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2017年11月28日 医療観察法の医療体制に関する懇談会(第1回)議事録

○日時

平成29年11月28日(火)10:00~12:00


○場所

東京都千代田区霞が関1-2-2
中央合同庁舎5号館 専用第20会議室(17階)


○出席者

村上優構成員、松田ひろし構成員、長谷川直実構成員、寺田悦子構成員、関口暁雄構成員、柑本美和構成員、伊豫雅臣構成員、竹村眞史構成員、石津寿惠参考人、大森まゆ参考人、籠本孝雄参考人

○議事

○兵頭医療観察室長補佐
  おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「医療観察法の医療体制に関する懇談会」を開催します。
皆様方には、御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございます。

  座長が選出されるまでの間、事務局にて進行させていただきます。私、厚生労働省医療観察法医療体制整備推進室室長補佐の兵頭と申します。本日はよろしくお願い申し上げます。

  なお、傍聴の皆様、頭撮りはここまでということで、御理解、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

  それでは、議事に先立ちまして、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長の宮嵜より御挨拶申し上げます。よろしくお願いします。


○宮嵜障害保健福祉部長
  皆さん、おはようございます。障害保健福祉部長の宮嵜でございます。懇談会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

本日、お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。御出席の皆様方には、日ごろより医療観察法に基づきます対象者の適切な処遇を初めといたしまして、また精神障害者の保健・医療・福祉の向上にお力添え賜っておりますことを、この場をおかりしてお礼申し上げる次第でございます。

  心身喪失者等医療観察法が施行されてから12年が経過したところでございますが、まず何よりも大きな課題でありました指定入院医療機関の病床の確保につきましては、いろいろありましたけれども、着実に整備が進められまして、800床程度を目標としていたところですけれども、現在833床整備されているところでございます。また、指定の通院医療機関につきましても、現在590カ所の医療機関が指定されておりまして、整備数としては当初の目標を達成しているところでございます。

  ただ、地域におきましては、なお不足が生じていることとか、また、一部の入院の処遇対象者の入院期間が長期化しているなど、関係機関から医療観察法における医療体制に関する課題が幾つか指摘されているところでございます。そのため、医療観察法の医療体制につきまして、現時点での評価等を行いまして、必要であれば所要の措置を講じたいと考えておりますので、本日はさまざまな御立場から医療観察制度に関し、忌憚のない御意見、御議論を賜ればと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。


○兵頭医療観察室長補佐
  ありがとうございました。

  それでは、議事の前に配付資料の確認と、皆様方の御紹介をさせていただきます。

  本日の資料でございますが、お手元に、まず議事次第と出席者の名簿と座席表、資料1「『医療観察法の医療体制に関する懇談会』開催要綱」、資料2「医療観察法医療の現状について」、資料3「診療報酬の改定について」、以上でございますが、お手元にない資料等ございませんでしょうか。

  なお、本検討会は公開ということで、資料、議事録は厚生労働省のホームページに後日掲載されますので、あらかじめ御了承ください。

  続きまして、皆様方の御紹介をさせていただきます。お手元の資料1「開催要綱」の裏面に構成員の名簿を添付させていただいております。お名前のみの御紹介とさせていただきます。

平林構成員、中島構成員、村上構成員、松田構成員、長谷川構成員、寺田構成員、関口構成員、柑本構成員、伊豫構成員、南構成員、竹村構成員、以上でございます。

  なお、平林構成員、中島構成員、南構成員におかれましては、本日、所用のために御欠席、竹村構成員におかれましては、所用のため、10時半ごろ御参加の予定と承っております。

  なお、平林構成員の代理として大森参考人に、中島構成員の代理として籠本参考人に御参加いただいております。

  また、医療経済の専門家として、石津明治大学経営学部教授にも参考人として御参加いただいております。

  オブザーバー、事務局につきましては、時間の都合等ございますので、座席表を御参照のほど、よろしくお願いいたします。

  続きまして、懇談会の立ち上げに際しまして座長を選出させていただきますが、事務局からは社会保障審議会医療観察部会長として円滑な議事進行をしていただいている点を踏まえ、伊豫構成員に座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○兵頭医療観察室長補佐
  ありがとうございます。

  それでは、伊豫構成員に当懇談会の座長をお願いしたいと思います。つきましては、伊豫構成員におかれましては、座長席に御移動のほど、よろしくお願いします。

(伊豫構成員、座長席へ移動)

○兵頭医療観察室長補佐
  それでは、伊豫座長から一言、よろしくお願い申し上げます。


○伊豫座長
  着座のまま失礼いたします。ただいま御指名いただきました千葉大学の伊豫でございます。僣越ではございますが、よろしくお願いいたします。

  医療観察法医療の今後のあり方をどう考えていくか、あるいは具体的にどのように改善していくのかに関して、皆様方の御意見を伺いたいと思っております。

  また、皆様、お忙しいところをお集まりいただいておりますので、円滑な議事進行に努めたいと思っております。皆様の御協力をよろしくお願いいたします。


○兵頭医療観察室長補佐
  ありがとうございます。

  それでは、これより伊豫座長に議事の進行をしていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


○伊豫座長
  では、会議を進めてまいります。

  まず、事務局から、資料2「医療観察法医療の現状について」の御説明をお願いいたします。

○田中医療観察室長
  医療観察法医療体制整備推進室長の田中でございます。着座の上で説明をさせていただきます。

  まず、資料2をごらんください。1ページ目、医療観察法の特徴的な点に関して3点御説明申し上げます。今までは精神保健福祉法の中で非同意に基づく入院が精神保健指定医2名の体制で行われていたものに対し、医療観察法が導入されてからは、裁判所における合
体における鑑定等を踏まえての決定ということが一つ大きな点になります。

  また、医療面におきましては、国公立の指定入院医療機関に適切な処遇ということで、手厚い診療報酬に基づく厚い人員体制で専門的な医療が行われております。

  また、退院後、通院処遇になった場合に関しましては、保護観察所の社会復帰調整官が都道府県等の連携の上で処遇の実施計画を定め、観察指導等を行って対象者の支援を行っているということです。

  そのようなことを新しい制度の中で導入することで必要な医療を確保し、病状の改善を図り、再び不幸な事態が繰り返されないような社会復帰を促進するという運用になってございます。

  2枚目に関しましては、簡単に医療観察法の処遇決定までのプロセスに関してお示ししています。先ほども申し上げましたけれども、特徴的なものとしましては、裁判所の入院決定・通院決定をもとに処遇が開始されるという状況になっております。

  大きな流れとしましては、3ページにお示ししておりますけれども、平成11年に精神保健福祉法の改正時に附帯決議が付されております。それをもちまして、法務省と厚生労働省合同検討会が平成13年から開かれておりました。そこと時期を同一にするように、大阪の池田小学校の児童等無差別殺傷事件が発生しております。そうしたことに関しては、議論の加速化につながりました。法律といたしましては、平成15年に可決、平成17年から法施行、平成22年、施行に関する報告ということで、医療観察に関する報告が国会でなされる、そういう歴史を経ております。

  続きまして、指定入院医療機関の整備の状況に関して4ページでお示ししております。ごらんのとおり、全国、かなりの整備が進んでいるのですけれども、例えば、北海道地区、四国地区等、一部空白の地域があるという現状でございます。

