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2017年10月5日 平成29年度第1回血液事業部会適正使用調査会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成29年10月5日(木)
17:00〜19:00


○場所

新橋会議室8階 8E会議
(港区新橋2-12-15 田中田村町ビル)


○出席者

出席委員:(14名)五十音順、敬称略、○委員長

稲田 英一 稲波 弘彦 薄井 紀子 大戸 斉
梶原 道子 國土 典宏 鈴木 邦彦 鈴木 洋史
田中 純子 田中 政信 西村 元延 ○半田 誠
益子 邦洋 矢口 有乃

欠席委員:(1名)敬称略

上條 亜紀

参考人:五十音順

菅野 仁 北澤 淳一 牧野 茂義

日本赤十字社:

井上 慎吾 中津留 敏也 高瀬 隆義

事務局:

屋敷 次郎(総務課長) 山本 匠(血液対策課長補佐) 三浦 勲(需給専門官)

○議題

・平成28年度血液製剤使用実態調査(日本輸血・細胞治療学会)
・平成29年度血液製剤使用適正化方策調査研究事業について
・「科学的根拠に基づいた小児輸血ガイドライン」について
・その他

○議事

○山本匠血液対策課長補佐 ただいまから、平成29年度第1回血液事業部会適正使用調査会を開催いたします。なお、本日の会議は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。

 本日の委員の出席状況を御報告いたします。上條委員より御欠席との連絡を頂いておりますが、15名中14名の委員に出席していただいておりますので、本日の調査会の開催が可能であることをお知らせいたします。本日は参考人として、日本輸血・細胞治療学会より国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部部長、牧野茂義先生、東京女子医科大学輸血部・細胞プロセシング科教授、菅野仁先生、青森県立中央病院臨床検査部部長、北澤淳一先生にお越しいただいております。また、日本赤十字社血液事業本部より井上慎吾血液事業本部経営企画部次長、中津留敏也血液事業本部経営企画部供給管理課長、高瀬隆義血液事業本部技術部学術情報課長にお越しいただいております。

 続いて、事務局の紹介をいたします。総務課長の屋敷が出席しております。血液対策課長の一瀬は、所用により欠席しております。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の議題は、利益相反に関係する審議事項はなく、報告事項のみとなっております。続いて、事務局から報告があります。当日配布資料1ページを御覧ください。薬事分科会の委員、臨時委員、専門委員については薬事分科会規程第11条に基づき、「在任中、薬事に関係する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならない」とされております。今般、薬事分科会の部会に所属した臨時委員について、医療機器製造販売業の許可を取得している企業の役員に就任していたことが判明したため、当該委員を辞任していただいた上、6月29日に本事案を公表し、当日に開催した薬事分科会に報告させていただきました。

 同じ資料の2ページを御覧ください。ただいま説明した事案を踏まえ、薬事分科会の全ての委員等を対象に、改めて薬事分科会規程の適合状況を確認いたしました。その結果、新たに臨時委員2名が薬事に関する企業から、定期的に報酬を得る顧問等に就任していたことが判明したため、当該委員2名には辞任していただいた上で、7月31日に本事案を公表しております。なお、本調査会においては規程に抵触する委員はいらっしゃいませんでした。委員の皆様におかれましてはお忙しい中、確認作業への御協力を頂き、改めて感謝申し上げます。

 9月28日に開催された薬事分科会において、薬事分科会規程に基づく委員等への対応として御報告し、今後の再発防止策として、薬事分科会の委員等就任時及び会議開催時に、薬事分科会規程の適用状況を御確認いただく署名の形で申告いただくこと、その際は資料の3ページにある申告用紙で申告いただくことについて、併せて了解いただいております。本件については先日、委員の皆様にあらかじめメールにて御連絡を差し上げているところですが、次回の調査会より運用を開始する予定としておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 また、例えば薬事に関する企業とはどのような企業が該当するか、寄附金・契約金等の申告に関する詳細なルールなど、規程が分かりにくい点もあるかと思われますので、そういった点も含めて、重要事項については事務局より改めて分かりやすく御説明・注意喚起を行い、薬事分科会の適切な運営に引き続き努めてまいります。委員の皆様には御負担をおかけすることになりますが、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、規程の遵守に御協力いただきますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 事務局からの説明は以上です。カメラ撮りはここまででお願いします。以降の進行については、半田座長にお願いいたします。

○半田座長 まず事務局より、資料の確認をお願いいたします。

○山本匠血液対策課長補佐 資料の1ページが議事次第となっております。2ページが座席表、3ページが委員名簿となっており、その次に参考人名簿があります。資料1-1が平成28年度血液製剤使用実態調査(輸血管理体制)、資料1-2が平成28年度血液製剤使用実態調査(血液製剤使用実態)、資料1-3マル1小規模医療機関の輸血管理状況、資料1-3マル2が外来輸血、資料1-3マル3が病院外輸血、資料2が血液製剤使用適正化方策調査事業関連資料、資料3-1が科学的根拠に基づいた小児輸血のガイドライン、資料3-2が「血液製剤の使用指針」の一部改定案です。参考資料が3部あります。参考資料1が輸血用血液製剤の供給量について、参考資料2がアルブミン製剤の供給量について、参考資料3が「血液製剤の使用指針」の現行指針の抜粋です。また、机上配布資料が2部あります。「血液製剤の使用指針」抜粋の新生児・小児に対する輸血療法の改定案と、改定案の参考資料です。不足等がありましたら、事務局までお知らせください。

○半田座長 よろしいでしょうか。それでは早速、議題に入りたいと思います。議題1、平成28年度血液製剤使用実態調査についてです。まず、事務局から調査の背景を説明願い、その後、資料1については牧野参考人、資料2については菅野参考人、資料3については北澤参考人から、それぞれ資料の説明をお願いします。

○山本匠血液対策課長補佐 まず、この調査の経緯です。平成28年度血液製剤使用実態調査とは、医療機関において血液製剤の使用実態を把握することを目的として、国が日本輸血・細胞治療学会に委託し、毎年実施しているものです。調査結果について同学会の牧野参考人、菅野参考人及び北澤参考人に発表いただきます。牧野参考人には輸血管理体制について発表いただき、菅野参考人には血液製剤の使用実態について、北澤参考人には対象を中小施設、外来輸血及び病院外での輸血に絞った詳細な解析をお願いいたします。

○半田座長 それでは最初に牧野参考人より、資料1-1の説明をよろしくお願いします。

○牧野参考人 よろしくお願いします。資料が非常に多いので、早速始めたいと思います。本調査は、2015年に日赤より輸血用血液製剤が供給された実績のある9,768施設を、アンケート対象施設として行いました。今回の回答施設は表1に示しますように、5,022施設で、回答率は51.41%に達し、3年連続で50%を超えました。表2の5行目に示しますように、病床数が多くなるにつれて回答率は上昇し、300床未満施設では50%以下であるのに対し、500床以上の施設では85%以上でした。日赤から輸血用血液製剤が供給された施設の中で、300床未満施設は8,825施設で、全体の約9割を占めていました。今回、回答した5,022施設が報告した総血液使用量+廃棄量は、日赤から2016年に供給された総血液製剤の80.2%に相当し、国内で使用された輸血用血液製剤の5分の4の情報が含まれていることになります。表2の最下段に示しますように、全血液製剤の83.6%が、全体の1割の施設に当たる300床以上の施設で使用されていることが分かりました。

 2ページの図1では、血液製剤の使用状況を示しています。輸血用血液製剤と血漿分画製剤の両方とも使用した施設が3,155施設と最も多いのですが、2016年には血液製剤を使用しなかった施設、緑色の部分が397施設、全体の7.9%で、その割合は年々、徐々に減少してきております。輸血実施施設自体が減少しており、特に診療所や医療法人関連団体などの300床未満施設が減っており、輸血実施施設が若干集約されているのかもしれません。

 3ページの表5に示したDPC取得施設は、全体では1,317施設ですが、500床以上施設では98.15%においてDPC/PDPSを導入しており、どの施設規模でも年々微増しているという状況です。また、図2に示しますように、各血液製剤の85%以上はDPC取得施設で使用されていることが分かりました。

 4ページは、外科手術における赤血球製剤と貯血式自己血製剤において回答いただいた300床以上施設における2010年からの血液製剤使用状況を示したものです。青色で示したものが手術時に使用された赤血球+自己血製剤の総量で、赤いものがその施設における全体の赤血球+自己血の量です。その割合を見ますと、手術のときに使用した量は全体の3分の1程度ですが、この折れ線グラフが示すように、割合はこの6年間で若干減少傾向です。これはやはり侵襲の少ない内視鏡手術の導入や、適正使用の推進によるものと考えられます。

 5ページを御覧ください。輸血管理料取得施設は回答施設の4割に達しており、その数は年々増加しています。300床以上施設の91.45%は、既に輸血管理料I若しくはIIを取得していました。参考資料として表8に示しますように、全国で2,316施設が輸血管理料を取得しており、輸血管理料から輸血適正使用加算が別に請求できるようになった平成24年度から、急に増加しています。

