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2017年10月27日 第148回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成29年10月27日(金)16:00〜19:00


○場所

ベルサール神田 ホール(2階)
東京都千代田区神田美土代町7


○出席者

安部、安藤、井口、石田、石本、伊藤、稲葉、井上(間利子参考人)、小原、亀井、齋藤(訓)、齊藤(秀)、鈴木、瀬戸、高野、武久(池端参考人)、田中、田部井、東、福田(福田(貢)参考人)、本多、松田(敬称略)

○議題

1.平成29年度介護事業経営実態調査の結果について
2.平成30年度介護報酬改定に向けて(基本的な視点、地域区分、福祉用具貸与)
3.その他

○議事

○鈴木老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第148回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、まことにありがとうございます。

 分科会の開催に当たりまして、委員の変更がございましたので御紹介させていただきます。

 全国健康保険協会理事長の安藤伸樹委員でございます。

○安藤委員 協会けんぽの安藤でございます。よろしくお願いします。

○鈴木老人保健課長 ありがとうございます。

 本日の委員の出席状況ですが、大西委員、河村委員、堀田委員より御欠席の連絡をいただいております。また、本日の委員におきまして、井上隆委員にかわり間利子晃一参考人、福田富一委員にかわり福田貢参考人、武久委員にかわり池端幸彦参考人が御出席する予定となっております。

 以上により、本日は19名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。

 それでは、冒頭のカメラ撮影につきましては、これまでとさせていただきます。撤収の方、よろしくお願いいたします。

(カメラ退室)

○鈴木老人保健局長 以降の進行につきましては田中分科会長にお願いいたします。

○田中分科会長 皆さん、こんにちは。

 本日は、平成29年度介護事業経営実態調査の結果について報告を受けます。それとともに、平成30年度介護報酬改定に向けた2巡目の議論の初回として、基本的な視点、地域区分、福祉用具貸与について御議論をお願いします。

 事務局より、資料の確認をよろしくお願いします。

○鈴木老人保健課長 事務局よりお手元の資料について確認をさせていただきます。

 まず、議事次第と委員名簿がございます。その後ろに、資料1から資料2、資料3、資料4、資料5、資料6、資料7、最後に資料8。資料8については「福祉用具貸与の報酬、基準について(案)」です。資料は全部で8種類ございます。また、参考資料といたしまして、参考資料1から全部で参考資料10までを添付させていただいております。

 番号、資料に不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

○田中分科会長 ありがとうございました。

 ここから、議事次第に沿って進めてまいります。なお、議事進行に当たっては、事務局は資料説明を簡単に行うとともに、各委員におかれましても、発言を簡潔に行っていただくよう、毎回ですが、引き続きお願いいたします。

 まず、議題1「平成29年度介護事業経営実態調査の結果について」を、事務局から説明をお願いします。

○鈴木老人保健課長 資料の1、2、3が該当しますので、御説明させていただきます。

 まず、資料1「平成29年度介護事業経営実態調査結果の概要(案)」でございます。今回の調査につきましてですが、あけていただいて、3ページをご覧いただければと思います。今回の調査につきましては、前回の調査の方法を見直しまして、下の図になっておりますが、旧実態調査におきましては、改定後2年目の3月、1カ月分のデータを把握するということになっておりましたが、今回、見直しをしまして、改定後2年目の1年分のデータを把握することになったところでございます。したがいまして、改定後の3年目の5月に調査をいたしまして、改定後2年目の1年分の収支状況、いわゆる決算をいただいて、今回、集計をさせていただいているところでございます。

 戻っていただきまして、1ページ目でございます。調査の目的につきましては、ここに書いてあるとおりでございます。調査時期につきましては、平成29年5月で、平成28年度の決算を調査しております。対象につきましては記載のとおりでございますが、今回の有効回答率につきましては47.2%で、前回、平成28年の概況調査の47.2%と同様の回収率となったところでございます。

 結果でございますが、各サービスにおける収支差率ということで、一覧にさせていただきますが、全サービスの平均、これは全サービスについて、いわゆるサービス毎の費用額の構成比に基づいて加重平均させたものでございますけれども、平成29年度の調査におきまして、平成28年度決算額、全サービスの平均になりますと3.3%。平成28年度の概況調査で同様に行いますと3.8%になりまして、マイナス0.5%の減になっております。それぞれここにつきまして、施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービス、それぞれ記載しておりますが、サービス毎の詳細な説明については省かせていただきます。

 2ページ目は、サービス毎の収支差率及び給与費の割合を、平成28年度概況調査と比較しております。平成29年度の実態調査が右側になりますが、読み方につきましては、収支差率を書かせていただきまして、その次に収入に対する給与費割合を掲載しているところでございます。例えば、一番上にあります介護老人福祉施設の場合ですと、平成26年度決算の収支差率が3.0%。括弧内は税引き後の数字になります。収入に対する給与費割合は、平成26年度決算ですと62.6%。片や平成27年度決算になりますと、それぞれ2.5%と63.8%。今回ですけれども、実態調査におきまして、平成28年度の決算におきましては1.6%と、64.6%がいわゆる収入に対する給与費の割合ということで、これにつきまして、全サービスについてそれぞれ計算をさせていただいているところでございます。

 続きまして4ページになりますが、有効回答数及び有効回答率の状況ということで、サービスごとに調査客体、有効回答数、有効回答率を載せておりまして、黒い太字で囲まれているものが今回の実態調査の結果になっております。一番下が合計欄になっておりまして、合計しますと回収率については先ほど申しましたとおり47.2%。平成28年度概況調査につきましては47.2%ということで、前回の概況と同等の有効回答率を得ているところでございます。ちなみに平成26年度の実態調査につきましては、48.4%であったということでございます。

 5ページ目は、これも参考に載せさせていただいておりますが、各サービスの状況ということで、これにつきましてはここに書いてあるとおりでございますが、延べ利用者1人当たりの収入もしくはサービスによっては1回当たりですとか、実利用者1回当たり、1カ月当たりとなっておりますが、それぞれ延べ利用者1人当たりの収入と延べ利用者1人当たりの支出を比較できるよう対照として算出しているところでございます。それから、再掲になりますが、収入に対する給与費の割合、収支差率を一覧で見られるような形にさせていただいております。

 概要の資料につきましては以上でございますが、資料2につきましては、これらにつきまして、サービスごとに総括表として載せさせていただいております。あけて1ページ目につきましては、先ほどから申しているとおりの調査の概要が書かれております。

 2ページ目に表1から表22というものがありますが、これはサービスごとの収支について、細かく収支差率、収入の部分、支出の部分等についてのデータを載せているところでございます。最後に参考表とございますが、これは前回の報酬改定、平成27年の報酬改定におきまして、通所介護につきましては、通常の規模であれば通所介護、小さいものにつきましては地域密着型通所介護と分けさせていただいておりますが、総括表のほうにはそれぞれ通所介護と地域密着型通所介護と分けて記載しているところでございます。それ以前のデータと比較が可能となるよう、この通所介護と地域密着型通所介護を合わせた収支の科目を参考表として挙げさせていただいているところでございます。

 3ページからが表の説明になりますが、それぞれ、前回の概況のときにもお話をさせていただきましたが、特養を例にしますと1番から4番が介護事業収益ということで収入の部分、5番から9番が介護事業費用ということで、ここが支出の部分。あとは10番、11番、12番でそれぞれ介護事業外の収入と介護事業外のいわゆる支出の部分。あとは特別損失。そういったものを差し引きまして、15番にありますが、いわゆる収支差の額と収支差率が計上されているところでございます。あとは税金の関係で、税引き後につきましては17番で再掲をさせていただいておるところでございます。前回、概況調査のときにもお話をさせていただきましたが、いわゆるキャッシュフロー部分につきましては、19、20、21番のところで計算をさせていただいておるところでございます。22番以降につきましては、それぞれの施設、事業所におきます平均的な定員ですとか利用者数、そういったものをずっと載せているところでございます。あとは下にありますグラフですが、これが全体的に、いわゆるどういった分布を示しているのかということについて各表を全て並べさせていただいているところでございます。これが資料2になります。

