ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 視覚障害の認定基準に関する検討会> 第5回 視覚障害の認定基準に関する検討会(議事録)(2017年7月28日)




2017年12月27日 第5回 視覚障害の認定基準に関する検討会(議事録)

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

平成29年12月27日(水)15:00~16:30


○場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)


○出席者

石橋達朗構成員、久保田伸枝構成員、白井正一郎構成員、竹下義樹構成員、田中雅之構成員、仲泊聡構成員、中村耕三構成員、松本長太構成員、湯澤美都子構成員

○議題

(1)視覚障害の認定基準等について
(2)その他

○議事

○渡企画課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから第 5 回視覚障害の認定基準に関する検討会を開催いたします。皆様方におかれましては、年末のお忙しいところお集りいただきましてありがとうございます。

 本日の出席状況について御報告を申し上げます。竹下構成員が遅れております。石橋構成員は、所用にて途中退席の予定となっております。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。傍聴される皆様方は、傍聴される方の留意事項の遵守をよろしくお願いいたします。ここからは、中村座長に議事の進行をお願いいたします。

○中村座長 本日もどうぞよろしくお願いしたいと思います。まず始めに、事務局から資料の確認をお願いします。

○渡企画課長補佐 事務局です。資料の確認をさせていただきます。まず表紙に議事次第、資料 1 「視覚障害の認定基準に関する検討会報告書 ( ) 」、タブレットでは1のタブを御覧ください。資料 2 、「身体障害者福祉法施行規則別表第 5 号」改正案、タブレットでは2のタブです。資料 3 、「身体障害者障害程度等級表の解説 ( 身体障害認定基準 ) についての改正案 ( 視覚障害抜粋 ) 、タブレットでは3のタブです。資料 4 、「身体障害認定基準の取扱いについて」の改正案、タブレットでは4のタブです。資料 5 、「身体障害認定基準等の取扱いに関する疑義について」の改正案、タブレットでは5のタブです。資料 6 、「総括表・診断書・意見書」の改正案、タブレットでは6のタブです。資料 7 、調査研究についての方針 ( ) 、タブレットでは7のタブです。

 参考資料 1 、開催要綱・構成員名簿、タブレットでは8のタブです。参考資料 2 、眼科学会・眼科医会の合同委員会の報告書、タブレットでは9のタブです。参考資料 3 、改正案の解説、タブレットでは10のタブです。以上、お手元にありますでしょうか。不足がありましたら、事務局までお知らせください。

 なお、本検討会は公開のため、資料、議事録は厚生労働省ホームページに掲載されますので、あらかじめ御了解ください。事務局からは以上です。

○中村座長 検討会の運営にあたりまして、構成員の皆様にお願いがございます。視覚・聴覚障害をお持ちの方などへの情報保障の観点から、御発言をされる場合には、発言者は挙手をお願いいたします。そして、挙手をされた発言者に対し、私から指名をさせていただきますので、指名を受けた発言者は、お名前の後に発言をいただくという流れで進行したいと考えております。御協力のほどお願いをいたします。

 それでは、本日の議事に入ります。まず 1 つ目の議題ですが、視覚障害の認定基準について議論いただきます。第 1 回から第 4 回までの検討会で、構成員の先生方には、認定基準の見直しの方向性について議論を行っていただきました。これらのことに基づいて、本検討会の報告書案がまとめられております。本日は、この報告書案に沿って、具体的な認定基準について議論をいただき、本検討会としての決論が得られたらと思っております。

 それでは、まず、検討会報告書 ( ) の資料 1 及び視力障害の認定基準案に関する資料について、事務局から説明をお願いいたします。

○渡企画課長補佐 それでは、視力の部分について御説明をさせていただきたいと思います。まず、資料 1 の報告書 ( ) につきまして、 4 ページを御覧ください。これまでの経緯に現行の認定基準の考え方があります。視力につきましては、「両眼の視力の和」で認定されておりました。次に、 5 ページ視力障害についてです。こちらは合同委員会の報告書で指摘された事項です。両眼の視力の和について、「日常生活は、両眼開放で行っていることを考えれば、両眼の視力の和ではなく、良い方の眼の視力で認定することが妥当。当事者団体からも両眼の視力の和ではなく、良い方の眼の視力で認定を行うように希望がある」ということです。

