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2017年12月22日 第33回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成29年12月22日(金) 10:00~12:00


○場所

TKP新橋カンファレンスセンターホール2A(2階)
東京都港区西新橋1-15-1


○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員
小国構成員、落合構成員、北田構成員、合田構成員、佐藤構成員
鈴木構成員、友池構成員、西川構成員、平安構成員、堀田構成員
横谷構成員

出席参考人

金澤参考人、中川参考人、中村参考人、花岡参考人、山本参考人

○議題

第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 一部委員の先生の御到着が遅れているようでございますが、定刻になりましたので、ただいまより第33回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。

 本日は、後藤構成員、藤原構成員、村島構成員、山本構成員より御欠席との御連絡をいただいております。西川構成員の御到着が遅れている状態でございまして、15名の先生に現在、御出席いただいているところでございます。

 また、WGの検討状況を御報告するに当たりまして、各WGのメンバーから、金澤参考人、中川参考人、中村参考人、花岡参考人、山本参考人に御出席いただいております。

 カメラの撮影の方はここまででお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

それでは、堀田座長、以降の議事進行をお願いいたします。

 

○堀田座長

 皆さん、おはようございます。それでは、ただいまから始めますが、まず本日の配布資料の確認を事務局からお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 配布資料の確認をさせていただきます。

 本日、席上に、座席表、議事次第、配布資料一覧がございまして、配布資料一覧に沿って御確認いただければと思います。

 資料1 検討会議における検討の進め方

 資料2-1~資料2-3で第II回、第III回、第IV回要望に係る専門作業班の検討状況の概要等について、資料2-4で、第IV回要望の未承認薬・適応外薬の開発要望について

 資料3-13-4で、医療上の必要性に関する専門作業班の評価

 資料4-14-2で、公知申請の該当性に係る報告書(案)

 資料5-1 企業から提出された開発工程表について、資料5-25-5で第I回要望関連から第IV回要望関連の一連の資料

 そして、資料6で、開発企業の募集を行った医薬品のリスト

 以上の資料を配布しております。

 また、参考資料につきましては、一綴りにしてお配りしております。

 参考資料1が開催要綱、参考資料2が構成員名簿、3-1WGの設置について」、3-2WGのメンバーの名簿」、参考資料4-1「医療上の必要性の評価の基準について」、4-2「開発要請先企業の指定の考え方について」、参考資料5「人道的見地から実施される治験の制度該当性基準について」、参考資料6「執行部に所属している学会について」、参考資料6は、各構成員の先生方が執行部に所属している学会についてお示しさせていただいておりまして、前回会議の資料を本日現在に更新した内容となっております。本会議の公平性の観点から、当面は、構成員のうち、当該学会の執行部に在籍する者は、当該要望に係る背景事情等の説明は行うものの、議決には参加しないこととするとなっております。本資料の内容に誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。

 また、当日配布資料として、当日配布資料1、前回資料2-2(訂正)、当日配布資料2として、「医薬品の条件付き早期承認制度について」を配布しております。

 本日の審議については、こちらの内容に基づいて進めさせていただきたいと思います。

 資料の不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。

 

○堀田座長

 皆様、よろしいでしょうか。落丁等がありましたら、お申し出いただきたいと思います。

 それでは、前回の会議は823日に開催しておりますけれども、事務局からその後の進捗状況について説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 まず、本日の内容に入る前に、前回資料の訂正から始めさせていただければと思います。

 当日配布資料12ページをご覧いただけますでしょうか。前回の会議でも御報告いたしましたけれども、開発要請後に要望が取り下げられたものとして、未承認薬1件をお知らせしておりましたが、資料2-2への反映ができておりませんでしたので、訂正させていただきます。一番下の黒い濃い網かけの部分ですが、具体的な品目としては、12ページ、一番最後のページで示しております、アーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩でございます。こちらにつきまして、訂正することを御了承いただければと思います。

 続きまして、本日の資料1に移らせていただければと思います。資料1をご覧ください。横紙ですけれども、前回から変更いたしました部分を御説明いたします。

 変更した箇所は、資料の右下にございます開発要請及び開発企業を募集した件数でございます。本年11月末までに新たに開発要請・開発企業募集を行った品目がございますので、それに伴い件数の更新を行っております。企業に開発要請を行ったものにつきましては、第III回の要望については45件、第IV回要望につきましては7件にそれぞれ更新しております。また、開発企業を募集したものにつきましては、第III回の要望について5件に件数の更新を行っております。それ以外の箇所についての変更はございません。

 資料1の裏面の流れ図につきましても、同様の変更をしております。

 資料1につきましては以上でございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは、前回以降の進捗について、何か御質問や御意見がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、続きまして、第II回、第III回、第IV回の未承認薬・適応外薬の開発要望につきまして事務局から説明をお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 それでは、資料2-1をご覧ください。

 第II回要望につきましては、前回会議までに、1ページ上段の表の右上の合計になりますけれども、未承認薬26件、適応外薬78件の合計104件について、医療上の必要性が高いと評価をいただいております。

 前回会議時点で検討中であった品目が1件ございましたが、今回、そちらにつきましては引き続き検討中という状態でございます。具体的な品目につきましては、3ページに書かれておりますチオペンタールナトリウムでございます。

2ページに戻っていただきまして、開発要請または開発企業募集を行った品目の状況を示しております。前回会議時点で検討中のものにつきましては、3ポツの中ほどにあります11件ございました。このうち、今回の会議までに1件、公知申請が妥当なものとして評価がなされております。具体的な品目につきましては、資料4-2で中村先生より御報告いただくことになります。

 引き続き、検討中のものは残り10件ございまして、こちらにつきましては、同じ資料の4ページに一覧としてまとめております。現在の状況について簡単にまとめられておりまして、灰色で網かけられている部分が前回会議からの変更箇所となります。

 資料2-1につきましては、説明は以上となります。

 差し支えなければ、資料2-2に進ませていただきます。第III回要望についての進捗状況でございます。

 同じように、前回会議までに、1ページ目の上段の表の右上の合計、未承認薬13件、適応外薬37件の合計50件につきまして、医療上の必要性が高いとの評価をいただいたところでございます。

 前回会議時点で検討中のものがその中で19件ございまして、資料2の下の段の表でございますけれども、生物WGにおいて1件が医療上の必要性は高くないと評価されております。具体的な品目につきましては、後ほど資料3-4で御報告いただくことになります。また、精神・神経WGにおいて1件が既に開発中であることが確認されました。

 引き続き、検討中のものは残り17件ございまして、詳細につきましては資料2-23ページ、別添1に一覧としてまとめられております。

 先ほど御説明いたしました、開発中であることが確認された品目は、資料2-27ページをご覧いただければと思います。atalurenというものでございまして、ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの要望でございました。

 戻りまして、同じ資料2-22ページで、開発要請または開発企業募集を行った品目の状況について御説明いたします。

 資料下段の「4.前回検討会議から本会議までの開発要請と公知申請の妥当性の確認に係る進捗状況について」の1つ目の矢のところでございますけれども、前回会議で医療上の必要性が高いと評価された3品目につきまして、831日に開発要請を行っております。そういったことも含めまして、前回会議時点で検討中のものは、資料の中ほどになりますけれども、17件ございます。

