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2018年3月23日 社会保障審議会児童部会第12回遊びのプログラム等に関する専門委員会

子ども家庭局子育て支援課

○日時

2018年(平成30年)3月23日(金)15:30~17:45

 

○場所

厚生労働省12階子ども家庭局会議室5
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

○出席者

委員

植木 信一      (新潟県立大学人間生活学部子ども学科教授)
大塚  昇         (上智大学総合人間学部社会福祉学科教授)
鈴木  一光     (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
高松 絵里子 (北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長)
中川 一良     (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
羽崎 泰男      (一般財団法人鬼ごっこ協会代表理事)
松田  妙子     (NPO法人せたがや子育てネット代表理事)
 

事務局

川鍋子育て支援課長
鈴木健全育成推進室長
竹中課長補佐
依田児童環境づくり専門官

○議題

(1)児童館ガイドラインの見直し等について
(2)モデル事業の経過報告について
(3)その他

○配布資料

資料1 第11回遊びのプログラム等に関する専門委員会の主な指摘事項
資料2 第2回今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループの主な指摘事項
資料3-1 児童館ガイドラインの見直し等に係る検討項目・指摘事項について    
資料3-2 平成29年度「遊びのプログラム等に関する専門委員会」及び「今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループ」の開催状況
資料4-1 改正児童館ガイドライン(仮称)素案のポイント
資料4-2 改正児童館ガイドライン(仮称)素案
資料5 委員提出資料
資料6 平成29年度児童館等における「遊びのプログラム」の開発・普及に係る調査研究業務の報告書概要(案)
資料7  2018年(平成30年)度スケジュール(案)
資料8 地域の児童館等のあり方等に関する報告書(仮称)項目骨子案
参考資料1 平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究「児童厚生員の処遇や資格の現状と課題に関する調査研究」報告書概要(案)
参考資料2 平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究「児童館を中心とした社会的ニーズへの対応及び必要なネットワーク構築に関する調査研究」報告書概要(案)
参考資料3 児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための実践マニュアル(仮称)の作成
参考資料4 第7回放課後児童対策に関する専門委員会(平成30年3月19日開催)資料3、資料4
 

○議事

 

 

