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2018年12月13日 第26回予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

 

○議事

○友永予防接種室長補佐 それでは、ただいまから第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会を開催いたします。
委員の先生方におかれましては、合同部会に引き続いての開催となりますが、よろしくお願いいたします。
本日の議事は公開でございますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意願います。
続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。
多屋委員、中野委員、山中委員から御欠席の連絡を受けております。現在、委員12名のうち9名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により本日の会議が成立したことを御報告いたします。
また、本日は、参考人として国立感染症研究所感染症疫学センター長、大石和徳参考人に御出席いただいております。
それでは、申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意願います。
(報道関係者退室)
○友永予防接種室長補佐 続きまして、本日の資料を確認させていただきます。
タブレットの中には、番号01の議事次第から番号09の寄附金等のファイル、これらが保存されております。資料の不足等がございましたら事務局までお申し出ください。
それから、本日の審議参加の取り扱いについて御報告いたします。
本日御出席いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請書類への関与について申告をいただきました。各委員及び参考人からの申告内容につきましては、資料2の遵守事項資料等を御確認いただければと思います。本日の審議事項に関するワクチンは、肺炎球菌ワクチンとなっております。製造販売業者はMSD株式会社でございます。なお、本日出席の委員の申し出状況及び本日の議事内容から、退室や審議または議決に参加しない、これに該当する委員はいらっしゃいませんので、御報告いたします。
以上でございます。
ここからの進行は倉根部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○倉根部会長 ありがとうございます。
それでは、審議に入りたいと思いますが、まず、議題1「肺炎球菌感染症(高齢者がかかるものに限る。)について」、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○長谷川予防接種室長 予防接種室長でございます。
まず、資料2をごらんください。「肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)について」でございます。
これまで、肺炎球菌ワクチンに関しましては御議論いただいておりましたが、1の経緯でございます。
(1)高齢者の肺炎球菌感染症については、平成26年10月に定期接種に追加するとともに、当時の65歳以上の方に対して、5年間で段階的に、※印で書いておりますが、65、70、75、80、85、90、95、100歳において接種機会を提供しております。
(2)その際に用いられる肺炎球菌ワクチンであるニューモバックス(MSD社)について、本年12月10日、以下の報告を受けております。
規格試験で用いられる試薬の有効期間は、承認書上、2年間であったが、平成30年2月以降の規格試験で、有効期間を超えた試薬を用いた製品が出荷されておりました。
なお、試薬でございますが、ワクチンの有効成分濃度を測定する際に比較対象として用いる試薬でございまして、有効性・安全性に直接影響を及ぼすものではございません。
背景でございますが、ニューモバックスは、米国向けと日本向けで同じアメリカ内の工場で製造がなされております。米国では、平成29年8月に試薬の有効期間を3年にする延長手続を済ませておりましたが、日本では当該手続がとられておりませんでした。当該手続につきましては、本年12月11日付で日本でも承認されております。
2の基本的な考え方でございます。
(1)当該試薬は、安定性データから有効期間を延長して問題ないことを確認しております。したがって、既に流通しているワクチンの品質、有効性及び安全性には問題はないと考えております。
(2)一方で、MSD社が有効期間の延長が済んでいない状況で期限外の試薬を用いて規格試験を行ったことは、手続として不適切と考えられます。
(3)また、日本で延長手続が行われていなかった原因究明、再発防止を行うことや、類似事例がないことの確認が必要でございます。
3の対応(案)でございます。
(1)既に出荷されたワクチンの品質についてMSD社に再検証を求めます。
(2)立入検査を行い、類似事例がないこと等の確認を至急行います。
(3)上記確認等を終えた後、改めて審議会を開催し、製造販売業者の品質管理に係る手順書・記録の確認結果等、事実関係を報告するとともに、定期接種の経過措置延長について審議いただく。
と考えております。以上でございます。
○倉根部会長 ありがとうございました。
ただいま事務局からこのような説明がございましたが、何か御質問、御意見はございますか。
