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2017年10月25日 第14回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成29年10月25日(水)15:00~17:00


○場所

ベルサール神保町 Room1+2(3階)
東京都千代田区西神田3-2-1


○出席者

井口、小坂、川越、粟田、田中、福井、藤井、藤野、松田(敬称略)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定の効果検証及び研究調査に係る調査(平成29年度調査)の調査結果(速報値)について
2.その他

○議事

○西嶋介護保険データ分析室長 定刻となりましたので、第14回の「社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会」を開催させていただきます。

 まず初めに、本日の委員の出欠状況でございますけれども、今村委員、堀田委員、森本委員は御欠席ということでございます。また、松田委員長が遅れて来られるという御連絡をいただいてございます。

 あらかじめ委員長よりは、その間、藤野委員に委員長代理ということで御指示いただいてございますので、そういう形で進めさせていただければと思います。

 では、以降の進行を、当面、藤野委員よりお願いいたします。

○藤野委員 それでは、松田にかわりまして司会代行させていただきます、産業医科大学の藤野です。

 それでは、早速ですが、議事に入らせていただきたいと思います。事務局より、本日の資料の確認をお願いいたします。

○西嶋介護保険データ分析室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 資料1といたしまして、今回の改定検証研究に係る調査(平成29年度調査)の結果(案)ということで、これは速報版ということになってございますが、その下に、1-1から1-5まで5調査分の速報版の(案)をお示しさせていただいています。そのほか参考資料1から5を御用意させていただいてございます。

 また、各委員にお配りしている資料につきましては修正済みですけれども、傍聴の方々にお配りしている資料の中で、資料1-3の最後、15ページに差しかえをあわせてお配りしておりますので、御了承いただければと思います。

 また、本日、机上には速報値の先ほどの資料とは別に、参考資料ということで机上配付資料を御用意させていただいてございますので、適宜議論の中で御参照いただけますと幸いでございます。

 資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

○藤野委員 ありがとうございます。

 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び研究調査に係る調査(平成29年度調査)の調査結果(速報値)について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○西嶋介護保険データ分析室長 それでは御説明させていただきますが、その前に、今般、今年度は改定の年ということでございますので、これまでと違いまして、今回お示ししている調査の結果につきましては速報値ということになってございます。これにつきましては、今後の介護報酬改定の議論に必要な内容等を中心に、速報値という形で本日御審議をいただくものになってございますので、これ以外の資料、まだ結果が出ていないものもございますけれども、そういうものにつきましては最終版で改めて御報告させていただこうと思ってございます。

 また、今回の資料内容につきましては、調査の目的に関する内容を中心にまとめさせていただいてございますけれども、今回の資料以外の内容につきましても、最終報告までの間、今後の介護給付費分科会の議論の中で、必要な場合には各調査組織の委員長と調整をさせていただいた上で、この場で最終報告の議論をさせていただく前に、分科会で活用させていただく場合もあるということを御承知おきいただきたいと思っております。

 早速、これから資料を御説明させていただこうと思います。資料1で5つテーマがございますので、まず、1-1の調査から説明させていただこうと思います。お手元の資料1-1をごらんいただければと思います。

 まず1ページ目でございますけれども、本調査の目的ということ。これは定期巡回・随時対応サービスを含む訪問サービスの提供状況の調査研究事業ということになってございますが、27年度の前回の改定におきまして、特に定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスにつきましては、夜間から早朝の間におけるオペレーターとして充てることのできる施設、事業所の範囲を拡大するなど人員配置基準の緩和を行う。あるいは集合住宅におけるサービス提供の評価の見直しということを行わせてございますので、今後の改定に向けてそういったものがきちっとなされているのか、特に時間帯ごとの随時コールの内容、あるいはオペレーターの対応状況を確認するとともに、集合住宅におけるサービスの提供の実態についても調査を行ったというものでございます。

 調査方法につきまして大きく4つございますけれども、まず1つ目ですけれども、悉皆調査ということで、730の事業所に対する調査です。これは回収率50.8%。

 そのほか、15の事業所にお願いしましてタイムスタディをさせていただいてございますので、御報告いたします。

 3つ目としては、無作為抽出で訪問介護事業所1,100カ所に対して事業所調査をさせていただいてございます。

 そのほか、自治体調査ということでございます。

 2ページ以降、御説明させていただきます。

 まず、2ページ目、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所ということですけれども、左上、指定の状況ということですが、あわせて訪問介護の指定を受けている事業所が6割ぐらい、59.9%あるということでございました。

 右側を見ていただきますと、その利用者の属性ですけれども、要介護3以上が5割、また、その世帯構成で見ると8割、80%が独居というような世帯の状況になってございます。

 次のページめくっていただいて、3ページ目以降、タイムスタディ票でございます。まず、3ページ目の上、コールの状況ということで、1日当たり1事業所当たりのコールの回数を時間ごとに見させていただいているものでございます。これは棒グラフがコールの数の平均値、そして折れ線が実際にコールを受けて訪問した回数の平均値を1時間単位で折れ線グラフで示しているというものでございます。午前10時、そして夜のほうで言うと21時あたりが、折れ線、あるいは棒グラフとも高さが高いということになってございます。

 その下の表ですけれども、これは人単位。平均の利用者数というのを時間ごとに今度見ていますけれども、同じように、コールした利用者の数が何人いたのか、あるいは実際に訪問した利用者の数は何人だったのかを見ていますが、傾向としては同じように、10時あたりにピークがあるということでございます。

 次、4ページ目ですけれども、それをさらに少し細かく分析していまして、事業所を大きく3つの類型に分けています。1つは、(1)と書いてございますけれども、全利用者が集合住宅にお住まいの場合、2つ目が集合住宅にお住まいの利用者が全くいない事業所、そして3つ目は両方ある事業所ということになってございまして、先ほど御説明したものと同じような分析をそれぞれごとにさせていただいています。

 それぞれ黒い棒グラフと黒い太い折れ線グラフがその傾向を示しています。それぞれの表にある白抜きのグラフが、先ほど3ページ目で御紹介いたしました全体のサービス平均の状況を示しているということで、それを見比べていただければわかるかと思いますけれども、(1)のところを見ていただくと全体的に棒グラフの長さが長い、コールの回数、あるいは実際に訪問した回数が多いというようなことがあります。(2)(3)番がそれに比べると徐々に黒い棒グラフが低くなっているという状況が確認できるかと思います。

 次おめくりいただくと5ページ目ですけれども、今度は集合住宅という観点で、事業所票でございます。まず1つ目ということで、その集合住宅にお住まいの利用者さんがどれぐらい全体でいるかということを、悉皆調査ですが、見てみますと、平均で9.7人ということですけれども、その中で有料が最も多いということで、1集合住宅当たり20.4人というような状況になってございます。

 集合住宅の経営母体と事業所の法人の関係について見ているものが左下の表になってございます。同一法人の場合、そうでない場合ということですけれども、それぞれごとに実際にこのサービスの利用者さんの人数を見てみますと、同一法人の場合は17人ということで、中央値も12人となっていますけれども、別法人、全く法人が違う場合と比べると、集合住宅における平均利用者の数が多いということがわかります。

 右の表を見ていただきますと、今度はサ高住、集合住宅、事業所との関係です。同一敷地内又は隣接している割合で、サ高住が5割、有料が6割ということで、その他それぞれ示しておりますけれども、このあたりが高いということでございます。

 6ページでございますが、実際に集合住宅までの移動にかかる時間をそれぞれの類型ごとに、左上ですが、まず見させていただいてございます。右側のところは、同じように、今度は訪問介護事業所においてどうかということで、それぞれ左側と右側で2つのサービスを比べさせていただいているものでございますので、ごらんいただければと思います。

 また、下、4番目ということで「オペレーターの兼務状況」ということになってございますけれども、オペレーターの専従の状況につきまして、実際にオペレーター全員が所属している事業所の業務に専従しているのが47.5%、ほかの事業所と兼務しているような場合が50%強ということになってございます。

 右側を見ていただきますと、そのオペレーターの方がオペレーター以外の業務と兼務しているかどうかということを見ると、9割以上が兼務をしているというような状況がわかるということでございます。

 ページめくっていただいて7ページ目ですが、そのオペレーターが随時訪問介護員を常に兼務している割合が6割あるということも上の表でわかります。

 あとは、利用者さんから通報を受ける場所、どこでオペレーターは通報を受けているのか。左のところを見ていただきますと、事業所内にいて利用者さんからの通報を基本的に受けているというのは32%ですけれども、67%はむしろ事業所の外で通報に実際に対応している場合があるということが言われています。

 特にその場合には、左下ですけれども、通話中、あるいはICTの機器を使うことがあるということで、別のコールがあった場合にきちっと気づくことができるような体制を組んだ上で事業所の外でそういった通報を受けるみたいな、そんなことをやっていることが多いということがわかります。