○竹中課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第12回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」を開催いたします。
本日、御出席の皆様におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日ですけれども、北島委員、佐野委員、吉村委員から御欠席の御連絡をいただいております。
それでは、早速ではございますけれども、鈴木委員長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 今年度、最後になります。委員の皆様には、年度末で御多用のところ、御出席賜りまして、ありがとうございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
振り返りますと、平成23年3月末日に、東日本大震災から20日目に児童館のガイドラインが発出されました。それから7年たちましたが、子どもを取り巻く課題というのは複雑化するばかりで後を絶ちませんで、虐待、いじめ、子どもの貧困などが子どもをむしばんできました。そのため、この間の動きを見てみますと、子どもの貧困対策とかいじめ防止対策、放課後児童クラブの運営指針、児童福祉法などが施行・改正されてきています。児童虐待の防止に関する法律などは、法制定以来、平成29年までの間に17年間で6回改正されてきています。それだけ、改正しても子どもを守らなければならないという切迫した事態なのだと思うのです。
そういう中にありまして、児童福祉法40条の福祉施設たる児童館ですけれども、子どもの放課後について、発生予防や早期解決や解決支援の視点から、地域で一番中核として子どもの権利を保障できる施設だと思うのですが、平成27年の国立児童センターの閉鎖は、児童館が消えていくのかという動揺を全国的に与えたと危惧しておりました。それらの経緯も含めまして、地域の子どものために児童館ガイドラインを改正することによって、児童館をより活性化させようという強い思いがありまして、今日に至ったと考えています。
今日は、児童館改正ガイドラインの素案につきまして、委員の皆様から御意見を賜ること、これが主な内容になろうかと思いますが、子どもが権利主体であることの具現化、利用施設としての児童館の特性、遊びを通した発達支援の意味、児童館職員の専門性、大型児童館の機能と役割についての記述など、喫緊の対応に応えるということを主眼に作業をしてまいりました。そこで、改正に当たって、植木委員にワーキンググループの座長をお願いしてまいりまして、当委員会としては、児童館ガイドラインを活用するのは誰かということを基本的に考えてみました。
まずは、児童厚生員さんたちに日々参考にしてほしい。それから、所管行政の方に活用・理解してほしい。児童館職員の自己評価、児童館評価の指標にしてほしい。そして、児童館指定管理者に児童館経営の標準指標としてほしいということを念頭に、時間をかけて作業をしてきていただきました。どうぞ、本日も活発な御意見を賜りますようお願いしたいと思います。
それでは、事務局のほうから資料の確認について、お願いします。
○竹中課長補佐 本日も資料が多くなっておりますけれども、資料1は、前回、第11回の専門委員会の主な指摘事項等、1枚紙です。
資料2も1枚紙ですけれども、これは第2回のワーキンググループの主な指摘事項をまとめたものです。
資料3-1ですけれども、これまで、この児童館ガイドラインの見直しに関して、専門委員会なりワーキンググループで御検討いただいた内容、指摘事項をまとめたものでございます。
資料3-2が横の1枚紙ですけれども、専門委員会とワーキンググループのこれまでの開催状況。
資料4-1、4-2が、本日のメーンテーマ、議事1になりますけれども、4-1が改正児童館ガイドライン(仮称)素案のポイントということで、見直しの経過とか素案の内容のポイント、主な特徴をまとめたものでございます。
4-2が改正児童館ガイドライン(仮称)素案の全文でございまして、後ほど御審議いただきたいと思います。
資料5ですけれども、本日、御欠席の北島委員と佐野委員から、ガイドライン見直しに係る意見書ということで、素案に関する御意見をいただいておりますので、これもあわせて御議論いただきたいと思います。
資料6ですけれども、今年度、厚生労働省が委託調査を行い、この遊びのプログラムの専門委員会でも御報告してまいりました「遊びのプログラム」の開発・普及に係る調査研究業務の報告書概要(案)でございます。
資料7が、これも1枚紙ですけれども、来年度、2018年度のスケジュール(案)ということで、後ほど事務局から御説明させていただきます。
資料8も後ほど御説明いたしますけれども、専門委員会としての地域の児童館等のあり等に関する報告書(仮称)項目骨子案でございます。
参考資料ですが、まず、参考資料1ですけれども、今年度、厚生労働省の公募型の調査研究をやっていただいた1つ目で、「児童厚生員の処遇や資格の現状と課題に関する調査研究」、これはみずほ情報総合研究所でやっていただきました。その報告書の概要(案)。
参考資料2が「児童館を中心とした社会的ニーズへの対応及び必要なネットワーク構築に関する調査研究」の報告書概要(案)。これは、児童健全育成推進財団でやっていただいたものです。児童館ガイドラインの見直しに関わるものとしてお付けしております。
参考資料3、これは前回の専門委員会でも付けましたけれども、来年度の委託調査の概要でございまして、実践マニュアルを作成いただくことにしておりますので、その参考として付けさせていただきました。
最後、参考資料4ですけれども、これは同時並行で進めております放課後児童対策に関する専門委員会が、3月19日に開催されました。その資料の概要で、今後の放課後児童対策のあり方に関わる基本的な視点ですとか、今後、取り組むべき方向性などをまとめたものでございまして、これも後ほど簡単に御説明させていただきます。
配付資料、以上となります。過不足等がございましたら、お伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木委員長 配付資料のほう、大丈夫でしょうか。
議事に入ります前に、前回、第11回の専門委員会及び先日開催されました第2回の「今後の児童館のあり方検討ワーキンググループ」の議事内容について、事務局から簡単に御説明をお願いいたします。
○依田専門官 資料1、2に沿って御報告申し上げます。資料1でございますけれども、前回第11回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」で指摘のあった内容についてまとめたものです。1月12日に開催しましたが、主な内容としましては、児童館ガイドラインを見直しのたたき台をお示しし、委員の皆様から伺った御意見です。
まず、学校に行けない中・高校生の中にも児童館を拠り所にしている子どももいるので、「中・高校生世代」と統一して表記してはどうか。
障害のある子どもや、日本語が話せない、読めない子どもも児童館には来ている。日本国籍以外の人たちが利用しやすいような配慮の視点をガイドラインにどう入れるか。
ソーシャルワークについては、児童厚生員の仕事を増やすということではなくて、他の相談機関等と仕事をシェアしながら相対的にその役割を果たしていくということである。また、積極的に専門機関とそういった業務をシェアしていくことによって、地域全体で子どもを支援していくつなぎ役の役割が児童館に期待されているのではないか。
子育てが豊かに行われ、子どもたちが地域を愛して、その地域でずっと育っていく地域づくりのニュアンスも児童館に加えて、強調していいのではないか。
児童館ガイドラインのキッズ版の作成はすごくアイデアで、現場としては大きな力になるのではないかという御意見がございました。
「健全育成」という考え方の内容をきちんと書いていくことに期待する。健全育成は一人ひとり違うことであって、一律の指導は健全育成ではない。一人ひとり違うペースで成長していくことをガイドラインに書き加えていきたい。
児童館で子どもたちが生の舞台を見ることがなくなってしまった。大型児童館にはホールなどの設備があり、文化芸術活動、例えば生の舞台の鑑賞などを一つの役割として位置づけていただきたい。
研修が終わった後にも職員同士でしっかりと話し合って、現場に重ね合わせて活かさなければ研修にはならないのではないか。
児童館のあり方検討と児童館のガイドラインの改定作業に当たる「今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループ」を3月12日に開催し、ガイドラインの項目ごとに御意見を伺いました。児童館は子どもの日常を把握して、具体的、総合的に、子どもの課題に関わっていく視点が必要である。児童館のあり方や望ましい方向を示す際には、子どもにとっての必要や子どもの可能性に軸を置いて、子どもの視点からより明確に示していくことが大切という御意見をいただいておりました。
第1章、施設特性の項目が新設されておりますけれども、例えば「子どもが一人でも利用することができる」とあるが、小学校未満の子どもは保護者が同伴である。幼児も1人で来てもいいと捉えられてしまう懸念がある。それに対して、一人でも利用できるというのは、子どもが自分の意思で行くという意味であり、虐待ケースなど、幼児のSOSとして一人で来るケースもあるので、この「一人でも利用することができる」という文言は非常に大事、といったように議論が分かれたところでした。
第2章。思春期(青年前期)の中にある「アイデンティティ」と「レクリエーション」の用語をめぐって、日本語にすべきかどうか御意見がありました。資料4-2では、そのまま使っておりますけれども、一般的な用語として使われているからこのまま使うという御意見をいただきました。
第3章、子育て家庭への支援の「また」以降の文章ですけれども、それを具体的に「参加者同士で交流できる場を設け、子育ての交流を促進する」とするという具体的な修文案もいただきました。
第4章、親が子どもを児童館に置いて、どこかに行ってしまうという現状があるのならば、むしろ児童館は虐待予防の砦になり得るという御意見もありました。「乳幼児触れ合い体験の取組」は新たに加わった項目ですが、中・高校生世代や小学校高学年の子どもの体験を豊かにしていく取組であるため、乳幼児支援・子育て支援の項目にあるのはどうかという御意見があり、それに対して、子どもたちの居場所の項目に入れると乳幼児が客体になってしまうのではないかという御意見もありました。この取組は双方にとって大事であることをワーキンググループで確認し、その位置に収めた経緯があって、「なお、実施に当たっては、学校・家庭や母親クラブ等との連携を図りつつ行うことが望まれる」と、乳児の権利についての文言を入れることとなりました。
