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2018年9月20日 社会保障審議会児童部会第14回遊びのプログラム等に関する専門委員会

子ども家庭局子育て支援課

○日時

2018年(平成30年)9月20日(木)10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省15階専用第12会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○出席者

委員

植木 信一      (新潟県立大学人間生活学部子ども学科教授)
大塚  晃         (上智大学総合人間学部社会福祉学科教授)
佐野 真一  (港区立麻布子ども中高生プラザ 館長)
鈴木  一光     (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
中川 一良     (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
羽崎 泰男      (一般財団法人鬼ごっこ協会代表理事)
松田  妙子     (特定非営利法人せたがや子育てネット代表理事)
吉村 温子  (玉川大学非常勤講師)
 

事務局

田村子育て支援課長
大津課長補佐
青木健全育成推進室長補佐
依田児童環境づくり専門官
佐藤児童健全育成専門官

○議題

(1)改正児童館ガイドライン(案)について
(2)報告書(案)について
(3)その他
 

○配布資料

資 料 1 前回の主な指摘事項
資 料 2 改正児童館ガイドライン(案)
資 料 3 遊びのプログラム等に関する専門委員会 報告書(案)    
参考資料1 平成30年度児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための調査研究 事業概要
参考資料2-1 放課後児童対策に関する専門委員会 中間とりまとめ
参考資料2-2 放課後児童対策に関する専門委員会 中間とりまとめ(概要)
 

