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2017年12月11日 第11回社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」議事録

社会・援護局

○日時

平成29年12月11日(月)17:00〜19:00


○場所

東海大学校友会館 望星の間


○出席者

宮本 (部会長) 駒村 (部会長代理)
朝比奈 (委員) 石橋 (委員)
浦野 (委員) 大西 (委員)
岡部 (委員) 奥田 (委員)
勝部 (委員) 菊池 (委員)
小杉 (委員) 生水 (委員)
新保 (委員) 竹田 (委員)
平川 (委員) 松本 (委員)
渡辺 (委員) 成田参考人 (福田委員代理)
吉岡参考人 (岡崎委員代理)

○議題

(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する論点整理
(2)その他

○議事

○竹垣課長 定刻となりましたので、ただいまから第11回「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は大野委員、福田委員は御欠席です。石橋委員、勝部委員はおくれてお見えになる予定でございます。

 また、岡崎委員の代理としまして高知市副市長の吉岡参考人、松井委員の代理として大阪府福祉部社会援護課長の前河参考人にお越しいただいております。吉岡参考人、前河参考人の御出席につきまして、部会の御承認をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○竹垣課長 ありがとうございます。

 それでは、これ以降の進行を宮本部会長にお願いしたいと存じます。カメラの方はここまでで御退室をお願いいたします。宮本部会長、よろしくお願いいたします。

○宮本部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 皆様のおかげで生活困窮者自立支援及び生活保護部会は議論を着実に積み重ねてまいりました。大変毎回、傍聴なさっている方からも本当にこんな中身のある、また、聞いていて非常におもしろいという言い方は語弊があるかもしれませんけれども、興味深い審議会もなかなか珍しいのではないかという、うれしいお言葉をいただくこともしばしばでございまして、いかに多様な立場の皆様が真剣に議論に取り組んでいただいたのかということをうかがわせるエピソードでもあろうかと思います。

 もちろんこの問題というのは、まさに現場で取り組んでいる皆さんが一番お感じだと思いますけれども、困難に満ち満ちているわけでございまして、そう簡単に全ての方が100点満点をつけることができる、そうしたまとめ方というのは難しいというのが率直なところではないかと思います。

 いろいろ皆さんからごらんになって不十分な点、積み残しとなっているのではないかなと思った点、多々あるのではないかと思いますけれども、これから事務局から御説明いただく文章というのは、事前の打ち合わせ等で私も、あるいはあのとき出たこんな意見が十分反映されていないのではないだろうかということも申し上げてきましたけれども、その結果、随分バランスのとれた、そして皆さんお一人お一人のいろいろな思いのこもった御発言を放置しない、しておかない、きちんとどこかで反映させるという観点が貫かれたものになっているのではないかと思っております。

 したがって、できるならばこの11回目の会議を取りまとめの会議にしていくことができればなと思っております。

 これから事務局からこの報告書の案を詳しく御説明いただきますけれども、その上でもし皆様のほうでどうしてもここはこのままの表現というのはよろしくない。ここをこのように修文してほしいというところがございましたら、もちろんそこはきちんと言っていただくことにしたいと思います。しかし、可能であるならば、大枠のところではこの方向でまとめることができればなと思っております。

 同時に、この制度というのは施行後3年目ということで、ようやく自分の足で立って歩き始めた。3歳児のよちよち歩きとは言いませんけれども、まだまだ、しっかり安定して当初、皆さんがこの制度に期待されたことを万遍なく満たしながら機能しているとは言い難いところがございます。したがいまして、この答申案に関して皆さんからここだけはこのような形でという建設的な御意見をいただいたその後で、さらにこれからに向けてこの制度をどのように発展させていくのかということについては、この報告書(案)に拘束されない形で自由に議論いただき、そして、それを何らかの形で社援局の皆さんにもお願いして、そして私自身もそれをお伺いしたということについては、責任を持って次のステップにつなげていきたいと思ってございます。もし皆様お許しいただければ、今日はそんな形で話を進めていきたいと思います。何とぞ進行をよろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、事務局から議題1「生活困窮者自立支援及び生活保護部会 報告書(案)」について説明をお願いしたいと思います。

○本後室長 それでは、資料1をごらんいただければと思います。

 まず1ページ目が目次でございます。ここの「I 総論」の部分、(1)と(2)は今回改めて書き起こしてございます。先ほど部会長からもお話がありました生活困窮者自立支援制度、3年を迎えてということで意義、それから、これまでの成果について書き加えております。ここの説明は省略させていただきます。

 続きまして、制度見直しに向けた基本的な考え方というところから御説明したいと思います。資料の5ページ目でございます。ここは皆様から前回いただいた修正を反映させていただきましたけれども、大きなところでいきまして次の6ページ目、5つ目の項目で生活困窮者自立支援制度と生活保護の関係性について、多くの方から御意見をいただきました。切れ目のない一体的な支援を目指す必要があるといった項目を5つ目の柱として載せてございます。

 7ページ目からが各論でございます。ここは前回の資料ですと論点ということで「○○するべきではないか」という問いかけの形になっておりましたけれども、そこを報告書の形にしております。

 以下、具体的な項目について御説明をしたいと思います。

 最初の支援につながっていない困窮者の存在というところですけれども、8ページ目でございます。関係行政機関の連携というところで上から5つ目の●、必要な場合にそれら関係機関から自立相談支援機関の利用を進めることを促進するなど、関係機関間の連携を促進すべきである。

 それから、情報共有の仕組みについて。これは9ページ目の2つ目の●でございます。例えば支援調整会議の仕組みを活用し、構成員の守秘義務を設けるということで必ずしも本人の同意がない場合も含めて円滑にする。そういった情報共有の仕組みを設けるべきであるということ。

 それから、その次の●の真ん中あたりですけれども、そのためには適切な運用が行われるようガイドラインを設けることが求められるということでございます。

 続きまして、断らない相談支援というところですが、10ページ目、2つ目の●ですけれども、生活困窮者自立支援制度は現行制度上、位置づけられている支援だけで完結するものではなく、さまざまな機関、関係者の連携のもとで展開されることを前提とした制度であることを踏まえ、多様な関係者の間で共有を一層図るため、法令において生活困窮者の定義や目指すべき理念を明確化すべきである。

 自立相談事業の体制というところでございます。そのページの一番下の●、人が人を支える制度であり、支援員の配置が最も重要である。適切な人員配置を促進するため、新たな取り組みを行う必要がある。その際、人員配置が手厚い自治体がさらに取り組みを進めることができるようにするとともに、人員配置が十分でなく、実績も上がっていない自治体がより積極的な取り組みを行うことができるよう、画一的ではなく柔軟な性能あるものとすることが求められる。

11ページ目の最初の項目、生活困窮者自立支援と生活保護の切れ目のない支援ということで、具体的なケースについてここに記載をしております。

 続きまして、就労準備や家計相談支援のあり方というところでございます。ここにつきましては11ページ目、その項目の3つ目の●にございます。就労準備支援事業のあり方ということで、定員15人以上の要件を緩和する。それから、就労体験の中での実施、障害福祉サービス事業所とのタイアップによる実施、被保護者就労準備支援事業との一体実施、都道府県が主導し、都道府県内の自治体での同一の事業者での実施といった工夫も検討される。

 家計相談支援につきましては、12ページ目の下から2つ目の●でございます。自治体の規模、実際に求められる専門的なニーズの質や量に応じ、都道府県内の複数の自治体で効果的に効率的に事業を実施するといった工夫も検討され得る。

 こういったことを踏まえて13ページ目、真ん中あたりの●でございます。両事業のあり方。自立相談支援機関における相談の出口のツールとして、いずれの自治体においても求められるものであることから、こうした事業を積極的に行う意思のある自治体への支援が必要である。自治体が取り組みやすくなる事業実施上の工夫を講じるとともに、都道府県による事業実施体制の支援を明確に位置づけ、両事業の専門性を確保しつつ、自立相談支援事業と連続的、一体的に支援を行うようにすることが重要。こうした観点から法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治体で実施されるようにするべきである。

 その下の●でございます。最後の2行、就労準備支援事業に係る取り組みを進めるに当たっては、生活保護制度においても被保護者就労準備支援事業において同様の取り組みを推進することが適当である。

 3番目が都道府県の役割ということでございます。これは次のページの2つ目の●、従事者の研修、市域を超えたネットワークづくり、各種の事業の実施に当たっての支援について、都道府県が行うべき事業として明確に位置づけるべきである。

 町村についてでございます。14ページの一番下、町村は住民に身近な行政機関。希望する場合は一次的な自立相談支援機能を担い、都道府県につなぐなど連携して対応することかできるようにすべきである。

 社会福祉法人の役割についてということで、15ページ目の一番下、国、自治体は社会福祉法人が地域における広域的な取り組みとして、生活困窮者への支援により積極的に取り組むことができるよう、必要な環境整備を行うべきである。

 続きまして、大きな2項目め、「早期」、「予防」の視点に立った自立支援の強化というところでございます。まずその1番目、就労準備支援事業等のあり方ということで、要件などについて御議論いただきました。

 まず2つ目の●、年齢要件については撤廃をすべきである。資産・収入要件については、世帯では収入があるものの、本人に収入がなく何らかのきっかけで困窮に陥るケース、家族の意思が確認できないことなどにより、世帯全体の資産・収入を把握できないケースなども想定されることから、対象者の範囲を自治体ごとの状況に応じて必要以上に限定しないことが重要であり、2号要件のさらなる活用も含め必要な見直しを行うべきである。

 交通費についてでございます。交通費については利用につなげる有効な手段となり得る一方、個別給付に近い形態となることを十分に踏まえつつ、支援のあり方を検討すべきである。それから、1年間という利用制限について、これは改めてアセスメントを行い、再度プランに位置づけることは実行上、可能であるということを含め、その取り扱いを明確にすべき。

17ページ目が認定就労訓練事業でございます。その項目の6つ目の●、認定手続に市等がかかわるような仕組み、経済的インセンティブの活用等の支援、認定申請手続の簡素化などの運用における必要な見直しを行うべきである。あわせて自立相談支援機関が有効に活用できるよう、認定を行う都道府県等と自立相談支援事業を実施する市等の情報の連携が適切に行われるようにすべき。

 それから、福祉部門と労働部門の連携ということにつきましては、次の18ページ目、2つ目の●ですけれども、福祉部門と労働部門のさらなる連携を図るべきである。さらに生活困窮者だけでなく、就労に困難を抱えるさまざまな人に対する就労支援についても福祉部門と労働部門が連携した就労支援の実現を目指すべきである。

○姫野推進官 続きまして(2)生活保護受給者に対する就労支援のあり方でございますが、就労支援のあり方について御議論いただきましたが、3つ目の●でございますように、評価については就労率や増収率を指標として行うことが基本となっておりますけれども、日常生活自立や社会生活自立も含めた総合的な観点も重要であるという御意見をいただきました。このため、就労支援関連事業への参加率や就労増収率等の向上に向けた好事例の収集・分析や事業の広域的な実施等を推進するとともに、事業評価のあり方についてきめ細かな評価が可能になるよう検討すべきであるとしております。

