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2018年1月11日 第61回先進医療会議
○日時
平成30年1月11日(木)15:30~
○場所
全国都市会館 大ホール(2階)
○出席者
【構成員等】 |
宮坂座長 五十嵐構成員 石川構成員 梅村構成員 柴田構成員 福井構成員 |
福田構成員 藤原構成員 山口構成員 山本構成員 横井構成員 |
赤川技術専門委員 渥美技術専門委員 五十嵐敦之技術専門委員 榎本技術専門委員 川村技術専門委員 |
北川技術専門委員 斎藤技術専門委員 笹子技術専門委員 高橋信一技術専門委員 高橋政代技術専門委員 |
辻技術専門委員 戸山技術専門委員 長瀬技術専門委員 平形技術専門委員 本田技術専門委員 |
松原技術専門委員 村田技術専門委員 矢冨技術専門委員 |
【事務局】 |
医療課長 医療課企画官 医療技術評価推進室長補佐 医療課長補佐 先進・再生医療迅速評価専門官 |
保険医療企画調査室長 研究開発振興課長 先進医療専門官 他 |
○議題
議 題
1 先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価について
(先-1)(別紙1)
2 先進医療Aに係る新規技術の科学的評価について
(先-2)(別紙2)
3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価について
(先-3)(別紙3)
4 先進医療Bの取り下げについて
(先-4)
5 平成29年度先進医療技術の実績報告等について
(先-5-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
(先-5-2)
(先-5-3)
6 先進医療技術の科学的評価等について
(先-6-1)(参考資料1)(参考資料2)(参考資料3)
(先-6-2)
(先-6-3)
7 平成30年度先進医療会議開催予定(案)について
(先-7)
○議事
15:30開会
○宮坂座長
それでは、ただいまより「先進医療会議」を開催いたします。お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。
構成員の先生方の出欠状況ですが、本日は全員御出席です
また、事前評価をしていただいた笹子技術専門委員、五十嵐敦之技術専門委員に御出席をいただいております。
また、先進医療技術の科学的評価等に係る審議のため、赤川委員、渥美委員、榎本委員、川村委員、北川委員、斎藤委員、高橋信一委員、高橋政代委員、辻委員、戸山委員、長瀬委員、平形委員、本田委員、松原委員、村田委員、矢冨委員に出席していただいております。
笹子委員は御出席の予定ですが、少しおくれていらっしゃるようです。
また、新井委員、磯部委員、上田委員、竹中委員より御欠席との連絡をいただいております。欠席されます技術専門委員の先生方からは委任状の提出があり、議事決定につきましては私、座長に一任するとされております。
それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
頭撮りについてはここまでとさせていただきます。
資料の確認をいたします。
最初に議事次第、座席表、構成員名簿。
先-1「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙1がついてございます。
先-2「先進医療Aの新規届出技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございます。こちらに別紙2がついてございます。
先-3「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」としている横紙の資料がございまして、こちらに別紙3がついてございます。
先-4「先進医療Bの取下げについて」としている横紙の資料がございます。
先-5-1「平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」としている資料がございまして、こちらには参考資料1から3がついてございます。
先-5-2「1年間(平成28年7月1日~平成29年6月30日)の実施件数が0件である先進医療技術(先進医療A)に係る医療機関の今後の対応方針等」としている資料がございます
先-5-3「暫定的に先進医療Aとして実施している技術について」としている1枚紙の資料がございます。
先-6-1「先進医療に係る検討について」としている左上ホッチキスどめの資料、こちらには参考資料1から3がついてございます。
先-6-2「各先進医療技術の概要」としている分厚い資料。
先-6-3「粒子線治療の取扱いについて」の資料がございます。
最後に、先-7「平成30年度先進医療会議開催予定(案)」としている1枚紙の資料がございます。
資料の確認は以上でございます。
資料について、不足、誤り等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
また、今回もタブレットを使用していただきたいと思います。届出書類等については、タブレットから閲覧していただきます。会議資料とタブレットの内容は異なっておりますので、発言者は会議資料のページまたはタブレットのページとあらかじめ御発言いただけますと、議事の進行上助かりますので、よろしくお願いいたします。
また、タブレットの使用方法等について、何か御不明な点がございましたら、適宜お声かけいただけましたら幸いでございます。
以上でございます。
○宮坂座長
資料等についてはよろしいでしょうか。
それでは、今回検討対象となる技術等に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果について、事務局から報告をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。それでは、今回検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告いたします。
山口構成員と笹子委員より、先進医療Aとして再評価を行う整理番号327の技術について報告がありました。山口構成員と笹子委員におかれましては、評価対象技術に含まれる医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます。
次に、五十嵐敦之委員より、先進医療Aとして評価を行う整理番号334の技術について御報告がありました。五十嵐委員におかれましては、製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、同規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます
最後に、梅村構成員より、先進医療Bとして評価を行う整理番号119の技術について御報告がありました。梅村構成員におかれましては、製造販売業者等からの受領額が50万円以下でございましたので、同規定に基づきまして、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能でございます
以上でございます。
○宮坂座長 ありがとうございました。
そのほかの出席されている構成員におかれましては、このような事例はないということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは「先進医療会議にて継続審議の評価を受けた先進医療Aの技術の再評価」について、本来は先-1から行うのですけれども、委員の御都合もありまして、先-1を後にして、先-2から始めたいと思います。整理番号334になります。
それでは、 「先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について」説明をお願いします。
○医療課長補佐 事務局でございます。
資料先-2をごらんください。今回御審議いただきます技術は、整理番号334「血清TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断」でございます。
適応症につきましては「皮膚科専門医が重症あるいは重症化の可能性があると判断した汎発型皮疹の患者で、かつ薬疹が疑われるもの」となっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は、梅村構成員及び五十嵐敦之技術専門委員にお願いしてございましていずれも「適」の御評価をいただいております。
続きまして、別紙2の3ページをごらんください。当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件(案)をお示ししてございます。
実施責任医師の要件としましては、診療科として皮膚科を標榜していること。
資格としては皮膚科専門医であること。
当該診療科の経験年数が10年以上であることとしております。
次に、医療機関の要件といたしまして、診療科としては皮膚科を標榜していること。
実施診療科の医師数としましては、皮膚科医が2名以上、うち1年は経験10年以上の皮膚科専門医であることとしています。
他診療科の医師数としまして、内科の常勤医師が1名以上必要。
その他の医療従事者の配置として、臨床検査技師が必要。
病床数としては100床以上が必要。
看護配置として10対1以上が必要。
当直体制として、皮膚科当直またはオンコール対応が必要。
緊急手術の実施体制は不要。
24時間の院内検査の実施体制は必要。
医療機器の保守管理体制、倫理委員会による審査体制、医療安全管理委員会の設置を必要としております。
また、その他の要件として、最下段にございますように、DIHS/DRESSの診断については、厚生労働省「重症多形滲出性紅斑に関する調査研究班」において検討の上、最終診断を行うため、診療情報を研究班に提出することとしております。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長 ありがとうございました。 それでは、この334でございますけれども、事前評価を担当した梅村構成員より、技術の内容及び評価結果について説明をお願いいたします。
○梅村構成員 では、やらせていただきます。
今、簡単な説明があったかと思うのですけれども、9ページに絵も含めてございます。TARC迅速測定法を用いた重症薬疹の早期診断ということで、概要は「本技術は、『自動免疫測定装置HISCL』」、これはよくある装置なのですけれども、それの「『TARC試薬』を用いて薬剤性過敏症症候群のバイオマーカーであるTARC」、これはふだんはアトピー性皮膚炎の重症度に使われていた方法のようですけれども、これを用いて「従来難しかった重症薬疹の型判別を早期に行う」と。
この下の右にありますけれども、DIHS/DRESS(薬剤性過敏症症候群)あるいはSJS/TEN(スチーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症)、MPE(紅斑丘疹型薬疹)ということで、ここにも写真がありますけれども、結構重症なもので、死亡率が10%以上というもののようですけれども、これの鑑別にこの方法を用いると約17分でできる、今までやられていなかった方法ということであります。
その後ろのページにロードマップがありますけれども、これは一部、除外基準が変わっていますけれども、15mgステロイド治療ではなくて、20mg/日以上のステロイド治療ということで、一部変更があります。
13ページに行きますと、データが非常にわかりやすいですけれども、このDIHS/DRESSの患者とSJS/TEN、MPEの患者で有意にTARCの濃度が違うということが一目瞭然であります。これが4,000pg/ml以上で疑って、10,000pg/mlでかなり強く疑うということのようです。
さらに次の14ページにもございますけれども、図4、5で、治療経過によってTARC値が非常に下がってくるということで、治療効果も判定ができるという方法でございます。
あとは後ろのほうに、各疾患の今まで使われていた診断基準です。DIHSというのも、発症後から2カ月後に経過等から診断する。今度の方法ができると、それが早く診断できるということで非常に重要な方法だと思います。
最初のページに戻りまして、適応症は、今言いましたとおりDIHS/DRESSの早期診断に使うということで妥当であろうということです。
有効性も、今述べましたとおり、今までスチーブンス・ジョンソン症候群、TENなどの早期鑑別は困難だったのですけれども、これで大幅に有効になるということです。
安全性に関しては、30µの血清だけですから、特に問題ないだろうということです。
技術的成熟度は、ほかのアトピー性皮膚炎などでは使われていたということで、皮膚科専門医のもとでやれば問題ないだろうということでAであります。
倫理的にも、特にそういうことで問題ないということでAであります。
現時点での普及性ですけれども、先ほど言いましたアトピー性皮膚炎等では使われているようですけれども、この薬疹に関してはそれほど普及はしていなかったことでCです。
効率性ですけども、既に保険導入されている医療技術は特にないと思いますけれども、先ほど御説明したように、非常に大幅に効率的な方法であろうと考えてAとしております。
したがって、将来の保険収載の必要性もAとさせていただきました。
総評も、総合判定「適」ということで、コメントには先ほども述べましたように、幾つか診断基準が明確に記載されていなかったので、それについて記載していただきました。
既にステロイドを投与したりするケースもいろいろありますので、どういう場合には除外するかというのも、新たに確認して記載をしていただきました。
基本的には適格性の評価です。
3ページに、当該技術の医療機関の要件ということですけれども、これに関しては基本的に先ほども御説明があったとおりなので、これで問題ないのではないかと思います。
感度と特異度に関しては、御専門の柴田先生のほうから追加していただけるということなのでお願いします。
○宮坂座長
今、柴田先生、追加されますか。
○柴田構成員
後でも。
○宮坂座長
後でよろしいですね。
ありがとうございました。
続きまして、事前評価を担当した五十嵐敦之委員より、評価結果等についての御説明をお願いします。
○五十嵐(敦)技術専門委員
技術専門委員の五十嵐でございます。
今、梅村先生の御説明があったとおりでして、私のほうの先進技術の適格性の評価も、先-2の別紙2の2ページ目が私の記載なのですけども、梅村先生の評価と全く同じでございます。
では、なぜこの技術が必要かということを、皮膚科的な立場から申し上げますと、重症薬疹は、このDIHSのほかにスチーブンス・ジョンソン症候群とTEN、この3つが主なのでございますけれども、非常に早期診断と早期の対処が必要なのですが、スチーブンス・ジョンソン・シンドローム(SJS)とかTENですと、ステロイドのパルス療法をかなり早期に行うことがあるのですが、DIHSに限って言いますと、ステロイドのパルス療法を行うとかえって予後が悪いというデータもあるのです。そこで、疾患を早期に鑑別するのは臨床の場では非常に重要でございます。ただ、今までは臨床所見や一般検査で鑑別を試みるのですが、鑑別できないまま日にちがたってしまって治療が後手に回ることがあります。3つの薬疹は生命にかかわる疾患でございますので、やはり早期に鑑別できる手段、特に検査があれば非常に有用だなと思っていました。
そこへもって奈良県立医大の先生方のグループが、ちょうど5年ぐらい前の2012年あたりから論文をお出しになって、きょうの資料にもついてございますけれども、紙の資料では14ページの下の方にグラフが出ていますけれども、発症15日以内と発症5-10日で見ても、かなりクリアカットにわかります。そういうことからすると、TARCはもともとアトピー性皮膚炎の実臨床で行っている検査でございまして、今回これを迅速にやるということなのですけれども、先ほど言った観点からすると、非常に鑑別に有用な手段、特に採血だけでできる検査でございますので、私は皮膚科としてこの検査に期待をしております。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。
柴田先生、お願いします。
○柴田構成員
柴田です。
この技術の有用性については何ら異存はございません。前向きに進めていただいてよいのではないかと思うのですが、お手元の資料の17ページをごらんください。後々、このものの有効性なり有用性なりを評価する際に混乱しないように、明確にしておきたい点がございます。
主要評価項目のところに感度、特異度、それぞれ横並びで書いてあるのですが、これらが両方とも、条件を満たしたときに有効と判断するという基準が書いてあるのですが、この感度を判定するときのTARC濃度の閾値が4,000、特異度の評価をするときの閾値が10,000になっているので、これはどちらかにそろえないと、この検査方法の感度、特異度の評価としてはおかしくなってしまいますので、そこのところは手続上、書類上のことではございますが、修正していただく必要はあるかと考えます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
これは、確かにおっしゃるとおりだと思いますので、それは一度、事務局のほうからフィードバックしていただけますか。
どうぞ。
○医療課長補佐
事務局でございます。
今回、申請書類のほうには、このカットオフ値を4,000pg/mlもしくは10,000pg/mlの2ポイントでの感度、特異度と書かれている17ページの記載以上のことは書かれてはいないのですけれども、今回の解析を最終的に行う際には、感度、特異度共に、主要評価項目以外の項目は、カットオフ値がいずれの場合でも副次評価項目として測定するということでございます。申請書類にあります、主要評価項目のカットオフ値を一方にそろえるというご指摘に関しては、そのように伝えさせていただきたいと思っております。
○宮坂座長 ありがとうございました。