○議事

○大津課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから、第14回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」を開催いたします。
本日、委員の皆様方には、御多用の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、北島委員と高松委員より欠席の御連絡をいただいております。
松田委員は少し遅れているようでございます。
それでは、早速ではございますが、鈴木委員長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 皆様、おはようございます。前回6月の専門委員会から3ヶ月が過ぎました。この間、日本中がいろいろな災害に見舞われました。とりあえず全国の児童館には大きな被害はなかったようでございますが、これからも子どもたちの安全には留意していきたいと思います。
本日も、子どもの幸せを保障するために知恵を結集する大切な専門委員会でございますので、丁寧に確認をしながら進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
配付資料の確認についてから始めたいと思いますので、事務局からお願いします。
○大津課長補佐 配付資料でございますが、
資料1 前回の主な指摘事項
資料2 改正児童館ガイドライン(案)
資料3 遊びのプログラム等に関する専門委員会報告書(案)
参考資料1 平成30年度児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための調査研究の概要
参考資料2-1 放課後児童対策に関する専門委員会中間とりまとめ
参考資料2-2 放課後児童対策に関する専門委員会中間とりまとめの概要
不足等がございましたら、お知らせください。
以上です。
○鈴木委員長 資料等の不足・落丁などはございませんか。皆様、大丈夫でしょうか。
それでは、早速ですが、議事(1)「改正児童館ガイドライン(案)について」に入りたいと思います。前回の専門委員会は6月22日に開催しまして、その際、各委員から承った御意見をどのように反映していくかということについて熟慮してまいりました。具体案については、1年余り、この専門委員会やワーキンググループを通じて加筆修正してまいりました。前回、私に一任されたわけでございますが、皆様の意見を反映して修正したものを、本日、皆様に御確認いただきたいと思っております。
それでは、改正児童館ガイドライン、とりまとめてございますので、前回の資料とあわせて御説明をいただきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
○佐藤専門官 私から、改正児童館ガイドラインについて御説明させていただきます。
資料1をご覧ください。前回の6月の委員会での主な指摘事項がこちらのほうに掲載されておりますが、そのうち(1)が「改正児童館ガイドライン(案)について」になります。大きく2つ御指摘がございました。
まず、1点目、【第1章 総則】の「施設特性」のところに「児童館における遊び」という項目がございますが、前回案では、その中に「遊び自体の中に子どもを発達させる重要な要素が含まれている」とありました。それについて、「子どもの発達を促す重要な要素がある」など、子ども自身が発達していくのを後ろから支えていくといった表現のほうがよいという御指摘がございました。
2点目に、【第5章 児童館の職員】の「児童館に関する職務内容」というところで、前回お示しした案では、章の前文のところに、全ての児童館職員の主な職務内容を示すといったような表現があったのですが、本文ではそれが不明確でしたので、全ての児童館職員についても当てはまるということがわかる表現にしたらどうかという御指摘がございました。
これらのご指摘を受けまして、本文のほうを修正しております。そちらは資料2をご覧いただきたいと思います。
資料2ですが、修正している部分などがはっきりわかる形ではなく、文案の形になっているのですが、「児童館ガイドライン(案)」という形でお示しさせていただいております。
今の1点目と2点目の御指摘の点ですけれども、まず1点目につきましては、1ページ目の一番下に「(2)児童館における遊び」というところがございます。ここの一番最後の文章ですが、「特に、遊びは、生活の中の大きな部分を占め、遊び自体の中に子どもの発達を増進する重要な要素が含まれている」ということで、子ども主体の表現に修正させていただいております。児童館の活動内容の部分で遊びを説明している部分がございまして、そちらの表現と合わせた表現になっております。
2点目ですが、8ページをご覧ください。第5章の「児童館の職員」というところでございます。まず、前文のところで、「本章では、すべての児童館職員に関わる児童館活動及び運営に関する主な業務と館長、児童厚生員のそれぞれの職務について示す」と明示しておりまして、前者のすべての児童館職員に関わる主な業務というのを1番で、館長の職務を2番、児童厚生員の職務を3番で示すという構成になっております。
前回案では、この業務の部分が1、2と分かれておりまして、少しわかりづらい形になっておりました。活動と運営に関する業務が4項目ずつ、1、2で分かれておりましたのを、1の「児童館活動及び運営に関する業務」ということで7項目にまとめております。計画や安全の部分ですとか、職員間の共有、振り返り等、計7項目になっております。
8項目だったものが7項目になりましたのは、(6)ですけれども、記録について2つ、業務の実施状況と施設の管理状況というのが分かれていたのですが、それを1つにまとめております関係で、7項目になっております。
先生方の御意見を受けまして修正した箇所というのが大きくこの2点になります。それ以外も、字句の修正ですとか表現ぶりなどの修正を細かいところで行っております。
また、例えば13ページの4のところで「防災・防犯対策」というのがございます。(3)に「地域ぐるみの安全確保」というのがありますが、その最後のところに、「平成30年7月に発出した『放課後児童クラブ等への児童の来所・帰宅時における安全点検リストについて』を参考にすることが有効である」と追加しております。これは、前回の委員会から今回の委員会の間に発出した通知です。平成17年に策定した安全点検リストを改正したものになっておりますけれども、こちらを加えさせていただくなど、この間の変更点なども追加させていただいております。
