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2017年10月27日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全企画課

○日時

平成29年10月27日(金)14:00~16:30


○場所

中央合同庁舎5号館(厚生労働省)17階 専用第21会議室


○出席者

食品衛生分科会員(敬称略)

村田 勝敬 倉根 一郎 穐山 浩 阿部 圭一
安藤 言枝 井澤 照介 浦郷 由季 大前 和幸
苅田 香苗 川西 徹 栗山 真理子 財前 孝亮
西内 岳 二村 睦子 松本 吉郎 毛利 資郎
横田 明美 若林 敬二

事務局(10月27日時点)

宇都宮 啓 (生活衛生・食品安全審議官) 吉永 和生 (大臣官房審議官)
大西 友弘 (生活衛生・食品安全企画課長) 関野 秀人 (食品基準審査課長)
道野 英司 (食品監視安全課長) 森田 剛史 (食品基準審査課新開発食品保健対策室長、食品監視安全課食中毒被害情報管理室長)
黒羽 真吾 (食品基準審査課残留農薬等基準審査室長) 梅田 浩史 (食品監視安全課輸入食品安全対策室長)
蟹江 誠 (食品監視安全課HACCP企画推進室長) 一戸 和成 (生活衛生・食品安全企画課長補佐)

○議題

(1)食品衛生規制の見直しについて
(2)審議事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
・農薬等の告示試験法の設定について
・分析部位の変更について
(3)報告事項
・食品中の農薬等の残留基準の設定について
(4)文書による報告事項等
(5)その他の報告事項

○議事



○一戸補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催いたします。

 最初に、分科会委員の出席状況を御報告いたします。本日は、五十君委員、大澤委員、寺本委員、中村委員から御欠席との連絡をいただいております。現在の分科会委員総数22名のうち、川西先生はおくれられておりますけれども、現時点で17名の御出席をいただいておりまして、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。また、倉根委員及び松本委員は途中退席させていただきます。

 本日の議題につきましては、お手元の議事次第にございますように、食品衛生規制の見直しについて御議論いただき、続いて、食品中の農薬等の残留基準の設定について、農薬等の告示試験法の設定について、分析部位の変更について御審議いただき、その後何点か事務局から御報告を申し上げます。

 本日の審議事項に関して、食品衛生分科会審議参加規程に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、食品中の農薬等の残留基準の設定についてのフロメトキンに関して、井澤委員から申告がございましたので、井澤委員におかれましては、食品中の農薬等の残留基準の設定についてのフロメトキンの審議・議決に当たりましては、会場から御退室いただくこととなります。

 続いて、委員の皆様に事前にお伝えしておりますが、審議会等のペーパーレス化の取り組みといたしまして、本日の資料はタブレットを操作してごらんいただくこととなります。これからお手元の資料、タブレット操作説明書をごらんいただきながら、タブレットでの資料の説明方法及び資料のめくり方などを説明させていただきます。

 タブレット操作説明書の3ページをごらんください。まず、タブレットでの資料の確認方法でございますが、画面上部に資料名が書かれたタブがございます。この資料名の真ん中部分を触れることで資料を切りかえることができます。

 次に資料のめくり方ですが、2つのやり方がございます。タブレット操作説明書の4ページをごらんください。1つ目は、指もしくはスタイラスペンをタブレット画面に当てながら上に動かしていただくことでページを下げる方法でございます。スライドさせていただくということです。2つ目は、ページ番号を指定してページをめくる方法でございます。これについてはタブレット操作説明書の6ページをごらんいただきたいと思います。タブレット画面の上部にございますページ番号を指もしくはペンで押していただきますと、キーボードが表示されます。数字のキーボードを表示した上で、移りたいページ番号を入力し、リターンキーを2回押していただくと、見たいページに飛ぶことができます。

 タブレット操作の説明は以上となりますけれども、操作等で御不明な点がございましたら、事務局がサポートいたしますのでお申しつけください。

 タブレットのタブでございますけれども、1に議事次第、2に資料1~5がございます。参考資料は3~5でございますが、そのうち4につきましては、データ容量が大きいため2分割して4(1) 、4(2)としておりますので、御留意いただきますようお願いいたします。

 続いて、配付物を確認させていただきます。議事次第、座席表、委員名簿、タブレット、タブレット操作説明書、黄緑色のファイルで食品衛生規制の見直しに関する参考資料を配付させていただいております。配付物に不足等がございましたら、事務局まで申しつけください。よろしいでしょうか。

 以後の進行につきましては、村田分科会長にお願いいたします。それでは、よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 御多忙の中、お集まりくださりありがとうございます。

 今日、我が国では社内そんたくが横行し、その結果、品質管理の面で日本製品の信頼性、安全性が低下しているのではと国際社会の中でささやかれております。これは単に金属メーカーや自動車メーカーという限られた業種の問題ではなく、疲弊した日本経済全体の問題であるかもしれません。我々がかかわっております医・食についても絶えず監視していないと、第2の森永ヒ素ミルク、カネミ油症事件の発生を生むかもしれません。本日の議題の1つ、食品衛生規制の見直しも、経済の再活性を図る日本の中で人々の襟を正す一方法と考え、御議論いただければと思います。

 さて、本日も議題が盛りだくさんですので、会議の円滑な進行について御協力をお願いいたします。

 それでは、まず「食品衛生規制の見直しについて」を事務局から御説明願います。

○大西課長 生活衛生・食品安全企画課長から御説明します。

 お手元の資料1「『食品衛生規制の見直しについて』に関する資料」を御覧いただきますと、「これまでの主な指摘事項等」が3ページ目以降にございます。こちらは、食品衛生法改正懇談会が9月14日以来4回にわたり開催されていますが、その懇談会の中で指摘された事項、あるいは事務局側から課題として提示した事項等をあわせて整理し、これまでの審議の成果をまとめたものです。この資料に沿って御説明申し上げます。

 まず「1.食中毒対策について」でございますけれども、点線の枠囲み部分は懇談会での指摘事項です。ノロウイルスやカンピロバクターについて定量的なリスク評価が重要であるという指摘、生産段階との連携、都道府県の横の連携、感染症対策との連携が必要であるという指摘、食中毒統計については、実際の食中毒リスクは数字に表れていない部分があることについて国民の理解を深めることが重要との指摘等がありました。

 「2.農薬について」ですが、農薬等の暫定基準について本基準への移行促進が必要との指摘がありました。

 「3.添加物について」ですが、既存添加物の安全性確認評価を早急に行うべきという指摘や、指定添加物の再評価についても検討を行うべきという指摘がありました。

 「4.遺伝子組換え食品について」ですが、新技術であるゲノム編集については、早期の段階でリスクコミュニケーションについて慎重に検討すべきとの指摘がありました。

 「5.いわゆる健康食品について」ですが、様々な形状の食品が出る可能性があるため、形状の枠だけに囚われないことが重要である一方で、対策の実効性という観点からは、何かしら枠を設定することが必要であり、どういった点が問題なのかということを整理しながら、規制の強化に当たって規制の目的と手段の均衡を図る必要があるといった指摘がありました。

 また、EUNobel foodの制度を参照してはどうかという指摘や、健康食品の製造管理については現在、通知に基づいているが、より実効性のある仕組みにすべきとの指摘がありました。食品衛生法第7条で食品の暫定流通禁止措置に関する規定がありますが、より柔軟かつ機動的に運用してはどうかという指摘がありました。また、適切な規制に活用するために製造事業者の把握等や情報収集が重要との指摘がありました。さらに、リスクコミュニケーションに関する指摘もありました。

 「6.食品中の汚染物質等について」は、特に懇談会では指摘がありませんでしたけれども、資料に記載のような点を課題としてあげています。

 「7.BSEについて」も、特に指摘はありませんでした。

 「8.野生鳥獣肉の衛生管理について」は、特に牛や豚などの一般の食肉と比較してリスクがどれだけ高いかといったことについて、より具体性を持った情報をもって周知する必要があるとの指摘がありました。

 「9.リスクコミュニケーションについて」ですが、情報発信の内容について、よりわかりやすくするべきという指摘、関係事業者への周知などについての指摘がありました。鶏肉などの生食のリスク、ジビエ、あるいはBSEなどについても、特に言及がありました。また、リスクコミュニケーションの一環として、インターネット等に出回っている情報の収集にも配慮すべきという指摘や、リスクコミュニケーターの人材育成についても指摘がありました。

 「10.監視指導について」ですが、自治体での人材不足に対応すべきという指摘がありました。

 「11.登録検査機関について」は、特に指摘がありませんでした。

 「12.輸入について」ですが、厚生労働省の輸入食品監視指導計画については、中長期的な視点が重要との指摘がありました。

 「13.輸出について」は、特に指摘がありませんでした。

 「14HACCPの制度化について」ですが、許可業種の見直しとの関連性に留意するべきとの指摘や、食品衛生推進員の積極的な活用、事業者の意欲を引き出す仕組みについて検討すべきとの指摘がありました。

 「15.営業届出の創設及び許可制度の見直しについて」ですが、HACCPによる衛生管理の制度化を踏まえて、全ての食品等事業者を対象とする仕組みを構築していくということでが、その際、食中毒リスクに応じたものにするなどの一定の判断基準を設けて、許可の対象事業者を見直すということと、営業届出制度を創設して、実態に応じたわかりやすい仕組みを構築する必要があるということ、業種の区分については可能な限り大くくりでまとめて整理すべきとの指摘がありました。