 6ページの表10に示しますように、輸血適正使用加算を取得している施設は1,299施設あり、300床以上施設の6割以上が取得しています。取得できない理由を100床以上施設のみで解析したところ、赤血球分のアルブミン比の基準がクリアできない施設が全体の37.1%、276施設であり、若干の減少傾向です。これを血漿交換療法実施施設のみで解析したところ、2015年が83施設であったのが、2016年には74施設に減少しておりました。これは昨年、血漿交換療法に使用されたアルブミンを総アルブミンから引いて計算できるようになったために、減少したものと考えられます。6ページの図4に示しますように、輸血管理料IもしくはII取得施設において、正に輸血用血液製剤及びアルブミン製剤の9割が使用されており、少なくとも輸血管理体制が整備された施設で、本邦の血液製剤が使用されていることが確認できました。

 輸血適正使用加算を取得していない施設、つまり7ページの表12のB及びDでは、1病床当たりの各血液製剤とも使用量が多く、特にFFPとアルブミン製剤の使用量が多い傾向が見られます。その結果、8ページの図5に示しますように、赤血球分のFFP及び赤血球分のアルブミン比がA及びCと比べますと、2倍以上になっていました。施設機能として7ページの表13に示しますように、1施設当たりの年間心臓手術件数と血漿交換療法件数が2〜4倍多いことが、その一因と考えられました。

 次に、前回の調査で追加された救急医療の実施状況を解析しました。9ページの図6に示しますように、300床以上施設では9割以上で救急医療を行っていました。その救急医療体制は、500床以上施設では3分の2において三次救急を担当しているのに対し、500床未満施設では二次救急がメインでした。9ページの図7に示しますように、三次救急体制施設においては、各血液製剤使用量が非常に多い傾向が見られ、特にFFPやアルブミンの使用が多いようでした。免疫グロブリン製剤の使用量も三次救急施設では多く、その使用目的は、多いほうから重症感染症や川崎病が占めていました。また、血液型が確認できない緊急輸血時のO型赤血球製剤の交差適合試験なしの使用は、三次救急施設では既に8割以上の施設で実施されていましたが、一次及び二次救急体制では使用施設は少なかったです。AB型のFFPの使用も同様の結果でした。

 各施設における全麻件数、心臓手術、造血幹細胞移植、血漿交換療法件数を臨床規模別に解析したところ、11ページの表14に示したように、医療施設の規模が大きくなるにつれ、各血液製剤の使用量は増加しております。全麻件数の多い施設や心臓手術、造血幹細胞移植、血漿交換療法実施施設のほうが、1病床当たりの血液使用量が3〜7倍多い傾向が見られました。

 さらに12ページ、施設規模別血液使用状況を、年次別に図9に示しました。500床以上施設では赤血球、血小板、血漿製剤とも若干増加傾向ですが、500床未満施設ではほぼ横ばいです。逆にアルブミン製剤だけは、施設規模に関係なく使用量が減少しており、その結果、赤血球分のアルブミン比も低下しております。

13ページの図10は、血液製剤の使用量の多い心臓手術、造血幹細胞移植及び血漿交換療法実施施設における血液製剤の使用状況を、年次別に示したものです。血小板使用量が造血幹細胞移植施設で緩やかな増加傾向ですが、赤血球やFFP使用量はほぼ横ばいです。一方、いずれの機能施設でもアルブミン製剤の使用量は減少しています。

 次に、14ページの表15を御覧ください。これは施設機能別の血液製剤使用状況を示しています。病床数、全麻件数、心臓手術、造血幹細胞移植、血漿交換療法、二次及び三次救急体制、臓器移植の有無の組合せを行いますと、288通りあるのですが、10施設以上が含まれる23通りの組合せについて、血液製剤の使用状況を検討しました。その結果、当然のことながら枠が青く塗ってある全麻件数が多く、心臓手術や造血幹細胞移植、血漿交換、救急医療、臓器移植を実施している施設では、多くの血液製剤が使用されていました。特に臓器移植を行っている施設は、FFPとアルブミン製剤の使用量が多い傾向が認められました。

15ページの図11は、300床以上施設を対象に行った疾患別血液製剤の使用状況の結果です。赤血球製剤は悪性腫瘍、血液疾患、循環器疾患の占める割合が多く、血小板製剤はほとんどが血液疾患でした。血漿製剤は循環器疾患の使用が多く、アルブミン製剤は悪性腫瘍と循環器疾患及び消化器外科患者で使用されていました。各血液製剤の使用量の多い診療科は16ページに示していますように、赤血球製剤は血液内科や心臓血管外科が多く、血小板はほとんど血液内科です。血漿製剤は心臓血管外科が多く、アルブミンは消化器外科、心臓血管外科、消化器内科で使用量が多かったことが分かります。免疫グロブリンの使用量は、大規模医療施設を中心に増加傾向です。特に神経難病を対象にIVIG大量療法などを行うためか、神経内科と川崎病治療に用いられる小児科で使用量が多かったです。

 次に、医療機関の輸血管理体制の整備状況について、17ページと18ページの図13と図14を御覧ください。輸血業務の一元管理、輸血責任医師の任命、輸血担当検査技師の配置、輸血検査の24時間体制、輸血療法委員会の設置という輸血管理体制の5項目は、輸血管理料が実施される前の2005年と比較して、急速に整備されております。300床以上施設においては、いずれも90%以上の施設で整備が完了しています。しかし300床未満施設では、50%前後の整備率であり、小規模医療施設における安全で適正な輸血医療の実施のための輸血管理実施体制づくりが、今後の課題と思われます。これに関しては、後で北澤先生から報告があります。

 また、19ページからの表16と図15に示しますように、都道府県ごとの輸血管理体制の整備率は、最も高い島根県、新潟県、山形県と、低い鹿児島県、宮崎県、佐賀県で2倍の差があり、各県や日赤と一緒に行っている合同輸血療法委員会による地域の更なる活性化が、今後の課題と思われます。

21ページの図16では、各職種における認定者の配置状況を示しています。500床以上の大規模医療施設では、認定医や学会認定・臨床輸血看護師が45%の施設で配置され、認定輸血検査技師は87%配置されています。一方、500床未満施設ではまだ不十分な状況です。同じく22ページの図17には、輸血管理料I若しくはII取得施設における学会の認定者の配置状況を示しています。専任若しくは兼任の輸血責任医師、輸血担当検査技師が配置されているはずですが、輸血医療に専門性を有する医師、検査技師、薬剤師の配置は十分とは言えない結果でした。

 次に、23ページの図18を御覧ください。これは学会認定・臨床輸血看護師の業務と、配置後に改善されたことを示しています。学会認定臨床・輸血看護師は院内の輸血療法委員会に参加し、意見を述べ、新人看護師への輸血業務の教育・指導を行っていますし、それによって輸血実施時の安全管理体制が向上し、輸血部門と輸血臨床部門との連携が向上したと回答した施設が多かったです。

 次に、検査法について報告します。表17と図19を御覧ください。ABO型及びRh血液型検査の実施者については、300床以上施設では主に院内の輸血検査技師が日勤帯、夜間・休日とも血液型検査を担当し、オモテ、ウラ試験とD抗原検査を行っていますが、300床未満施設では日勤帯でも46%程度が、院外の検査機関に委託していました。その割合は図19に示しますように、年々増加傾向にあります。25ページの表20では、不規則抗体スクリーニングが6割、交差適合試験は3分の1の施設で外注委託をしていることが示されています。

26ページの図20では、臨床検査技師以外の職員が交差適合試験を行って、赤血球輸血を実施したことがあるという175施設の情報をまとめています。その91.4%は100床未満の小規模医療施設で、実施者は日勤帯でも担当医と看護師で65%を占めていました。

27ページの表24では、血液検査の二重チェックの状況についてまとめています。300床未満の小規模医療施設では、同一患者の異なる時点での2検体での血液型検査の実施率は、45.8%と半数以下であり、同一検体のダブルチェックは54.1%の実施率でした。一方、300床以上施設においては88.2%の施設で、異なる時点での検体による二重チェックを行っていますが、同一検体のダブルチェックは49.4%の施設で未実施でした。

27ページの図21は、輸血実施体制におけるコンピューターシステムでの利用率を示しています。輸血関連検査時、輸血用血液の出入庫管理、輸血有害反応、血漿分画製剤の管理、貯血式自己血輸血の管理、輸血時の携帯端末の使用などにコンピューターシステムが使用されている300床以上の施設が8割程度あり、いずれも徐々に増加しているという状況です。輸血自動検査機器の利用は、血液使用量の多い300床以上施設の80.4%で利用されており、右図のようにその割合は年々増えていることが分かりました。

28ページの図22に示しますように、輸血前の感染症検査は、入院時検査と同時に行っている施設を含め、85%の実施率でした。輸血前検体保存は、300床以上施設では99%で実施されていますが、300床未満施設では75.4%と、やや差を認めました。29ページの表25に示しますように、輸血後感染症検査を原則的に全ての患者で実施している施設は、全体の3分の1に過ぎませんが、図23で示しますように、2010年以降で見ますと、10%程度の実施率の増加が認められました。

30ページの表26に示しますように、各管理部門に輸血副作用報告体制は、全体では輸血用血液製剤は67.0%であり、300床以上施設では96.2%、300床未満施設では61.1%と差を認め、主治医がカルテに記載するのみの対応が32.18%でした。一方、血漿分画製剤の副作用報告体制は、全体で65.8%であり、輸血用血液製剤と比較しますとやや低く、300床以上施設では85.3%に対し、300床未満施設では61.7%でした。報告体制を2010年と比較した場合、表27に示しますように、輸血部門へ報告する施設が増加し、副作用報告体制がない施設の割合は減少しています。

