ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会> 第6回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(2017年10月25日)




2017年10月25日 第6回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

○日時

平成29年10月25日(水)


○場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール1A


○議事

○長房企画官 それでは、定刻より若干前になりますが、遅れるとの御連絡をいただいております三浦構成員以外の構成員の方々は、既にいらっしゃっておりますので、ただいまより第6回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日御欠席の平川構成員の代理で伊藤様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第と座席表のほか、次のとおりになります。

 配付資料といたしましては、

 資料1-1、ウェブサイト等について(具体的事例)。

 資料1-2、客観的事実が証明できない事項について(具体的事例)。

 資料2、術前術後の表示の扱いについて。

 このほか、参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4をお付けしております。

 もし資料の欠落等がございましたら、事務局にお申しつけください。

 それでは、以降の進行を座長にお願いいたします。

○桐野座長 それでは、議事1「前回の議論の整理」に移りたいと思います。

 資料1-1「ウェブサイト等について(具体的事例)」、資料1-2「客観的事実が証明できない事項について(具体的事例)」の説明をお願いいたします。

○長房企画官 了解しました。

 まず、資料1に入る前に、前回の復習を兼ねまして、参考資料2を最初に御説明させてください。医療法改正後の広告規制の体系ということで、前回お示ししたものの復習になっております。

 1ページ目の下に表をお付けしておりますが、そちらの左側をごらんください。「従来の医療法上の広告」でありますテレビCM等につきましては、1にございますように、虚偽・誇大などの表示が禁止されるほか、2にございますように、広告可能事項が限定されます。広告可能事項が限定されるとどうなるかを2ページ目にお示ししております。広告可能な事項ということで、2ページ目に掲げられました13の項目に広告していい事項が限定されることになります。

 その上で、1ページ目にお戻りください。今度は、右側の「新たな医療法上の広告」になります。新たな医療法上の広告になりますウェブサイト等につきましては、右下に色をつけておりますが、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項が限定されず、幅広い事項を広告することが可能になります。すなわち、先ほど2ページ目でお示ししました13の事項に縛られずに比較的自由に広告ができるということでございます。

 ただし、御留意いただきたい点といたしまして、表のところで大きなプラスマークで1と2を結んでいるところがおわかりかと思います。すなわち、広告可能事項の限定が仮に解除になりましても、虚偽・誇大等の広告禁止事項の縛りは依然としてかかるということでございます。この点に御留意をいただければと思います。

 以上が参考資料2の御説明になります。

 続きまして、事例の説明に入っていきます。資料1-1「ウェブサイト等について(具体的事例)」をごらんください。

 1ページ目に入っていきます。こちらはウェブサイトの事例の1つ目でランキングサイトになります。左側が「1.医療法上の広告に該当しないケース」になります。医療機関と無関係の第三者がDPCデータや医療機能情報提供制度より単純にランキングしたものについては誘引性がございませんので、医療法上の広告に該当しないと考えます。

 一方で、そのランキングの右下に青い矢印が伸びております。仮にこのランキングが医療法上の広告に該当しない場合であっても、医療機関のウェブサイトに掲載し誘引性がある場合には医療法上の広告に該当するという整理としております。

 次に、右側が「2.医療法上の広告に該当するケース」でございます。医療機関が広告料等の費用を負担するなどの便宜を図って掲載を依頼するような場合、いわば医療機関の隠れ広告に当たるような場合ですが、こういった場合におきましては誘引性があるとみなし、医療法上の広告に該当するとみなします。

 以上がランキングサイトになります。

 2ページ目をおめくりください。こちらは口コミサイトの事例になります。その整理につきましては、先ほどランキングサイトのほうで御説明させていただきましたが、医療機関が広告料等の費用を負担するなどの便宜を図って掲載を依頼するような場合、誘引性が認められ、医療法上の広告に該当するものとみなします。

 3ページ目をおめくりください。こちらは医療情報総合サイトでして、医師が患者からの問い合わせに答えたり、特定のテーマについて解説を行うなどのサイトでございます。こちらも整理は同様でございます。医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って掲載を依頼するような場合に誘引性が認められ、医療法上の広告に該当する扱いといたします。

 4ページ目をおめくりください。こちらがSNSになります。左側が個人のSNSになりますが、左上の通常の日記風の書き込みにつきましては、医療法上の広告には該当しません。他方、左下のケースになりますが、例えば医療機関から広告料等の便宜を受けて患者を誘引するような書き込みを行うようなケースを取り上げております。こういった場合は広告に該当することになります。

 次に、右半分が医療機関のSNSになりますが、誘引の意図を持って行う表示につきましては医療法上の広告に該当する扱いといたします。

 5ページ目をおめくりください。これは、アフィリエイトとは何かというものをお示ししたものです。医療機関から依頼を受けましたアフィリエイトサービス会社、このアフィリエイトサービス会社と契約を結んでおりますアフィリエイターという者がおります。このアフィリエイターが自分のブログなどに患者等を誘引するような書き込みを行って、患者等が実際にそのリンクをクリックした結果、予約に結びついたりいたしますと、出来高に応じて報酬がもらえるといった仕組みになっております。

 6ページ目がバナー広告、リスティング広告等の具体例でございます。左上に、ウェブサイトの特定のコーナーに文書や絵が出てくるバナー広告、右上に、検索結果の上とか横にURLのリストが表示されるリスティング広告、それから、右下に、インフィード広告というものがございます。バナー広告に類似したもので既存のランキングや関連記事一覧の中に広告が表示されるものでございます。

 以前は、こういった入り口のサイトが一旦広告とみなされますと、出口の医療機関のウェブサイトも含めて広告という扱いとなり、かつ、広告可能事項が限定されておりましたが、今後、ウェブサイトが規制の対象になることに伴いまして、その他のウェブサイト等の並びで、医療機関のウェブサイトにつきましてはこういったバナー広告等のリンクがあろうがなかろうが、広告可能事項の限定の対象とはしない扱いにしたいと考えております。

 資料1-1の説明は以上になります。

 続きまして、資料1-2に入らせていただきます。「客観的事実が証明できない事項について」の具体例について御説明させていただきます。

 1ページ目をおめくりいただきまして、こちらは既存の規制の整理でございます。まず、医療広告ガイドラインにおきましては、客観的事実であることを証明できない事項につきましては、今、1本の柱で広告禁止事項とされております。かつ、患者の体験談の紹介、「理想的な医療提供環境です」「比較的安全な手術です」といった具体例も掲載されております。

 一方、医療機関、ホームページガイドラインにおきましては、一本の柱ではなくて、内容が虚偽にわたる、または客観的事実であることを証明することができないものということで、虚偽とワンセットで禁止事項とされております。具体例ということで右側に並べておりますが、いずれも虚偽記載の事例でございまして、客観的事実が証明できない事項の例ではないといった違いがございます。

 2ページ目をおめくりください。今後、客観的事実が証明できない事項につきましては、前回の検討会でお示しいたしましたように、省令上の広告禁止事項とはしない一方、治療効果に該当する事項のうち、客観的事実が証明できず、受診を不当にあおるようなものについては虚偽・誇大に該当するものであるということをガイドラインで示すこととしております。

 その際の具体例を下の表に記載しております。左側が禁止される広告の具体例でございまして、「○○式免疫療法でこれまで治らなかったがんも必ず治ります」「たった一度の施術で若返りの効果を実感できます」「お客様満足度98%(根拠・調査方法の提示がないもの)」といった事例を挙げさせていただいております。

 右側が禁止されない広告の具体例で、上に、治療効果の関係で、海外で承認されているが日本人への投与例がない国内未承認薬を治療の1つとして選択できるといった事例。下になりますが、アメニティーの関係で、客観的な証明ができないが、誇大とも言えないケースということで、「おいしい食事を提供します」といった事例を挙げさせていただいております。

 御説明は以上であります。

○桐野座長 どうもありがとうございました。

 ただいま事務局から御説明があった資料1-1、資料1-2についてまず御審議をいただきたいと思います。資料1-1はウェブサイトの類型、具体的事例ですね。それから、1-2は客観的事実が証明できない事項についての扱いですが、御意見がありましたらお願いをいたします。

 石川先生、どうぞ。

○石川構成員 日本医師会の石川です。

 具体例を出していただきまして、本当によくわかりやすくなってイメージが湧きます。ただ、例えば1-1の3ページで、患者さんが医療情報総合サイトで病気や症状から探すということで、「腰痛」などで検索すると、今回は、医療機関に関して、広告だとか、してはいけないということで議論しているわけですけれども、意外に、医療機関ではなく、例えば接骨院だとかそういったところのホームページみたいなものまで出てくるのではないかと非常に懸念するのです。それから、私、いつも言いますように、例えば健康食品に類するような、腰痛に効くようなものだとか、そういったものが入ってきはしないかということをかなり心配するわけです。患者さんの正しい情報への誘導について、あまりにも医療機関だけ萎縮しますと思わぬ方向に行くのではないかということで、私、前から言っていますように、そちらの方面でも同じような規制みたいなものをきちんとしない限りは、ちょっとおかしなことになってしまうかなということを懸念します。

 今回、こうやってわかりやすいので議論できると思うのですけれども、逆に、そういう心配も出てきているので、御検討をよろしくお願いしたいなと思います。

○桐野座長 ただいまの件につきましていかがでしょうか。

 事務局から何かコメントがございますか。

○長房企画官 指摘をいただきましてありがとうございます。

 現状、例えば医薬品であれ、特定保健食品であれ、医療であれ、それぞれ目的が異なる別々の法律で規制されておりまして、こういった中で一元的に管理を行うというのは、中長期的な課題である面がある一方で、足元で、今できる対応をしっかりやっていきたいと考えております。

 例えば、消費者庁、医薬局、我々はネットパトロールを実施しておりますが、お互いの守備範囲に該当するものについて相互に情報提供を行うなど緊密な連携を図っていきたいと考えております。

○桐野座長 木川構成員、お願いします。

○木川構成員 石川先生の御意見に賛成でございます。要するに、はあき法とか、柔道整復師法に関する広告規制についても、医療法と同じような規制を設けることによって整合性をとっていくことが必要なのではないかと思っております。

○桐野座長 この件についてはいかがですか。

 お願いします。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘のありました、はあきでありますとか柔整に関しましても、医政局担当課と連携しながら対策を進めていきたいと思っていますが、現行におきましては、まず、はあきでありますとか柔整がどのような広告等を行っているか実態把握に努めているところでございますので、今後その実態を踏まえて対応していきたいと思っております。

○桐野座長 よろしいですか。そのほかございますでしょうか。

 大道先生。

○大道構成員 この1-1の1ページ目の「ウェブサイト1 ランキングサイト」の右の2.のところに、後に何回も出てくるのですが、「医療機関が広告料等の費用を負担する等」と「等」が2つついているわけです。要するに医療機関がお金を出して載せるものについては規制の対象になるという考えだと思うのですけれども、このあたりの線引きというのは非常に難しいと思うのです。

 例えば某大手週刊誌に○○のお医者様みたいな形で取材として出ているものがあるのですが、あの掲載料が90万、2ページで180万です。これなどはわかりやすいのかもわかりませんが、見ている人は絶対取材だと思うのです。記事だと思うのです。これは、この医療機関における広告だよという提示がないので誤解の元になるかなと思う。

 あと、ランキングサイトというのも、有料のものと無料のものがあるので、医療機関が登録するだけでそこに参加できるというものになってくると、金銭が発生しない、しかし、ランキングサイトにはその医療機関が載ってくるとか、口コミが掲載されるとか、このあたりの線引きに関してはどうお考えなのでしょうか。

○桐野座長 いかがでしょうか。

○木下調整官 事務局でございます。

 まず、前段の記事を装っているような場合につきましては、現行の取り扱いとしても、広告に該当すると整理をさせていただいていますので、明確かと考えております。御指摘のように実際に見た人がどうなのかということに関しましては、個々のケースはいろいろあろうかと思いますし、実際の取り締まりという観点におきましては、そういう疑わしいものがあれば、担当の部署において確認を行うことが必要かと考えております。

 また、後段の、要は金銭が発生していない、便宜等を図っていないようなケースも中にはあろうかと思います。それも個別の内容等を踏まえてやっていかざるを得ないかなということで、現時点において、明確にその部分に線を引くことは難しい部分もあろうかと思いますが、そういった懸念を持たれる事例を集めてガイドライン等で例示を挙げることによって、一定程度のこういった取り締まりの対象となるかどうかについての考え方の整理はできるかと思っております。

○桐野座長 大道先生、どうぞ。

○大道構成員 このように線引きが非常に難しい中で、利用機関側に自粛しろと言われてもなかなかつらいところがある。むしろそういうビジネスが存在すること自体がどうかなと思うので、そちらのほうから締めるというふうにならないのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今回の法改正の趣旨も踏まえ、現行の広告の取り扱いにおきましては、必ずしも医療機関だけがやった場合が罰せられるわけではなくて、その主体としましては、何人もということで規制の対象となっているところではございます。医療機関の方々に関しましては、いろいろなチャンネルを使いまして、こういったことはいいですよ悪いですよとお伝えしやすいところではございますが、それ以外の、広告をやっているサイトの運営者等に関しましても、できる限り関係省庁と連携しながら情報提供していって、ガイドラインを遵守してくださいというお願い等はやっていきたいと思っております。

○桐野座長 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 「3.ウェブサイト例3 医療情報総合サイト」のところですけれども、営利の会社がこれを行うともちろん対象になると思うのです。例えば我々のような病院団体も、もちろんホームページを持っております。そのホームページは誰でもアクセスできますので、その中から任意のエリアの会員病院の一覧が出てくるとかいうことになってくると、これも規制の対象になるということなのでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 いわゆる広告に該当するかという御質問につきましては、広告に該当するという整理になろうかと思います。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今の先生のような例ですと、別に特定の病院がお金を出しているわけではないから、特定の病院が自分のところに誘引しようとしているわけではないので、広告には当たらないという整理になるのかなと理解するのですけれども、違いますか。

○桐野座長 お願いします。

○木下調整官 事務局です。

 ちょっと補足させていただきますと、特定の病院ではないにしろ、特定の病院グループに対する誘引は働いているということも考えられますので、そういった特定のグループ等への誘引がある場合につきましては該当するという形で整理ができるのではないかと思っております。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 医療法人グループとか、何とか会とかいうところに誘引するのだったら、おっしゃるとおりなのかと思うのですけれども、先生がおっしゃった例というのは、医師会とかがつくる検索サイトなので、医師会が一つのお医者さんのグループだと言えばそれはそうなのですけれども、多分、想定されているのはそういうことではなくて、特定の病院とか、特定の医療法人とか、そういったところに誘引することなのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 その誘引という意味におきましては、狭いか広いかというところではなくて、特定性とあわせて誘引性が判断できるかどうかということになろうかと思います。

 一方で、例えば医師会におきまして、地域において網羅性があって、ほぼ多くの病院がそこに入っているようなページで検索ができるという場合には、その特定性と誘引性という観点から見て該当しないケースもあろうかと思いますが、そこは個別の判断という部分は出てくるかと思います。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 今の話はすごく重大です。というのは、どこの地区医師会、郡市区医師会から県医師会全て、名簿みたいなもの、場所とか、院長とか、休日の御案内とかいったものを広くホームページからたどっていけるようになっているのです。これはあまねくなっているので、それがだめになりますと大変なことになりますので、そこはちょっと考えていただいたほうがいいかなと思います。

○桐野座長 それは法令によって許容されている範囲の広告なら十分可能なわけですよね。

○木下調整官 事務局でございます。

 座長から御指摘のあったとおり、だめになるわけではなくて、広告に該当するかということにおいては、該当しうると。参考資料2につけております広告可能な事項については、その限定はかかっておりますけれども、今、構成員がおっしゃったような診療の場所とか、そういう内容につきましては、ここで広告可能な事項となっております。広告に該当した場合でも、こういった限定の事項をホームページで掲載いただくのは問題ないという整理になりますので、そこは誤解なきよういただければと思います。

○桐野座長 そのほかいかがでしょうか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 私も、広告料等の費用を負担するということが非常に見分けにくいのではないかなと思っています。これに該当する、監視の対象になるものをどうやって見つけるのだろうと。それはネットパトロールで見つけられるものなのかどうか。

 例えば、一般の人が、これは誘引性がある広告ではないかと思ったときに、こういうふうに問い合わせればいい、ということをこれから公表していくことになるのか。そのあたりを確認したいと思います。

○桐野座長 今の件については、事務局、お願いします。

○長房企画官 こういった広告料等の授受につきましては、ウェブサイトに払ったとかもらったとかいう情報は書いておりませんので、実務上の対応としては、個別に通報を受けて個別に報告徴収をかけながら確認することになります。

 なお、こうした怪しいサイトがあるといった情報につきましては、今、ネットパトロールで一般情報の窓口を設置しておりますので、そういった窓口を通じて、主に情報を得ることになると考えます。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 情報を見た者がお金を払っているかどうかというのは全く判断できないと思いますが、通報する先はどこを想定されておられますか。どういったところがここは広告料を払って誘引性のある広告を出しているというふうに通報する人がいるというか、機関なのかわかりませんけれども。

○桐野座長 これは、投票するのにお金を出してはいけないというのと同じで、ばれなければいいのだということではないわけですから、そういうことをやっておきながら、いろいろ指摘を受けても全く変えないということがあって、最終的にお金を出してその記事を出しているということがわかれば、それは相当手痛い社会的制裁を受けるわけですね。だから、そういうことかなと思います。

○榎本総務課長 総務課長でございます。

 今の山口構成員のご意見については、座長の御指摘のとおりだと思います。要は、ちゃんと通報を受け付ける窓口をしっかりとオープンにして、いろいろな方々からそういう情報を集めることが、今後重要であると思っております。

 規制当局としては、もちろん自治体があるわけでございますし、また、国のほうでもネットパトロール事業の中で広く国民の皆様から情報提供を募っているところでございますので、改めて今回のこういった検討会での整理がなされれば、あわせてそういった情報も公表しながら、広く協力を求めていくことになろうかと思っております。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 ネット情報というのはかなりいろいろ氾濫していて混乱している方も多い中ですので、今のお話でしたら、こういったことが変わるのだということを、ぜひわかりやすく広く周知するようにしていただきたいと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 たくさん挙がりました。では、國井構成員、尾形構成員、伊藤代理人の順番でお願いします。

○國井構成員 指導・規制のやり方として自治体が窓口になるのだろうということは、法的にもそうなのだろうと思っているのですが、全体的にいろいろなところに周知PRをかけるというのも、やはり自治体だけではできないものですから、国とか関係の皆様方にいろいろ御協力いただかないと話は進まないのかなと考えております。

 また、今回の資料1-2「客観的事実が証明できない事項について」の中で「不当に受診をあおるものに当たる当たらないとか、誇大とも言えない言えるとか、そういった判断は非常に難しいので、そのあたりはわかりやすい情報を自治体側にもきちんと提供していただかないと、我々としても動けないのかなと考えてございます。

○桐野座長 尾形構成員、よろしいですか。

○尾形構成員 資料1-1の1枚目にランキングサイトの事例が載っていますが、この右下の「○△病院は○○手術実施件数ランキングで1位になりました。」というのはわかりやすい例ですけれども、仮に、ここまで書かずに、左上にあるように、客観的に、例えばDPCの公表データからランキングだけ1位から10位まで書いてあって、その中にその病院が入っているという情報を出しても、これは広告に該当するということになるのですか。

○桐野座長 これは表現の仕方ですけれども、事務局、どうぞ。

○長房企画官 尾形構成員の御質問ですが、おそらく、ランキングをリンクなどで引用した場合は比較優良広告に該当するかどうかという御質問でしょうか。

○尾形構成員 というか、ここでは「1位になりました」とか、いかにも誘引性があるというのが明らかなものが出されているのですけれども、単純にランキングを載せることはどうか、ということを伺っています。

