ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 心身障害者扶養保険事業に関する検討会(令和4年度)> 第1回心身障害者扶養保険事業に関する検討会 議事録(2022年6月30日) - (1) - (1)

 
 

 第2回 心身障害者扶養保険事業に関する検討会 議事録

社会・援護局障害保健福祉部

○日時

令和5年2月22日(水)10:00~12:00

 

○場所

ビジョンセンター永田町(東京都千代田区永田町1-11-28合人社東京永田町ビル8階801)
 

○出席者(五十音順)※全員オンライン出席

伊藤構成員
臼杵構成員
木山構成員
久保構成員
駒村構成員
谷杉構成員
長井構成員
野澤構成員
村山構成員

○議題

(1)財政運営見込の検討について
(2)今後の広報活動について
(3)その他

○議事

○駒村座長 ただいまから、第2回「心身障害者扶養保険事業に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席ありがとうございました。
 初めに、事務局から構成員の出席状況について御報告をお願いいたします。
○片寄課長補佐 事務局の片寄でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、木山構成員が御欠席でございますので、御報告いたします。また、久保構成員も、今、準備中ということで聞いておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、恐れ入りますが、カメラなどの撮影につきましてはこれまでとさせていただきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○駒村座長 それでは、本日の議事及び資料などについて、事務局から御説明をお願いいたします。
○片寄課長補佐 事務局でございます。
 本日の議事につきましては、1.財政運営見込みの検討について、2.今後の広報活動について、3.その他でございます。
 資料につきましては、構成員の皆様に事前に、議事次第、資料1「心身障害者扶養保険事業に係る財政運営について」、資料2「今後の広報活動について」、それから、参考資料として、本検討会の開催要綱をお送りしております。御確認をお願いしたいと思います。
 よろしいでしょうか。
 そして、マイクの御説明でございますけれども、御発言のとき以外はミュートにしていただければと思います。また、御発言方法につきましては、会議中に御発言される方は、リアクションの中にある挙手ボタンを押すか、カメラに向かって挙手をしていただければと思います。御指名を受けた際は、マイクのミュートを解除していただき、御発言が終わりましたら、再度マイクをミュートにしていただければと思います。カメラにつきましては、会議終了までオンにした状態でお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○駒村座長 それでは、議事に入りたいと思います。
 最初の議題は「心身障害者扶養保険事業に係る財政運営について」、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○江尻室長補佐 厚生労働省、江尻でございます。それでは、議事1につきまして御説明申し上げます。
 資料1の「心身障害者扶養保険事業に係る財政運営について」に基づき御説明いたします。資料1をお開きください。
 まず、1ページ目は目次でございます。資料の構成としましては、「1.検討のポイント及び検討に当たっての前提の整理」、「2.主な基礎率の動向及び当該動向の財政に与える影響」、「3.財政収支等の将来推計について」、「4.保険料水準等の見直しの要否について」の大きく4つに分けております。
 それでは、3ページを御覧ください。前回の心身障害者扶養保険事業に関する検討会からの社会状況等の変化を踏まえ、本事業が安定的に持続可能であるかどうかを検討の趣旨としておりまして、当該検討に当たって、簡単ではございますが、以下、検討の流れを御説明いたします。
 1.にございますが、まず、検討に当たっての前提として、保険料(掛金)・給付等の本事業の仕組み及び財政状況を整理いたします。2.になりますが、次に、保険料水準等の見直しを検討するに当たって、以下の(1)から(5)のポイントごとに、財政に与える影響を見た上で、現状の動向を確認いたします。こちらは第1回の本検討会にて委員からいただいた御意見を踏まえたものです。3.ですが、2.で確認しました現状等を踏まえまして、今後の見通しに基づく財政状況等の将来推計を実施いたします。最後になりますが、3.で、実施した将来推計の結果を踏まえ、保険料水準等の見直しが必要かどうかを検討することとしております。
 4ページから7ページまで、検討に当たっての前提の整理といたしまして、本事業の仕組み等を記載しております。第1回の本検討会においてお示しした内容と一部重複がございます。そのため、割愛させていただく場合もございますが、御容赦ください。
 それでは、4ページを御覧ください。本事業の加入者の要件を記載しております。本事業の加入者は、1加入時の年度の4月1日時点の年齢が満65歳未満であること、2知的障害者、1級から3級までの身体障害者、又は精神又は身体に永続的な障害のある方で、その障害の程度が知的障害者又は1級から3級までの身体障害者に該当する心身障害者を扶養していること及び3特別の疾病又は障害がなく、生命保険に加入できる健康状態であること、いずれの要件も満たしている保護者(配偶者、父母、兄弟姉妹又はその他の扶養親族等)としております。
 続きまして、加入者の保険料(掛金)についてです。本事業は事前積立方式でございまして、制度全体で収支均衡するように保険料(掛金)を設定しております。具体的な金額につきましては、表にございますように、加入時期及び加入時の年齢に応じた保険料(掛金)となっております。
 5ページに、本事業からお支払いするものを記載しております。年金給付につきましては、加入者が亡くなられた、又は重度障害となったとき、その月から障害者に対して生涯にわたって月額2万円の年金を支給いたします。年金給付のほか、加入期間1年以上の加入者が生存中に障害者が亡くなられた場合、又は当該加入者と障害者が同時に亡くなられた場合にお支払いする弔慰金や、加入期間5年以上の加入者が生存中に脱退した場合にお支払いする脱退一時金がございます。
 6ページは、本制度の仕組みを図示したものです。委員の皆様におかれましては御承知おきのことかと存じますので、内容については割愛させていただきます。
 7ページを御覧ください。財政状況といたしまして、年金財政における現価相当額等の推移と積立比率の推移を記載しております。ページ上の表にございます一番右の列が令和3年度の数値、一番下の行が利益剰余金又は繰越欠損金の数値でございます。平成29年度末時点では約14億円の繰越欠損金が発生しておりましたが、前回の平成29年度の見直し等の影響により、令和3年度末時点では約94億円の剰余金が生じております。
 また、現時点の資産額をこれまでに保険料を支払った分の給付を行うのに必要な額で除した割合である積立比率につきましては、平成20年度以後加入者における積立比率は過去5年間において1を上回っており、財政の健全性が維持されております。
 なお、平成19年度以前加入者における積立比率は、過去5年間において1を上回っておりませんが、これは公費で過去期間分の給付を賄う、こととしているためです。
 検討に当たっての前提の整理につきましては以上になります。
 続きまして、主な基礎率の動向及び当該動向の財政に与える影響について、ポイントごとに御説明いたします。
 9ページを御覧ください。新規加入者数が財政に与える影響につきまして記載しておりますが、公的年金の賦課方式とは異なり、本事業は事前積立方式でございますので、保険財政・年金財政ともに、新規加入者数の増加・減少は、基本的に直接的な財政上の影響をもたらさないものと考えております。
 ただし、加入者数全体が増加しますと、保険料(掛金)の増加を通じた運用資産規模の拡大によるスケールメリットの享受、流動性確保のための資産取崩しの防止、大数の法則が働きやすくなり、安定的な事業運営となることのほか、財政上欠損金がございましても、支払不能になりにくいというメリットがございます。
 そのため、基本的に直接的な財政上の影響は中立的であるものの、保険財政・年金財政ともに新規加入者数の増加は財政上プラスの影響をもたらし、減少はマイナスの影響をもたらすものと考えられます。
 そのような影響がある中で新規加入者数の現状を見ますと、平成20年4月制度改正、第4次改正でございますが、当該改正に伴い、新規加入者数は低水準で推移していたものの、平成29年度からの新規加入促進により、直近3年間においては安定的に1,000人程度で推移しております。
 このような現状を踏まえまして、将来推計に当たっては、新規加入者数は直近の水準である1,000人といたします。
 なお、オプションとして新規加入者数が増加したケースとして、直近の水準の2倍である2,000人とするケースと、全く加入しないというケースとして、新規加入者数がゼロとなるケースにおいても将来推計いたします。
 続きまして10ページを御覧ください。加入者の死亡率についてです。まずは、加入者の死亡率の動向が財政に与える影響について御説明いたします。