31ページの表28に示しますように、適正使用に関する取組は、300床以上施設では79.3%の施設で、院内輸血療法委員会で検討し、病院全体で取り組んでいるのに対し、300床未満施設では39.1%でした。血液製剤の適正使用について、「国の適正基準を遵守している」と回答した施設は、図24に示しますように、赤血球製剤では75%以上でしたが、300床以上施設においては血漿製剤及びアルブミン製剤では、適正使用基準の遵守率が赤血球と比較しますと、やや低い結果でした。一方、300床未満施設では赤血球以外は70%前後でした。

32ページでは2015年に発表された、「科学的根拠に基づくアルブミン製剤の使用ガイドライン」の認知度を示しています。72%の施設で「知っています」と回答し、300床以上施設では88%でした。昨年調査も行いましたけれども、昨年より認知度は高くなっていました。同様に「赤血球製剤の使用ガイドライン」の認知度も調べてみたところ、全体の72%でした。

 適正使用の院内浸透のための具体的な取組としては、輸血マニュアルの配布や輸血療法委員会での話合い、院内輸血指針の改定などが挙げられました。その結果を33ページの図28に示しています。また、血液法や指針の内容の院内周知に関しては2008年と比較して、残念ながら「内容まで十分知らせていない」という施設が少し増えております。今年は血液製剤の使用指針が改定になりましたので、その内容を院内で十分周知徹底してほしいと思います。一方、輸血安全対策に関しては、300床以上施設では輸血療法委員会で検討し、輸血マニュアルを作成して実施している施設がほとんどですが、300床未満施設では輸血安全対策のない施設が、やや増加しておりました。

34ページの図29に示しますように、アルブミンの国産製剤使用割合は57.73%でした。この輸血アンケート調査による結果ですが、平成19年の62.8%をピークに横ばいでした。5%製剤の国内献血由来製剤は38.1%であり、徐々にその割合は増加しています。一方、高張製剤は70%前後で推移しております。

 次に、35ページの図30を御覧ください。血液製剤使用時のインフォームド・コンセントについて、輸血用血液製剤使用時にはほとんど行っていますが、血漿分画製剤使用時に必ずICを行う施設は86.57%にとどまっており、説明同意書がない施設が6%存在していました。この血漿分画製剤同意説明書に、採血方法や献血・非献血の情報を含んでいる施設は15%前後でした。これに施設の規模による大きな差はありませんでした。

 最後に、2014年の診療報酬改定で新規収載された、貯血式自己血輸血管理体制加算についてです。取得施設は36ページの表31に示しますように、254施設でした。昨年と比較してほぼ横ばいですが、「取得する予定である」と回答した施設が、173施設から157施設に若干減少していました。取得施設においては1施設当たりの自己血採血件数は多く、輸血マニュアル及びVVRマニュアルがよく整備されていました。

 以上、輸血管理及び実施体制について、アンケート調査結果と過去のデータを含めて報告しました。長くなりましたが、私からの報告は以上です。

○半田座長 ありがとうございました。非常に盛りだくさんの内容ですが、委員の皆様、御意見あるいは御質問はいかがでしょう。

○鈴木()委員 非常に膨大な量なので部分的になるかもしれませんが、前半に何箇所か出てくる都道府県の違いというか、格差というか、これはどういったことが原因なのか。地域性は、例えば20ページなども何が共通しているのかというと、日本海側の県がいいとか、温かい所の県が遅れているとか、それは余り意味がなく、根拠はないと思うのですが、どういう理由で違いがあるのか。そして、それを平準化することが必要であるとすれば、それに対する取組はどのように行われていて、どのぐらい効果を上げているのか、そういうことが分かりましたら教えていただきたいと思います。

 それと34ページでアルブミン製剤の、国内自給率が低下して横ばいとのことです。その原因として、内外価格差とインフォームド・コンセントの不備とあるのですが、インフォームド・コンセントの不備というのは何を指して不備と言っているのか。35ページの下のほうを見ると、採血国情報を常に説明したり、献血・非献血情報を常に説明するのが低いとありますが、議論をしたときに、緊急のときに、国産にしますか、外国産にしますかとか、あるいは献血にしますか、非献血にしますかなどと聞いている余裕はないと思うし、私はそれを聞くことを現場の医師や医療従事者に委ねること自体に問題があると発言をした記憶があります。結局そういうことを無理矢理決定して、それが徹底されていないことを進んでいない理由にするのは、本末転倒ではないかと思うのですが、それについてはどのようにお考えなのか。現場の感覚としては、ずれていると思うのですが、お聞かせいただけますか。

○牧野参考人 最初に、都道府県別の輸血管理体制に差があるということなのですが、東北地方が輸血の管理体制が非常に整備されており、九州地区が若干低いという傾向が、このデータから見られます。各都道府県に合同輸血療法委員会というのがありまして、その活動状況が都道府県ごとに非常に差があり、合同輸血療法委員会が非常に活性化されていて、積極的に県内の医療施設に働き掛けて体制を整える、若しくは適正使用を行っていくという取組を行っている都道府県においては、やはり管理体制が進んでいるような傾向が見られます。

 そういうことで、この体制が全国で共通して進んでくるようになれば、恐らくこの差はなくなってくるのではないかということで、今、国のほうも合同輸血療法委員会のテーマを決めて、それに対する取組を支援することを行っており、そういうものが進んでいくことによって、この差は減ってくるのではないかと思います。それの1つの指標として、こういう都道府県ごとの管理体制の差を提示していて、この会議が始まる前に、各都道府県の合同輸血療法委員会の責任者にこのデータは送っております。こういうデータであり、合同輸血療法委員会でいろいろ話題にするときに、こういう資料を参考にしてくださいということを一応、資料として提供しております。

 それから、アルブミンに関してですが、アルブミンの国内自給の若干横ばいに内外価格差は当然あるわけですが、1つ問題が血漿分画製剤の説明そのものを余り行っていない施設もあると聞いてます。それから、輸血の同意書の中に、患者さんが知りたい情報などに関する情報がないという現状も分かってきております。これ自体がアルブミンの国内自給に直接どれだけ影響しているかはなかなか分かりづらいところですが、前回の血液法の中で患者さんに対する説明を行うとき、ドクターは緊急のときになかなかできないところがありまして、そういうときに例えば緊急のときばかりではないと思うのですが、病棟とかで使用する場合は病棟薬剤師とか、アルブミンとか血漿分画製剤に精通している医療従事者に、インフォームド・コンセントを行ってもらったらどうかという1つの提案もありました。そういうところで利用していただけるデータとして示しているのです。

○鈴木()委員 都道府県の格差については、データをただ示されても、その都道府県にとっては、今までやってきたことをどう変えていいか分からないと思います。体制が進んでいる都道府県はどこが違って、どういう点を取り入れたらいいのかまで丁寧に説明しないと、格差は縮まらないのではないでしょうか。それとアルブミン製剤の国内自給についてですが、DPCでは価格差が重要で、これはジェネリックでも同じですが、同じ品質であれば、別に価格が安いほうを使って問題ないわけですから、当然そういうインセンティブが働くわけです。それを止めることはできないし、それに対してインフォームド・コンセントの不備というような言い方をすることは、現場に責任を押し付けるような感じがして、私は表現として適切でないと思いますし、中身としても、価格差があるのでしたらより縮小される取組を、もっと重要視すべきだと思います。この問題は以前から指摘されている話ですが、こういう形で結果としてインフォームド・コンセントの不備として片付けられると、現場の医師を中心とする従事者に対して、私は非常に失礼ではないかと思います。

○半田座長 ありがとうございました。今の御意見は非常に重要なポイントだと思いますので、これは事務局のほうでも、これから評価していただいて、適切に対応させていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。稲田委員、薄井委員、よろしくお願いします。

○稲田委員 私は3点あるのですが、今の輸血療法委員会の組織率といいますか、それとアウトカムで見た場合、機能しているかどうかというところで、例えば輸血療法委員会の非常に高い県、それから低い県、例えば5県などを比べてみたときに、アウトカムとして輸血製剤が正しく使われていたとか、あるいは先ほどのガイドラインの周知度とか、その辺りに何か差があるようなデータがあるのかをお聞きしたいと思います。

○牧野参考人 適正使用を正確に表現するデータはなかなか難しいのですが、輸血療法委員会の設置率における血液廃棄率に関しては、やはり輸血療法委員会があって、年に6回以上開催されている施設は、例えば血液廃棄率が低いというのは、以前、解析した結果としてはあります。適正かどうかという表現に関しては、表現が非常に難しいということではあります。

○稲田委員 1つは例えば赤血球とFFPの使用比であるとか、各県別によってFFPにしても、あるいはアルブミンにしても、非常に使用量が違うので、その辺りは少し関係が出せる、先ほど鈴木委員がおっしゃった平準化を促進するということになるのではないかと思いました。

 もう1つ、簡単な質問で、9ページにある三次救急をしている所でFFPの使用量が非常に多いということで、今日、益子委員もいらっしゃいますが、三次救急をしている所がMTPを今ほとんど導入していることから出たデータということで、よろしいでしょうか。