その他の第5章、第6章には前文を入れていますけれども、文末が「記述している」で終わっているので、ほかの章と統一したほうがいいのではないかという御意見もありました。
前回専門委員会と前回ワーキンググループの議論はこのような形でお示し、それ以前のご意見等は資料3-1にまとめ、それぞれ項目の中に落とし込んでありますので、必要に応じてご覧いただければと思います。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
それでは、議事1「児童館ガイドラインの見直し等について」に入りたいと思います。
これまでの児童館ガイドラインの改正のための検討状況につきましては、資料3-2、横長のメモをお手にとっていただけますでしょうか。29年8月25日、有識者意見交換会から始まりまして、30年3月23日、本日までの間、ワーキンググループを随分頻繁に、膨大な時間を費やして、この素案をつくっていただきました。ワーキンググループにおいては、資料3-1の各項目の指摘事項を踏まえまして、全体の構成や考え方を整理しました。加筆・修正を行いまして、資料4-2、これで進めていくことになろうかと思いますが、「改正児童館ガイドライン(仮称)素案」ということで、まとめさせていただいております。
まずは、これを今日、お示しできる段階まで進んでまいりましたので、この間の児童館のあり方の議論、児童館ガイドラインの見直しに関わる検討の経過や内容について、ワーキンググループの座長として、おまとめいただきました植木委員から、この経過等々につきまして御説明をお願いします。
よろしくお願いします。
○植木委員 わかりました。植木でございます。よろしくお願いいたします。
資料4-2を中心に説明してまいります。
先ほど冒頭で鈴木委員長、言っておられましたけれども、現行の児童館ガイドラインがちょうど7年前の3月に発出されて7年が経過した。たった7年と思われるかもわかりませんけれども、この間、さまざまな社会的な課題が表出し、一方では、そうした課題に対する児童館のあり方もこの7年間で問われてきたのではないかという背景から、このタイミングで児童館ガイドラインを改正し、さらには、現場の職員に活用していただけるような中身に充実させていく必要があるのではないかという背景から、作業を進めたものでございます。
資料4-2の1ページと2ページをご覧いただきますと、大まかな目次と申しますか、素案の項目が並んでおります。第1章から、今回は第9章まで。現行の児童館ガイドラインは約5,400字だったのが、今回、この改正案におきましては、およそ1万4,800字に増量しております。つまり、中身としては、分量としてはおよそ3倍にふやしたということ。ただし、一方で、先ほど申し上げましたけれども、現場の児童館職員が負担なく目を通し、そして、よりわかりやすい、あるいは具体的な参考となる内容になるように表現方法を工夫し、内容に関しても、章を追うごとに重複しないように、この間、随分と時間をかけて改正してまいりました。
1ページ、2ページの第1章をご覧ください。全体を申し上げます。第1章の総則の中に、「3 施設特性」、「4 社会的責任」を新設いたしました。この総則においては、児童館の特性を明確にしなければいけないということで、この「3 施設特性」、「4 社会的責任」を加筆したものでございます。さらに、「第2章 子ども理解」を新設し、2ページになりますけれども、「第7章 子どもの安全対策・衛生管理」を独立させ、最後に「第9章 大型児童館の機能・役割」を新設したというものでございます。
具体的な中身に入ってまいります。3ページをご覧ください。改正児童館ガイドライン(仮称)素案でございます。
「第1章 総則」、「1 理念」の中に、改正児童福祉法の趣旨を踏まえまして、子どもの権利に関する中身を加筆いたしました。そういった意味では、この児童館ガイドラインも現行の児童福祉法の内容をそのまま照らした、含めたという内容に修正いたしました。
その下です。「3 施設特性」、これも先ほど申し上げましたけれども、新設したものでございます。(1)で施設の基本特性を明確にいたしました。1から6まで具体的な項目が記載されておりますけれども、いずれも主語が子どもとなっております。つまり、子どもの立場あるいは子どもの視点から児童館の基本特性を示したという内容で、ここは記載しております。
また、その下の(2)児童館における遊びです。この部分に関しては、児童の権利に関する条約の第31条の趣旨、具体的には、休息、遊び、レクリエーション等の権利といった趣旨を加筆してまいりました。
4ページをご覧ください。(3)児童館の特性でございます。この児童館の特性に関しては、その下の1 拠点性、2 多機能性、3 地域性、明確にこの3つの特性に区分いたしまして、それぞれまとめたものでございます。そういった意味では、この児童館の特性というのは、児童館だからこそのオリジナリティをここでは3点に整理することができるという内容でございます。
その下の「4 社会的責任」も新設した内容でございます。この「社会的責任」の内容に関しては、その前の3の「施設特性」をさらに具体的に踏み込んだ内容として、ここに明記いたしました。
次に、「第2章 子ども理解」に関しても、これも新設した内容でございます。大きく「1 乳幼児期」、5ページに移りますが、「2 児童期」、「3 思春期(青年前期)」の3つに区分いたしました。これらは、児童館が対象とする子どもを想定して、この3区分の子ども理解の内容として整理したものでございます。このうちの「3 思春期(青年前期)」の文章の中に、4行目、「中・高校生世代」と表現いたしました。これは、中学生、高校生あるいは高校に通っていない子どもも含めた内容として、「中・高校生世代」と表記を統一したものでございます。
次に、第3章は、現行の児童館の機能・役割をさらに加筆し、この機能・役割を5項目に区分し、現行のガイドラインをさらに詳しく加筆したものでございます。
6ページをご覧ください。「2 子どもの安定した日常の生活の支援」です。後半の部分、児童館が子どもにとって日常の安定した生活の場になるためには、最初に児童館を訪れた子どもが「来てよかった」と思え、利用している子どもがそこに自分の求めている場や活動があって、必要な場合には援助があることを実感できるようになっていることが必要となる。そのため、児童館では、訪れる子どもの心理と状況に気付き、子どもと信頼関係を築く必要がある。このような児童館の受付機能と申しましょうか、インテイク機能と申しましょうか、そういった内容をここに加筆したものでございます。
7ページをご覧ください。第4章も、現行の「児童館の活動内容」を8項目に区分し、さらに強化したという内容でございます。「1 遊びによる子どもの育成」の(2)の冒頭の部分で、「児童館は、子どもが自ら選択できる自由な遊びを保障する場である」と加筆いたしました。これは、子どもたちが児童館における遊びを自ら選択できるという意味合いでございます。
8ページをご覧ください。「2 子どもの居場所の提供」でございます。これの(2)児童館は、中・高校生世代も利用できる施設である。先ほど、「中・高校生世代」に表現を統一すると申し上げましたけれども、この子どもの居場所の提供の対象として、中・高校生世代をここで明確に含めたということでございます。
さらに、その下の(3)児童館を利用した経験のある若者を支援したり、若者自身の居場所づくりに協力したりすることにも配慮すること。この児童館を利用した経験のある若者、これは児童館のOB・OGを指すわけでありますけれども、そういった児童館OB・OGもまた戻ってこられるような、あるいはそういった対象を含めた地域の居場所づくり、あるいは児童館としての居場所づくりに寄与できるのではないかという内容でございます。
その下の「3 子どもが意見を述べる場の提供」の(1)児童館は、子どもの年齢及び発達の程度に応じて子どもの意見が尊重される。子どもの意見表明権の尊重をここで明記したということでございます。
次に、9ページをご覧ください。「4 配慮を必要とする子どもの対応」です。これも随分と加筆いたしましたけれども、例えば(3)子どもの間でいじめ等の関係が生じないように配慮する。
あるいは(5)児童虐待が疑われる場合には、市町村又は児童相談所に速やかに通告すること。
それから、(6)として、地域のニーズを把握するための、その次です。包括的な相談窓口としての機能を児童館の機能として明確にここに明記いたしました。
さらには、(7)として、障害のある子どもの利用に当たっては、合理的配慮に努めることということをここに書き加えました。
次に、「5 子育て支援の実施」です。これは、10ページをご覧ください。4 児童館を切れ目のない地域の子育て支援の拠点として捉え、妊産婦の利用など幅広い保護者の子育て支援に努めることといった内容をここに書き加えました。
その次に(2)として、乳幼児支援の項目を加筆いたしました。
次の(3)乳幼児と中・高校生世代等との触れ合い体験の取組も新設いたしました。
1に、この取組は、子育てにおける乳幼児と保護者の体験を広げ、子どもへの思いを再認識する機会となるとともに、乳幼児の成長を改めて確かめる云々ということが書かれております。これは、まさしく保護者支援であり、乳幼児支援である。
一方で、2 また、中・高校生世代、小学校高学年等の子どもにとっては、子どもを産み育てることの意義を理解し、子どもや家庭の大切さを理解できるようになるため、乳幼児と触れ合う機会を広げるための取組を推進すること。この取組に参加する中・高校生世代あるいは高学年の子どもたちにとっても意義がある。この2点を併記いたしました。
さらには、これらの取組をするに当たって、3 なお、実施に当たっては、乳幼児の権利と保護者の意向を尊重するということも書き加えております。
さらに、その下、(4)地域の子育て支援、1 地域の子育て支援ニーズを把握し、その次です。包括的な相談窓口としての役割を果たすように努める。ここでも、児童館の包括的な相談窓口としての役割ということを明確にしております。
次に、「6 地域の健全育成の環境づくり」です。この(4)地域の児童遊園・公園や子どもが利用できる施設を活用したり、児童館がない地域に出向いたりして、遊びや児童館で行う文化的活動等の体験の機会を提供するように努めること。これは、一般的には、いわゆる出前児童館などと呼ばれているものでございますけれども、これらの事柄を踏まえまして、児童館が地域にアウトリーチしていく、そういう機能も持ち合わせるということを明記しております。
次に、11ページをご覧ください。「7 ボランティア等の育成と活動支援」です。(4)として、中・高校生世代、大学生等を対象としたボランティアの育成や職場体験、施設実習の受入れなどに努めることといった内容を加筆いたしました。児童館は、幅広いボランティアを受け入れる拠点でありますし、あるいは、これは施設実習と書いてありますけれども、大学や専門学校等の保育実習生の受入れも近年は広がっておりますので、そういった内容を書き加えたものでございます。