 資料3につきましては、今の別表をさらにクロス集計したものということで、参考表としてつけさせていただいているところでございます。1ページ目をあけていただきますと目次になるので、ここで見ていただければと思いますが、先ほどの第1表から第22表プラス参考表それぞれにつきまして、まずは地域区分別にどのようになっているのかということで、地域区分別で分けた。クロスをかけたもの。それから、経営主体別にクロスをかけて分けたもの。その下にそれぞれ定員規模ですとか実利用者ですとか延べ利用者、延べ訪問回数というものがありますが、これにつきましては、各事業所で収入の形態が変わってきますので、それぞれ比較ができるような形で規模もしくは利用者、回数等々で分けさせていただいておりまして、これの中は、どこかのサービスがこの4つの分類の中のどこかに入るという形でクロス集計をさせていただいております。

 最後になりますが、ユニット別ということで、第89表をつけさせていただいたということで、こういったクロス集計の表もさせていただいているところでございます。

 なお、参考資料9として、一昨日、財政制度等審議会におきまして、平成30年度介護報酬改定に関する財務当局の基本的な考え方が示されておりますので、それを参考資料として配付させていただいているところでございます。

 説明につきましては、以上です。

○田中分科会長 ありがとうございました。

 ただいま説明のありました事項について、御意見、御質問がありましたらお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 今回の実調の結果について話をさせていただきます。このデータを見ますと、全サービス平均の収支差率は3.3%。前回の平成26年度の実調では7.8%出ていたわけですから、今思うと随分高かったのですが、それよりも大幅に低下しているだけでなく、前年度の概況調査よりもさらに0.5%のマイナスになっており、さらに悪化しております。

 特に税引き後の収支差率を見ますと、施設サービスは全て3%以下、居宅サービスと地域密着型サービスも全て5%未満であり、大きく低下しているという状況でございます。一方、収入に対する給与費の割合は60%台から80%台というものもあるわけですけれども、人手不足もありまして、多くのサービスでさらに人件費が増加していますので、経営を一層悪化させております。こうした結果から、平成30年度の次期介護報酬改定に向けては、大幅なマイナス改定を繰り返すということは避けるべきであり、少なくとも質の高いサービスを提供している事業者が経営を維持できるように、めり張りのある改定を行う必要があると考えます。

 以上です。

○田中分科会長 本多委員、お願いします。

○本多委員 今回の実態調査結果では、収支差率が全サービス平均で3.3%になっており、前回改定時ほどではないものの、今後、さらに高齢化が急速に進むことや、中小企業の状況などを勘案すると、決して悪い状況ではないと思います。介護費用は、以前から申し上げているとおり、現在約10兆円の費用が、2025年には約20兆円に膨らむと見込まれている中で、保険料負担が増加していくことや、費用増のスピードは医療より介護のほうが速いことからも、財政の見通しは介護のほうが厳しいのではないかと思います。

 今後、介護給付費の伸びが増加する一方で、その支え手である就労者が減少していくことから、介護保険制度の持続可能性の観点から見ると、プラス改定する環境にはないと思います。従って、次回以降の議論においては、サービス提供の実態を踏まえた適正化と、サービスの効果的、効率的な提供をしっかり検討していく必要があると思います。

 また、平成29年度には、プラス1.14%の臨時報酬改定を行っており、この先行実施した改定分の保険料負担増についても十分踏まえる必要があると思います。改定率は最終的に政府で決定されるものと承知しておりますが、平成27年度改定ではマイナス2.27%の改定率にもかかわらず、高齢化等の影響で介護給付費は約4%増加し、介護費用の伸び率としては2.3%程度の増という数字も出ておりますので、少子高齢化の進展を踏まえた改定率にすべきだと思います。

○田中分科会長 間利子参考人、どうぞ。

○間利子参考人 我々の受けとめを一言申し上げたいと思います。平成28年度決算の部分を見ますと、先ほど本多委員からも言及がありましたように、ばらつきがありますものの、総じて収支差率がプラスとなっていると受けとめております。公的保険制度の中で、保険料を負担している立場から、保険料自体も増加していることなどを踏まえますと、収支をより均衡させる方向で効率化を図ることが望ましいと考えております。制度が保険料や税財源をもとに限られた財源の中で運営されておりますこと、また、2017年度期中のプラス改定を行ったことも踏まえますと、今次改定において全般的な報酬水準の引き下げを図るべきだと考えます。

以上です。

○田中分科会長 稲葉委員、どうぞ。

○稲葉委員 収支差率のことが話題になっておりますが、全サービス平均の収支差率が3.3%であると示されました。収支差率については、これまで一部の新聞などで、一般の中小企業の利益率と比較するなどの報道がされたりしたこともありますが、事業者にとっては、経営の実態はとても厳しい状況にあります。そうした中でも、介護人材の確保及び処遇改善への努力は続け、資料1の2ページにあるように、平成26年度決算、平成27年度決算、平成28年度決算と、収入に対する給与費の割合はおおむね増加しております。そして、その傾向はさらに続くと考えられます。

 事業者としましては、人材確保の観点から処遇改善に努力していかなければなりません。しかし、これ以上の収支差率の低下は、実態調査にはあらわれない質の低下やトラブルの増加などにつながるのではないかと心配しております。今回の収支差率の評価にあたっては、報酬引き下げが考えられるような実態にはないということをはっきりと申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

 以上です。

○田中分科会長 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 今回、平成28年度と平成29年度の収支差率が明らかになりました。その要因の分析であるとか、サービスごとの報酬のあり方につきましては、次回以降、さらに議論を深めていくことになると思いますが、我々、第2号被保険者である現役世代の加入者を抱える身としましては、既に限界的な水準にあると考えております。急速な少子高齢化で制度の支え手が減少しているという中で、制度の持続可能性の確保といった視点は欠かすことができないと考えており、世代間の公平といった観点も踏まえて適正化ができる部分については確実に適正化を行っていくべきであると考えております。

 以上です。

○田中分科会長 瀬戸委員、お願いします。

○瀬戸委員 介護サービス全体の平均3.3%は大変厳しい状況ですけれども、特に特養は1.6%と他のサービスと比較しても大変低い水準になっています。介護保険制度の持続可能性は確かに大事な視点ですけれども、事業者の持続可能性ということも考えなければいけないのではないかと思いますし、そういう制度設計にしなければ、サービスの質の向上はもとより処遇改善等も継続できずに、介護保険制度そのものがサービス事業者の側から崩壊していくのではないかと思いますので、本体報酬の増額を求めたいと思います。

 また、参考資料10で、今年度の全国老施協収支状況等調査の資料を出させていただきましたが、実は、赤字施設が33.8%となっています。公定価格に沿ってやっているサービスの中で33%も赤字になるということは、積算根拠自体に問題があるのではないかと思いますので、基準費用額等も含めて具体的な積算根拠の検証をすべきではないかと思います。

 また、この赤字施設でも、積極的に加算算定をしているということも我々の今回の調査ではわかっているのです。参考資料9財政制度等審議会の資料の6ページに、加算算定の施設の収支差がよい、良好と書かれていますが、今言いましたように、加算をきちんととっていても赤字施設はたくさんありますので、加算がとれれば経営状況がよいという実態ではありません。しっかりとケアが充実して、事業者が取り組みの意欲が持てるような加算体系も考えるべきだと思います。

 以上です。

○田中分科会長 東委員、お願いします。

○東委員 今、老施協(全国老人福祉施設協議会)からのお話があり、資料も出ておりましたが、私ども全老健の調査でも、赤字施設は3割を超えております。先ほど稲葉委員からの御指摘もございましたが、資料1の2ページ、老健施設の人件費(給与費)の割合も毎年増えている状況でございます。6割を超えている人件費は、やはり異常だと思わざるを得ません。

 さらに、参考資料9に財政制度審議会の提出資料(7ページ)が出ておりますが、前回改定では中小企業と介護サービス事業者の収支差率が比較され、今回は中小企業の対人サービスと比較されています。そういう介護報酬をマイナスにするために持ってきたとしか思えないような比較材料はやめていただきたいと思います。強く要望いたします。

 それから、本年度介護職員処遇改善加算が1年前倒しでございました。それも先ほど御指摘がございましたが、介護職員処遇改善加算は、皆さん御存じのように介護職員の給与に全て使われるものでございます。これは経営の原資にしたり、ほかの職種の給与に充てたりすることは全くできません。そういう意味で、介護職員処遇改善加算の分をプラス改定と見て改定率を議論することも私はおかしいと思っておりますので、そこも強く主張したいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 小原委員、お願いします。