 次に、 6 ページ、 3 ポツで視覚障害の認定基準の見直しの方向性とあります。 6 ページの上の所、基本的考え方です。 1 ポツで現行の視力障害は、両眼の視力の和で認定されることとなっているが、日常生活は、両眼開放で行っていることから、視力の認定も、両眼の視力の和でなく、良い方または両眼視力で判定することが望ましい。日常の眼科診療では、通常片眼ずつの視力を測定し、両眼視力は特別な場合を除き測定しないため、「良い方の眼の視力」で認定することとする。次に、具体的な認定基準についてです。視力障害の各等級の境界値については、客観性・公平性を期した合同委員会の案を基本とし、 0.1 以下の視力について「 logMAR 値」の 0.6 1.7 の範囲を 12 段階に細分化し、 3 段階ずつ 2 5 級の各障害等級に割り当て、その結果を日常診療で用いられている少数視力に換算したものにより設定する。その例外として、良い方の眼の視力が 0.04 かつ他方の視力が手動弁以下の場合と、両方の視力が 0.08 かつ他方の視力が手動弁以下の場合については、日常生活の困難度という観点から等級を下げるべき強い根拠が現時点であるわけではないことを踏まえ、経過的な取扱いとして、新規認定分を含め現行の等級を維持するとされております。こちらの内容について資料 2 に等級表がありまして、現行のものと見直し案が書かれております。参考資料の 3 に図解したものがありますので、適宜、御参照ください。

 資料 2 、等級表の見直し案、視力のところを読みます。 1 級は、良い方の眼の視力 ( 万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のあるものについては、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ。 ) の和が 0.01 以下のもの。

2 級につきましては、 1 、良い方の眼の視力が 0.02 以上 0.03 以下のもの。 2 、良い方の眼の視力が 0.04 かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの。 3 級は、 1 、良い方の眼の視力が 0.04 以上 0.07 以下のもの (2 級の 2 を除く。 )2 、良い方の眼の視力が 0.08 かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの。

 次に、 4 級です。 1 、良い方の眼の視力が 0.08 以上 0.1 以下のもの (3 級の 2 を除く。 )

 次に、 5 級です。 1 、良い方の眼の視力が 0.2 かつ他方の眼の視力が 0.02 以下のもの。

 次に 6 級です。良い方の眼の視力が 0.3 以上 0.6 以下かつ他方の眼の視力が 0.02 以下のもの。こちらが等級表の視力の部分の見直し案になっております。

 次に、資料 3 、身体障害者障害程度等級表の解説についての改正案を御覧ください。まず、 1 ページです。見直し ( ) につきましては、 1 の総括的解説の (1) のところで、屈折異常がある者については、最も適正なレンズを選び、矯正視力によって判定するとしています。以下は視野の改正案ですので、後ほど御説明いたします。

 次に、 3 ページ、各項解説です。 (1) 視力障害の部分があります。ア、視力は、万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のあるものについては、矯正視力を用いる。両眼の視力を別々に測定し、良い方の眼の視力と他方の眼の視力とで等級表から等級を求める。等級の換算表 ( 1) の横軸には良い方の眼の視力、縦軸には他方の眼の視力が示してある。イ、両眼を同時に使用できない複視の場合は、非優位眼の視力を 0 として取り扱う。例えば両眼とも視力が 0.6 で、眼筋麻痺による複視が起こっていて、日常生活で片眼を遮閉しなければならないような場合には、一眼の視力を 0 とみなし 6 級となる。なお、顕性の眼位ずれがあっても、両眼複視を自覚しない場合には、これには該当しない。