 右側を見ていただきますと、実際に事業所の外にいるときには、45%の方のところでICTの機器を通じて利用者さんの情報を全部参照できるような、そういう制度設計が事業所の中でなされているということがわかりました。また、同時コールがあったとしても、キャッチホンとかそういったものできちっと発信者と連絡をとるような体制を行っているという取組をしているところも一定程度あるというような状況でございます。

 8ページ目ですけれども、実際にその事業所の中でICTの機器を活用しているかどうかということを聞くと、8割ぐらいは活用していると。今後する予定だということも含めると、9割ぐらいのところがICTについての取組を行っている、あるいは行おうとしているということでございます。

 右側でオペレーターの情報の共有の範囲ということを見ていただきますと、基本的にはオペレーター全員で必要情報共有するという体制が整っているというのが84.5%ということでございました。

 下半分ですけれども、実際にICTを活用している場合に具体的にどういうものかを見ていますけれども、上から3つ目、4つ目あたり、利用者からの連絡用のコール端末、あるいはそのケア記録とか利用者さんの情報を共有可能なシステム、こういったものを導入しているところが多いということになってございます。

 実際にその効果としては右の下ですけれども、情報の管理・閲覧が容易になったということが効果、実感としてあらわれているということでございます。

 次の9ページですけれども、タイムスタディということになってございます。これは15事業所を対象にタイムスタディをやったというものでございます。9ページ目は基本的に属性を示しておりますけれども、その1番の属性の最後の説明のところですが、今回、15事業所を選ばせていただきましたけれども、実は比較的利用者さんが多い大規模なところにお願いしているということもありますので、ほかの平均と比べると若干要介護度の高い方が多いということはまずその前提としてございます。

 10ページ目からその結果を示してございますけれども、特にその15の事業所においては集合住宅に多くの利用者さんを抱えるような場合は、随時訪問の回数が比較的多いということがその下の3つの表を比べていただくとわかるかなと思います。

 また、コールの対応時間ということで右側にございますけれども、1回の電話当たり1.2分というのが平均でございますが、実際に2分未満というところを見てみると58.4%、1分未満の24%と合計すると大部分がそういう短時間で終わるコールだということがわかります。

 ページめくっていただきまして11ページ目ですけれども、時間帯ごとにそのコールの状況はどうなっているのかといいますと、これは時間帯に限らず、5割以上のコールで訪問要請があったということがわかっています。右側にコールの内容、どういう内容かということを見てみると、これも時間帯にかかわらず、傾向としては、斜め線のところ、3つ目ですけれども、排泄介助の依頼が多いということが中身としてはわかっています。

 ページめくっていただいて12ページ目ですが、そういったコールを受けてどういう対応をしたのですかということ、実際の訪問の状況を聞いています。救急車を要請した例は0.0%でございませんが、実際に訪問介護でやったというのは8割、訪問看護で訪問したというのが2割という状況になってございます。

 ページをめくっていただいて13ページは認知症の方ということで、定期巡回の15施設のタイムスタディの中で認知症の方々も含まれていたということです。どういう属性かということを13ページにまとめさせていただいてございます。

 14ページ目ですけれども、訪問介護の事業所票でございますが、比べるために見ていますけれども、一般的な集合住宅、あるいはほかのサ高住も含めたそれぞれの集合住宅別にどの程度サービス提供を行っているかをお示ししております。一般的な集合住宅、平均で見ると2.0というところが、サ高住以下、そういった集合住宅を見ると、軒並み2桁ということに平均値ではなっていますが、いずれも最大値は50だったり80だったりということで、それなりの利用者さんがいらっしゃるということでございます。

 左下を見ていただきますと、集合住宅については、減算が既にございますけれども、非該当の場合には1集合住宅当たりの人数が2.9ということで、実際に減算対象となっている場合と比べると、人数自体も非常に少ないということがわかります。

 右側は集合住宅の減算の対象の有無、実際にどの程度該当しているのかということを一覧でお示ししていますので、ごらんください。

 最後、15ページに自治体調査をしてございます。定期巡回のサービス類型に対して自治体側がどのような対象だと感じているのか、あるいはその計画上どのように考えているのかということをお示ししていますので、参考にごらんいただければと思います。

 まず1つ目のテーマについては以上でございます。

 では、資料1-2ですけれども、2つ目、「医療提供を目的とした介護保険施設等の施設の役割を踏まえた利用者等へのサービスの在り方に関する調査研究事業」でございます。1ページ目ですけれども、「調査の目的」ということで、これは基本的には老健と療養病床を対象にしてございますけれども、老健における在宅復帰、在宅療養支援の取組の評価、あるいは療養につきましては日常的な医学管理、あるいは看取りターミナルというものを27年度の改定で評価をしてまいりましたので、今後そういった役割を明確化するために、それぞれの医療・介護の提供の実態について調査したものでございます。

 調査方法につきましては、老健、病院、診療所ともに悉皆調査でやってございます。また、4つ目、タイムスタディもあわせてやってございます。これは老健施設、そして療養病床をお持ちの病院を対象にしての、入所、入院患者さんのうち、誕生日で割り付けてタイムスタディをさせていただいてございます。

 まず、2ページ目が実際の基本情報ということですけれども、これはこれまで例年御報告しているものと傾向としては変わりないと思っております。

 3ページ目めくっていただきますと、療養機能強化型A、Bというのを新しく前回改定でやっていますけれども、療養機能強化型の届出状況を見ていますが、病院では、A、Bそれぞれ48%、10%ということでございます。診療所で言えば、9%、2.7%という届出状況になってございます。

 3ページ目、右下ですけれども、老健につきまして、同じように、介護報酬上、在宅を頑張っている在宅強化型、加算型、従来型、3つの類型がございますけれども、それぞれの届出状況ということで、強化型が15%、加算型が28%、従来型が半分強ということで、これまでの傾向と変わらないと思っております。

 4ページ目には、療養病床の基本的な状況ということで、介護療養のみならず、いわゆる医療療養、療養病棟入院基本料1、2の状況についてもあわせて調査させていただいてございますので、状況をごらんいただければと思います。

 5ページ目ですけれども、そういった病院、診療所、老健が併設でどういうサービスをしているのかということを見てございます。介護療養、医療療養お持ちの病院については、ほかの併設サービス、必ずしも介護サービスは提供していないというのが36%ということでございますけれども、そのほか、訪リハ、通リハ、このあたりが多いということになっております。

 診療所につきましては、それに加えて、短期入所療養介護、いわゆるショートが併設サービスとして使われているという傾向がございました。また、老健につきましては、病院・診療所よりも多い確率で、短期入所療養介護、通所リハビリテーションあたりは併設であわせてサービスを提供されているという状況でございます。

 6ページ目ですけれども、まず老健です。左上が平均の在所日数、あるいはベッドの回転率、こういったものが在宅強化型、加算型の要件になってございますので、このあたりの実態について表におまとめさせていただいてございます。在宅強化型が200日ぐらいの平均在所日数に対して、従来型は432ということで差があるということでございます。

 右側のところを見ていただきますと、老健の加算の状況ということで、特に入所時、あるいは退所時にさまざまな手間に対して加算がございますけれども、それぞれの類型ごとにどれほど加算がとられているのか見てございますが、いずれの加算も従来型等に比べて在宅強化型が多く加算がとられているというような状況がございます。

 特に退所時の指導加算であるとか、退所時情報提供加算だとか、このあたりにつきましては、その差が顕著だということかなと思ってございます。

 次の7ページ目ですけれども、入院患者さん、あるいは入所者さんの状況ということですけれども、左側が療養機能強化型とその他と分けて、介護療養の状況を左上のところで見てございます。要介護5、4、このあたりが多いということでございます。

 右側が老健ですけれども、在宅強化型から従来型まで、これまでの老健ということで言うと、要介護度は左側の病院とは傾向は違うということかと思いますけれども、下2つの療養強化型、あるいは療養型という、療養病床から来たような老健につきましては、左側の療養機能強化型、あるいはその他と傾向としては似ているという状況かと思います。

 8ページ目ですけれども、それぞれ、療養をお持ちの病院、老健でどういった医療処置が行われているのかということを一覧にして比べて見ています。黄色い色のところは、どちらかというと老健に比べて介護療養のほうで多く行われている医療処置。唯一リハビリテーションだけ青い色をつけていますけれども、これは特に在宅強化型も含めて老健のほうが病院よりも多く行われている処置、医療ということで整理させていただいてございます。老健の中でも、在宅強化型から従来型というところと、右2つの療養強化型、療養型とは傾向は少し違うということがおわかりいただけると思います。

