ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会))> 平成29年度第2回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録(2017年10月23日)




2018年1月15日 平成29年度第2回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録

保険局医療課

○日時

平成30年1月15日(月)
 14時30分~16時30分


○場所

中央合同庁舎第5号館
 専用第22会議室(18階)
 東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

委員

福井分科会長、岩中分科会長代理、青木委員、秋下委員、渥美委員、井原委員、大川委員、荻野委員、北川委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、西井委員、沼部委員、福田委員、松野委員

事務局

迫井医療課長、古元企画官、小椋歯科医療管理官 他

○議題

1 平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について
2 先進医療会議からの報告について
3 内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術に対する評価について
4 医療技術の評価(案)について

○議事

○福井分科会長

 それでは、定刻よりも少々早いですけれども、委員の皆様、全員がおそろいですので会議を始めさせていただきたいと思います。

 本日は、大変お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。

 ただいまより、平成29年度第2回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。

 委員の出欠状況について、私から報告させていただきます。

 本日は、岩田委員、鈴木委員、安田委員、矢冨委員が御欠席です。

 続きまして、 議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 そうしましたら、席上に配付させていただいております資料の確認をさせていただきます。

 座席表、そして議事次第、委員名簿を配付しております。その下が、今回の委員会の資料でございます。

 「診調組 技-1」と書いております「平成30年診療報酬改定に向けた医療技術の評価について」という1枚の紙がございます。

 その後ろに、もう2枚、参考1、参考2という資料をつけてございます。

 その下に、「診調組 技-2-1」としまして「医療技術の評価(案)」としております冊子のものを配付しております。

 この関連で「診調組 技-2-2」、「診調組 技-2-3」というステープラーどめをした冊子をお配りしておりまして、最後に1枚、「診調組 技-2-4」という1枚の紙をお配りしております。

 資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願いします。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。

 本日は、議題が2つ用意されております。最初に「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 引き続き、事務局から資料を説明させていただきます。

 「診調組 技-1」と書いております「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価について」という1枚の紙をごらんください。

 1番としまして、これまでの検討状況のリマインドでございます。昨年1月25日の中医協におきまして、平成30年度診療報酬改定に向けまして、その前の診療報酬改定に引き続き、本分科会、診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会におきまして、学会等から提出される医療技術評価・再評価の提案書に基づきまして、新規の医療技術の評価及び既存技術の再評価を行うことについて了承をされております。

 その後、学会等から提案書の提出をいただきまして、合計966件でございましたけれども、事務局において提案者からのヒアリングを実施し内容確認をいたしまして、昨年、1023日の当分科会におきまして内容の御確認、そして評価の対象とするものについて御検討いただきました。この結果につきましては、中医協の総会のほうにも報告、了承されております。

 そして、その後、学会等から提案のあった医療技術につきまして、この委員会の先生方にお忙しい中、御評価をいただいたところでございます。

 また、先進医療としても実施をされている医療技術につきましては、別途、先進医療会議において評価が行われたという状況でございます。

 そして、2番は今後の対応、本日と今後ということでございますけれども、まず学会等から分科会に提案のあった医療技術につきましては、委員の先生方に分担をして評価をしていただきました。その評価結果、そしてまた先進医療会議のほうで評価が行われた技術につきましてはその評価結果の報告がありまして、これらを踏まえまして分科会におきまして本診療報酬改定における対応の優先度について御評価をいただきたいと考えております。

 そして(2)でございますけれども、評価結果につきましては、中医協の総会へ報告をいたしまして、最終的な対応について検討を行うこととしております。

 後ろにつけております参考1、参考2というものは、前回の当分科会におけます議論の資料で、御参考でございます。

 資料の説明は、以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。今までの経緯と、それから本日のミッションについてのお話でございます。

 ほかに御質問等がございませんようでしたら、この議題についてはこれで終了とさせていただいて、本日の本題でございます議題の2、「医療技術の評価(案)」に移りたいと思います。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 引き続きまして、議題の2つ目につきまして資料の説明をさせていただきます。

 「診調組 技-2-1」、冊子になっておりますけれども、「医療技術の評価(案)」とありますものにつきまして、1ページおめくりいただきまして2ページをごらんください。先に、概要といたしまして計数の御説明をさせていただきます。

 まず、表がございますけれども、大きく1番と2番。1番が当分科会における評価の対象となる技術、2番が評価の対象とならない技術でございます。この2つに大きく分かれております。

 1が評価対象となる技術でありまして、817件ございました。このうち、その817件のうちでございますけれども、マル1、学会等から医療技術評価分科会に提案のあった技術が794件ございました。また、マル2、先進医療として実施をされ、また評価をされた技術が35件ございました。このマル1、マル2については重複が12件ございまして、合計817件となっております。

 そして、この817件のさらに内訳としまして、これは委員の先生方にいただいた評価及び先進医療会議の評価をもとに事務局のほうで分けておりますけれども、(1)診療報酬改定、今回の改定で対応する優先度が高い技術を307件、後ろに列挙しております。それから、(2)は今回改定では対応を行わない技術ということで510件でございます。いずれもマル1、マル2、マル3という形で内訳の件数をお示ししております。