 今回開発要請を行った3件と前回検討中であった17件を合わせた合計20件のうち、2件は「公知申請が妥当であるもの」と評価され、1件は承認申請済みのため「既に開発に着手しているもの」に分類してございます。引き続き、検討中のものは残り17件ということになります。

 検討中のものの詳細につきましては、同じく資料2-28ページの別添2に一覧がございますので、御確認いただければと思います。情報が更新された部分につきましては、同様に灰色で網かけをさせていただいております。

 今回の公知申請につきましては、資料4-1で御報告させていただければと思います。

 また、既に開発に着手しているものとして、1件、先ほど御説明いたしましたが、こちらにつきましては、同じく資料2-212ページをご覧いただければと思います。既に開発に着手しているものとしましては、ランレオチド酢酸塩でございまして、甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍に対する効果が要請内容となっておりまして、こちらにつきましては、治験相談が実施されたということで、「既に開発に着手したもの」と取り扱っております。

 資料2-2につきまして、説明は以上でございます。

 続きまして、資料2-3に移らせていただきます。こちらは、平成2771日~平成281231日までの第IV回要望について進捗を取りまとめたものでございます。

 第IV回要望につきましては、前回会議までに、1ページ目の上段の表の右上でございますけれども、未承認薬3件、適応外薬4件、迅速実用化2件で、合計9件につきまして、医療上の必要性が高いとの評価をいただいております。

 また、前回会議時点で検討中でありました18件のうち、下段の表になりますけれども、代謝・その他WGにおいて1件、抗菌・抗炎症WGにおいて1件の合計2件が医療上の必要性が高いと新たに評価されております。こちらにつきましては、具体的な品目は資料3-13-3で、後ほど各先生方から御報告いただく予定でございます。なお、抗菌・抗炎症WGにおいて1件が検討対象外とされております。

 引き続き、検討中のものは15件ございまして、詳細につきましては、3ページの別添1をご覧いただければと思います。同様に、新たな進捗がございました部分につきましては灰色の網かけで示しております。

 なお、1点修正がございまして、3ページのNo.3IV-10のベルテポルフィンでございますが、検討状況につきまして「要望者にて、要望内容を再度検討中」と一番右側のセルに書かれているのですけれども、こちらにつきましては、事務局にて要望内容を検討する状態となりましたので、文言を削除させていただければと思います。この場で修正させていただければと思います。

 また、今回検討対象外とされたものにつきましては、6ページをご覧いただければと思います。ヨウ素・ポリビニルアルコール点眼でございます。こちらの品目につきましては、要望者より、要望内容を再度検討したところ、取下げを行うということでございまして、今回、検討対象外となったものでございます。こちらが医療上の必要性に関する検討状況でございます。

 続きまして、開発要請と公知申請の妥当性の確認状況について御説明いたします。2ページに戻っていただければと思います。

2ページの下段、4ポツでございますけれども、1つ目の矢でございますが、前回会議で医療上の必要性が高いと評価された3品目につきまして、831日に開発要請を行っております。前回会議時点で検討中のものは、資料の中ほどになりますが、3件ございます。今回開発要請を行った3件と、前回検討中であった3件を合わせた合計6件のうち、2件は「治験の実施等が必要と考えられるもの」に分類してございまして、引き続き、検討中のものは残り4件という状態でございます。

 検討中のものの詳細につきましては、7ページの別添2をご覧いただければと思います。灰色で示した部分が前回からの変更箇所となっております。

 また、「治験の実施等が必要と考えられるもの」につきましては、8ページ、最後のページをご覧ください。こちらは、前回御審議いただきましたタウリンの「MELASにおける脳卒中様発作の再発抑制」に関する要望2件でございます。

 本剤のMELASへの適応につきましては、欧米等6カ国のいずれでも承認されておらず、ガイドライン等にも記載されていないことから標準的に使用されているとは判断できないこと。公表文献での報告が認められていないこと。本邦における教科書及びガイドラインで臨床試験の実施等が紹介されているものの、エビデンスに基づく推奨とはまだなっていないということを踏まえると、公知申請というところでは判断が難しいところではございますが、これまでに得られた情報と実施された医療主導治験の情報を整理した上で、PMDAと相談して開発を進めるように評価されたと聞いております。

 以上で資料2-3の御説明でございました。

 続いて、資料2-4でございます。こちらは、平成2911日から平成291130日までにいただきました要望を取りまとめたもので、第IV回要望に追加されるものでございます。この期間中に、未承認薬で3件、適応外薬で19件、迅速実用化スキームで4件の合計26件の要望がございました。

 このうち、1ページ目、左側のNo.3、要望番号IV-35のメトトレキサートにつきましては、要望者より取下げの連絡がございました。

 また、5ページ目、No.24、一番下でございますけれども、要望番号IVS-9、アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン液につきましては、要望区分を迅速実用化から適応外薬に変更するとして、その2つ上のNo.22、要望番号IV-54の適応外薬として要望がございましたので、迅速実用化の要望としては取下げということでございます。

 今後でございますけれども、取下げのありました2件を除外した合計24件について、件数につきましては、最後の6ページ目に書いてありますけれども、こちらの24件につきまして要望の検討を進めさせていただくことしております。

 なお、1ページのNo.2の要望番号IV-34、ドネペジル塩酸塩につきましては、本日、資料3-2で検討の結果につきまして御報告いただくこととなっております。

 長くなりましたが、進捗につきまして、説明は以上でございます。

 

○堀田座長

 検討状況につきまして御説明いただきました。大変たくさんの資料がありますので、数字だけ見ていると、各欄には進捗によって入り繰りがあるものですから、数が把握しにくいところがありますけれども、そこは順次進んでいくと上の段に上がっていく仕組みになっております。何か御質問や御意見がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。

 第IV回要望から迅速化スキームを導入しているわけですが、これの入り口のところの整理は今どのようになっていますか。あくまで、これは要望という形で枠に入ってくるということですかね。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 要望としては、そのとおりでございます。迅速化スキームでありましても、これまで行っておりました未承認薬・適応外薬でございましても同様に受けつけて、その中でそれぞれの剤の性質や諸外国での承認状況等を踏まえて振り分けているような状況でございます。

 

○堀田座長

 そうすると、要望自体はまとめて窓口が1つになって、その後に振り分けをするということですね。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 要望書の中にどの要望区分に該当するか、記載していただいておりますが、中には、色々と検討された結果、別の内容で要望しますという形で整理されるものもございます。今回、1剤、そういったものがございました。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。この迅速化スキームというのは、国内外で未承認であっても、一定の基準を満たせば取り扱えるという新しい枠組みでありますので、十分にそれは周知されていればいいということです。よろしいでしょうか。それでは、ありがとうございます。

 続きまして、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について御説明いただきます。まず、代謝・その他WGから花岡先生にお願いいたします。

 

○花岡参考人

 それでは、御説明させていただきます。資料3-11ページをご覧ください。メトロニダゾールにつきまして、WGにおける検討の結果、医療上の必要性が高いと判断いたしました。