 また、許可業種の見直しに当たっては、自治体や事業者への影響に配慮するなどの観点から、システムの構築に留意する必要がある等の指摘がありました。

 「16.器具・容器包装について」は、特に指摘はありませんでした

 「17.食品リコールについて」ですが、リコール報告対象の範囲や判断基準などを明確にする必要があるとの指摘や、健康被害があっても回収に至っていないような製品も含めて情報提供することを検討すべきとの指摘がありました。また、消費者庁の所管する食品表示法違反によって回収する場合も、このリコール報告の対象にすべきという指摘や、報告された回収情報を国民にわかりやすく周知するべきとの指摘がありました。

 「18.その他について」ですが、農薬等の試験法、基準を超過した食品の廃棄の問題、15年改正を踏まえた現状と課題の整理という点について指摘がありました。

 これまでに懇談会では以上のような御議論をいただきました。11月8日に次の懇談会を開催する予定ですが、その際、これまでの指摘を踏まえて議論の取りまとめをしていきたいと考えています。事務局からの説明は以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございました。

 何か御意見、御質問を承るところでございますが、松本委員が途中退室予定と伺っておりますので、まずは御発言いただければと思います。

○松本委員 日本医師会の松本でございます。わがままを申しまして大変申しわけございませんけれども、私の出席する会が重なりまして、先に発言をさせていただきます。

 資料1の5ページ目、いわゆる健康食品につきまして、発言させていただきます。

 日本医師会は、健康食品に関しましては、国民の健康を守るという医師の団体として強い問題意識を持っております。実際に独自に会員から健康被害情報を収集・分析したり、病院・診療所の待合室に張って患者さんに啓発するポスターを配布するなどの具体的な活動も続けております。消費者庁や国民生活センターとも協力しており、8月には健康食品による薬物性肝障害につきまして、本会からの取り組みの紹介も加えて、国民生活センターから注意喚起が行われております。

 この健康食品の問題でございますけれども、食品そのものの害と、販売のための間違った健康情報の氾濫による害に二分されると思います。食品そのものの害は成分による害と食品の製造過程による害であって、これは厚労省でしっかりと対応してほしいと思っております。見過ごせないのは、販売のための間違った健康情報の氾濫であると思います。皆さんもテレビでごらんになっているとおり、エビデンスもなくイメージであたかもいろいろな、目とか、肩とか、あるいは肥満、美容等に効くかのような健康食品の宣伝ばかりで、これは標準医療へのアクセスを阻害しているように思います。こちらは消費者庁マターかもしれませんけれども、間違った健康情報が氾濫しないように、国として縦割りにならずに足並みをそろえた一体的な対応を行うことをお願いしたいと思います。

 その国の対応ですけれども、健康食品による被害に国が対応する場合には、医師会も積極的に協力したいと思っておりますが、食中毒のような届出義務化といったことは、よいアイデアとは思えません。健康食品につきましては、例えば国が全国のかかりつけ医に依頼して定点調査を行うのはどうかと思います。各県で皮膚科医1名と内科医1名、全国で100名ぐらいに協力してもらうことで一定の成果が出せないだろうかと提案させていただきます。

 国の似たような取り組みとしましては、昭和54年から家庭用品に係る健康被害病院モニター報告制度が既に行われ、毎年報告書が出されています。日本医師会で被害症例を実際に検討してわかるのは、因果関係を判断することは非常に難しいということと、製造企業からの訴訟リスクがあることでございます。そのために、仮に定点調査制度がつくられたときには、疑い例も積極的に出してもらうとともに、協力医師がこうむる訴訟リスクも配慮していただければと思います。

 最後に一言、ヘルスリテラシーの向上についてでございますけれども、国民のヘルスリテラシー向上と医療情報に関しては、例えばアメリカでは国立医学図書館が「MedlinePlus」というサイトをつくり、イギリスではNHSが「NHS Choices」といったサイトをつくって、アクセス数が非常に多いとのことでございます。日本でも国民にわかりやすく、SEO対策もしっかりと行ってから、検索からのアクセスもしやすいような日本語の医療情報ポータルを国が予算をとってつくっていくことが必要ではないかと考えております。

 以上でございます。ありがとうございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 ただいま松本委員から、特に健康食品に力点を置かれましてお話がありました。これに限らず、いろいろ意見を伺いたいのですが、何か事務局のほうで今の御意見に対して御返答はありますか。

○大西課長 特にございません。

○村田分科会長 わかりました。

 それでは、それ以外の御意見をぜひこの場でお話しいただければと思います。

 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 健康食品に「いわゆる」とつけていただいたことには、それなりに意味があると感じております。

 前は厚労省だったのですけれども、今は消費者庁に移っている特保などの委員をしばらくさせていただいておりました。先ほど松本委員がおっしゃったことの最初のほうの、何と言えば適切なのかよくわからないのですが、そういうものに関する私たちが見るテレビの宣伝とか、それそのものを正しく理解するためのものではない表現を使っているものが多々あるので、そういうものが検討されて、消費者に間違った消費行動をとらせないようになってくれるように願っております。

 やはり一番心配なのは、それを摂取していることによって、そのことが宣伝によって間違ったように摂取している人にとられる。医療へのアクセスがおくれることが大きな被害というか、大きな危険性があると思いますので、しっかりと御検討いただきたいと思います。こういう動きが出てきたことをとても喜んでおります。これが実効性と実のあるものになっていくように願っております。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 そのほか御意見ございませんでしょうか。

 倉根委員、どうぞ。

○倉根分科会長代理 「8.野生鳥獣肉の衛生管理について」というところがあります。恐らくこの衛生管理のかなりの部分は病原体ということが入ってくるのだろうと思いますが、四角の中に、確かに牛や豚などの一般の食品と比較してリスクがどれだけ高いのか、具体性を持った情報をということの、どの病原体を対象にするかによってかなり難しい話になってくるのだろうと思うのです。

 もう一つは、どういう調理法をすると安全であると言われても、何に対して安全であるかという、少し個別的に病原体ごとに主なものについては考えていかなければならないのだろうし、肉の中心部の温度も実際にどのくらいに上がっているのかということも考えなければいけないだろうし、具体的に示すというのは私も非常に大切だと思うのですが、この言葉だけでやっても実効性といいますか、これを読んだ方がどこまで役に立つものになるのかというのはちょっと疑問に思いましたので、ここで意見を述べたいと思います。ですから、いかに具体性を持たせるかということを十分考えないといけないのではないかと思いました。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 そのほかございませんでしょうか。

 川西委員、どうぞ。

○川西委員 ここの部分は、今すぐ回答を求めるというようなことでは必ずしもない。ただ、きちんと問題意識を持って、世間にも安全なものではないぞということを言って、リスク評価機関等、研究機関もそうでしょうけれども、研究も同時に行って、その後、適切にリスク評価を行っていくにしろ、いずれにしても安全なものではないということはきちんと意識していただくというぐらいの段階で、今ここで何かリスク評価をぴしっと行って、これに対してこういう対策をとればというようなところの段階ではないと思いつつ書き込んでいるところかと私は理解しています。

○倉根分科会長代理 そういうところであれば、将来的には具体的なものに入るのだけれども、理解を求めるための一つの考え方であるということであれば承知しました。

○村田分科会長 そのほかどうでしょうか。

 若林委員、どうぞ。

○若林委員 4ページの添加物のところについて質問させていただきますけれども、点線で囲った2つ目の○の「既存添加物の安全性の確認評価がなされていない」というものですが、この確認事項というのは、既存添加物に関してはin vitroin vivoの再試験をするものですとか、論文上明らかに安全性のあるものですとか、または海外で使っているものですとか、どれをもって確認評価ということになるのでしょうか。

○村田分科会長 どうぞ。

○関野課長 御質問ありがとうございます。この点について、懇談会での御意見ということで書いてあるわけでございますけれども、広く捉えれば、既存添加物の中で、当時、平成8年のときに4区分ぐらいに分けて優先的に点検をしていこうという話になっているわけでございまして、現に点検が終わったものは、最優先で検討するものが残り4つほど、アルミニウムに関係する添加物が残っているということと、その次のステップとして109品目残っているという話をこの懇談会の場でさせていただきました。ですので、まずは当面、念頭にあるのは、そういったものに該当するものを文献等で確認するところから我々は今まで行ってきていますので、それを加速すべきというような御指摘でいただいたと理解しております。

○若林委員 わかりました。どうもありがとうございました。

○村田分科会長 どうでしょうか。

 どうぞ。

○阿部委員 先ほどの松本委員からの提案ということで、健康食品に関する医療情報のポータルのようなものをつくったらどうかという話があったと思うのですけれども、国立健康・栄養研究所では「HF Net」という国が認めたデータベースを準備していまして、約860の健康食品の安全情報あるいは有効性情報を、論文を精査しながらデータベースにしています。これについては国が認めるということで、既にかなりのアクセスがあるという状況がありますので、これをベースに医療情報のポータルというところに拡大するのがいいのかなと。

 ただ、1つ課題としては、健康食品と医薬品との相互作用に関する研究がまだ非常にプアであるということで、先ほどの肝障害等についてはそこが大きな課題だと思いますので、そこのところをどうやっていくか。あるいは一般的なモニター制度で、一般の消費者が何か健康のふぐあいがないのかというところを何らかの形でウオッチングするようなシステムを、消費者庁が一部つくっていると思いますけれども、それ以外にもうちょっと広範に実施することも必要かと考えております。