 それから、大きな2番といたしまして評価の対象とならない提案でございます。これは前回の当分科会で議論をしていただいたとおり、基本診療料にかかるものでありますとか、医療技術としてのアウトカムの改善といったところの評価が難しい制度や指導管理等にかかるもの、あるいは医薬品や医療機器等について薬機法上の承認が確認できないもの、それから中央社会保険医療協議会のほうで既に議論がされた提案が幾つかございまして、少し出入りがありますけれども、全体として173件でございます。

 全体の計数の説明は以上でございますけれども、引き続き「技-2-2」と「技-2-3」でございますが、この評価の根拠となります先進医療会議からの検討結果等につきまして御説明させていただきます。

 まず、「診調組 技-2-2」の「既存の先進医療に関する検討結果について」ということで、これは先進医療会議のほうから本分科会への報告でございますけれども、先進医療会議におきまして昨年6月30日時点で先進医療告示に掲げられていたもの、先進医療Aの31技術、先進医療Bの2技術の保険導入にかかる科学的根拠等を評価しております。

 その結果でございますけれども、1番は十分な科学的根拠を有すると評価された先進医療技術、これが(1)~(9)まで9つ挙げられております。

 うち、この(1)と(2)の陽子線治療、重粒子線治療については下に「※」印が書いてございますけれども、それぞれ多彩な適応がございますが、そのうち切除非適応の骨軟部腫瘍に対する陽子線治療、それから頭頸部悪性腫瘍、口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除くということでございますけれども、これに対する陽子線治療と重粒子線治療については既存X線治療と比較して十分な科学的根拠を有するという判断でございます。

 また、前立線がんに対する陽子線治療及び重粒子線治療については、既存のX線治療との同等性について十分な科学的根拠を有するという判断でございます。

 それ以外の適応症につきましては、現時点では科学的根拠が十分でないと判断をしたということでございます。

 したがいまして、この1番の(1)(2)に掲げられております陽子線治療、重粒子線治療というのは科学的根拠を有すると判断をされた適応症についてということでございます。

 また、この9つ挙げられておりますうち(1)~(5)まで、それから(8)と(9)の技術につきましては、同様の内容につきまして学会等からの提案にも含まれておりましたことから、既に委員の先生方の評価をいただいておりましてそのように分類をしておりますけれども、(6)と(7)の技術につきましては、先進医療技術のほうで評価はされたものの、学会等からの提案には含まれていなかったということでございます。

 前回、会議の際に、そうした技術については学会等の意見も確認してはどうかという御意見をいただいたところでありまして、事務局のほうで(6)と(7)の技術につきましては、それぞれ関係学会に意見を確認いたしまして、保険適用に向けて前向きな御意見をいただいたところであるということを御報告させていただきます。

 そして、2ページ目でございます。これは、評価はしたのですけれども、保険導入の適否を評価するために必要な有効性、効率性等が十分に示されておらず、先進医療として継続すべき技術ということでございます。ここにも陽子線治療、重粒子線治療が掲げられているのは、先ほどの現時点では科学的根拠が十分でないと判断をしたその他の適応症ということでございます。

 それから、4ページ目をごらんください。これは、先進医療会議におきまして技術の検討をした際に、指摘事項について当分科会にもきちんと報告をするようにという意見がありましたことから御報告をさせていただくものです。

 陽子線治療、重粒子線治療につきまして、先進医療会議におきます議論の中では、保険適用がもしされますと、先進医療Bとしては終了ということになります。ただ、その場合でも、これまで臨床データを集積してきたということがありますので、引き続き臨床データを集積し、エビデンスを構築できるよう、学会と相談すべきだという御意見がございました。

 また、前眼部三次元画像解析、その下の技術でございますけれども、これにつきまして本検査の有効性が特に発揮される対象疾患は緑内障であるので、白内障等については適応疾患とすべきではないと考えるという御意見がございました。

 これらも含めまして、保険適用する場合には適応疾患について学会等とも相談をして適切に実施をされることが必要であるという御意見がございました。

 その下、腹腔鏡下広汎子宮全摘術でございますけれども、これにつきましては保険診療下で安全に実施するために、施設基準であるとか、実施責任医師の要件等につきまして、これも適切に設定をするということが必要だという御意見がございました。

 それから、次のページでございます。内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術でございます。これにつきましては、先進医療のほうで科学的根拠の集積をする中で、腹腔鏡下手術と比較して安全性について優れるという結果が得られているわけでありますけれども、有効性というところの優越性については示されていないことに留意が必要ではないかという御意見。

 それから、ヒストリカルコントロールを比較対照とした試験デザインで、症例数が多い限られた施設での実施であることについて注意が必要だという御意見。

 あるいは、この技術の有用性を理解している研究者が、その有用性として合併症の低減を前向きに検証して、そういった結果が得られたということ、そのために安全性にかかる優越性が示されているということ、その背景への留意が必要だということ。