 次の9ページ目ですけれども、それぞれ病院、老健の方がどこから来ているのかということで、入所前の居場所を割合で見ています。いずれも、病院、診療所、白い色のところですけれども、から来られる方が多いということですけれども、その中でも老健の場合は、それに加えて本人の家から来られる割合もふえているということかと思います。

 10ページ目ですけれども、実際に退所患者さんのうち死亡退所の割合がどうなのかということを見ています。左側が療養、右側が老健になっていますけれども、療養機能強化型が51.7%、その他の介護療養病床が30%という状況になってございますし、老健につきましても、全くゼロではなくて、死亡退所の方が一定程度、1割弱いらっしゃるということがこれを見たらわかるかと思います。

 11ページ目をごらんいただければと思いますが、看取り、死亡退所ではなくて、実際に退院、あるいは退所された場合にどこに退所、退院されているのかということを病院と老健で見ています。左側が特にどこからどこにというのが書いてありますけれども、例えば黒塗りしてあるところは、病院、診療所から入院して本人の家に帰った場合ということを示しています。例えば療養機能強化型、そういうところは5.1%の方が病院から家に帰ったと、このように読んでいただければと思います。

 病院のほうは白抜きのところですが、病院に退所している群ですけれども、そのあたりが多い。特に病院から入院してきて病院に帰るというパターンが一番割合としては多いという状況になってございます。

 右側の老健を見てみますと、それに比べると、病院から入所されて本人の家に帰るというのが、在宅強化型だと14%ありますので、病院に比べるとここが多いということがわかるかと思います。

 12ページですけれども、実際に老健から病院に退所される方の入院の理由を聞いていますけれども、肺炎の治療というのが3割弱ということです。その他、急変、あるいは循環器の疾患、このあたりが理由としては多いということでございました。

 また、実際に病院に入院されても、1週間以内の短期の入院の後に再度戻ってこられるという方、どの程度そういった施設があるかというのを見たのが左下でございますけれども、軒並み半分ぐらいの施設でそういった方が、6カ月間、半年間の間にいらっしゃるということでございます。

 実際にどういう入院なのかということで、右下の図表31でその理由を見ていますけれども、1週間以内の短期入院というのは、医療機関で行う必要のある専門的な検査入院、あるいは胃ろうの造設・交換ということを理由に入院をされて戻ってこられることが多いということがわかります。

 13ページをごらんいただければと思います。左半分が病院、右半分が老健ということで比べていただければと思いますが、実際に在宅と入退院を繰り返している方がどの程度いるかということを黒塗りで示していますが、右側の老健、特に在宅強化型、割合ですると多いということがわかります。いずれも、リハビリ、あるいはレスパイトということを目的に、ずっと施設でなくて家に帰る、あるいは家から少しレスパイト、リハビリを目的にまた施設に来られる、こんなことがあるということがわかるかと思います。

 14、15ページは診療所の調査結果をお示ししていますので、これはまたごらんいただければと思います。

 次、3つ目のテーマということで、認知症対応型グループホームにおける医療提供に関する調査研究事業ということでございます。

 ページめくっていただきまして1ページ目ですけれども、これにつきましては、今後具体的なそのグループホームにおける医療のニーズ、あるいは医療がどういう形で提供されているのか等についての実態把握をすることを目的に今回調査させていただいています。そのほか、グループホーム以外でも、認知症の方々の支援ということで、入退院時の支援等の実態をサービス横断的にさせていただいているというものでございます。

  調査方法でございますけれども、無作為抽出で、認知症グループホーム、5,000の事業所に調査をさせていただいてございます。

 また、2つ目ということで、ほかのサービスでの認知症の実態ということで、これもそれぞれ無作為抽出でさせていただいてございます。

 2ページ目ですけれども、認知症グループホームにおける医療の連携体制がどうなっているかということでございます。まず、「医療連携体制加算の算定状況」ということになってございますが、これは認知症グループホームが職員、あるいは病院、あるいは訪問看護ステーション等と連携して、看護師を1名以上確保して、24時間の連携体制をきちっと構築できるような場合にとれる加算ということでございますけれども、その加算の算定状況が8割ということでございます。

 どういった形で算定しているのか、看護師を確保しているのかを見たのが左の下でございますけれども、事業所で非常勤の看護師を雇用している、あるいは訪問看護ステーションと契約しているということで、これは特に同一法人、あるいは関連法人でのステーションと契約して、看護師との連携体制を構築している、こんなところが割合としては相対的に多いということかと思います。

 右側の表が、そういった実際に契約している病院、診療所、訪問看護ステーションの看護師がどの程度グループホームを訪問しているのかということを見ています。右上ですけれども、月ベースでゼロのところもあれば、1カ月4日ぐらい訪問しているというところが一番割合としては多くなっています。11日以上訪問されているところもあるということでございます。

 1回当たりの滞在時間を見てみますと、2時間ぐらい。これも非常にばらついていますけれども、長いところでは2~3時間というところもあると、こんな状況でございます。

 3ページ目ですけれども、医療の状況ということで、医療的なケアを実施できる介護従事者がいる事業所がどの程度あるかということで、特に認定特定行為業務従事者、あるいは医療的ケアを実施できる介護福祉士の配置の状況を見ています。それぞれ10%、8%という状況になってございます。

 Q4-3、右下ですけれども、そういった配置をされている方々、配置できない場合はどういった場合があるのかをお聞きしていますけれども、職員に研修を受講させることが難しい、あるいはもう既に看護職員が配置されているので、看護職員でその分は対応している。あるいは、そもそも配置の必要性を感じないというところがそれぞれ4割くらいあるという状況になってございます。

 5ページ目ですけれども、夜勤の状況です。認知症グループホームにおいて看護師の夜の体制はどうなっているのか。夜勤の状況で見ると、原則、看護職員の夜勤、宿直体制を置かないというところが68%になってございます。

 右側を見ていただきますと、自分の事業所で看護職員を雇っている、あるいは連携先の看護師でもいいですけれども、夜間の休日の体制がどうなっているのかということを見ていますけれども、おおむね、夜間、休日の電話、あるいは出勤も含めて事業所全体でとりまとめているというのが66%、57%ということになっていますけれども、一方で、全くそのあたり取り決めがないというところがそれぞれ17%、28%ということで、夜間でのあらかじめの取り決めがないというところも一定程度あるということがこの調査でわかります。

 実際に対応状況ということですけれども、電話、あるいは出勤がないというのがそれぞれ48%、78.5%という状況になってございます。あるところも、電話であれば月に1~2回、あるいは3~5回、こんな頻度ということになっています。

 あと、左下のところに「協力歯科医療機関の役割」ということで、これもあわせて聞いていますけれども、虫歯の治療以外に、42%のところで入居者の口腔状態のアセスメント、あるいは歯科検診、このあたりも協力歯科医療機関の役割として行われているということがわかります。

 次のページをごらんいただければと思いますが、認知症グループホームの入居者の基本的な状況ということになってございます。それぞれ要介護度等、これまでと傾向は変わらないと思いますけれども、右下の入居期間というのを見ていただきますと、3~5年、5~10年というのがそれぞれ2割ずついらっしゃる、10年以上が4%いらっしゃる、こんな状況の利用者像になってございます。

 7ページ目を見ていただきますと、実際にどういう治療、診断を受けていらっしゃるのかということで、左側が認知症・精神科・神経内科関連の疾患、右側がそれ以外の身体的な疾患を入居者ベース、事業所ベースということでそれぞれまとめさせていただいてございます。これもこれまで御報告させていただいている傾向と大きく変わりないと思っております。

 次の8ページ目でございますけれども、医療ニーズに対してどの程度の事業所が対応できているのか、あるいはどういう形で対応しているのかを見たのが左側の表になっています。対応を実際にしている事業所を多い順に上から並べさせていただいていまして、健康状態の観察、あるいは療養環境の確認、服薬指導、摘便、療養上の世話、じょくそうの処置、浣腸、ターミナルケア等々並んでいます。

 実際にどういう形で対応しているのかということで、自分の事業所で看護師を雇う形で対応しているのか、あるいは外部との連携で対応しているのかということを内訳で見ています。傾向としてはそれほど変わらないかなと思います。

 次のページですけれども、認知症グループホームの方が退居先別に直近1年間の数というのを見ています。これを見てみますと、死亡というところが、自分の事業所で看取っている場合、あるいは入院先で死亡した場合も含めると非常に多いと、足すと4割ぐらいになります。そのほか病院に行かれている場合、あるいは特養に行かれている場合、それで退居されている場合があるということでございますが、その理由が左下にございますが、本人、家族の意向が最も多いということですけれども、それ以外に、医療ニーズに対応できなかったので退居した。あるいはADLが低下したこと、あるいはBPSDの悪化で退居したと、こんなことがわかりました。