 とりあえず以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 川西委員、どうぞ。

○川西委員 このあたりのポイントは、もちろん健衛研のサイトのことなども話題に上ったわけなのですけれども、非常に幅広な要望があって、非常にラピッドに起こっていることに関して適切というか、早く情報を流してくれというような意見も出る。ただ、それをすると、本当にその情報は正しいのかとか、なかなか難しい部分があって、健康・栄養研究所のサイトに関してはかなり評価が高いのだけれども、やはりもうちょっと何か欲しいねと。特に早いほうですね。早いほうに関して、もっと消費者に流すような方法がないかということが、私が理解していた結構強い意見かなと思いました。

 だから、なかなかその意見に対して、これから規制側なり、健衛研を含めていろいろ情報を流すほうがどのようにやっていったらいいかというのは、ちょっとまた知恵が必要かなと思って懇談会で聞かせていただきました。

○村田分科会長 阿部委員、どうですか。今のには特に。

○阿部委員 最近ではプエラリアミリフィカの問題があったと思うのですけれども、やはり因果関係を十分に精査するということに関しては、余り軽率に情報を出すことも危険なところがありますので、迅速なというところに関しては、厚労省サイドとして正式に出してしまうとかなりリスキーなところもあるかと思いますので、その辺の出し方に関してはまた御相談させてください。

○村田分科会長 それでは、栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 先生方がいろいろ考えてくださっているところに一言余計なことを言いますけれども、いわゆる一般消費者とか患者側というところから見ると、リスキーはリスキーとわかりつつ、でも、早くなければ意味がないというところがありますので、また一段とお知恵をよろしくお願いいたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 リスクコミュニケーションにつきましては、多分、皆さんのお手元に今期、日本医師会雑誌特別号にちょうどリスクコミュニケーションというのがございましたので、そこを委員の方には全員に配付しております。リスクコミュニケーションについても、しゃくし定規にここにきちんと書いてあるとおりといえばそうなのですけれども、いろいろな見方もあるし、認識の違いもあると思ったので、とりあえずこういう見方もあるということで御提示させていただきました。それらについても、また後でごらんになって、御意見いただければと思います。

 いかがでしょうか。先ほどから健康食品、添加物等々だけですけれども、そのほかございませんでしょうか。

 大前委員、何かありませんか。

○大前委員 特に。

 浦郷委員、どうですか。

○浦郷委員 懇談会のほうでも健康食品についてはたくさんの意見が出てきました。先ほど松本委員がおっしゃったように、健康食品そのものの害というのは厚労省のマターになると思いますので、そちらのほうで法改正なり規制の強化なりを考えていただければと思いますけれども、販売のための間違った情報が氾濫していて、それに消費者が惑わされて、その人に必要ではないものまで取り入れてしまうということもあると思います。こちらの表示の仕方のほうは消費者庁マターなのかなというところもありますけれども、ここのところが本当に省庁の垣根を超えて、そういう対応がどのようにできるのかというのは私はよくわからないです。しかし、やはり健康食品についてはその被害が絶えないというところがありますので、そこのところをきちんと対応していただきたいと思います。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 安藤委員、どうですか。

○安藤委員 許可制度の見直しについてなのですが、こういう形で届出制をつくって、全ての食品を取り扱うところの把握をするということは大変いいことだと思うのですが、今、自治体レベルでいろいろな条例の許可を持っているものの整合性をとるときに、今まで許可が必要だったものに許可が要らなくなってしまったり、今まで何もなかったところに許可が必要になったりする。いろいろ出てくると思うのです。

 やはり保健所と営業者さんは許可ですごく結びついているところがあって、許可業種であったら、許可の切りかえのときの講習会に来ていただいて、いろいろな食品衛生の情報をお渡しすることもできていたので、そういった許可を持っているからこそ衛生の意識が向上したりするという大きな役割を許可が持っているところもあるので、見直しのときはそういう点もよく考えて、いろいろな事情を考えながら見直していただきたいと思っております。

 食中毒が起きてしまうとすごくリスクが高くて、営業者の衛生意識の向上がすごく大切になってきて、だからこそHACCPの自主管理と営業許可を結びつけようというお話も出ていると思うのです。その辺はよく整理していただいて、今よりも食品衛生事業者の意識が低下することがないような形の見直しをお願いしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 どうぞ。

○井澤委員 HACCPと営業許可の関係でございますけれども、HACCPにつきましては、制度を検証する検証機関が必要なのだろうと思いますし、一方で営業許可は許可がなければその検証が始められないという、少しこうした矛盾点がある中で、ぜひその辺のところ、営業許可とHACCPの義務化についてうまく整合性をとっていただければありがたいと思います。

○村田分科会長 倉根委員、どうぞ。

○倉根分科会長代理 8ページ「10.監視指導について」に、「役割を担う自治体では、人員の確保に苦労している現状があるため、人材不足への対応を検討するべきである」ということが述べてあります。恐らく今、どの自治体も、ここにかかわらず人員の確保というのは多くの分野で不足している状況があるのだと思います。もちろん人数の確保ということも一つでありましょうし、その方たちの適切な教育、講習というのか、そこのところもきちんと言ってあげないと、人数だけ持ってくればいいという話ではないのだろうと思います。人数及び適切で十分な教育なり訓練なりということが必要なのではないかと思いました。

 あと、ここでは恐らくこれは言えないといいますか、国全体のところとしてこういうところに書きづらいのかもしれないですけれども、我々が関連するところでも、地方自治体はやはりどうしても人事異動がございますので、訓練を積み、適切になった方がまた違うところに動いてしまうという現実があると思います。それは地方自治体のそれぞれの人事ですので、大きくそこをこういうものに入れるのは難しいのだろうと思いますが、力をつけた、あるいは非常に有能な監視指導の役割をする方については、やはりそこら辺の人事も考えてあげないと、常に人手不足といいますか、適切な方がいないという状況が何年かごとに必ず起こるのではないかと、ここは感じであります。我々の関連の部分からうかがえたものです。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 監視指導についてでございますが、どうですか。横田委員、何かありませんか。

○横田委員 懇談会のほうにも参加している横田でございます。

 今、幾つか許可制度であるとか自治体の現状についてありましたので、少しコメントをしますと、許可制度に関する議論としては、必ずしも規律を弱めるというのではなく、今まで細分化していた規律を合理的に統合していくという方向での議論が多かったように思います。ただ、確かに許可制度の更新制が意識を確保するという視点は非常に重要でありまして、届出制についても、どのような形の届出制にするのかについては議論ができていない状況だというのに今はたと思い至りました。届出制と一言で申しましても、例えば環境法の分野等では、届出をしてから営業を開始できる仕組みとするのか、いろいろなやり方がございますので、その辺も含めて適切なタイムスパンや合理的な行動につながるような制度見直しを要請したいと思います。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 二村委員、どうですか。何かありますか。

○二村委員 ありがとうございます。

 食中毒の対策の強化という点が課題としてあげられていますけれども、同じような原因でありながら、全く離れた地域で食中毒が起きるということはこれからふえてくるかと思います。そういう意味でも、情報の連携ですとか、あるいは現場の食中毒の監視に当たる方々の感度といいましょうか、そういったものが非常に重要になってくると思っています。学校給食の関係であちこちで起きた食中毒が同じ原因だったということもありました。国と地方自治体の役割分担をうまくしながら連携をしっかりするということで、漏れをなくす、野球で言うポテンヒットのようなことにならないカバーのし合いがきちんとできるような仕組みの構築が必要なのだろうと思っています。

 リスクコミュニケーションの部分については、この間も申し上げましたけれども、こちらがリスクコミュニケーションをしようと思って集まってこられる方というのは、ある種、そういう意識があるのですけれども、そうではないところで、ふだん普通に消費者が買い物をしたり、何か情報を得たり、そういうところにいかに適切に情報を発信できるかということが非常に重要になると思います。ここがなかなか難しいところです。医療などと違って、必ずしもニーズがあってコミュニケーションが始まるわけでもないので、ここは仕組みということもありますが、いろいろな研究なり調査が必要なのではないかと思っています。

 以上2点です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 穐山先生、どうぞ。

○穐山委員 先ほど倉根先生からもお話がありましたが、監視指導のところで、我々は国立の研究機関にいますと、地方自治体の衛生研究所の先生の人事異動で、なかなか研究的なことができなくなってきているのが現状であります。基本的には通常の監視の検査であれば問題ないのですけれども、いざ現場で問題が起きたときにすぐ対応できるかというと、やはりある程度研究的な思考でトライしなければいけないところが多々あると思うのです。当然、自然毒とか食中毒もそうですけれども、そういったところはやはり人事異動されてしまうと、そうなった時点でなかなかそういったことができなくなってくるというのが現状だと思います。

 もう一つ、その人材の原資である大学側でも食品衛生の研究がなかなかできていないので、自治体の大学と地方衛生研究所の連携をうまくとりながら、大学で育てながら育成していくということも考えていただければと考えております。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 大体こんなものでしょうか。

 財前委員、何かありますか。

○財前委員 今回、単独では17項目で、その他を入れて18項目の問題提起をされているということでありますけれども、毎回ではなくていいと思うのですが、節目節目で今どのフェーズのどの話になっているのかと。この後、ワーキンググループで具体的なところに入っていくとか、その前のこういう大きい問題提起の共有の場だとか、そういうフェーズを節目に教えていただけると、今どういうことがテーマになっているのか、前の件は解決したのかどうなのか、そういうことを理解しながら進んでいくのではないかと感じました。済みません。感想です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 西内委員は何かございますか。