○牧野参考人 そういうことだと思います。

○稲田委員 3点目が先ほど科学的根拠に基づくガイドラインの周知度ということでお話があったのですが、これは対象は輸血部とということでよろしいのでしょうか。

○牧野参考人 そうですね。今回の輸血のアンケート調査に回答していただいている部署というところですので、主に輸血部ということだと思います。

○稲田委員 恐らく病院の中でも、多分、輸血部が一番周知度が高くて、麻酔科が割合高くて、外科系が。ここにいらっしゃるので、ちょっと失礼かもしれない。各診療科で差があるので、そうすると、トップがこのぐらいだと、下のほうはかなり低いのかなということで、診療科別のこういったデータを示していただいて、ガイドラインを使用する人たちの周知度を上げるのは重要なことかなと思いました。私からの質問とコメントは以上です。

○薄井委員 36ページの自己血の所なのですが、先生が先ほどおっしゃったように、保険で点数が付いている割には、余り上がっていないということで、例えば管理加算が付いたときには輸血も1、2が付いたものですから、大分、施設が上がっていたのですが、36ページを見ると余り上がっていないのと、看護師の認定施設数も余り上がっていなくて、表32ですか、施設数は余り上がっていない。通常上がってくるものだと思うのですが、上がっていないみたいなのですが、何か問題があるのでしょうか。

○牧野参考人 まず、貯血式自己血輸血管理体制加算なのですが、ワンコイン、1人に500円、50点と。それから、輸血管理料とか、輸血料というのは、そのたびに請求できていくわけですが、自己血の場合は手術のときに1回限りで、それが50点という点数であるところが、1つ増えないところかもしれません。我々も、もうちょっと増えるのかなと思っていたのですが、増えていない。今後、取得する予定であるというのが前回のアンケート調査では結構あったものですから期待していたのですが、今回の調査では若干そこも減っているのがちょっと心配ですので、例えば保険点数を今の50点からちょっと増やすこともひとつ考えて、日本自己血輸血学会では、外保連を通じて、そういうことも行っているところではあります。

 学会認定・臨床輸血看護師制度なのですが、これに関しては、今現在、1,000名を超える認定者がいらっしゃいまして、例えば今年は270名ですが、新しく申請が出ており、今、非常に増えてきているところではあります。これも1つは保険のサポートがあると、もっと増えていく可能性があると思われて、学会としてもそういう働き掛けはしているところです。

○半田座長 ありがとうございました。まだ御意見がいろいろとあると思いますが、たくさん議題が残っていますので、次にいきたいと思います。資料1-2について、菅野参考人のほうからよろしくお願いします。

○菅野参考人 よろしくお願いいたします。私は血液製剤の使用状況を担当していますが、資料1-2の1ページ目を御覧ください。先ほど牧野参考人から御発表があったように、1万以上の医療施設にアンケート調査を依頼して、約50%の回答率ということで、回答いただいた施設を各病床別で集計したのが、この表の一番左側になるわけです。回答していただいた施設の同種血、自己血、あるいは併用しているというお答えと、何人に輸血なさったかと、そこから仮に回答率が100%になったときに、どのぐらいの方が輸血を受けたのかということで、これを輸血実施予測患者数という言葉で表現しているわけです。この輸血実施施設数は、同種血のみ、自己血のみ、併用、いずれも若干減少していて、同種血と併用については、輸血実施率に関してはやや増えていて、自己血のみという所は減っているということです。

 2ページ目の表2、図1、これは同じデータですが、2008年以降、2011年が2つあるのは、震災の影響で被災した4県の状況を加味するか、加味しないかというところで、ここが2つ重複になっていますが、この輸血実施患者予測数ということで、同種血の方にどのぐらいということですが、昨年の調査で937,390人、今年も951,039人、同種血が100万を切る。自己血に関しては、一昨年辺りから比較しても、2016年は1122名という状況で、同種血は100万人を下回って、ほぼ横ばいであるということと、自己血がやや減少していることが見えてきた次第です。

 3ページ目の表3()は、血液製剤、血漿分画製剤の使用量、1病床当たりの使用単位数、グラム数、()はそれを前年比で何パーセントになったかということを示した表です。脚注にあるように、1病床当たりの製剤別使用量は、赤血球、血小板、血漿製剤は、ほぼ同等。アルブミン製剤に関しては、全体で約8%の減少、特に等張アルブミンの製剤使用量は10%以上減少しておりました。後で別のデータでお示ししますが、免疫グロブリン製剤の使用量は、全体としてはわずかな増加ですが、大規模の医療機関では明らかな増加が認められています。300床未満の施設では減少ということです。

 4ページ目の表4()()は、今、成分輸血の概念がほぼ日本全国に浸透しているのですが、いまだに全血を使用している施設がどのぐらいあるかという調査の集計結果です。表4()は施設数と廃棄率の病床別の集計結果、表4()2014年、2015年、2016年の3年間の年次推移を示していますが、全血を使用している施設数も2014年の139施設から、2015年は83施設、2016年は58施設と減ってきていますし、全血を使用したという使用の単位数を総計してみても、今、約1,122単位ということです。ただ、100床未満の施設では、まだ輸血イコール全血使用とお考えになっている先生方がいらっしゃるのかなというように見受けられます。

 5ページ目は、牧野参考人のデータにもありましたが、血液製剤使用量の総供給量に占める割合ということで、()赤血球、()血小板、6ページ目()血漿製剤ということですが、今回の捕捉率、要するに供給した製剤について、どのぐらい把握できているかということに関してはお示ししたとおりで、過去5年間の中で最も高い値を示しております。

 7ページ目の図2、血液製剤使用状況の年次推移ということで、7ページ目は赤血球、血小板、血漿製剤という赤血球製剤、8ページ目は血漿分画製剤のデータを示しています。製剤別の使用量としては、500床以上の施設における赤血球、血漿製剤のみ増加と。その他、全ての病床規模で1病床当たりの使用率は減少傾向にありました。

 8ページ目のアルブミンの製剤使用量は、全体で昨年比92.8%ということで、特に小規模医療施設での減少が明らかでした。10年前の2007年との比較では、アルブミンの製剤使用量は全体で3分の2程度に低下しております。それに反して、免疫グロブリン製剤は、全体を棒グラフで示していますが、この5、6年、右肩上がりに増えていると。全体としては、前年比101.7%程度ですが、500床以上、青い折れ線で示している所は上昇率が+6.3%と、大規模医療施設での増加が顕著です。参考までに、2011年からも右肩上がりということですが、自己の免疫性の疾患に対する適用が保険収載された年代をここに書いてありますが、最後のチャーグ・ストラウス症候群、多発性筋炎が2010年、重症筋無力症が2011年ということですが、この辺りから免疫グロブリン製剤の使用量がかなり増えているという印象を得ています。

 9ページ目、どういう疾患に免疫グロブリン製剤を使用しているのかということで、この数値は使用していると回答した施設の割合を示しているわけです。左側の使用目的の黄色く背景を塗り潰している所は自己免疫性の疾患であるということで、増加率が10%以上だった疾患については赤、10%以上の減少率を示したものは青で示してあります。小規模医療機関での300床未満と500床未満300床以上、500床以上というところで、若干、系統が異なりますが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、多発性筋炎(PM/DM)、重症筋無力症(MG)の3疾患に関しては、300床未満、300床以上499床の病床規模で増加しております。天疱瘡、チャーグ・ストラウス症候群も、病床規模によっては増加傾向が明らかであって、一方、重症感染症に関しては、大規模医療機関での減少が目につくところです。

10ページ目、図3、図4ですが、1患者当たりの赤血球製剤使用量は、全体でも500床以上でも増加ということですが、1病床当たりどうかというと、1病床当たりの赤血球製剤使用患者数は各病床規模で全て減少傾向にあるということで、これをこのままストレートに解釈すると、1病床当たりの患者数は少ないですが、1患者に使う赤血球の製剤使用量が多くなって、全体としてはほぼ横ばいだというように解釈できると思います。

11ページ目に血液製剤の廃棄量について示してあります。図5()赤血球製剤ですが、500床以上の施設では赤血球製剤、これは恐らく一度交差した製剤が未使用になったときに、ほかの患者さんに使い回しができるということで、徐々に減ってきているということですが、それができない規模の施設では、やはり赤血球製剤の廃棄は少し増えてきているのかなという印象です。血小板製剤に関しては使用期限が4日間ということで短いために、注文血として医療機関に届いたときに、どうしても使わなければ廃棄してしまうということで、これは廃棄率の増加は500床未満の施設で逆に明らかでした。

12ページ目に血漿製剤が書いてあります。血漿製剤の廃棄率は、破損とかいうことでの取扱いのマニュアルなどでの周知徹底が行き渡ってきていると解釈していいのかどうか分かりませんが、全体として減少、特に300床未満の施設でも減少しているということが分かります。表7の未照射血の問題は、昨年も問題提起させていただきました。昨年のデータはここに示しませんでしたが、未照射血を使ったのは昨年は11施設ありました。今回のアンケートでは3施設ということで、施設数の減少はあります。ところが、この3施設の中の番号1埼玉県268床、番号3新潟県524床と、これは両方とも公立、自治体病院に含まれますが、昨年の11施設に含まれている施設が今回も同様なことで、また使っているということがあります。これも都道府県の合同輸血療法委員会等から、緊急の輸血で照射を行う余裕がなかったということですが、それであれば、今、セシウム線源の安全性、テロ対策、いろいろ問題がありますので、今後は照射血の赤十字からの供給が望ましいのではないかと考えられます。