 加入者が亡くなるということは、保険料の掛金の納付がなくなり、原則、障害者が年金受給者となって、年金支給が開始されることとなります。そのため、保険財政にとって想定を上回る加入者死亡率の上昇は、保険料(掛金)納付見込額が低下するため、財政上マイナスの影響をもたらし、逆に、想定を上回る加入者死亡率の低下は、財政上プラスの影響をもたらします。また、年金財政にとっても想定を上回る加入者死亡率の上昇は、年金支給見込額が増加しますので、財政上マイナスの影響をもたらし、逆に、想定を上回る加入者死亡率の低下は、財政上プラスの影響をもたらします。
 次に、現状の動向を見てみますと、平成29年度から令和3年度までの実績から算出いたしました粗死亡率は、平成24年度から平成28年度までの実績から算出した粗死亡率と比べまして、女性の加入者における73歳以下の年齢階級を除き、死亡率の低下が見られます。
 11ページを御覧ください。上部にありますのが男性、下部にありますのが女性の加入者死亡率でございます。赤線が平成29年度から令和3年度までの実績から算出いたしました粗死亡率でございまして、黒線が平成24年度から平成28年度までの実績から算出いたしました粗死亡率でございます。
 比較してみますと、男性、女性共に、赤線が黒線よりもおおむね下回って推移しておりまして、死亡率の低下が見られますが、女性の73歳以下の年齢階級においては赤線が黒線を上回るなど、一部死亡率の上昇が見られます。こちらは本事業から得られる加入者死亡率の動向でございますが、日本全体の動向につきましては、次のページで確認いたします。
 12ページを御覧ください。日本全体の動向といたしまして、完全生命表における死亡率を見ていきます。11ページと同様に、上部に男性、下部に女性の死亡率、赤線が直近令和2年のデータ、黒線が5年前の平成27年のデータでございます。
 比較してみますと、男性、女性共に、赤線が黒線よりもおおむね下回って推移しており、死亡率の低下が見られます。
 10ページにお戻りください。11ページ及び12ページで見たように、本事業から得られるデータの動向と日本全体の動向に大きな齟齬が見られないことから、保険料水準等の検討に当たっては、直近のデータ、つまり、平成29年度から令和3年度までの実績に基づく死亡率を前提といたします。
 加入者死亡率を現行から直近のデータに基づく死亡率に変更した場合、年齢ごとの死亡率低下による財政上プラスの影響と死亡率上昇によるマイナスの影響がございますが、トータルで見ますと、財政上マイナスの影響がございます。
 将来推計に用いる加入者死亡率につきましては、13ページに載せております。こちらも、上部に男性、下部に女性の死亡率、赤線が直近のデータに基づく死亡率で、黒線が現行の死亡率でございます。
 全体として死亡率の低下が見られている現状において、加入者死亡率の変更が財政上マイナスの影響をもたらす理由といたしましては、女性の73歳以下の年齢階級における死亡率の上昇の影響を反映して、現行の死亡率よりも高い水準で推移しており、当該死亡率の上昇により財政上マイナスの影響が出ているものです。
 ただし、見直し後の加入者死亡率につきましては、完全生命表の死亡率と比較いたしましても、同程度の水準にございますので、合理的な設定となっているものと考えます。
 なお、比較のため、現行加入者死亡率に基づく将来推計も併せて実施いたします。
 続きまして14ページを御覧ください。障害者の死亡率についてです。まず、障害者の死亡率の動向が財政に与える影響につきまして御説明いたします。
 障害者の方が亡くなるということは、加入者への弔慰金を支給する、又は年金給付の支給が終了することとなります。そのため、保険財政にとって想定を上回る障害者死亡率の上昇は、弔慰金の増加に伴う保険金支給見込額が減少しますので、財政上プラスの影響をもたらし、逆に、想定を上回る障害者死亡率の低下は財政上マイナスの影響をもたらします。
 また、年金財政にとっても想定を上回る障害者死亡率の上昇は年金給付見込額が減少しますので、財政上プラスの影響をもたらし、逆に、想定を上回る障害者死亡率の低下は、財政上マイナスの影響をもたらします。
 次に、現状の動向を見てみますと、平成29年度から令和3年度までの実績から算出いたしました粗死亡率は、現行の障害者死亡率の設定期間に対応する平成15年度から平成17年度までの実績から算出しました粗死亡率と比べまして、若年者層での死亡率の低下及び65から85歳までの年齢階級での死亡率の上昇が見られます。
 15ページを御覧ください。赤線が平成29年度から令和3年度までの実績から算出いたしました粗死亡率、黒線が平成15年度から平成17年度までの実績から算出いたしました粗死亡率でございます。
 比較しますと、若年層において、赤線が黒線よりもおおむね下回って推移しており、死亡率の低下が見られる一方、65歳から85歳までの年齢階級においては赤線が黒線を上回るなど、死亡率の上昇が見て取れます。
 こちらは本事業から得られる障害者死亡率の動向でございますが、日本全体の動向につきまして、次のページで確認いたします。
 16ページを御覧ください。生命表では障害者だけを対象とした死亡率がございませんので、日本全体の動向といたしまして、障害基礎年金の失権率を見ていきます。左のグラフが65歳未満の失権率、右のグラフが65歳以上の失権率でございまして、青線が男性、赤線が女性、実線が直近の令和元年財政検証のデータ、点線が平成16年財政検証のデータとなっております。
 比較しますと、左グラフの65歳未満年齢階級においては、男性、女性ともに実線が点線よりも下回って推移しており、失権率の低下が見られる一方、右グラフの65歳以上の年齢階級においては、男性、女性共に85歳付近まで、実線が点線をおおむね上回って推移しており、当該階級での失権率の上昇が見られます。
 14ページにお戻りください。先ほど、15ページ及び、16ページで見たように、本事業から得られるデータの動向と障害基礎年金における失権率で見た日本全体の動向に大きな齟齬が見られないことから、保険料水準等の検討に当たっては、直近のデータ、つまり平成29年度から令和3年度までの実績に基づく死亡率を前提といたします。
 障害者死亡率を現行から直近のデータに基づく死亡率に変更した場合、年齢ごとの死亡率低下による財政上マイナスの影響と死亡率上昇によるプラスの影響がございますが、トータルで見ますと、財政上マイナスの影響がございます。
 将来推計に用いる障害者死亡率につきましては、17ページに載せております。今回の将来推計から、加入者と同様に、障害者の死亡率も男女別に算出することとし、青線が男性、赤線が女性で直近のデータに基づく死亡率で、黒線が現行の死亡率です。
 今回の障害者死亡率の変更が財政上マイナスの影響をもたらした理由といたしましては、若年者層での死亡率が低下したこと及び男女別に死亡率を設定したことで、女性の死亡率が現行の死亡率を下回ったことによるものと考えております。
 なお、比較のため、現行の障害者死亡率に基づく将来推計も併せて実施いたします。
 次に、運用利回りについてです。18ページを御覧ください。運用利回りの動向が財政に与える影響についてですが、保険・年金財政共に運用利回りが予定利率を上回ることは財政上プラスの影響をもたらし、逆に、運用利回りが予定利率を下回ることは財政上マイナスの影響をもたらします。
 ページの中央に、保険収支、年金収支別に直近5年間の実績の運用利回りを記載しております。現状ですが、保険収支は、生命保険会社の一般勘定による運用であって、安定的に予定利率1.5%を超過して推移しており、5年間の年平均運用利回りは年率1.6%となっております。また、年金収支は国内債券を中心とした株式等による運用であって、年度によってプラスマイナスございますが、平成30年度以降の4年間の平均運用利回りは年率2.37%となっており、予定利率を上回っております。
 そのため、直近の運用利回りの実績は、保険財政、年金財政ともに財政上プラスの影響をもたらしたと考えられ、このような現状を踏まえ、将来推計に当たっては、運用利回りを現状の予定利率と同じ1.5%といたします。
 なお、オプションといたしまして、運用環境が悪化した場合についてもリスクシナリオとして御認識いただければと考え、足下の標準利率である0.25%を運用利回りとして用いた将来推計も実施しております。
 最後のポイントにつきまして、公費投入(特別調整費)の額及び期間についてです。19ページを御覧ください。公費投入の額及び期間の動向が財政に与える影響につきましては、御承知のとおり、保険・年金財政共に公費投入の増額及び期間延長は財政上プラスの影響をもたらし、逆に、公費投入減額及び期間の短縮は財政上マイナスの影響をもたらします。
 現状の確認といたしまして、現行の公費投入について記載しております。保険財政の公費投入につきましては、令和10年度まで毎年46億円、最終年度である平成11年度は31億円であり、年金財政の公費投入については、令和10年度まで毎年46億円、令和11年度は61億円、令和12年度から令和35年度まで毎年92億円で、最終年度の令和36年度は69億円となっております。
 また、中央にある※印に記載しておりますが、前回の平成29年度の見直しにおいて繰越欠損金が生じており、公費投入は制度を長期にわたって安定的に持続して運営する必要な額とするといった考え方のもと、公費投入期間を2050年度から2054年度までと延長しております。
 なお、前回の検討会において委員から御意見としてございました公費投入の年額92億円の算出方法につきまして、御参考として3ポツ目に記載しております。
 公費投入の年額92億円は、平成7年12月時点の既加入者及び年金受給者の年金給付に必要な費用のうち、年金給付をするために不足する約1,200億円を利率4.5%、償却期間20年で元利均等償却方式に基づき算出されたものです。
 現在における利率4.5%は高い水準でございますが、算出当時の厚生年金基金の受託機関であった生命保険会社の最低保証利率を用いて算出しております。
