ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会)> 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第47回議事録(2017年9月13日)

 
 

2017年9月13日 中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会 第47回議事録

○日時

平成29年9月13日(水)11:12~11:50

 

○場所

厚生労働省講堂(低層棟2階)

○出席者

荒井耕部会長 中村洋部会長代理 田辺国昭委員 関ふ佐子委員
吉森俊和委員 幸野庄司委員 間宮清委員 宮近清文委員 松浦満晴委員
榊原純夫委員
松本純一委員 松本吉郎委員 万代恭嗣委員 猪口雄二委員 遠藤秀樹委員 安部好弘委員
日色保専門委員 昌子久仁子専門委員 上出厚志専門委員 加茂谷佳明専門委員
<参考人>
福田敬参考人 池田俊也参考人
<事務局>
鈴木保険局長 渡辺審議官 伊原審議官 迫井医療課長 古元医療課企画官
矢田貝保険医療企画調査室長 中山薬剤管理官 小椋歯科医療管理官 他

○議題

○試行的導入にかかる評価基準の設定方法等について

○議事

 

 

○荒井部会長

 

 ただいまより、第47 回「中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会」を開催いたします。

 

 まず、本日の委員の出欠状況について報告します。

 

 本日は、全員が御出席です。

 

 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。

 

(カメラ退室)

 

○荒井部会長

 

 それでは、議事に入ります。

 

 本日は「試行的導入にかかる評価基準の設定方法等について」を議題といたします。

 

 事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いします。

 

○古元医療課企画官

 

 ありがとうございます。

 

 それでは、本日は資料を2つ御用意しておりますが、そのうち「中医協 費-1」について御説明をさせていただきます。

 

 なお、参考資料でおつけしておりますのは、過去に国内で行われた調査の概要でございます。

 

 費-1の1枚目は、これまでの議論について記載したものでございまして、2ページから御説明させていただきます。

 

 今回の議論は、費用対効果の試行的導入13 品目に関する議論でございます。

 

 基本的な考え方といたしまして、ICER に基づきまして5段階の評価をする。(表1)のとおりでございます。その評価をするに当たりまして、評価の基準となる値を設定する必要があるが、その値は、過去の調査及び諸外国における評価基準を参考として設定する。こういったおまとめをいただいてございます。

 

 今回、過去調査並び諸外国の状況について御報告を申し上げます。

 

 まず(1)の、過去の調査として確認されている調査は、(表2)に記載の4つの調査でございます。このうち、どの調査を今後の参考としていくのかを検討するに当たっての視点を記載したものが3ページの上になります。

 

 大きく4点ございまして、1点目ですが「受諾確率曲線の作成が可能である」。こうしたデザインの調査であること。

 

 また、2ですが「個人の自己負担」は全額が自己負担というわけではございませんで、「社会としての負担」を尋ねた調査を参考とする。

 

 3は、これは質問形式が調査によってさまざまございます。支払うべき金額を直接尋ねるといった方法よりは、二段階二項選択法のほうがバイアスが少ないことが言われてございます。

 

 4でございますが「社会状況の変化の影響を小さくするためには、より最近に行われた調査を参考とすることが望ましいのではないか」。

 

 こうした4点の視点を挙げてございまして、これをもとにまた検討を進めていきたいという御提案でございます。

 

 3ページの下、「(2)諸外国における評価基準等について」でございます。

 

 まず、(表3)は以前の資料に追記をしたものでございますが、このスウェーデンからオランダの6カ国のうち、評価基準が実際に公表されていることが確認できたのは英国のみでございます。また、支払い意思額の調査をもとに評価基準を設定したことが確認されている国は、この中にはございません。

 

 続きまして、英国以外で評価基準を公表していることが現時点で確認できた国が、4ページの上の(表4)でございます。ポーランド、アイルランド、スロバキアのそれぞれの費用対効果制度の導入時期並びに基準値を記載してございます。

 

 例えば、ポーランドでありますと「一人当たりGDP の3倍/ QALY 」を基準に判断していることが確認されております。また、いずれの国も支払い意思額の調査をもとに評価基準を設定したことは確認できてございません。