  5ページでございます。棒グラフが整備したベッド数をお示ししておりまして、折れ線グラフが実際の入院処遇の対象者数をお示ししております。目標で定めている病床数と、処遇対象者の数がかなり近づいていることが読み取れるかと思っております。

  6ページでございます。指定通院医療機関に関しましては、一番左に必要数を定めております。これは機械的に人口100万人当たり3カ所という形で必要数をお示ししておりますけれども、都市部では、指定通院医療機関の病院・診療所の合計数が必要数よりも若干下回っている都道府県が幾つか見受けられるような状況です。

  続きまして、7ページ、医療観察法の対象者の医療に対する実績でございますけれども、入院の実績が、制度が始まった平成17年から、延べ人数で申しますと2,992人という形になっております。通院実績が2,416名という状況でございます。

  続きまして、8ページでございますけれども、これは指定医療機関の診療レセプトの請求の状況をお示ししております。請求レセプト件数が実際の対象者の数とイコールの状態だと考えることができます。現在、医科入院ということで、入院医療機関での処遇を受けている方が759名、医科外来で請求レセプト件数795名というのが通院処遇を受けている方と考えることができます。

  続きまして、9ページでございます。こちらは診療報酬支払基金からいただいた診療報酬のデータでございまして、実際にはオンラインでレセプト請求されている方に関してデータベース化されているものですので、データとしては、指定入院医療機関32のうち10のデータをお示ししているところでございます。平均年齢で言いますと46.4歳ということで、一般的な精神科の入院施設の平均年齢よりも若い年齢層が対象になってございます。

  同じように診療報酬のデータでございますけれども、男女比で言いますと、74.5%に対して25%という比率になってございます。

11ページでございます。入院処遇対象者における請求されている医療管理区分ということでございます。右側下段に急性期、回復期、社会復帰期の説明をしてございますけれども、急性期に関しましては、入院初期は、急性症状の改善、医療者との関係構築、観察病棟での生活の理解などを治療目標とする期間ということで定められております。また、回復期に関しましては、急性期の目標が達成され、対象行為についての内省、病棟内での、例えば、鍵であるとか、身の回りの衛生器具の自己管理などを治療目標とする期間、社会復帰期に関しましては、回復期の目標が達成され、社会復帰を目指す期間ということで、3つのフェーズに分かれておりますけれども、それぞれの治療フェーズで処遇を受けている方の割合を円グラフでお示ししています。

12ページでございます。こちらは通院処遇ということで、外来治療を受けている方の年齢分布でございますけれども、こちらも診療報酬のレセプトデータからお示ししております。医療機関ベースで言いますと、全体に請求があった医療機関307機関のうち、電算化されている医療機関が169で、大体55%ぐらいカバーした、そのうちのデータをお示ししているものでございます。平均年齢で言いますと46.6歳ということで、入院処遇の平均年齢分布と似通ったものとなっております。

13ページ、男女比でございますけれども、同様に7対3ないし4対1等の数字で説明ができる分布かと思っております。

  続きまして、14ページ、平均入院処遇期間でございます。平均入院処遇期間はおよそ951日で、平均3年弱の数字となってございます。

  続きまして、15ページ、平均通院処遇期間でございます。こちらは実態としては1,095日に当たるところだと思うのですけれども、急な落ち込みがございます。法律上3年の通院処遇期間が目安という形になってございます。そちらの影響がこのような実態となって出ていると理解しております。

  続きまして、16ページでございます。通院処遇対象者のクロザピンの処方の状況でございます。こちらも診療報酬のデータでございますけれども、分子分母に関しては若干注意が必要で、通院処遇医療機関のうち、院外処方をやっている医療機関に関しては、その数字が拾えていないということがございます。実際に処遇対象者295人のうち、抗精神薬を投与されている方は158名で、大体53.6%です。ただし、薬を全く投与されていない方も46%いらっしゃいますので、恐らくこの方は院外処方の可能性が非常に大きいという中での数字を見ていただければと思うのですが、抗精神薬を処方されている方では、クロザピンを処方されている実態としては、158分の10件、6.3%という数字になってございます。医療機関数の割合で言いますと151分の4、2.6%という状況です。

  同じように17ページ、持続性抗精神薬の処方の状況でございます。分子分母に関しては、先ほどと同じように院外処方が実態としてあることを御配慮の上、数字を見ていただきたいのですが、2番目のポツですけれども、抗精神薬が処方されているうち、その内容が持続性の抗精神薬である割合は30.4%という数字、医療機関数で言うと23.8%の医療機関がそのような治療方法の実績があるという数字になってございます。

  続きまして、入院処遇対象者の月当たりの請求点数をお示ししております。平均で159,271.2点となっています。1点が10円換算でございますので、1月当たりですと159万円ほどの入院処遇に関しての公費請求がされているという実態になっております。

  続きまして、19ページですけれども、こちらは通院処遇対象者の月当たりの請求です。平均ですと1万6,026.7点で、月当たり16万円ほどの請求がなされているという状況です。

  同じように20ページでございます。今度は調剤の月当たりの請求ですけれども、こちらは2,321.1点。こちらは特に医療観察の中では特色的な点数は設けていないので、一般的な精神科医療でもこのくらいの点数なのではないかという分析をしております。

21ページでございます。今までは診療報酬レセプトの電算化されたデータだったのですけれども、訪問看護に関しましては現在まだ電算化されていなくて、紙ベースの請求になってございます。実態として、平成27年に一度調査がされておりまして、そちらを整理するということで、今までの入院・通院のデータのものと多少異なっている時期に調査されていることに関して御留意ください。月当たりの請求点数に関しましては、3,000点から5,000点である場合が40%ぐらい、月当たり1万2,000点以上の場合が2%ぐらいというものをお示ししております。

22ページでございますけれども、医療観察訪問看護1カ月当たりの請求点数に関しましては、平均で5,530点という実績がございます。

  続きまして、23ページでございますけれども、訪問看護における1カ月当たりの訪問頻度に関してお示ししたものでございます。月当たり4回の訪問看護の利用が実績としては一番多いという状況です。

  続きまして、24ページでございます。24時間対応体制加算のレセプト件数ということで、請求があった件数でございます。実態の384件のうち118件、30.7%で24時間対応体制加算の請求があるという実績、あるいは24時間連絡体制加算に関しましては5.5%という実績が示されてございます。

  続きまして、25ページ、医療観察法医療において特記すべき事項としまして、幾つか事務局で数字をピックアップさせていただいています。

26ページでございます。こちらは通院処遇中の精神保健福祉法による入院ということで、任意入院、医療保護入院、措置入院が入っておりますけれども、入院処遇が終了し、通院処遇でフォローされている方に関しまして、半年のうちに109人、27.8%が精神保健福祉法の入院、1年をフォローしますと、32.1%が精神保健福祉法による入院という状況でございます。

  右下に「措置入院データ(稲垣,2014)」とお示ししているのですけれども、こちらは入院のきっかけが精神保健福祉法の措置入院になった方をフォローしたデータをお示ししておりますが、そちらですと、半年で21.4%、1年で34.7%という状況になってございます。

