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2018年1月12日 社会保障審議会児童部会第11回遊びのプログラム等に関する専門委員会

子ども家庭局子育て支援課

○日時

2018年(平成30年)1月12日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省12階子ども家庭局会議室5
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

委員

植木 信一 (新潟県立大学人間生活学部子ども学科教授)
北島 尚志 (NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン理事長)
佐野 真一 (港区立麻布子ども中高生プラザ館長)
鈴木 一光 (一般財団法人児童健全育成推進財団理事長)
高松 絵里子 (北海道中標津町役場町民生活部子育て支援室長)
中川 一良 (社会福祉法人健光園 京都市北白川児童館館長)
松田 妙子 (NPO法人せたがや子育てネット代表理事)
吉村 温子 (玉川大学非常勤講師)

事務局

川鍋子育て支援課長
鈴木健全育成推進室長
竹中 課長補佐
依田児童環境づくり専門官

○議題

(1)児童館ガイドラインの見直し等について
(2)モデル事業の経過報告について
(3)その他

○配布資料

資料1 第10回遊びのプログラム等に関する専門委員会の主な指摘事項
資料2 第1回今後の地域の児童館等のあり方検討ワーキンググループの主な指摘事項
資料3 児童館ガイドラインの見直し等に係る検討項目・指摘事項について
資料4 改正児童館ガイドライン(仮称)項目骨子案(たたき台)
資料5 平成29年度児童館等における「遊びのプログラム」の開発・普及に係る調査研究業務の経過報告
資料6 児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための実践マニュアル(仮称)の作成
資料7 今後のスケジュール(案)
参考資料1 子どもの「遊ぶ」を支える大人の役割(平成23年3月)
参考資料2 平成30年度予算案の概要(子ども家庭局子育て支援課)
参考資料3 第3回社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会(平成29年12月4日)資料2(これまでの議論を踏まえた論点整理と検討の方向性)
参考資料4 児童館関係法令(抜粋)
参考資料5 平成29年度全国子どもの健全育成リーダー養成セミナー開催要項

○議事

○竹中課長補佐 

それでは、定刻となりましたので、ただいまから第11回「遊びのプログラム等に関する専門委員会」を開催させていただきます。

 委員の皆様におかれましては、御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は、大塚委員と羽崎委員が御欠席との御連絡をいただいております。

 それでは、委員長に進行をお願いしたいと思います。鈴木委員長、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 おはようございます。また、改めまして、明けましておめでとうございます。

 今日は朝から雪のニュースが全国を駆けめぐりまして、特に植木委員が来られるかどうか大変心配しておりましたけれども、お顔を見て安心をいたしました。

 早いもので、この専門委員会ももう一つ年を越しまして、第11回ということでございます。委員の皆様には、年明け早々お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。これから平成30年度になりまして、専門委員会としても一つの山場を迎えるような状況かなと思っておりますので、ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

 本日は大きく2つ御意見をいただきたいことがございます。

 1つ目は、昨年の1113日の当専門委員会で、児童館ガイドラインにつきまして、皆様から多くの御指摘、御意見をいただいております。それを受けて、同月の28日、ワーキンググループが具体的な作業に取りかかりました。その多くはまだ途中経過ですけれども、児童館ガイドライン案の骨子とそのイメージを文章化してくださいましたので、本日はそれを議論の素材として見ていただきながら、これから言葉の定義ですとか文言整理などを重ねてまいりますので、本日は大きな視点で欠けている部分やふさわしくないような条項がございましたら、御意見を賜れればと考えております。

 2つ目でございますが、今年度も実施してまいりました「遊びのプログラム」のモデル事業「児童館・遊びのマルシェ」の経過報告です。今年度のまとめとして、実践マニュアルも、あらあらですが、大分完成に近づいておりますので、一部、抜き刷りをしましたので、御意見を拝聴したいと考えております。

 その後、事務局から平成30年度の予算案の概要などを御説明くださいますので、今年度からの専門委員会の方向性などを視座に入れて、参考としていただきまして、活発な御意見を賜れるようにお願いしたいと思います。

 それでは、進めてまいりたいと思います。早速ですけれども、事務局から資料の確認につきまして、お願いできますでしょうか。

○竹中課長補佐 それでは、配付資料の確認でございます。本日は資料1から7と参考資料が1から5、非常に多くなっております。

 資料1、前回第10回の専門委員会の皆様からの主な指摘事項等をまとめたものです。

 資料2、専門委員会のもとに設置しておりますワーキンググループの第1回の主な指摘事項をまとめたものです。

 資料3、今日事務局から御説明させていただきますけれども、これまでの専門委員会なりワーキンググループで児童館のあり方、さらには、児童館ガイドラインの見直しに関連しまして、もろもろの検討項目、論点ですとか指摘事項をいただいております。それを現行のガイドラインの項目に沿った形でまとめたものになります。

 資料4、鈴木委員長からもお話がありました本日の議事の1つ目になりますけれども、改正児童館ガイドライン(仮称)の項目の骨子案のたたき台で、新旧、左側が現行の項目、右側が項目の骨子案で、後ほど御説明させていただきます。

 資料5、2つ目の議事になりますけれども、今年度の委託モデル事業の中間報告をまとめていただいたものになります。これも後ほど事務局並びに佐野委員から御説明をいただきたいと思っております。

 資料6、事務局から終わりのほうで御説明させていただきます、来年度のモデル事業の概要になります。来年度予算案に盛り込まれたという報告も含めて、御説明させていただきます。

 資料7、今後のスケジュール案です。

 参考資料1、平成23年に、こども未来財団で実施した調査研究の報告書で、武蔵大学の武田先生が主任研究員となってまとめられたもので、議論の参考としていただければとお出ししております。

 参考資料2、子育て支援課の平成30年度予算案の概要になります。

 参考資料3、放課後児童対策に関する専門委員会で議論をしております資料になります。12月4日に開催させていただいた専門委員会の中でこういったものを報告しております。後ほど簡単に説明させていただきます。

 参考資料4、児童館関係の法令等で、前回の専門委員会でもお配りしておりましたけれども、児童の権利に関する条約などが抜けておりましたので、補強した資料をもう一度つけてございます。

 参考資料5、来週末、20日、21日に開催する「全国子どもの健全育成リーダー養成セミナー」ですが、厚生労働省が主催で、共催が児童健全育成推進財団でやっていただく全国セミナーになります。参考でつけさせていただきました。

 もう一つ、机上配付資料がございます。これも参考で後ほど議論していただければと思っております。

 資料が多いのですけれども、過不足がなければと思いますが、大丈夫でしょうか。

 それでは、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 資料につきましては皆さん、大丈夫でしょうか。

 それでは、早速進めてまいりたいと思います。議事1「児童館ガイドラインの見直し等について」ですが、まずは第1回のワーキンググループでの検討状況等について、事務局から御説明をお願いできますか。

○依田専門官 それでは、まずは資料1、資料2をご覧いただきます。

 資料1は、前回の専門委員会の振り返りです。主には、今後の地域の児童館のあり方の検討で、児童館ガイドラインの項目1から6について、それぞれ御指摘いただいたものとなっています。

 資料2は、第1回のワーキンググループでの主な御意見、指摘事項になりますけれども、専門委員会からの報告を受けて、児童館ガイドラインについて御議論いただいた概要でございます。ワーキンググループでは、まず全体像、ボリュームなどについてお話しいただいて、また、基本的な視点として、健全育成、遊び、生活援助をしっかり盛り込んでいく話をいただいています。