TARCというのは炎症性ケモカインですけれども、こういうものはカットオフを設けても、疾患特異的に本当に異常値が示せるかどうかというのはなかなか難しいところだと思うのですけれども、今はSJS/TENとDIHSとの鑑別に役立つからというのが五十嵐先生の御説明であったと思いますけれども、似て非なる病気、例えば、皮疹がなくてもTARCが高い疾患はいっぱいあると思うのですけれども、4,000とか10,000というのは、実際にはこんなに高いものはないという考えでよろしいですか。
○五十嵐(敦)技術専門委員
皮膚疾患でしか測定の経験がないので、皮疹を伴わない疾患については私は余り存じ上げないのですが、先ほどのアトピー性皮膚炎の病勢を見るということは既に保険収載されているのですけれども、ほかの疾患でも上がります。例えば悪性リンパ腫とか水疱症とかも上がるのですけれども、今回の薬疹に限って言えば、DIHSは上がるのですけれども、なぜかTENとかスチーブンス・ジョンソン症候群はそんなに上がらないのです。その理由については私も細かいところは存じませんが、やはり鑑別にはなるので、これに関してはやはり有用かなと思います。
○宮坂座長
私は今、PMDAの健康被害救済部で健康被害救済の仕事をしているのですけれども、DIHSもSJSもTENもたくさん上がってくるのです。DIHSの場合には、HHV-6の再活性化を見ることで、かなり特異性が上がると言われていると思うのですけれども、それがあってもなおかつ、このTARCが必要かどうかという点についてはいかがですか。
○五十嵐(敦)技術専門委員
ありがとうございます。
HHV-6の活性化というのは、病日が少し後ろになってから上がってくるのですけれども、TARCは、例えば先ほどの14ページ、発症後5日から10日でも差が出てきますので、HHV-6の活性化が起きる前の段階でディテクトできる、そこがかなりHHV-6とは違うと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何かほかに御質問はございますか。
藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
藤原です。
この最初の先-2の13ページの上から2行目ぐらいのところに、シスメックス社のHISCL(R)TARC試薬の同等品である既承認品のアラポート(R)TARC試薬を用いて云々と書いてあるのですけれども、あと、お手元のタブレットの資料などを見ると、現行のTARCの承認範囲というのは、Th2の測定をアトピー性皮膚炎の重症度評価の補助に使うという内容になっているのを、効能追加でシスメックスさんが変更したいために、この先進医療を使うと私は理解しました。
あと、PMDAの対面助言も、この奈良県立医大の先生が受けているわけではなくて、シスメックスさんが受けているので、ロードマップの中では最終的にはシスメックスさんが主体的に承認申請するのだろうなと。ただ、重症薬疹が非常に患者数が少ないので、通常の性能試験を企業さんが依頼して大学病院でやると、いつ終わるかわからない、幾らお金がかかるかわからないというので、研究班の枠組みを利用して、何とかこういう領域の効能追加をしようというために先進医療Aに上げてきたのだろうと解釈したのですけれども、それでいいでしょうか。
○宮坂座長
これは事務局も答えにくいですね。
○医療課長補佐
事務局でございます。
藤原構成員のおっしゃる点はごもっともで、そういう部分はございます。
○藤原構成員
もう一点、この既承認品のアラポート(R)TARC試薬というのは、重症薬疹の判定には使えるのですか。それとも使えない、あるいはシスメックスさんのほうがよほどスピードが速いから、これは先進医療Aの意義があるということなのですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
現時点でTARCの検査自体が保険適用になっているのが、重症のアトピー性皮膚炎の重症度の判定に用いられることとなっておりますので、その薬事承認の範囲で保険適用の範囲となるというところでございます。今回のTARCの検査に関しては、基本的にはアトピー性皮膚炎でしか、今はいずれにおいても使えないという状況でございます。
○藤原構成員
ありがとうございます。
対面助言でも、PMDAがこの先進医療のデータを添付資料につけて申請可能ですと明言していますので、出口にちゃんとつながるいい内容になると思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
それでは、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
それでは、そのようにさせていただきます。
これで先-1に戻ればいいですね。
前に戻りますけれども、事務局のほうから先-1の説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-1をごらんください。今回御審議いただきます技術は、整理番号327「腹腔鏡下スリーブ状胃切除および十二指腸空腸バイパス術」でございます。
本技術は、平成27年4月に開催されました「第29回先進医療会議」で御審議された技術でございます。その際に継続審議となりましたが、今回先進医療会議からの指摘に対応されて再度提出されております。
前回の審議から今回の審議に至るまで長時間を要した大きな要因といたしましては、指摘事項への対応のために、多施設共同の後方視的な観察研究を立ち上げて御評価された等がございます。
適応症につきましては「内科的治療抵抗性の糖尿病を合併する重症肥満症(BM≧35kg/ヘイホウメートル)」となっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は、福田構成員及び笹子技術専門委員にお願いしてございまして「条件付き適」の御評価をいただいております。
続きまして、別紙1の3ページをごらんください。こちらに当該技術を実施するための実施責任医師及び医療機関の要件の案をお示ししております。
実施責任医師の要件としましては、診療科として消化器外科を標榜していること。
資格としては外科専門医であること。
当該診療科の経験年数が5年以上であり、当該技術の経験年数が2年以上あること。
当該技術の経験症例数として、既に保険収載されている腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の術者として10例以上を経験し、かつ当該技術の術者として5例以上を経験していること。それに加え、助手または術者として2例以上を経験していることとしております。
次に、医療機関の要件としまして、診療科としては、消化器外科、糖尿病内科、麻酔科を標榜していること。
実施診療科の医師数として、当該技術の経験を3年以上有する常勤の外科専門医を2名以上擁すること。
他診療科の医師数として、高血圧症、脂質異常症または糖尿病の治療について5年以上の経験を有する内科医が1名以上、かつ麻酔科標榜医が1名以上必要。
その他の医療従事者の配置として、管理栄養士、社会福祉士が必要。
病床数としては10床以上が必要。
当直体制、緊急手術の実施体制、24時間の院内検査の実施体制、医療機器の保守管理体制、倫理委員会による審査体制、医療安全管理委員会の設置を必要としております。
医療機関としての当該技術の実施症例数が3例以上必要。
その他として、腹腔鏡下胃切除術、K655-2を年間20例以上施行していることが必要でございます。
12カ月間または5症例までは、毎月の報告が必要。
最後に、上記診療科医師、管理栄養士を加えて多職種による術前症例検討が行われることとしております。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、事前評価を担当した福田構成員から、評価結果等について説明をお願いいたします。
○福田構成員
それでは、事前評価の結果につきまして、先-1別紙1の資料に基づいて御報告をさせていただきます。
当該技術は、今、御説明ありましたが、既に保険収載されている技術として腹腔鏡下スリーブ状胃切除術というのがございます。これと十二指腸空腸バイパス術を組み合わせて行うというものでありまして、もともとスリーブ状胃切除術によって摂食制限ができることによって、体重の減少とか糖尿病の改善が期待されると。そのための保険収載がされている技術ですが、それだけでは不十分な患者について、十二指腸空腸バイパス術を並行して同時に行うことによって、接触制限だけではなくて栄養の吸収の制限も行え、さらに有効であるということで提案をされている技術であります。
ただ、これについては継続審議となっておりまして、主に継続が必要とされた観点としては、国内における有効性、安全性のデータをきちんと整理して示してほしいと。もう一点が、患者の適格基準、どういう患者に適用するかというところが課題になったと。特に、既に保険収載されているスリーブ状胃切除術がございますので、これと対象患者は違うのかどうか、それと比較した有効性、安全性はどうなのかというところが課題になり、それについてのデータを収集していただいて、今回御提案いただいたということであります。
まず、1ページ目に従っていきますと、適応症については、最終的には妥当であると考えております。これにつきましては御説明をさせていただければと思うのですが、最終的に適応は、別紙1、49ページの別添3が、最終的な被験者の適格基準及び選定方法。
6カ月以上の内科的治療でも十分な効果が得られない18歳から65歳までの糖尿病を伴ったBMI35以上の重症肥満患者症例で、その下にあります初診時のABCDスコアが5点以下、もしくはインシュリン投与を受けている患者さんということであります。
このABCDスコアというものなのですけれども、これは53ページのところに、治療計画の中にABCDスコアの表がございます。これはスリーブ状胃切除術を行ったときに、糖尿病の改善がどういう患者に見込まれるかということで、スコア化して評価するというような形で、一般的に使われているスコアのシステムということで、このスコアの要素としては、年齢とBMIと血中Cペプチドと糖尿病の罹病期間というのがありますが、それぞれスコアを0~3でつけていって、その合計スコアが高いほうが改善が見込まれるということで用いられているというものです。
戻りますけれども、今回、49ページにあるとおり、このスコアが5点以下の患者に限定するということです。これは、このスコアが大きいほうがスリーブ状胃切除術で改善が見込まれる患者ですので、これが低いということは、それだけではなかなか改善されないと。実際にそのような治療成績が示されているもので、これについては胃の切除術だけではなくて、十二指腸空腸バイパス術を一緒に行ったほうが有効性が高いということが示されているということであります。
1ページに戻りますけれども、適応症は、そこに絞るのであれば妥当ではないかと判断をいたしました。
有効性に関しまして、従来の技術を用いるよりもやや有効であると考えられますし、問題はその次の安全性でありまして、一応「問題あり」というところにつけさせていただいています。
これは、提示された治療成績の中で集約されたものが、とじてあるもので言うと33ページの「術式比較」という表であります。2つ比較してありますが、左のLSGというのはスリーブ状胃切除術で、右側のものが組み合わせたものということです。
「利点」というところにありますが、体重減少はそれほど違わないのですけれども、糖尿病の改善については大きく改善をしているということが出ています。
ただ、申請者とのやりとりの間で課題になりましたは、その下の「安全性」でありまして、術後30日以内の合併症の発生率が3.4%と7.4%となっています。例数が限られておりますので、統計学的に有意な差ということではないのですけれども、この値だけを見ますと、やはり2倍程度で発生しているということで、安全性についてはちょっと課題があるのではないかいうところをつけさせていただいています。1ページに戻りますけれども、そういうことなので安全性はCになっています。
技術的な成熟度としては、ある程度経験を積んだ方がやるべきではないかと考えます。
倫理的な問題についてはないと思います。
普及性については、罹患率、有病率からして、まだ現段階では普及をしていないかなと思っています。
効率性については、これによって糖尿病の改善ということが見込まれますので、やや効率的ではないかと思います。
この先進医療を通じて、有効性あるいは安全性についてのものがきちんと示されれば、将来的には保険収載について検討することは妥当であると思います。
私のほうのまとめとしては、一応「条件付き適」とさせていただいて、これは特に先ほど申し上げたような安全性の課題というのが懸念されるところでありますので、それについては患者さんにリスク等についても十分説明した上で、同意を得た上で実施する。もちろんそういう実施計画になっておりますけれども、あえてそこはしっかりやってくだいという意味で、このような評価とさせていただきました。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
続きまして、事前評価を担当した笹子委員より、評価結果等について御説明をお願いいたします。
○笹子技術専門委員
お手元の資料の、33ページ目に当たる比較表という横のテーブルがあります。一番上のところに適応の違いが明記されています。
既にSleeve gastrectomyが保険収載されて、余り間もない時期に新しいのが出てきているのですけれども、適応をはっきりさせてくださいと。何でもかんでもこの先進医療でというのではないでしょうということで、こういうのがはっきり出てきたと。それでデータを出してもらったときに、やはり先ほどの30日以内の合併症ということが問題になっています。
35ページを見ていただくと、どういうことが問題なのかというと、従来のSleeve gastrectomyというのは胃が斜めに切られているだけなのです。それで、それ以降の吻合とか切り離しとかが一切ありません。消化管は、切り離して閉じたり、つないだりするところがひっつかないときに、瀕死の合併症になります。それで亡くなる方が必ずある程度の頻度は出ます。これは多分避けられないです。今回は、このデータの120何例では死んだ方はありませんけれども、多分、これがふえれば必ず死ぬ人が出ます。そういうことで慎重に絞ってほしい。何でもやれば、どんどん死ぬ人がふえるという危惧があります。
もう一つは、縫い合わせているところ、マル2というのが絵で書いてありますけれども、ここの部分は糸で縫っています。胃袋の長いラインは、これはホッチキスが縦にずらずらと並んだ道具で、機械で閉じて終わるのですけれども、このマル2のところというのはその機械が使えなくて、37ページに図が示してありますけれども、この部分だけは手で一針一針縫っています。技術の安定性という意味では、機械でやるほうが安定しています。現在、それに対応するような機械でやる方法はないということがありまして、その辺で厳しく、これをしないとすごく生命予後にかかわるような人に絞って適用していただきたいというようなことのやりとりで、最終的にこのような条件が出てきたということだと思います。その点だけモニタリングというか、今後もどこかの時点まででデータを常にチェックしながらやっていただく必要があるなと思います。
一つ、私もポイントアウトをし忘れていたのですけれども、一旦、合併症が起こると、相当重症になる可能性があるので、ICUがある施設と限定するほうがいいかなと、今、思ったのです。それだけです。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今のICU云々ということについては、後からつけ加えることは問題ないですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
本日の御議論の中で、それが必要ということになりましたら、そこは必須ということで対応させていただいて、申請医療機関に求めたいと考えております。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかに何か御意見はございますでしょうか。
当然、これは重度の肥満のある人で、合併症は当然たくさんあって、糖尿病もある人ですから、もともといろいろな手術をすれば合併症が起こりやすいわけですね。問題は、基準のところに「6カ月以上の内科的治療で十分な効果が得られない症例」と書いてありますけれども、ここもなかなか実際には難しくて、どこまでインテンシブに内科的な治療ができているか。例えばコンプライアンスが悪い人も必ずいますから。実際には欧米では、痩せるための手術として割と簡単にやられているようなところもあって、それはここではできるだけ防止をしたいと思うのですけれども、その点に関して先ほど事務局では、多分、当該の施設とやりとりをしたと思うのですけれども、適応を決める点についてと、あとは5例ずつ有効性、安全性を見ていくとおっしゃいましたか。もう一度、そこのところを説明していただけますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
別紙1の4ページ目をごらんください。こちらにその他の要件としまして、頻回の実績報告という形で、12カ月間または5症例までは毎月、厚生局のほうへ報告していただいて、そちらを本省のほうで確認させていただくという形にしてございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それと、あとは内科的治療云々というのは、今のところにあるように、上記診療科医師、管理栄養士を加えた多職種による術前症例検討が行われていることというところで、一つ歯どめをかけているということでよろしいでしょうか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
おっしゃるとおりでございまして、ここの他診療科の医師数にあります、具体的内容の部分で制限をかけてございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明について、何かほかに御質問あるいはコメントはございますでしょうか。
山本先生、どうぞ。
○山本構成員
先進医療Bの場合は臨床試験でもあるために、重篤な有害事象の報告というのをかなり厳格に適用していると思うのですけれども、それは先進医療Aにも適用されるという理解ですか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