 まず、要望された効能・効果は、「酒さ」の炎症性皮疹並びに紅斑です。

 最初に重篤性についてお示しします。「酒さ」は、顔面のびまん性発赤、血管拡張の持続やざ瘡様の丘疹、膿疱等を繰り返し出現することを特徴とする慢性の炎症性皮膚疾患です。顔面に赤みが持続し、発疹を繰り返すことから外観上の問題があり、寒暖差等の外界刺激により刺激感や火照り感を伴うことから、「ウ」のその他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患の基準に該当すると判断いたしました。

 次に、有用性ですが、欧米等6カ国を含む80カ国以上において、「酒さ」、「酒さに伴う炎症性皮疹、膿疱及び紅斑」等を効能・効果として承認されております。また、米国の診療ガイドライン等では、本剤が標準的治療法として記載されております。したがって、本剤の有用性は「ウ」、欧米等において標準的療法の基準に該当すると判断いたしました。

 以上でございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。ただいまのWGの検討の報告について、何か御意見等ありますか。「酒さ」というと、重篤性はどうかと思うのですけれども、恐らく日常生活にはかなり困難を伴うこともあるということですね。いかがでしょうか。よろしいですか。

 では、これについては、報告を承認したいと思います。ありがとうございました。続きまして、循環器WGから、山本先生、お願いします。

 

○山本参考人

 循環器ワーキングでございます。資料3-21ページ目をご覧ください。ドネペジル塩酸塩について、公益社団法人日本老年精神医学会より、軽度及び中等度アルツハイマー型認知症、以下ADと略しますが、用法・用量の変更に関する要望書が出ております。

 既承認の用法・用量ですが、現在は本薬を1日量として3mgから開始した後、軽度及び中等度AD患者では5mgまで、高度AD患者では10mgまで増量することが規定されておりますが、今回の要望内容は、軽度及び中等度AD患者に対しても10mgへの増量を可能とする用法・用量に変更ということでございます。

ADは、御存じのように進行性の神経変性疾患でございまして、認知機能の低下等により日常生活動作に支障を来しますので、重篤性といたしましては「イ」の病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患に該当すると判断しております。

 医療上の有用性ですけれども、米国を含む海外6カ国において用法・用量で承認されているものの、提出された資料からは欧米の臨床試験において他の薬剤と比べて、軽度及び中等度AD患者に対する本薬の要望用法・用量の有効性及び安全性が明らかに優れているという判断はできませんでした。また、本邦では軽度及び中等度AD患者の適応に係る承認用量は、健康成人において10mg投与時の忍容性が低かったことも考慮して、5mgまでとされております。現時点において国内のガイドラインには、軽度及び中等度ADに対して、既承認用量を超える要望用法・用量での投与を推奨するという記載はございません。

 したがって、本要望の用法・用量は、海外では標準的治療に位置づけられると思いますが、本邦の医療環境下で有用性を期待できるとまでは言えない状況と考えられました。

 さらに、本邦におきましては、軽度及び中等度ADに対して、現在では本薬以外にも複数の製剤が承認されておりまして、本薬以外にAD治療の選択肢があるという状況になっております。ということで、本要望内容ですが、同一の要望が第28回未承認薬等検討会議におきまして、医療上の有用性が「ア」~「ウ」のいずれにも該当しないという判断が一度ありました。

 今回、新たに提出されたデータは、特定使用成績調査における軽度及び中等度AD患者への本薬10mgの投与状況に関して、報告が1報ございましたが、前回の医療上の有用性の判断を変更するほどの新たなエビデンスは得られていないとワーキングでは判断いたしまして、本要望内容に対しましては、医療上の必要性の評価は前回と同一で、「エ」が妥当と判断しております。ということで、医療上の有用性については「ア」~「ウ」のいずれにも該当しないと判断いたしました。

 循環器ワーキングからの御報告は以上でございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。これは、あくまで重篤なものは別の対応があるということで、中等までということですね。その前に、10mgは特にエビデンスははっきりしないという御報告でしたが、平安先生、どうでしょうか。何か御意見ありますか。

 

○平安構成員

 実臨床的に言うと、認めていただいたほうが確かにいいのかなと思います。学会でも議論したのですけれども、恐らくはエビデンスとなると厳しいのはわかっているのですが、認知症の重症度の評価は難しくて、本人の症状だけではなく、周りの介護をしている人、支援している人の体制によって日常生活のレベルが変わってきますので、そういう意味では周辺症状も含めて、ある程度効果がありますので、一般的に考えると患者さんに対する寄与はあるのなということで、学会は申請されているのではないかと思います。

 

○堀田座長

 恐らくCOIの関係もありますけれどもね。

 

○山本参考人

 以前から、認知症に関しまして循環器ワーキングで見ておりまして、必ずしも精神・神経の専門家が揃ったワーキングではございませんので、精神・神経ワーキングの御意見も聞いておりますが、あちらでも医療上の有用性は(エ)ということでよかろうというコメントもいただいております。実際、私も日常診療で有用であるという実感があるので出てきているということは、ワーキングでもそれは認識しておるのですけれども、残念ながらレポートとするぐらいのエビデンスがそろっていないという状況がございまして、今回はこういう判断をさせていただきました。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。他に御意見ありますでしょうか。そうしましたら、これにつきましては、報告どおりと判定させていただきたいのですが、できれば老年精神医学会のほうで症例集積とか解析をやっていただいて、日常診療の中で本当に有用かどうかというデータを出していただきたいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、抗菌・抗炎症ワーキング、金澤先生、お願いいたします。

 

○金澤参考人

 それでは、抗菌・抗炎症ワーキングからの報告をいたします。資料3-3をご覧ください。抗菌・抗炎症ワーキングで検討する第IV回要望のうち、今回、医療上の必要性を検討したものについて説明します。

1ページをご覧ください。抗菌薬分野での要望ですが、ホスカルネットナトリウム水和物の造血幹細胞移植後のヒトヘルペスウイルス6脳炎に対する要望が提出されています。

 まず、適応疾病の重篤性ですけれども、ヒトヘルペスウイルス6脳炎の予後については、海外の症例報告やメタ・アナリシスにおいて、約2030%の患者は脳炎により死亡し、生存者にあっても、約半数は記憶障害やてんかん等の後遺症が認められたと報告されていることから、「ア」、生命に重大な影響がある疾患に該当すると判断しました。

 次に、医療上の有用性は、国内において、ヒトヘルペスウイルス6脳炎を効能・効果として承認された薬剤はないことから、「ア」の既存の療法が国内にないに該当すると判断しました。

 抗菌・抗炎症WGからの報告内容は以上でございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。これは、前回にも一度検討したことがあって、その時はそこまではっきりしたケースが出ないということだったのですが、医療上の必要性があると考えられたということであります。いかがでしょうか。

 

○小国構成員

 これは、小児・成人も含めて全年齢と解釈してよろしいでしょうか。

 

○金澤参考人

 そのように解釈しています。

 

○堀田座長

 岡部先生、どうぞ。

 