 次の資料3には、第10回の専門委員会と第1回のワーキンググループでの御意見は盛り込んでおりますので、資料1、2についてはこの程度の報告とさせていただきます。

 資料3の見方ですけれども、凡例を囲みで示しています。先行研究、有識者意見交換会での御意見、そして、平成23年度に立ち上げられた児童館ガイドラインの検討会報告書の指摘事項をベースとしながら、さらに第10回専門委員会での御意見を赤の、そして、第1回のワーキンググループを青の◇でお示ししているので、と◇を中心にご覧いただければと思います。児童館ガイドラインの全体像についてのと◇は、字数、ボリューム、健全育成、遊び、生活の援助等の解説・例示の必要性、関係法令の更新についての意見がありました。

 2ページからは、児童館ガイドラインの現行の項目に沿っての御意見となります。まずは1つ目「児童館運営の理念と目的」の「(1)理念」では、児童の権利条約の精神をどのように子どもの視点で書き込んでいくのか。特に遊びの部分、第31条を児童館のガイドラインにしっかりと書き込んでいく必要があるのではないか。改正児童福祉法の第1条、権利に関する条約もそうですけれども、子どもの意見の尊重、子どもの最善の利益については、最低限、理念の中に組み込むことが必要ではないかという御意見がございました。

 「(2)目的」ですが、18歳未満の子ども全てを対象とすることは現行ガイドラインにも書かれていますが、全ての子どもが利用することについてはもう一度強調する必要がある。当然、中・高校生世代も行くことができることをしっかり書き加えていくという意見がありました。

 3ページ目、2「児童館の機能・役割」です。災害時の児童館の役割も言及されまして、特に乳幼児の避難場所として、児童館の価値が非常に高まっている。これは、東日本大震災等の事例なども含めて御意見をいただきました。

 児童館の特性として、4つ視点や多様性、拠点性、地域性等を書き足していくという御意見をいただきました。

 「(1)発達の増進」では、「健全育成」や「発達」を定義する前提で、「発達」に関しては、中・高校生世代に関して触れられているものをあまりみないので、その支援の仕方などにも踏み込んで書いていく必要があるのではないかという御意見がありました。

 「(2)日常の生活の支援」では、代表的なところでは、児童館がどういう日常の生活支援ができるのか文章表現できたらいいという御意見がありました。(3)(4)(5)もそれぞれ御意見を伺っていますが、代表的な御意見を中心にご覧いただければと思っております。

 5ページ、3「児童館の活動内容」に話を移したいと思います。「(1)遊びによる子どもの育成」では、遊びのプログラム等に関する専門委員会で紹介されたものも参考に、児童館における遊びの意義をしっかりと書き加え、組み込んでいくという御意見をいただきました。

 「(2)子どもの居場所の提供」をご覧いただければと思います。

6ページ目に移りまして、ワーキンググループの皆様にその表現はお任せしていく部分もありますけれども、子どもが主役になれる場所、真ん中の場所であることをきちんと書き込んでいくことがありました。「(3)保護者の子育ての支援」では、妊産期からの切れ目のない支援で、プレママ・プレパパを含め、これから親になる世代の思春期、青年期にも視野を広げた支援の観点を書き込んでいく御意見がありました。

 7ページ、8ページは割愛させていただきまして、4「児童館と家庭・学校・地域との連携」の「(3)地域との連携」でいくつか御意見をいただきました。地域住民と連携することと、相談機関等の専門機関と連携することは、内容や方法が異なるので、社会資源との連携とは別に項目を立てたほうがいいのではないかという具体的な改正イメージもいただきました。

10ページ、5「児童館の職員」では、館長、児童厚生員の職務、そして、職場の倫理と、それぞれ御意見を伺っておりましたけれども、ここではこれまでの意見と重ねています。

12ページ、6「児童館の運営」は、時間の関係で十分に議論できなかったところで、これからの議論になろうかと思います。

15ページ、大型の児童館について、中ほどに多めに記載されておりますけれども、中ほどのの御意見は、A型、B型と大型児童館があるが、その両方の役割について基本的に示していくということ。また、A型の機能・役割を中心に書きながら、それぞれ独自の機能も理解できるような書き方をしていくという御意見もございました。

 また、小型児童館・児童センターと同じように、大型児童館についても、震災後、子どもたちが移動児童館で多くの遊び場や遊びの方法が提供されたという事例から、大型児童館の一つの機能・役割の中に記載していく必要があるのではないか。このような御意見が中心だったと思います。

 雑駁ですけれども、説明は以上とさせていただきます。委員長、よろしくお願いいたします。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 我々の会議の様相をきちんとまとめていただいております。これを受けまして、現在、ワーキンググループにおいて児童館ガイドラインの改正に向けた作業を進めているところですけれども、先ほども申し上げましたように、本日改正児童館ガイドラインの項目骨子ですね。新旧対照表をつけていただいております。

 ワーキンググループの座長としてこれを進めてくださいました。

○植木委員 わかりました。資料4、それから、机上配付資料(未定稿)、この2つをご覧いただければ幸いでございます。

 骨子、あるいは項目案に関しては資料4で一覧になっております。現行の項目と骨子案(たたき台)というように左右に並んでいるものでございます。

 その議論を踏まえて、現段階の内容です。これもたたき台でございますけれども、これが机上配付資料の未定稿ということになります。

 そもそも、この児童館ガイドラインを改正していくということの背景でございますけれども、一つは、児童館機能の多様化でございます。ガイドラインが出てからもう間もなく7年がたとうとしております。くしくも東日本大震災と時期が重なりましたので、同じ7年ということになろうかと思いますけれども、その間、地域における児童館の役割、これが多様化しているということを無視することができない。ですから、それを踏まえた新しい児童館ガイドラインをまたつくり直すことによって、さらに児童館機能を強化していくということが一つです。

 もう一点は、このガイドラインのボリュームの件でございます。例えば、保育所であれば保育所保育指針がある。あるいは、放課後児童クラブであれば運営指針がある。いずれもそれなりのボリュームがある訳であります。一方で、児童館ガイドラインとそれらの指針を比較する際に、少し内容としてはボリュームが不足しているのではないだろうか。その前者2つに合わせたボリュームがあってもいいのではないかということが、主な背景ということになります。

 具体的な中身について、第1章から少し見ていきたいと思います。資料4でございます。

 現行項目の1つ目「児童館運営の理念と目的」、これに対応するのが右側の骨子案(たたき台)の第1章の「総則」でございます。

 この総則に関しては、まず1点目は、一昨年の児童福祉法改正の内容を踏まえて、児童の権利に関する条約の精神、これをガイドラインにも反映させるということがあります。それが「1 理念」のところに加筆されているということになります。同時に、子どもの意見表明権、子どもの最善の利益、こういったものも含めていくべきではないだろうかということが一つでございます。

 それから、総則の「2 目的」ですけれども、これも大変重要な部分でございますので、この際、さらに表現を強化して、具体的にわかりやすくしたらいいのではないかということでございます。

 「3 特性」です。これは新しく立ち上げる項目ということになりますけれども、机上配付資料を見ていただきますと、この「3 特性」の内訳が「(1)遊びの固有性」「(2)多機能性」「(3)拠点性」「(4)地域性」というように、具体的なキーワードを挙げて、特に児童館においては遊びを支援する訳ですので、遊びの定義、遊びとは何か、あるいは、その持つ機能とは何かということも踏まえながら、この特性のところに少し具体的に挙げたらいいのではないか。

 「4 社会的責任」です。これも児童館というのは、もともと児童福祉法に基づく児童福祉施設でございますけれども、特に地域性が高いということを考えるときに、地域における児童館の社会的な責任ということをここで明記しておくことが必要なのではないかということで、ここに載せたものでございます。