○西内委員 結構です。

○村田分科会長 毛利委員、どうですか。

○毛利委員 先ほども出ていましたが、食品衛生に係ることのみならず、いろいろなことが国レベルでどんどん進んでいくと、大部分が地方自治体に実務の業務として付加されていくという現象が、食品衛生の分野も含めていろいろ起こってきているように思います。その辺のところをうまく調整するようなシステムが必要なのかと思います。そうでないと、地方自治体の担当者は仕事が増えて疲弊してしまっていくと思います。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 苅田委員、どうですか。

○苅田委員 質問でもよろしいでしょうか。

○村田分科会長 どうぞ。

○苅田委員 ちょっと戻ってしまうのですけれども、いわゆる健康食品の5ページのところなのですが、最後のところの食品衛生法第7条に基づく暫定流通禁止措置というのを近年何かでとられたことがあるのか、そのときも食品安全委員会の評価を受けた上でそういう措置をとられたのか、現状の段階では食品安全委員会を通らなければそういう措置がとれないのかということをお伺いしたいのです。

○村田分科会長 これについては事務局のほうで何か御回答がありますか。

○森田室長 食品衛生法第7条を適用した事例は、平成16年にアマメシバの事例で1例あります。そのときは食品安全委員会に諮問し、薬事・食品衛生審議会の御意見をいただいて、暫定的な禁止措置をとったということです。制度的には、食品安全委員会と薬事・食品衛生審議会の審議が必要になってくるということでございます。

○苅田委員 食品安全委員会を通さないと、今の段階ではすぐには措置がとれないということなのでしょうか。それを解除するというのはなかなか難しい問題。

○村田分科会長 どうぞ。

○大西課長 補足として、お手元の資料に沿って御説明します。緑色のファイルの中にある追加提出資料を御覧ください。

 まず、30ページですが、これが今、御説明しましたアマメシバについて、実際に食品衛生法第7条の規定を適用した事例の詳細になります。もともと台湾などで健康被害が発生していたという実態があり、国内でも鹿児島、名古屋での事例があって、厚生労働省から食品安全委員会に評価を依頼し、アマメシバ粉末の長期摂取と閉塞性細気管支炎との因果関係は否定できないという評価をいただいて、薬事・食品衛生審議会での御審議を経て、販売禁止をしたという経緯がありました。

29ページに食品安全基本法の規定の抜粋がありますが。食品衛生法第7条の販売禁止をしようとするときには、関係大臣は食品安全委員会の意見を聞かなければならないこととされています。次に、33ページに「健康食品への対応事例」がありますが、過去にどのような事例があったかということですけれども、アマメシバが表の一番上にありまして、これは食品衛生法第7条に基づいて販売禁止をしたというものでした。それから、別の規定で、食品衛生法第6条第2号に基づく販売禁止をした例として、表の2つ目のコンフリーというものがありまして、これも食品安全委員会の評価結果を得て販売禁止をしたということです。その他、ガルシニア、コエンザイムQ10、スギ花粉、アガリクス、プエラリア・ミリフィカについては、法律に基づく販売禁止措置は講じずに、事業者等に対する指導や消費者に対する注意喚起にとどまっています。コエンザイムQ10とアガリクスについては食品安全委員会に評価を求めましたが、評価のデータが不足しているとか評価不可能というような結論だったという経緯でした。

34ページですが、健康被害情報があったときにどのような措置を講ずるかという資料になっています。行政指導、食品衛生法第7条に基づく暫定流通禁止措置、第6条に基づく有毒食品の販売禁止措置という3つがあります。これらを比較しますと、行政指導に際しては食品安全委員会に対して任意で意見を聞くことができることになっていますが、第7条の場合は先ほど説明したとおり委員会の意見を「聴かなければならない」とされていますが、一方で第6条は委員会の意見を「聴くことができる」ということで、制度上、食品安全委員会にお諮りすることが第7条と第6条とで分かれているということがあるものですから、懇談会の議論では、第7条について検討できないかという指摘があったということです。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 大体出そろったでしょうか。ありがとうございます。では、今回はこのあたりとしたいと思います。次回も引き続き議論したいと思いますので、そのときにはよろしくお願いいたします。

 それでは、食品中の農薬等の残留基準の設定について審議を行います。まず、事務局から、ピラジフルミドを御説明願います。

○説明者 それでは、説明させていただきたいと思います。資料の15ページ、ピラジフルミドでございます。スライドをお願いいたします。

 こちらは農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴い基準値設定の要請を受けて、基準値を設定するもので

、あずき等に求められております。

 構造式、用途、作用機構については、記載のとおりでございます。

 こちらは新規なので、現在我が国に登録はございません。諸外国においても国際基準等を設定されておらず、主要国の基準も設定されておりません。

 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果は、ADI0.021mg/kg 体重/dayARfDについては設定の必要なしと評価されております。

 基準値案につきまして、スライドを2ページ分おめくりいただきまして、別紙1をご覧下さい。右側の欄に記載しています作物残留試験等の成績に基づき基準値案を設定しております。こちらの案に基づきまして、スライドを1枚戻っていただきまして、暴露評価を行ったところ、EDIADIの比は一番高い幼小児においても38.8%ということで、安全性には問題ないと考えております。

 在京大使館に8月18日に説明を行い、今後、パブリックコメントを実施する予定としております。

 答申案は別紙2のとおりとさせていただいております。

 1剤目、ピラジフルミドについては以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 まず、議論に入る前に、穐山部会長から部会での審議の状況について御報告があればお願いいたします。

○穐山委員  これは8月の農薬・動物用医薬品部会で審議したのですが、委員から本剤のIUPAC名や代謝物の名称の修正意見がありましたが、それ以外は特に議論がありませんでした。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、本件について何か御意見、御質問等がございましたら、お願いいたします。

特にございませんでしょうか。

 御意見、御質問等がございませんので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 続きまして、事務局から、フェンキノトリオンを御説明願います。

○説明者 19ページ目をお願いいたします。2剤目の農薬、フェンキノトリオンでございます。こちらも同じく新規の農薬登録の申請に伴う基準値設定の要請を受けているものでございます。

 用途といたしましては除草剤、適用は水稲となっております。

 構造式その他について、記載のとおりでございます。

 諸外国の状況について、国際基準は設定されておらず、主要国においても基準値は設定されておりません。

 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございますが、ADI0.0016mg/kg 体重/dayARfDにつきましては設定の必要なしと評価されております。

 基準値案については別紙1、スライドをおめくりください、米について基準値案を設定しております。

 基準値案に基づき暴露評価を行った結果でございますが、1ページ戻っていただきまして、長期暴露評価は、TMDIADIの比により確認したところ、最も高い幼小児においても3.2%であり、安全性には問題ないと考えております。

 意見聴取の状況につきましては、こちらは7月5日に在京大使館に説明をいたしまして、今後、パブリックコメント、WTO通報を実施する予定としております。

 答申案については、20ページの別紙2のとおりとしております。

 説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○村田分科会長 説明をどうもありがとうございます。

 議論に入ります前に、部会での審議の状況について、特段御報告いただくことはございますでしょうか。

○穐山委員 こちらは6月の部会で審議しましたが、委員からは、本剤のIUPAC名の記載方法についての修正意見がありましたが、そのほかには特段議論はありませんでした。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、本件につきまして、何か。

 大前委員、どうぞ。

○大前委員 食品安全委員会における影響評価結果の内容なのですが、設定根拠が2世代繁殖試験と書いてありまして、下にラットを用いた2年間発がん試験等々と書いてありますけれども、この設定根拠は繁殖試験が根拠で無毒性量0.166mg/kg 体重/dayということだったのか、あるいはラットの発がん試験のほうの話なのか、どちらでしょうか。

○説明者 設定根拠といたしましては、こちらに書いてあります2世代繁殖試験を用いまして、その無毒性量を根拠にADIを設定しております。

 別の試験で、下に書いてありますラットの発がん性試験で角膜扁平上皮がんが認められたということでございましたが、「また」以降に記載のとおり、遺伝毒性等の確認をしたところ、今回の腫瘍の発生機序については遺伝毒性メカニズムということでは考えられにくいことから、閾値を設定することは可能であると判断されたということでございます。

○大前委員 引き続きですけれども、角膜扁平上皮がんの原因は持続的な炎症だと書いてありますが、これは経口投与なので、持続的な炎症が角膜で起きているということは、一旦体内に取り込まれて、それが涙ですかね。そちらから分泌されて炎症が起きているということでよろしいですか。だとしたら、角膜の炎症が起きる濃度というのは、2世代繁殖試験で見られた濃度よりも高かったという解釈でよろしいですか。

○説明者 ちょっと確認させていただきますので、少々お待ちいただけますでしょうか。

○村田分科会長 その間に、若林委員、どうぞ。

○若林委員 大前委員とほぼ同じ質問なのですけれども、角膜扁平上皮がんというのは非常に珍しいもので、この化合物が角膜に蓄積性があるというようなことですと非常に気をつけなくてはいけないと思って、その点についてはどのような議論があったのかということをお聞きしたかったのです。

○村田分科会長 穐山委員のほうからどうぞ。

○穐山委員 上のタブの3番の参考資料、フェンキノトリオンの食品安全委員会の評価書の121ページなのですけれども、そこにラットの2年間発がん性試験が書かれていますが、見られますか。200ppmの雄1例で角膜扁平上皮がんが見られているということであります。2,000ppmでは認められていなかったということで、これが突発なのか、濃度依存的に起きているのか、多分、食品安全委員会で評価できなかったのではないかと思われます。