先進医療の通知にも、有害事象については、先進医療A、先進医療Bとも同様の書き方をさせていただいていまして、死亡等の重篤なものは7日以内に報告すること等々、記載しておりますので、その点については同様の取り扱いになると考えてございます。
○山本構成員
それであれば、そこのところを申請者の方々にきっちりと運用していただくようにリマインドしておけば、死亡例があれば、その12カ月が済んだ後でもそれについては報告をいただける、制度上はそうなっているということですね。
○先進・再生医療迅速評価専門官
おっしゃるとおりでございます。
○宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
本当は死亡例が出たら7日以内ではまずくて、レベル3b以上というのは速やかに報告しなければいけない。それぞれの医療機関の安全性の委員会があるでしょうから、そこでもちろん対応することになるでしょうけれども、今の問題に関しては先進医療AもBも同じ基準でやるということです。
ほかにはよろしいでしょうか。
それでは、構成員の評価結果どおりに決定したいと存じますけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
それでは、そのようにさせていただきます。
これで先-1と2が終わりました。
次に事務局から「先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」の資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先-3をごらんください。
今回、御審議いただきます技術は、整理番号119「筋ジストロフィー心筋障害に対するTRPV2阻害薬内服療法」でございます。
適応症については「筋ジストロフィー患者に対する心不全」となっており、係る費用については資料にお示ししたとおりでございます。
こちらの事前評価は五十嵐隆座長代理にお願いしてございまして、総評として「適」の御評価をいただいております。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、事前評価を五十嵐座長代理にお願いします。
○五十嵐(隆)座長代理
それでは、御説明をさせていただきます。
筋ジストロフィー患者さんは、全身の骨格筋の障害が起きる病気ですけれども、心筋にも同じような障害が生じてまいります。
最終的には、患者さんが20代になりますと、もちろん歩行したりいろいろなことができなくなりますけれども、それと同時に心臓の機能も大分低下してまいりまして、結果的に呼吸不全あるいは心機能不全というのが死亡の直接の原因になるということが知られているわけであります。したがいまして、心不全をいかに治療するかということが、患者さんの生命予後にとりましては非常に大きな問題になっているのが今の状況だと思います。
現在、ACE inhibitorなどが使われて、心臓の負荷をとろうという治療が行われていますけれども、残念ながら余り有効ではないということも知られております。
このTransient receptor potential cation channel subfamily V member 2という、TRPV2というカルシウムチャネルです。伸展刺激感受性と言いまして、細胞が伸びるとカルシウムのチャネルが作動するチャネルでして、これは骨格筋とか心筋の細胞の中に本来は存在しているものであります。しかし、何らかのことで筋障害が進行いたしますと、このTRPV2が細胞内から細胞の膜の表面のほうに移動してまいりまして、その結果としてカルシウムイオンが細胞の中にさらに入ってくるということで、細胞の変性が進行してしまうという、一種の悪循環に入るということが知られています。
抗アレルギー薬である、アレルギーの患者さんたちに非常に広く使われているトラニラストという薬がありますけれども、これがTRPV2を阻害する作用があるということがわかっております。この薬を筋障害の進行している患者さん、特に今回は心不全の患者さんに対して、筋障害の悪化を抑えることを目的に先進医療Bの申請が出たわけであります。
パイロット試験として、心不全が進行している筋ジストロフィー患者さん4名に投与されまして、2例はほかの理由で治療が継続できなかったのですけれども、残りの2例の患者さんにおきましては、トラニラストを投与したところ、血液中の心不全の程度を推測するマーカーでありますBrain natriuretic peptide(BNP)の値が低下したという結果を得ることができました。
今回、トラニラストによる筋ジストロフィー患者さんの心筋障害の進行をおくらせるという目的で、先進医療Bとしての申請が出されたということであります。
42ページをごらんいただきたいのですが、先進医療Bとして20症例の患者さんの治療を行った後に、二重盲検試験を行うことを計画中ということになっています。
それでは、先進技術としての適格性について、評価結果をお話ししたいと思います。
まず、社会的な妥当性に関しましては、倫理的な問題はないと思います。
現時点での普及性は、普及はしていないと判断します。
効率性については、今申し上げましたように、4例の患者さんのうち2例で有効性が認められたわけで、残りの2例はドロップアウトしたということで評価ができておりません。明らかな延命効果があるというデータにはもちろんなっていないのですけれども、そういうことで効率性の評価は差し控えたいと考えております。
将来の保険収載の必要性ですけれども、Aの保険収載を将来することが妥当と考えます。ただし、そのためには、今後治験が行われるわけですけれども、生存率が改善すること、あるいは心機能の悪化を抑制する効果が、このBNPだけではなくて、できればほかの心不全のマーカーなどの改善があるということを示すことが必要なのではないかと考えております。
したがいまして、総評としては、総合判定は「適」としますけれども、そのためには本治療法の有効性が明らかにされることが不可欠ではないかと考えています。
以上です。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か御質問はございますでしょうか。
私から質問したいのですけれども、トラニラストはドラッグリポジショニングでは結構いろいろなところで使われていて、例えばChronicのGVHDにやろうとしているところもありますし、ほかの医師主導治験でやっているのもあって、確かにTRPV2の阻害効果はあるのでしょうけれども、ほかのところでも出てくる薬であるという点が1点です。
もう一つは、BNPは、実際にはかってみるとわかりますけれども、同一の症例でも日内変動もありますし、日差変動もありますし、運動負荷をかければ当然上がります。ですから、必ずしもそれほどいいバイオマーカーではないかもしれないというのと、41ページの表を見ると、Patient1はよくなったのかなと思えるのですけれども、Patient2については余りよくなったとも思えないのです。その点についてはどうお考えなのか。もちろん、この先進医療Bですぐ行ってしまうわけではなくて、その後、治験があって、ダブルブラインドがあるので、そこはいいと思うのですけれども、この2例が必ずしも適切な症例かどうか、Representativeな例かどうかはよくわからないかなというコメントがあるのです。
○五十嵐(隆)座長代理
私もそれについては気になっていまして、少し述べたのですけれども、2例しか出てこないのです。ただ、理論的には非常に効果がある可能性があるということと、なかなかほかにいい治療法がないということなので、しかも薬剤の費用もそんなに高価ではありませんし、飲むことによる副作用も恐らく重篤のものはないだろう、生命予後に大きな影響を与えるようなものは、トラニラストによって起きることは多分ないだろうということで、患者さんのためには一つの希望になる可能性があるということで、今回先進医療Bとしてお認めしてもいいのではないかと考えました。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
2点ほど、事務局も含めてお聞きしたいところがあります。
1点目は、臨床研究法が施行されると、適応外薬なので、特定臨床研究になって、いろいろな処置が必要になってくると思うのですけれども、先進医療Bの場合、改めて認定臨床研究審査委員会で審査して、また先進医療会議にかけてというプロセスを経ていくのかと。先進医療Bと臨床研究法の施行時の認定臨床研究審査委員会との兼ね合いわからないので、その辺を教えていただきたいというのが1点目。
2つ目は、リザベンは特許が切れているようなもので、キッセイ薬品さんが、本当にそんなものを承認申請してくれるのかなというのが非常に疑問があるということです。これから先、探索的にこの先進医療をやっても、そのあとドーズファインディングをやって、プラセボ比較までやれとPMDAは言うかもしれないのですけれども、お手元の資料先-3の8ページで、ロードマップがちょっと甘いです。さらっと2015年にPMDAの個別相談というただの面談を受けて、探索的試験をやってみたらというアドバイスだけで進めていますので、もう少しフェーズが進んでくる途中では真剣に企業とお話しするとか、ちゃんと開発の出口を見据えた戦略を策定しないと、このままこれをやって終わりということになりそうなので、そこは研究者の先生方には気をつけていただきたいなと思います。
○宮坂座長
今の最初の点はどうしましょうか。研発課からのほうがいいですか。どちらがいいですか。臨床研究法との兼ね合いです。
○宮坂座長
今の最初の点はどうしましょうか。研発課からのほうがいいですか。どちらがいいですか。臨床研究法との兼ね合いです。
○研究開発振興課長
臨床研究法は施行が4月になっておりますので、認められますと、4月よりも前にこれが告示という形でスタートするということになれば、要するに施行時点で継続して研究して研究を進めているという段階のものになりますので、4月以降、経過措置の適用になりまして、1年の間に認定臨床研究審査委員会に一遍かけていただければいいということで、始める前にかける必要はなくなるというタイプのものになります。
○宮坂座長
その点はよろしいですか。
○藤原構成員
それをやった後に、もう一遍、先進医療会議で、例えば、プロトコールの変更は今まで先進医療会議でチェックするというプロセスがあったのですけれども、そこはどうなるのですか。
○研究開発振興課長
もし、研究がスタートした後に認定臨床研究審査委員会のほうで何か変更の指示とかがあった場合に関しては、ほかのものも一緒ですけれども、こちらのほうに変更が必要であったということでもう一度上げていただくということはあるかと思います。ただ、藤原先生が御参加の部会のほうでも、経過のものに関しては、基本的なデザインというところの審査というのは、よほど患者さんの安全性とか利益相反の関係等で問題があるというところを中心に見ていただくという形にしております。
○宮坂座長
今の点はよろしいでしょうか。
○藤原構成員
臨床研究法に沿っていろいろな、例えば、モニタリングとか監査とか有害事象報告などをしっかりやろうとすると、先進医療Bでやるよりも、医師主導治験で組んだほうが研究者は楽かなという印象は持ったのですけれども、そこはいいです。
○宮坂座長
2番目の点について、事務局、お願いします。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
2点目でございます。藤原構成員がおっしゃったとおりで、POCの確立をもって、キッセイ薬品工業株式会社と開発の是非について再検討すると言われておりますので、先進医療の結果によっては、やはり難しいと企業に言われる可能性はあると理解しております。ただ、臨床研究を施行中に、また企業と相談していただくようにはお伝えしたいと考えております。
○宮坂座長
ほかにはいかがでしょうか。
○山本構成員
今回、特に答えは求めませんけれども、先進医療Bは全部、臨床研究法に該当しますので、その場合に厚労省が認定していて、場合によっては臨床薬理の専門家とか統計家も参加しなければならない認定倫理委員会で審査されたものを、ほぼ同じ構成要員の科学技術部会でもう一回やるというのが余り意味がなくなってくると思います。現在でも倫理委員会と科学技術部会と先進医療会議という3段階というのが、臨床研究のスピードを非常に阻害している要因の一つになっておりますので、その点については、今後、迅速化というか効率化については御検討いただきたいなと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今後の検討課題ということでよろしいでしょうか。
ほかにはいかがでしょうか。
どうぞ。
○辻技術専門委員
対象疾患が筋ジストロフィーとなっていますけれども、筋ジストロフィーは非常に多様な疾患を含んでいまして、2例で行われているのは、このデータを読むとベッカー型と肢帯型でしょうか。かなり違う病態だと思うのですけれども、心不全を起こしてくる病態はどこまで共通するかという問題もあって、対象疾患がしっかりSpecifyされていない形で雑にいろいろな疾患をやると、評価は非常に難しくなるのではないかという気もするのですけれども、対象となる疾患をむしろ限定したほうが、研究としてはしっかりするのではないかと思いました。
○宮坂座長
筋ジストロフィーの中を、もう少しサブタイプにきちんとしたほうがいいと。
○辻技術専門委員
はい。期待できるようなことが必要ではないかと。あるいは心不全はどの筋ジストロフィーでも同じだ、だから効くのだと言えば、そうかもしれないのですけれどもね。
○宮坂座長
どうぞ。
○医療課長補佐
事務局でございます。
辻先生が今御指摘なさった点に関しては、技術審査部会でも議論があったと認識しておりまして、その際には、確かに病型ごとの違いがあり得るかもしれないというところまででとどまっておりまして、かつ心不全を来している筋ジストロフィーであるという大きなくくりの中で先進医療を実施するということに関しては、妥当性があるのではないかという議論で終わっているように認識しております。
○宮坂座長
わかりました。
今の点は、なかなか結論は出ないと思うのですけれども、そういう議論はされていると。
○辻技術専門委員
研究として位置づけるのでしたら、やはり病気をちゃんと指定して、少なくとも病型ごとに評価ができる形の設定が要るのではないか。ベッカーと肢帯型で一例一例やってよかったからというのは、しかも1例は余りそうでもないかもしれないし、ちょっと雑ではないかという感じがしました。
○宮坂座長
だから、これをやっていくときに、全体として見るだけではなくて、筋ジストロフィーの中のサブタイプがありますから、それごとにも検討していただくということを事務局からお話しいただくということでどうでしょうか。
○医療課長補佐
はい。お伝えさせていただきます。
○宮坂座長
どうぞ。
○石川構成員
私も技術審査部会のほうで発言させていただいたのですけれども、五十嵐先生の御説明の中にBNPの説明があって、今の御発言もあったりしたのですけれども、私も実際に筋ジストロフィーの患者さんを診ていて、心不全になるときにいろいろな病気がある。この副次評価項目の内容を見ますと、もう少し豊かなほうがいいなと思っているのです。例えば、一番大事な心機能の評価ということで、フラクショナルショートニングといったものが項目になっていますけれども、実際には弁輪の拡大で心不全になるというのもあるので、もっと詳細な副次項目をやったほうが研究としてはもっと立派なものになるのに違いないので、ぜひそこのところを強調していただきたいと思います。全体としては、もちろん了承だと思います。
○宮坂座長
今の御意見は、主要評価項目BNPはそのままにしておいて、副次評価項目をもう少しきちんと中身を検討したほうがいいということですね。
それも事務局からお伝えいただけますか。
お願いします。
○山本構成員 一般的に副次評価項目というのは、プロトコールの一つの割と大きな記載内容ですので、副次評価項目を変えさせることになると、申請者にその記載を変えさせて、プロトコールを変更させて、もう一度ここで審議をして、あるいは評価の担当の先生にそれを確認していただいて、それで修正の上の承認を出して、それをもう一度倫理委員会に戻して、施設の倫理委員会でその変更の承認を受けて、それから始まるということになりますので、恐らく3カ月から4カ月かかるのです。今のこれが数カ月かけてもやる必要があることなのか、あるいは心エコーはされることにはなっているので、そこでの測定がされるのであれば、もうそれでオーケーとするのかというのは、臨床研究をどのタイミングで走らせるかという効率化という観点からはちょっと考えたほうがいいと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
心エコーをやれば弁輪の拡大も見られるということになりますね。確かにおっしゃるとおりで、副次項目を変えれば時間はかかりますね。
今の点についてよろしいでしょうか。
○石川構成員
本当にこのトラニラストが効果があるというのは、心筋障害に対すると書いてあるのですけれども、そうではなくて、やはり心不全をなるべく起こさないようにということで予防的に使われるということで、今後は保険収載されるということになると思うのです。もしなるとしたらです。そうだとすれば、もう少し心筋障害という言葉の内容について、もう少し詳しく副次項目の中に入れるべきだと思うのです。その点、私は小児科の循環器医なのですけれども、ほかの循環器の先生方の御意見も含めてお聞かせいただきたいと思うのです。
○宮坂座長
今の点について、どなたか御意見はございますか。
お願いします。
○山口構成員 石川先生のお話もごもっともですが、そういう議論が医療技術部会でなされたわけで、私は基本的には山本先生の御意見に賛成です。ここでやり直すと、実際に困っている患者さんがいるわけですし、極めてまれな疾患でしょうし、いい薬もないということで、迅速に進める必要があります。そのためには、ぜひここを通していただいて進めたほうがいいように私は考えます。むしろこういう議論は技術部会でやるべきだったということであれば、私の責任かもしれませんけれども、この程度でよかったのではないかなと私は思っています。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今の点については、ほかに皆様、御意見はございますでしょうか。
