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2017年10月25日 第20回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会 議事録

子ども家庭局家庭福祉課

○日時

平成29年10月25日(水)16:00〜19:00


○場所

労働委員会会館(中央労働委員会)7階講堂


○出席者

委員

柏女委員長 相澤仁委員 安部委員 犬塚委員
井上委員 江口委員 奥山委員 桑原委員
菅田委員 竹中委員 中村委員 橋本委員
林委員 平井委員 平田委員 卜蔵委員
増田委員 松本委員 宮島委員 森下委員
山本委員 吉田委員 青木代理 (相澤孝予委員代理)

オブザーバー

三代川課長  (浦安市こども部こども課)

事務局

吉田子ども家庭局長 山本内閣官房審議官 長田総務課長
成松家庭福祉課長 宮腰虐待防止対策推進室長

○議題

(1)「改正児童福祉法」及び「新しい社会的養育ビジョン」について
(2)今後の進め方について
(3)その他

○配布資料

資料1    社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会の設置について
資料2    児童福祉法の改正等について
資料3−1 新しい社会的養育ビジョンについて(概要)
資料3−2 新しい社会的養育ビジョン
資料4−1 新しい社会的養育ビジョンの実現に向けた主な進め方
資料4−2 現行の都道府県推進計画等の概要
資料5    委員提出資料
参考資料  第44回社会保障審議会児童部会(平成29年10月6日(金)開催)
        での新しい社会的養育ビジョン等に関する委員の発言概要

○議事

○成松家庭福祉課長

 定刻より少し前ですが、お越しになられる方はおそろいですので、ただいまから「第20回社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会」を開催いたします。

 委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、相澤孝予委員、横田委員から御欠席の連絡をいただいております。また、桑原委員からは少しおくれる旨の連絡をいただいております。

 まず初めに、本専門委員会の名称変更について御報告いたします。10月6日の社会保障審議会児童部会において、これまでの「社会的養護専門委員会」について、平成28年児童福祉法改正等を踏まえ、検討すべき内容が広がることに伴い、資料1にございますように、名称を「社会的養育専門委員会」に変更させていただくとともに、「3.主な検討課題」について見直しを行うことについて御承認をいただいたところでございます。

 また、このことも踏まえまして委員を増員させていただきました。この専門委員会は、これまでの「社会的養護専門委員会」から引き続く位置づけの委員会ですので、回数も第20回という形になっております。

 また、委員長についても、引き続き柏女委員に担っていただくことになります。

 それでは、今回新しい委員の任命もございましたので、改めまして、委員の皆様を御紹介いたします。私が名簿の順にお名前を申し上げますので、よろしくお願いいたします。

 最初に、相澤仁委員。

 安部委員。

 犬塚委員。

 井上委員。

 江口委員。

 奥山委員。

 柏女委員長。

 菅田委員。

 竹中委員。

 中村委員。

 橋本委員。

 林委員。

 平井委員。

 平田委員。

 卜蔵委員。

 増田委員。

 松本委員。

 宮島委員。

 森下委員。

 山本委員。

 吉田委員。

 また、就任手続の関係で、本日はオブザーバーとして御出席いただいております浦安市こども部こども課の三代川課長です。

 今回、全国児童自立支援施設協議会から代理出席の御希望がありました。関係団体を代表して御就任いただいている委員の代理出席について、その取り扱いを確認させていただければと思います。代理出席につきましては、事前に委員長の了解を得た上で代理の方が出席して発言することは可能ですが、議決には加わることができないことになります。本日は、事前に柏女委員長の御了解をいただき、相澤孝予委員の代理として全国児童自立支援施設協議会、青木氏に出席いただいております。

 また、事務局も異動がございましたが、座席表をごらんいただくことをもって御紹介にかえさせていただきたいと思いますが、局長の吉田と総務課長の長田がおくれております。大変恐縮です。

 次に、資料の確認をさせていただきます。

 配付資料は、右上に番号を付していますが、資料1〜資料5、あと参考資料となっております。欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

 カメラの撮影はここまでとさせていただきます。

 それでは、これより先の議事は柏女委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○柏女委員長

 前回から引き続きの委員長ということで拝命しております、淑徳大学の柏女と申します。

 新しいメンバーの方もおられますし、名称も変わって扱うテリトリーも変わりましたので、一言だけ御挨拶をさせていただいて議事に入っていきたいと思います。

 第19回の社会的養護専門委員会が開催されたのが、調べてみましたら平成271214日でした。ほぼ2年ぶりに装いを新たに社会的養育専門委員会として新規メンバーも加えての再開ということになります。2年ぶりの同窓会でもできそうな懐かしいメンバーもいらっしゃれば、新しい面持ちの方もいらっしゃいます。お忙しいところお集まりいただきまして、心より感謝を申し上げます。

 この間、新たな社会的養育の在り方に関する検討会が、奥山座長のもとでずっと開催されておりまして、ことし8月に新たな社会的養育ビジョンがとりまとめられております。関係者の御尽力に心より敬意を表したいと思います。

 今後は、そのビジョンを現実的な政策制度に落とし込んでいく検討が必要になろうかと思います。そして、その場として、関係者の代表あるいは研究者が一堂に会する社会的養育専門委員会が開かれることになりました。皆様の闊達な議論、御協力によりまして、ビジョンの精神を生かした制度設計がまとまっていくことを願っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、議事に入ってまいりたいと思います。まず、改正児童福祉法及び新しい社会的養育ビジョンとあわせて、本専門委員会の今後の進め方についても、事務局から説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○成松家庭福祉課長

 家庭福祉課長でございます。資料2〜資料4−2まで続けて御説明させていただければと思います。

 先ほど委員長からの御紹介もあったビジョンの前に、この間ございました法律改正につきまして御説明させていただければと思います。資料2をお開きいただければと思います。

 1ページ目、児童福祉法等の一部を改正する法律ということで、平成28年に法律改正がなされたものでございます。一番上の枠囲いにございますように、全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化を図るため、まずは児童福祉法の理念を明確化する、あるいは母子健康包括支援センターの全国展開、あるいは市町村及び児童相談所の体制の強化、里親委託の推進等の所要の措置を講ずるというのが、平成28年の法律改正の内容でございます。

 後ほど、本専門委員会に関係の深いところを御説明いたしますが、改正の概要として1〜4まで書いてございます。1が理念の明確化、2が虐待の発生予防、3が虐待発生時の対応関係、4が被虐待児童への自立支援ということでございます。

 この法律には検討規定が規定されております。まず、1つ目が施行後、速やかに裁判所の関与のあり方、あるいは特別養子縁組の利用促進のあり方を検討する。あるいは施行後2年以内に、児童相談所の業務のあり方等を検討する、あるいは施行後5年後をめどに、中核市・特別区の児童相談所の設置について必要な措置を講ずるということでございます。

 2ページが先ほど申し上げた、児童福祉法の理念の関係でございます。「改正法による対応」をごらんいただければと思いますけれども、児童は、適切な養育を受け、健やかな成長・発達や自立等を保障される権利を有すること等を明確にするということで、そういったことを中心に位置づけて、その上で国民、保護者、国・地方公共団体が支えるという形で、その福祉が保障される旨を明確化するというのが法律改正の1つの内容でございます。

 3ページでございます。もう一つが、家庭と同様の環境における養育の推進ということで、できるだけ児童が心身ともに健やかに養育されるよう、より家庭に近い環境での養育の推進を図るということでございます。

 まず「改正法による対応」で、国・地方公共団体の責務として、家庭と同様の環境における養育の推進等を明記となっております。まずは、児童が家庭において健やかに養育されるよう、保護者を支援する。家庭における養育が適当でない場合、児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるよう必要な措置を講じる。2つ目の措置が適当でない場合は、児童ができる限り良好な家庭的環境で養育されるよう、必要な措置をとるということでございます。

 下にその関係の図を描いておりますが、この順番でいきますと、できるだけ右のほうの家庭あるいは家庭と同様の養育環境、良好な家庭環境で児童が養育できるように必要な措置をとっていくということを書いてございます。

 4ページは、平成29年に改正された法律の内容でございます。先ほどの検討規定の中で、司法介入をより強化していこうという検討規定がございましたので、その検討の結果、次のような法案が出たということでございます。ここは改正の概要をかいつまんで御説明させていただきます。

 1つ目が、虐待を受けている児童等の保護者に対する指導への司法関与。2つ目として、家庭裁判所による一時保護の審査の導入。3つ目として、接近禁止命令を行うことができる場合の拡大といった法案を平成29年6月に成立している状況でございます。

 5ページが、最近発表しました児童虐待数の推移です。平成28年は122,578件で過去最多となっているデータでございます。

 6ページは都道府県別の概要。

 7ページが、どういった虐待の種類かというものでございます。心理虐待の割合が最も多くて、続いて身体的虐待の割合が多いという形になっております。

 8ページが、寄せられた経路別でございます。警察経由あるいは近隣知人、家族、学校の順となっているものでございます。

 9ページは、昨今の里親委託率の推移でございます。平成27年度末は17.5%が全国平均となっておりますが、10ページ、自治体によっていろいろ差があるという状況になっているというのが、最近の改正児童福祉法などについての御説明でございます。

 続きまして、資料3−1と資料3−2について御説明させていただきます。

 「新しい社会的養育専門ビジョン」についてでございますが、とりまとめていただいた新しい社会的養育ビジョンそのものは資料3−2になりますが、非常に大部でございますので、資料3−1の概要を使いまして説明させていただければと思います。

 1ページ、新しい社会的養育ビジョンの概要でございます。申しおくれましたが、これは平成29年8月2日に、先ほど委員長から御紹介がありました新たな社会的養育の在り方に関する検討会でとりまとめて公表したものでございます。

 「1.新しい社会的養育ビジョンの意義」でございます。先ほど申し上げましたとおり、平成28年児童福祉法の改正で大きく2つ、子どもが権利の主体であることを明確にした、あるいは家庭への養育支援から代替養育までの社会的養育の充実とともに、家庭養育の理念を規定したということ。実親による養育を支援するのですが、その養育が困難であれば、特別養子縁組あるいは里親による養育を推進していくことを明確にしたということでございます。このような改正法の理念を具体化するために、新しい社会的養育ビジョンが示されたという位置づけでございます。

 これから御説明する、いろいろな改革項目がございますけれども、その改革項目が全て緊密につながっているもので、一体的かつ全体として改革を進めることが必要という形でいただいております。

 「2.新しい社会的養育ビジョンの骨格」でございます。まずは、1つ目あるいは2つ目の・にございますとおり、実際の家庭の支援として市町村におけるソーシャルワーク体制の構築と支援メニューの充実を図るという形をまずは書いてございます。

 その次も、在宅での社会的養育としての支援を構築する。分離しないケアの充実を図るということでございます。

 3つ目は、代替養育は家庭での養育を原則とする。高度に専門的な治療的ケアが一時的に必要な場合は、子どもへの個別対応を基盤とした「できる限り良好な家庭的な養育環境」を提供し、短期の入所を原則とする。

 次は、里親の増加やその質の高い養育を実現するために、児童相談所が行う里親制度に関する包括的業務(フォスタリング業務)を強化する。民間団体も担えるようにフォスタリング機関事業の創設を行う。

 もう一つが、代替養育に関して、永続的解決を目指したソーシャルワークが児童相談所で行えるよう徹底する。これがビジョンの骨格となっております。

 「3.新しい社会的養育ビジョンの実現に向けた工程」ということで記載いただいております。先ほど来申し上げている改正児童福祉法の原則を実現するために、目標年限を目指して計画的に進める。これらの改革は、子どもの権利保障のために最大限のスピードをもって実現する必要がある。また、その改革の工程において、子どもが不利益をこうむることのないよう十分な配慮を行うということを書いてございます。

()市区町村の子ども家庭支援体制の構築ということで、子どものニーズに合ったソーシャルワークができる体制をおおむね5年以内に確保する。市町村においては、この支援メニューの充実を図る。指導委託措置として行われる在宅措置、通所措置が適切に行える手法を明確にして、支援内容に応じた公的な費用負担を行う制度をできるだけ早く構築する。

()児童相談所・一時保護改革でございます。児童相談所への各種研修の実施あるいはその効果の検証、中核市・特別区による児童相談所設置への計画的支援を行う。児童相談所の各種機能の機能分離を計画的に進める。一時保護につきましては、機能を2類型に分けて、閉鎖空間での緊急一時保護は数日以内とする。一時保護の養育体制を強化し、おおむね5年以内に子どもの権利が保障された一時保護を実現する。パーマネンシー保障のためのソーシャルワークを行える十分な人材確保を5年以内に実現する。

()里親への包括支援体制(フォスタリング機関)の抜本的強化と里親制度改革でございます。リクルート、研修、支援などを一貫して担うフォスタリング機関による質の高い里親養育体制の確立を最大のスピードで実現し、平成32年度には全ての都道府県で行う体制とする。平成29年度中に、国でプロジェクトチームを発足し、ガイドラインの作成や自治体への支援を開始する。ファミリーホームを家庭養育に限定するため、早急に事業者を里親登録に限定し、一時保護里親、専従里親などの新しい里親類型を平成33年度をめどに創設する。あわせて「里親」の名称変更も行うというものでございます。

 3ページ目、()永続的解決としての特別養子縁組の推進です。永続的解決として特別養子縁組は大変有力、有効な手段であるということでございます。特別養子縁組に関する法制度改革は、現在法務省でも検討いただいておりますけれども、そういったことを速やかに進め、新たな制度のもとで児童相談所、民間機関が連携して、養親・養子支援体制を構築する。その結果、おおむね5年以内に現状の2倍の年間1,000人の特別養子縁組成立を目指すというものになってございます。

()特に就学前の子どもは家庭養育原則を実現するため、原則として施設への新規措置入所を停止。このため、遅くとも平成32年度までに全国で行われるフォスタリング機関事業の整備を確実に完了する。愛着形成に最も重要な時期である3歳未満については、おおむね5年以内。それ以外の就学前の子どもについては、おおむね7年以内に里親委託率75%を実現する。また、学童期以降は、おおむね10年以内をめどに里親委託率50%以上を実現する。ケアニーズが非常に高く、施設等における十分なケアが不可欠な場合は、小規模・地域分散化された養育環境を整えて、施設における滞在期間については、原則として乳幼児は数カ月以内、学童期以降は1年以内とする。また、特別なケアが必要な学童期以降の子どもであっても3年以内を原則とする。こういった代替養育を受ける子どもたちに対して、年齢に応じた適切な説明、子どもの意向が尊重される必要があるということも書かれております。これまで乳児院が豊富な経験により培ってきた専門的な対応能力を基盤として、さらに専門性を高め、親子関係に関するアセスメント、障害等あるいは親子関係改善、母子の入所等々について、乳児院は多機能化・機能転換する。「乳児院」という名称についても、その機能に合った名称に変更するということを御定義いただいております。