○長房企画官 そういったリンクを張るのは、一般的な状況として想定されますのは、医療機関自身がそれなりの高い位置にランキングしていて、これを患者さんに見せることによって患者さんに受診に来てもらおうという意図があると思われます。したがいまして、誘引性があるということで広告に該当するものと考えます。

○尾形構成員 要するに、ランキングというのは全てだめだということですか。

○長房企画官 だめではございません。誘因性が認められる場合に広告に該当するということであり、広告に該当することをもって違法性があるということでは決してございません。

○桐野座長 特定性があって誘引性があれば、だめだということですね。

○長房企画官 2つのステップがございまして、まず、誘引性がございますと広告に該当します。その次に、広告に該当する表示の中身を見て、その中に虚偽・誇大、あるいは比較優良などの表示があれば、初めて医療法上問題があるということになります。

○尾形構成員 その比較優良というところで、例えば公的なデータ、あるいはDPCデータのようなものでも、明らかに順番があれば、それは比較優良だということになるわけですか。

○長房企画官 機械的にそういったサイトにリンクを貼るようなものであれば、比較優良広告には該当しないと考えますが、1ページ目の右下に事例で挙げておりますように、リンクを貼る際に、自分が1位になったことを強調するようなコピーを記載するような場合は、比較優良広告に該当するものと考えます。

○尾形構成員 それはわかるのですけれども、例えばランキングが1位から5位まであって、その病院が5位だったとします。単純にその情報だけを載せるというのは誘引性があるということになるということですか。

○長房企画官 ただ5位と書くことも、比較優良の意味を文言で解釈しますと、他者との比較で自分の優位性を際立たせようとする意図があるものと考えられますので、リンクを貼る際に、その順位を自分で書くようなものについては比較優良広告に該当するものと考えます。

○桐野座長 それでは、伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 ありがとうございます。今のお話をもう少し確認させていただくと、1-1の1ページの左下にある吹き出しの「医療機関のウェブサイトに掲載し誘引性がある場合」というところですけれども、客観的なランキングを医療機関のホームページに掲載をしているという状況がもう誘引性があるというように認定されるということで、今の御説明は理解できましたが、そういうことなのでしょうか。

○長房企画官 おっしゃるとおりです。

○伊藤代理人 そういうことなのですね。なるほど。

 あと、先ほど大道構成員の御指摘のところでもう一つ確認させていただきたいのですけれども、ランキングサイトだとか医療情報サイトとか、このような無料サイトの場合であっても、書いてもらうということにお金を払っている場合。あとは、ランキングで言えば、上げるとか、とにかく書いてもらうときに自分で3点とか2点とか評価を書けるものがよくあるのですけれども、お金を払うと、書くときに低いランキングのものをはじいてくれるとかいうサイトもあったりする。とにかくお金を払ったりしてそういう工作をするみたいなことというのは、費用負担をする等の便宜を図っているわけだから、誘引性があると考えるということでよろしいのでしょうか。

○長房企画官 おっしゃるとおりの判断でよろしいと考えます。

○桐野座長 福長構成員、どうぞ。

○福長構成員 ちょっと話を戻すようで恐縮ですけれども、医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って掲載を依頼しているというところがすごく難しいなと思っているのです。例えば、アフィリエイターのブログの場合は、URLからアフィリエイトサービス会社に問い合わせをしてアフィリエイターのブログなのか確認ができるというのをちょっと聞いたので、これはこういうアフィリエイトサービス会社等との連携も必要になっていくのではないかなと思うのです。

 一方で、サクラの書き込みということで、それがなかなかわからないケースもあると思うのですけれども、そこら辺はどういう御判断をされるのか。情報だけを集めるということで対応できるのかというところを教えていただきたいと思います。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘の場合、そのアフィリエイター等の書いている人にはたどれなくとも、それの誘引先である医療機関には問い合わせができます。ですので、その医療機関に対しまして、そのような書き込みとどういう関係にあるのですかと確認することによってたどり着くことができるだろうと想定しております。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 三井構成員。

○三井構成員 歯科医師会です。

 また基本的なところに戻るのですけれども、要は、これは医療法の規制ということで医療機関が規制の対象になるというところです。この3ページ目の医療情報総合サイトなどは、例えば歯科などでは、これは広告ではなしに、予約サイトであるとか、そのようなサイトが今でもかなり出回っています。5ページ目のアフィリエイターですか、そのような者でもそのようなことをしまして、いわゆる広告料ではないと。手をかえ品をかえ次から次といろいろなものが出てくるとなりますと、医療情報の広告規制をきちっとやろうと思うと、医療機関の罰則ということでは根本的にだめなのではないかなと。基本的なところに戻りますけれども、要は、いろいろな広告会社が手をかえ品をかえいろいろなものを提供してくる。ここはこのようなもので規制にひっかかりますよということになったとしても、次また違う抜け道が出てくる。だから、やっても無駄ではないかという意見になるかもしれないのです。

 先ほど石川先生からも出ていますけれども、いわゆる医療機関だけ規制してもセーフであるとか。それよりも、我々のほうですと、ホワイトニングなどのいわゆる医療機関ではないもの、そこをきちっと規制しなければ、結局、消費者は守られないのではないかと考えるのです。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 1点誤解があろうかと危惧しておりまして、前回第5回の資料2をご覧ください。医療法第六条の五の条文をお付けしているところでございますけれども、そこの主語に関しましては「何人も」となっておりますので、医療機関みずからがやったものだけではなくて、それ以外の方が広告を行った場合もこの法律の規制の対象になります。要は、医療機関自らがやっていないからセーフというものではございません。主語としては「何人も」となっていますので、今、三井構成員が御懸念いただいたようなところにつきましては、広告会社がやっているからセーフということではなくて、それは内容をもって判断をすることになります。

 一方で、医療機関以外に対する誘引とか、石川構成員から御指摘のあった、それ以外の医療と関係ない部分につきましては、この法律の対象外にはなりますけれども、その広告の主体といたしましては、医療機関自らでない場合も広告には該当いたしますので、そこにつきましては御理解いただければと思っております。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 今ので、いわゆる美容医療の医療機関ではない部門は対象外ということは理解できるのですけれども、例えばこの医療法の規制で、広告会社であるとか、そのようなところに対して罰則規定とか、そのようなことを設けることは可能なのでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局です。

 可能というよりも、かかっておりますので、対象です。主語に「何人も」となっていますので、広告会社であっても規制の対象になります。御理解いただければと思います。

○桐野座長 どうぞ。

○榎本総務課長 ちょっと補足いたしますと、実際のいろいろな報告徴収の規定などは医療法の六条の八に規定されておるのですが、その中で、自治体の長が対象として指導などを行うのは広告を行った者に対して行うということになっておりまして、必ずしも医療機関に限られるものではないと理解しております。したがいまして、今、委員の御指摘にありましたように、民間の広告会社に非常に問題があるということが明らかになれば、そういったものに対して、直接必要な報告徴収などを行って、指導を行っていくことは可能だと考えております。

○桐野座長 三井構成員。

○三井構成員 今回の医療法の改正、罰則規定ということになっているのですか。具体的にそのような広告機関に対する罰則規定はどのようなものが挙げられているのでしょうか。

 例えば医療機関であるならば、医療法ということで、医業の停止であるとか、いろいろな部分があるのですけれども、広告会社というのはそのような規制には絡んでいませんので、罰則規定があるならば、何らかの課金とか、そのようなものは決められているのでしょうか。

○榎本総務課長 まず、今の最初の御質問の罰則のほうですけれども、第八十七条で、例えば、第六条の五第三項に違反した者に対しては六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するということが明確になっておりますので、そういう意味では罰則としてはしっかりとかかっているということで御理解いただければありがたいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがでしょうか。

 それでは、伊藤代理人、小森構成員、お願いします。

○伊藤代理人 先ほどから規制の実効性については、いろいろ課題があるという指摘があると思うのですが、私もそう思います。ただ、新たな広告手法というのでしょうか、こういうものについていけないのではないかという点については、私はこう理解したのです。

 この誘引性という概念で、広告をする側の意図をもってその広告に該当するかという判断をしているのであって、どんな手法をとるかということは問わない、問うていないという理解でよろしいのでしょうか。そうであれば、新しいいろいろな広告手法が現れても、法的にはこの規制で対応できる、あとは実効性の確保という課題は残る、そういう理解でよろしいかどうかを確認しておきたい。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘のとおりの理解でございます。

○桐野座長 それでは、小森構成員、どうぞ。

○小森構成員 これは国内法なので、特にホームページ等は、今、世界中どこでもリンクが張られているので、これがもし海外のサイトで、当然日本語で、特にあるのは薬関係かもしれませんけれども、そういうところのサイトのクレームが入った場合はどのような形で規制するのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 誘引される先の病院のほうに問い合わせなり報告徴収を求めることによって、そのサイトが海外にあるかどうかというのは余り関係ないことになろうかと考えております。まずは、その誘引先の特定されている医療機関に問い合わせを行うことによって対応できるかと考えております。

○小森構成員 我々病院側が意図しない形で名前を使われていて載っている場合などは、問い合わせがあった先にそのようにお答えすればいいわけですか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 御指摘の状況がどういう状況かちょっとわからないので教えて頂けないでしょうか。

○小森構成員 比較広告になった場合に、上位の病院と同じように並べられているという形で使われる可能性は多々あるわけですね。自分たちが希望しなくても、今、いっぱい載っていますから。そういう場合を一々我々医療機関に問い合わせられてもどうしようもないわけで、その辺というのはちょっと考えていただかないと。誘引側にそういうクレームの電話が入ってきても、我々が意図しない、全く知らないところで現実に今もいっぱい載っているわけですから、そういうものをどのような形で排除するのかは考えておかないと、我々現場が混乱するだけなので、ぜひその辺は御考慮のほどをよろしくお願いいたします。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 そういったケースもあろうし、実際、現に起きているのだろうと理解しておりますので、そういう場合に対してどういう対応ができるかということは今後の課題として引き取らせていただければと思います。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 すみません。こうやって皆さんの議論を聞いているうちに、細かな疑問が3つぐらい出てきてしまっているのです。一々これをやっていると、次のビフォーアフターの話もできなくなってしまって大変だと思います。今回、この例示といいますか、具体的な事例だとかを出していただいたのはすごくいいのですけれども、それ自体もちょっと怪しいところがありましてたくさん質問したい。おそらく皆さんのところでも一つ二つ細かいのが出てきているのではないかと思うので、次までに文章で提出してもらって、それで答えるというふうにしたほうがいいのではないでしょうか。私の3つも、気の毒なぐらい細かいので。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今回いろいろな御意見をいただきまして、またそれを宿題として、最終的には省令の改正でありますとかガイドラインという形で具体的にお示しすることが必要と思っておりますので、次回に向けまして、各構成員からいただいたこういう点はどうなのかというような宿題に関しましては、反映できるものはガイドラインに反映し、また追加で何かいただいた場合にはQ&Aという形で周知することもできますので、広く御意見をいただければと思っております。

○桐野座長 どうぞ。

○石川構成員 というのは、これはお正月ぐらいにかけてパブリックコメントみたいなものが実施されるという話ですけれども、そのときに、実際上、郡市区医師会だとかそういうところを運営しているところからも細かなことがいっぱい出てくると思うのです。そういうことのないように、結構網羅的に最初に質問を受けて対処しておいたほうがいいと思います。

○桐野座長 次の議論もしないといけないのですが、この1-1と1-2について、これはどうしても一言というのはありますか。

 伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 1-2のほうですけれども、2ページのところに、禁止されない広告の具体例で上のほうに出ている、がんとか難病とかで効果があると言われているとか、治療の一つとして選択できますとか、こういう書き方なら大丈夫ですよということが書かれているのです。こういうものは、前回も別のところで少し議論があったようですけれども、広告には内容の重さみたいなものがあると思っておりまして、こういった命に直接かかわるようなことを、こういう書き方ならグレーだけれども、まあ大丈夫ですよということを指南するような形の具体例を示すのは余り適当ではないと思っております。患者からすれば、判断材料というのは非常にありがたく、必要だと思っているのですけれども、こういった情報は一方的というか、言われているとかいう形で、効果があるとは言っていませんよと後で言えるようにはなっているのだと思います。やはり誤認を誘導するようなことになりかねないと思いますので、こういったものを示すのは適当ではないと思います。

 以上です。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今、御指摘の部分というのは、多分、単純に薬機法の六十七条に違反していると思います。特殊疾病の一般向け広告の禁止という条文があって、白血病とかがんとかの薬を一般向けに広告するのはだめということになっていますから、多分それに抵触するのではないかと思います。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 御指摘ありがとうございます。最終的なガイドラインにする際には、今、御指摘いただいた点も含めて適切な表現に直すように対処したいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがですか。1-1と1-2です。石川構成員が言われたように、細部においてはいろいろな問題がまだたくさんあると思うのですが、大筋において、ここに書いてあるような方向であるということで次に進んでよろしいですか。

 次は、もう一遍御説明いただかないといけない。資料2「術前術後の表示の扱いについて」事務局からお願いします。

○長房企画官 それでは、資料2「術前術後の表示の扱いについて」を御説明させていただきます。

 1ページ目をおめくりください。こちらは、前回、構成員の皆様方からいただいた御意見をおまとめしたものです。1.が原則禁止でございまして、2.から4.が条件つきでビフォーアフターを容認しようという立場の御意見でございます。

 「1.原則禁止」につきまして、そのメリットといたしまして、虚偽・誇大表示によって患者が誤認するリスクを低減できる、患者が都合よく表示を解釈して誤解するリスクを低減できるといったことが考えられる一方、デメリットといたしまして、歯科の機能回復、乳房再建術の結果など一般の皆様の理解に役立つ情報提供の妨げになるのではないかという指摘がございましたし、原則禁止いたしますと、虚偽・誇大表示以外も罰則で規制されることになるのですが、それは過剰ではないかという考え方もございます。

 「2.現行の規制を維持」とありますが、これは一定の条件のもとにビフォーアフターを容認すべきというホームページガイドラインの並びでございます。そのメリットといたしまして、患者が受ける医療の効果について具体的なイメージを把握できるという御指摘があった一方で、そのデメリットといたしまして、加工等々の新しい技術や工夫が出てくる、また加工されても加工しているか否かの立証が困難であるといった御指摘がございました。

 3点目がネガティブケースの併記でございます。メリットといたしまして、治療のリスクを患者が認識することによって誤認のリスクが提言できるということが考えられる一方、デメリットといたしまして、極端なケースとして、死亡事例の記載も求められるため望ましくない、訴訟の問題もあって難しいのではないかといった御指摘がございました。

 4点目が「診療内容に応じた規制」ということで、特定の分野についてのビフォーアフターを認めてはどうかといった御意見を踏まえたものでございます。そのメリットといたしまして、患者の誤認による望まない受療を抑制しつつ治療効果の具体的なイメージを把握できるといった御指摘があった一方、デメリットといたしまして、どの分野にビフォーアフターを認めてどの分野がだめなのかといった線引きが難しいといったことも考えられます。

 続きまして、2ページ目をおめくりください。こちらに、前回の議論等を踏まえましたビフォーアフターを考えるに当たっての留意点としてまとめております。正しい医療情報を提供し、患者等の適切な医療の選択を妨げない観点からビフォーアフターを評価しますと、2つの見方があるのではないかと考えております。

 まず、ポジティブな面といたしまして、ビフォーアフターによりまして、患者が受ける医療について具体的なイメージを把握できる。その一方、ネガティブな面もございます。ビフォーアフターについては患者によって結果が異なりますので、情報の真の有用性は限定的であり、患者の適切な選択を阻害するおそれがある。また、患者の適切な選択を妨げるものとしては、加工修正等を行ったビフォーアフターのほか、たまたまうまくいった一部の症例を取り上げるビフォーアフターの表示もあると考えられます。

 こうした留意点を踏まえました規制の案を3ページ目に掲げております。

 案1でございますが、誘引性があるものは原則として禁止するということで、こちらは患者の安全を重視する立場に立ったものです。具体的な対応といたしまして、誘引性があるビフォーアフターについては原則として禁止する。この場合、虚偽・誇大に当たらないビフォーアフターであっても禁止されることになります。なお、※印に誘引性がないものを挙げておりますが、学会等が掲載するビフォーアフターの写真については誘引性がないものとして禁止されないということで、こちらについてはリンク等々を許容することになります。

 次に、案2でございますが、虚偽・誇大なビフォーアフターを禁止するというものでございます。こちらは、ビフォーアフターのメリットも勘案したもので、デメリットも含めてその調和を図るものです。具体的な対応といたしまして、加工・修正等については虚偽・誇大な表示として規制するほか、先ほど申し上げました、一部のたまたまうまくいった事例を取り上げるようなケースについても、誇大な表示として規制するという考え方でございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

○桐野座長 どうもありがとうございました。

 これは、前回も相当な御意見をいただいたことですが、今、説明された術前術後の表示の扱いについて御意見をいただきたいと思います。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 私、前回欠席いたしまして、意見書を出させていただいたのですけれども、直接意見を申し述べたいと思います。

 前回の話し合いの内容を拝読していますと、この歯科領域の機能回復とか乳房再建術の結果についてビフォーアフターを出すことが患者の理解につながるのではないか、そういった御意見もあったようですけれども、ウェブ上でそういう写真が出るということは、見た人の自己判断ということで、適切にそれが判断できるかどうか。私は、全ての方ができるとは限らないと思っています。例えば、ビフォーアフターではなくても、こういうことはこんな状態ですよという写真を出すことまでだめと言っているわけではないので、ビフォーアフターとしては、これを認めないという方向にしたほうがいいのではないかと私自身は思っています。

 特に歯科領域にしても乳房再建にしても、挙げられている例については、個別に診察をするわけなので、診察したり、治療方法について相談するときに、その患者に合わせた個別性のある説明をするとともに、例えば、ウェブではなくて、こういう状態になりますよということを参考に具体的に写真で示すことで十分対応できるのではないかと思っております。一部認めるということにすると、その線引きが非常に難しくて、必ずグレーゾーンが残ってくる。そして、抜け道ということも出てくるのではないかということを非常に懸念しています。電話相談でも、ネットを見て写真で判断して、被害に遭ったということを言ってくる方がいまだに。いまだにというか、逆に多くなってきている状況を考えると、3ページにある案の中で、私は案1の原則禁止にすることが患者側を守ることにつながるのではないかというのが1点です。

○桐野座長 御意見をお願いいたします。

 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 今、歯科の機能回復の部分があったのですけれども、ビフォーアフターの部分で、歯科はいわゆる保険診療でも保険外診療でも、例えば前歯部の虫歯を充填するのは保険でできますよとか、虫歯が広いからこういう部分に関してかぶせていないとだめですよとか、虫歯が大きいから抜歯になってインプラントになりますよ、義歯になりますよ、ブリッジになりますよという事例があるのですけれども、逆に、不幸な患者さんは結構多いわけです。情報がわからないから、前歯のかぶせは保険がききませんよとか、そういう逆の部分があるわけです。そういうものがウェブできちっと知らされていることによって、患者さんにとって大事な情報が得られるというところで、この部分というのは必要ではないか。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 歯科については御相談が非常に多いです。今、おっしゃったように、非常に複雑で難しいからこそ、ウェブで患者が自己判断することが危険ではないかと私は思っています。

○桐野座長 三井構成員。

○三井構成員 全ての歯科医師がいい先生なら非常にいいのですけれども、私がこういうことを言うのはだめなのですが、それしかできませんという間違った情報で患者さんを誘導されて、後でトラブルになっているという事例が非常に多いです。そのような部分で、こういうふうに治療法はいっぱいありますよというのがウェブで楽に見ることができる。でないと、行った医院でこう言われました、こうこうこうですよ、だからインプラントしか無理ですよ、というようなトラブルが非常に多いのです。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 こんな方法がありますということをお示しになることは、今、問題になっていなくて、ビフォーアフターですから、今のお話だったら別にビフォーアフターにする必要はないのではないでしょうか。こんな治療方法が数多くありますという選択肢を示すことは今回問題になっていないわけです。ビフォーアフターの問題ですよね。