確かにこの副次評価項目を変えるのは、山本構成員が言われるように、非常に時間もかかるし、なかなか難しい問題もあるということです。問題は有効性が評価できるかで、主要評価項目はBNPですから、これもなかなか変動のある数値で難しいとは思うのですけれども、とりあえずスタートをして、あとは疾患の型ごとに見ながら、副次評価項目も含めて評価をしていくというのは一つのやり方かなという気はいたします。
○山本構成員
あくまでテクニカルなことなのですけれども、やはりプロトコールの変更というのは、それなりの手続があって、結局、それがどんどん後ろ倒しになる要因になっているということが一つ。
この臨床試験自身がまだ探索的な段階で、恐らくポストホックでいろいろ後で見て、先ほど辻先生がおっしゃった病型との関係というのも、病型は遺伝子多型を含めてチェックするような項目に入っておりますので、ポストホックにいろいろと解析をしていただいて、その上で、この結果をもとに検証的な試験に進む、もしくはもう少し大規模な探索的な試験をするという、それのファーストステップの問題だと思いますので、できるだけ幅広く、先ほど石川先生もおっしゃったような評価をポストホックでいいので幅広くやるようにというコメントをつけてみてはいかがかと思いました。
○宮坂座長
石川先生、その点はよろしいですか。
○医療課長補佐
では、事務局のほうで、先ほどいただいた筋ジストロフィーのサブタイプのお話とともに、そちらのほうもお伝えさせていただきます。
○宮坂座長
これはあくまで探索的、パイロット的なものであるということでお認めいただければと。とりあえず構成員の評価結果どおりとしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
それでは、そのようにさせていただきます。
次に、事務局から「先進医療Bの取下げについて」の資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。
○医療課長補佐 事務局でございます。
資料先-4をごらんください。告示番号1の先進医療Bの技術について、取り下げの申請がありました。
取り下げ理由としては、試験期間が終了したためでございます。
事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
この点はよろしいでしょうか。
それでは、続きまして、平成29年度先進医療技術の実績報告等についての資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐 事務局でございます。
資料先5-1、先5-2、先5-3に従って御説明申し上げます。
まず、資料5-1でございます。こちらは平成28年7月1日から平成29年6月30日の1年間に実施された先進医療の実績報告をまとめた資料となっております。
先進医療Aにつきましては、マル1のところですけれど、技術数は35種類、実施医療機関は761施設。その下に移ってまいります。また、保険外併用療養費及び先進医療に要した費用は、それぞれ約58.1億円、200.9億円となっております。
隣の列に移りまして、先進医療Bにつきましては、技術数は67種類、実施医療機関は241施設、また、保険外併用療養費及び先進医療に要した費用がそれぞれ約12.5億円、6.2億円となっております。
先進医療AとBの実績の合算値は、一番右の欄に記載のとおりとなっております。
次のページは、過去1年間の先進医療A及びBの技術数の増減を示した表となっております。
先進医療Aの技術数は40種類で始まっておりますけれども、1つの技術については、使用する体外診断用医薬品の薬事承認を取得しまして、その後、保険収載をされたということで減っております。
暫定的に実施されている先進医療Aの技術のうち4種類が削除されまして、平成29年6月30日時点では35種類となってございます。
先進医療Bの技術につきましては60種類でございましたけれども、15種類が新規承認され、8種類が実施期間の終了等に伴って取り下げされたことから、合計としては7種類増加いたしまして67種類となっております。
この期間の総括報告書の受理数といたしましては3種類となっております。
次に3ページ目をごらんください。こちらは過去5年間の実施医療機関数、全患者数、金額等の実績を示した表となっております。これらの実績について、技術ごとに示しております資料が参考資料1から3となっております。
参考資料1は、先進医療Aの技術に関して、実施件数や費用等を一覧にしております。
参考資料2は、先進医療Bの技術について、同様に一覧にしております。
参考資料3につきましては、先進医療Bの終了予定日、昨年6月30日までの登録症例数等を一覧にしておりまして、進捗状況等が確認可能となっております。
参考資料1をごらんいただきますと、先進医療Aにおきましては、告示番号20、21、22など、本期間内の実施件数が0件の技術が3技術ございました。
参考資料2をごらんいただきますと、先進医療Bでは、告示番号2、4、10など、計13件の技術が当該期間内で実施件数が0となっております。
次に、資料先5-2をごらんください。こちらは先ほどお示ししました過去1年間の実績0件だった技術について、その理由及び今後の対応方針を申請医療機関に報告してもらいまして、まとめた資料となっております。
1ページ目は、先進医療Aの技術で0件だった技術をお示ししておりますけれども、いずれも遺伝疾患の診断を伴う検査技術となっております。希少疾病という理由等もございまして、過去5年間の実施件数を見ましても非常に少ないという現状がございます。
2ページ目、3ページ目をごらんください。こちらは先進医療Bで実施件数が0件であったものをお示ししております。告示番号2、4、10、11のように、症例の登録が終了したものが含まれてございます。また、告示番号64以降の技術に関しましては、告示からの期間が短期間であるという理由であったり、告示後に変更申請が必要となりまして、その結果、実施が開始されてからの期間がまだ短期間となっている技術も含まれております。
最後に、資料先5-3をごらんください。こちらは暫定的に先進医療Aとして現在実施している技術についてでございます。
まず「1.背景及び現状」をごらんください。
1つ目の○にございますように、平成24年11月30日の先進医療会議におきまして、平成20年の先進医療告示第2項に上げられていた先進医療のうち、先進医療Bへ振り分けることとした技術については、暫定的に先進医療Aとして実施しているところでございます。この暫定Aの技術につきましては、破線で囲まれていますように取り扱いをするとなっておりまして、2つ目のポツの下線部のとおりに、平成28年4月以降は新規患者の組み入れについては認めないこととしております。
この点について、事務局では定期的に確認をしておりまして、その結果を2ポツ目の下の表にお示ししております。表に記載しておりますとおり、前回確認いたしました平成29年3月1日時点から、今回確認いたしました11月30日時点におきまして、新規患者数の組み入れは行っている技術がないことは確認をしてございます。今後も定期的に確認いたしまして報告させていただきたいと思っております。
説明は以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、何か質問はございますでしょうか。
幾つかの疾患は本年度は0だったと。ただ、非常に希少な疾患であるということが一つの理由なのだろうと思いますけれども、これらも含めて何かコメントがあればお願いします。
○五十嵐(隆)座長代理
それでは、先5-1の参考資料1の20、21、22のことですけれども、これは非常に症例数が少ないためにこういう結果になっているわけですけれども、現場で病型診断をしたり、治療法を考えるときに、どうしても20、21、22の技術は必要とされることがありますので、できれば中止にしないで、これまでどおり先進医療Aということでお認めいただきたいと考えています。
○宮坂座長
ありがとうございました。
辻先生、どうぞ。
○辻技術専門委員
今の五十嵐先生のコメントに追加ですけれども、希少難病の場合、最近、次世代シーケンサーなど、ゲノム解析の技術が進歩していて、さまざまなバリアントが見つかってきていて、病原性かどうかという判断が難しい場合は結構ふえるのです。そういう場合には生物学的な機能解析といいますか、酵素活性は必須になる可能性があるのです。そういう意味でもここの21、22というのは酵素活性の測定なのですけれども、そういう技術というのはむしろ重要になってきますので、ぜひこれは維持したほうが、こういうことができるところが少なくなっていますので、技術を維持するあるいは人材を確保するという意味でもこういった技術はサポートしたほうが私はいいと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
21、22はいいと思うのですけれども、20はフェニルケトン尿素の遺伝子診断ですね。
○医療課長補佐
事務局でございます。
大変申しわけございません。この後、先-6で個別の技術に関しても皆さんに御審議をいただくところでございますので、もし個別の技術のお話でございましたら、そちらでお願いできましたらと存じます。
○宮坂座長
わかりました。では、後ほどまとめてやりましょう。
ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
それでは、今、御説明いただいたとおりとさせていただきたいと思います。
続きまして「先進医療技術の科学的評価等」についての資料が提出されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
資料先6-1をごらんください。こちらは先進医療技術の保険導入等に向けた、科学的評価等に係る方法をお示しした資料となってございます。既に類似の資料を10月の本会議にお示しさせていただいてございます。
簡潔に御説明いたしますと「1.評価対象技術の考え方」でございますけれども、平成24年10月24日に開催された「第1回先進医療会議」において既にお認めいただいたとおり、先進医療Aにつきましては、当該年度6月30日時点で先進医療告示に規定されていた技術、また、先進医療Bにつきましては、総括報告書が提出されており、かつ未承認の医薬品等の使用を伴わないものとなっております。
2ポツ以降の詳細は割愛させていただきます。
次のページの6ポツ、削除が適切と指摘がなされた技術への対応(案)としておるところをごらんください。こちらは2ページ目の最下段で、技術の事前評価におきまして、1名以上の評価担当の構成員の先生方等から、先進医療から取り消すことが適当と御指摘があったものの、本日の御審議の結果で、先進医療を継続するという取り扱いになった技術につきましては、2年後の次回改定までに課題事項を提示しまして、それに対応していただいたかどうかという提案となってございます。
今回の検討方法の概要のイメージを示した図が、次のページに記載されております。こちらも以前にお示ししたものと大きく変わりはございません。
4ページ目以降をごらんください。4ページ目では、事前評価の結果の整理方法の考え方を示した表となっておりまして、これらの考え方に基づきまして、各技術を分類した結果を次のページから示してございます。詳細な内容につきましては、後ほど先生方に議論していただく際に御説明をさせていただく予定としております。
続きまして、先6-2をごらんください。こちらは、各技術の概要、施設基準、実績等をまとめた資料となってございます。
事務局からの説明は以上になります。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、科学的評価等の議論に入りたいと思います。議論の順番については「総合I」の技術、「総合IIIa」「総合IIIb」の技術、「総合IIaから総合IIc」の技術の順番とさせていただきたいと思います。
それでは、まず、事前評価結果「総合I」となった技術について、事務局より説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
それでは、資料先6-1の、今度は5ページをごらんください。こちらは総合評価でIとなっている技術でございます。すなわち全ての評価者におきましてAまたはB、一定以上の科学的根拠を有するとの御評価をいただいたものになっております。今回はこちらに示しております7技術となっております。
告示番号18「EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法)」という技術。
24「前眼部三次元画像解析」。
25「急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定」。
30「金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療」。
33「内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術」。
36「腹腔鏡下広汎子宮全摘術」。
先進医療Bの告示番号35「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」。
以上となってございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、議論に入ります。総合Iというのは、先ほども御指摘があったように、事前評価において、全ての評価者がAまたはBである技術ということです。
それでは、それぞれの技術につきまして、何か御意見があればいただきたいと思います。
まず、告示番号18「EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法)」。これは臨床的にも非常に有用な検査ですし、よろしいでしょうか。
それでは、24「前眼部三次元画像解析」。
よろしいでしょうか。
どうぞ。
○高橋(政)技術専門委員
初めての会議なのですが、ここでは保険収載の件についても議論するということですか。
○宮坂座長
事務局、どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
保険収載については中医協等々で議論されまして、今回の先進医療会議では科学的な評価の議論をしていただいて、有効性、安全性等について、科学的評価が一定程度あるという形の議論をしていただきたいと考えてございます。
○医療課長補佐
補足でございますけれども、3ページのほうに、今回の平成30年度診療報酬改定に向けた先進医療技術の保険導入等の見直しに関して図で示してございまして、今回、先進医療会議で科学的根拠等に関して御評価いただいた後に、医療技術評価分科会のほうにお伝えする評価結果によって、最終的には中医協総会において保険導入に関して御検討されることになっております。
○高橋(政)技術専門委員
適応に関しての意見は、今言うのか、後で言うのかというのは。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
現在、先進医療で実施されている適応症等に関して科学的な評価がこの疾患に対しては不十分である等々、そういう御意見がもしございましたら、そういった御意見も踏まえて医療技術評価分科会のほうに報告させていただこうと考えてございます。
○高橋(政)技術専門委員
それでは、改めまして意見です。
眼科的に、この前眼部のOCTは、前房水が流れ出る隅角の形状をこういう形で見られる方法が全くありませんので、科学的に非常に有用性の高いものですけれども、適応に関しまして、ともすると白内障の手術前などにも非常に広く使われておりまして、ただ、特に緑内障の病型判断、治療の方針決定に寄与するものでありまして、白内障まで広げるのはちょっと難しいかなとも考えております。
以上です。
○宮坂座長
その点、事務局は何かコメントはございますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
ありがとうございます。
事務局でございます。
先ほど、高橋委員にいただいた御意見も医療技術評価分科会には御報告をさせていただいて、その後の保険収載等々の議論の際の参考にしていただきたいと考えてございます。
○高橋(政)技術専門委員
恐らく学会もよく御存じでありますので、学会と連携して相談する必要があるかと思います。
○宮坂座長
御指摘ありがとうございました。
ほかには、この「前眼部三次元画像解析」についてはよろしいでしょうか。
今、適応のことが出ましたけれども、よろしいでしょうか。
それでは、次に「急性リンパ性白血病細胞の免疫遺伝子再構成を利用した定量的PCR法による骨髄微小残存病変(MRD)量の測定」についてはよろしいでしょうか。これも臨床的には非常に有用な検査ですね。
よろしいでしょうか。
それでは、その次に行きます。
次は歯科だと思いますけれども、告示番号30「金属代替材料としてグラスファイバーで補強された高強度のコンポジットレジンを用いた三ユニットブリッジ治療」。金属アレルギーのある人などには非常に有用だろうということですね。
よろしいでしょうか。
その次に「内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術」。
特に御意見がなければ、その次に「腹腔鏡下広汎子宮全摘術」。
○榎本技術専門委員
この技術に関しましては、実際に350ぐらいの症例が蓄積されていて、問題ないと思うのです。ただ、この手術は婦人科の中で技術的に難しい手術なのです。開腹の手術であっても、腫瘍専門医がするのとそれ以外の医者がするのとで予後が変わるというデータも最近出てきています。だから、実際にこれを導入する場合には、施設要件並びに術者要件というのを必ずつける必要があると思いますので、どのような要件を付けるかそれは学会のほうに投げかけるのがいいのではないかと考えます。
○宮坂座長
御指摘ありがとうございました。