 その次の19ページでございますけれども、生活保護脱却者に対する就労自立給付金でございます。3つ目の●にございますように、就労自立給付金の支給を受けなかった世帯が保護廃止世帯のうち約6割に上る。また、周知が不十分であるなど、インセンティブをさらに発揮する余地があるということでございまして、このため、より効果的・効率的なインセンティブを発揮できるような内容に見直すべきであるとしております。

○本後室長 続きまして、高齢期に生じる生活の転機への対応ということで、これは20ページ目、まず1つ目の括弧のところですけれども、高齢期に至る前の支援が重要であるということ。それから、高齢者に対する就労支援はその項目の2つ目の●ですけれども、シルバー人材センターとの連携あるいは介護保険制度との連携、そういったことで効果が期待されるということ。それから、高齢者に対する居住支援、さらに21ページ目に行きまして、高齢者に対する家計相談支援、これも求められるということ。

 生活福祉資金につきましては21ページ目の下から2つ目の●ですけれども、償還の確保を前提としつつ、機動的・迅速な貸し付けが行えるよう運用面で必要な見直しを行う必要があるということ。

 その次の●ですけれども、年金担保貸付事業の廃止の方向性の中で家計相談支援をさらに推進するとともに、やむを得ない一時的な資金需要が生じる低所得者の高齢者に対しては、生活福祉資金制度で対応することが必要であるということでございます。

○姫野推進官 次に(4)生活保護受給者の健康に関する取り組みでございます。3つ目の●にありますように、ケースワーカーと主治医などが健康に関する連携をして、データの把握が重要であるということ。それから、早期受診の勧奨や治療中断の解消を行うことなど、健康や生活の質の向上につながるだけではなく、医療扶助費の増加を抑制する効果も期待されるとしております。このため、福祉事務所がデータに基づく生活保護受給者の健康状態の把握に努める必要があるとしまして、データに基づき健康管理支援を行う事業を創設すべきであるとしております。

 さらにその次の●でございますけれども、国の取り組みといたしまして、生活保護受給者の生活習慣病の罹患状況や重症化予防の効果等をレセプトデータにより分析して明らかにし、情報提供を行うなど地方自治体の取り組みを支援すべきであるとしております。

 その次のページでございますけれども、福祉事務所のケースワーカーに全てを委ねるのではなく、地方自治体の保健部門や行政外部の保健医療専門職の活用、審査支払機関、社会福祉分野の社会的資源の活用も図りながら推進すべきであるとしております。

 一番下のところですけれども、生活保護受給世帯の子どもにつきましても、教育部門と連携して取り組みを進めることが重要であるとしております。

○本後室長 続きまして、大きな項目の3つ目、居住支援の強化でございます。

 まず一時生活支援のあり方ということで1つ目の●、実施自治体が増加するよう引き続き広域実施の推進などを進めていくべきである。

24ページ、一時生活支援事業を効果的に推進するに当たって、自立支援に向けた効果を上げているホームレス自立支援センターの運営を引き続き推進していくとともに、借り上げシェルターについても退所後に向けた居住、見守り支援を組み合わせるなどにより効果的な活用を図るべきである。

 それから、居住支援全般についてということですけれども、その項目の3つ目の●、自立相談支援機関は、全ての都道府県及び一部の区市町に設置されている居住支援協議会と積極的に連携を図るべきである。

25ページ目の4つ目の●ですけれども、こうしたことを踏まえ、社会的に孤立している生活困窮者に対し、必要な見守りや生活支援、緊急連絡先の確保などを行い、支援を必要とする人同士、地域住民とのつながりをつくり、相互に支え合うことにも寄与する取り組みを新たに制度的に位置づけるべきであるということでございます。

○姫野推進官 その次に(2)いわゆる「貧困ビジネス」の存在というところですが、ページをおめくりいただきまして26ページでございます。上から5つ目の●になりますけれども、貧困ビジネス対策は、悪質な事業に対する規制と良質な事業に対する支援の両方の視点から検討することが重要であるとしておりまして、法律に根拠がある最低基準や事業停止等以外の実効性のある処分権限を設けたり、事前届出制を検討するなど法令上の規制を強化すべきであるとしております。

 その次のパラグラフですが、あわせて単身で生活することが困難と認められる生活保護受給者については、支援サービスの質が担保された無料低額宿泊所等において、必要な日常生活上の支援を受けて生活できるような仕組みを検討すべきであるとしております。

 その次ですけれども、この検討に当たっては無料低額宿泊所という既存の制度にとらわれることなく、支援つきの共同居住という新しい枠組みの将来像を見据えて検討すべきであるとしております。

 その次でございますが、保護施設のあり方というところでございますけれども、こちら4つ目の●でございますが、さまざまな障害や生活課題を抱え、居宅生活が困難な生活保護受給者を適切に支援するという役割を担ってきている保護施設の施設体系については、関係者の意見も十分に聞いた上でさらに検討すべきであるとしております。その次に検討に当たっての論点を例示しております。

○本後室長 続いて大きな4番目、貧困の連鎖を防ぐための支援の強化というところですけれども、めくっていただきまして28ページ目の下から2つ目の●、子どもの学習支援事業については、学習支援のほか生活習慣、環境の向上等の取り組みも事業内容として明確化すべきである。子どもの学習支援、世帯全体の支援の入り口にもなり得ることから、自立相談支援事業との連携をより明確にし、適切に自立相談支援事業につなげるようにするべきである。

 それから、前回かなり御意見をいただきました3つ目の●ですけれども、高校生世代についてということですが、学習支援だけでなく自立に向けた相談支援が必要であり、中学校から高等学校に進学する際の切れ目のない支援、教育部門、高等学校との連携はもとより、地域、若者サポートステーションなどの就労支援機関との連携も含めた方策を検討すべきである。

 その次の●、学習支援を含めた子どもの貧困対策については、関係府省がさまざまな取り組みを行っていることから、それぞれの取り組み、制度の趣旨に配慮しつつ、効率的、効果的な活用が図れるよう連携していくことが必要。福祉部門と教育部門とのさらなる連携が図られることを確保すべきであるとしております。

○姫野推進官 次に、生活保護世帯の子どもの大学等への進学についてでございますが、30ページをごらんいただきまして、2つ目の●で世帯内就学を認めるべきという御意見もいただいております。

 その次のパラグラフですけれども、後ろから3行目あたりからですが、大学等に進学しない子どもや生活保護世帯以外の低所得世帯の子どもとのバランスを考慮する必要があるとの御意見もいただいております。また、生活保護費、特に住宅扶助費が1人分減額されることが、子どもの進学意欲をそいでいるという指摘をいただいております。また、そのパラグラフの後段ですけれども、進学直後に必要となるさまざまな費用を進学前からあらかじめ用意することは困難であるという生活保護世帯特有の事情もあるということで、その次のパラグラフでございますが、生活保護世帯の子どもの大学等への進学を支援するため、給付型奨学金の拡充等の一般施策の動向も踏まえ、就労か大学進学か選択するに当たって生活保護制度特有の事情が障壁になることがないよう、制度を見直すべきであるとしております。

 その次のパラグラフですけれども、大学等進学時の支援だけではなく、中学、高校在学中も含め総合的に支援することを検討すべきであるとしております。

 その次に12ページに書いていたことの再掲でございますが、生活保護受給世帯の子どもが大学等へ進学を目指す際など、家計相談支援を活用する機会を設けるべきであるとしております。

 その次のパラグラフ、前回御意見をいただいたポイントですけれども、高校生のアルバイト収入の申告漏れに関してでございますが、次のページにございますが、子どもの就労や自立への意欲をそがないよう、現実的な対応を行う必要があるとしております。

○本後室長 最後は5番目の項目、制度の信頼性の確保というところでございます。これは前回さまざま御意見をいただきましたので、構成そのものも大きく変えております。

 最初に生活困窮者自立支援制度につきまして、皆様から頂戴しました人が人を支える仕組みだということで、職員の質の確保をすることがこの制度の信頼性を確保する上で極めて重要。こういった項目を入れております。

 続きまして、生活保護のケースワーカー、信頼関係を築きながら支援を行うことが必要ということ。それから、不適正な受給等々、制度への国民の信頼性を高めることに資するということを、全体として制度の信頼性の確保としてまとめてございます。

 括弧1つ目です。生活困窮者自立支援制度の従事者の質の確保というところですけれども、1つ目の●は研修については都道府県が実施主体となることとされておりますが、研修の質の確保を図るために国が一定の指針を示すべきであるということ。

 それから、次のページにまいりまして一番上の部分でございます。国においても都道府県との適切な役割分担の上、一定の研修を行うことが求められるとしております。

○姫野推進官 次の(2)生活保護の医療扶助費の適正化でございますが、まず1点目、頻回受診対策については、3つ目のパラグラフですけれども、さらなる対策として個々の生活保護受給者の生活面や健康面の実情に応じた対策を行うという視点が重要であり、かかりつけの医師との連携のもと、丁寧な指導や必要な受診の積極的勧奨を行うべきであるとしております。

 その次のパラグラフですが、窓口負担についていろいろ御議論をいただきましたけれども、実現可能だという意見もいただきましたが、最低生活保障との両立が難しくなるという懸念などございまして、次のページでございますが、反対する意見が多数であったとまとめております。

 次の薬局の一元化による重複投薬の対策ですけれども、2つ目のパラグラフにありますように、処方される薬剤の調剤を行う薬局を1カ所とするモデル事業を行っておりますが、次のパラグラフにありますように、このモデル事業について結果を適切に評価した上で、地域ごとの事情などにも配慮しつつ推進すべきであるとしております。

 次の後発医薬品のさらなる使用促進でございますが、ページ一番下のパラグラフですが、後発医薬品についてはさらなる使用促進のため、使用を原則とすることが適当であるとしております。その際、医師の判断ですとか薬局の在庫など、留意すべき点を記載しております。

34ページですけれども、長期入院対策でございます。2つ目のパラグラフにございますように、長期入院している生活保護受給者の地域移行を推進するために、福祉事務所と障害保健福祉部門との連携をさらに進め、退院に向けた継続的な支援体制の構築に努めるべきであるとしております。

 また、その次のパラグラフですけれども、居住環境の確保が重要であり、保護施設や無料低額宿泊所等のあり方に関する検討に当たっては、地域移行促進の観点も踏まえた検討を進めることが必要であるとしております。

 次の(3)ですけれども、生活保護の居住地特例でございます。マル1の有料老人ホーム等につきましては3つ目のパラグラフにございますように、介護保険の住所地特例の対象となっているものについては、居住地特例の対象とすることが適当である。その際、生活保護受給者と福祉事務所とのかかわりが薄くならないよう留意すべきであるとしております。

 マル2の無料低額宿泊所等の居住地特例につきましては、次のページでございますけれども、2行目からですが、支援つきの共同居住の仕組みを検討する際に、居住地特例の対象とするよう検討することが適当であるとしております。