細かな表現などについては割愛させていただきますが、「児童館ガイドライン(案)」につきまして、主な変更点についての説明は以上になります。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
この間、実質2年近く、ガイドラインについて議論をしてきたわけでございますが、お手元に資料3「報告書(案)」がございます。この一番最後、21ページ、22ページに、私どもが専門委員会で今までどんな議論をしてきたかということが概観されております。
それで、私も議事録を改めて捲ってみましたら、平成28年10月、第8回の専門委員会で、遊びのプログラムの検証・改良・展開以外に、今後の専門委員会の活動として、ガイドラインの充実・発展に着手しようではないかという意見が提言されて、これを皆様で了承して、ここから児童館ガイドラインの改正に向かって進もうということになってきました。
それから、第9回から、児童館ガイドラインについて話が進みますが、少し専門の部会をつくったらどうかということで、ワーキンググループの設置が提案されまして、8月の専門委員会の集会を経て、平成29年の11月の第10回専門委員会でワーキンググループ・メンバーが決定されました。この間、専門委員会で、現ガイドラインをめぐって、修正するとしたらどこを加除するかという議論を繰り返し皆様の御意見を伺っていたという経緯になります。
それから、平成30年になりまして、植木委員にワーキンググループの座長になっていただきました。平成30年の1月の第11回に、具体的な草案、たたき台を提出いたしました。それ以降、その都度、皆様からの意見をワーキンググループで受け止めて修正し、12回、13回と専門委員会にて継続審議してまいりました。
ワーキンググループと事務局は懇切丁寧な議論と知恵を絞って校閲を行ってまいりました。本日は、これをもって厚生労働省に改正児童館ガイドラインの案として提案することにしたいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○鈴木委員長 ありがとうございます。それでは、これをもって専門委員会の最終案ということに決定して、事務局に手渡すことに致します。
続きまして議事の(2)でございますが、「報告書(案)について」御説明をお願いしたいと思います。
○依田専門官 それでは、資料3をご覧いただければと思います。前回6月22日、第13回の専門委員会にて、お示ししたものでございます。その場でいただいた各委員の御意見、御指摘、また、その後、事務局に寄せていただいた御意見等々内容を精査させていただき、今回の案としてお示ししています。
修正、変更点につきましては、前回から変わったところに下線が引かれております。
まず、表紙ですが、「(案)」がとれれば、本日9月20日付となります。前回、厚生労働省子ども家庭局の記載になっておりましたけれども、遊びのプログラム等に関する専門委員会のまとめた報告書という形で整理させていただくことになりました。
1枚めくっていただき、目次となります。目次は前回から変わってございませんが、「おわりに」の後に下線が引かれております。その内容が、自治体、現場にいらっしゃる職員の皆様に期待する部分が大きく、そのような副タイトルが立てられております。
構成としては、「はじめに」で、専門委員会が立ち上がった経過などが書かれている。1番目に、「子ども・子育て家庭を取り巻く状況と健全育成上の課題」、子ども・家庭全般の社会課題について記載し、それを取り巻く児童館の現状がどうなっているか課題を記載しています。そして、専門委員会での検討内容が書かれ、4番目に、今後、遊びのプログラムをどのように普及啓発していくのかがまとめられています。
最後にガイドラインの改正案のポイント、活用法に言及されておりまして、「おわりに」で、専門委員の皆様の思いや期待するところがまとめられております。そして、専門委員会がどのような内容で検討し、どういった経過で開催してきたかの記録になっています。
そして、ガイドラインの修正に参考にした児童健全育成にかかわる関係法令がまとめた構成になっています。
2ページ、「はじめに」について、前回、御説明しておりますので割愛する部分も多いですが、5つ目の○ですね。こどもの城がこれまで蓄積していた遊びのプログラム、また全国の児童館等に果たしてきた機能、役割など、国が引き継ぎ、遊びのプログラムの全国的な普及啓発や新たなプログラムの開発、そして今後の地域の児童館等のあり方などを検討するために遊びのプログラム専門委員会が置かれたことが書かれております。下線部は児童福祉法の改正を受けて、「すべて子どもは、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切な養育を受け、その心身の健やかな成長・発達、自立が図られることなどを保障される権利を有することや、年齢や発達に応じてその意見が尊重され、最善の利益が優先されること」という児童福祉法改正の基本的な考え方を加筆しております。
3ページ「1.子ども・子育て家庭を取り巻く状況と健全育成上の課題」も前回から大きくは変わっておりませんが、加筆されているところは3番目の○です。近年、子ども、特に中高生のネット依存の課題があるということで委員会から御意見があったところですが、改めて委員からその内容確認もございましたので、また書き加えています。「パソコンやスマートフォンによるゲーム、SNSなどのインターネットを長時間使用することで、日常生活に支障をきたす『ネット依存』の疑いがある子どもは、5年前に比べ約40万人増加し、全国で推計約93万人となっている」。出典は、厚生労働関係の研究報告でございます。
1つ飛んで下線部のところ、「児童虐待の通告件数やいじめの発生件数の増加、子どもの貧困の社会問題化」など、並べ方を変えてわかりやすくしています。
次のページに参りまして2番でございます。ここから、児童館がどのような状況にあるのか書かれています。ガイドラインの見直しに当たっていただく前提として、その現状を専門委員会で共有した内容を転載しています。内容については割愛させていただくことといたしますが、表を見ていただくと、児童館数の推移がございます。
