ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(生活環境水道部会)> 第19回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録(2018年2月15日)




2018年2月15日 第19回厚生科学審議会生活環境水道部会 議事録

医薬・生活衛生局水道課

○日時

平成30年2月15日(木)15:30~17:30


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

秋葉委員 猪股委員 遠藤委員
大垣部会長 清古委員 滝沢委員
中野委員 那須委員 二階堂委員
西村委員 藤野委員 細井委員
堀口委員 吉田委員

○議題

(1)水質基準等の見直しについて
(2)水道の現状と水道法の見直しについて
(3)その他

○議事

○東水道水質管理官

 それでは、定刻となっておりますので、ただいまから第19回「厚生科学審議会生活環境水道部会」を開催いたします。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の中、お集まりいただき、御礼申し上げます。私、水道水質管理官の東でございます。

 議事に先立ちまして、宇都宮生活衛生・食品安全審議官より御挨拶申し上げます。

 

○宇都宮生活衛生・食品安全審議官

 皆さん、こんにちは。生活衛生・食品安全審議官の宇都宮と申します。

 昨年夏の組織改編によりまして、それまで生活衛生・食品安全部だったのですけれども、それが少し変わりまして審議官ということになって、私、着任いたしました。ただ、内容、その他の組織、全く変わっておりませんので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 本日は、年度末の大変お忙しい中、委員の先生方にはお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、日頃より生活環境水道行政の推進に御理解、御協力いただいておりますこと、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 さて、本日の議題でもございます水道につきましては、皆様御存じのように、まさにライフライン、生活の最低限の基盤ということでございますが、既にその普及率97.9%ということで、それまでの水道のカバーする範囲を広げるという行政から、より基盤を強化して、既に老朽化あるいは耐震化等の問題に取り組まなければならないということで、昨年、水道法の改正法案、国会に提出させていただいたところでございます。ただ、残念ながら継続審議となり、その後、衆議院の解散によって廃案となってしまったことから、この国会で再度、改正法案を提出すべく、今、準備を進めているところでございます。

 今度の国会、厚労省関係、働き方改革ですとか子育てあるいは生活保護関係、重要法案が非常に目白押しなので、水道の関係、いつ審議されるかという問題ございますけれども、我々としては、とにかく法案を通して、より一層、水道の基盤を強化したいと考えてございますので、引き続き御協力いただければと思っております。

 さて、本日の議事でございますが、議事次第に書いてございますように、水質基準の見直し、それからその後の昨年以来の現状、及び、今、お話申しました水道法の見直しについてを議題とさせていただくということになってございます。ぜひ忌憚のない御意見いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 初めに、委員の改選がございましたので、新しく当部会に御就任いただいた委員を御紹介いたします。

 全日本水道労働組合中央執行委員長の二階堂健男委員です。

 

○二階堂委員

 よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 なお、国立感染症研究所所長の倉根一郎委員、国立保健医療科学院統括研究官の林基哉委員にも新たに御就任いただいておりますが、本日は御欠席です。

 続きまして、本日の出欠状況でございますが、倉根委員、西尾委員、林委員、藤井委員、古米委員が欠席されると連絡を受けています。

 委員19名中、現在14名の委員の御出席を得ており、出席委員は過半数に達しておりますので、部会は成立していることを御報告いたします。

 続きまして、配布資料の確認をいたします。

 まず、議事次第、座席表の後、

 資料1 今後の水質基準等の見直しの審議の進め方について(案)

 資料2 水質基準等の見直しについて(案)

 資料3 水道の現状と水道法の見直しについて

 資料4 平成30年度水道関係予算案について

 参考資料1 厚生科学審議会生活環境水道部会委員名簿

 参考資料2 生活環境水道部会について(開催経緯)

 参考資料3 厚生科学審議会及び生活環境水道部会に係る関係法令等

 過不足等ございましたら、事務局までお申し付けいただきますようお願いいたします。よろしゅうございますか。

 続きまして、事務局を紹介いたします。

 先ほど御挨拶いたしました生活衛生・食品安全審議官の宇都宮でございます。

 

宇都宮生活衛生・食品安全審議官

 よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 なお、公務のため、途中で退席させていただきます。

 続きまして、大臣官房審議官の吉永です。

 

○吉永大臣官房審議官

 吉永でございます。よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 水道課長の是澤です。

 

○是澤水道課長

 是澤でございます。よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 水道計画指導室長の日置です。

 

○日置水道計画指導室長

 日置でございます。よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 水道課課長補佐の川崎です。

 

○川崎水道課長補佐

 川崎でございます。よろしくお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 生活衛生課課長補佐の米倉です。

 

○米倉生活衛生課課長補佐

 米倉です。よろしくお願いします。

 

○東水道水質管理官

 マスコミの方におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(カメラ退室)

○東水道水質管理官

 これ以降は、大垣部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

 

○大垣部会長

 それでは、早速議事に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、1つ目の議題に入ります前に、事務局から説明したい事項があるとのことですので、お願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 御説明いたします。

 本日お配りしております資料の一番最後、参考資料3がございます。「厚生科学審議会及び生活環境水道部会に係る関係法令等」でございまして、今回、一部修正した箇所がございますので、簡単に御説明したいと思います。

