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2017年1月19日 平成28年度第1回 診療報酬調査専門組織(医療技術評価分科会) 議事録

保険局医療課

○日時

平成29年1月19日(火)
 10時00分~12時00分


○場所

全国都市会館 第2会議室(3階)
 東京都千代田区平河町2-4-2


○出席者

委員

福井分科会長、小山分科会長代理、和泉委員、井原委員、岩中委員、斎藤委員、佐々木委員、真田委員、重森委員、鈴木委員、田中委員、本田委員、松野委員、松村委員、米山委員

事務局

迫井医療課長、矢田貝保険医療企画調査室長、中山薬剤管理官、小椋歯科医療管理官 他

○議題

1 平成28年度改定における評価について
2 次期診療報酬改定に向けた医療技術評価・再評価について

○議事

○福井分科会長

 時刻になりましたので、ただいまより平成28年度第1回「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」を開催いたします。

 まず、委員の出席の状況について御報告いたします。本日は、秋下委員、渥美委員、大滝委員、北川委員、福田委員が御欠席です。松野委員はおくれていらっしゃるようですけれども、間もなく到着されると思います。

 議事に入らせていただく前に、前回の会議以降に事務局に人事異動がございましたので、紹介をお願いいたします。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 おはようございます。事務局でございます。事務局に交代がございましたので御紹介させていただきます。

 医療課長の迫井でございます。

 保険医療企画調査室長の矢田貝でございます。

 薬剤管理官の中山でございます。

 歯科医療管理官の小椋でございます。

 医療技術評価推進室長の中谷でございます。

 最後に、私、きょう担当いたします國光でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局の紹介は以上でございます。

○福井分科会長

 それでは、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 では、お手元の資料を御確認いただければと思います。

 一番上から、座席表、第1回の議事次第の表紙、委員名簿の一枚紙。

 続きまして、資料の本体でございまして、技-1「医療技術の評価について」という左上ホチキスどめの資料でございます。

 それから、横紙のカラー刷りのもので、技-1参考1「平成27年度医療技術の評価について(案)(概要)」がございます。

 技-2、縦紙のホチキスどめでございまして、「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価方法等について(案)」でございます。

 次に、一枚紙のカラー刷りで、技-1参考2「医療技術評価分科会における評価の進め方について」でございます。

 次は、様式でございますが、技-3-1「医療技術評価提案書(保険未収載技術用)表紙」と書いておりますホチキスどめの資料です。

 技-3-1参考1、赤字で「記載例」と書いておりますものがございます。

 技-3-1参考2、「平成28年度診療報酬改定時の提案書」と赤字で書いておりますものがございます。

 技-3-2「医療技術評価提案書 記載要領」がございます。

 最後に、技-4「保険未収載技術 評価票(案)」、裏面は「保険既収載技術 評価票(案)」になっておりますが、一枚紙で評価票がございます。

 以上でございます。何か不備等がございましたら、御指摘いただければと思います。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。

 それでは、本日は議題が2つございます。「平成28年度改定における評価について」と「次期診療報酬改定に向けた医療技術の評価・再評価について」です。

 最初に「平成28年度改定における評価について」、事務局より資料が提出されておりますので、その説明をお願いいたします。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 お手元の資料技-1、横紙一枚紙の総-1-2をあわせてごらんいただければと思います。

 こちらは28年改定時、先生方に議論いただいて医療技術の評価を取りまとめたものを中医協に報告をしたものでございます。昨年1月19日に本会議を開きまして、その翌日、1月20日に中医協の総会をしたものの御報告でございます。

 資料技-1でございます。平成27年3月に開催された中医協において、平成28年診療報酬改定に向けて、診療報酬における医療技術の適正な評価の観点から、本医療技術評価分科会において、学会等から提出された医療技術評価・再評価提案書に基づき、新規医療技術の評価及び既存技術の再評価を行うこととされたところでございます。今般、医療技術の評価について、最終的な検討結果を取りまとめたことから、当部会における評価結果を報告するものであるとされております。