最後に、「8 放課後児童クラブの実施と連携」です。このうちの2 多数の子どもが同一の場所で活動することが想定されるため、児童館及び放課後児童クラブのそれぞれの活動が充実するよう、遊びの内容や活動場所等について配慮することといった内容を加筆いたしました。児童館で放課後児童クラブを行う場合には、どうしてもこのような課題があるのではないか。その場合には、それぞれの活動が充実するように配慮するということを加筆したものでございます。
次に、12ページをご覧ください。第5章は「児童館の職員」に関する内容です。前文のところに、まずは「1 児童館活動に関する職務内容」、その下に「2 児童館活動に含まれる運営に関する業務」と、大きく2つ示しております。前者の職務内容に関しては、直接業務に関する事柄であり、後者の2 運営に関する業務というのは、まさに運営の業務ということで、ここでは2つ、明確に分けたものございます。
それらを含めて、その下、「3 館長の職務」をここでは加筆しております。特に、(6)必要に応じ子どもの健康及び行動につき、その保護者に連絡しなければならない。これは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第40条にもともと書かれていたものであります。これをここにも同じように明記したということでございます。
13ページをご覧ください。館長業務の次に、4として「児童厚生員の職務」をここに持ってまいりました。冒頭の部分に赤字で、なお、子どもや保護者と関わる際には、利用者の気持ちに寄り添った支援が求められるといった寄り添い支援の必要性をここに書き加えたものでございます。
その下、「5 児童館の職場倫理」です。これに関しては、14ページをご覧ください。加筆した部分に関しましては、2 子どもや保護者に国籍、信条又は社会的な身分による差別的な取扱いの禁止に関すること。
それから、(3)子どもに直接関わる大人としての身だしなみに留意すること。
それから、(4)明文化された児童館職員の倫理規範を持つこと。このようなことを加筆いたしました。
次に、「6 児童館職員の研修」でございます。これは、(4)として、これらの研修が日常活動に生かされるように、職員全員が子ども理解と課題を共有するということを明記いたしました。
次に、第6章は「児童館の運営」に関する事柄でございます。15ページをご覧ください。このうちの真ん中「2 運営主体」の(2)に第三者評価あるいは自己評価の事柄について加筆いたしました。
その下、「3 運営管理」に関しましては、16ページの(3)運営協議会等の設置の中に、そのメンバー、構成員として、学校教職員、子ども、保護者を加筆いたしました。この中に子どもが含まれておりますけれども、これは総則の部分で、子どもは権利の主体であること。それから、第4章のところでは、子どもの意見の尊重といったことが既に明記されておりますので、それを具現化する意味においても、ここに含めたものでございます。
それから、(4)運営管理規程と法令遵守です。このうちの2に、アからクまで具体的な、組織的に取り組むべき事柄が書かれております。法令遵守に関する具体的な項目を、ここにお示ししたということでございます。
次に、17ページをご覧ください。「第7章 子どもの安全対策・衛生管理」は現行であるものでございますけれども、章として独立させました。
18ページをご覧ください。「1 安全管理・ケガの予防」。この中に、(3)の2 子どものケガや病気の応急処置の方法について、日頃から研修や訓練に参加し、AED、「エピペン」等の知識と技術の習得に努めること。このAEDあるいは「エピペン」という具体的な名称をここに含めました。
それから、その下の「2 アレルギー対策」、その下の「3 感染症対策等」に関しては、新設をいたしました。
19ページをご覧ください。「4 防災・防犯対策」です。(4)を加筆いたしました。災害発生時には、児童館が地域の避難所となることも考えられるため、必要な物品等を備えるように努めること。
その下の「5 衛生管理」です。ここにも(2)、(3)行事等で食品を提供する場合は、衛生管理を徹底し、食中毒の発生を防止すること。児童館の実際のイベント内容等を考慮して、このような内容を加筆いたしました。
次に、20ページをご覧ください。「第8章 家庭・学校・地域との連携」です。
この中で、「1 家庭との連携」の中に(1)、(2)、(3)と区分いたしましたけれども、このうちの(3)上記の場合には、必ず記録をとり職員間で共有を図るということを明確にいたしました。
それから、その下の「2 学校との連携」、(2)児童館や学校での子どもの様子について、必要に応じて適切な情報交換が行えるように努めることを明記いたしました。
次に、その下の「3 地域及び関係機関等との連携」です。このうちの(3)子どもの安全の確保、福祉的課題の支援のため、日頃より警察署、消防署、民生・児童委員(主任児童委員)、母親クラブ、各種ボランティア団体等地域の子どもの安全と福祉的課題に対応する社会資源との連携を深めておくこと。このように具体的な連携先を示しました。
最後になります。「第9章 大型児童館の機能・役割」は、現行の児童館にはない項目でございます。しかし、大型児童館のうち、ここでは特にA型、B型の児童館に関しては、ガイドラインに含めるべきではないかということで、今回、新設したものでございます。
「1 基本機能」として、ここに具体的な大型児童館の機能を簡単にわかりやすくまとめたということでございます。移動児童館等の機能もここに含まれるものでございます。
最後に、用語等について、これはこの修正内容に照らし合わせて修正したものでございます。
改正児童館ガイドラインの検討に関しては、以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。大変お疲れさまでしたと申し上げたいと思います。
今、一通り御説明いただきまして、「第1章 総則」から順に皆様の御意見を伺っていきたいと思います。資料5の御欠席の委員からの御意見につきましても、各章のところで御紹介しながら、皆様の御意見も重ねて伺ってまいりたいと思います。
それでは、限られた時間でございますので、1つの章について六、七分ぐらいが限度になるかなと思いますが、ここで細かく議論するというよりも、承った意見を、また座長とも持ち帰って修文したいと思います。
第1章、今、御説明もいただきました総則の部分について、どうでしょうか。御説明いただいて、加筆とか訂正とかのご意見がございましたら、どうぞ。
それではとりあえず、先に本日御欠席の佐野委員のご意見をご紹介します。第1章の4、4ページに新設された「社会的責任」のところに「児童館が与える社会的影響を常に意識し、その影響に責任を持つ事が必要である。そして社会から道義的、道徳的に疑問を持たれないような適切な意思決定を行えるように取り組む事が求められる。」ということを書き込んだらどうかという意見でございます。
これは、私見でございますが、「社会的影響を常に意識し、その影響に責任を持つ事」というのが、ちょっと抽象的過ぎる表現かなと。これが何に該当するか、よくわからないことと。
あと、後半部分、第5章の「5 児童館の職場倫理」の(2)と、次の14ページの(3)、この(2)と(3)で読み込めるのではないかなと考えております。この視点で、佐野委員とも打ち合わせをして、なおかつ、違う意図であれば、またお考えをお聞きしながら進めたいと思っております。
これも含めまして、何か御意見ございますでしょうか。後でいただいてももちろん構いませんので、次へ行ってよろしゅうございますか。
では次、「第2章 子ども理解」でございますが、ここはどうでしょうか。ここも新しく書き加えたところであります。児童館が遊びによる発達支援を行うということでございますが、そのときに子どもを支援する目的の発達の意味と内容を、子どもを理解する立場からきちんと書き加えておくという趣旨です。細かく書けば切りのないところでございますが、児童厚生員の方に大まかに把握していただくという趣旨の書き方で、ある意味簡単に大事なところを押さえてあると思います。これも特によろしゅうございますか。ありがとうございます。
次、「第3章 児童館の機能・役割」、ページで言うと5ページになります。この第3章は児童館の機能でございます。従来のものに二、三行ずつ加えて説明的に書いてございますが、第3章はどうでしょうか。よろしゅうございますか。これもまた後でお気づきの点があったら、御意見いただければと思います。
「第4章児童館の活動内容」に入りたいと思います。どうでしょうか。ここは、少し量もふえております。8項目にわたっております。
大塚委員、お願いします。
○大塚委員 第4章の「児童館の活動内容」、9ページの「4 配慮を必要とする子どもの対応」も入っていますか。
○鈴木委員長 はい。
○大塚委員 (1)障害の有無に関わらず、子どもがお互いに協力しながら活動できるよう活動内容や環境について配慮するということで、これでよろしいのですけれども、大切なことですけれども、配慮を必要とする子どもに対してどうするかということで、障害の有無がなくても、お互いに協力し合いながらというのは、必要とする子どもをどうするかということなので、むしろ、障害があったとしても、あるいは障害のある子どもについても、お互いにほかの子どもと協力しながら活動できる配慮をするということなので、全部一緒だということは当たり前のことなので、ここに書くのはちょっと薄くなってしまうと思います。
それから、2番目の家庭や友人関係等に悩みや問題。昔の言葉なので、「問題」は「課題」か何かということでいいと思います。
それから、ここには入っていなかったのですが、先ほどの議論の中で、8ページでしたか。子どもの中には、障害のある子どもや日本語が話せない、読めない子どももいる。日本国籍以外の人が利用しやすいよう配慮するということで、どのように書くかわからない。こういうことも必要かと思いますけれども、子どもの中には、障害のある子どもや日本語が話せない、読めない子どももいる。話せない、読めない子どもというのは、ちょっとダイレクト過ぎて、日本語を話すことに困難を抱えている子ども、あるいは読むことに困難を抱えている子どもなどがいるということもよくないですね。そういうことも含めて、配慮して書いていただければと思います。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
今、御指摘いただいたことは、ちょっとお預かりして、前後の文脈を考えながら修文して生かしていきたいと思います。よろしゅうございますか。
高松委員、お願いします。
○高松委員 「子どもの居場所の提供」のところです。
○鈴木委員長 何ページですか。
