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2017年7月26日 中央社会保険医療協議会 総会 第357回議事録

○日時

平成29年7月26日(水)12:06~12:43


○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)


○出席者

田辺国昭会長 中村洋委員 松原由美委員 荒井耕委員 関ふ佐子委員 野口晴子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 平川則男委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
松本純一委員 今村聡委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員
安部好弘委員
横地常広専門委員 菊池令子専門委員 小澤壯治委員長
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○医療機器の保険適用について
○先進医療会議の検討結果報告について
○入院医療(その5)について

○議事

○田辺会長

 それではおそろいのようでございますので、ただいまより、第357 回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。

 まず、委員の出席状況について御報告申し上げます。

 本日は、平川委員、榊原委員、丹沢専門委員が御欠席でございます。

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほう、お願いいたします。

(カメラ退室)

○田辺会長

 それでは、議事のほうに入らせていただきます。

 初めに「医療機器の保険適用について」を議題といたします。

 本日は、保険医療材料等専門組織の小澤委員長にお越しいただいております。

 小澤委員長より御説明をお願いいたします。

 では、よろしくお願いいたします。

○小澤委員長

 それでは、説明いたします。

 中医協 総-1の資料をごらんください。

 今回の医療機器の保険適用は、C2 の1区分1製品です。

 3ページ目、製品名はIMPELLA 補助循環用ポンプカテーテルです。

 5ページ目の製品概要をごらんください。

 本品は、心原性ショック等の薬物療法抵抗性の急性心不全に対して、大腿動脈から左心室内に挿入・留置し、左心室から直接脱血し、上行大動脈に送血することにより体循環を補助するカテーテル式の血液ポンプです。

 3ページ目にお戻りください。

 価格につきましては、既存品と構造が全く異なることから、類似機能区分なしとして原価計算方式で算定し、この結果、最終的な価格を259 万円といたしました。外国平均価格との差は 0.99 です。

 今回、御説明いたします内容は以上です。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 事務局から補足があればお願いいたします。

 企画官、お願いいたします。

○眞鍋医療課企画官

 事務局から補足は特にございません。

○田辺会長

 それでは、ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたらよろしくお願いいたします。

 よろしゅうございますでしょうか。

 御質問等もないようでございますので、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田辺会長

 それでは、説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと存じます。

 次に、報告事項でございますけれども、「先進医療会議の検討結果報告について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。

 企画官、お願いいたします。

○眞鍋医療課企画官

 時間もございますので簡潔な説明に努めたいと思います。

 中医協 総-2-1及び総-2-2を用いまして、先進医療会議で「適」と認められました技術につきまして御報告を申し上げます。

 総-2-1でございます。

 整理番号332 番、技術名は「子宮体がんに対する腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術」でございます。

 適応症は「子宮体がん(1A 期  Grade3 または特殊型(漿液性腺癌、明細胞腺癌、癌肉腫など)、 1B 期を疑う症例、2期を疑う症例)」ということでございまして、申請医療機関は「大阪医科大学附属病院」。

 要する費用は表にあるとおりでございます。

10 ページ目に技術の概要がございます。

 左側に「先進性」というカラムがございますけれども、現在、本邦では低リスクの早期子宮体がんに対しましては、骨盤内のリンパ節郭清までの腹腔鏡下子宮全摘術+両側付属器摘出術+骨盤リンパ節郭清術が行われているところでございます。

 しかし、中から高リスク群の早期子宮体がんで行う傍大動脈リンパ節郭清術は、腹腔鏡を使用する場合、現在保険適応外ということでございまして、下の写真にございますが、開腹手術に切りかえて施行しているところでございます。ですが、この開腹手術に切りかえた場合、非常に侵襲性が高い、あとは術後疼痛などもございますので、今回の技術につきましては、傍大動脈リンパ節郭清術につきまして腹腔鏡を用いてその技術を確立するというものでございます。