 次に、 ( 1) が等級表と同じ内容になっていますが、表が示してあります。こちらの資料の視力の部分は以上です。

 次に、資料 4 、「身体障害認定基準の取扱いについて」の改正 ( ) です。まず、 1 ページは、総括表についての部分で、「障害名」のところの例示の傷病名が変更されております。こちらについては説明を割愛させていただきます。

2 ページ、 (2) 「視覚障害の状況及び所見」についてです。こちらにつきましては、視力の測定の際の視標面照度ですとか、判定基準についての詳細が記載されております。

 次に、 3 ページです。 (2) の所で視力の判定について述べております。視力の判定は最良視力が得られる矯正眼鏡の装用が困難な場合や両眼視の困難な複視の場合は、障害認定上の十分な配慮が必要であるということが記載されております。

 疑義解釈・診断書・意見書のほうもこれらの改正案に沿いまして変更がされております。視力については以上でございます。

○中村座長 ただいま事務局から説明を頂いた内容を踏まえ、ここでは視力障害の認定基準案について、御議論を頂けたらと思います。これまでの 1 回から 4 回までの議論を踏まえた案ということでの御提案でした。それでは御意見がありましたらお願いします。はい、竹下構成員。

○竹下構成員 すみません、遅れて申し訳ありませんでした。この中で、片眼の 0.04 0.08 の方の、言わば例外と言っていいのか分かりませんが、このことについてこの文書では経過的措置と表現としてあり、説明はなかったのですけれども、これは将来的にも変わることはないと受けとめていいのでしょうか。これは全体、あるいは全部を見直すときの話ではなくて、この 0.04 0.08 の方の現在の等級が維持されるという点が、この経過的措置という名で何年か後に切れるとか、そういうものではないという趣旨での質問です。以上です。

○朝川企画課長 企画課長です。今、竹下構成員がおっしゃったとおりですので、経過措置として書いていますけれども、今後調査研究に委ねる部分がありますので、それを意識して書いてあるところです。これはどこかの時点で終わるものではないという趣旨です。

○中村座長 ほかにありませんか。眼科の先生方、いかがでしょうか。少し専門的な用語になっている所もありますが、いかがでしょうか。石橋構成員、いかがでしょうか。

○石橋構成員 これで結構だと思います。

○中村座長 ほかにありますか。もう 1 人ぐらい、仲泊構成員いかがでしょうか。

○仲泊構成員 承知いたしました。

○中村座長 随分議論頂きましたので、良い形にまとめていただいたと個人的には思っています。よろしいですか。それではどうもありがとうございました。次に、視野へ移っても大丈夫ですか。では視野障害の認定基準案について、事務局から御説明をお願いします。

○渡企画課長補佐 視野障害の部分について、御説明します。今の視力と同じように資料をまたいで御説明します。まず資料 1 の報告書 ( ) です。 4 ページを御覧ください。これまでの経緯として現行の認定基準の考え方とあります。視野障害は求心性視野狭窄の場合に、「両眼の視野が 10 度以内」を認定。視野の欠損について視能率による損失率で評価。ゴールドマン型視野計による測定についてのみ基準を明示、となっています。

 次に 5 ページです。こちらは合同委員会の報告書についての記載です。視野障害について、ゴールドマン型視野計の製造中止ならびに日常診療における自動視野計の普及、ゴールドマン型視野計、自動視野計どちらでも等級認定できるようにする必要があるが、自動視野計の運用方法に対する具体的な記述がない。

 また次の○です。求心性視野障害や輪状暗点の評価について、現状の判定では 1/4 (いちのよん)イソプタで両眼とも 10 °以内の症例は、それに続く 1/2 (いちのに)イソプタを用いた判定基準で、 4 級、 3 級、 2 級に進むことができる。しかし求心性視野障害が偏心し、 1/4 (いちのよん)のイソプタが少しでも 10 °を超えた場合は 1/4 (いちのよん)イソプタの面積がたとえ同程度であっても 5 級判定となる。また、輪状暗点の定義が明確でなく、病期が進行した症例のほうが軽度の等級になるなどの問題があるとあります。