○岡部構成員

 小児におけるHHV-6は非常にポピュラーな疾患ですけれども、脳炎を発症したときに非常に予後が悪いということで、もし使用がオーケーになれば大変ありがたいと思います。この表現で、「医療上の必要性に係る基準」への該当の(1)適応疾病の重篤性の該当性ですが、ヒトヘルペスウイルス6脳炎の予後について、海外の症例報告やメタ・アナリシスにおいて、約2030%の患者は脳炎により死亡しというのは、念のためですけれども、脳炎を発症した患者の20ないし30%が死亡するということで、一応確認しておいたほうがいいと思います。

 

○金澤参考人

 おっしゃるとおりです。

 

○堀田座長

 必要があれば、そのように訂正していただければと思います。その他はいかがでしょう。よろしいですか。

 これは、HHV-6だけが適応になるということで、一般的にはもう少し広い範囲で使っているような気がしますが、その点はいかがですか。

 

○金澤参考人

 現状では要望として上がってきたものについて検討したところであり、その他の疾患については今回は検討しておりません。

 

○堀田座長

 医療現場では、逆に他の疾患や症状に使えなくなるのではないかという心配があるのではないかという気もしないではないですが、その点ははっきりHHV-6に対するということで、今回は限定的に要望の範囲で判定をしていただいたということです。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、生物ワーキング、中川先生、よろしくお願いいたします。

 

○中川参考人

 それでは、資料3-4に基づきまして生物ワーキングの報告をさせていただきます。

 資料3-41ページ目をご覧ください。エプタコグ アルファ(活性型)(遺伝子組換え)につきまして、日本産科婦人科学会から重篤な産科危機的出血に適用に関する要望書が提出されております。本要望は第I回及び第II回開発要望においても提出されておりまして、それぞれ第3回及び第11回の本検討会議において医療上の有用性に係る基準に該当しないことから、医療上の必要性が高いとは言えないとの御判断をいただいております。このたび三度目ですが、再度、要望が提出されました。

 適応疾病の重篤性については、「ア」に該当すると考えておりますが、いまだ欧米等6カ国で承認されていないこと、ガイドライン等で推奨されている用法・用量の一貫性に見られず、特定の用法・用量で広く使用されているとは言えないことから、本剤が標準的療法に位置づけられているとは判断できないと考えます。なお、新たに今回得られた国内登録調査及び海外の臨床試験に関する論文を踏まえましても、その判断は変わらないと考えます。

 したがいまして、第I回及び第II回開発要望と同様、医療上の有用性に係る「ア」~「ウ」のいずれの基準にも該当せず、医療上の必要性が高いとは言えないと判断いたしました。

 生物ワーキングからは以上です。

 

○堀田座長

 ただいまの生物ワーキングからの報告、有用性が高いとは言えないという判定であります。何か御意見ございませんか。落合先生、いかがでしょうか。

 

○落合構成員

3回目で、また同じような結果ということは、逆に言うと、ここに記載してございますように、ガイドラインや何かに少し不整合があったり、十分なエビデンスが証明できていないということだと思いますので、本当に必要とする産婦人科学会としては、引き続き症例の集積や詳細な分析などを踏まえて、必要であれば、諦めずにまた出していただいて、御検討をまたよろしくお願いしたいと思います。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。多分、医療現場の一部では非常に有用性を主張される、あるいは経験のある方もあるのだろうけれども、きちんとした科学的根拠になっていないと、それを一般化するのはなかなか難しくなってしまうということだと思います。引き続き学会のほうで、有用性があるのであれば、それに見合う調査結果なり何なりを出していただけるとありがたいと思います。よろしいでしょうか。

 続きまして、これまでは有用性の検討でしたけれども、公知申請の該当性に関するWGの報告について、まずは循環器ワーキングから、山本先生、お願いします。

 

○山本参考人

 資料4-1をご覧ください。日本外科学会等からインドシアニングリーン、以下ICGと略させていただきますが、ICGの血管及び組織の血流評価に対する適応追加の要望が提起されております。

 まず、本薬の医療上の必要性でございますが、1ページ目の一番下のところからです。血管及び再建組織の血流評価は、外科手術の成功を判断する上で重要な指標の一つであり、消化器癌手術時の再建臓器、虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術(CABG)の吻合グラフト等における血流評価は患者の生命予後を左右することから、適応疾病の重篤性は「ア」に該当すると判断しております。

 医療上の有用性ですけれども、本要望は、他に外科手術中に血流評価を行う方法がないことから、「ア」に該当すると判断しております。

 次に、本要望の公知該当性について説明いたします。資料4-112ページから13ページをごらんください。

 有効性につきましては、要望内容に関して、ICGは、英国及びドイツにおいて承認され、米国においても保険償還されているという判断ができます。また、海外文献報告におきまして、ICGは、消化管手術、皮弁形成、CABG等のさまざまな領域での血流評価を目的として、ICG蛍光撮影に使用されております。

 本邦におきましても、ICGは、海外と同様の用法・用量で血管及び組織の血流評価に幅広く使用されている実態が公表文献から確認できました。

 さらに、国内外の教科書及び海外のガイドラインにおきまして、ICG蛍光撮影が血管及び組織の血流評価に有用な方法と位置づけられております。

 安全性についてですけれども、国内外の文献報告では、いずれもICGの高い安全性が報告されております。また、本邦でのICGの市販後の副作用報告におきまして、要望内容である血管及び組織の血流評価を目的とした使用に関して、重大な安全性上の懸念を認められるとは思われません。

 さらに、要望内容での使用におけるICGの用量は既承認の用量を超えるものではございませんで、既承認の他の適応症と比較して安全性上の懸念が高まる可能性は低いと考えられました。

 以上より、本要望内容に関するICGの有効性及び安全性は、医学薬学上、公知であると判断しております。

 次に、13ページの下から14ページにかけて効能・効果について記載しております。

ICG蛍光撮影が血管及び組織の血流評価に有用な方法と位置づけられているという判断をしましたので、効能・効果につきましては、血管及び組織の血流評価とすることが妥当と判断いたしました。

 なお、本邦では、ICG蛍光撮影による脳血流の評価につきまして、既に「脳神経外科手術時における脳血管の造影(赤外線照射時の蛍光測定による)」として承認されておりますが、今回の要望内容と原理は同一であるということを踏まえまして、上述の効能・効果に脳血流の評価に関する既承認の効能・効果を含めることが妥当と判断しております。

 一方、用法・用量は14ページに記載しておりますが、要望内容に関する英国及びドイツでの承認用法・用量は、「0.10.3mg/kgを静脈内投与」となっております。国内外の公表文献におきまして、ICGの使用目的ごとの1回用量は、消化器外科領域で2.5mg、(125mg)、形成・血管外科領域では5mg2.525mg)、心臓血管外科領域では2.5mg(範囲が1.25~5mgと、必ずしも同一ではないのですけれども、重なる部分が多く、最も多く報告された1回用量は2.5mgということで、体重60kgで換算した場合には0.04mg/kgに相当いたします。