○若林委員 わずか1例。

○穐山委員 はい。

○若林委員 わかりました。

○穐山委員 200ppm以上では雌雄において角膜炎が認められたことから、検体投与の影響であるとは考えられているということなのですけれども、ラットでは非常にまれだと書かれています。ただ、ドーズはかなり高いところで起きているということです。

○大前委員 今のお話で、20ppmNOAELということで、その体重当たりの摂取量が雄は0.730で雌は0.936ですから、これは安全係数100を掛けて0.00730.0093なので、先ほどの提案の0.0016よりも大きい数字なので、よろしいかと思います。

○村田分科会長 毛利委員、どうぞ。

○毛利委員 詳しく読んでいないのですが、この中で記載されているかどうか、持続的な炎症と書いてありますけれども、具体的にどんな状況なのですか。

○穐山委員 評価書からでしか判断できませんが、元論文を読まないと、そこは判断ができないと思われます。

○毛利委員 持続的な炎症が少し関係してくるような気もするのです。

○穐山委員 はい。

○村田分科会長 事務局、何かわかりますか。

○説明者 済みません。私どもも今、評価書の範囲までしか把握しておりません。

○村田分科会長 どうぞ。

○関野課長 画面を2つ両方出せないので見づらいかと思いますが、一応ここは本日の参考資料で食品安全委員会の評価書もつけているのですが、その中で持続的な炎症という書き方をしてございます。この記載に至る際、食品安全委員会の会議では、原データ、ローデータまでさかのぼって経時的な部分も用量も含めて追いかけた上で、それがどのぐらいの時間、一過性のものなのかどうかということも確かめた上でこういった表現がされておりまして、このあたりは一応、リスク評価と我々との間での役割分担という中で、2年間発がん性試験についてはこういった評価結果であったということを尊重して、我々のほうは基準値について議論するという形になるかと思います。

 本体のほうの資料のADIの下にありました記載に関しましては、発がん性が認められた際には、実際にそれが遺伝毒性によるものでございますと、ADIといった閾値は設定できないということになりますので、むしろ発がん性が認められたことをさらに追いかけて見たところ、毒性学的な腫瘍性の病変に関しては、こういった炎症によるということ。さらには遺伝毒性試験の結果を踏まえて、閾値が設定できるというところに関して判断がなされた上で、その上に記載がございますADIが繁殖試験に基づいて設定されていると、閾値の設定のためにこういった解析がされていると見ていただくのがよろしいかと思います。

○村田分科会長 そういうことですが、毛利委員、いかがでしょうか。

○毛利委員 食品安全委員会の評価のところがなかなか出なくて、今出て来ましたので、見ますと、特に投与による影響として角膜炎というのははっきり記載されています。たまたま1頭出たのは、投与による角膜炎なのか、実験動物はいろいろな病気にかかりますので、その他の原因による角膜炎等が起こった動物なのか。その辺のところがわかれば比較的安心できるかなと思いました。

○関野課長 それぞれの先生方、ページが開けているかわからないのですが、参考資料のタブにありますフェンキノトリオンの食品安全委員会の評価書の122ページになるかと思います。この場合ですと、ラットで行った2年間発がん性ですけれども、その試験から得られた毒性所見で個々に解析して、実際にこの剤、農薬によるものであることが完全に否定できないものは表の形式に所見を並べています。そういう意味では、角膜炎に関しましても薬剤との関係は否定できないものということで、そこは一応そういう扱いをした中で、2年間発がん性試験に基づくADIも個別に求めているわけでございまして、そこは先ほど大前先生から御発言があったように20ppmで、mg/kgで言いますと雄だと0.073という値がございます。最終的に幾つかの試験で得られましたADIの中で最も低いところをこの剤の最終的なADIと判断してございますので、そこは一応、角膜炎に関しましては毒性と捉えてADIを求めていると言えるかと思います。

○大前委員 今の次のページ、123ページに生殖発生毒性試験の結果が載っておりまして、表35で3ppmのところでこれがNOAELだと書いてございます。親世代の雄の0.166をとって、100分の1をして数字が出ていると思うのですけれども、文章を見ますと、これは角膜炎なのですね。親世代の角膜炎が起きない濃度なので、これは生殖発生毒性でもないのですね。試験は生殖発生毒性試験だけれども、見ているのは生殖発生毒性を見ているわけではなくて、角膜炎が起きなかったということを根拠にして捉えているので、最初のところの設定根拠を2世代繁殖試験と書かれると、何かちょっと違和感があるかなと。これだと生殖発生毒性があったのかと、これを根拠に0.166になったのかと思ってしまいますね。試験は確かに生殖発生毒性なので、これで構わないと思いますけれども。

○村田分科会長 その辺についてはどうされますか。

○大前委員 私はこのままで結構です。

○穐山委員 これは食品安全委員会の毒性の有害症状を何で判断するかによるのですけれども、生殖発生毒性試験でLOAELのところでの症状が角膜炎だったということで判断しているのだと思います。NOAELは何も有害症状があらわれなかったということで、ちょっと誤解は受けますけれども、書き方としてはいつもこういう書き方をしているのではないかと思います。

○村田分科会長 よろしいですか。大体出そろったと思いますが。

○倉根分科会長代理 1つだけ。違うことでもいいですか。

○村田分科会長 この農薬でしたら、どうぞ。

○倉根分科会長代理 私の理解不足だと思うのですけれども、暴露評価のところに幼小児が1~6歳と書いてあって、一般が1歳以上と書いてあるのです。そうすると1~6歳はどういうふうに読めばいいでしょうか。

○説明者 幼小児の1~6歳は、1~6歳の方の摂取量のデータを用いて設定しております。一方、一般の1歳以上は、先ほどの1~6歳を含めて1歳以上の全ての方の食事摂取量をもとに算出しております。

○倉根分科会長代理 わかりました。結構です。

○村田分科会長 それでは、ほかに御意見がないようですので、分科会としてこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○村田分科会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 続きまして、フロメトキンの審議でございますが、井澤委員におかれましては、食品衛生分科会審議会参加規程第7条に基づき、審議・議決に当たり、御退室をお願いいたします。

(井澤委員退室)

○村田分科会長 それでは、事務局からフロメトキンの御説明をお願いいたします。

○説明者 次の剤は農薬、フロメトキンでございます。資料は23ページ目をお願いいたします。こちらも新規の農薬登録申請に伴う基準値設定の要請を受けて、なす等に基準値を設定するものでございます。

 用途といたしましては殺虫剤でございます。

 諸外国の状況ですが、こちらも国際基準は設定されておらず、主要国においても基準値の設定はございません。

 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございますが、ADIにつきましては0.008mg/kg 体重/dayARfDにつきましては0.044mg/kg 体重となっております。

 基準値案につきましては、別紙1のとおりということで、2枚おめくりいただいたところになります。このように設定をしております。

 この基準値案をもとに暴露評価を行ったところ、23ページにお戻りいただきまして、一番下でございますが、長期暴露評価において、幼小児でTMDIADIの比で79.4%ということで、長期暴露の安全性は問題ないと考えております。

 次のページに移りまして、短期暴露評価でございますが、こちらもそれぞれ急性参照用量を超えることはないということで、短期暴露においても安全性には問題ないと考えております。

 意見聴取といたしましては、7月28日に大使館に説明をいたしました。また、今後、パブリックコメントを実施する予定でございます。

 説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○村田分科会長 審議に入る前に、部会のほうでの御意見をお願いいたします。

○穐山委員 フロメトキンは7月の部会で審議いたしましたが、まず、代謝物M1の取り扱いについて議論がありました。この代謝物は、お茶の圃場で少し高い値が出たのですが、おおむねほかの圃場では低い値だったことから、記載対象は一応親化合物としまして、代謝物の記載ぶりを修正することにいたしました。

 安全性については問題ないのですけれども、TMDI試算による暴露評価において幼小児で比較的高い占有率となっていることから、今後の適用拡大などでADIを超えないか、引き続き注意をして見ていくべきだという御意見がありました。

 以上です。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、本件につきまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。

 若林委員、どうぞ。

○若林委員 穐山委員が最後のほうに言いましたように、幼少児のTMDI/ADI79.4ですので、これはかなり高い値で、もうちょっと高いと問題になるかもしれない。これは今後かなり気をつけて対応する必要があるのではないかと思って聞いていましたけれども、その点については、委員会のほうでもそのような意見が出たということですか。

○穐山委員 安全係数も掛けていますし、今の段階では超えることはないのですけれども、今後、適用拡大のときはもう少し注意すべきであるという御意見はありました。

○村田分科会長 そのほか御意見、御質問はございますでしょうか。

 大前委員、どうぞ。

○大前委員 参考資料の192ページにウサギの発生毒性試験の結果が載っております。表44を見ますと3濃度でやっていまして、0.8ですと毒性所見なしで、非常に濃度の差は小さいのですけれども、1.2のところで親動物に死亡が出ている。1.2で1例、2では4例ですか。非常に濃度幅が狭いところで死亡という大きな影響が出ていて、0.8で毒性所見なしというのは、本当にウサギで全部毒性を見たのかなという疑問があるのです。生殖毒性では使うのでしょうけれども、余り動物実験でウサギは使わないような気がしていて、本当にこんな狭い範囲で死亡が出るようなところで、0.8で本当に毒性所見がなかったのかというところは若干心配です。多分、原文にはなかったと書いてあると思うのですけれども。

