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2018年11月20日 第7回ジョブ・カード制度推進会議

人材開発統括官

○日時

平成30年11月20日(火)16:00~18:00

 

○場所

厚生労働省 共用第8会議室
(千代田区霞が関1-2-2 合同庁舎5号館20階)

○議題

1 新ジョブ・カード制度推進基本計画のフォローアップについて
2 ジョブ・カード制度関係の平成31年度概算要求について
3 民間企業におけるジョブ・カード活用事例の紹介
4 ジョブ・カード制度総合サイト利用者の行動分析

○議事

 

○厚生労働省松瀨室長 ただいまから第7回ジョブ・カード制度推進会議を開催します。カメラ撮りはここまでとなりますので、御退出をお願いします。本日は御多忙の中、御出席を頂きまして、誠にありがとうございます。

 初めに出席状況についてご説明します。資料1別紙の構成員名簿を御覧ください。お手元のタブレットの4ページ目になります。本日は全日本自動車産業労働組合総連合会会長の高倉委員、全国専修学校各種学校総連合会常任理事の関口委員が欠席です。日本商工会議所の久貝委員に代わりまして、小林委員に御就任を頂いておりますが、本日は所用のため御欠席となり、岩崎事業部長に代理出席を頂いております。また、小沢横須賀商工会議所名誉会頭の代理として、菊池専務理事に御出席を頂いております。

 本日はペーパーレス会議となっており、机上に置いているタブレットを資料としてご使用いただきます。不具合が生じた場合などは、待機している機器の保守要員が対応するので、挙手をしていただければと存じます。

 それでは議事に先立ちまして、本推進会議の事務局を代表して、吉本人材開発統括官から一言御挨拶を申し上げます。

○厚生労働省吉本統括官 人材開発統括官の吉本です。本日は当推進会議にお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、樋口座長をはじめ、委員の皆様方には日頃からジョブ・カード制度の推進に当たりまして、大変御尽力を頂いていることに感謝を申し上げます。また、今回新たに推進委員をお引き受けいただいた阿部委員におかれましても、大変感謝をしております。よろしくお願い申し上げます。

 さて、ジョブ・カード制度については平成204月に創設されたわけですが、今年で11年目に入りました。この間、平成244月には学生用ジョブ・カード制度がスタートし、また、平成2710月には能開法にジョブ・カード制度が規定され、新ジョブ・カード制度となるなど、幾つか変更を経て現在に至っております。

 現在ジョブ・カードには、1つにはキャリアプランニングツールということで、専門実践教育訓練給付制度やセルフキャリアドック制度などのキャリア形成支援施策に結び付けていくものとして。また、2つには職業能力証明ツールとして雇用型訓練、また、それ以外のハロートレーニングなどの訓練施策などに結び付けて、いろいろな人開の関連施策と関連付けながら推進を図っているところです。

 この結果、現時点のジョブ・カード取得者数はようやく200万人を超えたところですが、2020年までに取得者数を300万人といった目標につきましては、このままのペースではなかなか困難な状況に立ち至っているところで、残る期間、より一層の推進を図っていく必要があると、私どもとしても気を引き締めているところです。

 これまで委員の皆様方から、単に300万枚といった数だけにこだわるのではなく、中身の伴った普及をといった御意見も頂戴しているところですので、本日はジョブ・カードの趣旨に御理解いただき、活用に取り組んでいただいている企業の方々からも、その事例を御紹介いただくことにしているところです。ジョブ・カードの活用の輪が少しずつではありますが、多様な形で進んでいることを御認識いただきまして、そうした事例を是非、いろいろな形で広めていければと考えているところです。

 なお、1点御報告になりますが、先週末の土曜日、17日にジョブ・カード制度推進の1つのメニューであります、雇用型訓練を活用する企業に対する支援事業について、いわゆる行政事業レビュー、行政改革推進会議による年次公開検証が行われたところです。その結果を紹介したいと思いますが、当該事業についての結論としては、1つは雇用型訓練の利用促進に向け、必要な方策を検証すべき。2つ目として、ジョブ・カードが中高年の円滑なキャリアチェンジ等にも資するよう、職業能力証明ツールとしての普及を進める必要があり、アウトカム目標を設定するとともに、地域ジョブ・カードセンターの役割を見直すこと。また、3つ目としまして、1者応札については透明性、競争性の確保、事業目的の達成に向けて入札方法を見直すべきといった指摘を受けています。さらに宮腰行革大臣のほうからは、ハローワークにおいて求人企業に対し、ジョブ・カード活用を積極的に働き掛けるべきではないかといった御発言も頂いたところです。

 これを受けまして、私どもとしては必要な見直しを行っていくことになりますが、これを機にジョブ・カード全体の制度推進という観点からも、より多くの方に使っていただけるように、実効ある方策を考えていかなければならないと考えているところです。本日はせっかくの機会ですので、日頃からお考えのところも含めて、忌憚なく御意見を頂戴しまして、より良い制度推進に向けて努めてまいりたいと思っているので、どうぞよろしくお願いいたします。

○厚生労働省松瀨室長 前回の会議以降に構成員の交代がありました。委員の御紹介をいたします。学習院大学名誉教授の今野委員の辞任に伴いまして、中央大学経済学教授の阿部委員に御就任いただいております。阿部委員から一言、御挨拶を頂ければと思います。

○阿部委員 阿部でございます、どうぞよろしくお願いします。私は中央大学で労働経済学という授業を教えているのですが、その一方で去年から12年生向けにキャリアデザインという授業も担当しています。今年は受講者が約4500名いるのですが、試験期間中には必ず学生版のジョブ・カードを書かせるということで、去年は伊藤参事官にもお越しいただいて、ジョブ・カードの書き方から、いろいろと御教授を頂いております。

 今年からはジョブ・カードを書いた後に、そのままほったらかすのではなくて、キャリアコンサルタントの方に相談をしていただいて、更に自分のキャリアを探してもらうということまで試みようかと思っています。そういう観点からも、この協議会でいろいろな情報を皆様と交換させていただいて、いろいろと勉強したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

○厚生労働省松瀨室長 ありがとうございました。以降の進行は樋口座長にお願いします。よろしくお願いします。

○樋口座長 よろしくお願いします。議事に入る前に、本推進会議はジョブ・カード制度推進会議開催要項3、運営の(2)の規程で座長代理を置くことになっています。今野委員の辞任に伴いまして、現在は座長代理が選任されていないという状況にあります。そこで阿部委員を指名したいと思いますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○樋口座長 阿部委員、よろしくお願いします。それでは、議事に入りたいと思います。議事次第にありますとおり、本日の議題は4つあります。まず、新ジョブ・カード制度推進基本計画のフォローアップについて。2番目、ジョブ・カード制度関係の平成31年度の概算要求について。3番目、民間企業におけるジョブ・カード活用事例の紹介。4番目、ジョブ・カード制度総合サイト利用者の行動分析となっています。

 まず最初に1番目、新ジョブ・カード制度推進基本計画のフォローアップについてと、2番目、ジョブ・カード制度関係の平成31年度の概算要求について、まとめて説明をお願いします。

○厚生労働省松瀨室長 それでは、議題の12について、まとめて説明します。タブレットの中の資料で言いますと、各資料の右下に付いているの通し番号が正しい番号になります。以降、私からは右下のページ番号でお示しするので、よろしくお願いします。

 まず資料2-1です。新ジョブ・カード制度推進基本計画のフォローアップでして、これは毎年度開催される推進会議で、その都度紹介しているものです。したがいまして、これまでと内容は重複する所がありますので、前回の推進会議からの変更点を中心に説明したいと思います。

 まず6ページを御覧ください。上の点線囲みですが、これは前ページのジョブ・カード制度総合サイトの改修につながる部分です。「新規」と赤く表示してあるものが、前回からの変更点です。ジョブ・カード制度総合サイトについては、ジョブ・カード作成支援のWEBサービスを本年3月から開始しています。また、LINE@の公式アカウントを今年8月からスタートさせています。資料上は1,251人とありますが、本日時点で1,400人を超えているところです。

 次に7ページの上段です。在職者に対するジョブ・カード活用についてですが、建設キャリアアップシステムとの連携を進めています。本年度は紙ベースの連携に留まっておりますが、来年度におきましては、総合サイトにおきまして、この建設キャリアアップシステムと連携するジョブ・カード様式を作成できるように改修する予定です。

 次に8ページです。上の点線囲みの○ですが、本年度と来年度、2年度にかけましてジョブ・カード実践的能力評価強化事業を行っています。これは能力証明ツールとして、真に役に立つような様式の開発を行っているものでして、現在、IT分野、介護分野、ホワイトカラー分野の3分野において試行版を作成したところです。現在、その試行版を使ってのプレ試行を進めているところです。

 次に9ページです。これは前回のジョブ・カード制度推進会議で御審議いただきました、ジョブ・カード様式の見直しの結果です。ジョブ・カード様式の見直しを行ったことにより、多様なジョブ・カード様式を、学校様や各企業様のニーズに合わせて活用できるようにしたところです。下の「新規」にありますが、そういった使いやすいツールをまとめたジョブ・カード活用ガイドも現在リリースしているところです。