 ここまで主な基礎率の動向及び当該動向の財政に与える影響を見てまいりました。それでは、財政収支等の将来推計について説明いたします。
 将来推計を実施するに当たって、将来推計の前提条件を21ページにまとめております。基本的には、先ほど主な基礎率の動向及び当該動向の財政に与える影響に関するパートで申し上げたとおりでございます。ただし、令和4年度の運用利回りにつきましては、2月下旬と年度が終わろうとしているところでもございますので、直近の運用実績を反映し、年金収支の令和4年度の運用利回りは令和4年12月末までの運用実績-3.8%を考慮したものとしております。
 なお、保険収支につきましては安定的な運用となりますので、保険収支の令和4年度の運用利回りは予定利率と同じ1.5%としております。
 年金収支の令和4年12月末までの運用実績が-3.83%となった背景といたしましては、令和4年度初めからの欧米を中心とした金融引締めの影響による債券価格の下落に加え、昨年12月下旬に日銀の長期金利の許容変動幅が±0.25%から±0.5%へと拡大したことに伴う国内債券価格の下落により債券価格が大きくマイナスとなったためと考えております。
 オプションとして様々なケースがございますが、新規加入者数1,000人、直近のデータに基づく死亡率、運用利回り1.5%、現行の公費投入の額及び期間とするケースをメインシナリオとして考えております。
 次のページから将来推計の結果について、平成19年度以前加入者と平成20年度以後加入者に分けて記載しております。まず、平成19年度以前加入者に係る将来推計の結果について22ページにまとめておりますので、そちらを御覧ください。ページの下部に表として直近のデータに基づく死亡率と現行の死亡率の2パターン、運用利回りが1.5%と0.25%の2パターンの計4パターンの結果を載せております。
 運用利回り1.5%を前提としたメインシナリオにおける将来推計の結果につきましては、保険財政・年金財政共に資金が枯渇しない見通しとなっており、安定的な制度運営が可能となっております。
 なお、現行の死亡率であっても同様の結果です。
 また、リスクシナリオとして実施しております運用利回り0.25%に基づく将来推計の結果は、どちらの死亡率であったとしても将来的には枯渇する見通しとなっております。
 積立比率につきましては、運用利回り1.5%に基づく場合では1を上回る見通しとなっている一方で、運用利回り0.25%のリスクシナリオでは、1を上回らない見通しとなっております。
 23ページ及び24ページに将来推計の結果をグラフとして載せております。23ページは運用利回り1.5%の場合であって、上が保険収支、下が年金収支、左が直近のデータに基づく死亡率、右が現行の死亡率の将来推計になります。緑の棒が資産の額を表しておりますが、4つのグラフ全てで、途中でなくならず、資産が枯渇しない見通しです。
 その一方、24ページでございますけれども、運用利回り0.25%の場合ですが、4つのグラフ全てにおいて、推定期間100年となっておりますけれども、その途中で、緑の棒である資産額がなくなってしまいますので、枯渇する見通しということになっております。
 25ページは積立比率のグラフを載せております。左のグラフが保険収支で、右のグラフが年金収支で、両者共に運用利回り1.5%であれば公費投入期間前に1を上回り、終了後も1を上回って推移していく見通しとなっております。
 次に、平成20年度以後加入者に係る将来推計の結果について26ページにまとめておりますので、そちらを御覧ください。平成19年度以前加入者の場合と同様に、死亡率の2パターン、運用利回りの2パターンに加えまして、新規加入者数が1,000人と2,000人と0人の3パターンの計12パターンの結果をここに記載しております。
 運用利回り1.5%を前提としたメインシナリオにおける将来推計の結果につきましては、保険財政・年金財政共に資金が枯渇しない見通しとなっており、安定的な制度運営が可能となっています。なお、その他のパターンであっても同様の結果です。
また、リスクシナリオとして実施している運用利回り0.25%に基づく将来推計の結果は、新規加入者が1,000人、又は2,000人であれば枯渇しない見通しとなっております。
 積立比率につきましては、運用利回り1.5%に基づく場合では1を上回る見通しとなっている一方、運用利回り0.25%になるリスクシナリオでは1を上回らない見通しとなっております。
 同様に、27ページから30ページまでに将来推計の結果をグラフとして載せております。
 27ページでは、運用利回り1.5%かつ直近のデータに基づく死亡率での将来推計の結果です。上が保険収支、下が年金収支、左が新規加入者数1,000人、真ん中が新規加入者数2,000人、右が新規加入者数0人となる場合をお示ししております。
 緑の棒が資産額を表しておりますが、6つのグラフ全てにおいて途中でなくなることはなく、資産が枯渇しない見通しです。
 28ページは、運用利回り1.5%かつ現行の死亡率に基づく将来推計の結果です。こちらは、27ページにおける将来推計の結果と同様に、6つのグラフ全てにおいて資産が枯渇しない見通しとなっております。
 その一方で、29ページ及び、30ページにございます運用利回り0.25%のリスクシナリオでの将来推計の場合ですが、右の新規加入者数0人の場合には、将来的ではありますけれども、途中で資産が枯渇してしまう見通しとなっております。
 最後に、積立比率の将来推計の結果を31ページに図示しております。基本的に運用利回り1.5%を前提とすれば、保険収支、年金収支共に将来的には1を上回るように推移しているのが見て取れます。
これまで本事業の財政状況に係る将来推計の結果を見てまいりましたが、当該将来推計の結果を踏まえ、今回の保険料水準等の見直しの要否につきまして、33ページに記載しておりますので、こちらを御覧ください。
 今回の将来推計の結果として、平成19年度以前加入者におけるメインシナリオでの保険財政・年金財政共に安定的に運用される見通しとなっております。また、平成20年度以後加入者につきましても、メインシナリオでの保険財政・年金財政共に安定的に運用される見通しとなっております。
 なお、リスクシナリオとして実施した実績の運用利回りが予定利率を大きく下回るケースにおいては、将来において累積欠損金が生じ、新規加入者数が低調となる場合は、保険金、年金の支払不能に陥る可能性もございますが、過去の運用実績を見るに、予定利率を大きく下回る環境にはないと考えます。
 以上により、財政収支等の将来推計の結果を踏まえますと、現行の保険料水準の見直しは不要ではないかと記載しております。
 その一方で、公費投入についてですが、本事業である扶養保険制度は任意加入の制度でございまして、給付に必要な費用は加入者本人の保険料で賄うことが基本であることから、公費投入については制度を長期にわたって安定的に運営することを前提とした上で、現状の利益剰余金を踏まえて必要な額となるようにしてはどうかと記載しております。
 考え方といたしましては、利益剰余金を国庫に返納するのではなく、利益剰余金を将来の公費投入分と対応させることになりますが、次のページで御説明いたします。
 34ページを御覧ください。メインシナリオに基づき算出される利益剰余金に相当する公費投入の額を軽減した場合の公費投入パターンですけれども、こちら、令和36年度の69億円を14億円に変更することが想定されます。
 なお、あくまでもここに記載している公費投入パターンは現時点のものでございますので、仮に公費投入を見直す際には、令和4年度決算を踏まえること及び令和4年度以降の決算の都度見直すわけではないということのその2点ほど、御留意願います。
 ページの下部に、見直した場合の公費投入パターンで将来推計したグラフを載せております。保険収支・年金収支共に途中で資産額が枯渇することなく、安定的な財政運営となる見通しです。
 以上、今回の見直しに関する説明となりますが、参考といたしまして、35ページ以降に加入者や年金受給者等の動向を載せております。
 資料1に関する説明については以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございました。
 本日の主要議題はこの財政運営でございますので、今、事務局から説明がありましたが、ここについて議論したいと思います。皆様から御意見、御質問をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。村山委員、お願いします。
○村山構成員 村山です。
 質問・確認なのですけれども、10ページと14ページに、加入者死亡率と障害者死亡率を直近の実績反映に変更することは財政上マイナスの影響をもたらすという記述があります。このことを、運用利回りは1.5%として、将来収支見通しで確認しようとすると、23,24ページと、27,28ページに実際にグラフがあるのですが、すぐにはわかりにくいように思います。
そこで、積立比率見通しで確認しようと思い、平成19年度以前加入者分について、25ページのグラフを見ますと、左の保険収支では死亡率1(直近反映)というのが赤い実線のグラフで、死亡率2(従前)というのが緑の実線のグラフで、重なっています。右の年金収支では死亡率1(直近反映)の赤い実線のグラフが死亡率2(従前)の緑の実線のグラフより下になっていて、マイナスの影響がこれで見て取れる。
 それから、平成20年度以後加入者分について、31ページのグラフを見ると、たくさんのグラフがあって分かりにくいのですが、左の保険収支では、死亡率1(直近反映)の赤い実線のグラフと、死亡率2(従前)の緑の実線のグラフを比べると、赤いグラフのほうが下になっている。右の年金収支も同じように、死亡率1(直近反映)の赤い実線のグラフのほうが死亡率2(従前)の緑の実線のグラフよりも下にいっていて、マイナスの影響が見て取れる。