()子どもニーズに応じた養育の提供と施設の抜本改革ということでございます。個別のケアが提供できるよう、ケアニーズに応じた措置費・委託費の加算制度をできるだけ早く創設する。全ての施設は原則として、おおむね10年以内に小規模化・地域分散化、常時2人以上の人員配置を実現する等を書かれております。豊富な体験による子どもの養育の専門性をもとに、地域支援事業やフォスタリング機関事業等を行う多様化を乳児院から始めて、児童養護施設・児童心理治療施設、児童自立支援施設でも行うと書かれております。

()自立支援の関係でございますけれども、平成30年度までにケア・リーバーの実態把握、自立支援のガイドラインを作成し、包括的な制度的枠組みを構築するということ。あるいは、代替養育の場における自立のための養育、進路保障、地域生活における継続的な支援を推進する。自立支援方策を具体化するための検討の場を設けるということが書かれてございます。

()担う人材の専門性の向上ということで、児童福祉司等の研修あるいは要保護児童対策地域協議会の専門職の研修の実施状況確認と、その効果判定を行い、国による研修の質の向上を図る。子どもの権利擁護のために、早急に児童福祉審議会による権利擁護のあり方を示し、3年をめどにその体制を全国的に整備する。あるいは、平成30年度に一時保護の専門家による評価チームの構成から始めて、おおむね5年以内には社会的養護にかかわる全ての機関の評価を行う専門的評価機構を創設するとともに、アドボケイト制度の構築を行う。虐待関連統計についても、その整理をおおむね5年以内に行い、情報共有のためのデータベース構築もおおむね5年以内に行う。CDRについてもおおむね5年以内に確立するということが書かれてございます。

()このビジョンに基づきまして各都道府県の計画、従来の課題と将来像、平成23年7月に基づいて作成された都道府県等の計画について、このビジョンに基づき平成30年度までに見直す。そういった中で、さまざまな支援策を盛り込む。これらを実現するために、国は必要な予算確保に向けて最大限努力し、実現を図るということをこの検討会の報告としていただいているものでございます。

 5ページが、この検討会の設置趣旨及びメンバーとなってございます。

 続いて、資料4−1と資料4−2について御説明いたします。新しい社会的養育ビジョンの実現に向けた主な進め方を書かせていただいております。

 1ページは、新しい社会的養育ビジョンをいただきましたので、その実現に向けた進め方として全体像を示しているものでございます。

 まず、大きく3つに分けて整理しております。一番上が、この専門委員会で御検討いただくことでございますが、都道府県推進計画の見直しに向けた検討を行っていただく。この都道府県推進計画も各都道府県で見直しの検討をしっかりやっていただかなければならないということでございますし、平成31年度からは新しい見直された計画に基づいて、さまざまな施策を展開していただきたいというのがビジョンの趣旨でございますので、そういったところで都道府県の見直し作業も早く着手していただきたいということもございますので、ことし中に都道府県における推進計画の見直し要領を都道府県に対して提示させていただきたいということになっております。そのために、本専門委員会でのさまざまな御意見をしっかり踏まえさせていただきたいと思っております。

 次に、PTでございます。そういった中でも、集中的あるいは専門的に御議論いただきたい事項がこの2つ、フォスタリング機関事業と乳児院・児童養護施設の多機能化・機能転換でございます。これらについても今後、早急に立ち上げ、早目に都道府県に提示させていただくということを同時並行でさせていただくことを考えております。

 もう一つ、児童相談所・一時保護につきましては、従来から子ども家庭福祉の人材の専門性確保ワーキンググループで従来から検討を続けてきた経緯がございますので、そういった中で検討していただく。特に、この都道府県推進計画の見直しに関しましては、年内に御検討いただいた上で、先ほどの一番上の見直し要領の提示というところに反映させていくことを考えております。

 2ページでございます。都道府県で各種見直し作業をやっていただくことになると思いますけれども、そういった中で、当座事務的に何の整理が必要かということを書かせていただいております。先ほど申し上げた提示する見直し要領の、どういったことを見直してほしいかを厚生労働省として提示することを検討していかなければならないと思っておりますので、そういった中でこういったことを提示していかなければならないと思っております。

 まず、黒字の部分は、今進んでおります現行計画の記載事項を書かせていただいております。もちろんこれはこのままではなくて、先ほど申し上げた平成28年改正法あるいは新ビジョンあるいは児童虐待を巡る状況等いろいろな状況を勘案して、どのような見直しをしてきたかを提示していかなければならないと思っておりますので、どのように見直して提示するかというところをしっかり整理していかなければらないと思います。

 さらに、社会的養育ビジョンということで、あるいは平成28年改正法で市区町村における子ども家庭支援体制というものも大事なファクターになってくると考えております。これは新しく追加して、都道府県の計画でございますので、市区町村さんをどのように支援していくかを追加項目として入れさせていただければと思っております。

 3つ目の○が児童養護施設の小規模化、これも地域分散化の具体的な取り組みと養護可能な児童数の見込みということで現行計画の記載事項ですので、これもどのように見直しを行っていただくかを都道府県に提示しなければならないこととなります。

 もう一つの○が、家庭養護(里親やファミリーホーム)の推進の具体的取組と取り組みと養護可能な児童数の見込みということで、これも現行計画に記載されていて計画が進んでおりますけれども、どのように都道府県で見直していただくかという方針を厚生労働省として提示するかを考えていかなければならないと思っております。

 これらの項目も詰めていきながら見直し要領を作成していただきますので、上に書いてございますとおり、見直し要領を都道府県に見ていただいて、各都道府県でそれぞれの推進計画を平成28年改正法あるいは新しい社会的養育ビジョン等を踏まえて、全面的に見直していただくという作業に入っていただくことが必要になってくるのではないかと考えているところです。

 資料4−2は、現行の都道府県計画等の概要です。これは今、進行している計画の概要でございます。

 2つ種類がございまして、家庭的養護推進計画は各施設が定める計画となっております。これは平成27年度を始期として平成41年度までの15年間で、各施設が定める計画となっております。都道府県計画のほうは、都道府県が調整を行った上で定める平成27年度を始期とした計画ということになっております。これも推進期間は平成41年度末までの15年間でございまして、それを3期に分けて、各期ごとの目標を設定した上で、先ほど来出ておりました小規模化・地域分散化、家庭養護の支援を進める具体的な方策を定める。なお、5年ごとの期末に目標の見直しを行っていくということでございます。これは、2つ目に書いてございますように、平成25年、平成26年に各都道府県と各施設で調整していただいて、平成27年度から計画に基づく取り組みを推進していただくことになっております。

 2ページが、現行の都道府県推進計画の概要ということで、左側に先ほど来申し上げている3つございました都道府県推進計画の中身を書いてございます。これは実は、子ども・子育て支援法という法律がございまして、その中の内容と整合性が保たれているということでございますし、上の矢印を見ていただければと思いますが、こちらは都道府県子ども・子育て支援計画というものも5年間の計画を担っておりますので、これとあわせて各5年ごとの計画を立てていただきたいという構造になってございます。

 今回平成28年法の改正で、目的あるいは理念のところが変わったことや、社会的養育ビジョンをとりまとめていただいたということで、それを踏まえた見直し計画を真ん中の第2期計画、中期計画の見直しを前倒ししていただいて、実質的には平成31年度から中期計画に基づく施策を推進していただこうということでお願いする予定でございます。

 3ページ以降が、現行の計画がどのような形になっているかというものでございます。これは我々のほうで平成28年3月末に調査した結果、全69自治体が策定済みということでございます。本体施設入所割合、グループホーム入所の割合、里親・ファミリーホームの委託児童の割合を集計した結果、平成41年度にはそれぞれ本体施設44.5%、グループホーム24.8%、里親・ファミリーホームへの委託児童の割合が30.8%ということで、国が目標としている里親関係のおおむね3分の1に満たない目標設定に実際もとどまってございます。

 ただ、各自治体別に見てみますと、4ページにございますとおり、一番上が里親等でございますし、真ん中の部分がグループホームでございますけれども、各都道府県、各自治体で結構差がある状況になっているのが現行の計画でございます。

 5ページは、今の足元の数字と平成41年度の計画数値を並べてみたグラフになっております。

 私からの説明は以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 ちょうど今4時半になります。きょうの議題は、見ていただきますと3つありますけれども、主として()という形になります。「改正児童福祉法」及び「新しい社会的養育ビジョン」について、それから、()の今後の進め方について、今、一括して御説明いただきましたけれども、この()()についての御意見をちょうだいするというのが主な議題になるかと思います。きょうは私も入れて24名おります。24を2時間で割りますと1人当たり5分ぐらいでしょうか。恐らく全員の方が御発言されると思いますので、そうすると5分です。内閣府の子ども・子育て会議は三十数名の方が委員でして、1人2分半に限定されております。ここはその倍の時間がとれますが、それ以上とっていただきますと、もしかしたら7時を回ってしまう可能性もあるかもしれないということなので、非常に厳しい状況ではありますけれども、実はここが7時には必ず終えなければいけないと事務局から言われておりますので、そうしますと、1人5分以内ということでお願いしたいと思います。御意見いただくものは、先ほど申し上げました新しい社会的養育ビジョンについて、本専門委員会の進め方についての御意見の2点となります。

 御意見いただく方の順番ですけれども、事務局と相談したのですが、資料5をごらんいただきますと、事前に御意見をちょうだいしていらっしゃる方が10名ちょっといらっしゃいます。この方々に最初に御意見を開陳していただいて、その後、意見書は提出していないけれども意見を言いたいという方がほとんどだと思いますので、その方々に御意見をちょうだいするという流れでいきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。全員の御発言の時間は確保したいと思っておりますので、5分を過ぎますとチンを鳴らすかもしれませんけれども、御容赦いただきたいと思います。

 それでは、時間ももったいないので早速入ってまいりたいと思います。

 まず最初に、委員提出資料の順で御発言をお願いしたいと思います。井上委員から、よろしくお願いいたします。

 

○井上委員

 私の資料は、今のお話ですと、今後の進め方のところに少し関係してくるかもしれません。そういう格好でお話しさせていただきたいと思います。

 最初に、日ごろより我が国の子ども・子育て支援や社会的養護の施策を推進するために、いつも示唆に富む資料を提供してくださっています柏女委員長にお礼を申し上げたいと思います。私は、かつてより委員長の仕事をフォローさせていただいております。最近では2015年誠心書房の「子ども・子育て支援制度を読み解く」と、第一法規の「利用者支援事業の手引き」の2冊、2017年のミネルヴァ書房から出ています「これからの子ども・子育て支援を考える:共生社会の創出をめざして」というものがありますが、こういったものが田舎のほうの市町村におりますと、通知だけでは何もわからないところが、そういった資料を使わせていただくことによって、はっきりわかるということをお伝えしたいと思います。本当にありがとうございます。

 本資料は、そのような視点で整理してきました大分県の現状を示す資料です。あくまでも私個人の意見をまとめたもので、現時点では大分県全体の意見を反映したものではないことを御了承ください。

 では、資料1は、平成の大合併後の大分県の市町村を示しております。大分県は比較的多くの市町村で合併を進めましたが、全国を見ますとそうではないところも多々ありまして、国全体で考えますと、構成区分を考えるとき配慮が必要だと思います。

 資料2は、201610月の推計人口を示しております。

 資料3は、平成27年1月時点の政令指定都市を除く市区町村別の人口規模別自治体数を参考に、大分県の18市町村を振り分けたものになります。この人口規模自治体の分類は、各県に当てはめましても、地域別の施策を考える場合に非常に参考になると思いましたので、あえて、このような形で出させていただきました。

 資料4と5は、市町村の年齢3区分別人口割合、指数を示したもので、4の図3の人口割合で整理しますと、14歳以下の人口割合の区分がわかりやすくなります。時間の関係で詳しい説明は省略させていただきます。

 資料6、7は、大分県の市町村別合計特殊出生率を示します。赤枠が出生率が高いところ、青枠が低いところを示し、高いところでは2024歳の年齢階級別出生率が高いことがわかります。中津市の場合、思春期対策を進めた結果、1519歳までの出生率も他市町村と比べると高いことがわかります。こういったことが子どもを産み育てるときに必要な指標になるのではないかと思っています。あとで、一つ一つの市町村を見ていただくと、わかりやすくなると思います。

 資料8〜10は、保健で使いますが、二次医療圏という区分けがあるのですが、その資料を示しております。大分県の場合、大分市と別府市を除いた市町村では、大体人口8万前後をくくりとして考えますと、住民への配慮をしたサービスの提供が行いやすくなると思います。

 資料9の北部を見ていただきたいのですが、中津市が8万3,000ありまして、宇佐市、豊後高田市を足すと大体8万ぐらいの形になると思います。ほかの医療圏のところも同じなような形で見ていただくと、8万前後のくくりになっているのが大分県の現状です。

 資料1119までは、資料4にあります大分子ども・子育て応援プラン第3期計画から引用しております。

 その中の資料11ページをごらんください。夫婦の平均理想子ども数は2人以上で、中津市では子どもを持つことを決意した家族の場合、子育て支援施策が整備されてきて3人目を出産される方が非常に多くなってきております。

 資料15をごらんください。大分県の就学前児童の家庭外養育の現状を示します。0歳までは家庭内養育が9割以上、2〜3歳が6割台でした。家族発達の社会心理学などの観点から、英国の最初の1000日スタディというものがあるのですが、第一子の妊娠中から2歳に達するときまでをしっかり支援することが、その後の家庭養育をより安定的なものにするというデータもあり、今後の我が国の社会的養育施策においても重要になると思っております。

 続きまして、資料1619は、先ほどの第3期計画の資料から抜粋しております。柏女委員長が推進してくださった、子ども・子育て支援施策の調査で行われた大分県のまとめです。この元になった資料は、各市町村から現状報告が出ておりますので、全ての県におきましても今後の基本計画づくりの目安になる資料となると思いますので、知っておいていただきたいと思います。

 最後に、社会的養護について簡単に触れます。資料の2324をごらんください。資料23は、平成24年4月の状況で、黄色が乳児院1カ所、赤が児童養護施設。この段階では大分県では都市部に集中しています。そこに青のファミリーホームを追加して、大分をカバーできる市町村がふえてきますが、まだ偏りがあります。

 資料24をごらんください。平成29年4月の資料で、それに里親さんの数を青数字で加えますと、大部分の市町村をカバーできるようになってくるという形になっております。ほかの県を全部こういう形でつくっていくと、それぞれの特徴が見やすくなるのではないかと思っています。

 資料25は、赤ちゃん短期里親について触れています。資料20にあるような支援対象者の場合、市町村における子ども虐待と呼ばれる状態になる前の支援介入では、生活の場に近いところでの支援が不可欠だと思います。今後もさらに必要になる施策だと思います。