  続きまして、27ページ、重大な再他害行為ということで、処遇対象者の通院処遇の間にフォローした中で重大な再他害行為が行われているものを数値化したものでございます。実態としては1.8%の重大な再他害行為という実績になってございます。一応、参考のデータといたしましては、Yoshikawa1996というものがございますけれども、こちらは医療観察法が導入される前の状況で、触法の精神障害者に対して11年間追跡したものがございます。殺人、放火、傷害、強制性交、強制わいせつ、強盗が重大な再他害行為として計上しているものですけれども、そちらとは若干内容が異なるということで、御参考までに見ていただければと思っております。

28ページでございます。就労の状況でございますけれども、通院処遇が終了した時点での就労の状況を示したものでございまして、およそ14%、60歳未満に限って言いますと17%の方が就業できているという状況がございます。

  それから、29ページでございますけれども、クロザピン処方ということで、難治性の統合失調症に関してのクロザピンの処方、日本の全体で言いますと、真ん中の一番低い柱のところで0.7%という数字が出ておりますけれども、医療観察法の病棟に関して言いますと25%と、今、パイオニア的な位置づけで入院医療機関が治療を行っているという実態があるかと思います。

  それから、30ページでございますけれども、制度が始まって12年経過している中で、なかなか治療が難しい方がだんだん、だんだん、数字的にあらわれるようになってきてございます。こちらは6年以上入院されている方が年々ふえていることをお示ししていまして、現在ですと37名が6年以上の入院で、まだ退院に結びついていないという状況で、全体としては5%程度の非常に処遇が難しい方がだんだん出現してきているという状況が見てとれます。

  事務局からの説明は以上でございます。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  ただいま事務局から御説明いただきましたが、先ほど申し上げましたように、今後のあり方をどう考えていけばよいのか、また、具体的にどのように改善していくのか、皆様方から御意見をいただければと思います。

  まず、ただいまの御説明に御意見や御質問がございましたら、いただけますでしょうか。挙手をお願いいたします。

  では、籠本参考人。


○籠本参考人
  大阪精神医療センターの籠本と申します。

  もしわかればですけれども、最後の6年以上の長期入院になっている方の、長期入院の主たる要因、通常、平均3年、もう少し短いのかもしれませんけれども、それを超えて6年間かかっても、まだ入院しておられる方の主たる要因が何なのかということが1つと、それから、これは実際、我々のところで経験しているのですけれども、長期化する一つの要因に、精神症状はもう落ち着いている。ただ、地域へ返すための環境調整がいろいろな要素があって長引いて、病棟の中では落ち着いて、この環境の中では全然問題も何もない、普通にやれている。大阪は割と大阪の人が多いのですけれども、ほかのところを聞くと、遠いところの、他府県の方もおられて、要するに社会復帰、地元へ戻っていただくために地元と連絡して外泊したりするのですけれども、医療観察法がかぶっていると、そこに行くのに職員が2人ついていかなければいけないのですね。地元の大阪でも難儀しているのですけれども、そうすると、回数が制限、そんなにしょっちゅう行けるわけではないので。

  社会復帰というのは、病状がある程度落ち着いて、環境調整が主たる課題であれば、しょっちゅう外出して、社会になれて、地域に行って外泊もしてもらって、指定通院になっていただけるところへ顔出しもしてもらって関係性をつくるということなのですけれども、医療観察の入院処遇がかぶっていると、物すごくそれがやりにくいのですね。実際2人要るかといったら、はっきり言って、環境調整だけで行っている人などは要らないのです。

  制度的に無理だと思うのですけれども、例えば、病状が落ち着いて、それは基準はいろいろ決めなければいけないと思いますけれども、環境調整が主たるあれだったら、遠いところの地元へ帰ってもらうのだったら、そこの病院へ移して指定通院やっていただけて、入院の施設もあるところであれば移して、そこで3月なり半年なりをやってもらって、そこの報酬をちょっと、医療観察の対象行為は重大な課題ですので、一定の注意はしてもらわなければいけませんけれども、落ち着いているのであれば、裁判所とかで協議してもらって判断いただいたら、普通にそっちへ移ってもらって、一定の要件を課して、通常の入院よりは入院報酬を少し上げるか、税金で見るか、それはわかりませんけれども、そうしたほうがずっと地元定着しやすいのです。

  本当に歯がゆいのです。2人職員がついていくとか、ホテルを泊まるとかね。回数が少ないのが一番困っているのです。そこを何とかしてもらうと、社会復帰の、要するに環境調整だけで長いこと、高い入院料を払って、病棟の中でほかにすることないということをしているよりも、そこの部分の報酬は早くそっちへ移行すれば削減できるわけです。その削減できた報酬で地元の受けてくださる病院とか、指定通院の医療機関にどんと調整のための努力をしていただくための加算をしていただくみたいな、そんなのができないかなと、いつも中では話しているのですけれども、制度上無理だねと、いつもそこで行き詰まっているのですが。

  以上です。


○伊豫座長
  事務局から。

○田中医療観察室長
  まず最初に、長期化している方の要因ということなのですけれども、実態としては、我々はまだ把握していないというのが御回答になります。ただ、実際、数字を見ますと、こちらでも37名ということなので、もうちょっと直接的にアプローチして評価するみたいなことをやっていきたいと考えております。

  それから、医療観察法の病棟ではないところでの、まずは一旦の入院から社会復帰という戦略と理解しました。そこに関しては、法改正事項等も絡みますので、またいろいろ勉強させてもらいたいなと思います。


○伊豫座長
  村上構成員、お願いします。


○村上構成員
  長期入院の要因というのは、この37名についての研究はございませんけれども、この間、いろいろな形でデータが出ているのですね。一番の要因は重複障害。特に発達障害と知的障害。それから、もう一つの要因は、繰り返されている性犯罪、繰り返されている放火、第三者に対する殺人ないしは傷害。その中でも最も困難を極めているのは、医療施設で、病院の中で起こった、ないしは社会福祉施設で起こったそういう事件。これらの要因が長期化することがわかっています。ただ、この37例に対して具体的要因を調べるのはそんなに難しいことではないと思います。これが第1点です。

  それから、第2点目のところは、外泊というのは医学的管理下で行うのですね。医学的管理下をどのように定義するか。我々が最初にガイドラインをつくるときの段階では、行ってらっしゃい、お帰りという、いわゆるエスコートなしの外泊は想定していました。ただ、医学的管理ということでは不十分だという厚生労働省の当時の判断で、法律がスタートして、入院中、外で再他害行為が起こってはいけないという配慮が多分、大きく関与していたと思いますけれども、複数名のエスコートとなったわけですね。それは確かに見直す余地が、これだけ安定的に行われればあると思っています。

  ただし、これまで、数少ないのですけれども、例えば、外泊中に離院されたりとかいう事件が起こっています。このとき、やはり相当の反響がありますね。当然、外泊中にいなくなるという想定があったら外泊させないのですけれども、想定ができていないケースでそのような事態が起こってきたときに、本省からももう一回注意指示が来ますし、施設そのものもかなり痛手を受けるという経過もあるので、何か起こったときの責任は誰が取るのかを考えれば、結構難しい判断なのだと思っています。ただ、籠本先生がおっしゃられることは検討に値すると思っています。

  それと、もう一つですけれども、病状が安定していて病院の中にとどまるというケースは、調べてみればそんなに多くはない。先生がたくさんとおっしゃられるのはちょっと意味がわからないのですけれども、病状が非常に急性期のような状態は当然おさまっていますけれども、ストレス脆弱性で再他害行為の可能性があるかもしれないという判断が、やはり慎重にせざるを得ないのだというケースはあるのだと思います。先ほどお話ししたような頻回の放火、例えば、我々の病院で、2回全焼の放火、4回放火未遂があった統合失調症の方がおられます。今度、4年ぶりに退院というところまでこぎ着けましたけれども。それから、傷害事件等も同じようなことであるのです。