 それから、この手術支援ロボットを用いた際に初期投資費用、当初の費用であるとか消耗品費等につきまして、腹腔鏡手術よりも少し余計にかかるということへの留意が必要だというような御議論がございました。

 それから、古い型の内視鏡手術用支援ロボットというものが市中にあるわけですけれども、この消耗品の供給や保守点検サービスが今後されなくなる可能性があるということについて留意が必要だという御意見。

 それから、国内におきます型式ごとの販売台数を把握する必要があるのではないか。これは事務局に対してでありますけれども、そのような意見がございました。

 これに関連いたしまして、事務局のほうで最後の2つのところでございますけれども、一部確認をとりましたので、あわせて御報告をさせていただきます。

 まず、国内で販売をされています内視鏡手術用支援ロボット、ダヴィンチというものでございますけれども、大まかにタイプ、世代が3つございます。

 まず、タイプSという最も古いもの、その次のタイプSiというもの、それからタイプXiという3つでございますけれども、企業に確認をいたしまして、昨年末現在の国内の導入台数は280台ということでございます。そのうち、最も古いタイプSが33台、約12%でございます。その次の世代でありますタイプSi161台、これが58%ということになります。その次のタイプXi86台で、全体の30%ということでございました。

 そして、その古い型のロボットの保守点検ということでございますけれども、まず製造そのものにつきましては、この初代モデルにつきましては構成品の供給がなくなるといったような状況がありまして、製造は中止されているという状況でございます。

 保守サービスについては2017年をもちまして、これは販売開始から8年間たってからということでございますけれども、保守契約というものが終了いたしまして、以後は有償での修理のサービスというものを継続しております。また、部品につきましては引き続き供給をしているというような状況であるということでございました。

 保険適用された医療機器につきましては、これまでも安定的に供給するということが製造販売業者のほうにも義務が課されるということになっておりまして、臨床現場ともコミュニケーションを進めながら供給されているということでございます。

 先進医療会議からの報告につきましては以上でございまして、引き続きその次の資料、「技-2-3」につきまして御説明をさせていただきます。「内視鏡手術用支援機器を用いた内視鏡手術に対する評価について」でございます。これは、前回の当分科会においても御議論いただきましたけれども、1番は「現状及びこれまでの検討について」ということでそのおさらいでございます。

 ロボット支援下内視鏡手術につきましては、現在、腎悪性腫瘍手術と前立腺悪性腫瘍手術について保険適用されております。

 一方、平成30年度診療報酬改定に向けた学会等からの提案といたしまして、下の表2に書いておりますとおり、計15件の提案があったということでございます。

 おめくりいただきまして、2ページ目です。昨年1023日の当分科会におきまして、評価のあり方について御議論いただいたところでございます。そのときの課題及び論点ということで、繰り返しになりますけれども、御紹介させていただきます。

 現在、保険適用されていないロボット支援下内視鏡手術については、既存技術と比較した優越性についての科学的根拠を現時点で示すことが困難なものがある。

 一方で、内視鏡の操作性の高さ等のロボット支援下内視鏡手術の利点が指摘をされている。また、既存技術と同等程度の医学的有効性及び安全性を有するものも存在すると考えられる。このように、既存技術と同等程度の有効性及び安全性を有するものと考えられるものの優越性を示す科学的根拠までは確立していないものについて、保険診療上の取り扱いとしてどのように評価するかということで御議論いただいたところでございます。

 前回の分科会での議論の抜粋でございますけれども、各手術の有効性・安全性について個別に評価を行って、既存技術と同等程度の有効性・安全性を有すると考えられるものについては優先的に対応することとしてはどうかということ。

 それから、ロボット支援下内視鏡手術を保険適用する際には、その安全性を担保し、データを蓄積するための基準というものを課すべきではないかというようなことでございました。

 それから、既存技術と同等程度の有効性及び安全性を有すると考えられるものの優越性を示すというところまでは至っていないものにつきましては、診療報酬上の評価は既存技術と同程度とすることが適切ではないかというような御議論でございました。

 そして、3ページ目、本日の対応の考え方でございます。医療技術評価分科会に提案のあったロボット手術のうち、分科会委員による評価におきまして、既存技術と同等程度の有効性・安全性があるとされたものにつきましては、診療報酬改定、本改定におきまして対応する優先度が高い技術としてはどうかということでございます。

 それから、胸腔鏡下弁形成術につきましては、ロボット支援ではないものですけれども、胸腔鏡下の弁形成術の保険適用が学会から医療技術評価分科会に提案をされております。

 また、ロボット支援下の内視鏡手術につきましても、この内視鏡手術用支援機器の薬事承認の過程におきまして、国内でこれについて臨床試験が実施をされ、既存技術と比較したその有効性及び安全性が評価されていることから、これについても診療報酬改定によって対応する優先度が高い技術としてはどうかということでございます。