 以上から、「血管及び組織の血流評価」におけるICGの用量につきましては、海外での承認用量を基本とした上で、国内外の公表文献においてICGの有効性が報告されている用量、及び本邦における使用実態を踏まえまして、0.040.3mg/kgとすることが妥当と判断しております。公表文献で報告されているICGの投与濃度を踏まえまして、調製する場合には2.55mg/mLに調製して投与することが妥当と判断しております。

 また、ICGを用いた血管及び組織の血流評価は、ICGに励起光(最大吸収波長が約805nm付近)を照射することによって、蛍光を発することを利用して血流を可視化するという原理で行っておりますので、励起波長及び蛍光波長を含めた観察方法については添付文書に記載する必要があると考えております。さらに、ICGによる蛍光波長の透過性を考慮しますと、生体表面から一定以上の深さに存在する血管を観察することは困難と考えられることから、この内容につきましても添付文書で情報提供するのが適切と判断しております。

 以上より説明した効能・効果及び用法・用量は、医学薬学上、公知と判断しております。

 循環器ワーキングからの報告は以上でございます。

 

○堀田座長

 ただいまの公知申請に係るWGの報告に御意見、御質問がある方はお願いします。どうぞ。

 

○伊藤構成員

 測定機器の問題ですけれども、外国と日本は同じようなものであるかということと、もう一つは、ICGの用法・用量は機器の感度によって決まると思います。蛍光測定の場合、最適な励起波長と蛍光波長があって、それで測定し、その蛍光波長をもう一回可視化しないといけないと思います。そして、そこの問題があると思うのですけれども、どのように用法・用量を決められるのでしょうか。

 

○山本参考人

 機器につきましては、重複しているものがかなりあるということでございます。機器ごとの用法・用量については、詳細は今回ワーキングでは確認しておりませんが、機器ごとに特に用法・用量を変えなければならないということはないと確認されているようです。

 

○伊藤構成員

 公知申請ですから、外国でされている機器と同じような程度であるとか、そういうものが多少必要ではないかなと思うのです。

 

○山本参考人

 今後、使用は保険上認められますけれども、公知申請で申請していただいて、PMDAでもう一度詳細を審査するということで、後の審査にお任せしたいと思います。

 

○堀田座長

 ここはあくまで公知申請に該当するかどうかの判断で、実際に申請するときにはメーカーが準備し、そのときにはPMDAでいろいろ審査を受けるわけですね。友池先生、どうぞ。

 

○友池構成員

 今、話が出たのは40年以上前から使われている。心臓外科でもずっと使っている薬剤ですので、公知になるのはありがたいことだと思います。

 

○伊藤構成員

 私が言いたかったのは、機器が進歩して感度が高くなれば用量は減るはずですから、その辺の意味も含めて、公知にしたときに用量設定をどうするかというところも含めて検討していただきたいということです。

 

○山本参考人

 審査のときに審査チームでしっかり見ていただきたいと思います。

 

○堀田座長

 宿題ということですね。

 

○山本参考人

 はい。

 

○堀田座長

 その他、御意見はよろしいでしょうか。これは、今まで脳手術のときの血流測定ということでしたが、今後は手術部位にかかわらず利用できるということになるということでよろしいでしょうか。

 

○山本参考人

ICGにつきましては、今まで循環器ワーキングの方に、個別の部位の血流の測定ということで何度も要望がございまして、そろそろまとめていただいた方がよかろうということで、個別で当たっていたものはまとめていただいて、こういう組織・血流の外科手術時の測定ということで、一まとめにして、複数の臓器で使っていただけるようにしたということでございます。

 

○堀田座長

 それは結構な話だと思います。よろしいでしょうか。はい。ありがとうございます。

 続きまして、小児ワーキングから中村先生にお願いします。

 

○中村参考人

 資料4-2をご覧ください。小児腎臓病学会よりバルガンシクロビル塩酸塩のサイトメガロウイルス感染症のリスクのある小児(固形臓器)移植後のサイトメガロウイルス感染予防に関する要望が提出されております。

 これは、450mgの錠剤でございますけれども、備考にございますように、開発企業により、ドライシロップ剤の開発が進められている、準備がされているということを確認しているということでございます。

2ページから8ページに欧米等6カ国の承認状況について記載されておりますが、欧米において、要望内容に係る効能・効果及び用法・用量が承認されていることを確認しております。

 それから、8から17ページ、5.要望内容に係る国内外の公表文献・成書等についての項に記載されておりますとおり、要望内容に関する海外で実施された臨床試験の結果から、小児に対する本薬の用法・用量として、12ページ、上に投与期間及び用法・用量というコラムがありますけれども、ここにありますような用量を設定することで、成人に本薬900mgを投じた際と同程度の曝露量が得られることが確認されました。

 それから、15ページから17ページに参りますと、メタ・アナリシス、教科書、ガイドライン等の記載がございますけれども、海外の診療ガイドラインでサイトメガロウイルス感染症発症リスクの高い小児固形臓器移植患者に対するサイトメガロウイルス感染症の予防目的の本薬の使用が推奨されていることを確認いたしました。

 次に、有効性についてでございます。18ページの7ポツの(1)で有効性の総合評価とございます。海外臨床試験等において、外国人小児に本薬の海外小児用量を投与した場合、成人に本薬900mgを投与した際と同程度の曝露量を得られることが確認されたこと。成人において、薬物動態に明らかな民族差は認められていないこと。日本人小児に海外小児用量を投与した場合、外国人小児に投与した場合と同程度の曝露量となると考えられることなどから、サイトメガロウイルス感染症発症リスクの高い小児固形臓器移植患者に対する、本薬のサイトメガロウイルス感染症予防効果が期待できると考えております。

 次に、安全性についてでございますが、20ページでございます。

 小児を対象とした海外臨床試験成績や国内文献等で報告されている有害事象は、いずれも本薬の既知の事象であったことから、サイトメガロウイルス感染症発症リスクの高い小児固形臓器移植患者に対するサイトメガロウイルス感染症の予防を目的として、日本人小児に本薬を投与した際に新たに重大な安全性の懸念を生じる可能性は低いと判断いたしました。

 以上より、本薬のサイトメガロウイルス感染症発症リスクの高い小児固形臓器移植患者に対するサイトメガロウイルス感染症の予防に対する有効性と安全性は、医学薬学上、公知であると判断しております。

 効能・効果については、21ページ、真ん中でございますけれども、既承認の効能・効果の内容から変更は不要であると考えております。

 用法・用量につきましてはコラムの下のほうにありますけれども、成人投与による明らかな民族差は認められておらず、小児においても明らかな民族差は生じないと考えられること。並びに、海外小児用量投与時の曝露量が成人に本薬900mg投与した場合と同程度であることが確認されております。

 ただ、投与量の計算に用いられる推定糸球体ろ過量を、海外ではJaffe法によるSchwartz式で推定されていますが、本邦ではこの方法は現在ではほとんど行われておらず、日常診療では推定糸球体ろ過量は日本人小児に最適化された推定式が使用されています。また、体表面積は、海外の投与量の計算式に用いられるMostellar式の他に、本邦では藤本式やDu Boisという方法なども使われています。これらのことを踏まえまして、本邦における用法・用量では、推定糸球体ろ過量及び体表面積の特定の計算式は明示しませんで、21ページの真ん中にございますように、海外と同様の7×体表面積×推定糸球体ろ過量により投与量を算定すると記載することが適切と判断いたしました。

