

○江口委員
通知が発出されておりますので、この趣旨を十分に踏まえて、きちっと取り組んでいきたい。大阪府は、既に昨年度、本年3月に策定部会を立ち上げております。策定部会の中で、方向性が示されまして、現在、児童のニーズであるとか、施設の状況であるなど、丁寧な調査を始めておるところでございます。
丁寧な実情(実態)調査に基づいて、この8月末から、それを具体的にワーキンググループにおろしまして、一つ一つ丁寧に、通知の趣旨を踏まえながら、取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
ただ、通知にも書かれておりますとおり、財源の確保については、引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。

○柏女委員長
ありがとうございます。
森下委員、お願いします。

○森下委員
全乳協の意見は、資料8に書いているので、それを見ていただきたいと思います。国で、補助や加算という形で、いろいろな仕組みを作っていただくのですけれども、都道府県がそれを実施する状況になっていません。費用の2分の1は都道府県が出さなければいけないということで、まだ里親支援機関事業のままで里親支援事業を実施していない都道府県もあるなど、施設が多機能化に向かって進めていこうとしても、実施できない状況があります。その辺は、できたら義務的経費になったらいいのですけれども、国で、都道府県に対して指導をお願いしたいと思っています。

○柏女委員長
ありがとうございました。
中村委員、お願いします。

○中村委員
中村です。
各都道府県、自治体で、都道府県推進計画の策定ということで、もう既に始められているところもあると思うのですが、改めてのお願いとしましては、(2)の当事者である子供の権利擁護の取組であるとか、施策を検討するときにも、経験者の声をきっちり聞いてほしいということを、これから策定する自治体であったり、既に取り組まれている自治体にはお願いしたいと思います。この部分は、他の項目に比べると、後回しになってしまいがちだと感じるのですが、ここはとても重要だと思いますので、ぜひお願いしたいところです。
以上です。

○柏女委員長
ありがとうございます。特に複数の配置は大事なところだと思います。
乙部代理、お願いします。

○乙部代理
全国母子生活支援施設協議会会長の菅田が委員ですが、今日は、都合により欠席ですので代理で参りました副会長の乙部です。
策定要領につきましては、前回のこの委員会でも、菅田から、母子生活支援施設の活用等々について多く書き込んでいただいてということを申し上げました。策定要領、資料1-2の4ページ、2.基本的考え方の下から2つ目のポツ「また、虐待の危険が高いなどの理由で」に在宅での社会的養育としての支援の構築、あるいは子供への直接支援サービスや親子入所機能創設などのメニューも充実させて、親子を分離しないケアの充実を図るという項目がございます。ここが策定要領に対する基本的な考え方ということで書かれています。
ただ実際に、親子入所機能を持った施設、親子入所の施設がどういった形で、どういったことをしていくのか。既に母子生活支援施設は、親子で利用している施設でありますが、それ以外のことも含めて、ここについて今後、具体的なイメージ、あるいは具体的な意義、具体的な内容、機能をきちっと示していただいて、国あるいは都道府県で、こういったことについて取り組んでいただけるようもう少し具体的な形で進めていただくように、お願いをしたいと思っております。もちろんその中には、我々母子生活支援施設もあります。母子生活支援施設の機能も十分に活用していただきたいと思っています。
以上です。

○柏女委員長
ありがとうございます。
その他は、いかがでしょうか。宮島委員と北川委員から、順番にいきたいと思います。宮島委員、お願いします。

○宮島委員
ありがとうございます。
通知が発出されましたので、どんなに厳しくても、これを実現するために、取り組まなければならないと感じています。
また、策定時期が1年ずれたことは、結果的によかったのではないかと思います。策定を待たずに、取組を進めてください、しかも、厚生労働省で最大限の予算確保を目指しますとなっています。これによって裏づけのある計画が策定されることを願っています。
その上で、全体を見て、一番険しくて、厳しい、難しいと思うのは、一時保護の改革ではないかと、読ませていただいて、感じます。期間を短くして、しかも、地域から分断されない一時保護の実現はどうするのかということですけれども、現状の一時保護の体制では、絶対に実現できない。都道府県に児童相談所が2カ所ぐらいしかなくて、うち1カ所に一時保護所がある。しかも、30人定員である。今、そこがいっぱいで入所依頼が来ている。それも、児童相談所に対して、警察からの通告が極めて多くて、一晩のうちに3件ぐらい、しかも、年齢の高い子どもが身柄付で来ている。こういう状況の中で、これをどう実現していくのかというのは、とても大きな問題だと思います。
一時保護所のある児童相談所の箇所数をふやしていくこともとても大事ですし、これは3つ目の議題と関連してきますけれども、既に計画で示されている児童養護施設等で、一時保護専用の居室をつくるとか、あるいは里親さんのもとで一時保護をするとか、校区で2~3人の里親さんを確保するとかということがなければ、絶対に実現できないことだと思います。既に書かれていることですが、これがとても難しい課題であるという認識と、ぜひともそれを裏づけるための予算確保、あるいは人材確保を、国においても、自治体においても、取り組んでいただきたいと要望します。
以上です。

○柏女委員長
ありがとうございます。
北川委員、お願いします。

○北川委員
日本ファミリーホーム協議会の北川です。
今回、発出ができたということで、厚労省の皆さんを初め、関係者の皆さんに感謝いたします。
ファミリーホーム協議会としては、今回の都道府県社会的養育推進計画の16ページに、ファミリーホームについては、養育者が里親登録を受けている場合に限るということで、家庭養育ということを考えたときに、一歩前進したことは感謝しているのですけれども、実際、里母と里父が別々のファミリーホームをやっていたり、ファミリーホームとして、これで家庭養育と言えるのだろうか、もちろんシングルマザーの場合はいいと思うのですが、そういうこともありますので、今後、里親制度もそうですけれども、ファミリーホームの制度の見直し、家庭養育に近い、子供の最善の利益を考えていくということで、考えていただきたいということを意見として持っております。
もう一つ、質問なのですけれども、フォスタリング機関の相手として、ファミリーホームの名前が出ていないということで、今度、里親になるということで、ファミリーホームもこの支援を受けることができるのでしょうかという質問がありますので、よろしくお願いします。

○柏女委員長
他にも質問があるかもしれませんので、この議題が終わる最後のところで、事務局からコメントをお願いいたします。
橋本委員、お願いします。

○橋本委員
全児家センの橋本です。
御指名、ありがとうございます。
今回の策定要領について、今後、児家センが、子ども家庭総合支援拠点の機能を担っていくべきことと、フォスタリング機関としての機能をも担っていくべきことを、資料1-2の10ページにしっかりと書いていただきまして、ありがとうございました。
今からお話しさせていただくことは、テクニカルな問題なのですけれども、現実、実務を進めていく上で、すごく大事だと思うので、御指摘をさせていただきたいと思います。
1点目ですけれども、下段に指標例として、市区町村への指導委託数というのは例示されているのですが、児家センへの指導委託数が指標例として例示されていない点です。児家センへの指導委託数も加えるように、何らかの形で、追加で助言していただけると、ありがたいです。各都道府県が児家センへの指導委託数に数値目標を設定することで、民間を活用しようという発想や動きが一層加速するのではないかと思うからです。
せんだって、7月30日の『福祉新聞』で、全里の副会長で、児童虐待防止協会の津崎理事長が、これまでの児童相談業務に関し、「個人情報の壁が高くて、なかなか行政と民間との連携が進まなかった」と省みています。そういう意味では、これから都道府県、市町村の相談体制を再構築していく過程で、民間の支援機関をどう活用するかという視点をぜひ大事にしていただきたいと思うところです。
2点目ですけれども、留意点として、「各施設のほか、NPO法人や医療法人等、多様な民間団体が児童家庭支援センターを開設できるような働きかけを行うこと」と記されているのですが、現状では、千数百万円程度の補助金について、国の補助額どおり支給しない、いわゆる値切りを行う自治体とか、補助金の交付を当該年度には一切行わずに、翌年の5月頃になって一括支給する自治体が少なからずあります。里親養育支援に関するもろもろの補助金も、恐らく同様になるのではないかと危惧するのですけれども、これでは、NPOなど、財政基盤の弱い組織が、事業をやってみたいと手を挙げることは、なかなか難しいのではないかと思います。
また、現在、児童養護施設や乳児院を経営している社福法人であっても、このような補助金制度をベースとした事業スキームの脆弱さを知ると、幾ら施設の機能転換を求められても、現状の義務的経費の事業規模を縮小した上で、地域支援や里親養育支援にシフトしていくのに及び腰になってしまうのではないかと心配します。したがって、児家セン事業補助金等の支出について、即時的には、都道府県が概算払いなどによって、可能な限り速やかに補助金を交付するよう、かつ都道府県の財政事情によって、一方的に値切られるようなことがないよう、国の交付基準に則った額を支出するよう、促していただければと思います。
さらに中長期的には、長年の全児家センの要望であり、大いなる理想ではありますが、義務的経費化を求めていきたいと思うところです。
以上です。ありがとうございました。

○柏女委員長
桑原委員、吉田委員、安部委員、次の議題に移っていきたいと思っておりますので、手短にお願いできればと思います。

○吉田委員
里親会としては、今度の通知に感謝しております。中でも、社会的養護自立支援の推進に向けた取組ということを、資料1-2の21ページに書いていただきましたので、これで子供たちが自立に向けて、皆さんに考えていただいて、できるのではないかと、私自身は思っております。
それから、里親養育の包括支援機関、フォスタリング機関のガイドラインを作っていただいたことは、大変評価しております。ぜひともこの目的と成果が実際に反映されるように、地方自治体においても、頑張っていただきたい。私たち里親は、施設の方々から支援していただいて、一歩一歩、子供たちのために頑張っていきたいと思っております。大変評価しておりますので、どうぞよろしくお願いします。
以上です。