○高松委員 8ページ。(3)児童館を利用した経験のある若者を支援、若者の居場所づくりというのが出てきていますが、児童館としては、中高生を卒業した子どもたちが遊びに来たら受け入れると思うのですけれども、これを書くことによって、また新たな若者支援というところにも波及してくるのかなというのがちょっと心配なのですけれどもね。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
ほかの委員の方々はどうでしょうか。これをここに置いたのは、市町村によっては、児童館を小学生とか中学生までしか使えないようにして、18歳を過ぎたら利用出来ないようにしているところがあるので、OB・OGも、ボランティアとしても、いろいろな力としても来館可能にしたらいいのではないかとか、その子たちの居場所にもなるのではないかという意味で書き加えましたけれども、ほかの委員の先生方、どうでしょう。
どうぞ。
○羽崎委員 私も、今の高松委員と同意見で、これを入れると、若者世代というか、18歳を超えた人たちの何らかのことに触れないといけないのではないかという気は、正直言うとしますね。もちろん、そういう人をボランティアも含めて否定するのではないのだけれども、ここにこれを入れてしまうと、このあたりはもうちょっと踏み込まないといけない要素が出てきてしまう。その辺がちょっと心配。全体に児童館のあり方が、児童福祉とはまた違った世界に入っていくのかな。改めて入れるかどうか、あるいは表現の仕方も含めて、ちょっと検討したほうがいいのかなという感じはちょっとします。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
では、ここは検討ということでよろしゅうございますか。今、全国的には、若者支援まで踏み込んでいる児童館もありますし、若者の年代がどんどん高くなっていますね。それを書き込むときには、ほかの要素にも気をつけなければいけないということですね。
○羽崎委員 もう一つ、よろしいですか。児童館を利用した経験のある若者という前提になってくるのですか。多分、そういう現実を踏まえて苦労して、このあたりを記述しようという意図があるのですけれども、意外とこういうものは後でいろいろ意見が出てくるようなものがあるのかなという危惧はちょっとしますけれどもね。意図はよくわかります。現場は、多分そうだと思います。だから、そこから卒業した者が遊びに来るとか、先ほど植木委員も言っていましたけれども、そういう現実を踏まえての事情はわかるのですけれども、ガイドラインでこういうのをやると、意外と拡大解釈とか違った解釈をするようなところがあるので、検討してもいいかなという感じはちょっとします。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
では、これは引き取らせていただきまして、じっくりと検討したいと思います。
はい。
○松田委員 ありがとうございます。
ちょっと意見を出せていただいて、訂正はしていただいているのですけれども、子育て支援のところ全般的に、交流できる場所の提供ということで終わっていたところを、交流の促進というのを入れていただいていたのです。それは、地域の子育て支援拠点事業と児童館型がセットにされている場合もあったりするので、地域子育て支援拠点事業の基本事業に書かれている、1番目に書かれていることなので、それに沿ってはどうでしょうかとしたので、例えば9ページとかも「提供する」となっているのです。いろいろなところに登場するのですけれども、セットで書いていただいたほうがいいかなと思いました。ぜひ、そうしていただければ。
どうしても場の提供でしょうと思っていらっしゃるところも多くて、はい、どうぞだけで終わっているという声も聞かれますので、ガイドラインで書かれることが大事かなと思います。むしろ、交流の促進のほうが難しくて大変なので。
あと、11ページ、ボランティアさんのところ、7の(3)。地域住民がボランティア等として、児童館の活動に参加できる場を提供するということが書いてあって、そのとおりなのですが、児童館の活動を通して、ボランティアさんが地域の中でも活躍するみたいなことまで、できればなってほしいなというか。児童館に抱え込むというイメージにならないほうがいいのかなと思いつつ、ここの中の話なのか、それをきっかけにと、ちょっと幅広に書いていただけると、もともと書かれていたような、上のほうの文章のことを考えると、そんな気がします。だんだん地域の人になっていくみたいなものも含まれるといいかなと思いました。
あと、以前に中・高校生世代と書いてほしいということでお願いして、前回の指摘事項のところに入れていただいているのですけれども、私、うっかりしたのですけれども、「学校に行けない中高生もいるので」となっているのですけれども、行けないというだけじゃないと思うので、中学を卒業して働いていらっしゃる方もいると思います。学校に行っていないという意味なので、反映されたときは世代ということなのですけれども、ここの指摘事項のときに「行けない」と書かれてしまうと、ちょっと違うかなと思ったので、あわせてお話ししました。
以上です。
○鈴木委員長 ありがとうございます。意識的に修文していきたいと思います。よろしゅうございますか。
それでは、第5章に入りたいと思います。「第5章 児童館の職員」でございます。ここはどうでしょうか。
欠席の委員の意見も先に御紹介させていただきます。佐野委員から、第5章の12ページ、1と2の説明文がわかりづらいという御指摘でございまして、「児童館活動に関する職務内容」、2が「児童館活動に含まれる運営に関する業務」、この2つの意味が読み取りづらい。この記述を考えたらどうかという御指摘がございました。
「1 児童館活動に関する職務内容」のほうは、児童館の直接業務を書きあらわしまして、2のほうは、運営業務について書きあらわしているという書き分け方だと思います。2の表題のほうも、御指摘のように「児童館活動に含まれる」を削って、「児童館活動の運営に関する業務」としたら、少しわかりやすくなるかなと思います。これは、また御説明もしながら、佐野委員のお考えを再確認して検討させていただきたいと思います。
言ってみれば、ナイフと柄の関係のように、直接、業務ではあるけれども、その周辺にしなければいけない、ナイフを使うには柄が必要みたいな、その周辺のことも当然業務だということで、全体を大きくあらわした1と2の関係になると思いますので、確かにわかりやすくするために、佐野委員の了承を得ながら進めていきたいと思います。
それから、もうお一方、北島委員のほうが、「児童館の職員」についてのところで、「子どもの主体的な活動ができるような環境を整備すること。さらに、子どもの実態、状況をよくつかみ、子どもの代弁者として、地域や保護者に発信していくこと」という御意見をいただいております。これにつきましては、環境整備をすることと、子どもの実態、状況をよくつかむということは、「第1章 総則」の1とか「3 施設特性」の(1)、4ページの(3)、「第2章 子ども理解」は全体に及びますので、ここで読み取れるのではないかと考えられます。
あと、子どもの代弁者という言葉は大変難しい言葉で、いろいろな使われ方をしておりますから、ここでは使いづらいのではないか。子どもの代弁者という意味はよくわかりますが、総則と第2章、第3章を通じて、その意味は十分読み取れると思いますので、これは北島委員とよく協議していきたいなと思っております。こういう方法でよろしゅうございますか。
はい。
○松田委員 アドボカシーとかアドボケートということで、すごく大事なことだと思うので、福祉の役割の一つでもあるので、ぼやかさずに上手に入れていただけるほうがいいかなと。例えば、4ページの社会的責任。職員の職務内容は、児童館の内容を地域に発信するになっているのですけれども、もう少し社会的責任として発信する立場にあるということがあってもいいような気がします。
○鈴木委員長 言葉の使い方等も含めて、それは検討させてください。お預かりして、また事務局も含めて相談したいと思います。
はい。
○羽崎委員 今の「児童館の職員」のところで素朴な疑問なのですけれども、児童館の職員というのは、ここで言うと館長と児童厚生員だけを指すのですか。職員と書いてあると、全体の流れから言うと、児童館の館長の職務があって、児童厚生員の職務がある。2つしかないのです。研修のところは職員の研修という表現になっているのですけれども、ここで言う職員というのが何となくわかりづらい印象を私自身は持つのです。児童厚生員がいて、館長がいて、それで職員としての描写が出ているのですけれども、この中の研修のところは職員の研修となっているのですけれども、その職員の研修は、極端に言うと児童厚生員の研修を指しているということですか。
○鈴木委員長 いや、児童館職員とした場合は、児童館の中で児童館活動に業務従事する方全部をあらわしています。通常、全国的に見た場合に、児童館に勤務する方というのは、児童館長さんと児童厚生員さんと二分されるケースが多いものですから、そういう表記にしたのだと思います。この辺、座長、どうですか。そこの議論の中で細かく出てきていると思うので。
○植木委員 現行のガイドラインでも館長と児童厚生員と分けて表記しておりますし、研修に関しては、特に館長に対する研修は重要だということを、この専門委員会でも御意見いただいておりますし、ワーキングでもそこを重視した結果、このような表記になったということでございます。
○鈴木委員長 例えば、表記として、こういう表記のほうが全体をあらわしやすいということはございますか。
○羽崎委員 私が気にしたのは何かというと、「6 児童館職員の研修」の(1)児童館の職員は、積極的に資質の向上に努めることが必要であるということと、(3)館長・児童厚生員等の経験に応じた研修内容にも配慮すること。児童館職員の研修の中に、児童館職員は積極的に資質の向上というものがあって、この児童厚生員以外の人のことをここは指しているのですね。以外の人も含めて、1番目は指しているわけですね。そういうことでよろしいですね。
○鈴木委員長 何ページになりますか。
○羽崎委員 済みません、14ページです。例えば、保護者・親とのソーシャルワークとは言わないけれども、コミュニケーションをとるといったたぐいというのは、もしかしたら事務方と言うと変だけれども、受付にいる人とかも関わる可能性が結構ある。ここで言う職員というのは、そういう人たちを含めた質の向上というのが僕はすごく大事だと思うのです。あるいは、職務のところでは、少なくとも館長と児童厚生員しか出ていないので、ほかの職員の記述がちょっとあってもいいかなという。
要するに、職員というのはいろいろな人を含んでいるものがこの中には出ているのだけれども、職務の中は2つしか出ていないということで、研修や何かをするときのここの部分が何となく不明確な感じを印象としては持つのです。特に、今回は大型児童館を扱っているので、結構いろいろな人たちがいて、その人たちは多分、子どもにもいろいろな形で関わるケースが保護者も含めてあると思うのですけれども、2つしか職務として出ていないというのがちょっと気になる。