 10ページをご覧ください。ジョブ・カード様式を弾力化することによりまして、より応募様式として使いやすい、様式の編集も可能としたところでして、現在、こちらの様式の推進も図っているところです。後ほど横須賀商工会議所様の好事例のところで、また若干触れたいと思います。

 次は少し進みまして17ページです。今年3月から、ジョブ・カードの広報のための活用動画というものを配信しておりまして、そこにありますように37万回の視聴を記録しているところです。現在も見ることができるものです。

 さらに進みまして22ページです。先ほど統括官からも言及がありましたが、先日秋の行政事業レビューで指摘を受けた、雇用型訓練を活用する企業に対する支援事業ですが、ここにありますとおり、就職率は非常に高い率を誇っておりまして、行政事業レビューの各評価者からは、雇用型訓練というのは非常に効果的なツールであるので、引き続き効果的な運用ができるように努力していただきたいという言及がありました。

 その前に戻りまして、17ページの下をご覧ください。文部科学省様の取組です。文部科学省様におかれましては、今年3月に大学等にジョブ・カードの活用を促進するための文書を発出していただいております。また、「全国キャリア・就職ガイダンス」が今年6月に実施されましたが、その場でもジョブ・カードの広報をしていただいているところです。

 続いて18ページです。中ほどに経産省様の取組があります。経産省様におかれましては、Twitterやメールマガジン等によりまして、ジョブ・カードの周知を行っていただいているところです。

 次に27ページを御覧ください。神奈川労働局の取組(好事例)とありますが、これは横須賀商工会議所様が神奈川労働局に働き掛けまして、ジョブ・カードの積極的な活用を進めるキャンペーンをやっていただいているものです。次の28ページに、関連の画像があります。そこにありますように、「履歴書からジョブ・カードへ」というキャッチフレーズでのぼりやポスターを作成しまして、神奈川県内で事業主への働き掛けを行っていただいているところです。

 資料2-1の最後、34ページです。最近リリースしたジョブ・カード関連のリーフレット・パンフレットをここに画像で御紹介しています。上のほうに「エントリーシートの充実」とありまして、これは字が小さくて恐縮ですが、よく目をこらしていただきますと、リクナビさんのオープンエントリーシートと、マイナビさんのマイナビスカウトと連携したリーフレットになっています。それぞれリクナビさんやマイナビさんと協力して、リーフレットを作成しました。この趣旨は、ジョブ・カードを活用した後でオープンエントリーシートやマイナビスカウトを利用すると、より自己理解の深まった後で、非常に効果的なエントリーができるという趣旨です。以上、資料2-1です。

 次は資料2-2です。平成30年度予算要求の概要ですが、これは報告です。通し番号の36ページです。これは雇用型訓練を活用したジョブ・カード制度の推進等の予算を、まとめてポンチ絵にしているものですが、これは17日の行政事業レビューが終わったばかりですので、これからその在り方について財務当局との協議が待っているものです。

 次は37ページです。先ほどフォローアップの中でも紹介しました、ジョブ・カードの実践的能力評価強化事業です。そこにありますように、IT分野、医療介護分野、ホワイトカラー分野について、関連する事業者さんと学校さんに一堂に集まってもらいまして、委員会形式で新しいシートを検討してもらって、来年度に試行するという流れになっています。

 次に38ページ、ジョブ・カード制度総合サイトの改修です。来年度につきましては、適性検査などの機能も追加することにしています。また、ジョブ・カード講習事業が本年度をもって廃止となりますので、そのジョブ・カード講習のテキスト、動画教材などを、このジョブ・カード制度総合サイトに掲載するという変更もあります。

 最後は39ページです。建設キャリアアップシステムの連携に向けまして、来年度、サイトの改修を行います。私からは以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。資料2-1及び資料2-2に基づいて説明を頂きました。何か御質問、御意見がありましたらお願いします。

○遠藤委員 先ほど冒頭に吉本人材統括官から、行政事業レビューにおける行革大臣のコメントの紹介をしていただきました。改めて資料2-1を見ていきましたところ、通し番号11ページにハローワークにおける取組で、「求職者に特化した活用」という項目がありまして、「職業相談・紹介場面等での活用促進」と書かれています。そして、この中身をもう少し詳しく見ていきますと、通し番号の28ページでは、公共職業安定所の項目として、同じく「職業相談・紹介場面等での活用促進を実施」の中で、担当者制を希望した場合の活用事例が出ています。改めてお聞きしたいのですが、公共職業訓練の受講の場合を除いて、ハローワークにおけるジョブ・カードの活用がどのように行われているのか、教えていただきたいと思います。これが一点です。

 それから、もう一点は今後ということですが、インターンシップの受講者数が増加傾向にあるので、インターンシップを受講された場合に、ジョブ・カードを活用できる余地があるのかどうか。とくに単位化されていないインターンシップを受講した場合に、サポートをするような場面として、学内のどこかで展開している状況があり得るのかどうかというのが2つ目です。

○樋口座長 ありがとうございます。では、まず1番目の公共職業安定所における活用状況ですが、お願いします。

○厚生労働省小野寺首席職業指導官 職業安定局からお答えいたします。ハローワークの窓口での活用ですが、例えば対象者を特化したような若者ハローワークですとか、マザーズハローワークといったような所で、きめ細かく担当者制による対応をする中で、必要に応じて活用しているほか、現在、非常に雇用情勢が改善しておりまして、求職者の数自体は減ってきているのですが、そういった一般の窓口のでも、かなり懇切な対応、種々の支援が必要な方は増えている状況にございます。現在、ハローワークの窓口では積極的に、一般の窓口でも個別担当者制ということを強くおし進めておりまして、その担当者制の中で、個々の求職者の適性・特性、現在の状況などから判断しまして、必要な方にはジョブ・カードを活用していくという方策とで進めているところです。以上です。

○樋口座長 1点目はよろしいですか。

○遠藤委員 そうしますと、必要な方ということで説明があったわけですが、その場合の判断基準ですね。なるべく多くの方々に御利用いただくことが望ましい。要するに離職して再就職しようと思ったら、程度の差はあれ、棚卸しはしなければいけないわけですから、そういう意味では活用の場面というのは幾らでも広がっていくと思われます。その辺のところを今後検討いただければと思います。これは意見です。

○厚生労働省伊藤参事官 それでは2点目のインターンシップは、主に大学生のインターンシップなどを念頭に置いての御指摘ではないかと受け止めさせていただいております。このインターンシップの活用に当たりましての、ジョブ・カードの積極活用という観点での実態あるいは考え方について、私からお答えしたいと思います。

 本推進会議の場でも、これまで大学におけるキャリア教育推進等の場面での一般的、全般的な意味でのジョブ・カード活用の意義。あるいは樋口座長からも、例えば地方創生インターンシップの推進等に当たってのジョブ・カードの活用の意義・必要性等についても、これまでも御指摘を頂戴してきたところです。

 インターンシップの今の実態に鑑みた場合、ジョブ・カードが目的とする、生涯にわたるキャリアアップ支援という観点、それから能力評価の視点、この2つの視点のうち、能力評価の視点に関しては、もちろん活用の可能性はあるかと思いますが、現状で言うと、こちらの側面というよりは、むしろキャリア支援のプロセスにおいて、このインターンシップの意味合いというものを、参加した学生がしっかり認識をするとともに、それを先ほど松瀨からも、具体的な大学生の就職活動における活用促進という観点での、エントリーシートの結び付きという観点の説明を申し上げたわけですが、そうした際に在学中の職業意識を高めるための、あるいは就職活動の前提としてのインターンシップ活動、こういったものも当然エントリーシートに記載をするに値する相応しい活動内容。

 したがいまして、インターンシップそのものだけでジョブ・カードを作成、というよりは、もちろんそうした活用も今後、大学との連携で十分念頭に置き、文科省とも議論をした上で検討していきたいと思っておりますが、大学活動を通じての職業意識向上、あるいは広い意味での能力開発に関わる取組の一環として、そのインターンシップの意味付けというものを、必要に応じてキャリアコンサルティングなども受けながら、学生自身がしっかり考え、それをエントリーシートをはじめとする応募書類に反映していくというのが、当面のインターンシップとジョブ・カード活用促進の結び付けの主要な視点ではないかと考えているところです。

 御案内のように、インターンシップの全般についての推進の考え方に関しては、私ども、今日も同席しております文科省、経産省、更には内閣府などとも常に協議をしながら、このインターンシップの基本的な考え方について、大学、経済界等々に発信をしているところです。

 せっかくこの会議で、ジョブ・カード活用の結び付きについても、遠藤委員から問題提起を頂いたところですので、そうした点も着眼点の1つとして、今後、関係省庁間でインターンシップの基本的な考え方、また、一層の普及の考え方、取組といった点について整理をし、対応していきたいと考えているところです。

○樋口座長 このインターンシップに関して、文科省からは何かありますか。

○文部科学省 今、お話があったような趣旨だと思います。ですから今後、学生がいかに活用できるかということを、大学を通して周知していくとともに、実態がどうであるのかというのも今後把握しておく必要があろうかと思っています。