○柏女委員長
桑原委員、お願いします。

○桑原委員
児童養護ですが、高機能化という言葉が出ていますけれども、何をもって高機能化とするのかというのは、これから詰めなければいけない課題だと思いますし、現にそれぞれの施設で、相当なケースを扱っておられるだろうと思うので、これは今後に委ねたいと思っています。
あと、一時保護の機能など、多機能化の問題ですが、多くの施設がそういう方向に動くとしても、現実に、私の施設であれば、養護施設の所在地というのは、公になっているわけです。そうなると、28条になったケースが、場合によっては、判明してしまうことがあります。施設探しで、親御さんがいろんな動きをされるというケースが過去にあり、現実に突きとめられたということがあります。なので、施設の所在地に限らず、今後の一時保護機能の在り方、例えば地域分散化ということも全くゼロではないのではないか。そういったことも含めて、今後の検討課題に入れていただければ、ありがたいと思います。
以上です。

○柏女委員長
林委員、お願いします。

○林委員
1点だけ、フォスタリング機関のことです。概要の1ページ目、IVの1つ目の○の3つ目の黒ポツで、これまで民間機関の強みとしての継続性・一貫性のある人材ということは、指摘されてきたわけですが、今、既に里親支援事業を受けられている、いわゆる里親支援機関のA型、法人として受けられている中に、法人内での人事異動が非常に激しくて、支援職員の勤務の継続性が担保できていないところがあります。特に地方へ行くと、ケアワーカーが不足している中で、人事異動が激しいということで、今後の文書で、継続性が担保できるような一文をつけ加えていただけたらと思います。
以上です。

○柏女委員長
ありがとうございます。
安部委員、お願いします。ごめんなさい。

○安部委員
西南学院大学の安部です。
既に都道府県で推進計画の策定が始まっているところに参加しているのですけれども、乳児院、児童養護施設の高機能化、多機能化という進め方の通知が出たのですが、どうもそれにとらわれてしまっているような感じがして、推進計画の7番の施設の小規模化の話は、児童養護、乳児院に限らないのではないかという気がします。児童心理治療施設とか、児童自立支援施設とか、母子生活支援施設とか、そういう他の施設も含めた社会的養育全体の施設の在り方を、ここでは議論しなければいけないはずなのに、どうも乳児院、児童養護施設のガイドラインが出たがゆえに、それに引っ張られてしまってみたいな気がしていて、そうではなくて、乳児院、児童養護施設はこれでやってください、でも、全体は考えてくださいということを、これから国のほうで、都道府県に話をする上では、説明をしていただければと思います。
以上です。

○柏女委員長
ありがとうございました。
どうしてもという方は、いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局に質問もあったようですので、それらを踏まえて、コメントをお願いしたいと思います。

○成松家庭福祉課長
家庭福祉課長でございます。
ありがとうございます。
北川委員から御質問がございました、フォスタリングガイドラインとファミリーホームの関係でございますが、フォスタリングガイドラインにつきましては、養育里親さんを中心に書かせていただいてございます。一方で、そういった意味では、ファミリーホームが直接の対象かというと、必ずしもそうではないと思っておりますが、ファミリーホームを支援することが大事だということで、我々でやっている里親支援事業の中では、ファミリーホームの支援というメニューも入ってございますので、そういった点で、非常に大事だという御趣旨、あるいはその支援が大事だという御趣旨を、我々としても受けとめさせていただいて、今後、政策の展開に努めていきたいと思ってございます。
もう一点、全体的なお話しとしていただいてございました、財政的な支援とか、予算の確保、国でもしっかり予算を確保しなさいというお話しでございますが、資料が飛んで恐縮ですけれども、資料6-3の一番最後を覧いただければと思います。参考資料でございますが、最後をご覧いただければと思います。
こちらは、いわゆる骨太の方針ということで、6月15日に閣議決定をさせていただいたものでございますが、その中で、社会的養育の関係につきまして、自治体での体制強化、あるいは情報共有、適切な一時保護の実施、特別養子縁組、里親養育支援体制、施設の関係の小規模化、地域分散化、施設職員の配置の強化を含む高機能化、家庭養育支援への機能転換など、社会的養育を迅速かつ強力に推進するということで、従来に増して強い記述というか、前向きな記述をさせていただいているところでございます。
こういった骨太の方針も踏まえまして、我々としても、先ほど来、御意見をいただいておる、国としての財政支援というか、予算の確保、今年度の予算編成の中で、あるいは来年度以降の予算もありますけれども、その中で、しっかりと努めてまいりたい。厳しい財政事情の中ではございますが、努めてまいりたいと思っている次第でございます。

○柏女委員長
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
各委員から、かなり多様な御意見を頂戴いたしました。こうした意見を踏まえながら、厚生労働省においては、今後、各都道府県において策定される計画に基づく取組が進みますよう、財政面も含めた十分な支援をお願いしたいと思います。
私も、今、個別の県で、策定計画に携わっておりますけれども、この指針を受けて、どのように進めていこうかという協議を、過日、行ったところです。
ありがとうございました。
それでは、次の議題に移るわけですけれども、その前に、私からお伝えしたいことがございます。それは、委員長の交代についてでございます。委員の皆様方のおかげをもちまして、策定要領がまとまったこの機会に、結果的に10年以上続けることとなりました社会的養育専門委員会の委員長を交代したいと考えております。これについては、事前に事務局から提案がありまして、この辺で一区切りつけて、新しい体制のもとで進めていくのがいいと私も判断をいたしまして、事務局からの提案を受け入れることにいたしました。これからは、新しい委員長を迎えて、これまでの経緯を踏まえながら、新たな時代の社会的養育をつくり上げていっていただきたいと思っております。
最後は、遺言みたいな感じになりますけれども、委員長を辞するに当たって、これまでの経験を踏まえて、委員会運営について、3つのことを述べておきたいと思います。
1つは、政策には必ず副作用が伴うということです。目的に向かって制度を設計しながらも、負の方向である副作用を最小限にするための配慮、あるいは補完システムを整備することを忘れてはならないと思います。子供は実験台ではないわけで、政策の後戻りがなかなかできないということを考えますと、慎重に進めていくことが、とても大事だろうと思います。これが1点目です。
2つ目は、注目されていない分野にも、目配りをすることが大切だろうと思います。社会的養護の領域では、障害児の社会的養護の分野があるかと思います。こうした、いわば取り残されている分野についても、焦点を当てていく、配慮をすることが大事だろうと思います。
3つ目は、理想は高く、されど、歩みは現実的に着実にということだと思います。例えば子供家庭福祉分野においても、地域に包括的で切れ目のない支援、井上委員がよくおっしゃっていますけれども、そちらを目指していくことは、とても大切なことだと思っています。そういう理想を掲げながら、現実は一歩一歩進んでいくことが大事なのだろうと思います。理想は高く、歩みは現実的に着実にということを考えていかなければならないのだろうと思います。
以上、3点を申し上げまして、委員会の推挙によって、委員長に就任しておりますので、自分勝手にやめることはできませんので、私の気持ちを述べさせていただきました。御検討をよろしくお願いいたします。

○成松家庭福祉課長
ありがとうございました。
ただいま柏女委員長から、委員長退任の御意向、あるいはこの分野や施策に関する御示唆の御発言がございました。
柏女委員長には、これまで長きにわたり、委員長として、この分野にかかわる様々な課題、対応策について、御検討いただいたと思います。
御退任の御意向がございましたけれども、そういった形で、御退任していただくということで、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○成松家庭福祉課長
ありがとうございました。
それでは、御尽力いただいたこと、あるいは御示唆に関して、改めて感謝を申し上げさせていただきます。
お手数ですが、お席の移動をお願いしたいと思います。

(柏女委員長、委員席へ移動)

○成松家庭福祉課長
それでは、次の議題に入る前に、新しい委員長の選任をさせていただければと思います。
事務局より指名をさせていただければと思いますが、山縣委員に委員長をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○成松家庭福祉課長
それでは、山縣委員に委員長をお願いすることとし、以降の議事運営をお願いいたします。
お手数ですが、山縣先生、委員長席に御移動を願います。

(山縣委員、委員長席へ移動)

○成松家庭福祉課長
それでは、山縣委員長、お願いいたします。

○山縣委員長
座ったままで、失礼します。
皆さん方の同意を得られましたので、この席に座らせていただきます。
私自身、復帰という形になるのですけれども、復帰当日、こういう大役、私にとっては分不相応な大きな役になります。柏女先生はこれまで10年間とおっしゃいました。私は10年たつと、70歳半ばになってしまいますので、10年はもたないと思いますけれども、皆さん方のお力をかりて、子供たちのための施策を検討できたらと思っています。
柏女先生が先ほど3つの課題を残されました。この3つの課題が実現できるように、皆さんと一緒に頑張っていくことができたらと思っていますので、よろしくお願いします。
先ほどの議論を聞いておりましても、いろいろな考え方があります。一見、表面的には対立しているように見えるかもしれないけれども、皆さん方の心の中には、常に子供たちのためにいい方向という形での提案であると思っています。短期的には、対立する部分があるかもしれませんが、一方で、長い視野を持って現実的な方向を見詰めつつも、理想を追い求めるという、柏女先生のお言葉を大切にしながら、今後の議事を進めていきたいと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
どうぞ。

○奥山委員
委員会について、伺えればと思ったのですけれども、以前、この委員会は社会的養護専門委員会でした。それとは別に、児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会、松原先生が委員長をやっておられて、新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会に名前は変わったかと思うのですけれども、そちらの委員会との所掌のすみ分けみたいなものが一体どうなっているのか。つまりこちらの委員会で、虐待問題なども議論すべきなのかどうかというあたりのことを、教えていただければと思います。