それは伝えていただくということでよろしいですね。
その次、最後のB-35「内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術」、da Vinciです。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員
先ほどの中医協とこの会議との関係性は十分承知の上で発言したいたいと思うのですけれども、科学的な評価ということなのですけれども、この技術については、1つの会社で、それも日本の会社ではない会社の医療機器を使っているという、非常に特殊性があるわけです。したがって、非常に高額だということもあって、これが非常に革新的な技術ということもありまして、日本の外科手術に与える影響は非常に強いと考えております。そういったことを考えた上で、中医協に持っていくときに、全体の先進医療会議でこういう総合のIという評価だけで行っていいものか、大変懸念を感じているところでございます。
何回もこの議論があるときに発言させていただいているわけですけれども、先進医療Bの中で、費用のことで大変高額だということは十分話が出ていると思います。その中で、今度これが保険収載されるということになれば、保険での負担といったことで強い影響が出てくることは免れないだろうということでございます。
仮に低い点数になった場合、この技術を使っていた医療機関が後戻りするということは余り考えられないと思うのです。外科の若い先生方の志向といったことを考えますと、この技術を使い続けるという形になって、保険収載をされたらされたで、今の保険制度の中では患者さんから自己負担を多くとれることはできないわけなので、医療機関の負担となると思います。そういう点では、大変な病院経営の中で、どのようにこれを維持するのかという問題にもなりますし、そういう点では社会的な影響は強いと思っております。この辺で、中医協への出し方について、事務局のほうで一定の見解があればお聞かせいただきたいと考えております。
2点目ですけれども、私ども日本医師会にいろいろな情報が入ってきますけれども、3種類のda Vinciが今、多く流通しているわけなのですけれども、この3種類の機種がどのように展開されているのかということについては、なかなか具体的な数字が出ていませんで、私たちも自前で調査をしておりますが、正直なところ、公開されているデータから見て、290台ぐらいのda Vinciが国内で動いていて、そのうちの一番新しい機材が2017年度で85台ぐらいあるというぐらいしかわからないのです。
つまり、何を言っているかといいますと、古い機材については、どうもいろいろなうわさでは消耗品等についてのサポート期限がある。これはコンピュータのOSと同じ理屈だと思うのですけれども、そういうようなことで実際には不安を抱えているda Vinciの利用の方も多いという中で、これが保険のほうになって大々的な展開になるのかどうなのかも大変心配なところでもありますので、こういう点でも事務局のほうで捉えているということであれば、教えていただきたい。
特に費用等の考え方について事務局のほうでお考えがあれば、初期費用の話、いろいろな点数で、腹腔鏡下の場合の手術と比較して、人件費といったことはちゃんと計上されているのですけれども、そういったものについても、da Vinciの場合にはどうなのかということについて、お考えを示していただければと思います。
○宮坂座長
まず、最初の点について、お願いします。
○医療課長
医療課長でございます。
大変重要な御指摘をいただき、また、あるいは構成員の先生方も御関心が少なからずあろうかと思いますので、私のほうから考え方を御説明させていただきたいと思います。さきほど、御説明させていただきましたが、お手元の先6-1の3ページです。
まず、保険収載に至るまでの道のりをもう一回確認をさせていただきますと、本日、御審議をいただいておりますのは先進医療会議であります。これは役割分担といたしまして、保険収載に至るまでには、当然、技術としての安全性と有効性、すなわち科学的、医学的なの裏打ちがまず必要である。本日は主にそういった視点での御評価をいただきたいと考えております。
一方で、石川構成員が御指摘の点も、これはこれで医療保険を運用する上で非常に重要でありまして、保険を適用する際に必要な、言ってみれば、費用あるいはさまざまなマンパワーの確保と体制、現実の問題としてちゃんと履行できるかどうかについて、中医協で御審議をいただくという流れになってございます。
本日、御審議をいただきたいということを重ねて申し上げておりますのは、科学的、医学的な観点から、個々の技術につきまして、そもそも保険適用する、しないの前提となる技術的な熟度も含めてですが、そういった視点でぜひ御審議をいただきたいと考えております。
その上で、その御評価をいただいて、次に中医協という3ページの枠の中で、医療技術評価分科会というのがございます。これは診療報酬項目が数多くございまして、非常に多岐にわたっておりますので、近年では一定の役割分担をしていただいておりまして、専ら医療技術評価分科会で、特に外科系の手術とか処置とか、ある意味定型的な考え方で一定の評価ができるもの、あるいは個別的に専門性が高いものも含めて、本日、御参集していただいております委員の方々の中には重複してお願いしている方もおられますが、そういう診療報酬の観点から医療技術評価の目で、で御議論いただくということになります。
その際に、今、石川構成員から御指摘をいただきました、評価の観点も中医協において当然加味していただくことにはなります。すなわち個々の報酬設定につきましては、個別の技術以外のさまざまな報酬都の関係、全体のバランス、医療財政も含めた観点での調整が必要ですので、最終的にはこの図でいきますと総会で設定をしていただくという流れになります。
結論といたしまして、石川構成員から御指摘いただいたのは非常に重要な御指摘であることは疑う余地のないことでありまして、御指摘、御懸念につきましては、そのまま医療技術評価分科会へ、そして医療技術評価分科会の結論を経て中医協総会に御報告をさせていただく形で、事務局としては受けとめさせていただければと考えております。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今のはよろしいでしょうか。
○石川構成員
今のことについてです。詳細な御回答、ありがとうございます。
もう一つあるので、後で発言します。
○宮坂座長
では、先生、何かありますか。
○笹子技術専門委員
この3ページの図の中で「十分な科学的根拠がある」と。このように書けばそうなのだけれども、何を評価したのかという中身が全然出てこない。今回のda Vinciに関しては、安全性においてすぐれるという評価しかありません。だから、がんの治療としてどれだけすぐれて、どれだけ助かる人がふえるという評価は一切やっていないということは、必ず伝えていただきたい。
○宮坂座長
ありがとうございました。
藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
先進医療会議の委員のモチベーション維持の観点からもお願いしておきたいのですけれども、今、笹子委員がおっしゃったところを引き継ぐと、技術部会とか先進医療会議で総括報告書を評価されたときに、笹子先生から、こんなデザインの悪いものをよく通したねというようなアドバイスをいただきました。このまま医技評を通って収載されたりすると、デザインが悪くても、ここの先進医療会議は科学的な評価はしますけれども、医技評を通って中医協をパスすれば収載されるのだというイメージが学会等に伝わってしまいます。
そうすると、我々が幾ら厳しいことを言っても、最終的に医技評とか中医協でいいと言えば全部通ってしまうわけです。我々が真剣にデザインを議論したり、出口をしっかり議論することをこれまでやってきたかということが無に帰すわけです。それが将来的にはないように、何らかの工夫をしていただきたいと思います。
例えば、見せ方として事前評価の内容も、A、A、AとトリプルAがついている場合と、B、B、BのトリプルBがついている場合は両方とも総合評価はIなので、せめてその内容を示すとか、先ほど笹子先生がおっしゃたような先進医療会議の総括報告書の評価のときに、こういう厳しい評価がされましたというただし書きが一部つくとか何らかがないと、医技評に行ってしまうとさっと流れるだけだと思いますし、福井先生は座長ですけれども、先進医療会議でいろいろな議論がされたことを振り返る時間もないと思います。石川構成員もおっしゃっていたように、事前評価結果の出し方のところで、例えばda Vinciについては有効性はそんなにすぐれていないけれども、安全性はちょっといいというサマリーがあったほうがいいと思います。
○宮坂座長
柴田先生、どうぞ。
○柴田構成員
今のda Vinciの件に絡みますので、引き続きコメントさせていただきたいのですが、この十分な科学的根拠があるという結論に関してもいろいろ濃淡がある。その濃淡について、例えば患者さんの生命予後が著しく延びるようなものであるとか、安全性が改善するにしても、患者さんの対処可能な合併症が減るという意味での安全性の改善と、後遺症が残るような安全性の改善とではまた意味が違いますので、そういう内容について何らかの形の情報が付加されていないといけない案件もあるのではないか。全てについては無理にしても、そういう微妙なものがあるのではないかと考えます。
このda Vinciに関しては笹子先生から厳しい御指摘を受けていますが、技術審査部会で議論に参加した者としましては、da Vinciに関してプロフェッショナルな先生方が、da Vinciのよさを一生懸命ひねり出したエンドポイントが合併症の割合が数%下がるというものであったということであって、科学的に、統計学にポジティブな結果は出ていますが、そのポジティブな結果の内容が、医学的に、あるいは病院の先生方の目で見られたときにどのぐらいの価値があるものなのかというのは、医技評の場で御検討いただければと思いますので、あくまで十分な根拠がある、精密なデータは得られているけれども、その精密なデータの意味、価値については、全部の医療技術で横並びではなく、濃淡があるということと、da Vinciに関して言うと、その道のプロの方がひねり出して最もいいところをエンドポイントにしてこの結果であるということはお伝えしておきたいことです。
なぜ甘いデザインで通したのかということについて、笹子先生から御批判を受けていますが、それに関しては申請されている医療機関の先生方が最も詳しくこの医療技術について知っておられるので、そこで持ってこられたものをこの平場で議論していただくという趣旨でいいのではないかと技術審査部会の場で考えたということを、コメントとしてつけ加えさせていただきたいと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
山口先生、どうぞ。
○山口構成員
笹子先生が厳しいと言いますけれども、そうではなくて真っ当な御意見だと私は思います。当然です。
AからEまでとにかくこのどこかに選べと言われると、十分な科学的根拠、有意の差が出ましたから、評価された点についてはそうなのですけれども、先ほど笹子先生がおっしゃったように、安全にやれるということは当然のことです。そして、その次にステージI、IIが対象ですから、やはり成績を落とさないということは非常に重要なのです。そのあたりは全く押さえられていませんから、これをもって直ちに無条件で保険収載という意見は誰も持っていないと思うのです。
新しい技術は常にそうなのですけれども、科学的な評価という観点からしたらヒストリカルコントロールをもって対処したということに大きな問題点があります。最近の腹腔鏡の手術もこういう合併症に対しては改善していますので、ダビンチでなくてもよくなってきているということです。
もう一つは、参加施設が15施設ありますけれども、トップ5か6で80%以上登録しているのです。たくさん登録した施設の中の合併症の頻度を見ると、1%から4%までかなり差があって、これは本当に均てん化された技術かどうかということも疑問があります。今回の有意差が出たということの一つをもって直ちに保険収載すべしという結論にはならないだろうと思います。ただし、技術評価の観点からは大変立派な成績をおさめたということを言わざるを得ないと思います。
もう一点、石川先生の御発言と関係あるのですけれども、これが中医協で認められるかどうかということは別にして、保険収載されるとしたらやはり安定的にこういう技術が行われるべきだと思います。例えば新しい薬剤が出たときに、その薬剤が供給されるかどうかわからないという状況では保険収載はできないと思うのです。今、3種類のda Vinciが出回っていますけれども、特に第1世代のものはもう部品の供給がされなくなって使えなくなる。これが現在使用されている機器のおよそ3分の1なのか、半分なのか、10台なのかぐらいはわからないとまずいということで、メーカーに問い合わせるように言ったのですけれども、答えないということです。これは非常によくないことであって、当然これは公開すべき義務があると思いますし、収載された場合、1年半後には使えなくなる施設がどれぐらいあるのかということを明解にしておかないと大変まずいと思うので、ぜひこれは今後お答えいただきたいと思います。
以上です。
○宮坂座長
お答えいただきたいというのは、会社にですね。
○山口構成員
そうです。
○宮坂座長
山本先生、どうぞ。
○山本構成員
これだけにお話が長くなるのもよろしくはないと思うのですけれども、私は技術部会のほうの委員もしておるのですけれども、先進医療Bについては、技術部会ではこれ1つで保険収載に至るとは考えてはいないと思います。基本的には先進医療Bに来るものというのは適応外、もしくは未承認のものが来るということになっておりますので、その後に必ず適応をとる。ですから、薬事承認をとるという段階を踏まえるはずということがあるので、例えばda Vinciの試験を通すときに、これ1つで検証的な試験ではないと絶対に先進医療Bをやらせないということはないと思います。先進医療Bは、少なくともパイロット的な試験もやっておりますし、探索的な段階のものも、用量設定試験も、検証的な試験も、全ての試験デザインを受け入れているので。それはなぜかというと、前提にその後に薬事承認審査が控えているから、そのためのデータを治験だけではなく幅広くとるために先進医療Bをやるのだから、先進医療Bは幅広いデザインを通しているわけです。
今回、先進医療Bがこれともう一つ、2種類がここの先進医療会議で保険収載に向かう道筋に乗ってきているということが、技術部会のメンバーの1人としてはちょっと意外だったなということがあります。そういうことを前提に試験デザインを評価して承認していたわけではなかったのではないかと考えます。
○宮坂座長
これはなかなか難しい問題ですね。本来、これは評価療養ですね。
今の点について、事務局から何かありますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
先進医療Bの中でも薬事承認をとっているもの等々、今回のda Vinciのような技術については、研究終了後の改定時に保険導入にかかる評価をされることになってございまして、その技術が先進医療会議等で評価される際に、恐らくロードマップにそういった形で書かれていることが多いと理解しています。
○宮坂座長
福井先生、どうぞ。
○福井構成員
先ほど課長がおっしゃった科学的根拠といいますか、どの軸の評価までを科学的評価とみなすかによって随分違ってくると思います。恐らく、我々が先進医療会議で扱おうとしているのは、臨床的な、患者さんの健康面についての数値化できることを科学的評価と言っているような気がします。同じ科学的評価という言葉を使っていても費用効果分析で、1例合併症を予防するのにお金が幾らかかるといった類いのものも科学的評価と呼んでいる論文は幾つもあります。10年、20年後、社会全体に与えるアウトカムといいますか、そういう影響まで予測して、それを科学的評価と呼ぼうとしている研究者もいます。科学的評価は、どういう軸でもって評価するのか医療技術評価部会のほうでは国の財政状況とか数値化できない臨床医の思いみたいなものを加味して評価するのか非常に曖昧ですけれども、科学的な評価とうまく分離できるのか、それらをできるだけ言葉で明確に示しておいたほうがいいのではないかと思います。
○宮坂座長
お願いします。
○医療課長
医療課長でございます。
事務局側でお答えすべきは私なのかなと思って、あえてマイクをとらせていただきますけれども、非常に重要な御指摘を幾つかいただいております。
確かに医療保険の適用に至る道というのは、最終的に保険収載をするか、しないかという、答えはイエス、ノー、あるいは価格の問題もありますけれども、言ってみれば出口が一本道であります。その途中で、今、福井構成員がいみじくもおっしゃいましたが、日本の医療保険は実臨床でございますので、実臨床にさまざまな視点で入れる、入れないという判断、これには相当幅があるのも実態でありましょうし、その幅は多次元であり、今回こういう形で評価をいただいております定量的な部分ももちろんありますけれども、いわく数字にはできない、恐らくバリューというものが介在するのだろうと思います。
正直申し上げまして保険収載のプロセスは発展途上、進化するプロセスでありまして、、かなり複雑になり過ぎているという御指摘は随分いただくのではありますが、なるべく現場の思い、御指摘と、有識者から見ての納得感や合理性をいかに反映させるかということで、これまでもプロセス自体を随分進化をさせてきているつもりでありますし、今後もそういったことはぜひ取り入れさせていただきたいと考えております。
その上で、これは目の前に控えております診療報酬改定は実務の問題でもありますし、必ずしも今いただいたような御指摘を全て勘案して、完璧な判断になっているかというと、そこは御指摘のとおり課題が山積しているというのはあえて認めさせていただいた上で、まず1点目にできることとしましては、これは藤原構成員を初め、多くの方がおっしゃいましたが、本日御審議いただきました情報につきましては、可能な限り正確に医療技術評価分科会に上げて、単にグレードだということではなく、こういった議事あるいは御指摘があったということを可能な限り正確にお伝えした上で評価をさせていただきたいと考えております。