5ページ目の「児童館の課題」には、現行の児童館ガイドラインがあって、5項目にその機能・役割をまとめていて、また活動内容として8項目挙げています。近年、特に子どもをめぐる状況が複雑多様化しており、調査の概要、結果が「小型児童館・児童センター」と「大型児童館」についてそれぞれまとめられている構成になってございます。
6ページ、(図表2)が数値の修正となりますので御説明させていただきます。昨年の専門委員会で報告した数値を前回の専門委員会でも採用しておりました。
それは、元となった調査研究の概要版から数値を引用しておりましたけれども、正式な本報告書の数値を採用させていただくこととしました。脚注8番になりますけれども、植木委員が主任研究員をお務めになりました、平成28年の「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」の本報告書に掲載される数値を採用させていただいております。それは一般に公表されていて、全ての方が出典元をたどれるという観点から修正させていただきました。
7ページでございます。項目が3番目に移り、専門委員会の検討内容となります。(1)で3つの検討課題を設定しておりまして、1.2.3.は平成27年の専門委員会設置の際に示されたものを転載しています。
そして、専門委員会が何をしたかについて(2)でその取組と成果を御紹介しています。1.は、初年度、平成27年度の取組とその成果をまとめております。ざっと御説明をすれば、児童館の現状を把握し、こどもの城がどのように機能していたか、その成果を聞いた内容です。評価検証を行い、詳しく紹介したものが8ページでございます。
「遊びのプログラム等実践状況調査」の結果を要約しております。「こどもの城の遊びのプログラム及び機能及び役割について」、以下10点に意見を要約しております。これも以前御紹介しておりますので、詳しい内容は割愛させていただきます。
そして9ページが、後半の専門委員会が担ってきた児童館ガイドラインの評価でございます。以下○5点に要約してございます。
そして、2.平成28年度の取組と成果では、厚生労働省の委託事業として全国の児童館で遊びのプログラムを実践していただいた内容について、横断的に評価検証を行った専門委員会の機能を報告しております。
10ページの囲みがその要約結果になります。以下5点でございます。
3番目、平成29年度、3年目の取組と成果です。厚生労働省委託事業で、遊びのプログラムをマニュアルにまとめ、専門委員会から助言を受けたことなどが示されております。また、ワーキンググループが設置され、改正児童館ガイドライン案について見直すための検討をしたことが記載されております。
そして、11ページが、今年度の途中の経過ではございますけれども、本日9月20日までの専門委員会の役割、機能、成果について示しております。
ここも加筆されておりますのでご説明したいと思いますが、厚生労働省の委託調査研究事業が今年度もスタートしております。内容としては、遊びのプログラムの普及、改定、開発に重要な役割を担うことが期待される大型児童館において効果的な取組を普及していくことを目指して、大型児童館を起点とした遊びのプログラムの実践、普及啓発及び改定・開発の取組や、地域の小型児童館との連携方策など好事例を収集する。
そして、昨年と同様に、児童健全育成の関係者が遊びのプログラムを体験し学ぶ機会として全国版「遊びのプログラム実践交流会」、昨年は「遊びのマルシェ」として開催いたしましたが、これを引き続き実施する予定でございます。委員の皆様には、御助言をいただき、子どもの福祉に資する優良な遊びのプログラムの実践を支援し、また全国に普及していくことに寄与・貢献し、子どもの健全育成を推進することとしています。また、ワーキンググループで検討していた児童館ガイドラインの改正素案については、専門委員会での議論を経て、「児童館ガイドライン改正案」として、本日提案したと記載しています。
12ページ「4.遊びのプログラムの今後の普及啓発の方向性」でございます。前回の専門委員会でいただきました各委員の御意見をしっかり取り込む形で、十数項目を示しています。ここも前回から全面的に加筆されたところでございますので、下線の部分を説明させていただきます。
○こどもの城は、先駆的な遊びのプログラムを開発し、来館した子どもたちが体験するほか、移動児童館や研修会の実施などを通じて、全国の児童館等に情報提供や普及啓発活動を行うなど大きな役割を担ってきた。
それを前提として、
○こどもの城が閉館した現在、これらの役割は専門委員会、大型児童館及び地域の児童館等がその役割を分担することによって、遊びのプログラムの実施・検証・評価にかかる取組を担っていくことが必要である。
○専門委員会の役割としては、全国の児童館で取り組まれている遊びのプログラムの情報を定期的に収集・検証・評価し、それらを厚生労働省のホームページや大型児童館等を通じて情報提供し、全国に普及啓発することや、発達段階に応じた遊びの効用を踏まえた遊びのプログラムの実施方法等の提示が求められる。
○地域の児童館においては、遊びのプログラムの実施、開発・改良、検証・評価や他の児童館との実践交流などが考えられる。
○遊びのプログラムを実施する際には、「児童館等における遊びのプログラムマニュアル」を有効活用するとともに、児童館単位の自主的な取組や創造性を発揮することが求められる。
ホームページで紹介される際には、出典元のURLから当該マニュアルが開きます。
そして6番目には、
○「児童館等における遊びのプログラムマニュアル」や「児童館実践事例集」等を活用し、館長や児童厚生員を対象に、国、都道府県、市町村などによる遊びのプログラムの実践を推進するための研修会が必要である。
前回、委員より研修を共有化する方法が必要とする御意見があり、それを反映してございます。
最後でございますが、
○児童館において、子どもの意見を取り入れて改良した遊びのプログラムや子どもが主体的に展開する遊びのプログラムについて実践と研究を重ね、実践交流や研修を実施することが望まれる。その際、子どもの変化や職員の関わり方なども検証しながら日常の児童館活動にいかすよう工夫することが必要である。
13ページでございます。
○児童館等における遊びのプログラムの検証・評価については、子どもの自発性がどのようにいかされ遊びを発展することができたに留意することが重要である。
○大型児童館については、広域地域の情報収集・発信、管内児童館の連携促進、児童館未設置地域等での遊びのプログラムの普及啓発、実践がなされることが期待される。