○村田分科会長 穐山委員、何かありましたらコメントをお願いいたします。

○穐山委員 こちらに関しても、食品安全委員会の評価書からしか判断できませんけれども、原著論文を読まないとはっきりしないところで、申しわけありません。

○村田分科会長 そういうことでございますが、いかがですか。そのほかございますでしょうか。

 栗山委員、どうぞ。

○栗山委員 これは全然私の分野ではないので、何かコメントするのもおかしいのですけれども、不安が出たところとか疑問が出たところは解消してから前に進んでいただきたいと思いますが、いかがですか。

○村田分科会長 今の御意見に対して、どうぞ。

○穐山委員 先生の御指摘は、今の生殖発生試験のところということでしょうか。

○栗山委員 これに関する。

○穐山委員 発生毒性試験の0.8

○栗山委員 ごめんなさい。ピンポイントにここですというのではなくて。

○穐山委員 御指摘は、今のところ多分、TMDIADI占有率が幼小児で79.4という比較的高い値が出ているということは御懸念がありますが、今までは80%を超えなければ懸念がないということで一応認めていただいているところであります。

○栗山委員 ごめんなさい。私はこういうところに対して、この数字だからこうという因果関係をもって指摘はできないのですけれども、専門の先生方はそれで大丈夫なのでしょうか。私たちはそういう数字では全く見ることができないのですけれども、後々この数字が何か意味を持つようなことは心配ないのでしょうか。

○穐山委員 そういう御懸念は当然御指摘のとおりあると思うのですが、そこは委員の中から、適用拡大をする際にはもう一回注意して見るということで、そういった議論がありました。もしその辺の適用拡大で試算がADIを超えるようなことがあれば、使用基準の見直し等を再検討する必要が出てくるかなと個人的には考えております。

○栗山委員 それはこのまま進めていいのですか。それとも、何かそういうことを一言書いておくとか、注意しておく必要はないのですか。ごめんなさいね。私、本当にこの分野のあれではないのに。

○穐山委員 先生の御懸念は多分ごもっともで、この部会での議事録としてはきちんと残りますので、今回の判断の決定でそこに御懸念があったということは記録として残るということでございます。

○村田分科会長 では、そういうことで、一応ここにも、幼小児は79.480%にぎりぎり近いのだけれどもという懸念はあると。ただ、今までにできていた80%という基準を超えてはいないので、大丈夫でしょうという判断だったということです。

 ということで、分科会としてこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。

○黒羽室長 申しわけありません。もう一点、補足的に御説明を加えさせていただきたいと思います。先ほどの暴露評価で79.4%という、これが高いのではないかという御議論も確かに農薬・動物用医薬品部会でございました。こちらに用いた暴露評価はTMDI試算といいまして、食べるものが全てその基準値案上限まで含まれていることを仮定いたしまして、計算した数値になっております。実際にはその農薬が全ての基準値のある食品に使われているという事は確率的にかなり低いものでございますし、それが基準値の上限まで含まれているという確率も非常に低いということでございますので、確かに高い数値ではございますが、必ずしもいつもそういう数値になるわけではございませんので、その点、補足させていただきます。

 もう一点、ADIにつきましては、動物試験をもとに設定されておりますが、安全係数により悪影響のない量の100分の1に設定されてございます。その点、補足的に御説明させていただきます。

○村田分科会長 ありがとうございます。

 以上の議論を踏まえてでございますけれども、分科会としてこれで了承するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○村田分科会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。その他の経過については、次回以降の本分科会で御報告いたします。

(井澤委員入室)

○村田分科会長 それでは、農薬等の告示試験法の設定について審議をいたします。

 まず、事務局から御説明願います。

○説明者 それでは、資料の27ページ目をお願いいたします。ご覧になっていただけていますでしょうか。まず、プロファム試験法について、お話しさせていただきます。

 プロファムは、農薬で除草剤です。日本では登録はございません。食品安全委員会における食品健康影響評価において、ADIを設定しないと評価されたことを受けて、当分科会においても「食品に含有されるものであってはならない」とする規格を継続することにしました。不検出基準を含む農薬等については、従来より試験法の検出限界により規制が行われているので、告示改正と同時に試験法も告示しています。

 あわせて、その検出限界を別途通知しているところなのですが、既にこのプロファムは370号告示で試験法を規定しているのですが、畜水産物の全般にわたって、その試験法の性能が評価されたものではありませんでした。そこで、現行試験法では、食品によっては良好な結果が得られない場合もあることから、農産物の既存の試験法もあわせて開発を進めていました。そして今般、この開発が終了したため、試験法について御審議いただくものです。また、この試験法は、農薬・動物用医薬品部会の穐山部会長が座長を務める会議で御確認いただいているものでございます。

 まず、概要です。分析の対象化合物はプロファムで、分析対象食品は農産物及び畜水産物、試験法の概要はご覧になっているとおりで、検出限界は0.01mg/kg0.01ppmでございます。

 真度及び精度の評価でございます。ページを少し進みまして、玄米を初めとする8つの農産物、牛肉を初めとする8つの畜水産物を対象にして、0.01ppmの添加濃度で試験を実施し、確認できた真度や併行精度を取りまとめたのが28ページにある表でございます。添加回収試験や実施の方法の評価を示したガイドラインがあって、真度の目標値は添加濃度によらず70120%、併行精度は添加濃度により異なりますけれども、満足する結果が得られているのはご覧のとおりでございます。

 この試験法の答申案が、少し進みまして、30ページからの別紙になります。

 また、この試験法に至った報告書も告示改正と同時にホームページで公開する予定です。

 説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 それでは、部会長のほうから審議の状況について御説明をお願いいたします。

○穐山委員 こちらに関しては、8月の部会で審議したのですけれども、特に御意見はありませんでした。

○村田分科会長 それでは、本件につきまして、何か御意見、御質問はございますでしょうか。

 それでは、分科会としてこれで了承したいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○村田分科会長 ありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 それでは、分析部位の変更について審議いたします。まず、事務局から御説明願います。

○説明者 それでは、資料の続き、33枚目をご覧下さい。西洋なし、日本なし、マルメロ及びりんごの分析部位の変更について、お話しさせていただきますが、まずは背景を説明します。

 農産物中の残留農薬の基準値は、FAOWHOOECDなどの国際機関を中心に各国間の調和を図っているところです。しかし、国際的に流通する農産物で残留基準を適用する部位や検査する部位、食品の分類が日本固有のものとなっているものがあり、国際的整合性を欠いているものがございます。各国の残留農薬のデータの相互活用に問題を生ずる可能性や、異なる分析部位の残留農薬検査により、国際貿易上の問題を生ずる懸念が想定されます。そのため、国際的に流通する農産物の残留基準値の分析部位を国際的なものに対応させるために知見を収集し、見直しを順次行っていくことになりました。今般、そういった我が国固有の分析部位を採用している農作物の一つであるりんごなどの検査部位の変更について御審議をいただくものです。

 まずは現状です。りんごなどの検査部位は、日本においては、告示によると「花おち、しん及び果梗(かこう)の基部を除去したもの」とされており、国際基準の「果梗を除去したもの」とは一致していません。ちょっとわかりづらい表現なのですけれども、今の分析部位は、りんごのしんと、置いたときの上下の両端のくぼみの部分を除去したもの、このスライドで言うところの右側のくし形になっているところが分析部位なのですが、国際標準の検査部位は、線が入っていて見づらいのですけれども、左側の、ここにへたがついているのですが、へたを取っただけのものが検査部位となっております。ほぼ一緒は一緒なのですけれども、一致していません。そのため、国際的な整合性を推進する観点から、国際標準に合わせるように検討しました。

 その検討結果です。6種類の農薬について、適用範囲内で最大残留となるように農薬を散布した、りんご、日本なし、西洋なしで分析部位の違いによる残留濃度の差異を比較しました。それが34ページの表になります。少しわかりづらいのですけれども、A~Dとございまして、Aが果実全体、これが国際標準でへただけを取ったもの、Bがしんと花梗と基部を除去した現行の分析部位、Cが現行で除くこととしている部位、この3群を解析したものです。

 こういった調査を行う場合、りんごに使えるのはこの6種類の農薬だけではないのですが、調査対象に使用する農薬はどういったものが選ばれるかというと、使用実績の高い農薬、物理的性状、使用目的、系統が異なる広範な農薬の観点から選ばれていて、6種類だけではあるのですけれども、りんごに使用可能な農薬をおおむね評価可能な調査結果となっていると実施者よりコメントいただいています。

 これらをクラスカル・ウォリス検定で解析したところ、統計的な有意差は認められなかったということでした。

 今後の取り扱いです。食品、添加物等の規格基準の第1食品Aの部食品一般の成分規格の5(2)、6(2)及び7(2)の「西洋なし、日本なし、マルメロ及びりんご」の検体を、現行の「花落ち、しん及び花梗の基部を除去したもの」から「果梗を除去したもの」に変更する。なお、現在設定されている残留基準値の変更は行わないこととします。

 この変更は、国際的な整合性からも妥当であって、試料調製も容易になることで、農薬の食品分析も容易になることが考えられます。また、このような状況下で2011年4月にさかのぼるのですけれども、農薬の登録申請に必要な作物残留試験に関するガイドライン、農水が作成しているものなのですが、改訂され、従前からの可食部に加え、除去部分である非可食部も分別分析することを推奨しているので、今後提出される残留試験にも対応済みです。

 進みまして、36ページが答申案でございます。

 事務局からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、部会のほうの審議状況について、穐山委員から。

○穐山委員 8月の部会でも、このときにも特に意見はありませんでした。

 以上です。

○村田分科会長 わかりました。どうもありがとうございます。

 それでは、本件について何か御意見、御質問はございますでしょうか。

 毛利委員、どうぞ。

○毛利委員 きちんとしたデータで問題はないと思うのですが 、1つ気になったのは、ここのりんごの絵だと思いますが、可食部というのがあります。今までは可食部以外のところは食べてはならないという定義だったのでしょうか。可食部という具体的な定義を教えてほしいのです。