医療技術評価分科会におきましても、今回と同じような課題、御指摘をいただいているのも事実でありますので、その点につきましても可能な限り御審議いただく上で、特に今回、アウトプットとして極めて単純化した格好になってはおりますけれども、そのときの評価の視点とか考え方あるいはエビデンスがある、なしということだけではないというお話もありましたので、そのあたりの情報も加味させていただいて、分科会のほうにアウトプットとして提出をさせていただく努力は、可能な限りさせていただきたいと考えております。
○宮坂座長
ありがとうございました。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員
大変大事な議論だと思うのですけれども、もう一点言いたかったことがありまして、今回のを皮切りに、これが胃と大腸みたいなところで、大腸はまだですけれども、da Vinciが保険収載の道を開いていきますと、外科医の養成ということについて大きな懸念が出てくると思っております。
私も技術分科会に長くいさせていただいているのですけれども、例えば中咽頭、下咽頭のトランスオーラルといいますか、口からやる手術などについては、これはda Vinciといったもの、子宮広汎全摘の奥深いところのda Vinciの適用というのは、これは誰もが必要だと思うところはあると思うのですけれども、今、胃の手術のところにda Vinciといったものがどんどん入ってきますと、若い一般外科医がda Vinciがあるところで修練の道を当然目指すという形になります。そうしますと、地域の中小の病院で外科を展開しているところには若手の方は余り来ないという現象が当然考えられるというわけです。このことは今の医療界にとって非常に大きな影響を与えることは間違いないことなので、こういうことも中医協のところで一つの懸念事項として伝えていただくということが、私としてはお願いしたいことの一つであります。特に外科医の養成について大きな問題があるのではないか、懸念があるのではないかということを、ぜひ正確に伝えていただきたい。予想も含めてお願いしたいと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今の点についてよろしいでしょうか。十分な科学的根拠があるとした場合でも、そこにいろいろな附帯条項がついている、濃淡もあるわけですから、それをうまくきちんと伝えていただくということですね。
お願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
医療技術評価分科会のほうへは、先進医療の構成員の先生方、技術専門委員の先生方が御評価いただいた内容を、今回の総合評価だけではなくてお伝えさせていただくこと、さらには今回、会議の場でいただいた御指摘に関してもお伝えさせていただくようにしたいと思います。
○宮坂座長
どうぞ。
○藤原構成員
1点だけ確認で、先ほど石川構成員と山口構成員がおっしゃったda Vinciの世代交代に従って後のフォローが切れるのは、当院も経験して、新しい機械を買わされたのですけれども、そういうことはちゃんと調べておいてほしいのです。それを平場に出して中医協のほうで議論をしていただくようにしないと、こういう海外から来ている製品はいいので、医療技術の進歩には非常に大事なのですけれど、ハゲタカファンドではないですけれども、世代交代をしたら新しいものを買わされて、医療機関が急性期病院、救急指定などでそれをどんどん購入していくということの繰り返しに今後なるので、せめて古い世代であっても消耗品を継続して売ってくれるとか、そういう担保がないと食い潰されるような気がするので、ぜひそこは調査しておいていただきたいと思います。
○宮坂座長
パソコンと似ていますね。
こういう意見が出たことも含めてきちんと伝えていただくと。
どうぞ。
○北川技術専門委員
非常に重要な御議論を伺っておりまして、私は技術専門委員ですので一般論としても申し上げますと、研究者側の立場になりますと、先進医療のデザインのところで、先ほど言ったその後の出口の前提とか、この試験をやったときにどのようなロードマップをたどるのかというところも初めから御議論いただいて進めないといけないなと切実に感じました。
特にきょうの構成員の御意見は非常に妥当だと思うのですが、そのフィードバックがデザイン段階できちんとなされないと、非常に労力をかける先進医療の臨床研究のデザインのところで、後からこのデザインではだめだということになりますと、研究者側の立場になると時間と労力をかけて厳しい状況だと思いますので、そこからしっかりと見据えていただきたいなというのが一般的な意見でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ほかには今の点はよろしいでしょうか。
まだ、多分これに関連した議論は進むとは思うのですけれども、とりあえず議事を進めたいと思います。
それでは、この総合Iに関しては、十分な科学的な根拠があるという結論です。ただし、もちろんきょう出た意見を含めて、重立ったものについては漏れなく医技評のほうに伝えていただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。
続きまして、事前評価結果「総合III a」及び「 総合IIIb」となった技術について事務局より説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
それでは、資料先6-1の9ページをごらんください。こちらは総合評価「IIIa」の技術となっております。
総合評価「IIIa」につきましては、事前評価において1名または2名の担当者からD評価、すなわち先進医療から取り消すことが適当との評価がなされたものになります。今回は9技術となっております。
告示番号1「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」。
2「三次元形状解析による体表の形態的診断」。
15「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」。
20「フェニルケトン尿症の遺伝子診断」。
21「培養細胞によるライソゾーム病の診断」。
22「培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断」。
26「最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術」。
34「FOLFOX6単独療法における血中5-FU濃度モニタリング情報を用いた5-FU投与量の決定」。
先進医療Bの告示番号62「切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法」でございます。
続きまして「IIIb」の説明に移らせていただきます。10ページ目をごらんください。
「IIIb」につきましては、事前評価において、いずれの担当者からもD、先進医療から取り消すことが適当との御評価をいただいたもので、お示ししております1技術になります。
告示番号14「定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価」でございます。
事務局からは以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
繰り返しになりますけれども、総合「IIIa」及び「IIIb」、特に「IIIa」というのは、1人または2人の評価者でD評価である技術、総合「IIIb」のほうは全ての評価者でD評価である技術ですから、これを先進医療から外すかどうか、先進医療を継続するかどうかというところが焦点になると思います。
それぞれの技術について、何か御意見があればいただきたいと思います。
まず、告示番号1「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」です。
○榎本技術専門委員
子宮腺筋症という病気は、子宮筋腫ほどポピュラーではないのですけど、割と婦人に多い病気で、月経困難症等を起こしますので、女性にとっては非常に厄介な病気であります。多くの場合は子宮全摘出をされるのですけれども、核手術というのは、子宮温存という意味では非常に意味がある手術と思うのです。
私はこれで問題だと思ったのは、平成28年7月から29年6月末まで施行された症例としては180あるので、そこそこされているのですけれども、実際にしている施設が限られていて、1つの施設がほとんどやっている。しかしその他の施設ではほとんど普及していないのが問題で、平成23年からずっとされているのだけれども、もうちょっと他の施設でも普及してほしいというのがあって、今すぐ先進医療Aをやめるのではなくても、これは申請者にもうちょっと他の施設に普及する努力をしていただいて、それにも関わらずこういう状況が続くのであれば、次回審査時に先進Aを継続するのは難しいのではないかと思いますので、そういうことを申請施設におっしゃっていただいて、施行する施設を増やす努力をしていただけたらいいのではないかと思うのです。
○宮坂座長
とりあえずは継続だけれども。
○榎本技術専門委員
はい。必ず、次のときにはもうちょっとやる施設をふやしてくださいということで、要するにポピュラリティーがないと思うのです。
○宮坂座長
その点、ほかにはよろしいでしょうか。
○山本構成員
私も資料を見ましたけれども、10年以上やっておられて施設がふえていないというのが一番の問題だと思うのです。比較的患者さんは多いと思いますので、割とやりやすくて有用性がみんなが実感できるものであればもう少し普及するのではないかなと思いました。ただ、それが申請されていて、実際にやっておられる施設のPR不足であるかどうかというところの判断はできません。
ただ、これはずっとやっていると、平成17年ですので12年前のことであって、機械もどんどんよくなってくると思いますし、そういう意味では、余りずっとやっていただくのも逆によろしくはないと思いますので、継続するのであれば、これ以上施設がふえないのだったら次にはもう難しいというコメントつきで継続していただくほうがよろしいかと思います。
○榎本技術専門委員
同じ意見でございまして、私も今回から委員をさせていただきますので、今までの経過はわからなかったのですけれども、やはり10年間という期間があって、新たに施行する施設がないというのは問題だなと。努力をされたのかということは私にはわかりませんので、そういうことを事務局のほうからおっしゃっていただけたらと考えてございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
では、一応、継続はするけれども、今の御意見も含めて、事務局からきちんと伝えていただいて、時期を区切ってきちんと評価する。ある一定期間でふえなければ、当然、廃止のことも考えるということになりますね。
よろしいでしょうか。
その次、2「三次元形状解析による体表の形態的診断」については御意見はございませんでしょうか。
継続をするのかあるいは廃止をするのか。
特に御意見はございませんか。これは難しいですね。
どうぞ。
○藤原構成員
先6-2の8ページを見ると、そこそこの件数が行われていて、しかも評価が「有効」ばかりで有効性100%だけれども、この評価結果からすると、これを外すというのだと、やっている人たちは、何で有効性100%と考えているのに削られたのかとわからなくなると思うので、何らかの理由があったほうがいいのかなと思います。
○宮坂座長
お願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
御評価いただいた構成員の先生、もしくは技術専門委員の先生方のコメントにおきましては、以前、この先進医療が始まった当初はわかりませんけれども、現時点ではCT検査等で三次元の画像再構築等は実際になされておりまして、この技術の先進性が失われてきているのではないかというコメントを頂戴しているところでございます。
○宮坂座長
そういうことで、あえて継続する必要はないのではないかということになるわけです。
○藤原構成員
そういうのは、どこか資料か何かに書いて将来的に残していただいたほうが、2年に一遍、我々もいろいろなものを評価すると思いますけれども、そういうときに前回の平成28年度改定のときも同じような数字だったのに、今回も同じような数字が出ていて、今回で終わるとなると、評価される側からすると非常に変な感じがされると思うので、どこかに記載されておいたほうがいいかと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
では、この告示番号2については、継続をするのか廃止をするのかということをとりあえず決めないといけないと思いますけれども、今、事務局からの御説明では、その理由をつけて廃止とすると。そういうことでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それから、告示番号15「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」、先6-2だと37ページのところになります。
お願いします。
○赤川技術専門委員
Dという先進医療から取り消すことが適当という評価をされるというのは、この医療技術が10年以上やってきて有効性が60%を切っているということでそのような評価となっていると思うのですが、実は去年の11月に、Basic FGFという新しい材料を使った歯周組織再生法が保険に適用されております。新しい材料名はリグロスというのですけれども、このBasic FGFのデータと、先進医療のデータを2年後に見比べて、やはり全然違うのであれば、2年後に廃止ということでいかがでしょうか。これが私の意見です。
○宮坂座長
問題は、Basic FGFが使えるのだとすると、みんなそちらへ行ってしまって、こちらの先進医療はふえない可能性というものもありますね。
○赤川技術専門委員
その可能性はありますが、BasicFGFは液体ですが、こちらはゲルで非常に使い勝手がいいのです。それゆえ減ることは余りないのではないかと考えております。
○宮坂座長
それでは、これは期間を限定して継続の方向ということの御意見ですけれども、よろしいでしょうか。
それでは、とりあえず先に行かせていただきます。
次は20「フェニルケトン尿症の遺伝子診断」、先ほど議論をしかけたときに後でと。
五十嵐構成員、何か御意見はございますか。
○五十嵐(隆)座長代理
非常に頻度の少ない疾患なので、昨年は患者さんがいなかったようですけれども、45ページをごらんいただきますと、フェニルケトン尿症、高フェニルアラニン血症というのは、基本的にはフェニルアラニン水酸化酵素の欠損なのですけれども、その補酵素であるビオプテリンに障害があるために起きる病型もございまして、尿あるいは血中のフェニルアラニンの値を調べるだけでは病型の診断ができません。治療法もそういう意味で違ってまいりますので、もし可能ならば、実績の数は少ないのですけれども、先進医療の技術としてこれからもゲートは開いていただいたほうが現場では役に立つのではないかと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。現場からの声です。
○山口構成員
頻度は少ないかもしれませんけれども、年に何人かはいるわけですね。
○五十嵐(隆)座長代理
そうです。
○山口構成員
そういう方はどこかで調べているわけですね。わずか3万円の経費でできるのに、なぜここを使わないのか非常に不思議に思うのです。それをそこに置いておく必要が本当にあるかどうか疑問を感じるのです。
○五十嵐(隆)座長代理
周知をされていないのかもしれないし、ビオプテリンをあらかじめ投与して、反応を見て、この遺伝子診断をしていないということはあり得るかもしれません。
○宮坂座長
よろしいでしょうか。
過去2年は0件ですけれども、来年、再来年はどうするのかという問題も出てきますし、現場としては継続の希望というのが出ていますので、とりあえず継続ということです。ただし、この議論はきちんと議事録に控えていただいて、そのことも含めて伝えていただくことにしたいと思います。
○辻技術専門委員
確認させていただきたいのですが、フェニルケトン尿症の遺伝子診断は保険収載されていないのでしょうか。
○宮坂座長
されていないですよね。
どうぞ。
○医療課長補佐
事務局でございます。
前回改定におきまして、遺伝学的検査という検査が保険収載されております。そちらのほうの検査において、このフェニルケトン尿症の遺伝子の検査、遺伝学的検査は可能となっておりまして、それ以外にもライソゾーム病等もそちらには入ってございます。ただ、先ほどおっしゃっておられた病型診断までそれでできるかどうかというのは、こちらでは把握できておりません。
○宮坂座長
保険収載されているわけですね。
○医療課長補佐
何度も失礼いたします。事務局でございます。
フェニルケトン尿症の診断によって、最終的に指定難病のほうに行くというための検査としては遺伝学的検査を必要としている状況であって、そちらに関しては保険収載されているという状況でございます。
○宮坂座長
そちらのシステムを使っていて、こちらの先進医療については使っていない。
○医療課長補佐
ですので、それによって、診断ではなくて、先ほど五十嵐先生がおっしゃっておられた病型診断のためにこちらが必要であるかどうかという議論は、また別に必要かと存じます。
○宮坂座長
ただ、先ほどの議論だと、指定難病かどうかは遺伝子診断で決めて、今度は保険収載されている検査でやって、病型を見るのは今回ここで先進医療として取り上げているものが必要であるということですか。
○辻技術専門委員
もし、検査として保険収載をされているとすると、あとは変異の解釈だけの問題だと思います。私は専門ではないのですけれども、医療現場で考えると、保険収載されていて検査を保険診療として出せるのであれば提出して、その結果をどう解釈するかというのは、その領域の専門の方々ができるのではないかと思うので、もう保険収載とされているのでしたらそれでいいのかなと私は思いました。
○宮坂座長