 以上のことから、先月札幌で開催されました全国乳児福祉協議会大会でも述べましたように、新しい社会的養育ビジョンが報告される前から、資料のような取り組みを続けてこられた乳児協の皆様や、全国児童養護施設協議会の皆様の中でも広がってきた児童家庭支援センター事業やファミリーサポートセンター事業の内容の充実を図り、さらによいものをつくってくださることが今後重要となります。

 先日、中津市の児童家庭支援センターの和(やわらぎ)さんが、全国の児童家庭支援センターの協議会の中で、平成29年度のヒアリングの対象になったことを知りましたので、その資料を最後に中津市の支援体制の紹介とともに論文形式でつけておりますので、よろしければ御参照ください。

 以上です。ありがとうございました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 では、続きまして、江口委員にお願いしたいと思います。35ページからになります。よろしくお願いいたします。

 

○江口委員

 児童相談所の現場の所長をしております江口と申します。よろしくお願いいたします。現場のほうから上がってきた意見をまとめまして、少し簡単に報告させていただきます。

 まず、ビジョンについては、児童福祉法改正の趣旨からして、私たちは方向性としては非常に貴重なものだったという評価をしているところでございます。ただ、都道府県計画の見直しを前提として、さまざまな施策展開に当たっての財源、人材の裏づけについて、ぜひお示しいただきたいということでございます。

 2つ目が、最短で実行していきたいと思っておりまして、大阪府でも早速、策定委員会を設置すべく早急に検討に入っているところでございますけれども、各自治体の子どもたちのニーズ、被虐待児のニーズ、さまざまな社会的養育体制を十分踏まえた上での整備であることが必要であると考えております。そのためにも、標準的な算定方法をきちんとお示しいただけることが必要だと考えております。

 2点目は、法的対応力の強化が書き込まれております。大阪府では、平成12年から大阪弁護士会の多大な御協力をいただきまして、弁護士に約100名登録していただいておりますし、鑑定していただくお医者さんにも多数協力していただいているところでございます。年間の相談件数は1,500件を超えておりまして、70件の判定も含めた医学的観点からの鑑定もしていただいております。場合によっては弁護士、お医者さんを含めたチームで総合的な判断をしていただかざるを得ないケースもありまして、非常に微妙なケースも多々出ておりますので、法的対応を進める上でも、このチーム体制をとっていきたいと考えております。要は、地域の実情に合わせた柔軟な対応をお願いしたいというところでございます。

 3点目は、機能分化を進めていくべしということでございますが、大阪では既に機能分化を昨4月にいたしました。別添38ページに機能分化したものを簡単にお示しさせていただいております。虐待対応課という形で平成13年に虐待を専門にする課を設置し、28条の申立件数も含めて大阪府では、毎年数十件申し立てる状況でございますので、そういう意味で虐待に対する初期対応は非常に進んできたと思っているところでございます。

 一方、虐待以外のケースを対応する地域相談課という体制がありますけれども、非行でございますとか家庭内暴力の中にもハイリスクのケースが多々入っている現状がございます。そのことを踏まえまして、平成28年4月に相談対応課という形でワンストップで全てのケースをリスクアセスメントする体制に変更いたしました。初期アセスメントのチームをつくりまして、心理職とワーカーが全件リスクアセスメントに入ります。これは全て児童相談所に入ってくるものをリスクアセスメントした上で振り分けていくという機能を強化しようとしたものでございます。

 その後、育成支援課という形で、今度は社会的養育に入った子どもたちにしっかり対応していく、これを分化した形で組織を大幅に変更したものでございます。

 戻っていただきまして、もう一点が児童相談所の調査権についてでございます。先般、昨年度の改正の中で第13条4に、さまざまな形で病院などに協力いただける形になったわけでございますけれども、2カ月超えの司法審査を含めまして証拠収集の収集能力がますます求められているところでございます。対象機関を限定せずに十分な証拠資料が収集できるような形に、法的権限の整備に向けた検討を進めていただきたいと考えております。

 3点目が、家庭養育の推進等を見据えたソーシャルワークでございます。現行の児童福祉司の配置基準は、管轄人口や虐待の相談件数に上乗せしているわけでございますけれども、児童相談所は近年、児童虐待の初期対応に走り回ってきた現状が実態としてございます。これを家庭養育の推進や自立支援のためのソーシャルワークにも一層力を入れていくためには、そして、代替養育を受けている子どもの数に応じた児童福祉司等の配置基準を設ける必要があると考えております。

 里親家庭の包括的支援につきましても、大阪でのリクルートからマッチング、その後の支援まで一貫した形の支援体制で3つの支援機関にお願いしているところでございます。

 1つは、御存じのキーアセットという団体、それから、家庭養護促進協会、ことし4月から乳児院型の里親支援機関をスタートさせて、さまざまな形でいろいろな支援機関が切磋琢磨して伸ばしていく形が必要だと考えておりまして、運営管理体制も含めましてガイドラインの中に盛り込んでいただきたいと考えております。

 特別養子縁組につきましても、早急な法制度改革に取り組んでいただいておりますので、自立支援の同意権も含めた二段階方式という話もございますけれども、それを含めて早く体制をつくっていただきたいと思っております。

 最後に、一時保護機能についてでございます。緊急に一時保護した子どもたちのまず安心・安全を早く確保したいという児童相談所に課せられた強い使命がございまして、とにかく現場では急いで保護しようという気持ちが物すごく高まっております。大阪では年間2,000件(一時保護件数)を超えております。ほぼ半分が一時保護所、半分が既に児童養護、里親等に一時保護委託をしている現状でございます。初期のアセスメントが非常に重要でございますが、2,000件という数を考えますと、毎日数件保護しておりまして、1人のワーカーが数十人一時保護しているという現状を踏まえますと、この部分の強化をしていただく必要があるかなと考えているところでございます。

 あわせて、夜間帯・休日帯の保護がふえております。通常の勤務時間帯以外の保護のほうが多い。夜中0時、1時、2時、3時、4時も変わらず保護しているという現状でございますので、一時保護所の現象を考慮した配置基準が必要であると考えているところでございます。

 少し長くなりましたが、以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、桑原委員、お願いいたします。

 

○桑原委員

 初回から遅刻してすみません。全国児童養護施設協会(全養協 )の桑原です。

全養協 は8月2日に示されたビジョンの中に、措置停止や里親委託率、入所期間の限定化などの目標値 が唐突に盛り込まれたこと に大変な衝撃を受けました。お手元の意見書にもありますが、これらについては反対の立場をとっております。

 この間、 厚労省の 山本審議官や成松 家庭福祉 課長、さらに先日開催された全国社会福祉協議会の社会福祉懇談会 の場 での加藤大臣の発言でも、今後丁寧に関係者と議論をしていくというお話が ありましたので 、この専門 委員会 がその場であろうと大きな期待を持って参画させていただいております。その上で、この専門委員会での委員 として の意見を申し述べたいと思います。

 私どもが最も懸念しているのは、都道府県等の自治体がビジョンに示された目標値に沿って 財源措置の見通しもない状況の中で、短期間で推進計画をつくっていくということになるとしたら、当然数字合わせの計画になってしまう だろう という ことです 。それはまさに、今回改正された児童福祉法の本旨や子どもの最善の利益という立場から かけ離れたものになって しまうということ ではないでしょうか。ピジョンに示された目標値、工程表ありきで、この委員会での検討を進めないでいただきたい。この目標値、工程表そのもの について もこの専門委員会で検討しながら、修正すべき は修正 する ということではないかと思っております。

 基本的に私どもは、このビジョン 全て 反対しているというものではありません。方向性については理解をさせていただいております。 全養協が 2003 年に 児童養護施設 近未来像II 策定 して 以降 の児童養護施設の流れと 、このビジョンに盛り込まれている流れと は、 つながっているもの とも 理解しております。

 ビジョンには、フォスタリング事業や親子支援などの新たな事業、一時保護や施設における職員体制 の充実 、ケアの小規模化、在宅における各種支援の拡充など、具体的な取り組みが示されており、今後、推進計画のガイドラインにも盛り込んでいく べき 事業だと受け止めております。

 これらの取り組みについて、本日お集まりの社会的養護に携わる関係者や学識者、行政関係者の皆さんとしっかり議論を積み上げて、その目標や工程を明らかにし、その過程の中で財源についても厚生労働省とともに協議できる場にしていただきたいと願っております。

本日の資料に あります社会的養育ビジョンに関する 私どもの 意見ですが、基本的な考え方を幾つか示させていただいておりますので、少しだけなぞってまいりたいと思います。

 基本的には、家庭の養育機能あるいは地域社会のつながりが脆弱化している状況の中で、家庭における養育への支援が本当にますます求められて います 。こうした中で、 理想的な 家庭像だけを見て目標値を高く上げて、特別養子縁組、里親委託を推進するということに対しては強い危惧を覚えています。施設への新規措置入所を停止するとか、里親等の人材 確保 、支援体制が不十分な中では、表現としてはかなり踏み込み過ぎではないかと思って、逆に行き場のない子どもたちを つくり出す ことになりはしないかという心配もしております。

 就学前の子どもたちについて、家庭養護を優先するという目標的なスタンスは受け止められますが、今の状況で現実には里親委託が順調に進んでいないという実態があることも御承知いただきたい。こ うした 中で、75%あるいは50%といった目標値ありきで里親委託を進めることがあってはならないのではないでしょうか。目標値を前提に推進計画のガイドライン等の議論を進めることには 反対の意を表明するものでございます。施設養護あるいは家庭養護どちらかということではなく、双方が協働することが大事なことではないでしょうか。

 2つ目に、児童養護施設における養育でございますが、養育の営みというのは基本的に生活の主体者として子どもたちを位置づけてきた児童養護施設のこれまでがあったということも確認させていただきたい。

家庭養護 を原則として、 施設の入所を 乳幼児数か月あるいは学童1年以内、最長3年以内と設定することについても、 安定した 養育 にもとづく子ども の成長あるいは学校教育の保障などいろいろな問題がそれに伴って起こってくることに対して、十分に配慮しながらしっかりと進めていく必要があるのではないかと、一律にそういった形で定めることは適当ではないと考えております。

 最後に3番目ですが、施設の小規模化、地域分散化、人材確保、育成という問題がございます。小規模化を進めるのにいろいろな段階を経ていくわけですが、 小規模化 すればするほど 基本的には質の高い専門性を持った職員を用意する必要が当然ございます。 今日 、ある県の研修会に行っていたのですが、現実にその県で 児童養護施設への 就職 希望者が ビジョンの提示を受け 本当に減って、ある施設では全くゼロの状態 とのことです 。人 の確保 難しく しているという点において 、この養育ビジョンの波紋が非常に広がっています。そのことを最後に申し上げて、今後の進め方について、どうぞ 全養協 の声も受け止めていただきたいと思います。

 以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続いて菅田委員、お願いいたします。

 

○菅田委員

 私の意見は、46ページから全国母子生活支援施設協議会(全母協)の意見ということで掲載されております。

 今回の新ビジョンは、母子生活支援施設について書かれているところが大変少なくて、今回に始まったことではないのですが、理解していただいて議論の中に入れていただくことが少ないということがあります。その中でも幾つか記載がありますので、それに対しての意見もしくは要望を書かせていただいております。今回の新ビジョンは、家庭養育もしくは家庭的養育というスタンスを挙げているわけで、そういう意味では母子生活支援施設は代替養育をしている施設ではなくて、母と子が丸ごと施設に入所して、家庭養育を我々職員が支援していくというような独特な形態の施設でございます。ですから、今回は親子の入所施設の創設が書かれていますが、我々母子生活支援施設は戦前からある施設で、母子家庭についていえばそういう施設の創設は不要ではないかと思っております。

 まず、47ページですけれども、1番、母子生活支援施設の区分化についてでは、今お話ししたようなことでの入所機能があるという要望を出しております。

 2番目については、児童福祉法第27条に母子生活支援施設が書かれていないということで、児童相談所からの措置ができていないということなのですが、今現在、児相との連携なしには母子への支援はできない状況です。そこで、ぜひ母子生活支援施設を第27条に記載してほしいという要望です。

 続いて49ページですけれども、今回、特定妊婦のことがかなり書かれておりまして、既に全国各地の母子生活支援施設で先行的に特定妊婦を受け入れています。ただ、モデル事業が今年度、来年度とありまして、その後に制度設計がなされるということになっています。ビジョンに書かれているようなサテライト型母子生活支援施設に限らず、本体施設で十分支援が行えますので、ぜひ母子生活支援施設を特定妊婦を支援する施設として指定していただきたいということです。

 4番目には、今現在、退所が1年以内に見込める方の入所ということになっているサテライト型母子生活支援施設のことを挙げました。サテライト型はいわゆるステップアップの位置づけなのですが、近くのアパートを借りて、そこに職員が出かけていって支援するという形ですから、何も1年以内ということではなくて、集団になじむことができない母子、もしくは父子家庭でも入所が可能です。親子入所の可能性を求めるなら、ぜひサテライト型母子生活支援施設を活用していただきたいということです。

 最後に5番目、一時保護のあり方については、親子を分離する一時保護のことが書かれているのですが、母子生活支援施設を一時保護に使っていただければ、母子分離をしないで一緒に一時保護ができるということでの母子生活支援施設の活用をうたっております。

 それから、最後に、今回もそうですけれども、都道府県の推進計画やそれに基づく市町村での支援体制について、ぜひ母子生活支援施設の活用を入れていただきたいというのが要望でございます。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続いて58ページ、中村委員、お願いいたします。

 

○中村委員

 よろしくお願いします。まずお伝えしたいこととしましては、そもそも社会的養護で生活している子どもたちというのは、自分たちが選んで、自分たちが「よっしゃ、里親家庭で生活したい」と思って生活しているわけではないと思います。だからこそ、今生活している子どもたちのニーズや声をどう施策に反映していくのかといったときには、委員会等に当事者参加が必要なのではないかということです。ですので、今回の意見の多くは当事者参加について書かせていただいているところです。

 1つ目は、今後、都道府県計画などについて、やはり社会的養護経験者の意見を聞くということをぜひ盛り込んでいただきたいと思っています。というのも、今回のビジョンでもヒアリングに参加させていただいて意見を言わせていただいたのですが、委員として経験者がいたかというと、そうではないのではないかと思います。施設経験者とか里親家庭経験者だけではなく、多様な社会的養護経験者も参加するというのが、制度をつくる上ではとても重要なのではないかと思っています。

 2つ目の子どもの最善の利益と代弁者の確保というところでは、子どもがこうしたい、こういう思いがあるというのと、児童相談所や保護者との意見がぶつかるときがあったりすると思います。そういうときには、やはり子どもの意見や子どもの声が置き去りになりやすいという現状があるのではないかと思います。代弁する大人が子どもたちにいるということがとても重要なのかなと思います。その1つが、アドボカシー制度ということで、今回のビジョンにも記載されているところかなと思いますが、アドボカシー制度の導入を検討していただきたいと書かせていただいています。