○桐野座長 関係した件ですか。

○福長構成員 同じような意見です。

 治療法を見せていただくというのは構わないわけですけれども、ビフォーアフターということであれば、事務局のほうでまとめていただきましたが、誤解とか期待ということが多いので、私も案1に賛成です。

 案2のほうは、具体的な対応として、加工とか修正されたもの、虚偽・誇大な表示を規制すると書いてあるのですけれども、これがどこまで規制されるのか、というところがある。患者の教育とか消費者教育というのが必要なのかもしれませんけれども、ウェブサイトの写真で判断するのではなくて、お医者様の診断を受けて、インフォームドコンセントという形で十分な説明を受けて、納得をして治療を受けるというところが基本的に一番大切なものではないかと考えております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 この議論でよくわからないのが、そもそもビフォーアフターを載せるとどういう被害につながるのか。ビフォーアフターを載せていること自体は、こういう状態がうまくいけばこうなりますよということを述べているだけだから、程度問題としてそこまできれいにできなかったという話なのか、それによって誘引された結果、何か別の関係ない被害が起こったのか。消費者からのいろいろな訴えがごちゃまぜになって、よくわからないけれども、ビフォーアフターはまずそうだからやめましょうという議論になっているような気がしておりまして、そこのところ、もし具体的にあれば教えて頂けますでしょうか。

○桐野座長 では、山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 例えば、ここに出てきているような、加工されたり修正されたもので誘引されている例もありますし、本当なのかどうかということも判断できないことがありますし、結果としてみんなこうなるのだと思って安易に選んでしまうとか、誤った解釈をするということで、結果、こんなはずではなかったという御相談が実際には数多くあります。

○桐野座長 ビフォーアフターは特に誘引性が非常に強いという面が問題なのかなと思います。それにすごく引かれる。例えば、二重まぶたの手術とかの場合は、ビフォーアフターが一番説得力があるというか、誘引性が強いので。

 すみません。小森構成員、どうぞ。

○小森構成員 大変難しい問題だと思います。ただ、前にもお話ししましたように、最初に知るという権利があると思うのです。そういうものがないと、知らないと、そういう治療があるのだということがわからない。

 多分、問題になっているのは、見える医療だけなのです。要するに、歯とか美容の部分というのは見えるではないですか。だから、ビフォーアフターみたいな写真がたくさん出てくるのだと思うのです。この中で話に出ているように、インフォームドコンセントというのを、今、歯科もそうですし、医科も必ずやっているはずです。誘引性が高いというのはわからないわけではないのですけれども、全く写真がないわけではなくて、そういう情報は与えるべきであって、その情報を元に行って、いい医療機関であれば、必ずインフォームドコンセントした上で治療が始まるわけですから、あまり一遍に締めつけてしまうのは問題があるような気がします。

 ただ、言われていることはわかります。極端な例を出して、こんなふうになりますよ、全員こんなふうになりますという表現だとか、そういうものに関しては確かによくないのだと、そのように思っております。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほどの歯科の話と一緒で、情報として出していただくことは大いに歓迎ですし、情報をたくさん提供していただいて、知るということは大事だと思います。でも、そこになぜビフォーアフターをしないといけないのかということです。だから、情報のために写真を出すということは全く問題がないです。そういうことを規制したらとんでもないことになってしまうと思いますので、情報は出していただく。ただ、そのビフォーアフターにすることによって修正する人が出てきたり、加工したり、それが判断できないということも問題で、非常に誘引してしまう。どこまでという線が引きにくいことだと思いますので、出す方は情報として出していただいたら、私はそれはいいことだと思っています。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 そうすると、例えば、歯科でセラミックを入れたらきれいになりましたというアフターの写真を出すだけだったら問題ないとお考えなのでしょうか。

○山口構成員 セラミックはこんなものです、ほかの材料はこんなものですというのは情報だと思います。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 例えばインプラントなどの情報ですと、一番大事なのは、ビフォーアフターではなしに、実は術中も要るのです。ですから、皆さん、ぱっと歯科へ行かれて、インプラントをしましょうと。では、インプラントが成立しました、もう明日入っていますというふうに思われる方が実は多いのではないか。インプラント、手術します。その先にはしばらくの間は何もないです。だから、そこの部分に関して取り外しの入れ歯を入れるとか、いわゆる仮のものを入れます。それを半年から1年入れて、その1年後に最終的な補綴の再建になる。そのような情報をお知らせすることが大事ですと。

 ですから、今、審美的なことも言われていますけれども、奥歯の咬合の回復をする場合などには、今でも、取り外しの入れ歯、固定性のブリッジ、インプラント、3種類が考えられます。前はこういうふうな状態でした、でも、後はこういうふうにできますよ、3種類のそのようなものを示すことも非常に大事な情報であるのではないかとは私どもは考えています。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今、先生がおっしゃった術中の話でいけば、インプラントをやってドリルで穴をあけるわけですけれども、それを見た瞬間に怖くてやめる人もいると思うのです。そうすると、手術がどういう手順で行われていって、最初、どういうところからスタートして、途中でどうなって、最後どうなるというのは非常に有益な情報だし、単純に術前術後はだめですよ、それにかかわるものは全部だめですよと言ってしまうと、そういった情報までオープンにできなくなってしまうから、基本的には、虚偽・誇大なものはだめ、変に加工していたりするものはだめというような規制の仕方がいいのではないかと私は思っております。

○桐野座長 それでは、山口構成員、三浦構成員。

○山口構成員 済みません。事務局に質問です。

 今、おっしゃっているような治療の過程、道のりをたどっていくこともビフォーアフターと言うのでしょうか。今、お話を聞いていると、それはビフォーアフターではなくて過程ではないかなと思ったのですけれども、そのあたり、どう受けとめればよろしいですか。

○桐野座長 事務局、いいですか。

○木下調整官 一律にお答えするのは難しい面はあろうかと思いますが、今の過程に関しましては、全てが術前術後に当たるということではないかなと思っております。

○木川構成員 ただ、結果的に、術前と術後がそこに絶対入ってきてしまう。そうすると、術前術後がだめだといったら、全部の手続というか流れを紹介することもできなくなってしまうのではないかなと思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。同じことですね。

○三浦構成員 今、ビフォーアフターが全部だめという前提のお話になっていますが、案1は誘引性があるものは原則禁止なので、今、おっしゃったような治療の過程ですとか、治療の結果というのは、誘引性目的の写真ではないので、これは規制されないので、案1で問題がないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 「学会等が」と書いてあるのですけれども、まず、その「等」というのは一体何なのかという話になってきて、そうすると、もともとある学会ではなくて、何か団体をつくりましょうという話になってくるのではないかなという気もします。結局のところ、そういうところに上げているビフォーアフターの写真も、そこに参加されている医療機関がそういう治療を世間に宣伝して、そういう治療をお勧めするためにやるわけですから、それで単純に誘引性がないとは言えないのだと思いますし、そこでの線引きというのはかなり難しいのではないかと思います。

○桐野座長 今の御意見についていかがですか。

 三井構成員。

○三井構成員 歯科のほうでも、いわゆる矯正ですね。顎切り。物すごく下顎が出られた方の顎切りというのが、今、保険でも認められているのです。術前にアントニオ猪木さんを。名前を言ってはだめなのかもしれませんけれども、顎が出られている。下顎の過成長がある。そうしたら、それを手術して入れますと。ここが一番怖い写真なのですけれども、何でもかんでも成功してきれいになりますではないのです。実際には、学会等の写真が出ていますけれども、学会等の写真を使えば、ものすごく典型的にきれいになった写真しかないと思うのですね。でも、それは誘引性がないのではないですかではなしに、いや、手術したらこれだけきれいになりますよ、という誘引性です。医療というのは絶対誘引があってその部分があると考えます。いわゆる術前・術中・術後・過程ですと言われて、それはビフォーアフターではないから全部オーケーです、と言われるならば、これ以上何も言いませんけれども、最初と最後は絶対つきますからね。だから、そこの部分の誇大というのも、では、どこが誇大なのかという部分は非常に難しいところがあるかなと考えます。

○桐野座長 いかがですか。

 伊藤代理人。

○伊藤代理人 患者の立場で参加をさせていただいておりますが、患者の立場からすれば、医療に関する情報というのはぜひたくさんほしいと私どもは考えているところです。ただ、欲しい情報というのは正しい情報であると考えています。今回、この間の議論で大きく4つに分けられていますけれども、こうやって考えてみますと、画像を加工とかしていないかということは立証が難しいとか、ネガティブケースをぜひ出してもらえればいいなと思うのですが、それも困るというお話ですし、診療内容に応じた線引きも困難だという議論経過があるようです。そうなりますと、案1という形で、誘引性があるものは原則として禁止するという形にするのはやむを得ないのではないかと考えたところであります。もしその線引きが可能だということをさらに追及することができるのであれば、そういうことも求めていきたいと思いますが、この間の議論経過からすれば困難だということですので、案1ということがやむを得ないのではないかと考えたところです。

○桐野座長 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 私も、前回申し上げたとおり、案1に賛成です。

 そもそもこの問題は、消費者委員会から挙げられてきたものて、特にトラブルが多いのは、美容であり、保険診療については、一部、混合診療などもありますが、今までもそのようなトラブルは少なかったと思います。術前術後については、医療では突発的に術前の想定と変わることや、必ずしもストーリーどおりにはいかないケースもあると思います。まずはガイドラインで原則禁止として、その後、実態を考慮し改正していくという形で進めていただくのが良いのかなと思います。

 そもそもインターネットは、利便性を追求すれば、その分リスクも広まるものです。先ほど福長構成員がおっしゃったとおり、本来は、医療に限らず、ネットというのは、学校教育ではないも、自己責任でやっていく教育をしていく必要性があると思います。まず、この医療というのは非常に大事だと思いますので、最初は案1のような形でスタートしていくのが良いと思います。

○桐野座長 いかがですか。

 大道先生、どうぞ。

○大道構成員 きょうの初めからちょっと違和感を抱いていたのですけれども、資料1でも今回の資料でもそうなのですが、基本的に誘引性があればいけないようなイメージがちょっとつきまとっているのです。本来、広告というのは、PRだけではなくて、ホームページも含めた広告ですけれども、これは当然誘引性があるわけですから、誘引性があるからだめだというと、広告と規定された時点で全ての材料が出せなくなるというのもちょっとおかしな話だと思うのです。それが虚偽であったり、誇張であったり、誇大であったり、あるいは非合理的であったり、それが問題なわけで、誘引があるなしというところで線を引くと、ますます深みにはまってしまうような気がいたします。

○桐野座長 ちょっと本質的な疑問ですけれども、広告全部が禁止されているわけではなくて、広告してもいい項目は決められているわけですね。

○木下調整官 はい。

○桐野座長 なお、今の大道構成員の話にコメントがありますか。

○木下調整官 事務局でございます。

 要は、広告全てが禁止されるわけではなくて、前回御説明したとおり、特定性と誘引性があるものが広告の範疇に入ってきますという前提から入っていますので、大道先生がおっしゃるのを逆に言えば、誘引性があるものは全て広告に当たるというのはそのとおりだということになります。

 誘引性が悪いというわけではなくて、その先の話として、誇大でありますとか、虚偽でありますとか、比較優良というものに関しては広告してはいけないですよ、という建付けになっています。誘引性が悪いということを言っているわけではなくて、誘引性があることをもってまず広告の範疇に入っていきますよ、というところから整理をさせていただいているというところを御理解いただければと思います。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 前回からも申し上げていますように、このビフォーアフターに関しては原則禁止という形になっているから意見を述べさせていただいている。だから、省令1で原則禁止であるけれども、省令2で限定解除しましょうと。前回も言わせていただきましたけれども、その限定解除も、省令2ということで詳細なところを決めてしまうと、省令を変えるというのは非常に困難な作業になる。だから、その部分で、例えば歯科の機能的審美的回復の部分に関しては限定的に解除しますよ、という項目で入れていただいて、その中の詳細に関してはガイドラインで示していただくという形でやっていって、いわゆる患者さんの部分の利益を損なわないようにしていっていただきたいとお願いしているわけで、全て認めろと言っているわけではないのです。その中でも、省令で認めていっていただきたい。全部認めるならば、これはざる法になってしまいますので。ここで原則禁止なのですけれども、これは省令1で原則禁止、省令2で限定解除、ガイドラインでその事例を示していくという考え方をお願いしたいと述べているわけです。

○桐野座長 今、基本的には原則禁止で、ビフォーアフターのようなものを出せるケースについてはまた別途定めるという御意見でしたけれども、いかがでしょうか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほど三浦構成員がおっしゃったように、今、三井構成員がお示しになっていることは単純なビフォーアフターではないと私も思うのです。治療の過程として情報提供されるということであれば、この案1に書いてある「誘引性があるものは原則として禁止する」というところに当てはまらないのではないか、ちゃんとした情報提供と読めると思いますので、1にすることに何ら支障はないのではないかと思いました。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 結局、先ほどの事務局のお話を伺っていても、比較広告の中には不当に患者さんを誘引するものがあるからということなのだと思います。そうすると、不当に患者さんを誘引するわけではなくて、世の中には自分が困っている症状が治るということを知らない方もいるわけですから、今どき、ネットをたたいて、それが治るのだとわかるということも非常に有益な情報だと思います。そういうのを一律に禁止するのではなくて、結局、不当に誘引するような比較広告を禁止するべきで、不当にというのは何かといったら、それは虚偽・誇大なものということに収れんしてくるのだろうなと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 今の虚偽・誇大なものに限定して禁止するという点については、資料にあるとおり、加工しているかどうかの立証が困難だし、撮影の段階でも加工してしまうとか、そういった技術的な問題もあるというように、この間、議論があったのだと思っておりまして、その線引きというのがとても難しいということではないのかなと思います。そういう理解のもとで、私は、先ほど案1ということで、原則として禁止すべきだと申し上げました。

○桐野座長 割に多くの方が案1でよろしいのではないかということですが、禁止するというのはあまり望ましくないという意見もあったように思います。これは、一般的に禁止するというのではなくて、ビフォーアフターの写真が、これまで事実として弊害が相当あったという認識に基づいているのだろうと思うのですが、さらに御意見はございますでしょうか。

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 私、小児科なのですけれども、原則はこの案1でいいと思います。しかし、「具体的対応」の下に書いてある「学会等が掲載する術前術後の写真」といったことについて少し例示を挙げていただいたほうがいいと思います。

 というのは、私、小児科でやっていますと、大道先生の病院の宣伝にしてもあると思うのですけれども、ボイタ法という子供のリハビリテーションのものがあります。姿勢がすごく曲がってしまっているお子さんがその方法のリハビリテーションをやりますと、姿勢の曲がりが治ったりするのです。これは、お母さん方にとっては非常にびっくりするような写真なのです。これはタラレバなのですけれども、ちゃんとやればということなのです。実際はそういうことをやって子供さんの治療ができるということの可能性を示すものとして非常に大事なのです。

 それから、兎唇というのがあります。口唇裂なども、お母さん方は赤ちゃんが生まれたときから見ていますから、おうちの中に閉じこもる。だけれども、手術してこうやって治るということは非常に希望になるというのもあるわけですから、こういうのはいいのではないかと私は思うのです。原則、案1でいいと思うのですけれども、こういうのはよしとしたほうがいいというのを当局から示していただければ、より一層イメージが湧くし、先ほどの無駄なパブリックコメントを少なくできるのではないかと思います。

○桐野座長 今、石川構成員がまとめていただいたのが大方の御意見だったのではないかと思いますが、そのほかいかがでしょうか。

 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 この3ページのところの案1、案2のところも、誘引性があれば原則として禁止というのは、「不当な誘引性があれば」とかいう文言にしていただかないと、先ほど言いましたとおり、広告は全部だめということになってしまいます。

 そして、小さなケースですけれども、我々の病院で乳房の再建術をやっております。最近、関東の方が患者さんとして来られることが多いので、よくよく聞いてみると、国立がんセンターで手術して、そこでは再建をしないので美容外科に行きなさいと言われたと。300万、400万かかるらしいのです。今まで3年間、貯金をためてきたのだけれども、何かの拍子で我々のホームページにたどりついて、見たときに、再建をやっている病院がここにもあるのだと。我々は入院料込みで40万でしておりますので、それだったらお金があるから来週でもできますみたいな感じで。それというのは何かかわいそうな話になってきました。よくよく話をしてみて、同時再建の場合はこう、広背筋を持ってくるとこう、あと、2期的に違うプロテーゼを入れるとこうなりますという話をすると、非常に残念がるのです。自分自身ががんの手術をする前にこういう話を聞きたかったと。そうしたら、私は同時再建を選んだと。当然、同時再建のほうがきれいです。素人の男性がわからないぐらいきれいになりますから。

 そういう情報は、今、患者さんのもとに届いていなくて、どうしたらそれを届けられるのだろうか。ピンクリボン運動とかもあるのでしょうけれども、それを我々は常に考えているところなのですね。何もビフォーアフターだけで届けられるとは思いませんけれども、そういうツールはどこかに残しておいていただきたい。正確な情報を国民に届ける手段というものはぜひ残しておいていただきたいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがですか。

 大体御意見をいただいたように思います。多少の不一致はあったと思いますけれども、大方、案1を中心にまとめていくということになったと思います。よろしいですか。

 どうぞ。

○木川構成員 現実問題として、案1で、先ほど石川先生がおっしゃったように、必要な情報提供はしなければいけない。では、どこが必要な情報提供ですかといった場合に、口蓋裂とか、そういったものをきちんと情報提供していくことは必要でしょうというのはコンセンサスができると思うのですけれども、そうではない、審美とか美容医療であっても、必要な人には必要なわけですから、それを情報提供しないとか、それを情報として隠してしまうことが果たしていいのかというのは、私はすごく疑問に思っていて、むしろきちんと情報提供をすべきと思います。最初は玉石混交になるかもしれないし、一部には極めて悪質なものも出るかもしれないけれども、そうではなくて、きちんと情報提供をしていく。真面目に情報提供してくださる方たちが数多くの情報を提供していくことによって、そういう悪い情報が駆逐されていく。それを国民がきちんと選別する目を持つという状態にすることがまず必要だと思っています。だまされる人もいるかもしれないから、最初から隠してしまおうというふうにすると、それを選別する目が育たないと思うのです。だから、最初はリスクが多少あっても情報提供するほうから始めていって、明らかに不当なものというのはわかるわけですから、それを行政のほうできちんと取り締まっていく方向性がいいのではないかと思います。

○桐野座長 情報提供を広告としてやらなければいけない理由は何でしょうか。

○木川構成員 その1つは、まず情報提供を積極的にするというのはそこにコストも。

○桐野座長 いえ、広告として。

○木川構成員 それは広告としてというか、先ほどからありましたけれども、実際に誘引性があるかないかというのは結構微妙なところがある。例えば医師会が情報提供するものであっても、それは、自分たちがこういう治療をやっていますということで、その治療に誘引する性質があるわけですね。それは広告だという仕切りになるのであれば、結局、世の中に出す情報というのは最終的にはその治療に誘引する性質があるわけですから、どうしてもそれは広告になってしまうと思うのです。

○桐野座長 いや、医師会が出すそういう情報は広告にならないのではないでしょうか。○木川構成員 先ほどの整理だと。

○桐野座長 医師会を訪れても、医師会で治療できるわけではないですから。

○木川構成員 医師会が、ここで治療ができますよということで特定の病院を紹介すれば広告に当たり得るわけです。それは特定性もあるし誘引性もあると思います。先ほどの石川先生からの御質問の冒頭のときにお答えになったのがそういうふうな理解だったと思うのです。