 (4)生活保護の返還金の取り扱いでございますけれども、一番下のパラグラフです。不正受給以外の返還金についても本人同意を前提とし、また、生活保護受給者の生活に支障が生じないよう配慮した上で、保護費との調整を行うこと等を可能とすることが適当であるとしております。

○本後室長 最後のページ、生活困窮者自立支援制度における事業の委託についてということで、ここは議論いただきましたとおり一番下の●でございます。生活困窮者自立支援法に基づく事業について、事業における支援の質や継続性の確保の観点から、自治体に対し、その委託に当たっての留意点を示すべきであるとしております。

 説明は以上でございます。

○宮本部会長 御説明ありがとうございました。

 先ほども今日の議論の進め方として皆様にお願いしたように、まず最初にこの報告書を完成させていく。もちろん皆様の納得できる中身の報告書として完成させていくという観点から、ある意味では極めて実務的に具体的な修文の仕方や言葉遣い等について、皆様の御意見を承っていきたいと思います。

 もちろん先ほど皆様の御意見、できるだけ反映させていただくように私からもお願いをいたしましたし、事務局もその点については随分、御奮闘いただいたのではないかと思っています。ただ、それにしてもいささか皆様の立場からすると、御自身の意見の書きぶりというのがやや抽象的であるとか、回りくどいという印象もおありかとは思います。そのあたり皆さん御存じのように、この種の報告書はいろいろな観点を踏まえてつくり上げていかなければいけないという事情もございますが、もちろんこれではあまりに大事なことが言えていないというところがあれば、これはもちろん遠慮なくおっしゃってください。

 まずこの報告書をブラッシュアップしていくという観点からまず御発言をいただければと思っております。それで大体その報告書の形が固まった後で、それをさらに制度ともどもよりよいものにしていくための課題をまたまとめて議論したい。それを何か具体的にどのように現実の制度に結びつけていくのか。正直そこまでのプロセスは今日はお約束しかねるわけですけれども、何らかの形で次のステップということも見据えていく、そのための第一歩を踏み出していくということを皆様で確認し、厚労省のほうにもお願いをして動き出していただくことにしていきたいと思っております。

 さて、そういう2段構えになりますが、第1段階として先ほど申し上げた少し実務的な観点から具体的な御意見、御感想をいただければと思っております。いかがでございましょうか。これについてはもちろん特段、大体御自分のお考えが何らかの形で生かされて、それでよいという方はそれで結構でございます。これはやはり発言しておく必要があるというふうに、今日は随分牽制してしまっている感じがあって申しわけございませんが、もちろん言っていただくことはウエルカムですので、そこは皆様ですからそんなことを言わなくても遠慮されないのではないかと思いますけれども、御自由に御発言をいただければと思っております。いかがでしょうか。少し言いにくくしてしまったかなと。どうぞ。

○竹田委員 事前の確認が足らず、今、改めて気づいた点で1点だけ修正をお願いしたいと思います。

32ページでございますが、2つ目の●に「支援の過程では、アセスメントの力、プランの作成・評価、関係者の連携・調整、地域資源の開発までできるようなソーシャルワークの力量が求められる」と書かれているのですが、「の力量」が人にかかるということもありますので、取っていただいたほうが文章としてはすっきり読めるかなと思いますので、「ソーシャルワークが求められる」としていただければと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 32ページ目の上から2番目のパラグラフですね。読み上げますと「また、支援の過程では、アセスメントの力、プランの作成・評価、関係者の連携・調整、地域資源の開発までできるようなソーシャルワークが求められる」ということですね。これについてほかの皆様いかがでしょうか。おそらくこの文章をベースに皆様に事務局が御説明に上がっていると思いますので。駒村部会長代理がうなっていますけれども、大丈夫でしょうか。

○駒村部会長代理 文章のつながりとして今、見ていて、「アセスメントの力」の「の力」も要るのかどうなのか。それを取るといろいろと動くかなと思って文章をもう一回見直したいのです。ただ、その次のパラグラフとのつながりがどうかなという感じもするのです。個人の力量を高めるというセンテンスで次のパラグラフができているかどうかというところなのです。確認なのでしょうけれども。

○宮本部会長 ここはおそらくニュアンスとして竹田委員の御趣旨というのは、担い手の頑張りに還元させられては困るなというところですよね。その頑張りはもちろん含めてのことですが、制度の配置であるだとか、行政の中での位置づけであるだとかいったようなところにポイントが置かれてしかるべきではないかということですね。おそらくアセスメントの力というところも、しっかりしていないからだということではなくて、ただアセスメントが求められるということになってしまうと。

 小杉委員、どうぞ。

○小杉委員 「質の高いアセスメント」とか、ただのソーシャルワークではなくて、より高度なソーシャルワークとか、そういうことを入れると落ち着くのではないかと思います。

○宮本部会長 あるいはその言葉を補って質の高いアセスメントを実現できる、その諸条件が求められるというような形で、決して現場に立っている人たちの奮闘に問題を還元するものではないということをはっきりさせるということもあるのかなと思います。

 それでは、どうでしょう。このパラグラフについての皆さんの御懸念というのは十分よく理解できたように思いますので、今の一連の御発言を反映させるような形で、ここも修文を御一任いただく。場合によっては個別に皆さんにインフォーマルに御意見を伺うこともあるかもしれませんけれども、今の竹田委員の御発言を踏まえて最終的な表現を確定していく。

 菊池委員、今のことに関連してですね。

○菊池委員 お任せしますけれども、1つの案で今の趣旨ですと、例えば「の力」というのは違和感があるのですが、「の力」を取って「ソーシャルワークのための諸条件の整備が求められる」とか、そうするとソーシャルワークされる方に負荷はかかってこないのかなと。

○宮本部会長 私も似たような表現をイメージしていたので、ずばり言っていただいて「ソーシャルワークの諸条件の整備が求められる」。てにをはのところで若干まだ微修正があるかもしれませんけれども、大体の方向では今、菊池委員がおっしゃっていただいたような方向でよろしいでしょうか。ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。まさに今のような形でこの報告書を誰が読んでも納得感が高いものにしていきたいと思ってございますので、その点、御遠慮なく御発言をください。

 特に前回皆さんから御意見が集中した5の信頼性のところは、本当にここはドラスティックに文章表現も構成も変えていただきました。もちろんそれは事務局の文案の趣旨ではなかったと思いますけれども、読み方によると不正受給が横行して、それが信頼を壊しているといったような読み方にもなりかねないところだったのですが、ともかく人が人を支える、相互に信頼を醸成していくプロセスなんだ。であるからして支援する側もされる側も信頼の醸成に努めるべきだし、逆に支援される側にその力を発揮する点で苦しい面があるならば、そこもまた是正をしていくんだという流れに大きく変わったかなと思っております。

 ほかにいかがでしょうか。

○松本委員 本筋ではないのですが、細かなことで22ページの(4)の生活保護受給者の健康に関する取り組みの2番目の●ですが、最後の4行目「生活習慣が確立されておらず」のところですけれども、できたらどちらかというと肥満のほうが問題なので、肥満や虫歯とか、肥満や齲歯としていただいたほうがいいのかなと思います。

○宮本部会長 ありがとうございます。ドクターの観点からすると虫歯も大事だけれども、肥満がいろいろな健康問題の原因になっていくということなので、ここは入れかえていただいて、肥満や虫歯などという表現にするということであります。

 松本委員、それだけでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。先ほど一度皆さんのところに文章をごらんいただいて、御納得いただいたはずだみたいな言い方もしてしまったのですけれども、その後いろいろまた見方が変わるということも当然おありでしょうから、それを封じ込めるということでは決してございません。もし何かおありでしたら。よろしいですか。では駒村部会長代理。

○駒村部会長代理 もしかしたらどこかに書いてあるのかもしれないですけれども、今回の改革といいますか、こういうサマリーでいいのではないかと思うのですが、今後も実践を通じてさらなる改善を厚生労働省にはこの制度については図ってもらいたいという委員の希望はどこかに書いてありますか。

○宮本部会長 なるほど。相当書き方に幅があるのも事実でありまして、これがどこまで、どの程度制度改革に現実に結びつくかというのは、これはもちろん厚生労働省社援局の奮闘もありましょうし、また、研究者、有識者、そして何よりも地域、現場で御奮闘されている皆さんの頑張りというのも大きくかかわっていくということだと思います。したがいまして、社・援局頑張れということとあわせて、我々自身がこれをなるべくこの幅のある中で、ともかく私たちの理想に近いレベルでこれが制度的改革に実現していく、おそらく駒村部会長代理は頑張れということとあわせて、我々の決意とでも言うべきものをどこかで示すという理解でよろしいでしょうか。

 そうなると、それはおそらく最後のほうですね。決意表明というのは文章にするのは皆さんのセンスの違いもいろいろあるでしょうから、難しいところがありますけれども。

○小杉委員 この文章全体の最初に「はじめに」ということで、宮本先生名で書いていただければと思うのですが、いかがでしょうか。

○宮本部会長 今、小杉委員から前のほうにというお話があって、しかも御指名までいただいてしまいましたが、それはもちろん責任上、果たしたいと思いますけれども、では最初と最後ですかね。あまりくどくない短目のものでよろしければ、それをこの文章の決意表明のあらわれとして、何らかの形で書き加えさせていただくということで考えてみたいと思います。

 岡部委員、お願いします。

○岡部委員 それにぜひお願いをしたいことです。「はじめに」の箇所で、生活困窮者自立支援   法と生活保護法は一般的にはお金が出る話がどうしても出ます。基本的には生活困窮者自立支援制度と生活保護制度が、個別の人たちの所得保障あるいは生活再建にということ以外に、地域づくりがあり地域の中で組織化とか、資源開発とか、ネットワーク化があり、もう一方で経済に貢献している、そのお金が還流して地域の中で経済に貢献している。循環していることをぜひ「はじめに」に記述していただきたい。

○宮本部会長 よくわかりました。今、岡部委員からの御指摘というのは、もちろん突然な御意見ではなくて、この制度の大事な目標でもございまして、それを再確認するということで、最初に持ってくるか最後に持ってくるか、そこは書いてみないとわからないところがございますけれども、何らかの形で今おっしゃったこの制度の持続可能な地域のための効用みたいなところを。

○岡部委員 タックスペイヤー(納税者)の了解を得るということでも、合意していただくためにもぜひお願いしたいと思います。

○宮本部会長 わかりました。ありがとうございます。

 ということで今、何点か大事な御指摘をいただきましたが、以上の点、3点といいますか、4点といいますか、これは私座長としての責任で事務局とも相談をしながら、この報告書(案)の取れたものにきちんと書き記させていただくということで、その点については座長一任ということでよろしゅうございましょうか。