  ですから、病院の中で安定しているからといって安定しているわけではなくて、実際に出ていただいて、リスキーな場面で評価しないとリスク評価はできないのですね。だから、おっしゃられるように、外泊の回数をふやすしかない。そのことを繰り返すことによって、実際上の退院者は出てきています。当然、その背景には、クロザピンが投入されて以降、前よりは情動の安定が得られる。クロザピンも魔法の薬ではありませんので、100%異常がなくなって、クリアカットに行うというわけではなくて、まず衝動性とか情動安定がありますから、そのレベルからもう一回本人のトレーニングを始めていくという、長い経過の入院なのだと思うのです。長い経過の入院というのは、外国の例を見てみても、そう多くない割合でも出てまいります。そこは、逆に言えば、医療観察法があって初めて、これらの方々に対するアプローチはできることなので、この要因はもう少し慎重に見ていただければと思います。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  いかがでしょうか。

  では、ちょっと私から。今の長期入院に関して、私も外部評価構成員をやっている指定入院病棟もございまして、そちらの経験で、確かに村上構成員がおっしゃるように、そんなに多くないですね。数%以内かと思うのです。ところが、毎回、毎回、外部評価へ行くたびにその方々がいらっしゃるのも事実で、統計的では全くないのですけれども、やはり地元になかなか帰れなかったり、クロザピンが地元の指定通院医療機関で扱っていないこともあって、受け入れ体制としてクロザピンが使用できない、または地元に適切な通院医療機関がないということかなと思いました。

  あと、イギリスでは、ローセキュアのかなり開放的な病棟も持って、それをつくったことによって、退院促進とか、地域定着がかなりできるようになったというお話も伺ったことがあるのです。それが先ほど籠本参考人のおっしゃられた、地元にそういった受け皿的な病院があればということなのかなと思いました。

  あと、2人については、私も以前、研究班でさせていただいたときに、やはりその辺、出ていたのと、退院後の手厚いケアを考えると、遠くなってしまうと引き継ぎが難しいので、再入院などにもつながりやすいということも伺っています。その辺、やはりポイントかなと思います。

  そのほか、いかがでしょうか。松田構成員。


○松田構成員
  今、クロザピンの話が出ましたけれども、指定通院医療機関でなかなか使えないという一つに、これ、診療報酬が問題で、糖尿病、あるいはそのおそれがあるということで、血糖値とか、グリコA1c、月に1回しかはかれないのですね。それ以上はかるとはねられてしまう。だから、クロザピンを使っているケースは、やはり必要に応じて何度かとるのはやむを得ない。そういったことをきちっとクリアできていれば、相当数の指定通院医療機関はクロザピンを使うと思うのです。そういった整備がまだ十分ではないと私は個人的に思います。いずれにしても、長期に配慮した何らかの方法を考えれば、1人でも2人でも退院していく方向に向かいますから、そこら辺の体制整備もよろしく考えていただきたいと思います。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  退院後の指定通院医療機関を考えて、そちらでクロザピンがないということになると、入院施設でもなかなか使えなくなってしまうということもあるので、そういったことも考慮していただく必要があるのかなと思いました。

  そのほか、いかがでしょうか。どうぞ、松田構成員。


○松田構成員
  事実としてお聞きしたいのは、北海道と四国は整備を今後どうするのか。やはり北海道と四国にないと、そこで起きた事案は社会復帰が大変だと思うので、そこら辺、お聞かせ願いたいのです。


○伊豫座長
  お願いします。


○田中医療観察室長
  結局、法律上は国か都道府県の医療機関ということで、お願いするところはかなり限られていまして、限られた対象の中で整備をいろいろ交渉しているような状況です。整備は一応、やりたいということで交渉しております。


○伊豫座長
  やらなければいけないと思っている精神科の先生も北海道にいらっしゃるようなのですけれども、まだ調整が難しいということだと思います。

  そのほか、いかがでしょうか。村上構成員。


○村上構成員
  5ページの「病床整備と入院患者数の推移」というところで、一時期は701床ぐらいまで減って、今、少しずつふえてきて756という数字になっているのだと思いますが、この数が妥当なのかどうか。これは、奇しくもこのような数字に展開したと私は思っているのです。というのは、実際に一般医療のほうも含めてやってまいりますと、状態が悪くて事件が起こって措置入院になったら、そこでとまってしまうケースを多く経験する。全ての都道府県でそうだとは言いませんが、例えば、私が今いる三重県などは、申し立てが行われる件数よりは、病院の中にとどまっている件数のほうが多いという実態があります。もし医療観察法のほうに申し立てが行われるような流れができれば、結局、精神症状が悪くて事件を起こして、精神状態が悪いのでとても留置できないというので措置入院になる、ここまでは普通のことなのですけれども、その後、それで終わってしまうのですね。非常に悪いケースは、それから1年ぐらい、もっと長い期間して安定して、退院したところで申し立てが行われてしまって、振り出しに戻るようなことも、そう多くはありませんけれども、起こったり、逆にそのまま病院にとどまっていることのほうが、精神福祉法で多いので、この数は、その辺の対応によって随分変化してくるだろうと思っています。法のもとの平等ということを考えれば、そんなに地域差があってはおかしい話なのですけれども、実態としてはそういうことがあると推測して、ぜひこの数は把握をしていただきたい。把握することによって、今後どのような病床の推移が妥当なのかということが、ある程度予測ができてくるのだろうという気が一つしております。

  もう一つは、要するに重症者がいて、長い方がいて云々となってくると、イギリスの例を伊豫先生がおっしゃいましたけれども、イギリスではハイ・セキュリティー・ホスピタル、ブロードモアのような病院から、地域の保安病棟でやる、我々の医療観察法と同じようなミディアム・セキュア・ユニットから、ロー・セキュア・ユニットという3つの段階ですが、この3段階のセキュリティーレベルを我々が取り込むのかどうかというのは、やはりかなり議論がある問題だろうと思っています。私自身は、まだその時期にはないと。できる限りにおいて、今の医療観察法の医療設備は非常に期待も受けていますし、人材も与えていただいているので、もっと極限まで試みるべきだろうと思っています。ただ、さまざまな意見があってしかるべきですので、この辺の意見を聴取いただければと思いました。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  田中室長。


○田中医療観察室長
  1点目は、心身喪失状態で他害行為を行った、その方が処遇として実際に精神保健福祉法の枠の中で対処されているか、観察法で対処されているか、あるいは何もされていないかというところの整理、数字的なものということですね。

  それから、幾つか、ハイ、ミディアム、ローという形の医療機関の役割分担も大事な戦略なのだろうと思っています。ここももう少し必要なデータ等を整理して、制度改正に必要な根拠等をそろえていきたいなと思っています。


○伊豫座長
  そのほか、いかがでしょうか。

  では、私から。先ほど松田構成員から、北海道、四国にはないというお話があって、そのほかにも当然ない県があるわけです。それと、今、村上構成員から、従来、他の地域では医療観察に乗るような方が乗らない地域もあるのではないかということで、指定入院病床のないところのほうがそういうのが多いのかどうかという、かなり細かいデータになってしまうから難しいのですけれども、直感的には、村上先生、どうでしょうか。