○小原委員 居宅介護支援については、全体としてはマイナスになっているのですが、資料3の58ページを見ますと、実利用者数階級別に見た場合、収支がプラスになるのは101人から150人の層で、介護支援専門員の常勤換算数が3.5人であることがわかります。また、81人から100人の層では、介護支援専門員常勤換算数が2.7人では収支がマイナスという結果が出ております。居宅介護支援の事業規模や利用者数に応じた方策を行って、公正中立または質の向上につなげていく議論が必要だと思います。よろしくお願いします。

○田中分科会長 田部井委員、どうぞ。

○田部井委員 認知症の人と家族の会で、利用者の立場からしますと、私は、これでもっと報酬を下げるとか、そういうことになったら一体どういうことになるのだろうかと。今でも正直に言いまして、いろいろな会議などにも出ますけれども、介護の事業をやっている人は余り元気がないですね。本当にこれから、希望を持っていい介護をして、高齢になっても安心して過ごせるような事業をどんどん充実させて展開していこうという雰囲気になっているかというと、そうではないのです。

 それで人材は不足だと言われていて、ちょっと収支差率がよくなったと言えば、もう切り下げるという話になるような業界に、誰が働きたいと思って来るでしょうか。そういうところで、そこが充実しなかったら、私たち介護者は生きていけないわけです。充実しなくてもいいという、あるいは下げてもいいという意見もありますけれども、その方たちはどうやって、では、これ以上介護のあれが切り下げられて、御自分で介護を乗り切っていけるだけの財力があるのでしょうか。私などは、この制度がもっと充実しなければ、介護はとてもではないですけれども、乗り切っていけないです。

 今よりも充実させる方向で何とか知恵を絞るのが、先ほど東先生がおっしゃっていましたけれども、下げるための資料を準備するようなことは、財務省はそうだと思うのですが、厚生労働省はそのままその資料を流用するようなことはぜひやめていただいて、社会保障に真剣に取り組んでいく。そういう観点から独自の資料を用意して、議論をこれから進めていただくよう御配慮いただきますように、ぜひお願いしたいと思います。

○田中分科会長 石本委員。

○石本委員 田部井委員が今、利用者の立場でということで、私たちは働く者の立場として申し上げさせていただきたいと思います。人材不足がこれだけ叫ばれている中におきまして、魅力のある業界でない限り人は入ってこない、もしくは定着しないというのは十分御認識かと思います。そういった中において、やはり事業所、法人において安定的な経営ができるということがない限りは、その中で質の高い人材を養成していく、またはそういった方々が地域で活躍するというフィールドはでき上がらないだろうと思います。

 私ども介護福祉士会という働く当事者の団体としても、これ以上の引き下げは決して好ましくない。介護離職ゼロということを国がうたっております。在宅で支えましょうということを国が進めている中で、これ以上の引き下げは逆行するものではないかという感覚を持っておりますので、ぜひ善処していただけるように、今後の議論をよろしくお願いします。

 以上です。

○田中分科会長 池端参考人、お願いします。

○池端参考人 武久洋三にかわりまして、参考人として参加させていただきました。一言御発言させていただきます。

 今まで、田部井委員も含めて皆様がお話ししたとおりだと思いますし、私も、施設の代表としましても、老施協、全老健と同じように、とても下げられる環境ではないと思います。特に先ほどもありましたけれども、中小企業との比較ということ。この介護の業界は、かなり厳しい施設基準があり、人員配置等のきちんとした基準もあり、公定価格でやっているわけです。一般の中小企業は頑張って、少し価格を考えようかとか、人減らしをしようかということで何とか努力することはできる。それが全くできない状況にあって、ほぼ自由度が少ない。かろうじて加算をとるか、とらないかぐらいで努力して、もう限界が来ている。本当に、特に中小の規模の病棟やサービス事業者では、本当に皆、特に管理者の顔色がない。自分たちがかぶって、自分たちが24時間働詰めで何とかやっているところも随分あります。この数字を出して、さらに下げなければいけないという議論をすること自体が、本当にナンセンスだと私は思っています。非常に強く憤りを感じるぐらいですので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思います。

○田中分科会長 議題1については、ほかによろしゅうございますか。これから、個別のテーマごとにまた議論していくことになります。ありがとうございました。

 次に、議題2に移ります。議題2は幾つかのテーマがあります。まずは事務局よりまとめて資料説明を行っていただき、その後、テーマごとに分けて質疑を行います。御了承ください。お願いします。

○鈴木老人保健課長 それでは、御説明させていただきます。

 まず、私からは、資料4、5、6に絡むものでございますが、平成30年度介護報酬改定に向けた基本的な視点ということで、御説明をさせていただきます。詳しい文章につきましては、資料5で書いておりますけれども、資料4を使って御説明させていただければと思います。

 今回の介護報酬を改定するに当たっての基本的な視点ということで、最初に申しておきますが、本日、これを決めるというものではございませんので、いろいろな御意見をいただいて、最終的に今回の審議報告の中でまとめたいと思っているところでございます。

 第1に、改定に当たっての基本的認識でございますが、今回、人生100年時代を見据えた社会の実現に関する議論も行われているということがございますので、いわゆる2025年の人口構造の変化も見据えつつ、国民一人一人が安全、安心で効率的、効果的な質の高い介護が受けられるようにすることが必要ではないか。特に、いわゆる2025年に向けて、国民一人一人が住みなれた地域で、安心して暮らし続けられるよう、今、進めております地域包括ケアシステムを各地域の実情に応じて構築していくことが重要ですと。

 3ポツ目になりますが、そういった観点の中、介護サービスにつきましては、高齢者の自立支援、重度化防止に資するものであることが求められているということで、平成29年度の制度改正におきましても、この観点からの見直しを実施しています。

 一方、少子化が進展するということがございますので、介護を必要とする者が増大する一方で、その支え手の減少が見込まれているということで、今なお、人材の確保は非常に厳しい状況にある。

 最後のポツになりますが、介護に要する費用は大きく増加しているということで、制度の安定性、持続可能性を求める取り組みが求められているというのが現状としての基本的認識と書かせていただいております。

 これを踏まえまして、今回の介護報酬改定に向けた基本的な視点といたしまして、4つの視点を掲げさせていただいております。第1に、地域包括ケアシステムを推進していくという視点でございます。これにつきましては、例示としてここに書いてありますいわゆる医療、介護とみとりの問題といったものをきちんと実施していく体制。医療、介護の役割分担と連携の一層の推進ですとか、関係者間の情報共有を踏まえた円滑な情報共有と対応の推進。それから、各サービスに求められます機能の強化、ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保、認知症高齢者への対応、共生社会の実現。こういったものを行いながら、地域包括ケアシステムを推進していくという視点で考えてはどうかということ。

 2点目が、自立支援、重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現で、これにつきましては大きく2つございますが、高齢者の自立支援と要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止に資する介護サービスを推進していこうということ、介護サービスの安全、安心を確保する観点からの取り組みを推進していこうという観点がございます。

 3番目になりますが、多様な人材の確保と生産性の向上です。これにつきましては専門性などに応じた人材の有効活用ですとか、これまでもお話がありましたロボットですとかICTといったものの活用。こういったものを活用することによる人員、設備基準の緩和を通じたサービスのいわゆる効率化の問題。

 4点目が介護サービスの適正化、重点化を通じた制度の安定性、持続可能性の確保ということで、これにつきましては評価の適正化、重点化ですとか報酬体系の簡素化。

 こういった4つの視点をもとにしたらどうかということで提案をさせていただいているところでございます。

 資料6につきましては、今後、これらの視点を踏まえながら、実際にサービスごとにお話をさせていただきますので、そのスケジュール、進め方について御説明させていただきます。資料6でございますが、実際には平成29年度、ことしの10月27日、本日でございますが、介護事業経営実態調査の結果を公表させていただき、報酬改定に向けた基本的視点等についての御議論をいただく。

 11月上旬以降につきましては、サービスごとに報酬、基準についての具体的な問題提起と対応案について提示をさせていただき、それについての御議論をいただくということになります。原則として11月に、いわゆるサービスごとの個別のサービスにつきましては、週1回ペースで議論していって、最終的に審議過程において、さらに検討が必要だということがわかり次第、また適宜、議論していくということになります。

 12月の上旬につきましては、まずは基準に関する基本的な考え方を取りまとめまして、12月上中旬において介護報酬改定の基本的な考え方を取りまとめるというスケジュールでございます。