財政の立場から言うと、直近の実績から把握できた財政の将来におけるリスク、その可能性があるのであれば、そのリスクを織り込んで財政を見ていくほうがいいわけなので、加入者死亡率と障害者死亡率について、直近反映のものにすることは、財政運営について、リスクを織り込んで見ていくという意味で望ましい方向ではないかなと思います。
 以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。今は、村山先生、御質問というよりは御確認ということでよろしいですか。
○村山構成員 失礼いたしました。質問というよりは確認、こんな理解でよろしいでしょうかという意味でございます。
○駒村座長 後で事務局から御意見いただくとして、今お手が挙がっている守る会の、ちょっとすみません、フルネームが出てこなくて申し訳ないです。どうぞ御発言ください。
○長井構成員 ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の長井といいます。よろしくお願いいたします。
 私ども、ユーザーの立場で、今日御説明いただいたことにつきまして御質問させていただきます。全体的に、御説明していただいた内容は、財政収支の将来推計を踏まえますと、現行の保険料の水準の見直しは必要ではないと、それだけ財政が安定しているのだということで御説明いただいたと受け止めておりますけれども、それでよろしいでしょうか。そこだけ1点確認させていただきたいと思います。
○駒村座長 では、事務局のほうで、今の長井さんと村山さんのコメント、質問、確認事項について御説明をお願いします。
○江尻室長補佐 事務局の江尻です。
 村山委員に御発言いただいた内容のとおり、今回の死亡率の改定によって財政的により安定的に見ることができていると考えております。
 また、長井委員からございました、今回の結果についてどのように受け止めるのかということでございますけれども、基本的には、メインシナリオにおきまして、100年間にわたって保険・年金共に資金が枯渇せずに安定的な制度運営が可能となるという見通しとなっておりますので、その点につきましては御安心いただければと考えております。
○長井構成員 ありがとうございます。
○駒村座長 どうぞ、伊藤委員、お願いします。
○伊藤構成員 生命保険協会の伊藤でございます。
 丁寧な説明ありがとうございました。各項目について、それぞれ因数分解といいますか、要素に応じてどうなのかということについて、余り予断を持たずに、上の場合も下の場合の可能性も含めて見ていただき、本当にこれは的確だなと思います。そうした中で、保険のところの部分でいきますと、予定利率1.5%という設定に対して、実績が結構それに張りつくような形でぎりぎりのところではあるのですが、5年に1回の見直しといいますか、こういう検討の場において、またこれを見直さないといけないというところまでは至っていないと思いますので、保険会社としても引き続き頑張っていきたいと思いますので、見直すというところには至っていないと思います。
 後ろが避難訓練の音声で、うるさくてすみません。私からはそのようなことで、この分析については的確であるということですし、保険会社としても引き続き頑張っていきたいということが結論でございます。よろしくお願いします。
○駒村座長 どうもありがとうございます。ほかの委員から御指摘はございますか。
 野澤委員、お願いします。
○野澤構成員 野澤です。
 内容について特に異存はないのですけれども、基礎的なデータについて教えていただきたいのですが、加入者数と加入率というのは出るのですかね。想定される加入者層のどのぐらいをカバーしているのか、知りたいですね。あと、加入者の平均年齢について、分かったら教えていただきたいのですが。
○駒村座長 少しまとめて事務局に聞きたいと思います。
 臼杵委員、お願いします。
○臼杵座長代理 すみません。ちょっと細かいことで幾つかお聞きしたいのですけれども、1つは、26ページの試算で、新規加入者がゼロになった場合には資産が枯渇する可能性があるというようなことだったと思うのですけれども、最初のほうで、基本的には事前積立方式なので加入者数は余り財政に影響がないというお話だったと思いますが、この枯渇する原因というのは何だろうかというのが1つですね。だから、例えば、もちろん1,000人は今の実績ですけれども、以前は500人くらいだったこともあるので、500人ぐらいだった場合にではどうなるのだということもちょっと疑問に思いました。
 それから2つ目は、財政の状況について、これも最初のほうで過去の、5年前の想定よりは少し改善しているというお話、7ページですかね。剰余金が、29年は-13億だったのが、今、94億円のプラスになっている。この原因についてはどのようにお考えになっているのか。例えば、いわゆる利差益というのですかね、運用がよかったのか、それとも、その他死亡率等の影響が大きかったとお考えなのかというのが2つ目です。
 それからもう一つは、死亡率については、これは加入者のところは低下しているけれども、障害者のところは65歳から85歳では上昇と書いてあるのですが、この辺りの動向というのですか、これはコロナとかの影響はどのように考えればいいのか。その影響とは関係なく上昇しているのかということが3つ目です。
 以上です。よろしくお願いします。
○駒村座長 では、ここで一度止めて、事務局に、今の野澤委員と臼杵委員の御質問について御回答をお願いいたします。
○江尻室長補佐 厚労省の江尻でございます。
 まず、野澤委員からの御質問につきまして、いわゆる加入者数の動向ということでございますけれども、資料1の36ページに加入者数の動向等を載せております。左上が加入者数の全体のもので、右の上のところにございますのが新規加入者数の動向でございます。また、新規加入者の平均年齢について御質問があったと認識しておりますが、そちらについては38ページの左下を御覧ください。こちらが新規加入者の平均年齢でございまして、基本的には少し低下しているというような状況が見て取れます。また、右下のグラフが新規に加入した方の障害者の平均年齢でございますけれども、こちらも新規加入者の動向と同じように、年齢が下がっているといった現状がございます。
○駒村座長 野澤さんの御質問は、加入率みたいなお話を。
○野澤構成員 そうですね。全体のどのぐらいをカバーしているのかなとちょっと知りたかったので。
○駒村座長 潜在的に入る可能性のある人の何%ぐらいをカバーしているものなのだと、規模感のお話を聞きたかったということでしょうか。
○野澤構成員 はい、そうです。
○駒村座長 なかなかここを定義するというのは。事務局どうでしょうか。
○片寄課長補佐 事務局、片寄でございます。
 加入者数は、先ほど江尻のほうから御説明したとおりでございますが、その母数となりますこの制度の対象、あるいは障害者の数なのかもしれませんが、そこのところの加入というか、母数になる部分についてはデータがないというところもございまして、この制度の対象となる方の加入率がどのぐらいカバーされているのかについては把握できていない状況でございます。
 以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。恐らく、後の加入推奨の話で、この1,000人とかというボリューム感というのが果たしてどの程度のカバーなのかと。数十万の可能性ある方の1,000人にすぎないのかという、厚労省としてもその辺のイメージがないと、1,000人が多いかどうかもなかなか評価できないということが多分野澤さんが意識されているのではないかと思います。この辺は、もしかしたら何らかの定義を決めて、恐らくこのぐらいは本来入る可能性があるのではないかという議論も必要なのではないかなとは思いますが、今、現時点ではちょっと把握できていないという状況だと思います。野澤委員、よろしいでしょうか。
○野澤構成員 はい。現時点で5万8,000人ぐらいですかね、加入者数で言うと。これは延べですかね。1,000人だから。
○駒村座長 1,000人というのは毎年の新規加入。事務局、解説をお願いします。
○片寄課長補佐 事務局、片寄でございます。
 先ほど御覧いただきました36ページの左上の加入者数、5万8,000ということで記載してございますが、こちらは延べ人数になります。この制度は、1人当たり2口まで加入ができますので、口数ということで見ていただければと思いますけれども、実際の加入者数、いわゆる保護者の方の数は、令和3年度末で3万8,598人となっております。
○野澤構成員 分かりました。
○駒村座長 次に、臼杵委員からの御質問のところの御回答をお願いできますか。
○江尻室長補佐 厚労省の江尻です。
 臼杵委員から、3点ほど御質問いただいたものと認識しております。
 まず1点目でございますけれども、平成20年度以後加入者のところで、新規が0人といった場合のみに資金が枯渇する見通しになっている要因ですが、29ページのグラフを見ていただきますと、保険収入が少ないためです。基本的には、加入者が入ってくれば入ってくるほど、保険収入、黒い線になりますが、これが増えます。支出が収入を超えてしまい、赤字になった場合であっても、ある程度の収入があれば、資産は枯渇しませんので、新規が1,000人又は2,000人においては枯渇しないと記載しております。
 ただ、積立比率を見ていただきますと分かるとおり、1を上回らないということでございますので、財政上はよろしくないということになります。