 次に、自立支援計画の作成における子どもの参加です。子どもたち自身の施設や里親家庭での生活を考えるときには、やはり子どもたちの意見を聞いていただき、その意見に沿って養育されるということが必要なのではないかと思います。年齢に応じた工夫と、あとは障害を持っている子どもたちにも、それに対応した工夫が必要なのではないかということが挙げられます。

 今、施設や里親家庭で生活している子どもたちも、言いたくても養育者になかなか言えないという声は私の活動でもよく聞いておりまして、やはり身近な養育者施設職員さんや里親さんではない第三者に、自分たちの気持ちを聞いてほしいというときには、一定の訓練を受けたアドボケイトという人が子どもの話をしっかり聞くという体制が今後整えられることが必要なのではないかと思います。()にはそのことを書かせていただきました。

()は、親権者等の意向に左右されず、全ての子どもに弁護士をと書かせていただいていますが、やはり一時保護とか、特に児童相談所の職員や保護者からすると難しいケースと言われている子どもたちが何も言えずに、保護者のもとに帰りたくないのに帰ったとか、また、施設に入りたくないのに入ったとか、また、一時保護所にはいたくないのに行くことになってしまったという場合で、子どもの声をなかなか伝えられないというときには、やはり司法の部分で弁護士さんがサポートしてくれることも必要なのかなと思っています。

 3が、自立支援に関する検討組織への当事者の参画とシステムづくりということで、このビジョンの方向性の部分で、今後、自立支援について考え、検討していくという文言があったと思いますが、やはり経験者に聞くのが一番具体的でいいシステムがつくれるのではないかと思っています。実際に、日本でも15歳で施設を退所して、そのまま社会に出ていく若者たちもいるという現状や、自立援助ホームに入ったけれどもうまくいかないという場合、既存の制度から漏れてしまっている若者たちも現実にいる状況です。そういう若者たちが何を必要としているのかということをきっちり聞き取っていただいて、それを支援のシステムとして盛り込んでいただけるといいかなと思います。

 もう一つは、この間このビジョンに関して当事者同士で話し合うことがふえたのですが、その中で、当事者同士で集まれる場所があるといいよねということで、私は大阪で活動をしていますので大阪では集まれるけれども、ほかの場所で育った若者たちはそういう場所が全くないということもあるかと思います。施設や里親家庭を出た後も集まれる場所みたいなものがあるといいなという意見を出してくれている若者もいました。なので、当事者の声を聞くということを積極的に取り入れていただけたらと思っています。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続いて平井委員、お願いいたします。

 

○平井委員

 自立援助ホームの平井でございます。

 自立援助ホームとしまして、先ほどの母子と同じように、今回のビジョンの中で自立支援の部分がなかなかうまく絵が描かれていないというか、自立援助ホームの言葉も余り出てこない、少ないという感じを受けております。

 一応、私の資料は6162ページのとおりでございます。

 追っていけば、1つ目は自立援助ホームの位置づけということで、自立援助ホームの場合は、平成21年の児童福祉法改正のときに措置費の制度に乗っかりました。それで20歳未満までの委託措置が可能になりました。そこで今回の児童福祉法の改正で、就学者のみが22歳の年度末まで支援が可能になったということで、これに関しましてはありがたい話でございます。というのも、自立援助ホームの現状といたしましては、年齢層が高いですので、これまでは就労者、仕事をするということが前提で自立援助ホームに入居してくる対象者が多くございました。最近では、18歳の高校生が児童相談所から措置ができないということで自立援助ホームに流れてきて、それで高校を卒業して、今度は大学へ進学したいという子もふえてまいりました。そんな中で、今回の改正で22歳ということが出てきたのは、我々としてもありがたい話でございます。

 ただ、このビジョンの中でこれから先、自立援助ホームが担う役割は現状から言えば大きいものがあると思いますので、未来を見据えて自立援助ホームの機能・役割の位置づけをきちんと明確化して示していただければと思っております。

 2つ目は、ビジョンのどこかで自立援助ホームが「住居型資源」という言葉が出てきておりまして、これはただ文面上出てきただけだと思いますけれども、自立援助ホームは住居型資源だけではなくて、社会内支援という形で社会の枠の中で子どもたちを自立させていく、見守っていく。それと、地域生活における継続的な支援を有効に機能させる。これらには自立援助ホームが欠かせない資源の1つではなかろうかと思っております。

 3つ目、自立支援ガイドラインの作成というのがビジョンの中に出てきております。これもリービングケアからアフターケアと、本当に社会的養護の部分で必要なことだと思います。これに関しても、自立援助ホームの今まで築き上げたノウハウもございますので、ぜひ自立援助ホームの今までやってきた積み上げのものも十分にガイドラインの中で生かしていただければと思っております。

 4つ目ですが、青少年自立支援センター(仮称)というものもビジョンの中に出てきております。これについては、ただ創設ということだけではっきりしたものは示されておりませんが、これも自立援助ホームが持っている機能を生かして相談援助、多機関連携といった強化を図れば、こういったセンターの機能を持たせることもできるのではなかろうかと思っております。

 あとは要望的なものにもなりますが、5つ目、自立援助ホームの職員配置ですが、相変わらず6人定員に対して2.5人の配置がそのままずっと続いております。これだと本当に1人勤務がほとんどでございます。ですから、何かあったときは1人ではなかなか動けないということもございまして、今回のビジョンの中には4名のグループケア、常時職員を2名といった社会的養護の部分の中で出てきております。ぜひ、これも自立援助ホームを中に加えて職員配置を充実していただきたいと思っております。

 6つ目の就学者自立支援事業は、先ほど申しました22歳の法改正の部分で、正式には就学者自立生活援助事業ということで補助事業、22歳の就学者の件については法的に認められているということですが、これに関しての事業が補助事業ということで、このあたりが自立援助ホームとしましては、先ほど申し上げたように就学者は22歳ということで、そういった必要性もありますが、まだ多くは就労対象者です。その中で障害を抱えているとか、精神的に不安定といった方々も多くお見えになります。そんなことを考えますと、22歳の年度末までで、もう一つ社会的養護自立支援事業というものも立ち上げていただきました。これは養護施設も含めて全てに該当するわけですけれども、柔軟に事業をやっていただきたいというか、柔軟な対応といいますか、皆さん方も頭の中がごちゃごちゃになっておりまして、22歳という言葉が出てきて、就学者と就労者、養護施設関係は全てを含んだ22歳の年度末までということで、支援ができるようになったのはありがたいことなのですけれども、できた事業をもう少し柔軟に扱えないかと思っております。

 最後7つ目、社会生活移行支援、地域生活の支援ということで、これも自立援助ホーム、いろいろと今まで申し上げたことが十分機能できるように皆様方で考えていただきたいのですが、一応ステップハウスということも出てきておりまして、ステップハウスも任意でやっているところもありますけれども、ある意味制度化をしていただきながら、予算もつけていただきながら、あとワンステップというところで子どもたちが必要とする資源になっていくのではなかろうかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 長くなりました。以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 では、続いて、平田委員、お願いします。

 

○平田委員

 従来、情短と言われていました情緒障害児短期治療施設が法改正により、児童心理治療施設ということになりました。そういう意味で、私どもの施設がどの程度御理解されているのかという不安を多少持ってビジョンを読ませていただきました。

 治療施設でございます。医療施設といわゆる一般養護施設の生活をする場のある意味中間的なところでして、私たちのところには、普通の学校に行けば学級崩壊を起こすとか問題児ということで、問題視されてしまうお子さんたちが来ております。そういう中で、小規模化や地域化となると、私たちにとってはちょっとハードルが高い問題なので、養護施設と同じように考えられるのはどうかなというところがございます。

 まず、治療方法ですけれども、私どもは生活も、心理も、医療も、学校も全部ありまして、1人のお子さんが24時間365日どういうふうに落ち着いて成長していくかということをきちんとやっていく施設になっております。確かに、大変重いお子さんたちがふえてきたので、結果的には1年では終わらずに2年、3年になるケースもありますけれども、できる限り養護施設あるいは地域でやっていけるようになれば、もちろん地域にお返しして、そこからまた、そのお子さんの成長をはかっていくように心がけているつもりです。

64ページですが、8月にこのビジョンを受けて意見書を出させていただいたものをきょうも資料として使わせていただいておりますけれども、非常に重いお子さんたちが多くて、小規模化をした場合に、そこでどのくらいの職員が実際にかかわることができるのかというのが非常に問題となります。家庭的とはおっしゃるのですが、私は医師ですので外来も少しやらせていただいていますが、そういうときに発達障害のお子さんを抱えているお母さん方は、発達障害のお子さんの相手の気持ちを全然考えない言葉にボロボロに傷ついていて、この子を見るのが嫌だとおっしゃいます。虐待まではいかないまでも、狭い空間でそのお子さんの言うことを1人、2人で受け止めていくのは、かなりしんどい作業だと思っています。そういう中では、ある程度の職員の数がいて、チームとして大変なお子さんたちを支えていき、成長を援助していくということが必要になってくると思います。そういう中では、急速な小規模化、地域化というのは、私たちのところでは難しいと思います。

 かわりといたしまして、私たちはそういう大変なお子さんたちを引き受けて今まで見ている積み重ねがありますので、そういうことをほかの児童養護施設などいろいろなところで情報交換しながら、私たちには全部ではありませんけれども、通所という機能がございます。なので、養護施設から通っていただいて、あるいは私たちのところから養護施設に退所した後のフォローとして、いろいろな形でサポートしていけると思いますので、むしろそのような役割を中心に果たしていきたいなと思っております。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして卜蔵委員、お願いいたします。

 

○卜蔵委員

 日本ファミリーホーム協議会の卜蔵でございます。ファミリーホームについて意見書ということでお話しさせていただきます。

 ファミリーホームについても、ビジョンの中では余り多くのことが触れられていないという現状があります。検討会の中では、前半部分でかなりファミリーホームの家庭養護としてのあり方というところで、施設的なファミリーホームがあるのではないかということで、いろいろな御意見をちょうだいしていたところだと思いますけれども、このビジョンの中では家庭養護であるために里親登録を義務化するということについてだけ書かれていました。実際問題として、制度化から8年たって、里親型を中心にスタートしたのが法人からの開設だったり、あるいは施設職員の独立型だったりということで、さまざまな形態のものが出ているところです。そして、実際に例えば養育者が通いでやっているといった、施設のグループホームと実態として変わらないファミリーホームも少なくないという現実があります。

 そして、本来ファミリーホームが制度化された背景、経緯として、家庭養護を推進していく中で里親制度がなかなか進展しないと。その中で、里親ファミリーホームを事業化して里親制度の拡充、当時は家庭的養護の推進ということだったと思いますけれども、それを進めていくということが平成21年の制度化のときにあったと思います。本来の姿に戻って、メーンは家庭養護としてあるべきであると。そのために里親登録の義務化だけでは十分ではないと考えています。それはある程度形式的な条件であって、最低限の条件としては必要であるけれども、協議会としては個人型であっても、あるいは法人型であっても、一定の要件を提示して、それを満たすものを家庭養護のファミリーホームとして今後新たに開設されるところについては、こうしたものを条件としていく必要があるのではないかということをここで書かせていただいています。5つほど書かせていただいておりますけれども、養育者の家庭に迎え入れるのだというところを、とにかく大事にしていきたいと考えております。

 また、ファミリーホームは本来5人、6人という委託事業なのですけれども、今は恐らく300を超えるファミリーホームがあって、2年ぐらい前に協議会で調査を行ったときにも、4割程度は実際の委託人数は4人以下という現状があります。また、新しくファミリーホームを始めた中では、人数が2人くらいからスタートする、また、多人数養育の経験がなくても始めることができるということで、ファミリーホームにおける養育の質を担保、また委託されている子どもたちがいろいろな課題を多く持っているところから、養育者の要件についてもぜひ検討していただきたいということで、多人数養育のための一定の経験ということを検討の中で考えていただきたいと思っております。

 それから、家庭養護の推進と年限を明確にした取り組み目標について、代替養育について家庭養育を原則とすることについては当然賛成ですけれども、いろいろな委員の方からもあったように、5年、7年、10年と年限を区切ったことについては、実際的には非常に難しいだろうと。受け皿となる里親の質・量ともにしっかり拡充強化していく。また、既に今、里親をされている、また委託を受けている方たちについての支援強化も当然必要になってくると思います。

 また、ファミリーホームの支援ということがビジョンの中に書かれていないわけですけれども、里親と家庭養護と一体になって支援を強化していただきたい。そして、ファミリーホームについても設置促進のための制度の充実とあわせて、支援の強化をお願いしたいと考えております。

 あと、フォスタリング機関事業についてですけれども、やはり家庭養育推進のためには必要な事業であると思います。児童相談所が多忙を極める中で、児童相談所中心の事業では限界があるだろうということで、民間も担っていく必要があるだろうと。そして、ファミリーホームについてもフォスタリング機関事業の対象として、開設や運営の支援、また専門研修なども一体的に行っていただくことを求めたいと思っております。

 最後に、ケアに応じた措置費の加算で、現状としてファミリーホームには障害のある子どもや被虐待児、また、特に高年齢の子ども、思春期の子どもの委託がふえております。極端な場合には、本来であれば家庭養護として受け入れる困難な児童の最後の委託場所となっている現実があります。こうした中で、協議会の中では、例えば障害のある子どもへの委託の加算や、事務費の積算の根拠になっている「常勤1+非常勤2」という体制の見直しを求める声が少なくありません。そうした中で、ケアニーズの内容や程度による加算制度については、ぜひファミリーホームへの委託費を決定する仕組みを導入することについても、早急に実現願いたいということを申し上げたいと思います。

 あと、この専門委員会の主な検討課題というところで、里親支援体制の強化と里親制度の見直しが書かれているわけですが、この中で里親支援体制の強化にはファミリーホームへの支援の強化も読み込んでいいものだと理解しておりますし、また、同時に里親制度の見直しについても、ファミリーホームの見直しも含んでいただきたいということ。

 あと、養育ビジョンの実現に向けた主な進め方というところで、フォスタリング機関と施設関係の多機能化、機能転換というところが挙がっているわけですけれども、都道府県計画の見直しに向かっている中で、里親制度の見直しあるいはファミリーホームの見直しも、本来であれば並行的に進めていく必要があるのではないかということを加えて申し上げたいと思います。

 以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。今の要望なども踏まえて、今後の進行をお願いできればと思います。

 では、宮島委員、お願いいたします。

 