 一番最後、7ページ目をご覧いただきたいのですけれども、厚生科学審議会生活環境水道部会運営細則というものがございます。昨年7月に私ども厚生労働省内の組織が変わりまして、第8条でございますけれども、これまで部があったのですけれども、部がなくなったということで、「厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課及び水道課」と修正しております。

 訂正箇所は、以上でございます。

 

○大垣部会長

 という細則の修正でございますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大垣部会長

 それでは、御了承いただいたということにいたします。ありがとうございます。

 それでは、1つ目の議題の「水質基準等の見直しについて」、事務局から説明をお願いいたします。

 

○東水道水質管理官

 それでは、資料1について御説明したいと思います。「今後の水質基準等の見直しの審議の進め方について(案)」でございます。

 水道水質基準につきましては、最新の科学的知見に従い逐次改正方式により見直しを行っておりまして、水質基準逐次改正検討会を設置して、必要な見直し等、所要の検討を進めているところでございます。

 中ほどにカラーのピラミッドの図1がございます。これは、水質基準の体系図を示しておりますけれども、一番上の赤いところが水質基準でございまして、いわゆる水道事業者等に遵守の義務とか検査の義務があるもので、合計51項目ございます。

 中ほどの黄色の部分は、水質管理目標設定項目でございまして、評価値が暫定的であったり、検出レベルは高くないものの、水道水質管理上、注意を喚起すべき項目ということで、26項目ございます。

 それから、一番下、緑のところでございますけれども、要検討項目ということで、毒性評価が定まらない、あるいは浄水中存在量が不明等ということで、合計47項目ございます。

 ちなみに、今回御議論いただく農薬類につきましては、この黄色の部分の水質管理目標設定項目の一つに位置づけられており、下の注に示しますように、その評価の方法につきましては、下記のシグマの式で与えられる検出指標値が1を超えない総農薬方式により算定されます。浄水で検出される可能性が高い対象農薬リストに掲載されているものの中から、各水道事業者が測定したもので評価されることとなります。

 ページをおめくりいただきまして、今後の審議の進め方についてでございますけれども、今回から若干変更がございましたので、御説明いたします。御案内のとおり、基準関係の見直し等の審議につきましては、検討会及び審議会部会に諮って進めているところでございます。

 このうち水質管理目標設定項目、先ほどの黄色の部分でございますけれども、法令上の測定義務がないことから、意見募集手続は任意で実施しており、これまで、意見募集の前にも審議会部会に諮っていたことから、見直し案が提案されてから改正・施行に至るまで約1年5カ月程度要しておりました。

 水質管理目標設定項目につきましては、可能な限り測定することが望ましい項目でありまして、科学的知見等に基づく見直し案が提案されれば、できるだけ速やかに改正することが望ましいと考えておりまして、今後の審議につきましては、以下のとおり、審議会での審議を意見募集の後のみと変更することで、審議の迅速化を図ることとしたいと思います。

 資料1の説明は以上でございます。

 

○大垣部会長

 ありがとうございました。

 ここまでの説明につきまして御質問あるいは御意見がございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 迅速化を図るということで、特に御意見はないということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○大垣部会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、資料1につきましては、皆様の了承をいただいたということにいたします。どうもありがとうございました。

 続きまして、資料2の説明をお願いします。

 

○東水道水質管理官

 資料2「水質基準等の見直しについて(案)」を御説明いたします。

 まず、食品健康影響評価の結果を踏まえた見直しでございます。内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価の結果が示され、新評価値が得られたものにつきましては、表1と表2に示しております。今回は、審議の進め方の移行段階でございますので、昨年度、パブリックコメント前に御審議いただいたものも表1に示しております。このうち、表の網かけ部分につきましては、現行評価値と異なる評価値が得られているものであり、今回、見直しを予定しております。食品安全委員会から提示されるのは、ADI、1日許容摂取量でございますけれども、これに1日2L摂取、体重50kg、水道の寄与率が10%ということで計算いたしまして、新評価値を算出しておるところでございます。

 このうち、表1のグリホサートに注目いただきたいのですけれども、次のページ、おめくりいただきまして、グリホサートにつきましては、前回のこの審議会の部会におきまして、2.5mg/Lに見直す旨、御審議いただいたところでございますけれども、再度、検討会のほうで検討した結果、1つ目のポツでございますけれども、水質基準等においては原則として有効数字1桁での評価値を設定しているということ。つまり、2.5であれば3mg/Lとすべきであること。

 もう一点、従来の目標値2mg/Lが、他の農薬類の目標値と比較して十分高い値であること。先ほどの1ページ目に戻っていただきまして、グリホサート以外の農薬類の評価値、全て0.0何とかとか、0.00何とかとか、桁が3桁から4桁低いということで、グリホサートは逆に3桁、4桁高いという緩い目標値だということで、さらに3mg/Lまで緩和する必要性もないのではないかという判断がございましたことから、現行の2mg/Lを継続したいと考えております。

 続きまして、1-2.代謝物、分解性、検出状況に関する知見を踏まえた見直しについてでございます。これらにつきましても、新たな知見が得られ次第、見直しを行っているところですが、今回、3つの農薬につきまして見直しをすることを検討しております。