 その概要が右側にございますけれども、こちらを行いまして技術が確立しますれば、その後は、11 ページ目にロードマップがございますけれども、現在、先行研究がありますが、今回の先進医療でその技術を確立することを目指しております。プライマリーエンドポイントとしては術中の出血量ですとか、セカンダリーエンドポイントとしましては、摘出リンパ節の個数などが掲げられております。

 評価方法といたしましては、これまで施行した子宮体がんに対する開腹手術における傍大動脈リンパ節郭清術を比較検討するということでございまして、有用性が確認された場合に保険収載の申請を行うというものでございます。

 総-2-1は以上でございます。

 総-2-2でございます。

 整理番号113 「局所限局性前立腺がん中リスク症例に対する陽子線治療」でございます。

 適応症は先ほど申し上げたとおりでございまして、申請医療機関は「筑波大学附属病院」ということでございます。

 もう一方の技術が114 番でございまして、高リスク群神経芽腫に 131I 、この I というのはヨウ素の原子記号でございますけれども、放射性ヨウ素をラベリングしました MIBG を用いた内照射療法ということでございます。

 適応症は「神経芽腫」、申請医療機関は「金沢大学附属病院」でございます。

 要する費用は表に掲げられたとおりでございます。

113 番の陽子線のほうでございますけれども、5、6ページ目をごらんください。

 5ページ目に陽子線の特徴を書かせていただいてございます。陽子線については これまで何回もプレゼンをさせていただいておりますので詳細な説明は割愛をさせていただきますが、深部臓器に対して線量集中性の高い放射線であります陽子線を用いまして、がんに対する治療を行うものでございます。

 ロードマップが6ページ目にございますけれども、これまでの実績といたしまして、先進医療A としてやってきた例がございますが、その実績をもとに、今回新たに、厳密な臨床研究である先進医療 B を組みまして、予定症例数 200 例で行うということでございます。

 次の技術でございますが、12 ページ目をごらんください。

 「医療技術の概要図」ということでございまして、先ほど申し上げたように高リスク群の神経芽腫を対象としてI-131 でラベリングしたベンジルグアニンの内照射療法ということでございます。

 概要は、高リスク群神経芽腫の初発例、再発例に対しまして、β線を放出する核種であります 131 I をラベリングしたカテコールアミン類似物質のベンジルグアニンを投与するというものでございます。それが腫瘍細胞へ集積してβ線を放出し、殺腫瘍効果を発揮するというものでございます。その後に大量化学療法、そして、造血幹細胞移植を実施するというような技術でございます。

 ロードマップが、次の13 ページ目にございます。

 先行研究といたしましては、国内の前向き研究はなく、自費診療で実施した症例の後ろ向きの観察研究があるのみということでございます。

 先進医療といたしまして、こういう方々に被験者数8例ということでございますけれども、この実績、保険外併用で行いまして、その結果が良好であれば、学会要望を通じて医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討可能会議を経て薬事承認を目指していくというものでございます。

 簡単でございますが、説明は以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等ございましたよろしくお願いいたします。

 よろしゅうございますでしょうか。

 ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと思います。

 次に、次期診療報酬改定に向けた議論として、「入院医療(その5)について」を議題といたします。

 事務局より資料が提出されておりますので、事務局より御説明のほうお願いいたします。

 医療課長、よろしくお願いいたします。

○迫井医療課長

 お手元の総-3に基づきまして、今回までは第1ラウンドと申し上げておりますが、次期診療報酬改定に向けて御議論いただきます第1回目の総まとめに向けた、その最後の回ということになります、「入院医療(その5)」ということでお願いしたいと思います。

 入院医療は、これまで総論でございますとか、急性期・回復期等々、御審議いただきましたけれども、本日、医療と介護に関係する入院医療となりますが、認知症疾患、治療病棟入院料について御紹介をして、視点について御審議いただきたいと思っております。

 なお、これ以外につきまして、総ー3の2コマ目に書いてございます。

 これまで入院医療(その4)までで御審議いただいたもの以外に、このような部分が残っておりますが、それぞれこの後の各論でございますとか、第2ラウンド以降、入院医療分科会等も含めまして御審議いただきたいという、大体こういう段取りでございます。