○村上構成員
  例えば、私が前にいた沖縄県では、年間に19件ぐらい申し立てがあるような、非常に多い時期もあったりして、全般的には多いと思っていまして、沖縄県では確かに殺人事件も多いし、精神障害者の発生率も高いと言われているのですが、それでも、その数は多かったと思っていたのです。ただ、沖縄では今のことを余り実感していなかった。我々のところの一般のほうにそういう方がどんどん入ってくるとは感じていませんでした。

  三重県に来たら、例えば、ある年に2件しか医療観察法は申し立てられなかったけれども、逆に一般のほうに、私だったら医療観察法だと思うケースが6人来た。うちの病院だけですね。ほかのところはわかりませんけれども。ということになると、これは一体どうなっているのだろうかということは、警察であるとか、検事に問い合わせは何度もしたことがあります。ですが、なかなか対応が遅い、対応していただけないという事態がございます。考えてみれば、直感的には地域差があるのだけれども、その地域差には何かルールが、例えば、医療観察法の病棟があるからとか、ないとかだけではない。それまでの精神医療の救急の施策上の差異があるとしか思えないという気がしました。


○伊豫座長
  わかりました。指定医療機関の充実に入る前の段階はなかなか難しい検討課題ではあるのですけれども、必ずしもないところが多いとは限られないかもしれないということですね。

  そのほか、いかがでしょうか。長谷川構成員。


○長谷川構成員
  先ほど村上先生がおっしゃったようなことは当院でもありました。通常ならば医療観察法になるようなことが、もうそれ相応の治療につながっているということで、そのまま当院に通院になる方もいらっしゃいました。

  あと、籠本先生がおっしゃったように、社会復帰期に入ったときに、北海道は入院処遇機関から遠方なので、外泊がなかなか進まないので、退院が、本来ならもうちょっと早いのかなと思うようなもどかしい感じは、私たち受ける側からしてもありました。社会復帰期になったら、例えば、外泊機関、特に北海道などは2泊二泊ぐらいで帰ったら、行き帰りでほとんどの時間になってしまうので、少し長期の外泊にするとか、仮退院みたいな形で、本当に長く見るという形にして、グループホームもそれまで待機しているので、グループホームに診療報酬か何かをつけるような形にしてでも、長い外泊で見るという形のほうが効率がいいのではないかと思っていました。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  そのほか、いかがでしょうか。関口構成員。


○関口構成員
  今のお話の流れでよろしいでしょうか。医療観察法ではなくて、先に措置入院になる方がままいらっしゃいまして、それが本当に妥当かどうか、措置入院を受けた医療機関が差し戻すことができない仕組みであると思うのですね。これだけ重大な犯罪を犯しておきながら、措置入院での処遇を求められることが少なくないと思っていまして、そこを医療観察法でもう一度仕切り直しをしてほしいというような、差し戻しではないですが、そういう仕組みが一つあると、措置入院の中では医療観察法のような適切な柔軟な処遇はできないわけですから、同じような質を求められるのも困りますし、その方に合った治療の環境をつくるという、提供するほうがよろしいかと思いまして、そういう仕組みも一つ必要かなと思いました。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  その辺のことになってしまうと、今回の指定医療の体制ということとずれてしまうのですが、常に抱えている、すごく重要な問題かなと思っております。

  そのほか、いかがでしょうか。関口構成員。


○関口構成員
  ペーパーで御質問させてもらってよろしいでしょうか。26ページになりますが、対象者の方で、精神保健法上の入院になる方が何%かいらっしゃるという、半年入院では109人、1年後では123人と。この要因分析は何かされていらっしゃいますでしょうか。


○伊豫座長
  田中室長、いかがでしょうか。


○田中医療観察室長
  これはワンポイントの研究結果として取り出しているというだけで、私どもが研究の内容に関して十分把握していないところがあるのですけれども、しっかりとフォローはされているので、ある程度の要因分析はできる状態ではあると思っています。その辺は、もしわかりましたら、次回にでもお示しします。


○伊豫座長
  長谷川構成員。


○長谷川構成員
  安藤久美子先生とかの研究がありましたけれども、まず、入院処遇が終わってから、そのまま通院処遇の病院に入院するケースは結構な数があるということで、中にはそのまましばらく入院になっている難しいケースもあると伺っています。あとは、当院でもありましたけれども、中で問題を起こしたり、薬物の人が再入院したり、そういう方も含まれているのだと思います。


○伊豫座長
  村上構成員。


○村上構成員
  要するに、通院中の精神保健法による入院を悪と見るのか、いたし方ないことと見るのか、進めるべき問題だと見るのか、この見方によって随分変わってくるのだと思っています。先ほど長谷川構成員がおっしゃったような部分で言えば、ロー・セキュア・ユニットというのは我々はないので、その形として、リスクが低くなって状態が安定化している人を一般環境に戻して、そこを退院するという形ならば、そういう選択をする機関もあるでしょう。

  それから、もう一つ、クライシスプランを立てるときに、本人の状態が、ある程度の病気ですから、一回よくなれば、ずっとそのままいいというわけではなくて、波がございます。そのときにリスクを避けて緊急入院というのは、本人が同意して計画を立てることが多いので、そうなれば、割合が高いということは、クライシスプランが有効に機能しているということで、かえってこれは評価できることになってくるわけです。ですから、ここの要因は、入院した方の退院した後のフォローアップ調査から出てくるデータで、大森先生のところの研究所が出しているデータだと思いますけれども、コメントとしては、先ほど私がお話ししたようなコメントのほうが多かったと思います。


○伊豫座長
  そうですね。私が以前にちょっとかかわっていた研究班でも、金沢のマツバラ先生が報告されたのは、軽度の再燃、精神症状がちょっと悪くなったときに、精神保健福祉法上の入院で悪化を防ぐということで、必ずしもマイナスの要因ではないのではないかという部分もあるようです。

  そのほか、いかがでしょうか。

  では、私からもう一つ。正直申し上げて、医療観察法の医療が始まってから、いわゆるMDTといいますか、多職種参加の医療とか、クロザピンをリーダーシップを取って広げているとか、認知行動療法や暴力リスクのアセスメントなど、非常に日本の精神医療をリードしてきていると思います。一方で、そういう重大な対象者、または難治な対象者はいらっしゃるので、既に始めているかもしれないのですが、ピアレビューといいますか、指定入院医療機関同士、または施設入院医療機関も含めて、もっといい医療ができないかみたいな交流もどんどん持ったほうがいいのかなと思うのですけれども、そういう点では、逆に構成員の先生方、いかがでしょうか。


○田中医療観察室長
  ピアレビューの事業としましては、去年から各医療機関、ペアを組んで、実際に違う環境で、うちではこうしている、うちではこうだったということを確認するような、そういう事業を実施しております。去年のやり方が、チェック項目に従って確認するという、大体、医療標準をとっているようなところとしては余り新しみのない事業構築をしてしまったところを少し見直しまして、事例検討等を通してディスカッションするというスタイルにして、今まで実施した医療機関としては、こちらのスタイルはいろいろ新しいことがわかっていいと伺っていますので、そういうことを続けていきたいなとは思っています。