 その後、年末に平成30年度政府予算案の編成が行われまして、その予算案の結果を踏まえまして、来年以降、1月中旬以降に、いわゆる基準省令に関する事項、介護報酬改定案、具体的な点数、基準等を書いておりますけれども、そういった改定案について諮問、答申をさせていただいて、最終的に4月から報酬改定というスケジュールを考えているところでございます。

 まず、基本的視点につきましては、以上でございます。

 続きまして、資料7になります。具体的な個別の問題といたしまして、まずは地域区分について、本日は議論をしていただければと思っております。あけていただいて1ページ目でございますが、これまでの議論における主な意見についてということで、地域区分につきましては、昨年度、平成29年度介護報酬改定に関する審議報告の中で既に方向性が決まっておりまして「(2)その他」の2パラ目になりますが、地域区分については、引き続き、現行の設定方法を原則としつつ、隣接地域とのバランスを考慮し、なお公平性を確保すべきと考えられる場合について、特例を設けることが適当であり、具体的には、隣接地域全ての地域区分が当該地域よりも高くなる地域については、当該地域の地域区分の設定値から隣接地域のうち一番低い区分までの範囲内の区分を選択できる。これについては、逆、いわゆる周りが高くて当該地域が低い場合についても同様ということで、承認いただいております。

 そういうことを踏まえまして、2ページ目になりますが、級地の設定についてとなっております。論点1として挙げさせていただいております地域区分につきましては、平成29年度介護報酬改定の審議報告により、特例、いわゆる完全囲まれルールと経過措置の適用について、自治体の意向を確認した上で平成30年度改定で実施することが適当であるとされております。上記を受けまして、自治体に対して地域区分に関する意向調査を行ったところであり、その結果を平成30年度から地域区分の級地に反映してはどうかという論点になります。

 対応案につきましては、自治体の意向を取りまとめて作成した「平成30年度から平成32年度までの間の地域区分の適用地域の一覧(案)」のとおりにしてはどうかという対応案を提案させていただきます。

 次の3ページ目でございますが、今回、特例措置を行う自治体の数について記載させていただいております。1番として、完全囲まれルールの対象となる自治体については68自治体でございます。その後、アンケート調査をさせていただきまして、このうち今、予定となります適用自治体につきましては、28自治体の御回答がございました。そのうち引き上げを希望する自治体が5、引き下げを希望する自治体が23となっております。

 現在経過措置を適用中の自治体につきましては118自治体。そのまま経過措置の対象となっておりますが、118自治体のうち88自治体におきましては、平成30年度以降も経過措置を継続したいということで、その中でもいわゆる最終的な設定値よりも引き上げるというところが3自治体、最終的な設定値よりも引き下げて経過措置を延長したいという自治体が85自治体ございます。経過措置を終了したいという自治体が30自治体ございます。

 2ポツ目でございますが、平成30年度より現行の級地から変更がある自治体につきましては、そういった意味で、全体で級地の変更がある自治体は、最終的には全部で48自治体。引き上げが48、引き下げが0自治体で、その内訳でございますが、完全囲まれルールを適用することによって引き上げが4自治体、経過措置の変更によって14自治体。経過措置が終了することによって最終的に引き上げになるところが27自治体。広域連合を新設するということで、結果的に引き上げになっている自治体が3自治体という結果になっているところでございます。

 4ページが、今回、新たに、いわゆる完全囲まれルールと経過措置について適用した場合の最終的な姿になっておりまして、アンダーラインを引いている自治体につきましては、今回、そういったことで完全囲まれルールまたは経過措置等で変更するということです。

 5ページにつきましては、地域区分の設定につきましての説明ですので、省略します。

 6ページで論点2を挙げさせていただいておりますが、地域区分につきましては、いわゆる級地だけではなくて、各サービスにおきます人件費割合がございます。それにつきまして、論点2といたしまして、各サービスの人件費割合について、財政中立を原則としつつ、人員配置基準に基づく人件費割合を精査の上、必要に応じて見直しをしてはどうかということで、提案をさせていただいております。

 それにつきまして、対応案でございますが、人件費割合については、平成29年度介護事業経営実態調査の特別集計をし、その結果を踏まえて、必要に応じて見直しをすることとしてはどうかということでございまして、これは何を言っているかといいますと、7ページをごらんいただければと思います。下のほうに表がありますが、最初の論点1につきましては上にあります1級地からその他級地についての論点でございましたが、論点2につきましては、ここにあります人件費割合。今、70%、55%、45%ということで人件費割合を決定させていただいて、それに該当するサービスをそれぞれ定義しておりますが、この割合について変更があるか、ないかということについてでございます。これは重ねて申しますが、平成29年度の実態調査の特別集計後、きちんと必要に応じて見直しをするという対応方針でどうかということになります。

 ちなみに、6ページに、過去に人件費割合の見直しを行った経過について記載させていただいておりますが、平成27年度におきましては、短期入所生活介護について45%から55%まで引き上げた。平成24年度の介護報酬改定では、訪問看護を55%から70%に引き上げたということが実際に行われているところでございます。

 地域区分につきましては、以上でございます。

○武井高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。お手元に資料8「福祉用具貸与の報酬、基準について(案)」の御用意をお願いいたします。

 表紙をめくっていただきまして、まず、これまでの議論における主な御意見についてでございます。1つ目の○で、上限価格の設定をする際、例えば新しい商品や販売量の少ない商品でも確実に実施するべきではないかという御意見。2つ目の○は、運営に当たってはくれぐれも利用者や事業者の事務手続が煩雑にならないように配慮するべきという御意見。3つ目の○でございますが、上限価格設定を実際に実施した後に貸与価格がどのように分布しているのかを踏まえ、見直し後に、上限価格設定のあり方について、どこかの段階でチェックをするべきという御意見がございました。

 2ページ目でございます。論点1は、全国平均貸与価格の公表や貸与価格の上限設定について、適切に制度を運営していく観点から、施行後の実態も踏まえつつ、必要な対応を行ってはどうかということでございます。対応案でございます。1つ目、現行の貸与商品につきましては、平成30年10月から全国平均貸与価格の公表や貸与価格の上限設定が適用されます。平成31年度以降、新商品につきましても、3カ月に1度の頻度で同様の取り扱いを行うこととしてはどうかということでございます。2つ目の○、公表された全国平均貸与価格や設定された貸与価格の上限につきましては、平成31年度以降もおおむね1年に1度の頻度で見直しを行うこととしてはどうかということでございます。3つ目の○、全国平均貸与価格の公表や貸与価格の上限設定を行うに当たりましては、一定以上の貸与件数がある商品について適用してはどうか。例えば月平均100件以上の貸与件数などについて、適用してはどうかということでございます。

 3ページをお開きください。100件ということについての参考の情報でございますけれども、こちらは既にコードが存在する商品について集計したものでございます。マル2が月100件以上の貸与件数があるコードに絞った場合で、こちらについては、件数の割合につきまして、全体の98.3%をカバーしているというデータが出ているところでございます。

 続きまして、7ページをお開きいただけますでしょうか。論点2でございます。利用者が適切な福祉用具を選択する観点から、福祉用具専門相談員に対しまして、貸与する商品の特徴や貸与価格に加えまして、当該商品の全国平均貸与価格を利用者に説明すること。また、機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること。利用者に交付する福祉用具貸与計画書をケアマネジャーにも交付する。こういったことについて規定を設けてはどうかということでございまして、対応案として、運営基準にこれらを規定することとしてはどうかということでございます。

 説明は以上でございます。

○田中分科会長 説明をありがとうございました。

 まず、資料4から6の基本的な視点について、御意見、御質問がありましたら、お願いします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 資料4についてでございます。この中の基本的な視点で、重要なのは1及び2、あるいは3のロボットやICTの活用などになると思いますが、この地域包括ケアシステムの推進は、診療報酬にも共通していて、少なくともここ3回改定では取り上げられていると思います。我が国が地域包括ケアシステムをしっかり構築できるかどうかは、我が国だけの問題ではなく、我が国に続いて高齢化が進む東アジアの国や地域が注目していることを忘れてはいけないと思います。