 骨子案(たたき台)の第2章です。これも「子ども理解」を新しくここに立ち上げました。なぜかといいますと、例えば保育所保育指針、あるいは放課後児童クラブ運営指針等においても、子ども理解あるいは子どもの発達に該当する部分が含まれておる訳です。つまり、我々は誰を対象にし、何を支援するのかということ。これをこの児童館ガイドラインでも明確にするという意味では、その対象となる子ども、ここにまた、中高生が含まれる訳でございますので、そういった対象となる子どもの発達を含めた子ども理解。これをここに挙げることによって、このガイドラインを活用する現場の児童厚生員等の仕事、あるいはその役割に寄与することができるのではないかということで、第2章を立ち上げたものでございます。

 続いて、第3章です。第3章、第4章に関しては、第3章の「児童館の機能・役割」、第4章の「児童館の活動内容」、この内訳の項目に関しては、現行のものと同じ項目で整理しております。ただし、机上配付資料を見ていただければわかりますように、その中身のボリュームを増して具体的でわかりやすいものにするということ、特に3章、4章に関しては、現場の児童厚生員がこれを見ながら現場の実践に反映する部分でございますので、1つ具体的なことが書かれていれば、何か解説書のような役割も果たすのではないかということでございます。

 第5章は「児童館の職員」。次の第6章の「児童館の運営」でございます。これに関しても、基本的には現行の児童館ガイドラインの項目とほぼ同じになりますけれども、内容としては少しボリュームを増やして強化しようとしているところでございます。

 第7章の「安全管理・衛生管理」に関しては、現行のガイドラインの6つ目の「児童館の運営」の中に含まれていたものを、新たに独立させて明確にしたものでございます。特に現場における安全管理・衛生管理ということに関しては、この7年間においてもさまざまな課題が明らかになっておりますし、児童厚生員の倫理ということも含めて、このあたり、具体的にガイドラインに示すことによって、現場の実践に寄与することができるのではないかということでございます。

 第8章の「家庭・学校・地域との連携」、これは現行のガイドラインの4に該当するものを、位置をずらして第8章に持ってきたということになります。このうちの「3 地域及び関係機関等との連携」です。これは、現行は「(3)地域との連携」という表現にとどまっておるものであります。しかし、地域にある児童館というものは、地域のボランティア等も含めた連携もそうなのですけれども、専門機関と連携するということもあり得るのではないか。特に、地域の課題が多様化していく中においては、児童館だけで抱え込むというよりは、地域にあるさまざまな専門機関と連携することによって、地域の課題を解決していくことが可能なのではないかということを踏まえまして、「関係機関」という文言を入れたものでございます。

 最後に、これも新しい項目ですけれども、第9章として「大型児童館」の内容を取り上げました。これに関しては、7年前も当然大型児童館はあった訳でありますけれども、現存するものはA型、B型ですね。それぞれも全国に点在しているものでございますし、また、A型に関しては、特にその地域の児童センター等の取りまとめ役等も担っている訳であります。

 それから、昨年度行われました厚生労働省の調査研究事業においても、この大型児童館の項目に関しては、ガイドラインに新しく立ち上げるべきという提言もしております。そういったことも踏まえまして、第9章で大型児童館を改めてここに明記するということを提案するものでございます。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 それでは、ワーキンググループメンバーとして中川委員にも参画していただいていますので、補足などがございましたら、中川委員、よろしくお願いいたします。

○中川委員 中川でございます。

 今、座長から網羅的に御説明がありまして、補足ということにはならないのですけれども、私は現場で児童館長を務めております。現場から、今回のガイドラインの改正についてどのようにアプローチしていくのかというのが私の課題でございまして、そういう観点から、ワーキングにおいての議論にも参画をしているところでございます。

 それで行きますと、23年にこのガイドラインができて、5年以上の歳月が過ぎた訳ですね。その間にさまざまな社会的な変化もございましたし、子ども・子育ての新しい制度も27年度から施行されております。また、子どもたちを取り巻く環境も、いいほうにというよりも、むしろどうなのだろうな、困ったなという課題も見え隠れしております。

 そのような中で、現場としては、今の自分たちの周りにいる子どもたち、あるいは自分たちの地域、あるいは自分たちの関係機関に対するさまざまな取組を進めていく上で、新しいガイドラインが欲しい。ここが一つ、大きな私たちの願いであります。そういうことも含めまして、この骨子案の中で示されているように、例えば第1章の「1 理念」の中には、児童福祉法の改正、これがしっかりと反映されているということが一つ大きな特徴になってくるのではないかと思っております。

 もう一つ、我々は現場でこのガイドラインを手にとったときに、では、現場での活動はこのガイドラインにのっとって、沿って行うとして、どんな活動が求められるのだろうと。ここは従来のガイドラインでは現場でいろいろイメージしながら進めていくという、いい意味でも悪い意味でも、現場としては今までガイドラインとつき合ってきた訳ですけれども、もう少し具体的な活動の中身が、このガイドラインの中に示されたらいいのではないかという思いをずっと持っておりました。

 そういう観点からしますと、例えば第2章の「子ども理解」、これは新しく設けることになるだろうと思うのですけれども、ここは非常に今までにない、例えば私たちが実際にどういう子どもたち、どの年代の子どもたちに対応していくことになるのか。あるいは、その際にそれぞれの子どもたちに対する理解をどうしていったらいいのか、ここに対する一定の回答というのですか、答えが、今回この第2章の「子ども理解」の中で示されることになります。とりわけ、中高生に対する記載が今回なされようとしています。ともすれば、児童館の中では中高生は、児童館の対象とわかっていてもなかなかうまく関わっていけないという現状がある中で、これは大いに助けになるのではないかと考えております。

 第4章の「児童館の活動内容」ですね。ここは、8つの項目があるのですけれども、できるだけ現場の実践に反映できる、寄与できる内容として示すことができたらいいなと考えているところでございます。

 また、第7章に「安全管理・衛生管理」、これは従来のガイドラインでは6つ目の「児童館の運営」の「(3)運営管理」の項目であった訳ですけれども、今回新しく章としてクローズアップすることになった。これも現場の職員にとりましては、運営上押さえておかなければならない非常に大事な観点でございますし、章として新たに立ち上げることができれば、一層、現場に対する周知力、現場に対するアピール力は増すのではないかと考えております。

 最後に、児童館という施設がほかの施設、機関ではなかなか代えることのできない機能・役割を有しているのだということを、この機会にしっかりとガイドラインに打ち出していくこと。これは先ほど専門官からの説明の中にもございましたが、地域の全ての18歳未満の子どもたちを対象とする機能であったり、特性であったり、あるいは拠点性、館(やかた)を有しているということ、このことの意味、意義というものを、しっかりとこのガイドラインの中で示すことができたらいいのではないかと考えております。

 以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 今、両委員の方々から御説明をいただきました。専門委員会の皆様に御説明を申し上げますと、11月の専門委員会を受けまして、ワーキングが公開のものと作業部会的なものと、2回開かれております。私どもがお願いした中容は、先ほど御説明いただいた専門委員会の資料を受けまして、まず、改正についての方向性、作業内容の共通理解と、執筆分担をお決めいただきました。また、代表の方に骨格を作成していただいて、今日お手元にお見せする章立ての私案をお作り頂きました。総論は特に大事な部分なので急いでイメージを纏めていただいたという形でございます。

 これは本日、私も初見でございますので、この場でご説明を聞きながら、中身を読み込み御意見を頂くというのは難しいと思いますので、この作業はまだ2~3カ月かかり時間的な余裕はあると考えられますから、お持ち帰りになって、ご指摘場所がありましたら、私どもか、厚労省事務局まで御意見をいただいても間に合います。

 文言整理も当然文言の加除もこれから充分に考えて参りますので、細かいところよりも、全体として、むしろ項目骨子案、こういう方向でいいか、そういったところの御意見があれば伺いたいと思います。この大局から皆様の御指示を得たいと思いますが、どうでしょうか。ありましたら、挙手をしてお願いいたします。