 具体は何なのかということを右側にお示ししています。実際の処置で言うと、喀たん吸引だとか、酸素療法、あるいは静脈内注射、このあたりが多い。そのほか、下を見ていただきますと、ターミナルケアとか、そういったニーズも帯が長くなっているかなと思います。

 次の10ページですが、認知症の診断名、あるいは右側に直近の入院の期間というのを見ています。これを見てみますと、直近の入院期間が1カ月以下という比較的短期間の入院が多いということもわかりますが、その入院の理由で言うと、肺炎、転倒骨折、検査ということで、入院をされているということもわかります。

 実際に利用者が入院する場合にどういう連携を病院側と行っているのかということで、11ページ目ですけれども、書面で情報提供、あるいは訪問して情報提供、あるいは入院中、あるいは入院時に経過とか退院時期を確認する、退院時の生活についてカンファレンスするということで、それぞれ7割から9割ぐらいの割合でそうした具体的な連携が行われているということがわかります。

 どういうタイミングで行っているのかということで右側を見ていただきますと、入院当日に大部分のところは病院に情報提供しているということでございました。

 その内容についてはその下にございますけれども、利用者の心身の状況、そして生活環境等について病院に情報提供しているという状況でございます。

 次のページですけれども、入院した場合に、相手方の医療機関はどういう職種の方と連携しているのかということで、実際は病棟の看護師、あるいはMSWの方々が割合としては多いということでございますし、退院に向けた連携という意味でも同様の職種が多いということでございますが、一定程度、医師との連携もあるということでございました。

 13ページ目ですけれども、実際に今度は退院してこられる場合に、受け入れでどういった支援を事業所・施設側で行っているのかということを見てみると、退院前、あるいは入院中に退院に向けた本人の状況確認をしている、あるいは医療機関から情報提供をあらかじめいただいている。このあたりで、実際に退院時、そういったことを行いながら受け入れの準備をしているということがわかります。そのほか、随時、本人とか家族からも情報を収集しているというのが78%ということでございました。

 次のページですけれども、具体的に退院時の受け入れにおいて、認知症であることで、支援の内容で、そうでない方と比べてどうなのかということですけれども、半分程度が、内容としては基本的に変わらないということで、そのようにお答えいただいていると思いますが、一定程度、追加的な支援が必要だという白い色のところですけれども、内容は変わらないけれども、認知症であるがゆえに追加的な支援が必要ではないかと思われている事業所もいらっしゃるということでございます。

 次の2ページは、認知症グループホームの結果ですけれども、傾向としては先ほど御説明したものと大きくは変わらないかなと思っておりますので、あわせて御確認いただければと思います。

 4つ目のテーマに行きます。資料1-4をごらんいただければと思います。介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究というものでございます。

 2ページですが、大きく2つやってございます。これは従前この改定検証でやってございますけれども、1つ大きくやっているのは、まずアセスメント様式の実態調査ということを、老健の悉皆、そして特養の3,800、そしてケアマネの事業所3,900に対して、実際どういったアセスメント様式を使っているのかとか、そういったことを調査させていただきました。

 あわせて、今回、Bということで互換性の調査をさせていただいてございます。さまざまなアセスメント様式ございますので、それぞれの複数の様式がどういう関係にあるのかということも調査をさせていただきました。

 まず3ページ目ですけれども、それぞれの事業所がどういうアセスメント様式を使っているのかということで、左側に老健、特養、ケアマネ事業所、右側にずらっと主なアセスメント様式を並べさせていただいてございますが、老健をまず見ていただきますと、包括的自立支援プログラム方式が3割、R4が2割ということで、老健、全老健さんが作成していただいているR4というのが2割ぐらいのシェアということになってございます。

 また、特養についても包括的自立支援プログラムが5割ぐらい、半分使われているということがわかります。ケアマネ事業所は居宅サービス計画ガイドライン方式が4割ぐらい活用されているということでございますが、それ以外に、どの施設類型であっても、独自様式を一定程度既に使われているということがわかります。

 4ページ目ですけれども、それぞれのアセスメント様式はわかりましたけれども、ではどういった項目をとっているのかということを見ています。これはおおむね傾向は一緒ですけれども、身体機能、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会的な生活への適応等についてはおおむねアセスメントでとられているということがわかるかなと思います。これは独自様式を採用しているところにお聞きしているものでございます。

 6ページ目以降が互換性の調査ということでございます。互換性を調査する場合に、これまでもこの委員会でも御報告させていただきましたが、この改定検証の班で、いわゆるver.2というものを作成させていただいてございます。図表4にお示ししていますが、簡略的なものを用意させていただいてございますので、このデータ項目ver.2とそれぞれのアセスメント様式がどういう互換性にあるのかということを調査させていただいてございます。きょうは速報値ですので、その一部をピックアップして御報告させていただこうと思います。

 7ページをごらんいただければと思いますが、その具体、ここから続きますけれども、まずADLの状況ということです。これは、ver.2、先ほどのページを見ていただきますと、ADLの状況で、特に上半身の更衣というところは、データ項目ver.2では自分で行っているか自分で行っていないかという2択になっています。一方で、この例ではMDS方式を見ていますけれども、同じように、ADL自立度で上半身の更衣というのを見てみますと、0から8項目、8つの項目でチェックすることになってございまして、この8つの項目と2つの項目がどういう互換性にあるのかということを見ています。

 色を若干つけさせていただいていますが、MDS方式の0~2にチェックした利用者さんは、高い頻度でADL、ver.2における「自分で行っている」というところにチェックをされているということがわかります。逆に、MDS3~8にチェックをされている利用者さんの場合は、同じ方をデータ項目ver.2で合わせると、「自分で行っていない」というほうにチェックをされている介護の方、現場の方々が多いというふうにごらんいただければと思います。

 以下同様でございますのでごらんいただければと思いますが、例えば11ページあたりを見ていただきますと、違うテーマで移乗ということがございます。左から見ていただきますと、ver.2で移乗、座位での乗り移りという項目がございまして、これも自分で行っているか行っていないかという2択になってございますが、この例では居宅サービス計画ガイドラインという方式を示しております。これは移乗という項目がございまして、1から4、4つの選択肢があるということでございますが、上2つの1、2の項目をチェックしている場合には、ver.2における「自分で行っている」ということをチェックしている。介助をしていない、あるいは見守りというところまでは「自分で行っている」と解釈する。あるいは、一部介助、全介助の場合は「自分で行っていない」とチェックされている場合が多いということでございます。

 ただ、この場合、一部介助のところは48%、52%ということで分かれていますので、このあたりの精査をどうするのかということが今後課題としてあるのではないかと思っています。同様に、そのような形で確認させていただいてございますので、同じような考え方でごらんいただければと思います。

 それでは、最後でございますが、資料1-5でございます。訪問看護のサービス提供の在り方の調査研究事業でございます。

 1ページ目ですけれども、基本的にこれまで、前回、中重度者の要介護の方々の医療ニーズへの対応ということで27年の改定では行ってまいりましたので、特に24時間の対応、あるいはターミナルケア等、こういったサービスがどの程度行われているのかという実態を調査する目的でございます。

 調査方法としては、(1)がステーション、(2)が病院・診療所の施設票、(3)としては利用者さんの調査。(4)(5)は看護小規模多機能居宅介護事業所の調査、それぞれ施設調査と利用者調査。(6)に、訪問看護を行っていない病院・診療所に対しても調査をさせていただいてございます。

 2ページ目あたりは属性ですのでまたごらんいただきたいと思いますが、これまでと傾向は大きく変わっていないと思います。

 3ページ目の左側、図表5ですけれども、訪問看護ステーションの併設の医療機関というのを見てみますと、病院、診療所というのがそれぞれございますが、ない、独立のものが6割であるということでございました。

 4ページ目ですけれども、介護報酬以外の訪問看護ステーション、今回調査していますけれども、それ以外にどういうものを算定しているのかということを見ています。医療保険、あるいは精神科の訪問看護が多い、一定程度あるということでございます。

 右側に訪問看護ステーションの看護職員数等を見ています。基準は2.5人以上ということになってございますが、割合で見ると3~5人、あるいは5~7人、そういった規模のステーションが一定程度あるということでございます。平均で言うと6.8人ぐらいの規模で訪問看護ステーションが運営されているということでございます。

 5ページ目ですけれども、ステーションではなくて、病院・診療所が訪問看護を行う場合に、専門に担当する部門を設けているか、あるいは外来の看護師が訪問している場合があるのかというのを見てみますと、病院では実際に訪問看護の専門の部門でやっているというのが8割ぐらいございますが、診療所は、比較すると、外来の看護職員が訪問する例が多いということがわかります。