 実施方法。こちらは、前々回改定と特に変わっておりませんけれども、(1)に、平成27年3月から6月にかけて、関係学会等から合計914の提出をいただいたところでございます。これは重複を含みます。その後、重複を確認するとともに、学会等からのヒアリングや外部有識者の意見を踏まえまして、提案書それぞれの有効性や安全性に関する記載をもとに、事務局において評価案を作成いたしました。

 その後、平成271030日に行われました医療技術評価分科会におきまして、評価案について検討し、「幅広い観点から評価が必要な技術」について、医療技術評価の対象とすることとされました。

 その評価対象になりましたのが737件ございまして、それらの技術に対しまして、28年1月19日に本分科会におきまして、専門的観点を踏まえた分野横断的な幅広い観点から評価を行い、最終的な評価結果を取りまとめたところでございます。

 それが一連の流れでございまして、おめくりいただいた2ページ、3ページにそれぞれ、まず学会から御提出いただいたものをもとに、1030日、27年度第1回の分科会でお諮りをしたもの、事前評価等を経まして、1月19日に最終的な評価を取りまとめたものがございます。

 2ページをごらんいただきますと、学会から提出があったものが886件、重複分をカウントすると914件ございまして、その中から737件を「幅広い観点から評価が必要な技術」とされておりまして、その年は新規で272、既存技術465件ございました。その中で、先進医療において実施されている技術は15件ほどありました。

 それらをもとに、3ページ目でございますが、最終的には重複分を整理して883件としまして、その中で何らかの保険の評価を行う優先度が高いと考えられる技術が223件、その中で新規技術は78件、既存技術は145件。これらにつきまして、保険上の評価、項目の新設や、あるいは一番下の注2に書いてございますが、新規項目としての保険収載や、既収載技術の増点、減点、廃止、要件の見直しなども含まれますが、全部で223件のものが保険で評価をいたしましたということでございます。

 最後は、一枚紙の総-1-2をごらんいただきますと、それらがフローとしてまとめさせていただいたところでございます。

 私からの御説明は以上となります。

○福井分科会長

 約1年前のおさらいみたいな報告でございますが、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。

 この点につきましてはよろしいでしょうか。それでは、この議題はこれで終了とさせていただきます。

 次に、2番目の議題に移りたいと思います。「次期診療報酬改定に向けた医療技術評価・再評価について」、事務局から資料について説明をお願いいたします。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 では、お手元の技-2をごらんいただければと思います。「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価方法等について(案)」でございます。

30年度の報酬改定に向けて、まず背景でございますが、28年改定後からもいろいろな動きがございまして、その御紹介も含めてでございます。

 「医療技術に関連する最近の動向」とございまして、一つに1)、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」というものが昨年の1220日に、経済財政諮問会議から出されたところでございます。その中では、国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点からこの方針が示されまして、主には薬価制度の抜本改革でございますけれども、一つ医療技術に関しても指摘があったものの御紹介でございます。

 それは、点線囲みのところをごらんいただければと思いますけれども、「評価の確立した新たな医療技術について、費用対効果を踏まえつつ国民に迅速に提供するための方策の在り方について検討し、結論を得る」という記載がございます。今後、この基本方針の書きぶり、こちらだけではなくて薬価も含めてでございますけれども、具体の検討を進めるというふうにされておりまして、それが予定されているという状況が一つございます。

 続いて、さらに医療技術全般的な話でございますけれども、イノベーションの観点でございます。近年、革新的な医薬品や医療機器等の研究開発と実用化の推進が著しくございまして、医療技術のイノベーションがさらに加速化している状況がございます。特に、ゲノム医療を含めて、バイオテクノロジー、それからICT、またIoTAI(人工知能)といったような革新的な技術によりまして、いわば医療そのもののあり方が変わりつつあるという状況を迎えております。