 それから3番目、新たに保険適用を検討するものについては、施設基準として当該ロボット支援下内視鏡手術、または関連する手術の実績、あるいは関係学会によるレジストリに参加する等の要件を設けることを検討してはどうか。

 そして、(2)でございますけれども、これらについて本改定において対応する優先度が高いロボット支援下内視鏡手術というものを1から12までのとおりピックアップをしております。

 そして、今、申し上げました先進医療会議からの報告と、それから内視鏡手術に関する評価の案につきまして、いずれも先ほど御説明いたしました全体の個別の表の中に反映をされております。

 そして「技-2-4」、最後に紙がついておりますけれども、これが全体の見取り図でございまして、本日、医療技術評価分科会における評価対象となる技術は817件ございますが、これにつきまして「技-2-1」の案のとおり、本改定において対応する優先度が高い技術と、今回改定では対応を行わない技術に振り分けてはどうかという案でございます。

 ちょっと資料は戻りますけれども、「技-2-1」です。最初に概要だけ御説明をいたしましたけれども、3ページ目に目次がついております。申し上げましたとおり、評価対象となる技術のうち、本診療報酬改定によって対応する優先度が高い技術というものを4ページから18ページまで個別に列挙しております。

 また、今回改定では対応を行わない技術につきましては19ページから39ページまで列挙をしております。

 そして、40ページから最後までが評価の対象とならない技術、または中医協において既に議論がされた技術ということでございます。

 説明は、以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございました。

 先生方に事前に御評価いただいた結果及び先進医療会議における評価結果等を踏まえて、事務局で今、御説明がありましたような医療技術評価案を取りまとめております。量が多いんですけれども、先生方のほうから何か御意見等はございませんでしょうか。

 先進医療会議と医療技術評価分科会の両方に私はかかわっております。先日の会議には福田先生、渥美先生、それから斎藤先生も先進医療会議に御出席でございましたけれども、一言、そこの議論の状況を踏まえまして私の考え方を簡単にお話させていただきたいと思います。

 今回、医療技術を横断的、総合的に評価するという意味では、先進医療で実施された技術についてもこの医療技術評価分科会で一括して評価を行うことになったのは、同じ軸で評価できるようになるという意味で望ましいことだと考えております。

 先進医療会議における評価の考え方、評価の軸と、それから当分科会での評価の軸、あるいは最後の中医協での評価の軸などが微妙に異なる可能性がございますので、特に先進医療会議と当分科会との関係等については、引き続き検討する必要があるのではないかと思います。先進医療会議の当日も私はそのように発言したが、会議ごとの評価の軸を明示化する方向で考えていただけないかと思っています。

 必ずしも簡単ではないと思います。費用効果分析的な考え方をどの程度入れるのかとか、それから患者さんの効用値まで取り入れた、かなり高度なテクニックを用いた臨床アウトカムの評価をどのレベルで入れるのかとか、さまざまな研究方法や難しい問題もたくさんございます。

 どの程度そのような指標を取り入れて、どの会議体で検討するのかということなどもなかなか一筋縄ではいかないと思います。どちらかというと先進医療会議は純粋に臨床アウトカムを見る方向でこれまでやってまいりました。この分科会では社会的な視点なども入ってまいりますので、そこのところの関係性などもできるだけ明確にした上で保険導入の妥当性についてディスカッションすればいいのではないかと考えております。

 私からは、以上でございます。何か先生方のほうから、このことについてでも結構ですし、「技-2-1」で優先度が高い技術、あるいは対応を行わない技術などの分類などについても、御意見がございましたら御発言いただければと思います。

 どうぞ、岩中先生。

〇岩中分科会長代理

 今、分科会長のほうから先進医療に関するお話が出ましたが、私は実は外保連の会長をしていまして、今回のこのロボット支援手術は領域が広いものですから、外保連としても共通の認識を少しまとめたほうがいいだろうということで取りまとめのお手伝いをさせていただいた経緯がございます。

 一方で、今回、先進医療会議のほうから有用性と安全性に関しまして評価していいものという一覧表が出ました。それと同時に今、「技-2-2」の5ページにありますように、先進医療会議では特に胃の手術では優越性が示されていないことに留意する必要があるという点と、ヒストリカルコントロールを比較対照とした試験デザインであって、Nがそれほどべらぼうに多いわけではない。また、一部の非常にたくさんやられている施設での評価であるということで、このあたりはどう考えるかという半分宿題を出された形で先進医療会議からは提案をお認めしたらどうかという御意見をいただいているというふうに理解をしています。

 そのあたりは、先ほどの事務局からの説明にもありましたように、基本的にはこの医療技術評価分科会で保険収載について話を進めていくということに関しまして、やはり普及をさせるということが一つの目的でもありますので、ある程度の施設基準はあるものの、それなりにやはり普及していただかなければいけないのかなというふうには思っています。