 アジア健康構想という言葉がよく言われますけれども、その前に、地域包括ケアシステムの構築がしっかりできていることが前提であることを忘れてはいけないと思います。その上で、医療、介護の役割分担と連携の一層の推進と書かれておりますけれども、医療は地域医療構想に基づいて機能分化が進んでおり、介護保険施設も介護医療院が新設されるので、機能分化が推進されることになるわけですが、それ以外の介護施設やサ高住を含む在宅での機能分化をどのように考えているのか。それについて、事務局のお考えを伺いたいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 一つ質問がありましたので、お願いします。

○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。介護分野におきます機能分化でございますが、各介護分野におきましては、それぞれ各サービスに目的が設定されております。そういったものをどうするかということにつきましては、この分科会の中で議論していただければと思っているところでございます。

○田中分科会長 鈴木委員。

○鈴木委員 そう言われれば、そういう話になるのでしょうが、サ高住の不適切事例の問題等もありますので、ほかの介護保険施設やその他の介護施設においては、包括払いが基本になっていますけれども、サ高住等の在宅では、一部青天井といいますか、かなり積み上げられるような仕組みになっておりますので、そこで不適切事例が生じないようにという話はずっと私のほうからもさせていただきましたが、ぜひそうした取り組みも含めて議論を進めていただければと思います。

○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 ありがとうございます。来年度の介護報酬改定に当たっては、介護離職がない社会を実現して、誰もが安心して住み慣れたまちで暮らし続けられるようにするための改定をしていかなくてはいけないと考えます。その際、介護保険制度の持続可能性は確保していく必要がありますが、サービスが提供されなければ、制度あってサービスなしということになってしまいます。そういう意味から、今回の改定は、介護人材の確保と処遇改善の実現が非常に重要になると考えています。

 先ほど来、介護事業経営実態調査の議題で皆さんもおっしゃっていましたけれども、参考資料9の財政審の資料には、来年度の報酬水準の引き下げが提案されていますが、そのようなことをした場合にはサービス提供体制に大きな影響を及ぼすことを非常に心配しております。3.3%の収支差は圧縮されてきています。前年度の処遇改善分があるという指摘もありますけれども、平成27年度改定で処遇改善分をプラス1.16%としながら、全体でマイナス2.27%にした結果が、赤字施設の増加など、かなり経営に影響を与えているという部分があります。だから、今年度分との合わせ技でそれは済んでいる話だというわけにはいかないと思っております。

 折しも衆議院の解散の声明をされた内閣総理大臣の9月25日の記者会見で、介護人材の確保が最大の課題で、さらなる処遇改善を進めますと言明されております。それを踏まえて、今回の資料5で示された基本的な視点の1.(3)で、3ページの上から2〜3行目に人材確保という言葉は出てまいりますが、処遇改善ということも明記する必要があると考えております。

 また、資料5の4ページの「(3)多様な人材の確保と生産性の向上」では、2つ目の○で、介護分野では、人員、設備基準の緩和を通じたサービス提供の効率化を推進することが必要であるというようなことが書いてありますけれども、人をこき使うというような意味での効率化ではなく、働き方改革という視点も含めた改定をぜひしていただきたいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 御意見ありがとうございました。

 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。基本的な認識も、基本的な視点も、事務局の提案につきましてはそのとおりなのだろうと思うのですけれども、基本的認識のところで、資料5の1ページに、これまでどういう制度改正が行われてきたかということが1の(1)に記載されているのですが、平成26年度や平成23年度の制度改正を行ったとしても、それをやったからといって完成されているわけではない。まだまだ実施段階途中なのだという状況は認識しておかなければいけないことなのだろうと思うのです。この書きぶりだと、あたかも完成したかのごとくに見えてしまうのではないかと思うので、そこは書き方の工夫が要るのではないかということが1点、感じたところです。

 3ページ以降の基本的な視点で、地域包括ケアシステム等と書かれているのですが、例えば医療、介護の役割分担と連携と一文で書かれても、それが実質的に機能していくために、各サービスをどのように評価して点数をつけていくのか、そういった議論になるのだろうと思うのですが、実は、こういった一つの文章では何でも読めてしまうというのはあるのかなと思っているところです。

 私が危惧をしておりますのは、確かに介護保険の自立支援あるいは重度化予防という理念を実現するべく、そこは項目が特出しされたと考えているのですが、基本的な認識のところで、例えば地域医療構想をこれから2〜3年かけて実現に向けていくためには、恐らく数年で実質的な形が見えてくると考えますと、やはり在宅で医療も介護も必要となる人たちが追加的にも需要が出てくるということを考えますと、やはり介護保険の中でも、中重度の対応の推進につきましては、きちんと明記をするべきだと考えておりまして、どうも自立支援、重度化防止のところから比較をすると、若干記述がトーンダウンしたような印象を、この書きぶりだと受けてしまうと思っています。もう少し改定の視点の中で、こういった制度の、まだ実施半ば、実施している途中の段階で起きてくる影響を考えて、中重度の対応につきましても、もう少しサービスが十分に、そして、質の高いサービスが提供できるように、基本的な視点においても明記するべきではないかと思いました。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 石田委員、どうぞ。

○石田委員 失礼します。資料4の基本的な視点に挙げられておりますマル3にあります、「多様な人材の確保と生産性の向上」というところでございます。この『生産性の向上』という文言なのですけれども、資料5の3ページ、4ページにも幾つか使われているのですが、これは私の個人的な感じ方かもしれませんが、非常に違和感がありまして、利用者の立場といたしましては、こういった介護のサービスを利用する中で、どのような形での生産性の向上かということが、なかなかイメージとしては湧いてきません。『人材の確保』というつながりで考えますと、多分、「介護人材のマンパワーを効率的に配置する」とか、「効果的に活用する」という意味合いではあると思います。しかし、『生産性の向上』と言われてしまうと、「それによって利用者はモノ扱いされてしまうのではないか?」という懸念を抱きました。今後、介護報酬のこともあるのですけれども、もちろんその中で、無駄を省いて効率を上げていくという意味合いはあろうかとは思いますが、利用者の立場としては、この文言に何となく違和感を覚えておりますので、そこだけ一言申し上げておきたいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 安藤委員、お願いします。

○安藤委員 資料4の改定に当たっての基本認識で、最後の○なのですけれども、介護に要する費用は大きく増加しており、制度の安定性、持続可能性を高める取り組みが求められるというのは、まさにそのとおりだと思います。一方で、第2号被保険者の負担も、これに伴って増加しているわけです。平成12年度の介護保険料が月額2,075円だったものが、平成28年度は5,352円と258%にまで増加しております。ですから、介護費用の増大だけではなくて、それに伴う保険料負担の増大についても、ぜひここでちょっと触れていただきたいと思っております。

 もう一つ、今回は6年に1度の同時改定の年ですので、せっかく医療と介護の連携であるとかシームレスなつながりが論点になっておりますので、その中で、医療と介護をシームレスにつないだ新しいサービスが本当にでき上がるように、その部分でも何か進展があれば、利用する側も非常に助かりますし、いろいろな形で効率化も図れるのかなと考えておりますので、今後の議論の中で、そういったことも話をしていただければありがたいとは思っております。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございました。

 田部井委員、どうぞ。

○田部井委員 認知症という観点から、意見を申し上げたいと思います。認知症施策の充実は国家戦略になっていると思いますから、財務省も国家の中に入っていると思いますので、もう少し認知症のことについて財務省も考えていただく必要があるのではないかと思っています。

 介護保険制度の介護報酬改定に向けた基本的な視点で、介護報酬という観点から見ても、マル1に地域包括ケアシステムの推進と。○の中に認知症高齢者への対応というものが書かれています。高齢者ということでいいのかということがひっかかるところもあるのですけれども、ただ、現実を見ますと、介護保険制度の中で、さまざまな認知症施策、グループホームでありますとか、認知症対応型のデイサービスでありますとか、認知症施策にとどまらずに、全体の施策において、認知症というものが大事にされて進められるとしているということが到底感じられない気がします。

 具体的には、ごく初期の人が要支援と診断されることが多いわけですけれども、要支援の人の通所介護、訪問介護は総合事業に移行されたわけですが、そういう中で、ある自治体の資料を見ますと、サービスを使うことがいけないことだと言われかねないような資料があります。例えば外出介助とはということで、マルバツで、悪い例として、外出するときは1人では不安だから、送迎や付き添いをお願いしようかなと疑問符をつけていることは、バツなのです。悪い例として取り上げられているのです。まるでサービスを使うことが悪いかのような印象を受けるパンフレットもできたりしている。これはもう各自治体のことですので、厚生労働省の責任ではないと思うのですけれども、自治体の中にはそのような受けとめ方をして事業を進めようとしているところもある。