 本日は資料を3つに分けて御紹介して御審議いただきたいと思ってございます。

 最初が「1.認知症治療病棟入院料」につきましての概略でございます。

 4コマ目に一覧表でその概略をお示ししております。

 入院料1、2という設定がございまして、このブルーのところの左側2列が医療保険の対応でございます。

 類似の規定といたしまして、介護保険の対応になっておりますけれども、老人性認知症疾患療養病棟というものがございます。これらはいずれも精神病床を前提とした報酬設定になっておりまして、ここに記載のような人員配置でございますとか、報酬設定になっているということでございます。

 入院料につきましては、経過的にいろいろな経緯がございます。これをまとめたのが、5、6のスライドでございます。

 5コマ目「認知症治療病棟入院料の変遷1」であります。

 平成8年あたりまで戻って少し整理をしておりますけれども、もともと介護保険が創設される前でございまして、専ら医療保険ということになりますが、正確に申し上げますと老人医療の診療報酬、老人保健法に基づきます報酬設定もございましたので、平成12 年までは、その中で、この一番上の平成8年のところに書いてございますが、施行当時の名前ですけれども、老人性痴呆疾患治療病棟と療養病棟と2つございます。これは人員配置等々の違いに基づきまして点数設定されております。

 そこから、平成10 年、平成 12 年と移行していくわけですが、平成 12 年に先ほど申し上げました、御案内のとおり、介護保険制度の創設に伴いまして、基本的な病床の構成につきましては幾つか整理をしております。

 以降、平成12 年、平成 14 年、平成 16 年にかけましては、基本的に療養系の病床につきましては、介護保険も併設で適用されるという対応がなされておりまして、変遷の1のところまでは実質的に二本立てのような格好で対応してきております。

 スライドの6コマ目に移りまして「認知症治療病棟入院料の変遷2」になりますが、平成18 年から、基本的に老人性認知症疾患療養病棟、これは介護保険給付の対応になっておりますので、6コマ目のスライドは基本的に全て治療病棟に係る報酬設定として医療保険が対応しているということでございます。

 以降、平成18 年、平成 20 年と2年ごとに改定を行ってきております。こういった対応をしてきているということでございます。

 7、8コマ目で、きょうは非常に概略的な認知症の治療病棟の基本的な診療内容について、今後、第2ラウンド以降で御議論いただくときには少しケアの中身につきましても触れていきたいと思いますが、概略的に2つ御用意しておりますのは、認知症の症状といたしまして、これは御案内のことだと思いますが、中核症状というようなものと、その主な行動・心理症状というような周辺的な症状があって、かなり複雑な様相を呈しているというのは御案内のことだと思います。

 特に、中核症状と並行して生じます行動・心理症状につきましては、8コマ目、時間の経過とともに重症度が変遷をしていくわけですけれども、特にBPSD と呼ばれております行動・心理症状を適切に対応することで、認知症の方に関しまして適切に居住環境等を含めて対応していくというものが求められている基本的な対応でありまして、その中で、特に入院医療が果たすべき役割というものを適切に評価するのが、認知症治療病棟の求められている役割であり、報酬設定ということになりますという概略でございます。

 9コマ目以降に、入院料に関して、実態としてどのような状況になっているのかということを簡単に御説明しております。

 9コマ目は届出病床の数でございますけれども、先ほどお示しをしました入院医療は2種類ありますが、圧倒的多数は入院料1のほうでございまして、どちらかというと高機能の方がボリュームゾーンになっております。

 入院料1、入院料2とも、それぞれ少し緩やかに増加傾向にあるということでございます。

10 コマ目以降に、その算定状況、3つの切り口で整理をしております。

 まず、10 コマ目でありますが、在院日数、入院日数にかかわる内容でございますけれども、算定回数から見た日数につきましては、 61 日以上の算定が圧倒的に多いということが、それぞれ入院料1、入院料2とも共通でございます。