○遠藤委員 お尋ねさせていただいたのは、受講した学生のアンケートの中で、企業側からのフィードバックが十分でないといった集計も見ているものですから、ツールの1つとして、使う余地があれば、今後工夫していくことも考え得るのではないかと思います。

 それから、キャリア形成の部分で言えば、1年生、2年生はそういうツールを、横に置いた形でのインターンシップ受講というのが、より効果を高めることも容易に想定できます。今後いろいろな場面で考えていく中の1つに入れていただければ幸いです。

○樋口座長 今回のレビューの過程で、各企業にキャリア形成支援という形でお願いしたらどうかという話も出てまいりましたが、もっと広く使えるようにということだろうと思います。ほかにいかがでしょうか。

○中澤委員 5ページの資料2-11の「新ジョブ・カードの主な活用方法等」の(1)「在職労働者を含めた職業生涯を通じた活用」の①の所でイベントということですが、平成27年から平成30年のLINE@の公式アカウント開設まで書かれているわけですが、それに対してサイトアクセス件数、平成28年度と平成29年度を比較すると、若干減少しているという状況が見られます。

 それから、その下のメール相談サービス開始についても、平成28年度と平成29年度で若干の件数の減少が見られますが、この辺のところについて、事務局で要因として把握されていることがあれば、お聞かせいただければと思います。

事務局として何か要因的なものの御感想があれば、お聞かせいただければと思います。

○厚生労働省松瀨室長 私は今年度から割と熱心にフォローするようになったのですが、落ちている理由はその間、新しい新着記事やサイトの構成というものに、余り手を付けずにずっといたのです。新しくすると、わっと流入してくるのです。

 そういうのが、我々も反省しなくてはいけないのですが、平成29年度はそれが少し弱かったもので、平成30年度は必ず月に複数回は新着情報を掲載させるなど、そういう改修をしています。そうしますと、その都度上がっていきまして、要するにきちんと手を掛けなかった印象で、少し飽きられた面が多少あったということです。それは今現在、改善に取り組んでいるところです。

○樋口座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。よろしければ続いて資料3について、事務局から説明をお願いいたします。

○厚生労働省松瀨室長 資料3については、各企業からの事例の紹介ということになります。すみません。40ページからです。まずはアデコ株式会社様、キャリア開発本部キャリア開発企画部企画課長の諏訪部様より御発言をお願いいたします。よろしくお願いします。

○アデコ() アデコ株式会社の諏訪部と申します。よろしくお願いいたします。本日は、弊社の活動事例について発表させていただきます。次のページをお願いします。

 弊社は人材事業をやっております。現在は登録就業者数が34,000人です。今のページに出ていますのは、アデコグループのビジョンになります。アデコグループでは、キャリア開発が当たり前の世の中を作るというビジョンの下、一人一人が思い描くキャリアを実現できるように、働く人々に寄り添いながら能力開発を支援しております。今回はこのお話を頂き、私どもで活躍しているキャリアコーチが実際に行っている活動の中で、ジョブ・カードを使用しておりますので、その活用事例をお話したいと思っております。次のページをお願いします。

 まずジョブ・カード、キャリアプランシートを使っている支援対象者について、お話したいと思います。まず弊社では、2つのカテゴリーに分けて、使用しています。まず1つが、弊社でお仕事紹介を希望している新規登録者、求職者です。それから現状弊社で就業している派遣就業者です。もう1つが、弊社の既存登録者で現状弊社で就業していない方、その方たちは求職者、もしくは他社で派遣就業している方、又は直雇用の就業者の方になります。この2つのカテゴリーで、ジョブ・カードを使用しています。次のページで詳しく御説明したいと思います。

 まず、新規登録者の方です。新規登録者向けには、適職紹介という形でジョブ・カードを使用しています。まず多くの方が派遣就業をするに当たり、御登録をしていただきます。その際に、仕事の内容、時給、勤務地などの希望条件があります。それ以外の条件、将来なりたい姿であったり、こちらにもありますが、所有している例えばスキルであったり、知識であったり、また職歴であったり、こういうことをヒアリングするツールとして使用しています。派遣就業者は下の欄になります。そちらについては、現在就業していただいていますが、日頃の私たちの中ではスタッフの方を支援するタイミングが幾つかありますので、その際に使用しています。主にキャリアコンサルティングを通して使用していますけれども、先ほども在職者の方という話が出ていましたが、決してその方がすぐ求職を望んでいる、もしくは転職を望んでいるわけではない状態であっても、将来なりたい姿、これは私たちの会社ではキャリアビジョンと呼んでいるのですが、そちらについてのヒヤリング、またそれから将来、例えば定年まで働くに当たって、どのようなプランを持っているか。そのような話をする時に使用しています。本年度ですが、法改正もあって派遣就業が有期から無期に変わるようなこともありましたので、キャリアコンサルティングを受けたいという希望者が増えています。次のページをお願いします。

 次のページでは、既存登録者について御説明します。キャリアコーチは、キャリアコンサルティングの有資格者である、それが伴うような指導をしているのですが、外で今働いている方、通常支援がなかなか遠距離でできない方とかも含め、無料でキャリアコンサルティングを行っています。その際に、こちらのジョブ・カードを使っています。どのような方の層に行っているかなのですが、希望者の層は20代から60代と幅が広いものになっています。現状、本年度を見ても、多い年代層は30代後半から40代の方たちの希望数が増えています。相談内容については、将来の働き方、若しくは直雇用での希望がある。就職活動の方法がなかなか自分だけでは分からないですとか、あとはスキルアップの方法についての相談。こういった相談内容が、具体的なものもありますけれども、例えばそこにも1つありますが、目標が決まらないとか、何からしたらいいか分からないというような、そもそも相談する内容自体が、明確になっていないという相談者もいます。

 次のページをお願いします。本年度の最初に、ジョブ・カード様式の弾力化という話を頂いて、弊社ではこのキャリアプランシートについて見直しを図りました。ここにもありますが、様式1-1を使って、まず大きなカテゴリーを2つに分けて質問を構成するという方法で、製作に取り掛かりました。まず仕事に関する質問については、6項目用意しました。支援対象者が自分一人で記入できるように、具体的な表現にするというのをテーマに、周囲の者と相談の上、いろいろ考えた結果、こちらの内容に決まりました。前半の3項目に関しては、価値観や嗜好、それから自分に対する強みや弱みというものを記入するような内容。それから後半については、キャリアビジョン、キャリアプラン、またキャリアの実現に向けて期待する、弊社へのサポートの内容を収集しています。

 もう1枚のシートがありますので、次のページで御説明します。そちらは様式23-13-2を使った、職務経歴及び職業能力証明シートの内容となります。弊社の場合は原則登録時のこういった内容は、基幹システムを使って集めていますが、その集めるだけではなく、こういったシートを使って行うということも、今回は試してみようということで、こういった内容にしています。まず職務経歴についてですが、仕事の内容だけではなく、その仕事を通して身に付いた知識やスキルについて、これをフリーのスペースで書けるような項目を追加しました。また、改定に当たっては、書きやすさを重視しましたので、幾つかのパターンを作って弊社内の社員で、使用してみた結果をこちらにまとめています。

 次のページで、実際にキャリア支援者が使っている声をお伝えしたいと思います。まずキャリアコーチ、私どもではキャリア支援者が使用したときの意見です。まず、シートの内容がまとまっていることから、短時間で必要な内容のヒアリングができるという声が上がっています。また、質問の流れがあるので、スムーズに聞く事ができる。これについては、先ほど1ページ目の様式1-1の質問の流れです。何から聞いていくのが話しやすく、また聞きやすく、話が膨らんでいくのかということについての回答です。それから、相談者に考える機会を自然に提供できるのではないか。ある程度の一定の時間で記入をお願いすることになりますので、そちらについての回答になります。質問のキーワードがはっきりしているため、回答のぶれが防げるようになったという意見も頂いています。また、今後の支援方針が具体的になり、支援者との距離が縮まったという意見も出ています。弊社では、場合にもよりますが、数十人から100人単位のキャリア支援者がおりますので、ヒアリングの質が上がる、下がるというのを感じることがありますので、今回はこのシートを使うことでヒアリングの質が上がるのではないかという意見が出ています。

 では次に、実際にシートを使用する側の支援対象者の具体的な反応についてお伝えします。今回は、登録希望者、派遣就業者、また他社派遣就業者という形で、3つのカテゴリーに分けています。登録希望者については、やはり目の前に仕事を早くしたいという転職の意欲がありますので、その方たちの反応です。単なる仕事の紹介だけに終わらず、これまでの経験や知識、スキルが明確になったという声を頂いています。また、転職に向けての自己ピーアールに自信がなかったという方が多かったので、その方に関しては強みが明確になり、どのように伝えるのか、相手に伝わる、理解しやすい方法が見付かったという声を頂いています。現在派遣就業中の方たちは、目の前に転職がある方とない方がいますので、まずは将来について考えるきっかけができたという意見を頂いています。なかなか真剣に一人で考える機会がなかったので、使用してよかったという声です。それから、派遣で就業している期間に、例えば12年と就業されていると、その間に身に付いた強みや考え方に、なかなか気付く機会がないので、そういう機会が作れたという声を頂いています。また、棚卸しをしてみることによって、自分は目指すところの資格取得が必要なのではないか、そういったきっかけになったという声も聞いています。