 そのような状況を踏まえ、関係する会議でも医療技術のあり方についてさまざまな指摘がなされている状況がございます。例えば近年ですと、まず「保健医療2035」の提言書の中で、「医療技術を患者の価値を考慮して評価し、診療報酬に反映」という記載がございます。また、ゲノム医療の関係でございますが、「保険適用を視野に入れたゲノム情報を用いた医療技術の開発等」ということが指摘されております。

 また、ICT分野でございますが、保健医療分野におけるICT活用推進懇談会におきまして、「イノベーションの促進・保健医療の質の向上の観点から診療報酬等による適切な評価(AIIoT等のICTを活用した診療支援・遠隔医療・ロボット等の技術革新等)」という記載がございまして、こちらが方向として示されていることがございます。

 それから、未来投資会議でございますけれども、こちらの中では「ICTの利活用、迅速正確な検査・診断・治療」、また「AIを用いた診療支援に向けインセンティブ付与の検討」などが示されているところでございます。

 これらは30改定に全てということではないにしても、方向性として医療技術を取り巻く状況に非常に動きがあるということの御紹介でございます。

 おめくりいただきまして、2ページ目の上部でございます。話が若干変わるところがありますけれども、診療報酬上の手術分類につきましては、以前から議論がございまして、具体的にKコードというものがございます。こちらは、御案内のとおり、診療報酬の改定ごとにさまざまな番号の追加、削除、まとめなどをして対応してきたところでございますけれども、先ほど申し上げましたような、イノベーションの進展に伴って、手術は非常に多様化、高度化などが進んでおります。そのような中で、今のようなやり方、Kコードの振り方等々に一定の限界もかねて指摘されているということがございます。

 その中で、最近の一つの動きといたしまして、国際的な分類をつくるということがございまして、手術だけではないのですが、手術を含めた医療行為分類の国際的な標準化に向けまして、WHOにおきまして、医療行為の国際分類(International Classification of Health Interventions)、これをICHIと呼びまして、このICHIの検討が現在進んでいるところでございます。

 こちらはスケジュールとしては2019年以降でございますので、30改定はちょっとまたぐということにはなるかと思いますけれども、こちらに対して日本からも厚生労働省と研究班、川瀬弘一先生、外保連の手術委員長もなさっておりますけれども、検討に参加をしているという状況でございます。

 ここまでが周辺の状況の御紹介でございます。

 次に(2)、平成28年度診療報酬改定における対応といたしまして、これはこういう流れで28年においては行ったということでございます。新規医療技術の評価及び既存技術の再評価につきましては、診療報酬改定ごとに、学会等から提出された医療技術評価提案書を踏まえまして、医療技術評価分科会において検討を進め、中医協総会へ報告を行ってきたところでございます。これは毎回の改定ごとで共通のプロセスでございます。

 評価の方法は、関係学会から提案書を提出。先ほど資料1で申し上げましたように、28年改定時は学会より886件の御提案をいただいたところでございました。それをもとに、医療技術評価分科会におきまして、まず事前評価案を作成。こちらは外部有識者の意見を踏まえ、専門的観点から各技術の評価案を作成させていただいておりまして、それをもとに本分科会におきまして、技術の概要とその評価案をもとに分野横断的な幅広い観点から評価を実施いただいているところでございます。それらを中医協報告、これは先ほどの資料1が報告の内容でございましたけれども、報告をさせていただいているところでございます。

 具体的に28年改定で何を特に行ったかということでございます。運用のことでまず1点目が、学会から御提案いただく内容を記載します様式と提出方法などにつきまして、全般的な見直しを行ったところでございます。記載内容、エクセル上の処理など、かなり全般的な見直しを行ったことが1点。

 それから、先進医療の関係でございますが、先進医療での実施技術につきまして、学会等から本分科会への提案書の提出、受付を許可したということでございます。下に※印で書いておりますとおり、先進医療での実施技術につきましては、これまで学会等の対応がさまざまでございまして、当初26年は、特に評価の対象外とこれまでしていたところでございますが、提案書を提出する学会とされない学会が混在していたという状況がありまして、28年改定では受付は行うこととさせていただいたところでございます。