○大型児童館がない自治体は、計画的に設置を進めるとともに、設置までの間は、大型児童館に代わる拠点児童館を選定し、都道府県内における上記役割を担う等工夫して取り組まれることが期待される。
○大型児童館、地域の児童館によるこれらの取組を通じて、専門委員会としては、今後も遊びのプログラム発展を支援していきたい。
また、遊びのプログラムの今後の普及啓発に期待されていることを7点示しているところでございます。
14ページ、「児童館ガイドラインの改正案のポイントと活用方法」です。(1)は「児童館ガイドラインの策定の背景」でございます。これも専門委員会の中で御紹介したものを転載しているところでございます。
そして、(2)は「児童館ガイドラインの見直しの経過」で、これも専門委員会の中で御報告しているところでございますが、その時点で既に6年が経過していた児童館ガイドラインの見直しについて積極的に議論していくこととして、先行研究の提言等を参考にその課題を確認しています。
15ページでございます。児童館の機能・役割の検討を経まして、子ども・子育て支援に資する児童福祉施設としての児童館のより一層の機能充実を願い、別紙のとおり、改正児童館ガイドライン案を示しています。別紙は資料2となります。
「(3)児童館ガイドラインの改正案のポイント」の前文となります3行目になります。章立ては第9章ですけれども、前回の案では40項目あったのですけれども、2つの項目が1つにまとまりまして、39に変更されていること、若干の修正などがございまして、約1万5000字から1万4700字に字数を変更しております。
第1章「総則」、第2章「子ども理解」と、それぞれ章ごとに分けて表記したところでございます。
16ページです。第5章では、児童館の職員で「児童館活動及び運営に関する業務」で、児童館活動に必要な業務の全体をまとめて記載し直してございます。
第6章「児童館の運営」、第7章「子どもの安全対策・衛生管理」、第8章「家庭・学校・地域との連携」、第9章「大型児童館の機能・役割」において、それぞれポイントを精査して記載しているところです。
「(4)児童館ガイドラインの活用と周知の方法」も前回専門委員会で、活用方法だけではなく周知の方法についても言及すべきという御意見があり、それらの意見を踏まえて修正してございます。
今回、専門委員会から国に提案した児童館ガイドラインの改正案は、子どもの意見の尊重や最善の利益の優先などについて強調したことが要点であり、専門委員会では、児童館の主たる利用者である子どもが、さらに積極的に児童館を利用できるよう「子ども版児童館ガイドライン」(仮称)の策定を望む意見があった。
専門委員会での強い御意見をここに反映してございます。
18ページ、
また、「子ども版児童館ガイドライン」(仮称)の策定を待たずとも、地域の児童館において子どもが意見を述べる場を提供する取組を進め、子どもの視点や意見が児童館の運営や地域の活動にいかされることを期待する。
その他、改正児童館ガイドラインが、全国の児童館に浸透し有効に活用されるためには、児童館職員はもとより行政担当者、運営団体の責任者等が精読し、それぞれの立場から望ましい児童館のあり方を確認・点検することが重要であり、その周知の方法としては、次のようなことが考えられる。
周知方法を2点示してございます。
19ページに「おわりに」、専門委員会委員の御意見を強く反映してまとめていただいております。専門委員会での検討の結果、まず、児童館における遊びのプログラムの普及の考え方、方向性を示したことが1つ目の成果である。2つ目は、児童館ガイドラインの見直しについて検討したその改正案を示したこと。その見直しの視点は、児童福祉の精神に照らして、子どもの最善の利益、平等の権利などを根底に据える。とりわけ、昨今の子どものさまざまな問題、特に格差の問題などは、健全育成施策においても是正されることが目指されるべきである。こういったことを踏まえて、児童館のあり方等を議論する中で、望ましい児童館の「設置基準」などについて、将来的な検討課題が提起されたことを付記しております。
3つ目の○でございますけれども、
○全市町村に児童館を設置することにより、子どもの健全育成に係る地域間格差を埋め、児童館が国の新たな健全育成施策を担う拠点となることが可能となる。これは、公平性と既存施設の有効活用という経済効率性を兼ね備えた公共政策となり得ることでもあるので、今後の議論が期待される。
○児童館の機能強化には、大型児童館の役割を再認識する必要がある。現在、設置されている全国の大型児童館の機能・役割について、分析・研究し、有効と考える視点や考え方を抽出して、全都道府県に大型児童館の設置を呼び掛けていくことが望ましい。
○福祉施設である児童館の職員には、人格や識見を高め多岐に及ぶ役割を担う資質・技術が求められる。そのため、現行法規における「児童の遊びを指導する者」の職名については、その職務にふさわしい名称に改める必要があるとしています。
20ページからは、専門委員会設置の根拠、これまでの専門委員会等の開催経過、それから最後に関係法令があって報告書を結んでいます。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
ガイドラインの普及啓発活動をこれから全員で実行していくときにも、この報告書というのは我々の指標になると思いますので、皆様の御考えを十分に反映させたつもりでございますが、これについての御意見、御質問、御感想等々でも結構ですので、伺いたいと思います。どうでしょうか。
北島委員も含め、直前まで事務局にも御意見を寄せられたようでございますから、この場では特によろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、次の議事(3)に入りたいと思います。事務局のほうからお願いいたします。
○大津課長補佐 事務局です。
参考資料についてご説明いたします。参考資料1でございます。今年度平成30年度の児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための調査研究でございますが、前回の専門委員会で大型児童館の取組を中心に実施するということを御相談させていただいたところでございます。今年度も児童健全育成推進財団のほうで実施していただくということで、委託事業として行います。