 

 そこで、「 検討の視点」として5ページでございます。

 

 「1 参照する国」でございますが、「具体的な評価基準が公開されている国のうち、できるだけ医療体制や生活の状況等が日本と近い国の評価基準を参考としてはどうか」というのが1点でございます。

 

 また、視点の2つ目でございますが、「2 外貨で示される金額の円換算」につきまして、諸外国の状況でございますので、こういった論点がございます。

 

 案の1としては「一定期間の為替レートを用いて金額を直接換算する」。

 

 もう一つの考え方といたしましては、GDP などを用いまして、割り戻す形の計算方法があるのではないか。

 

 このうち、為替レートにつきましては、値の変動が大きくなることが考えられまして、例えば、1人当たりGDP 比などではそういった変動の影響は小さくなるものと考えてございます。こうしたことも考慮した上で、検討を進めてはどうかといった御提案でございます。

 

 最後に、6ページでございます。本日御議論いただく最後の案件でございますが、総合的評価(アプレイザル)を進めるに当たりまして、実際に課題となる案件でございます。

 

 (表6)をごらんください。例えば、オプジーボ、抗がん剤でございますが、適応疾患に「悪性黒色腫」「非小細胞肺癌」などがございまして、実際にオプジーボのICER を現在、分析しておりますが、それぞれの適応疾患ごとに、比較対象の既存治療との比較による ICER が算出されております。つまり、オプジーボという薬剤1つに対して、複数の ICER が得られるケースがございます。こうした場合の総合評価をどのように取り扱うのかという課題でございます。

 

 「(2)論点」に案を3つ挙げてございます。

 

(案1)分析結果で得られた複数のICER を用いてそれぞれ総合的評価(5段階)を行い、その結果を使用患者割合等で加重平均したものを評価結果とする。

 

(案2)分析結果で得られた複数のICER を使用患者割合等で加重平均し総合的評価に用いる。

 

(案3)費用対効果が最も良い、又は最も悪い分析結果をもって、当該品目の分析結果とし、総合的評価に用いる。

 

ということでございます。

 

 それぞれの案のメリット、デメリットを少し下にまとめてございますが、もともとの分析結果がより反映されやすいのは、1よりも2ではないか。こうしたことを記載させていただいてございます。

 

 最後に7ページの「(3)今後の検討」でございます。

 

 こうした品目の評価の方法につきましては、当部会並びに今後の価格調整のあり方の検討状況などとも踏まえながら、さらに検討を進めたいと思っておりますので、今回は論点の提示とさせていただいてございます。

 

 以上が資料の説明になります。よろしくお願いいたします。

 

○荒井部会長

 

 ありがとうございました。

 

 ただいまの説明に関して、御質問等がありましたらお願いします。吉森委員、お願いします。

 

○吉森委員

 

 ありがとうございます。

 

 説明いただいたのですが、事務局に注文をつけるようで申しわけないのですけれども、本日の試行的導入にかかわる評価基準については、これまでの議論において、ここに示されているように、新たな支払意思額調査を行わず、既存の調査並びに諸外国の例を用いる。これで合意しているわけでございますから、試行的導入の残された議論の時間から逆算すれば、今回の費-1の3ページの「○検討の視点」として、縷々過去の国内調査の結果で受諾確率曲線が作成可能かどうかなどの論点が列挙されておりますけれども、こういう論点を列挙するのみならず、実際に受諾確率曲線を引いたらどのような絵姿になるのか。少なくとも、それぞれ1、2、3の個々の論点において、具体的な素材を提示いただければ、議論がより深まるのではないかと思っております。

 