 なお、使用します推定糸球体ろ過量及び体表面積の計算式によっては、特に低い年齢のところで海外と若干異なる投与量が算出される可能性がありますので、本剤の投与に際しては、副作用の発現状況等を考慮して、必要に応じて投与量を調節するよう注意喚起することが適切であると考えます。ここにつきましては、審査の過程で少し細かく記載ぶりを検討いただいたほうがよろしいかと思いますので、本報告ではあえてこの程度の記載にとどめさせていただきました。

 以上でございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは、この小児ワーキングの報告、サイトメガロウイルス感染症リスクのある小児の臓器移植の感染予防。公知申請妥当という報告について、御意見がありましたら、お願いします。

 

○岩田構成員

 ドライシロップ製剤もつくっていただけるということで、院内調剤だと曝露の問題とか、いろいろあるので、使う上ではいいことだと思います。今回、予防ということですけれども、治療の方に関しては何か検討されていますか。これに関して、今、動いていることはありますか。

 

○中村参考人

 確認が必要ですけれども、治療については出ていないと記憶しています。今回、いつもと同じで、出されたものについて検討するという形になっております。

 

○岩田構成員

 わかりました。

 

○小国構成員

 この場合、予防というとかなり広い概念になると思いますけれども、欧米では、リスクの高い、ドナーが陽性でレシピエントが陰性の場合とか限定されているように感じますが、その辺はどうでしょうか。

 

○中村参考人

 細かいところまで検討しておりませんが、それも含めて、ここで余り議論しますと公開されてしまいまして、PMDAがそれを覆すことができませんので、PMDAの審査の過程で御検討いただければと思っております。

 

○堀田座長

 今回は治療ではなく、予防ですが、とてもハイリスクな場合が対象ということですから、治療との境目が少ないところですね。サイトメガロウイルスのアンチゲネミアがあるということは、一応前提なのですか。

 

○中村参考人

 そのように考えております。

 

○堀田座長

 わかりました。伊藤先生、どうぞ。

 

○伊藤構成員

1つだけ。21ページですけれども、物理をやっている人だと気になると思いますが、単位は絶対に等しくならないですね。その補正が7の単位にあると思います。だから、何となく見てくれを良くする方がよいここと。

 もう一つは、この場合、公知申請ですから、審査の過程できちんとしてほしいと思います。結構曖昧なものが残っていると思います。薬用量を考えると、平均血中濃度×薬物クリアランスが維持投与量ですから、それが全体でこの式で表現されていると思います。だから、同等性がどの辺まであるかということが、読みましたけれども、非常にわかりにくいのです。その辺も含めてよろしくお願いします。

 

○中村参考人

 小児ワーキングとPMDAの方では、具体的にどれぐらいにするかという確認はしております。

 

○伊藤構成員

 表に出てきたときに、投与される側が分わかりやすい形で投与できるようにしていただきたい。

 

○中村参考人

 投与量の仕組みのところは、先ほど御指摘いただいたように、通常の記載ぶりとちょっと違いますので、これは後で記載整備が必要だと思います。

 

○伊藤構成員

{容積÷(mg2)}の逆数がかかるのですね。

 

○中村参考人

 わかりました。

 

○堀田座長

 記載整備するということで、その辺はここでは余り細かく議論しないこととしたいと思います。よろしいでしょうか。佐藤先生、どうぞ。

 

○佐藤構成員

 ドライシロップ開発中ということですけれども、ドライシロップの用法・用量と、今回の用量との関係というのですか、余り齟齬があると困るような気がするのですが。

 

○中村参考人

 海外でBEがとれていて、同じ用量ということで、国内で新たにBEは追加しないということです。

 

○佐藤構成員

 ドライシロップの開発では。

 

○中村参考人

 海外で既にBEがとれているということですね。それで、用量的には、錠剤と新しいドライシロップ剤は同じでいいと考えております。

 

○佐藤構成員

 分かりました。

 

○堀田座長

 その他はよろしいでしょうか。それでは、この公知申請に係るWGからの報告は御了解いただけることでよろしいですね。

 続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 それでは、資料5-1から6までの分を研究開発振興課の方から御報告させていただきたいと思います。

 まず、資料5-1をご覧ください。開発要望の進捗状況で、変更のところは1行目に集中しております。そこを御紹介したいと思います。

 第I回要望181件ございますが、前回御報告した際は182件ということで、その間に1件の要望取下げがございましたので、1件削減した数で変更させていただいております。

 第II回要望については、変更はございません。

 第III回要望につきましては、前回は39件と御報告させていただいていますが、2件増えて41件になっております。出納につきましては、3件あって1件取下げがあって、差し引き2プラスという形になってございます。

 第IV回要望につきましては、前回5件と御報告させていただきましたが、新規2件要望させていただきましたので、7件。ここについての変更は以上でございます。

 次は、資料5-2に移ります。第I回要望についての進捗状況になっております。一番右のカラムをごらんいただきたいと思いますけれども、176件承認で、その下に2件の承認申請済みとありますけれども、前回は1件ということで、もう一件、承認申請が増えた形になります。

 その下のカラムですけれども、治験計画届提出済み、前回5件でしたが、進んだので、3件という状況。合計欄が181件と書いてありますが、前回は180件だったということになります。

 開発要請の取下げを6件御報告させていただいていますが、前回5件。前回の部会で1件、お認めいただきましたので、その分が増加している形になります。

 以下、具体的な例を順次御紹介したいと思います。28ページをご覧いただけますでしょうか。こちらが今、御紹介しました新規に承認した1件の情報でございます。要望番号355のファイザー、ロラゼパムでございますが、本年10月に承認されているもので追加されている状況にございます。

 それから、37ページに飛びますけれども、御紹介しました開発要請取下げでございます。前回の32回の資料7-2で御報告、了承いただいた案件でございますが、こちらの案件につきましては取下げということでございますので、1件増加させていただいている状況になっております。

 資料5-2の変更点は以上でございます。

 次に、資料5-3に移りたいと思います。こちらにつきましては、第II回要望における進捗状況の御報告になります。

 一番右のカラムを見ていただきまして、承認済みは78件になっていますが、その下のカラムでございます。承認申請済みは4件ということでございますが、前回は3件ということで、1件増えてございます。

 その下のカラムの治験計画届の提出済みが、前回2件でしたが、1件承認申請されたので1件になっています。

 公知申請予定は12件ございましたが、今回、10件に2件減っている状況。

 逆に、治験計画届が必要になってくるということで、その下のカラムは0件から2件という状況になってございます。

 以下、個別具体的なものについて順に御紹介します。15ページをご覧いただきたいと思います。

 先ほど御紹介しました承認申請済みのところでございます。サノフィ、II-110、スピラマイシンにつきまして、本年10月に申請に至っていますので、1件追加という形になります。