 2点目でございますが、平成29年度から令和3年度末で剰余金が発生した要因といたしましては、運用利回りのところでも見ましたように、予定利率を上回る運用利回りが実現できたことや公費投入期間が延長されたといった要因がございまして、これらの要因が複合した結果、プラスになっているものと考えております。
 3点目でございますけれども、障害者死亡率のところで、65歳から85歳の死亡率が上昇している背景にコロナの影響があったかどうかという御質問についてです。毎年度の粗死亡率のデータを確認いたしましたが、令和2年度及び、令和3年度の粗死亡率と、他の年度である平成29年度、平成30年度の粗死亡率の動向は基本的に変わっておりませんので、そこまでコロナの影響が色濃く出ているといったことではなく、どちらかというと構造的な要因と考えているところです。
 以上でございます。
○駒村座長 臼杵委員、よろしいでしょうか。
○臼杵座長代理 ありがとうございます。最初のところですけれども、要するに、事前積立方式であっても収入が支出を下回るというのは、これは保険料が低過ぎるということですか。
○江尻室長補佐 こちらは、運用利回りを0.25%とした将来推計でございますので、予定利率1.5%を下回っているということになります。
○臼杵座長代理 なるほど。それでも、1,000人とか入ってくれば、もっと先までいくと分からないけれども、取りあえず、事前積立とはいいながらも、ある意味、保険料を先食いできると、そういうことですか。
○江尻室長補佐 おっしゃるとおりです。
○臼杵座長代理 大体状況は分かりました。基本的には、公費の投入のスケジュールも含めて、今回の試算については妥当なものと私も理解しました。ただ、将来的に、例えばこの運用利回りも過去5年というのは、ある意味で運がよかった。マーケットが想定以上であり、株とか債券がよかったと。逆にこの1~2年はかなり厳しい状況になっているのは皆さん御案内のとおりですので、このとおり1.5%でいく可能性ももちろんあるわけですけれども、いかない可能性も当然ながらあるわけですので、適宜その状況を見直しつつ、公費投入についてもまた必要であれば御検討いただくということで進めていただければと思います。
 以上です。ありがとうございます。
○駒村座長 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。
 伊藤さん、お願いします。
○伊藤構成員 7ページの剰余金の話で、先ほど臼杵先生からも、これ、何でいいのかという話があって、これはこれまでの運用実績がよい流れができてきたということと、もしかしてちょっと誤解が、人によってはあってはいけないなと思って一応付言させていただきますが、94億という数字だけ見ると、なんかすごく余裕があるような感じがするのですけれども、これは将来にわたって、2054年まで、毎年92億円を入れることを前提にした上での数字でありますので、今の段階で、すごくこれが余っているということではないということだけ、すみません、先生は御理解いただいているのですが、他の方にそう思われないようにということだけちょっと付言させていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○駒村座長 ありがとうございます。ほかはどうでしょうか。
 事務局のほうで、これはなかなか難しい質問かもしれませんけれども、この仕組みが、加入者の寿命と、それから障害者の寿命の変化の影響を受けるということだと思うのですけれども、加入者の寿命が延びれば、1つ財政的にはプラスになる。一方で、障害者の方の寿命が延びたら、これは財政的には負担が増える。この相対的な変化なのですが、足元の14ページを見ると、若い方の死亡率は低下しているという一方で、65から85歳の死亡率のところが上昇しているので、トータル的にはキャンセルアウトというか、その分、障害者の方の寿命が急に延びているというわけではないと、私はそう理解したのですけれども、今後これがどうなっていくのか、どう考えていいのかということで、早く亡くなる方は少なくなったけれども、普通、健常な方に比べると、80前半ぐらいで、65歳から85歳の間で亡くなる方がまだ多い、上昇しているということで。またこのタイミングが、もしかしたら医学の進歩などで遅れていくというか、死亡率は下がっていくということもあるのかなと。この辺の、障害を持った方の寿命の変化の予測というのを、何か研究や、情報収集されているのか。今後の見通しなんかについてはどうなのでしょうかということについてお聞かせ願いたいなと思います。国の研究機関などでそういう研究があったり、国際的な調査みたいなものが行われていたりするのかどうかという点です。
 これはもしかしたら保険協会の方のほうが何か情報あるのかもしれませんけれども。
○江尻室長補佐 厚生労働省の江尻でございます。
 御指摘いただいた内容につきまして、今後の障害者のいわゆる年齢の見通しみたいなものだと思うのですけれども、こちらのほうでどういった研究があるのか、あまり承知しておりませんので、何かここで御回答できるものはございませんが、5年後の検討会に向けてこういった点についての分析・研究等を反映できないか、今後の課題として受け止めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○駒村座長 ちょうど人口推計の部会が今動いていて、国民全体の寿命は、次、推計の生命表みたいのを2070年まで出すわけですけれども、データ的には障害の方というのはまだそれほど多くないので、恐らく安定した推計値というのが、障害を持った方だけのデータというのは出しづらいことのかなあとは思いますけれども、そういう研究調査があれば、社人研が集めているか保険協会が集めているか、多分いろいろあるとは思うのですけれども、この先も少し見て、財政的にどうなっていくのかということも少し頭に入れておいたほうがいいのかとは思います。ありがとうございます。
 伊藤さん、どうぞ。
○伊藤構成員 生命保険協会としましても同様でして、これからしっかりウォッチしていきたいと思っております。以上でございます。
○駒村座長 どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。発言される予定の方は。
 よろしいでしょうか。
 多くの方のコメントは、この見込みでまあリーズナブルではないかということだったと思いますが、よろしければ、また戻ってもいいとは思いますが、ここで一段落とって、次のテーマがございますので、第2の議題の広報活動について、既に先ほども野澤委員から、ターゲットがどのぐらいなのかという趣旨の御質問もあったと思いますが、事務局から、この資料2についての御説明をお願いします。時間余裕あればまた後で財政問題に返ってくることも可能ですので、取りあえず一わたりしたいと思います。
 では、事務局から御説明をお願いします。
○片寄課長補佐 事務局、片寄でございます。
 資料2、今後の広報活動につきまして御説明いたします。
 2ページでございます。この資料、第1回の検討会での資料を再掲してございます。ちょっと今、外が騒がしいもので、マイクに近づいて話させていただきたいと思います。
 それでは、資料2、今後の広報活動につきまして御説明いたします。2ページでございますけれども、この資料、第1回の検討会で最後のほうに掲載しておりました資料を再掲しております。
 平成29年度の「心身障害者扶養保険事業に関する検討会」においてまとめられた中身につきまして、この制度は、障害者の将来に対し保護者の抱く不安の軽減につながるものと考えられ、「国、地方公共団体及び機構においては、加入者数が減少傾向にあることを踏まえ、新規加入の促進に向けて、広報の取組を一層充実させていくことが重要である」とまとめられております。
 その報告の内容を踏まえまして、国、福祉医療機構及び地方公共団体と連携いたしまして、様々な広報活動を実施してきているところでございます。御覧いただければと思いますけれども、(1)といたしまして広報ツールを活用いたしました障害者行政窓口での周知の促進というところでございます。幾つか書いてございますが、まずは、平成30年、地方公共団体へ制度の広報啓発に係る課長通知を発出してございます。その他、広報啓発用のリーフレット、それから御案内の手引き、パンフレットの原案等を作成いたしまして、こういったものを地方公共団体にお送りしているほか、ホームページ等で周知しているところでございます。それから、障害者関係団体、あるいは全国の特別支援学校へパンフレット等を配布しております。
 (2)ですけれども、障害者やその保護者が利用する様々な制度を活用した広報といたしまして、地方公共団体を通じて、相談支援事業所、あるいは障害児・障害者施設への制度広報用ポスターの掲示の依頼、それから、民生委員、児童委員必携及び母子健康手帳に制度概要の掲載、それから、関係情報誌に制度紹介の記事を掲載しているところがございます。
 それから、(3)利用者の視点に立った情報発信及びインターネット及びモバイル等の活用等というところで、各種こういった御覧の取組をしているといったところでございます。
 続きまして3ページ目でございますけれども、先ほど御説明いたしました活動の内容につきまして、どういったものか、ビジュアル的に御覧いただくように整理をさせていただいております。例として左側にリーフレット、真ん中に広報用のポスターを載せております。第1回目でも少しお話ございましたけれども、この動画の中で制度について説明していたり、あるいはページ下の方に載せているような案内の手引きをこれまで作成、あるいは行政の窓口で周知といったことで取組をしております。