 先ほど事務局からお話がありましたように、現在、昨年末のレベルでダヴィンチが古いものから新しいものまで280台ほど出ている。もともと泌尿器で診療報酬が採用されて、前々回、前回とたて続けに採用されて、このダヴィンチを使った手術は平均して年間100件ずつぐらいはそれぞれの施設でやっているんじゃないか。

 そうしますと、288台ということであれば1年間に200日手術ができるとしたら、ダヴィンチ手術が全国で全てフルに行われても、せいぜい5万6,0007,000件ですね。泌尿器はその半分だとしますと、今回これだけの技術をお認めするとなっても、そんなにべらぼうに一気に爆発的にこの手術がふえるというふうには思えないというのが正直なところでございます。

 一方で、私は内視鏡外科学会の理事もしておりまして、ちょうど先月、内視鏡外科学会がございました。そのときに手に入れた情報でございますが、私は外保連をやり、内視鏡外科学会の理事をやっておりますけれども、本職は小児外科医でございますので、全くロボットと関係のないところにいる比較的ロボットに詳しい人間としましては、先月末の時点でほとんどの泌尿器以外の領域は、ダヴィンチが必須としている講習会だとか、そういうものに受験をして、実際に執刀できる先生が恐らくどの領域も数十名、せいぜい3040名から非常に多い領域でも6070名ぐらいだったと記憶していますので、爆発的にはふえないけれども、今度は保険収載すればいろいろな先生方が手術をするので、先ほどの事務局の説明にもありましたように、やはりレジストリはしっかりやっていただいて優越性を、Nがふえれば先進医療では見つからなかった優越性も当然出てくる可能性はある。

 一方で、拡大することによって、その安全性に関しても疑義が出るようなデータが出るかもしれない。ですから、やはり私自身、外保連の会長もやっておりましていろいろなことをやってきましたけれども、このレジストリに関しましてはロボット手術をしていますよという登録だけではなくて、本来その領域の手術をしていた開腹術であったり、あるいは腹腔鏡手術であったり並行してレジストリをしていただいて、その安全性と有用性の評価がきちんとできるような形のことに関しては、これはやはりぜひお願いをしたいと思います。

 といいますのは、やはり内閣のほうからロボット技術というものを今後この日本の産業の発展に使っていきたい。今ここでこのロボット診療の基盤が整備できれば、これをバネに次のステップへ進むためにも非常に重要なデータが手に入ると思いますので、ぜひこの領域の先生方には御苦労ですが、それなりにある程度、詳細なレジストリをしていただけたらと思います。それを学術団体もしくは他のデータベース等がしっかり監修するということをお願いしたいと思います。以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。私も、個人的にぜひレジストレーションはきっちりやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 渥美委員、どうぞ。

〇渥美委員

 今の話でありますが、私も先進医療会議に出させていただいて、私は糖尿病のほうを専門にしていますので、そういう先進的なほうは専門ではないんですけれども、先日の議論でもやはり確かに普及をさせるということは重要である。

 それは私も思うのですが、そうすると古い技術との置換というものが行われないともっと拡大をしてしまうのではないか。ですから、その点数の基準がちょっと私はわかりませんけれども、今後、日本のこれまでの経過ですと大体ふえるという方向にいって施設のコントロールがなかなかできないのではないかと思うんです。

 ですから、その辺の見通し、あるいはそれを教育を受けた人とか、そういう形でどの辺を目標に普及を妥当と考えるかということもやはり専門の先生方に考えていただきたい。そういう意味での根拠としてはレジストリが非常に大事だと思いますけれども、先日も教育の問題もあって外科医とかがやはりダヴィンチがないとそこになかなか応募しないレジデントとか、そういう問題まで含めて、もちろん費用対効果、安全性とで、同等よりもよいということを示す方向を軸にして普及、あるいは妥当な費用対効果というものから点数をぜひ導き出していただきたいというふうに私は受けとめます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 荻野先生、どうぞ。

○荻野委員

 心臓外科分野から少し意見を述べさせていただきますと、呼吸器外科や消化器外科では胸腔鏡あるいは腹腔鏡を用いた鏡視下手術の歴史が既に15年以上ありますが、心臓外科では歴史も浅く、完全内視鏡下で僧帽弁形成術を実施している外科医は未だ3人くらいしかおりません。実際のところは、小切開左開胸下に、完全内視鏡下ではなく直視下で、回りの人間が供覧できるための術野記録装置として内視鏡を用いて手術を行っているのがほとんどです。したがって、完全鏡視下手術を越えたロボット支援下手術まで一期に認めるというのは、少し時期尚早ではと思っております。今回、胸部外科学会から小切開鏡視下手術の申請をした外科医とも話をしましたが、心臓外科においてはロボットは次回の改訂でもいいのではないかなと言う気持ちでおります。ただ、先ほど御説明があったように、ロボット支援下手術の治験も実施済みですし、海外ではロボット手術は既に実施されており、是非ともお認めいただきたい課題でもあります。ただ、鏡視下手術の経験が多い他の領域と異なり、心臓外科においては少し慎重な対応が必要かとも思っております。