 奥田委員、よろしくお願いします。

○奥田委員 私は本文はこれでいいと思います。前文なり後文なりというところがもしつくのだったら、先ほど宮本先生が、今日最初に珍しく長くお話されたので、正直言って私は3年間やってきて、現場でもやってきて、この議論も見守って参加もさせていただいたのですけれども、盛り込まれたところ、そうでないところ、それはこの制度自体が3年目であるということの時間の問題というのは大きいと思うのです。

 つまりこの制度は法律も非常にざくっとしたもので、現場の工夫でどんどんよくもなるし、逆にそれがなければ悪くもなるというか、使えない。そういうことも踏まえた上で、私はこれで終わるのではなくて、さらに再検討していくという方向を示してほしいし、法律上は次の見直しは規定されていないと思うのですが、実際には期限を書けとかではなくて、さらなる見直しに向けたスタートである。これがゴールではないということを明確に後書きにでも書いていただいて、あとは法律上の問題なので、そこは法律を決められる方々が次の法の見直しと規定されるかどうかというのは国会のほうを見たいと思うのですけれども、我々現場の者としてはこの法律というか、この制度は育てていくし、まだプロセスであるということ、そこのところは触れていただければいいかなという希望です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 もちろん御意見もございまして、もし私自身の文章として後書きと言っていいのかどうかわかりませんけれども、締めの文章を書くとしたら、まさに奥田委員がおっしゃったような、1つのこれは経過点である。もちろん非常に大事なステップであるのだけれども、ステップである以上、正しい方向に向かったステップでなければいけないし、しかし、このステップで歩みをとめるわけでは決してなくて、まさにこの方向に私たちは歩み続けるんだということをはっきり書かなければいけないなと思っていた矢先でございました。御指摘ありがとうございました。

 それでは、皆様の御意見を承りまして、あとは私に御一任いただいたという立場から今、御意見を可能な限り反映させ、この報告書(案)を完成させたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

 それでは、その上になります。今度は報告書の中身にとらわれることなく、あえて言うならば今、奥田委員からお話があったように、この方向にさらに私たちが歩を進めていくという観点から、今回は少し抑制したけれども、これは絶対に必要だよといったような、そうしたこれからの課題を残りの時間、挙げていっていただければなと思います。それは決してここで言いっぱなしということではなくて、先ほども事務局にお願いしましたけれども、何らかの形でこれからのこの制度の成長のために生かしていくという観点から御意見を承りたいということになります。

 基本的にはここは皆さん、最後の締めでお話しいただければと思っていますが、これまでもしばしば審議会にありがちなように、端から順番にということではやってきませんでしたので、ぜひ流れを見ながら赤札を立てていただいてお話をいただければと思いますが、どなたかから口火を切っていただけるでしょうか。では岡部委員からよろしくお願いをいたします。

○岡部委員 では2点、意見を述べさせていただきます。

 6ページの最後の●、切れ目のない一体的な支援を追加していただきありがとうございます。先ほども少しお話をしましたが、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度は違う点があります。生活困窮者自立支援制度は事業法、対人サービス法という性格を持っています。生活保護制度は所得保障と対人サービスを行っています。生活困窮者の相談を受け最低生活を下回る場合は速やかに生活保護の実施機関の相談につなげる仕組み、また、生活保護が必要なくなった場合、生活困窮者自立支援制度につなげる仕組みを、切れ目のない一体的な支援の仕組みをぜひ具体化していただきたい。これは生活困窮者自立支援法ができたときに、生活保護に入らないようにする制度と言われてきましたがそういうことではなく、生活保護と生活困窮者は相互に支え合って行う制度であることを示すためには、情報の共有あるいは支援の仕組みをつくっていただく、相互に連携・協力していただく実効性のある仕組みを進めていただくことを今後の課題としてお願いをしたい。

 もう一点。36ページの事業委託についてです。支援が3年を経過し、次にまた事業者の選定をする時期に来ています。そこでは、1つは支援の質を担保すること。支援を継続する、支援を計画的に行う観点から慎重にやっていただきたい。もう一つ、支援を支える雇用の確保、継続性、安定性を確保することこのことは事業を進めていく上では必要なことだと考えます。

 人が人を支えるということは、支援者の観点からすると支援の質とそれを支える人材をどう確保していくのかということになります。研修もそうですし、また、36ページの箇所にマニュアル改正であるとか幾つか書いてありますが、それをより具体的に国、自治体のできたならば、個人的な希望として数値等を出していただく、あるいはマニュアルを整備していただき、それに基づき生活困窮者自立支援法の事業の質の確保・向上、それと、そこに働く人たちの雇用の安定をぜひお願いしたい。

○宮本部会長 ありがとうございました。生活保護制度との連携は法解釈、制度解釈的に少しセパレートなものにされてしまったわけですけれども、その中でももう一度これをきちんと本来の趣旨に沿って連携させていくんだという、その方向だけはこの報告書に明確になっているのではないか。今できることが何なのかという点では明確になっているのかなと思います。

 2番目の委託の問題。これは本当に現在進行形で皆さんから心配の声を私自身も承っております。例えば通知みたいな話もございましたけれども、事務局のどなたか、自治体が自主的に行うことでなかなか厚労省として強い指導ができることではないと思いますが、少しこの点についてコメントをいただければなと思うのですけれども。

○本後室長 ここの点に関しましては、ここ数回にわたり非常に御指摘をいただいております。それから、平川委員からもこういった例を参考にしながらという御指摘もいただいておりまして、ここはまさに研究、どういったことが言えるか、言うべきかということについて研究、検討を重ねているところでございます。この御報告をいただきましたならば、何らかの形でお示しできるように詰めてまいりたいと思っています。

○宮本部会長 ありがとうございます。おそらく懸念されている方は、まさに刻一刻と何か事態が進んでしまうことに対する御心配、そして、それは単に自分の事業所が委託を受けられなくなるというよりも、そこで築かれてきた地域の信頼関係が崩壊してしまうことについての危惧であろうかと思います。この点は何としても何か既存の委託関係をともかく続けさせろということではなくて、しっかりその地域の積み上げられてきた見えない財産のようなものを見るきっかけを各自治体に対して与えていただければと思います。

 続きまして、吉岡参考人、よろしくお願いいたします。

○吉岡参考人 どうもありがとうございます。

 まず最初にこの報告案につきましては、高知市がこれまで述べてまいりました意見等をほぼ取り入れていただきまして、本当にありがとうございます。御礼申し上げます。

 この報告案について、今後さらに強化、充実をしていただきたい内容について4点ほど述べさせていただきます。

 まず最初に、岡部先生からもお話がありましたけれども、生活困窮者自立支援と生活保護の切れ目のない支援についてですが、これまでも申しましたように自立支援の相談機関に相談があった後、一時的に生活保護を利用し、生活を安定させてから生活保護を脱却し、自立支援相談機関において自立支援を行うことや、生活保護脱却時に自立支援相談機関につなげて生活保護脱却後の生活を安定させる支援が必要なケースについて、安定した生活の定着につなげるためにも、継続した支援を行える仕組みを構築すべきであると考えておりまして、制度見直しに当たっては、この方向をより強化するように取り組んでいただきたいと思います。

 2点目の早期予防支援につきましては、経済的困窮に対する応急措置だけではなく、社会的孤立や自尊感情の低下、健康意識の希薄さなど、問題の背景、事情を踏まえた早期の予防的な支援がそれぞれの地域や圏域に必要であると考えます。特に5ページに書いてありますけれども、子どもや若者が将来に希望が持てるよう、貧困の連鎖を防止するための施策の充実が必要であり、積極的な支援策の充実を求めるものであります。

 3点目に、就労準備支援事業と家計相談支援事業についてでございますが、13ページから書いておりますけれども、両方の事業ともに自立相談支援事業の出口ツールとして活用されるべき事業であり、全ての自治体において実施されるべきであるとともに、当該事業の専門性を確保しつつ、自立支援事業と連続的、一体的に実施できる仕組みを設けるべきではないかと考えております。高知市のように一極に集中した都市機能を持つ地方都市では、これらの事業主体や就労先などが集中しやすく、支援を求めて流入しやすい環境にあります。

 4点目として、都道府県の役割の明確化ですけれども、中山間地域や小規模自治体では、こうした地域資源や職員、相談員などの担い手が少なく、市町村単位で実施することには限界があることから、都道府県が定める圏域を基本に、都道府県が各圏域内で事業を実施し、圏域内市町村が相互に補完し、利用する仕組みが必要でありますので、そのためにも都道府県の役割と福祉事務所を設置していない町村の役割をきちんと整理する必要があるものと考えております。今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。4点にわたって非常に大事な課題提示をいただきました。特に4点目の都道府県の役割、これは生水委員も一貫して御主張されていたことでございまして、では続けてお話をしていただいてよろしいでしょうか。

○生水委員 ありがとうございます。先ほど奥田委員からお話があった、今回の見直しがゴールではなくて、さらなる見直しに向けたスタートだと、本当に全く同感です。それにつけ加えていただけるのであれば、国は地方自治体や現場の意見を聞く場を持ち、現場の実態に即した柔軟な制度改正をしていく責任があると、国の責務を入れ込んでいただければと思います。これからも現場から意見をどんどん挙げていける場を持てるような法律であってほしいと思っています。

13ページの一番下の●の家計相談支援事業のさらなる推進についてです。家計相談支援事業の重要性については何度も発言していますが、家計相談支援事業については生活保護受給者の方も活用できるようにすべきだと思っていますので、ぜひ制度改正をしていただきたいと思います。

 あと29ページの子どもの学習支援事業、上から2つ目の●です。子どもの学習支援事業の食事の提供や子どもの学力に合わせた教材の提供を書き込んでいただいて、本当にありがとうございます。こうしたことについては経費として認めていただきたいと思いますので、ここもぜひともよろしくお願いいたします。

30ページの生活保護世帯の子どもの大学等への進学について、上から2つ目の●になります。大学の進学については世帯分離ではなくて、世帯内就学を認めるべきだとの意見を書き込んでいただけて、本当にこれはよかったと思います。社会に出て働いて、生き抜くために必要な知識、技術、これを身につけるため進学したいという希望を持つ子どもたちが進学できる仕組みを整備するのは国の責任だと思います。

 現在、高校生等の貸付金やアルバイト収入等については授業料、参考書、免許証取得費用、就労・就学に伴う転居費用などは収入認定除外等の取り扱いになっています。この取扱いと同じように、大学生や専門学校生についても、高校生と同じく収入認定除外等の取り扱いにすべきだと思います。これは制度改正しなくても、運用でできることだと思いますので、この点も含めてぜひともよろしくお願いします。

 先日、かかわりを持っている高校生から「困っている子どもたちを助ける仕事をしたい。だから大学に進学したいのだけれども、自分が進学することで生活費が苦しくなってしまう。そうすると兄弟や母親に迷惑がかかってしまう。進学をしたいという自分の思いは家族のことを考えないわがままであって、罪悪感でいっぱいだ。こんな自分が嫌になる」と泣きながら相談を受けました。自分の将来に目的を持つことに罪悪感を感じてしまうような社会であっては絶対にならないと思うので、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。