 続きまして4ページでございます。第1回検討会におきまして、各構成員の皆様からいただきました御意見をまとめておるところでございます。1つ目でございますけれども、広報の機会についてというところで、各団体が主催する全国大会や総会において、福祉医療機構の担当者から制度説明を実施してほしい。それから、特別支援学校に通う子には情報が届いているが、特別支援学級に通う子には情報が届いていない可能性がある。3つ目、障害者手帳取得時における周知活動が必要。
 それから、次のところでございますけれども、広報の対象について。親が若いうちから制度に加入していたほうが掛金を払いやすいので、子が学齢期に制度を知ることが重要。制度を認知された上で制度に加入していない。あるいは迷われているのか、それとも制度を認知していないから加入されていないのか、どちらに課題があるか分析が必要。それから、地方自治体の取組についてでございますが、窓口である市町村職員から制度を直接説明されたことが加入するきっかけになったという意見があり、一般的な広報より直接加入希望者に情報が届くような工夫が必要。
 現場として、行政、福祉事務所の窓口等で加入希望者に丁寧な説明ができていないと感じる。これを改善していくことが加入の増加につながるのではないか。自治体職員から直接説明があるとパンフレット以上に納得感があるので、自治体職員が丁寧に説明できるような体制があれば非常によい。
 それから、広報媒体についてのところでございますが、加入希望者など検討している方の目線で加入資格があることなどを記入したほうがよい。
 下のところは、第1回目の御意見ということではございませんが、福祉医療機構様からということで、近年、加入時の告知初心者で、加入状態のため、加入不可となった方が申請者のうちの2割弱いらっしゃるということでございます。
 健康状態のため加入不可となった場合、加入要件を満たす他の家族等が申請をすることで、加入が可能となるケースがあるが、自治体職員へのアンケート調査の結果からは、この点の案内が十分に行われていない状況も見られるため、こうしたケースへの丁寧な案内が必要と思われる。
 第1回、それから、福祉医療機構様からこのような御意見をいただいているというところでございます。
 続きまして5ページ目でございます。(参考)として地方公共団体における周知状況ということでございます。4年の9月に、福祉医療機構のほうで各自治体様にアンケート調査を実施しております。この内容を下のほうのグラフでお示しさせていただいているところでございます。
 左の上のグラフでございますけれども、相談窓口の設置の有無について、管内の全ての市町村等に設置というところが半数ほどありますけれども、その一方で、緑のところですが、設けていないといったところが30%ほどあるという状況でございます。
 それから、その右でございますが、対面説明の効果、(パンフレットを配るだけに比べ、)対面により説明すると加入申請につながると思うかといった問いに対しまして、青いところでございますが、「加入申請につながると思う」というのが78.5%あったというところでございます。
 その右ですが、市町村等の窓口職員を対象とした説明会の実施というところでは、緑の部分で、実施していないというところが69.2%となってございます。
 下の段の左のグラフでございますが、先ほどもお話させていただきましたが、告知審査で加入不可となった保護者等に別の保護者で改めて申請できることのお知らせの実施の問いに対しまして、お知らせしているといったところが41.5%ありますけれども、赤の部分になりますが、お知らせしていない、その他といったところの割合がかなり多いといった状況がございます。
 先ほどの、お知らせしているといった自治体につきまして、別の保護者に変更して申請したケースの有無といったところでございますけれども、「ある」と御回答いただいたところが76.9%となってございます。
 また、お知らせしていない自治体に、お知らせしていない理由は何かとアンケートで御照会したところ、下段右の青いところでございますが、「他の保護者がいるか把握していないため」、あるいは、緑の部分、「こういった事案が発生していない」、それから、「別の保護者で申請できることを知らなかったため」といったような回答がございました。
 続きまして6ページでございます。3.今後の広報活動ということでまとめております。これまでの取組に加え、以下のように、さらに広報の取組を推進することが考えられると考えてございます。
 (1)制度を認知していない方への広報の推進といったところで、パンフレット等に加入要件等を詳しく明示するなどの改訂。それから、これまで広報をしていない障害者関係の団体・機関等へのパンフレットの配布。インターネットの検索エンジンに連動した制度広告等の活用。スマートフォン等で閲覧可能なデジタルパンフレットの検討。学齢期や手帳を取得した際など早いタイミングでのパンフレット配布。
 (2)制度を認知しているが加入を迷っている方への広報の推進(地方公共団体における制度周知の活性化)というところでございますが、地方公共団体における窓口担当職員が使用する『障害者扶養共済制度案内の手引き』をより分かりやすく改訂。それから、地方公共団体の窓口担当職員に制度を熟知してもらうための研修会等の実施。地方公共団体が開催する研修会等に福祉医療機構の職員が出席し、制度の仕組みや加入申込手続等のポイントの説明を実施。
 (3)告知書審査に係る広報の推進でございますが、告知書審査があること及び健康状態に不安がある保護者以外の保護者でも申請ができることの丁寧な周知の実施。それから、下のところでございますけれども、以下の点をまとめ、パンフレットに記載するなどして地方公共団体に配布し、地方公共団体が告知書審査に係る案内を行いやすいようにする。分かりやすい告知書記載方法。告知書審査において加入不可となった者に対する、再申込に係る案内をする際のポイントや、再申込の要件を記載といったようなところを記載してございます。
 このような広報活動をしてはということで御提案させていただきたいと思っておりますけれども、御議論をいただければと思っております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○駒村座長 どうもありがとうございます。
 では、今の事務局からの説明について御意見、御質問をと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 久保委員、次に野澤委員の順番でお願いします。
○久保構成員 ありがとうございます。全国手をつなぐ育成会連合会の久保と申します。
 この広報なのですけれども、私ども全国組織でございますので、全国の会員さんにお知らせすることは可能なのですね。ただ、どこまで、いわば各都道府県、市町村のところまでこのパンフレットが届いているのかということがちょっと把握できていないのです。分からないのですね。それと、全国大会、ブロック大会、県大会というように毎年大会をみんな行っていますので、全国大会でも、こういうパンフレットをこの中に一緒に入れているというのが近年余り見かけないのですね。ですから、その辺のところもぜひ、パンフレットをいただけたら、中に入れるということもできますし、そこに説明に来ていただくということも可能であればお願いしたいと思います。
 また、説明にもし来られない場合は、説明の動画みたいなものをいただけると、それを映し出して皆さんに見ていただくということも可能ですので、そういうものもいただけるものであればいただいて、各全部に行っていただくのはちょっと難しいかなと思います。全国大会、ブロック大会、県大会もみんなやっていますので、そこでも流してもいいかなあとも思いますので、そういう広報のツールみたいなものを幾つか考えていただいて私どもにいただけると有効利用できるかなと思いますし、私どもも、障害のある我が子のことを考えると、やはり年金と、そしてこの保険制度のことが、親がいなくなった後も本人が、生保よりも低い年金でございますので、それをカバーするのがこれかなというぐらいに思っておりますので、みんなが加入してくれたらいいかなと思っておりますから、ぜひそういう広報のツールを、いろいろ手段はあると思いますので、考えていただき、そして私どものほうにいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○駒村座長 ありがとうございます。次に、野澤委員、お願いします。
○野澤構成員 ありがとうございます。先ほどの新規加入者の動向というか、特性を見ていて思ったのですが、加入者の平均年齢でいうと、やはり40代ですよね。障害のある方の年齢でいうと、14、15とか16とか、何となく全体として中学、高校卒業して、学歴を終えて社会に出る頃で、親がちょうど子育てが一段落して、会社の中でも何となくこの先のことが見えてきた頃というのはすごい合理的だなと思うのですね。できるだけ若い子が入っていたほうがいいのでしょうけれども、やはり若い頃って親は余りお金ないし、将来のことってそんなに切実にリアルに考えられないですよね。なので、子供が社会に出る頃になると、私も重い障害の子がいるので実感として分かるのですが、やはり不安になって、どうなるのだろうと。少し自分自身の生活の余裕も出てきて、子供に何か残さなきゃみたいなことを思い始めるのがちょうどこのぐらいなのですよね。
 なので、この世代の親に一番効果的な方法というのは、いろんなことやったほうがいいと思うのですけれども、重点を置いて考えられたほうがいいのではないかと思います。そう考えると、例えば特別支援学校の高等部の進路指導の先生方にはぜひ知ってほしいと思います。子供が進路をきめるときに、一緒にその親とも相談しますので、そのときに、こういう制度を親に情報提供すると、あるいは、中ポツセンターと言うのですけれども、障害者就労・生活支援センターとあって、こことか、就労移行支援事業所とか、そういうところが障害者の就労、就職をいろいろ考えてくれる。あるいは相談支援事業所ですね。中にもありましたけれども。ただ、児童の場合、セルフプランも結構多いものですから、親は自分で書いてしまうのですね。厚労省はセルフプランをやめて、ちゃんと相談支援専門員がやるようにと勧めているのですけれども、だから、この辺りは絶対にこの制度は知っておくべきだろうなあと思ったりします。