具体的には、真ん中以降、2番、「遊びのプログラムの実践及び効果の検証」のところに記載させていただいておりますが、全国7カ所の大型児童館で遊びのプログラムの実践を行っていただきます。
また、遊びのプログラムの普及につきましては、全国版の「遊びのプログラムの実践交流会 遊びのマルシェ」の開催などを行う。また全国児童館児童クラブの全国大会などにおいてデモンストレーションなどを行い周知・広報を行う予定でございます。
また、最後の(4)ですけれども、「実践マニュアルの作成及び啓発」ということで、改正児童館ガイドラインを踏まえた「児童館等における遊びのプログラム実践マニュアル」を作成することを検討してございます。
続きまして参考資料2のほうでございますが、前回に内容は御説明させていただきましたので内容の御説明は省かせていただきますが、先般、7月27日に「総合的な放課後児童対策に向けて」ということで、放課後児童対策に関する専門委員会の中間とりまとめがまとまりましたので、添付させていただいております。
参考資料については以上です。
また、事務連絡をお伝えさせていただきますけれども、今後の専門委員会の開催につきましては、委員長と相談の上、改めて皆様方に御連絡させていただきたいと思っております。
それと、先ほど御提案いただくということになりました改正児童館ガイドラインにつきましては、通知という形になろうかと思いますので、その手続については速やかに対応させていただこうと思っております。
また、今、御了承いただきました報告書につきましても、公表の手続を対応いたしまして、速やかに公表したいと思っております。通知の発出また公表につきましては、皆様方にも御連絡させていただきたいと思っております。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
さて、本日は、改正児童館ガイドライン(案)を提案することができました。それから、専門委員会での第1回からの議論もまとめることもできまして、とりあえず、足掛け4年、児童館の専門委員会の一区切りといいますか、折り返し点だと思います。本日はお時間もありますし、全14回を振り返っていただいて、委員の皆様から一言ずつ、いろいろな御感想、今後に向けてでも結構でございます。御意見をいただきたいと思っておりますけれども、順番に回らせていただいてよろしいでしょうか。
それでは、植木委員から一言ずつお願いいたします。
○植木委員 植木でございます。
長い時間をかけてようやく改正ガイドラインができ上がったということでございます。それが分量としては3倍の分量ということですから、これは大変インパクトが大きいかなと思います。特に自治体の担当者がこれを読むということも大事ですけれども、やはり現場の児童厚生員や、それから館長にぜひこの機会に目を通していただいて、あるいは周知徹底ということも今回報告書の中に含まれましたけれども、そういったことも具体的に進められることで児童館業界全体の底上げが図られればいいなということを期待いたしております。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
大塚委員、お願いします。
○大塚委員 改正ガイドラインがまとめられて、自分も委員ですが、御苦労さまでした。委員長初め、委員の方、あるいは事務局の方、ありがとうございます。
特に地域共生社会というのがキーワードだと思いますので、子どもさんも多様ですし、子どもさんの背景も多様であって、そういう方たちが今後地域でお互いに共生し合いながら、学び、あるいは遊びながらということで、非常に大切な児童館のガイドラインができたと思っています。私、障害の分野なので、特に配慮を必要とする子どもへの対応ということで入れていただいたということも非常に感謝しております。
もっと具体的に、児童館は積極的に障害のある方を受け入れるのだというぐらいに書いていただくと非常にまたいいのですが、そこまではちょっといかないかなと思います。特に障害の分野、放課後等デイサービスというのが非常に右肩上がりで、親御さんにとってはいいのですが、何か閉じた中でということだけで、事業所の中だけというのはちょっと残念で、積極的に児童館や放課後児童クラブを使っていくことがまさに共生社会かなあと思っておりますので、皆さんも引き受けてくれることをお願いしたいと。こちらも努力しなければ。
ただ、先ほどの審議会の児童部会の放課後児童対策に関する専門委員会の中間とりまとめも見ますと、障害という言葉はあるけれども、障害のある子どもさんを受け入れるとかいうことは全然ないので、共生社会といっても全然考えていないのだなと、余り言うと怒られてしまうかな、ということを含めて、非常に残念だと。私は放課後等デイサービスのガイドラインの作成に携わった者ですが、まずは放課後等デイサービスよりは、放課後等クラブでまず第一義的にはやってくれと。それが本当に共生社会ということを強く言ったのですけれども、すごく温度差がある。障害とこちらが温度差あると。今後、私の力不足か、私たちの力不足かもしれないので、ぜひ皆さんと一緒に、共生社会と言うならということを考えていきたいと思います。どうもありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。今後に向かって肝に銘じておきたいと思います。
佐野委員、お願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございました。皆様、お疲れさまでした。
この3年間というのは、こどもの城が閉館して、地域の現場に、一番地域の子どもたち、保護者に近いところに入って、もまれた3年間で、大型児童館に勤めていることと、また地域の現場で起こっていることの大きないろいろな違いを勉強しつつ、そして、ここでいろいろ考える機会を与えていただいたと思っております。
地域児童館というのはさまざまな課題が毎日毎日積み重なっていくところで、子どものけんかから、まさに障害のある子どもたちの問題から、それから虐待とか重い問題まで、いろいろな問題が毎日毎日累積していく現場です。その中で職員が疲弊していく、そしていろいろなことに鈍感になっていくという現状を見る中で、1つは、このあそびのプログラムが、そこの疲弊して活力がなくなった児童館に刺激を与えて、希望を与えるプログラムだろうなあと思っています。ですから、このプログラムがどんどん普及することで活性化できたら本当にすばらしいことだなと思っています。