 また視野の所ですが、一緒に下の FVS の所も読みます。その他、 Functional Vision Score の導入の検討という所があって、こちらについても合同委員会の報告書にありました。

 次に 6 ページ目です。視覚障害の認定基準の見直しの方向性とあります。基本的考え方の所で、現行のゴールドマン型視野計による認定基準に加え、自動視野計による認定基準を新たに設けるとしてあります。

 またこちらも視野ではないのですが、一緒に読ませていただきます。今後の視覚障害認定基準の改善に向け、 Functional Vision Score 等に関する調査研究を行い、データを蓄積することとする。当事者団体等から、視力障害及び視野障害による視覚障害認定では障害認定されないが、見づらさを抱えている当事者への配慮を検討してほしいことなどの意見があり、視覚障害認定基準の改善のための調査研究の中で、これらについても検討を行い、その検討を踏まえ検討するとしています。

 次に 6 ページの具体的な認定基準についてで、視力の次の所の視野の部分です。視能率、損失率の用語を廃止し、ゴールドマン視野計においては 1/4 (いちのよん)イソプタによる視野角度の総和、 1/2 (いちのに)イソプタによる両眼中心視野角度により判定し、自動視野計においては視標サイズ3による両眼開放エスターマンテストで両眼開放視認点数、視標サイズ3による 10-2 プログラムによる中心視野視認点数により判定する。また、周辺の視野狭窄が進み中心部の視野も欠損した場合や、周辺視野に異常がなくとも中心視野が重度の障害を呈している場合についての評価を明確にするとしています。

 この考え方と具体的な方針を踏まえた等級の案が資料 2 です。これも先ほどと同様、参考資料 3 に図表がありますので、適宜御参照いただきたいと思います。 資料 2 、等級表の見直し案です。 2 級の 3 4 です。 2 級の 3 、視野角度 (1/4 (いちのよん)視標による ) の総和が左右眼それぞれ 80 度以下かつ両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) 28 度以下のもの。 4 、両眼開放視認点数が 70 点以下かつ両眼中心視野視認点数が 20 点以下のもの。

 次に 3 級です。 3 、視野角度 (1/4 (いちのよん)視標による ) の総和が左右眼それぞれ 80 度以下かつ両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) 56 度以下のもの。 4 、両眼開放視認点数が 70 点以下かつ両眼中心視野視認点数が 40 点以下のもの。

 次に 4 級です。 2 、視野角度 (1/4 (いちのよん)指標による ) の総和が左右眼それぞれ 80 度以下のもの。 3 、両眼開放視認点数が 70 点以下のもの。

 次に 5 級です。変更がない所として、 2 の所に、両眼による視野の 2 分の 1 以上が欠けているものというのがあります。今回新たになったのは、 5 級の 3 以下です。 5 級の 3 、両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) 56 度以下のもの。 4 、両眼開放視認点数が 70 点を超えかつ 100 点以下のもの。 5 、両眼中心視野視認点数が 40 点以下のもの。視野の等級表の見直し案は以上です。

 次に資料 3 を御覧ください。身体障害者障害程度等級表の解説についての改正案です。 1 ページ目第 2 、個別事項一視覚障害、 1 、総括的解説の (3) が視野です。視野はゴールドマン型視野計、あるいは自動視野計を用いて測定する。ゴールドマン型視野計を用いる場合は、「視野角度 (1/4 (いちのよん)視標による ) の総和が左右眼それぞれ 80 度以下のもの」、「両眼による視野の 2 分の 1 以上が欠けているもの」を、 1/4 (いちのよん)の視標を用い判定する。「両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) は、 1/2 (いちのに)の視標を用いて視野角度を測定した値により判定する。自動視野計を用いる場合は、両眼開放視認点数の算定には、両眼開放エスターマンテスト ( 1) 120 点を測定する。中心視野視認点数の算定には、 10-2 プログラム ( 2) で中心 10 度内を 2 度間隔で 68 点測定するとしています。 2 ページ目、図 1 として両眼開放エスターマンテストの (120 ) の図があります。 3 ページ目、図 2 として 10-2 プログラム (68 ) というのがあります。