前回の委員会で経過措置の今後のあり方について議論いただきまして、今回はそれを受けてのことでありましたが、いわゆる定期接種の経過延長については、また、その後といいますか、そこら辺が明らかになってからという事務局の説明でございます。坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 もしわかったらで結構なのですが、どれぐらいの量の製品がすでに出荷されて、それが実際にどれぐらい消費されているか、お教えいただきたいと思います。
○倉根部会長 事務局から、わかりますか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長でございます。今日は、この話がありましたので、同席させていただいております。
私ども、今週月曜日に、第一報としてこのお話をお伺いしたところでございまして、まだ詳細な、今、お話がありましたような、この問題が起こった期間でどのくらいの出荷量があるのかということについては現時点では報告を受けておりません。
○倉根部会長 御質問あるいは御意見は、釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 質問ですけれども、対応の(3)で定期接種の経過措置の延長については考えて、たしか4月に間に合うようにということだったと思いますが、対応の(1)、(2)はそれまでに終了する見通しなのかどうか、教えてください。
○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 私どもとしては、月曜日にこの報告事象を受けまして、すぐさま事実関係の確認をしっかりしなければいけない。先ほど申し上げたように、既に流通しているワクチンの品質につきまして、この試薬の有効期間の問題が影響するとは思っていないところでございますが、ただ、アメリカ本社で切りかわったことについて、日本法人が的確に把握し、承認書に記載されていることがちゃんと対応できなかったということについては問題があると認識しております。また、こういうことがあるということは、類似事例と記載させていただいておりますが、そういったことについてもよく確認しておかなければいけないと思っております。それについては、私ども、今日から実際に立ち入りを始めて、鋭意速やかに立入検査を行いまして、ここに書いております点を調べていきたいと思っております。
○倉根部会長 宮﨑委員、どうぞ。
○宮﨑委員 この試薬を使って検査したのは国内ですか、国外ですか。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○山本医薬品審査管理課長 国内で小分け試験での測定試験をやっているという理解でございます。
○倉根部会長 ほか、いかがでしょうか。
私から一つ質問していいですか。なぜわかったという言い方は変ですが、どういう形でこれがわかったのでしょうか。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 これにつきましては、月曜日に報告を受けた段階では、この承認書の有効期間の対応ができていなかったわけでございます。それが後追いで手続を行ったということであります。これに関しては、当然、国家検定を受ける品目でもございますので、実は感染研のほうにその話の相談があったようでございます。私ども監視指導・麻薬対策課が国家検定の担当課でもございますので、その関係で感染研の御指導もいただきまして、私どもに報告があり、それが月曜日にわかったということでございます。
○倉根部会長 中山委員、どうぞ。
○中山委員 この試薬というのはどのワクチンでも使われるものなのですか。そういう理解でよろしいのでしょうか。素人なので教えてください。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○山本医薬品審査管理課長 どのワクチンでもという汎用の標準品ではございません。このニューモバックスの有効成分をはかる、それと同じ、かつ濃度のしっかり保証されたものでございますので、ポリサッカライドとか、そういうものでございます。
○倉根部会長 中山委員、どうぞ。
○中山委員 そういうことではなくて、ほかのワクチンでもそれに特化したというか、試薬というのは常に使われるのでしょうか。そうすると、ほかのワクチンでもこういう試薬の有効期間切れとか、そういう問題が起こるのかなと思ったものですから質問しました。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 今回のものは、当然、有効成分の自家試験を行う上で、標準品があって、検量線を引いて、それで有効成分の量をはかるために必要なものでございまして、今、各製品の承認書が手元にないので確認はできませんけれども、通常はあるのだろうと思っております。今回、立入検査では、当該社のほかのワクチンでもどういう問題があるのか、類似事例ということで記載しておりますが、そういうこともきちんと確認していきたいと思っております。
○倉根部会長 磯部委員、どうぞ。