13ページ目は、今、FEPから院内調整されているクリオプレシピテート製剤の使用施設数、図7の下のほうはフィブリノゲンということで、大量出血時における希釈性凝固障害に対する2つの製剤の使用状況です。クリオプレシピテート製剤の使用経験があると回答した施設は、全体として大きく変化はなし、増加の傾向は認められませんでした。図7、フィブリノゲンも、これは明らかに大量出血時のフィブリノゲンは適応外使用であるわけですが、今回の調査では全体に施設数が減少していたということが明らかになりました。

14ページ目、貯血式自己血の使用量の年次推移です。表2は昨年比で3.9%の減少ということですが、貯血式自己血の1病床当たりの使用量は300床未満では逆に増加しているということで、これも先ほどの赤血球製剤の同種血の使用と同じように、症例数は減っているけれども、1病床当たりの使用量が増えているという傾向を認めるということです。

15ページ目から都道府県別の血液製剤、血漿分画製剤の使用量について、棒グラフと裏面に表ということで、示してあります。これを並べて、事前に各都道府県の合同輸血療法委員会を通じて、このデータについては間違いがないということを確認していただいていますが、今回は限られたデータですが、どの県が何位だということの背景を示させていただきました。

29ページ目から解析を示しますが、図16は都道府県別の1病床当たりの赤血球の使用単位数と、臓器移植の件数を示しています。左から茶色の折れ線で示しているのは臓器移植件数ということで、臓器移植が少なくなればなるほど右に寄っていくということですが、1病床当たりの赤血球製剤の使用量は大都市圏、大都市を要する都道府県では、ほぼ赤血球輸血量と臓器移植件数の間に関連性があるように見えます。一方、赤血球使用量は多いというけれども、臓器移植の棒グラフの長さが短いのは、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県などの関東各県及び静岡県で、この県での赤血球使用量、1病床当たりの赤血球単位数が多いのは臓器移植とは違う背景によるのだろうということが明らかになっています。

 同じような考察で30ページ、図17ですが、今度は血小板製剤の1病床当たりの使用単位数と臓器移植件数を示しています。臓器移植の多い東京都、京都府、大阪府、神奈川県、愛知県などの県以外に、PCに関しては毎年、広島県が多いということを報告していますが、広島県、新潟県、北海道、埼玉県、秋田県という所が上位の10県に入っていたということで、先ほど牧野参考人のほうから血液内科、造血細胞移植というキーワードでPCの使用量が多い傾向が見受けられるということですが、臓器移植と関連のないPCの使用量が多い県は、もしかしたらそういうところに該当しているのかもしれません。後から少しその点を考察します。

31ページ目の図18は、今度はFFPの1病床当たりの使用単位数と臓器移植の件数ですが、臓器移植件数が少ないけれども、上位10県に入ったのは、千葉県、埼玉県、奈良県、もう少しいくと、沖縄県、宮崎県、和歌山県という県に認められました。

32ページ目は、血漿交換とFFPとの対比です。血漿交換の置換液がアルブミンなのか、FFPなのか、これは凝固因子の補充が必要なのか、あるいはTTPのような特定の病態なのかということですが、1病床当たりのFFPが多い県の中で、東京都、大阪府、愛知県、神奈川県等では、血漿交換が多いという傾向で認められています。逆に、奈良県、沖縄県、宮崎県、和歌山県などでは、血漿交換件数に比較して、1病床当たりのFFP使用が多い。これは別の要因、血漿交換以外のFFPの使用用途がここに反映していることが考えられるわけです。

 同様に33ページ目、血漿交換のアルブミンですが、長崎県、京都府、山梨県、滋賀県、岐阜県、奈良県、岡山県に関しては、血漿交換件数に比較してアルブミンの使用量が多いという傾向が認められました。

34ページ目、図21ですが、造血細胞移植の移植数と各県との対比ができていませんので、成分採血の総症例数と1病床当たりの血液製剤使用を比較、検討してみました。これは成分採血の総症例数が1年間に100例以上ありますと答えがあった県が並んでおります。報告された症例数との比較では、福岡県、兵庫県の1病床当たりのRBC、PC使用量が相対的に低いということで、これについても今後、背景を県との連絡で調べていかなければいけない。新潟県、京都府、広島県におけるPCの使用量が多いという傾向も認められました。

35ページ目に考察を示していますが、各県別の血液製剤、分画製剤の使用量に関しては、今回は適正なのか、不適正なのかというところまでは分析できていませんので、来年以降は適正だけど多いのか、そうではないのかということを、もう少しあぶり出すことができるようなアンケートの作成に留意したいなと考えています。以上です。

○半田座長 ありがとうございました。非常に詳細な御報告ですが、委員の皆様、いかがでしょうか。

○鈴木()委員 これも膨大な説明なので、一部のみについて質問させていただきます。11ページ、12ページに施設規模別の血液製剤廃棄量とあるのですが、この説明に()の血小板製剤について、「各血小板製剤は各病床規模で廃棄単位数の増加が認められ」とあるのですが、経年的に増加しているとは思えないので、どういう意味なのかということと、病床規模別に増加傾向があるということでしたら分かるのですが、12ページの血漿製剤のところで、「血漿製剤の廃棄数は各病床規模で減少した。特に300床未満の施設で明らか」とありますが、内容が理解しにくいので、何を指して減少と言っているのか、教えていただけますか。

○菅野参考人 これは6年間並べた上での大きな流れがそうだということではなく、昨年と比べてということなので、先生がおっしゃるように、例えば500床以上の所での赤血球の廃棄量は減っている傾向は、この4、5年、明らかと言えると思うのです。それと比べると、相対的には一旦300床未満、300床以上500床未満の施設に関しては、この6年間の推移で減ってきたのですが、再度それが増えてきつつある。そこに今後注目すべき点がないかどうかということを言っているわけです。よろしいでしょうか。

○鈴木()委員 前年度と2年間の比較だけでしたらその説明と、もう少し違いが見えるようにしないと、わずかな差にしか見えないですから、分かりにくいと思います。スケールの目盛りの刻みの問題ということになりますが、説明の文章も含めてもう少し丁寧にしたほうがいいのではないかと思います。

○菅野参考人 はい、分かりました。

○半田座長 ほかに、もう一方ぐらい、何か御質問はいかがでしょうか。先ほど鈴木委員が県別とか地域別の血液使用量が非常に差があるということで、今回、1床当たりのというのも出てきているので、先ほどおっしゃったように、その分析などをしていただいて、このデータからどういう方策を検討していくかというところです。ですから、これはただ単にデータだけなので、そういう前向きの解析を是非お願いできればと思います。

○菅野参考人 はい。

○半田座長 よろしいでしょうか。続きまして、資料1-3について、北澤委員から簡潔にお願いします。

○北澤参考人 北澤です。よろしくお願いします。それでは資料1-3マル1を御覧いただきたいのですが、小規模医療機関の輸血管理状況ということで、ここで示しております小規模医療機関の定義は、300床未満の病院ということになります。私の検討で母数としましたのは、2のスライドにありますが、今回の調査の中で、平成27年1年間に血液製剤、輸血又は血漿分画製剤を使用したと回答した施設を対象としましたので、本日の他の先生方の検討と母数が多少変わっております。

 スライド2を御覧いただくと、輸血を行っている施設としては、84%が300床未満の小規模医療機関ということになります。菅野先生の御発表だと、25%の血液製剤が使用されていたということになりますので、25%の血液製剤を84%の小規模医療機関で使っていることになります。

 スライドの3枚目、4枚目、5枚目です。輸血業務と輸血用の血液の管理部門で、小規模医療機関では、100床以上の病院では、検査部門で取り扱っているという所が多いのですが、100床を切ってきますと、院外の検査機関に委託という所が増えてきます。

 また、100床未満と診療所の回答では、「その他」という内容が多かったのですが、この詳細は分かりませんでした。一元管理は薬剤部門ではなくて、検査部門で検査と血液製剤を管理しているということなので、主に診療所というよりは、病院が対象となる設問ですけれども、100床未満の所になると、やはり一元管理ができていないという所が増えてきます。

 輸血責任医師の有無という設問では、病床数が少なくなるにつれて、責任医師がいないという施設が多くなるのですが、自分の経験としては、小さい病院ですと、やはりドクターの数が少なくて、院長先生も余計な負担を掛けたくないということで遠慮されて、頼める方がいないということが原因としてあるようでした。以前、委員からの御質問があったのですが、無床診療所の先生の場合は、先生が1人の場合などが多いので、その先生自体が輸血の責任医師になるのではないかと思っていたのですが、回答としては「いない」でした。これは回答しているのが、恐らくドクターではなくて、検査技師さんや看護師さん等が回答している可能性があるので、そこで「いない」という回答をしている可能性があります。

 次のページ、輸血責任医師と輸血認定医というところは、まず輸血認定医がどのぐらいいるかということも見たのですが、これは小規模医療機関では余り関係ない設問でした。検査技師さんに関しては、やはり人件費等の絡みもありまして、小規模の医療機関では、なかなか多く採用できないということもありますが、100床未満の病院では、技師さんはいるけれども輸血の担当はなしということでした。技師さんもそれほど多くいるわけではないのですが、なかなか輸血の検査を専門に勉強してくれるという方が少ないということが分かっています。