 最後が、他社での派遣就業者の声です。先ほども申し上げましたが、他社で既に就業中ですので、キャリアコンサルティングを受けるのには、何らかの目的があって受けられている方です。そういう方については、仕事について自分が日頃考えていること、こだわりというものがどういうことか明確になったという声を頂いています。漠然と感じていた不安が少なくなり、動き出していこうという思いが芽生えたということです。それから、ぼんやりしていた目標が定まったという声も頂いています。今回は、こういう声を頂いた結果、どういったことが改定後の効果につながったかということを、次のページでまとめています。

 まず今回のシートの改定の効果としては、3点が挙げられると思います。1点目が、キャリア開発ツールとして利用頻度が向上したということです。2点目が、支援対象者の満足度がアップしたということです。3点目が、支援対象者の主体的な行動を後押しできるようになった。こういった点を挙げています。

 1点目ですが、キャリア開発の支援ツールは、以前から弊社にもありましたが、今回改定することによって、改定を機に利用しようという気持ちのメンバーも増えましたし、改めてジョブ・カードというものがどういうものなのか、ということに触れる機会になったと思っています。その結果、使ってみようということから利用頻度が上がり、またお勧めするような機会も増えてきたと思います。それから※ですが、継続的支援に必要な情報が網羅されているという点も挙げられると思います。

 2点目です。支援対象者の満足度アップということなのですが、まずなかなか支援するのには、時間が限られていますので、その時間内に自己理解が進むツールとして、面談後の満足度が上がったと思っています。3点目です。支援対象者の主体的な行動を後押し。ジョブ・カードを使用した支援を通じて、キャリアについての関心が増し、視野が広がる。自分だけで考えているときは、決まった仕事であったり、決まった方向性というものしか思い浮かばなかった方が、視野を広げることができ、また主体的な行動をする支援者が増えてきたということを感じています。以上、今回の私どもの活用事例の報告になります。御清聴ありがとうございました。

○厚生労働省松瀨室長 諏訪部様、ありがとうございました。続きまして、株式会社いなげや人事本部人事部次長教育・採用グループリーダー、白井様です。よろしくお願いします。

()いなげや 株式会社いなげやの白井と申します。よろしくお願いいたします。本日は弊社いなげやにおけますジョブ・カードの活用について、この場をお借りして御報告いたします。それでは52ページを初めに御説明します。まず私どもの会社の紹介ということでお話させていただきます。

 株式会社いなげやは、小売業でスーパーマーケット事業を営んでいます。創業は1900年、明治33年に東京立川駅前で鮮魚商を開業したのが始まりです。戦後、スーパーマーケットに形を転じ、現在は13県で店舗数139店舗のスーパーマーケット、典型的な食品スーパーマーケットです。事業目的はそこに書いてありますが、いわゆる地域密着、地域のお役立ち業としてお客様の健康で豊かな食生活を実現するというのが、会社の目的です。

 この後の話にも関連しますので、現在のいなげやの従業員の状況、これは男女別に人数を記載していますが、正社員で見ていただくと2,175名おりますけれども、その9割は男性です。1割の女性がおり、男性正社員の平均年齢は46歳、女性正社員は勤続年数がやはり少なくて34歳という状況です。一方ではその正社員の5倍のパート社員がいるというのが、スーパーマーケットの従業員の構成です。

 そのパート社員のうち、男性はほとんど学生のアルバイトで、要するに8,000名を超える女性のパートさんが働いていて、その平均年齢は48歳です。主力の男性正社員と、それからパートさんの女性従業員で構成された中で、女性正社員としては非常に少ない。こういった従業員の構成ということを御確認いただきながら、これからジョブ・カードについての取組をお話します。

 53ページをお願いします。まずジョブ・カード取組の話をする前に、昨年から取組を始めたのですが、その時点の当社内での人事的検討事項は、次のようなことでした。先ほどの年齢構成から見ていただくと分かりますとおり、私どもにとって若手社員というのは、非常に大切な位置付けになります。第1にこの若手社員を早期離職させないということ、これを防止するということが、社内においてとても大切な事項になっています。そして、先ほどもお話したとおり、女性社員の比率が少ないということです。女性活躍推進を進めるためにも、女性の採用比率を上げ、勤続年数を増やし、あわせて女性管理職の比率を上げていくということが、検討事項の第2番目です。

 それから、第3は中堅社員のモチベーションアップということなのですけれども、これは中堅から管理職になっていく中で、一定の職位に滞留している男性社員が多く、もちろん女性社員も同様ですけれども、そういった滞留者に対して、中期的というのはそこから管理職、スーパーマーケットで言いますとやはり店長という職位が1つの非常に大きなキャリア目標になるのですが、そこに向けての目標設定をしっかりとさせていかなければならないというところが、検討事項でした。

 4番目ですが、昇格・昇進・昇級ですが、これについてのいろいろな評価とかチェック項目は、あくまでも今まで社内基準でやってきました。これをもう少し高度化してということは、業界の基準に合わせて、そもそもスーパーマーケットの従業員というのは、どのような必要な職能があるのかということを、業界基準に照らしていく。業界検定等もありますのでそれを導入して明確にしていこうというよう内容です。以上4項目を昨年時点での人事の検討事項として挙げております。こういった状況下の中でジョブ・カード活用の機会を頂戴しました。

 54ページです。昨年度平成29年度の厚生労働省のジョブ・カードの企業・学校における効果的活用方策の関係に係る調査研究という中で、スーパーマーケット業を対象にしたジョブ・カード導入の試行実施の対象企業に、弊社がさせていただきました。対象になって、いざ誰に対してということで、対象者を検討したのですけれども、先ほどお話したような人事の検討事項がある中で、今回はご覧の3階層の対象者を昨年選抜をしました。

 まずは女性社員、特に入社5年目未満。やはりこちらの定着という意味も考えますと、非常に重要な位置付けの社員層になります。その入社5年未満の女性社員の中から10名。それからスーパーバイザーという職があります。本社所属の職務なのですが、定期的に複数店舗を巡回し、指導・教育をする役割です。そのスーパーバイザーはいわゆる中堅社員の典型的な立場にいる人たちですが、その中から男性社員を20名を選抜、30代から40代が中心です。それから、課長代理職への昇格者。課長代理は、弊社の職責でいいますと、この後店長になる、いわゆる準備期間に入ったという形になるのですが、その中から12名を選抜。合わせて40名弱を今回、調査研究の試行実施の中の対象者としました。

 実施内容です。昨年7月、8月、9月と、そこにあるとおり、まず7月の1回目は3時間の中でジョブ・カードの作成方法の説明。そしてキャリアプラン作成の補助シートを使って、この作成をまず行った後で、8月の2回目は各自1時間ずつ、それぞれに対してキャリアコンサルタントの方に入っていただき、ジョブ・カード作成のアドバイスと面談を実施しました。1回目更に2回目と進んで、経験代謝の促進を図りながら、3回目には更に、最終ということでキャリア形成のための助言という形で、3回にわたり実施をいたしました。

 その後、実施後の振り返りとして、初めてだったのですけれども、受けた人たちのモチベーションが、これまで人事で実施してきた様々な研修と比較しても、今までにないほど彼らのモチベーションが上がったというのが見て取れて、更にはそれが自発的に、キャリアを形成していかなければいけないのだという考えにも結び付いていたのです。そこのところが非常に有効だったのではないか。さらには、自己の価値観とか強みということに気付く機会にもなりましたので、それも私どもとしては面談効果というところ、特にキャリアコンサルタントの方による面談効果が、振り返りの中ではとても重視できた点です。

 次の55ページになります。昨年の実施事項をうけて、今年は本格的にまず新入社員からこれを活用していこうということで、対象はそこにありますとおり、今年入社しました新入社員65名です。内訳はこのようになっていて、女性が約4割おりますけれども、目的としましてはなぜ新入社員を選んだかというところです。まず第1には入社当時からしっかりと自らのキャリアを考えてもらう。そして会社も、それに対して新入社員が持っているキャリアに対する考え方を、要望として捉える機会にしたいということ。第2はキャリアに対するケアです。これはやはり会社としてしっかりと対処いくためには、そこを充実させることによって、先ほど人事の検討事項にもあったように、若手人材が会社に定着してもらうことを、しっかり考えていかなければいけない。そして3番目、これがとても大切だったのですけれども、やはり会社が社員のキャリア形成支援をちゃんとしてあげたい、そこを重視しているということを、彼らにしっかりとメッセージとして伝えて、理解してもらうことを考えました。

 この新入社員に対する実施内容は、先ほどお話したようにキャリアコンサルティングの重要性というのがやはりありましたので、キャリアコンサルティングを受けながらジョブ・カードを作成するという実施内容で進めてきました。今回の新入社員については2回に分けて取り組みましたが、まず1回目はジョブ・カードのガイダンスです。キャリアプランの作成の補助シートの作成を3時間行った後、10月に1人ずつ個別に、キャリアコンサルタントを受けながら、ジョブ・カードの作成アドバイスと面談を実施しました。使用した作成ツールについては、そこに書いてあるキャリアプラン作成補助シートと、キャリアプランシート様式1-1を使っています。ここに書いていませんが、9月、10月と実施したのですが、この回だけではまだジョブ・カードの作成は途中でして、今後次の3月、新入社員が入社して1年という区切りで、追加して同じようにキャリアコンサルティングを実施していきたいと考えています。