 また、海外の調査も同様でございますけれども、為替レートで金額を出した場合と、GDP を用いた場合、これについてもどの程度の差が出るのか、やはりシミュレーションした具体的な数値を示していただいて検証していく。そういうことなのだろうと思いますし、さらには6ページの「3.その他の検討事項について」で1、2、3と案を出していただいておりますけれども、(案3)については当然、慎重な検討が必要であるとは考えますが、(案1)と(案2)はどちらをとっても一長一短だろうと思いますので、それぞれどのような数値の程度の差が出るのかとか、具体的な数値・絵姿を出していただいて、検討を深めていくことが必要なのだろうと思っています。

 

 いずれにしましても、今回の事務局提案は、より具体的な素材提供をなぜいただけないのか。我々もスピード感を持って議論を深めていくためには、ぜひそういうものを見て検討したいと思いますので、次回以降、よろしくお願いしたい。意見、要望でございます。○荒井部会長

 

 では、松本純一委員、お願いします。

 

○松本純一委員

 

 今の吉森委員の意見を踏まえてになるとは思いますけれども、例えば、受諾確率曲線を引くのに当たって、2ページのこの4つのうちからどれかを使う形になるのであれば、私の意見ですけれども、3か4になろうかと思います。3と4の両方とも、曲線を出すのはそんなに難しくないようには思われるのですが、その辺の技術的なこと、時間的なことも含めてわかればお答えをいただきたいと思いますけれども、どちらかあるいは両方で引いてみてどうなるか。

 

 それと、この「(2)論点」に示された(案1)(案2)(案3)ですけれども、吉森委員が言われたように、一長一短だと思います。だけれども、例えば、2でやるなら2でやる。ただ、最終的に余りにもかけ離れた、3のような「最も悪い」とか「最も良い」という外れ値が出たときには、アプレイザルの際に考慮するとか、そういうことでいいのではないでしょうか。

 

 それと「(3)今後の検討」のところに出ています「複数の分析結果が得られる場合」は、「複数の分析結果」ということは、ここにある適応疾患が幾つもある場合という理解でよろしいですか。まず、その1点をお願いしたいと思います。

 

○荒井部会長

 

 では、企画官、まず確認の部分をお願いします。

 

○古元医療課企画官

 

 ありがとうございます。

 

 過去調査の受諾確率曲線につきましては、こういう技術的には。

 

○松本純一委員

 

 いや、7ページの(3)に「複数の分析結果」とありますけれども、この「複数の分析結果」というのは、「適応疾患が複数ある場合の」と置きかえて理解してよろしいですかということなのですが。

 

○古元医療課企画官

 

 基本的にはそのように御理解いただいて結構かと思います。

 

○松本純一委員

 

 そのときに、なぜ薬価専門部会とか保険医療材料専門部会と合同部会を開かなければいけないのかがよくわからない。それは私の意見です。

 

 だから、複数の分析結果が得られても、この費用対効果評価専門部会でまず検討すればよろしいのではないかというのが私の意見であります。

 

○荒井部会長

 

 企画官、どうぞ。

 

○古元医療課企画官

 

 大変誤解のある記載で申しわけございませんでした。

 

 今回のこの論点、ICER の調整につきましては、費用対効果評価専門部会のマターであると思っておりまして、このアプレイザルの方法と価格調整の方法をこれから並行的に議論を進める中でという意味合いで書いてございまして、必ず合同部会で ICER の調整の話をするという趣旨ではございません。

 

 誤解のある記載で申しわけございませんでした。後ほどまた御説明いたします。

 

○荒井部会長

 

 どうぞ。

 

○松本純一委員

 

 よくわからないのですが、今のは7ページの(3)の御説明ですか。

 

○古元医療課企画官

 

 もう一度説明させていただきます。

 

 今回、6~7ページで(案1)(案2)(案3)と御提示させていただいた方法につきましては、本部会においての検討のマターであると考えております。ただ、そちらに書きました「薬価専門部会及び保険医療材料専門部会における、価格調整のあり方の検討状況を踏まえつつ」というのは、総合的評価(アプレイザル)の検討と、価格調整の方法を今後、同時期に進めていく中でという意味合いを書いてございまして、このマターそのものは本部会において議論を進めていきたいと考えてございますので、よろしくお願いいたします。ちょっと説明がわかりづらくて申しわけありません。