 次に、 5 ページの (2) 視野障害という、視野の部分があります。 (2) 視野障害、ア、ゴールドマン型視野計を用いる場合は、「視野角度 (1/4 (いちのよん)視標による ) の総和が左右眼それぞれ 80 度以下のもの、両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) 」を以下によって判定する。 ( )1/4 (いちのよん)の視標による 8 方向の視野角度 ( 上・内上・内・内下・下・外下・外・外上 8 方向の角度 ) の総和が、左右眼それぞれ 80 度以下であるかどうかを判定する。 8 方向の視野角度は、 1/4 (いちのよん)視標が視認できない部分を除いて算出する。 1/4 (いちのよん)の視標で、周辺にも視野が存在するが中心部の視野と連続しない場合は、中心部の視野のみで判定する。 1/4 (いちのよん)の視標で、中心 10 度以内に視野が存在しない場合は、視野角度の総和が 80 度以下として取り扱う。

( )1/2 (いちのに)の視標による 8 方向の視野角度の総和を左右眼それぞれ求める。 8 方向の視野角度は 1/2 (いちのに)視標が視認できない部分を除いて算出する。さらに、次式により、両眼中心視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) を計算する。 ( 小数点以下は四捨五入し、整数で表す ) 。両眼中心視野角度= (3 ×視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) の総和が大きい方の眼の視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) の総和+視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) の総和が小さい方の眼の視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) の総和 ) 、これら全体を 4 で割るという式が示してあります。なお、 1/2 (いちのに)の視標で中心 10 度以内に視野が存在しない場合は、視野角度 (1/2 (いちのに)視標による ) の総和は 0 度として取り扱う。

 次にイ、自動視野計を用いる場合は、両眼開放視認点数及び両眼中心視野視認点数を、以下の方法で判定する。 ( ) 視標サイズ3による両眼開放エスターマンテストで両眼開放視認点数が 70 点以下かどうかを判定する。 ( ) 視標サイズ3による 10-2 プログラムで測定を行い、左右眼それぞれ感度が 26dB 以上の検査点数を数え中心視野視認点数を求める。 dB の計算は、背景輝度 31.5asb で視標輝度 10,000asb 0dB としたスケールで算定する。さらに、次式により、両眼中心視野視認点数を計算する。 ( 小数点以下は四捨五入し、整数で表す ) 。式ですが、両眼中心視野視認点数= (3 ×中心視野視認点数が多い方の眼の中心視野視認点数+中心視野視認点数が少ない方の眼の中心視野視認点数 ) 4 で割っています。

 ウ、「両眼による視野の 2 分の 1 以上欠けているもの」とは、両眼で一点を注視しつつ測定した視野が、生理的限界の面積の 2 分の 1 以上欠損している場合の意味である。 ( ) 視野の生理的限界は、左右眼それぞれに上・内・内上・内下 60 度、下 70 度、外上 75 度、外下 80 度、外 90 度である。 ( ) ゴールドマン型視野計を用いる場合は、左右眼それぞれに測定した 1/4 (いちのよん)の視標による視野表を重ね合わせることで、両眼による視野の面積を得る。その際、面積は厳格に計算しなくてよい。 ( ) 自動視野計を用いる場合は、両眼開放エスターマンテストで視認点数が 100 点以下である。