 次、56ページ、最後になりますけれども、弊社が考えるジョブ・カードの活用のメリットと改善点ということです。まず1番、やはり何と言っても社員の自己理解、価値観、強み弱みが分かる、自己理解が促進される中で、キャリアプランの作成ということに非常に密接に関連しているということです。私ども人事としては、キャリア開発を目的とした研修をきちんとやらなければいけないと前から考えていて、その中でこれはジョブ・カードを使ってきちんとキャリア開発研修を形にして、社内研修として定例化していくことが必要ではないかと思っています。

 2番目、社員本人の視点での能力開発と育成状況が、本人の視点で把握できます。併せて、会社でも人材育成の課題がはっきりと見えてくるというメリットもあります。

 3番目ですが、やはりキャリアコンサルティングの面談と並行して、これを活用することが何といっても大切だと、先ほど申し上げた通りです。社員が抱えている悩みとか不安というのが浮彫りになる面談の中で、その解消に向けての取組が着手できたということです。

 4番目、先ほどの人事の検討事項でも申し上げたのですが、スーパーマーケットの従業員としての職能ということが、今まで非常に不明確だったのです。職務経歴シートや職業能力証明のシートを活用することによって、スーパーマーケットの従業員というのは、そもそもどのような職能を持っていなければいけないかということが、本人はもちろんですけれども、会社としてももう一回確認する機会になったということです。

 弊社においては、例えば業界基準のスーパーマーケット検定を、昨年導入して、昇格や昇進の確認のための能力評価のための道具として、今並行して使用しております。

 最後になりますが、ジョブ・カードとキャリアコンサルタントの面談の効果を重視して、社員の能力開発の重要なツール、機会とし、将来的には全従業員に拡大をしていくのが、今の私どもの目標です。以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

○厚生労働省松瀨室長 白井さんありがとうございました。続きまして、株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンの営業統括本部執行役員の齊藤様です。よろしくお願いいたします。

()ホスピタリティ&グローイング・ジャパン よろしくお願いいたします。お手元、57ページから弊社の資料になっておりますので、御確認をお願いします。私のパートでは、弊社と弊社の顧客企業との取組という形で、皆様に御紹介をさせていただければと思っております。

 次のページ、58ページで弊社の簡単な御紹介をさせていただいています。ホスピタリティ&グローイング・ジャパンという会社でございまして、何をしているかというのを端的に申し上げますと、サービス業に特化をいたしました教育研修であったり、人材育成の仕組みづくりの御提案をさせていただいている会社です。現在、こちらにありますように、201811月時点で全国9箇所プラス海外に1箇所事業所がありまして、お客様が大体1,800社様、これが全てサービス業の企業様です。5万店舗で研修受講人数はちょっとデータが古くて、今30万人を超える方が、サービス業に従事するそこの社員の皆様方、あるいは非正規の皆様方が、弊社の何らかの研修等を受講いただいているというような会社です。

 59ページには、弊社の様々なサービスが書いてありますが、本日お話をさせていただきますのは、この中の一番左上、グローイング・アカデミーというサービスがありまして、こちらの受講の履歴と、ジョブ・カードのほうを組み合わせた取組をしておりまして、そちらのほうの御発表をさせていただければと思っております。

 60ページです。こちらはうちの代表の御紹介ですので、割愛させていただきますが、簡単に申し上げますと、もともと日本マクドナルド、またファーストリテイリング、ユニクロの2社の教育の仕組みづくりをしてきた人間でございまして、大手小売り・外食の代表するような企業での経験をいかして、それを全国の中堅中小企業の皆様方に御提供していこうというような趣旨で作られた会社です。

 こちらの諸々よりも、実は今回ジョブ・カードの導入に関しましては、弊社の理念との関わりがございまして、我々サービス業の未来を変えるということを創業以来の理念にしております。未来を変えると言っても、いろいろなものがあるわけですが、1つには当然、待遇の改善であったり、生産性の向上。また、今なかなか新卒の社員にとって、いわゆるサービス業の現場というのは、比較的選ばれにくい職業になってしまっております。こういったところを改善をしていきたいということと、これはジョブ・カードに直結する部分なのですけれども、なかなかスキルの見える化というのがしづらいのがサービス業です。こちらのいわゆる能力評価ツールとしての観点でのジョブ・カードの導入というものを考えています。

 61ページです。このジョブ・カードにひも付いていますグローイング・アカデミーというのはどんなものかというのを簡単に書かせていただいておりますが、弊社のほうでサービス業、これは飲食であったり宿泊業であったり介護であったり、様々な業種が含まれるわけですが、これらの現場で必要となるスキルを、大体100種類の講座にまとめていまして、そちらを随時御提供させていただいています。弊社は学校といいますか、教室を持っております。そちらに皆さん御予約いただいてお越しいただくというような形を取っておりまして、その人数が先ほど申し上げた、7年間で延べ30万人ほどの方が御受講いただいていると。ただ、この履歴というものは、一応システム上には残ってはいるものの、有効な形でなかなか活用できていないということもございまして、今回ジョブ・カードの導入と、また我々のお客様、会員企業と呼んでいますが、会員企業様方への普及をやらせていただいています。

 これがどういったものかというところと、今日は事例として1社、ゴルフ・ドゥ様という我々のお客様の企業様との取組を御紹介させていただくのですが、ゴルフ・ドゥ様が受講されている映像というのをテレビで以前放映されたものが残っておりましたので、イメージをお持ちいただくためにも3分ほど御覧いただければと思います。よろしくお願いします。

(動画)

○齋藤()ホスピタリティ&グローイング・ジャパン このテレビの放映は5年前です。戸井田さんという方が事例で出ておりますが、彼が新入社員の頃だったのですけれども、現在、彼は店長になりまして、非常に店長として活躍をされていると。継続的な教育は、そういった成長につながると我々は考えております。

 資料の62ページです。このサービスを弊社はずっと創業以来やってきているのですが、今回、システムを変更することになりまして、いわゆる管理システムから自動的にジョブ・カード様式で様々な学習、今回の受講履歴だったり、あるいは、この後御説明しますが、行動の履歴を蓄積できるようにということの変更を加えています。

 63ページです。弊社では様々な講座、100講座ほどある講座を受講するたびに、ジョブ・カード様式3-2のほうに、現状はコピー&ペーストみたいな形になっているのですけれども、現状開発しているシステムが完成しますと、自動的に様式で吐き出すと。ジョブ・カードのフォーマットで、プリントアウトがすぐできるような形というのを今、開発しています。弊社の場合、お客様は皆様接客サービス業の方ですので、単に勉強しておしまいということでは、余り意味がございませんので、現場でどれだけ行動が変わったかということが当然企業の業績にも直結いたします。ですので、行動目標を決めていただきまして、その行動を実際にやったのかやらなかったのか、やった結果どうだったのか、またそれを上司にチェックをしてもらって、フィードバックをもらうというようなところまで、これをシステムで今運用をさせていただいております。この行動目標の設定と、それに対して実際どうであったのかというところが、ジョブ・カードによります様式の3-3-1-1に全て反映をされるというような形で、データの蓄積をさせていただいております。実際後で現物のほうをゴルフ・ドゥ様の実例を、許可を頂いておりますので、皆様お手元に配布しておりますが、こちらで御説明をさせていただきます。

 64ページは、私どものグローイング・アカデミーというサービスの中で、ジョブ・カードの対応している様式についての一覧を出させていただいております。

 65ページ以降、先ほどのゴルフ・ドゥ様の事例の御紹介になりますけれども、66ページはゴルフ・ドゥ様の会社概要が書いてあります。先ほど御覧いただいてお分かりのとおり、中古のゴルフクラブの買い取り販売というチェーンでございまして、名証セントレックスのほうに既に上場しているような会社様で、全体で70店舗超の店舗がございます。

 67ページ、ゴルフ・ドゥ様の活用背景です。我々と付き合いが長い企業様でございまして、我々が今回ジョブ・カードに取り組むというところでのトライアルをお引き受けいただいたという点と、もう1つ、仕組みで人材を育成したいという部分と、社員のスキルを見える化したいというところで共通の思いがありまして、今回の導入に至っております。

 68ページです。今回、ゴルフ・ドゥ様と我々の取組の中でジョブ・カードに期待する効果というところで、ここにありますが、特にこの2番目、人材輩出企業になりたいということで、ゴルフ・ドゥ様の経営者である伊東社長の思いとして、例えばゴルフ・ドゥの出身者であれば、それは採用だねということを他社さんに言っていただけるような人材を輩出したいという思いがあります。ただ、現状、サービス業の転職といいますのは、もともとどこどこで店長をやってましたとか、企業名と役職ぐらいしかスキル証明になるようなものがありません。そうではなく、実際にゴルフ・ドゥで勉強する中でこれだけのトレーニングを受けてきて、これだけの行動を実際にやって評価を受けてきましたというようなところを見える化する意味で、ジョブ・カードの先ほど申し上げた様式というのは使いやすいのではないかなということで、実際に今回、御利用いただいております。