その点、五十嵐構成員は何か御意見はございますか。
○五十嵐(隆)座長代理
ビオプテリンの遺伝子検索は保険収載のほうで認められているのですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
遺伝学的検査のほうでは遺伝子変異の検査は可能で、病型診断については不明でございます。
○五十嵐(隆)座長代理
病型診断をする上では、遺伝子検査は必要である理解しておりました。○辻技術専門委員
検査は、フェニルアラニン水酸化酵素の遺伝子を調べて、その変異の種類によってビオプテリン反応性があるかどうかを判断するということだと思うので、検査はフェニルアラニン水酸化酵素1つの遺伝子検査ではないかと私は思います。
○五十嵐(隆)座長代理
御指摘の通りです。了解しました。
○宮坂座長
確かにそうですね。もしそうだとすると、それが保険収載されているのであれば、ここで継続する必要はなくなるということになりますね。
その方向でよろしいですか。
では、とりあえず。
21、22も先ほど出てきました。21がライソゾーム病ですけれども、先ほど辻委員のほうから、非常に希少疾患ですし、遺伝子診断とは違う角度で酵素学的に検討するので必要であろうという御意見でしたね。
特に反対の意見がなければ、とりあえず継続としますけれども、よろしいでしょうか。
22の脂肪酸代謝異常症も、一部は指定難病になっているけれども、非常に少ない疾患ですので、これも培養細胞を用いて酵素学的な検討をするということで、これも継続の意見が出ていましたけれども、それでよろしいでしょうか。
その次、26「最小侵襲椎体椎間板掻爬洗浄術」です。これは非常に件数は少ないです。
○戸山技術専門委員
私は専門が脊椎なので、今回、評価云々ではないのですけれども、確かに高齢化になって免疫が下がったり、糖尿病の患者さんで脊椎炎とか椎間板炎というのは時々見られるのです。現場では、全身の大きい手術はできない。排膿をしたい、ないしは骨移植、掻爬したいけれども、全身麻酔もかけられないし、非常に困るということで、現場では何とかしたいという思いでここに通してきたのだと思うのです。これは局所麻酔でそこのところ排膿を行って、そこにチューブをして持続洗浄をやるという形で、これによってそれが治るかどうかわかりませんけれども、少しいい方向に向かったというものは、私も発表は聞いたことはあります。
○宮坂座長
ただ、もしも医療的ニーズが高いのであれば、もっと症例数があってもいいと思うのです。
○戸山技術専門委員
座長からお話がありましたように、これを見ますと2施設で年間0とか2ということですので、もしこれを今後ということであれば、もう一度多施設にしていただいて、症例は時々ありますので、それで見させていただくということが一番大事かなと。ただ、技術的にこれが先進の領域かというといろいろありますけれども、現場では何とかしたいという思いがあるのかなと思います
○宮坂座長
どうぞ。
○医療課長補佐
事務局でございます。
御評価いただいた構成員もしくは委員の先生のコメントの中では、今おっしゃっていただいた点が指摘されてございます。実施件数が少なく施設が少ない、そちらのほうもございますし、あとは類似の技術が保険診療下で実施が可能であるというところもあって、そちらのほうで実施されているのではないかというコメントも頂戴してございます。
○戸山技術専門委員
確かに今の御指摘のように、なかなか大きい手術ができないということになると、これと類似したようなものをほかの部位でもやることがあるのです。ですから、そこのところで適用が可能であれば、その方向というように申請のところにお話しいただくのもの一つかなと思います。
○宮坂座長
ただ、これは今から施設をふやすことは可能ですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
先進医療Aの技術でございますので、今の実施基準に基づいて医療機関が厚生局のほうに申し出ることで申請することはできるのですけれども、それは始まった当初からずっと一緒でございまして、件数に関しても今の状況でございます。
○宮坂座長
だから、本当にニーズがあれば、手挙げをしてやっていてもいいはずなのですね。結局、この話はいつも審議するたびに出て、0だったり2だったりするのをどうするか、結局、何となく継続の方向で行ってしまう。それが本当にいいかどうかです。先進医療として少なければ評価の対象にならないわけです。本当は評価療養ですから、評価に足る数がない限りいつまでたってもわからないわけです。先進医療が評価療養であるという観点からいけば、評価し得ないのであるから、当面外すという考えも当然成り立つと思うのです。
○戸山技術専門委員
何か目があったので。
私もその意見に賛成です。
○宮坂座長
わかりました。
結局、非常に希少疾患ならともかく、この場合は必ずしも希少疾患ではないし、現場のニーズがあれば、手挙げ制をしても本当にやりたければやれるシステムがあるということですから、現時点では継続の必然性は必ずしもないということでよろしいでしょうか。
その次、34です。これは87ページにあって、これもほとんど最近、この3年で4例だけです。
何か御意見はございますでしょうか。
○渥美技術専門委員
確かに症例数は大変少ないというところが今の議論と同じである、しかも希少疾患ではないということなのですが、高齢対応でステージIVということで、時代的には個別化あるいは客観的な評価につながるのではないかと、この提案からは読み取れるので、まだ平成26年からということですので継続はどうかなと、私の意見を述べさせていただきます。
○宮坂座長
それが急速に評価に足る数まで、あと2年の間にふえる見込みがある程度あるのであれば、それは継続としてもいいと思うのですけれども、それがはっきりしなければ、結局あと2年待って、もう2例ふえても評価できないですね。そこについてはどうですか。
○渥美技術専門委員
専門ではないのですが、そういう周知度がどれぐらい行っているのか、私は評価ができない。
○宮坂座長
こちらが周知をする、しないではなくて、医療技術あるいは医療知識というのは、全世界で共通、幾らでもとろうと思えばとれるわけで、現場のニーズがあれば本来はやるはずですね。結局それが希少疾患でもなくてやれないというと、例えば先ほどのBasic FGFとの比較をするとか、新しいものがあるとか、あるいは何か今後症例数が急速にふえる要因があるのだということがあれば、これは継続してもいいと思うのですけれども、そうでないとなかなか難しいかなと個人的には思います。
○藤原構成員
ここはFOLFOXですけれども、ほかにもFOLFIRIとかさまざまな併用レジメンがある中で、5-FU単独をはかって、どのぐらい臨床上の意義があるのかというのは非常に疑問だと思うのです。だから、周知をしたとしても、いろいろなレジメンがある中で、その中のレジメンの中のたった1薬剤の血中濃度をモニタリングして、それで何かを言うというのはなかなか大変なので、継続するにしても2年後、もう一遍ちゃんと見て、そのときも症例がふえていなくて、有効性の判断もよくわからないのであったら、そこの時点では必ず取り消したほうがいいかなと思います。
○宮坂座長
2年間、猶予を置こうと。
○藤原構成員
いや、もし与えるのであれば。私は個人的に見たら、もう今回で終わりかなと思います。
○宮坂座長
私は、これは評価に足る数がふえる要素は余りないように思うのです。それは先生方のほうが御専門だと思いますけれども、山口先生、何かコメントはございますか。
○山口構成員
私ももう数が増える要素はないと思います。
○宮坂座長
では、あえてこれは猶予を置かずに、とりあえず廃止の方向ということでよろしいでしょうか。
それでは、最後の「切除支援のための気管支鏡下肺マーキング法」、インジゴを使うものです。
柴田先生、どうぞ
○柴田構成員
2点コメントがありまして、1点は事務局に確認したいのですが、このものは先進医療Bなので、継続するか、しないかということはあり得なくて、もう取り下げられていますね。その場合に、先ほどの34より前の議論であったように、ここでやめたほうがいいのではないかという議論にならなかったら、この結果は、3ページの絵で見ますと、水色部分のイの区分になって「一定の科学的根拠がある」として医技評に送られることになるという理解で正しいですか。
○医療課長補佐
そのとおりでございます。
○柴田構成員
そうであれば、現在の資料は問題だと思うのでコメントさせていただきます。
資料先6-2の108ページをごらんください。このものは先進医療Bの、先進医療技術審査部会で総括報告書の評価をした際に、既に議論にはなっているのですが、臨床試験としてはプライマリーエンドポイントで掲げられた微小肺病変切除成功率が想定していたほど高くなく、結局ネガティブスタディーでありました。なおかつ、医療機関によってその成績のばらつきが大きかったという結果でしたので、普及性など、あるいは技術の成熟度という観点からも、まだまだ不十分なものであるのではないかという結論であったということは申し添えておきたいと思います。
このレジュメだけ見ますといいことが書いてありまして、一番下の段落の(効果)のところには「マーキングの9割以上が施行施設を問わず手術中同定可能であり、また複数のマーキングが相互補完的な役割を果たすため、予定どおりの病変切除率(本試験の切除成功率とは定義が異なる)は98.8%となっている」と書いてありますが、これは後づけで出された数字であって、事前に設定された肺病変切除成功率、きちんと何らかのマージンをとって切除できるということは予想よりもそれなりに低かったという結果でしたので、このサマリーだけ見て判断するとすごくいいもののように見えますが、技術審査部会での結論としましては、ネガティブな結論であったという判断になっていたと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
どうぞお願いします。
○長瀬技術専門委員
内科の立場からですけれども、いわゆるこの微小肺がんですが、そもそも肺がんかどうかもわからないと。それであえて手術に踏み切るわけですけれども、現在の技術では、例えばこういう画像というのはPETを行ってもまずひっかからないです。ですから、何も事前に予測するすべがないわけであって、したがって、このマーキング法というのは、ある意味で一つの技術を開発しているということで、内科医から見ると一つの新しい技術、武器であると考えます。
仮に、切除断端が陽性であって、術後再発となった場合は、患者さんも不幸ですし、医療費という点でも、例えば手術は全部で137万といいますけれども、これぐらい1カ月で使って、まだ足りないぐらいなのです。ですから、再発を予防するという観点からもこういう技術というのはぜひ開発してほしい。内科医の立場としては、これを継続していただけないか。実際、1年間で154例が入っているわけですし、そのように私は考えます。
○宮坂座長
山本先生、どうぞ。
○山本構成員
先進医療Bの一番の問題点なのですけれども、これは済んでしまっていて、今は実際にできなくなっているのですね。しかもネガティブスタディーであったということで、それ以上前に進めることができないという状況になっていますので、もう一度やるとしたら、もう一度先進医療Bで上げていただくしかないということになるのだと思うのです。
今回、ネガティブであった理由が、この技術自体の力不足なのか、あるいは試験デザインとか、デザインの中を工夫すればもうちょっとよく評価できるのかということについてはよくわかりませんので、求められるものであれば、総括報告書が出て、結果がネガティブであって、それを前に進めるということは難しいと思いますので、ここでこれはもう進めることはできない、継続することは制度上できないので、もう一度先進医療Bを組んでいただくということになるのではないかと思います。
○宮坂座長
事務局、どうぞ。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
山本構成員のおっしゃるとおりでございまして、資料のつくり方が不十分なために、先生方の混乱を招いているのかと考えておりますが、先進医療Bの2技術については、既に総括報告書が出ていて、研究としては終了しているものであって、それに対して科学的な根拠が十分かどうかという御評価をこの場でしていただくといった形となってございます。Aについては、そういった症例数の設定等がございませんので、継続するあるいは削除するといったような流れになってございます。資料の作成が不十分でわかりにくい点につき、おわび申し上げます。
○宮坂座長
どうぞ。
○横井構成員
この技術は、胸膜の表面にマーキングをして、さわらないかさわるかわからないぐらいの小ささとかたさのものに対して、内視鏡下であったり、開胸してその部分をとるのですけれども、一番の欠点は深さの指標にならないので、この有効性がたしか設定したポイントは90%だったのですけれども、それが83.8になったのは、深さの設定を誤ってサージカルマージンがとれなかったという症例が出てきたことですので、やはりスタディーデザインとしてその辺に弱点があって、それを克服できるのであれば、もう一度ということはあり得ると思います。
もう一つは、呼吸器外科医がそこにもいらっしゃいますけれども、日本の中で、どういう小ささのどういう淡い影までとるかというコンセンサスが今ありません。なので、非常に小さいものまでとられる施設と、こういうものはフォローアップしようという施設があって、こういう技術をどこまで適応するかというのが施設間でかなり違うので、その辺も考えていく必要はあるのでないかと思います。
○宮坂座長
施設間で非常に成績が違うというのは気になりますね。
○柴田構成員
恐らくこの技術のポテンシャル自体が否定されるというものではなくて、現状の使い方、こういう条件でこういう使い方をするというところの設定がうまくいっていないので、ネガティブな結果になった、あるいは医療機関間での差が出たということだと思いますので、その辺の対策を考慮された上で次の臨床試験の計画を立てられて、先ほど山本先生がおっしゃったような、改めて先進医療Bに出していただくということが必要であろうと思います。それについては、技術審査部会での議論のときにも、そういうところの議論は完全にポテンシャル自体を否定した議論ではなく、そういうところのブラッシュアップが必要なのではないかというニュアンスであったのではないかと記憶しております。
○宮坂座長
ありがとうございます。
科学的に評価をしようとなると、現時点でポジティブな材料がないですから、とりあえず廃止ということでよろしいでしょうか。
確認をさせていただきますけれども、1については継続、2については廃止、3は継続、15が継続、20は廃止、21と22は継続、26、34、B-62は廃止ということでよろしいでしょうか。
どうぞ。
○医療課企画官
企画官でございます。
20「フェニルケトン尿症の遺伝子診断」につきましては、先ほど五十嵐先生、辻先生から、保険上の遺伝検査との関係についての御議論をいただきました。御指摘のとおりと考えておりますが、保険の内容でございますので、改めまして私どものほうできちんと確認をさせていただきまして、もし議論の前提に誤解がございましたら、座長に、また私どもから御報告申し上げて、御相談申し上げたいと思います。
○宮坂座長
わかりました。
では、これはこちらに一任させていただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
プラクティカルなことで恐縮ですが、ここの使用が6時半までということなので、先を急ぎたいと思います。申しわけありません。
続きまして、事前評価「IIIb」の技術「定量的CTを用いた有限要素法による骨強度予測評価」、これはもう廃止ということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
では、これはこちらで終わりです。
事務局、よろしいですね。
先に行きまして、総合「IIa」「IIb」「IIc」をお願いします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
こちらの「陽子線治療」「重粒子線治療」に関しましては、事務局より別の資料を作成させていただいておりますので、まず、資料先6-3をごらんください。急ぎでお話しさせていただきます。こちらに粒子線治療に取り扱いについて、まとめさせていただきました。
まず「1.背景及び現状」ですけれども、先生方も御存じのとおりではございますけれども、粒子線治療は長期間、先進医療として実施されておりまして、前回の平成28年度診療報酬改定時に、一部の適応症について保険適用をいたしました。重点的な評価が必要な適応症に関しては、先進医療 Bとして新たに実施していただいているところでございます。
2に移ります。今回の先進医療の御評価に当たっては、日本放射線腫瘍学会より幾つかのがん種に関してのエビデンス等を提出されておりまして、事前評価の先生方にはそちらを御参考にしていただきまして御評価をいただいているところでございます。
提出されたエビデンスについて、2ページ目にまとめさせていただきました。1)から4)までございまして、それぞれ御説明させていただきます。
まず「1)骨軟部腫瘍に対する陽子線治療のSR」が提示されておりますけれども、骨軟部腫瘍に関しては、現在、重粒子線治療が保険収載されてございます。こちらはお示しております頭蓋底脊索腫等、3つの疾患について陽子線治療が既存のX線治療よりも優位性があること、現在、保険収載されている重粒子線治療との治療成績の差は明らかでないこと等が示されてございます。
「2)頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)に対する粒子線治療のSR等」でございます。扁平上皮がんの主のがん種なりますので、それ以外のものに対してでございますけれども、粒子線治療のSR等が提示されておりまして、こちらに関しては2014年にLancet Oncologyに報告されたSRの解説、及び本邦における頭頸部悪性腫瘍に対する先進医療での実施状況等について、資料が提示されております。
こちらでは粒子線治療が既存のX線治療に比較して優位性が示されておりました。