 エ、なおゴールドマン型視野計あるいは自動視野計を用いた場合の等級判定について、表 2 のとおり示したので参照されたい。こちらの表 2 というのは、等級表の内容を解説したものが載っております。

 次に資料 4 2 ページ目を御覧ください。 (2) 「視覚障害の状況及び所見」についてという所の、ウの所に視野の部分があります。こちらでは視野の測定について 1/4 (いちのよん)視標、 1/2 (いちのに)視標を用いること、自動視野計で視標サイズ3を用いることなどが記載しています。次に 3 ページ目、 (3) です。視野の判定は、ゴールドマン型視野計あるいは自動視野計のどちらか一方で行うこととし、両者の測定結果を混在させて判定することはできないということが記載しています。資料 4 については以上です。疑義解釈と診断書等については、今回の基準変更に応じた変更をしています。以上です。

○中村座長 ただ今事務局から説明いただいた内容を踏まえまして、視野障害の認定基準案について御議論頂けたらと思います。よろしくお願いします。

○竹下構成員 今、最後の (3) の所の意味に絡んで、 2 つお聞きします。「混在させてはならない」ということは、文章としては理解できるのですけれども、どちらかすなわち自動視野計か、ゴールドマン視野計のどちらかが、ここに示されている基準に該当すれば、その等級に該当するということで受け止めて理解していいのでしょうか。すなわち、両方ともが該当する必要がないということで確認しておきたいという趣旨です。

2 番目は、 (3) がわざわざあるというのは、具体的にはどういう混乱が予測されるからこの (3) があるのかについて、少し御説明いただきたいと思います。以上です。

○中村座長 まず事務局のほうで、ないですか。ほかの先生から。では松本先生からお答えいただくのがよろしいでしょうか。松本構成員お願いします。

○松本構成員 まず混在の件ですが、これは判定をするときに、周辺視野を自動視野計、中心視野をゴールドマン型視野計と言うように自動視野計とゴールドマン型視野計を組み合わせて判定することはできないということです。どちらの視野計を使うかは状況によって判断していただければいいのですけれども、混在させる事はできないということです。また、自動視野計、ゴールドマン型視野計の両者の条件を共に満たす必要はありません。

○中村座長 竹下構成員、 2 番目の質問はどういう。

○竹下構成員 もう 1 つは、例えばですがゴールドマン視野計で測ったときには該当しなかったけれども、自動視野計でやった場合は該当した。その逆の場合もあるかと思いますけれども、そういう場合は変な言い方かもしれませんが、結果の良い方で等級認定をしていいと理解していいのでしょうか。

○松本構成員 はい、おっしゃるとおりだと思います。どちらの視野計の方がその患者様に適しているかということに関しては、担当医が判断し選択することになります。実際に自動視野計を導入するにあたり、過去の等級判定との継続性を確保するためにも、また、どうしてもゴールドマン型視野計しか対応できない患者様もおられますので、担当医が患者様の状態を判断して選択することになります。

○竹下構成員 ありがとうございました。分かりました。

○中村座長 ほかにありますか。よろしいでしょうか。かなり専門的な単語が出ていますので、齟齬がないかどうかは眼科の先生のプロが確認しないといけないわけで、これはしていただいてあるということで理解しています。大変御苦労様でした。ほかに松本構成員、何かありますか。

○松本構成員 内容に関しては十分に議論させていただいていますが、言い回しや「てにをは」などで、少し文章が長くなっている所に関しましては、もう少し事務局と相談させていただきたいと思います。

○中村座長 全体の趣旨を損なわない範囲内で、「てにをは」は修正する可能性があるかと思います。ほかにありますか、よろしいですか。なければどうもありがとうございました。それでは視力障害と視野障害の認定基準等に御議論頂いたわけですが、それ以外の部分も含めて報告書全体について、御議論があれば、あるいは御意見、コメントがあればお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○竹下構成員 このまとめどうもありがとうございました。このまとめに基づいて部長通知になるのか、そうした通知通達類が具体的に今後、いつ外部に開示されて、例えばパブリックコメント等を経て最終決定されるのか、そういうスケジュールが今分かっているのであれば、御説明いただきたいと思います。