 なお、保険適用の検討につきましては、その後の本分科会での御検討の結果、先進医療技術の保険導入の可否につきましては、先進医療開始時の検討を行っている先進医療会議で、その詳細な実績に基づき評価することが望ましいとされまして、受付は本分科会で行ったところでございますが、最終的な保険導入の検討につきましては、先進医療会議で評価が実施されたということでございます。

 今後の進め方でございます。まず、総論として、医療技術のイノベーションは、御紹介いたしましたとおり、非常に加速化しておりますので、その対応した評価を適切に進めるため、医薬品や医療機器のみならず、医療技術の評価のあり方についても、いま一度検討を重ねまして、平成30年度診療報酬改定に向けて必要な検討を行うこととさせていただきたいと存じております。

 その一方で、平成30年度診療報酬改定に向けて、まず適切に準備を進め、円滑に対応する観点から、学会等からまず提案書の受付等に係る当面の運用につきましては、次の方針とさせていただきたいと存じます。

 1つ目に、提案書の様式でございますが、この様式等は28年改定で全般的な見直しを行ったことを踏まえまして、余り変更を加えますと、関係の学会を中心に混乱を招くおそれがありますので、そういう混乱を防ぐ観点から、基本的には28年改定と同様に実施させていただくこととした上で、その中で緊急に対応しなければいけない課題幾つかを踏まえて、以下の見直しを行ってはどうかと考えております。

 一つには、前回の改定と同様の提案、内容が同じものが連続する技術が中にはございまして、そういう技術を明確化するために、前回改定で提案をされたかどうか、実績を追加してはどうかと考えております。

 もう一つ、エビデンスをより明確にして適切に評価を進めるというために、エビデンスに対する参考文献の該当箇所の明確化や、論文数につきましても、今まで特段限りがなかったところでございますが、5つほどに絞って提出いただくこととしてはどうかと考えております。

 こちらにつきましては、具体的にはお手元の縦紙カラー刷りの技-3-1の様式をごらんいただければと思います。これは実際に学会が今回改定に向けてお出しいただければと思っております様式でございますが、こちらで変更した点が2カ所ございます。基本的には28年改定とほぼ同様でございますけれども、2ページ目をごらんいただきますと、セルの中に「整理番号」「申請技術名」「申請団体名」と上から並んでおりますが、その下に新しく、「平成28年度改定時の本技術の提案実績」を追加しております。こちらで同様の提案をなさったことがおありであれば、提案実績ありというふうにさせていただき、提案実績ありの場合、今回、追加のエビデンスがあるのか、ないのかということもきちんと書いていただくような形で整えてまいりたいと思っております。

 もう一つが3ページ目でございまして、参考文献の明確化と数の限定でございます。3ページ目のところで、参考文献1~5とありますけれども、こちらが新しく追加させていただいた部分でございます。これらは、実際、エビデンスのレベルなどは既に5番で含めて書いていただくことになっておりますけれども、それぞれのエビデンスに対しまして参考文献をお書きいただいて、該当する場所がどこということと、文献数についても最大5つまでという形で、限りをつけさせていただきたいと考えております。

 こちらは未収載の技術も既収載のものも共通してつけさせていただいているところでございます。この様式は、まず未収載がありまして、5ページ目からは既収載の技術となっているところでございます。こちらが様式の御提案でございます。

 もう一つ、資料技-2にお戻りいただきますと、3ページ目の下部、2)でございますが、提案書の受付のスケジュールも若干変更を検討させていただきたいと思っております。学会等における提案書の十分な作成、本分科会での評価の充実のために、提案書の受付や評価期間の確保に向けまして、以下の見直しを行ってはどうかと考えております。

 まず1点目に、受付の期間を延長するため、受付開始を早期化させていただきたいと存じます。もう一つ、十分な評価期間の確保に向けまして、提案書の締め切りを早期化させていただきたいと考えております。こちらは、具体的には最後の4ページ目をあわせてごらんいただければと思います。スケジュールのタイムラインを示させていただいております。