○宮島委員

 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。私の資料は、委員提出資料の74ページからになります。急いでまとめましたので誤字があったり、文章がおかしいところがありますが、お許しいただきたいと思います。全てを拾うことはできませんので、並びは違いますけれども、口頭で申し上げたいと思います。

 まず、新しい社会的養育ビジョンについては、とても意欲的なものだと感じています。特に、一時保護の抜本的な改革、子どもと家庭を地域で支えること、養子縁組を含めて家庭養護を推進すること、施設ケアの水準を飛躍的に充実すること、このようなことを掲げてくださっていることについて、深く感謝しています。しかし、皆さんどちらかというと踏み込み過ぎの部分があるとおっしゃる方が多いのですけれども、私は足りないところがあるのではないかという視点で申し上げたいと思います。

 特に足りないと感じているのは、市町村の体制の整備について、ほとんど不十分な内容しかないと感じています。市町村には、児童福祉法の改正によって子ども・子育て支援拠点が整備されることになりました。しかし、そこに配置すべき職員の基準は極めて低いものです。その基準には、大規模型、中規模型、小規模型とあって、小規模型の中にA、B、Cとあったと思いますけれども、人口10万でも小規模型Bで、配置すべき職員は常勤1人、非常勤2人でいいという基準になっています。これで地域の子どもと家庭を支援できるのかと言えば無理だと思います。

 人口10万というと、たとえば大分県の場合は、大分市と別府市以外は全部10万人以下です。そのすべての市町村で常勤1人、非常勤2人でどう支援を担っていくのか。児童相談所が調査を進めて、支援が市町村だと。市町村に行ったらそれしか人はいないということで、支援が具体的に担えるはずはないと思います。だからこそ、保育所にソーシャルワーク機能を置いたり、あるいは母子保健との連携を進めたりということ、また児童家庭支援センターの設置促進ということが言われていますけれども、ただ、直接市町村が担わなければならないことはたくさんあります。直接支援を担わないで調整だけするということは現実的ではないことです。ですから、今何が行われているかというと、形式的な安全確認と、何も実際はしない見守りということになっている例が実に多いと感じています。

 このような形では到底支援を担っていくことはできない。この辺についても踏まえた上で、支援拠点の体制の充実をぜひとも挙げていくべきだと思いますし、運動していくべきだと思います。これは本当に財源が必要ですので、なかなか書き込めなかったのかもしれませんけれども、消費税がアップされるということになれば、その2%を子どもたちのために使う。市町村の支援拠点の充実を大幅にアップしていかなければだめだと思います。

 高齢者の支援拠点である地域包括支援センターは、各中学校区に社会福祉士と保健師と主任ケアマネがいるんです。中学校区に常勤職員が3人いる。にもかかわらず、子ども家庭福祉ではどうか。市町村が10万人規模でも常勤1人、非常勤2人で良い。これで支援が担えるはずはないと。この辺を抜本的に考えていかなければならないと思います。

 今回、都道府県に計画の見直しを求めていますけれども、本当の主体は市町村であるべきであって、そこに充実を求められる法的根拠、財源をきちんとつけていくことが不可欠ではないかと思います。

 また、この際、スクールソーシャルワーカーとの連携もとても大事だと思います。

 次に、時間がないので飛びますけれども、家庭養護を進めていくのはいいのですけれども、養子縁組をすること等について「永続的な解決」という表現が使われることは、極めて違和感を覚えます。養子縁組が成立するというところでは、まだスタートを切ったばかりだと思いますし、その後にこそ子どもも養親さんも悩み続けるのだと思います。「解決」という言葉ではなくて、「永続的な養育の保障」「養育における永続性の保障」というような言葉を使うべきだと思います。「永続的な解決」という言葉を使われたら、私のところに引き取れないということは解決なんですねと、実の親にとっては身を割かれるような表現に事実上なっていると思います。

 養子縁組のあっせんを進めていくためには、養子縁組のあっせん機関、民間機関の充実もとても重要だと思います。今度、新法によって許可制になりますけれども、現在の概算要求ですと、研修の経費とかその程度のことしか今は盛り込まれておりませんが、そのままでいけば養子になろうという人が出産時の分娩費用を負担する現状のままになります。これでは子どもを、お金を払って受け取るという構造を国が推進していることになると思います。このあたりについて、ぜひとも考えていかなければいけないのではないかと思います。

 もう時間になってしまいましたので、まだたくさんありますけれども、記しましたので、もしよろしければ読んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、森下委員、お願いいたします。

 

○森下委員

 全国乳児福祉協議会の森下です。私の資料は、79ページからごらんいただきたいと思います。

 最初に、今回新たな社会的養育のあり方等の検討に当たり、家庭養育を推進するということで、乳児院はその対岸になるのではないかという認識が委員の皆様にあると、非常に誤解を生むという状況があります。乳児院は検討会が始まった当初から、積極的に乳児院が果たしている役割について理解していただこうということで、計3回にわたって意見書を提出させていただきました。これが80ページから別添1、2、3ということであるのですけれども、実際、乳児院が果たしている役割には、家庭養護を支援する、補完するという意味合いの業務が非常に多いと認識しています。例えば、一時保護に関しても、乳児の一時保護は児童相談所ではなかなか担えないところもありまして、乳児院が24時間365日担っているという状況です。今、乳児院の措置の子どもの数を一時保護の数が超えています。まず、一時保護で子どもの安全・安心を確保して、それから措置への移行、また家庭に帰していくというような、そのときのアセスメントは乳児院が担っている状況です。

 それから、一時保護になって、そのうちの約半数は家庭に帰しています。まず、安全を確保して、その後アセスメントして、これだったら大丈夫ということで児童相談所が判断して帰すという状況だと思います。

 それから、措置になった子どもの約半数も家庭に帰っています。これは、2年間ないしは3年間といった時間をかけて実親さんとの関係をつくり、実親さんに寄り添って家庭に帰れるように支援している、それが家庭復帰の実績になっているのだと思います。

 それから、病気や障害がある、また被虐待の子どもが入所してきたときは、マイナスの状況から支援していかなければならないという状況になります。乳児院は最低基準が変わって1.3対1という職員配置になったのですけれども、まだまだその辺は十分ではないということで、できたら1対2という職員配置をお願いしています。それができればもう少し個別の対応もきちんとできて、もっと家庭に帰していくような状況になっていくのではないかと思っています。

79ページにはいろいろ要望等を書いていますので、これをまたごらんいただきたいと思います。そういう意味で、乳児院というのは家庭支援を中心にしているということを、ぜひ理解していただきたいと思います。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは続いて、吉田委員、お願いいたします。

 

○吉田委員

 こんばんは。全国里親会の吉田と申します。よろしくお願いします。今回の子どもの家庭養育推進に関する要望書を全国里親会としても出させていただきましたけれども、大変感謝しております。やっと私たち里親、社会的な子どもの養育ということに目を向けていただけたのだなと思って、1人の里親としては感慨深いものがございます。

 今後、里親制度の体制と普及・促進について、このビジョンに関しては大変評価しておりますけれども、年次計画のところで無理が生じないかなという心配もいたしております。関係機関との調整を十分に努められるとともに、随時いろいろな面で振り返りをしていただけたらいいなと私自身は思っております。

 それから、子どもの人権を守るという里親制度の原点に返って、里親というものがあるんだよということを広く国民に広報して啓蒙していただきたいと思っております。特に、学校の先生や教育の関係者に対して理解をいただきたいと思いますので、厚生労働省と文部科学省の連携を今後とも密に図っていただきたいと思います。

 希望する全ての里親子の措置延長を図っていただきたい。特に、社会的養護自立支援事業による支援継続を適用していただきたいと思っております。具体的に言えば、特別支援学校高等部卒業後、障害者総合支援法によって生活していく子どもたちの場合は、この措置延長を十分に配慮していただいて、里親が希望する場合は20歳までは里親のもとで生活していただくことをお願いしたいと思います。

 それから、里親の呼称ですけれども、犬猫に使用できないように考えていただきたいと思いますし、できれば里親の証明書などがあるとうれしいのではないかと思っております。

 それから、他県に里親が転出した場合は、新たにそこで登録とか認定講習をまた受けて、やり直しになりますので、継続して里親活動ができるようにお願いしたいと思います。

 乳児委託を進めるために、乳児院と里親との並行措置が認められると、なおいいのではないかとも思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 里親支援と子どもの支援についてですけれども、発達障害、PTSDADHDだったり、アスペルガーだったりする子がうちにもおりますが、実効性のある子育てを進められるような対策を講じていただきたいと思います。また、臨床心理士や児童精神科医はなかなか人数が少ないと思いますけれども、どうぞ御支援をいただきたいです。

 実親による親権の主張によって、子どもの利益が損なわれないように児童相談所による御指導の強化・徹底を図っていただきたいです。

 それから、現実問題として児童福祉司の方で、正直言うとラッキーな職員さんもいらっしゃいますが、アンラッキーと里親が考える職員さんというのは、専門性が蓄積していかないからではないかと思っているのですけれども、ぜひ専門職である児童福祉司さんの異動が余りないように、これはどこにお願いしたらいいのかわからないのですけれども、考えていただきたいと思います。

 次に、里親委託費・手当等の充実についてですけれども、マッチングする際の交流にかかる経費の支給をお願いしたいと思います。

 虐待があるお子さん、発達障害のあるお子さん、身体障害のお子さん、非行のあるお子さんなどをお受けする場合に、委託費の加算を図っていただけたらありがたいなと。特に、障害をお持ちのお子さんに関しては、家屋を改築する場合が多いですので、経費の支給があったらいいなと思うことと、今3歳より前に入園前のプレ幼稚園というところに通わせる里親さんも多くなりましたので、そういう費用も手当をいただけたらありがたいと思いますし、2人目以降の里親養育の手当についても増額を図っていただきたいと思います。

 次に、これは個人的に私もとてもお願いしたいことなのですが、高校生の部活の経費、通学の費用、それから、模擬試験、受検、スマホ代と大変費用がかかりますので、実費で結構ですので何とか支給を図っていただけないかと、これは強く思います。

 それから、就職支度金ですけれども、措置解除のときだけしかいただけませんので、措置中あるいは措置延長中に就職した場合は、就職支度金は里親がいただくものではございません、これはあくまでも子どもがいただくものでございますので、ぜひ、ここも子どもたちに手当をいただけるように改善していただきたいと思います。

 それから、社会的養護自立支援事業において、諸経費を着実に支給していただきたいこと。

 マッチング、特に専門里親研修や離島等宿泊を伴わざるを得ない研修に対する交通費などの経費を支給していただけたらありがたいです。

 それから、現在は矯正治療が医療費の対象とされておりませんので、ぜひ矯正治療に対しても医療費の対象にしていただきたいと思います。

 続いて、里親会活動への支援についてですけれども、フォスタリング機関の創設・充実も重要と思いますが、里親会もフォスタリング機関の一環として充実させたいと里親さんは考えておりますので、ぜひこの運営費を補助していただきたいです。

 それから、里親会で行われている里親の孤立を防止するための事業、例えば里親サロンの開催費用、里親虐待防止・養育技術等の研修会、これらの費用を助成していただくと大変助かります。

 続きまして、全国里親会あるいは国が主催する研修会・研究会の参加費は、里親の場合はほとんどが個人負担で参加しておりますので、人材育成費として一定額を助成していただくと大変助かりますし、里親の質の向上にも貢献するのではないかと思います。

 それから、里親に対する委託、県を越えまして広域でぜひとも委託できる仕組みを検討していただきたいです。

 それから、里親不調のケースが出てきておりますので、みんなで共有できるような仕組みを検討していくことが必要だと思っています。

 養子縁組に係る民間あっせん機関の研修に当たっては、とりわけ真実告知のことをしっかりと伝えていただくことをお願いしたいと思います。

 それから、今後、里親制度が発展するためには、週末里親や季節里親の制度を十分に推進して、多くの方に里親になっていただきたい、みんなが里親になっていただけるような里親制度であっていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 以上、意見書を出していただいた委員の方の報告、10名の方が終わりました。若干5分では難しくて6分ほどになっておりますが、続いて意見書を出していらっしゃらない方も当然御意見がおありになると思いますので、その方々に御意見をちょうだいしていきたいと思います。恐らく多くの方が御意見を申し上げたいと思っていらっしゃると思いますので、ここは相澤委員から順番に、まだ発言されていない方の御発言をいただければと思います。

 それでは、相澤委員からよろしくお願いいたします。

 

○相澤(仁)委員

 ありがとうございます。私は、社会的養育ビジョンをつくる側の委員として参画させていただいておりましたけれども、このビジョンの背景というのは、子どもの最善の利益を優先して考慮する、ここを中心に置いて考えてきたと個人的には思っておりまして、全体的にもコンセンサスが得られていると思います。

 そう考えたときに、子どものニーズにきちんとマッチした計画づくりを求められているのだろうと考えて、例えば、家庭と同様の養育環境である里親をふやしていく。社会的養育ビジョンの32ページでございますけれども、最重要課題の1つである里親のリクルートについては、校区単位での里親登録を目標にすべきである。つまり、身近なところで学校を変えずに通いながら養育できるようなことを踏まえると、少なくとも里親は小学校区単位で登録するべきだという、子どものニーズなり最善の利益の観点から、どういうふうに計画を進めていくか考えていくべきだと思います。

 例えば、社会的養育ビジョンの13ページに「養育のライフサイクルを見据えた支援体制については、すべての子どもが健やかに生まれ公平なスタートができるよう、妊産婦支援体制の充実強化をはじめ、子どもの各発達段階における要支援段階(グレード)毎の具体的な支援事業を整えて、重層的な養育支援システムの確立を図ることが重要である」、つまり、胎児期、乳児期、幼児期、思春期、青年期、そして親になる準備期、妊娠期というようなサイクルをきちんと見通して、それぞれの支援段階に応じて、それが支援レベル1なのか、2なのか、3なのか、要保護1なのか、2なのか、3なのか、どの時期のどのような段階のお子さんでも適切な支援が受けられるような重層的なシステムをつくる、それが大事だと思いますし、そのためにどういう計画をつくっていったらいいのか、それを考えていくべきではないかと思っております。

 時間が余りないので、この辺にさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

○柏女委員長

 御協力ありがとうございます。

 それでは続きまして、安部委員、よろしくお願いいたします。

 

○安部委員

 私自身は、市町村子ども家庭総合支援指針の策定にかかわったことがあって、宮島委員とも重なるのですけれども、市町村とのことを考えたいと思います。

 社会的養育ビジョンの中で、今、相澤委員も言われましたけれども、在宅を中心にして在宅養育を支えるための市町村を充実させるというのが入ったのは、とても画期的だと評価します。ただ、総合支援指針をつくって、あちこちで支援拠点をつくりましょうよという話をしているのですけれども、それがなかなか進んでいないという気がします。