○中村座長 事務局お願いします。

○朝川企画課長 企画課長です。今後のスケジュールについて、簡単に今予定していることを申し上げますと、今日この検討会での議論を経て報告書案をまとめていただけましたら、年明け 1 月のいずれかの段階で、疾病障害認定審査会身体障害認定分科会という審議会に諮ることになります。そこでお諮りをして了承ということになれば、今度パブリックコメントを行いたいと思っています。それは恐らく 1 月、 2 月辺りだと思います。パブリックコメントを経て、我々は省令と通知の改正の作業をします。その作業の進捗にもよりますが、おおむね年度内ぐらいをめどに改正をしたいと思っていますので、したがって改正を行うのは今年の春ぐらいで、実施についてはもう少し周知期間等を置く必要がありますので、若干の周知期間を置いてからと考えています。

○竹下構成員 具体的な通知通達は年度内として、周知期間を置くというのは分かりますが、アバウト 1 年ぐらいが周知期間と受け止めておけばいいのでしょうか。

○朝川企画課長 企画課長です。これは周知期間を置く意味はいくつかあるのですけれども、まず行政都道府県等にこの認定事務をやっていただいていますので、行政にちゃんと理解していただく時間が必要であるのと、その先である現場の眼科の先生方によく御理解を頂く必要があります。特に視野障害の所は、難しい表現も出てきますので、よく御理解頂く必要があると考えていまして、すぐ実施というのはちょっと難しいと思っています。ただ 1 年置くのはちょっと置きすぎとも考えていて、そこはまた眼科の学会、医会の先生方ともどれぐらい期間を置けばいいのかは、相談しながら実施時期は検討していきたいと思います。

○中村座長 ありがとうございました。ほかにありませんか。特にないようでしたら本検討会として視覚障害の認定基準の見直しの方向性は、この報告書案、認定基準案に集約されていると考えられます。今後については、ただ今企画課長から手続、予想される状況について、説明のあったとおりだと思います。ありがとうございました。

 最後になりますが、資料 7 について事務局から説明をお願いします。

○渡企画課長補佐 先ほど見直しの方向性についても、調査研究についてというところが報告書にありましたが、それを踏まえて、資料 7 、調査研究についての方針 ( ) です。まず考え方です。身体障害者手帳については、昭和 24 年に制定された身体障害者福祉法に規程がある。「身体障害者福祉法の目的は、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もって身体障害者の福祉の推進を図ること」であり、身体障害者手帳の認定基準は、この目的に合うように、医学的観点かつ日常生活の制限の程度の観点から合理的で客観的なものであるべきである。視覚障害の認定基準についても、視力障害の各等級の境界の決定や身体障害の認定対象の変更は、他の種類の障害とのバランスも踏まえ、医学的観点かつ日常生活の制限の程度の観点から合理的で客観的である必要があり、このため、調査研究を実施し、視覚障害の認定基準の改正に資する資料を得ることとしたい。

 目的、視機能における障害認定基準について、今後より一層医学的観点かつ日常生活の制限の程度の観点から合理的で客観的なものとなるよう改善していくため、国際的動向も踏まえ、視機能を評価する手法や指標に関する基礎資料を収集する。

 研究計画、視機能と ADL に関する評価についての現状の科学的知見及び国際的な障害認定の状況について整理するため、我が国及び海外における文献調査等の調査を行う。また、日常生活の状況について評価するための項目について、 VFQ-25 等の視覚関連質問票や、既存の ADL に関する質問票等を参考に、視機能の障害による ADL 低下の評価のための質問票を作成する。その上で、 FVS によるスコアリングと質問票の結果との関連について、既存のデータも活用しつつ、必要な部分について新たに臨床データの収集も行った上で分析を実施し、視機能の状況と日常生活の制限の関連に関する基礎資料を作成し、現在の認定基準との比較検討を行う。研究体制としては、眼科系学会推薦の専門家、障害福祉の専門家、統計学の専門家を中心に構成するとしています。