 次に、算定状況の2つ目でありますけれども、61 日以上の入院料につきまして、経過的にどういうようになってきているかといいますと、入院料1につきましては、算定件数がふえる方向に行っております。入院料2については算定件数が減る方向に移っておりますので、全体的な傾向としては、算定回数、算定件数とも、そのような状況になってきているということでございます。

12 14 、レセプトの中身について3つの視点で分析しております。

12 コマ目でありますが、精神科専門療法を算定するレセプトがどの程度の割合を占めるか。これは 75 %でかなりのウエートを占めているということでございます。

13 コマ目、2つ目の視点といたしまして、特掲で算定しております診療につきまして大きく分けますと、精神科専門療法とリハビリテーションということになります。この内訳をそれぞれ示しておりますけれども、精神科専門療法の算定回数について言いますと、入院精神療法と精神科作業療法が一番大きなウエートを占めておりまして、2つでほぼ全体像、また、おおむね半々程度ということでございます。

 リハビリテーションにつきましては、これはある意味当然かもしれませんが、認知症患者リハビリテーション料が多くを占めているということでございます。

 3つ目の切り口でございますが、報酬の点数でございます。14 コマ目であります。

 総点数と入院料の点数、これはある意味当然かもしれません。包括報酬でございますので、総点数が平均で1日1,315 点ですが、そのうち、ほとんどがこの入院料が占めておりますという状況でございます。

 次の視点といたしまして、療養病棟の現状がどのようになっているのか、あるいは昨今の療養病床全体のあり方の議論との関係について整理して御紹介いたします。

16 18 コマ目、これは御案内かと思いますが、療養病床に関しますあり方についての検討、それから、関係審議会での取りまとめを抜粋で御紹介しております。

16 コマ目、特別部会に先だって行われました検討会です。詳細は省略させていただきますけれども、療養病床のあり方に関する検討会が行われまして、 17 コマ目のポンチ絵でありますが、今後のあり方についてサービスの提供類型をお示ししているのですが、特に言及しておくべきは 18 コマ目であります。

 療養病床の見直し、検討会を経て特別部会で取りまとめられました整理でございます。基本的な方向性ということで、平成29 年度末に経過措置の期限が来るということで、介護療養病床、医療療養病床についての整理がなされておりますけれども、結論的に を2つ書いてございます。

 特に2つ目の で「新たな施設類型の創設」ということが取りまとめられておりますが、これは抜粋でございますけれども、 18 コマ目の下の6.に書いてございます。

 きょう御紹介しております老人性認知症疾患の療養病棟、それから、医療でいきますと治療病棟になるのですが、6.に書いております介護保険適用の老人性認知症疾患の療養病棟は、先ほどから御説明していることの一部繰り返しになりますけれども、精神保健福祉法で規定をしております精神医療の対象となるような、すなわち精神病床でございますので、BPSD 等を伴う重症者を含む認知症疾患に対しまして、適切な医療を提供するということが求められているわけですが、こういった機能は 16 18 で御紹介しておりますような療養病床を念頭に置いたあり方とは少し違った機能、ここに記載の新たな施設類型に求められる機能とは大きく異なるということを踏まえて、現在の老人性認知症疾患療養病棟に入院しております認知症の高齢者に対しまして、引き続き適切な精神科専門医療を提供できるように配慮すべき。

 すなわち将来的な移行につきましては、介護療養型の医療施設の転換ということになりますので、介護医療院のほうでの対応ももちろん念頭にありますが、少なからず、あるいはかなりの部分につきましては医療の対応が必要になりますので、適切な医療保険の対応が求められていますということが、まず位置づけとして整理されているということでございます。

 今、話が出ております老人性認知症疾患療養病棟は、どのような患者さん、あるいはどのような方がおられるかということを、所管といたしましては老健局になりますが、現状の調査がございますので、簡単に御紹介したいと思います。