 活用事例は6970ページでAさん、Bさんということで入れさせていただいておりますが、時間の関係で、お一人だけAさんのことを御紹介させていただければと思います。お手元に先ほどAさんの資料、現物をお配りをさせていただいております。一番表に、Growing Action Planというものがございます。こちらが、先ほどテレビ映像で御覧いただいたような講座を受けた後に記入しておりますシートです。これが受講の証明という形になりますのと、中段のほうで、具体的な行動目標を設定いただいているのがお分かりいただけるかと思います。事業者様ごとに必ずこういった行動目標を我々設定していただいておりまして、こちらのほうが先ほどの様式の3-3-1-1に反映をされるという形になっております。

 めくっていただきますと、ジョブ・カードの3-2の様式が出てくると思うのですが、このような形で、弊社で受講いただいた研修について、全てタイトルと内容をジョブ・カード様式の中で蓄積をしていくと。こちらの企業様ですと、多い方であれば、大体1年間で10講座ほど弊社の講座を御受講いただきますので、ここが10個たまっていきます。それだけのことを実際に勉強しましたよということをここに蓄積してまいります。プラス、先ほどの一番最後のほうですね、3-3-1-1の所、これを1ページだけ付けさせていただいておりますけれども、実際にこれらの講座にのっとって、アクションプランの設定をしております。このアクションプランに関しては、こちらの一番最後の3-3-1-1の様式に書いてありますが、各講座ごとに、職務遂行のための基準という所で、中段にお客様の潜在ニーズを把握できるように、ヒアリングパターンを増やす等の目標設定をしております。こちらの目標について、自己評価と企業評価、それぞれ入れまして、総評、コメントという形で、これは上司からの評価ですね。もっとこうしたほうがいいですよというような形での改善提案というものもコミュニケーションのやり取りをさせていただいて、これが上司とのコミュニケーションによる離職の防止であったり、自己承認の向上というところに役立てられるのではないかなということで、3-2ないし3-3-1-1の様式のほうを活用しております。

 71ページです。ゴルフ・ドゥ様、私どもとの取組の中で、現状はまだ直営店だけですが、ほかの企業が運営しておりますフランチャイズ店舗での展開という部分、その他こちらに書いてございますような内容を今後やっていこうと考えております。弊社といたしましては、先ほど申し上げましたように、会員企業様1,800社いらっしゃいます。まだ現状はトライアル的な取組ですので、まだ10社ほどの取組にとどまっておりますけれども、今回弊社のシステムの改善が完了しますと、どの企業様でも、ジョブ・カードを知っている知らないは置いておいて、その様式への出力というのが可能になってまいります。そこからジョブ・カードというものを知っていただいて、御一緒に普及を進めていけるような形というのが、私どもの今の目標です。これが引いては72ページ2行目にありますように、サービス業における地位向上であったり、スキルの見える化というものにつながっていくのではないかなというふうに考えておりまして、現在、このようなお取組をさせていただいているというような状況です。すみません。長くなりましたが、以上です。

○厚生労働省松瀨室長 齊藤様、ありがとうございました。事例発表は以上です。座長にお返しいたします。

○樋口座長 どうもありがとうございました。アデコ株式会社、株式会社いなげやさん、そして株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンさんからお話を伺いました。ただいまの発表につきまして、御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。

○小杉委員 御三社とも、すごく良い事例を聞かせていただきまして、大変心強い感じです。その上でお聞きしたいのは、ある段階で試行的、一部という状態だと思いますが、これを全社的かつ継続的にやっていくために、課題といったようなものは見えていらっしゃいますでしょうか。もし課題がありましたら教えてください。

○樋口座長 では、順番にアデコさんから。

○アデコ() 現状、対象とする人数というのが多いので、キャリアコンサルティングを通して使用する機会を全体に持っていくのが少し難しさは感じております。ただし、それは対応する人数によりますし、希望されるのであれば、やりたいという気持ちはあるので、今後やり方を考えていくのと、あとは派遣社員をやっているのですが、派遣対象者なので、ほかの例えば官公庁さんや、地方自治体のほうからの委託事業等で参加をしているメンバーに使うことも検討しています。

○小杉委員 課題は、コンサルティングを1人ずつやるのが時間と手間が掛かるから、そんなにたくさんはできないということですか。

○アデコ() 書いていただくだけであれば、対応ができるのですが。

○小杉委員 でも、コンサルティングが大変なのですね。

○アデコ() そうですね。キャリアコンサルティングを今はセットで考えていますので、現状は数が限られております。

○樋口座長 公務員でやってはどうかという話が出ていましたが。

○アデコ() はい。

○いなげや() 私どもも今、新入社員から始めたところです。先ほども全社員にという目標は申し上げてはいるのですけれども、目標は最終的にはそこなのですが、やはり私どもも今お話があったとおり、キャリアコンサルティング面談とのセットでの活用ということが非常に有効だと思っております。そうしますと、費用とか時間等も含めると、2,000人の社員ということも考えますと、結構時間は掛かっていくかなと思います。ですので、先ほどもありましたように、特に今は新入社員であったりとか、女性社員であったりとか、まずは重点的な社員層を対象とし、その後に広げていこうと。もう少し検証をする時間が必要です。ただ、今回は新入社員からの感想で、次の面談はいつですかというくらい、やはり終わった後、我々今までたくさんの人事研修をしてきたのですが、こんな声は初めてで、本人たちも非常に有効性ということは分かっていますので、しっかりと社内でこれから、この有効性を周知していきたいというふうに思っております。

○樋口座長 それでは、ホスピタリティ&グローイング・ジャパンさん。

()ホスピタリティ&グローイング・ジャパン 我々の場合、私どもは社内でもそうなのですが、やはり顧客企業様への普及という観点で申し上げさせていただきますと、企業様にこういう話をさせていただきますと、ほとんどの企業さんが、もし求職者の人がジョブ・カードを持ってきたらちゃんと見たいという話になるのですね。私どもの使い方はキャリアプランの職業能力証明に現状では力点が置かれてますので、先ほど申し上げたように、この人がどんなスキルを持っていて、どんなトレーニングを今までしてきて、何ができる人なのか、もしジョブ・カードを持ってきてくれる求職者がいたら、すごく分かりやすいよねと。ただ、自分の社員にそれをやるとなると、先ほどの手間の問題であったり、そういったところでなかなか二の足を踏んでいらっしゃるという企業様が多くて、やはり企業側に対してのメリットというものが、今は若干見えにくいのかなというようには考えています。ジョブ・カードを徹底的に取り組むことによって、何かしらの企業の経営上のメリットが出てくるようであれば、私どももそれをお伝えしやすいところではあるのですが、現状ですと、本当に理念的に先ほどのゴルフ・ドゥ様のような企業様であれば、さっと取り組んでいただけるのですが、全体にこれを普及させようということになりますと、実際やってどうなるのというところとの見合いのところは、恐らく課題になってくると思います。以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、以上で3社からの事例報告を終わります。

 最後の議題ですが、資料4について事務局から説明をお願いします。

○厚生労働省松瀨室長 資料4は、ジョブ・カード制度総合サイトの利用者分析です。前回に引き続いて、株式会社NTTデータの柳武様から御説明をお願いします。

()NTTデータ 資料73ページからの御説明となります。受託会社である()NTTデータ柳武から御説明をさせていただきます。本日の内容といたしましては、73ページの下段にある目次に従い御説明をさせていただきます。

 では、資料を進めていただき、74ページの「はじめに」になります。こちらを簡単に読ませていただきますが、「ジョブ・カード制度の活用を促進するための周知広報用ポータルサイト等の運用に係る業務」で行った、総合サイトへのアクセス状況等の調査結果です。なお、全体的に昨年度報告内容から、傾向の大きな変動はありませんでしたが、昨年度及び本年度事業における取組によるアクセス状況への効果等について、説明を行わせていただきます。

 報告対象期間については資料のとおりでして、本日、御報告するのは大きく4点あります。1点目がランディングページのアクセス、2点目が利用者のページ読了率、3点目が利用者が使用するデバイス及びブラウザ、4点目が利用者がアクセスするチャネル、この4点について御説明させていただきます。

 では、1点目の内容についての御報告となります。資料の75ページです。1点目、ランディングページのアクセスについてです。こちらは利用者が最初にアクセスするページ、ランディングページのアクセス状況について、以下の傾向が見られました。

 傾向といたしましては、青字で書いてありますが、①昨年度末に公開いたしました特設ページのアクセスがアクセスの上位となっております。資料中段に表がありますが、項番12のページについては、昨年度と同じ傾向ではありますが、昨年度オープンいたしました特設サイト、ページの右側に画像がありますが、こちらのページになります。こちらがアクセスの上位に入ってきております。考察といたしましては、特設ページについては、厚労省のホームページからリンクが設定されており、利用者にとっての認知度が高く、また、興味を高める内容となっているものと推測されます。そのため、引き続き今年度も同じような特設ページを作成し、集客強化を図っていくべきと考えます。