 松田委員、お願いいたします。

○松田委員 まだざっくりかもしれないのですけれども、確認も含めてお伺いしたいのが、ソーシャルワークということが出てきていると思うのですが、人として足そうと思っているのか、いる人たちが専門性を身につけるという方向なのか、どちらかなのかが、この書きぶりによって左右されてしまうのかと思っています。保育のところも結構今、それが起こっているような気がして、プラスアルファでスクールソーシャルワークのような感じで人が入っていくのか、保育士にその機能を求めるのか。それはまた別の話かもしれないのですけれども、ここにもちょっと出てきたので気になったということが一つです。

 中高生ということがすごく書かれて、私もすばらしいと思っているのですが、できれば中高生世代、言葉をどう入れていいのかわからないのですけれども、中高生、学校へ行っている子というようにしないで、世代として書いていただきたいのです。学校へ行けていない子なども児童館をよりどころにしている子はすごくたくさんいるので、働きながら行っている子もいるし、その部分、今、夜間利用なども増えていますので、ぜひお願いしたいところです。

 もう一つ、国籍については余り書かれていないのですけれども、できれば全ての子どもというところに、障害のあるなしとか、国籍がどこであろうともみたいなことが十分に見えるようにしていただけたらと思います。私もちゃんと見ていないから、書きぶりとしてそのつもりですということかもしれないのですけれども、国籍のところ、日本国籍だけれども、全然日本語がしゃべれない子とか、文字が全然読めない子などもたくさんいて、そのところへの配慮ということ。障害のところも、いろいろな障害があるとは思うのですけれども、館としては結構古いものなどだと車椅子の子たちが最初から諦めていたり、バリアフリーのところになってしまうかもしれないのですけれども、そういった人たちが利用しやすいようにみたいな方向性がいただけると、建物を建てかえるときの配慮などにも入るかなと思います。

 この子どもたち、中高生が入ってきたということも大きいと思うのですけれども、自分たちの自主活動みたいなことが書かれ始めていてすばらしいと思っていて、この間、アーウィンさんという人が来ていろいろ話を、子どもの声を聞くとはどういうことかみたいなことを勉強したのですけれども、子どもたちが、特に中高生世代が地域の中で役割をつくっていくことを支援することや、自分たち自身の活動というところを、十分に声が聞かれることが大事みたいなことが、職員の資質に入るのか、活動内容に入るのかわからないですけれども、ざっくりそこを感じました。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 何かございますか。

 植木委員、お願いいたします。

○植木委員 御指摘、ごもっともでございます。1つ目のソーシャルワーク、これを誰が担うかということでございます。児童厚生員がソーシャルワークの機能を有するということはどういうことかと申しますと、仕事が増えるということとは逆のことでございます。つまり、児童厚生員のできない専門性、持たない専門性は、他の相談機関等につなぐ。つまり、仕事をシェアしながら相対的にはその役割を果たしていくということでございますので、何かプラスアルファで重くなるイメージがあるかもしれませんけれども、私の感覚ではむしろ逆です。積極的に専門機関とシェアしていくことによって、児童館を拠点にする訳ですけれども、地域全体で子どもを支援していくというつなぎ役の役割が期待されているのかなと、私は思っております。

 それから、中高生世代、これはごもっともです。これは実は非公開ワーキングのときにもそういった意見が出ました。ですから、それを踏まえて、今日はたたき台にも反映すべきことだったなと思いますけれども、これはワーキングでも出ている、確かにそうだということでございます。

 それから、全ての子どもに国籍を問わない。つまり、地域にいる全ての子どもということに関して見れば、これは分け隔てないということは前提でございます。基本的には、児童福祉法に規定する児童、これを全て対象にしていくということを基盤としながら、この児童館ガイドラインが成り立っているのかなと思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。

○鈴木委員長 その通りの展開だったと思います。その辺は、今後の書きぶりと文言整理で十分意図を吸収していきたいと思っております。

 あと、どうでしょうか。

 松田委員、お願いいたします。

○松田委員 これも文言の話になってしまうかもしれないのですけれども、11ページの厚生員の職務のところに、新しく(5)で、乳幼児の保護者と積極的に話をして、虐待防止に努めるというものが入っているのです。これはどういう視点でここにプラスされたのかということをお伺いしたかったことと、虐待防止のために保護者と会話するみたいな方向なのか、それは違うなと思って、きっと違う意図なのでしょうけれども、書きぶりだけ気になっていて、このもともとから足したというところについてお伺いしたいと思いました。もちろん、もっともそうなのですけれども。

○鈴木委員長 これは一般的に、今まで御指摘いただいたのもそうですけれども、ソーシャルワーク機能にしましても、児童厚生員はコミュニケーション能力が非常に重視されまして、地域と他の機関とのつながりもそうですし、児童福祉的な意図を持って来館者、子どもも保護者と接するときに、雑談・会話にも心を配っておくと微妙な発見につながるようなことある、雑事にも神経を張り巡らすといいますか、そういう意図で置かれたことだと思います。御指摘のことも含めて、今後またここも点検をしていきます。

○松田委員 ちょっとざわざわする感じかと思います。お願いします。

○鈴木委員長 何か問題があって動くのではなくて、活動の中から発見していくというか。

○松田委員 予防ということですね。

○鈴木委員長 予防とか、早期発見とか、そういう意図で置かれたものだと思います。

○松田委員 ありがとうございます。

○鈴木委員長 ほかにどうでしょうか。

 佐野委員、お願いいたします。

○佐野委員 3ページの第3章「児童館の機能・役割」のところなのですが、豊かな地域づくりというか、子育てが豊かに行われる地域づくり、子どもたちが地域を愛して、その地域でずっとずっと育っていく地域づくりというようなニュアンスが欲しいなと。児童館で豊かな育ちを応援することによって、地域も豊かになり、そして、豊かな地域で豊かな子育てができるという、その連携みたいなものが、もう少し登場してもいいのかなと。そうすると、中高生たちの自主的な活動が児童館で行われていて、地域に出ていくということの意味もつながってくると思うので、もう少し地域づくりということも加えていくのが強調されてもいいのかなという感じがしております。

 以上です。

 

○鈴木委員長 これも御指摘の通りだと思います。

 北島委員、お願いいたします。

○北島委員 そうしたら、今日は余り細かい文言まではということなので、何点か自分なりに気づいた点をお話ししたいと思います。

 まず、この間、ワーキングの皆さんの議事録を読んでいて、これは絶対ぜひやってほしいと思ったのが、キッズ版児童館ガイドラインの話が出ていたので、私はこれができることは本当に現場としては大きな力になるのではないかと思っているので、どういう形や、実際に子どもと一緒にという課題は出てくると思うのですけれども、すごくいいアイデアが出たと思いました。それが一つです。これはぜひやりたいと思います。

 もう一つは、私自身も児童館の職員でしたので、実は健全育成という言葉にはずっとひっかかっていたのです。すごく難しいことだし、ちょっといい子に育てるみたいなイメージかどこかに、つまり、大人にとって都合のいい子ということの解釈とか、例えば健全とは何かというのは職員でどこまで話し込んでいたかとか、現場に行くとすごくそのことは難しいなと。

 例えば、先ほども出ましたけれども、学校へ行かない子どもたちが来たりして、児童館で荒れたりすることがすごくあって、窓ガラスが随分割られたのです。でも、その子たちと丁寧に関わりながらということが児童館のよさだと思うけれども、そういうことをするやつは児童館に来るなということも同時に対応として行われる。なかなかそこが、つまり、健全育成であれば、そういう子たちとどう向き合うかということ、そういう子たちを排除する施設なのかと、現場ではすごく悩みました。