 前回改定におきまして、3月9日から提案書受付を開始させていただいておりましたが、今回改定は、しっかりと学会における検討を促進する観点や、医療技術全体のいろいろな動向を踏まえまして、かなり事前に受付を開始させていただきたいと考えております。本分科会でお認めいただいて、中医協に御報告した後に、29年1月、本年の1月下旬から提案書を受付をさせていただきたいと考えておりまして、それをまた5月末を提出の締め切りとさせていただきたいと思っております。締め切りは前回改定は6月19日でございましたので、20日ほど前倒しさせていただいて、その後の評価の期間を若干確保させいただきたいと考えております。

 このように、受付の期間を延ばしたということと、提出の締め切りを若干前倒しさせていただいたということを変更させていただいたところでございます。

 3ページ目にお戻りいただいて、一番下でございます。先進医療との関係でございますけれども、今回も先進医療については、受付に関しましては前回と同様、学会等からの提案書を本分科会に提出いただくことを可能とさせていただきたいと思います。その後、前回改定ではやはり先進医療会議で評価を行ったところでございますけれども、今回改定も改めてその方向でいいか、また必要な検討などは医療技術全体のあり方とともに検討してまいりたいと思っております。

 最後、4ページ目は先ほど御紹介いたしましたようなスケジュールと、それから29年度内で評価結果を中医協に報告をするというプロセスで進めてまいりたいと思っているところでございます。

 私からの御説明は以上でございます。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等はございましたらお願いいたします。

 岩中先生、どうぞ。

○岩中委員

 今、國光さんのほうから、先進医療について、3ページの一番下の項目になりますが、先進医療については前回と同様、提案書を受け付けるという話でございましたが、前回も提案書を受け付ける、その後、先進医療会議とこの医技評との間のディスカッションをどういう形にして、最終的にどう取りまとめていくのかというのが、もう27年の終わりから28年の頭ぐらいのころばたばたとしたという記憶があったように思っています。現場は大分混乱したような気がしますので、今回は少しこのあたりのところをもうちょっと見えるようにしていただけると、現場としては大変ありがたいなと思います。

 私は外保連から出ていますので、外保連の状況を御説明しますと、昨日、実は手術委員会という全領域の学会が集まってけんけんがくがくの議論をしたのですが、ダビンチの手術、ロボット支援手術をどうするかと。先ほどお話にもありましたように、イノベーションが進んできて、この領域は今国内で非常に急激に症例数がふえつつあります。

 現在、体の上のほうからいきますと、耳鼻咽喉科領域から始まりまして、最後、婦人科、直腸まで入れますと、大体大きく分けまして領域が9つ、ほぼ全ての手術が外保連の手術試案のほうに収載される準備ができてまいりました。

 その中には、一部もう既に診療報酬に収載されている術式があるかと思えば、現在、先進医療で協議中、領域によっては先進医療に出して、今後しっかりと早く審議してほしいと思っている領域、一方でこちらの保険局のほうで対応してくれるのであれば、もう先進医療ではなくて、保険局のこちらのほうに直接提案を出したい、先進医療を通さないという領域も考えているところがあるということがわかりました。恐らく試案に載った術式は、それぞれの手術が少し細分化されていますので、全部で20術式以上ぐらいが多分収載されたのかなと思っています。ですから、そのあたりを、今後、先進医療でも検討している。

 それから、先進医療をやはり通すべきなのかどうか。実際にダビンチの手術の中にも、もう既に欧米で数万件以上、十何万件とやられている成熟した術式もあれば、まだまだこれからデータをしっかり集めてくれないととてもとてもという術式まで、いろいろ成熟度に違いがあるという印象もありますので、そのあたりを例えばどういうものなら先進医療を通さないのか、通すのか、これは医技評の話ではなくて、もう一つ上のランクの話だろうと思いますが、そのあたりのところの議論を少し早目に見せていただけると、多分現場は混乱しない。