 続いて2点目に移ります。76ページです。こちらが利用者のページ読了率という観点となります。今年度からユーザーが各ページをどれだけ最後(最下部)まで閲覧しているかといった割合(読了率)についての測定を行っており、以下の傾向が見られました。

 傾向といたしましては、文字が少ないページやスキルチェック(アセスメント)については読了率が高いという傾向が見受けられました。それらの考察といたしましては、アセスメントは利用者が興味を持つページと考えますので、そのため最後まで閲覧されたものと推測されます。そのため、自己理解を促すアセスメントのコンテンツを掲載することで、利用者が増加する可能性があると考えております。

 続いて3点目の御報告です。77ページです。こちらが利用者が使用するデバイス及びブラウザの傾向となります。①昨年度と同様に、パソコンからのアクセスが圧倒的に多いというのは特に変わりがなく、②の利用されているブラウザについては、Internet Explore、並びにGoogle Chromeが多いという傾向がありました。これらから考察を、2点挙げさせていただいております。1点目ですが、現在、作成支援WEBについては、IEのみで利用可能ですが、今年度末にシェアの広いChromeでも利用可能となります。そのため、上記対応により、作成支援WEBの利用者が増加する可能性があると考えている点です。2点目が、現在、スマートフォンからのアクセスが低い傾向にありますが、今年度末に、作成支援アプリ(スマートフォン用のアプリ)に対話型の機能を追加予定です。左記のスマートフォン利用者向けの機能拡充により、スマートフォンからの利用者が増加する可能性があると考えております。

 画面イメージを現在構築中ではありますが、右側に示させていただいております。こちらですが、LINE風の入力形式でジョブ・カードを作成していくという画面となっております。また、作成に当たり、システム側からの問い掛けに応じ、それに応えていきながらジョブ・カードを作成するといったものです。文章がなかなか書きづらい方に対しての支援をしていくといったものの機能を現在、構築しております。

 最後の報告ですが、利用者がアクセスするチャネルです。こちらは、利用者が総合サイトへアクセスするチャネル(流入元)については、以下の傾向が見られます。傾向といたしましては昨年と同様となりますが、「検索エンジン、直接アクセス、リファラ、SNS」の順となっております。SNSの利用状況等を鑑みますと、若干アクセスが低いものと考えますが、昨年度よりもアクセスは増加してきていると考えております。

 考察といたしまして、1点記載させていただいております。昨年度の同時期と比較して件数が増加しているという傾向もあり、LINEサイトの開設やTwitter等での周知により増加が期待できるものと考えております。そのため、引き続きSNSでの情報発信及びLINEサイトの周知を行っていくことで、アクセス数が増加できるものと考えております。

 以上が個々の内容の御説明となり、79ページが今まで御説明したものの取りまとめの内容となっておりますが、大きく5個の提言ということで、特設ページによる集客、アセスメントコンテンツの掲載、作成支援WEBのサポート範囲拡大、スマートフォン向け機能の拡充、SNSでの周知継続、こういった点を継続的に実施していくべきものと考えます。御報告については以上です。

○樋口座長 ありがとうございました。それでは、説明について御意見、御質問をお願いします。いかがですか。御注文なり何なり結構ですが。よろしいですか。

○小杉委員 アセスメントコンテンツをこれから拡充されるというのですが、これは前のほうにリアセックが書いてありましたが、そういうことでしょうか。

○厚生労働省松瀨室長 御協力いただく業者さんをまた別にお願いしており、そちらと共同でやろうかと書いてあります。

○小杉委員 そうすると、使われるアセスメントコンテンツというのは、興味検査のようなものではなくて、どんな。

○厚生労働省松瀨室長 そうです、リアセックです。

○小杉委員 リアセック、興味検査ですか。

○厚生労働省松瀨室長 はい。

○小杉委員 はい、分かりました。あれは割とあちこちで使われているので、評判がいいのです。

○厚生労働省松瀨室長 はい。

○樋口座長 よろしいですか。

○大久保委員 全体の話でもいいですか。冒頭の行政事業レビューのお話の中にも、中高年の利用促進についてのお話があったかと思います。私は確か第6回のときにも、定年退職を迎える前の段階での活用についてということで、方法論を検討したほうがいいのではないかというお話をさせていただいたところだと思うのですが、具体的にどういう形で進めていくのかを考えなくてはいけないところだと思っています。

 前回もお話したとおり、かなり昔の段階から、むしろ中高年の人で長い経歴を持っている人のほうが、ジョブ・カードはいろいろな意味で活用できる可能性があるのではないかということは、議論としては挙がっていたのですが、なかなか前に進んでこなかったと思うのです。ただ、一方で、例えば定年退職を目前にした段階でジョブ・カードを作ろうと思うと、相当難しいと思うのです。膨大になるし、そもそも思い出せないという感じで、いったい、いつ何をやったかと、なかなか記録が残ってなかったりということもあって、ある程度もう少し早い段階で何かのきっかけの所に部分的に作ったものが素材としてあって、例えばそれがセカンドキャリアでそういうことを定年以降、再雇用で働き続けるのか、ほかに道を考えるのかを考えるときに、それを取りまとめて観察させるぐらいのステップを踏まないと、実際にはなかなか活用されない。つまり、4050代に入るぐらいのところの入口で、何かしたきっかけでジョブ・カードを一部作るような流れがないと、実際には活用できないと思います。

 どうやって、何がそのきっかけの入口になるのか。今日の企業内の事例として、教育研修の履歴を残すやり方とかが特に強調されたのですが、中高年の利用促進についてどの辺りを最初に着手するのかについて、もし何かお考えになっているところがあるならお聞きかせください。

○樋口座長 これはまず事務局から答えていただきますが、企業の方にも、あるいは組合の方にも御意見を頂きたいと思います。

○厚生労働省松瀨室長 あくまでも厚労省が来年度予算の中で取り組むものです。それを1つ紹介したいと思います。来年、室は違うのですが、正しくミドル、シニアの方たちは、経歴がいっぱいあるわけです。ジョブ・カードに書くべき情報がいっぱいあるわけですので、そういった方々にまずジョブ・カードの作成に御協力いただき、長いキャリアを分析できるように、例えばAIのようなものに食わせて、ミドルからシニアに掛けてのキャリアの動きなどに、何か新しい気付きが得られるような分析ができないかという取組を、来年度からやろうと思っております。当室の事業との絡みでは、先ほど言いました実践的能力評価強化事業で開発中の新しい書きやすいジョブ・カード様式を、その事業に使おうと考えているところです。以上です。

○樋口座長 今、行政事業レビューという話がありましたが、ちょうど今、70歳までの雇用の継続といいますか雇用支援が議論になってきています。それで使うようにというような要請もあって、正にどうしたらいいのかなどと、むしろ皆さんからお知恵を頂ければと思いますが、企業の方から何かありますか。組合はすごく重要な役割になってくると思うのですが、もし何かアイディアがあったら。

()ホスピタリティ&グローイング・ジャパン アイディアというほどではないのですが、先ほど御説明したように、弊社がやった履歴は残せるようにしましたというのは、今やっていることですが、次のステップとして、弊社がやったものだけではなくて、例えば企業内でやっているトレーニングであったり、あるいは、私どもではない、他社の研修であったり、そういったものはトータル全て放り込めるシステムを今作っております。そうすると、我々のものだけではなく、社内の研修、他社の研修も含めて、その方が受けたものは全て自動的にジョブ・カード様式で吐き出せるようになるという構想で、今進めてはおります。ただ、過去のものを遡って取れるものではありませんので、今後という形にはなってしまいますが、そのような形での履歴の蓄積が始められるようにしたいというのは、今、取組をさせていただいております。以上です。

○内田委員 今、座長から、高齢者雇用の70歳という話がありましたが、高齢者の体力的な面とか、例えばいろいろな高所作業をやるにしても、重いものを持つにしても、夏場にしても、冬場にしても、ハンディが出てくるわけです。これまで若いうちから培ってきたキャリアをジョブ・カードに反映させますが、キャリアに加えて、医学的な知見ということではなくて、健康状態や体力面に応じた能力部分もある程度反映させながら、幅広く就職支援で活用し、健康状態や自分の体力面での状況を踏まえて仕事をマッチングさせていくことが、特に高齢者雇用の場面では重要になってくるのではないかと思います。今、政府でも未来投資戦略会議で議論していますが、高齢者になればそういった体力的な部分に注意を払う必要があり、働く場面での安全面を重要視しなければならないので、労働組合としては、そういう面にアプローチすべきではという考え方を持っています。

○神保委員 私からも意見を1つ。高齢者はこれからいろいろ出てくると思うのですが、それと併せて産業がいろいろ動いてくるときに、技術が革新していくときに、スキルチェンジをいかにしていくかというのは、電機産業にとっても大きな課題です。そのときに、高齢者に限らず、これからはある意味、社内だけだったのが、グループ企業だけだったのが、もっと違うような産業を超えてというスキルチェンジが出てきたときに、自分のスキルをどうアピールしていくのか、そこをどうつなげていくのかといったときのツールとしては何かが必要なのです。その何かが何なのかというところが、今、非常に難しくて、ここにこれが1枚絡んでくると、これが広く周知されてくると、それが非常にスムーズにいくことにもつながるのではないかと。そこのスキルアップ、スキルチェンジ、その流動性といったところに、労働組合が流動性と言うのはどうかと思いますが、現実問題、それをどう考えるかというところには、1つこのきっかけにはなる可能性はあるのではないかと思います。