 

○松本純一委員

 

 よろしいですか。当部会、薬価専門部会及び保険医療材料専門部会が、価格調整のあり方について検討をした。それを踏まえつつということですか。

 

○古元医療課企画官

 

 そういうことでございます。

 

○松本純一委員

 

 文章が2つになってもいいですから、理解しやすいように書き直してください。

 

○荒井部会長

 

 それから、前半の具体的に議論してほしいということで、技術的に支払い意思額の3とか4の両方を出すようなことは、技術的に大変なのかどうかという質問があったと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。もしかしたら、企画官というか参考人のほうなのかもしれませんが。

 

○古元医療課企画官

 

 技術的には可能でございます。ただ、そこで基準をどのように用いるかを慎重に今回は議論していきたいと思っておりますので、少し丁寧に議論したいということで、今回の論点を提示させていただきました。

 

○荒井部会長

 

 よろしいですか。では、松本委員、どうぞ。

 

○松本純一委員

 

 恐らく、2ページの(表2)の3と4の違いが、「社会としての負担」が入っているか入っていないか。対象人数も若干違いはありますけれども、そのことだと私は思うのです。

 

 我々が知りたいのは「社会としての負担」が質問に入っているか入っていないかで、どれだけの違いが出るかも実は興味があるところなのです。ですので、一番右の活用の欄に○がありますから、技術的に可能なのはよくわかるのですけれども、いわゆる時間的なものが、先ほど吉森委員から、なぜこんなに遅いのだという御意見もありましたから、それが時間的に可能かどうか。そういった意味では参考人にお聞きしたほうがいいのかもしれません。

 

○荒井部会長

 

 どうでしょうか。では、お願いします。

 

○福田参考人

 

 御質問ありがとうございます。参考人の福田でございます。

 

 御指摘のとおりで、技術的には可能でございまして、その方針を決めていただければ、対応した指針を準備することはできます。

 

○荒井部会長

 

 今のは時間的に、技術的に大丈夫だということですね。

 

 では、松本吉郎委員、お願いします。

 

○松本吉郎委員

 

 2ページ目の「2.評価基準の設定について」の案でございますけれども、確かに、この表1はこれまでにも繰り返し何度も出てきた経緯は認識しております。

 

 ただ、ここの評価に至るまでの討論に非常に時間が費やされてきた経緯の中で、果たしてこの評価の段階がこのままでいいかについては、きちんとした議論が足りなかった感じもいたしておりますけれども、今の段階で、5段階とするということで明確に答えてございますが、認識として各委員ともこれで本当によろしいのかどうかのコンセンサスは本当に得られているのかどうかを、厚労省のほうに確認したいと思います。

 

○荒井部会長

 

 では、医療課長、お願いします。

 

○迫井医療課長

 

 医療課長でございます。

 

 進め方の話ですので、私から、事務局としての理解をお話しさせていただきたいと思っておりますが、吉森委員からも御指摘がございました、繰り返し提出させていただいている資料が前提となっているのはおっしゃるとおりであります。

 

 一方で、まさに今、松本吉郎委員がおっしゃったことが、我々の問題意識として非常に重要だと思っておりまして、例えば、この4つの調査について、こういったことが論点であるということを改めて整理させていただいております。

 

 例えば、金額の調査につきましても、社会としての負担も調査しているものは、現実問題として、3と4の違いで明らかになっているところであります。一方で、両方とも聞いている調査もあります。

 

 ただ、将来的にこれを仮に、活用するならば、もともとの議論の論点としては、社会の負担であることを前提に議論していくのではないかということでございます。

 

 事務局として慎重になっているのは、基本的に幾つかのステップを踏んで、ある程度の合意形成をしていくことが必要だと思っておりますので、逆に言いますと、事務局なりの御提案のようなものは現在、出しておりません。ですので、まさに事務局の認識というよりは、むしろこの部会の御認識を確認していただくことが、私どもとしては筋ではないかと理解いたしております。

 