○福井分科会長

 トレーニングコースというのは決まっているんですね。

○荻野委員

 残念ながら、日本ではトレーニングコースはありません。米国ノースカロライナのChitwood先生が先駆者でありトレーニングコースをお持ちで、治験前に国立循環器病センターと東京医大の外科医がトレーニングを受けています。今、日本で始めるとしたら、私の友人でもある韓国のLee先生がプロクターとして指導に来ることになっていると思います。日本でも術者経験のある先生が2人いらっしゃるので、2施設でトレーニングコースを開催する方法もあるかと思います。いずれにしましても、治験も終わっており、ある程度の安全性は担保されていますが、他の領域と異なり、術者や実施施設も少なく、より慎重な対応が求められると考えます。

○福井分科会長

 結局、術者の資格というか要件、それから施設の要件など、例えば心臓の場合にはほかの場合とは違って、より厳しくなる可能性が高いということですね。

○荻野委員

 そうですね。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。

 福田先生、どうぞ。

○福田委員

 私も岩中先生がおっしゃるとおり、レジストリをこういう技術については続けていって有効性、安全性を実臨床のもので見るというのは重要だと思います。

 また、先進医療会議からの報告の中でも、例えば陽子線とか重粒子線についても現在継続されているデータ収集を蓄積したらどうかという御意見が出ていますので、これもやはりやるべきじゃないかと思います。

 そうすると、次の課題になるのが、恐らくこういうデータが集まってきたときに、ではそれを今度はどこで評価するかということになると思います。そうすると、例えば先進からきたものであっても先進から外れることになりますから、やはりこの場かなというふうに考えます。

 ですから、やはり幾つかの技術についてはある程度データを蓄積していって、それをどこかのタイミングで評価をするんだという何かの方針を御検討いただいて、その際に先ほど福井先生からお話があったとおり、どういう軸をやるか。例えば、そこの中で費用対効果みたいなものを見ていくとか、そういうことを少し議論することが必要かと思います。

○福井分科会長

 岩中先生、どうぞ。

○岩中分科会長代理

 今、福田先生がおっしゃったように、先進医療からというわけではありませんでしたけれども、前回の改定のときに腹腔鏡下の肝切除術と腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除を保険収載するときに、データベースを利用してしっかりとレジストリをして、その安全性と有用性を評価することということで今、関係する学会はナショナルクリニカルデータベースを御使用になって非常に詳細なデータを入れていらっしゃいます。

 それで、私自身、ナショナルクリニカルデータベースの代表理事をやっている関係もありまして、その協議会にはしばしばおつき合いをしていますが、3カ月ごとにどの施設で何例行われて、その死亡率がどうで、どういう合併症が起こっているかということをずっと今やっています。2016年の改定で通って2016年の6月からその登録が始まりまして、今ちょうど1年半くらいたった時点で数百例のデータが、膵頭のほうは少し少ないですが、非常に真摯に客観的な意見交換をしていただいていて、昨年には一度それぞれの施設にオーディットもかけていただいているということをやっています。

 ですから、そういうふうな評価をして、では今度はその結果をいつどのときに、例えばもうちょっと診療報酬を上げてもいいんじゃないですかとか、これはちょっと危険なのでどうしますかという評価をどの時点でどうするかに関しては、現在は学術団体に委ねているというところはありますが、もしこういうふうなレジストリが今後頻回にこういう新しい技術を採用するときに、デューティーではありませんけれども、いろいろとオプションとして入ってくるようになるんだとすれば、やはりもう少し行政のほうが再評価といいますか、評価をするときのタイミングであるとか、評価の手法であるとか、そういうものに関してはガイドラインというほどではなくてもお約束といいますか、それは覚え書き程度でも構わないので少し考えていただいたらどうかというふうに提案したいと思います。

○福井分科会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 斎藤先生、どうぞ。

○斎藤委員

 泌尿器科の斎藤でございます。

 今の議論の中でも、泌尿器科だけが保険収載されて2つの技術について実績を上げてきているところなのですが、今回これらの技術が今までの議論の中ではコスト的な評価をしないで認可するという方向性で動いているというふうに認識しております。

 それで、その評価をする間隔なのですが、今のところここ数年は2年に1回ということでこういう会議で行われているわけですが、一般的にはその前は1年ごとの小改定も多少はあったわけです。そういう時代もあったわけです。

 それを考え、今の技術の進歩から考えれば、例えば泌尿器科学会で腎部分切除をお願いしようというときには、1年間で200例以上、ぱっと集めて全部評価してプロクターも決めて実績を出して認めていただいたということもあるので、ある程度の評価可能な症例数、それが200でもいいですし、300でもいいのですが、そこで出たときはやはりこういう新しい技術というのは緊急性がありまして、先ほどもお話が出ているんですけれども、実は手術をやるためのいろいろな鉗子類ですね。そういうものも10回しか使えなくて、1回のオペに少ないところでも60万くらい、多いところで100万くらいかかるということをずっと医療機関に負担させるということはやはりかなり困難だと思うんです。