 あと、とはいえ、信頼感から言うと、やはり自治体が窓口としてきちんとコントロールして、そういうところに周知徹底したり、福祉医療機構と連絡を密にしながらやっていくがいいのかなあということを思っています。一般の人も、我々サラリーマン、私も長年やってきたのですけれども、それまで自分に関する社会保障なんてほとんど無頓着なのですよね。会社に丸投げで。定年の前に、会社の説明会でライフプランなんてことを考えるときに、そこでみんなびっくりするわけです。年金ってこんな仕組みになっていたのかと。もうその頃にはほとんど手遅れなのですけれども、手遅れでもないか。ほかにいろんな制度ありますのでね。なので、障害のある子の親の場合にはちょっと前倒しで、子供が中高等部を卒業する頃、親が50代になる直前ぐらい、この辺りを重点的にやってもらえると効果的かなと思っております。
 以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。長井委員、どうぞ。
○長井構成員 ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の長井でございます。
 前回の会議のときに、私どもの会で、この広報につきまして一回御説明させていただいております。毎月、私どもで発行しております会報『両親の集い』と言いますが、そこに年に1回、この扶養保険の制度について説明している紙面を掲載しておりますのと、それから、今、コロナ禍でできてはいないのですが、今年予定しております全国大会におきましても、福祉医療機構様からいただいておりますパンフレットを会場の皆さんに配布させていただいております。それと、年に3回、東京で全国の支部長が集まる会議がございますが、その場でパンフレットを配布させていただいていること。前回そこまで申し上げましたが、その後に、私どものホームページにこの扶養保険制度の説明につきましてパンフレットにリンクするような形で広報させていただいております。
 それで、先ほど全国育成会の久保会長からお話がございましたが、この制度の説明をしている動画をいただけますと、いろんな使い方ができると思います。ぜひともその動画の提供をいただけますと、例えば全国大会の会場のロビーで放映することで、時間のあるときに個別に見られるようにできるのではないかということも、今、久保会長のお話を聞いていて思いました。
 以上です。
○駒村座長 どうもありがとうございます。ほかの委員のほうから御意見はいかがでしょうか。
 谷杉委員、お願いします。
○谷杉構成員 ありがとうございます。
 先ほど野澤委員からも、自治体の役割、信頼性を踏まえた自治体からの働きかけといった御意見もいただいたと認識しております。制度の案内によりまして、早い段階から制度の加入を検討いただく機会を提供することがまず重要ではないかと考えております。
 私ども、岡山市でも、他の自治体から、遅ればせではあるのですけれども、今年度相談支援に当たる方への情報提供、周知ということで取り組みつつあるところです。引き続きそういったことをやっていきたいと考えております。
 実際、今回この検討会に参加するに当たりまして、自治体から機構に加入された方の書類を一式お送りする際に、チェックリストというものがあるのですけれども、その中に、どういった経緯でこの制度を知ったかというようなアンケート欄がありまして、それについて少しさかのぼって、どんな状況かなということを見てみました。
 その中で、例えば機構のパンフレットを見たのでと言ったり、親の会を通じて機構のパンフレットを入手したであったり、学校施設に張られていたポスターであったり、学校からの配布物、多分、機構からのパンフレットかなあと推測されますけれども、そういったことを契機に加入の検討をし、加入に至ったというようなアンケートの結果も随分見られておりますので、前回の検討会以降進められている、整備された分かりやすい、アプローチされやすいツールというのは確実に周知、それから、皆さんの加入につながっていると考えております。
 先ほど久保委員、それから長井委員からも御意見、御希望がありましたけれども、私どもからも、資料の6ページには自治体の窓口担当職員の研修会といったことも書いていただいておりますけれども、そういったところでもありがたいと考えておりますが、先ほど久保委員、長井委員からも御意見があったような、例えば説明の動画であったりというものを配布することがもし可能であれば、例えば小規模な団体からとか小規模な研修会等から説明を求める意見がもしあったときに、そういったものの活用もできればなあとは考えておりますので、そういった点でも検討いただければありがたいかなあと思っております。
 以上です。
○駒村座長 どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
 伊藤委員、お願いします。
○伊藤構成員 先ほど前半の項目でも、野澤先生と、あと駒村先生からもお話ありましたが、加入率とちょっとリンクするようなお話もあるのですが、今も谷杉さんからアンケートという話がありましたが、ここで出ていますのが、自治体でどのような案内をしているかというアンケートがあるのですが、本当に全国調査ということでなくても、サンプル的に、加入していない人も加入している人も、一定のグルーピングで聞いてみたら、知っているのか、知っているのだけれどもお金の面とかがあって入らないのかとか、何となくその辺りが、いろいろと一生懸命PRしていくのだけれども、皆さんがどれぐらい知った上で、あるいはどれぐらい知らない上でこのことをPRしていく必要があるのかということの、まず今の状態をつかむということも、なかなか難しいのだと思いますが、非常に大事かなあと思っていますので、その点、お勧めといいますか、ぜひそういう把握をいただいたほうがいいのではないかなと思います。よろしくお願いします。
○駒村座長 どうもありがとうございます。
 今の伊藤さんの御指摘、前回の議論のときに、実は私の学生が大変関心を持って、ある団体と一緒に協力していただいてサンプル調査を、nが少なかったので、どれだけ意義があるかということはありましたけれども、やはり知らない方が多かったのではないかなという記憶はありますね。御両親のほうで。もしかしたら、そういう方法でなくて、もう少し大がかりというか、特定地域を選ぶなりやられたほうがはっきりしてくるのではないかなあと思います。
 お子さんに障害がある場合、どちらか、お母さんが多いのかもしれませんけれども、なかなか働けないということになると、恐らく障害の子供を持った方の貧困率というか、経済的余裕度が低いのではないかと思いますので、特に若いときはそういう状況なのだとすると、経済的な理由なのかもしれないですし、さっき野澤さんがおっしゃったように、まず手いっぱいになっていると。これは研究があって、我々、普通の人たちであっても、大体老後の展望をゆっくり考えられるようになるのは40以降であるという研究がありますので、やはり落ちついてきていろいろ社会に慣れてきたところで将来展望を持つよう、多面的にどうだったかということに思いを寄せて加入するという可能性もありますので、この加入行動みたいなものを、今、伊藤さんおっしゃるように、少し明らかにしたほうがいいのではないかなとは思いますね。
 事務局にちょっとお聞きしたいのですけれども、税制上の優遇があるということでありますが、所得税、住民税が安くなると、こういう説明があります。この辺もう少しアピールする方法はないのかなあと思っていて、例えば所得税が安くなるということになると、0、1、2歳までの保育料も安くなるのではないかなあと思います。月額1口1万で、もし2口あれば24万控除されるというと、保育料に、それは所得階層によると思いますけれども、どうはねるのかといったこととか、少しお得感が分かるような表示ですね。安くなりますということだけでなくて、このぐらいの所得層の場合、保育料とか、こういう応能負担の費用がこのぐらい安くなりますからいかがでしょうかという表示も大事かと思うのですけれども、事務局、そういう理解でいいですか。
 これは谷杉さんのほうが、もしかしたら自治体の保育料なんか見ているのかもしれませんけれども、無償化でないエリアについて、年齢層については、安くなるということであれば訴求力も強いのかなあと。あるいは、これは難しいのかもしれませんけれども、1口の単位が本当に1万というのが、これ、事前積立であれば単位はもっと細かくしても、0.5というわけにいかないですけれども、1口の単位を、今、若い人は1万円ぐらいからですけれども、もうちょっと細かく入りやすくするということも財政的にはニュートラルでできるのかなあとは思うのですけれども、その辺いかがなのかなあと思いながらお話を聞いていました。どうでしょう、事務局。
○片寄課長補佐 御案内のとおり、所得税のところについては、この掛金等については税控除の対象となってございます。パンフレットの中にも、そういったことの御案内は確かにさせてはいただいているところですけれども、御提案いただきました、もう少し詳しく、メリットといいますか、そういったものが分かるように、工夫できないかというところは検討させていただければと思っております。
○駒村座長 イデコなんか、今若い世代が非常に入っているのは、保育料が安くなるということが知られていて、掛金分が控除されるので非常に得であるということなので、これと同様なことがここでも出せればいいのかなあと思うのですけれども、これもきっと保育料が安くなるのですよね。