 まず、プロチオホスという農薬でございますけれども、これは代謝物としてプロチオホスオキソンというものが検出されるのですけれども、水道水中で塩素消毒により精製されるということですが、これについては定量できることが今回確認できたということで、今後は、原体の濃度と、オキソン体の濃度を原体に換算した濃度を合計して算出することとしたいと考えています。

 次に、ジチアノンという農薬でございます。こちらは、速やかに水中で加水分解されるということで、実際、測定いただいている各水道事業者からも測定できないとずっと言われていたものでございます。この分解される分解物につきましては、健康影響評価の対象になっていないということから、今回、測定を推奨している、いわゆる対象農薬リストから外して、その他農薬類に移行したいと考えています。

 それから、もう一つ、ジメピペレートという農薬でございますけれども、こちらは既に平成16年に登録が失効した農薬でございまして、直近3カ年、平成25年から27年度に水道原水の中で調査したところ、検出の実態がないということから、これもその他農薬類に移行したいと思います。

 以上まとめますと、下の1-3.見直し方針でございますけれども、対象農薬リスト掲載農薬類につきましては、パブリックコメント手続を実施したところでございますが、その他農薬類と併せて、次のとおりの変更を平成30年4月1日から適用したいと考えています。

 まず、1つ目、対象農薬リスト掲載農薬類(イソキサチオン、2,4-D2,4-PA)、シアナジン)に係る新評価値の設定。

 2つ目、対象農薬リスト掲載農薬類(プロチオホス)のオキソン体の測定及び原体への合算の追加。

 3つ目、対象農薬リスト掲載農薬類(ジチアノン、ジメピペレート)のその他農薬類への移行。

 4つ目、その他農薬類(ジクロルプロップ、メタミドホス)に係る新評価値の設定。

 ページをおめくりいただきまして、次に、これも毎年実施しております水質検査結果に基づく水質基準項目及び水質管理目標設定項目の分類見直しについて御説明したいと思います。

 この分類見直しにつきましては、浄水における最新の検出状況に関する統計資料、具体的には日本水道協会が出している水道統計でございますけれども、これを用いて、その下の表3に示す分類要件に従って検討しておるところでございます。

 具体的には、分類要件1と2とございまして、まず分類要件1として、最近3カ年連続で評価値の10%超過地点が1地点以上存在する。分類要件2といたしまして、最近3カ年連続で評価値の50%超過地点が1地点以上存在、又は最近5カ年の間に評価値超過地点が1地点以上存在とされております。

 この表3の箱の右上の箱に入れば、現在、基準項目ですけれども、これを管理目標へ格下げする候補になる。逆に、表の左下の箱に入れば、現在、管理目標設定項目ですが、基準への格上げの候補になるということになります。今回、分類した結果につきましては、ページをおめくりいただきまして、5ページ目でございます。ここで青枠に示しておるのが、現在、基準項目でありますが、格下げの候補になるものが陰イオン界面活性剤。逆に、現在、管理目標設定項目で基準への格上げの候補になるものがニッケル及びその化合物でございます。

 ちなみに、注のところに書いていますけれども、水銀とか大腸菌とかシアンといった健康影響に関する重要な指標につきましては、ほとんど検出実態がなくとも、初めから見直しの対象にしていないということでございます。

 戻りまして、3ページ目の下でございますけれども、まず、現在、水質基準項目である「陰イオン界面活性剤」につきまして、検出状況については、9ページ目の横表になっていますけれども、基-41、真ん中辺にございますが、最近5カ年の検出状況を示しておるところでございます。これは3段表になっていまして、一番上が対基準値、つまり陰イオン界面活性剤の場合は、0.2mg/L、真ん中が対50%値、つまり0.1mg/Lを超えるもの。それから、対10%値が0.02mg/Lを超えるものを示したものでございますが、見ていただければわかりますように、一番最新の平成27年データについては、対50%値に5,564地点中1地点、浄水中で検出されているものがあったということでございます。

 3ページ目、戻っていただきまして、今、申し上げましたとおり、平成27年度に50%超過地点が確認されておるということで、当面は今後の検出実態の把握に努めまして、引き続き水質基準に据え置いて管理していくことが望ましい。全くゼロになるのが続けば、基準から引き下げてもいいかもしれませんが、50%が1地点でも出たということで、そのまま基準に据え置くことが望ましいと考えております。

 続いて、「ニッケル及びその化合物」、今度は引き上げの候補でございますけれども、具体的には11ページ目の目-3の上から3つ目でございます。これは、いわゆる対目標値0.02mg/Lを超えているのが、平成25年にも1地点、それから平成27年度にも1地点ございました。また、対50%値で言いますと、毎年、出ているということでございまして、これは昨年度の本部会でも議論しているところでございますけれども、今回、もう一度、見直しの対象になっているということでございます。

 これにつきましては、4ページ目、おめくりいただきたいのですけれども、1から3ということでございます。1と2につきましては、昨年も御説明しておりますが、同じことを書いております。

 まず1、平成24年から平成27年度に目標値50%超過した地点は同一のものでありますが、平成27年度にこの水源は廃止されたということでございます。

 2、平成25年度に目標値を超過した1地点につきまして、このデータを出してきた当該水道事業者に確認を行ったところ、高濃度のニッケルが検出された日に同一の採水地点で採水した別試料があった。こちらについては、ニッケルが低濃度であったことが判明いたしました。目標値を超過した試料につきましては、採水時に微細な破片等が混入した可能性が考えられたが、原因の特定はできなかったということでした。