○伊豫座長
  ありがとうございます。ピアレビューであり、ピアアドバイザーみたいな形ですね。そういったものが必要になるかと思います。

  村上構成員。


○村上構成員
  厚生労働省が事業化していただいて、多分3年だったと思います。その前に6年ほど研究事業としてピアレビューが行われました。6年ピアレビューが行われた中で、病床が非常に足りない時期でしたので、早期退院をどうさせるかにポイントを合わせ、逆に言えば、長期入院の方についてのケースカンファレンスをしっかりするということがテーマになって、ピアレビューで病院そのものの均てん化というのは促進はされたのだと思います。32の病院がそういう流れの中で、クロザピン導入後、ほぼ全施設でしたし、その結果として25%の入院者に対する使用という、非常に高い割合になっていったわけですから、その意味ではピアレビューというのは効果があったのだと思います。ですが、それをしてもなお、さらに均てん化というのは結構難しい問題があると思っています。


○伊豫座長
  わかりました。ありがとうございました。

  柑本構成員。


○柑本構成員
  ありがとうございます。スライドの27ページなのですけれども、重大な再他害行為が3年で1.8%ということなのですけれども、これは3年以内に行ったのが1.8%ということなのですか。指定入院から退院して。


○村上構成員
  そうですね。3年以内です。


○柑本構成員
  その罪種がもしわかったら教えていただけるとありがたいのです。


○田中医療観察室長
  また次回にお示しさせていただきます。


○柑本構成員
  わかりました。お願いします。


○伊豫座長
  では、石津参考人。


○石津参考人
27ページのところなのですけれども、次回ということかなとも思いますが、1つには、既に12年たっていて、通院の実績が2,416名あったわけです。そうしますと、この期間に、その人たちが実際どうだったのというのが調査として出てきそうな気がするのですが、そういった単純なものではないのかなというのが1点です。あと、「重大な」ということで見ると、このパーセントということですけれども、「重大な」というエリアに入らないような、例えば、殺人とか、そこまでいかないようなものであった場合にはどのぐらいの割合なのかなというところに関心があります。そういった調査はされていらっしゃるのですか。


○田中医療観察室長
  基本的には、ここと同様の事象が拾えているかということだと思うので、整理したものを次回確認したいと思います。


○村上構成員
  ちょっと追加させてください。これも大森先生のところの研究所がやっているデータなのですけれども、基本的には重大なというのは、最初の定義としては、医療観察法の6罪種を指しています。ただ、これは入院のときに本人の同意を取ってフォローアップ調査をする。それごとに、今度は社会福祉調整官にフォローアップをしていただく。ですから、3年したらもうフォローアップできませんから、3年間の中での再他害率を見るということで、そうなりますと、御存じの方もおられると思いますが、例えば、医療観察法の病棟で院内殺人をしたという例がありますか、そういう例は当然、インフォームドコンセントを取っていませんので、そういうデータは入ってきていないです。だから、全数調査ではないのです。これは要するにフォローアップできた方の調査という形で、これぐらいの割合になっています。この割合の中では、重大な他害行為ではあるけれども、重篤な事件は入っていません。

  それから、先ほど言われたように、万引きであるとか、重大な他害行為でない行為に関しても、一応、ピックアップされているので、頭の中のデータは覚えていないのですけれども、そんなに高い割合ではない。これにちょっと多いぐらいになったと記憶しています。これはデータを出していただければと思います。


○柑本構成員
  データを次回にもし示していただけるのでしたら、あわせて、自殺のものも見せていただけると大変ありがたいのですけれども、よろしくお願いします。


○伊豫座長
  まだ御質問、御意見あると思うのですけれども、最後に全体を通しての御質問の時間も考えてございますので、とりあえずここで次に移りたいと思います。

  それでは、事務局から資料3について御説明ください。


○田中医療観察室長
  資料3「診療報酬の改定について」でございます。医療観察法の診療報酬は全額国費になっておりまして、ただし、例えば、医療観察精神科専門療法、医療観察訪問看護などは、中医協で議論されている健康保険上の診療報酬の点数に準じて設定しております。御承知のとおり、健康保険法の診療報酬は2年に1回改定でございますので、その作業が発生するということで、これをあわせて診療報酬を見直すということで今まで運用してございます。

  資料3の1ページでございますけれども、こちらは診療報酬に関してのイメージを持っていただくということで簡単にお示ししているものです。医療観察法各区画が包括払いで、まず大きな管理料という形で設定されてございます。例えば、急性期の入院対象者入院医学管理料は6,705点。これは1日ごとに計上できるような包括の支払いの形になっております。

  2ページ、3ページは回復期の入院医学管理料、社会復帰期の入院医学管理料をお示ししております。

  また、4ページに関しましては通院医学管理料ということで、こちらは1月の管理料という形でお示ししておりますが、例えば、前期通院対象者通院医学管理料は8,296点、7月目以降2年までが7,291点、2年以降は6,285点という形の管理料が設定されております。

  5ページでございますけれども、医療観察法にかかっている医療費に関してお示ししております。およそ160億円という数字になっております。

  診療報酬改定における基本方針なのですけれども、まずは処遇改善につながるような報酬、あるいは早期退院につなげるような報酬、あるいは指定通院医療機関開拓につなげるような報酬に関して設定したいと考えております。また、医療観察精神科専門療法は「診療報酬点数表」に、医療観察訪問看護は「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」に準じ、必要に応じて改定するという方針でいきたいと思っています。

  事務局の説明は以上でございます。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  ただいまの御説明に対して御意見や御質問をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

  先ほど松田構成員からも、クロザピンを指定通院でできるような体制のためにはどうしても診療報酬ということもございましたけれども、その辺も指定医療機関開拓というところに少し御考慮いただければということなのかなと思いますが、いかがでしょうか。

  では、関口構成員。


○関口構成員
  今お話がありましたクロザピンにつきましては、血液内科の先生方との連携が必要だということですが、連携において、特に報酬が発生しないわけですね。病院対病院で、何かあったら御協力をお願いしますという協定書を結ぶのですが、精神科のほうからオファーするときに、向こうとのやりとりの中で、向こうも待機しなければいけないとか、いろいろな状況がありますので、クロザピンは医療観察法のためだけの治療薬ではないですから、医療観察法の方を対象に連携とる場合には、連携料を上乗せするとか、連携しやすい体制は誘導してもいいかなという気がいたします。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  そのほか、いかがでしょうか。石津参考人。


○石津参考人
  これを拝見しますと、この点数が多分、高いのかなということは想像できるところなのですけれども、通常の精神科の場合は、包括ではなくて、多分、積み上げ方式でやっているということだろうと思うので、比較するのは難しいのだろうと思うのですけれども、平均すると、通常の精神科だと、いろいろな症状の方があると思いますが、大体どのぐらいになって、こちらだとこうだという、そういったものがわかる資料はございますか。


○田中医療観察室長
  済みません、私ども、今、数字を持っていなくて、わからないです。


○伊豫座長
  関口構成員。


○関口構成員
  毎月、私たちの病院で入院費1日当たり1人幾らか、外来費幾らかを算出しているのですが、入院費につきましては、1人当たり1万8,000円、外来費については7,000円が私たちの病院でいただいている額になっています。月単位ですから、それを日数分掛ければよろしいかと思います。