 そういう意味で、この新技術に関しては、例えば1年後にマイナーチェンジをやるときに評価をしてもらうとか、そういうことも一つの提案として考えていただきたい。そうしないと、世界の医療技術の進歩におくれてしまうわけです。だから、評価的にこれはもう技術だけではなくて、コストエフェクティブで患者さんにもドクターにも医療機関にも非常にいいんだということが証明されたものから順次、例えば来年のこの時期に認めるとか、そういうことも少し考慮していただきたいという意見でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 事務局のほうから、何かアイデアはございますか。レジストリは学会とタイアップしてデータを集めるということになると思いますし、どれくらいの頻度で集めるのか、どういう委員会で検討するかなどについては事務局のほうで検討していただけることと思います。

 では、医療課長どうぞ。

○医療課長

 医療課長でございます。

 非常に多岐にわたって、また建設的な御指摘、あるいは厳しい御指摘も含めてですけれども、ありがたいと思っております。

 診療報酬改定も近いので、この時点である程度お話ができることはお話をさせていただきますし、宿題として引き続き検討することは引き続き検討させていただきたいと思っておりますが、前半の症例の蓄積でございますとかエビデンスの蓄積、これはこの医療技術評価分科会自体も特に近年かなり複雑なオペレーションをしていただいておりますし、エビデンスの評価につきましては評価療養も含めて工夫をさせてきていただいたつもりでおりますが、御指摘は非常にごもっともでありまして、基本的にはこの保険収載を目指すに当たってエビデンスに基づいて評価をするという大原則、これはこれまでもそうですし、今後もそうでありますので、いただいた御提案、あるいは特にレジストリの結果として得られたデータをどのように分析をして、それを基本的にはこの医療技術評価分科会の場になろうと思いますけれども、どういう形で見ていただきながら評価をするのかという仕組みづくりについては、引き続き検討させていただきたいと思っております。

 それから、先ほど技術の評価をどういう頻度で医療保険に導入するのかという御指摘、これは実は今回のことに限らず、従来からずっと議論のあるところでありまして、報酬改定をどういうふうにしていくのかということとあわせて考えなければいけませんので、技術の進歩、技術革新をどの程度の頻度でということとあわせて、これはなかなか重たい課題でありますので、これは中長期的な課題として受けとめさせていただきたいと、このように考えております。以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 北川先生、どうぞ。

○北川委員

 北川でございます。

 私も、技術評価委員として先進医療会議にも参加させていただきましたし、この間の議論も拝聴いたしました。その中でやはり思いましたのは、先進医療会議も本会も、先ほど福井会長が御指摘になったように、その評価基準というものをあらかじめある程度は客観的に示していただいたほうがいい。当然レジストリは必要なんですが、そこでもこういうものを評価してこういう医療対費用効果、医療経済上の評価があったらこのような見通しだということをあらかじめ示していただいたほうが現場としては非常にありがたいかと思います。

 特に、今回のロボット支援手術に関しましては、恐らくどのような評価がされるかにもよりますけれども、相当な医療者側の費用の持ち出しの上で、さらにレジストリという大変労力を伴う中でしばらく行われるという特殊な状況に置かれると思います。

 もし状況が状況になりますと、こういう技術がむしろすたれてしまうような状況に逆に向かいかねない。先ほど岩中先生がおっしゃったように普及に向かないという懸念もありますので、ぜひそこの評価項目の明示と、それからレジストリの評価時期というのをある程度示していただければ非常にありがたいと思います。

○福井分科会長

 済みません。先生のお名前を先ほど挙げるのを忘れました。失礼致しました。

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいですか。ダヴィンチ、粒子線以外の医療技術の評価もございますけれども、先生方がかかわった項目で何か御意見がございましたら御発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

 西井先生、どうぞ。

○西井委員

 私が伺った評価の中ではございますけれども、胎児の治療、あるいは検査等につきまして今回も幾つかありまして、十分な評価、エビデンスがないということになっておりますけれども、やはり今までも保険診療で胎児治療で幾つか通っているものもございます。この辺のところは少しはっきり、胎児をどのように保険上扱うかということがはっきりしていないので、なかなかこちらの評価する、あるいは厚労省からの御意見を伺っても、単にエビデンスであれば非常にあっても、ちょっとその辺でグレーな部分があるというのが1つありました。

 それから、今回の中でもございますけれども、生体検査等の判断料が含まれている。これについては、医療技術の評価でこれをどのように扱うか決まっていない部分、判断料を取るもの、取らないものと検査はございますので、そういうところも検査自体のエビデンスとしてあるかないかだけではなく、この分科会がやはり社会的な評価も必要ということになりますと、その評価の方法も少しわからない部分がございますので少しまとめていただければと思います。