 それから、3でございます。最新の平成27年度のデータで目標値を超過した地点が1地点ございました。これにつきましても当該水道事業者に確認を行ったところ、この検出された浄水場は原水水質悪化のため、既に給水を停止しておりまして、管理運転のみを行っているということで、報告値は給水されていない水の測定値を報告されてきたということでございました。

 上記1より、今後、同地点での検出見込みがないこと。それから2、3より、検出されたデータは水質基準に分類するかどうか判断する根拠として適当でないと考えられることから、「ニッケル及びその化合物」につきましては、引き続き水質管理目標設定項目とし、給水栓水での検出状況等を注視していくことが適当と考えております。

 以上、まとめますと、陰イオン界面活性剤、ニッケル及びその化合物につきましては、分類変更は行わないこととしたいと思います。

 あと、7ページ目から12ページ目までは、基準項目と管理目標設定項目の5カ年のデータを載せておりますし、13ページから16ページまでには、農薬類に関する意見募集の結果とその対応について示しております。具体的な御意見は、14ページ、15ページ、16ページにございますが、基本的な当省の考え方は記載のとおりでございまして、食品安全委員会における評価結果に基づいて目標値を算出したものであり、適切な方法であるという回答をしております。

 長くなりましたけれども、私からの説明は以上でございます。

 

○大垣部会長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明につきまして御質問、御意見ありましたら、御発言お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 御発言、特にないでしょうか。よろしいですか。説明が完璧だった。

 どうぞ。

 

○那須委員

 1つお聞きしたいのですけれども、パブリックコメントのところで意見として、14ページですけれども、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸のことが出ていますけれども、これに対して、本委員会ではどのように回答されるのでしょうか。

 

○大垣部会長

14ページの意見の1ですね。

 

○東水道水質管理官

 この御意見に対する考え方は、その右の欄に載せております。

 

○那須委員

 これは、多分IARCで発がん性の見直しをして2Bにグルーピングされたということで、少し強化されていくのかどうか。こういうものが水道水に検出されていいものかどうかということを聞いている。なるべく検出されないようにしてほしいということを言っているのだと思いますけれども、これに対してどういうふうに回答される予定でしょうか。

 

○東水道水質管理官

2,4-Dに限らず、基本的にはADIが食品安全委員会のほうで出されますので、それをもとに計算したものを評価値とするという考え方で出させていただくということでございます。

 

○那須委員

 わかりました。現時点ではそれしかないと思うのですけれども、私もちょっとびっくりしたのですけれども、2,4-D、前に使われたものがまだ残留しているのだろうと思うのですけれども、検出率が低くなっていくのか、あるいは変わらないのか、その辺、ちょっとわかりましたら教えてください。

 

○東水道水質管理官

 それは、上水とか原水中の検出率の傾向についてということでしょうか。今、データは手元にはございませんけれども、基本的に上水にはほとんど出てきていない状況でございます。

 

○那須委員

 ありがとうございました。

 

○大垣部会長

 よろしいでしょうか。

 ほかにいかがでしょうか。ないようでしたら、資料2について了承いただいたということで御了解いただけますか。

(「異議なし」と声あり)

○大垣部会長

 ありがとうございます。

 それでは、次の議題2ですが、「水道の現状と水道法の見直しについて」であります。

 事務局から説明をお願いいたします。

 

○是澤水道課長

 それでは、資料3に基づきまして御説明させていただきます。冒頭、宇都宮審議官からもお話し申し上げましたけれども、残念ながら、昨年、通常国会に提出いたしました水道法の改正案が廃案となりまして、その再提出のための準備を進めているという状況でございます。背景等も含めまして、最新の数字等も含めて御説明させていただきます。各スライドの下に数字が振ってあります。その番号で御説明させていただきます。

 水道を取り巻く状況について全体像を整理しております。老朽化の進行、耐震化の遅れ、そのような中で、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱なままである、また、計画的な更新のための備えも不足しているということで、水道の基盤強化を図ることが必要である。

 あわせて、指定給水装置工事事業者につきましても、所在確認がとれていない事業者の排除、あるいは無届工事や不良工事の解消も課題という認識でございます。

 ちょっと飛ばしていただきまして、参考資料と書いてある9枚目以降のスライドで詳しい状況について御確認いただけたらと思います。

10枚目のスライド、水道の普及率と投資額の推移を御説明しております。御承知のとおり、高度経済成長期に水道の普及率が急激に上昇しておりまして、その時代に投資した水道の資産、施設の更新時期が到来しているという状況でございます。浄水施設、配水施設、それぞれ整備のピークは若干異なりますけれども、特に配水施設で言いますと、高度経済成長期よりも後の平成5年ごろからの整備のピーク期に整備されたものも多いという特徴がございます。

 めくっていただきまして、11枚目のスライドでございますが、管路の老朽化の現状と課題ということでございます。管路の経年化率、法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示しておりますが、26年から27年にかけましても1.5ポイントほど上昇しているという状況でございます。もちろん、法定耐用年数と実際の耐用年数、どこまで使えるかというあたりは若干ギャップがございますので、この数字がそのまま不適切なといいましょうか、使用に耐えない管路の割合だというわけではないかと思いますけれども、確実に老朽化が進行していって、この更新が待ったなしになってきているという状況だと認識しております。