○石津参考人
  ありがとうございます。理解不十分で申しわけないのですが、入院で、今、1万8,000円とおっしゃった。点ですか、円ですか。


○関口構成員
  8,000円。


○石津参考人
  18,000円
ということなのですね。そうすると、これは3段階に分かれておりますけれども、例えば、急性期の場合だと、円に直しますと、1日当たりが6万7,050円で、通常の精神科の場合ですと、それが1万8,000円だという、その比較の仕方という意味合いでしょうか。ありがとうございます。さらに出ていますのが管理料ということですから、これに何か措置をすると、それの分については積み上げられるかというか、そのイメージでよろしいのでしょうか。


○田中医療観察室長
  1,000点以上の検査等を幾つか外出しで積み上げられるものもございますけれども、例えば、処方料であるとか、薬のものは、入院に関して言うと、そこは管理料に含まれているという状況でございます。


○伊豫座長
  私から一言申し上げさせていただきますけれども、精神科の入院医療費はほかの科に比べたら非常に安いです。数分の1です。そのために医師や看護師の配置が少なくなって長期入院化するという形でずっときているのですね。今、急性期の医師配置加算のような形で、医者の数を適切な、OECDよりはまだずっと少ないのですけれども、追いつくような形でどんどん、短期集中的に高度な医療を提供しようという動きになっていまして、そういうふうに見ると、他科の入院管理料に比べてみて、医療観察法も決して高いわけではない。急性期入院ですね。というのは一言コメントさせていただきたいと思います。

  では、村上構成員。


○村上構成員
  私、医療観察法のスタートの準備の段階で診療費用のことについて少しお手伝いしたので追加させていただきたいのですけれども、もともとこの医療は裁判所の命令による強制入院であること、重大な他害行為を行っているということで、ある意味でのハイリスクということを念頭に置かないといけない。その中で人権を最大限配慮して、例えば、拘束で保護室に隔離するとかいうことを最小限度にしなければいけないとか、幾つかのテーマをいただいて、このような診療体制にすることを我々は準備させていただきました。

  例えば、今、保護室に入れることになると、そういう状態はできるだけ短い期間、だけれども、リスクが生じれば観察レベルを上げないといけないので、常時観察をする、1対1でずっと見ながら観察をするという制度は、一般の精神科医療ではまず無理で、せいぜい保護室に入れて、監視を必要とすればモニターカメラで見るという形になってくるわけですけれども、そういうことは可能な範囲でしないという立てつけをしました。我々がイギリスに学びに行ったときにしっかりと学んできたことで、ある意味で日本の精神科医療を少し変えていきたいという流れになると、よりそこにアクセントがついていたのかもしれません。

  それから、いわゆる薬物療法に関しては、医療観察法に特殊な薬物療法はございませんから、基本的には一般的な薬物療法なのですが、先ほどお話ししましたように、難しい患者が多いと、どうしてもクロザピンの投与が多くなってまいります。ただ、医療観察法がスタートしたときにまだクロザピンは使えませんでしたから、それは念頭には置いていなかったのです。ですから、クロザピンの問題が出てきたときに、いろいろなお願いをまた別個にしたいとは思っています。

  ただ、いわゆる心理・社会的な治療に関しては、もう既に32の病院でさまざまなアプローチがなされていて、プログラム数だけでも200を超えているのですね。認知行動療法だけではございませんで、さまざまなアプローチがされているという点では、随分と臨床的な知見を提供できてきているのだろうと思っています。一人の患者に対して、多職種で、ドクター、ナース、CPOTPSW、5職種がつきますので、そういう医療の先鞭をつけていったと思っています。そういうことを立てつけしたときに、治療に関してどれぐらいの人が必要か、この人件費を賄うためにはどのような医療費が必要かという順序で医療費が決められていったと私は記憶しています。ただ、急性期を幾らにして、回復期をどうしてという立てつけに関しては、専門の方が考えておられて、私が細かいところを関与したわけではありませんが、そのための資料は提供しました。

  例えば、社会復帰のステージで、先ほど籠本先生が外泊をさせなければいけないと。外泊回数は確かに入院期間と逆相関していくわけですね。外泊が多いほうが入院期間は短くなってくる。とすると、先ほどの話のように、2泊3日ぐらいでも、2人ではなくて、夜勤もしないといけないという事態になれば、場合によったら、遠いところだったら3人ぐらいつけなければいけなくなります。私が琉球にいたとき、北海道に送ったときには4人ぐらいついていって交代させないといけない。おっしゃられるように、2泊3日では何もなりませんので、場合によってはマックス4泊5日ぐらいまで外泊をさせていましたから、そうすると4人とか5人送らないといけないことになるので、非常に膨大なマンパワーを要するということを前提に置いて、お金をどんなふうに示されるかという構成になっているので、ある意味では、こういう状態が一般医療に反映できればベストだと思いますけれども、実験的にさせていただいているのが現状だろうと思っています。


○伊豫座長
  よろしいでしょうか。では、寺田構成員。


○寺田構成員
  地域で訪問看護をやっている立場から報告させてください。先ほどの現状についてというところで、23ページなのですけれども、医療観察法の訪問看護の1カ月当たりの請求点数が5,530点なのですけれども、私ども、精神科の訪問看護数をかなりやっておりまして、1件頭の平均点数が1万円を超すのですね。あと、精神科の訪問看護ステーションの診療報酬と整合性がなく、先ほどの入院している方を地域に出していく、長期の方もいらっしゃるし、それを受けとめる地域の力量とか、受けとめ方、それと診療報酬の問題は大きいと思うのですね。現実には、今、9735ケ所、全国訪問看護事業協会でステーションがあるのですけれども、組織率が5531ケ所、56,8%ですかね、医療観察法をやってくださるところは、多分1%にも満たないのではないか。

  私ども、精神疾患の方をかなりの件数をやっていますけれども、現在、訪問看護ステーションが5カ所あって、医療観察法の方は現在時点で10人ですね。その中で声が上がっているのは、情報提供書が2,000円ということで、半日かけてケア会議に参加して2,000円なのですね。情報提供書は毎月関係機関に出していて、本来ならば毎回1,500円ずつ、一般の診療報酬は取れるのですね。その情報提供書も医療観察法では取れない。ケア会議の日程が、それもかなり強引に上から、この日に来てくださいという形で言われてしまう。そういう状況の中で、訪問看護を医療観察法で、確かに手厚いなとは思うのですけれども、やってくれるところが少ないのは仕方がないのかなと。

  もう一つは、訪問看護ステーションの退院時共同指導加算とか、退院支援指導加算とか、いろいろな加算が実はついているのですね。措置入院の方で、本当に医療観察法に近い方も私どもはやっていますけれども、それには十分な加算がついています。それから、先ほど言っていた、退院するときの、訪問できるわけですよ。そこに訪問に行けば、訪問の診療報酬が取れるのですね。でも、それは医療観察法の中では仕組みとしてはないです。

  それと、24時間365日、私どもは電話をやっております。医療観察法の方はかなり不安も強かったり、電話も多いです。それと、入院中は前期、中期、後期というか、社会復帰期ですか、分けて点数がついているのですけれども、エピソードが大変な方がいらっしゃるので、通院する前期というか、退院してきた前期の訪問看護にも少し診療報酬を重ねてほしいかなと思っています。