○山縣委員長
事務的なところについて、説明をお願いします。

○成松家庭福祉課長
所掌のお話しがございました。今回の社会的養育専門委員会は、いわゆる平成28年の改正児童福祉法を受けまして、社会的養育に関する幅広い課題について御議論いただく場として、設定をさせていただいてございます。そういった意味では、ここにお集まりの方々は、諸課題に対する御知見をお持ちだと思っておりますので、基本的にはこの専門委員会で、様々な課題を御議論いただきます。後ほども出てきますけれども、児相あるいは市町村の体制強化も含めて、御議論いただく場だと整理をさせていただいてございます。

○奥山委員
2つの委員会が統合されたような感じで、受け取っておいていいのですか。

○成松家庭福祉課長
統合という具体的な手続はしておりませんが、28年改正法を受けた社会的養育専門委員会だと理解しておりますので、基本的にはこの場で御議論いただくと思ってございます。

○奥山委員
新たな子供家庭福祉に関してのことも、ここでやるということでよろしいのですか。

○成松家庭福祉課長
今日は、この委員会の所掌の紙をお配りしてございませんが、その中には、子ども家庭相談支援体制についてという項目が、主な検討事項として立ってございますので、そういった課題について、この場で御議論いただく形になります。

○奥山委員
わかりました。ありがとうございました。

○山縣委員長
ありがとうございました。非常に広範囲に検討いただくというところの確認だと思います。
それでは、早速、議事に入っていきたいと思いますが、初めます前に、規定によりまして、この委員会には、委員長代理を置くことになっております。この点につきましては、委員長指名と書かれてございますので、できましたら、松本伊智朗委員にお願いできたらと思っております。いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山縣委員長
松本先生、よろしくお願いします。

(松本委員、委員長代理席へ移動)

○山縣委員長
それでは、早速ですけれども、議題(2)法制審における特別養子縁組の検討状況について、説明をお願いしたいと思います。

○成松家庭福祉課長
家庭福祉課長でございます。
法制審特別養子制度部会の検討状況について、御報告させていただきたいと思います。
法務省の法制審の前段階として、平成28年の法改正で、検討規定が置かれてございました。それは特別養子縁組に関して、より利用が促進されるようにということで、そういったことの在り方について検討せよというのが、平成28年の改正法の附則でございました。
それを受けまして、まずは厚生労働省で検討会を開催させていただき、それを受けて、法務省で研究会という形で研究をいただいたのが、これまでの経緯でございまして、その上で、今回、法務省の法制審議会特別養子制度部会が立ち上がりまして、御議論が開始されている状況でございます。
2ページ目をご覧いただければと思いますが、これが委員名簿になってございます。今日は、委員就任の手続きの関係上、オブザーバー参加になってございますが、委員の中には、この場でいうと、藤林先生にも入っていただいていますし、役所としても、委員として、審議官の藤原が入ってございます。その他、幹事としても、私どもが入ってございますけれども、そういった場で、具体的な特別養子縁組制度の課題について、御議論が本格的になされているというのが、現状でございます。
皆さん、御案内のとおりかもしれませんが、3ページ以降で、そこで使われた資料の中で、今の検討の課題というか、検討の論点について、御説明したいと思います。
第1の2つ目の段落「ところで」の最後、社会的養護が必要なお子さんについては、永続的な家庭を保障するべきという指摘があり、そのための方策として、特別養子縁組が有効な手段であるということで、そういった認識のもとで、現在の民法上の特別養子縁組制度についての様々な御議論がなされているところでございます。
論点につきましては、同じページの養子になる者の年齢要件、現時点では、原則6歳、最大で8歳という年齢要件がございますけれども、その年齢要件について、さらに引き上げるべきではないかということ、あるいは4ページ、第3に書かれてございます、養子となる者の父母による同意撤回の制限ということで、今、同意はいつでもできるという制度設計になっていますので、同意の撤回制限について、議論になってございます。
5ページ目でございますが、第4として、特別養子縁組成立の審判に先立って養子となる者の父母の同意を要しないことを確定する方策についてということで、あらかじめこういった同意を要しないということを確定した上で、試験養育に入れないかということが書かれてございます。こういった申し立てについては、申立権者に児童相談所長も加えるべきではないかという御議論も、あわせて行われているところでございます。
こういった御議論は、7月31日までに2回、法務省で行ってございますけれども、厚生労働省としても、その議論に参画するとともに、検討状況につきましては、本専門委員会でも御報告をさせていただきたいと思ってございます。
以上でございます。