○鈴木委員長 意図はよくわかりました。第5章の「児童館の職員」1と2で、前提として児童館の職務の大枠を書いています。それで、館長と児童厚生員が主たる職員であることが全国的に多いものですから、そこの方たちに留意して、こういう書き方にしました。今、御質問の意図がよくわかりましたので、ここも検討させていただきますが、前回もそういうことで、大型児童館はちょっと特殊性があるので、前回のガイドラインでは踏み込む余裕も時間もなくて外しましたが、今回は大型児童館も入っておりますので、意図は児童館に勤務する人、全部に網をかける、お願いするということが大前提になります。
○羽崎委員 地方の児童館は、地域の年配の人がやられるケースも結構あるので、ちょっと気になりました。
○鈴木委員長 わかりました。そこは検討材料にさせていただこうと思います。
○大塚委員 1点よろしいですか。
○鈴木委員長 どうぞ。
○大塚委員 先ほど、子どもの代弁者ということで、北島委員さんから出ていると。職員の関わりとして、先ほど出たアドボカシーあるいはアドボケートしているということは、職員として大切な仕事だと思っております。どういう日本語を使うかわからないですけれども、子どもの権利を擁護する、あるいは代弁していくという具体的な仕事は何かというと、本人が意見をきちんと表明できるようなことを支援していく。そういう具体性を入れながら、権利擁護とかアドボカシーを入れるというのは、大切な基本的な仕事になっていると考えます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。十分検討させていただきます。
○松田委員 日本は、これの勧告も出ていますね。
○鈴木委員長 よろしゅうございますか。
では、「第6章 児童館の運営」に入りたいと思います。こちらは、16ページの運営協議会とか運営管理規程と法令遵守と、運営管理の責任者を定める、この辺が特に加筆されております。前回もあったものですから、ここはよろしゅうございますか。
それから、「第7章 子どもの安全対策・衛生管理」に入りたいと思います。これはどうでしょうか。
これは、佐野委員のほうから意見が出ておりまして、災害時、19ページの4、このあたりに該当するかと思います。「災害時における地域防災協議会との連携等、地域防災計画との有機的な連携のあり方を明記したほうが良いのではないかと考えます」。これも、ワーキンググループで幾つかいろいろな例を検証しましたが、地域特有の呼称であったり、その地域にしかない組織もあったりで、19ページのような書き方になりました。
これについては、法的にもいろいろ決まったことが出てきているようです。その辺を加味して、高松委員、どうでしょうか。委員の地元のほうでは、こういう組織、地域防災協議会、地域防災計画はありますね。全国的に普遍性のある書き方で、そういうところと有機的なつながりを持つと書き込む必要があるかどうかも含めまして。
○高松委員 有機的なつながりは、初めから持っているものであるべきなので、あえて入れる必要はないような気がします。児童館が地域の避難所になっているところも多いとは思いますが、地域によって様々であり避難所となることも考えられるためということでいいような気がするのです。それぞれの役割が児童館によっても違ってくると思うのです。全部が全部、その機能を備えなくてはならないかといったら、そうではないという気がします。
○鈴木委員長 汎用性の問題でしょうね。ありがとうございます。
これについて、事務局から何かありますか。
○竹中課長補佐 佐野委員がおっしゃっている地域防災計画自体は、災害対策基本法という法律があって、それに基づいて都道府県・市区町村が策定しなければならないという義務になっているので、全ての市区町村で出来ていると思います。その策定に当たって会議を設けていろいろ議論して、その中に児童館がどういうふうに位置づけられているかというのは、各自治体によっても違うのかなと思っています。
あと、地域防災協議会を調べてみたら、港区では、こういう地域防災協議会を設置しているようで、これは小学校区単位で設置していて、こういった防災活動などをその中で協力してやっているという、ローカルな協議会という位置づけなのかなと思っています。それが具現化できるかというのはありますけれども、計画自体は全ての市町村でつくっていて、今、高松委員がおっしゃったように位置づけ方が違うので、ここに入れるとしたら、どのように普遍化していくかということになろうかと思います。
○鈴木委員長 では、中川委員から。
○中川委員 中川でございます。
今の話ですけれども、19ページの「4 防災・防犯対策」の(1)マニュアルの策定の中に、私などはここに防災に関する計画やマニュアルを策定する。その中で、今、話が出ています、それぞれの地域の防災計画との関係性も含めて、児童館をしっかり書き込んでいくことがこの中に込められているという理解でいるのです。地域防災計画という表現を入れたほうがいいのか、より鮮明になるのかどうなのか。理解としては、そういう理解であります。
○鈴木委員長 ここで読み込めそうですけれどもね。
松田委員、どうぞ。
○松田委員 避難所になることも考えられますけれども、避難所になってしまうと子どもの遊び場が再開できないという視点もあると思っていて、BCPと言うのでしたか、迅速にもとの領分に戻すための計画みたいなものも、今、はやっていて、例えば発災後の復興の時期に児童館がどういう役割を果たすかといったときの視点になると、避難所にしてしまったがために遊び場が開設できないということもあるので、どっちがいいということではないですけれども、そういうことが地域と話し合えるといいのかな。
その後のことを考えてあげないと、どう言っていいかわからないですけれども、避難所になることも考えられるけれども、その後の子どもの居場所としての機能も一緒にセットで考えてほしいなと思います。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
ここは書き方をもう一度検討しながら、(1)で読み込めるかどうかで、全国的な汎用性を考えながら、今、松田委員の御指摘はまた別の視点もあると思いますので、表現の仕方も含めて検討させていただいてよろしいですか。
○羽崎委員 でも、現実的には避難所になる可能性が高いです。
○鈴木委員長 阪神・淡路、東日本、熊本などの大震災のときも避難所になっています。
○松田委員 あとはプロセスですね。一時期、そうだけれども、だんだんに確保してほしい。
○高松委員 全部が全部ということではないですね。学校とか、大きな施設があるところとの兼ね合いで市町村で決めているところが多いので、いっときは避難所になる可能性は高いですけれども、児童館が全部避難施設になっているかというと、そうではないのが現状です。
○羽崎委員 避難所になると危ない児童館もある。
○松田委員 確かに。
○鈴木委員長 そこは本当にケース・バイ・ケースで、建物がしっかりしているから避難所にしようとか。流されているところもありますしね。
○松田委員 ちなみに、世田谷の児童館は拒否していました。母子避難所にしませんかと言われたけれども、子どもの場所にとっておくので、ごめんなさい。
○羽崎委員 考えられることもあるので、この表現でいいのではないですか。
○松田委員 これは発生時と書いてあるので。
○羽崎委員 このぐらいでいいような気がする。余り具体的にやっていると、ケース・バイ・ケースがあり過ぎて。
○鈴木委員長 状況によって、突発的緊急時の優先順位の問題ですから、とにかく住民の身体・生命の保全というものが最優先される事態です。ここは余り書き込まないほうがいいような気がします。十分検討してみたいと思います。よろしゅうございましょうか。
では、「第8章 家庭・学校・地域との連携」。
どうぞ、松田委員。
○松田委員 20ページの「3 地域及び関係機関等との連携」というところが、もとの文章よりちょっと弱まったような気がして。もともと、要保護の協議会に参加するというのが書かれていたと思うのですけれども、それがなくなっています。それでいいのかどうかという。
要は、参加したいかどうかは別として、必要に応じて要保護のネットワークに入っていたほうがいいような気がするのですけれども、新しい文章では、要対協に参加するとか、ここにきちんと入ることみたいなことが書かれていないので、もちろんケースで関わることがあるかもしれないですけれども、もともとのメンバーになっておくというところがあったほうがいいような気がするのです。何かそこに配慮があったりするのであれば、教えていただきたいのですが、お願いします。
○鈴木委員長 事務局、お願いします。
○竹中課長補佐 要対協は、9ページの「4 配慮を必要とする子どもの対応」の(4)に移したのですが。
○松田委員 ケースの場合ですね。
○竹中課長補佐 ここで個別のケースなどは、関係機関と連携して、そこのところをまずやっていただくという整理にしています。
○鈴木委員長 今の御説明でよろしゅうございますか。
○松田委員 児童館として、それでいいのであれば。これだと、メンバーとしてカウントされないということですね。ケースがあった場合には関わるけれども、もともとのメンバーとして、児童館がステークホルダーとしてカウントされるかどうかというところなのかなと。そう言っても、自治体ごとに違う。世田谷は児童相談所が来るので、地域の連携をしっかりやっていかないといけなくなっていて、逆に弱まっているような気がしたので、どうなのかなという。
○鈴木委員長 意図は十分わかりました。
○松田委員 里親さんが児童館に子どもを連れてくるとか、結構ふえています。そんなことに関わりがある。
○鈴木委員長 では、検討項目にさせていただきます。どうでしょうか。要保護児童対策地域協議会につきましては、また検討させていただきます。
続いて、第9章へ参りたいと思います。「大型児童館の機能・役割」、ここはどうでしょうか。
これも佐野委員から意見が出ておりますので、ちょっと御紹介しながら考えていただきたいと思います。項番3の(1)、21ページの最下段に、「都道府県内の健全育成の現状を把握し、その課題解決のために必要な先駆的な児童館事業を展開します。」という内容の文章をどこかに挿入したらどうかという御意見でございます。これはどうでしょうか。
機能とか前文のところで、これの意図は読み取れるかなと思いますし、先駆的な児童館事業を展開すると宣言すると、先駆的な事業とは何だということもございますし、書き方はなかなか難しいかなと思うのですけれどもね。
○羽崎委員 佐野委員は、多分、こどもの城のあれがあるのではないですか。先駆的というのが強かったから、こういう大型児童館に対する期待感があるのではないですか。新しいものを発信していくという機能を、こどもの城がなくなっているから、大型児童館からの発信、先駆的なものという期待というのは、私も正直あります。