○伊豫座長
  ありがとうございます。

  地域で対象者を支えるとなると、訪問看護は非常に重要で、先ほどのお話にもありましたけれども、最初の1年間で何%の再入院と、その辺のところ、訪問看護の方々には気づいて、安全なうちに再入院させるということもあったりしますので、今、お話あったようなこともぜひ参考にしていただければと思います。

  そのほか、いかがでしょうか。全体を通してでも結構です。では、長谷川構成員。


○長谷川構成員
  この基本方針の中に、指定通院医療機関の開拓につなげる報酬がありますけれども、診療所の中では、自分のところに通院していた患者が対象者になった場合に、本当は引き受けたいのだけれどもというところは結構多いのですね。ですけれども、なかな
かハードルが高いと思っていらっしゃるところがあるのですが、例えば、ケア会議も含めて、後方支援病院になってくださるだけでも、報酬がもっとあるとかいう形になると、一般の精神医療の困難事例に対してもモデルになりますし、病診連携が進みやすいと思うのです。

  医師一人でやっているような診療所の場合はデイケアがないので、デイケアは別のところに行ったりということがあるのですけれども、うちでも1人、別なところに通院していて、補完型でデイケアも受けている方がいますが、デイケアは再診料が取れないので管理料に入ってしまうので、補完型ですとデイケアは一般のデイケアの人よりも診療報酬が低い形になってしまって、手間は非常にかかるけれどもという問題があります。
補完型として周りで応援するところ、後方支援病院も含めて、少し評価していただければ、医師一人で診療しているクリニックでも通院処遇を受け入れられる可能性が出てくると思います。

  あと、もう一つ、往診に報酬がついていないので、往診のあるケースがたびたびありますので、そこを考えていただければと思います。


○伊豫座長
  ありがとうございました。指定通院医療機関の開拓や、または往診も実際には行われているところも御考慮いただきたいということです。

  そのほか、全体を通してで結構なのですけれども、いかがでしょうか。では、松田構成員。


○松田構成員
  医療費のほうは大体これでわかるのですけれども、社会復帰施設等々に帰られる方がおられます。福祉サービスを使っている人がどの程度いて、どの程度お金かかって、介護サービスを使っている方はほとんどいないと思うのですが、ちなみに、いるとしたらどういうケースか、教えていただきたいのです。


○伊豫座長
  データはございますでしょうか。


○田中医療観察室長
  恐らく福祉サービスに関しては、データはとっていないと思っています。医療観察の対象者ということでの統計はないのだと思っています。対象者もお若い方なので、そもそも介護保険の対象である方が少ないだろうとは想定されていますけれども、そこの御回答はここまでですね。


○伊豫座長
  松田構成員。


○松田構成員
  うちの社会復帰施設も来るのですね。20人なら20人に、こういう人が来るけれども、一緒にやれるかどうかとか、職員だけではなくて、患者、利用者も会議したりして、受け入れましょうとなってからやって、うまくいくのですけれども、いろいろなところでそういった労力を使っているということは頭に入れておいていただきたいと思います。


○伊豫座長
  御家族が被害者になることも多いので、帰る場所がグループホームであったり、単身でアパートであったりということもあったりするので、確かにどうやって支えるかというのは重要なポイントかなと思います。

  そのほか、いかがでしょうか。関口構成員。


○関口構成員
  今のお話で、埼玉県で調査したことがございまして、社会復帰施設を求める方が4割いて、そのうち利用できる方が10%、15%と、平成23年度の調査のときにそういう統計をとったことがございます。実際受けてみますと、医療観察法は、病棟の中では閉鎖的で従順な生活を送っていても、外に出ると少したがが外れて、そこの中で問題行動を起こすということが多く見られている状況もありまして、そういう方々のケアは人がい要る。人が要るとお金は当然必要になりますが、現状の体制の中でそこまでカバーできないという状況があります。

  インセンティブとしては、グループホームにつきましても、宿泊自立訓練につきましても、1日670点の加算がたしかあるかと思いますので、それについては誘導策としては国は進めていると思うのですが、それも3年間とか区切ってということになりますけれども、グループホームにつきましては、それ以降もずっと生活をしていくことになりますので、そこで手厚い人材を加えても、その後お金が切れてしまうと人を雇えないとか、そういうことにもなっていきますので、そこら辺はトータルで医療観察法を受けるという登録をしたところについては、継続的にいろいろな方を受け入れるような体制を整備していくことも必要かなと思います。


○伊豫座長
  ありがとうございました。

  では、寺田構成員。


○寺田構成員
  今の話に続いて、現実にうちでもグループホームがあって、本当にうまい成功事例が1件あって、よかったなと思うのですけれども、そこに訪問看護、先ほどの24時間の対応型サービスと、訪問看護が適時入るという、あと、何かあったときに、グループホームの職員は訪問看護が入っていると安心するのですね。それが私どものグループホームでも受けている理由と、あと、もう一つは地域で、この間、何件も受けてくださっているグループホームがあります。そこも私どもの訪問看護が大体請け負っていて、そこと連携しながらやっているという状況があります。ですから、地域での受けとめ方というか、サービスの体制をつくっていただけるといいかなと思います。


○伊豫座長
  先ほど村上構成員のお話がありましたが、最初、退院させて、通院でフォローしていくかということをやったのですが、現実的にかなり地域に定着してきている方々も多いので、そちらのフォローアップということかなと思います。

  そのほか、いかがでしょうか。では、柑本構成員。


○柑本構成員
  済みません、一番初めにお聞きするべきだったのですけれども、この懇談会の趣旨のところには、評価等を行って所要の措置を講じることが必要と書かれているのですけれども、その所要の措置というところは、単に運用を変えるだけのことを考えていらっしゃるのか、それとも法改正も踏まえた上で検討を行おうとされているのか、そこのところを明らかにしていただけるとありがたいのです。


○伊豫座長
  お願いします。


○田中医療観察室長
  法改正は役人でできるものではございませんので、まずはデータをしっかりとして、必要性等をもう少し客観的に示す、そこの必要なデータは何かということの御意見を聞くものだという位置づけで臨んでおります。


○伊豫座長
  よろしいでしょうか。では、長谷川構成員。


○長谷川構成員
  医療観察法は統合失調症が大半ですけれども、薬物乱用者に関しては、数は少ないと思いますが、全く別枠でシステムをつくったほうがいいと思います。というのは、医療観察法の原則として地元に戻ってくるということがありますけれども、薬物の入手ルートに精通しているところにわざわざ戻ってくるというリスクがあるわけですので、別な土地で処遇も受けられるような形で、全然別枠で、社会復帰期になったら別な土地でしばらく過ごすとか、何か違うシステムを検討していただければと思います。


○伊豫座長
  ありがとうございました。当初、統合失調症モデルでしていたのが少し多様化しているのは事実だと思うのですね。

  そのほか、よろしいでしょうか。では、予定していた時間ちょうどになりましたので、もしないようであれば、これで司会を事務局に戻したいと思います。よろしいでしょうか。では、よろしくお願いいたします。


○兵頭医療観察室長補佐
  本日は貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。

  最後に事務連絡を申し上げます。次回は1月10日になりますので、よろしくお願いいたします。

  それでは、本日はこれで閉会といたします。どうも本当にありがとうございました。

 


(了)
<<照会先>>

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医療観察法医療体制整備推進室
TEL:03-5253-1111(内線3099)

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