 介護保険の中では、総合事業の中での卒業ということが勧奨されていますけれども、残念ながら認知症は今、治りませんので、治らない認知症の人は卒業ができない。卒業ができないということは、残る言葉は落第とか留年ということになるわけです。そのようなことで扱われるということで、非常に認知症の人としては居心地が悪いという形で事業が進められているような気がします。

 それから、よくなることがいいのだと。そうすると、なかなかよくなりにくい認知症はインセンティブの対象にもなりにくいですし、事業者の人にも申しわけないという気持ちにもなってきたりします。

 前回、前々回ぐらいのあれでも意見を申し上げたと思うのですけれども、生活援助が濫用されているということで、きょうの財政審の資料でもありますが、この資料は100回使うことが余りにも利用し過ぎだとか、90回も利用しているとか、そういう意味で先ほどの使うことがよくないことの例、引き下げるための例のような形で取り上げられていましたけれども、その後の新聞の報道等を見ますと、ここに取り上げられている例の多くはやむを得ず使っているのだと。そのことによって、やっと生活が成り立っているということがかなり明らかになった。追跡調査をしていただいた報道によれば、そのようになっています。

 私は、財政審が出すのは仕方がないと思うのですけれども、厚生労働省としては、この資料は使い過ぎているという根拠に使うには、根拠が失われていると思いますので、ぜひ使うのをやめていただきたい。この点についても、御配慮いただきたいと思います。そういう意味で、介護保険サービスを使うことが悪い。高齢者全体が責められているような感じになりますし、中でも認知症の人は、余り目に見えた成果を上げにくい性質の病気でもありますので、そういう点で余計居心地が悪い、あるいは肩身が狭い思いを抱かざるを得ないような形で進んでいるような気がします。国家戦略として取り上げられているわけですから、そういうことも、今回の介護報酬の改定においても、少しでも安心ができるような、あるいは将来希望を持てるような書き方でありますとか、改定の内容をぜひお願いしたいと思います。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 田部井委員の発言で気がついたのですが、認知症高齢者と書くと、確かに若年性認知症の人はどこへ行ってしまうのだろうと気になりますね。

 瀬戸委員、お願いします。

○瀬戸委員 先ほどの実態調査の結果で大変厳しい経営状態がよくわかりましたし、先ほど伊藤委員も、制度があってサービスがなくなったら困るでしょうとおっしゃっていましたが、基本的な視点のマル1からマル4を実現するためにも、さらにもう一つの視点として、事業者の持続可能性という視点をしっかり入れておかないといけないのではないかと思います。

 以上です。

○田中分科会長 東委員、どうぞ。

○東委員 まず、資料4の「平成30年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(概要)」についてですが、私も概ねこれでよろしいかと思います。次は先ほど日看協(日本看護協会)の齋藤委員もおっしゃったことの繰り返しになりますけれども、マル1「地域包括ケアシステムの推進」に関してですが、今後、中重度者の在宅の方が増えてきます。そこをきちんと地域包括ケアシステムで支えることが必要になることを考えたときに、1つ目の○(マル)でもいいので、「本人の希望する場所での、その状態に応じた医療、介護と看取りの実施」という文言の中で『中重度者の対応』という言葉を入れるべきだと考えます。そうしなければ、なかなか地域包括ケアシステムがうまくいかないのではないかと思います。中重度になれば、施設に入ればいいではないかということではなくて、ぜひ在宅での中重度者を支える考え方を入れていただきたいと思います。

 それから、福祉用具の方もよろしいですか。

○田中分科会長 まだです。資料4から6までについて、御発言をお願いします。

 間利子参考人、どうぞ。

○間利子参考人 ありがとうございます。いずれも重要な視点だとは思うのですけれども、特に基本認識の部分で制度の安定性、持続可能性が重要です。先ほども保険料負担の増加について話がありましたし、加えて国と地方の財政に与えるインパクトそして、介護保険制度の伸びのインパクトも大きくなっている中で、保険料の負担増が、例えば個人ですとか企業の経済活動に与える影響、あるいは国、地方の財政に与える影響、ひいては経済全体に及ぼす影響についても考慮していく必要があるのではないかと思っております。この観点から、基本認識の(4)に、例えば経済成長、財政健全化といった視点をタイトル等に盛り込んでいただくことはどうかと考えておりますので、御検討いただければと思います。

 基本的な視点の2ポツのほうですけれども、今回、とりわけ自立支援ですとか重度化防止といったものに資する質の高い介護サービスを実現していくことが今時改定では非常に重要だと。加えて、最後の(4)の適正化、重点化を通じた制度の安定性、持続可能性も重要だと思っています。必要な部分についてはしっかり重点化していく一方で、適正化すべきところは適正化して、めり張りのある報酬体系、そういう形に今次改定でしていただければと思っています。

 最後に、介護人材の関係では、人材の確保ということ自体、非常に重要な課題だと認識しておりますが、一方で、8月にこの会合で我々委員からも申し上げていましたように、17年度の報酬改定の影響なども十分検証して検討していただければと思っております。

 以上です。

○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 最初にお話しさせていただいたのですが、皆さんのお話を聞いて、私のほうからもう一回確認をさせていただきたいと思います。といいますのは、基本的な視点に医療、介護の役割分担と連携あるわけですし、一方、医療では機能分化が推進されています。介護保険においても、介護保険施設の機能分化がかなり進んでいるので、私が先ほど言いましたのは、それ以外の介護施設や在宅においても機能分化が必要ではないかということです。すなわち一元化によって、全てに外から必要なだけサービスを入れて全部最期まで看るという考え方ではなくて、これだけ介護施設の種類もたくさんあるわけですから、機能分化を進めた上で、医療機関とさらに役割分担を図るという方向で考えていかないと、一つは先ほど言いましたような、サ高住等にサービスを幾らでも入れてしまうという問題が起きることがあります。

 もう一つは医療と介護保険分野の施設と医療を含めた在宅において機能分化と役割分担がないと、それらに同じような人員を三重に投資しなければならないことになり、そうした無駄は避けなければならないということです。今回は同時改定ですので、そうした視点も必要だと考えております。

○田中分科会長 資料4、5、6については、よろしゅうございますか。

 次に資料7、地域区分について、御意見があればお願いします。

 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 これにつきましては2ページ、6ページの論点はそれで結構だと思いますけれども、2ページの論点1につきまして、私どもの地域を見ますと、わずか30キロ圏内で、次の市に行くと1等級上がり、その次の市に行くとまた1等級上がるという状況になっています。私どもの市はその他地域でございますけれども、職員は広範囲から通っておりますし、その他地域でも人件費が下がるとは考えられませんので、我々のような地域からすると、問題があると考えざるを得ず、その意味ではより広域的な範囲での設定が必要ではないかと考えています。

 ただし、今回に関しては、この対応案で結構だと思います。

○田中分科会長 稲葉委員、お願いします。

○稲葉委員 ありがとうございます。地域区分につきまして、1点質問させていただきたいと思います。資料7の1ページにあります平成29年度介護報酬改定に関する審議報告の下から5行目に、財政的な増減を生じさせない財政中立の原則の下、平成30年度介護報酬改定において実施すると書かれております。

 念のための確認ですが、自治体の意向によって級地の変更があった場合、どう財政中立を担保されるのかお伺いしたいと思います。

○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。これにつきましては、上げたところ、下げたところというバランスもございますので、そういったところを見ましてトータル的にいわゆるイーブンの形で行うのが原則になっております。

○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 質問です。資料7の6ページの論点2、各サービスの人件費割合についての見直しについてですが、介護事業経営実態調査(実調)を特別集計して必要に応じて見直しを行うこととしてはどうかということは、それでいいと思っています。これまでもそういうやり方をしていると思うのですけれども、何となく今回の実調を見て、人件費割合の区分との乖離が起きそうなところが対象になるということは、想像はつきますが、この特別集計はいつ出して、またここで検討することになるのかということを質問させてください。また、かつて平成21年改定のときは、45%、55%、70%という区分自体をいじっていると思うのですけれども、そういうところまで含んで検討し、見直しを行うことを示唆しているのかも教えてください。