 実際に専門の担当部門で実施する場合にどれぐらいの看護師さんを配置しているのかということを右側に置いていますけれども、黒いところは3人未満、点のところは3~5人ということで、実態としてはおおむね5人未満でやられている。半分ぐらいが3人未満、2.5人から3人でやられているということがわかります。

 ページ飛んで7ページ目を見ていただきますと、その訪問看護で、中重度者の支援体制がどういう状況になっているのかということでございます。まずは緊急時訪問看護加算の届出状況というのを見ています。これは利用者さんとか御家族の方に対して、24時間きちっとその方々から連絡できるような体制を訪問看護で構築している場合、そして計画的な訪問でないような形で、訪問できるような場合に算定できる加算ですけれども、届出状況を見ていただきますと、ステーションが9割ぐらい、病院・診療所で半分ぐらいが届出をされています。

 届出をされていない理由を見てみますと、左下ですが、人材不足で24時間対応が難しいということでございます。

 右側ですけれども、届け出ている場合には、届け出ているだけではだめで、算定を実際にどの程度行われているのかを見ると、ステーションでは9割ぐらい、病院・診療所は7割ぐらいが、届出をしているステーション、病院のうち、それぐらいの割合で実際に加算がされているということでございます。

 実際にそういったところで、専門に病院・診療所、部門が設置されているかどうかを見ると、右下ですけれども、5割ぐらい、54%ぐらいで専門には設置されていますが、されていないところも加算がとれている状況にもあるということでございます。

 次のページですけれども、今度は特別管理加算という文字が出ていますが、これは気管カニューレとか、留置カテーテルとか、一定程度そういった医療密度の高い方に訪問看護している場合にとれる加算になっていますけれども、ステーションの場合は9割ぐらいがそういった対応をしているということでございますが、届出状況ですけれども、病院・診療所は48%から58%ということになってございます。

 右側ですけれども、看護体制強化加算というのがございます。これは先ほど御説明した緊急時訪問看護加算の実際に加算をされている方が利用者さんの半分で、特別管理加算の利用者さんが30/100。そしてもう一つ、ターミナルケア加算の利用者さんが1人以上いる場合にとれる加算ということでございますけれども、割合としては少なくなっています。ステーションでも12%ぐらいですね。病院・診療所は1割に満たない程度の取得率という届出状況になっていますが、下で、看護職員の規模別に見てみると、10人以上を除けば、看護職員の配置が多ければ多いほど、規模が大きければ大きいほど、そういった看護体制強化加算がとれている割合が相対的には多いということは言えるのではないかと思います。

 次の9ページ目ですが、左側のまず上を見ていただきますと、緊急訪問の回数を見ています。1回のところが6割ぐらいありますけれども、1カ月2回3回と複数回緊急訪問をされている例が4割ぐらいあるということでございますが、実際に時間帯で見ると、左下に書いてございますけれども、特に早朝、夜間、深夜の回数というのを見ると、訪問看護ステーションのほうが、回数1回以上というところで見ると、病院・診療所に比べると割合としては多いということもわかるかと思います。

 10ページですけれども、テーマは変わりますが、今度は複数名による訪問についての実態調査をしています。これは今、複数名加算というのがございます。これは訪問看護で看護職員が2人、複数名行く場合にとれる加算ですけれども、算定状況というのはステーションで17%、病院・診療所でそれぞれこういった状況になってございますが、実態はどうなのかということを見ています。

 まず、右側を見ていただきますと、こういった加算をとれる場合には要件が3つありまして、1つは、グラフにありますように、身体的な理由により、1人の看護師さんでは訪問看護が難しい場合。2つ目が、暴力行為、著しい迷惑行為等が認められる場合、その他ということがございますが、割合で見てみますと、身体的な理由で1人の看護師さんの訪問看護が難しいので、2人、複数名で行っている例が多いということがございますが、割合として多くないものの、暴力行為等で複数名訪問せざるを得ないというのが1割程度あるということもわかります。

 右下を見ていただきますと、そういう状況ではありますけれども、今、医療職のみで2人で行くことになっていますけれども、医療職と医療職以外での職員の対応で問題ないかということを聞いてみますと、そういった事例があるというのが41%、39%ということになってございまして、これは半々ぐらいに割れていますけれども、必ずしも医療職同士でなければならないという事例だけではないということが実態としてはわかるかなと思います。

 次の11ページですけれども、複数名加算の算定がない状態で訪問している場合というのも一定程度あることがわかりますが、右側を見ていただきますと、特に医療職以外の職員が、医療の訪問看護ステーションの場合には、看護職と医療職以外の職種の同時訪問というのが7%ぐらい。この場合は、今、加算はとれませんので、そういった事例も一定程度あるということも実態としてはわかりました。

 次の12ページ目は要支援の方々への訪問看護の実態状況ですので、ごらんいただければと思いますが、右側のところには、要介護の方々と比べると、要支援の方々にどういう訪問看護をしているのかというのを見てみますと、多いのは服薬指導とかストーマの管理、酸素、あるいは血糖測定、インスリン注射、このあたりは要介護者よりも要支援者に対する訪問看護として行われているというのが比べてみると多いということがわかろうかと思います。

 次のページをめくっていただきますと、今度は死亡者についてということで、ターミナルケアの加算の状況というのを見ています。右側を見ていただきますと、死亡した利用者さんについて、訪問看護ステーションではターミナルケア加算を算定している、あるいは医療保険でしている、介護保険でしているという割合をお示ししていまして、いずれも一定程度あるということでございます。

 右側の下ですけれども、ターミナルの加算とか、そういったものを算定していない場合の理由を聞いています。そもそも届出をしていないから算定していないというそもそも論もありますけれども、それ以外に、死亡日の14日以内に2回以上の訪問看護を実施しないといけないですが、実施していないだとか、あるいは搬送して24時間以内に死亡しないとこの加算がとれないのですけれども、そうでない状況にあるとか、そういった比較的想定よりも早い段階から医療機関に送っている事例もあるということもわかるかなと思います。

 最後、14ページ目ですけれども、今、訪問看護を行っていない病院・診療所に対して、その意向を聞いていますが、なかなか難しいというところが多いという、意向はないということでございます。そもそも看護職員がいらっしゃらない、あるいは24時間の体制が難しい等々で、意向がないところが大分あるということでございました。

 15ページからは看護小規模多機能の実態を15、16ページでまとめさせていただいてございます。これはまだサービス類型でございますけれども、最初のところは基本的な属性をお示ししてございます。

 右側の看護職員の配置というのを見てみますと、3人から5人のところが4割ということで、少し多いという状況になっているかと思います。

 下のところが常勤換算での分布の状況をお示ししています。

 16ページが登録定員数等々についてお示ししています。これまでの傾向と変わらないと思いますが、左下は転帰ということを見ていますが、施設へ入所される方、病院・診療所へ入院をされる方、在宅でそのまま看取りをされる方等々が、1年間の終了者の調査をしましたけれども、同等程度、割合としてはいらっしゃるということかと思います。

 右下ですけれども、そのうち病院・診療所に入院される場合、その後の状況を見ていますけれども、一定程度入院されてから亡くなられるということで、亡くなられるまでの期間を見ています。1週間、1カ月、あるいは1カ月強の入院をされて死亡されている事例が今多いという状況になってございます。

 時間がかかって大変恐縮でしたが、5つのテーマ、説明は以上でございます。

○松田委員長 ありがとうございました。ちょっとおくれてしまいまして済みません。

 それでは、議題1の調査結果につきまして、順番に1つずつ議論したいと思います。まず、資料1-1の調査につきまして御質問等あればお願いいたします。

 最初に、藤井先生、何かコメントございますか。

○藤井委員 今回の場合は調査目的がかなり明確でございまして、報酬に資するということで、オペレーターの扱いが変わったことがどうであるか、あるいはさらに緩和することがどうであるかといったことでございまして、今回初めて実際の電話とか対応がどうなっているかということをタイムスタディ等々でとりまして、これは委員それぞれの受けとめがあったのですが、私がなるほどなと思いましたのが、10ページにございますコールの対応時間というのが資料1-1でございますが、非常に短目の時間数で済んでいるということで、これは実際に今、調査機関にお願いして、短い場合と長い場合、具体的にどうなのかということもヒアリングしておるのですけれども、短い対応で済ませて、さまざまな定期巡回としての対応が可能になっているという実態はかなり浮かび上がってきておりまして、また、ITを使って出先からも状態像が、その方のそのものの基礎情報を理解しつつ対応できているということの実態がかなり浮かび上がってきまして、データ的に言うと、これは緩和したことについては問題なかったのではないかとか、さらなる緩和もあったほうがいいのではないかといったような意見は出ておりますけれども、初めてデータをとったということでそういう評価でございます。