 したがいまして、部会の御意見をいただきたいというのが、事務局としての率直な気持ちでございます。

 

○荒井部会長

 

 では、松本純一委員、お願いします。

 

○松本純一委員

 

 今の松本吉郎委員の話は、例えば、この「評価の段階」は一回、これが適正かどうかでずっとこのまま来ているけれども、どうなのだろうという質問も入ったと思うのですが、私としては、これは「とても悪い」「悪い」「受け入れ可能」「良い」「とても良い」というよりは、例えば、費用対効果が適正であるは2プラス、適正は1プラス、0、1マイナス、2マイナスという形のほうがいいのかなと個人的には思いますけれども、5段階がわかればいいという意味では、これでもいいのかなと。この辺は言葉の問題、あるいは2プラス、1プラス、0、1マイナス、2マイナスのほうがわかりやすい人もいるかもしれないが、そういう評価でどうだろうかと。

 

○荒井部会長

 

 吉森委員、どうぞ。

 

○吉森委員

 

 今、課長のほうから話がありましたが、この総会での方向性というもので論点が出ているのですけれども、この論点をそもそも議論するために具体的に、例えば、過去の支払い意思額調査の社会的負担というと、1、2、3とあるわけですし、3については個人のものもあるということで、こういうものを具体的に5段階にしてみたらどうかという絵姿を見て議論していくことが必要だと申し上げているので、方向性を出すために材料がなくて、これだけで議論しなさいというのは乱暴ではないか。丁寧だとおっしゃるのならば、やはり具体的にいろいろ示していただきたいと申し上げているわけです。

 

○荒井部会長

 

 安部委員、どうぞ。

 

○安部委員

 

 英国を参考にすることは、資料からイメージができたわけですが、4ページの(表5)で、イギリスの場合には推奨の度合いがこの3段階になっているわけですが、今回の試行的導入では、評価の基準の設定は5段階にするということで、仮にこの英国の3段階を参考にした場合には、日本の5段階に直すときに、例えば、日本の5段階の2、3、4が英国の3段階に当たるイメージで、それ以上、それ以下という形でやるイメージなのか。それとも、英国の3段階を参考にしながら、改めてこの5段階について仕立て直すというか、数値を入れていくのか。どちらのイメージなのでしょうか。

 

○荒井部会長

 

 企画官、どうぞ。

 

○古元医療課企画官

 

 英国は、そもそも保険といいますか、税方式ですけれども、対象に収載するか否かの判断にも用いるなど、極めて我が国とは仕組みとしては異なりますので、そういったことも考慮しまして、ぴたっと5段階とそろえる考え方が合致するのか、そういったことも含めて検討しなくてはいけないとは考えております。

 

 ただ、今回の御提案としては、参照する国としましては、医療体制、生活の状況などが日本と近い国をまずは参考にできないか。こういった御提案ではあります。

 

○荒井部会長

 

 安部委員、どうぞ。

 

○安部委員

 

 では、今後、議論を深めるということで理解をします。

 

○荒井部会長

 

 万代委員、どうぞ。

 

○万代委員

 

 私も吉森委員の御意見に賛成でございまして、一歩も二歩も進めるべきと思っております。そういった意味では、まず3ページのところで、過去調査についてということで「 検討の視点」が示されておりますが、特に2のところで、「公的医療保険制度において」云々と書いてあります。しかし、ここのところにつきましても、これまでの議論として、個人の負担額で聞いた場合はどうかという意見も出ておりましたので、ここは両者を尋ねた調査、あるいは両者に尋ねた調査と同等の調査を採用する。そういったことが必要かなと思っております。

 

 そういった観点から一歩進めるという意味では、先ほど松本委員からもありましたように、3か4のどちらかであろうということでありますし、それに対するデータの算出は、参考人の先生方からすれば、御負担はあると思いますけれども、いろいろなデータを出せるということであれば、この場では3と4を用いた具体例を出していただいて、それで受諾確率曲線が描けますので、描けたら2ページの上半分の内容、今、松本純一委員が指摘された、1~5段階の、用語をどうするかは別としまして、これについてもどんなイメージかがわかると思いますので、そこのところを、事務局の検討の視点を認めた上で、なおかつさらに進めるという意味では、3と4を採用するのかなとは思っております。