○説明者 御指摘ありがとうございます。特に食べてはいけない箇所というわけではないです。

○毛利委員 ただ、一般的には食べても可能な部分とそうでない部分に分かれるかのようにとれてしまうのですが。

○説明者 そうですね。用語として適切ではなかったかもしれません。検査部位イコール可食部でないものも現状ございますので、今後記載の仕方には注意いたします。

○村田分科会長 本件について何もないようでしたら、よろしいですか。

 川西委員、どうぞ。

○川西委員 ちょっと聞き逃したかもしれないのですけれども、これで検証したのは6種の農薬ということなのですが、これは標準的にこういうもので使われるものと考えていいのですか。幾つかのパターンがあって、例えば農薬などはミトコンドリアなどに入りやすいものとかいろいろあるかと思うのです。そういうものが一通り、私もりんごのことは知らないので、こういうときにどこかに行きやすいものとか行きにくいものという知識がまるでないのですけれども、間々こういうものの中にはそういうものがあるかもしれないという気もするのです。その辺はこの6種で検証したということは、それなりにこれをジェネラライズしても大丈夫だということなのですね。

○説明者 御指摘ありがとうございます。

 ご理解のとおりです。今回の調査に限らず、こういった調査を行う際には、農薬の物性そのもののみならず使用実績の高い農薬、一般的に農業で汎用慣行として想定されるものなどを前提として調査を行っていると聞いております。

○村田分科会長 それでは、本分科会で御了承いただきたいと思うのですが、よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。パブリックコメントの結果については、事務局より分科会委員の皆様に送付して御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。その他の経過につきましては、次回以降の本分科会で御報告いたします。

 次に、事務局からの報告事項に入ります。食品中の農薬等の残留基準の設定について20品目、御報告願います。

○説明者 それでは、資料3の39ページをご覧ください。御説明させていただきます。

 1つ目の農薬でございますが、殺線虫剤、DCIPです。こちらはポジティブリスト制度導入前に設定した本基準とポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では、かんしょ、はくさい等を対象作物に登録されております。

 諸外国の状況、食品安全委員会における健康影響評価の結果については、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、規制対象をDCIPとして、別紙1、次の次のページに示すとおり基準値を設定するものです。長期暴露評価についてはTMDI試算で、短期暴露評価については通常の試算で、それぞれ問題がないことを確認しております。

 続きまして、農薬カズサホスでございます。45ページをご覧ください。こちらは殺虫剤でございまして、急性参照用量(ARfD)が新たに設定されましたので、それを考慮した基準値の見直しを行うものでございます。

 我が国では、大豆、ばれいしょ等を対象作物として登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、規制対象物質をカズサホスといたしまして、次の次のページにお示しするとおり基準値を見直すものでございます。

 暴露評価の結果につきましては、45ページの表にございますけれども、長期暴露評価において、EDI試算で80%を超えるものはございませんでした。また、短期暴露評価においてもARfDを超える食品はございませんでした。

 続きまして、49ページ、クロラントラニリプロール、こちらは農薬・殺虫剤でございまして、せり科野菜類に対する適用拡大申請に伴い基準値の設定を行うものでございます。

 我が国では、とうもろこし、大豆等を対象作物として既に登録されているものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質はクロラントラニリプロール親化合物といたしまして、基準値案を5154ページにかけてお示ししているとおり、見直しするものでございます。

 暴露評価の結果につきましては、50ページの表にお示ししているとおり、TMDI試算でADI比は最大でも幼小児の9.6%となっております。

 続きまして、農薬・除草剤のシアナジンでございます。こちらにつきましては、適用拡大申請に伴う基準値設定の要請と、あわせて暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では、ばれいしょ、たまねぎ等を対象作物として登録されておりまして、今回はねぎへの適用拡大申請に伴い基準値を見直すものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、シアナジンを規制対象物質といたしまして、61ページからの別紙1にお示しするとおり基準値を見直すものでございます。この基準値に基づき暴露評価を行った結果を、1ページ前の60ページの表に示すとおり、TMDI試算で長期暴露評価について80%超えるものはなく、短期暴露評価についてARfDを超えるものはございませんでした。

 続きまして、64ページ、デスメディファムでございます。こちらも除草剤でございます。こちらについては暫定基準の見直しを行うものでございまして、我が国では、てんさいに使用されています。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案ですが、残留の規制対象をデスメディファム親化合物といたしまして、基準値を見直して、てんさいに基準値を設定するものでございます。

 暴露評価の結果でございますが、TMDI試算で最大でも幼小児の0.5%。短期暴露評価につきまして、仮に幼小児でARfDに達するまで必要なてんさいの摂取量は16.5キログラムであり、実際に16.5キログラム食べることは考えがたいことから、国民の健康への悪影響が生じることはないと判断しております。

 続きまして、68ページ、トリシクラゾールでございます。こちらは農薬・殺菌剤でございまして、我が国では米を対象作物に登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質は親化合物トリシクラゾールといたしまして、暫定基準を削除して、米と魚介類に基準値を設定するものでございます。

 暴露評価の結果は、68ページの表に示すとおりでございます。

 続きまして、73ページ、農薬・殺菌剤、トリホリンでございます。こちらは適用拡大申請に伴う基準値設定と、あわせて暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では、ねぎ、トマト等を対象作物として登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質を農産物にあっては親化合物トリホリンとし、畜産物にあっては親化合物と酸性条件下で抱水クロラールに変換される代謝物としております。

 基準値案に基づき暴露評価を行った結果を74ページの表にお示ししております。また、75ページから実際の残留基準値の案をお示ししております。

 続きまして、80ページ、農薬・殺菌剤、ピラクロストロビンでございます。こちらにつきましては、適用拡大申請に伴う基準値設定を行うものでございまして、我が国では、てんさい、ブロッコリー等を対象作物に登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質をピラクロストロビンとしております。こちらの基準値案に基づきまして、暴露評価を行った結果を8081ページに記載しております。実際の基準値案につきましては、82ページ、別紙1のとおり基準値の設定を行うものでございます。

 続きまして、89ページ、農薬・殺菌剤、ピリベンカルブでございます。こちらにつきましては、適用拡大申請に伴う基準値設定を行うものでございまして、我が国では既に大豆、キャベツ等を対象作物として登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質でございますが、農産物にあってはピリベンカルブと代謝物Bと、魚介類にあっては親化合物のみとしております。実際の基準値につきましては、91ページ、92ページにお示ししております。

 この基準値案に基づきまして暴露評価を行った結果を90ページの暴露評価の欄にお示ししております。

 続きまして、95ページ、農薬・殺菌剤、フルチアニルでございます。こちらにつきましても、適用拡大申請に伴う基準値設定を行うものでございまして、我が国では既に、なす、きゅうり等を対象作物として登録されているものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、規制対象物質をフルチアニルとしておりまして、基準値案に基づく暴露評価を行った結果を95ページの表にお示ししております。実際の基準値案につきましては、96ページの別紙1にお示ししております。

 続きまして、98ページ、農薬・殺菌剤、プロシミドンでございます。こちらにつきましては、適用拡大申請に伴う基準値設定とあわせて暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では既に、大豆、ばれいしょ等を対象作物として登録がございまして、諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質を親化合物プロシミドンといたしまして、この基準値案に基づきまして暴露評価を行った結果を暴露評価の欄にお示ししております。実際の基準値につきましては、100ページからの別紙1にお示ししております。

 続きまして、106ページ、農薬・殺菌剤、ホセチルでございます。こちらにつきましては、暫定基準の見直しを行うものでございます。

 我が国では、たまねぎ、にんじん等を対象作物として登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質をホセチル及び亜リン酸としております。ホセチルが分解されて亜リン酸となるのですけれども、亜リン酸自身が肥料としても広く使用されているものでございます。そのため、食品衛生法第11条に基づく残留基準の違反の判断を行う際には、農薬の使用履歴のほか、実際に肥料として使用した場合に亜リン酸が高く残留することも考えられますので、そちらを十分確認して判断することとしております。

 こちらの基準値案に基づく暴露評価の結果につきましては、107ページの暴露評価の欄にお示しするとおりでございます。基準値案につきましては、108ページからの別紙1にお示ししております。

 続きまして、113ページ、農薬・殺菌剤、ホルペットでございます。こちらは農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴う基準値設定要請です。こちらについては新規と書いておりますけれども、以前農薬として使われていましたが、一度登録がなくなって、再度登録申請がなされたものでございます。あわせて暫定基準の見直しを行うものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質を親化合物ホルペットといたしまして、基準値案に基づいた暴露評価の結果を暴露評価の欄にお示ししております。実際の基準値案につきましては、115ページの別紙1にお示ししております。

 続きまして、117ページ、農薬・殺菌剤、マンジプロパミドでございます。こちらについては適用拡大申請に伴う基準値の設定と、あわせてインポートトレランス申請に基づく基準値設定を行うものでございます。

 我が国では、大豆、ばれいしょ等を対象作物として登録がございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 残留の規制対象物質としては、親化合物マンジプロパミドといたしまして、基準値案に基づいた暴露評価の結果を118ページの表にお示ししております。実際の基準値案につきましては、119ページ以降の別紙1にお示ししております。