20 コマ目以降であります。

 これは調査の概要でございまして、基本的に全数調査をしております。有効回答を得られたのが23 施設でありまして、その内訳がこのようになってございます。

 概略は21 22 コマ目にまとめてございますけれども、まず、 21 コマ目であります。

23 施設に御回答いただいていますが、病棟数は 34 ということでありまして、まず、 BPSD に対する薬物療法等が必要な方がおおむね半数を占めているということでございます。

21 コマ目の右側に帯グラフが3つございます。

 平均在院日数についていきますと、500 日を超える方が7割程度でございます。

 在院日数別、これは1年以上、切り口としましては医療機関の割合は今申し上げましたが、患者さんの割合について言うと1年以上入院されている方が6割を占めている。

 入院の形態、先ほどちょっと触れましたが精神保健福祉法の関係で、医療保護入院に該当する方が7割を占めているという状況でございます。

22 コマ目でありますけれども、年齢とか、要介護度別でございます。

 年齢は「85 歳以上」の方が半数強を占めております。

 要介護度につきましては「要介護4」「要介護5」が7割以上を占めている。

 認知症の日常生活自立度別、これはある意味当然かもしれませんが、「3a 」以上の重度の方が基本的に大多数を占めると、こういう状況になっているということでございます。

 本日は細かく、ケアの中身でございますとか、あり方に触れる時間がございませんので資料として抜粋しておりますのは「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」でございます。23 24 コマ目に該当する部分を抜粋しております。

 特に治療病棟におきましては、先ほどから触れましたBPSD (行動・心理症状)への適切な対応が求められておりますので、 23 コマ目の下半分、 24 コマ目の上半分、 24 コマ目の一番上の に書いてございますが、入院に関しまして専門的な医療サービスを集中的に提供することが求められている等々の、こういったことに対応する病棟として念頭に置いております。

24 コマ目下半分ですが、身体合併症への対応も重要でございますので、こういったことが概念的に求められていますということです。

 最後でございますけれども、これらをまとめまして25 コマ目、きょうは、今後こういったことを第2ラウンドで特に御議論いただくことを念頭に置いておりますけれども、 25 コマ目で1つ訂正がございます。

 左上に「暫定版」と書いていますが、これは消し忘れでございます。確定版、最終版です。暫定版ではございません。おわびして訂正をいたします。

 これはいつものフォーマットでありまして、上半分の3分の2ほどは、今、お示しをしましたことがまとまってございます。

 矢印の下で、今後これを御議論いただくという前提で御紹介をしておりますけれども、治療病棟の入院料につきましては、この3つの視点、BPSD (認知症に伴う行動・心理症状)や身体合併症を有する認知症患者への対応のあり方、入院日数等の実態、先ほど見ていただきましたけれども、やはり入退院支援が重要ではないかという、そのあり方。それから、これもある種の前提でございますが、介護サービスとの円滑な連携が非常に重要でございますので、そういったことを推進する。

 こういったことを踏まえて、今後、御議論いただきたいと思っておりますが、さらなる調査結果等、分析を行いたいと思っておりますので、特に本日は分析の視点等、御示唆をいただければと思っております。

 簡単でございますが、以上でございます。

○田辺会長

 どうもありがとうございました。

 ただいまの説明に関しまして、何か御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。

 猪口委員、お願いいたします。

○猪口委員

14 ページ目なのですが、認知症の治療病棟の入院料は 60 日からうんと下がるのですけれども、全体にほかの入院料と比べると相当低い点数になっております。また、この赤い部分が出来高算定されているところだと思いますが、ほとんど点数がありませんので、今後の高齢者、それから、 BPSD 等の対応で、我々一般の病院から見ても、こういうところがしっかりないと対応できないことがございますので、特に 60 日超を少し高評価したり、また、状態によって加算というものがあるべきではないかと思っております。

 きょうは老人保健課長もいらっしゃいますので、ここの場での論議ではないと思いますけれども、18 ページにありましたような療養病棟につきましても、今後、施設化されていくという中で、精神に関しましては、その専門医療がきちんと提供できるような形を考えていただかないと、ほかの療養と同じような形で転換させるのはちょっと難しいのではないかと思いますので、その点もここでお願いしておきたいと思います。