 その前に、まず支援拠点をつくるというのは先ほど批判もありましたが、最低限の量を確保したというところだと思います。だから、今まで全然足りていないところもあったし、オーバーしているところもあった。最低限をつくって、これからそれを充実させることが、結論は宮島委員と一緒で、義務研修にしても、それをある程度質を確保しよう、支援拠点をつくることによって量を確保しようという取っかかりをつくったという段階であって、これを推進するような推進計画をつくってほしいと思います。

 もう一つ、支援拠点についてよく質問を受けるのは、子育て世代包括支援センターとの関係はどうなっているのか、地域包括ケアとの関係はどうなっているのかというところが市町村からするとよくわからないと言われているので、その辺のことも、それをこの社会的養育の検討委員会でするかどうかは別にして、もう少し整理してあげないと、市町村の方が混乱するかなと思いました。

 2つ目ですが、支援拠点で進まないもう一つの要件として、職員の資格要件とありました。最低限の資格要件は必要なのですけれども、実質的に市町村レベルでいえば保健師や保育士が中心になっています。社会的養育ビジョンの中でも市町村でソーシャルワークを担う体制をつくるとなっているのですが、研修を受けたからすぐソーシャルワークを担う体制ができるかというと、そこもなかなか怪しいかなと思っていますので、例えば、数値目標として社会福祉士の割合とか、大学で社会福祉学をきちんと修めた者の割合とか、全員が社会福祉士になるわけにはいかないと思いますけれども、社会福祉を学んだ者が市町村職員として雇用され、きちんと市町村でソーシャルワークを担う体制づくりを制度的に保障するということも、推進計画の中に入れられたらいいかなと思いました。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。

 犬塚委員、お願いいたします。

 

○犬塚委員

 新しい社会的養育ビジョンは、日本の社会的養護や子どもと家族の福祉の1つの方向性を示す、非常に意欲的なものと思って読ませていただきました。

 私自身は、平成24年から社会的養護関係施設における親子関係再構築支援のワーキンググループや調査にかかわってきました。その中で、事例集やガイドラインの作成、取組に関する調査などを実施し、一番最近では実践ガイドブックを作成しました。それにかかわった者として、親子関係再構築支援という観点から、このビジョンについて考えてみました。

 平成26年にガイドラインを作成したときに、平成20年度に入所した子どもが平成23年度末に施設の中でどういう状況にあるかという調査をしました。児童養護施設では33.3%が家庭に戻り、55.2%が施設で暮らしていました。乳児院では45.2%の子どもが家庭復帰をしていて、34.3%が施設で暮らしていて、あとは児童養護施設等に措置されていました。児童心理治療施設では44.8%の子どもたちが家庭復帰していて、36.0%の方が施設で暮らしていました。児童自立支援施設では68.2%の子どもが家庭復帰をしていて、あとは自立したり、施設には9.6%が暮らしていたという状況でした。

 もちろん予後調査をしているわけではないので、家庭に戻った子どもたちが、よりよい家庭環境の中で、よりよい発達を遂げているかどうかということの確証はありませんが、施設の中でさまざまな機関がかかわって家庭の養育環境を整え、養育機能を高める支援を行って、一定数の子どもたちが家族のもとに戻っていたという状況があります。

 養育ビジョンの中にも、子どもは本来家庭の中で健やかに育つものということが謳われ、実親のところに分離しないで留まることが望ましいということを強調はしているのですけれども、その子どもたちの親子関係再構築支援についての具体的なこと、特に今後どう強化していくかについては余り触れられていません。もちろん、親がいない場合や、養育機能が高まる可能性が非常に少ない御家庭も少なくありませんので、そういったご家庭の子どもたちに対しては養子縁組などを実施してパーマネンシーが保障されることは非常に重要なことだと思います。しかし一方で、支援がなされれば実親の家庭に戻れる子どもたちが一定程度いるわけですので、それも家庭で育つというパーマネンシーを保障することになりますので、施設における親子関係再構築支援機能を高めることもぜひこのビジョンの中で強調していただきたいと思います。加えて、地域で分離しないで虐待の問題を抱えながら暮らしている子どもたちに対しても、地域の支援拠点において、親子関係再構築支援を提供できるようにその機能を高めるような方策が必要と思います。その際ソーシャルワークの機能はもちろん重要なのですが、私自身も相談機関やクリニックで虐待の問題を抱えている親子に対する治療的な支援をしている中で実感していることですが、一定以上の虐待の問題を抱えている親子に対しては、その回復のためには子どもにも親にも、ソーシャルワークだけではなく治療的な支援が非常に重要な役割を担っています。虐待の問題をもつ親子は双方ともトラウマをはじめとする情緒・行動上の問題を有していることが多く、治療的支援がないと養育機能が高まらず、親子関係が改善しない家族が少なくありません。そのため、地域の拠点施設には専門職として心理士の配置や、有効な治療プログラムの開発や導入(欧米には有効性の実証されたプログラムがあります)や普及が必要です。特に日本には有効な治療プログラムが不足していますので、民間も巻き込んでそれをどう進めてめていくかということも、このビジョンの中で具体的にうたっていただきたいと思っております。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、奥山委員、お願いします。

 

○奥山委員

 私は、これからの進め方というところで意見を出させていただきたいと思います。児童福祉法は、今のままでは問題が大きいということで抜本改正されたわけです。課題と将来像が出ていたわけですけれども、社会的養護に特化した形、つまり社会的養育全体を見ていない段階での課題と将来像は、法改正とともに全面的に見直しますということを国会でも明言されて、それが大きな命題として新たな社会的養育の検討会があったというのが前提でございます。

 全体像として社会的養育をどう考えるのか、それに基づいた都道府県推進計画、家庭養護推進計画でなければならない。つまり、抜本的な見直しが必要なわけで、先ほどの事務局説明の資料4−1、資料4−2を見ていると、今までの計画をちょっと変えればいいというような考えで、構造を変えることを考えておられないような気がします。抜本的な法律改正に基づく構造の変化をさせていかなければいけないのだろうと思いますので、そこからまず考え直さなければいけないだろうと思います。

 例えば、児童相談所に関しては、少しワーキングで詰めてからということで後に置くとしても、市町村の子ども家庭支援充実の問題は新しい課題ですので、ビジョンの53ページに、各市町村が都道府県とともに妊娠期から自立まで、及びポピュレーションアプローチから在宅措置・通所措置委託といったハイリスクアプローチまで、全体像を各々の市区町村でどういうふうに構築するのかという、まず構築をしてもらうということが書かれているわけで、そういうことを含めた推進計画でなければならない。例えば、先ほど来出ている子ども家庭総合支援拠点がどのくらい整備されたのかという指標も必要かもしれませんけれども、全体像を描くことがまず必要なのだろうと思います。

 それから、代替養育に関しましては、代替養育全体としてどうするのかをビジョンの中で言っているはずだと思います。もちろん、地域との連携も含めてだと思います。前の家庭的養護推進計画は、どちらかというと養護施設中心で、ほかの施設は余り関係ないような形で進められたということもあったと思いますけれども、代替養育全体の問題として考えていかなければならないと思います。その意味でも構造から変えていくことが必要なのだろうと思います。

 ただ、先ほど来皆さんがすごく心配されており、私も心配しているのは、財源がどうなのかというところはあるのだろうと思いますけれども、その辺も事務局で御検討いただきながら進めなければならないと思います。例えば市町村の問題に関して、先ほど、子ども家庭総合支援拠点に関して、確かに人員が少ないという点はあります。事業としてやるということで少ないのですけれども、交付税に関しても御検討いただくということで考えていたはずです。ですので、その辺も視野に入れていくべき問題なのだろうと思います。

 代替養育に関しては資料を見ると、児童数を割り出せと言っているのですけれども、社会主義経済ではなくて、そんなかたいシステムをつくってどうするのだろうと思います。今の資本としてある、今までやってきた各施設が頑張ってきたのをさらに高機能化して、そこの部分はある程度押さえて基礎部分として置いておきながら、さっき相澤委員がおっしゃったように、例えば、里親を小学校区の最低1家庭、できれば2家庭、3家庭ぐらいふやす計画をつくっていきながら、そこの部分がある種バッファーになる形で、本当にニーズのある子どもがふえていくならばふやせるシステム、それが減るなら減らせるシステムをつくらなければならないはずです。施設養育ということになると、定員があるので定員に満たなければ入れたいと思うでしょうし、定員がいっぱいになってしまえば入れたくても入れられないことになる。そういう固いシステムでなくて、こういうことを言うと里親さんのほうから怒られるかもしれないのですけれども、ある程度里親さんがバッファーになるような形で、でも、柔らかいシステムをつくっていくということを考えなければいけないのではないかと思います。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、竹中委員、お願いいたします。

 

○竹中委員

 私のほうから、この計画を策定する立場として少しお話しさせていただければと思っております。平成27年度に東京都でも計画を作成して3年目というところで、さまざま都の単独事業や財政的な面でも考慮しながら、ようやくグループホームやファミリーホーム、加えて児童相談所の努力もあって、少しずつ里親委託も増えてきているところです。

 そして、柏女委員長の多大なるお力を借りまして、東京都の児童福祉審議会でも家庭的養護のさらなる加速というところで議論をいただきまして、さまざまな施策を整えながら、さあ、これからということで進めているところです。今回のビジョンにおいて、思い切った数字が示され、さて、これからどうしたらいいものかと非常に頭を抱えているところです。

 家庭と同様の環境における養育の推進ということで、これを強く押し進めるという見解は賛成でございます。ただ、子どもの最善の利益を念頭に置くことに絶対揺るぎはないのですが、例えば、里親さんの認定を急激に増やしましても、里親さんの育成や児童相談所やその他の関係機関の支援体制等々、相当な強化を一緒にやっていかないと、子どもに直接影響が出てきてしまうのではないかと危惧しております。

 この実現に向けまして、人材確保や支援体制を整備するためには、地方自治体においても財政負担増加の影響がかなり出ると思っております。そうした意味で、国の皆様にもさらなる方向性の検討に加え、財政支援等にお力をいただきたいと思っております。

 そしてまた、財政支援だけではなく、多額の経費をかけないでもできること、例えば、社会的養育を必要とするお子さんや里親さんへの理解等、国民の意識改革醸成といったこと、国全体、社会全体を変えていくことに力を尽くすことも必要ではないか、国や地方自治体、関係機関が一枚岩になってこうしたことも進めていかなければならないのではないかと思っております。

 東京都としては、国にも要望という形で上げさせていただいておりますけれども、今回進めるに当たりましては、都道府県との十分な協議、里親さんや乳児院等の施設の皆様の意見を十分に聞いていただきたいということと、財政支援もぜひお願いしたいと思っております。

 今後の進め方について、少し細かいことを申し上げますと、資料4−1に記載のある工程表ですが、今回の委員会を3回で終了して、そのほかにもフォスタリングやさまざまなPTが同時並行に進み、その結果を後から推進計画に追加するというのはどうなのかと思っておりまして、きちんと話し合って子どものためにいいものをつくるという観点では、PT等の結論を待って、会議を進めるという点で、この会議についてもう少し時間をかけていいのではないかと思っております。

 また、社会的養育を必要とする児童数の見込み数を出さなければというところですが、例えば、社会的養育とは何なのかと。その言葉の解釈等についても、ここは決めていかなければならないのではないかと思います。

 それから、区市町村の社会的養育を必要とする子どもの見込みの中で、児童相談所の在宅指導のお子さんも数に含むのか、さらに、区市町村の子ども家庭支援センターといった相談機関を充実していくと、児童相談所が関わっていない区市町村が単独で関わっている要支援ケースもありまして、そういうものも全部引っくるめた数となりますと、区市町村が調査、計画策定したうえで、その数字を都道府県が吸い上げなければならないのではないかと思っております。

 それから、十分なケアが必要なお子さんについて、3年程度を施設で、その後は家庭養育というような話も出ていますけれども、逆に、3年で中途半端なところで里親委託をしていく中でたらい回しになったりする可能性もあり、子どもの福祉を守れないということもありますので、そういった意味でも、里親不調の原因や傾向等についても調査するなど、不調を増やさないためにも、どういうお子さんが里親委託にふさわしいのかという定義なども明確にしていただければと思っております。

 雑ぱくですが、私からは以上になります。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、橋本委員、お願いいたします。

 

○橋本委員

 全国児童家庭支援センター協議会の橋本と申します。よろしくお願いします。貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私からは大きく2点、社会的養育の裾野を広げることについて、もう一つは、人材確保・育成の前提としてのソーシャルワーカーの処遇改善についてお話しさせていただきたいと思います。

 地域で活動していると、民生委員さんなどから施設に入っている子はまだ幸せ、もっと大変な状況の子がいるという話をよく聞きます。つまり、地域には保護者のスティグマ、拒否、度重なる転出、外国籍で住民登録すらないなど、さまざまな事情で社会的養護の施策が届いていない子が数多く存在しているのが実情です。社会的養護の守備範囲をどれだけ広げられるか、切れ目ない支援や悉皆性をどれだけ担保できるのか。私自身のかつての基礎自治体職員としての実体験及び現在、児童家庭支援センターにかかわる者としての実感からいえば、社会的養育を必要とする子どもたちは現状の数倍はいると推察します。そして、それらの子どもたちを社会的養育システムによって支援していけるかどうかは、地域に細やかなネットワークを持っている基礎自治体のファミリーソーシャルワークをいかに高めていけるかにかかっていると考えています。

 今般課題となっている子ども家庭総合支援拠点の整備は、社会的養護の裾野を広げていくという視点からも、ぜひ充実を図っていただきたいと思います。その際、基礎自治体には児童家庭支援センターの存在を強く意識していただきたいと思っています。国は、基礎自治体等、児童家庭支援センターとの連携や協働に関する好事例を、ハンドブックや好事例集の作成あるいは調査研究活動の奨励などを通して、積極的にアピールしていただきたいと思います。

 なお、私は、今回の専門委員会の名称変更は、コノテーション的なものの変革であると理解しています。つまり社会的養護といえば施設入所か里親委託、いずれにしても母子分離のイメージを、在宅での社会的養育としての支援を構築する、分離しないケアを充実する、ファミリーソーシャルワークに関する支援メニューを充実するなどを通して、より大きな施策パラダイムに変えていく。また、社会的養護といえば都道府県、児相の仕事というイメージ。これを最も身近な市町村あるいはそこから委託を受ける民間支援機関の役割もより力強く、より大きなものへと構造改革していく、そのための名称変更でもあるのでしょう。このように私は、社会的養護から社会的養育へ名称変更した含意を感じており、そうであればこそ絵に描いた餅で終わらぬよう、法的根拠、財源、人材確保のあり方をはっきりさせた上で、着実で前を向いた改革実践が必要だと思っています。