 だから、今回一ついいなと思ったのは、健全育成の中身をきちんと書くというのはとてもありがたいし、文言で言うと私はもっとここを書けないかとは期待をするし、どうしてもガイドラインですから、抽象的な言葉にしかならないのですけれども、でも、自分なりの思いを言わせていただけると、権利条約のこともここで書かれていたのがすごくうれしかったのですが、もう一つあるのは、一人一人が、例えば遊びたいと来る子もいれば、何もしたくなくても児童館にいたい子もいるし、児童館で寝たりする子もいる。権利条約31条は、それも全て認めていく。つまり、何もしない権利というのもあるよと。児童館という場所は本当にそこが豊かだなと。がんがんSケンをやっている子がいれば、こちらでぼうっとして漫画を読んでいる子もいるというのがいいところだなと思っているので、健全育成というのは一人一人違うことなのです。

 そして、育成、育っていくペースもみんな一人一人違うということが、きちんとこちら側、運営する側、指導員側に持っていないと、一律にという指導が入った途端に、私はそれは健全育成ではなくなっていく気がしているので、一人一人違うペースで成長していくのだという、そのあたりをぜひ文章として期待したいというのがもう一点です。

 もう一つは中高生のことなのですけれども、これもこう書かれてあることは画期的なことなのですが、正直、現場に行くと、この中高生の問題はかなり悩まれている。例えば私がいた練馬区もそうですけれども、中高生タイムと言って夜あける児童館を実験的にやっていて、例えばそれは何人かが来てバスケットをして帰っていくとか、相談してとか、多分現場は中高生たちを、次に君たちがやりたいことをやっていいのだよとか、バンドをやるとか、声をかけながらきっとやっているし、縁日とかキャンプなどのときにボランティアで関わってくれるみたいなことは対応しているのですけれども、ここもこれ以上なかなか書き方としては難しいのですが、中高生にとって児童館は何だろうと思ってしまうところがある。

 今、夜に開放することで中高生が来ることはあるのですけれども、正直に言えば、中高生にとって児童館は魅力がないのです。特に行きたいという施設ではなくて、しかも0歳から乳幼児・子育て支援をやっていて、小さいガキがいてという中で、中高生のことをどう私たちは捉えるか。現場にいた人間としては本当に大事なのです。この子たちがいることで小さい子たちが憧れたり、縦につながることで、指導員も今の1年生、あいつもそうだったけれども、中学生、高校生になったらこんなふうになるのだという縦の発達の部分も指導員自身が学ぶ。中高生がいたり、あるいは学校に行っていないとか、障害の子とか、いろいろな大きい子たちが来ていましたけれども、すごく豊かなことなのですが、だったらこの施設を変えないと、あんな狭いところに中高生は来られない。

 私たちがここに中高生と書くときに、ここにもどうしても自己実現ともし書くのだったら、これはすごいことですね。中高生館というものが今、割と注目されているし、その辺の実態調査はしたいというか、町田とか杉並でも、中高生館が今、具体的にどうなっているのか。あるいは、中高生が夜開放したことで何が起きているかとか、私の中ではまだ中高生をどう位置づけるかはすごく難しいと思っているので、ここの部分を入れることは大賛成ですけれども、もうちょっと検討が必要かなというか、実態が知りたいなと思ったということです。

 実は児童劇巡回事業をずっと全児連がやっていて、あれは振り返ると、本当にすごい事業だったなと思って、今、本当に予算がなくて、児童館で生の舞台を見るなどということはほとんどなくて、地域のアマチュアのサークルの人たちが関わっていたりするところは、まだそれでも人形劇が見られたりします。でも、大型児童館は行くと結構ホールみたいなものがあったりして、これは厚労省の方針にもありますけれども、あの予算を大型児童館につけてもらえないか。少なくとも大型児童館で年に一遍でも二遍でも舞台が見られれば、そこの地域の児童館の子たちは見に行ける訳です。児童館に予算をつけろとは本当は言いたいですが、大型児童館で必ず文化活動、芸術活動をするということを明記したいとすごく思いました。

 札幌がやまびこ座、こぐま座というものを持っていて、実は昨年、夏休みにアフタフ・バーバンは作品を持って参加をさせていただいて、いいなと思ったのです。夏休みの30日間ぐらい、北海道は実は少ないですけれども、児童館、学童の子たちが、やまびこ座、こぐま座の生の舞台をどこでも行けるのです。応募して、私たちはこれに行くと。だから、4児童館、4学童の子たち二百何人が見に来てくれたのですけれども、豊かだなと。夏休みになったら生の舞台を見に行こうねとみんなが選べる。それが大型児童館の一つの役割としてあったらどんなにいいだろうとすごく思いました。文化芸術活動、生の舞台、生の鑑賞をすることを、ぜひ文言として位置づけていただきたい。

 それから、これはまたこの後の議論になるのですけれども、現場の研修とか、さまざまに行って私が一番思ったことは、先ほどの中川委員もそうなのですが、現場の先生たちがこれを見て、さあどうするというモチベーションになるか。どこかに、はいはい、お上が決めたもの、と。だから、今回の中身はかなり本当に画期的になっていると思っています。

 もっと言えば、私はこの研修のところなのですけれども、これでは甘いと思っていて、どこへ行っても、研修をやりますよ、私たちも呼ばれて、年に2回、年に3回やっていますと言われるのです。現場に行くと、ことし、これは何回目ですかと。何回目だっけと。前回何をやったか、何をやったっけと。この年3回の研修が、現場に行かされていない。

 つまり、研修が終わった後にそのことを話してください、そして、そのことを今の児童館や現場のところに重ね合わせて、では、どうしようかと生かさなければ研修にはならない訳で、そうすると、何が起きるかというと、現場に戻って話す時間がないのです。話す時間が保障されていない。パートさんも含めて十何人いて、月に1回職員会議がやれるかやれないかという状況で、研修の話などできるかと。でも、では、午前中に来てやりましょう、そこのお金は保障されますか、されませんと。

 ぜひ現場に生かすというのであれば、職員がきちんと子どものことを語れる時間を保障してください。それはちゃんと財源も必要になるし、勤務時間のこともそうですし、そこがないと、これは文言だけで、うちは年4回やっていますということになっていやしないかというのが、すごく自分としては思っているところです。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 今、御指摘のことは、委員の皆様も共感するところだと思います。ガイドラインの書きぶりとしてどうするかという問題はたくさん残るかと思いますが、肝に銘じて今後の作業に転換していきたいと考えております。

 それでは、議事1は以上とさせていただきたいのですが、よろしゅうございますか。

いつでも門戸は開かれておりますので、私どものほうへ御意見を聞かせていただければと思います。

 続きまして、議事2「モデル事業の経過報告について」に移りたいと思います。

 事務局から、また説明をお願いできますでしょうか。

○依田専門官 それでは、資料5「児童館等における「遊びのプログラム」の開発・普及に係る調査研究業務中間報告」について御説明してまいりたいと思います。

平成29年度は、児童健全育成推進財団に委託し進めていただいております。当初の計画の概要については、第10回専門委員会で、一定御説明しましたが改めて御報告します。

 この調査研究業務は、現場でモデル的に、子どもたちにとって効果的な「遊びのプログラム」を検討し、健全育成上の効果等について分析し、マニュアルにまとめ、さらにその普及・開発を図る事業でございます。委託団体や私どもの局だけで企画に当たるのでなく、企画・検討委員会を立ち上げ、有識者に客観的助言を受けながら、また定期的なチェックをいただきながら、進めているのが特徴です。

 事業の内容としましては、こどもの城から引き継ぐ「遊びのプログラム」の多様な取組を基にして、モデル的なプログラムを実施し、さらに開発・改良を進めるものです。

 それには、実施児童館を選定し、そのプログラムが子どもたちにどのような効果をもたらしたのか検証し、フィードバックし、マニュアル化していきます。

「(3)事業内容」としては、モデル的なプログラムを実施する児童館を選定し、具体的に遊びを実践する現場の児童館長や児童厚生員をプログラムアドバイザーとして委嘱をします。