○鈴木委員長 全国の今ある県立の大型児童館の中を見ると、指定管理制度になっていて、結構大変なところがありますので、現実に照らし合わせながら、求めたい役割をどういうふうに表現したらいいかということについて、ちょっと御検討させていただいていいですか。気持ちは十分よくわかるのですけれども、預からせていただきます。
ほかにどうでしょうか。どうぞ。
○松田委員 済みません、しつこくて。ここに書くのがいいかわからないし、行政の役割なのかもしれないですけれども、アーカイブ機能というか、この地域で行ってきたことというものが指定管理とか、いろいろなことで途切れていってしまうけれども、大型児童館がエリアのいろいろなところの取組とかを集めてきたり、それを記録しておくじゃないですけれども、そういうものは行政には数字は残っていくのですけれども、エピソードが残っていかない感じがちょっとしています。
そういったものは大型のところに何か決まっていくといいなとすごく思うのですけれども、私、そこについては余り詳しくないので、もう既にやっていることであれば、中で読み取れればいいですし、中枢的機能というものがどういうものかというときに、そういうものが入っているか、教えてください。
○鈴木委員長 この大きな2番で言っているものの中に、そういうものも含めたつもりなのですけれども、文化面での県の歴史・産業とかの資料や展示、遊具・文化財等について、大型のスペースがないと、保管できない空間等を活用して、十分生かしているところもかなりあるものですから、どこかで読み込めるかと。
○羽崎委員 作業として。
○松田委員 余り書かないほうがいいか。
○羽崎委員 1回書くと大変。アーカイブ的なことまでやるとなると。気持ちはわかりますけれども、大型児童館への期待感というのはあるかもわからないけれども、実際やるとなると大変だと思う。
○鈴木委員長 大型の施設を持っている児童館ならではの利点というものがございますので、重くない表現が加えられるようであれば。例えば、宮城の県立児童館は、宮城県内のこけしを地域別に集めていました。それから、「少年サンデー」、「マガジン」、「ジャンプ」、創刊号から全て置いてありました。ですから親子連れがその一角に行くと、ずっと親と子が座り込んで読んでいるとか。これについては当時、今後も増加し続けるものを保管し続けられる余裕があるかないかで、大分議論していました。そういうものが、今はコンパクトになる可能性もございますので、県立のよさだなと思ったことはございますが、書き込むかどうかとなると、迷うところです。
そろそろ時間も迫ってまいりましたけれども、よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、今、出されました御意見等につきましては、私と植木座長、それから事務局に御一任いただき、これからの作業に反映させていきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
○高松委員 委員長、ちょっと気になっていたのですけれども、最初のところ。充分討論されていたのは理解できるのですが「子どもが自らの意思で一人でも利用することができる」というところが、うちの職員あたりが読んだときに、えっとならないかなというのがすごく心配です。私は資料を読んでいますので、わかるのですけれども、この言葉だけで出てしまった場合に誤解されることがすごくあるのではないかと、ずっと気になっていたのですけれども、済みません、最後に。
○鈴木委員長 いや、何かいい表現はありますか。要するに、一人で行きたいときに行けるということを表現したいわけです。放置していいという意味ではなくて、それを児童館の特性として生かしたいので、気持ちはわかりますが、何かうまい表現で全体を把握できれば、それにこしたことはないですけれどもね。
○羽崎委員 入れないか。
○松田委員 一人でも、というのを入れない。自らの意思で利用する。
○鈴木委員長 ここは当初、一人ということも結構こだわったのです。一人で行ける。友達と連れ合わなくても、その気になったら一人で行ける。そこもちょっと大事にしたい。児童館の前に幼児を置いていけという意味ではないのですけれども、そう読み取れるというところが問題ということですね。
○松田委員 そういう心配。
○高松委員 保護者同伴をうたっている児童館がすごく多いので、一人でもいいのですかとなるのではないか。
○松田委員 就学前という意味ですか。
○高松委員 そうです。
○鈴木委員長 植木委員、お願いします。
○植木委員 その部分に関しては随分と議論がありまして、ここに込めた、最終的にこの表現になった意図というのは、例えば御自宅で虐待等に遭って家庭にいられなくなって、児童館に一人でも逃げ込んでこられる、そういう条件も保障されるべきではないかという意見もありました。そういった意味では、自分の考えで、まさに意思で、そして一人で来たとしても児童館は受け入れるのだという意図ですね。ですから、母親が子どもを一人置いて、そしてどこかに行ってしまう、置き去りにするということではないのですけれども、ひょっとすると、そういう意味合いも読み取れてしまうかもしれないとすれば、何らかの表現の修正は必要なのかなという感じがいたします。
背景は以上です。
○羽崎委員 多分、世の中の一つの流れから言うと、一人でと言うと、高松委員が言ったような方向に捉えられる可能性は高いですね。
○鈴木委員長 どうぞ。
○中川委員 私も現場の一員なのですけれども、ここの議論はワーキングの中でかなりございました。例えば、私どもの児童館でも、乳幼児の利用は保護者同伴でお願いしますとうたっているわけです。うたっていることと、ここの表現がどうなのだろう。では、乳幼児も一人で利用できるのだったら、しばらく遊ばせておいてもらえますかみたいな話になってくる。そうなったときに、現場としてどう対応していくのかということが1つ、この文章に対する大きな課題といいますか。
今回、「意思で」という言葉が加味されたわけです。当初、「自らの意思で」という言葉がなかった。「子どもが一人でも利用することができる」という文章だったのですね。そこに「自らの意思」という言葉を入れることによって、いわば幼児をちょっと預けますという対応に対しては、一定答えることができるのかなという趣旨で、こういう表現に今は落ち着いているのだろうと思います。
○羽崎委員 例えば、こどもの城はこの問題を結構我々はやってきたのです。こどもの城の中は安全なので、預けて、親は買い物に行ったりしてしまう。一番問題になったのは、閉館とか帰る時間になったときに、親がその時間にちゃんと来ないのです。そうすると、結構大変。あるいは、途中で出ていってしまって、どこへ行ったかわからないというのがあって、すごく議論しました。自主的なあれだったら一人でも大丈夫なのですよという気持ちも込めたということもよくわかるのですけれども、現場、あるいはそれを見た保護者や何かの対応というのは、今、言われたように、子どもをよろしくお願いしますと言って、どこかへ行くというケースになったときに、現場は。
我々、こどもの城でさえ、相当大混乱して、地元の警察としょっちゅう連携をとらないといけないような状況が結構あって、なかなか難しい。今、言われたように、一人でも大丈夫ですよ、安心な場所ですよという意図は非常によくわかるのですけれども、一方で、今の環境あるいは社会の中だと、意外とこれが結構つらいものになるというのも、もしかしたらあるかなというのが。正直言うと、こどもの城では何回も経験しています。安全・安心な居場所になればなるほど、親がそういう方向で行くというのがあって、これはなかなか難しいです。
○鈴木委員長 どうぞ。
○植木委員 まさにそのとおりなのですけれども、ゆえに「自らの意思で」という言葉が大事なのです。ここを入れたということです。ですから、「自らの意思で」という言葉が入ることで意図が伝わるのかどうかというところの検討かなと思います。
○羽崎委員 親は、子どもは一人で大丈夫ですからと絶対言います。
○松田委員 むしろ、遊んで待っていたい。
私、逆の意味にとって、むしろ親に干渉されず過ごせるというほうもあるのかなと。いつまでも一緒についてきて、先回りで制止するみたいなものがあったりするので、そういう意味なのかなとちょっと思っていたので、意味がわかりました。
○鈴木委員長 ここは総則的の子どもの権利なので、子どもが一人で困ったときに児童館を訪ねられるということを、大原則として掲げておきたいという意図ですね。ですから、これを残しておきたいという気持ちがあれば、どこかの章に乳幼児の場合は親子連れが原則とか、そういう文言を入れて整合性を図るということでどうでしょうか。
それから、このことの意味を総則とあわせて社会に広めていく。一人で困ったときに、児童厚生員なり児童館の職員を求めて訪ねてこられるということを総則に書き込むことは非常に大事だと私は思っています。そのため誤解のないように「自らの意思で」ということを書き加えたのです。普及していくときに、その読み取り方も含めて、解釈で乗り切るわけにはいかないですかね。
あと、端的に誤解のないような表現があれば危惧される点は防げると思います。
それでは、御心配を十分に汲み取って、もう一度議論させていただきます。それでよろしいですか。はい。では、お預かりいたします。ありがとうございました。
続いて、児童館のガイドラインの改正内容にも関わりがございますので、「本年度の子ども・子育て支援推進調査研究」について御報告をお願いしたいと思います。
事務局からお願いいたします。
○依田専門官 それでは、参考資料1と2で御説明申し上げたいと思います。1つ目の研究は「児童厚生員の処遇や資格の現状と課題に関する調査研究」です。これは、みずほ情報総研が実施主体としてお取り組みいただき、本日ご出席の植木委員が座長として取り仕切っていただいておりました。国への報告は4月上旬となっており、その内容はまだ確定したものではありません。児童館ガイドラインの見直しに関係する提言等を確認していただくため、このタイミングで概要としてお示ししています。報告書が完成してから、改めて専門委員会で御報告する予定ですが、本日は提出された概要の範囲でご報告させていただきますのでご了承ください。
網掛けの部分ですけれども、先駆的な取組をしている法人・自治体などにヒアリング調査をしています。テーマは「児童厚生員の専門性の向上、処遇の改善」で、調査結果からわかったことに星印で示しています。詳細については、改めての報告の機会にします。
2ページ、児童厚生員の専門性向上の取組や処遇に関する実態調査を、全国の市区町村1,741か所を対象として質問紙調査をおこなっています。児童厚生員の採用の状況等、それぞれの結果をグラフで示しています。児童厚生員の退職理由なども触れられています。