○小杉委員 アセスメントですね。

○神保委員 そうです、おっしゃるとおりです。

○大久保委員 若年者がジョブ・カードの書式を使って書くのと、実際に定年を前にした人が書くのと、大分違うのではないかと思っています。つまり、若者も含めて全ての人に使えるジョブ・カードをシニアの人に使ってくださいというのは、1つの方法ですが、実際にシニアの人たちにもう少し特化した書式も、必要ではないかと思っています。その人たちが長い経験をどういう形でいかそうかとか、どのスキルをいかそうかと自分なりに考えたり、セルフチェックをしたりするようなものというのは、ここで作っている若年のキャリア・カードのプロセスとは思考プロセスも違うのです。そういう人にフィット感のあるジョブ・カードの書式を作るというのは、1つの道筋かと思います。

 もう1つは、今、50代前後のときにキャリア・デザイン研修のようなものを企業内でもやっていますので、そういう研修を提供しているプロバイダーもありますので、そういう所と少し連携してこの問題を考えてみるのも、1つあるかもしれません。

 もう1つは、先ほど体力のお話もあったのですが、うちの会社でもシニアの人たち向けに、いわゆる健康診断ではなくて、仕事をする上での体力のチェックシステムというか測定システムを作ったのです。例えば、そういうものをこの書式に落とすというのも1つあるかもしれません。多分、シニアという人たちに特化して考えることによって、いろいろな新しいアイディアが出てくるのではないかと思いますので、その辺を工夫していただくといいかと思います。

○樋口座長 ありがとうございました。参考にして事務局としても開発なりしていただきたいと思います。ほかにいかがですか。

○五十嵐委員 せっかくの機会ですので、企業の皆さんに貴重な発表を頂いて、ふと思ったのが、いなげやさん以外は、ある意味では研修とか教育のシステム等、いろいろなスキルを持っていらっしゃる。いなげやさん自身は、これは人事が皆やっていらっしゃるのですか。

()いなげや この取組で、主導は人事でしておりますが、人事が担当するべきではないというか、もしかすると少し人事的な立場が受ける側に伝わってしまうので、本来であればもう少し中立な立場の部署のようなものがあればということです。実は社内にライフサービスセンターという、従業員のいろいろな相談を聴く部署があり、そこにキャリアコンサルンタントの資格を持っている者もおりますので、今後はそちらの部署と連携しながら活用を検討はしていけなければいけないと考えております。

○五十嵐委員 中小企業とか地方の企業の場合、どうしても自社内で取り組もうというときに、外部委託するか、自社内でやるかなどがネックになっていると伺うものですから、ありがとうございました。

 あと、ついでですが、目標・目的を考えたときに、関心はあったり、自分のキャリアについていろいろ計画を立てたいのですが、特に若年労働者の場合は、計画を立てるといっても、ステップが見えないといいますか、正にキャリアモデルですね。そうなってくると、新入社員の研修に使うときに、ある程度のサポート、経験が前提として必要かと思うのですが、その場合、例えばいなげやさんからは、「ポストに就くのがある意味では目標」というお話があったのですが、いや、「ポストに就くのが目標ではない」、「もっと自分で好きなようにやりたい」という社員がいたときに、そういうキャリアはどう保証するのか。多様な社員が出てきたときに、ある意味でモチベーションとエンゲージメントがあれば、「出世は目的ではないです」という社員も出てくると思うのです。そのような場合に、コンサルタントがうまくサポートできるかどうかというところもあったのですが、もしお考えがあれば。

()いなげや 確かにコンサルタントが、例えば社内の出身者で、社内の業務などにも精通していて、うまくアドバイスできて社内のキャリアを考えてあげられれば、そのような人が担当するほうがいいと思います。今回、新入社員については、社内ではなくて、全て外部の方にお願いをしたのですが、逆に個々の出来事ということではなくて、もっと広い形での社会経験として捉えることが大切だというお話を、面談の中でしていただいたようですので、その点が非常に良かったかと思います。

 もう1つ申し上げますと、スーパーマーケットというのは非常に労働集約型の作業の典型的なものでして、自分自身の仕事がキャリアとして捉えにくいのです。ここで言うと、例えば毎日、商品を発注して荷出しして、陳列してというようなことの繰り返しです。先ほどシニアというお話もあったのですが、それを何年も続けた中で、自分の中でキャリアというか、何が自分の職能としてきちんと身に付いたのかは、これも会社の責任もあるのですが、そういったところがなかなか捉えにくいのです。そういう意味でもしっかりと、例えばジョブ・カードを使いながらそれを振り返る、いい道具ですし、そういう機会にしていくという意味でも必要だということは、先ほども申し上げたところです。その中から感じた個々の価値感がキャリア形成の基であり、それはポストではないとういう、多様な考え方はもちろんあると思います。

○五十嵐委員 今のお話を伺っても、ジョブ・カードの中でスキルの蓄積だけではなくて、スキルがいろいろな連鎖をしていくというのですかね。ですから、必ずしもステップを踏まなくても、正にスーパーのお仕事の中で、このようなことをやった経験が実はこちらにもいきていますと、よく言う汎用性みたいな部分もむしろバックアップとしてあれば、なぜ私はこの仕事をやらなくてはいけないのだという不適応感は、かなり避けられるのではないかと思って伺ったものですから、どうもありがとうございました。

○樋口座長 どうもありがとうございました。ほかにいかがですか。

○岩崎代理(小林委員) 先週、秋の行政事業レビューがあったのですが、この事業を効率的・効果的にやるというのは大事かと思います。我々はこの事業を請け負っているわけですが、地方での役割にもう一度目を向けていただきたいと思っています。今、地方は仕事がそれほどないですし、求職者もいないということで、選択肢が少ない中で、ジョブ・カード制度の職業訓練を使って地域に人材を定着させているという役割があります。効率的にやるなら都市部に集中してやるという方法もあると思いますが、ジョブ・カード制度の職業訓練が全国で効果をある程度上げているということを御認識していただければと思います。

○樋口座長 厚労省は全国展開のほうで、ハローワークを通じて全国でやっていくことはあると思いますが、あと、正に商工会議所さんにもお願いしてやっていることはあると思いますが、何かありますか。

○厚生労働省松瀨室長 ハローワークは、冒頭で議論しましたように、実は全国ネットでやるということに加え、これはもちろん国の事業でして、それで全国でやるということで、全国組織を持っている、現在は事業主にお願いしているということで、それは仕事としては今後も継続してやっていきたいと思っております。

○樋口座長 ありがとうございます。もしかしたら、地方のほうが本当に必要なのかもしれないと思います。よろしいですか。よろしければ、貴重な御意見をありがとうございました。今後の施策の展開に是非適切に反映していただくようお願いしたいと思います。

 それでは、厚生労働省から次回の会議等について説明をお願いします。

○厚生労働省松瀨室長 次回の会議については、ジョブ・カード制度を取り巻く状況の変化などを見つつ、座長とも御相談の上、開催日程を決めたいと思っております。具体的な開催時期が決まりましたら、各委員に日程調整の御案内を差し上げます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、樋口座長におかれましては、今回のジョブ・カード制度推進会議をもって座長を退任なさいます。座長から御挨拶を賜りたいと存じます。座長、一言御挨拶をお願いいたします。

○樋口座長 長い間どうもありがとうございました。私がこの仕事を引き受けたのは、まだ内閣府にジョブ・カード推進協議会があった当時で、そのときの会長は森下洋一パナソニック会長でしたが、ご事情でお辞めになり、私が指名されたという経緯でした。

 その当時議論してきたことが、正に本日の会議で議論となったジョブ・カードのシステム化。当時、ジョブ・カードを紙媒体ですすめていく中、そこにいろいろと書きこんでいくときに、それこそ蓄積してきたもの、いわば、何かトレーニングなりを受けて、そこで得た知識、技能というものを書き加えていくことが、紙媒体だとなかなか難しい。どうやって持ち歩くことができるのだろうかというポータビリティ化の議論があって、パソコンのシステム化が必要だろうという議論につながっていったわけです。しかし、政府は予算確保が難しいから当面は紙で進める方針でやってきたと思います。それから、雇用保険2事業による予算を確保できたということで、いよいよ今日のようにジョブ・カードのシステム化が進展した状況になったかと思います。

 私も、このジョブ・カードは職業能力開発なり、あるいは転職なり、正規雇用化なり、非常に重要な役割を担っていると思っておりますし、それは時代が変わっても、人手不足になっても変わらないのだろうと思っておりますので、是非、このジョブ・カードを有効な手段として進めていっていただきたいと思います。長い間にわたり御支援いただきまして、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

○厚生労働省松瀨室長 樋口座長、ありがとうございました。以上をもちまして本日の推進会議を閉会いたします。皆様、ありがとうございました。

(了)

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