 先ほど宮本先生がおっしゃってくださった都道府県の役割に関連して、36ページの生活困窮者自立支援制度における事業の委託について発言します。自治体が具体的に行わなければならないことを明確にすべきと書き込んでいただけて本当によかったと思います。例えば委託先が受けた相談者が市営住宅の滞納で解約を通告されている、また、水道料金滞納で給水停止させてしまったなどの場合、委託先が直接担当課と話をするだけではなくて、所管課が担当課と委託先を調整するなど、事案にかかわることで委託先の相談支援がやりやすくなります。委託先の相談支援がうまくいくように自治体内の個人情報の取り扱いを含む庁内連携については、所管課が責任を持って関係課の調整を推進すべきだということを明確にすることが必要だと思っています。

 最後の機会なのでお話をさせてください。今回の議論が法律改正に反映されることで困っている市民が一人でも多く救われることにつながると私は信じています。これによって自治体の働き方、あり方も変わるだろうし、また、変わっていかなければ問題解決はできないと思っています。現場を預かる者として、今回、皆様から教えていただいた貴重な御意見を受けとめて、現場でしっかりと取り組んでいきたいと思います。なので国は地方自治体を見放すことなく、引き続きご支援いただきますようによろしくお願いいたします。

 審議会では言いたいこと、お伝えしたいことを発言でき満足しました。本当にありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございます。生水委員に満足いただけて本当に私も満足です。実際に今度は直ちに実現は難しいかもしれないなという御意見、例えば生水委員からも学習支援の現場で御飯くらい出していいではないかという、それ自体はごもっとも聞こえる御発言がございましたけれども、それも実現性が乏しいからといってスルーするのではなくて、ちゃんとそういう意見があったという形で記録にとどめることにはなってございますので、そこはどういう議論があったのかなということをきちんと書き示した文章になっているのかなと思います。

 議論を続けさせていただきます。渡辺由美子委員、よろしくお願いします。

○渡辺委員 本当に今回この審議会に参加させていただいて、非常に多くの学びを得られました。ありがとうございます。まずそれを感謝したいと思います。

 その上で、まず4ページの上から2つ目、生活困窮者自立支援法ができたということで、今までは生活困窮イコール生活保護という中で見過ごされていた、実は相談者全体の3割が就労している人だったり、65歳の人が2割いたり、子どものいる50代以下の相談者が3割いたということで、今までは何ら支援の対象になっていなかった人たちがこれだけいるんだということがわかったことは、すごく重要です。この方たちをきちんと支援していくんだという姿勢を示していくことがすごく大切だなと思っています。生活保護のバッシングみたいなものもありますし、楽して生きたいような風潮のことが言われたりしますけれども、本当にそういうことではないんだということを伝えなければいけないですし、もしそういう人がいるとしたら、そういうことをさせてしまっている社会のほうに問題があるんだということで、やっている人をあげつらって責めるようなことはやめなければいけないという前提をまずみんなで持つことは、すごく重要だなと思いました。

 それに加えて、学習支援事業に関しては塾に行けないだけではなくて、家庭の文化的資本とか社会的資本だとかいろいろなものが欠けているということは、この事業をこれだけ大規模にやることによって図ってきた中で、本当に親の自立とどうつなげていくかとか、衣食住が足りていないところをどうしていくかとか、これから子どもの貧困をどうやっていくかということが非常によく見えてきました。ですから、それをやらなければいけないですし、議論の中でも出てきたように、要は子どもへの支援はすごく将来的にリターンが大きいものだという議論にはなっているのですけれども、そこのところがなかなか可視化できないので、行政に行くとそうは言ってもお金がかかるからなかなかみたいな話が出てきます。今後は子どもの学習支援、生活支援というものがどれだけ将来へのリターンになるかという、いわゆるソーシャルの世界ではインパクト評価と言っているのですけれども、そういったものをしっかりととっていくことが必要だなと思っております。

 2つ目に、これも入れていただいてありがたい高校生世代というところで、高校中退をしたり、ひきこもりをしたり、妊娠中退をしたりというふうな義務教育の15歳を終わってから20代前半ぐらいまでの生活困窮をしている家庭の子がいて、そこがすごくリスクが大きいので、そこをしっかり支えていきましょうということが入ったのは非常にありがたいと思います。なので今後はそういう方たちをどうやって支えるのがいいかというモデル事業をしっかりつくっていく。高校中退のモデル事業みたいなことが少しずつ始まっていますけれども、若年のシングルママをどうしていくのかとか、そういった個別のニーズのしっかりとしたモデル事業の確立をして、それを広げていくことが必要だと思っています。

 3つ目は生活保護世帯の大学進学についても、非常に大きく進んでよかったなと思います。まずこの問題の社会の議論が高まったということに非常に意義があったと思っています。実は先日、キッズドアでボランティアをしてくれている生活保護世帯から大学進学をすごく苦労をした学生とこのことについて話したのですけれども、彼が言っていたのが、こんなに早く議論が進むとは思わなかったと。自分がまさか大学にいる間にこういうふうに進むとは思っていなかったので素直にうれしいですと、非常にシニカルな子なので彼がそのように言ったということはすごくうれしかったのですが、若者というのはこの国の未来ですし、すごく自分たちがこの中でどうしていくかということを考えることなので、そういうことに対していち早く取り組んで結果を出していくということはすごく重要なんだなと思いました。さらに世帯分離の撤廃も含めて生活保護の子も生活困窮の子も、みんな十分に自分が学びたいところを学べるような環境にいち早くつくっていくことに引き続き取り組んでいくことが必要だと思っています。

 最後に、事業委託のあり方では皆さんすごくご議論をされていますが、私の団体も1つ残念ながら続かなかったものがあります。大きな家族のような子どもたちを含めてすごく喪失感もありますし、事情を知った方たちがまず最初に言うのは、「どうして、子どもたちがかわいそうだよね、子どもたちが一番かわいそうだよね」と言ってくださるのですが、今までの行政の委託事業とは枠組みが全く違うもので、これだけ地域共生とかつながりと言っている中で、そこの重要度をどうしていくかということは、いわゆる通達みたいなものとは違う次元でというか、しっかりと行政の方にそこに重要性をわかってもらうような伝え方ができるといいのかなと思っています。本当にどうもありがとうございました。

○宮本部会長 大変ありがとうございました。難しい子どもの問題、若者の問題、渡辺委員が一貫して、それでも前向きに、元気に語っていただいて報告書に元気を吹き込んでいただいたように思います。

 平川委員、お願いします。

○平川委員 ありがとうございました。連合は労働組合でありますので、よく支援者の団体から言われるのですけれども、生活困窮解決には就労の問題、雇用環境の問題を解決しないとだめだろうということを言われておりまして、それは連合の役割だと毎回言われております。そういった意味で連合としましても、この間いろいろなシンポジウムなども行いまして、就労の問題、雇用の問題と生活困窮者の支援の問題というのは連続性のある問題なのだという認識で取り組んでいるところであります。そういった意味で引き続き、既に春闘が始まろうとしておりますけれども、連合は底上げ、底支えという目標で全体の雇用環境、労働環境が引き上がっていく。それによって生活困窮者がしっかりとした就労につながっていく。しかもそれがブラック企業ではなくて、しっかりとした就労につながっていくことを目指して、引き続き頑張らなければならないと思っております。

 そのような取り組みの中で、もう一つ、福祉事務所で働くケースワーカーの皆さんも連合の組合員として多く働いておられますけれども、そういった中でケースワーカー自身の力量をどうやって高めていくのか、専門性をどうやって高めていくのかというのも大きな課題だと認識しておりますので、その辺の自覚を持って我々も頑張っていかなければならないか思っております。

 もう一つ、これからの課題であるのは高齢化の問題です。多分あと3年、5年たてば、また世の中は大きく変わっている可能性があると思います。低年金、単身の高齢者がこれからさらに増えていくことも想定される中で、この生活困窮者支援も、また社会変動に応じて変化せざるを得ないのではないかと思いますので、しっかりとその辺も踏まえてやや長期的な目で私どもも考えていく必要があるのではないかと思っています。報告書についてはいろいろな事情であと一歩というところがありますけれども、おおむね本当にうまくまとめていただいております。それをどうやって現場で実行していける力をつけていくのかというのも大きな課題かと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。平川委員には経験豊富な幅広の視点からいろいろ御議論いただいて、そのあと一歩のところを必ず次の一歩にするということで、また引き続きの御協力をお願いしたいと思います。

 前河参考人、いかがでしょうか。

○前河参考人 お礼を申し上げたいと思います。委員長先生が最初に言われましたように、本当に委員の先生方が、対象者の方をすごく大事にされている視点で、熱心で質の高い議論を御一緒させていただいて、本当にありがとうございました。

 それから、報告書においても厚労省の皆様にお礼を申し上げたいのですけれども、一つ一つ丁寧に御意見を反映いただきまして、本当にありがとうございます。

 大阪府としまして一番反映いただいてうれしかった点について申し上げておきたいと思うのですが、広域自治体の広域支援の位置づけについてきちんと盛り込んでいただいたこと、本当にうれしく思っております。その動機としましては、現在、非常に丁寧に広域支援を実践してくれている大阪府のスタッフの取り組みを全国に広げられたらいい制度になるのではないかという思いと、私が児童福祉の現場や行政機関で市町村の支援をしてきた経験から、市町村でこうした相談体制を構築・維持していくことの困難さを痛感しておりましたので、制度見直しの早期に市町村の相談体制をバックアップする仕組みづくりの必要性を実感していたことにあります。今後も引き続き広域自治体として市町村をバックアップする広域支援に取り組んでいきたいと思っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。ぜひ前河参考人のような方が各都道府県に生まれて、都道府県の役割がきちんと発揮されていくと、この制度も何倍か力強くなるのではないかと思っております。

 勝部委員、お願いいたします。

○勝部委員 おくれて来てすみません。特別部会でこの制度ができるところでも参加をさせていただいて、そして今回見直しということで、この数年の間に全国に本当に「断らない福祉」が展開されるようになって、今まで見えなかったさまざまな方々の課題というのが多くの支援者の手によって支えられている実態を改めてこの委員会を通じて、本当にこのようにできるようになったこと、そして全国の皆さんの頑張りということに対して力強く感じました。一方、なかなか改善ができない課題もたくさんありました。狭間を考える機関ができたことで支援者にどうしても丸投げされてしまっているという事や、他機関みんなが応援していくということではなくて、孤軍奮闘しているワーカーの姿というのもたくさん見ることがありました。それを是正していくためにはという点で、自治体がそれをバックアップしていくことが大切です。自治体格差をなくすために今回、都道府県の役割であるとか、国がそこをしっかりとバックアップしていただいたことは、とてもありがたかったなと思っています。