○磯部委員 そうやって速やかに対応していただくということでお願いするしかないと思いますが、類似事例が出ました、あるいはぼろぼろ出てきましたというときに、そちらのほうについてはきちんと対応してくださいということは、追ってこれからきちんとやっていただくということに尽きるのだろうと思いますけれども、こちらの継続定期接種の経過措置の延長について、類似事例があったからこちらもとめるということになるのですか。それはどういう理屈なのだろうというのが、こちらについてきちんとまずはやってください。それについての体制がきちんととれれば、こちらについては4月以降について判断ができるということになるのか、類似事例が出る以上はそのような会社のつくるものはだめだということになるのか、類似事例を調べる結末というのはどういうことを考えていらっしゃるのか、教えていただきたいのです。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 類似事例を調べるというのは、こういった品質管理の問題に関しては、品質管理のシステムがきちっと動いているのかということが非常に重要なポイントでございます。MSDの本社がどういう形で情報をとって、どういうふうに活用してやっていくのか、システムとしてきちんとしているのかを見るためにも、他の製品においてもどうなっているのかということを見て、それがこの品目特有の問題であったのか、ほかの品目にも影響するのかを確認するために類似事例ということは考えなければいけないと思っております。ただ、今回は肺炎球菌ワクチンの経過措置の問題でございますので、その問題についてどう扱うかは健康局のほうにも事実関係をよくお話をさせていただきまして、その上で御判断を仰ぎたいと思います。
○磯部委員 わかりました。
○倉根部会長 ほか、御意見、御質問はございますか。釜萢委員、どうぞ。
○釜萢委員 今日、これを伺いましたけれども、製薬メーカーが本来、日本においてきちんと対応し、変更があった場合には速やかに承認を得るという一部変更の手続をとらなかったということは、国民あるいは私ども医療関係者に対しても信頼を裏切るゆゆしき事態ですので、そのことについては、立入検査と書いてありますが、しっかりしかるべき対応をしていただいて、今後のこともそうですけれども、今回の事案についてしっかりと検証していただきたいというふうにお願いをいたします。
先日、BCGの件で申し上げたところですが、今回、12月10日に報告を受けられて、速やかに今日の会も開催されたということについては、厚労省が大変真剣に真摯に取り組んでおられる姿勢と思って、そのことは大変評価申し上げたいと思います。厚労省もいろいろな部署がありますので、情報の連携をさらに緊密にしていただいて、厚労省を挙げて国民の安全のためにさらに力を尽くしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 もう一点確認なのですが、これは米国で3年となって、日本では2年だったところを書きかえていなかったということですが、日本で使った試薬は、確認ですけれども、3年は超えていないのですね。これは単に有効期限が超えていると書いてあるだけなので、3年超えの場合はまた別の話になってしまうので、そこだけは確かなのでしょうか。
○倉根部会長 事務局、どうぞ。
○磯部監視指導・麻薬対策課長 そこは、はっきりしないところもございますので、調査の中ではっきりさせていきたいと思います。
○倉根部会長 どうぞ。
○山本医薬品審査管理課長 あと一点、29年8月に米国で3年延長手続ということで、この時点では3年まで安定性のデータが出ていました。今回、日本で承認申請して承認になっている内容でございますが、48カ月、4年のデータがきちんと出て、29年から1年以上たっておりますので、4年の安定のデータはあるということをもとに承認させていただいております。今、先生がおっしゃったように、3年を超えた、あるいは4年を超えた、そういったものがないかというのはこれから立ち入り等々で調査していくことになるかと思っております。
○倉根部会長 ほか、よろしいでしょうか。
そうしますと、今回、ここの部分につきましては、それぞれの課で事実確認をきちんとしていただくということ、その報告をこの委員会で受けて、そしてまた、今日扱う予定であった件についてはそれを受けてまた改めて議論いたしたいということで了解いただきますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○倉根部会長 ありがとうございます。
それでは、そういうふうにしたいと思います。
次は、報告事項になりますが、「骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況及び居住地以外で定期接種を実施した場合の取扱いについての調査結果について」ということで、事務局からお願いします。
○長谷川予防接種室長 事務局より説明を申し上げます。
資料3「骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況及び居住地以外で定期接種を実施した場合の取扱いについての調査結果について」でございます。
10月31日の基本方針部会でこの点を報告させていただいたところでございますが、報告の後、1つの自治体より変更があったということで、こちらの資料を最新のものに変えておりますので、その点について修正をさせていただきたいと思います。スライドの2枚目でございます。助成事業があると報告された自治体の数が90とございますが、1つ減りまして89となっております。この点を含めまして、1-2、1-3、1-4、1-5についてもそれぞれ該当する部分を変更させていただいております。本日御提示させていただいた資料が最新のものでございます。こちらの訂正の御報告でございました。
事務局より以上でございます。
○倉根部会長 ありがとうございます。
これは訂正の報告でありますが、何か御質問はございますか。よろしいですか。
本日準備いたしました議題については以上でありますけれども、事務局から何かございますか。どうぞ。
○友永予防接種室長補佐 次回の開催につきましては、追って連絡をさせていただきます。
事務局からは以上でございます。
○倉根部会長 それでは、これをもちまして第26回予防接種基本方針部会を終了いたしたいと思います。時間外の開催に御協力いただきまして、ありがとうございます。
それでは、これで終了いたします。
(了)

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