○山縣委員長
ありがとうございました。
審議状況をお伺いしましたけれども、続いて、説明ということですので、議題(3)の緊急総合対策についても、あわせて説明をお願いできますか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
虐待防止対策推進室長でございます。
緊急総合対策につきましては、資料6-1、資料6-2、資料6-3で御説明をさせていただければと思っております。
まず最初に、今回、目黒区で発生した事案がございまして、子どもさんが亡くなられたことについて、御冥福を申し上げたいと思います。
こうした事案も受けまして、6月15日に、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議が開催されまして、安倍総理大臣より緊急に対策を講じるよう指示がございました。これを受けまして、関係省庁が連携をし、児童虐待防止対策の強化に向けた検討を進めまして、7月20日、同関係閣僚会議において、児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策が決定されてございます。
お手元にございます、資料6-1が今回決定されました緊急総合対策のポイント、資料6-2が本文、資料6-3が参考資料となってございます。この他、大変分厚い資料でございますが、参考資料3が緊急総合対策を受けて、国から出した通知でございますので、資料として、つけさせていただいております。
本日は、時間の都合もございますので、お手元の資料6-1のポイントに基づきまして、内容を簡単に御説明させていただければと思います。
緊急総合対策については、大きく2部構成となってございます。今、ご覧いただいている資料6-1の1枚目が、緊急的に講ずる対策になってございます。6つ項目がございます。
おめくりいただきまして、2ページ目が、児童虐待防止対策のための総合対策になってございまして、こちらも6つ項目を立てまして、それぞれ対策を記載してございます。
緊急的なもの、総合的なもの、こちらを合わせまして、全体として、緊急総合対策という構成になってございます。
1ページ目にお戻りいただきまして、緊急的に講ずる対策を中心に、御説明をさせていただきます。
6つの項目でございますが、1つ目、左側のIをご覧いただければと思います。転居時における児童相談所間の情報共有の徹底についてでございます。
マル1についてでございますが、マル2の項目をつながっている部分になるのですけれども、児童相談所間で引き継ぎを行う際に、緊急性の判断を行っていますが、その結果を移管先、移管元できちんと共有し、書面で伝えることというのが、マル1でございます。
マル2でございますが、マル1で行った緊急性の判断の結果、緊急性が高いと判断された場合には、原則、対面で引き継ぎを行っていただきたいということでございます。移管元と移管先の児童相談所が一緒に家庭訪問することも含んだ上で、対面等ということで、書かせていただいております。
マル3になりますけれども、移管元の児童相談所については、引き継ぎが完了するまでの間は、従前行っていた援助を解除しないようにすること。移管先へ引き継ぎが完了するまでの間、援助が途切れないようにするという観点で、引き継ぎに関しまして、マル1からマル3まで、記載をしてございます。
2つ目は、Ⅱになりますけれども、子どもの安全確認ができない場合の対応についてです。これまでも安全確認ルールというのは、全国的に定めてございましたが、今回、安全確認ができない場合に、立入調査を実施するということについて、明確に書かせていただいております。
3つ目は、児童相談所と警察との情報共有についてになります。従来から、児童相談所と警察の情報共有につきましては、刑事事件として立件の可能性があるもの、保護者が子どもの安全確認に強く抵抗を示すこと、そういった事案について、情報共有するということで、通知をしてございましたが、具体的ではないというお話しもありましたので、今回、明確化をさせていただいております。
具体的には、3つ、ここに書かせていただいておりますが、マル1虐待による外傷、ネグレクト、または性的虐待があると考えられる事案に関する情報。
マル2といたしまして、通告受理後、児童相談所が子どもと面会ができず、子どもの安全確認ができない事案に関する情報。
マル3といたしまして、マル1に起因した一時保護、施設入所等をしている事案であって、家庭復帰するものに関する情報ということになってございます。
ここに書いてあることは、ポイントになってございますので、具体的な通知をご覧いただければと思います。先ほど御紹介いたしました、参考資料3の22ページをお開きいただければと思います。
21ページをご覧いただきますと、児童虐待への対応における警察との連携の強化についてということで、7月20日に自治体に通知をさせていただいたものになってございます。
22ページから、警察に情報提供する事案についてということで、内容を記載させていただいております。
上のほうにございます、マル1の部分をご覧いただければと思います。先ほど御説明をいたしました、虐待による外傷、ネグレクト、または性的虐待があると考えられるという部分についてですけれども、その後をご覧いただきますと、この部分につきましては、一時保護決定に向けたアセスメントシートの基準に準拠して、判断していただくということを書かせていただいておりまして、緊急性のあるケース、あるいは重篤なケースとして、一時保護が必要となるケースについて、警察と情報共有をしていただくということで記載をしているところでございます。緊急対策の記述については、ポイントになってございますので、アセスメントシートの中から、例示として、この部分の記載を引いたものとなってございます。
また、性的虐待のケースについては、これまでも刑事事件として立件の可能性がある事案、こうしたものの中には含まれていたと思いますけれども、奥山委員からも御意見をいただいておりますが、情報共有の内容ですとか、タイミング、子どもへの説明、こうしたものについては、従来から、個々のケースに応じて、適切に判断されてきたと考えておりますので、こうした取り扱いについては、この通知が出た後も、同様の取り扱いをしていくと考えてございます。
こうした情報共有につきましては、情報共有を契機として、児童相談所と警察が連携をして、子どもの安全確認を確実に行うとともに、安全確保や必要な支援の実施につなげる、こういったことでありますので、情報共有後の児童相談所、警察、それぞれの対応や連携方策について、あらかじめ都道府県警察との間で協議を行っていただくなど、そうした方法によって、より効果的な取組としていくことが重要だと考えてございます。この通知の中でも、普段から連携強化、こうした情報共有に際して、要対協で情報共有をすることの重要性ですとか、合同研修の実施、そうしたことについても通知をさせていただいております。
また、警察との情報共有の在り方につきましては、今後、自治体の取組、調査研究、そうしたものにおいて、実態把握を行うとともに、警察庁とも御相談をしながら、既にいろいろ御指摘をいただいている点も踏まえまして、連携方策について、引き続き検討していきたいと考えてございます。
警察との情報共有の関係は、以上でございます。
先ほどの資料6-1のポイントに戻っていただければと思います。
続きまして、4つ目になりますが、一時保護や施設入所等の措置の実施、解除についてでございます。3つポツをつけて書いてございます。
1つ目のポツですが、一時保護を実施する際に関してでございます。リスクアセスメントシートの活用等によって、客観的にリスクを把握して、リスクが高い場合には、躊躇なく一時保護を実施していただくことを書いてございます。
2つ目のポツは、一時保護解除時についてでございます。解除の判断に当たっても、家庭復帰の適否を判断するためのチェックリスト、こうしたものを活用することにより、客観的に把握の上、判断していただくことを書いてございます。
3つ目のポツは、解除後の在宅支援に関してでございます。児童福祉司指導等により、継続して支援を行うほか、その進捗状況を関係機関で共有し、リスクが高まった場合には、再び一時保護をするなど、適切に対応することを書かせていただいてございます。
5つ目でございます。こちらは、虐待の早期発見、予防に関連する観点からの項目となってございます。乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握の実施でございます。乳幼児健診未受診、未就園、不就学等で福祉サービスを利用していない、こうした形で、関係機関が安全を確認できていない子どもにつきましては、リストアップをして、状況確認を行います。その上で、支援が必要な御家庭があれば、支援につなげていくことになります。
具体的な取組については、現在、居所不明児童の把握を市町村にも行っていただいておりますが、対象児童を広げるという形で、市町村においてリストアップの上、安全確認を行っていただく形をとります。
未就園の子どもたちについては、幼稚園とか、保育所を使わなければならないという趣旨ではございませんで、行政機関ですとか、関係機関が誰もアクセスできていない、そういった子どもたちについて、支援が必要でないかを確認していただいて、必要な場合には、支援につなげていくという、そういった意味での幅広い取組をさせていただければと考えております。
最後に、緊急対策の6つ目の項目になります。右側に細長い四角がございます。児童虐待防止対策体制総合強化プラン(新プラン)の策定という部分をご覧いただければと思います。
現在、2016年度から2019年度までを計画期間としておりました、児童相談所強化プランに基づいて、児童相談所の強化を進めてまいりましたが、このプランを見直しまして、新たに市町村の体制強化も盛り込んだ計画、2019年度から2022年度までを計画期間といたします、児童虐待防止対策体制総合強化プランを年内に策定していきたいと考えております。今回、緊急総合対策の中で定めている内容は、新たなプランの骨子という形になります。
3ページ目をお開きいただければと思います。こちらが、今、申し上げました、プランの骨子に関する資料になってございます。
大きく分けまして、Iのところで、児童相談所の体制強化、Ⅱのところで、市町村の体制強化、この2つの柱で定めていきたいと考えてございます。
児童相談所の体制強化につきましては、児童福祉司について、現行の3,200人程度に加えて、2,000人の増加を図ります。
市町村の体制強化につきましては、子ども家庭総合支援拠点の必要な職員を確保し、設置促進を図る、要保護児童対策地域協議会の調整機関の職員について、配置を支援する、こうした内容になります。
おめくりいただきまして、4ページ目をご覧いただければと思います。江口委員から資料を御提出いただいておりますが、先ほど2,000人と申し上げました、児童福祉司の増員についての具体的な考え方を、4ページ目で御説明させていただければと思います。
下に棒グラフのようなものがございますが、そちらをご覧いただければと思います。今、把握しております実績は、2017年度実績になりますが、こちらが3,200人程度と申し上げている数字になります。ここから2,000人程度の増加をいたしまして、2022年度の目標設定をしていくことになります。
2,000人の増員の考え方については、左上の四角、赤く枠囲みしている部分をご覧いただければと思います。増員の考え方は、大きく2つございます。
1つ目は、マル1のところにございますが、児童福祉司1人当たり業務量に応じた、人口当たり配置標準の見直しという部分です。現在の児童虐待相談で換算しました、業務量につきましては、児童福祉司一人当たり50ケース相当を担当していると算定しておりまして、そのケース数を40ケース相当になるように、1人当たりの業務量を減らしていく。そうした減らし方ができるように、人員を増していくという考え方になります。
実際の配置標準の見直しにつきましては、こうした業務量そのものを配置標準に定めるわけではございませんで、こうした考え方に基づいて、人口当たりの配置標準を見直していくことになりまして、今の計算で申し上げますと、現行4万人に1人となっている配置標準を3万人に1人という形になるように、見直しをしていくということで、今、考えてございます。こちらが1つ目になります。
2つ目の部分になりますけれども、地域の相談体制の強化のため、児童福祉司の追加配置ということで、マル1に加えて、マル2の部分をさらに追加ということで、里親養育支援のための児童福祉司、市町村支援のための児童福祉司をマル1に追加配置していきます。
この2つの見直しによって、2,000人程度の増員が必要となってくると、今、計算しているところでございます。直近の2017年度の実績をベースに申し上げておりますが、2018年度の実績も踏まえながら、配置標準を具体的に見直した結果、増員人数がどうなるかということについては、年内に詰めていくことになります。年内に詰めていく際には、児童福祉司以外の児童心理司ですとか、市町村に関する事項、こういったものも含めて、プランを策定していくことになります。
最後に、この他、総合的な対策の部分は、本日、時間の関係で、説明は省略させていただきますが、ここに載っている内容につきましても、予算要求が必要なものについては、予算編成過程で検討していくほか、また、平成28年の児童福祉法改正の附則に基づく検討についても、総合対策に記載しておりますので、本日以降、そうした観点から御議論いただければと思っております。
私からの説明は、以上でございます。

○山縣委員長
ありがとうございました。以上、2点、現在の国における取組等についての説明でした。
時間は15分程度とれると思います。御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いします。
奥山委員、お願いします。

○奥山委員
一番先にお話しがありました、法制審の特別養子縁組の件なのですけれども、そのお子さんは、特別養子縁組ではなくて、養子縁組だったのですが、8歳だったか、10歳だったか、覚えていないのですけれども、そのときに、養子縁組に行くかと言われて、そのときは、親への気持ちがまだ整理し切れていなくて、ノーと言ってしまった。15歳ぐらいになって、やはり自分には新たな親が欲しいと思った、あのとき、何でノーと言ったのだろうみたいなお子さんの話も、結構聞いたことがあります。そういうことを考えて、どうして12歳、15歳なのだろうか。15歳から18歳までの子供は、親を欲しい。親権の問題とは別問題なので、親が欲しいという気持ちに対して、応じられないということがあっていいのかと思いました。意見として、述べさせていただきたいと思います。
先に事務局への質問を作らせていただいて、事前にお送りしていますが、今、性虐待は、今までどおりだという感じでおっしゃっているのですけれども、実際、うちは医療機関ですから、院内対応のチームに通知を見せたところ、これでは通告できないと言われました。子供に、警察に話をしていいかと聞かなければ、通告できないという話がある。
もう一つ、警察はとめることができないので、「何かあったら、事前に病院に連絡してから来てください」と言っているのに、勝手に病棟に上がっていってしまうことがよくあるのです。それをやられると困るので、警察と情報共有されるなら、退院のときしか、通告ができないという意見も出てきているわけです。そういうことでいいのか。
つまり何が言いたいかというと、困るのは、児相よりも、医療機関とか、子供たちです。そこのところをどのように考えられているのかということも含めて、お聞きをしていますし、提案もさせていただいております。
私個人としてが気がかりなのは、現状では、結構長い間、代替養育にいるお子さんたちがいるわけです。昔、2歳ぐらいのときは、虐待があったかもしれない。でも、それに対して、親も離婚をするなど、いろんな対応をして、いい形で安全がつくれて、大きくなったお子さんに対して、退所時に警察に全部連絡がいくという話で、これはお子さんにきちんと聞くのか、聞かないのかも、明記されていないのですけれども、聞かなければ、権利侵害だろうと思いますし、聞いて、ノーと言ったときにも、警察に情報提供するのか。そのあたりのところも含めて、きちんと整理をしていただきたいと思います。
提案として、理解能力のある子供で、生活空間が安全で、子供が拒否しているとき、例えば性虐待にしても、今、言った施設から帰るときにしても、それに関しては、警察の情報共有の例外とすべきではないのかということ。
情報が共有されても、児童相談所が警察をコントロールしてほしいのです。警察が勝手に動かれると、子供の安全が守られないということが、非常に多くありますので、そこをコントロールするということが必要です。
そのためには、警察も対応能力を上げていただかなければならないので、県警レベルで、少なくとも虐待対応のチームを作って、やりとりをして、やり方の手法を学んで、警察にも変わってほしい。
虐待に至る可能性が低い状態になったとき、子供が18歳になった後は、児童相談所からの依頼がない限り、その情報は抹消してほしい。虐待されて、行動の問題があったから児童自立支援施設に入ったお子さんの情報が、ずっと警察に残るということは、果たしていいのかということです。
警察は情報を頂戴と言うのですけれども、ソーシャルワークに必要な情報を警察に提供してほしいと言うと、提供してくれないことが結構多いのです。捜査情報で、確かに問題はあるかもしれないけれども、子供を守るための情報は、きちんと渡してほしいということです。
先ほどお話しがありましたけれども、アセスメントシートによると、性虐待の疑いがあったら、全部情報共有になってしまうのです。そうではなくて、性虐待は、別途、警察とのやり方をきちんと確立してほしい。それを提案として、述べさせていただいております。
そういうことで、質問に対するお答えと、それに関してのことをお伺いしたいと思います。