○木下調整官 よろしいですか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局です。

 医師会に問い合わせをした後のお話でしょうか。

○木川構成員 そうではなくて、例えば医師会が出している検索サイトみたいなもので、そこにどういう治療ができますかというと、この地域の中でこういう病院がありますということが出てくる。先ほど、それは広告に当たり得るというお話でしたね。だから、結局そういうことですね。誘引性の程度の問題というよりも、なぜ広告でそれをやらなければいけないか。

 やはり自分のところでこういうふうな治療ができますよということを宣伝する方たちが数多く正しい状況を提供していくことが必要だし、何の経済的メリットもなければ、そういった情報発信すらしないわけですから。結局、医師会がそれを情報提供するとしても、そこに所属している先生方のところで最終的に治療がされるというところにつながってくるわけで、それが広い意味での広告ではない、というのもなかなか言えないと思います。

○桐野座長 医師会が個別の医療機関の利益のためにそういう情報宣伝活動をされるということは余りないのではないかと思います。

○石川構成員 例えば、郡市区医師会あたりまでいきますと、地域の方たちに親しみを込めた医師会の紹介みたいな形で、診療所の院長先生の一言だとか、そういうのを置いているところもあります。これが、私は○○をやっていますとかいうことが一言の中に入ったりしたら、それは誘引性になるのかとか、今後はそういう細かなことを気にしなければいけないのではないかなということを先ほどからずっと考えているわけですけれども、そういうのはどうなのでしょうか。

 実際、医師会で自分の会員の診療所・病院を一覧表にしていますね。そこにはもちろん書いてあるのですけれども、ちょっとクリックすると院長の一言みたいなことが書いてあったりするというのを医師会がやっているところがあります。もちろん、ホームページに行けば、院長の御挨拶とか、そういうものは当然ありますけれども、そうではなくて、医師会がそのようなことをやっている場合もある。それは地域に親しみを込めてという感じでやっているところもあります。こういうのも今回の新しい規制ではだめになるかどうかという判断は。

○桐野座長 ならないと思います。全くならない。

○石川構成員 大丈夫ですか。

○桐野座長 ええ。

 山口構成員。

○山口構成員 先ほどの木川構成員の御意見に対してですけれども、この検討会にしても、今の議論にしても、情報を出しませんという議論はしていないと思います。案1にしたときに、情報が出せなくなっているわけではないと思いますので、必要な情報が提供されなくなっているという御意見はちょっと違っているのではないか、と思います。ですから、案1にしても、適切な情報はきちんと出していきましょう、ということに何ら変わりないと私は思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。

○三浦構成員 今の御意見に補足する形になります。

 ここは意見が分かれるところかもしれませんが、先ほど病院が民間団体をつくってそこの写真はどうなのだとか。学会だけではなくて、そういうお話もありましたけれども、私は、団体をつくって、そこの写真でも構わないと思うのです。要するに、問題となるのは、当院で手術したらこんなにきれいになりますというタイプの広告なので。本当は、学会なり、ある程度中立性の保たれている機関がいいのですが、例えば民間団体をつくって、そこでこういう写真を出していきましょうとなったとしても、それはセーフではないかと思っております。

○桐野座長 今、議論しているのはビフォーアフターですので、術前と術後を非常に対照的に示すようなものについてはこういう考え方でどうかということですね。情報提供全体を問題にしているわけでは全然ない。

○三浦構成員 個別の医療機関に誘引するためのものを問題にしているのですよね。

○桐野座長 そうですね。

 まだ時間はありますので、御意見があれば。

 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 案1にしたときに、具体的にどういうふうに何をオーケーにするのかということですけれども、今の段階で事務局のほうで何か具体案をお持ちなのでしょうか。今、いろいろ議論が出たと思いますけれども。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 今回、術前術後の情報提供のあり方としての※書きに書かせていただいていますように、学会等が掲載するものについては誘引性がないということから、そういった情報提供を一定程度担保するという観点から、学会の御協力を得ながら情報を提供していくというやり方があろうかと思います。要は、学会等が掲載しているページにリンクを張るとか、そういう工夫のやり方はあろうかと思いますけれども、今、各委員からあったように、正しい情報を伝えるという観点を確保しつつ、どういうやり方ができるかということは少し工夫の余地はあろうかと思っております。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 先ほども申し上げましたように、学会の写真というのは恐ろしいほどきれいです。逆に、トラブルのもとになるのではないかというところをちょっと危惧するのです。その中で、それぞれが張られるのに「○○学会提供」ということが入っていれば、ビフォーアフター、それがオーケーならばそれでいいかなと思うのですけれども、学会は本当にすばらしい事例を出されておりますので、そこを少しだけ危惧します。

○桐野座長 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 結局、まとめれば、資料2の1ページに「術前術後の表示の扱いに関するご意見と考え方」がありますが、今のこの検討会での結論というのは、要するに原則禁止ということでよろしいのでしょうか。左の一番上のところですね。そういうところでよろしいのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局からお答えすることかはわかりませんけれども、今、3ページの案1と案2のいずれかという御議論をいただいていると理解しておりまして、どちらかというと、今、案1でいかがかという議論をいただいていると理解しております。

 今、大道先生が御指摘の点は、最初のページの「原則禁止」云々のところに関しましては、前回の議論を整理させていただいたもので、今回御提案しているのは3ページの案1、案2のいずれかというところで御検討いただいています。

○大道構成員 先ほど私が言いましたとおり、広告ということは全て誘引性があるわけですから、この「誘引性のあるものは」というのは余り意味がないわけで、これは原則禁止としか読めないのです。

 それと、術前術後の写真はだめで、術後の写真だけだったらいいのかという問題もあります。我々が国民に正しい情報を伝えるためには、唯一、術後の写真しかないのかなと思いながら今の話を聞いていたのですけれども、同時再建したらこんなにきれいですよ、2期的に再建して、そのステージによって、例えばIだったらこんな感じですよ、IIIになったらこんなにひどくなりますよ、みたいなものしか提供できないというのは非常につらいのですけれども、それはこの会で、この検討会で国民への乳房再建の術前術後の写真の提供はやめるという判断をするということでよろしいのでしょうか。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 先ほどほかの構成員からも御発言いただいていますように、情報提供しないという議論をいただいているわけではないと御理解いただけないでしょうか。今、大道構成員御指摘のような各治療法でありますとか、そういった疾患の治療に関する情報というものを特定の医療機関の誘引性を持って提供することはどうかという御検討をこの場でいただいているところでございます。2ページの留意点のところにも書かせていただいておりますように、正しい医療情報を提供して、患者さんの適切な医療の選択を妨げないという観点からは非常に有用なものだと理解しておりますので、その情報の提供のあり方に関しましては、誘引性がないものの例示といたしまして、学会等の御協力を得ながら、今、大道構成員御指摘のような情報を発信するというやり方を、協力を得ることによりまして情報発信は積極的にやるべきと考えております。

 その一方で、特定の医療機関に対する誘引性を持って術前術後の写真を掲載することについて、この案1と案2いずれがより適当かという御検討をいただいているところとなります。繰り返しになりますが、特定の医療機関に対する誘引性を持った術前術後の扱いはどうなのだということで、この案1、案2いずれかというところの御検討をいただいているところでございます。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 例えばある病院の専門の先生が学会でその方法のトップの先生だったとして、その先生の病院の中で書いている記事で、今の乳房の再建術でもいいですけれども、そういったものでこうですというふうに言ったら、これは、その病院のホームページでそのことが書いてあるわけですから誘引性ありと考えるのか。それとも学会では普通こういうふうになっていて、学会を代表するような先生だとしてですが、そういうことというのはよくあるわけです。それだったらいいのかという判断はどうでしょうか。誘引性ということについての判断。今、そういうことを大道構成員はおっしゃっているのではないか。

○木下調整官 誘引性のあるなしという意味におきましては、誘引性があるというカテゴリーに入るかと思いますけれども、大道先生の御指摘とは違うのではないかと思っております。

○石川構成員 違ってもいいのですけれども、要するに私の言ったのは、例えばそういう一般論で書いて、そこのホームページだったらこれはアウトということになるわけですね。例えば先ほどのボイタ法の話であっても。

○木下調整官 情報提供を行うことがアウトということではなくて、誘引性を持って特定の医療機関に対してという観点でございますので。

○石川構成員 広告ということと情報ということの違いですよ。情報というのは、私が言いましたように、例えば子供で、脳性まひで、体が曲がってしまっている子供に一定の訓練をするとこのようになりますと。これはビフォーアフターですね。このことは非常に大事な情報なのです。それがある病院のホームページに書いてあったと。これは誘引性がある、広告だ、バツだということになるかどうかということなのです。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 今の案1でいきますと、そこの術前術後。術と言うのかどうかはちょっと。もしかしたら後でもう少し詳細な整理が必要かと思いますけれども、そういう意味でいくと、術前術後のものだけを掲載しているようなものについては、ここで言うところの案1では禁止の対象になるのではないかと考えております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 結局、今のお話にもあったように、患者さんにとって有益な情報かどうかというのはそれぞれのお医者さんによっても違うし、それを最大公約数的に学会がまとめて提供しましょうというと、本当に必要なものが全部足りているかどうかもわからない情報しか出ないとかいうことにもなり得るわけです。例えば、うまくいったものだけではなくて、余りうまくいかなかったものも自分のところで載せたいというお医者さんがあった場合に、それも載せられないことになってしまいます。そうすると、結局、情報を世間にというか一般の人に出さずに盲目的な状態に置いておくことにつながってしまうのではないかと思います。

 先ほど本多先生からお話があったような、とりあえず禁止にして後から様子を見て解除しましょうということは絶対に起こらないので、むしろ、とりあえず術前術後の症例写真を載せられるというふうにしてスタートして、実際にそれで具体的にどういう問題が起こるのかを確認した上で、本当に問題な部分について規制していくというのが進め方としてはいいのではないかと思います。

○桐野座長 ビフォーアフターについては、今まで問題が集積されてきてこういう議論になったのだと私は理解しています。

○木川構成員 それを先ほども質問させていただいたのですが、ビフォーアフターの結果、患者さんからクレームが出て、それが消費者団体に持ち込まれましたというお話があるのですけれども、果たして本当にビフォーアフターが何かをだましたのかというところに非常に疑問があります。例えば、今、世間一般で問題になっている美容医療で、糸を入れたら、それが神経にさわって神経麻痺が出ましたみたいなものというのは、ビフォーアフターで誘引されたからというよりも、その糸を入れる治療についてどういう合併症が起こるかをきちんとインフォームドコンセントしていなかった問題だと思うのです。世の中で起こっている患者さんのクレームとビフォーアフターの写真を載せることというのは、本当は直接的な因果関係がないのに規制されようとしているのではないかということを懸念しています。

○桐野座長 この検討会が始まるそもそもの1つの理由が、もちろんちゃんとやっておられる人もおいでになるので、全部ひっくるめて言うことはできませんが、美容外科系の一部において過大なビフォーアフターのぎらぎらした広告がいっぱい出て、それに引かれてしまうことがあったと聞いています。私自身が数値的なデータを持っているわけではないですけれども、そのことについて何か。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 今、まさしくおっしゃったように、違うところに確認する必要があるという問題はたくさんあると思うのですけれども、ビフォーアフターがあることによって飛びついてしまうという問題点がそもそもある。そうではなくて、例えばビフォーアフターの写真を見るとしても、治療を受けるということで行きますね。受診したときにそれを見せられて、私の場合はこういうふうになるのでしょうかと個別的な話し合いをすることこそが大事だと思うのです。先ほど福長構成員がおっしゃった、十分なインフォームドコンセントがあることによって受ける、受けないを決めるべきところを、安易にビフォーアフターの写真だけで飛びついてしまって被害を受けている方が出てきているところに問題があるというのが今回の出発点だったと思っています。だから、本来きちんと説明を受けることが大事ですよということを、今回、同時に発信していく必要があるのではないかと思います。

○桐野座長 福長構成員、どうぞ。

○福長構成員 私は消費生活センターで実際に消費者の方から御相談を受けていますけれども、きっかけというのが、ホームページを見て、ビフォーアフターを見てというようなところがすごく増えてきたというところで、消費者庁のほうから、消費者委員会ですか、そういう建議になったと思っています。

 もちろん、そのビフォーアフターの写真だけでトラブルになっているということではないと思います。説明が足りなかったり、いろいろあるとは思いますけれども、きっかけという形でビフォーアフターというのが位置づけられているという認識を私としては持っています。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 追加で申し上げると、誘引するというか、そこで飛びついてきてほしいと思って、問題のそういうビフォーアフターを出しているところは、途中の説明を省いて受けるという方を募集しているという言い方はちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そこの弱みにつけ込んでいる部分があると思います。ですので、写真だけ見て、こういうのをやってほしいという人に飛びついてきてほしいところが問題の情報を出しているところだと思います。

 今、皆さんがずっとおっしゃっている情報提供されているところは、きちんと情報提供したいという発信元の方たちなので、そこの方が出すことに何の問題もないと思います。今回、規制の対象にしようというのは、そうやって安易に飛びつく人を待っているような、そういうホームページを発信しているところを問題にしようと考えていると受け取っています。だからこそ、案1が必要ではないかと思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。

○三浦構成員 すみません、1つ前の話に戻るのですが、石川先生がおっしゃったようなリハビリの手法の結果ですとか、大道先生の乳房同時再建の結果ですとか、そういったものは必要な情報提供に当たると思いますので、この案1にしても、禁止されない※印の部分で、先ほど石川先生がまとめていただいた、こういうものは提供できるというほうに入るのではないかと思うのですが、その辺はどういった書きぶりができるのかとか、何かございますでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 今、こちらに書いています※書きのところは、一つの例示として学会のものを挙げさせていただいているところでございます。今回の整理の中で、線引きにつながるものかつながらないものかという観点はあろうかと思いますけれども、こういったものに当たらないものとしてこういった掲載ができるものは一定の整理をする余地はあろうかと思っております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 今、三浦構成員がおっしゃったところが一番難しいところだと思っていて、結局、案1みたいな形にしてしまうと、誰かが決めた情報以外は、いくら患者にとって有益だと思っても発信できないことになってしまうところが問題で、それぞれのドクターごとにお考えがあるわけですから、そこはまずお任せするということでいいのではないかと私は思います。

○桐野座長 ビフォーアフターの写真というのは、すごく強力というか、有効な、重要な情報なのですね。ですから、大道先生がおっしゃるようなものについては、どちらかというと、ぜひ公開していただいたほうがいいとは思うのです。しかし、公開して有害な場合もいろいろなケースが知られているので、それをどうするかという議論だと思うのです。有益だけれども、一方で有害でもあるこのビフォーアフターをどのように規制していくかという議論だと思うので、患者側から見て有益な情報を全部シャットダウンしてしまうという議論ではないと私自身は思っています。

 だんだん時間も迫ってきましたけれども。

 どうぞ。

○木川構成員 今の先生のコメントに付言です。

 そもそもビフォーアフターが問題の本質につながっているかどうかというのは、私は数字も見ていないし、どういうクレームがあるのか見ていないからわからないのですが、仮にそれがあったとしても、それというのはお医者さんのわずか一部の話であって、それを規制するためにほかの多くの医療分野とかドクターについても必要な情報提供ができなくなる可能性があるような規制をかけるというのは、やはりやり過ぎなのだと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 本多構成員。

○本多構成員 私も木川構成員と同じで、通常の情報であればインターネットは基本的に規制すべきではないと思いますが、健康や医療にかかわることになると、慎重にせざるを得ないと思います。例えばインターネットでお金の被害を受けたのであれば、それは自己責任だと整理できると思いますが、健康や医療など、生死のリスクがあるようなことについては慎重に進めていくべきという意見です。

○桐野座長 情報に基づいて医療の治療法を選択するのは個々人の自由な判断によるのですが、自由な判断をした結果についても、個人の自己責任だと言ってしまうには、医療というのは非常に深刻な問題があるということだろうと思うのです。情報に基づいて自己責任で判断しなさいというのが基本なのですけれども、そこのところをどう考えるかだと思います。

 どうぞ。

○桑子オブザーバー オブザーバーの立場で意見を出させていただきたいと思います。

 例えばの話、今、案1という話になっておりますが、患者の立場等からすると、知る権利、表現の自由を含めて、やはり適切な情報がしっかりと提供されていることが好ましいわけです。そういった意味においては、ビフォーアフターという話も非常に有益な情報と考えております。

 一方で、問題のある状況も現状としてあるわけです。例えば、日本医師会とか、そういった関係機関がビフォーアフターの写真の内容を確認して、チェックして認定する。これはオーケーですね、適切ですねという形で確認して、その確認されたものについて確認番号みたいなものを付与した形で掲載する。かなりの手間にはなるかと思いますけれども、命ということを考えると、一つの方法としてそんなこともあり得るかなとちょっと感じました。

○桐野座長 私がその業界の構成員だったら、当然そういう方向で努力します。つまり、学会が全体としてきちっとした情報提供をできるようにシステムをつくって、それを各構成員が利用するということをどこの学会も必ず考えると思います。したがって、この「学会等が掲載する」という方向に動く可能性は随分あるのではないかと思います。

 食い違いは多少あるのですが、恐らく、これをずっと続けていっても、あるところまで平行線になる可能性もあるので、いろいろな御意見をいただいたということで、本日あと5分しかありませんので、審議はここで一応終わらせていただくというふうにしたいと思います。いろいろ御意見があった内容を踏まえまして、次回は事務局から省令及び特に新ガイドライン案の提示をお願いしたいと思います。その案に沿って、次回はより議論を深めていただきたいと思います。

 事務局から何かございますか。

○長房企画官 次回の日程等につきましては改めて御連絡をさせていただきます。

 また、本日の検討会の資料につきましては、本日中に厚生労働省ホームページに掲載する予定でございます。

 私からは以上です。

○桐野座長 では、本日はこれで閉会とさせていただきます。

○山口構成員 1つだけ。

○桐野座長 失礼しました。

○山口構成員 前回、意見書を出させていただいた中で、自由診療について広告可能事項の限定解除の範囲についてというところで意見をさせていただいたのですけれども、ここだけ1つ意見を述べたいと思っているのが、実際に医療機関のホームページガイドラインの中で、皆さんのお手元のファイルの前回資料の中に「医療機関ホームページガイドライン」というのがあります。

○桐野座長 何ページかわかりますか。

○山口構成員 ページ数は振られていないのですけれども、参考資料4の前ですね。参考資料3に当たるのでしょうか。参考資料3の最後のページ。

○桐野座長 「5 ホームページに掲載すべき事項」というところですね。

○山口構成員

○長房企画官 それでは、定刻より若干前になりますが、遅れるとの御連絡をいただいております三浦構成員以外の構成員の方々は、既にいらっしゃっておりますので、ただいまより第6回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ本検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日御欠席の平川構成員の代理で伊藤様に御参加をいただいております。よろしくお願いいたします。

 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 議事次第と座席表のほか、次のとおりになります。

 配付資料といたしましては、

 資料1-1、ウェブサイト等について(具体的事例)。

 資料1-2、客観的事実が証明できない事項について(具体的事例)。

 資料2、術前術後の表示の扱いについて。

 このほか、参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4をお付けしております。

 もし資料の欠落等がございましたら、事務局にお申しつけください。

 それでは、以降の進行を座長にお願いいたします。

○桐野座長 それでは、議事1「前回の議論の整理」に移りたいと思います。

 資料1-1「ウェブサイト等について(具体的事例)」、資料1-2「客観的事実が証明できない事項について(具体的事例)」の説明をお願いいたします。

○長房企画官 了解しました。

 まず、資料1に入る前に、前回の復習を兼ねまして、参考資料2を最初に御説明させてください。医療法改正後の広告規制の体系ということで、前回お示ししたものの復習になっております。