18ページに飛んでいただきまして、2件でございますが、治験実施が必要だとワーキングで御議論いただいたものが、II-215216、ファイザー社のベンジルペニシリンベンザチンについてが2つございます。

 あと、具体的な大きな変更ではないのですけれども、20ページに承継等がございまして、開発企業の変更がございましたのもあわせて御紹介したいと思います。中ほど、II-127、田辺三菱様からニプロESファーマ様に変更されております。

 この資料については以上でございます。

 資料5-4につきましては、第III回要望でございます。比較的新しくいただいた御要望についての進捗です。かなり動きがございます。

 一番右のカラムを順番に上から、11件の承認済み。前回10件でしたが、1件、承認まで行きました。その下のカラムの承認申請済み、前回2件でございましたが、申請が3件増えて4件。次のカラムは出納がありましたが8件のまま。その下の公知申請予定は13件から14件で、1件増えてございます。治験計画予定は2件から1件に。その他は4件から3件に。合計も、下の方は39から41に移っていまして、取下げも5件から6件という動きが出ております。

 これを順番に上の方から、6ページ目をご覧いただきたいと思います。下でございますが、III-(3)-24、第一三共様のアセチルコリン塩化物が追加になってございます。

8ページ、承認申請済みということで、III-(1) -69EAファーマさんのポリエチレングリコールがことしの11月申請になっております。

2つ下のIII-(3) -1.1III-(3) -1.2、ヤンセンファーマ様のボルテゾミブも今年の9月に承認申請されております。

 その次のページ、9ページでございますが、III-(4) -19、日本メジフィジックスのフルデオキシグルコース(18F)も9月の承認申請済みという形になってございます。

 ページを12ページまでおめくりください。治験計画届提出まで行ったものでございます。

 下の段、III-(1) -7272.272.3、帝人ファーマのランレオチド酢酸塩でございます。今年の10月に出されています。

 次、15ページまで飛びます。公知申請を予定しているけれども、ワーキングで検討中のものが3件。III-(3) -7、ヤクルト本社のオキサリプラチン。その下のIII-(4) -20、協和発酵キリンのフルオロウラシル。その下のIII-(4) -1のファイザーのレボホリナートカルシウムの3件が増えてございます。

18ページ、区分変更を行っておりますけれども、III-(3) -54III-(4) -22MSDのテモゾロミド、その下のIII-(4) -20、中外製薬のベバシズマブがdからeの区分に移っている現状になってございます。

 最後でございますが、21ページ、前回の第32回の会議におきまして資料7-1で取下げをお認めいただきましたIII-(1) -12、デンツプライシロナのアーティカイン塩酸塩・アドレナリン酒石酸水素塩でございます。こちらについては、大きな変更になります。

 資料5-4は以上でございます。

 引き続き、資料5-5につきましては、新規に8月に要請されたものが追加されておりますが、一番右の欄、変更があったものは3カ所でございます。公知申請予定の部分は、前回2件が3件に。その他1件が2件に。合計数が5件が7件という形で増えております。

 具体的な動いたものについては、3ページ目にIVS-2IVS-7、大正製薬株式会社のタウリン。

 次のページに移っていただきまして、IV-19、日本新薬株式会社さんのDefibrotideが追加されている状況でございます。資料5-5は以上でございます。

 資料6もあわせて御紹介したいと思います。こちらにつきましては、要請されたものではなくて、企業の方でお手挙げの候補品目でございますが、変更があったのは2ページ目になります。網かけが少し黒くなってございますけれども、中ほど第II回要望の9番、ペガデマーゼになります。前回御報告した際は治験実施中ということでございましたが、承認申請の準備中までこまを進めております。

 この下の12番の3-ヨードベンジルグアニジンのヨウ素131でございますが、こちらは前回は治験準備中でございましたが、治験実施中に移ってございます。

 その下の14番と15番、チオテパでございますけれども、ここは治験実施中だったものが承認申請準備中ということで、間もなく申請されて承認に移っていくと思われます。

 足早でございましたが、資料5と資料6の御説明は以上となります。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまの開発工程表、各要望ごとの工程表の概要と、それから開発要望を行ったものの一覧、現状を報告していただきました。何か御質問、御意見ありましたら、お願いします。よろしいですか。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 当課からの御報告というのは、数の推移がメインでございまして、特殊事情がないときには先生方に御相談することは少のうございますけれども、順調に進んでいることは数の推移で見ていただけるかなと思います。大きなことがない限りは、治験を実施、その後、承認申請準備、承認申請。よほどのことがない限り承認されますので、承認という御報告をやらせていただくことが仕事かと思っておりますので、何かお気づきの点があれば、御指摘いただければ調査して報告させていただきたいと思います。

 

○堀田座長

 この辺は、開発工程のラインに乗れば粛々と進めるということでありますので、議論になることは、途中での取り下げとかがない限りは想定されないということかと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、今日は少し時間が早いのですけれども、その他の項目がございますので、事務局の方から御説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

1点、御紹介でございます。当日配布資料2という1枚紙を御準備いただければと思います。本年1020日付で通知を発出いたしました医薬品の条件付き早期承認制度でございまして、この場をかりまして制度の概要につきまして御紹介させていただければと思います。

 この制度につきましては、この紙の一番上の枠囲いのところに概要を書いておりまして、一般的に、医薬品の承認申請に当たっては、探索的臨床試験の後に検証的臨床試験を行った上で、そのデータに基づいて製薬企業は承認申請を行って、承認後の製造販売後調査や副作用報告を行っているところでございますけれども、その一方で、患者数が少ない等の理由で、検証的臨床試験を含む治験の実施が困難であったり、長期間を要する医薬品も存在します。

 医薬品の条件付き早期承認制度では、そのような医薬品の承認申請において、申請時には検証的臨床試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性及び安全性を確認した上で、製造販売後に有効性・安全性の再確認に必要な調査を実施すること等を承認条件として付与する取扱いを整理・明確化するというものでございます。

 資料の中ほどの矢印のところでございますけれども、上の部分が通常の承認審査の場合の流れでございまして、それと条件付き早期承認制度の違いにつきまして図示しているものでございます。こういった条件付き早期承認制度の対象となる医薬品につきましては、優先審査として審査期間の短縮を行って審議を行うこととしておりまして、こういった制度を通じて重篤な疾患に対する医療上の有用性が高い医薬品を早期に実用化できるのではないかと考えております。

 また、右下の囲みに書いてありますけれども、承認条件において適切な有効性・安全性の再確認に必要な調査等を付与するというものでございますが、その調査につきましては、従来から行っておりました使用成績調査や製造販売後臨床試験のほかにも、MID-NETを含みます医療情報データベースやレジストリーの活用といったリアルワールドデータの利活用につきましても、あわせて検討しております。

 また、調査以外の承認条件としては、対象の疾患や医薬品の特徴に基づきまして、施設等の要件を定めて適正使用を推進するようなことも考えております。

 今後、こういった検討会で医療上の必要性が評価された医薬品についても、制度を活用して申請等に進めるケースもあろうかと思いますので、まずは制度の御紹介ということで、本日、話題に上げさせていただきました。

 ありがとうございます。

 