 その次は飛ばして、10枚目のスライドです。血液型の検査の二重チェックにつきましては、特に100床未満の医療機関で、どちらも実施していないという回答が出てきます。特に診療所の中では、この設問では未回答がかなり多いのですが、このどちらも実施していないという未回答の中には、恐らく院外に検査を出していて、実情が分からないということもあるかもしれません。同一患者さんの異なる時点での2検体で実施ということは、学会としては是非実施していただきたいところなのですが、その実施率は、病床数が小さくなるにつれて、低くなるということが分かりました。

 それから、12枚目スライドの外部精度管理に参加しているかというところですが、これは実際、日本臨床検査技師会(日臨技)などに入っている施設なども小規模になってくると減ってくることもありまして、外部精度管理には、なかなか実施できていないという所が多い実情も分かっています。輸血用の検体保管に関しては、特に診療所で保存していないという回答が多いのですけれども、実際に自分の所で遠心して血清を保存することはできない状況もあります。ただ、医師会の中にはそれを請け負って血清を保管してくれている所などもあると聞いておりますので、何らかのシステムが必要かと考えます。輸血前の感染症マーカー検査については、輸血前検査として「症例によって行っている」までを入れても、特に病床による差はありませんでした。

 一方、その次のページの15枚目のスライドでは、輸血後の感染症マーカー検査に関しては、「症例によって行っている」までを入れますと、500床以上から診療所のほうまで、病床数に応じて、実施率が下がっていることが分かりますが、輸血している患者さんの状況にもよるのかとは考えられます。

 感染症マーカー検査の項目は、指針等で推奨されている項目の実施率を見ております。輸血前の検査では、依然としてHBs抗原とHCV抗体の実施率が多いということです。先ほどの14枚目のスライドと比較していただくと、実際に輸血前の検査として実施している割合と、HBc抗体等の実施の割合は、ほぼ同じですので、右側が輸血後の検査なのですが、こちらのほうは推奨されている項目の実施率が高くなっております。

 事故防止対策を輸血マニュアルに記載しているかという17枚目のスライドでは、防止対策が不十分だという施設は、多少、診療所のほうで多くなっているというところです。院内マニュアルも「ない」という所が、100床未満の医療機関で多くなっています。

19枚目は全部統合した設問でしたが、20枚目等に関しては、20年の保管義務はしっかり守られているということでした。21枚目、22枚目は、国の使用基準を遵守しているか聞いてみました。血小板や血漿製剤については、特に余り使っていないということもあるかもしれませんが、100床未満の医療機関で、「その他」という回答が多くなっております。

 次のページの23枚目は、国の使用基準を遵守しているかという設問で、平成27年度の調査と、平成28年度の調査を比較しておりますけれども、右の平成28年度のほうが、少し多くなっているということが見て取れます。また「科学的根拠に基づいたアルブミン製剤の使用ガイドライン」を知っているかという設問では、右の図の平成27年と平成28年を比べていただくと、各病床群とも、右肩が上がっているので、周知率は増えていると言えます。

25枚目のスライドでは、「赤血球製剤の使用ガイドライン」ということで、これは初めて出したので、平成27年のアルブミン製剤の使用ガイドラインと比較すると、赤血球製剤のほうが多少知っているということが増えているので、これも来年になれば、もっと増えていくかどうかを検討したいと思っています。

 輸血の同意の取得と同意書の有無というところで見ますと、診療所の中では輸血同意書がないという施設が、約5%ほど目立つのですけれども、そのような所がみられます。血漿分画製剤に関しては、もともと使っていないという施設もあるのですが、やはり100床未満の医療機関で数%、同意書がないということが見られました。28枚目のスライドは、傾向が余りなかったので、割愛します。

 資料1-3マル2を御覧いただきたいのですが、この検討では、外来輸血を実施したという回答をした施設を対象としました。2枚目のスライドの右の図を見ていただくと、病床数が大きいほど、外来輸血の件数が多いことが分かります。4枚目のスライドですが、外来での血小板輸血に関しては、青いバーが外来で、血小板輸血があるという回答なのですが、病床数が多い所で実施されていることが分かりました。5枚目のスライドの左側では、外来用の輸血のマニュアルがあるかということで聞いてみたのですが、各病床群ともに、ほぼ1015%ぐらいは、外来専用の輸血マニュアルを作る予定はないという返答でした。

 一方、輸血手帳は東京都や広島県で作っているのですが、これの認知度が上がってきたかなと思っております。利用しているのは東京都と広島県ぐらいしか、今はないのですが、「利用していないが利用したい」という回答が、このように見えてきております。外来輸血の副作用の説明については、文章や口頭で実施しているというところは、病床群に差はありませんでした。連絡先の説明を文書で実施している、あるいは口頭で実施しているというのは、病床規模が小さいほど、説明している割合が高いことが分かりました。

 有害事象については、まだ帰宅後に経験した有害事象の把握が不十分かとは思うのですが、右の図を見ていただくと、連絡がなかったということが多いので、実際に連絡があった患者さんの報告の中で見ても、「その他」が56%と多かったので、今回、掲げた理由以外の何らかの方法があったのかもしれないと考えています。

 資料1-3マル3を御覧いただきたいのですが、これは病院外輸血ということで、2枚目のスライドが「病院内」になっていますが、「病院外」の間違いです。病院外輸血の実情としては、在宅での輸血の実施は82施設、介護施設で34施設で、これは重複がありますけれども昨年よりも少し回答数としては減少しております。連携病院が「ある」が64施設、「なし」が39施設でした。

 3ページ目を御覧いただくと、病院外の輸血を実施している施設の多くは診療所であり、あとは28の医療法人関連病院ということなのですが、規模として見ると100床未満の所が多くなっている印象があります。年間の病院外輸血の延べ件数がスライド4に記載されておりますが、赤血球製剤についても、これは先ほどと逆で病床数が少ないほど輸血の件数が多くなっております。血小板製剤や血漿製剤も使用している施設があるということです。

 病院外の輸血の患者さんの観察、5分後、15分後は行っていますかという回答の中には、ほとんど行っていないという施設が、診療所で1、2件見られております。クロスマッチを実施しているかということでは、実施していないという施設が、有床診療所で2施設ありました。インフォームド・コンセントにつきましては、「病院内輸血と同様に行っている」に「病院外専用のものを作っている」ということを加えても、90%ぐらいの施設で実施されています。

 輸血用の血液製剤を投与するときに、同意書の取得があるか、あるいは同意書を持っているかというところで、左側の図では全く行っていないという施設はありませんでした。同意書の有無の中では赤が「なし」なのですが、診療所の中にはお持ちになっていない所があるとの回答でした。血漿分画製剤については、その使用実績がないという所が多かったのですが、同意の取得については、有床診療所で数施設、同意書の有無に関しては、同意書「なし」という施設は診療所で何件か見られております。原料血漿の件は、先ほどの牧野先生のところと同じです。

11ページを御覧いただきたいのですが、輸血後の副作用発症時の対応策を決めているかという中では、病院内輸血と同様に行っているとか、連絡をもらって適切な処置を取るように決めているという回答が最も多く8割だったのですが、特に決めていないという施設も診療所にはありました。今回、赤血球輸血が必要な病態や在宅治療を行っている疾患について、お伺いしたのですが、悪性疾患で血液疾患や、その悪性疾患に伴う何らかの出血等で、輸血をしているということが分かりました。ただ、赤血球輸血が必要な病態の中に、「その他」が16ありましたので、ここは今は分かっておりません。

 もう1つ、通院困難の理由ですけれども、交通事情や寝たきり等が多いのかと考えておりましたが、未回答が結構多かったので、ここに挙げた理由以外の何らかの理由の存在が考えられます。実施・対応困難な項目ということで伺ったところでは、やはり有害事象に対する対応というところが、訪問看護ステーションや自分の施設は病院外輸血をしているという施設ですが、その裏のスライド15枚目では、在宅で実施困難な検査項目ということで、感染症マーカーの検査や、血液型の二重チェックということが挙げられております。

16枚目は在宅輸血の実施担当者を、このように分けたのですが、輸血中の付添い、抜糸に関しては、主に看護師さんが活躍してくださっています。あとは輸血実施者では、ドクターが一番針を刺すことが多いという結果でした。それから、輸血バッグの廃棄方法をどうしているか、確認したくて、この設問を付けたのですが、輸血実施施設で廃棄するという所が最も多く、連携病院で廃棄してもらっているという所が、次に多い回答でした。以上です。

○半田座長 ありがとうございました。それでは委員の方々、御意見をどうぞ。

○鈴木()委員 1-3マル1のほうですけれども、小規模医療機関とは、どのぐらいなのかと思ったら、300床未満とのことですが、普通は中小病院は病床数200床未満です。200床以上は大病院という分け方もあるぐらいで、中小病院を300床未満にする場合もあるのですが、いずれにしても300床未満を小規模とすることは、実際の数からいっても、大部分の病院を小規模ということで片付けてしまってよいか、無床の診療所まで入っていますね。