 以上です。

○松田委員長 ありがとうございます。委員の先生から何か御質問等ございますでしょうか。

 では、川越委員、お願いします。

○川越委員 ちょっと確認なのですけれども、2ページ目の右側の一番下のところの新規の利用者数のところをちょっと見ていくと、半分が在宅からで、4割弱ぐらいが病院系から、それで老健からという流れが大分違ってきているのかなあという印象を持っているのと、そのページの上のほうの要介護度分布を見ると、要介護1~2で約半数ですけれども、3以上で約半数という形になってきている。そうすると、病院から来ているような流れというのは、要介護度が結構重くて、そして排泄系のところに対するコールが多いのではないかなと。在宅系、ほかのところは実は軽い方で対応しているコール内容が違っているのではないかなというような、要は平均的に見ると要介護度分布はこうなっているのですけれども、事業所ごとでかなり軽い方を中心に対応しているところと重い方を中心に対応しているようなところが実はあるのではないかというところで、所在地が直前の場所別で、どういう状態像の人で、どういうコール内容であったかというクロスを見られるとおもしろいのではないかなと感じました。

 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。どうぞ。

○藤井委員 ありがとうございます。データ分析中で、間に合わせた段階なので、大変示唆をいただきました。

 あと1点が、集合住宅のケースと、それから地域のケースでやはりコール数もかなり違っておりますので、想定とすると在宅から軽い方が集合住宅ではないかという仮説は立つと思います。地域の方は病院を受け入れて、今おっしゃっているような排泄ケアを中心としたと。そういうことがどこまで当てはまるのかといったような分析を進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。

○松田委員長 そのほかいかがでしょうか。

 では、小坂委員、お願いします。

○小坂委員 済みません。確認です。5ページ目で、集合住宅を経営する法人によってコール数は違うのですが、これはどのように考えればいいですか。同一法人の場合、担当する対象者の状態が違うのかとか、その辺のところはいかがなのですか。

○藤井委員 済みません。どの図を。

○小坂委員 5ページの左下のところですね。集合住宅を経営する法人と別法人と同一法人でコール数がかなり違うのですが、この要因はどのようにお考えでしょうか。

○藤井委員 まず、ちょっとこの表はわかりにくいのですけれども、集合住宅ベースということでデータをつくっておりまして、例えば定期巡回が集合住宅に訪問しておりました3カ所ごとに基礎データがつくられるということになっているのですけれども、そうしますと、一般的な集合住宅、つまり、一般の団地に行っているところにたまたま1軒あったと。これも1とカウントしておりまして、いわゆる想定するサ高住とかそういったものでないものですから、別法人というのは明らかにそういったものが多く含まれておりますので。最終的には、一般的な集合住宅というのは外してちょっと集計するとか、工夫してみたいと思います。ありがとうございます。

○松田委員長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 では、また後ほど全体に戻りたいと思いますので、続きまして2番目の。今村先生は来られていないのですね。これにつきまして何か御質問等ございますでしょうか。

○藤井委員 11ページでございますが、在宅強化型、加算型と言われるときに、かなり在宅往復的な利用が多いという現状はよく言われておりまして、現にこのようにデータで出てきているわけでございますが、逆に、白抜きの部分の病院・病院というのが在宅強化加算型というのはかなり少なくなっているという点がむしろ評価できるのかなあと。とともに、これはそれぞれ%で見るとわかりにくいのですが、例えば在宅強化型というのは、1施設当たり、これは1年ですか。計算しますと大体62人ぐらいで、加算型が49、従来型が32、療養強化型、療養型が十幾つということで、そもそも動きのない老健の中での移動と非常に動きがあるものの中の移動というので、%も非常に重要ですが、この積み上げの数みたいなものでちょっと見え方も違うのかなと思いました。

 もう一つは、在宅の往復といいますか、こういうものと、そもそもの病院から在宅といったものの機能、かなり違うと思うのですけれども、このあたりをどのように考えていかれるのかというのは、もし何か事務局のほうでお考えがあれば教えていただきたいなと思います。

○西嶋介護保険データ分析室長 その点、介護給付費分科会の中でも、あの1ラウンドの中でもそういう委員からの御発言あったと思いますけれども、基本的には在宅に帰すということだけが目的ではないと。老健は在宅支援することを目的とするということで、今回、介護保険法の改正も行っていますので、広く在宅支援としたときに、在宅生活を行っている方を一時老健で、リハビリだとかそういったことで預かってやるというのも重要な在宅療養支援の一つではないかと。こういった御意見も委員からございましたので、そのあたりの一つのヒントになるようなデータかなと思います。

○松田委員長 ありがとうございます。今これはたしか全老健のほうでも別途詳しい調査をやっていますので、またそれが出てくると、この機能強化型、在宅強化型と従来型とのところの役割の分担とか機能のあり方とか、細かい検討ができるようになると思います。ちょっとそれを待ちたいと思います。ほか、いかがでしょうか。

 福井委員、お願いします。

○福井委員 12ページの右下の図表31を見て、どの4種類の類型も、一番上の検査入院がかなりの割合で多いということで、今、室長がおっしゃった在宅支援を行う目的が老健の役割の大きなものの一つだと考えると、これは老健が医療ニーズ高くなってしまって、やむを得ず病院に入院するというよりは、病院が予想できる形で前もって入院をしていたのではないかなと読ませていただいたので、これはまたいろいろ対策をすると、この検査入院で行ったり来たりということが、場合によっては回避というか、削減できるのではないかと思って見せていただきました。

○松田委員長 ありがとうございます。これに対して、何か事務局、コメントございますか。

 これは結構いろんなところで議論になっているのですけれども、老健施設がX線の検査とかできないとかそういうのがあって、肺炎の疑いとか骨折の疑いがあったときに、結局病院のほうに行って検査するということがあるので、そのところをどうするかということで、これは老健の側からも問題提起がされているところですので、そこは今後の課題ということでお願いしたいと思います。ほか、いかがでしょうか。

 田中委員、お願いします。

○田中委員 在宅強化型、従来型、従来型で機能が分かれている方向がよりはっきりしてきて、実態をよく捉えていると感じました。先ほど委員長から、役割分担というお話がありました。在宅強化型、従来型、従来型は機能が違うのはわかったけれども、従来型の役割は何だろうか、改めて問われる時期ではないか。ほかの2つは役割がはっきりしていますが、従来型は何となくその他という感じがしているので、その役割とは何かを、これはここの委員会で議論することでなく、老健の方々に問わなくてはならないかなと思いました。

 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。実はもう一つの調査のほうでまさにそれを議論しなければいけないデータが出てきておりますので、今後の議論に期待したいと思います。ほか、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 では、これも全体を通してまた何かあれば戻りたいと思いますので、続きまして、1-3、認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査研究事業につきまして、御意見と御質問ありましたらお願いいたします。

○粟田委員 今回、この認知症対応型グループホームにおける医療の提供等に関する調査研究事業の目的が、グループホーム利用者の実際の医療ニーズと、それから医療の提供上の実態を見ようということで、割とわかりやすい実態が見えているのではないかなと思います。

 1つは、約6割の方が要介護度3以上であるということと、それから、80%が医療連携体制加算をとっているということと、それから、これは見てみますといろいろなことがわかるのですけれども、高血圧の方が一番多いということ、それから糖尿病の方がまあまあ多いということ。

 それから重要なことは、グループホームでどこまでやれるかということで、8ページにもありますけれども、まずは喀たん吸引、酸素療法、それから胃ろう・腸ろうの管理ということになるとかなりできなくなってきている。

 一方、退居の理由が、これは9ページのQ6-6ですが、「直近1年で対応できなかった医療ニーズ」というのがやはり胃ろう・腸ろうの管理で、喀たん吸引で、酸素療法で、静脈内注射で、ターミナルということが書かれていまして、嚥下機能が低下してきて肺炎になって、その管理ができなくなると、やはりグループホームでは厳しい現状があるのだなということがよくわかったと。

 それから、今回はグループホームとグループホーム以外の居住系、サービスの利用者についての入退院の比較を一応できるようにということで調査しているのですが、全体とグループホームだけの傾向ということのデータですけれども、非常に傾向が似ているという結果が出たのだろうと思います。

 BPSDによる入院が差があるのかどうかということでちょっと関心を持っていたのですが、ほとんど差がないということで、基本的には、病院に移る理由は肺炎が一番多い。それから転倒も結構多いということなのだろうなと思いました。

 若干違いがあるなというところを見ると、退院時の受け入れに係る支援で、認知症であることの支援内容に差異があるかということで、若干ですけれども、グループホームのほうが認知症であることを配慮した支援が少し行われる傾向があるのかなというところが見られましたけれども、おおむね同じような傾向なのだなと。これをどう考えるか、何とも言えないところですけれども、そういう結果が出たということかなと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。何か御質問ございますでしょうか。