○堀田座長

 ありがとうございます。これまで関係者が大変熱心に要望していた内容が実現したということで、大変うれしいことですね。海外では、コンディショナルアプルーバルという制度があって、日本もそれがようやく実現したということ。今日は報告ですので、特にこれで議論するというわけではないのですが、確認とか御質問があれば、お願いします。

 

○小国構成員

 この場合、患者数が少ないというのは、希少疾病である指定難病を指していると考えてよろしいのでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 事務局から回答いたします。希少疾病ももちろん患者数が少のうございますけれども、必ずしもそれだけとは限らないという取扱いでございます。

 

○堀田座長

 重篤性も含めてということで、それはどこで判断されることになるのですか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

1本の線で重篤性の判断というわけにもなかなかまいりませんけれども、既存の治療方法等がないといった、これまでも用いております優先審査の判断等を参考にしながら、ケース・バイ・ケースで考えてまいりたいと考えております。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。いずれにしても、せっかくの制度ですから、やたら無理な使用して壊さないように、大事に使ってほしいと思います。その他、何か御質問、御意見、よろしいですか。ありがとうございました。それでは、この条件付き早期承認制度についての説明をいただきました。

 その他、事務局の方から御案内がありましたら、お願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 本日は御検討ありがとうございました。次回の検討会議でございますけれども、日程としましては、来年323日金曜日、15時から17時を予定しております。大変御多用のところ恐縮でございますが、引き続き先生方、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長 よろしいでしょうか。

 せっかくですから、きょうは森審議官がいらしていますので、今の早期承認制度も含めて、全体の流れを説明いただけるとありがたいです。

 

○大臣官房審議官(医薬担当)

 大体3カ月ごとに最近の様子をここで御紹介させていただく機会をありがたいと思っています。

 この条件付き承認制度に関しては、これまでも個別の品目の審査において、いろいろな条件をつけて、主に市販後にこういうことをやってくださいと。それを前提にして、この限られたデータで評価して判断しましょうということを個々にやっていたのは、かなりの数あるのですが。あるいは、この場で御検討いただいているような、開発がなかなか難しいような案件についても、承認に条件を付しているケースもあったと思います。

 ただ、これがあらかじめそういう扱いができるということをある程度クライテリアを示し、条件を示しということで制度化することによって、むしろ開発の段階で予見性をもって、市販後のこともしっかりプランしてやってもらうことが可能になるのではないかと考えて制度化させていただいたという背景がございます。

 一方で、アメリカもヨーロッパもコンディショナルアプルーバルという方法にかなりして、それぞれ取り組んできている。EMA30件ほどそういうコンディショナルアプルーバルのケースをレビューとしてまとめて発表して、開発や審査の期間の短縮に貢献しているとか、イノベーティブな、あるいはアンメット・メディカル・ニーズの実用化に資する形になっているという評価をしている。こういう状況でございまして、国際的にもこのようなやり方を制度化する必要があると考えておりました。

 一方で、市販後にどういうことをきちんとやるのかという部分が結構大事で、従来やっている使用成績調査といった形のプランだけではなくて、疫学的な設計がしっかりしているような調査を組んでもらうとか、あるいはそういうことを調査するためのインフラとして疾患レジストリーなどを構築して継続的に。特に、少数例でも長い期間、きちんと経過を追うと、本当の臨床的なインパクトがあったかどうか、患者さんがどうなっているかということを追えるような仕組みが、北欧を中心として世界的にはいろいろなところで構築されてきている。この流れを受けて、最近ではもう少し規模の大きいレジストリーをつくってはどうかというのが次第に活発化してきている様子があります。

2013年ころになると、ランダム化レジストリートライアルというのがニュー・イングランド・ジャーナルに大きいスタディーが載ったりし始めて、臨床試験の絵が大分バラエティーのあるものが出てきているという状況になっておりまして、そうしたこともちゃんと想定して、それを前提とした、こういう開発の仕方というのは、これから新薬開発がなかなか難しくなっている中、いろいろな困難な条件でもきちんと評価をやらなければいけない。こういうことのために仕組みをつくったらどうかという認識に基づいて取り組んできた、一つの形でございます。

 一方で、今年の10月に世界の薬事規制当局のトップを集めて、薬事規制当局のサミットというものを、日本が今回ホストをして京都で開かせていただきました。この会議においても、イノベーションに資するようなさまざまな取り組みを薬事規制当局としてもしっかりサポートしようということで議論がされまして、その中の一つが、リアルワールドデータを用いたエビデンスづくりということが非常に大きなテーマになりました。

 各国それぞれ、リアルワールドの活用に対して、非常に熱意をもって取り組んでいて、先進国だけではなくて、むしろアジアのエマージングカントリーのそれぞれの規制当局も、いかにして自分たちの国の医療制度をしっかり整備して、そこから得られるデータを活用して、それによって新しい治療手段を評価していこうかということに対して非常に関心を持っています。そうした動きが一堂に会して、29の国と地域の薬事規制当局の代表が集まって会議をしたのですが、共通の認識があって、非常にホットな話になっているということも紹介されました。

 こうしたサミットの関係の話は、成果とともに、厚生労働省のホームページにも掲載してございますし、もしもう少し詳しいものということでありましたら、お尋ねいただきますれば、PMDAのホームページの情報や厚労省でまとめているものなど、御紹介できると思います。こうした動きが背景になって、このような薬事制度の改革ということにも取り組んできているという昨今の状況でございます。

 ようやく今年になって、このような動きをはっきり形にすることができましたし、それはこれまで先生方がこの未承認薬の検討会で、医療の現場で実際にお使いになっているお薬のさまざまな使い方や医療ニーズということに対して、この場で御検討いただいている、その経験を見ながら、いかにして薬事規制制度として仕組みがつくれるかということを考えさせていただいて、少しずつ形にしてきたということかと思います。

 実際には、これは作ったばかりなので、これに関して該当性は、1つは、PMDAの相談制度の中で個別具体の相談を開発の早いうちに行い、そこで該当性のありやなしやということについてしっかり議論した上で、実際にこのケースに該当するというものについては、それぞれの審議会の部会のほうに報告するということを予定しております。したがいまして、これらについては、今後もいろいろな先生方に見守っていただいて、しっかり運用していきたいと考えておるところでございます。

 このような動きでございますので、さまざまな現場からのエビデンスや情報が少し多様なものがこちらに出てくることも今後、想定されます。こうしたものについての評価の仕方についても、統計学的な手法とか疫学的手法も含めて、いろいろ新しい取り組みをしなくてはいけなくなってきているという状況がありますので、また、そういった情報も御提供申し上げながら、先生方のお知恵を拝借したいと考えております。

 済みません、長くなりましたが、以上でございます。ありがとうございました。

 

○堀田座長

 どうもありがとうございました。いろいろ動きが出てきて、この新しい制度についても、まだできたばかりですので、どのように運用するかはこれからの問題だと思います。本日はどうもありがとうございました。

 次回は、先ほども御紹介がありましたけれども、323日金曜日とります。よろしくお願いします。本日はありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

03-5253-1111(内線 4165、4229)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第33回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2017年12月22日)

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