「3)肝細胞がんに対する粒子線治療のSR」についてでございます。こちらは「肝癌診療ガイドライン 2017年版」の作成に当たって用いられたエビデンスを提出されております。
ガイドラインでは「他の局所療法の適応が困難な肝細胞がんに対して、粒子線治療〔陽子線治療、重粒子線治療〕を行ってよい」との記載がございますけれども、実施されているランダム化比較試験がございまして、肝移植の適用とされる肝細胞がんに対して、標準治療であるTACEと陽子線治療が比較されまして、主要評価項目では有意差を認めていないという状況でございます。
最後に「4)限局性前立腺がんに対する粒子線治療のSR」でございます。「前立腺癌診療ガイドライン 2016年版」の作成の際に用いましたSR、19論文を追加しまして、 日本放射線腫瘍学会と日本泌尿器科学会が共同で SR を実施して提出しております。こちらには「これまでに行われた限局性および局所進行性の前立腺がんに対する陽子線あるいは重粒子線治療に関する研究では、同じ病態のIMRTによる成績と同等の効果および安全性を期待できる(推奨グレードB)」ということで記載がなされております。
以上の提出資料及び事前評価の先生方の御評価を踏まえまして、3に対応案をお示ししてございます。
マル1とマル2、切除非適応の骨軟部腫瘍、頭頸部悪性腫瘍に関しましては、それぞれ陽子線治療、粒子線治療が既存のX線治療と比較して上回ることから、十分な科学的根拠を有すると判断してはどうかとしてございます。
マル3の肝細胞がんにつきましては、陽子線治療の有効性が標準治療と比較して上回ることが示されていないこと等から、現時点では科学的根拠が十分ではないと判断してはどうかとしてございます。
マル4の限局性及び局所進行性前立腺がんについては、粒子線治療がIMRTと比較して上回ることは示されていないものの、同等性については示されおり、一定の科学的根拠を有すると判断してはどうかとしてございます。
最後に、先進医療における今後の対応について示してございますけれども、マル1としまして、上記の結果を医療技術評価分科会のほうに送りまして、同分科会における審議の結果、保険適用について検討され、また、最終的に保険適用された後は先進医療告示から削除することとしてはどうかと考えてございます。
また、マル2でございますけれども、本改定において保険適用されなかった疾患については、先進医療AまたはBとして継続することとしてはどうかとしてございます。
事務局からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○宮坂座長
ありがとうございました。
今の点について何かコメントはございますか。
どうぞ、お願いします。
○笹子技術専門委員
4の話、前立腺のこれは、同等性であるとすると、保険適用する場合は同じ値段でしますということですか。
○医療課長補佐
事務局でございます。
こちらのほうでは、保険適用の点数に関しての話ではなくて。
○笹子技術専門委員
だけれども、そういう考え方をしない限り、同等というのは、私の理解では多分粒子線のほうがかなり高い。そうすると、高い分を上回る成績が出ていないのに認めるというのはおかしいでしょう。日本の保険を滅ぼす気ですか。
○宮坂座長
お願いします。
○医療課長
医療課長でございます。
時間もありませんので。私どもの考え方としては、今のお話も含めて医療技術評価分科会のほうに提出をさせていただいくとして、ただ、この場で最終的な保険での評価を事務局のほうからお示しもできませんし、あくまで今おっしゃったことは正確にお伝えして、私どもとしては適切に判断していただけるものと期待しておりますので、そのような形で今後処理させていただくということでいかがかと思います。
○宮坂座長
よろしいでしょうか。
○笹子技術専門委員
ただ、新しい技術を評価するときに、お値段が高いというのはデメリットであるから、それを上回るメリットをちゃんと評価するということをこの科学的な評価の中にもやはり入れていくべきであると思いますので、それもちゃんと検討してください。私たちの場所で話しませんというのでは済まないと思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
藤原構成員、どうぞ。
○藤原構成員
大人の判断をされているのだろうと思いますけれども、先進医療告示から、この前立腺がんを削除するということになると、現行進んでいるような臨床試験、例えば先進医療Bでも前立腺がん領域の先進医療Bは進んでいますが、アメリカではIMRTと粒子線治療のランダム化比較試験が実施中ですので、告示で削除されて先進医療Bが終わってしまったら、JASTROは臨床試験をやめましたというのでは、どう見ても科学的評価としてはおかしいので、臨床試験についてはJASTROさんは今やっているものはちゃんと完遂して、ある程度結果を得て、収載されるにしても数年後にその評価をもとにもう一遍考え直すということを努力していただきたいと思います。
○宮坂座長
そういう御希望で、事務局のほうはよろしいでしょうか。
○医療課長補佐
今、藤原構成員のおっしゃっておられたように、最終的に保険適用云々は別としまして、仮に保険適用になった技術は先進医療の告示が削除ということですので、今、先進医療Bとして実施されている部分に関しても削除になるという流れは正しいことになります。ですので、今、藤原構成員がおっしゃっておられた御意見に関しては、日本放射線腫瘍学会のほうにもお伝えさせていただきますが、そういった議論があった点につきましても。医技評のほうにはお伝えしてまいります。
○藤原構成員
ぜひお願いします。
もう一個、クイックリーに。JASTROさんは、この前の平成28年度改定のときもかなりいろいろなやりとりをして、収載の継続とかを議論しましたけれども、今回、この先進医療会議で評価している粒子線、あるいは先ほどのda Vinciもそうですけれども、いろいろな効能・効果があって、先進医療会議で評価されたもののほかに、先ほどの医技評の表を見ると、学会からの要望もそのときに一緒に評価すると書いてありますので、先進医療会議で効能・効果の評価をしていなくても、例えばda Vinciであれば、胃の手術はここで評価しましたけれども、大腸とか食道とか、先ほど石川先生が言った口の中とかが学会から要望が出てきたら、ここの評価は通ってなくても、医技評で学会要望を取り入れて、da Vinciとか粒子線の適用範囲はもっと広がるという可能性はあると理解でいいですか。
○宮坂座長
何か事務局からお答えできますか。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
藤原構成員のおっしゃるとおりでございまして、医療技術評価分科会のほうに学会から提案があった場合には、そちらのほうで医療技術として有効性があるかどうかというのは御評価いただくことになると考えます。ただし、粒子線に関してはほとんどの症例が先進医療として実施されていると理解しておりますので、先進医療会議でデータが提出されないにもかかわらず、医技評に対してのみデータが提出されることは基本的にはないのではないかと考えてございます。
○宮坂座長
よろしいでしょうか。
それでは、陽子線、重粒子線についてはよろしいでしょうか。
では、先に行きます。11「泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術」、これはそれなりの症例数がありますね。
継続という方向でよろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それから「MEN1遺伝子診断」も、確かに症例数は少ないのですけれども、最近はふえているし、もう少し継続をしてきちんと。もともと症例数が少ないと思いますけれども、継続の方向でよろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
では、もう一度。3の陽子線、6の重粒子線については、先ほど出たような御意見をつけてということでよろしいですか。
11は継続、29も継続ということでよろしいですね。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
それでは、総合「IIb」に移ります。「IIb」は主評価の先生は先進医療としては継続すべき、それ以外の先生からは一定のエビデンスがある、または先進医療として継続すべきという評価がなされた技術になっていますが、特に御意見があれば議論をしたいと思いますけれども、御意見はございますでしょうか。
なければ、「IIb」に関しては、一つ一つ行きますけれども、「神経変性疾患の遺伝子診断」「家族性アルツハイマー病の遺伝子診断」「腹腔鏡下膀胱尿管逆流防止術」「角膜ジストロフィーの遺伝子解析」「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」「細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」「LDLアフェレシス療法」「多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断」「CYP2D6遺伝子多型検査」「MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法」、これは一応継続ということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは「IIc」に移りたいと思います。これは全ての評価者でC、つまり先進医療として継続すべきとの評価をいただいています。
これは特に何か御意見がなければ。
藤原先生、どうぞ。
○藤原構成員
8の「抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査」なのですけれども、先6-2の22ページを見ると、対象は悪性脳腫瘍に限定されていますが、21ページのほうを見ると「脳腫瘍のみならず、他臓器の固形悪性腫瘍および血液癌にも応用可能」であると書いてあります。実績からすると脳腫瘍に限られているので、次回以降、継続するのであれば、表題を「脳腫瘍における」とか「脳腫瘍にて」と限定したほうがいいように思います。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それをはっきりさせるということ自体、特に問題ないですね。
ほかには御意見はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは「IIc」について確認させていただきますけれども、いずれも一定の科学的根拠があるとして、継続ということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
それでは、検討対象技術の審議は以上です。
○医療課長補佐
申しわけありません。一点だけ、先ほど事務局のほう補足が十分でなかった部分がございました。
「IIa」で御評価いただいている技術なのですけれども、告示番号11「泌尿生殖器腫瘍後腹膜リンパ節転移に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術」でございます。こちらのほうの技術については、御評価いただいた先生方から、実施されているのが主に泌尿器腫瘍でございまして、生殖器の腫瘍、婦人科の腫瘍に関しては少ないというところがございまして、泌尿器が実施の中心になっているという点でございます。症例数の偏りがかなりあるわけではございますけれども、それをもっても同一の評価でよいかという点がもともとございました。コメントがおくれて申しわけありません。
○宮坂座長
そうしたらば、それはむしろ生殖器を取って泌尿器とするということになりますか。
○斎藤技術専門委員
泌尿器科でございます。
この技術に関しましては、腹腔鏡下という話が出ていますが、既収載技術として、腹腔鏡下小切開の後腹膜リンパ節群郭清術だとか、リンパ節の節群の郭清術で半分は既に行われている技術で、技術的にも確認されているのですが、今のところ出ている症例は、生殖器腫瘍に対する後腹膜転移に限ってやっていますけれども、同じことは既に保険収載されていると考えてもよろしいかと私は思っております。
○宮坂座長
そうすると、これは継続する。
○斎藤技術専門委員
継続というよりかは、これに含まれるか、保険収載の言葉をもう少し整理をするかです。
○先進・再生医療迅速評価専門官
事務局でございます。
斎藤先生がおっしゃるとおり、現在、診療報酬として認められている技術としては、腹腔鏡下小切開骨盤内リンパ節群郭清術、腹腔鏡下小切開後腹膜リンパ節群郭清術というものが、既に入ってございます。ただ、小切開ではないもので、現在、先進医療として実施されているものというのは若干アプローチが異なるのかなという理解しておるのですが、泌尿器科の斎藤委員のおっしゃることとしては、恐らく泌尿器がんについての一定程度のエビデンスあるいは手術手技の確立というのはできているのではないかと。ただ、類似の技術であって、先進医療としてどう御判断するかというような御意見ではないかと理解したところでございます。
○榎本技術専門委員
婦人科です。
婦人科のほうでも先進医療で後腹膜リンパ節の郭清をやるのですけれども、、実際には全く小切開も入れずに、完全に全腹腔鏡下でやっています。私は申請されている術式は全腹腔鏡下で廓清する技術だと理解いたしました。私の理解が間違いであればもちろんそれは困るのですけれども、いわゆる全腹腔鏡でやる手術であれば、実際にここで登録されている手術の例数としては多くないのではないかと。例えば子宮頸がんに対する腹腔鏡下広汎子宮全摘術は、先進医療で300例ぐらいやっているわけですね。それから言いますと、この技術は足しても15例しか施行されておらず、1つの施設が13例で、あとは1、0、0というような状況ですので、これは婦人科の手術と泌尿器科の手術とほぼ同じような手術にもかかわらず、これだけ症例数が違うというのは、婦人科の方は非常に厳しい基準でやっているのに、ちょっと症例が少ないのではないかという気がしました。全腹腔鏡手術という意味であれば、症例を集めてもうちょっと検討していただきたいなと考えております。
○宮坂座長
ありがとうございました。
そういうことで、継続するにしても条件をつけて、先ほどの対象もそうですし、施設間の格差の問題もありますから、その点については十分に意見を伝えていただいて、継続をするということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、検討対象の技術の審議は以上ですけれども、事務局より評価結果の確認をお願いしたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
これまでの議論を踏まえまして、次のようにまとめさせていただきます。
総合評価「I」の7技術は、全て十分な科学的根拠を有するとの御評価をいただきました。総合評価「IIa」の技術についてですけれども、告示番号3の陽子線治療については、切除非適用の骨軟部腫瘍及び頭頸部悪性腫瘍については十分な科学的根拠を有する。前立腺がんに関してはIMRTとの同等性については十分な科学的根拠を有するという御評価でございます。
6の重粒子線治療については、頭頸部悪性腫瘍については十分な科学的根拠を有する。前立腺がんについては、IMRTとの同等性については十分な科学的根拠を有するという御評価でございます。
11のリンパ節郭清術につきましては、泌尿器科がんとそれ以外のがんとでは科学的根拠が少し異なるものの、継続というご評価です。
29の「MEN1遺伝子診断」については、現時点では科学的根拠は十分とは言えないという御評価で、継続というご評価です。
総合評価「IIb」「IIc」につきましては、いずれも現時点では、科学的根拠は十分とは言えないという御評価で、先進医療として継続というご評価です。 総合評価「IIIa」の技術のうち、1「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」、15「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」、21「培養細胞によるライソゾーム病の診断」、22「培養細胞による脂肪酸代謝異常症又は有機酸代謝異常症の診断」については、先進医療として継続し、科学的根拠を追加で集積すべきとの御評価をいただいています。
「IIIa」のそれ以外のもの及び「IIIb」の技術については、先進医療から削除が適切との御評価でございました。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
ただいま事務局より説明していただきましたけれども、これを先進会議の決定としてよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、そのようにさせていただきます。
本日の議論の検討結果につきましては、後日、医療技術評価分科会に報告し、保険導入の可否について検討をしていただくことといたします。
続きまして「平成30年度先進医療会議開催予定(案)」の資料が提出されていますので、事務局から説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務的でございます。
資料先-7をごらんください。平成30年度の「先進医療会議」の日程案をお示してございます。構成員の先生方におかれましては、大変お忙しいとは存じますけれども、日程の調整をお願いできれば幸いでございます。
以上でございます。
○宮坂座長
ありがとうございました。
それでは、本日の議論は以上としたいと思います。
次回の開催については事務局からの説明をお願いいたします。
○医療課長補佐
事務局でございます。
2月は予備日となっておりますけれども、現時点では開催の予定はございません。次回の開催については、平成30年3月8日木曜日、16時からを予定してございます。場所については別途御連絡させていただきます。
○宮坂座長
ありがとうございます。
座長の不手際で大変遅くなってしまいましたけれども、これで「第61回先進医療会議」を終了したいと思います。ありがとうございました。
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