 以上です。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほか、いかがでございましょう。

 今村委員、お願いいたします。

○今村委員

 今の猪口委員のお話に関係すると思うのですけれども、14 ページのレセプト分析につきまして、これは治療病棟の入院料の1と2、それから、日数も全部合わせてこの数字になっていると思うのですけれども、今後の議論の参考として、例えば1と2で数字が違うのかとか、それから日数で、この赤い部分の出来高の算定が変わってきているのかどうかということを示すようなデータをいただければというように思っております。

 本当に基本的なことで、理解がないので申しわけないのですけれども、資料の4ページ目の介護保険のほうと、それから、医療のほうの看護職員の配置、これは今後の議論になるのだと思うのですけれども、ちょっと教えていただきたいのは、介護保険のほうは精神病床を前提としているからというような御説明があったと思うのですけれども、極端に看護職員の配置が違う。

 つまり、介護のほうは4対1で、医療のほうが20 対1とか 30 対1という、本来的には普通に考えると医療のほうがずっと手がかかりそうな感じがするのですけれども、こういう違いがどうしてできているのか、次回で結構なのですけれども、御説明をいただければと思います。

○猪口委員

 先生、ここは5倍するのです。4 × 5=20 。介護とカウントの仕方が違うのです。

○今村委員

 そうすると、同じということですか。

○猪口委員

 同じです。

○今村委員

 失礼しました。これは私の理解不足ということです。

 それにしても30 対1よりは必要というのは間違いないということですかね。

 ありがとうございます。

○田辺会長

 前半の資料のところはお願いいたします。

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 御指摘ありがとうございます。

 いただいた御指摘は、可能な限り資料なり分析なり、対応させていただきたいと思っております。

○田辺会長

 松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 猪口委員も言われましたが、認知症の方が入院していると非常に人手もかかる、時間もかかるということがあります。ただ、認知症の人が疾患で一般病棟に入院するということもあろうかと思います。

 そうすると、入院を契機に症状が悪化する場合が多々ございます。そのようなときの対応にも非常に人手がかかるというので、加算の件はちょっと考えてもらいたいと思うのですけれども、そういった意味では、認知症治療病棟入院料という切り口もいいかと思うのですけれども、とりあえず入院料というよりも、認知症という大きな項目の中で議論を進めるべきではないかと思いますが、その辺、事務局はどのような進め方をお考えですか。

○田辺会長

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 御指摘のとおり、認知症の人にかかる医療もそうですし、介護も含めてケアをどう進めていくのかということは非常に大きなテーマであります。

 今回、いわゆる同時改定でございますので、介護保険での対応も含めて、当然そこはさまざまな議論をしていく必要があろうと思います。

 結論的に申し上げますと、第2ラウンド以降で認知症に係るセッションなり、テーマをしっかり取り上げさせていただくことと、それから、今、前半に御指摘いただきました一般の病床、病棟においても認知症対応は非常に重要だという御指摘もございますので、その2つを重ね合わせて、同じセッションなのか別かは考えさせていただきますけれども、今の御指摘については必ず対応させていただきたいと思っております。

 御指摘ありがとうございました。

○田辺会長

 松本純一委員、お願いいたします。

○松本純一委員

 よろしくお願いいたします。

○田辺会長

 松本吉郎委員、お願いいたします。

○松本吉郎委員

18 ページの下段で触れていただきましたけれども、介護保険の老人性認知症疾患療養病棟は、選択としては介護医療院への転換も可能ですが、引き続き適切な精神科専門療法を提供できるようにするためには、認知症治療病棟への移行が求められているように思います。

 その際、円滑に移行が進むようにするためには、現行の要件がそのまま継続して認められるということが必要であると思います。

 また、認知症の入院費用につきましては、身体合併症のあり方については、ある方については一般病床で対応できるようにするとともにBPSD が増悪した場合には精神病棟で対応する必要があります。