 1ページ目の下に表をお付けしておりますが、そちらの左側をごらんください。「従来の医療法上の広告」でありますテレビCM等につきましては、1にございますように、虚偽・誇大などの表示が禁止されるほか、2にございますように、広告可能事項が限定されます。広告可能事項が限定されるとどうなるかを2ページ目にお示ししております。広告可能な事項ということで、2ページ目に掲げられました13の項目に広告していい事項が限定されることになります。

 その上で、1ページ目にお戻りください。今度は、右側の「新たな医療法上の広告」になります。新たな医療法上の広告になりますウェブサイト等につきましては、右下に色をつけておりますが、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項が限定されず、幅広い事項を広告することが可能になります。すなわち、先ほど2ページ目でお示ししました13の事項に縛られずに比較的自由に広告ができるということでございます。

 ただし、御留意いただきたい点といたしまして、表のところで大きなプラスマークで1と2を結んでいるところがおわかりかと思います。すなわち、広告可能事項の限定が仮に解除になりましても、虚偽・誇大等の広告禁止事項の縛りは依然としてかかるということでございます。この点に御留意をいただければと思います。

 以上が参考資料2の御説明になります。

 続きまして、事例の説明に入っていきます。資料1-1「ウェブサイト等について(具体的事例)」をごらんください。

 1ページ目に入っていきます。こちらはウェブサイトの事例の1つ目でランキングサイトになります。左側が「1.医療法上の広告に該当しないケース」になります。医療機関と無関係の第三者がDPCデータや医療機能情報提供制度より単純にランキングしたものについては誘引性がございませんので、医療法上の広告に該当しないと考えます。

 一方で、そのランキングの右下に青い矢印が伸びております。仮にこのランキングが医療法上の広告に該当しない場合であっても、医療機関のウェブサイトに掲載し誘引性がある場合には医療法上の広告に該当するという整理としております。

 次に、右側が「2.医療法上の広告に該当するケース」でございます。医療機関が広告料等の費用を負担するなどの便宜を図って掲載を依頼するような場合、いわば医療機関の隠れ広告に当たるような場合ですが、こういった場合におきましては誘引性があるとみなし、医療法上の広告に該当するとみなします。

 以上がランキングサイトになります。

 2ページ目をおめくりください。こちらは口コミサイトの事例になります。その整理につきましては、先ほどランキングサイトのほうで御説明させていただきましたが、医療機関が広告料等の費用を負担するなどの便宜を図って掲載を依頼するような場合、誘引性が認められ、医療法上の広告に該当するものとみなします。

 3ページ目をおめくりください。こちらは医療情報総合サイトでして、医師が患者からの問い合わせに答えたり、特定のテーマについて解説を行うなどのサイトでございます。こちらも整理は同様でございます。医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って掲載を依頼するような場合に誘引性が認められ、医療法上の広告に該当する扱いといたします。

 4ページ目をおめくりください。こちらがSNSになります。左側が個人のSNSになりますが、左上の通常の日記風の書き込みにつきましては、医療法上の広告には該当しません。他方、左下のケースになりますが、例えば医療機関から広告料等の便宜を受けて患者を誘引するような書き込みを行うようなケースを取り上げております。こういった場合は広告に該当することになります。

 次に、右半分が医療機関のSNSになりますが、誘引の意図を持って行う表示につきましては医療法上の広告に該当する扱いといたします。

 5ページ目をおめくりください。これは、アフィリエイトとは何かというものをお示ししたものです。医療機関から依頼を受けましたアフィリエイトサービス会社、このアフィリエイトサービス会社と契約を結んでおりますアフィリエイターという者がおります。このアフィリエイターが自分のブログなどに患者等を誘引するような書き込みを行って、患者等が実際にそのリンクをクリックした結果、予約に結びついたりいたしますと、出来高に応じて報酬がもらえるといった仕組みになっております。

 6ページ目がバナー広告、リスティング広告等の具体例でございます。左上に、ウェブサイトの特定のコーナーに文書や絵が出てくるバナー広告、右上に、検索結果の上とか横にURLのリストが表示されるリスティング広告、それから、右下に、インフィード広告というものがございます。バナー広告に類似したもので既存のランキングや関連記事一覧の中に広告が表示されるものでございます。

 以前は、こういった入り口のサイトが一旦広告とみなされますと、出口の医療機関のウェブサイトも含めて広告という扱いとなり、かつ、広告可能事項が限定されておりましたが、今後、ウェブサイトが規制の対象になることに伴いまして、その他のウェブサイト等の並びで、医療機関のウェブサイトにつきましてはこういったバナー広告等のリンクがあろうがなかろうが、広告可能事項の限定の対象とはしない扱いにしたいと考えております。

 資料1-1の説明は以上になります。

 続きまして、資料1-2に入らせていただきます。「客観的事実が証明できない事項について」の具体例について御説明させていただきます。

 1ページ目をおめくりいただきまして、こちらは既存の規制の整理でございます。まず、医療広告ガイドラインにおきましては、客観的事実であることを証明できない事項につきましては、今、1本の柱で広告禁止事項とされております。かつ、患者の体験談の紹介、「理想的な医療提供環境です」「比較的安全な手術です」といった具体例も掲載されております。

 一方、医療機関、ホームページガイドラインにおきましては、一本の柱ではなくて、内容が虚偽にわたる、または客観的事実であることを証明することができないものということで、虚偽とワンセットで禁止事項とされております。具体例ということで右側に並べておりますが、いずれも虚偽記載の事例でございまして、客観的事実が証明できない事項の例ではないといった違いがございます。

 2ページ目をおめくりください。今後、客観的事実が証明できない事項につきましては、前回の検討会でお示しいたしましたように、省令上の広告禁止事項とはしない一方、治療効果に該当する事項のうち、客観的事実が証明できず、受診を不当にあおるようなものについては虚偽・誇大に該当するものであるということをガイドラインで示すこととしております。

 その際の具体例を下の表に記載しております。左側が禁止される広告の具体例でございまして、「○○式免疫療法でこれまで治らなかったがんも必ず治ります」「たった一度の施術で若返りの効果を実感できます」「お客様満足度98%(根拠・調査方法の提示がないもの)」といった事例を挙げさせていただいております。

 右側が禁止されない広告の具体例で、上に、治療効果の関係で、海外で承認されているが日本人への投与例がない国内未承認薬を治療の1つとして選択できるといった事例。下になりますが、アメニティーの関係で、客観的な証明ができないが、誇大とも言えないケースということで、「おいしい食事を提供します」といった事例を挙げさせていただいております。

 御説明は以上であります。

○桐野座長 どうもありがとうございました。

 ただいま事務局から御説明があった資料1-1、資料1-2についてまず御審議をいただきたいと思います。資料1-1はウェブサイトの類型、具体的事例ですね。それから、1-2は客観的事実が証明できない事項についての扱いですが、御意見がありましたらお願いをいたします。

 石川先生、どうぞ。

○石川構成員 日本医師会の石川です。

 具体例を出していただきまして、本当によくわかりやすくなってイメージが湧きます。ただ、例えば1-1の3ページで、患者さんが医療情報総合サイトで病気や症状から探すということで、「腰痛」などで検索すると、今回は、医療機関に関して、広告だとか、してはいけないということで議論しているわけですけれども、意外に、医療機関ではなく、例えば接骨院だとかそういったところのホームページみたいなものまで出てくるのではないかと非常に懸念するのです。それから、私、いつも言いますように、例えば健康食品に類するような、腰痛に効くようなものだとか、そういったものが入ってきはしないかということをかなり心配するわけです。患者さんの正しい情報への誘導について、あまりにも医療機関だけ萎縮しますと思わぬ方向に行くのではないかということで、私、前から言っていますように、そちらの方面でも同じような規制みたいなものをきちんとしない限りは、ちょっとおかしなことになってしまうかなということを懸念します。

 今回、こうやってわかりやすいので議論できると思うのですけれども、逆に、そういう心配も出てきているので、御検討をよろしくお願いしたいなと思います。

○桐野座長 ただいまの件につきましていかがでしょうか。

 事務局から何かコメントがございますか。

○長房企画官 指摘をいただきましてありがとうございます。

 現状、例えば医薬品であれ、特定保健食品であれ、医療であれ、それぞれ目的が異なる別々の法律で規制されておりまして、こういった中で一元的に管理を行うというのは、中長期的な課題である面がある一方で、足元で、今できる対応をしっかりやっていきたいと考えております。

 例えば、消費者庁、医薬局、我々はネットパトロールを実施しておりますが、お互いの守備範囲に該当するものについて相互に情報提供を行うなど緊密な連携を図っていきたいと考えております。

○桐野座長 木川構成員、お願いします。

○木川構成員 石川先生の御意見に賛成でございます。要するに、はあき法とか、柔道整復師法に関する広告規制についても、医療法と同じような規制を設けることによって整合性をとっていくことが必要なのではないかと思っております。

○桐野座長 この件についてはいかがですか。

 お願いします。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘のありました、はあきでありますとか柔整に関しましても、医政局担当課と連携しながら対策を進めていきたいと思っていますが、現行におきましては、まず、はあきでありますとか柔整がどのような広告等を行っているか実態把握に努めているところでございますので、今後その実態を踏まえて対応していきたいと思っております。

○桐野座長 よろしいですか。そのほかございますでしょうか。

 大道先生。

○大道構成員 この1-1の1ページ目の「ウェブサイト1 ランキングサイト」の右の2.のところに、後に何回も出てくるのですが、「医療機関が広告料等の費用を負担する等」と「等」が2つついているわけです。要するに医療機関がお金を出して載せるものについては規制の対象になるという考えだと思うのですけれども、このあたりの線引きというのは非常に難しいと思うのです。

 例えば某大手週刊誌に○○のお医者様みたいな形で取材として出ているものがあるのですが、あの掲載料が90万、2ページで180万です。これなどはわかりやすいのかもわかりませんが、見ている人は絶対取材だと思うのです。記事だと思うのです。これは、この医療機関における広告だよという提示がないので誤解の元になるかなと思う。

 あと、ランキングサイトというのも、有料のものと無料のものがあるので、医療機関が登録するだけでそこに参加できるというものになってくると、金銭が発生しない、しかし、ランキングサイトにはその医療機関が載ってくるとか、口コミが掲載されるとか、このあたりの線引きに関してはどうお考えなのでしょうか。

○桐野座長 いかがでしょうか。

○木下調整官 事務局でございます。

 まず、前段の記事を装っているような場合につきましては、現行の取り扱いとしても、広告に該当すると整理をさせていただいていますので、明確かと考えております。御指摘のように実際に見た人がどうなのかということに関しましては、個々のケースはいろいろあろうかと思いますし、実際の取り締まりという観点におきましては、そういう疑わしいものがあれば、担当の部署において確認を行うことが必要かと考えております。

 また、後段の、要は金銭が発生していない、便宜等を図っていないようなケースも中にはあろうかと思います。それも個別の内容等を踏まえてやっていかざるを得ないかなということで、現時点において、明確にその部分に線を引くことは難しい部分もあろうかと思いますが、そういった懸念を持たれる事例を集めてガイドライン等で例示を挙げることによって、一定程度のこういった取り締まりの対象となるかどうかについての考え方の整理はできるかと思っております。

○桐野座長 大道先生、どうぞ。

○大道構成員 このように線引きが非常に難しい中で、利用機関側に自粛しろと言われてもなかなかつらいところがある。むしろそういうビジネスが存在すること自体がどうかなと思うので、そちらのほうから締めるというふうにならないのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今回の法改正の趣旨も踏まえ、現行の広告の取り扱いにおきましては、必ずしも医療機関だけがやった場合が罰せられるわけではなくて、その主体としましては、何人もということで規制の対象となっているところではございます。医療機関の方々に関しましては、いろいろなチャンネルを使いまして、こういったことはいいですよ悪いですよとお伝えしやすいところではございますが、それ以外の、広告をやっているサイトの運営者等に関しましても、できる限り関係省庁と連携しながら情報提供していって、ガイドラインを遵守してくださいというお願い等はやっていきたいと思っております。

○桐野座長 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 「3.ウェブサイト例3 医療情報総合サイト」のところですけれども、営利の会社がこれを行うともちろん対象になると思うのです。例えば我々のような病院団体も、もちろんホームページを持っております。そのホームページは誰でもアクセスできますので、その中から任意のエリアの会員病院の一覧が出てくるとかいうことになってくると、これも規制の対象になるということなのでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 いわゆる広告に該当するかという御質問につきましては、広告に該当するという整理になろうかと思います。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今の先生のような例ですと、別に特定の病院がお金を出しているわけではないから、特定の病院が自分のところに誘引しようとしているわけではないので、広告には当たらないという整理になるのかなと理解するのですけれども、違いますか。

○桐野座長 お願いします。

○木下調整官 事務局です。

 ちょっと補足させていただきますと、特定の病院ではないにしろ、特定の病院グループに対する誘引は働いているということも考えられますので、そういった特定のグループ等への誘引がある場合につきましては該当するという形で整理ができるのではないかと思っております。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 医療法人グループとか、何とか会とかいうところに誘引するのだったら、おっしゃるとおりなのかと思うのですけれども、先生がおっしゃった例というのは、医師会とかがつくる検索サイトなので、医師会が一つのお医者さんのグループだと言えばそれはそうなのですけれども、多分、想定されているのはそういうことではなくて、特定の病院とか、特定の医療法人とか、そういったところに誘引することなのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 その誘引という意味におきましては、狭いか広いかというところではなくて、特定性とあわせて誘引性が判断できるかどうかということになろうかと思います。

 一方で、例えば医師会におきまして、地域において網羅性があって、ほぼ多くの病院がそこに入っているようなページで検索ができるという場合には、その特定性と誘引性という観点から見て該当しないケースもあろうかと思いますが、そこは個別の判断という部分は出てくるかと思います。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 今の話はすごく重大です。というのは、どこの地区医師会、郡市区医師会から県医師会全て、名簿みたいなもの、場所とか、院長とか、休日の御案内とかいったものを広くホームページからたどっていけるようになっているのです。これはあまねくなっているので、それがだめになりますと大変なことになりますので、そこはちょっと考えていただいたほうがいいかなと思います。

○桐野座長 それは法令によって許容されている範囲の広告なら十分可能なわけですよね。

○木下調整官 事務局でございます。

 座長から御指摘のあったとおり、だめになるわけではなくて、広告に該当するかということにおいては、該当しうると。参考資料2につけております広告可能な事項については、その限定はかかっておりますけれども、今、構成員がおっしゃったような診療の場所とか、そういう内容につきましては、ここで広告可能な事項となっております。広告に該当した場合でも、こういった限定の事項をホームページで掲載いただくのは問題ないという整理になりますので、そこは誤解なきよういただければと思います。

○桐野座長 そのほかいかがでしょうか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 私も、広告料等の費用を負担するということが非常に見分けにくいのではないかなと思っています。これに該当する、監視の対象になるものをどうやって見つけるのだろうと。それはネットパトロールで見つけられるものなのかどうか。

 例えば、一般の人が、これは誘引性がある広告ではないかと思ったときに、こういうふうに問い合わせればいい、ということをこれから公表していくことになるのか。そのあたりを確認したいと思います。

○桐野座長 今の件については、事務局、お願いします。

○長房企画官 こういった広告料等の授受につきましては、ウェブサイトに払ったとかもらったとかいう情報は書いておりませんので、実務上の対応としては、個別に通報を受けて個別に報告徴収をかけながら確認することになります。

 なお、こうした怪しいサイトがあるといった情報につきましては、今、ネットパトロールで一般情報の窓口を設置しておりますので、そういった窓口を通じて、主に情報を得ることになると考えます。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 情報を見た者がお金を払っているかどうかというのは全く判断できないと思いますが、通報する先はどこを想定されておられますか。どういったところがここは広告料を払って誘引性のある広告を出しているというふうに通報する人がいるというか、機関なのかわかりませんけれども。

○桐野座長 これは、投票するのにお金を出してはいけないというのと同じで、ばれなければいいのだということではないわけですから、そういうことをやっておきながら、いろいろ指摘を受けても全く変えないということがあって、最終的にお金を出してその記事を出しているということがわかれば、それは相当手痛い社会的制裁を受けるわけですね。だから、そういうことかなと思います。

○榎本総務課長 総務課長でございます。

 今の山口構成員のご意見については、座長の御指摘のとおりだと思います。要は、ちゃんと通報を受け付ける窓口をしっかりとオープンにして、いろいろな方々からそういう情報を集めることが、今後重要であると思っております。

 規制当局としては、もちろん自治体があるわけでございますし、また、国のほうでもネットパトロール事業の中で広く国民の皆様から情報提供を募っているところでございますので、改めて今回のこういった検討会での整理がなされれば、あわせてそういった情報も公表しながら、広く協力を求めていくことになろうかと思っております。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 ネット情報というのはかなりいろいろ氾濫していて混乱している方も多い中ですので、今のお話でしたら、こういったことが変わるのだということを、ぜひわかりやすく広く周知するようにしていただきたいと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 たくさん挙がりました。では、國井構成員、尾形構成員、伊藤代理人の順番でお願いします。

○國井構成員 指導・規制のやり方として自治体が窓口になるのだろうということは、法的にもそうなのだろうと思っているのですが、全体的にいろいろなところに周知PRをかけるというのも、やはり自治体だけではできないものですから、国とか関係の皆様方にいろいろ御協力いただかないと話は進まないのかなと考えております。

 また、今回の資料1-2「客観的事実が証明できない事項について」の中で「不当に受診をあおるものに当たる当たらないとか、誇大とも言えない言えるとか、そういった判断は非常に難しいので、そのあたりはわかりやすい情報を自治体側にもきちんと提供していただかないと、我々としても動けないのかなと考えてございます。

○桐野座長 尾形構成員、よろしいですか。

○尾形構成員 資料1-1の1枚目にランキングサイトの事例が載っていますが、この右下の「○△病院は○○手術実施件数ランキングで1位になりました。」というのはわかりやすい例ですけれども、仮に、ここまで書かずに、左上にあるように、客観的に、例えばDPCの公表データからランキングだけ1位から10位まで書いてあって、その中にその病院が入っているという情報を出しても、これは広告に該当するということになるのですか。

○桐野座長 これは表現の仕方ですけれども、事務局、どうぞ。

○長房企画官 尾形構成員の御質問ですが、おそらく、ランキングをリンクなどで引用した場合は比較優良広告に該当するかどうかという御質問でしょうか。

○尾形構成員 というか、ここでは「1位になりました」とか、いかにも誘引性があるというのが明らかなものが出されているのですけれども、単純にランキングを載せることはどうか、ということを伺っています。

○長房企画官 そういったリンクを張るのは、一般的な状況として想定されますのは、医療機関自身がそれなりの高い位置にランキングしていて、これを患者さんに見せることによって患者さんに受診に来てもらおうという意図があると思われます。したがいまして、誘引性があるということで広告に該当するものと考えます。

○尾形構成員 要するに、ランキングというのは全てだめだということですか。

○長房企画官 だめではございません。誘因性が認められる場合に広告に該当するということであり、広告に該当することをもって違法性があるということでは決してございません。

○桐野座長 特定性があって誘引性があれば、だめだということですね。

○長房企画官 2つのステップがございまして、まず、誘引性がございますと広告に該当します。その次に、広告に該当する表示の中身を見て、その中に虚偽・誇大、あるいは比較優良などの表示があれば、初めて医療法上問題があるということになります。

○尾形構成員 その比較優良というところで、例えば公的なデータ、あるいはDPCデータのようなものでも、明らかに順番があれば、それは比較優良だということになるわけですか。

○長房企画官 機械的にそういったサイトにリンクを貼るようなものであれば、比較優良広告には該当しないと考えますが、1ページ目の右下に事例で挙げておりますように、リンクを貼る際に、自分が1位になったことを強調するようなコピーを記載するような場合は、比較優良広告に該当するものと考えます。