 2点目が、この事業そのものが先ほどの事業委託のところでもございましたが、「相談員の質」というのが結局、「相談の質の生命線」ということになりますし、この事業そのものの生命線となるわけですから、これまでの経験、それから、スキルアップしていくことを考えますと、バックアップできる応援体制以外に、継続性、信頼を住民とともに信頼の得られるような専門職のスキル、そして職員の処遇改善が重要です。不安定な委託や待遇では、ここがない限りは一定の金額で止まっているようなことでありますと、同じ年代の同じようなスキルの人たちがずっと横並びで働くことしかできないことになりますので、ここはしっかりと次にも課題として残していきたいと思いますし、それこそこの事業の大事な点だと思います。

 3点目ですが、もともとこの事業というのが4ページのところにも書かれていますけれども、第2のセーフティーネットとして登場したわけですが、実際には高齢者福祉や障害者福祉のところが措置から契約になって、本人たちがSOSを出せなかったりとか、契約を好まない、あるいは契約に至らないという人たちがこぼれていくという実態があります。さらには生活保護基準以下で暮らしていても、制度を知らなくてなかなか届かないという人たちがいる中で、この生活困窮者支援が最後のセーフティーネットとして機能して、さまざまな人たちを支えてきたという、ここも大きな役割であります。これからさまざま制度が変容するに当たって、むしろここが最後の砦としていろいろな方々を支え続けていかないといけない大きな役割を果たしていくのではないかと思います。

 そう考えますと、この事業の見直しというのは制度が変われば支える対象者も変化するし出口づくりも重要になる。世の中、経済、制度の変容に合わせてこちらの取り組みというのもしっかり支えられる形にしていくということが求められます。最後の宮本部会長の「おわりに」に3年程度の見直しについてもしっかり書いていただきたいというのが強く願うところであります。

 もう一つが、子どもの貧困につきまして今回の部会では大変勉強させていただきました。高校進学を諦めていた子どもたちが、この子ども食堂であるとか学習支援の関わりの中で自分がもう一度、学校に行ってもいいんだと思えるような瞬間というのにも、この部会の期間中にもたくさん出会うことがございました。子どもの貧困は大人が気づかなければみずから改善できるということや、可能性をみずから開拓できるかということはとても難しい。乗りこえられない。そう考えると15歳や16歳で人生を諦めてしまうような社会にしてはいけないということをこの間、強く思いました。中退者も8050まで誰も気づかないで世の中で見えない存在になっていたこと。これもこの機会をもってより教育と福祉が入り口のところで手放さない。しっかりとタッグを組んで子どもたちの未来を支えていくような、教育と福祉の連携を具体化していきたい。ここはこれからよりモデル事業などでしっかりと組んでいただきたいと思います。

 最後ですが、先ほど岡部委員もおっしゃったのですけれども、我々が例えばひきこもりの若者や生活困窮で支えた人たちが小売商業団体の人たちを支える側に回ったり、また、高齢者の生活支援を支えるということにつながっていったり、農業の担い手の応援をしたりということで、一方で支援だけの姿を見ていますとマイナス、支出というふうに見えているこの生活困窮の事業ですけれども、他方では収入としては、そういう人たちが社会を支える側に大きく変わっている、連結決算でしっかり見ていくという考え方をとれるように、次回の見直しまでにそういうスキームがしっかりとできていくことを私も願ってやみません。収支で合わせればむしろプラスになっていくということを、この事業を通じて多く実感をさせていただきました。たくさん学ばせていただきました。本当にどうもありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。勝部委員のおかげで断らない支援の担い手の側のまさに視線といいますか、これが報告書にきちんと盛り込まれたと思います。感謝申し上げたいと思います。

 奥田委員、お願いいたします。

○奥田委員 今回、参加できて本当におもしろかったです。いろいろと言いたいことばかり言って申しわけなかったのですけれども、私はこの前のPSあたりからずっと何らかでかかわっていた者なのですが、1つ大きくテーマというか、掲げたテーマの大きく変わったところが居住。当時はその他世帯の議論が大分あって、就労をどうするかという話、これは大事だったのですけれども、一方で出てきたのが高齢の話と居住。明らかに今回、ぐっと居住が大きくなったというのが印象深かったです。

 その中で具体的になりますが、居住の話に関しては去年12月ごろから厚労省と国交省の間で局長クラスの協議会が始まったということで、私は非常にいいなと思って期待していました。それで今後やはり正直、今回の報告書では方向性は示されたけれども、この制度における居住のカードというものは、具体的には正直あまりない。地域づくりとかそういうことはありますけれども、ないということで、特に私は現場で気になっているのは国交省が今、進めておられる住宅セーフティーネットということの具体的な枠組みと、厚労省が今後進めていく枠組みとが本当に一体化していけるかというのがすごく気になっています。

 例えば国土交通省さんは登録住宅というものをつくって、それを困窮者というか住宅確保要配慮者の皆さんに提供するということで、そこを債務保証も含めてセットにされているのですが、その基準が25m2 なのです。具体的で申しわけないですけれども。25m2 ないと登録できないという基準になっている。一方で今回、我々が議論した例えば無料低額宿泊施設の厚労省が決めている基準というのは15m2 である。これがばらばらでは制度一体的な運用はできないということなので、早急に具体的なところは詰めていただかないと、報告書の中にはセーフティーネットは使えますよと書いているのですけれども、実際のところに行くとまだ実は階段というか、ホームと電車の間には相当開きがあって、このままでは落ちてしまうということなので、ぜひそこを一歩進めていただきたいというのが第1です。

 第2としては、今回、私がすごくよかったと思ったのは生活支援つきの共同居住について今後議論しますよということが明記されて、これは絶対に必要だ。無低の規制とともに無低の生活支援をどう考えるか。さらに一歩進めて生活支援つきの共同居住というのをどうするか。これはしかし一方で国なり行政なりが応援しましょうということを前提としているわけだから、基準づくりに今後入られると思うのです。これに関してはぜひちゃんとステージをつくっていただいて、現場を踏まえた議論をしていただきたい。よくわからないところで15m2 とか何とか言うのではなくて、実際に現場を踏まえた議論をしていただきたいし、その現場も単に無低をやっている業者というか事業者が集まるのではなくて、他制度を、例えば厚労の中でのいろいろな制度もありますし、国交も含めてそのステージを総合的にぜひつくっていただきたいということが2つ目です。

 3つ目が、居住とは少し離れますが、この3年間は自治体でどう実施の数を上げていくかというのが大きなテーマだったと思うのですけれども、実施自治体数が上がっていくのと利用者数が上がっていくのが必ずしも並行的にならないというところが多分、最大のネック、今回の報告書のネックだったのだろうと思うのです。そうなると各自治体にどう働きかけるかというのを具体的に考えないと、生水さんのところはいいんです。全然問題ない。逆にそんなことできないと思いますけれども、生水さんがあっちの自治体に行って、中に入って一緒にやるぐらいのことをしないと、私は正直、本当に難しいのではないか。例えば人材の交流とか含めてそこぐらいまでやらないと、途中でセンター・オブ・センターというか、センターのセンターという話も出ましたけれども、私もそういうものが必要ではないかと。実施自治体数が上がっていくことと利用者数が上がっていくことが本当に並行というか、比例的に一緒になるかというところに、次のステップに重点を置かなければならない。中に入り込んで一緒にやるみたいなことぐらいまでしないと、なかなか難しいのではないかというのが正直なところです。それが3点目。

 4点目としては、委託のあり方に関しては早く何らか声を出してくださいというお願いです。

 5点目は3年見直し。私は宮本部会長に書いてくださいと先ほど言ったのですけれども、今フリートークなのであえて言いますが、さらなる3年見直しぐらいのスタンスを持ってほしい。次の3年見直しということを私は法律をつくられるのは国会でしょうから、そちらにもぜひ声を届けたいと思うのですけれども、次の3年見直しということと、一方でこの部会と並行して検討会がありますね。私は検討会に関しては続けてほしいと思います。部会から部会に飛ぶのではなくて、毎年のちゃんと推進の検討を見ていくということです。

 最後に、今回10ページに書かれたところで、上から2つ目の●で「こうした点に鑑み」というところなのですが、生活困窮者の定義や目指すべき理念を明確化するという、私はこの制度を結局、極まるところは理念なのだと思うのです。いろいろな手法があっていいし、いろいろな切り口があっていいし、得意、不得意があっていいのだけれども、結局これは何を目指していたのかということを繰り返し学ばないと、繰り返し制度の中で押さえないとわけがわからない制度になっていくのではないか。可能性も高いけれども、方向性も高いというか、どこに行くかわからないという彷徨してしまう。だからこの制度の理念というものを繰り返し押さえていくということは、実は物すごく大事なのではないかと思いました。例えば総合性が大事だと言うけれども、それが何か条件のようになっていくと困るわけです。助けられた人は助ける人にならなければならないと言われたら、だったら助けてもらわなくていいやになってしまうわけです。一体これは何を目指した制度なのか。その人がその人として生きていくというのはどういうことなのか。そういうことも含めた理念の議論を繰り返しやっていただきたい。私はそのように思いました。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 奥田委員が最後の発言ですので、率直にカードがないと言っていただいて、実は座長としてもそのとおりだなと思っております。以前にこの前の検討会のときに、例えば居住支援協議会との連携なんて言葉が、連携というのは非常に便利な言葉なのですけれども曖昧なので、連携という言葉を1つでも減らしてくださいと。連携をあと10個減らしてくださいとお願いしたこともあるのですけれども、その言葉を消してみると意外にそのカードというのが十分ではないことが逆に浮上するわけなのです。御苦労いただいているのは百も承知なのですけれども、ともかくそこはカードをつくっていかなければいけない、切っていかなければいけないと奥田委員の一連の発言から学ばせていただいております。

 順番になってしまいますけれども、大西委員、お願いできますでしょうか。

○大西委員 お礼だけ申しあげて簡単に終わりたいと思います。

 当初、この部会への参画が決まった時は保護施設、救護施設をなかなか理解してもらえていないのではないかという思いを持っていたのですが、委員の皆様から理解を持った御発言をいただいて感動しているところでございます。ありがとうございます。

 現場におられる方はよくおわかりかと思うのですが、支援を行ううえで一番難しいのは制度にあてはまらない人への支援だと思います。そういう意味で生活困窮者自立支援制度と生活保護を一体的に見直し、切れ目のない支援を行うことは、この一番難しい支援を可能にする取り組みだと思います。生活困窮者自立支援制度の効果についていろいろと形で見えてくるようになってきていますが、勝部委員や奥田委員のご発言にもあったように、常に見直したり検討したりしていかないと、そう簡単には解決しない問題を抱えているのではないかという思いを持っています。

 私見になりますが、高齢者の問題や保育所の問題など世間が注目する問題というのは多々あるわけですが、いろいろな施策や制度が幾らできても、必ずそこからはずれてしまう人はいますので、並行してその問題について考えておかないと、日本の福祉というものは、しっかりした土台を持って前へ進まないのではないかと感じています。

 検討会に参加し、いろいろ勉強になりました。どうもありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。こちらこそ大西委員の救護施設の実態のお話から勉強させていただきました。