○山縣委員長
ありがとうございました。
一問一答ではなくて、いろいろな御意見を聞いてから、最後にまとめて事務局からお答えいただきたいと思います。
それから、法制審に関する質問等については、ここで事務局が答えるのは、かなり難しいと思いますので、委員もいらっしゃいますし、事務局も参加しておられますので、そちらで対応していただければと思います。

○奥山委員
意見なので、質問ではありません。お答えは要りません。

○山縣委員長
今後、法制審に関するものについては、そういう形で対応させていただくということで、お願いをしたいと思います。
浜田オブザーバー、お願いします。

○浜田オブザーバー
本日、オブザーバーとして参加させていただいています、弁護士の浜田です。
先ほど奥山委員から御懸念の表明がありました警察との連携ですけれども、私も弁護士として、強い懸念を抱いております。まさに御指摘のとおりだということにとどまるのですけれども、個別事案についての動き方もさることながら、もしかすると問題が大きくならないかと懸念するのは、児童相談所から警察に提供された情報がどう整理されるかという点です。警察としては、児童相談所から得られた情報というのは、当たり前ですけれども、自分たちの情報として整理をなさるはずです。それが職務です。そのような情報を先々本当に消せるのかというところは、別に警察を疑うわけではないですけれども、極めて懐疑的に捉えなければならないのではないか。そういたしますと、児童相談所からの情報をそもそも提供するかどうかのところで、ある程度の枠と申しますか、明確な考え方を持っておかないと、先ほど奥山先生から御指摘がありましたような、福祉と警察とが融合してしまって、何の機関かわからなくなるような、そういうことの危険が現実化してしまうのではないかと危惧するものです。ですので、賛同の意見として申し上げました。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございます。
宮島委員、お願いします。

○宮島委員
ありがとうございます。
4点、申し上げたいと思います。
1つ目は、今、奥山先生と浜田先生が言ってくださったことと同じで、警察と児童相談所との垣根を外すということは、柏女先生の遺言からいえば、副作用に当たるのではないかと思います。既に警察からの通告が、全国でも45%に当たってしまっている。つい数日前に『東京新聞』が埼玉県の昨年度の統計を記事で出しておりましたけれども、67.8%になってしまっている。連携はとても大事ですけれども、警察との連携だけが特出しで強調されることは、相当危険なのではないか。両先生が御指摘された懸念は、私も全く同じように持ちます。それが1点目です。
2点目は、今回、目黒の事件を私たちは受けとめなければならないのですけれども、警察との連携だけに焦点化してしまっていますけれども、いろんな面で副作用が出ていると思います。児童相談所の引き継ぎの問題と警察との連携だけに焦点化されていますけれども、亡くなられたお子さんの下には、1歳の子供がいたということです。もともと通告されたのは、2016年の夏ですから、下の子供が妊娠中か、あるいは生まれてすぐか、そういった状況にあったはずです。その子の関わり等は一切語られていないのです。ずっと母子保健がかかわるべきだったと思いますし、また、かかわっていたはずだと思います。転入してきた先、目黒区がいろんな状況を見たときに、これは児童相談所間の引き継ぎだけではなくて、極めてリスクの高いお子さんとして把握して、支援をすべきであった。市町村がとても重要であり、母子保健がとても重要であるという、今までこの委員会でも再三指摘があったことが、一切抜けてしまっている。これはいかがなものかと思います。
児童虐待防止対策体制総合強化プランでは、4が設けられていて、市町村の体制強化をちゃんとやるということが明確にされたので、ほっとしているのですけれども、今回の問題で、偏った見方となり、警察との連携と児童相談所間の引き継ぎの問題だけが強調されるのは、副作用が大きいのではないかと思います。
児相間の引き継ぎについてですが、確かに対面的な引き継ぎは重要だ、また、書面は大事だと思うのですけれども、この副作用もありはしないか。スピード感を持ってやらなければならない。そこで書面だけではだめです、引き継ぎは対面的ですということを言っていると、形式要件等が強調されて、内容をチェックしたり、実際に来ないからまだ動き始めなかったとか、そういったことも起こりかねないので、形式が整っているか、対面的な引き継ぎがあるかどうかも重要ですけれども、今回の目黒事件は、2回の一時保護をされて、警察も取り扱って、不起訴にはなっていますが、そういった内容を含むものでした。妊娠中である、子供が生まれたかもしれない。そこで一時保護をして、3人になったり、4人になったりと、生活がくるくる変わっていたのです。そういうことを踏まえて、ちゃんとアセスメントしなかったのかというところが、問われるべきだと思います。ですから、引き継ぎとか、警察との連携だけが強調される過ぎることによる、ゆがみに注意していかなければならないと思います。
3件とか、4件とか、数字がおかしくなってしまっていますけれども、児童相談所の常員についてです。

○山縣委員長
宮島さん、できるだけ簡潔にお願いします。

○宮島委員
すみません。
職員の人数が多くなりますと、マネジメントができなくなってしまって、それこそ所長さんが、児童福祉司の新任の方の顔もわからないような状況が生じています。児童相談所の箇所数をふやしていかなければ、見落としが生じる。そこもきちんと考えていく必要があるのではないかと思います。
長くなりまして、すみません。

○山縣委員長
ありがとうございます。時間を制限して、申しわけありませんでした。
この後、提案をさせていただきますが、ワーキンググループをさらにつくる予定になっておりますので、今、横田委員と井上委員の手が挙がっているというのは、確認をしておるのですけれども、他の方々も含めまして、ワーキンググループで話すべき論点とか、そういうところをきちっと言っていただくと、ありがたいと思っています。
横田委員、お願いします。

○横田委員
既に3委員の方からお話しがあったことにつきましては私も同意見ですので繰り返しませんけれども、1点だけつけ加えさせていただきます。今日配られた資料6-3、3ページ目に載っていますように虐待死亡事例のかなりの部分が心中死だということなので、心中死についての検討を考えていただきたい。それはそれとして腰を落ちつけてしっかりと考えないといけない問題であり、今日の議題は緊急総合対策ですので、それは別途ということかもしれませんが、緊急総合対策の在り方によっては、心中死の問題について懸念されることが生じるのではないかということを言いたくて、今、発言しております。
既に心中死に特に焦点を当てた研究も出ておりますけれども、その研究によれば、心中死を何とか防ごうという観点からは、支援の在り方をより丁寧に考えていかないといけないということなのです。ここで詳しくは申し上げられませんけれども、先ほど委員の方々が言われた警察の関与の在り方、緊急総合対策の在り方によっては、むしろ心中死への対応について、マイナスの危険が生じるのではないかということを懸念しております。
関連して申し上げますと、先ほどの御説明の緊急的に講ずる対策の次の児童虐待防止対策のための総合対策のところで、支援と介入の機能分化の在り方についてとありますけれども、支援と介入の機能分化というのは、一体どういう観点なのかということ、どういう理念に基づくかということを改めて明らかにしていただきたい。つまり支援と介入の機能分化というのは、行政側の意図についての話なのか、そうではなくて、当事者の方にとってどうなのかという話なのか、そこら辺の関係の整理をしてほしい。
もし支援と介入の機能分化について当事者の立場ということを考えているのであるならば、支援と介入の機能分化をすれば、当事者も支援は支援として、介入は介入として受けとめるはずだという前提に立っていると思うのですけれども、その前提は必ずしも成り立たないということに気をつけていただきたいと思っています。特に支援のほうですけれども、支援と介入の分化をした後に、介入のほうが分化したことによって先鋭化し、警察ともかかわって、行き過ぎということが起きた場合には、支援の方も、当事者にとって、果たして支援が支援として受けとめられるのかということを非常に懸念しておりますので、その点も踏まえた上での御検討をお願いしたいと思います。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございました。
井上委員、お願いします。