 右の方のグラフでは、管路更新が進んでいない状況、年間で管路の更新率が0.74%程度という状況、依然として低いレベルでとどまっているというグラフを御紹介しております。

12枚目のスライドでございますが、水道施設における耐震化の状況でございます。管路の状況について申し上げますと、27年から28年にかけて1.5ポイントの上昇ということでございますが、依然として40%に満たないところでございます。

 また、浄水施設につきましては、施設の停止をしないで耐震化を進めることが難しいような事情もございまして、27.9%にとどまっているところでございます。

 配水池は、浄水施設や基幹管路と比べると耐震化が進んでおりますが、それでも今、53.3%という状況でございます。

13枚目のスライドでございますが、水道事業者の状況ということで、特に簡易水道を中心に統合を進めてきた結果、27年度では5,629事業に減少してきております。また、上水道事業は1,381という状況でございます。

14枚目、水道事業の職員数でございますが、これも以前から紹介している内容でございますけれども、ピーク時と比べますと3割程度減少してきていると。

 下に表がございますけれども、特に規模の小さな事業体においては、平均職員数が10人に満たないようなところも多数ございまして、このあたりの体制の強化が求められる状況でございます。

 めくっていただきまして、15枚目のスライドをご覧いただければと思いますが、水道事業者の施設データの整理状況でございます。水道施設のデータを整理している、台帳を整備している水道事業者は、全体でいきますと6割強でございます

 上水道、簡易水道の内訳も右の図で示しておりますが、簡易水道になりますと、概ね整理している、整理しているというところが5割強でございまして、このあたり、きちんと整備を求めていくことが重要と考えております。

 また、施設の点検の実施状況でございます。日常的な点検の実施率について申し上げますと、管路で4割程度、コンクリート構造物で6割程度、機械・電気・計装関係で88%という状況でございます。

17枚目のスライドには、アセットマネジメントの実施状況を御紹介しております。資産管理をきちんとしていく上で大変重要な取り組みということで、厚生労働省としても簡易支援ツールを作成するなどして、全国の水道事業者に取り組みを求めているところでございます。平成24年度で29.4%という数字であったものが、28年度では73.5%と、毎年着実に上昇してきておりますが、これをきちんと100%に持っていくことが重要かと考えております。

18枚目のスライド、水道事業の経営状況について御紹介しております。料金回収率、これは供給単価を給水原価で割ったものですから、100%を超えていないと原価割れをしている状況になるわけでございますが、そのような水道事業が全体の3分の1ほどあるということでございます。

 また、累積欠損金の比率で申し上げますと、政令都市を除きますと、ほぼ全ての規模のカテゴリーの事業者で累積欠損金が発生しているという状況でございます。

19枚目のスライドは、水道料金制度に関する実態調査ということで、これは昨年7月に厚労省と総務省共同で調査した結果でございます。定期的な料金の見直しが必要であることは改めて御説明するまでもございませんけれども、そういう料金改定の必要性の定期的な検証をしていますかという問いに対しまして、検証しているという回答が36%であったということでございます。

 また、3番目に書いてございます、事業に係る収支の見通しの作成ということにつきましても、作成していないという回答の事業体が3分の1強ございます。このあたり、改善に向けて取り組んでいかなければならないと思っております。

 続きまして、広域連携の検討状況でございます。こちらにつきましても、総務省と共同で都道府県を中心として広域連携の検討を進めてほしいということで要請しております。そのような中で、現状では34の道府県で協議会の組織が設置されておりまして、また、協議会までは至っておりませんけれども、広域連携に関する検討体制というものを、東京都を除いて、ほぼ整備していただいている状況でございます。

 その中で、広域連携の事例、あるいは検討の事例を21枚目、22枚目のスライドで御紹介しております。

 まず、香川県の広域連携の検討状況でございますが、香川県では、2610月から香川県と県内の16市町で広域化に向けての方針が基本了承されて、さらに、その具体的な詰めの検討が進められていたわけでございますけれども、304月、県と16市町で構成する企業団を設立して、水道事業を開始する予定ということでございます。県の一番北にあります直島町につきましては、実は岡山県の近くにありまして、岡山県から海底送水管で送水を受けている町が1町あるわけですが、そこを除く全ての県内の市町村を一つの水道として経営していこうという取り組みが4月から始まる予定でございます。

 その統合により期待される効果ということで試算されておりますのが、その下の1、2、3でございます。

 単独で経営していくよりも、今後の水道料金の値上げ幅を抑制することができるということで、合意に至ったということでございます。

 更新事業費につきましても、およそ950億円の減額が見込まれる。

 また、香川県は非常に水の厳しい地域でございます。水源の再編あるいは一元的管理によって、水融通を効率化するということも効果として期待されております。

22枚目のスライド、奈良県の広域連携の検討状況でございます。これは、県内をいくつかのエリアに分けて、どのような水道のあり方が望ましいかという議論をされている状況の御紹介でございます。