○尾形構成員 それはわかるのですけれども、例えばランキングが1位から5位まであって、その病院が5位だったとします。単純にその情報だけを載せるというのは誘引性があるということになるということですか。

○長房企画官 ただ5位と書くことも、比較優良の意味を文言で解釈しますと、他者との比較で自分の優位性を際立たせようとする意図があるものと考えられますので、リンクを貼る際に、その順位を自分で書くようなものについては比較優良広告に該当するものと考えます。

○桐野座長 それでは、伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 ありがとうございます。今のお話をもう少し確認させていただくと、1-1の1ページの左下にある吹き出しの「医療機関のウェブサイトに掲載し誘引性がある場合」というところですけれども、客観的なランキングを医療機関のホームページに掲載をしているという状況がもう誘引性があるというように認定されるということで、今の御説明は理解できましたが、そういうことなのでしょうか。

○長房企画官 おっしゃるとおりです。

○伊藤代理人 そういうことなのですね。なるほど。

 あと、先ほど大道構成員の御指摘のところでもう一つ確認させていただきたいのですけれども、ランキングサイトだとか医療情報サイトとか、このような無料サイトの場合であっても、書いてもらうということにお金を払っている場合。あとは、ランキングで言えば、上げるとか、とにかく書いてもらうときに自分で3点とか2点とか評価を書けるものがよくあるのですけれども、お金を払うと、書くときに低いランキングのものをはじいてくれるとかいうサイトもあったりする。とにかくお金を払ったりしてそういう工作をするみたいなことというのは、費用負担をする等の便宜を図っているわけだから、誘引性があると考えるということでよろしいのでしょうか。

○長房企画官 おっしゃるとおりの判断でよろしいと考えます。

○桐野座長 福長構成員、どうぞ。

○福長構成員 ちょっと話を戻すようで恐縮ですけれども、医療機関が広告料等の費用を負担する等の便宜を図って掲載を依頼しているというところがすごく難しいなと思っているのです。例えば、アフィリエイターのブログの場合は、URLからアフィリエイトサービス会社に問い合わせをしてアフィリエイターのブログなのか確認ができるというのをちょっと聞いたので、これはこういうアフィリエイトサービス会社等との連携も必要になっていくのではないかなと思うのです。

 一方で、サクラの書き込みということで、それがなかなかわからないケースもあると思うのですけれども、そこら辺はどういう御判断をされるのか。情報だけを集めるということで対応できるのかというところを教えていただきたいと思います。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘の場合、そのアフィリエイター等の書いている人にはたどれなくとも、それの誘引先である医療機関には問い合わせができます。ですので、その医療機関に対しまして、そのような書き込みとどういう関係にあるのですかと確認することによってたどり着くことができるだろうと想定しております。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 三井構成員。

○三井構成員 歯科医師会です。

 また基本的なところに戻るのですけれども、要は、これは医療法の規制ということで医療機関が規制の対象になるというところです。この3ページ目の医療情報総合サイトなどは、例えば歯科などでは、これは広告ではなしに、予約サイトであるとか、そのようなサイトが今でもかなり出回っています。5ページ目のアフィリエイターですか、そのような者でもそのようなことをしまして、いわゆる広告料ではないと。手をかえ品をかえ次から次といろいろなものが出てくるとなりますと、医療情報の広告規制をきちっとやろうと思うと、医療機関の罰則ということでは根本的にだめなのではないかなと。基本的なところに戻りますけれども、要は、いろいろな広告会社が手をかえ品をかえいろいろなものを提供してくる。ここはこのようなもので規制にひっかかりますよということになったとしても、次また違う抜け道が出てくる。だから、やっても無駄ではないかという意見になるかもしれないのです。

 先ほど石川先生からも出ていますけれども、いわゆる医療機関だけ規制してもセーフであるとか。それよりも、我々のほうですと、ホワイトニングなどのいわゆる医療機関ではないもの、そこをきちっと規制しなければ、結局、消費者は守られないのではないかと考えるのです。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 1点誤解があろうかと危惧しておりまして、前回第5回の資料2をご覧ください。医療法第六条の五の条文をお付けしているところでございますけれども、そこの主語に関しましては「何人も」となっておりますので、医療機関みずからがやったものだけではなくて、それ以外の方が広告を行った場合もこの法律の規制の対象になります。要は、医療機関自らがやっていないからセーフというものではございません。主語としては「何人も」となっていますので、今、三井構成員が御懸念いただいたようなところにつきましては、広告会社がやっているからセーフということではなくて、それは内容をもって判断をすることになります。

 一方で、医療機関以外に対する誘引とか、石川構成員から御指摘のあった、それ以外の医療と関係ない部分につきましては、この法律の対象外にはなりますけれども、その広告の主体といたしましては、医療機関自らでない場合も広告には該当いたしますので、そこにつきましては御理解いただければと思っております。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 今ので、いわゆる美容医療の医療機関ではない部門は対象外ということは理解できるのですけれども、例えばこの医療法の規制で、広告会社であるとか、そのようなところに対して罰則規定とか、そのようなことを設けることは可能なのでしょうか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局です。

 可能というよりも、かかっておりますので、対象です。主語に「何人も」となっていますので、広告会社であっても規制の対象になります。御理解いただければと思います。

○桐野座長 どうぞ。

○榎本総務課長 ちょっと補足いたしますと、実際のいろいろな報告徴収の規定などは医療法の六条の八に規定されておるのですが、その中で、自治体の長が対象として指導などを行うのは広告を行った者に対して行うということになっておりまして、必ずしも医療機関に限られるものではないと理解しております。したがいまして、今、委員の御指摘にありましたように、民間の広告会社に非常に問題があるということが明らかになれば、そういったものに対して、直接必要な報告徴収などを行って、指導を行っていくことは可能だと考えております。

○桐野座長 三井構成員。

○三井構成員 今回の医療法の改正、罰則規定ということになっているのですか。具体的にそのような広告機関に対する罰則規定はどのようなものが挙げられているのでしょうか。

 例えば医療機関であるならば、医療法ということで、医業の停止であるとか、いろいろな部分があるのですけれども、広告会社というのはそのような規制には絡んでいませんので、罰則規定があるならば、何らかの課金とか、そのようなものは決められているのでしょうか。

○榎本総務課長 まず、今の最初の御質問の罰則のほうですけれども、第八十七条で、例えば、第六条の五第三項に違反した者に対しては六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処するということが明確になっておりますので、そういう意味では罰則としてはしっかりとかかっているということで御理解いただければありがたいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがでしょうか。

 それでは、伊藤代理人、小森構成員、お願いします。

○伊藤代理人 先ほどから規制の実効性については、いろいろ課題があるという指摘があると思うのですが、私もそう思います。ただ、新たな広告手法というのでしょうか、こういうものについていけないのではないかという点については、私はこう理解したのです。

 この誘引性という概念で、広告をする側の意図をもってその広告に該当するかという判断をしているのであって、どんな手法をとるかということは問わない、問うていないという理解でよろしいのでしょうか。そうであれば、新しいいろいろな広告手法が現れても、法的にはこの規制で対応できる、あとは実効性の確保という課題は残る、そういう理解でよろしいかどうかを確認しておきたい。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 事務局でございます。

 今、御指摘のとおりの理解でございます。

○桐野座長 それでは、小森構成員、どうぞ。

○小森構成員 これは国内法なので、特にホームページ等は、今、世界中どこでもリンクが張られているので、これがもし海外のサイトで、当然日本語で、特にあるのは薬関係かもしれませんけれども、そういうところのサイトのクレームが入った場合はどのような形で規制するのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 誘引される先の病院のほうに問い合わせなり報告徴収を求めることによって、そのサイトが海外にあるかどうかというのは余り関係ないことになろうかと考えております。まずは、その誘引先の特定されている医療機関に問い合わせを行うことによって対応できるかと考えております。

○小森構成員 我々病院側が意図しない形で名前を使われていて載っている場合などは、問い合わせがあった先にそのようにお答えすればいいわけですか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 御指摘の状況がどういう状況かちょっとわからないので教えて頂けないでしょうか。

○小森構成員 比較広告になった場合に、上位の病院と同じように並べられているという形で使われる可能性は多々あるわけですね。自分たちが希望しなくても、今、いっぱい載っていますから。そういう場合を一々我々医療機関に問い合わせられてもどうしようもないわけで、その辺というのはちょっと考えていただかないと。誘引側にそういうクレームの電話が入ってきても、我々が意図しない、全く知らないところで現実に今もいっぱい載っているわけですから、そういうものをどのような形で排除するのかは考えておかないと、我々現場が混乱するだけなので、ぜひその辺は御考慮のほどをよろしくお願いいたします。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 そういったケースもあろうし、実際、現に起きているのだろうと理解しておりますので、そういう場合に対してどういう対応ができるかということは今後の課題として引き取らせていただければと思います。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 すみません。こうやって皆さんの議論を聞いているうちに、細かな疑問が3つぐらい出てきてしまっているのです。一々これをやっていると、次のビフォーアフターの話もできなくなってしまって大変だと思います。今回、この例示といいますか、具体的な事例だとかを出していただいたのはすごくいいのですけれども、それ自体もちょっと怪しいところがありましてたくさん質問したい。おそらく皆さんのところでも一つ二つ細かいのが出てきているのではないかと思うので、次までに文章で提出してもらって、それで答えるというふうにしたほうがいいのではないでしょうか。私の3つも、気の毒なぐらい細かいので。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 今回いろいろな御意見をいただきまして、またそれを宿題として、最終的には省令の改正でありますとかガイドラインという形で具体的にお示しすることが必要と思っておりますので、次回に向けまして、各構成員からいただいたこういう点はどうなのかというような宿題に関しましては、反映できるものはガイドラインに反映し、また追加で何かいただいた場合にはQ&Aという形で周知することもできますので、広く御意見をいただければと思っております。

○桐野座長 どうぞ。

○石川構成員 というのは、これはお正月ぐらいにかけてパブリックコメントみたいなものが実施されるという話ですけれども、そのときに、実際上、郡市区医師会だとかそういうところを運営しているところからも細かなことがいっぱい出てくると思うのです。そういうことのないように、結構網羅的に最初に質問を受けて対処しておいたほうがいいと思います。

○桐野座長 次の議論もしないといけないのですが、この1-1と1-2について、これはどうしても一言というのはありますか。

 伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 1-2のほうですけれども、2ページのところに、禁止されない広告の具体例で上のほうに出ている、がんとか難病とかで効果があると言われているとか、治療の一つとして選択できますとか、こういう書き方なら大丈夫ですよということが書かれているのです。こういうものは、前回も別のところで少し議論があったようですけれども、広告には内容の重さみたいなものがあると思っておりまして、こういった命に直接かかわるようなことを、こういう書き方ならグレーだけれども、まあ大丈夫ですよということを指南するような形の具体例を示すのは余り適当ではないと思っております。患者からすれば、判断材料というのは非常にありがたく、必要だと思っているのですけれども、こういった情報は一方的というか、言われているとかいう形で、効果があるとは言っていませんよと後で言えるようにはなっているのだと思います。やはり誤認を誘導するようなことになりかねないと思いますので、こういったものを示すのは適当ではないと思います。

 以上です。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今、御指摘の部分というのは、多分、単純に薬機法の六十七条に違反していると思います。特殊疾病の一般向け広告の禁止という条文があって、白血病とかがんとかの薬を一般向けに広告するのはだめということになっていますから、多分それに抵触するのではないかと思います。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 御指摘ありがとうございます。最終的なガイドラインにする際には、今、御指摘いただいた点も含めて適切な表現に直すように対処したいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがですか。1-1と1-2です。石川構成員が言われたように、細部においてはいろいろな問題がまだたくさんあると思うのですが、大筋において、ここに書いてあるような方向であるということで次に進んでよろしいですか。

 次は、もう一遍御説明いただかないといけない。資料2「術前術後の表示の扱いについて」事務局からお願いします。

○長房企画官 それでは、資料2「術前術後の表示の扱いについて」を御説明させていただきます。

 1ページ目をおめくりください。こちらは、前回、構成員の皆様方からいただいた御意見をおまとめしたものです。1.が原則禁止でございまして、2.から4.が条件つきでビフォーアフターを容認しようという立場の御意見でございます。

 「1.原則禁止」につきまして、そのメリットといたしまして、虚偽・誇大表示によって患者が誤認するリスクを低減できる、患者が都合よく表示を解釈して誤解するリスクを低減できるといったことが考えられる一方、デメリットといたしまして、歯科の機能回復、乳房再建術の結果など一般の皆様の理解に役立つ情報提供の妨げになるのではないかという指摘がございましたし、原則禁止いたしますと、虚偽・誇大表示以外も罰則で規制されることになるのですが、それは過剰ではないかという考え方もございます。

 「2.現行の規制を維持」とありますが、これは一定の条件のもとにビフォーアフターを容認すべきというホームページガイドラインの並びでございます。そのメリットといたしまして、患者が受ける医療の効果について具体的なイメージを把握できるという御指摘があった一方で、そのデメリットといたしまして、加工等々の新しい技術や工夫が出てくる、また加工されても加工しているか否かの立証が困難であるといった御指摘がございました。

 3点目がネガティブケースの併記でございます。メリットといたしまして、治療のリスクを患者が認識することによって誤認のリスクが提言できるということが考えられる一方、デメリットといたしまして、極端なケースとして、死亡事例の記載も求められるため望ましくない、訴訟の問題もあって難しいのではないかといった御指摘がございました。

 4点目が「診療内容に応じた規制」ということで、特定の分野についてのビフォーアフターを認めてはどうかといった御意見を踏まえたものでございます。そのメリットといたしまして、患者の誤認による望まない受療を抑制しつつ治療効果の具体的なイメージを把握できるといった御指摘があった一方、デメリットといたしまして、どの分野にビフォーアフターを認めてどの分野がだめなのかといった線引きが難しいといったことも考えられます。

 続きまして、2ページ目をおめくりください。こちらに、前回の議論等を踏まえましたビフォーアフターを考えるに当たっての留意点としてまとめております。正しい医療情報を提供し、患者等の適切な医療の選択を妨げない観点からビフォーアフターを評価しますと、2つの見方があるのではないかと考えております。

 まず、ポジティブな面といたしまして、ビフォーアフターによりまして、患者が受ける医療について具体的なイメージを把握できる。その一方、ネガティブな面もございます。ビフォーアフターについては患者によって結果が異なりますので、情報の真の有用性は限定的であり、患者の適切な選択を阻害するおそれがある。また、患者の適切な選択を妨げるものとしては、加工修正等を行ったビフォーアフターのほか、たまたまうまくいった一部の症例を取り上げるビフォーアフターの表示もあると考えられます。

 こうした留意点を踏まえました規制の案を3ページ目に掲げております。

 案1でございますが、誘引性があるものは原則として禁止するということで、こちらは患者の安全を重視する立場に立ったものです。具体的な対応といたしまして、誘引性があるビフォーアフターについては原則として禁止する。この場合、虚偽・誇大に当たらないビフォーアフターであっても禁止されることになります。なお、※印に誘引性がないものを挙げておりますが、学会等が掲載するビフォーアフターの写真については誘引性がないものとして禁止されないということで、こちらについてはリンク等々を許容することになります。

 次に、案2でございますが、虚偽・誇大なビフォーアフターを禁止するというものでございます。こちらは、ビフォーアフターのメリットも勘案したもので、デメリットも含めてその調和を図るものです。具体的な対応といたしまして、加工・修正等については虚偽・誇大な表示として規制するほか、先ほど申し上げました、一部のたまたまうまくいった事例を取り上げるようなケースについても、誇大な表示として規制するという考え方でございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

○桐野座長 どうもありがとうございました。

 これは、前回も相当な御意見をいただいたことですが、今、説明された術前術後の表示の扱いについて御意見をいただきたいと思います。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 私、前回欠席いたしまして、意見書を出させていただいたのですけれども、直接意見を申し述べたいと思います。

 前回の話し合いの内容を拝読していますと、この歯科領域の機能回復とか乳房再建術の結果についてビフォーアフターを出すことが患者の理解につながるのではないか、そういった御意見もあったようですけれども、ウェブ上でそういう写真が出るということは、見た人の自己判断ということで、適切にそれが判断できるかどうか。私は、全ての方ができるとは限らないと思っています。例えば、ビフォーアフターではなくても、こういうことはこんな状態ですよという写真を出すことまでだめと言っているわけではないので、ビフォーアフターとしては、これを認めないという方向にしたほうがいいのではないかと私自身は思っています。

 特に歯科領域にしても乳房再建にしても、挙げられている例については、個別に診察をするわけなので、診察したり、治療方法について相談するときに、その患者に合わせた個別性のある説明をするとともに、例えば、ウェブではなくて、こういう状態になりますよということを参考に具体的に写真で示すことで十分対応できるのではないかと思っております。一部認めるということにすると、その線引きが非常に難しくて、必ずグレーゾーンが残ってくる。そして、抜け道ということも出てくるのではないかということを非常に懸念しています。電話相談でも、ネットを見て写真で判断して、被害に遭ったということを言ってくる方がいまだに。いまだにというか、逆に多くなってきている状況を考えると、3ページにある案の中で、私は案1の原則禁止にすることが患者側を守ることにつながるのではないかというのが1点です。

○桐野座長 御意見をお願いいたします。

 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 今、歯科の機能回復の部分があったのですけれども、ビフォーアフターの部分で、歯科はいわゆる保険診療でも保険外診療でも、例えば前歯部の虫歯を充填するのは保険でできますよとか、虫歯が広いからこういう部分に関してかぶせていないとだめですよとか、虫歯が大きいから抜歯になってインプラントになりますよ、義歯になりますよ、ブリッジになりますよという事例があるのですけれども、逆に、不幸な患者さんは結構多いわけです。情報がわからないから、前歯のかぶせは保険がききませんよとか、そういう逆の部分があるわけです。そういうものがウェブできちっと知らされていることによって、患者さんにとって大事な情報が得られるというところで、この部分というのは必要ではないか。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 歯科については御相談が非常に多いです。今、おっしゃったように、非常に複雑で難しいからこそ、ウェブで患者が自己判断することが危険ではないかと私は思っています。

○桐野座長 三井構成員。

○三井構成員 全ての歯科医師がいい先生なら非常にいいのですけれども、私がこういうことを言うのはだめなのですが、それしかできませんという間違った情報で患者さんを誘導されて、後でトラブルになっているという事例が非常に多いです。そのような部分で、こういうふうに治療法はいっぱいありますよというのがウェブで楽に見ることができる。でないと、行った医院でこう言われました、こうこうこうですよ、だからインプラントしか無理ですよ、というようなトラブルが非常に多いのです。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 こんな方法がありますということをお示しになることは、今、問題になっていなくて、ビフォーアフターですから、今のお話だったら別にビフォーアフターにする必要はないのではないでしょうか。こんな治療方法が数多くありますという選択肢を示すことは今回問題になっていないわけです。ビフォーアフターの問題ですよね。

○桐野座長 関係した件ですか。

○福長構成員 同じような意見です。

 治療法を見せていただくというのは構わないわけですけれども、ビフォーアフターということであれば、事務局のほうでまとめていただきましたが、誤解とか期待ということが多いので、私も案1に賛成です。

 案2のほうは、具体的な対応として、加工とか修正されたもの、虚偽・誇大な表示を規制すると書いてあるのですけれども、これがどこまで規制されるのか、というところがある。患者の教育とか消費者教育というのが必要なのかもしれませんけれども、ウェブサイトの写真で判断するのではなくて、お医者様の診断を受けて、インフォームドコンセントという形で十分な説明を受けて、納得をして治療を受けるというところが基本的に一番大切なものではないかと考えております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 この議論でよくわからないのが、そもそもビフォーアフターを載せるとどういう被害につながるのか。ビフォーアフターを載せていること自体は、こういう状態がうまくいけばこうなりますよということを述べているだけだから、程度問題としてそこまできれいにできなかったという話なのか、それによって誘引された結果、何か別の関係ない被害が起こったのか。消費者からのいろいろな訴えがごちゃまぜになって、よくわからないけれども、ビフォーアフターはまずそうだからやめましょうという議論になっているような気がしておりまして、そこのところ、もし具体的にあれば教えて頂けますでしょうか。