○井上委員
手短に言いたいと思います。
先ほど宮島先生が言ってくださいましたが、母子保健のほうが重要だということです。7月20日付で、母子保健課から、今日配っていただいたようなものと、同じようなものを出しておられるのです。ですので、小児科とか、市町村の母子保健のほうに関しては、その辺の資料を持っているのですが、この場にそのことが伝わっていないということがよくないと思います。統括は子育て支援のほうがやっておりますので、母子保健課のほうでも、こういったものをちゃんと回しておりますということをここで言っていただくと、その辺が少し違って見えるのではないかと思いました。それが1点です。
もう一点は、警察との連携で、何度も出ていますが、率直な話をします。生活安全課に依頼するのと、刑事課に行くのとでは、全く話が違うのです。私たちのところも、以前は消防の救急車と警察が直接つながっておりまして、虐待の疑いがあると、消防から警察にいきます。警察の刑事課は、病院にいきなりやってきて、そこで立件性があるか、ないかということを見て、これはできないというと、帰っていくのです。病院に土足で入ってきて、他の患者さんもいるところで、わっと、そういうことをやる。それはきちんと生活安全課を介していただいて、その中で、要対協とか、そういったものの意見も聞きながら、刑事としてやっていかなければいけないと判断した場合は、きちっとそこで対応する。これで全く違ってきますので、そのイメージをしておいていただけたらと思います。
3番目は、何度も出てきていますが、今回の緊急総合対策については、先ほど宮島先生が言われた、目黒区の子供さんのことを通して、緊急でいろんなものを整えなければならないということを閣僚会議で決めて、1カ月であの形を出して、これを進めましょうと言ってきているわけです。内容からいいますと、法律をきちんと鑑みてやっていかなければいけないようなことも入ってくると思いますので、もしそうであれば、本年度中にまとめて、法的な手続をとって、議論をして、実際の法が出て、それが動きますといったら、3年先の話になったりという格好があると思います。本当に必要な案件がここに出ていますので、この中のどの部分に関しては、きちんと立法も考えてやっていくということを、ここで皆さんに意識していただくことが、大事なのではないかと思いましたので、つけ加えさせていただきました。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございました。
まだまだ議論をしたいところなのですが、江口委員、相澤委員のところでとめさせてください。先ほど言いましたように、この後、ワーキンググループの提案がありますから、こういうところを議論してほしいという意見は、参加されない委員についても、そこで提出していただいていいのではないかと思っています。
江口委員、お願いします。

○江口委員
コンパクトに報告します。
大阪府全件情報共有という報道もされておりました関係でございます。7~8年以上から大阪府警本部と協議を続けてまいりました。懸念される点は、概ね全て承知しているつもりでございます。
ポイントだけを言いますと、児童相談所と市町村の情報共有をどうするべきかという問題が1つあります。それとあわせて、児童相談所と警察、検察、この情報共有はどうあるべきかという問題がございます。また全国の児童相談所間の情報共有がどうあるべきかという、それぞれ違った側面を持っておりますので、きちっと整理していく必要があると感じております。
ちなみに、大阪では、地検と府警本部と児童相談所が、個別の事例も含めまして、このケースはどういうやり方でやるか、例えば性的虐待の場合でしたら、インタビューはどこの機関がするのか、本人の意思確認は誰がするのかも含めて、丁寧な取組を続けているところでございます。
大阪府は、29年2月に、生活安全部長と福祉部長の間で協定を締結いたしました。生活安全部長の御理解も得ながら、児童相談所の情報提供だけではなく、保護に必要な場合については、警察からも、生活安全部が持っておられる情報を提供いただけるという協定となっております。一方向ではございません(双方向)。なので、この辺が1つ、新たな協定をつくる中での「みそ」だと考えております。また、目的外使用の禁止でございますとか、記録の適正管理についても、十分に議論をした上で、協定に盛り込み締結し経過がございます。
それから、警察でございますけれども、夜間帯の身柄通告が、平成29年度、550件を超えました。今年度の推計でいけば、夜間だけで、600件を保護している状況でございます。また、警察からの問い合わせについては、適切に対応するようにという通知の発出が、28年に国からいただいておりますけれども、それについても、数千件レベルでの情報共有が既に行われていたという流れの歴史がございます。その中で、警察が事件捜査だけではなく、福祉機関との協働でどういうふうに動くのかということについても、個別ケース会議への参画であるとか、府警本部での具体的な事例を挙げての問題点の整理も行ってまいりました。そういう意味で、福祉部門もきちんとグリップして、警察と検察としっかりやってきております。
大阪はいろんな事件が続いております。起こさないために、警察の目での再確認する虐待予防という観点と、福祉部門での取組を合わせていきたいということで、今回、全件共有という形(報道されているところですが)で、中身はただ情報を共有するということだけではなく、長年の議論の中で積み上げてきた結果でございます。
ケースワーカーの増員については、先ほど説明していただきまして、これから増員がかなり大きいと感じております。大阪府は、現在、6センターの全職員が342人、児童福祉司が172人でございます。この計算でいきますと、172人を倍にしなければならないだろうと推計されます。そうしますと、一挙にそれだけの社会福祉を担う職員の採用をどうしていくのか、実際、それだけの学生が採用に応募してくれるのか、来た(採用した)職員のOJTも含めまして、養成していくシステムをどう組むのか。これは全体的に組み上げていかないと、これだけの規模の増員はできないと思います。増員は大変ありがたいことでございますので、今、現場でどういう方法がとれるのか、本庁人事担当部署とも含めまして、鋭意検討を進めているところでございます。その意味で、あわせて、児童心理司、保健師の配置基準についても、御検討いただけるということでございますので、法令の中に定めていただきますようお願いして、終わります。

○山縣委員長
ありがとうございました。
最後、相澤委員、お願いします。

○相澤委員
特別養子縁組制度ですが、先ほど奥山委員から、特別養子縁組については、最初、反対したけれども、大きくなったら、そうしておけばよかったという話がございましたが、逆に反対のケースもあると思います。特別養子縁組をしたけれども、多くなったら、実親さんのほうがよかった。そういうときにどうしていくかという、その辺もきちっと検討していただきたい。子供の最善の利益を優先して考慮するならば、そういうことについて、制度的に不十分であれば検討すべきだと思います。それが1点です。
それから、警察と児相との連携共有ですけれども、先ほど事務局も、連携方策については、今後、検討されるということを申し述べておりましたし、江口委員から、全件共有しているところには、長年、警察との在り方について、検討されてきたと発言がございました。そういう意味では、副作用などについても、検討されてきているのだと思います。したがいまして、全件共有をやっている都道府県もありますので、そういう情報を共有しながら、いろんな事案に対して、どう対応していったらいいか、そういうことをきちっと検討し、現場で使えるガイドラインを早急につくるべきだと思います。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございました。
今までの質問、御意見等に対して、現段階で、事務局からお答えできることはございますか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
警察と児童相談所の情報共有の関係ですけれども、全部個別にお答えをしている時間はございませんが、情報共有に関する御懸念ですとか、一方で、全件共有すべきだといった御議論も、この間、かなりございまして、そうした議論を踏まえまして、今回の通知として、全件共有ではないですが、今までの刑事事件として立件の可能性があるという書きぶりよりは、明確化をして書くという判断を今回させていただいたところでございます。
一方で、御心配いただいている点については、引き続き御意見もいただいておりますし、大阪府の取組でもおっしゃられたように、全件共有という、単にそういう言葉だけではなくて、連携の在り方ですとか、そういったことをきちんと検討して、取り組んでおられるところもありますので、そうした取組もしっかり踏まえながら、今後、どういうやり方がよいのかということは、しっかり検討していきたいと考えてございます。
宮島委員から、対面の引継ぎについて、御懸念がございましたけれども、資料6-3の30ページのスライドをご覧いただければと思いますが、現在、児童相談所間でケース移管がどうなっているのかという、平成29年度の状況を把握いたしました。書類で移管しているもの、出向いて、迎えに来てというのは、対面の引継ぎになるのですけれども、1,500件のうち、書類で移管しているものが600件になってございますが、そのうち、緊急性が高いとしたもの、低いと判断したものがございまして、書面のうち、ほとんどは緊急性が低いと判断をしているものなのですけれども、緊急性が高いけれども、書面で引継ぎしたものというのが、全部で63件という状況になってございまして、多くの自治体では、緊急性が高い場合は、既に対面で引継ぎするなどの工夫をされているということもあるかと思います。こうした実情も踏まえて、今回、こうした形で定めさせていただいているところでございます。
御指摘のとおり、スピード感が大事だという点は、おっしゃるとおりだと思っておりますので、速やかに、移管先で次の家庭に当たるということを踏まえた上で、引き継ぎをしてくださいということも、通知の中では申し上げているところでございます。
横田委員からございました、支援と介入の機能分化の在り方の部分なのですけれども、次の議題にも関係があるのですが、資料6-2、緊急総合対策の本文の4ページをご覧いただければと思います。4ページの中ごろに、より重篤なケースに児童相談所が適切に対応できるようにするための業務・役割分担の推進と書かれている項目のすぐ下のポツになりますけれども、ここが機能分化の話を書いている部分なのですが、児童相談所内における業務分担、地域における市町村と都道府県等の機能分担などの支援と介入の機能分化の在り方などについて、平成28年改正児童福祉法の附則の検討規定に基づき検討すると書いてございまして、今後の検討課題として、記載をさせていただいているところでございます。
井上委員から、母子保健の関係の通知も出しているということを言っていただきましたが、参考資料3の106ページですとか、あるいは137ページ、分厚い資料で、全部見ていただくのは大変なのですけれども、そのあたりに、母子保健の関係の通知もつけさせていただいております。資料が大部になりますので、またお時間があるときに、ご覧いただければと思います。
以上でございます。

○山縣委員長
ありがとうございました。
奥山委員、一言だけでお願いします。

○奥山委員
私、結構、時間をかけて、これをつくったのですけれども、時間がないということで、無視されるということなので、不信感がいっぱいです。これに関しての御回答をいただいて、議事録にきちんと上げていただきたいと思います。それが1点です。
それから、子供の権利侵害にならないかということを聞いているのに、一切答えがない。
もう一つ、私が聞きたいのは、死亡事例検証をされていますけれども、児童相談所がかかわっていながら亡くなった例と、そうではない例と、どちらが多いのですかということが1つです。
児童相談所がかかわったのに、警察がかかわっていたら、大丈夫だったというものはどのぐらいあるのか。
ここにも書きましたけれども、目黒事件、結愛ちゃんケースに関しては、2回、警察が書類送検して、結愛ちゃんに対しての司法面接をしています。1回目の司法面接で、結愛ちゃんがお父さんにやられたということを語ってしまった。その結愛ちゃんが、お父さんとまた住まなければならないということは、ソーシャルワークとしては、リスクが格段に上がると判断しなければいけないわけです。警察が入ることで、ソーシャルワークが変わってくるということをきちんと把握して、それを児童相談所等に、きちんと周知できているのかどうか。それはとても懸念するところです。ですので、これに関しては、きちんとお答えをいただいて、それを議事録にアップしていただきたい。それは最低限していただきたいことだと思います。