 3つに分けてございますが、1つ目は、県営水道、奈良県の場合、用水供給事業がございますので、それを軸として垂直連携を図って水道の一元化をしていくということを進めていったらどうかというエリア。

 それから、黄色い部分でございますけれども、五條市と吉野3町ということでございますが、ここは県営水道のエリアから外れるわけですけれども、1市3町で、水平連携、広域化していくべきではないか。

 一方で、緑のエリア、簡易水道エリアと書いてございます。奈良県内も、南部の方に行きますと非常に険しい紀伊山地の中の町等ございまして、事業そのものを統合していくことは難しい。また、経営的にも非常に厳しい環境にあるエリアがございます。そういったところでは、管理の受け皿を一元化して、水道としての基盤を強化して対応していったらどうかといった形で議論を今、進められているということでございます。

 めくっていただきまして、23枚目、水道事業における官民連携手法と取組状況ということで、官民連携の進捗状況について御紹介しております。

 一般的な業務委託については、以前から相当実施されているものでございますけれども、厚労省で調査したところ、1,589カ所程度の実績があるということでございます。

 また、水道法に基づく第三者委託の制度、水道法の技術的な業務について、法律上の責任も含めて委託する制度でございますが、それも民間事業者に対するものが142カ所。また、同じ地方公営企業である水道事業者への第三者委託という実施事例も15カ所ございます。

 あと、DBO、資金調達は水道事業者のほうで実施しますけれども、施設の設計・建設・運転管理などを包括的に委託する方式で実施しているものが6カ所。

PFI、民間事業者の資金・ノウハウを活用して包括的に実施するものが12カ所でございます。

 ただ、今、民間の自由度を活用して効率的な経営を目指していこうという趣旨のコンセッション方式の事例につきましては、まだ実施事例がないという状況でございます。宮城県、大阪市、奈良市といったところで、今いろいろな議論が進められているということで承知しております。

24枚目のスライドは、今のPFI、コンセッション利用等の方式につきまして説明した資料でございます。

 現状の御紹介を終えまして、元の法律のスライドに戻りたいと思います。3枚目のスライドは、これも1年ほど前になりますが、滝沢委員に委員長をお願いいたしまして、取りまとめいただいた専門委員会の報告書の御説明でございます。

 それを踏まえまして、4枚目のスライドにございますとおり、水道法の一部を改正する法律案を作成し、先の通常国会に提出させていただいたものということでございます。同じ内容で再提出を今、目指しております。

 改正の概要、全部で5点ほどございます。関係者の責務の明確化、広域連携の推進、適切な資産管理の推進、官民連携の推進、指定給水装置工事事業者制度の改善ということでございます。

 5ページ目に、最初に水道事業の基盤強化、広域連携の推進ということで、関係者の責務の明確化と広域連携の推進に関する改正案の内容を御紹介しております。

 まず、法律の目的につきましては、「水道の計画的な整備」とある文言を「水道の基盤の強化」に変更する。その上で、国、都道府県、市町村、水道事業者等に対しまして、それぞれ責務を規定し、特に都道府県には、水道事業者等の広域的な連携の推進役としての責務を規定する予定でございます。

 その上で、国は、水道の基盤を強化するための基本方針を定める。

 そして、都道府県は、この基本方針に基づきまして、水道の基盤強化の必要があると認めるときには、関係市町村や水道事業者等の同意を得て、水道基盤強化計画を定めることができるとしております。

 そのための検討組織として、広域的連携等推進協議会を設置できる。このような内容になってございます。

 2番目、適切な資産管理の推進の関係でございます。右の改正案を見ていただけたらと思います。先ほどもごらんいただきましたけれども、点検を含む施設の維持・修繕の義務付け、あるいは台帳の整備の義務付け。これがまだ十分できていないところがございますので、法律に基づいてきちんと義務付けをしたいということでございます。

 それから、下のですけれども、水道事業者は、長期的な観点から、水道施設の計画的な更新に努めなければならない。また、そのために、水道施設の更新に要する費用を含む収支の見通しを作成して公表するよう努めなければならないという規定を置きたいと考えております。

 7枚目のスライドは、官民連携の推進でございます。特に、コンセッション方式を念頭に置きまして、新たな制度を提案したいと考えております。その中では、改正案になりますけれども、まず、市町村が水道事業を経営するという原則は維持するということでございます。

 その上で、水道の基盤の強化のための官民連携というのは、一つの方策として有効と考えておりまして、多様な官民連携の選択肢を広げるという観点で、地方公共団体が、水道事業者としての位置づけは維持したままで、水道施設の運営権を民間事業者に設定できる。そのような方式を創設したいというものでございます。

 具体的には、実際、実施する場合には、まずPFI法に基づきまして議会承認等の手続を経て、実施方針の条例の作成であるとか、実際に担い手となる民間事業者の選定の手続をしていただく必要があるわけですけれども、それに加えまして、水道法に基づいて、厚生労働大臣の許可を受けることによって、民間事業者に施設の運営権を設定できる。このような制度を設けたいと考えております。

 それから、4点目、指定給水装置工事事業者制度の改善ということでございます。この制度、御承知かと思いますが、平成8年に全国一律の指定基準を設けるということで創設されたものでございまして、その結果、当時、2万5,000ぐらいの事業者数であったものが、平成27年には23万業者に増加しているということでございます。そのような中で、所在のつかめない事業者が出てきたり、無届工事あるいは不要工事といったものも少なからず報告されているということで、それらに対応するために、改正案でございますけれども、指定給水装置工事事業者の指定の5年単位での更新制を導入するということを考えております。