 どんどん進めさせていただきます。浦野委員、お願いできますか。

○浦野委員 11回にわたって議論に参加させていただきまして、本当にありがとうございました。大変勉強になりました。

 特に今回の報告書(案)の中では、社会福祉法人の役割を非常に丁寧に書いていただいたということが大変ありがたいなと思っております。社会福祉法が昨年改正され、今年全面施行された部分で、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」が明示をされたわけでございますけれども、そのことと軌を一にするようにして社会福祉法人の役割を生活困窮者の自立支援というところに位置づけていただいたということを大変ありがたいなと思っております。

 社会福祉も次第、次第に専門分化をしてきておりまして、そのことが逆に制度の谷間を生む。かつては明治、大正、昭和、戦前の養老院であれば、別に何歳以上でなければ相手にしないとかいう話もなかったわけですし、そういう意味では比較的民間の社会福祉、当時の社会事業が柔軟に取り組んできたことが、制度が精緻なものになってくることによって、逆に柔軟性を失ってきた。これは私ども社会福祉法人の経営者が一番そこは改めて反省をしなければならないところでもあるし、行政施策としても反省していかなければならないことかなと思っております。

 今回、こういった形で社会福祉法人の持てる人的・物的その他さまざまな資源をこの生活困窮者の自立支援に活用していくことを、我々自身、社会福祉法人の関係者にきちんと伝えて活躍するように呼びかけていく必要があると思いますし、また、制度的に柔軟にそこができるように御支援をいただけるということが、この文章の中からもいろいろと伺えるということで、大変ありがたいなと思っています。

 ここまで報告書に書いていただきましたので、ますます我々としては責任が大きい。しっかりやらなければいけないということで、改めて気を引き締めて社会福祉法人としてこの課題に取り組んでいきたいと思っております。どうもありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 気がつくとあと10分くらいになっておりまして、どんどん進めさせていただきたいと思います。

 続きまして石橋委員、お願いできますでしょうか。

○石橋委員 大幅におくれまして申しわけございません。私もなるべく出るようにしたわけでありますが、それぞれの専門のお立場から熱心に議論をされて、こんな部会も珍しいのではないかというような感じも印象としてはあるわけでございます。

 皆さん方が現場で悩みながら行動されている中で、自治体の責務というところが随分問われているというか、あるなと。市の場合は従来から福祉事務所をずっとやってノウハウもあるわけですが、全国の900ある町村のうち福祉事務所を持っている町村はほんのわずかでございます。その中で持っていないところがどこまで皆さん方の御期待に沿えるかどうかというのが、いつも私の頭には議論の中で考えながら、やはり制度をつくったはいいけれども、全く町村で動かなくて絵に描いた餅になってはまずいというところが一番あるわけでございまして、そのような意味で14ページにあります町村の役割というところが我々の立場として書かれているわけでありますが、最後のポツのところです。やはり身近な行政機関ということは全くそうであります。そして福祉制度の実施主体でもあるわけでございますので、我々が一義的に担うというのは本当に大事だろうと思います。

 その中でやはり先ほど言ったように体制の問題、マンパワーの問題等々で実際にできるところ、できないところがあると感じておりまして、そういう主張もさせていただいた中で、希望する場合はというところを入れてもらったのは本当にありがたいかなと思っております。しかしながら、これを後ろ向きに捉えるのではなくて、まず一次的に自立相談支援機能を担うというところもあるわけでして、それをつなぐというのが町村の役割ではないかと感じておりますので、この文言については非常によかったのかなと思います。

 もう一方で、前に戻りまして13ページでありますけれども、一部、福祉事務所を持っている、設置している町村も実際にあるわけでございます。その中で真ん中のところでありますが、当然そこは自立相談支援事業をやっているわけですが、新たに就労準備支援事業と家計相談支援事業というものが、この文言では義務的になってくるのではないかという感じがするわけです。この3点セットがないとなかなか前に行かないという御議論はよくわかるわけでございますが、これとて専門性というのはまさに問われるわけでして、この前段に書いてありますように都道府県の役割というのは絶対に欠かせないという気がします。その担保がないと幾ら福祉事務所を持っている町村でも、なかなかこの2つの事業を必須化するというのはできかねない。非常に難しいということを感じておりますので、やはりこれは前提条件として都道府県による事業実施体制の支援がないとできないというところを強く私は求めたいと思っております。あえて言うならば、最後の行でございますけれども、全国の福祉事務所を設置している自治体で実施されるよう目指すべきであるぐらいに和らいでいただければ、非常にうれしいわけでありますが、これでは完全に必須になってしまうところがあるというのは、福祉事務所を持っている町村に対してどういう感じを受けるかなという感じは正直いたします。本当にいろいろと参加をいただきましてありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。石橋町長には困窮者支援と全国から注目されるまちづくりとどうつなげておられるか。そのあたりもっともっと伺う機会があればよかったのですけれども、また別なチャンスを待ちたいと思います。

 朝比奈委員、よろしくお願いします。

○朝比奈委員 参加させていただいてありがとうございました。

 現場で仕事をしておりますと、法の定義がどうあれ、生活困窮者というのは一体誰のことなのかということを考えざるを得ない場面に多々遭遇します。そんな中で特に前半の部会で、全国の実施状況がかなりいろいろな形でエビデンスとして提供されたということが、とても大きかったと考えております。

 こちらの取りまとめの中では2ページの一番下のところ、自立支援制度の対象となり得るものとしてという、ここでは文章になってしまっていますけれども、第1回の部会の資料3で1枚の図が示されまして、いま見えている人たち、まだ見えていない人たちということで、それぞれ対象者像が書かれました。あのような作業は現場が取り組む際にいろいろ視点を広げていく、それから、いろいろな部署に働きかけていくときにとても力を与えてくれると思っています。そうした意味で、検証というのはトピックで行われるものではなくて、ずっと継続した作業として行われるべきであると思いますので、先ほど来、皆さんからも出ていましたけれども、一定のスパンで定期的に検証し、制度を前に進めていくということは、きちんと位置づけておく必要があるのではないかと思っています。

 ただ、それが生活困窮者支援の検証ということにとどまらないのではないかと思っておりまして、例えば今回、高齢者の問題、子どもの貧困の問題が取り上げられましたけれども、こうした事柄が生活困窮者支援だけで解決していくものであるとは到底考えられないと思います。ほかの分野へフィードバックしていく、戻していくような作業、問題提起していくような作業もあわせて必要で、生活困窮者支援が縦割りの施策の1つではないということは、しっかりと声を上げていく必要があるのではないかと思っております。

 そういう意味では、生活困窮者支援のフィールドというのは社会保障の制度のアンテナの役割を果たすのであろうと思っておりまして、社会の状況の変化の中で常に新しい課題にアンテナを張りめぐらしていくという問題意識も必要で、どれぐらいの幅を持って地域社会に目を向けていくのか、相談者の背景に目を向けていくのかというのが非常に重要になってくるだろうと。目に見えないところで排除がいよいよ進行していて、そうした問題意識、危機意識が必要だと思います。一方で、何も社会資源がなくても、何もできないかもしれなくても孤立した人たちとの間に築かれる援助関係が何かのきっかけになっていくというソーシャルワークそもそもの力が非常に危ういところにあるのではないかと考えておりまして、そんなこともこれからまた現場に戻っていく中では、考えながら仕事をしていきたいと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。本当に背景に現場が見えてくるようなたくさんの御発言を感謝したいと思います。

 駒村先生、よろしくお願いします。

○駒村部会長代理 部会長代理として宮本部会長をきちんとサポートできたかどうか自信がないのですけれども、そもそもあまりその必要はなかったわけで安心しました。多くの現場の方ともお話しする機会がありまして、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。

 経済学が専門ですので、やや経済学の専門の見地から少しこの制度の評価というか、位置づけというのを改めて申し上げたいと思います。

 この制度は狭く困窮者の方だけを対象にしている、そのための制度というわけではなくて、社会経済全体として極めて重要な意義がある。先進国全般でこの20年ぐらい、非常に労働市場が流動化、不安定化してきて、産業構造が変化して、格差、貧困拡大、そして多様な困窮問題が発生している。それに対して行政や地域社会が対応する力もどんどん起きているという中で、これを個人の力だけで対応する、あるいは個人責任でおしまいにするという姿勢であると、そういう姿勢を続ければ、おそらく社会の中で不安が不満がどんどん拡大していく。自分だけは何とか助かりたい。自分たちと自分の家族、自分と自分の家族だけが幸せでいいんだというような考え方もはびこるかもしれません。しかし、残念ながらというか、自分と自分の家族だけが幸せになる社会というのは存在しないというのは、今の世界を覆う雲を見ればわかるわけです。この制度というのは、我々の社会を安定的に続けるために、我々の現代社会にとっては不可欠な制度であるということを多くの方に認識していただくというのが大事なのではないかと思います。

 それから、こういう制度があるんだということの理解というか、その制度の知名度がまだまだ足りないのではないかと思いますので、上げていかなければいけないと思います。必要としている人が、そんな制度があるんだと知っていただくことも極めて大事だと思います。

 以上です。

○宮本部会長 大変ありがとうございました。

 あと時間になっていますけれども、10分くらい延長させていただきたいと思いますが、この後、飛行機の時間が迫っているという方はおられますか。大丈夫でしょうか。最小限の延長で済ませたいと思います。

 それでは、松本委員、お願いいたします。

○松本委員 私は医療の立場ということで参加させていただきましたけれども、生活困窮者や生活保護の方であっても、病気の方は気兼ねなくきちんと治療できるということによって、それが就労につながっていくことが委員の方々とは共有できたと思っています。

 若干、本部会の議論とは離れますけれども、現在、国は治療と職業生活の両立支援を進めております。我々日本医師会もそれに協力してございますけれども、病気から仕事ができなくなって貧困の負のスパイラルに陥るということは非常に日常茶飯事に起こっております。これに対しては事業所、会社の理解を得ることが必要なのだと思いますけれども、現実的には特に中小企業ではそれができていないという面があります。簡単な問題ではないと思いますけれども、そういった治療と職業生活の両立支援を認める職場の一体感を醸成していけるかどうかということにかかっていると思いますので、時間がかかると思いますけれども、社会全体でこういった問題を考えていく必要があるなと思っています。

 簡単ですが、以上でございます。

○宮本部会長 ありがとうございました。たくさんの専門的な知見の御提供をありがとうございました。

 それでは、新保委員からお願いをいたします。

○新保委員 この部会を通じて、委員の皆様や参考人の方々に多くのことを学ばせていただき、本当に感謝しています。特に第6回で制度の利用経験を持つ方々から直接、またビデオレターを通じてお話を聞かせていただきまして、こうした当事者の方の声を聞くということを、ぜひこれからの制度をよりよくしていくところに継続していっていただきたいと実感しました。