○田中分科会長 お答えください。

○鈴木老人保健課長 特別集計につきましては、本日、御了解がいただけましたら、そういった特別集計をさせていただくことを考えているところでございます。また、平成21年度改定につきましては、過去は2区分とか、またここにあります介護について、それぞれの人件費率そのものを変えたときもございましたが、今回も必要があればと考えておりますが、今、特別集計を行いまして、その結果を踏まえてということで、今の段階でどうこうするということについては言及は難しいと考えているところでございます。

○田中分科会長 お答えください。

○鈴木老人保健課長 特別集計につきましては、本日、御了解がいただけましたら、そういった特別集計をさせていただくことを考えているところでございます。また、平成21年度改定につきましては、過去は2区分とか、またここにあります介護サービスについて、それぞれの人件費率そのものを変えたときもございましたが、今回も必要があればと考えておりますが、今後、特別集計を行いまして、その結果を踏まえてということで、今の段階でどうこうするということについては言及は難しいと考えているところでございます。

○田中分科会長 どうぞ。

○伊藤委員 一回特別集計した結果を出して、ここで検討するということなのか、もう年明けの数字のところで出してくるというイメージなのですか。重ねて質問です。

○鈴木老人保健課長 御質問ありがとうございます。この見直し結果につきましては、またこの分科会で御提示させていただきたいと思っています。

○田中分科会長 よろしいですか。きょうは大西委員と河村委員がおられないので、この話は直接の関係者が2人欠席ですが、よろしいですか。

 次に、福祉用具の話に移ります。

 東委員、どうぞ。

○東委員 まず、資料8の2ページ「貸与価格の上限設定等について」ですが、大きな外れ値があったので、今回こういう対応がされたのだと思います。貸与価格の上限については、概ね1年に1度の頻度で見直しということで、5ページにイメージの図が書いてございます。これを見ると、1年に1度、この右側の1SDの部分を除いて、上限価格を設定するということだと思うのですが、これを1年置きに毎回1SDずつやりますと、どんどん平均価格の真ん中のところに寄ってくるのは当たり前です。

 外れ値をなくすのはいいと思いますが、同じ値段の福祉用具で、少しでもいいものをというような意欲が薄れることがないようにすべきだと思います。例えば1年置きに1SDではなくて、2年目は2SDとか、そのような形で少し工夫してはどうでしょうか。それとも、1年置きに削っていくというのは、何かお考えはあるのでしょうか。御質問でございます。

○武井高齢者支援課長 ただいまの御質問でございますけれども、まずはこの平均価格プラス1標準偏差ということを1年ごとの見直しの中でやっていきたいとは考えております。

 ただ、その見直しの過程の中で、どういった価格の分布の動きがあるのかどうかといったことにつきましては、しっかり検証を進めて、制度の目的がしっかり達成できているのかどうかは注視していきたいと考えております。

○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 2ページの論点につきましては、いずれも対応案でよろしいと思います。3つ目の○ですが、月100件以上の貸与というのは、全国レベルの話だと思いますが、4ページを見ますと98.3%とありますから、それでいいと思うのですけれども、一部なりともその対象から漏れるサービスがあるわけです。そういう情報をしっかり周知していただく必要があるということと、もし変動があった場合、現場との対応にずれが生じる可能性がありますから、それをどう調整するかもあらかじめ決めておいていただきたいと思います。

 以上です。要望です。

○田中分科会長 稲葉委員、どうぞ。

○稲葉委員 それでは、質問を1点と要望を1点述べさせていただきます。

 まず、質問のほうですが、論点1の貸与価格の上限設定についてであります。介護保険部会の代表委員からも確認したいと言われており、そのことも含めての質問です。介護保険部会の審議報告においては、福祉用具の貸与価格について一定の上限を設けることが適当であるとされました。その後、平成28年12月19日の平成29年度予算の編成過程における大臣折衝において同様の内容が盛り込まれ、貸与価格の上限設定の考え方として資料8の4ページや5ページにある全国平均貸与価格プラス1標準偏差が示され、施行日は平成30年10月となったことについては承知しております。そこで、上限を超えた福祉用具の取り扱いについてはこれまで明確に示されてこなかったので、今回の論点1を基に、本分科会で審議して、その結果を基に、今後どのように進められる予定なのかお伺いしたいと思います。これが質問です。

 続きまして、要望ですが、さきの事業者団体ヒアリングの中で、業界から、上限設定の見直しサイクルについては、適切な期間設定を行っていただきたいという要望があったと思います。このことを踏まえて、資料8の2ページにある3つの対応案などにつきましては、現場での円滑な運用が図られるように、関係する事業者団体などとも十分に協議をした上で進めていただけるようお願いしたいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 質問にお答えください。

○武井高齢者支援課長 上限価格を超えたものの取り扱いについての考え方でございますけれども、こちらは制度として上限価格を設けると、価格の適正化を目的として上限価格を設けるという制度の趣旨に照らしますと、上限価格を超えたものでも給付の対象にしてしまいますと、上限価格をある程度、制度として肯定してしまうことになるということと、また、上限を超えた部分を利用者に転嫁するようなことが起こりかねないという考え方から、上限価格の設定をするという時点で、もうそこは保険給付の対象外になるということについて、決まっているものだと考えているところでございます。

 ただ、このルールに関しましてはしっかり明文化して、関係者の方々を初めしっかり周知をした上で、現場で混乱が生じることがないよう対応してまいりたいと考えております。

○稲葉委員 よろしくお願いします。

○田中分科会長 小原委員。

○小原委員 資料8の2ページの対応策についてなのですが、全国平均貸与価格や貸与価格の上限について、1年に1度の頻度で見直しを行うとありますけれども、よほどの価格改定があれば別ですが、毎年説明すべき平均価格が変わって、それを毎回説明するのは利用者の混乱を招いたり、ケアマネジメントをする上でも煩雑になると思いますので、柔軟な対応が必要と思います。

 もう一つ、資料8の6ページの福祉用具の見直しのイメージ図につきまして、介護支援専門員の関与をわかりやすくしていただきまして、どうもありがとうございました。

 以上でございます。

○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 質問です。2ページで提案されている、月平均100件以上で区切ろうとする理由についてお聞きします。3ページを見ますと、月平均100件以上は、TAISコードを取得している商品の貸与件数全体よりも11万件ぐらい少ないようですが、貸与価格の上限設定の適用を11万件でも減らすことによって、誰かの労力が減らせるからそうしたいのだという話なのかどうかをもう少し説明していただきたいと思います。

 もしそうすると、結局、月平均100件以上に絞ると、TAISコードを取得している商品は全体の88.7%なので、掛ければカバレッジが87.1%になると思うのですけれども、やはり、こういう仕組みを入れる場合は、なるべく同じルールが全てに公平に適用されるべきだと思うのです。便宜的にTAISコードを使うのがやりやすいからということはよくわかりますから、少なくともコードを取得している商品には全部適用するほうがわかりやすいと思いますので、月平均100件以上に絞って貸与価格の上限設定を適用する理由を教えてください。

 もう一つ、月というのはいつのデータを使うのかも私の疑問です。瞬間風速で測ると、その時々の影響でデータが大きく変動するため納得感も得にくいと思うので、やはりコードを取得している商品には100%適用するほうがわかりやすいと思います。

 以上、御質問です。

○武井高齢者支援課長 まず、説明が不足しておりましたけれども、3ページにあります表につきまして、現在、TAISコードが振られているものにつきましては給付の件数が商品ごとに把握できるという趣旨で、参考の情報として掲載しているものでございます。ですので、今回の新しいルールにつきまして、TAISコードを取得していないものにつきましても、改めて製造メーカーなどに確認いたしまして、番号を振って、全ての商品について把握ができるような仕組みを取り入れるということで、まずはその点を御説明させていただきます。

 100件ということで、なぜ100件なのか、どういう考え方なのかというところにつきましては、100件未満、ある程度件数がありませんと標準偏差がうまく出なくて、具体的に平均貸与価格ですとか上限ですとか、出したものが制度の趣旨に照らして意味があるものかどうかというところについて疑念が生じるのではないかという考え方から、一定の線を引いてやったほうがいいのではないかということでございます。

 1カ月間の件数だけでは、何か突発的なものについて対応できないのではないかという御懸念の点につきましては、複数の月の情報をしっかり把握して、平均価格の設定、または上限価格の設定を行ってまいりたいと思います。