○藤井委員 3ページの医療連携体制加算の部分でございますが、数字がよくわからないのが、医療連携体制加算を算定していて、Q3-2ですけれども、これは連携体制加算とは関係なく、何らかの形で訪問看護ステーションが訪問されていると見て、N=933というふうに見ればいいのか。つまり、医療連携体制加算をとるためのものもあればそうでないものもあるのかということと、このQ3-2の上と下をクロスをとると、月のうちどれくらい訪問看護ステーションの看護師が訪問されていて、そこで大体どれぐらいいるかということがわかると思うのですけれども、それによって何をなさっているかというのが、いろいろやれることも変わってくると思うのですけれども、そのあたり、どんな想定ができるのかできないのか、このデータをとってどう読まれるのかという点を教えていただければと思います。

○田中認知症施策推進室長 1点目の御質問のところですが、加算を取得して、訪問看護ステーション等と契約をしてというのが分母になっているのがQ3-2の図表でございます。

○藤井委員 そうすると、左側のQ3-1のNが1,501で、そのうち訪看と契約って16.3と19.1なので、合わせても35%なので、933にはならないような気がするのですが。

 いや、そこまで必死な質問ではありませんので、よくわかりました。要は、これは医療連携体制加算のものであるということはわかりましたので、そうすると、医療連携体制加算のあり方、やり方がいろいろあると読めるデータだと思うのですが、何が、どういうやり方がより適正なのかというのもおのずとあるのではないか。例えば比較的多くの日数、短時間でいったほうがいいのか、それとも月2~3日ぐらいでいいから時間をかけたほうがいいのか、あるいはそれによってやり方が違うのかとかいった違いが出るかと思うのですけれども、そのあたりの分析って、今後、今回の調査票から何かやれることというのはあるのですかね。

 といいますのも、この訪問看護ステーションの外部利用というのはグループホーム以外にもいろんなものでございまして、むしろ、例えば特別養護老人ホームとかでの活用が進んでないのではないかと。もっと積極的に活用されればいいと思うのですが、そもそもその使い方といいますか、協力の仕方というのが必ずしもどういうやり方がより適切な医療連携ができるか、あるいは対応ができるかという点で言いますと、このデータ、すごく貴重だと思ったものですから。

 以上です。

○西嶋介護保険データ分析室長 ちょっとファクトだけ申し上げると、先ほど先生言われた16.3、19.3、ステーションですので、病院・診療所を合わせると、右側のQ3-2はステーションと病院・診療所も合わせての看護師の訪問なので、割合としては、規模としては大体こんなものだと。

○松田委員長 福井委員、お願いします。

○福井委員 今の藤井委員の質問にも関連するのですが、8ページの6-3の図表を見て、上2つの健康状態の観察とか療養環境の確認と助言であったり、ターミナル、上2つは外の看護師が対応というほうの割合が高いのですが、3つ目以降は状態が安定している方の想定できる対応と考えて、それで、中の看護師さんの対応の割合が高い。ターミナルケアは同じぐらいですが、ということから、私も想像して、恐らく状態不安定な方が外の訪問看護ステーションで支えてもらっている可能性もあるのではないかと思いましたし、あとは、5ページの右側のQ4-6とかQ4-7というのも、看護師による取り決めがないかあるかというあたりも、外のところは恐らく取り決めしないと、組織が違うので、多分取り決めが多い割合であるのではないかと想像いたしましたので、藤井委員がおっしゃったあるべき姿が、類型が1つではなく、何パターンかあるかもしれないのですが、外の訪問看護との連携のバージョンと中の看護師さんとの連携のバージョンということで、少しそのあたり、クロスで丁寧に見ていただくと、理想、追求すべき類型が出てき得るのではないかと私も見せていただきました。

○松田委員長 ありがとうございました。コメントございますか。

 小坂委員、お願いします。

○小坂委員 グループホームの入退院支援のところで、実態はどうかというと、多分、ほとんど在宅療養支援診療所とかが入っていて、骨折とか何か疑われた場合、そこの主治医が基本的には入院の手配をして、退院のときも、基本的にはそこの在宅療養支援診療所からの診療情報提供、あるいは逆ということが行われているのが実態として多いと思うのです。その辺が余りこの調査で見えてこないのですね。だから、看護師さんがいたとしても、夜間とか土日というのは大体診療所が入ったり、外から訪問看護が入ったりということがあります。入退院支援というところで調査票に入っていれば教えてほしいのですけれども、入っていなければ構いません。

○松田委員長 いかがでしょうか。

○粟田委員 残念ながら、この調査では入っていないですね。確かに、さっき福井委員がおっしゃったように、グループホームに看護師がいるという形なのか、あるいは外部との連携で医療連携しているのか、これは確かに大きな違いで、グループホームの機能にも非常に影響してくるのだろうなと。確かに不安定な状態であると、これは外部と連携しないととてもやっていけないので、当然そういう支援については外部を入れるという傾向が出ているので、いろいろなやり方があるというのは、確かにもう少し分析すると見えてくるかもしれないと思っております。

○松田委員長 ありがとうございます。医療のところで言うと、やはりもう少しクロス集計で明らかにできる部分は明らかにしていただけたらと思います。例えば肺炎、骨折で入院している方が多いということですけれども、それが対応できなかった医療ニーズのどこになっているのかとか、それが連携とどのようになっているのか。多分、クロス集計していくと、今、小坂委員が指摘されたのが見えてくると思いますので、ぜひ追加の分析でそこは明らかにしていただきたいと思います。

 では、時間もあれですので、また最後に戻りますので、続きまして、1-4の調査、藤野委員長ですけれども、何かあればコメントをお願いいたします。

○藤野委員 私どもは介護の質ということで議論を重ねてきました。その中でアセスメントの重要性を御指摘される委員が多かったということから、改めてアセスメント様式についてサービス形態別に調査をいたしました。詳細は事務局から御説明があったとおりでございますが、老健、特養、それから居宅という中で、さまざまなアセスメント様式で、大きなシェアの偏りがあるという状況ではない中で、包括的自立支援プログラム方式と、それから独自様式というのが、大きく全体で言いますと2割から3割という、それでも突出しているというわけではございませんが、比較的シェアが大きいといったところでございます。これは恐らくサービス形態別にすみ分けをしながら使い分けしているのだろうと思います。

 それから、独自形式というものも、実際の中身を見ますと、押さえるべきところを押さえているということで、これは恐らく現場改善というか、それぞれの意図を持って発展してきているものであって、独自様式で何となくいいかげんなものをつくっているという意味ではなくて、恐らく現場の中で改善されていたものがそれぞれの施設が工夫して使っているという実態であろうかと思います。

 とりあえず以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。何か御意見等ございますでしょうか。

 今回、互換性調査をやっているわけですけれども、最終的に何かコアの調査票、項目というのはちゃんと設定できそうな感じですか。

○藤野委員 ちょっと革新的なところで、コアの項目を設定するということは余り委員会の中では議論を行っておりません。むしろ、先ほど申し上げましたように、現場でさまざまな、もう既に様式等ある中で、コアのver.2とどれぐらい互換性があるということを確認して、そこに今後合うような形での改定は自発的に起きるのかなということを望んでおります。

○松田委員長 田中委員、お願いします。

○田中委員 大変興味ある調査、ありがとうございました。今、委員長が言われたことを別な角度から見た質問というかコメントです。たくさんの、互換性について結果が報告されていますが、結論として、互換性があると言いたいのですか、ないと言いたいのですか。弱いと言いたいのですか、どちらなのでしょうか。

○藤野委員 なくはないというところで、例えば、こちらにありますように、幾つかの項目でも、行っている、行っていないみたいな話であれば非常に明確に互換性があるということが確認できるものがあります。ただ、観察に基づくようなものは項目によって少し分かれるところもありますので、もう少し項目ごとに精査が必要かとは思います。ただ、幾つかの項目に関しては確実に互換性があると言ってよろしいかと思います。

○田中委員 ある程度確保されていれば、名前が何であるかは違っていてもいいと思いますし、全く互換性が弱ければそこは改善が必要になりますので、それでお聞きしました。ありがとうございます。

○藤野委員 ありがとうございます。

 ちょっと追加でコメントさせていただきますと、5ページを見ていただきますと、互換性の確認もこの事業でやっておりますが、項目がそもそもあるかないかというのが非常に重要かと考えておりますので、この辺、各方式の中でまた項目との照合を見ながら追加等があるのではないかということを期待しております。

○松田委員長 ありがとうございます。ほかに御意見ございますでしょうか。

 同じ項目で、例えば一部介助のところの判断が大分違うというような、結構興味あるものが出てきていますので、そういうところを深掘りしていただけると、どういうものを一部介助と判断するかということに関する共通の見解みたいなものが出せると思いますので、ちょっとその辺もお願いできたらと思います。ほか、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 では続きまして、資料1-5、訪問看護につきまして、まず最初に福井先生のほうから何かコメントあればお願いします。