 いずれにしましても、認知症の人が住みなれた地域で、できるだけ長く安心して過ごすことができるように、医療だけではなく、介護との連携を強化して、必要な介護サービスを利用しながら、入院期間ができるだけ短くなるように努力すべきだと思いますが、一方、入院期間の長期化ということに対しましては、精神科医療の枠組みで、BPSD の症状と身体症状の不安定さは大きく影響し合っている面があります。

 つまり、BPSD の悪化が身体状況の悪化に起因しているケースとか、多くの対象者が高齢者であるため、何らかしらの身体疾患を持っているケースが非常に多いということで、医療の中でも精神科の優先度が高いケースと、全身状態への医療の優先度が高いケースが、同時あるいは混在しております。これが入院の長期化につながっておりますし、また、少し触れられましたけれども、退院支援に向けては家族環境に非常に大きく影響されますので、経済的、人的、環境的、今までの生活歴等、非常に多くの調整困難な問題がありますので、これをしっかりと検討していくことが重要かなと思います。

 この辺について、よろしくお願いしたいと思います。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 ほか、いかがでございましょう。

 万代委員、お願いいたします。

○万代委員

 認知症における周辺症状につきましては、先ほど医療課長が言われたとおりだと思いますが、特に7とか8ページのところで、時間的経過とともにBPSD が発出して増悪していくことも考えられます。

 つきましては、その内容として、21 コマ目にありますように、認知症疾患療養病棟のデータではございますけれども、身体合併症を有する人あるいは BPSD に対する薬物療法が必要な人が半数程度あるというデータでございます。

 これにつきましては、事務局もお考えだと思いますけれども、ぜひ詳細なデータをお願いしたいと思います。

 具体的に申し上げますと、例えばBPSD に対する薬物療法と一くくりで言うのではなくて、使用する薬剤、比較的軽い薬剤から重度のというか、比較的な重症に対する薬剤までいろいろあると思いますので、薬剤による使い分けとか、 BPSD の程度に応じた分析をぜひお願いしたいと思います。

 それとあわせまして、身体合併症につきましても同様でございますが、身体合併症の重症度と、さらにそういった患者さんにおけるBPSD に対する薬物が、どんなものが用いられているかという縦横のマトリックスのようなものがもしあればありがたいと思っています。

 それはなぜかと申しますと、これまでも議論がありましたように、身体合併症を持つ方を精神病床で診るのか、あるいは一般病床で診るのか、そういったところの判断も必要かなと思いますし、どちらか片方だけが診れば充分ということには多分ならいだろうと思いますし、両方で協力して認知症の患者さんを診ていく必要があると思いますので、ぜひそういう縦横を絡めて、身体合併症とBPSD の薬物療法についてのデータが、もし可能であればお願いしたいと思っております。

 以上でございます。

○田辺会長

 ありがとうございました。

 医療のほうはいかがでございましょう。

 医療課長、お願いいたします。

○迫井医療課長

 御指摘ありがとうございます。

 確かにどこまでデータ上の分析可能なものが御提供できるかは検討させていただきまして、可能な限り御希望に沿いたいと思っております。

 ありがとうございました。

○田辺会長

 ほかはいかがでございましょう。

 幸野委員、お願いいたします。

○幸野委員

21 ページに、介護保険の老人性認知症疾患療養病棟については、どのような患者が入院しているのかに関するデータが示されておりますが、医療保険の認知症病棟1と2については、 60 日以上の入院患者が9割を占めているということはわかるのですが、どのような患者が入院しているのかというデータがございません。まずは患者像に関するデータを示していただき、それを見てから、認知症治療病棟の施設基準が適切かどうかや、例えば入退院支援などをどのように考えるかなどの議論をしていきたいと思います。

○田辺会長

 事務局、資料のほうはよろしくお願いいたします。

 ほか、いかがでございましょう。

 よろしゅうございますでしょうか。

 ほかに御質問等もないようでございますので、本件にかかわる質疑はこのあたりとしたいと存じます。

 本日の議題は以上でございます。

 なお、次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の総会はこれにて閉会といたします。

 どうもありがとうございました。

 


(了)

照会先
保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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