 

 次の諸外国による評価基準につきましても、どれか選ぶと書いてございますが、今、企画官が言われましたように、イギリスは税方式でございますので、相当日本と違う、社会保険方式とは違うことからすれば、本当にイギリスがいいかどうかも考えられますので、そういった意味では、4カ国全部を比較いただくことも、議論を進める意味では重要かなとは思っております。

 

 ということで、吉森委員あるいは松本純一委員が言われるように、より具体的なデータを出していただく。それをもとに、それぞれの個々の項目をどのように考えたほうがいいと思います。

 

 事務局としては、この試行的導入を制度化に向けての参考にしたいと思っておられるのかもしれませんけれども、ここは少し話を進めるという観点からは、試行的導入で得られたものが、制度化に向けて、ひょっとしたら役立たないかもしれない。でも、それでも議論を進めるという意味では、必ずしも制度化につながらないことがあったとしても、あくまでも試行的導入でございますので、それを進めるという意味で、より具体的なデータを早急に出していただくことが必要かと思います。

 

 以上です。

 

○荒井部会長

 

 ありがとうございました。

 

 松本吉郎委員、お願いします。

 

○松本吉郎委員

 

 吉森委員、それから万代委員、松本純一委員としても、ある程度進めていきながら、もう一回検討していこうということになっておりますので、この評価のあり方につきましても、ある程度進んでから、もう一度改めて少し考えてみる余地は残しておいていただきたいと思います。

 

 以上です。

 

○荒井部会長

 

 ありがとうございました。

 

 松本純一委員、どうぞ。

 

○松本純一委員

 

 あえて一言、言わせていただきますが、参考資料を見させていただいても、やはりこの調査は非常に無理があると思わざるを得ません。ですので、試行的導入には過去の調査を使うということですけれども、本格的導入になった場合には、これは一度、この「支払い意思額」という名称も含めて調査方法を検討しないと、これは本格的導入にはならないと改めて思いました。

 

○荒井部会長

 

 ほかにはいかがでしょうか。猪口委員、よろしくお願いします。

 

○猪口委員

 

 もうある程度、議論は固まっているように思うので、次の段階では、例えば、3ページでは一応、社会としての負担額というふうに、方向性としては固まっていると思います。

 

 それから、5ページは「 検討の視点:ということで、外貨でやる場合、やはりレートの問題がありますので、 GDP で換算していったほうが多分、正確ではないかと思います。

 

 6ページの案としては、ICER がいっぱい出てきても困りますので、複数の疾患がある場合は、それぞれの使用患者割合で加重平均して、総合的に見るほうが、額が一本化されるのでわかりやすいと思いますので、そのような形で進めていただければよろしいのではないかと個人的には思います。

 

○荒井部会長

 

 では、安部委員、お願いします。

 

○安部委員

 

 支払い意思額の過去調査についてですが、参考資料というか、別紙の表を見ますと、3と4の白岩さんという方がやった研究の、社会的な負担と個人的な自己負担の額は、それほど大きく離れていないわけです。参考人の方にお聞きしますけれども、このぐらいの差で、受諾確率曲線に大きな影響はあるのでしょうか。

 

○荒井部会長

 

 では、参考人、お願いします。

 

○福田参考人

 

 これは曲線を描いてみないとわからないところがあるのですけれども、少しはずれることにはなると思いますが、「大きな」の程度によりますけれども、余り大きな差ではないと思います。

 

○荒井部会長

 

 遠藤委員、お願いします。

 

○遠藤委員

 

 ちょっとお聞きしたいのですけれども、この日本の調査の中で、一つそれを使っていくことと、諸外国のデータを参考にすることの両方があるわけですけれども、国内のデータと海外のデータをどうリンクして使うのか。どれか一つ使うのか、それとも海外のどの部分を参考にされるのかをお聞きしたいと思います。