 そして、9月には「児童館・遊びのマルシェ」という実践交流の場を設けました。マニュアルパイロット版を作成して、遊びのプログラムのねらいや方法などの要領をシェアし合う機会を催しています。

 「トライアル児童館」が、そのプログラムを実際に行ってみて、さらにブラッシュアップしていくことを目指します。試行していただく児童館には、プログラムアドバイザーが赴いて、ノウハウや方法論についても助言、指導していただく流れで進めています。

 現在は、実施された遊びのプログラムを検証しマニュアルに落とし込んでいく作業をしております。資料の後半で、そのマニュアルのイメージの一部をお伝えできると思います。

 会議の進捗状況としましては、今まで8回の企画・検討委員会が実施されていまして、2月~3月にも開催する予定としています。委員には、子どもの権利、子どもの主体性の視点から工学院大学の安部先生。本委員とワーキングのメンバーでもある植木委員。大型児童館で実際にプログラムに関わられ、ワーキングのメンバーでもある柳澤構成員に御参画をいただき進めております。

 夏あたりまで児童館に公募をかけまして、それに応募していただいた児童館が25ありました。それぞれの児童館にたくさんの「遊びのプログラム」がある中でも、今回の企画に合う一押しのものを、それぞれ1つ2つ提案いただきました中には3つのプログラムを提案していただいている児童館もあります。

 簡単にその内容が資料に説明されておりますので、目を通していただければと思います。例えば、運動遊びや、大きな地震があった神戸では子どもたちの防災意識を遊びの中で育てていく取組。今、若者に流行っている謎解き脱出ゲームを児童館の遊びに取り入れながら、そこにいろいろな福祉的課題を乗せていくような取組もございました。

 また、子どもたちがラジオ局を企画・運営する取組、小地域にだけ電波が飛ぶ放送局を子どもたちの運営によって実施するという、なかなか見応えのある取組も出てまいりました。

 ➈、➉では、先ほど北島委員からございました中・高校生がキーワードに出ております。都内の児童館において中・高校生への取組がどのように進められているか紹介するものにもなると思います。

 赤ちゃん・乳幼児の取組として、小学生と赤ちゃん親子との触れ合いの取組を行った児童館もありました。また、子どもがビデオをつくるクリエーティブな取組もありました。これは後ほど、佐野委員が実際に取り組んだ児童館としての所感についてコメントしていただくところでございます。

 16「子どものまち」は、子どもの就労体験になり、市役所の仕組みなど社会での体験を遊びの延長上で行う取組もございます。

 17も、ごっこ遊びと言えるかも知れませんけれども、子どもたちが企画して、会社を建て、自分たちがつくった農産物を販売するまでの一連の活動であったり、外国籍にルーツを持つ方々の、特に親御さんが集まるところで、多文化、異文化を交流させる遊びの取組もありました。

 子どもの貧困対策の一つとして「子ども食堂」が注目を受けていますが、児童館内の㉓「子ども食堂」の取組がありました。子どもたちに単に食事を提供するだけでなく、子どもたちがフードドライブなど実際に地域で活動する経験をするプログラムを行っています。

 ㉔番は、障害のある子どもを持つ親を支える会です。「ゆんたく」とは沖縄で「おしゃべり」の意味で、児童館がその場を積極的につくっています。

 そして、プログラムに名前がなく、特に何もしないプログラムでも、居心地のいい環境づくりを意識していることもひとつのプログラムになるという気づきが出てまいりました。

 7ページ、2.「児童館・遊びのマルシェ」は、児童館での遊びのプログラムが一堂に会する機会で、児童厚生員がプログラムを実際にやってみせたり、映像で見せたり、その紹介ブースを尋ねて個別にアドバイスをもらったりできるものでした。その後も、児童館が相互に連絡を取り合ってトライアル児童館が増えました。トライアル児童館には、プログラムアドバイザーが出かけていき、そのノウハウやその児童館のサイズにアジャストするための助言などをしていきました。逆にプログラムアドバイザーの児童館にとっても、トライアル児童館から工夫点等の意見を受けて、プログラムをブラッシュアップする双方にとっていい機会となりました。

 7ページのプログラム名は、先ほどの25児童館から出された遊びのプログラムです。右側の枠、試行したトライアル児童館になります。1つのプログラムに1館以上を目標に実施していただいておりますが、中には2つ、3つと取り組んだ人気のところもあります。

 8ページ、トライアル児童館一覧となっております。現在は、25館からの38プログラムが、全国の大小の49か所の児童館・児童クラブで取り組まれたことになります。また、このトライアルは2月いっぱいぐらいまで継続すると聞いております。残りの期間は少ないですけれども、3月のマニュアル完成に向けて順調に事業を進行しているところでございます。

 事務局からの概略説明は以上とさせていただければと思います。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 一昨年、モデルプログラムを実施しまして、いろいろな点を反省させていただきながら、ことしはマルシェという形で、公募をして、児童館のプログラムを一堂に会して、他の児童厚生員を招いて参加していただいたという形でございます。

 実際、我々も研修をずっと続けてきてよく感じるのが、あの人がいるからできる、立地・環境条件のいい児童館だからできたという、やらない理由はたくさん伺うことができましたので、そのプログラムはどこの児童館に移行してやれることなのかということをトライしていただいて、その結果を事例集としてまとめていこうという意図で展開しております。

 北島委員からも、るる御意見、御指摘をいただきましたけれども、24番、25番、何もしないプログラムですね。こういったものがどちらかといえば児童館本来の入り口であって、そこから時間があるから遊んでみようかというのが本当の遊びだと言う人もいるぐらいですから、何かさせることばかりが児童館ではなくて、何もしないでゆっくりとくつろぐというプログラムも大切にました。こういった一連の活動をしていきながら、プログラムの定義というものをもう一度じっくりと研究する必要があるのではないかと考えております。

 大変おもしろく、よく展開されていると私個人は思っておりますが、実践者として、また、アドバイザーとして実際に参加をしていただきました佐野委員が、トライアルした児童館の現場に行ってくださっておりますので、御報告をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○佐野委員 それでは、お時間をいただきまして、簡単な説明をさせていただきます。

 9ページ目以降がマニュアルになっていまして、最初のビデオムービーづくりというのが、私の施設から提案したものです。今、このマニュアルを、色が変わっているところがありますけれども、制作していただいて編集していただいている方とやりとりをしながら、細かく修正をしている最中です。その修正のポイントとして、トライアルした児童館に実際に伺って、プログラムの説明をするとともに修正点も聞いてくるという形で現在進行しているところです。

 私は6秒動画といいまして、2~3年前に中高生の間で、自分たちの得意わざみたいなものを6秒ぐらいで撮って動画で流すという遊びがはやっていました。それを児童館に取り入れてみようということで、子どもたちが撮ってと言ったらビデオを抱えて職員が行って、いろいろな子どもたちのパフォーマンスを撮り、それを6秒におさめて館内で流して、100本集まったらグランプリを決めようというようなプログラムです。子どもたちがもっともっと身近に自分の表現活動を人に示す、発表する瞬間をいっぱい児童館の中でつくったら楽しいのではないかというようなプログラムを考えたものです。

 9ページ目、主に狙い目であるとか実施条件、進め方などがきちんと出ていまして、10ページ目にそれを運営するためのポイントとして、こういうところを大事にしてくださいよと、こういうところが狙いなのですよということをきちんと伝えていくようにしています。