○山縣委員長
事前に書類で質問が出ていますので、お答えいただくことは可能でしょうか。
もう一点、他の委員の先生方にお諮りをしたいのですが、この形でいきますと、10分から15分延長しないといけない状況になっています。そのこともお認めいただけますでしょうか。後者のほうは、かなりの方にうなずいていただきましたので、時間延長については、了解いただけたと思います。ただ、ずるずるとはいきません。10分、15分程度ということで、御了解いただきたいと思います。
お願いします。

○宮腰虐待防止対策推進室長
大変失礼いたしました。奥山委員から出していただいている御質問なのですけれども、資料8を見ながら、お答えをさせていただければと思います。
1の1)の部分でございます。先ほども御説明したとおりなのですけれども、警察へ情報提供を行う事案につきましては、これまで刑事事件として立件の可能性があると考えられる重篤な事案としておりましたが、これを明確化するために、一時保護決定に向けたアセスメントシートの基準に準拠して判断することとさせていただきました。
ケースでいうと、一時保護が必要と判断されるような事案でありまして、子どもの心身の安全が脅かされて、心身の安全を確保しなければならない状況ということで、警察の使命であります、生命・身体の保護にも合致するという事案を情報提供するということで考えてございます。
2)でございますけれども、なぜ一時保護のアセスメントシートを使ったのかということなのですが、アセスメントシートは緊急性が高いこと、あるいは重篤であること、こうしたものを判断する際に使っております基準でございますので、児童相談所もこうしたアセスメントシートに準拠して、一時保護が必要だと判断されるような事案について、警察に情報提供をするものと考えてございます。

○奥山委員
調査のための一時保護でも、情報共有ということですか?

○宮腰虐待防止対策推進室長
アセスメントシートで判断して、緊急性が高い、あるいは重篤な場合について、情報提供をするという考え方でございます。

○奥山委員
調査のために一時保護をするような要件であっても、共有するということですか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
マル1とか、マル5に書かれているものは、一時保護に向けてのアセスメントシートのチェック項目でございます。資料6-3の29ページに、やや抜粋的ではありますが、一時保護決定に向けたアセスメントシートをつけておりまして、そちらをご覧いただければと思いますけれども、通知でも書いてございますように、マル1からマル5に該当するような場合について、基本的には、アセスメントシートとして活用いただきたいということを申し上げてございます。

○奥山委員
その中には、性虐待が疑われて、調査しなければならないものも含まれていますね。

○宮腰虐待防止対策推進室長
例えばマル3で申し上げると、既に虐待による重大な結果が生じているという項目がございます。

○奥山委員
覚えていないけれども、マル5とか、その辺はどこになりますか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
資料6-3の29ページをご覧いただければと思います。

○奥山委員
これで一時保護をした場合、例えば子供自身が保護・救済を求めている。一時保護をした。でも、それは、本来、虐待がなかったケースもないわけではありません。それを児相がちゃんと判断する前に、そういうものは、全件共有するのですかということです。

○宮腰虐待防止対策推進室長
こうした形で虐待があったと考えられるケースについて、情報共有をするということで、今回は示してございます。なので、児相が判断をしないということではありません。

○奥山委員
そうすると、マル1からマル5の中で、児相が共有すべきと判断したものを共有するという考え方でいいですか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
虐待があったと考えられる事案について情報共有するということでございます。

○奥山委員
調査だけの一時保護は、対象ではないと考えていいのですね。つまり虐待があったかもしれないけれども、児相がまだ虐待があったと判断していないうちは、共有しない、それでいいですね。それが明確にならないと、通告が躊躇されます。

○宮腰虐待防止対策推進室長
児童相談所が虐待があったと考えられる事案について、情報共有をするということでございます。

○奥山委員
マル1からマル5の中で、児相が虐待ありと判断したものを共有するということでよろしいですね。

○宮腰虐待防止対策推進室長
そのとおりでございます。

○奥山委員
わかりました。この書き方だと、マル1からマル5に当たったら、全部共有するような感じに受け取れてしまいます。これはかなり大きな違いだと思います。

○宮腰虐待防止対策推進室長
続きまして、3)の部分になりますけれども、今回の個別の事案に関しては、回答を差し控えさせていただきたいと思います。

○奥山委員
ここでは例として出しただけで、そういう危険性に関して、どのように考えているのでしょうか。これは個別の例を出したほうが、わかりやすいと思って出しただけで、どんな場合でもあり得るわけです。これは普遍化できる問題なのです。そういう危険性に対して、どういうふうに考えられるのかということです。つまり警察を入れることによって、かえって難しくなる例があるということに対して、どう考えるかということを言っています。

○宮腰虐待防止対策推進室長
そうしましたら、4)の部分とあわせて、お答えをさせていただければと思います。児童虐待事案に関しまして、警察と情報共有を行う目的につきましては、情報共有を契機として、警察と連携して、子どもの安全確認を確実に行いまして、安全の確保や必要な支援の実施につなげるということでありますので、情報共有後の児童相談所、警察、それぞれの対応ですとか、連携方策についても、協議、取り決めを行うなどによって、効果的な取組が行われるようにしていくことが、大変重要だと考えております。

○奥山委員
わかりました。そうすると、警察と児相の間の取り決めがあるまでは、共有しないと考えていいですね。

○宮腰虐待防止対策推進室長
そうしたことも含めて、自治体にはお願いをしていきたいと考えてございます。

○奥山委員
協議が行われて、取り決めができた段階で、共有が始まると考えていいですね。

○宮腰虐待防止対策推進室長
基本的には、情報共有についても、多くの県に協定を締結して対応していただいておりまして、資料6-3の32ページをご覧いただければと思いますけれども、警察との間で情報共有に関する協定を締結している自治体の数は、8割ぐらいでございます。必ずしも文書によって取り決めをしていなくても、運用上、連携をして、きちんと取り組んでいるところもございますので、必ずしも文書による取り決めという形がよいのかどうかというのは、自治体の御事情にもよると思いますけれども、我々としても、単に情報共有をするところに意味があるのではなくて、それとあわせてきちんと連携体制を作っていく、研修をしていく、そういったことをやっていただくことが大事だと考えておりますので、その点についても、引き続き、自治体にはお願いをしていきたいと考えております。

○奥山委員
わかりました。その点に関しては、関係機関に共有していただき、そのように対応するように、ぜひ御指導いただきたいと思います。

○宮腰虐待防止対策推進室長
続きまして、一番下の5)になりますけれども、先ほどと同じ答えになりますが、アセスメントシートに準拠することになりますので、一時保護が必要と判断されるような事案について、警察に情報提供をするものでございまして、事故によるものですとか、無関係な事案まで共有するものではございません。関係機関からの情報提供については、疑いがある事例は、児童相談所に情報提供していただいた上で、児童相談所で虐待だと判断できるものについて、情報共有をしていくという形で、お願いをしたいと考えております。

○奥山委員
例えば8割外傷、2割虐待ぐらいのイメージでも、通告して大丈夫と言えるのですか。

○宮腰虐待防止対策推進室長
個々の事案について、児童相談所がどのような場合に、虐待だと判断されているかということもあると思います。

○奥山委員
例えば1割でも、2割でも、虐待の可能性があったから通告した。児童相談所がそれを「明らかに虐待だ」と判断した段階で、警察と連携する、情報共有するということでよろしいのですね。先ほどのお話しだとそうなるので、それであれば、少し安心できると思います。

○宮腰虐待防止対策推進室長
先ほど申し上げたように、児童相談所が虐待だと考えられる事案についてということになりますので、少なくとも児童相談所が虐待だと判断されていないものについて、情報共有するということではございません。
続きまして、6)でございますけれども、先ほどの繰り返しになりますが、一時保護が必要と判断されるような重篤な事案について、警察に情報提供するものでございますので、警察との情報共有につきましては、情報共有のみを行うということではなくて、警察と連携をして、今後の取組、そうしたものについて、より効果的な取組が行われるようにするという趣旨でございますので、そうした趣旨をしっかり周知していきたいと考えております。

○奥山委員
そういうことを言っているのではなくて、周知を行ったのかということを聞いているのです。

○宮腰虐待防止対策推進室長
先ほどの通知の中にも、そうしたことを書かせていただいております。

○奥山委員
連携のことを聞いているのではなくて、児相のソーシャルワークが1ランク大変になる、それに対しての周知を行ったのかということを聞いているのです。

○宮腰虐待防止対策推進室長
警察との連携ですとか、そうしたことについて、しっかり取り組むようにということは、既に周知させていただいております。今後、課長会議等もございますので、そうした場でも周知をしていきたいと考えております。
続きまして、8)でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、緊急性が高いケース、重篤なケース、そうしたものについては、警察と情報共有されることになりますが、子どもが意見表明している場合については、情報共有の内容ですとか、タイミング、子どもへの説明というのは、個々のケースに応じて適切に判断されていくものと考えてございます。これはこれまでのケースと同様だと考えてございます。

○奥山委員
年長のケースなどに関しては、きちんと情報共有されることになるのですということ、意見を聞くということでいいのですね。これは施設の方々にとっては、大きな問題だと思います。退所のときに、ちゃんと意見を聞かなければならないわけです。