 以上、長くなりましたが、最近の水道の現状と水道法の改正案の概要につきまして御説明させていただきました。

 

○大垣部会長

 ありがとうございました。

 引き続いて、資料4の説明をお願いします。

 

○川崎水道課長補佐

 資料4「平成30年度水道関係予算案について」の、下のスライドですが、平成30年度水道施設整備関係予算案、Bの欄ですが、括弧書きは29年度補正予算と合わせた数字で計上しておりますが、総額では746億円となっております。当初予算ベースでいきますと442億円ということになっております。こちらに関しましては、災害復旧費等も含めた数字でございますので、これを除きますと、30年度当初予算は375億円、平成29年度の補正予算と合わせますと675億円という数字になってございます。

 次のページで、上の方にこれまでの水道施設整備費の予算額の推移というグラフがございます。29年度の補正予算につきましては、補正予算全体の規模が小さかったということで、その中でも300億円は確保させていただきまして、先の国会で成立したところでございます。水道施設整備費全体としては、80億円の減となっておりますが、グラフの右側に公共、非公共という区分けがございます。29年度当初予算と28年度補正予算は総額で755億円ありましたが、非公共と言われる耐震化交付金と公共事業いわれる水道水源開発施設整備費でございますが、公共事業費の比率が高かったということで、使い勝手が悪かったとのお声を頂いておりました。

 今回、平成30年度につきましては、補正とあわせての話ですが、非公共枠、耐震化交付金等が含まれている方の予算を大きく確保いたしまして、より自治体が使いやすい予算という形になってございます。

 その下のスライドでございますが、水道施設整備費の事業概要ということで、まず1番目、水道施設整備費補助、いわゆる公共枠という予算でございます。こちらにつきましては、対前年度10億円減の176億円を計上しているところでございます。

 2番目の生活基盤耐震化等交付金は、厳しい財政事情の中で30億円の増ということで199億円を確保したところでございます。

 中央のところに参考として平成29年度の補正予算額、こちらは災害に強い施設の整備ということで、公共枠が52億円、非公共枠で248億円のトータル300億円を確保したところでございます。

 そのほか、東日本大震災関係の災害復旧の支援に対する経費として、復興庁一括計上でございますが、こちらは前年の108億円に対しまして64億円と、大幅に減っておりますが、計画的に復旧が進んでいるということで、必要額を計上したところでございます。

 予算の関係は、以上でございます。

 

○大垣部会長

 御苦労さまでした。ありがとうございます。

 それでは、ただいまの資料3、資料4について御質問等ございましたら、お願いします。多岐にわたっていましたけれども、いかがでございましょうか。

 どうぞ。

 

○西村委員

 御説明があった4番の指定給水装置工事事業者制度の更新についてですけれども、更新を5年ごとにするというのは賛成ですが、この際に給水装置工事主任技術者の方に、5年ごとに更新する際に新しい情報の提供とか、最近はウエブ上で簡単にできるので、e-ラーニングのような形で技術的にちゃんと保たれているかどうかというのをQ&Aクエスチョンにして簡単に答える。負担にならない程度にそういうことをするというのはどうなのでしょうか。更新のときにお考えに入っていらっしゃるのか、教えていただければと思います。

 

○是澤水道課長

 御意見ありがとうございます。

 御指摘のとおり、5年の更新の際にきちんと給水装置の主任工事技術者がいるということの確認が必要ですし、またその工事事業者自体が必要な技能をちゃんと確保していることの確認も必要だと考えております。

 そのために、どういうチェックをするか、審査をするかというのは、基本的には各水道事業者の裁量に委ねるところではございますけれども、おっしゃられたようなe-ラーニングでありますとか、あるいはいろいろな資格制度といいましょうか、講習会の制度とか、いろいろなものを設けてやっておられますので、きちんと確認して、必要な技術力を確保した方、最新の情報をきちんと修得された方が指定工事店として更新・登録されるような仕組みを運用していきたいと思っております。

 

○西村委員

 わかりました。どうもありがとうございました。

 

○大垣部会長

 では、藤野委員。

 

○藤野委員

 主婦連合会・藤野でございます。御説明ありがとうございました。

 昨年度、水道事業の維持・向上に関する専門委員会に出させていただきまして、なかなか国会を通らないというか、審議していただけないことは忸怩たる思いがございますが、そのときに松江市上下水道局長の委員から、水道のことを知ることはまちづくりだということを教えていただきました。私たち、皆、消費者でございますし、皆、水道を使っております。国会を通るか通らないかは別として、現状を知らせて、自分たちの生活を考えるのに水道のことが大事だということを、もっと一般の方が知ることにしていただきたいのですね。

 今回、この料金制度に関する実態調査等で、昨年、調査していただいた内容なども教えていただきまして、また広域連携が各県で見直されているという状態もわかってきて、自分たちの目にあまり触れないところでは少しずつ進んでいるのではないかと思うのですが、料金のことなど、消費者はみんな反対すると思われていると困るのですけれども、理解すれば、ぜひ自分たちのまちを良くしたいという思いで進んでいくのではないかと思います。