 発展というのは、プログラムをもう少し広げるためには、こういうやり方をするともっともっと広がるのではないでしょうかということです。

 考察は、効果を記載しています。これをやってこんな効果が出ました、児童館で過ごす子どもたちが、日常的にいろいろなことを表現していくことで、本当に発信というものが児童館でできるようになりましたというようなことが書いてあるのですけれども、そういう効果のようなものもきちんと訴えていこうということで、余り長くならずに、1ページないし2ページぐらいでおさまるようなマニュアルができたらいいのかなと考えて、今、皆さんにいろいろ御指摘をいただきながらつくっているところです。

 このプログラムを実際に実施していただける川崎の児童館にこの間行ってきたのです。お伺いして、おもしろかったのは、大学での専門が映像関係の職員の方がいらっしゃったんですが、何か自分の大学で習ったことを生かした仕事が子どもたちのプログラムでできないかと思って、いろいろうずうずしているところにこのマニュアルのトライアルのお話があったということでした。本当に私が本当にやりたい仕事はこれなのだと思ったということで、本当に飛びついてきたみたいな形で、非常に熱意を持ってこうしたほうがいいかな、ああしたほうがいいかなということを、1時間にわたりいろいろな議論をしてきました。児童館のおもしろいところは、本当にさまざまな職種の方がいらっしゃるところですので、体育、教育、福祉、それこそ文化、映像など、そういった方もいらっしゃいますので、そういう眠っている人材を揺り起こすきっかけにも、このマニュアルはなるのかなと思いました。

 それから、単なるこれをやるということではなくて、こういう考え方をしたら多様性のある、そして、創造性のある児童館ができるのだというプログラム開発の触発、きっかけになるのが、このマニュアルなのかなと思いました。

 こどもの城時代もそうでしたけれども、それを単なる紙ベースで渡すのではなくて、我々も「動くこどもの城」という事業をずっと国の補助金をいただいてやっておりましたが、そこに行ってそこでやる職員と話すことで、その児童館のその地域に合ったサイズになっていく。今回もトライアルということで我々が行く時間をつくっていただきましたので、このマニュアルが非常に生きていくことかなと思いました。

 例えば、9ページ目に「~めざせ6秒動画100連発~」と私は書いています。これは私どもの施設の入館者から割り出した目標数値だったのですが、ここの出かけた児童館は100人に日常の入館者が満たないので、100本はちょっと厳しいですと言われました。なるほど、100本と書いてしまうと100本というところにこだわってしまって、それで苦労されるのだなと思うと、そういう書き方をしないほうがいいのだと、そういうこともよくわかってきました。ですから、マニュアルを生かすためにそこに出かけていくということも、非常に価値のあることなのだと思いました。

 まとめになりますけれども、このマニュアルがそのまま使われるのではなくて、職員のやる気や創造性みたいなものを広げるきっかけになるのではないだろうかと思って、期待しております。

 以上です。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 まだ編集途上でございます。専門委員会から発出したマルシェの事例集でございますので、単なるマニュアルとか事例集に終わらないように、ガイドラインとの整合性がつけられれば私はいいかなと思っています。

 ガイドラインは、どうしても大概念とか、せいぜい小概念に落とし込むことができましても、具体的な活動を一々わかりやすく書けませんので、1章、2章の1の2に当たる部分は、この事例集マニュアルで言うと、この部分と考えられます、というような示唆になるわかりやすい解説書を兼ねたものになればよいと思っております。今回試行で、来年度完結編で完成するのか、時期と完成度の問題は残ると思いますが、そのように志向していきたいと思っています。

 ここまでで議論は一応2つ済んだ訳でございます。課長、ずっと聞いてくださっていまして、突然でございますが、全体をまとめまして、方向性や御意見などがございましたら、伺いたいと思っております。

○川鍋課長 皆さんには今回「遊びのプログラム」について、熱心に御議論いただいておりまして、ちょうどいろいろな意味で子どものことについては注目があるような世の中になっていますので、先ほど予算の話も出ましたけれども、何とかお金についてももうちょっと投入できるような形にできないかとは思っています。

 先ほど、健全育成は難しいということ、それから、遊びというのも一言で片づけられる問題ではなくて、そこの中にある価値というものをどうやって世の中に示していけるのかなという意味からも、今回の専門委員会、ワーキングについては、なかなか見えにくいかもしれませんが、実は非常に大事なものが詰まっていると思っています。ぜひ忌憚のない御意見を出していただいて、まとめ上げていただきたいと思います。

 その後の問題として、今日も意見が出ていましたけれども、どうやって各現場で普及、実践していただくかという問題は、私どもも含めて考えていきたいと思います。例えばマニュアルがあったとして、そのマニュアルはどう生かされているのかというのは、これは別に今回のこのプログラムの問題だけではありません。高齢者の関係でも障害者の関係でも同じような問題がありますので、そこはそことして、どうやって実践に結びついて生かしていただくかというものは、引き続き考えていきたいと思います。そういう意味で、今後ともよろしくお願いします。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 それでは、議事2は御報告中心でしたが、以上とさせていただきます。

 議事3「その他」に移りたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。

○竹中課長補佐 それでは、お配りしている資料の中から、幾つか事務局から説明をさせていただきたいと思います。

 まず、資料6をご覧ください。「児童館等における遊びのプログラム等の全国的な普及を図るための実践マニュアル(仮称)の作成」という横の1枚紙になります。これは御説明、御報告をいただきました今年度のモデル事業を来年度も継続して実施していくことになりまして、一番下「3.所要額」のところに書かれておりますけれども、これまでも委託調査研究事業として実施してきておりまして、来年度予算案の中に経費として盛り込まれているというものでございます。

 今年度実施していただいたものから、さらにどのように展開していくかということですけれども、まず「1.概要(経過)」のところの3つ目をご覧いただきたいと思います。

 今、御説明、御報告いただいた今年度のモデル事業ですけれども、これは現行の児童館ガイドラインに沿って全国の児童館で開発・改良した、優れた「遊びのプログラム」等を集めた実践交流の場である「遊びのマルシェ」を9月3日に開催いたしました。

 さらに、そのプログラムの普及に資するためのマニュアルを作成していただいているというところですけれども、その位置づけとしては試行版という位置づけかと考えておりまして、来年度のこの経費で、これまで実践してきたものの集大成というような位置づけにしていくのかなと考えています。

 今年度、作成いただいたマニュアルを活用して、さらに全国の児童館で横展開なり、深掘りをする。さらには、プログラムをもう少し増やしていくことを行っていただいて、それをまた検証・分析を行う。それに基づいて、今、御議論いただいている、いわゆる改正児童館ガイドラインが、来年度のどのくらいの時期に固まるかはこの場でははっきり言えませんが、できるだけ早い時期におまとめいただくことになると思いますので、現行のガイドラインではなく改正後の児童館ガイドラインの内容も踏まえた形での実践マニュアルを来年度作成していただいて、今年度のいわゆる試行版をブラッシュアップしていただくことを考えています。

 「2.2018年(平成30年)度実施内容」については、今、御説明させていただいた通りで、ブラッシュアップした実践マニュアルを今後どのように広めていくかということも含めて、この専門委員会におかれましては、その取組内容の評価を行っていただく。実践マニュアルもさらにどのようによくしていくか、効果的に使っていただくためにはどうしていったらいいのかについても御示唆をいただきたいと思っておりますし、国におきましても、より効率性の高い、効果性の高いプログラムをどのように全国的に普及啓発をしていけばいいのか、国だけではなくて、地方自治体とも連携・協力をしながら、さらに進めていければと考えてございます。

 ですから、今回まとめていただくマニュアルをさらにもう一歩進めるような形、それは改正後の児童館ガイドラインの内容も含めたものとして、完成度を高めていただくことを、来年度の委託調査研究事業の中で考えているところでございます。