 それから、私は第1回の部会で、駒村部会長代理の「自己肯定感や自尊心、自己肯定力が下がった方々に対しての支援は工夫する必要があって、あなたのことを大事に思っている人や必要としている人が社会や地域にいるということがわかっていただけるような支援が大切である」というお話を最初に伺って、そのことがとても心に残っています。「尊厳の確保」ということはそう簡単ではないということを自分自身が本当に痛感しています。だからこそ、その「尊厳の確保」と「支援を通じた地域づくり」も含めて、こうした理念を見失うことなく取り組みを進めていくことができればと願っています。また、今後も生活保護と生活困窮の支援が切り離されず、一体的に検討されていくことを期待したいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 小杉委員、お願いいたします。

○小杉委員 私もまず感謝を申し上げた上で1つだけ。今の時代、こういう福祉サービス系の専門職の専門性をきちんと確立しなければならない時代だと思うのです。それがきちんと評価されるような、社会福祉士の養成課程の見直しとかそういうものも大事なのですけれども、今の現場の方々の交流も進んでいます。そこをベースにした専門職としての確立、それが非常に大事だと思っています。

 この分野に限らず、今やはり社会福祉系のサービスというのはいろいろな専門職が生まれているのですが、それをきちんと位置づけて、できれば国家資格化のような形で世間に認められる資格という形に持っていければなと。社会福祉士の一部という言い方もできるのですけれども、ぜひ専門職としての確立というのを期待したいと思います。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 菊池委員、お願いをいたします。

○菊池委員 2点、述べさせていただきます。1つは10ページなのですけれども、先ほど奥田委員からもございましたが、生活困窮者の定義や目指すべき理念について、法令における明確化と書き込んでくださってありがとうございます。ぜひ事務局におかれましては、法律改正に向けて内閣法制局とやりとりを頑張って進めていただきたいということでございます。

 その際に9ページの下から2行目、社会的に孤立しているために困窮状態に至ってしまう危険性をはらんでいる状態にある人への早期的、予防的な対応の重要性という指摘が入ったということに注目したいと思います。その際に、これは先ほど渡辺委員がおっしゃったことと通じますが、社会的孤立という文言、これは奥田委員もこだわっていらっしゃいましたけれども、社会的孤立という文言の含意として、本人が社会とつながりを持つことができないという事実状態を示すにとどまらないのであって、孤立が社会的要因によってつくられる面があるという意味合いも含むという点に留意したいと思います。

 例えば行政や関係当事者が縦割りの組織で、本人とそれを取り巻く家族などの困窮状態の全体像を把握できていないという状況も、そうした社会的要因に数えることができると思うわけです。このことは障害者法制において、いわゆる障害の社会モデルへの対応がなされたことが、いわば先例として位置づけられると思います。今回の制度改正でどのような文言整理がなされるかはさておきまして、障害者基本法などにおいて障害者が機能障害のみならず、社会的障壁という概念によっても定義されるに至ったということですので、生活困窮者も社会的な孤立の関連で捉えるという視点は忘れずにいたい、大切にしたいと改めて思っております。

 2つ目は、30ページの生活保護世帯の子どもの大学等への進学支援についてであります。大学等への進学に向けた支援を生活保護制度の枠組みの中でより一層、位置づけていく、考えていく必要性があるということで、その意味で高校在籍時における進学費用の貯蓄などの経済的側面での支援や進学に向けた相談支援、そして進学後の住宅扶助費の扱いなど、積極的に対応を考えていく必要があると私は思っておりまして、そういった方向での書きぶりになっているということはありがたく思っております。ただし、これはこれまでも申し上げてきたことですが、進学後の教育費や生活費について、生活保護で直接対応することはなかなか難しい面があります。この点は現在、政府で進められている一般施策のなりゆきに注目しているところではあります。しかし、懸念されるのは、こうした高等教育に係る費用の社会的負担に当たって、専ら公費支出に目が向けられる風潮にはやや違和感があるところです。ひょっとしてこれからの議論の中で、高等教育機関への間接的な公的支援策ではないかという非難を受けかねない面がないとは言えない。それにこちらの議論が巻き込まれないように注意する必要があるのではないかと思います。

 同時に、私も大学にいる人間ですので、この問題を公益性を持つ高等教育機関自身の社会的責任という面で捉える必要性ということも述べておきたいと思います。少し本論から外れるかもしれませんが、宣伝のつもりではないのですが、例えば早稲田大学では2つの奨学金があります。1つは紺碧の空奨学金といって、児童養護施設やファミリーホーム入所者及び出身者または養育里親家庭で育った子どもが、経済的理由により早稲田大学への進学を断念することがないように創設された入試前予約採用給付奨学金で、検定料、入学金、授業料の免除。入学後は月額9万円の給付という奨学金です。

 もう一つは、18年度から制度変更する小野梓記念奨学金というものがあるのですが、これは出身者が1都3県の生徒を対象とする予約型採用給付奨学金で、父母の収入金額400万円未満の者を対象に年額40万円を支給するという仕組みです。株式会社でもCSRが叫ばれるように、公益性の強い学校法人ではなおさらそうした社会的対応が求められるのではないかと考えます。そして、こうした取り組みを行っている大学はほかにも決して少なくはないわけでして、そういったものを大学側も発信する必要がありますし、そして、こちらとしては対象となり得る高校生にそうした情報を集約し、誰がどういった形で届けるかということも、文科省マターなのかもしれませんが、生活困窮者及び生活保護受給者の自立支援、相談支援という観点からも課題となり得るのではないかと思っております。

 以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。本当に菊池委員には皆さんの熱い議論を法律的、制度的な裏づけのある議論にコンバートしていただくというお役目を果たしていただいて、大変助かりました。

 最後になりますが、竹田委員、お願いいたします。

○竹田委員 ありがとうございます。これまでの意見ですとか、先ほどの修正を含めて反映していただきまして、部会長初め関係者の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

 時間も押していますので端的に申し上げたいなと思います。日々相談支援の現場におりますと、この部会の議論というのが非常に共通した事項がたくさんありまして、私自身、学びにもなりましたし、今後、法改正の中でさらに自立相談支援機関の重要性がますます高まっていくのだろうと思っています。生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の切れ目のない一貫した支援の実現だけではなくて、先ほど出ておりましたが、他の福祉制度とも切れ目のない一貫した支援の実現というのが求められているのだろうなということを改めて自覚いたしました。また、さらに住む地域にかかわらず、全国で切れ目のない一貫した支援が実現されるよう、今後、町村の役割については検討していただく必要があるのではないかと町村で働く者としては感じているところです。

 2点目でございますが、今回、自立相談支援機関の相談支援員に社会福祉士などの資格を求めるというように具体的に記述していただきまして、高く評価しておりますし、感謝申し上げたいと思っています。制度の信頼性を確保をする上で社会福祉士のさらなる実践力の向上というのが求められているのだろうということを改めて自覚しております。現在、福祉人材確保専門委員会においても社会福祉士養成課程の見直しの議論が行われておりますが、ぜひこの部会の議論と成果が反映されるよう、切れ目のない一貫した議論をお願いできればと思っております。

 私からは以上です。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 これで予定をされていた議事を無事に終えることができました。長らく続けさせていただいた本部会もこれで最後になりますが、最後に定塚社会・援護局長から一言、御挨拶いただけるでしょうか。

○定塚局長 本部会、終わりに当たりまして一言、お礼の御挨拶を申し上げさせていただきます。

 委員の皆様におかれましては、5月に第1回を開いていただいて以来、11回、7カ月の長期にわたりまして御多忙のところ、ある方は大変遠方からたびたび御出席いただきまして、ありがとうございました。毎回毎回、宮本部会長の名進行のもとで、本当に熱のこもった議論をしていただいたことに深くお礼を申し上げたいと思います。

 皆様から御議論をいただいたおかげで、この制度の効果やすぐれた事例など明らかになったと思います。また、一方で制度が抱えている課題であるとか、現場の支援者の方の悩みであるとか、そういったこともともに明らかになってきたかなと感じております。本日、部会の報告書という形で整理をいただきましたことに、厚くお礼を申し上げたいと思います。

 今後はこの報告書をもとに中身を整理いたしまして、制度改正に向けて来年の通常国会への両制度の改正法案を提出すべく、検討、準備を進めてまいりたいと考えております。

 また、本日はこれからの制度の課題や次の制度見直しの課題まで、さまざまな意見やエールもいただいたと感じております。本当にこの制度は皆様方に、また、現場の支援者の方々、自治体の方々に産み、かつ、育てていただいた制度であると我々は日ごろから感じております。そうした意味においても現場において生活困窮者自立支援制度、また、生活保護両制度がしっかりつながって機能していく。現場でうまく回っていくということが何より大変重要であると考えておりまして、その意味でも今日皆様方からいただいた意見も踏まえて、運用も不断に見直していく。また、中期的には次の制度改正に向けて考えていくということもしてまいりたいと思っております。

 厚生労働省としても、職員一丸となって取り組んでまいりますので、どうぞこの制度は現場の自治体、支援者の方と二人三脚で育てていく制度と思っておりますので、本部会で委員として御参加いただいた皆様方あるいは現場でこの制度にかかわっている皆様方におかれましては、引き続き御支援、御鞭撻をいただければと思っております。

 部会の終わりに当たっての事務局を代表して、お礼の挨拶とさせていただきます。どうも本当にありがとうございました。

○宮本部会長 ありがとうございました。

 シナリオでは、この後、私も一言挨拶をすることになっているのですけれども、しゃべりまくっておりますので、でも一言だけお礼を申し上げると、いい歳して何を言っているんだと言われそうですが、この制度にかかわるようになって随分長くたつのですけれども、それでもいつも思っていたのは、いろいろな人生の苦労はありましたけれども、生活困窮とか経済面でそんな苦労をしたこともない自分が生活困窮者の支援にかかわるというのはいいのだろうか。そういう資格があるのだろうかということは本当に思っていましたし、今もちょっと思ってはいるのですけれども、実はこの審議会で議論させていただく、あるいは皆さんと個別にいろいろおつき合いをさせていただく中で、例えばこういう議論をまとめ上げていく仕事に少しでも自分の力を生かすことができれば、それでもいいんだなということを深く思うようになり、元気をいただくことになったかなと思っています。

 どこまでお役に立ったか本当に自信はないのですけれども、ちょっとは役に立ったかもしれないと自分に言い聞かせることで、自分のテンションを上げているようなものが現実でございます。その点を含めて皆様に改めてお礼を申し上げたいし、先ほど来、皆さんから議論が出ているように次の見直しということで、こうした顔ぶれが集まる日もあるのかなと思っておりますので、そのときはまた改めてよろしくお願いをいたしたいと思います。

 繰り返しますが、5月以来の皆様の暑い中、寒い中での御協力、改めて感謝申し上げます。

 これで、この部会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)


<委員名の漢字表記について>
岡崎委員の「おかざき」の「さき」のつくりの上部は、一部ブラウザ上で正しく表示されないために、便宜上「崎」の字で表示しています。正しくは「大」ではなく「立」ですので、あしからずご了承ください。

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