 以上でございます。

○田中分科会長 予定より大分早く進みましたけれども、よろしゅうございますか。

 最後に議題3、その他として報告がありますので、事務局より説明をお願いします。

○鈴木老人保健課長 その他になりますが、事務局より御説明させていただきます。

 平成29年度の改定検証の関係でございます。改定検証委員会の資料がお手元の参考資料3からになります。平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査、いわゆる改定検証委員会の調査ですけれども、従前ですと年度末に御報告させていただいているところでございますが、今後、分科会の中で、これらの資料を使われるケースもあると考えておりますので、特別に速報値という形で25日に改定検証研究委員会を開催しまして、取りまとめていただいた資料を参考資料3として、それぞれつけさせていただいた次第でございます。なお、最終的な報告は来年3月になりますので、今回は、説明は省略させていただきたいと思っております。

 以上です。

○田中分科会長 ありがとうございます。

 ただいま事務局から説明があったように、平成29年度改定検証の結果の速報版については、今後、個別サービスの議論を行う中で適宜活用していくことになります。最終報告は3月だそうです。

 亀井委員、どうぞ。

○亀井委員 きょうの会議は炎上するのかなと思っていたのですけれども、えらくスムーズに運んでいただいて、御意見をいろいろ委員方のものを聞かせていただいたら、御無理、ごもっともな御意見ばかりでございますが、これは実際の話、1,300億になるのかどうかは知りませんが、削減を介護または医療でと、こんなことであるわけです。起債を抑えるのに、社会保障の伸びを5,000億にとどめる。その方針は一定の理解はするのですけれども、あちらを削り、こちらを削り、この手法には限界があるのではないかと思っているのです。

 今回は痛み分けをして、これはしていかざるを得ないのですけれども、2025年以降を乗り切るには、ちょっと無理があるのではないかと思っています。私も平成9年に介護保険法が成立以来、いろいろ勉強をさせていただいてきているのですけれども、特に世界に冠たる介護保険制度、または国民皆保険制度は是が非でも持続あるものにしていかなければなりませんが、そのためには抜本的な改革が必要である。このように思っています。

 これは市民、国民に対して責めを負う我々保険者の責任でもあるわけでございますけれども、ただ、この分科会では、それぞれの分野を代表いただいている、一線で頑張っていただいている方々がいらっしゃるわけでございますので、2025年以降を乗り越えるのに、また御意見を折に触れ発言いただければと。このように思わせていただいているところでございました。これは関係者で知恵を出し合っていかなければならないのではないかと思っています。

 どんなにすばらしい法律であったり、あるいは制度であっても、リスク構造を抱えております。そのリスク構造をその都度調整してまいらなければならないのですけれども、私は、介護保険制度は2つのリスク構造を抱えていると思っているのです。

 1つは所得構造です。これは総報酬割によりまして、一定期間クリアできたのかなと思っています。もう一つのリスク構造は、少子高齢化がどんどん進行していっているので、年齢構造です。これは被保険者の年齢を下げざるを得ないのではないかと思っています。

 そうしますと、2つ大きな課題があるのです。1つは、我が国の社会保障制度は人生の後半に厚いが、前半、若年層にまだ薄かったということがありますから、ここをどうしていくのかということになりますが、税の再配分によって、ここをきっちりとしていただかなければならない。この運動は我々も続けているし、政府もその方向を出していただいているけれども、引き続き我々も頑張っていかなければならない。もう一つの課題は、障害との関係です。ある一定で被保険者の年齢を下げるということは、障害の方をどうしていくかということになるわけですので、これも一緒に考えていかなければならないのかなと。このように思っていますので、また委員の先生方のお知恵をおかりできればと思っていますので、どうかよろしくお願いします。

 以上です。

○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 前回の改定の効果検証調査です。この報告が速報版といえども現時点で出たということは一歩前進だと思います。中医協では速報値の報告を受けて議論をするわけですが、従来最終版が出るのは年度末で、その時点ではもう議論は全て終わっていたので、今回、速報版を出していただいたのはよかったと思います。

 中身さっと見させていただいたので、せっかく出していただいて、時間もあるようなので、少しお話をさせていただきますけれども、1つは参考資料3の1の定期巡回、随時対応のところです。4ページを見ますと、左側でも右側でもいいのですけれども、上から2つの図、時間ごとの平均訪問回数、時間ごとの平均利用者数が、マル1の全利用者が集合住宅に住んでいる場合と、マル2の集合住宅に利用者がいない場合とでは、大きな差があります。これが何を意味しているのかということが問題ではないかと思います。

 要するに、定期巡回を利用するには、集合住宅に住んでいないとサービスが使えないということです。集合住宅に住んでいないとサービスの利用を我慢しなければいけないのか、あるいは集合住宅に住んでいると過剰にサービスが利用できるのか。その辺はどのように分析されているのか、とりあえず教えていただきたいし、もし集合住宅に住んでいないとサービスが十分使えないということであれば、定期巡回サービスはそもそも集合住宅向けのサービスということになってしまうのではないかと思います。現時点でどのように考えているのか教えていただきたいのが一つです。

 もう一つは、参考資料3の3の認知症対応型グループホームについてです。9ページを見ますと、退去の原因となった事業所が対応できなかった医療ニーズに、療養上の世話が24.7%、健康状態の観察が19.3%とありまが、これは看護師の基本的な業務になります。確かにグループホームは看護師の配置は必須ではございませんが、多くのところは加算で外部から来ています。私が言っている介護施設の機能分化とは、こういう状況につきまして外から看護師をどんどん入れて、ほかの介護施設と同じようにするのではなくて、認知症グループホームは認知症に特化した施設としての位置づけを強化していただき、医療ニーズの増加については、老衰型の看取りに対してはどこに行っても対応できるようにする必要があると思いますが、それ以上に、看護師をどんどん外から入れてということではなくて、特養などとの機能分化が必要と考えております。これは意見です。

 もう一つは、参考資料3の5の訪問看護のところでございます。これは全般的な話になりますけれども、病院からの訪問看護を推進するのはいいと思いますが、診療報酬では、在宅医療の担い手はかかりつけ医機能を持つ許可病床200床未満の中小病院になっております。それ以上の大病院は後方支援が役割ということで、在宅療養後方支援病院という位置づけになっております。したがって、訪問看護におきましても、診療報酬と整合性をとる必要があると考えられますので、急性期の大病院と中小病院の機能分化と連携の方針に逆行しないようにする必要があると考えます。

 意見と、一部質問もあるので、わかる範囲で教えていただければと思います。

○田中分科会長 お答えください。

○鈴木老人保健課長 大変申しわけございませんが、これは10月25日にやっとまとまったところでございまして、今後、先生がおっしゃるようなこのデータの読み方ですとか、そういったものについてはまた後日精査しながら、最終的には各回においてその精査も含めて問題提起をさせていただくことになっておりますので、本日につきましては、こういった報告をさせていただいたというところにさせていただければと思っているところでございます。

○鈴木委員 中医協でしたらここで議論になるのですけれども、一歩前進したので今回はそれ以上は言いませんが、これからはぜひ質問にも答えられるようにしていただければと思います。以上です。

○田中分科会長 田部井委員、どうぞ。

○田部井委員 予定がもしありましたら教えていただきたいのですけれども、訪問介護と通所介護が要支援1、2の人は地域支援事業に移行されたわけですが、そこの実情がどうであるのか、あるいは事業経営実態調査のような調査を総合支援事業の訪問介護、通所介護のような形でやられるおつもりがあるか、予定があるかどうかを教えていただければと思います。

○込山振興課長 総合事業の実施状況などについての調査のお尋ねだと思います。今後、検討しているところでございますが、例えば老健事業において調査研究事業などを活用して、地域支援事業の普及状況だったり問題点だったり課題、そういったものを調査することができればと考えておるところでございます。

○田中分科会長 私も3時間では終わらないかと心配していたのですが、こういう回もあるのですね。回によってはフルになることもあるでしょうが、いいでしょう。

 御議論をありがとうございました。

 本日の議題はここまででございます。

 次回の予定について、事務局より説明をお願いします。

○鈴木老人保健課長 本日は、どうもありがとうございました。

 次回につきましては、11月1日水曜日の9時よりベルサール九段にて行う予定でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、これで閉会させていただきます。お忙しい中、どうもありがとうございました。

○田中分科会長 ありがとうございました。


(了)

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