 資料6は以上でございます。

 2つ目として、参考資料2をご覧いただきたいと思います。これは、子育て支援課の所管している予算の概要でございます。

 目次のところをご覧いただきますと、当課の所管として、放課後児童対策の予算でありますとか、地域子ども・子育て支援事業13事業の中に含まれております利用者支援事業、地域子育て支援拠点事業、ファミリー・サポート・センター事業など、さらには児童館・児童センターの整備及び質の向上という事業を当課が所管しておりますけれども、その概要資料になっております。

 2ページ目以降が、放課後児童対策関係の予算となっております。放課後児童クラブに関しては、運営費、整備費、人材育成、研修費を計上しておりまして、当初、平成31年度末までに「放課後子ども総合プラン」に掲げた122万人の受け皿を確保する予算を計上していた訳ですけれども、昨今の保育需要の高まりも相まって、放課後児童クラブの受入れ児童数もかなり前倒しで伸びてきているということで、国の予算としても来年度1年前倒しをして、来年度中に122万人分の受け皿を確保する予算を組んでいるということでございます。

11ページ目、12ページ目、13ページ目のところ、これが先ほど言いました13事業の中の事業でございます。児童館の中でも利用者支援事業なり地域子育て支援拠点事業を多くのところで展開していただいておりますけれども、地方自治体の目標値達成に向けた予算を計上しているところでございます。

15ページ目、16ページ目が、児童館・児童センター関連の予算になります。御承知の通り、現行では児童館の運営費は地方交付税措置になっておりまして、ここに書かれているのは、あくまで国庫補助金として計上しているものになりますが、児童館・児童センターの建物の整備費については、引き続き国としても補助をしていくことになります。

 さらに、2番目として、いわゆる人材育成、人材養成の観点で研修事業を行っておりますけれども、「(1)児童館長資質向上研修」、これは参考資料5に入れております。名称で言うと「全国子どもの健全育成リーダー養成セミナー」の経費として、引き続き来年度も実施する予定です。

 「(2)児童厚生員等研修事業」ですが、先ほど、研修がしっかり反映されていないのではないかという御指摘もございました。国としては、こういった研修事業の経費を、地方自治体に補助しまして、実施いただいているところですけれども、残念ながらまだ実施自治体が14自治体ぐらいにとどまっているという状況でございます。国庫補助を受けずに地方自治体が単独でそれぞれやっていただいているところも多い訳でございますが、人材養成ということが非常に重要になってくる。特に、今回改正児童館ガイドラインができますので、そういったものの普及啓発をしていただくためにも、この研修事業をさらに充実強化していきたいと考えておりまして、私どもとしても、地方自治体に対しての働きかけをしっかりやっていきたいと考えております。

16ページ目、先ほどの委託調査研究事業になります。

 以上が参考資料2の説明になります。

 最後ですけれども、参考資料3をご覧ください。今、同時並行で行っております、放課後児童対策に関する専門委員会が動いておりますけれども、前回の専門委員会に、その開催要綱をお示しさせていただいて、これから議論がスタートするところでございました。

 昨年中に3回開催いたしまして、今後の放課後児童対策のあり方や方向性をどのように議論していったらいいのかを、この3回の中で議論していただきまして、1224日の第3回の専門委員会で、事務局から御提示させていただいたものが、参考資料3になります。「これまでの議論を踏まえた論点整理と検討の方向性」になりますけれども、これは放課後児童対策全般に関わるものですので、当然、子どもの居場所である児童館、児童厚生施設に関して、含まれた内容になっております。

 1ページ目「論点の構成」で、5点挙げております。「1 総論」「2 量的拡充」「3 類型」「4 質の確保」「5 その他」の5つの論点に沿って、どのような課題があるのか、今後の検討の方向性は何かを、まとめているのが2ページ目以降になります。

 2ページ目、「1 総論」の検討の方向性、幾つかポイントだけお話ししますが、3.子どもの育ちの観点から、子どもの居場所をどう位置づけていくべきか検討していく必要があることなどを盛り込んでいます。

 3ページ目「3 類型」ですけれども、2.子どもの権利擁護の観点から、放課後児童クラブ、放課後子供教室、その他の子どもの居場所において、職員配置や職員の資格、設備、面積、利用定員等、どのような体制とすることが適切かを検討していく必要があるのではないか。

 さらに、5.放課後の子どもの生活を保障している諸施策、放課後児童クラブ、放課後子供教室、児童館を含む児童厚生施設、プレーパーク等と連携する際の体制について、検討していく必要があるのではないか。

 6ページ目「5 その他」の論点では、3.放課後児童対策を議論するに当たっては、放課後児童クラブと関連する施策との整合性、特に児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設等との整合性を図ることについて検討する必要があるのではないかということが、3回の議論の中で方向性として示されております。1月以降、放課後児童対策に関する専門委員会も再開いたしまして、それぞれの論点について、具体的な施策の内容ですとか基準のあり方などについて、議論していくことになっております。放課後専門委員会と遊びの専門委員会が、並行しながら議論を進めていくことになりますので、放課後専門委員会の議論にも興味や関心を持っていただき、児童館ガイドラインの改正作業も進めていただければと考えております。

 事務局からは以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございます。

 何か御確認をしたい委員の先生方、いらっしゃいますか。よろしゅうございますか。

 ありがとうございました。議事3は以上とさせていただきまして、今後の進め方等について、事務局からお願いいたします。

○竹中課長補佐 今後のスケジュールに関して、資料7をご覧ください。

 本日、第11回専門委員会を開催させていただきましたが、次回は、3月中・下旬位に第12回専門委員会を開催させていただいて、今回は項目の骨子案でしたけれども、次回までに、ワーキンググループで御議論、作業をしていただき、次回の第12回専門委員会で、ガイドライン改正案の素案を文章も含めてお示しできればと考えております。あわせて、今日御説明、御報告をいただいた委託モデル事業の報告につきましても、御提示できればと考えてございます。

 来年度以降でございますけれども、児童館ガイドラインの改正が続いていくことになって、モデル事業の内容や、今年度実施しております一番下のところの調査研究の内容なども踏まえた形で、来年度、引き続き議論していただいて、専門委員会としての報告書をまとめていただき、その中に児童館ガイドラインの改正案も含めた形で委員会報告をお示ししていただければと考えております。次回の専門委員会のときには、そういった来年度のスケジュール感も具体的にお示しさせていただきたいと考えております。

 先ほど委員長からお話があったガイドラインに関する修正については、事務局にメールでいただければ、次のワーキンググループなどにお配りをして反映していきたいと思っております。次の予定としては非公開が2月2日ですので、それに間に合うような形でいただければと思います。

最後ですけれども、参考資料5をご覧ください。来週末、1月20日、21日に予定しております「全国子どもの健全育成リーダー養成セミナー」でございます。この名称になってから3回目の開催になりますけれども、今回定員が200名のところ、300名を超える方々から応募いただいて、既に応募は締め切っておりますが、お時間がありましたら、ぜひ専門委員会委員の皆様には来ていただければと考えております。

 当日のプログラムですけれども、オープニングでは「こどもたちからのサウンドメッセージ」と題して、こどもの城合唱団の生の演奏を聞けることになりまして、吉村委員に多大な御協力をいただいて、やっていただくことになっています。

 その後も、秋草学園短期大学の学長でいらっしゃる北野先生からの記念講演ですとか、「~子どもの居場所と遊びのプログラム~」をテーマとしたパネルディスカッション、2日目には、3つの分科会において、子どもの居場所についてしっかりと御議論いただく内容になっております。来年度以降も続けていくことにしておりますので、今年度、もしお時間がありましたら、足をお運びいただければと思っております。

事務局からは以上でございます。

○鈴木委員長 ありがとうございました。

 これで本日の議題は全て終了したということになります。

 どうも皆様、長時間、ありがとうございました。貴重な意見を本日もありがとうございました。


(了)

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