○桐野座長 では、山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 例えば、ここに出てきているような、加工されたり修正されたもので誘引されている例もありますし、本当なのかどうかということも判断できないことがありますし、結果としてみんなこうなるのだと思って安易に選んでしまうとか、誤った解釈をするということで、結果、こんなはずではなかったという御相談が実際には数多くあります。

○桐野座長 ビフォーアフターは特に誘引性が非常に強いという面が問題なのかなと思います。それにすごく引かれる。例えば、二重まぶたの手術とかの場合は、ビフォーアフターが一番説得力があるというか、誘引性が強いので。

 すみません。小森構成員、どうぞ。

○小森構成員 大変難しい問題だと思います。ただ、前にもお話ししましたように、最初に知るという権利があると思うのです。そういうものがないと、知らないと、そういう治療があるのだということがわからない。

 多分、問題になっているのは、見える医療だけなのです。要するに、歯とか美容の部分というのは見えるではないですか。だから、ビフォーアフターみたいな写真がたくさん出てくるのだと思うのです。この中で話に出ているように、インフォームドコンセントというのを、今、歯科もそうですし、医科も必ずやっているはずです。誘引性が高いというのはわからないわけではないのですけれども、全く写真がないわけではなくて、そういう情報は与えるべきであって、その情報を元に行って、いい医療機関であれば、必ずインフォームドコンセントした上で治療が始まるわけですから、あまり一遍に締めつけてしまうのは問題があるような気がします。

 ただ、言われていることはわかります。極端な例を出して、こんなふうになりますよ、全員こんなふうになりますという表現だとか、そういうものに関しては確かによくないのだと、そのように思っております。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほどの歯科の話と一緒で、情報として出していただくことは大いに歓迎ですし、情報をたくさん提供していただいて、知るということは大事だと思います。でも、そこになぜビフォーアフターをしないといけないのかということです。だから、情報のために写真を出すということは全く問題がないです。そういうことを規制したらとんでもないことになってしまうと思いますので、情報は出していただく。ただ、そのビフォーアフターにすることによって修正する人が出てきたり、加工したり、それが判断できないということも問題で、非常に誘引してしまう。どこまでという線が引きにくいことだと思いますので、出す方は情報として出していただいたら、私はそれはいいことだと思っています。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 そうすると、例えば、歯科でセラミックを入れたらきれいになりましたというアフターの写真を出すだけだったら問題ないとお考えなのでしょうか。

○山口構成員 セラミックはこんなものです、ほかの材料はこんなものですというのは情報だと思います。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 例えばインプラントなどの情報ですと、一番大事なのは、ビフォーアフターではなしに、実は術中も要るのです。ですから、皆さん、ぱっと歯科へ行かれて、インプラントをしましょうと。では、インプラントが成立しました、もう明日入っていますというふうに思われる方が実は多いのではないか。インプラント、手術します。その先にはしばらくの間は何もないです。だから、そこの部分に関して取り外しの入れ歯を入れるとか、いわゆる仮のものを入れます。それを半年から1年入れて、その1年後に最終的な補綴の再建になる。そのような情報をお知らせすることが大事ですと。

 ですから、今、審美的なことも言われていますけれども、奥歯の咬合の回復をする場合などには、今でも、取り外しの入れ歯、固定性のブリッジ、インプラント、3種類が考えられます。前はこういうふうな状態でした、でも、後はこういうふうにできますよ、3種類のそのようなものを示すことも非常に大事な情報であるのではないかとは私どもは考えています。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 今、先生がおっしゃった術中の話でいけば、インプラントをやってドリルで穴をあけるわけですけれども、それを見た瞬間に怖くてやめる人もいると思うのです。そうすると、手術がどういう手順で行われていって、最初、どういうところからスタートして、途中でどうなって、最後どうなるというのは非常に有益な情報だし、単純に術前術後はだめですよ、それにかかわるものは全部だめですよと言ってしまうと、そういった情報までオープンにできなくなってしまうから、基本的には、虚偽・誇大なものはだめ、変に加工していたりするものはだめというような規制の仕方がいいのではないかと私は思っております。

○桐野座長 それでは、山口構成員、三浦構成員。

○山口構成員 済みません。事務局に質問です。

 今、おっしゃっているような治療の過程、道のりをたどっていくこともビフォーアフターと言うのでしょうか。今、お話を聞いていると、それはビフォーアフターではなくて過程ではないかなと思ったのですけれども、そのあたり、どう受けとめればよろしいですか。

○桐野座長 事務局、いいですか。

○木下調整官 一律にお答えするのは難しい面はあろうかと思いますが、今の過程に関しましては、全てが術前術後に当たるということではないかなと思っております。

○木川構成員 ただ、結果的に、術前と術後がそこに絶対入ってきてしまう。そうすると、術前術後がだめだといったら、全部の手続というか流れを紹介することもできなくなってしまうのではないかなと思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。同じことですね。

○三浦構成員 今、ビフォーアフターが全部だめという前提のお話になっていますが、案1は誘引性があるものは原則禁止なので、今、おっしゃったような治療の過程ですとか、治療の結果というのは、誘引性目的の写真ではないので、これは規制されないので、案1で問題がないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○桐野座長 木川構成員。

○木川構成員 「学会等が」と書いてあるのですけれども、まず、その「等」というのは一体何なのかという話になってきて、そうすると、もともとある学会ではなくて、何か団体をつくりましょうという話になってくるのではないかなという気もします。結局のところ、そういうところに上げているビフォーアフターの写真も、そこに参加されている医療機関がそういう治療を世間に宣伝して、そういう治療をお勧めするためにやるわけですから、それで単純に誘引性がないとは言えないのだと思いますし、そこでの線引きというのはかなり難しいのではないかと思います。

○桐野座長 今の御意見についていかがですか。

 三井構成員。

○三井構成員 歯科のほうでも、いわゆる矯正ですね。顎切り。物すごく下顎が出られた方の顎切りというのが、今、保険でも認められているのです。術前にアントニオ猪木さんを。名前を言ってはだめなのかもしれませんけれども、顎が出られている。下顎の過成長がある。そうしたら、それを手術して入れますと。ここが一番怖い写真なのですけれども、何でもかんでも成功してきれいになりますではないのです。実際には、学会等の写真が出ていますけれども、学会等の写真を使えば、ものすごく典型的にきれいになった写真しかないと思うのですね。でも、それは誘引性がないのではないですかではなしに、いや、手術したらこれだけきれいになりますよ、という誘引性です。医療というのは絶対誘引があってその部分があると考えます。いわゆる術前・術中・術後・過程ですと言われて、それはビフォーアフターではないから全部オーケーです、と言われるならば、これ以上何も言いませんけれども、最初と最後は絶対つきますからね。だから、そこの部分の誇大というのも、では、どこが誇大なのかという部分は非常に難しいところがあるかなと考えます。

○桐野座長 いかがですか。

 伊藤代理人。

○伊藤代理人 患者の立場で参加をさせていただいておりますが、患者の立場からすれば、医療に関する情報というのはぜひたくさんほしいと私どもは考えているところです。ただ、欲しい情報というのは正しい情報であると考えています。今回、この間の議論で大きく4つに分けられていますけれども、こうやって考えてみますと、画像を加工とかしていないかということは立証が難しいとか、ネガティブケースをぜひ出してもらえればいいなと思うのですが、それも困るというお話ですし、診療内容に応じた線引きも困難だという議論経過があるようです。そうなりますと、案1という形で、誘引性があるものは原則として禁止するという形にするのはやむを得ないのではないかと考えたところであります。もしその線引きが可能だということをさらに追及することができるのであれば、そういうことも求めていきたいと思いますが、この間の議論経過からすれば困難だということですので、案1ということがやむを得ないのではないかと考えたところです。

○桐野座長 本多構成員、どうぞ。

○本多構成員 私も、前回申し上げたとおり、案1に賛成です。

 そもそもこの問題は、消費者委員会から挙げられてきたものて、特にトラブルが多いのは、美容であり、保険診療については、一部、混合診療などもありますが、今までもそのようなトラブルは少なかったと思います。術前術後については、医療では突発的に術前の想定と変わることや、必ずしもストーリーどおりにはいかないケースもあると思います。まずはガイドラインで原則禁止として、その後、実態を考慮し改正していくという形で進めていただくのが良いのかなと思います。

 そもそもインターネットは、利便性を追求すれば、その分リスクも広まるものです。先ほど福長構成員がおっしゃったとおり、本来は、医療に限らず、ネットというのは、学校教育ではないも、自己責任でやっていく教育をしていく必要性があると思います。まず、この医療というのは非常に大事だと思いますので、最初は案1のような形でスタートしていくのが良いと思います。

○桐野座長 いかがですか。

 大道先生、どうぞ。

○大道構成員 きょうの初めからちょっと違和感を抱いていたのですけれども、資料1でも今回の資料でもそうなのですが、基本的に誘引性があればいけないようなイメージがちょっとつきまとっているのです。本来、広告というのは、PRだけではなくて、ホームページも含めた広告ですけれども、これは当然誘引性があるわけですから、誘引性があるからだめだというと、広告と規定された時点で全ての材料が出せなくなるというのもちょっとおかしな話だと思うのです。それが虚偽であったり、誇張であったり、誇大であったり、あるいは非合理的であったり、それが問題なわけで、誘引があるなしというところで線を引くと、ますます深みにはまってしまうような気がいたします。

○桐野座長 ちょっと本質的な疑問ですけれども、広告全部が禁止されているわけではなくて、広告してもいい項目は決められているわけですね。

○木下調整官 はい。

○桐野座長 なお、今の大道構成員の話にコメントがありますか。

○木下調整官 事務局でございます。

 要は、広告全てが禁止されるわけではなくて、前回御説明したとおり、特定性と誘引性があるものが広告の範疇に入ってきますという前提から入っていますので、大道先生がおっしゃるのを逆に言えば、誘引性があるものは全て広告に当たるというのはそのとおりだということになります。

 誘引性が悪いというわけではなくて、その先の話として、誇大でありますとか、虚偽でありますとか、比較優良というものに関しては広告してはいけないですよ、という建付けになっています。誘引性が悪いということを言っているわけではなくて、誘引性があることをもってまず広告の範疇に入っていきますよ、というところから整理をさせていただいているというところを御理解いただければと思います。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 前回からも申し上げていますように、このビフォーアフターに関しては原則禁止という形になっているから意見を述べさせていただいている。だから、省令1で原則禁止であるけれども、省令2で限定解除しましょうと。前回も言わせていただきましたけれども、その限定解除も、省令2ということで詳細なところを決めてしまうと、省令を変えるというのは非常に困難な作業になる。だから、その部分で、例えば歯科の機能的審美的回復の部分に関しては限定的に解除しますよ、という項目で入れていただいて、その中の詳細に関してはガイドラインで示していただくという形でやっていって、いわゆる患者さんの部分の利益を損なわないようにしていっていただきたいとお願いしているわけで、全て認めろと言っているわけではないのです。その中でも、省令で認めていっていただきたい。全部認めるならば、これはざる法になってしまいますので。ここで原則禁止なのですけれども、これは省令1で原則禁止、省令2で限定解除、ガイドラインでその事例を示していくという考え方をお願いしたいと述べているわけです。

○桐野座長 今、基本的には原則禁止で、ビフォーアフターのようなものを出せるケースについてはまた別途定めるという御意見でしたけれども、いかがでしょうか。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 先ほど三浦構成員がおっしゃったように、今、三井構成員がお示しになっていることは単純なビフォーアフターではないと私も思うのです。治療の過程として情報提供されるということであれば、この案1に書いてある「誘引性があるものは原則として禁止する」というところに当てはまらないのではないか、ちゃんとした情報提供と読めると思いますので、1にすることに何ら支障はないのではないかと思いました。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 結局、先ほどの事務局のお話を伺っていても、比較広告の中には不当に患者さんを誘引するものがあるからということなのだと思います。そうすると、不当に患者さんを誘引するわけではなくて、世の中には自分が困っている症状が治るということを知らない方もいるわけですから、今どき、ネットをたたいて、それが治るのだとわかるということも非常に有益な情報だと思います。そういうのを一律に禁止するのではなくて、結局、不当に誘引するような比較広告を禁止するべきで、不当にというのは何かといったら、それは虚偽・誇大なものということに収れんしてくるのだろうなと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 伊藤代理人、どうぞ。

○伊藤代理人 今の虚偽・誇大なものに限定して禁止するという点については、資料にあるとおり、加工しているかどうかの立証が困難だし、撮影の段階でも加工してしまうとか、そういった技術的な問題もあるというように、この間、議論があったのだと思っておりまして、その線引きというのがとても難しいということではないのかなと思います。そういう理解のもとで、私は、先ほど案1ということで、原則として禁止すべきだと申し上げました。

○桐野座長 割に多くの方が案1でよろしいのではないかということですが、禁止するというのはあまり望ましくないという意見もあったように思います。これは、一般的に禁止するというのではなくて、ビフォーアフターの写真が、これまで事実として弊害が相当あったという認識に基づいているのだろうと思うのですが、さらに御意見はございますでしょうか。

 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 私、小児科なのですけれども、原則はこの案1でいいと思います。しかし、「具体的対応」の下に書いてある「学会等が掲載する術前術後の写真」といったことについて少し例示を挙げていただいたほうがいいと思います。

 というのは、私、小児科でやっていますと、大道先生の病院の宣伝にしてもあると思うのですけれども、ボイタ法という子供のリハビリテーションのものがあります。姿勢がすごく曲がってしまっているお子さんがその方法のリハビリテーションをやりますと、姿勢の曲がりが治ったりするのです。これは、お母さん方にとっては非常にびっくりするような写真なのです。これはタラレバなのですけれども、ちゃんとやればということなのです。実際はそういうことをやって子供さんの治療ができるということの可能性を示すものとして非常に大事なのです。

 それから、兎唇というのがあります。口唇裂なども、お母さん方は赤ちゃんが生まれたときから見ていますから、おうちの中に閉じこもる。だけれども、手術してこうやって治るということは非常に希望になるというのもあるわけですから、こういうのはいいのではないかと私は思うのです。原則、案1でいいと思うのですけれども、こういうのはよしとしたほうがいいというのを当局から示していただければ、より一層イメージが湧くし、先ほどの無駄なパブリックコメントを少なくできるのではないかと思います。

○桐野座長 今、石川構成員がまとめていただいたのが大方の御意見だったのではないかと思いますが、そのほかいかがでしょうか。

 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 この3ページのところの案1、案2のところも、誘引性があれば原則として禁止というのは、「不当な誘引性があれば」とかいう文言にしていただかないと、先ほど言いましたとおり、広告は全部だめということになってしまいます。

 そして、小さなケースですけれども、我々の病院で乳房の再建術をやっております。最近、関東の方が患者さんとして来られることが多いので、よくよく聞いてみると、国立がんセンターで手術して、そこでは再建をしないので美容外科に行きなさいと言われたと。300万、400万かかるらしいのです。今まで3年間、貯金をためてきたのだけれども、何かの拍子で我々のホームページにたどりついて、見たときに、再建をやっている病院がここにもあるのだと。我々は入院料込みで40万でしておりますので、それだったらお金があるから来週でもできますみたいな感じで。それというのは何かかわいそうな話になってきました。よくよく話をしてみて、同時再建の場合はこう、広背筋を持ってくるとこう、あと、2期的に違うプロテーゼを入れるとこうなりますという話をすると、非常に残念がるのです。自分自身ががんの手術をする前にこういう話を聞きたかったと。そうしたら、私は同時再建を選んだと。当然、同時再建のほうがきれいです。素人の男性がわからないぐらいきれいになりますから。

 そういう情報は、今、患者さんのもとに届いていなくて、どうしたらそれを届けられるのだろうか。ピンクリボン運動とかもあるのでしょうけれども、それを我々は常に考えているところなのですね。何もビフォーアフターだけで届けられるとは思いませんけれども、そういうツールはどこかに残しておいていただきたい。正確な情報を国民に届ける手段というものはぜひ残しておいていただきたいと思います。

○桐野座長 そのほかいかがですか。

 大体御意見をいただいたように思います。多少の不一致はあったと思いますけれども、大方、案1を中心にまとめていくということになったと思います。よろしいですか。

 どうぞ。

○木川構成員 現実問題として、案1で、先ほど石川先生がおっしゃったように、必要な情報提供はしなければいけない。では、どこが必要な情報提供ですかといった場合に、口蓋裂とか、そういったものをきちんと情報提供していくことは必要でしょうというのはコンセンサスができると思うのですけれども、そうではない、審美とか美容医療であっても、必要な人には必要なわけですから、それを情報提供しないとか、それを情報として隠してしまうことが果たしていいのかというのは、私はすごく疑問に思っていて、むしろきちんと情報提供をすべきと思います。最初は玉石混交になるかもしれないし、一部には極めて悪質なものも出るかもしれないけれども、そうではなくて、きちんと情報提供をしていく。真面目に情報提供してくださる方たちが数多くの情報を提供していくことによって、そういう悪い情報が駆逐されていく。それを国民がきちんと選別する目を持つという状態にすることがまず必要だと思っています。だまされる人もいるかもしれないから、最初から隠してしまおうというふうにすると、それを選別する目が育たないと思うのです。だから、最初はリスクが多少あっても情報提供するほうから始めていって、明らかに不当なものというのはわかるわけですから、それを行政のほうできちんと取り締まっていく方向性がいいのではないかと思います。

○桐野座長 情報提供を広告としてやらなければいけない理由は何でしょうか。

○木川構成員 その1つは、まず情報提供を積極的にするというのはそこにコストも。

○桐野座長 いえ、広告として。

○木川構成員 それは広告としてというか、先ほどからありましたけれども、実際に誘引性があるかないかというのは結構微妙なところがある。例えば医師会が情報提供するものであっても、それは、自分たちがこういう治療をやっていますということで、その治療に誘引する性質があるわけですね。それは広告だという仕切りになるのであれば、結局、世の中に出す情報というのは最終的にはその治療に誘引する性質があるわけですから、どうしてもそれは広告になってしまうと思うのです。

○桐野座長 いや、医師会が出すそういう情報は広告にならないのではないでしょうか。○木川構成員 先ほどの整理だと。

○桐野座長 医師会を訪れても、医師会で治療できるわけではないですから。

○木川構成員 医師会が、ここで治療ができますよということで特定の病院を紹介すれば広告に当たり得るわけです。それは特定性もあるし誘引性もあると思います。先ほどの石川先生からの御質問の冒頭のときにお答えになったのがそういうふうな理解だったと思うのです。

○木下調整官 よろしいですか。

○桐野座長 どうぞ。

○木下調整官 事務局です。

 医師会に問い合わせをした後のお話でしょうか。

○木川構成員 そうではなくて、例えば医師会が出している検索サイトみたいなもので、そこにどういう治療ができますかというと、この地域の中でこういう病院がありますということが出てくる。先ほど、それは広告に当たり得るというお話でしたね。だから、結局そういうことですね。誘引性の程度の問題というよりも、なぜ広告でそれをやらなければいけないか。

 やはり自分のところでこういうふうな治療ができますよということを宣伝する方たちが数多く正しい状況を提供していくことが必要だし、何の経済的メリットもなければ、そういった情報発信すらしないわけですから。結局、医師会がそれを情報提供するとしても、そこに所属している先生方のところで最終的に治療がされるというところにつながってくるわけで、それが広い意味での広告ではない、というのもなかなか言えないと思います。