最後に提言があり、ここで児童館ガイドラインの表記が出てまいります。1つ目は、児童厚生員並びにすべての児童館関係者が、児童館や児童厚生員の役割について理解できる機会を担保し、児童館ガイドラインに則った運営がなされるよう努める必要性があるということ。
2つ目は、児童厚生員が、児童館の機能・役割における多機能性のほか、地域に根ざした児童館の地域性や拠点性などの特性を理解し、児童館活動を推進できるように、児童館ガイドラインで明確に位置づける。今回の改正児童館ガイドライン(仮称)素案の中にもその3つの視点は入れられているところですので、研究会の提言とリンクしていると言えます。
続きまして、参考資料2でございます。「児童館を中心とした社会的ニーズへの対応及び必要なネットワーク構築に関する調査研究」の実施主体は児童健全育成推進財団した。主任研究者は、立正大学の大竹智先生が担当されています。この研究会についても、児童館の質問紙調査をしています。平成28年度の調査研究事業「地域の児童館が果たすべき機能及び役割に関する調査研究」で実施した「全国児童館実態調査」の結果から相談対応件数の多さや児童虐待の発見・対応等のソーシャルワークの機能に取り組んでいた児童館を抽出して質問紙の調査を行う連続性のある研究になりました。分析・考察として、地域ニーズの把握のために、児童館が直面する諸課題にも触れ、また社会資源との連携、連携上の課題についても言及されています。
全国8か所の自治体の児童館等の団体にヒアリングを実施して、地域ニーズ、運営状況における特徴、あるいは児童館のネットワーク形成の特徴等について聞き取り、児童館が地域ニーズに取り組んでいく際の人的な課題、物的な課題、地域的な課題等を挙げています。
今後、最終的に提言の形にしてまとめられると聞いておりますので、その報告を待ちたいと思います。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
続いて、議題2でございますけれども、「モデル事業の報告について」に入りたいと思います。
事務局から報告をお願いいたします。
○依田専門官 引き続き失礼します。次は、資料6で御説明申し上げたいと思います。
「児童館等における『遊びのプログラム』の開発・普及に係る調査研究」の委託業務です。報告書が出される前ですが、先立って御報告します。この前半は前回の専門委員会で報告済みですので、実施体制から確認していくこととします。企画・検討委員会を9回開催しました。検討内容が5項目ほど示されています。2.遊びのプログラムの開発・普及です。平成29年度は、61名のプログラムアドバイザーを委嘱して、児童館ガイドラインの8つの活動内容のカテゴリーに分類し、それぞれ取り組まれました。
一番多いのは、「遊びによる子どもの育成」が10種、「子どもの居場所」が5種、「保護者の子育て支援」が6種となっています。「子どもが意見を述べる場」が4種、「地域の健全育成の環境づくり」が5種、「ボランティアの育成と活動」3種、「放課後児童クラブ」の実施2種、「配慮を必要とする子どもの対応」では子ども食堂の取組なども含んで2種です。
その他のプログラムでは、例えば、防災・減災の視点からの取組実践がありました。平成29年度モデル事業としては、これらの39プログラムが取り組まれました。
(2)「遊びのマルシェ」では、遊びのプログラムに取り組む児童館が一堂に会して、またそのプログラムに関心のある児童館関係者250名にお集まりいただき、実際に遊びのプログラムを実践し、体験し合い、また相互に意見交換し、遊びのプログラムをブラッシュアップしていく対面式の技術交換の場となりました。
また、当省主催の「全国子どもの健全育成リーダー養成セミナー」開催に合わせて、「遊びのミニマルシェ」も開催しました。関係者が300名以上集まって、遊びのプログラムのパネル展示を行い、プログラムアドバイザーがその場でプレゼンテーションを行って、参加者から意見や質問を受ける形で行われました。こういった対面型の技術交換が知識・技術を収得する機会になるとともにその普及方法として効果的であることが実感できる結果となりました。
遊びのプログラムの実施効果の検証では、プログラムが実施される際に、企画・検討委員に出席して、子どもの発達面や地域の児童館での実施の実現性、地域を巻き込んで展開する視点、子どもたちや参加者の興味関心を引き付けるプログラムだったか。子どもの主体的な参画があったかどうか。といった視点からプログラムの評価をしています。 また、その評価の視点は、マニュアルの中にレーダーチャートとして反映しています。
トライアル児童館とは、39プログラムのいずれかを試行した児童館を言います。マニュアルを参考に実際にプログラム取り組み、またアドバイザーの方にも現場に入っていただき、プログラムの助言や相談などをしていただきました。実際に取り組んだ児童館や放課後児童クラブの地域や施設名が示されていますが、33プログラム49カ所でトライアルとして実践が広げられています。
取組の全般を視察していただくプログラムアドバイザーは、61名に委嘱しましたけれども、企画委員や事務担当職員とともに実施児童館に21カ所に視察を行っていただき、情報提供や技術的な助言をしていただきました。
それら内容を総括的にまとめたマニュアルが作成されます。39プログラムをA4約300枚にまとめて、実施団体ホームページに公開される予定となっています。その版下の一部を本日提出するようお願して添付しております。カラー表紙、企画委員の寄稿や各プログラム4~10ページで、39プログラム記載されています。プログラムを蓄積して児童館活動を活性化していく観点からマニュアルが作成されています。評価の軸も五角形レーダーチャートで提案されています。
なお、参考資料3には、平成30年度の遊びのプログラムの普及・開発の委託業務をお示ししております。今年度の成果に積み上げていく形で、遊びのプログラムを普及し「実践マニュアル」を成果物とすることとしています。
以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
そのほか、事務局から連絡事項等はございますでしょうか。
○竹中課長補佐 時間も過ぎていますので、ポイントだけお話ししたいと思います。資料7と資料8をご覧いただきたいと思います。
資料7は、来年度、2018年度スケジュール(案)ということで、本専門委員会の今後の運び方になります。本日、第12回専門委員会でガイドライン素案を御検討いただいて、御意見いただいたことになります。そういったいただいた御意見と、先ほど御説明いたしました今年度の調査研究の内容なども踏まえまして、鈴木委員長を中心として加筆・修正を4月にかけて行っていきたいと思います。
それと同時に、資料8をご覧いただきたいのですけれども、本専門委員会として、これまで平成27年3月のこどもの城の閉館以降、新たな遊びのプログラム開発とか児童館のあり方について、御議論いただいたということがございますので、その一つの集大成として、地域の児童館等のあり方等に関する報告書というものを、専門委員会のまとめとして作成してはどうかと考えております。この報告書の中に、改正児童館ガイドラインも含めるというスタイルにしたらどうかと思っています。
骨子案として7項目挙げておりますけれども、これはまた後ほど御意見などもいただきたいと思います。
資料7に戻っていただきまして、この報告書の作成の作業も、このガイドラインの修正とあわせてさせていただきまして、できれば5月に次回、第13回の専門委員会を開催しまして、報告書(案)の検討、ガイドラインの内容も含めてしていただいて、6月に第14回、次々回の専門委員会を開催して、そこで報告書(案)のとりまとめというところまで行ければと事務局としては考えてございます。
それはなぜかというと、この第14回の括弧に書いておりますけれども、同時並行で進められております放課後児童対策に関する専門委員会の中間とりまとめも、ちょうどこの時期にまとめる予定となっておりまして、当然、児童館、もちろん0歳から18歳未満の子どもを対象とした施設ですけれども、放課後児童の居場所の中核的な位置づけにもなっていて、この放課後児童対策に関する中間とりまとめの中にも、児童館の位置づけをどうしていくかということも盛り込まれる予定です。
今日は説明いたしませんけれども、参考資料4に第7回の放課後の専門委員会で配付した資料がございます。この中に児童館の記述もありますので、こういったものにどうやって盛り込んでいくか、放課後の専門委員会で議論もしているところです。両方、同時並行で進めていく中で、本専門委員会で御議論いただいているガイドラインの見直しなどについても、放課後の専門委員会に、途中経過になると思いますけれども、5月か6月あたりで御報告して、放課後の専門委員会の方々からも御意見をいただくような進め方ができないかと、それぞれの委員長に御相談しているところでございます。
6月に報告書(案)、ガイドラインの見直しがまとまりましたら、7月から8月にかけて、いろいろ手続がございまして、できれば今年の中ごろぐらいには、児童館ガイドライン(仮称)、新たな児童館ガイドラインを発出して、半年間の周知期間、啓発期間を経て、2019年4月に改正児童館ガイドラインを施行するというスケジュールを考えてございます。新たな児童館ガイドラインの内容を盛り込んでいくためには、地方自治体での予算化のこともありますし、各児童館において、それぞれ計画をつくっていただかなければいけないということもありますので、このぐらいのスパンの周知期間を設けてはどうかと考えてございます。
事務局からは以上でございます。
○鈴木委員長 ありがとうございます。
時間もちょっと過ぎて申しわけないのですが、川鍋課長には、専門委員会はもちろん、ワーキンググループの会合までずっと立ち会っていただきましたので、本年度、最終の専門委員会ということで、一言御挨拶をお願いします。
○川鍋課長 長時間にわたりまして掘り下げた議論をしていただいて、ここまでまとめていただいて、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
先ほど説明がありましたように、もう一つの放課後の専門委員会のねらいは、本筋論、あり方はもちろんですけれども、児童館をクローズアップすることにありました。放課後の専門委員会は6月に中間まとめをしますが、その中に、この児童館のこと、それから、この専門委員会で議論されていることのエキスを可能な限り盛り込んでいただくように、この場を借りてお願いしたいと思います。ぜひこの点、よろしくお願いしたいと思います。
本日は本当にありがとうございました。よろしくお願いします。
○鈴木委員長 ありがとうございました。
それでは、これで閉会とさせていただきます。どうも皆さん、ありがとうございました。

 

 

(了)

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