 一方で、例えばダビンチに関しましては、機械が今二百何台か売れていますので、やっている施設はある程度限られていることは限られているのですが、やはりダビンチをやっていくにおいては、術者のサーティフィケーションもありますし、ある程度施設基準が必要になってくるだろうと。

 もしも、将来的にこの施設基準を考えていくときに、例えば症例を登録して、保険収載したデータもきちんと見せなさい、監修しましょうという形のレジストリをするのであれば、これはやはり学術団体がそれなりの準備をしなければいけませんので、4月に突然収載しました、データを出しなさいと言われると、実際にはその準備のために、実行に移すのが多分夏、秋という状況になりますので、もしそういう形の方向を見せるのであれば、学術団体にも準備をさせる時間が欲しいと思いますので、そのあたりの進め方について、早目の御検討をお願いできればありがたいと、外保連としましては考えているところでございます。

 以上です。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 事務局から何かございますか。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 先進医療等の取り扱いは、医療技術評価分科会でも一昨年の11月ごろにも非常に議論になったところがございまして、そのときには一定の方向性、先ほど申し上げたようなことが示されたところでございますけれども、先生のいただいた御指摘も踏まえまして、今後必要な検討などを進めてまいりたいと思っております。

○福井分科会長

 粒子線関係、陽子線治療などは学会がすごくまとまって、データのレジストレーションとデータ解析をやろうという方向に、ここ2年ぐらいでしょうか、随分まとまりが出てきたようには思います。外科系もそういうまとまりを持ってレジストレーションを自主的にやるというのはなかなか難しいでしょうか。すごくアピールすると思うのですね。

○岩中委員

 この28年度改定で新規に収載された手術のうち、腹腔鏡下肝切除というのと腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術というのは、施設基準の中にその手術を経験したことがある術者がいることというのから始まりまして、最終的に学術団体がその行った症例を監修することという話が施設基準に入りました。

 そのために、関連する学会と、私ども外科系はナショナル・クリニカル・データベースという、手術をすれば必ず登録をしなければいけないという、たまたまこの2術式はその領域の中に入っている手術でございましたので、私はそのナショナル・クリニカル・データベースの代表理事もやっていますが、急遽、ナショナル・クリニカル・データベースでレジストリをしなさいという話になって、1年間かけて入力すればいいデータベースを、術前に全てデータを入れさせて、その都度、コンファームをして監修をしていくというふうに、仕組みを突貫工事でいじる必要が出ました。それを周知して、関係する学会に申し渡して、準備ができましたよということで、それで施設基準を整えて、それぞれの地域の医務局等へ届出をしてやり始めたのが、たしかもう6月の下旬から7月ぐらいになったと思っています。

 ですから、私ども、こういう診療報酬を扱う団体ではない、別の団体にデータのレジストリを頼むという話が来たこともありまして、私どもは医療の安全でかつ正確なデータをとるための団体でもありましたので、もちろん御協力を前向きにしたわけでございますが、やはり相当ばたばたと準備をした経緯があります。

 それで、今申し上げましたように、将来にわたって、こういうふうなレジストリを新しいイノベーションのある技術等でやっていくのであれば、3月の末にこれを通しますよと言われる前に、そういう準備をしているところ、例えば診療報酬に通しやすくしますよというコメントでもあってもいいかと思いますし、どういう形のものが望ましいのかわかりませんが、やはり準備期間を少しいただければありがたいと思います。やろうと思えばできないことではないと思います。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 事務局は今すぐに回答するのが。課長からよろしいですか。それではお願いします。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 先進医療も含めて、保険導入に新しい技術をどう結びつけていくのかというのは、特に技術革新も早くなり、幅広くなってきていますので、随時、整理をしたり、定型化したりしてきていますので、結論から申し上げますと、少しわかりにくくなっている。それから、手続の面で、言ってみれば現場の方々の思いと行政の対応とがうまくかみ合わないケースがあるという御指摘だろうと思いますので、きょうはそういう整理とか資料は十分用意しておりませんけれども、これは中医協のほうともちゃんと御相談をしながら、一つには現場にわかりやすいということと、より早くすぐれた技術を導入してほしいというのは、何も先生方ではなくて、むしろ被保険者、国民の皆様の願いでもありますので、そのあたりをわかりやすく御説明したいと思いますし、改善はやりたいと思っています。