○福井委員 室長が調査の目的で言ってくださった部分の繰り返しにもなりますが、前回改定では、独立型の訪問看護ステーションには、この中重度の方とか、医療ニーズの高い方への対応を強化するということで、そこを評価したという1点と、あと、病院・診療所からの訪問看護がまだ数が、前は多い時代もあったのですが、最近は少し少ないということで、今後どこが訪問看護の支え手としてより役割を果たしていただき得るのかというような目的もあって、病院・診療所からの訪問看護の実態というのも、2点目の目的で捉えております。

 実際に訪問看護、介護サービスの中で役割というのは、中重度とか、医療ニーズの高い方とか、看取りの方を支えるというのは本当にそういう役割を期待されていると考える中で、独立型の訪問看護ステーションは9割方その役割を果たしているということがこの調査から見えてきましたが、病院・診療所のほうは、24時間体制とか、ターミナルケアを十分に支えていないというような、半分ぐらいが支えてくださっているのですが、そういうことも見えてきたので、これからは病院・診療所の訪問看護にどれぐらい期待できるか、また、独立型の訪問看護ステーションをより一層機能強化していただいて、ふえていくかというそのあたりを考えていくための資料になる調査だったと考えております。

○松田委員長 ありがとうございました。何か御質問ございますでしょうか。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 今、福井委員がおっしゃったように、全般に見ると、やはり訪問看護ステーションがかなり病院・診療所に比べればいろんな面で頑張っておられるということがよくわかるわけでございますが、こういう例でちょっと昔に見た覚えがあるものですから、報酬改定することによって、きちんと比較できるデータは恐らくないと思うのですが、埋まったという印象でいいのかという質問と、それから、福井委員がまさにおっしゃったように、病院・診療所でももちろんレベルの高い対応をされているところもあるわけでございますけれども、病院がかなり担当部署を決めているというところが多くて、その人数が実人数と常勤換算の、ちょっと比較はできないにせよ、かなり病院のほうが手薄にどうも見えるわけでございまして、この配置人員、そういったところで差が見えてくるのか、それはクロスで見ると思うのですけれども、そのあたり、病院・診療所においても訪問看護を積極的にやっていただく上での体制みたいなものは今回どんな感じで分析されるというふうに。

○福井委員 まず、埋まったかどうかというのが、前回改定で数十点くらい、20~30点くらいしか、病院、訪問看護のほうはプラス改定ができていないというのもあって、病院から見ると、私の想像ではすごく大きな評価にはつながっていないので、これが促進力には直結はしない改定であったのだろうと思うと、今後埋まっていっていただきたいためにはまたさらに何をしなければいけないかというのを考えていかなければいけないと思っております。

 それで、配置人員も、結果的に地域連携とか在宅支援、退院支援というのを恐らく強化していくことを実行されている病院は、病院内の訪問看護の配置人員もある程度配置してくださっていると思うのですが、一方で、一番最後のところで、これからも予定はないというように回答された病院も8割とかかなりの、14ページですね。病院ですと6割、診療所ですと85%ということでしたので、今後も、また人員を厚くして地域との連携というのを強化していっていただくような明るい見通しではないなあと考えますので、より一層、今後また知恵を絞って、埋まるようにやっていかなければいけないなと考えております。

○藤井委員 10ページの複数名訪問のグラフでございますが、これはもちろん委員会のほうでは御承知おきなのだろうと思いますけれども、先ほどと同じ話でございまして、帯グラフにすると、あたかも左下の図も右上の図も、訪問看護ステーションのほうは軽い方を複数名訪問している、あるいは身体的理由以外の方に複数名訪問しているように見えるのですが、そうではなくして、まず、複数名訪問している訪問看護ステーションの割合が高いですし、これが859の17.2%ですから、147ステーションで、1ステーション当たり2人近く対応されていると。病院・診療所では1名であると。つまり、重度の方は当然対応されていて、さらに軽度な方にもいっているという見方になると思いますので、これはむしろ積み上げで見たほうが余り誤解がないかなと。軽度者の方に複数名訪問に行っていると見られるとすればちょっと違ったことになるのではないかと思います。

○松田委員長 ありがとうございました。その負荷をどう見るか。そうすると、恐らく看護師さんの人数とかそういうのも少し補正していかないといけないかもしれませんね。多分データあると思いますので、やっていただけたらと思います。ほか、いかがでしょうか。

 多分、いろんな加算をとるのに、地域の状況がかなり効いてくると思うのです。例えば都市部だったらたくさん確保しやすいのでとりやすいとか、非都市部であればとりにくいとか、そういう地域差の分析もあわせてやっていただけるといいのかなあと思います。ほか、いかがでしょうか。

 今の意見はあれです。夜な夜な状態像を見ているのに、結局、人員が足りないとか、そういうことで加算がとれないという状況が地方ではあるのではないかと。そういうことがもう少しあるのであれば、それはまた考えなければいけないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

 では、全体を通しまして、何か追加の御意見等ございますでしょうか。

 きょうは今村先生がいらっしゃらないので、今村先生が必ずする質問を私がしないといけないと思いますけれども、回収率ですね。今回も、ぱっと見ると、看護系の方は一生懸命答えてくれて、大体50とか40とかいう数字になっているのですが、それ以外のところが上がっていないということで、この辺の回収率に関する何か事務局の見解とかございますでしょうか。

○西嶋介護保険データ分析室長 今年度、改定年度ということもありまして、比較的短い期間で調査票も作成していただき、その調査の期間も十分にとれなかったということもありますので、その限界の中での回収率だったということで、委員長御指摘のとおり、低いところがぱらぱらございますけれども、これも事務局としてはお願いをしながらいろいろやってはきましたけれども、これが今年度は限られた範囲の中での限界ということだったと思います。

○松田委員長 ほかに何か御意見ございますでしょうか。

 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 再三意見で出ておりますが、改定年ということで、本当にお忙しい中にお願いして、改定に必要なものということが、かなり今回焦点化していて、これは大変いいことだろうと思うのですが、一方で、今の議論にありましたように、かなり本質的に今後を考えていく上でのデータが、分析すると出てくる部分もありますので、改定に間に合わせるスピードとこの委託の報告書を分析するスピードが違う話だと思いますので、一旦改定に間に合わす分析をしつつ、次の段階の、次を見据えてという分析も、私も肝に銘じなければいけないのですけれども、各研究班でやれるような体制をとっていただければと思います。

 以上です。

○松田委員長 ありがとうございました。非常に重要な御指摘だと思います。ほか、いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。まだ少し時間がありますけれども。

 それでは、今いただきました速報値への御質問、御意見等を踏まえまして、引き続きさらなる分析・検証、特にクロス集計等お願いできればと思います。

 なお、スケジュールに従いますと、各調査の最終報告は、今年度3月以降に報告となると思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日皆さんにいただいた御意見をもとに、速報値の内容につきましては、10月27日に開催される介護給付費分科会に報告いたしまして、今後の議論に活用していきたいと思います。

 どうぞ。

○北波総務課長 すみません。先ほど藤井先生からも御指摘ありましたけれども、今回調査は改定年ということで、いろいろなスケジュールでも急いでいただいたところがございます。今回、速報値をいただいて、できる限り実りある介護報酬改定につなげていきたいと思っております。この速報値まで出していただきましたということに、まずは事務局のほうからも厚く御礼を申し上げたいと思いますし、それが実りにつながるように努力をしたいと思います。

 また、今回のこの5つの中でも、例えばケアマネージャーのケアマネジメントの方式とかも、こんなにふえたのだというのが正直な感想で、実は言語が多様化すると、やはり共通のところはあったほうがいいのかなという、ある程度施策の方向性も私たちも持ちたいと思っておりますので、そのようなものに向けてのさらなる分析、また訪問看護のところも、時間によって大分やることが違ってきていると思いますので、回数とのクロスのお話もありましたので、ぜひともそこら辺はよく教えていただければと思いますので、引き続き御指導いただければと思います。本当にありがとうございます。

○松田委員長 ありがとうございました。

 非常に短時間だったのですけれども、各委員長の先生方、それから、それをお手伝いしていただきましたシンクタンクの皆さんに改めて、短時間でやっていただいたことに感謝申し上げたいと思います。

 いずれにしても、この内容につきましては、先ほど申し上げましたように、10月27日の介護給付費分科会に報告して、今後の議論に活用したいと思います。

 それでは、ほかに御意見、あるいは御質問等なければ、本日の議題はこれで終了といたしますので、閉会にいたしたいと思います。どうもお忙しいところありがとうございました。


(了)

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