 続きまして、農薬・殺虫剤、メタアルデヒドでございます。こちらは適用拡大申請に伴い基準値設定を行うものでございまして、我が国では、米、キャベツ等を対象作物として登録されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案につきましては、規制対象物質を親化合物メタアルデヒドといたしまして、基準値案に基づいた暴露評価の結果を暴露評価の欄にお示ししております。実際の基準値につきましては、125ページの別紙1にお示ししているとおりでございます。

 続きまして、127ページ、メタフルミゾンでございます。こちらは農薬・殺虫剤でございまして、適用拡大申請に伴い基準値を設定するものでございます。

 我が国では、キャベツ、はくさい等を対象作物として登録されておりまして、諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案ですが、残留の規制対象物質を農産物にあっては親化合物と代謝物Dとし、畜水産物については親化合物のみとしております。

 この基準値案に基づきまして暴露評価を行った結果を次のページの表にお示ししております。実際の具体的な基準値案につきましては、129ページからの別紙1にお示ししております。

 続きまして、農薬、メピコートクロリドでございます。こちらは植物成長調整剤でございまして、我が国ではぶどうを対象作物として登録されております。適用拡大申請と暫定基準の見直しを行うものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案ですが、規制対象を親化合物のメピコートクロリドといたしまして、暴露評価の結果を133144ページにかけてお示ししております。実際の基準値につきましては、135ページ以降の別紙1にお示ししております。

 続きまして、農薬及び動物用医薬品・殺虫剤、ジノテフランでございます。こちらにつきましては、我が国では農薬として米、てんさい等を対象作物として使用されております。また、動物用医薬品としても、ハエの駆除を目的として畜鶏舎内の壁等に塗布されるというような使用がされているものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案につきましては、残留の規制対象物質として農産物については親化合物のみ、畜産物については親化合物と代謝物のこちらにお示しするようなものを規制対象としております。

 また、こちらの基準値案に基づく暴露評価の結果を139ページにお示ししております。実際の基準値につきましては、140ページからの別紙1にお示ししております。

 続きまして、動物用医薬品の残留基準の設定でございます。146ページ、チアムリン、抗生物質になります。こちらにつきましては暫定基準の見直しを行うものでございまして、我が国では豚を対象動物として承認されております。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございます。

 基準値案でございますが、残留の規制対象物質として、鶏の卵については親化合物として、その他の食品につきましては、加水分解によって8-α-ヒドロキシムチリンに変換される代謝物としております。

 基準値案に基づいて暴露評価を行った結果を144ページの表にお示ししております。実際の基準値につきましては、148ページの別紙1にお示ししております。

 続きまして、150ページ、動物用医薬品及び飼料添加物、フラボフォスフォリポールでございます。こちらは抗生物質でございまして、我が国では動物用医薬品としては承認されていませんが、飼料添加物として豚及び鶏を対象動物として指定されているものでございます。

 諸外国の状況、食品健康影響評価の結果につきましては、お示しするとおりでございまして、残留の基準値案でございますが、フラボフォスフォリポールにつきましては幾つかの化合物の混合物であるため、主要な成分であるモエノマイシンAを規制対象物質としているものでございます。

 基準値案に基づいた暴露評価の結果を151ページの表にお示ししております。実際の基準値につきましては、別紙1、152ページにお示ししているとおりでございます。

 駆け足な説明となりましたが、以上でございます。

○村田分科会長 何か御意見、御質問はございますでしょうか。

 大前委員、どうぞ。

○大前委員 ちょっと確認だけなのですけれども、89ページ目のピリベンカルブで、上の構造式と代謝物の構造式、これは代謝されると立体構造が変わるものだということですか。

○説明者 御指摘のとおりでございます。

○穐山委員 多分、シス-トランス変換が起こるということだと思います。

○村田分科会長 そのほかございますでしょうか。

○若林委員 メチル基のところが太いか細いか。真ん中のメチルが構造式の上のほうは太くなって、下は細くなっているので。

○穐山委員 そこは幾何異性体ですので、シス-トランスが変換するのだと思います。

○村田分科会長 何かほかにございませんでしょうか。

 では、どうもありがとうございました。

 次は、文書配付による報告事項等に移ります。文書配付による報告事項等でございますが、この資料に関しましては、事前に委員の皆様のところに郵送で配付されていると思いますので、この場での特段の御意見がなければ、次に移らせていただきますが、いかがですか。ありますか。

 どうぞ。

○安藤委員 ガミスロマイシンについてなのですが、これは牛のときにも意見を言わせていただいたのですが、農家さんできちんと薬剤を使用基準どおりに使っても、投与部位には残留基準以上に残ってしまうという新たな発想に基づいた基準のつくり方なので、これを基準として設定するときは、現場で検査するときにちょうど投与部位と検査部位が同じところになるので、きちんとそういう説明を周知した上で使用するようにしないと、いろいろなところで検出してしまって混乱を招きかねないので、その辺の周知のほう、よろしくお願いいたします。

○村田分科会長 事務方のほうもよろしいですか。

○説明者 御指摘ありがとうございます。御指摘のとおり、ガミスロマイシンにつきましては注射部位に非常に残留しやすいものでございますが、基準値自体は筋肉の基準値は注射部位以外の残留、通常よく食べる部分としては注射部位以外になりますので、注射部位以外の部分の残留濃度をもとに基準値を設定しております。

 通常、検査部位として首の部分の筋肉をとって、そこで検査することが多く、そこがたまたま注射部位であった場合に基準値を超えて残留が認められてしまうことがある。ただ一方で、その場合でも適正使用をしているかどうか。適正使用していた場合でもそういった状況が出てしまうということがこれまでと違うところでございます。その場合、1頭丸々を食品衛生法違反として不適と扱うのではなく、自治体での判断になるとは思いますけれども、基本的にはほかの部位の残留濃度を測ったりして、注射部位以外の部分については問題ないということが判断できるものであれば、その部分を除いた上で、1頭丸々は食品衛生法違反としないという考え方になるのかと思います。こういった新しい考え方につきましては、農林水産省とも協力いたしまして、屠畜検査の現場の方であったり農家の方、生産者の方にも情報が行き渡るよう、機会を見て周知していくことを考えております。

○村田分科会長 ほかに。

 毛利委員、どうぞ。

○毛利委員 やはり同じ動物用医薬品ですけれども、諸外国の状況のところに諸外国での基準値が設定されていると書いているにもかかわらず、194ページでは国際基準とか外国基準値が空欄になっているのですが、単なるミスですか。

○説明者 別紙1の表に記載しております国際基準とか外国基準値につきましては、実際に基準値として参照する場合に記載しておりますので、基準が設定されているものを全てそこに書いているわけではございません。外国での基準値につきましては、上のタブの6番に委員の先生方の配付資料としまして、各農薬・動物用医薬品ごとに主要国・地域における残留基準値ということで資料をつけさせていただいております。実際に外国の基準値のホームページからとってきたものでございますので、ちょっと見づらくはなってしまっているのですけれども、こちらのほうに海外での基準値をお示しさせていただいているものでございます。

○毛利委員 ページが今わかりますか。

○説明者 ガミスロマイシンにつきましては、348ページからアメリカの残留基準をお示ししております。また、カナダにおける基準もございますし、EUにおいても残留基準が設定されているものでございます。

○村田分科会長 毛利委員、よろしいでしょうか。

 何かほかにございますか。

 それでは、次に、食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局よりお願いいたします。

○黒羽室長 それでは、説明いたします。

 資料はタブの2に戻っていただきまして、最後の198ページを御確認ください。前回、平成29年6月26日に開催されました食品衛生分科会において審議もしくは報告をいたしました農薬の処理状況について御報告させていただきます。こちらの一覧表になっておりまして、農薬・動物用医薬品等につきまして全部で15項目ございます。

 パブリックコメント、WTO通報につきましては、下から4つ目のアザジラクチンという品目がございますが、こちら以外につきましては全て終了しているところでございます。アザジラクチンにつきましては、関連するほかの農薬と一緒に告示作業等を行う必要があることから、パブリックコメント、WTO通報はまだ行っていないものでございます。

WTO通報につきましては、基準値が厳しくなる場合に実施することとなっておりまして、WTO通報の対象外と記載されておりますのは、現行より基準値が緩和される品目でございます。

WTO通報におきまして御意見をいただきました品目のうち、下から2つ目の56品目残留基準値一括削除につきましては、現在、その対応を検討中でございます。それ以外のパブリックコメントやWTO通報によりまして御意見をいただきました品目もございますが、それによりまして基準値の変更が必要となっているものはございませんでした。

 この項目の説明は以上でございます。

○村田分科会長 以上の説明につきまして、何か御質問、御意見はありますか。

 どうぞ。

○説明者 ただいまの説明ですが、クレトジムだけ基準値の変更がありましたので、そこだけ修正させていただきます。

○村田分科会長 よろしいですか。

○黒羽室長 クレトジムについては変更しております。説明が誤っておりました。失礼いたしました。

○村田分科会長 ほかにございませんか。

 それでは、以上で審議事項と報告事項の議事は終わりましたが、最後に事務局から何か連絡事項はありますでしょうか。

○一戸補佐 次回の分科会につきましては、1117日金曜日の同じ時間、14時から、この建物の3階第6会議室で開催を予定しております。

 何度も申し上げて恐縮ですけれども、この黄緑色のファイルは次回以降も使いますのでそのまま置いていただければと思います。

 以上でございます。

○村田分科会長 どうもありがとうございます。

 長時間の御審議どうもありがとうございました。これをもちまして閉会とさせていただきます。どうもありがとうございます。


(了)

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