 大病院の先生方が中心の学会で調査するから、そういうことになるのだろうと思います。200床未満の病院が7割ですが、300床未満だと8割以上になると思いますが、特にそれ以上の病院でも精神病院や慢性期の病院を除いたら、本当にごく一部の大病院の先生方が全体を見ていることになります。病床の規模によって体制が整備されているとありますが、それは当たり前です。マンパワーが違いますから。

 今後地域包括ケアシステムの構築が進んでいくと、中小病院、有床診療所、介護施設や在宅で、どう対応するかを考えていかなければならなくなるのに、大規模な施設ほど、整っているからいいのだと言われても、問題は解決しないのです。中小の医療機関だけでなく、施設や在宅でどう対応したらいいかを考えていただかないと、大きな方向性とずれた議論をしているということになると思います。その点についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただけますか。

○北澤参考人 先生、御意見ありがとうございます。今までの御発表が全て小規模機関300床以下で、300から499までが中規模で、500床以上が大規模とずっとなっていて、実は私も3年前まで290床の病院におりまして、輸血のほうは一生懸命やっていたので、そこで小規模に入れられて、ちょっと憤慨していたほうなのです。それもあって、この100床ずつで切ってみると、どうなるかということで、実際ここで一昨年ぐらいから示しているように、実は100床未満の病院と診療所について、先生はお怒りになるかもしれないですが、輸血の管理が悪いというような結果になります。

 ところが私たちが輸血の管理がいいか悪いかと言っているのは、厚生労働省の指針にのっとった輸血の管理体制が取れているか、取れていないかということなのですけれども、その管理体制というのは、小規模の医療機関では、それが取れないということが分かっているので、小規模の医療機関でも使えるような指針を考えなければいけないということで、学会で小規模医療機関における輸血療法ガイドライン策定委員会というものを作りました。今、在宅における赤血球輸血の輸血ガイドというものを出して、それについて、この10月に輸血学会雑誌に載ることになっています。それについては在宅輸血を実施している先生方の御意見を多く聞いて、それを参考にして作りました。

 一方的に全て大きい病院などと同じようにしなさいと言っているわけではなくて、最低限ここだけは守っていただきたいという項目を作って、ガイドラインというと何か縛られると困るので、ガイドという形で出したところです。これから100床未満や診療所の先生方にもお役に立つようなガイドを作っていきたいということで、学会として対応しているところです。

○鈴木()委員 是非そういう方向で検討していただかないと、時代の流れとずれたことを、一部の大病院の先生方だけが自己満足でやっているという話になりかねませんから、それは見直していただくとして、まず、この小規模医療機関という文言を、せめて中小規模医療機関に、今すぐにでも直したらいかがですか。よろしくお願いします。

○北澤参考人 分かりました、ありがとうございます。

○半田座長 ありがとうございました。非常に現場に即した御意見だったと思います。ほかにもう1件いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。全体を通して幾つか非常に重要な御意見を頂いたと思います。つきましては事務局におかれまして、こういう御意見等々をよく参考にしていただいて、更に適正使用の推進に努めていただきたいと思います。また、今年度も本調査があると思いますから、学会の先生方も先ほどの意見等々を参考にして、より現実的な、将来に向けた方策が立てられるような、そういう分析の仕方を、是非していただければと思います。

 それでは続きまして議題2、「平成29年度血液製剤適正化方策研究事業について」、資料2の説明をよろしくお願いします。

○山本匠血液対策課長補佐 それでは資料2について、説明いたします。本事例は報告事項となります。こちら資料2は、「平成29年血液製剤使用適正化方策調査研究事業に係る企画募集要項」です。こちらは平成18年より実施している血液製剤使用適正化方策事業を、今年度も実施させていただいております。この事業は、各都道府県にある合同輸血療法委員会のうち、適正使用に資する研究計画を立てていただいた10件を選定し、調査研究を委託するものです。適正使用推進体制と事業計画が高評価のもの、また、適正使用推進体制と事業の発展性が高評価のもの、それぞれ5者程度を選定し、業者は重複しないように選定しております。

 今年度は18件からの応募があり、資料2の最後のページにある10件を選定しております。上から青森県、秋田県、山形県、埼玉県、茨城県、新潟県、兵庫県、広島県、福岡県及び大分県の課題を採択させていただいております。来年度も同様に事業を行う予定です。公募の日程等の詳細はホームページ等でも御連絡いたします。各地域の皆様方に御連絡の上、御応募いただき、適正使用の推進に向けて事業を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。説明は以上です。

○半田座長 今年度の調査研究事業の採択ですね。委員会名がそこに10件あります。いかがでしょうか。何か御意見等ありますでしょうか。先ほども御意見があったと思うのですが、やはりそれぞれの地域による適正使用の活動と、それから使用量の差がすごくあるということで、今、鈴木委員が帰られますけれども、御質問があったように、どのような方策を立てればいいか等、こういう研究事業の中から分析いただけたらと思いますが、この辺はいかがですか。

○山本匠血液対策課長補佐 これに関しては合同輸血療法委員会研究事業、また実態調査の結果も踏まえ、事務局のほうで検討させていただきたいと思っております。

○半田座長 ほかによろしいですか。それでは続きまして、議題3、「科学的根拠に基づいた小児輸血ガイドラインについて」、北澤参考人に再び登場願いまして、御説明をよろしくお願いします。

○北澤参考人 資料3-1を御覧ください。学会のほうのガイドライン委員会で、小児輸血指針策定に関するタスクフォース、それからAMEDの研究班として、科学的根拠に基づく輸血ガイドライン策定等に関する研究ということで、両方の委員で学会としてのガイドラインを考えました。委員はそこに書かれているとおりです。

 まずClinical Qusetion(CQ)として、2ページ目の()に4つ、新生児における赤血球輸血、血小板輸血のトリガー値、それからサイトメガロウイルスの抗体陰性血の適応疾患、また心不全を有する新生児における赤血球輸血のトリガー値ということで、このCQを掲げて、1995年から2014年までの文献を収集しまして、検索して出たものをそれぞれ分担して、推奨の文章を作っていったところです。CQの4番は、エビデンスなどは余りありませんでしたので、今回は取下げとしました。

 4ページの上の表を御覧いただきたいのですが、私たちは輸血細胞治療学会の中の委員会として作っておりましたけれども、輸血細胞治療学会だけで作っては、小児のほかの人たちに使っていただかないと困るということで、日本小児科学会や、日本新生児成育医学会、日本小児血液・がん学会や日本周産期新生児学会、日本産婦人科・新生児血液学会や日本小児外科学会等に、理事会それから委員の推薦、ホームページの公開と、メールで連絡していただいて、コメントの意見を募集したところです。その結果をまとめました。

 小児に対する輸血としましては、()の推奨等がありますが、最も使用しました文献はイギリスのガイドラインが主でした。特にこの4か月未満の新生児等を対象としたダブルブラインドなどの試験は、なかなか倫理的にできないものがあるので、大きな試験がなかったのですが、そのせいで推奨のレベルは低いのですけれども、文献を基に、このような推奨の文章を作ったというところです。以上です。

○半田座長 ありがとうございました。学会のエビデンスに基づいたガイドラインについてのお話です。続きまして、資料3-2を事務局のほうから、国のガイドラインについての案を説明していただきます。よろしくお願いします。

○山本匠血液対策課長補佐 資料3-2を説明いたします。机上配布資料1のほうを御覧いただければ同様のものとなっておりますので、こちらを御覧ください。「科学的根拠に基づいた小児輸血ガイドライン」、これを学会ガイドラインと呼ばせていただきますが、これを受けて国のほうの血液製剤の使用指針の小児の部分を改定するための案です。

 この改定案は、今回の適正調査会で委員の方々から御意見を頂いて、事務局でその御意見を基に修正した後、関連学会等からも御意見を頂き、血液事業部会等で審議して、改定の作業を進めていきたいと思っております。内容につきましては、この資料1と参考資料3が現行の小児の部分に関する指針となっております。また机上配布資料2が、今回の改定案で使った参考資料となっておりますので、御覧いただければと思います。

 それでは机上配布資料1の6ページからが、新生児・小児に対する輸血療法の部分ですので、網掛けのある机上配布資料を御覧ください。まず最初の前文ですけれども、現行の指針、こちらは6ページになりますが、赤血球液の適正使用の部分に、対象児を出生後28日以降4か月としております。今回、この学会のガイドラインと参考文献では「4か月まで」となっておりますので、改定案では「4か月までに限定し」としております。

 また、この新生児・小児の領域は、エビデンスも作るのは難しいという、その領域の特性に配慮して、「新生児・小児は多様な病態を示すため個々の症例に応じた配慮が必要である」と記載しております。「なお」以降に関しては、学会ガイドラインのCQ3、サイトメガロウイルス抗体陰性血の適応疾患に関する推奨を示しております。記載としては、「母体のサイトメガロウイルス抗体が陰性又は陽性と確認されていない場合に、胎児や新生児へ輸血用血液製剤を投与する場合は、可能であればサイトメガロウイルス抗体陰性の輸血用血液製剤を投与することを推奨する」。〔2C〕としております。