○福井分科会長

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 ほかに御意見等がございませんようでしたらこれで終了になりますけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議論は以上までとして、当分科会の検討結果として中医協総会に報告し、御議論いただくこととしたいと思います。事務局から出していただいたこの案で説明させていただくことになりますけれども、それでよろしいでしょうか。

( 委員 異議なし)

○福井分科会長

 ありがとうございます。それでは、その報告の様式につきましては事務局と分科会長に御一任いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 本日の議題は本当に以上なんですけれども。

 では、岩中先生どうぞ。

○岩中分科会長代理

 この技術評価の案件ではなくて、1点よろしいでしょうか。

○福井分科会長

 はい。

○岩中分科会長代理

 実は私は外保連の会長をしておりまして、皆様の机上に外保連試案の2018というのをお届けいたしましたが、最新版でございまして11月の末に上梓させていただいたものでございます。

 実は、昨年の9月下旬くらいの中医協総会のときに診療報酬のうち、特に手術のK番号がどんどん削除と追加が加わっていて、だんだん体系だってこなくなっているという御意見があって、たしか中医協総会のときにもう少し科学的に仕組みを考えたらどうだという提案を事務局のほうからされたと思います。

 一方で、私自身は今、厚生労働省のほうがこういう術式をコーディングして、例えばWHOのイッチーといいますが、インターナショナル・クラシフィケーションのほうで諸外国がいろいろな術式にコードをつけている。この外保連の手術試案は、最初はこのブルーのところを見ていただくとわかりますが、左側のページのちょうど真ん中にちょっとすき間のあるすぐ左側、7桁分類コード、私たちはステムセブンと呼んでおりますけれども、7桁のアルファベットと数字がまじった数字が出ています。

 これは、実際にどの臓器に対して何をするか。それをどういうアプローチでどういう機械を使ってやるかというのが7桁にまとめてございまして、これは東京大学の医療情報部の大江先生の御協力を得て非常にサイエンティフィックにつくったものでございます。これが、実はそのWHOのイッチーの分類と非常にクラシフィケーションとよく似ていまして、これはこのコードにあわせて左側の術式名を見ていただきますと、診療報酬の術式名と違いまして、どの臓器に何をするかというのは術式で全部書いてあります。ですから、術式名を見ただけで何とか根治術という手術はほとんど入っていません。そもそも手術は根治するためにやっているので、例えば何とかがん根治術といわれたら、それは一体何だという話になりますが、この外保連試案はそういうふうにつくってあります。

 それで、こういうものを参考にしたいという厚生労働省の意向もありまして今回中医協の総会に出ましたので、私どもの外保連の一部の手術に大変詳しい作業部員といいますか、ワーキンググループに入りまして今はK番号とすり合わせをしていただいているという話だと思いますが、その辺の進捗を教えていただいて、このK番号も含めた診療報酬表を今後どういうふうに厚生労働省としては考えていらっしゃるのかをちょっと教えていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

○福井分科会長

 お願いします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 ありがとうございます。今、岩中先生からも御指摘がありましたとおり、昨年9月の中医協の総会の議題の中で診療報酬の情報の利活用等を見据えた対応についてということでさまざまな議論が行われたところですけれども、その中で今、御紹介がありました手術の分類、Kコードにつきましても非常に複雑になっていて十分に体系化されていないというところの指摘がございました。

 それで、今、先生から御紹介がありました外保連の手術試案というところにありますコード、あるいはその先のWHOで検討が進められているインターナショナル・クラシフィケーション・オブ・ヘルス・インターベンション、ICHIというものを見据えまして、まずはこの外保連手術試案の基幹コード、今、御紹介のありましたステムセブンというものですけれども、これを今後このKコードの再編に活用可能かどうかをまずは検討したいということでありまして、本30年度改定におきましてはまずデータ提出加算、一部の医療機関のみでございますけれども、そこの提出を求めているデータの中でこのKコードにステムセブンを併記していただいてデータを収集したいということで現在対応のほうを進めております。御紹介でございます。

○福井分科会長

 先生、よろしいでしょうか。

○岩中分科会長代理

 これは実際の診療報酬に乗せるのではなくて、そのデータを提出するときに各施設にKコード以外にステムセブンを併記させて、厚生労働省でいろいろな情報収集、あるいはサイエンティフィックな解析をするときに使うという理解でよろしいのですか。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 いずれこのKコードを再編できないかということなのでございますけれども、いきなりできるかどうかではなく実現可能性について必要な検討をしなければいけませんので、まずはデータの提出だけを、しかも一部のデータ提出加算の対象となる医療機関で提出をいただいて、その結果を踏まえてその後の改定に向けて手順を検討したいという趣旨でございます。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。

 それでは、次回の日程等について事務局からお願いします。

○木内医療技術評価推進室室長補佐

 次回の日程につきましては、改めまして事務局から御連絡をさせていただきます。現時点では、未定でございます。

○福井分科会長

 それでは、本日の医療技術評価分科会はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第二係
03-5253-1111
内線3184

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会))> 平成29年度第2回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録(2017年10月23日)

ページの先頭へ戻る