 この調査をしていただいた中で、この間の松江の例のように、料金を見直しながらまちを考えたり、それならこうやっていこうという、良い取り組みなども見つけておいででしたら、そういう例を教えていただいたり、私どもだけではなく、ぜひ広く全国に知らせていただきたいと思うのですが、そのあたりの状況を教えていただけないでしょうか。

 

○是澤水道課長

 御質問ありがとうございます。

 御指摘のとおりでございまして、全国の水道事業体、いろいろなところがございます。もちろん、住民の方への説明とか料金の見直しの考え方とか、なかなかうまくできていないところもございますけれども、一方で、着実にそういう取り組みを実施されて、住民の方の御理解も得て、将来の見通しをきちんと踏まえた料金設定をされたという事例もございます。そういう、まさにグッドプラクティスといいますか、優良事例のようなものをいろいろな地域の水道事業者にも横展開を図っていくということが大変重要だと思っております。

 実は、私ども、年間5カ所ぐらいでブロック単位で水道事業者を集めまして、そこでいろいろな広域連携であったり、料金体系であったり、そういった事例、こういうふうにやればうまく進んだ取り組みがありますよという御紹介もして、そういう優良事例が少しでも広がるようにという取り組みをしているところでございます。

 ただ、残念ながら、住民の方をさらに巻き込んだという形での活動は、私ども厚労省としては直接実施できておりませんので、そういう視点で、よりどうやれば、もっと住民の方にうまく伝わるのかというところも含めた優良事例として、さらに展開していけるように、またいろいろな工夫もしてみたいと考えております。

 

○藤野委員

 ありがとうございました。

 私どもも何かできることがあったらと考えておりますし、多分、子供さんへの教育ということが、小学校4年生ぐらいで水道を見に行くような教育が行われていると思いますけれども、そういうのも活用して、ぜひ広く知らせていただけるような方策も考えていただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

 

○大垣部会長

 ありがとうございました。

 ほかには御意見、いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○滝沢委員

 御用意いただいた資料の中にないので、可能であればということですけれども、今年、例年にない寒波が襲来していまして、寒波により凍結・断水というものがかなり広く広がっているということを、我々、新聞、テレビ等のニュースでも断片的には聞いています。これについて、水道課で把握されている情報があれば、御紹介いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

○是澤水道課長

 申しわけありません。資料が今、手元にはないのですけれども、御指摘のとおり、1月下旬の寒波では、新潟県の佐渡でありますとか、北陸、能登半島でありますとか、そういった地域で凍結、給水管の破損によります断水が生じました。また、2月に入ってからの寒波でも、福井県とか四国の愛媛県などでも同様の被害を受けたという状況でございます。

 そのような中で、私ども、いろいろ情報収集しておりましたのは、例えば佐渡島とか能登半島のような、印象としては寒さへの備えができていると思われる地域で、なぜ断水被害が広がったのかというところをお聞きしておったのですけれども、その中で1つポイントとして挙がっておりましたのは、空き家の問題ということでございます。当然、空き家になっておりますから、日々の備えみたいなものもございませんし、いざ漏水が発生しても、なかなか発見しにくい。

 なおかつ、今回のようなあちこちで漏水が発生していたという中で、どうもこの空き家が怪しいということがわかったとしても、そもそも人が住んでいらっしゃらなくて、雪が積もっていますので、メーターのある場所がわからなくて、止水栓がある場所もわからなくて、止めるのに非常に苦労するというお話を伺ったところでございます。

 空き家には注意が必要だよということは、これまでの経験の中でも実はわかっていたところでございまして、年末に冬、本格化を迎える前に、水道事業者は注意してください、あるいは住民への注意喚起をお願いしたいと、厚労省から対策をお願いした事務連絡の中でもそういったことは触れてはいたのですけれども、なかなか行き届きにくい。そういった中で非常に厳しい寒波が来て、今回、断水が広がってしまったという状況かなと認識しています。

 いろいろな経験をしまして、問題点なども再認識したようなところがございますので、取りまとめて、また今後の対応に生かせるようにしていきたいと考えております。

 

○滝沢委員

 どうもありがとうございました。

 

○大垣部会長

 人口減少・高齢化という構造的な変化に異常気象が重なって起きている事象でもあるわけですね。メーターになりますと、新しいスマートメーターとか、いろいろな技術が開発されていて、そういうものへの配慮というか、今後、社会全体の構造をどういうふうにつくっていくかというのは重要な課題かなと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、大変貴重な御意見をありがとうございました。今の御意見を受けて、事務局で引き続き、法整備等に必要な対応について取り組んでいただければと思います。

 それでは、議題3「その他」がございますが、事務局から何かありますか。

 

○東水道水質管理官

 特にありません。

 

○大垣部会長

 少々早いですが、以上で予定していた議題は終了いたしました。

 全体を通して、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。

 それでは、皆様からないようですので、事務局にお返ししたいと思います。よろしくお願いします。

 

○東水道水質管理官

 きょうは御審議いただきまして、ありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、皆様に御確認いただいた上で公開することとさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

 

○大垣部会長

 それでは、本日の部会はこれで終わりにいたします。

 どうもありがとうございました。


(了)

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