 

○荒井部会長

 

 企画官、お願いします。

 

○古元医療課企画官

 

 その御指摘の点を含めまして、具体的なものをまた御提示しながら議論をさせていただきたいということでございまして、具体的にどの当てはめをどこに当てはめるというところまでは、この時点ではまだ御提案を申し上げられないと思います。

 

○荒井部会長

 

 ほかには。では、中村委員、お願いします。

 

○中村部会長代理

 

 今までの議論をお伺いしていますと、3ページのところの「 検討の視点」、それから5ページの「 検討の視点」。具体的に言えば、評価基準であるとか、質問形式とか、あるいは調査。こういったものをどうするかという評価の視点であるとか、実際の為替レートであるとか GDP の話のほうは、今までの議論をお返しすると、とりあえずのデータを、多くの可能性を考えて出していただいて、その中でどれがいいかを検討する。早く進めたほうがいいという話だと思ったのですけれども、6ページの「(2)論点」に出てきているのですが、先ほどの3ページと5ページの議論を踏まえると、この(案1)(案2)(案3)のどれかにするかも今は決めずに、実際の ICER のそれぞれ適応を、 ICER の値を見ながらという議論になろうかと思ったのです。

 

 ただ、これは事務局に確認したいのですけれども、まだオプジーボにしてもアクティバRC にしても、現段階でそれぞれの適応の ICER の値をこの場で出すのは、多分、不適当かなと思ったのです。

 

 私の質問は、確かに3ページと5ページに関してはこちらのいろいろなデータを出してもらって、こちらで議論するのが適切かと思ったのですけれども、6ページの論点の1、2、3のどれにするかというときに、実際のデータを出してここで議論するのは大丈夫なのかと思ったのですが、そのあたりはいかがなのでしょうか。

 

○荒井部会長

 

 企画官、どうぞ。

 

○古元医療課企画官

 

13 品目それぞれの ICER の値について、具体的にここの公開の場で議論することは難しいということでございます。御指摘のとおりです。

 

○中村部会長代理

 

 となると、とりあえずは3ページと5ページに関しては、きょうの議論の方向性でという形なのでしょうけれども、6ページのICER の点については、3ページと5ページの議論とは違う形で進めると。

 

○荒井部会長

 

 企画官、どうぞ。

 

○古元医療課企画官

 

13 品目の ICER につきましては、御指摘のとおり、この場で案の形で御提示することは難しゅうございますので、そこはまた違う形で議論が深められるように、結論を導くように進めていきたいと考えてございます。

 

 ありがとうございます。

 

○荒井部会長

 

 ほかには。では、専門委員、お願いします。

 

○上出専門委員

 

 ありがとうございます。

 

 2ページ目の「2.評価基準の設定について」の、上段の5段階の表の表現について、先ほど、松本委員から、「良い」、「悪い」というよりは、「1プラス」、「1マイナス」という方がよいのではないかという御発言がございました。

 

 私どもも、ICER の評価であれば、これはある仮定から出した相対的な数値でございますので、例えば、 ICER が高いとか低いといった表現のほうが適切ではないかと考えています。

 

 また、このICER の評価に加えて、倫理的・社会的な要素も踏まえた総合評価の結果につきましても、「費用対効果がとても悪い」というような表現ですと、一般市民の方から見ますと、「費用対効果の悪い薬」という誤解も招きかねないので、そういった意味では、この表現も可能であれば検討いただけないかと考えております。

 

 以上でございます。

 

○荒井部会長

 

 ありがとうございました。

 

 ほかにはよろしいでしょうか。

 

 ほかに御意見等もないようでしたら、本件については本日の御意見を踏まえ、御提案いただいた方向で事務局において検討を進めることとしてよろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○荒井部会長

 

 ありがとうございました。

 

 それでは、そのようにしたいと存じます。

 

 本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡しますので、よろしくお願いします。

 

 それでは、本日の「費用対効果評価専門部会」はこれにて閉会といたします。

 

 どうもありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線)3288

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