それから、ガイドラインは、毎日累積する問題を整理して、分析して、一つずつ解決していくための一つの指標になるのだろうなと思っていまして、まさに現場で活用できるものだろうなと思っております。そういう意味で、全国の児童館の先生方が疲弊しないで、活力を持って、子どもたち、保護者に対応できる一つの刺激を与えるものができてよかったかなと思っております。本当にありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございました。最前線の現場職員に対する補給路が細っているような感じがありますよね。ここを太くしていきたいと思いますが。
続いて、中川委員、どうでしょう。
○中川委員 2011年に現行の児童館ガイドラインができまして、それ以来、私の知る限りでは、国の関係する委員会等で児童館について取り組まれたというのは、この2015年、平成27年まで待ってのことであり、やっとやってきたのかなと思っています。児童館の現場に携わる者としては、今回、この遊びのプログラム等に関する専門委員会が発足したということは本当に感無量でございました。
児童館は、ともすれば、国においても自治体においても取り上げられることがここ数年少なくなってきておりまして、現場に携わる者としては、児童館の可能性、児童館の広がりをもっともっと訴えていきたいなあという思いがある中で、なかなかそれが実現できなくて非常に悔しい思いもしてきましたし、残念な思いもしてきました。
今回、改正児童館ガイドラインが今日まとまった形で提案されて、児童館の現場に関わる者として、自分自身、この委員の一人ではあるのですけれども、全国の現場の館長にしても児童厚生員にしても、本当に待ちに待った改正児童館ガイドラインであろうかなと思います。このガイドラインを今後はしっかり現場の中で普及すること、そして現場がこのガイドラインにのっとった実践を展開すること、これがこれから私どもに与えられた大きな課題であると思っております。
本当にこのガイドラインの改正に携わられたことを光栄に存じますとともに、委員の皆様方に感謝申し上げたいと思いますし、事務局の皆さん方も、いろいろな意見が出る中で、大変適切・的確におまとめいただいたことに敬意を表したいと思います。本当にありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。ぜひ広めていく有効な方法を考え出したいと思います。
続いて、羽崎委員、どうでしょうか。
○羽崎委員 こどもの城の30年というのは、準備室時代から思い出すと、それこそバブル期からバブル崩壊、それから、学校的には、週5日制になっていくだとか、さまざまな要素があるのですけれども、いわゆるアナログからデジタルという大きな世の中の流れの中にももまれてきたという時代で、私自身は、こどもの城の一番最初のころのコンセプトである、教育でもない、でも、単なる遊びでもない、全人的な人間を育成していくという大きな趣旨の中で、さまざまな30年間の世の中の流れの中でいろんなことに取り組んできたのではないかなと思っています。
私自身は、閉館した後に、これからの時代に即した考え方もこれからは相当必要になってくると思うし、そういう中で、先ほど言いましたように、教育でもない、単なる遊びでもない、そういうプログラムというのはどういうものがあるか、あるいはアナログからデジタルの時代に入っていく中で、ある面では流浪している子どもたちにどのように今のコンセプトをプログラムを通して伝えていくことができるか、さまざまな要素が今後あると思いますけれども、その一つとして、今回のガイドラインも含めて、我々の専門委員会の検討したことが生かされていければ、私自身は幸いかなと思います。ありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございました。本当にこどもの城の生き証人でございます。ぜひこれからも頑張って下さい。ありがとうございます。
松田委員、続けてお願いします。
○松田委員 ありがとうございました。私は、児童館というものに関してはすごくいろんな思いがあるのですけれども、自分自身が学生時代にアルバイトしたりしていた児童館もあれば、仕事でこどもの城に数年いたということもあれば、でも、どちらかというと自分自身の子育てを通じてとか、地域のほかの活動というか、地域の活動をする者として外側から児童館を見てきたという立場だなあと、ずうっとこの場にいさせていただきながら感じていました。
まだまだ、もっと発信しないと児童館は危ないなと思っていて、これ以上扱いが雑になっていくのは嫌だなと思っています。それをよくわかっている人たちだけが発信するのではなくて、もっといろんな人が発信できるようにできたらいいなあというのを、このガイドラインの改正も含めて皆さんの御議論を伺いながらとても感じました。
このところ本当に大きな災害が続いていて、子どもたちに一番皺寄せがいくといったときに、その地域の児童館がどのように活躍しているのかとか、大型児童館も含め、そのときの役割というのを考えていくと、やはり児童館が、館という場というだけではなくて、地域の中でどういう役割かということが災害を通じて改めてすごい感じられるなあと思っていて、障害があるとか、なかなか来づらいといった人たちに対しても、来ている子どもだけでなく、どうその地域の子どもの健全育成とか健やかな育ちということを見守っていくかというところが本当に課題だし、中の方たちは本当にそう思って背負ってやってくださっていると思うのですけれども、もっともっとこのガイドラインを通じてそういったことを発信できるといいかなあと思っています。
今回は、災害のところの書きぶりは備蓄ぐらいで終わってしまっていますけれども、もちろん、日常が大事ということは、災害時も日常が取り戻せる場として児童館の役割というのがつけ足されるというか、やることが増えるという意味ではなく、改めて見直せる場になるといいかなあと感じています。どうもありがとうございました。
○鈴木委員長 ありがとうございます。児童館は児童福祉の視点が基調ですよね。そこのところがどうも、遊んでいればいいだろうみたいな感じになりがちなところは反省点として忘れないようにしなければなりません。
吉村委員、どうでしょうか。
○吉村委員 数年間ありがとうございました。前回、拠点の大切さ話をしたと思いますが、私は今、こどもの城という拠点をなくした音楽事業部の中に所属していた、合唱団の子ども達300人を連れて独立し、なんとか活動を続けていますが、その中で、改めて拠点の大切さを感じています。それと共に、やはり遊びの中で子どもたちの感性が磨かれていくということも、実感する3年間でありました。