 今ちょっとお話ししておきたいのは、特にわかりにくいと従来御指摘のあります、先進医療と医技評との関係であります。最終的に保険診療にどういう技術を導入するのかというのは、一定のエビデンスをもとに最終的には中医協で御判断をいただくということです。その中医協の御判断をいただくために、さまざまな作業、エビデンスの整理が必要なので、中医協の合意のもとで、この医療技術評価分科会にいろいろな作業とか御検討をお願いしています。

 一方で、先進医療というのは、保険併用の可否を判断するためのものなので、エビデンスを収集する過程で保険を併用してエビデンスを収集する。それは2つ意味があって、保険に向けたエビデンスの収集を一定の保険財源をある程度活用することをどこまで認めるのかということと、まだ保険にフルに活用にはなっていないけれども、一部分については被保険者、患者さんのほうがお金を出して一定程度のそういう御協力をしたいという2つの思いがあって、先進医療というのが制度化されています。

 前提はいずれも保険導入を目指すということになっておりますので、こちらのエビデンスの評価の部分と先進医療の部分とが、技術について言うと、かなりの部分が重複する可能性があるということです。

 ですから、保険の併用をしながらエビデンスを集めるのか、それともエビデンスが集まったものを評価するのか、ジャッジメントするのかというのがこちらの場なので、場合によっては両方並行で行ったり、あるいは、まだエビデンスの収集が十分ではないけれども、例えば文部科学省の予算を初めとして研究費で全てやるのはなかなか負担が大きいのでということも含めて、先進医療でまずやってという、いろいろなチョイスが多分あると思うのです。そのあたりの体系的な整理を我々としては従来やってきたつもりではあるのですが、わかりにくくなってきている。

 それから、今例で出されましたようにダビンチとか腹腔鏡とか、一定の形としては共通した基盤を持って運用されているものについては少し定型的な整理が可能なのだろうなと。それを最初にお願いしたときに、一気にさまざまな御負担があったのだろうと思いますので、最初の部分の検討はすごく重要だろうと思いますけれども、もしそれがうまく制度として運用が軌道に乗れば、むしろ現場の方の御負担が減ると思いますので、そういったことも含めてよく整理をして、次回以降御説明したいと思っております。

 御指摘、ありがとうございました。

○福井分科会長

 どうぞ。

○岩中委員

 現場の混乱というのは、今課長がおっしゃったように、定型的に多分ダビンチは扱えるのだろうと思うのですが、そのために最初、先進医療を通して泌尿器領域の手術が1つ通り、また次にも先進医療を通して次が通りという形なので、2種類のエビデンスの集め方があることは十分どの領域もわかっているのですが、ダビンチを先進医療を通さなければ、先へ進まないのではないかと思っている領域が非常にたくさんあって、それが一つの混乱を招いている。先進医療になると、ちょっと変な話かもしれませんけれども、前向きのデータ等を集めても、非劣性ではなくて優性なデータがなかなか出なくて、時間もかかるし、それよりももう欧米で何万件もやっている手術なのだから、もう医技評にそういう論文等をつけて、こちらのほうへ出したいと思っている領域は実はたくさんあるけれども、彼らの心の中に、先進医療を無視しても大丈夫なのですかという、強迫観念と言うと言葉は悪いですが、残さないでほしいのですけれども、何となく心配事、不安があるので、やはりその辺をエビデンスのあるものなら、例えばこちらにも当然出してもいいですよみたいな形が見えると、いろいろなエビデンスの集め方がありますよということで、その領域によっても、同じダビンチでも方向性といいますか、診療報酬に収載するまでのプロセスには違いがあっても構わないのですよという形が見えればいいのかなと私自身は思っているものですから、ちょっとくどいようですけれども、もう一度改めて発言させていただきました。