 続いて、赤血球の項目となりますが、こちらは学会のガイドラインのCQ1を受けて、新生児における赤血球輸血のトリガー値はどれぐらいかというものですが、これに関しては、6ページの学会のガイドラインの表1を参考にしております。項目としてはa)))と分けており、a)急性期を過ぎ、状態が安定している児、b)慢性的な酸素依存症の児、c)生後24時間の新生児、もしくは集中治療を受けている新生児と分けて、その下に、「なお、短期間の出血量が全血液量の10%を超えた場合は、患者の状態に応じて輸血を考慮する」と記載しております。それが表1を受けたところになります。

 続いて改定案の6ページの一番下になりますが、2)投与方法、a)使用血液の部分です。こちらは「採血後2週間以内」というのが、現行の指針になりますが、次のページ、3)使用上の注意、a)溶血の防止という部分に、「新生児に対する採血後2週間未満の赤血球液の安全性は確立されているが」という記載がありますので、そこと合わせる形で「未満」としております。

 また、こちらの記載整備の範囲ですが。3)使用上の注意、b)長時間を要する輸血という部分ですけれども、現行の指針では「6時間以内に輸血を完了する」また、「6時間以上を要する場合」と両方の記載がありますので、6時間ちょうどの場合での対応が不明瞭ということなので、「6時間以上を要する」を「6時間をこえる場合には」としております。

 続いて、血小板濃厚液の適正使用の項目になります。こちらは学会ガイドラインのCQ2を受けております。学会ガイドラインの4ページ、5ページとなります。CQ2で新生児における血小板輸血のトリガー値はどのぐらいかというところを受けており、「体重の少ない早産児で、特に生後数日以内である場合、凝固障害がある場合は、より高い血小板を維持することを推奨する」。〔2C〕としております。

 また学会ガイドラインの8ページの表4になりますが、こちらを受けて、1)血小板濃厚液の使用指針の部分を、a)))))と分けております。a)が「状態が安定した児で、出血症状がない場合は、血小板数が2〜3万/μLより少ない場合に、血小板輸血を考慮する」。b)「状態が安定してはいない新生児で出血症状のない場合、新生児同種免疫性血小板減少症の場合は、血小板数が3万/μLより少ない場合に、血小板輸血を考慮する」。c)「生後1週間以内の極低出生体重児の場合、出血症状を認める新生児の場合、侵襲的処置を行う場合には、血小板数を5万/μL以上に維持する」。d)「臨床的に不安定な場合、播種性血管内凝固の場合、大手術を受ける場合、大量出血、輸血を受ける場合は、血小板数を5〜10/μLに維持する」。e)「体外式膜型人工肺を使用している場合は、血小板数を10/μL以上に維持する」としております。新鮮凍結血漿に関しては、題名に「小児」を追加しているのみとなります。以上となります。

○半田座長 いかがでしょうか。確認ですけれども、今回の改定案というのは、事務局案ということでよろしいですか。

○山本匠血液対策課長補佐 事務局第1案として出させていただいて、小児の学会のガイドラインを受けて、これを入れ込むと、こういった案になるのではないかということを示させていただいて、こちらでの審議と、これからの調整を含めてやっていただいて、多くの意見を頂いた上で改定を進めていきたいと思っております。

○半田座長 多くのエビデンスに関しては、机上配布資料2というものですよね。これは学会のガイドラインもそうですけれども、これに基づいているということでよろしいわけですね。

○山本匠血液対策課長補佐 はい。こちらが学会のガイドラインでも使用されておりまして、学会のガイドラインで出していただいた表は、こちらの参考文献のほうにありましたので、これを受けて血液製剤の使用指針の小児の部分に入れ込んでいるという形で、作らせていただきました。

○薄井委員 6ページの赤血球のトリガーポイントのところですが、例えばa)は、「Hb7g/dLの場合」と書いてありますが、これは以下ということですね。

○山本匠血液対策課長補佐 はい、以下ということです。

○薄井委員 その後も全部そうなのですが。未満とか以下という言葉を入れておかないと、ほかは入っているのですが、ここは入っていなかったので、トリガーポイントというのは、例えば学会のガイドラインの4ページのところはヘモグロビン値が7g/dLにするという、トリガー値ですので、7gを切ったときに、赤血球輸血をするということだと思うのです。そう読むのでしょうけれど、一応きちんと書いていただいたほうがいいかなと思います。

○山本匠血液対策課長補佐 ありがとうございます。

○半田座長 ほかにいかがでしょうか。

○稲田委員 2点ほど質問があるので、まずは1点目、6ページの下から5行目でしょうか、「短時間での失血量が全血液量の10%」というものがあるのですが、ここでこういった新生児とか乳児の血液量の計算というのは、体重の7%、あるいは8%、どちらで計算してということなのでしょうか。

○山本匠血液対策課長補佐 こちら、表1の「全血液量の10%」という表現をこちらに持ってきましたので。

○稲田委員 全血液量の推定値ということですか。

○山本匠血液対策課長補佐 推定値と読んでおりましたが。

○稲田委員 例えば、3kgの新生児だったら、7%だったら210mLだし、8%だったら240mLが推定全血液量になるので、その辺は子供だと30mLは結構大きな差なので、どちらで計算したらいいのかなと。どちらにしても使われる方が使いやすいように、ちょっと目安を書いておいてあげないと、全血液量はどのぐらいになるのだろうという疑問が出る可能性があるかと思います。

○山本匠血液対策課長補佐 検討させていただきます。

○稲田委員 あと2点目は、7ページの真ん中辺り、今回の改定には入っていないですが、白血球除去フィルターについて、それから溶血の話があって、そして最後のところに「白血球除去フィルターを使用する必要はなくなった」という記載があって、この辺は実際に今の時代に見合ったものに変えて、上のところは少し割愛してもいいのかなという気がいたしました。

○山本匠血液対策課長補佐 ありがとうございます。

○半田座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。これに関しては学会で実際にガイドラインに携われた委員の先生方もいらっしゃると思いますし、これは事務局案ということですが、いかがでしょうか。今、何か御意見等々ありますか。北澤参考人も含めて何かありますか。

○北澤参考人 梶原委員とともに私と大戸先生とも十分に相談して作りましたので、私たちの意見は全て吸収していただいております。

○半田座長 では既に、ある程度のすり合わせはされている案ということでよろしいわけですね。ほかにいかがですか。1つ私のほうからですが、この「小児」というのは、一応4か月までということなのですが、ガイドラインの1番のタイトルは「新生児・小児」となっているのですね。ただし書として4か月とあるのですが、これは小児全般に受け取められてしまうという可能性はいかがなのでしょうか。

○北澤参考人 恐らく、今まで使っていた指針等についても、「28日まで」と記載されておりましたので、一般の年長児はどうするのだという話は、私たち小児科医の中でもしておりました。一般的にある程度大きくなってくると、成人のガイドラインを参考にして十分できます。ですから、一番困っているのは、4か月未満などの小児だということで、いろいろと参考にした文献が、ほとんど新生児や1か月未満、あるいは4か月未満のガイドラインなどでしたので、そこまでということで今回は入れていただいたということです。

○半田座長 いや、タイトルが「新生児・小児に対す輸血療法」となっているので、中は見ないで、このタイトルだけ見た場合、小児全部に掛かってしまうのかなと、一瞬やはりそういう誤解が生じる可能性があるわけです。これを例えば「小児」というのをもう少しいい言葉で、「4か月未満」というのを何かほかにありますか。

○北澤参考人 実際には乳児という言葉なので、本来は新生児・乳児でもいいかもしれないのですが、そうすると「小児」という言葉が消えてしまうのが、少し困るかなと思っています。

○半田座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。特にありませんか。

○大戸委員 先ほどの稲田先生の循環血液量の計算ですが、新生児の4か月までの循環血液量は、大抵の教科書には体重当たり8%ないし9%に近いという数字もあります。

○稲田委員 その意味で、読む方がはっきり分かるものを示してあげたほうが、本当は例えば8〜10ぐらいを書いてあるのですが、おおむね8ぐらいが普通は使われている数字かなと思ったので、御質問しました。

○山本匠血液対策課長補佐 ありがとうございます。全血液量という記載に関しては、また検討させていただきたいと思います。

○大戸委員 あと、意見もよろしいですか。6ページの一番下の行、「採血の2週間未満の赤血球液を使用する」と断定を避けて、例えば「するのは望ましい」とか「するのを基本とする」とか、にしていただくと有り難いのですが。

○山本匠血液対策課長補佐 こちらの記載に関しても、検討させていただきます。ありがとうございます。

○半田座長 ほかによろしいでしょうか。

○大戸委員 7ページのブルーのラインで、「より高い血小板を維持する」を、「血小板数」と「数」を入れてもらえますか。

○山本匠血液対策課長補佐 ありがとうございます。

○半田座長 ほかによろしいでしょうか。それでは、指針の改定については、先ほども事務局のほうから説明があったと思いますが、これから今回の御意見を参考にして、もう一度成案を作っていくということで、今後の修正の内容については、座長預りということで、お認め願いますでしょうか。

(異議なし)

○半田座長 ありがとうございました。それでは事務局におきましては、本調査会の意見を踏まえて、修正案を策定して、関係各所の調整をよろしくお願いしたいと思います。ほかに特に何かありますでしょうか。大丈夫でしょうか。それでは次回の日程等々について、後日また事務局から連絡させていただきたいと思います。本日は御多忙のところ、ありがとうございました。閉会にさせていただきます。


(了)

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