○片寄課長補佐 所得税のところはそうですけれども、保育料は、そのような控除が料金の算定のところでかかっているということであれば、そうかとは思いますけれども、詳しく承知しておりません。申し訳ございません。
○駒村座長 事前に相談しないで失礼しました。所得に比例するような費用負担の部分にはねるということがあれば訴求力もあるのかなと思いますので、ちょっと調べていただければと。自治体のほうが詳しいのですかね。私も、すみません、思いつきでお話ししましたが、分かりませんけれども。ほか、どうでしょうか。
 谷杉さん、お願いします。
○谷杉構成員 先ほど座長がおっしゃったこととは別の観点になるのですけれども、所得税の関係で話が出ましたので、少し私も分からない部分があるのと、事務局のほうで確認いただきながら、今後につなげていただければと思いながら発言させていただきます。
 広報のほうの資料の6ページの(3)の1ポツ目、「告知書審査があること及び健康状態に不安がある保護者以外の保護者でも申請ができることの丁寧な周知の実施」というところで、少し実際の正確なところが分からない部分もあり、お伝えするのですが、この制度のメリットとして、パンフレットのほうでも4点、税上の控除といったことも書かれています。
 このときに、私が少しどうなのだろうかなと思っているのが、生計中心者である、例えばお父さんが当初申込者であったときに、お父さんが健康上の理由で例えば審査が不承認になったときに、同じく保護者であるお母さんのほうが申込をされるというパターンもこの1ポツ目の状況であれば想定はされているのかなと思いますけれども、そのときに、今回税法上の控除を受けられる小規模共済掛金の控除というそこの欄で、実際に保険料負担というのは、例で申し上げますと、生計中心者であるお父さんの所得、家計全体としてということにはなりますけれども、実際負担しているのはお父さんからということに現実もしなった場合に、加入者がお母さんであるときに、お父さんの税法上の控除に使えるのかなあというところが少し明確でない部分がありましてお尋ねさせていただきつつ、もしそこに税法上の優遇のメリットとしている一つが享受できないようなことがあり得るのであれば、そこも含めての丁寧な案内が必要なのかなあとも思いますので、その辺りの税法上の取扱いも踏まえた上で、この辺りの1ポツ目の丁寧な周知ということをお考えいただければと思っております。
 以上です。
○駒村座長 ありがとうございます。大事な点だと思います。事務局、今の時点でお答えはできますか。
○片寄課長補佐 その告知書審査でということで、ほかの御家族で加入された際の税控除ということでございますけれども、このケースにつきまして、福祉医療機構のほうにも地方公共団体様のほうから情報提供ということで、そういったことにつきまして加入者本人から国税庁の相談窓口に相談したところ、恐らく世帯の状況というのが様々というところもあるかと思いますけれども、それぞれの税務署の御判断でなるといったような回答があるとは承知しております。
○駒村座長 それぞれの税務署の御判断なのですか。
○片寄課長補佐 恐らく、世帯がそれぞれなので、一概にこうだというところはなかなか申し上げられないということでございます。
○駒村座長 分かりました。どうぞ、伊藤さん。
○伊藤構成員 保険料の控除については、本当に共稼ぎの方がどうかということはあるのですけれども、例えば夫が働いていて世帯主である、妻が働いていないということになったときは、これはもう同一家計ということで、そこの妻を契約者というか、妻を対象とする、お母さんですよね、ということも、これは保険料控除の対象になります。両方とも稼いでいる場合の、ただ同一家計といいますか、世帯主が夫でといったときは、そのことをちゃんと書いて出すということであれば認められるのではないか。ただ、今のお話でいくと、税務署によってということがあるので、ここって非常に微妙なラインだと思うのですが、例えば医療費なんかでも、収入が夫も妻も両方ともあった場合でも、医療費控除、同一世帯で合算して控除の対象にできるということもあるので、それに近いのではないかなと思っております。
○駒村座長 どうもありがとうございます。この辺は、パンフレットの工夫等々、まだ余地がある議論なのかなあと思いますので、次回第3回がございますので、それまでに事務局のほうも、より訴求力のあるパンフレットの情報等々、ちょっと検討いただくということが大事かなあとは思います。お得感というのも、事前積立の公費負担は過去の分しか入っていないという意味では公的支援というのは限られているわけですけれども、税制上の優遇等々があって、それがいろんな影響があれば入ろうと思う方も出ると思いますので、ちょっと調べていただいて、どういうメリットがあるかをどう表示すればいいのか、あるいは年齢に応じて、タイミングを逃さずに、40代前半ぐらいから関心持っていただけるということならば、そこを少し重点的にやっていくという手もあるのかなあと思いますので、これは次回までに少し整理いただければと思います。
 まだ時間も余裕はございますが、広報について、ほかに御意見はいかがでしょうか。
 よろしいですかね。
 では、財政についての御意見、もし言いそびれた方がいらっしゃれば、再度ここで御発言可能ですけれども、いかがでしょうか。
 臼杵委員、お願いします。
○臼杵座長代理 広報の話で、最後ちょっとよろしいですか。
 私、具体的な実務はよく分からないので、基本的には皆さんの御意見を承るだけなのですけれども、マーケティングというか、まさに広告宣伝という見地からすると、最初にお話がありましたように、潜在的な需要というのですか、そういうマーケットがどこにどれだけあってというところが、全部把握するのは多分難しいと思うのですけれども、そういうところにちゃんとまずこの制度が周知できているのかどうかということに関心があります。だから、もちろん、公的な役所等を通じてということもそうなのですけれども、できるだけ多くのチャンネルでそういう潜在的に需要がある方の目に触れるように、まずこの制度を周知していただくということと、あとは、例えば直接福祉医療機構さんとかにメールとか電話とか、何か疑問があったときに聞けるような体制というのも必要なのかなあと。加入を考えている人もそうですし、一回加入した後も、もしかしたらある程度つくっていただいているのかもしれませんけれども、そういうメール、電話等で、あるいは最近ですとラインとかでいろいろ聞けるようなチャンネルもあるとより入りやすくなるのかなという気がしました。以上です。
○駒村座長 どうもありがとうございます。今の御指摘等々も踏まえて、次回、事務局においても、新しい工夫をもって見ていただくとか、あるいは、先ほど伊藤さんからあったサンプル調査をもしかしたらちゃんとやったほうが、マーケティングというか、何が引っかかっているのかというのが分かってくるのではないかなあと思います。いかがでしょうか。ほかにございますか。
 そうしましたら、まだ20分ほど時間に余裕がありますけれども、御意見が特段ございませんようでしたら、次の第3回は取りまとめの報告性について検討したいと思います。第3回は最終回ですかね、事務局から提案があれば御説明をお願いいたします。
○片寄課長補佐 事務局でございます。
 本日は多岐にわたり御議論いただきまして、ありがとうございます。次回第3回検討会での取りまとめにつきまして、事務局から御提案をさせていただければと思います。
 これまでの議論におきましては、先ほどちょっと財政運営のところでもありましたけれども、制度自体の大きな見直しについては、見直しが必要という御指摘はなかったかと存じますので、現行の制度の大きな枠組みというところは維持すると、継続するとした上で、今まで構成員の皆様からいただきました御意見を踏まえまして、事務局で報告書のたたき台を作成させていただければと思っております。第3回ではそのたたき台をもとにいたしまして御議論いただくという形で進めさせていただければと思っております。
 御説明は以上でございます。
○駒村座長 ありがとうございます。事務局から次回報告書の取りまとめに向けた提案がありました。構成員の皆様、こういった方針でよろしいでしょうか。
 それでは、次回そのような形で進めていきたいと思います。時間的にも余裕がまだございますが、一応議論が尽くしたというところでございますので、本日はここまでにしたいと思います。次回の案内について、事務局から御説明をお願いいたします。
○片寄課長補佐 本日は御多忙の中、ありがとうございました。次回の開催はあらかじめお知らせしておりますように、3月15日、水曜日でございますが、10時からでございます。よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○駒村座長 では、本日は御多忙のところ御参集いただきまして大変ありがとうございます。本日の検討会はこれで終了したいと思います。長時間にわたり大変ありがとうございました。

(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部企画課手当係
〒100-8916
東京都千代田区霞が関1-2-2

電話: 03-5253-1111(内線3020)
FAX: 03-3502-0892

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 障害保健福祉部が実施する検討会等> 心身障害者扶養保険事業に関する検討会(令和4年度)> 第1回心身障害者扶養保険事業に関する検討会 議事録(2022年6月30日) - (1) - (1)

ページの先頭へ戻る