○桐野座長 医師会が個別の医療機関の利益のためにそういう情報宣伝活動をされるということは余りないのではないかと思います。

○石川構成員 例えば、郡市区医師会あたりまでいきますと、地域の方たちに親しみを込めた医師会の紹介みたいな形で、診療所の院長先生の一言だとか、そういうのを置いているところもあります。これが、私は○○をやっていますとかいうことが一言の中に入ったりしたら、それは誘引性になるのかとか、今後はそういう細かなことを気にしなければいけないのではないかなということを先ほどからずっと考えているわけですけれども、そういうのはどうなのでしょうか。

 実際、医師会で自分の会員の診療所・病院を一覧表にしていますね。そこにはもちろん書いてあるのですけれども、ちょっとクリックすると院長の一言みたいなことが書いてあったりするというのを医師会がやっているところがあります。もちろん、ホームページに行けば、院長の御挨拶とか、そういうものは当然ありますけれども、そうではなくて、医師会がそのようなことをやっている場合もある。それは地域に親しみを込めてという感じでやっているところもあります。こういうのも今回の新しい規制ではだめになるかどうかという判断は。

○桐野座長 ならないと思います。全くならない。

○石川構成員 大丈夫ですか。

○桐野座長 ええ。

 山口構成員。

○山口構成員 先ほどの木川構成員の御意見に対してですけれども、この検討会にしても、今の議論にしても、情報を出しませんという議論はしていないと思います。案1にしたときに、情報が出せなくなっているわけではないと思いますので、必要な情報が提供されなくなっているという御意見はちょっと違っているのではないか、と思います。ですから、案1にしても、適切な情報はきちんと出していきましょう、ということに何ら変わりないと私は思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。

○三浦構成員 今の御意見に補足する形になります。

 ここは意見が分かれるところかもしれませんが、先ほど病院が民間団体をつくってそこの写真はどうなのだとか。学会だけではなくて、そういうお話もありましたけれども、私は、団体をつくって、そこの写真でも構わないと思うのです。要するに、問題となるのは、当院で手術したらこんなにきれいになりますというタイプの広告なので。本当は、学会なり、ある程度中立性の保たれている機関がいいのですが、例えば民間団体をつくって、そこでこういう写真を出していきましょうとなったとしても、それはセーフではないかと思っております。

○桐野座長 今、議論しているのはビフォーアフターですので、術前と術後を非常に対照的に示すようなものについてはこういう考え方でどうかということですね。情報提供全体を問題にしているわけでは全然ない。

○三浦構成員 個別の医療機関に誘引するためのものを問題にしているのですよね。

○桐野座長 そうですね。

 まだ時間はありますので、御意見があれば。

 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 案1にしたときに、具体的にどういうふうに何をオーケーにするのかということですけれども、今の段階で事務局のほうで何か具体案をお持ちなのでしょうか。今、いろいろ議論が出たと思いますけれども。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 今回、術前術後の情報提供のあり方としての※書きに書かせていただいていますように、学会等が掲載するものについては誘引性がないということから、そういった情報提供を一定程度担保するという観点から、学会の御協力を得ながら情報を提供していくというやり方があろうかと思います。要は、学会等が掲載しているページにリンクを張るとか、そういう工夫のやり方はあろうかと思いますけれども、今、各委員からあったように、正しい情報を伝えるという観点を確保しつつ、どういうやり方ができるかということは少し工夫の余地はあろうかと思っております。

○桐野座長 三井構成員、どうぞ。

○三井構成員 先ほども申し上げましたように、学会の写真というのは恐ろしいほどきれいです。逆に、トラブルのもとになるのではないかというところをちょっと危惧するのです。その中で、それぞれが張られるのに「○○学会提供」ということが入っていれば、ビフォーアフター、それがオーケーならばそれでいいかなと思うのですけれども、学会は本当にすばらしい事例を出されておりますので、そこを少しだけ危惧します。

○桐野座長 大道構成員、どうぞ。

○大道構成員 結局、まとめれば、資料2の1ページに「術前術後の表示の扱いに関するご意見と考え方」がありますが、今のこの検討会での結論というのは、要するに原則禁止ということでよろしいのでしょうか。左の一番上のところですね。そういうところでよろしいのでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 事務局からお答えすることかはわかりませんけれども、今、3ページの案1と案2のいずれかという御議論をいただいていると理解しておりまして、どちらかというと、今、案1でいかがかという議論をいただいていると理解しております。

 今、大道先生が御指摘の点は、最初のページの「原則禁止」云々のところに関しましては、前回の議論を整理させていただいたもので、今回御提案しているのは3ページの案1、案2のいずれかというところで御検討いただいています。

○大道構成員 先ほど私が言いましたとおり、広告ということは全て誘引性があるわけですから、この「誘引性のあるものは」というのは余り意味がないわけで、これは原則禁止としか読めないのです。

 それと、術前術後の写真はだめで、術後の写真だけだったらいいのかという問題もあります。我々が国民に正しい情報を伝えるためには、唯一、術後の写真しかないのかなと思いながら今の話を聞いていたのですけれども、同時再建したらこんなにきれいですよ、2期的に再建して、そのステージによって、例えばIだったらこんな感じですよ、IIIになったらこんなにひどくなりますよ、みたいなものしか提供できないというのは非常につらいのですけれども、それはこの会で、この検討会で国民への乳房再建の術前術後の写真の提供はやめるという判断をするということでよろしいのでしょうか。

○桐野座長 事務局、お願いします。

○木下調整官 先ほどほかの構成員からも御発言いただいていますように、情報提供しないという議論をいただいているわけではないと御理解いただけないでしょうか。今、大道構成員御指摘のような各治療法でありますとか、そういった疾患の治療に関する情報というものを特定の医療機関の誘引性を持って提供することはどうかという御検討をこの場でいただいているところでございます。2ページの留意点のところにも書かせていただいておりますように、正しい医療情報を提供して、患者さんの適切な医療の選択を妨げないという観点からは非常に有用なものだと理解しておりますので、その情報の提供のあり方に関しましては、誘引性がないものの例示といたしまして、学会等の御協力を得ながら、今、大道構成員御指摘のような情報を発信するというやり方を、協力を得ることによりまして情報発信は積極的にやるべきと考えております。

 その一方で、特定の医療機関に対する誘引性を持って術前術後の写真を掲載することについて、この案1と案2いずれがより適当かという御検討をいただいているところとなります。繰り返しになりますが、特定の医療機関に対する誘引性を持った術前術後の扱いはどうなのだということで、この案1、案2いずれかというところの御検討をいただいているところでございます。

○桐野座長 石川構成員、どうぞ。

○石川構成員 例えばある病院の専門の先生が学会でその方法のトップの先生だったとして、その先生の病院の中で書いている記事で、今の乳房の再建術でもいいですけれども、そういったものでこうですというふうに言ったら、これは、その病院のホームページでそのことが書いてあるわけですから誘引性ありと考えるのか。それとも学会では普通こういうふうになっていて、学会を代表するような先生だとしてですが、そういうことというのはよくあるわけです。それだったらいいのかという判断はどうでしょうか。誘引性ということについての判断。今、そういうことを大道構成員はおっしゃっているのではないか。

○木下調整官 誘引性のあるなしという意味におきましては、誘引性があるというカテゴリーに入るかと思いますけれども、大道先生の御指摘とは違うのではないかと思っております。

○石川構成員 違ってもいいのですけれども、要するに私の言ったのは、例えばそういう一般論で書いて、そこのホームページだったらこれはアウトということになるわけですね。例えば先ほどのボイタ法の話であっても。

○木下調整官 情報提供を行うことがアウトということではなくて、誘引性を持って特定の医療機関に対してという観点でございますので。

○石川構成員 広告ということと情報ということの違いですよ。情報というのは、私が言いましたように、例えば子供で、脳性まひで、体が曲がってしまっている子供に一定の訓練をするとこのようになりますと。これはビフォーアフターですね。このことは非常に大事な情報なのです。それがある病院のホームページに書いてあったと。これは誘引性がある、広告だ、バツだということになるかどうかということなのです。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 今の案1でいきますと、そこの術前術後。術と言うのかどうかはちょっと。もしかしたら後でもう少し詳細な整理が必要かと思いますけれども、そういう意味でいくと、術前術後のものだけを掲載しているようなものについては、ここで言うところの案1では禁止の対象になるのではないかと考えております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 結局、今のお話にもあったように、患者さんにとって有益な情報かどうかというのはそれぞれのお医者さんによっても違うし、それを最大公約数的に学会がまとめて提供しましょうというと、本当に必要なものが全部足りているかどうかもわからない情報しか出ないとかいうことにもなり得るわけです。例えば、うまくいったものだけではなくて、余りうまくいかなかったものも自分のところで載せたいというお医者さんがあった場合に、それも載せられないことになってしまいます。そうすると、結局、情報を世間にというか一般の人に出さずに盲目的な状態に置いておくことにつながってしまうのではないかと思います。

 先ほど本多先生からお話があったような、とりあえず禁止にして後から様子を見て解除しましょうということは絶対に起こらないので、むしろ、とりあえず術前術後の症例写真を載せられるというふうにしてスタートして、実際にそれで具体的にどういう問題が起こるのかを確認した上で、本当に問題な部分について規制していくというのが進め方としてはいいのではないかと思います。

○桐野座長 ビフォーアフターについては、今まで問題が集積されてきてこういう議論になったのだと私は理解しています。

○木川構成員 それを先ほども質問させていただいたのですが、ビフォーアフターの結果、患者さんからクレームが出て、それが消費者団体に持ち込まれましたというお話があるのですけれども、果たして本当にビフォーアフターが何かをだましたのかというところに非常に疑問があります。例えば、今、世間一般で問題になっている美容医療で、糸を入れたら、それが神経にさわって神経麻痺が出ましたみたいなものというのは、ビフォーアフターで誘引されたからというよりも、その糸を入れる治療についてどういう合併症が起こるかをきちんとインフォームドコンセントしていなかった問題だと思うのです。世の中で起こっている患者さんのクレームとビフォーアフターの写真を載せることというのは、本当は直接的な因果関係がないのに規制されようとしているのではないかということを懸念しています。

○桐野座長 この検討会が始まるそもそもの1つの理由が、もちろんちゃんとやっておられる人もおいでになるので、全部ひっくるめて言うことはできませんが、美容外科系の一部において過大なビフォーアフターのぎらぎらした広告がいっぱい出て、それに引かれてしまうことがあったと聞いています。私自身が数値的なデータを持っているわけではないですけれども、そのことについて何か。

 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 今、まさしくおっしゃったように、違うところに確認する必要があるという問題はたくさんあると思うのですけれども、ビフォーアフターがあることによって飛びついてしまうという問題点がそもそもある。そうではなくて、例えばビフォーアフターの写真を見るとしても、治療を受けるということで行きますね。受診したときにそれを見せられて、私の場合はこういうふうになるのでしょうかと個別的な話し合いをすることこそが大事だと思うのです。先ほど福長構成員がおっしゃった、十分なインフォームドコンセントがあることによって受ける、受けないを決めるべきところを、安易にビフォーアフターの写真だけで飛びついてしまって被害を受けている方が出てきているところに問題があるというのが今回の出発点だったと思っています。だから、本来きちんと説明を受けることが大事ですよということを、今回、同時に発信していく必要があるのではないかと思います。

○桐野座長 福長構成員、どうぞ。

○福長構成員 私は消費生活センターで実際に消費者の方から御相談を受けていますけれども、きっかけというのが、ホームページを見て、ビフォーアフターを見てというようなところがすごく増えてきたというところで、消費者庁のほうから、消費者委員会ですか、そういう建議になったと思っています。

 もちろん、そのビフォーアフターの写真だけでトラブルになっているということではないと思います。説明が足りなかったり、いろいろあるとは思いますけれども、きっかけという形でビフォーアフターというのが位置づけられているという認識を私としては持っています。

○桐野座長 山口構成員、どうぞ。

○山口構成員 追加で申し上げると、誘引するというか、そこで飛びついてきてほしいと思って、問題のそういうビフォーアフターを出しているところは、途中の説明を省いて受けるという方を募集しているという言い方はちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そこの弱みにつけ込んでいる部分があると思います。ですので、写真だけ見て、こういうのをやってほしいという人に飛びついてきてほしいところが問題の情報を出しているところだと思います。

 今、皆さんがずっとおっしゃっている情報提供されているところは、きちんと情報提供したいという発信元の方たちなので、そこの方が出すことに何の問題もないと思います。今回、規制の対象にしようというのは、そうやって安易に飛びつく人を待っているような、そういうホームページを発信しているところを問題にしようと考えていると受け取っています。だからこそ、案1が必要ではないかと思います。

○桐野座長 三浦構成員、どうぞ。

○三浦構成員 すみません、1つ前の話に戻るのですが、石川先生がおっしゃったようなリハビリの手法の結果ですとか、大道先生の乳房同時再建の結果ですとか、そういったものは必要な情報提供に当たると思いますので、この案1にしても、禁止されない※印の部分で、先ほど石川先生がまとめていただいた、こういうものは提供できるというほうに入るのではないかと思うのですが、その辺はどういった書きぶりができるのかとか、何かございますでしょうか。

○桐野座長 事務局、どうぞ。

○木下調整官 今、こちらに書いています※書きのところは、一つの例示として学会のものを挙げさせていただいているところでございます。今回の整理の中で、線引きにつながるものかつながらないものかという観点はあろうかと思いますけれども、こういったものに当たらないものとしてこういった掲載ができるものは一定の整理をする余地はあろうかと思っております。

○桐野座長 木川構成員、どうぞ。

○木川構成員 今、三浦構成員がおっしゃったところが一番難しいところだと思っていて、結局、案1みたいな形にしてしまうと、誰かが決めた情報以外は、いくら患者にとって有益だと思っても発信できないことになってしまうところが問題で、それぞれのドクターごとにお考えがあるわけですから、そこはまずお任せするということでいいのではないかと私は思います。

○桐野座長 ビフォーアフターの写真というのは、すごく強力というか、有効な、重要な情報なのですね。ですから、大道先生がおっしゃるようなものについては、どちらかというと、ぜひ公開していただいたほうがいいとは思うのです。しかし、公開して有害な場合もいろいろなケースが知られているので、それをどうするかという議論だと思うのです。有益だけれども、一方で有害でもあるこのビフォーアフターをどのように規制していくかという議論だと思うので、患者側から見て有益な情報を全部シャットダウンしてしまうという議論ではないと私自身は思っています。

 だんだん時間も迫ってきましたけれども。

 どうぞ。

○木川構成員 今の先生のコメントに付言です。

 そもそもビフォーアフターが問題の本質につながっているかどうかというのは、私は数字も見ていないし、どういうクレームがあるのか見ていないからわからないのですが、仮にそれがあったとしても、それというのはお医者さんのわずか一部の話であって、それを規制するためにほかの多くの医療分野とかドクターについても必要な情報提供ができなくなる可能性があるような規制をかけるというのは、やはりやり過ぎなのだと思います。

○桐野座長 いかがでしょうか。

 本多構成員。

○本多構成員 私も木川構成員と同じで、通常の情報であればインターネットは基本的に規制すべきではないと思いますが、健康や医療にかかわることになると、慎重にせざるを得ないと思います。例えばインターネットでお金の被害を受けたのであれば、それは自己責任だと整理できると思いますが、健康や医療など、生死のリスクがあるようなことについては慎重に進めていくべきという意見です。

○桐野座長 情報に基づいて医療の治療法を選択するのは個々人の自由な判断によるのですが、自由な判断をした結果についても、個人の自己責任だと言ってしまうには、医療というのは非常に深刻な問題があるということだろうと思うのです。情報に基づいて自己責任で判断しなさいというのが基本なのですけれども、そこのところをどう考えるかだと思います。

 どうぞ。

○桑子オブザーバー オブザーバーの立場で意見を出させていただきたいと思います。

 例えばの話、今、案1という話になっておりますが、患者の立場等からすると、知る権利、表現の自由を含めて、やはり適切な情報がしっかりと提供されていることが好ましいわけです。そういった意味においては、ビフォーアフターという話も非常に有益な情報と考えております。

 一方で、問題のある状況も現状としてあるわけです。例えば、日本医師会とか、そういった関係機関がビフォーアフターの写真の内容を確認して、チェックして認定する。これはオーケーですね、適切ですねという形で確認して、その確認されたものについて確認番号みたいなものを付与した形で掲載する。かなりの手間にはなるかと思いますけれども、命ということを考えると、一つの方法としてそんなこともあり得るかなとちょっと感じました。

○桐野座長 私がその業界の構成員だったら、当然そういう方向で努力します。つまり、学会が全体としてきちっとした情報提供をできるようにシステムをつくって、それを各構成員が利用するということをどこの学会も必ず考えると思います。したがって、この「学会等が掲載する」という方向に動く可能性は随分あるのではないかと思います。

 食い違いは多少あるのですが、恐らく、これをずっと続けていっても、あるところまで平行線になる可能性もあるので、いろいろな御意見をいただいたということで、本日あと5分しかありませんので、審議はここで一応終わらせていただくというふうにしたいと思います。いろいろ御意見があった内容を踏まえまして、次回は事務局から省令及び特に新ガイドライン案の提示をお願いしたいと思います。その案に沿って、次回はより議論を深めていただきたいと思います。

 事務局から何かございますか。

○長房企画官 次回の日程等につきましては改めて御連絡をさせていただきます。

 また、本日の検討会の資料につきましては、本日中に厚生労働省ホームページに掲載する予定でございます。

 私からは以上です。

○桐野座長 では、本日はこれで閉会とさせていただきます。

○山口構成員 1つだけ。

○桐野座長 失礼しました。

○山口構成員 前回、意見書を出させていただいた中で、自由診療について広告可能事項の限定解除の範囲についてというところで意見をさせていただいたのですけれども、ここだけ1つ意見を述べたいと思っているのが、実際に医療機関のホームページガイドラインの中で、皆さんのお手元のファイルの前回資料の中に「医療機関ホームページガイドライン」というのがあります。

○桐野座長 何ページかわかりますか。

○山口構成員 ページ数は振られていないのですけれども、参考資料4の前ですね。参考資料3に当たるのでしょうか。参考資料3の最後のページ。

○桐野座長 「5 ホームページに掲載すべき事項」というところですね。

○山口構成員 はい。その「(1)通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項」の1つ目のパラグラフの下から2行目のところに「通常必要とされる治療の最低金額から最高金額までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと」と書いてあります。こういう自由診療についてのお金のことで御相談がとても多いのが、初め示されている費用ではなくて、追加料金がどんどん出てきて、結果、多額になるということが結構問題になっていますので、もし可能であれば「最高金額」というところに括弧書きで「発生頻度の高い追加費用を含む」という文言を入れていただけないかということを1つ意見としてお願いしたいと思います。

○桐野座長 それは事務局で。

 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 次回以降、ガイドラインを具体的にお示しした際に、いただいた御意見も踏まえて御検討いただきたいと考えております。貴重な御意見ありがとうございます。

○桐野座長 よろしいでしょうか。

 それでは、本日は以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました はい。その「(1)通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項」の1つ目のパラグラフの下から2行目のところに「通常必要とされる治療の最低金額から最高金額までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと」と書いてあります。こういう自由診療についてのお金のことで御相談がとても多いのが、初め示されている費用ではなくて、追加料金がどんどん出てきて、結果、多額になるということが結構問題になっていますので、もし可能であれば「最高金額」というところに括弧書きで「発生頻度の高い追加費用を含む」という文言を入れていただけないかということを1つ意見としてお願いしたいと思います。

○桐野座長 それは事務局で。

 どうぞ。

○木下調整官 事務局でございます。

 次回以降、ガイドラインを具体的にお示しした際に、いただいた御意見も踏まえて御検討いただきたいと考えております。貴重な御意見ありがとうございます。

○桐野座長 よろしいでしょうか。

 それでは、本日は以上で終了させていただきます。どうもありがとうございました


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会> 第6回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会(2017年10月25日)

ページの先頭へ戻る