 2点目です。人材確保・育成の前提としてのソーシャルワーカーの処遇改善についてです。

 児童家庭支援センターの職員配置基準は相談員2名と心理士1名。補助金額は人件費・事業費を含めおおむね1センター当たり年間1,300万円程度です。大半のセンターでは、人件費を本体施設からの持ち出しで賄っています。今般の社会的養護処遇改善加算もセンターには反映されないようです。抜本的な改善が必要かと思います。また、この事業スキームは、子ども家庭総合支援拠点小規模B型の一部委託の場合とほぼ同額です。こちらも一層の改善が必要かと思います。

 なお、あくまで私の個人的見解ですが、ファミリーソーシャルワーカーの業務に対する評価及びその処遇が著しく低位にあるのは、自治体の家庭相談員や母子・父子自立支援員などの任用経緯に由来しているのではと考えています。官製ワーキングプアの研究者である地方自治総合研究所の上林研究員は、長年にわたり臨時非常勤職員として基礎自治体に雇用されている家庭相談員らのほとんどが年収300万円に達せず、ワーキングプア状態のまま放置されている背景には、福祉労働の有する専門性への無理解はもとより、さらに女性、家計補助の賃金水準、家事労働を除いた余った時間の補助的労働といったフレーミングが混然一体となって差別的に機能している実態があると指摘していますが、全くそのとおりだと思っています。

 以上、社会的養育ビジョンを実現していくためには、その支援パラダイムの裾野を実効的に広げていくこと及びファミリーソーシャルワーカーが日々行う業務への正当な評価と、それに基づく処遇改善が必要であること。この2点を強く訴えて、私の話を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、林委員からお願いいたします。

 

○林委員

 先ほど奥山委員からありましたように、大きな構造改革を前提として大きな意識改革が必要だと。その辺、施設協議会の御理解も必要かと思います。やはり大きな意識改革がない中でダブルスタンダードでやっている限りは、当該社会の主流が維持され続けると思います。そのあたりを含めて施設協議会として御検討いただけたらと思います。

 2点目として、基本的なこのビジョンで使われている用語の理解というか、その辺も注釈を含めて書いていかなければならない部分もあるのかなということを、先ほど宮島委員がパーマネントソリューションの訳としての永続解決ということに対して意見を言われていましたけれども、これはもともと国連の出している指針の政府訳でもあるわけです。ただ、永続的ソリューションではなくて、ここで言うのはパーマネントホームを子どもに提供するという、永続的な家庭を保障するという意味合いで使われていると。その辺を含めて多少注釈が必要な用語もあるのかなということを感じました。

 このビジョンの大きな一つの核になることとして、子どもへの直接的な支援サービスの充実ということも挙げられていたかと思います。きょう、いただいた資料の中に、例えば、資料3−1の2ページ目、()の2つ目で「子どもへの直接的支援事業(派遣型)」と書いてあるのですけれども、これはビジョンの中では派遣型のみならず、ショートステイ里親とか、多様な養育ケアを潜在的な社会的養護ニーズを含めて対応できるような、子どもを中心として多様な在宅支援を提供する。それまでは、それが十分でなかった市町村体制の中でという文脈の中で出てきたことかと思いますので、その辺の表記を修正願いたいということ。

 あと、話がちょっとそれるのですけれども、小規模グループケアの分園型というものは、資料2の2ページの図に入っているのですけれども、小規模グループケアの本園設置型をどこに位置づけるか、これを明確に施設というところに位置づけては問題があるのか。自治体によっては、家庭的養護というくくりの中で本園のユニット型を含めて数値を出しておられるというのが、国のデータにも出ているところかと思います。その辺も含めて考える必要があるのかなと感じました。

 あと、フォスタリング機関に関しても今後詰めていくということですが、先ほど犬塚委員から、親子支援するためのプログラムの充実化に向けた提言がありましたが、民間機関が必要だというのはフォスタリング機関だけではなくて、児相が本来担っている親子支援プログラムなどを担う民間機関の重要性あるいは治療的ケアの均てん化に向けた動きも今後非常に重要なところで、民間の力・強みを生かす、あるいは施設自体今後どうなっていくかといったときに、施設自体が当たり前の生活を保障するプラスアルファとして、専門的なケアを在宅あるいは子どもたちにどう提供していくか、これが一定のエビデンスのある効果的なプログラムが海外では明らかにされている。それが徐々に日本でも普及はされてきたけれども、まだまだ偏りがあるという中で、普及化、均てん化ということが今後、子どもへの直接的ケアというのは在宅だけではなくて、社会的養護で暮らす里親のお子さんあるいは在宅のお子さんを含めて考えていかなければならないことかと思います。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続いて増田委員、お願いいたします。

 

○増田委員

 伊奈町子育て支援課の増田と申します。私からは、町村の実情につきまして、御報告させていただければと思っております。

 町村の実情といたしましては、少ない職員がいろいろな事務を兼務しているのが現状でございます。また、せっかく経験を積んだ職員もジョブローテーションということで、定期的な人事異動で異動してしまうことも多くございます。そのため、専門的な知識を有する職員の配置・確保が正直難しいということが一つ大きな問題でございます。また、担当職員も、なかなかケースが少ないということで経験という点から見ても、職員の人材育成はなかなか進んでいないのが現状でございます。

 私どもの町といたしましては、例えば、保育士資格を持った保育所を退職した保育士の先生を、再任用制度を活用して子育て支援課に配置していただいたり、例えば、児童福祉司の資格を取得するために通信教育で勉強したりということを少しずつ取り組んでいるところではございますが、このビジョンを見まして、市町村の役割を考えますと、まだまだ不十分な状況であると考えております。ですので、担当職員の確保・配置、研修などに係る部分につきまして御配慮いただければと考えております。

 以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、松本委員、お願いいたします。

 

○松本委員

 松本でございます。このビジョンを出す検討会のメンバーとしてかかわりました。このビジョンをつくるときに幾つかの大きなポイント、奥山委員は構造の大きな変化という形でおっしゃられましたけれども、大きなこととして1つは、在宅措置をどう考えるかということがあったと思います。つまり、地域を基盤にしたソーシャルワークをどう展開するのかというときに、まず市町村の役割がとても大事だということがありましたので拠点の話があって、それで何人かの方がおっしゃるように、この整備についてどうつなぐのか、あるいはこの条件でいいのかということがあって、それは次の議論のとても大事なことだと思います。

 柏女委員長がおっしゃったように、このビジョンをどう政策に落とし込んでいくのかというときに、大きな変更が必要だとすれば、それは在宅にどうお金を回すかという仕組みをきちんと公的な費用で賄うということをどうつくるかということだと思います。なので、ビジョンの中には在宅措置という形を書いていて、ただ、その中身については検討しましょうねという書き方になっているわけです。こうすると、例えば、見守りだけで手が出せないというものを在宅のいろいろな支援メニューをパッケージで措置という形にして、そこに措置費という形でお金が回るような仕組みがつくれるのか、つくれないのか、これが大きいと思っています。これはハードルが高いということは承知しております。ただ、北海道でいろいろな児相職員さんと話しても、ここについては説明すると大変関心が高いです。ですので、この議論をぜひ、この場でもきちんとしていただきたいと思います。

 事務局が出された、資料4−1「新しい社会的養育ビジョンの実現に向けた主な進め方について」という中で、例えば、都道府県の推進計画のところで「市町村の相談支援体制について」と入っているわけです。これは市区町村だけでなくて、子ども家庭支援対策の構築に関する支援も都道府県の推進計画の中に入れられて、これは一歩前進だと思うのですけれども、今の在宅措置の話は、市町村の推進計画の話とはもうちょっと大きなところできちんと議論しないとまずいと考えております。全体の制度枠組みをどうするかという話ですし、これはやるとすればかなり大きな変更で、ぜひ進めるということです。

 2つ目は何点かあるのですけれども、自立支援の問題について、逆に都道府県の支援計画の中に入れ込まれていないんです。これも、ただ自立支援を頑張りましょうだけではなくて、今回の提案、ビジョンの中の大きな変更点は、自治体の役割を明確化するということにあります。そういう観点から、予算事業として自立支援事業が始まりました。これをどう進めていくのかということが当面の課題です。

 このときに、たしかビジョンの中では、プロジェクトチームなどをつくって検討組織を設けると。予算事業で始まったものをどう確固たるものにしていくかという観点で、継続的審議をするとなっていますけれども、そこがなかなか出てきていないことと、これこそ都道府県計画の中に入れ込んでいかないと進まないだろうと思いますので、その点をぜひ、ここでも議論していただければということです。

 3点目ですけれども、先ほど中村委員からも当事者の参画について御意見がありました。ビジョンで言うと7ページですけれども、「新たな社会的養育という考え方では、そのすべての局面において、子ども・家族の参加と支援者との協働を原則とする」と書いてあります。これも制度の中にどう落とし込んでいくのかということは、かなり積極的に進めていくことを考えなければいけないし、これも継続的に議論をするあるいは個別の制度の中にこれをどう入れ込んでいくのかという観点が全体に入ってくる必要があると思います。

 その点について、今後の進め方について余り明示的ではなかったので、ぜひその点を入れ込んでいく、原則とするとビジョンでは書かれていますので、この点をどう考えるかということがあります。

 そのこととかかわって、権利擁護の観点で、特に一時保護を変えようということでページを割いていますけれども、評価をどうするか。アドボケイトの話をどうするかとして、評価の問題をかなりいろいろなところで書いています。これもかなりハードルが高い大きなことかと思いますけれども、きちんと議論を進めていくという形でこの委員会が引き継いでいかないと立ち消えになってしまう可能性がある。ここをどうするかということ。

 もう一つは、代替養育の場所はどこがいいのかを巡ってはかなり大きな議論になっていますので、それは考え方を確認しながら、あるいは異論も含みながら議論が進んでいくことだろうと思います。そのときに、先ほど裾野を広げるというお話もありましたけれども、どんな子どもがどこにいて、どういう形で支援を受けているのかというデータがそろわないところで、ビジョンの最後にデータの整備ということがあります。現在の児童相談所の統計は何件あったという件数の業務統計で、御家族なり子どもがどういうニードを持っているかがわかるようなデータになっていない。これをどうするかということがないと、今後の施策が立てられないことになりますので、データのとり方と当事者参加のあり方をきちんと考える中で今後の計画を立てていく、施策を展開していくという観点で、これも大きな変更だと思いますので、この点もぜひ意識していただきたいと思います。

 そういう観点で見ますと、ビジョンの実現の進め方というのは、都道府県計画をどう修正していくかという観点で書かれているかと思いますけれども、もう少し大きな議論も含めて、進め方をぜひ整理していただければと思っております。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、続いて山本委員、お願いいたします。

 

○山本委員

 山本です。私は、高知県ですけれども、全国知事会の枠という形で今回から参加させていただくようになりました。よろしくお願いします。

 先月9月に開催されました子ども・子育て会議でも、尾崎高知県知事が全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとなっておりまして、うちの知事からも発言させていただきましたけれども、今回の新しい社会的養育ビジョンの方向性については賛同するものではございますが、今日もいろいろ各委員さんからのお話もございましたけれども、このビジョンの実現に向けたスピード感といったものにつきましては、各都道府県によって地域の実情もございますので、対象となる児童が多いところもあれば、少ないところもあり、さまざまな事情もございますので、そういった実情に的確に対応できるような仕方、これから進めていく仕組みといったものを考えていく必要があるのではないかと考えておりまして、そのためには、これからも厚生労働省の皆様とともに、きめ細かな意見交換を引き続きさせていただきたいと考えているところでございます。

 そうした前提に立ちまして、高知県は、先ほど申し上げましたプロジェクトチームの事務局をやっておりますので、各都道府県さんに今回の新しい社会的養育ビジョンについて、さまざまな御意見や質問事項をいただいているところでございます。多岐にわたって質問や御意見をいただいているところですけれども、時間の関係がありますので、大きなところでいただいたものを少し御紹介させていただきたいと思っております。

 まず、計画にかかわることにつきましては、本日もさまざまな委員の皆様からもお話がございましたけれども、最終の求めるところは、子どもの最善の利益がしっかりと確保できるような体制がとられなければならないということがございますので、ビジョンに示された目標にばかり目がいって、子どもの利益が損なわれることがないような配慮をしっかりしていく必要があるのではないかと考えております。

 あと、先ほども申し上げましたけれども、地域の実情や実態をしっかり踏まえて、実効性のある計画策定ができるようにすることが必要という御意見も多くいただいております。

 また、中核市や特別区への児童相談所の設置についても、今回新たに計画に盛り込んでいくということになっておりますけれども、こちらにつきましても、全国一律の指標ですとかスケジュールで中核市等の児相設置を求めていくのではなくて、地方の実情に応じた児童相談機能の強化のあり方を広く認めていただきまして、それに対して支援することが可能な仕組みが必要ではないかという御意見もいただいております。

 また、これは本県の意見でございますが、先ほど東京都さんのお話もございましたけれども、今回お示しいただいておりますスケジュール、この委員会とプロジェクトチーム2つとワーキンググループということで、スケジュールを見せていただいたところでございますけれども、見直し要領のほうでこれから中身について詰めていくということになっておりますが、見直し要領を年内に出されて、それを後追いする形と言ったらおかしいですけれども、そういった形で国の支援策の検討ですとか、フォスタリング機関事業、各施設のあり方といったものを年度末に向けて議論されていくことになっておりますので、このあたりの前後関係が自分たちもしっくり来ていないというところがございますので、そういったことについても教えていただければと思っております。

 以上でございます。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして、相澤委員の代理で青木代理、お願いいたします。

 

○青木代理

 全国児童自立支援施設協議会(全児協)の本日代理を務めております青木と申します。最初に、本日代理という形で出席を認めていただきまして、ありがとうございました。

 さて、今回のビジョンの関係です。私たち全児協では、今回は意見書という形では出していません。では、全児協はのんきに考えているということではもちろんございません。案が出た段階で全国の関係者からどうなるのかということでの意見はありました。ただ、今回の場合、例えば75%とか、小規模6人とか、平成30年度までになどの数字がマスコミ等を通じて先走ってしまっている部分があって、全児協全体としてまだ落ち着かない段階であるということで、今まさにまとめているさなかでございます。先ほど奥山委員からも、平成23年度の課題と将来像を抜本的に見直すという話がありました。もちろん「新ビジョン」の方向性について異論はないですが、ただ、私たち全児協としては、こうした委員会を通じて皆さんと御議論する部分と、むしろ平成23年度の課題と将来像がどこまでできているのか、できていないのか、そこは私たち自ら反省も含めて見直さなければいけない立場に立つことも必要で、むしろこれはチャンスという形にして持っていかなければいけないと考えています。そうしなければ、児童自立支援施設は本当に地域に、社会に、時代に取り残されてしまう施設になってしまうので、そのあたりは危機感を持って見直しをしていかなければいけないと思います。何度も言いますが、むしろこれがチャンスだと考えております。