こどもの城という拠点で自由に遊びを通して学んでいくことがどれだけ子ども達の想像力をかきたて仲間や家族のコミュニケーションのあり方を育んでいたかは計り知れません。残念ながら閉館してしまいましたが、これからは、全国の大型児童館にこの役割を担ってもらい、こどもの城から生まれたもの、新たに生まれたものなど、遊びを通して育つ多くの物を発信していっていただけたらと思います。ですから今回、新たに作成された、児童館ガイドラインの中に大型児童館の役割の記載があったことはとてもうれしく思いました。そして、子ども達の感性は遊びを通して育つべきであるということにも触れてあることも大変喜ばしいことです。
これからも、子どもの目線で、そして、児童厚生員の人がいつも笑顔でいられるような、そんな児童館になっていくことを願って、私も子どもたちと一緒に、今は拠点はありませんが、共にこどもの城の良さを発信していけたらと、このガイドラインを見ながら感じました。ありがとうございました。すばらしいガイドラインになったと思います。
○鈴木委員長 ありがとうございます。皆の思いを代表していただいたような意見でもございました。
最後に、私も一言言わせていただきたいと思います。
遊びのプログラムに関する専門委員会ということでスタートして参りました。遊びのプログラムという言葉について、随分こだわりながら来たつもりです。今、厚労省の委託研究で児童館における遊びのプログラムの効果の検証・分析というものを考察していまして、改めて遊びのプログラム、特にプログラムというものをどう解釈するかというので非常に悩みながら調査しているところでございます。
私自身は、児童館が取り組む意図的な、継続的な活動をプログラムとして、日常活動からイベント的な活動まで全部プログラムとしてきちんと組まれるべきであるということを検証していきたいと思いましたが、どうもプログラム論の専門等によると、その定義には計画を立てて結論が出るものというような大前提もあるようです。結論をいつまでに出さなければいけないかという問題はあって、健全育成した子が幸せに生きられるということは、場合によっては60年、70年先までも見守る必要があります。そういうことも視座に入れたときに、プログラムというものの概念を専門委員会のスタートのときに位置づけるべきであったのかなあと考えています。
もう一つは、遊びのプログラムと言われると非常に窓口が狭く感じるので、今後の専門委員会の継続については、どこかの時期に専門委員会の名称を検討する必要もあるのではないかと考えています。やはり児童福祉の視点とか、児童館の日常も含んだ子どもに対する考え方とか、ないしは健全育成とか、大きい名称を冠していただくと検証内容がより広く深くなるという気がします。といいますのは、マルシェとか、専門委員会で実施した遊びの検討を通じて、いい活動、いいプログラムをしている児童館というのは、大概そこにいるお子さんと児童館の職員さんが人格的に信頼関係を築けていますよね。その大人との信頼関係があるから、子どもから自由に発信できて、いろいろなプログラムが組まれているのであろうというのが、ここ3年ばかり観察してきた私の結論です。そうするとやはり、日常、児童館の受付けとか、児童館に来たときに子どもの状況をどう見るかとか、臨床心理家のような気配りでいる現場職員の姿勢が大事だと考えられるのですね。それを分析しながら提言していけるところに児童館の専門性の価値が高まっていくと思いますので、今後、専門委員会ですから、そういうことを少し掘り下げていけるような場を持てたらいいなと感じました。特に日常を大事にするということをもう少し丁寧に、事例でも研究でも通して深められたら実証的だし言語化ができると思います。
いずれにしても、この専門委員会をきっかけとして私自身もいろいろと深く考えさせていただいて、いろいろなお立場の意見も聞けましたので、本当に皆様に感謝しております。また、委員長役を仰せつかって、時間で追い立てるような拙い進行役でございましたが、皆様にご協力していただき、一応の成果物を出せることになったことに大変感動しております。どうも皆様、長い間ありがとうございました。
それでは最後に、田村課長から一言所感をいただきたいと思います。
○田村課長 3年3カ月余りで、回数にして14回、それから、ワーキングの先生、中川先生、それから、植木先生におかれてはさらにプラス数回、皆様、お忙しい中、この議論の場にお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
おかげをもちまして、先ほど、改正児童館ガイドライン、私ども事務局のほうに御提案をいただけるという運びになったということでございます。拝見したところ、大分細部にわたって見直しをされた。もちろん、しなければならない部分もたくさんあったということの結果だと思っております。これも皆様の御議論の成果ということで、非常に貴重なものだと思っておりますので、本当にありがたくこれを受けとめさせていただきたいと思っております。
それから、この3年余り、遊びのプログラムということで議論を重ねてきたその経過といいますか、成果といいますか、その報告書ということも、本日、大方この案のとおりでいいのかなと感じ取れました。こちらに関しても皆様方の御努力に感謝申し上げたいと思っているところでございます。
私どもも、これから児童福祉行政、児童健全育成行政、子どもの行政を進めていく中で、このガイドラインの改正案、それから報告書のとりまとめにつきましては非常に重要なものでございますので、そういった行政を進める中でぜひ活用させていただきたいと思います。
それから、委員長はじめ委員の皆様方におかれましても、今後も、私どもへの御意見、御指導も含め、それから、皆様方のそれぞれの立場でさらに御活躍いただくことが、私ども行政を進める上での力になると思いますので、これからもよろしくお願いしたいと思っております。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
本日は、これにて閉会とさせていただきたいと思います。皆様、本当にお疲れさまでございました。ありがとうございました。

(了)
 

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