○中村座長 ただ今事務局から説明いただいた内容を踏まえまして、この方針案について御議論頂けたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

○竹下構成員 これは大賛成ですので、是非お願いしたいと思うのですが、ただ最後の研究体制の所についてだけ、若干意見を述べさせていただきます。当然眼科系の専門家、医師であったり、学者の方々が、中心になることは当然だと思っていますけれども、 2 つこのメンバーに是非入れていただきたいのは、視能訓練士の方を加えていただくことを強くお願いしたいと思います。これが 1 点目です。

2 番目には、ここにもあるように障害福祉の専門家とあるのですが、この障害福祉の専門家というのは、具体的にどういうイメージなのかについて、御説明頂きたいというのが 2 点目です。

 それからこれも研究体制ということになるかどうか分からないのですけれども、これまでの議論でも出てきましたように、片眼の方であるとか、眼球使用困難者と言うのでしょうか、眼瞼の痙攣とかがある方とか、そういう方々についての意見がどこまで反映されるかというのが重要だと思っています。そういう意味では、当事者の意見がこの研究会の中で反映される、あるいは考慮されるための体制というかシステムというかを、是非お願いしたい。それはメンバーに入れることが仮に適切でないとすれば、オブザーバーという形になるのか、ヒアリングという形になるのか分かりませんが、そうしたものを考慮頂きたいというお願いです。以上です。

○中村座長  2 点ありましたが、事務局からお願いできますか。

○朝川企画課長 企画課長です。まず 1 つ目の視能訓練士を入れるべきという点については、御意見を踏まえ、検討させていただきたいと思います。 2 点目の障害福祉の専門家については、そもそも手帳制度ですので、手帳制度について詳しい福祉の方に入って頂けたらと思っています。 3 つ目、片眼失明の方々などについての意見の反映の方法については、こういう研究体制を組んで、研究をされていく中で、そういう御意見を、団体の方々とか当事者の方々の御意見もちゃんと反映されるように、研究を進めて頂くという形で考えたいと思っています。

○中村座長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見、御要望も含めましてありますか。なければ、これは割とざっくり書いたところもありますので、また意見をお伺いしながら、良いものにしていって頂きたいと思います。ありがとうございました。

 この調査研究の方針については、御了解頂けたと考えさせて頂きます。以上ですが、事務局からほかにありますか。それでは部長お願いします。

○宮嵜障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の宮嵜でございます。一言御礼の御挨拶をと思います。構成員の皆様方におかれましては、本年の 1 月から 5 回にわたりまして熱心に御議論を頂きまして、誠にありがとうございます。中村座長はじめ皆様方のお陰で本日報告書案をおおむね取りまとめることができました。厚生労働省といたしましては、今後最終的に決定された報告書を踏まえ、視覚障害の認定基準の見直し案を作成し、疾病障害認定審査会身体障害者分科会に諮ることとなります。その後の手続きも含め、先ほど企画課長から申し上げたとおりですけれども、分科会で了承が得られればパブコメを行って、またその後、必要な法制的な手続きを行っていきたいと考えているところです。

 また、見直し後の認定基準を円滑に施行することが、大変大事だと思っています。その過程で、自治体等に対する周知を行っていきますが、先生方また関係学会、関係医会の御協力等も得ながら、周知広報を進めていきたいと思っています。更に最後にありましたが、今後中長期的に、認定基準を改善していくための調査研究にも努力していきたいと考えているところです。構成員の皆様方におかれましては、引き続き御指導頂けますよう、簡単ではございますが、御礼の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部企画課認定係
電話03-5253-1111(内線3029,3021)

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