 ですので、また改めて私たちの意見がとりまとまりましたら、この委員会の中で発言させていただく機会をいただければと思います。本日は、こういった形でとどめさせていただこうと思います。

 ありがとうございました。

 

○柏女委員長

 ありがとうございます。

 それでは、本日オブザーバーとして御参加していらっしゃいます、浦安市の方にお願いしたいと思います。

 

○三代川課長(浦安市)

 今回オブザーバーという立場で初の参加となります。なぜオブザーバーかといいますと、浦安市では児童虐待部門として当然こども家庭支援センターがあるわけですので、本来ですとセンター所長が適任かと思われますけれども、ちょっと調整がつきませんでしたので、本日は予防の観点から子育て支援の意見もということで出席させていただきます。皆様、各専門家の先生方の中で、そのような立場の参加になることを御理解いただければと考えております。

 そのようなことですので、いささかちょっと置いていかれた感があるのですが、予防の視点から考えますと、子育て家庭を支えることは重要であるということから、子ども課としてはハイリクスに至らない前段で防止に取り組むという考えのもとで、人材育成と乳幼児、主に虐待の対象児童も0歳、1歳、2歳というのが非常に多い形になっておりますので、乳幼児のいる家庭に対して中継的な構造として置くことはできないかということでやってきたのですけれども、孤立から来る悩みといったものを早期に解決することを念頭に置いたアドバイスをしてリスクマネジメントを行うことはもちろんなのですが、ハイリスクに至ったケースにつきましては、関係機関につなぐというようなことを行っていることになりますが、このビジョンの中で現行の都道府県推進計画の概要ということで、子ども・子育て支援計画がありまして、そのスケジュールと内容の整合性というお話があったのですけれども、内容の整合性といったところでも、ビジョンの中ではつながりがいまいち明確に見えてきていないというのが正直な感想です。

 それから、先ほどもお話がありましたけれども、子育て世代包括支援センターとのかかわりがあり、それから、伊奈町さんからもお話がありましたが、市町村としては人材の確保、うちの部署も3名という形で行っておりますので、その部分についての人的問題の配慮も少し明確にしていただければと思っております。

 以上です。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 私も、一委員として少し意見を述べさせていただきます。私からは2点、先ほど来お話で出ております社会的養護の課題と将来像を、6年前にこの専門委員会でとりまとめました。そのときの責任者というか、進行係をしておりましたので、その社会的養護の課題と将来像がどういう意味を持つのかについて少し説明させていただいて、もう一点は、今後の進め方についての私の意見ということで述べさせていただきたいと思います。

 1つは、社会的養護の課題と将来像というのは、税と社会保障の一体改革の中で、限界はあるものの一定の財源が保障されるという条件の中で、それが限界でもありました。国会では200億円ということが副大臣の御発言でありましたけれども、200億円を追加投入する中で決めるという条件の中で、ただし財源は確保されるということで、半年間でつくるということになりました。そこで、平成15年に社会的養護の専門委員会でつくられていたビジョン案を参考にしてつくったという経緯があります。

 そして、その検討も社会的養護の関係者のきょうのような代表が集まった、いわばそれぞれの部門に責任を持つ方々に集まっていただいて、その法定審議会の中でいわば現実的な計画としてつくったということが大きな特徴ではないかと思います。3割にしたのは、当時、家庭養護委託率が最も高かったところが3割だった。ということは、3割なら必ずどこでもできるはずだということで3割、つまり、3分の1、3分の1、3分の1という目標を設定し、かつ、職員の配置基準の引き上げについては200億円の中で達成できる数字として、小学生以上4対1といったものを出していった経過があります。

 その後、この計画については各都道府県で計画的に進められていって、ほぼ毎年1%ずつ家庭養護委託率が上昇するということで、まだ不十分ではあるし、地域格差があることは事実ですけれども、一定の進展は見せていたと。それは関係者の方々、責任を持つ方々が、ここで決めたことが大きかったのではないかと思っています。

 今回のビジョンはそれをさらに加速させるべきだということ、それをビジョンとして提示していただいたと思います。ただ、それを政策に落とし込んでいくためには、これまでのようなやり方では無理で、中では、例えば、社会的養護関係施設の機能を変えていかなければいけないということもありますし、新たな財源の確保、さらには専門職の育成、さらにはきょう出ていた市区町村を中心とするとなれば、基礎構造改革も必要になってまいります。都道府県がやっている措置制度を市区町村におろすということまで検討するということも考えなければならないと思われます。そうした大きな政策パッケージをどう提示していくのかということが1つ大きく問われてくるだろうと思います。

 ただ、さはさりながら、それを何年もかけて議論しているわけにはいかない。都道府県の推進計画を早急に変えていかなければならないということで、当座の改革も必要になってくる。そんな中で、この専門委員会にまず最初に推進計画のあり方について議論をしてほしいということがあったのではないかと理解しています。

 ただ、それについて先ほど来幾つかの御意見が出ておりましたので、これは後で事務局にお考えをお聞きしたいと思います。

 続いて、私からの意見ですけれども、今回挙がっていなかったこととして、障害児の入所施設における社会的養育のあり方を念頭に置かなければいけないのではないかということです。狭い意味の社会的養護の場にも障害を持った子どもたちがかなりいらっしゃいます。それから、障害児入所施設にも家庭から離れて生活する子どもたちがたくさんいるわけです。そうした障害児入所施設の関係者も、できればかかわっていく必要があるのではないかと思います。ただ、所管の関係で正式メンバーは難しいというようなことがもしあるようでしたら、オブザーバーでも可能なので、参加していただいてはどうかとも思っています。また、事務局に障害福祉課が加わるということも考えられていいのではないかということ思っております。この辺は事務局で検討をお願いしたいと思います。

 私からは以上です。

 ここから座長の発言になりますけれども、全員の方に御発言をいただきました。社会的養育ビジョンの評価については、いろいろ濃淡はありながらも、それぞれ御意見を出していただいたところが多く参考になるかと思います。

 もう一つのテーマである進め方について幾つかの御意見がありました。1つは、私も先ほど少し申し上げましたけれども、大きな構造改革という話は出ていましたが、こうした提起について、少し時間をかけて検討すべきではないだろうかという御意見が複数の委員からございました。

 もう一つは、今回つくられるPTとワーキンググループ、ここと本体の委員会との関係がわよくわからない。つまり、計画の見直し要領を出してしまった後、この委員会はどうなるのか。PTやワーキンググループの議論が新たに出てきた段階で、それは全体の中でどう位置づけていくのかという議論が必要なのではないか、大きな枠組みの改革の議論の一部として、PTの議論やあるいはワーキンググループの議論があるのではないか。それを受け取るところをつくっていくべきではないかといった議論もありました。

 3つ目は、推進計画を見直していくということはとても大切なことではあるけれども、そこで見直してしまったら大きな改革というのがどう進むのか、よく見えてこないといった意見もあったように思います。このことについて、今、事務局のほうでお考えのことがもしありましたら、お聞きできればと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○成松家庭福祉課長

 家庭福祉課長です。ありがとうございました。

 まず、この社会的養育専門委員会とPTの関係というか順序について、御発言なり、御疑問なりがありましたが、我々の思いとしては、できるだけ早く見直しの内容の全てを示したいというのが前提としてございまして、そういった意味で、できるものから早く提示していくということを、このスケジュールを引いたときに考えていたところです。フォスタリング機関事業につきましては運営ガイドラインを作成しますし、乳児院のところは機能転換のあり方について検討するということで、集中的にやっていただく中でできるだけ早く示すというスケジュールを引いたときに、この2つが3月になってしまうのではないかということで、できるものから早く示していくという思いがあったものですから、こういう形になっています。

 都道府県においては、関係者を集めて各都道府県の推進計画の見直しをやっていただく作業を念頭に置いたときに、やはり関係者の皆さんの御議論はある程度時間をとってやっていただきたいということと、場合によっては都道府県議会さんとの関係もあるでしょうからということで、スタートを早く切っていただきたいという意味で、我々も12月ぐらいに見直し要領の提示を考えていたというところでございます。きょうは全体を示さないとという御意見もいただきましたので、少し事務局として整理させていただいて、また委員長とも相談させていただいて、このとおりのスケジュールでいくのかどうかは検討してみたいと思います。

 その上で、大きな改革をどうやっていくのかというところ。きょうは、いろいろな論点をいただきましたが、一つ一つやっていくと議論もある程度時間を要するところもありますし、先ほど委員長がおっしゃったような大きな財源がかかるところもあるということでございます。そのあたりは、我々事務局の思いとしては、当座先ほど申し上げた都道府県推進計画の見直し部分を集中的に、都道府県の時間がとれるようにそのあたりをまず御議論いただくと。その後、その他の論点についてもいろいろと整理させていただいた上で、恐らくこの場になると思うのですけれども、御議論を継続していくようなイメージもありますので、そのあたりも事務局として整理させていただいて、委員長と相談させていただければと思います。

 

○柏女委員長

 大きく2つ、1つは、当面の進め方についてもこの専門委員会でやることと、PTやワーキンググループでやることを整合性があるような形で実施できるように事務局で考えてみるということ。ただ、その場合、都道府県に早目にお示しして、早目に議論していただく、準備していただくということを考えると、タイムリミットが今まで12月で考えていたけれども、どこまで延長できるかということもあるようです。

 もう一つの大きな枠組みの改革ということについては、とりあえずここでやらなければいけないことがあるので、それを進めた上で今後の議論については考えていきたいというお話でしたけれども、そういう方向性でよろしいでしょうか。詳しいことは、次回に進め方について提示していただくということで御了解ただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、もうそろそろ時間になりますが、どうしても補足的に意見を申し上げたいという方はいらっしゃいますか。お一人、お二人なら時間的に大丈夫かと思いますが、よろしゅうございますか。休憩もとらないで来たので、少しお疲れかもしれません。

 さまざまな御意見をいただきましたので、事務局で論点を整理していただいた上で次回提示していただくということにさせていただければと思います。そして、その論点に沿って議論を進めていくという形をとらせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。では、恐縮ですけれども、事務局のほうで、きょう出た意見について論点整理の形でおまとめいただければと思います。

 それでは、予定の時間に近づいてきましたので、きょうの議論はこのくらいにさせていただきますが、()その他で何か委員の方からございますか。よろしいでしょうか。

 では、局長にずっと聞いていただきましたので、何かありましたらお願いしたいと思います。

 

○吉田子ども家庭局長

 きょうの会議、途中から参りました、子ども家庭局長の吉田でございます。

 新しい社会的養育ビジョンを踏まえてのこれからの専門委員会という形で、お忙しい中、改めて委員に御就任いただいた方、あるいは引き続きお願いする方、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 先ほど委員長から仕切っていただきましたし、私ども担当課長から申し上げましたように、きょういただきました今回のビジョンというものを踏まえて、どうあるべきかという内容についての議論と、当座あるいはその先を見据えてどう進めていくことが議論を深め、広げると同時に、現場においてあるいは実務的にどのような形で着実に前に進めるかという2つの観点からの御意見については、少しこなしをさせていただいた上で、委員長の御指示に基づいて次回お諮りしたいと思います。その間においては個別にそれぞれのいろいろな関係の方々の御意見あるいは御要望、先ほど山本委員の知事会というお立場からのお話もございましたけれども、丁寧に私ども専門委員会の事務局として、また、行政である厚生労働省子ども家庭局としても、それぞれ誠実に対応させていただきたいと思っております。

 今、柏女委員長の委員としての御発言の中で、きょう話題にもなりました「課題と将来像」という社会的養護、社会的養育の歴史における一つの画期であった文書についての位置づけについての御説明・解説もちょうだいいたしました。私どもとしては、そのような関係者の方々が取り組まれてきた我が国における社会的、今から言うと養育ですが、その取り組みをきちんと踏まえながら、それに平成28年の児童福祉法改正という、これまた我が国の児童福祉における一つの大きなエポックを踏まえた上で、次をどう描いていくか。そこにはもちろん理念として、事業として、政策としてどうあるべきかということと、実際に現場で一人一人子どもと向き合って支えていただいている、実際の事業を支えていただいている方々の実践、そして、その思いの両方を考えながら、どうやって前に進めるかということを考えながら、事務局としての任を務めさせていただきたいと思います。

 1点だけ、私、担当局長として個人的なということがあるのかどうかわかりませんが、社会的ビジョンが世の中に出てから、幾つかのところで伺う中で気になることがございます。委員の方々の御意見や、これまでもいろいろなところからお話を伺ったのですが、今、社会的ビジョンの文書そのものもさることながら、流れが現場において第一線、子どもたちと日々向き合っておられる方々から、何となく元気が出ないというか、ある方は自分たちのやっていることは何だろうと思わざるを得ないような感情を持ったということを私におっしゃっておられる方々もおられます。私が思うに、また社会的ビジョンや平成28年改正法を考えられた、また全会一致で通った国会の方々が、私が接している限りにおいては、第一線の一人一人に対して、もちろんケア論として工夫すべきこと、あるいはもうちょっと連携をとってやることという現場における改善はありましょうが、現場における取り組み一つ一つについては非常に重く、そしてみんな大事なことだという思いの上で次をどうするかを議論していただいている。あるいは次に向けて施策化していると思っておりますので、いろいろな機会で私も、あるいは私ども行政も今回のビジョンを展開する中でも、現場において日々子どもと向き合っている方々をどうエンカレッジするかということについては心していきたい。

 同時に、提供側だけではなくて、そこには子どもがおられるわけで、子どもが中心だということはまず当然の前提として踏まえた上で、我々はこれからいろいろな方々のお話を伺いたいと思いますし、こういう場での御議論、私ども事務局として頑張らせていただきたいと思っておりますので、今後とも委員会としての運営をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 

○柏女委員長

 ありがとうございました。

 それでは、事務局のほうから次回のこと等について何かございますか。

 

○成松家庭福祉課長

 次回の日程は、また追って御連絡させていただければと思います。

 

○柏女委員長

 重ねてですけれども、委員の方から特によろしいでしょうか。

 それでは、社会的養育専門委員会はこれで終了とさせていただきたいと思います。いろいろな意見がありましたけれども、児童福祉法の第1条に、子どもの権利条約の精神にのっとって子どもを養育するということが明確に記載されております。ここにいらっしゃる関係者の方全てが、子どもの権利条約の精神にのっとって子どもを養育するということになりますし、それが社会的養育の関係者の責務でもあります。今回もここに集う関係者の英知と協働でビジョンを政策・計画に落とし込んでいけると信じております。社会的養護の課題と将来像を関係者みんなと一緒に作成した者として、今回もきっと乗り越えていけるだろうと思っております。ぜひ皆様方の御協力をお願いたいと思います。

 ありがとうございました。


(了)

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