○福井分科会長

 ありがとうございます。

 この件につきまして、委員の先生方はいかがでしょうか。

 中医協に出すのにルートが幾つもあってもいいということは、それはもうよろしいわけですね。

○迫井医療課長

 医療課長でございます。

 中医協に出すルートが幾つもあるという御説明がもしかしたら混乱を招いている、わかりにくいということなのかもしれませんので、そのことも含めて整理をしたいと思います。ですから、大きくは2つの入り口が、現場の特に技術を開発される立場からすると、一見2つのルートがあって、保険併用をして先進医療をやりつつ、それを改定のときに議論をするものですから、そこの入り口がある。それとは別に、保険併用をしまいがしようが、エビデンスがあるものについて、こちらを主な窓口として保険診療に向かって評価をしていただくルート、大きく2つのルートがありますと。

 2つのルートはそれぞれ根拠法が違いますので、本来は独立しているものですけれども、個別の技術の御相談を受けるときに、恐らく今の状況であればこちらのほうがふさわしいですよみたいなお話はあり得ると思うのです。ですから、それが技術によってふさわしい入り口が違うものですから、どっちなのというお話なのだろうと思いますので、そこは今みたいな全体像をちゃんとお示しをして、こういう形でやっていますということをお示しをした上で御理解を得ていきたいと思っております。

○福井分科会長

 よろしいでしょうか。ぜひ、事務局にはお願いしたいと思います。

 ほかに何か御質問、御意見はございませんでしょうか。

 フォーマット自体は昨年随分変えて、外部のいろいろな学会からこういう変更をさらにとか、または変更した部分について困ったとか、そういう意見は特に上がっていないのでしょうか。提案書の様式について。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 私どもの受けとめとしては、小さい運用的なこと、例えばエクセルですのでウインドウズでは使いやすいですけれども、医療関係者はマッキントッシュを使われる方が多くて使いにくいとか、そういう小さいことはかなり実はあったりするのですけれども、前回見えない形でエクセル上の処理も施しているのですけれども、それを踏まえて、相対的にはそれほど大きな混乱はなく、この方向を踏襲しながら申し上げたような課題に対しての修正を行っていくことで、マイナーチェンジで対応していってはどうかと考えている次第でございます。

○福井分科会長

 鈴木先生、どうぞ。

○鈴木委員

 鈴木です。

 新しい提案書の様式でいろいろ御工夫されているのは非常にすばらしいと思うのですけれども、新たに前回も出して今回も継続して出すということがわかるのは非常によろしいと思いますが、実際にそれを評価する段階で、前回どういう議論があってどういう経過だったかという情報は与えていただけるのでしょうか。その次の我々が検討する段階の話です。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 御指摘ありがとうございます。

 本日最後に、技-4という一枚紙の資料、「保険未収載技術 評価票(案)」、こちらは事前評価案をもとに各委員におかれて評価をいただくときの様式でございますけれども、こちらにお書きいただくとき、また私どもが事前の評価の用意をいたしますときに、前回どういう議論があったということも含めて、より御判断がしやすいような形、論点が浮かび上がる形で御用意はさせていただきたいと思っております。それをもとに評価をいただくような形でセットさせていただきたいと考えております。

○鈴木委員

 よろしくお願いします。

○福井分科会長

 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 もしないようでしたら、次期診療報酬改定に向けた医療技術評価・再評価は、資料のとおりに基本的には進めていただくということでお認めいただいたということでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 本日はこんなに短い時間ですけれども、予定された議題は以上ということですが、そのほか何か、事務局から連絡事項なりございますでしょうか。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 特段ございません。

○福井分科会長

 続きまして、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。

○國光医療技術評価推進室室長補佐

 次回の日程につきましては、また後日、日程調整をさせていただきまして、開催させていただきたいと存じます。

○福井分科会長

 それでは、本日の「診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会」は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

保険局医療課企画法令第二係
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