○宮腰虐待防止対策推進室長
子どもへの説明というのは、基本的には、児童相談所が対応されるべきものだと考えてございます。

○奥山委員
施設は生活を預かっているのですから、知らなければならないです。
すみません。7)を抜かしています。

○宮腰虐待防止対策推進室長
申しわけございません。7)についてでございますが、これまでも刑事事件として立件の可能性がある事案といたしまして、性的虐待のケースは、情報共有するという事案に含まれていたものと考えてございますけれども、その際にも、情報共有の内容、タイミング、子どもへの説明については、個々のケースに応じて、適切に判断されてきたと考えてございますので、そこの取り扱いについては、今後も同様のものと考えております。
9)でございますが、こちらも先ほどの繰り返しになりますけれども、本通知に基づく警察との情報共有につきましては、単に情報共有するだけではなくて、情報共有後の連携ですとか、研修ですとか、そういったことも含めて、効果的な取組が行われるようにしていくということでございますので、そういった点も含めて、警察と連携しながら、しっかり取組を進めていきたいと考えてございます。
10)についても、今のお答えと同じでございます。
11)についてでございますが、警察に提供された情報につきましては、各都道府県の警察において、それぞれ文書管理の規定等が定められてございますので、それに基づいて、保存ですとか、年限が来たものについては、廃棄がされるものと考えてございます。
12)でございますが、要支援ケースも含めて、どのケースをどの関係機関で情報共有するかにつきましては、各自治体の要保護児童対策地域協議会において判断されているものと考えてございますので、その中で、必要なケースを共有されていると考えております。
13)の御提案につきましては、繰り返しになりますけれども、情報共有の在り方につきましては、既に全件共有している自治体の取組ですとか、今後の自治体の取組、そういったものについても、把握をするとともに、警察庁とも協議をしながら、御指摘の点も踏まえた連携方策について、引き続き、検討をしていきたいと考えてございます。

○山縣委員長ありがとうございました。
特に13)につきましては、今までの1)から12)を含めた、奥山委員からの懸念に対して、具体的な対応をどうするかという提案だと思います。これにつきましては、既に通知が出されたところで、通知そのものが間違いという形にはなりませんけれども、今後、いろんな解釈ができそうなところについて、あるいは補足説明が必要なものについては、事務局からこの委員会に対して、あるいは都道府県、関係者に対して、再度、何らかの形で、通知なり、情報提供いただくということを、ぜひともお願いしたいと思います。さらにどうしても改正が必要ならば、改正までを含めてということになろうかと思います。
松本委員長代理、お願いします。

○松本委員長代理
今の山縣委員長の御発言に補足する形というか、後を追う形で、今の事務局のお答えを聞いていると、実質的にここで通知を出されていることのストレートではないと思います。ネグレクトは全部言いなさいという話で、現場で、ネグレクトは全部警察に言うのかという話になりますけれども、今、かなり条件をつけて、かついろんな自治体との協議があって、そのガイドラインみたいなものがあって、それにのっとった形で、各自治体で判断をするというベースでのお答えだったと思います。かなり受けとめ方が違うので、早急にそこは整理されて、自治体に後追いで、この運用なり、解釈の仕方について、具体的に発出しないといけないと思います。特にこの件に関しては、委員からかなりたくさんの懸念が出ているということも含めて、混乱をすることになるだろうと思います。
もう一点は、この後のワーキンググループにかかわるのですけれども、ワーキンググループで市区町村の支援の在り方、特に児相も含めての御議論があります。この通知が前提になってしまいますと、これまでの地域ベースで支援をきちっとしていこうという議論の積み上げが、変わってしまうことになるということも、ワーキンググループの議論を縛る懸念として持ちますので、その点も含めて、早急な対応が必要だと考えます。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございました。委員長代理に松本委員を指名しておいて、よかったと、今、思っています。補足ありがとうございました。
それでは、今、私と松本委員長代理からお願いしたことを含めて、事務局の対応をお願いしたいと思います。委員からも、そういう懸念がたくさん出ていることについて、ここで一部回答をいただき、それでもなお不足部分が若干あるということを認識しておきたいと思います。
あと、数分になりましたけれども、最後、児童福祉法改正に伴う附則への対応ということで、(4)の議題に移りたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。

○宮腰虐待防止対策推進室長
資料7-1をご覧いただければと思います。「市町村・都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けたワーキンググループの設置について(案)」と書いてある資料でございます。
設置の趣旨につきましては、平成28年の児童福祉法の改正の附則第2条第3項において、政府は、この法律の施行後2年以内に児童相談所の業務の在り方、要保護児童の通告の在り方、児童及び妊産婦の福祉に関する業務に従事する者の資質の向上を図るための方策、これらについて検討を加えて、その結果に基づいて、必要な措置を講ずるものとされてございます。
平成28年の改正児童福祉法におきましても、市町村、都道府県の役割と責務の明確化、体制・専門性の強化、こうしたものを図ってきたところですけれども、附則の検討規定等を踏まえまして、市町村、都道府県における子ども家庭相談支援体制の強化等に向けた検討を行うために、本委員会のもとにワーキンググループを設置いただければと思ってございます。
次のページをおめくりいただきまして、ワーキンググループの構成員として、別紙のような形で、先生方にお願いをできればと思ってございます。
また、ワーキンググループの座長につきましては、山縣委員長に座長をお願いしたいと、事務局としては考えてございます。
その他、資料7-2で、今後の検討事項ということで、おつけしておりますが、基本的には、法律の条文と緊急総合対策の中で関連する部分をピックアップしてございます。
資料7-3で、検討スケジュール(イメージ)をおつけしてございますけれども、法律の附則で、この法律の施行後と書いてございましたが、この法律の施行自体が、平成29年の4月になっておりまして、その2年以内ということになってございますので、宿題への回答といたしましては、今年度末ということになってございます。そうした形でのスケジュールをつけさせていただいております。
事務局からは、以上でございます。

○山縣委員長
ありがとうございました。
構成等にありますように、座長代理を置くことになっています。座長の指名ということですので、今日、非常にサポートいただきました、松本委員長代理に、引き続き、こちらの座長代理もお願いしたいと思っております。
以上、附則に伴う検討事項を審議するためのワーキンググループを設置することにつきまして、御了解いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○山縣委員長
了解をいただきましたので、これに従いまして、委員の方々にお願いをすることになります。日程調整等、非常にタイトな形の中でやらざるを得ないことになりますけれども、ぜひとも御協力をお願いしたいと思います。
あわせて、これにつきましては、この委員会にも、スケジュールに従って報告をさせていただきます。
北川委員と奥山委員で、お約束の15分になりますので、終わらせてください。

○奥山委員
附則に書かれている「施行後2年以内に」というのは、28年改正のときに、結論が改正までに出なかったので、2年間先延ばししたわけです。ですので、2年後には、新たな改正をしましょうということが、背景にあって、この附則ができたと覚えています。
改正ということを考えると、28年改正の前の専門委員会、松原先生が座長をされていた専門委員会の中では、12月までに大体の方向性を示さないと、法改正ができないということを言われて、12月までに急いで議論をしました。9月から12月までで、相当頑張って議論した覚えがあるのですけれども、このスケジュールでは年度内に結論を得ることになっていますが、法改正に間に合うのでしょうか。

○山縣委員長
北川委員、お願いします。

○北川委員
今までのことをよくわからないで、意見を言わせていただきますので、変だったら言ってください。
ワーキンググループを設置するに当たって、これからいろんな話し合いになると思うのですけれども、地域で縦割りの相談支援体制ではなく、私も北海道で虐待検証にかかわらせていただいていますが、障害のある子が上げられています。そういうところで、縦割りではなく、地域においては、障害のある子へのサービス、児童発達支援とか、放課後デイサービスとか、そういうサービスとも連携していただいて、考えていただきたいと思うのが1点です。
先ほどの警察のことにも関わりますけれども、地域に住むお母さんたちは、とても困っていますので、実親を支える視点というか、悪者にしないで、しっかり家族を支える視点も外さないで、論議していただきたいと思います。
以上です。

○山縣委員長
ありがとうございます。北川委員の意見は、委員長として、受けとめていきたいと思います。
スケジュール感については、私は答えることができないので、お願いします。

○宮腰虐待防止対策推進室長
今回のスケジュールは、法律の宿題に基づいた形で、年度内と書かせていただいておりますけれども、具体的に制度改正、法改正が必要な場合には、それにあわせて、スケジュール等も御相談させていただくことがあるかと思います。

○山縣委員長
ありがとうございます。

○奥山委員
先程お聞きするのを忘れたのですけれども、ワーキンググループの議論の対象に関しての資料において、下に書いてある、強化に向けた緊急総合対策というのも、ワーキンググループの議論の対象の中に含まれますという解釈でいいのですか。

○山縣委員長
そうだと思います。

○奥山委員
この委員会が、何を検討しなければいけないかということに関してです。

○宮腰虐待防止対策推進室長
基本的には、関連する事項だと考えて、書かせていただいております。

○奥山委員
下のものも、全部上に含まれますということですね。

○宮腰虐待防止対策推進室長
関連するものだと思っております。

○奥山委員
了解です。

○山縣委員長
ありがとうございました。
さらに5分オーバーしてしまいましたけれども、1回目ということで、進行に不手際がありました。申しわけありませんでした。
これで、第24回の「社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を終わらせていただきます。御協力ありがとうございました。

○成松家庭福祉課長
事務局から、すみません。
ワーキンググループの議論等々も踏まえつつ、次回の専門委員会の日程は、追って御連絡したいと思います。
どうもありがとうございました。

 

(了)

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