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2016年10月4日 第13回外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会 議事録

社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室

○日時

平成28年10月4日(火)16:00~18:00


○場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール3A


○議題

1. EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な対応について(とりまとめ)

○議事

○熊野室長補佐 皆様、こんにちは。定刻少し前ですけれども、本日出席予定の皆様がお揃いになりましたので、ただいまから第13回「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。なお、本日、猪熊構成員からは欠席の御連絡をいただいております。

 それでは、根本座長、よろしくお願いいたします。

○根本座長 皆さん、こんにちは。

 早速、議事に入りたいと思いますけれども、御議論の時間によりましては、途中、定塚社会・援護局長と、中井川審議官が御退席される旨、お聞きしておりますので、あらかじめお伝えしておきます。

 それでは、事務局より資料の確認をお願いいたします。

○熊野室長補佐 それでは、報道関係者の皆様、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○熊野室長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。皆様のお手元には、議事次第、座席表、資料1としまして「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会~EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な対応について~(案)」を配付してございます。

 資料の過不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 本日は、前回の論点整理に対する皆様の御議論を踏まえまして、事務局において、とりまとめの案を作成いただきましたので、これをもとに議論を進めてまいりたいと思います。

 まず、事務局から御説明をお願いいたします。

○榎本室長 それでは、資料1「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会~EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な対応について~(案)」につきまして、説明いたします。

 資料、1ページを御参照ください。

 まず、「1 はじめに」といたしまして、これまでのEPA介護福祉士候補者等の受入れ。それから、本検討会における議論等についてまとめてございます。

 まず、○の1番目では、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国から介護福祉士候補者を受入れていることが書かれてございます。

 また、○の2番目におきましては、本検討会におきまして、ことし3月にEPA介護福祉士候補者及び介護福祉士の国家資格を取得した者の更なる活躍促進の具体的方策をとりまとめたところでございますが、EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たって講じる措置の内容については、様々な意見があったことから、引き続き、本検討会において議論を行うこととしたということが書かれてございます。

 ○の3番目では、この訪問系サービスの追加について、ことしの8月から本検討会を再開いたしまして、必要な措置について、次の検討の方向性に沿って検討を行ったということでございまして、方向性の1番目といたしましては、EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たって講ずべき必要な措置については、EPA介護福祉士が介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士としての国家資格を有する者であることを前提として、EPA介護福祉士の人権擁護や利用者の安心といった観点から、具体的な検討を行うというものでございます。

 2番目の方向性といたしましては、現行の介護保険制度等において、訪問介護員の能力や希望を踏まえた業務管理の実施などが義務付けられていることから、さらに、どのような措置を追加的に実施すべきか検討を行うというものでございます。

 この検討会におきまして検討を行った結果を踏まえまして、2で、EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たって講ずべき必要な対応について書かれてございます。

 まず、(1)として、EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての課題ということで、当検討会におきましてヒアリングを行った結果などから、主に3つの課題が示されたところでございます。

 1として、日本の生活に合わせたサービス提供が適切にできるか。

 2として、緊急事態発生時の対応が適切にできるか。

 3として、訪問サービス提供に関する記録等の作成が適切にできるか

というところでございます。

 また、介護サービスの特性からは、現場で利用者等との適切な意思疎通を図ることができるよう、日本語の運用能力が課題になるという意見が出されたところでございます。

 2ページ目を引き続き御説明させていただいておりますが、次に(2)として、既存の制度を踏まえた追加的に必要な対応ということでございまして、まず○の1として、(1)で掲げられた課題については、EPA介護福祉士の能力や希望を踏まえた業務管理を行うこと等既存の制度における訪問介護事業所のサービス提供責任者や訪問介護事業者の責務等により、相当程度の対応が図られるが、更に、丁寧かつ具体的な対応として、次のとおりの対応を行うことが適当であるということでございます。

 なお、これらの対応については、国から事業者等に対して、EPA介護福祉士が訪問系サービスを提供するに当たっての留意事項として示されることが適当であるという意見が多くを占めた。一方で、対応の履行確保のために、必要な対応については、受入れのための人的及び施設に関する要件にすべきとの意見もございました。

 そして、具体的な対応といたしましては、以下の1、2、3という形でまとめさせていただいております。

 まず、1日本の生活に合わせたサービス提供につきましては、サービス提供者に、訪問介護員等に対する研修、技術指導、業務の実施状況の把握等を行うことが義務付けられていることを踏まえ、事業者等がEPA介護福祉士に、次に例示する事項を含む研修を行うとしてはどうかというところでございます。

 具体的には、訪問介護の基本事項、生活支援技術、利用者、家族や近隣とのコミュニケーション、日本の生活様式、訪問介護計画書に記載されたとおりのサービス提供をすることなどでございます。

 2番目に、2緊急事態発生時の対応といたしましては、事業者に、運営規程において緊急時等の対応方法を定めること等が義務付けられていることを踏まえ、事業者等が、次に例示する事項を含む緊急時の対応マニュアルの整備を行うとともに、EPA介護福祉士への研修を行うということで、具体的には、緊急時の対応、事故発生時の対応、感染症への対応、リスクマネジメント、災害発生時の対応等についての研修等を行うということでございます。

 3ページに参りまして、3として、訪問サービス提供に関する適切な記録等の作成ということでございますが、これにつきましては、事業者等が、次に例示する事項など、記録や報告事項の記載方法について工夫し、正確かつ、よりスムーズに、EPA介護福祉士が適切な記録等を作成できるようにする。具体的には、チェックシート方式による簡略化、記載事項を5W1Hなどに分けて記載できるような様式の設定、文字の色分けによる優先順位、緊急度の区別、申し送り事項の明確化でございます。

 また、訪問系サービスの提供に当たって、EPA介護福祉士が一人で適切に行えるよう、数回程度又は一定期間、サービス提供責任者等が同行する等の必要なOJTを行う。なお、回数や期間については、利用者やEPA介護福祉士等の個々の状況により適切に判断されるべきものであるということでございます。

 そして、この検討会において多くの議論がございました日本語能力につきまして、まとめさせていただいております。

 まず、サービス提供責任者等が、訪問系サービスを提供するEPA介護福祉士が、一定以上の適切な日本語の運用能力を有することを把握、判断したうえで、訪問介護員として配置するなど、サービス提供が適切に行われるように留意する。なお、EPA介護福祉士は、介護福祉士国家試験に合格していることなどから、同様の観点からの更なる要件は不要であるとの意見が多くを占めた一方で、EPA介護福祉士の人権擁護及び公的介護保険の下での介護の質の確保の観点から、日本語能力に関する要件を設けるべきとの意見もありました。

 なお、EPA介護福祉士による訪問系サービスの提供に当たっては、事業所におけるサービス提供責任者が、研修、技術指導、業務の実施状況の把握等、重要な役割を果たすことから、事業所において、その役割が十分果たせるように留意をすることが適切である。ただ、現実問題として、事業所におけるサービス提供責任者は多忙であり、上記のような役割が果たせるかどうか懐疑的であるという意見もありました。

 次に、(3)として、EPAの枠組みを活用した対応について、まとめております。

 現在、EPAに基づく介護福祉士候補者等の受入れにおいては、協定等に基づき、公益社団法人国際厚生事業団(以下「JICWELS」という。)が日本国内での唯一の受入れ調整機関として、相手国の送り出し調整機関と一元的に受入れ調整業務等を実施しております。

 更に、EPA介護福祉士の人権擁護の観点から、EPAの枠組みを活用し、JICWELSにおいて、受入れ事業所やEPA介護福祉士に対して、次のような対応を行ってはどうかということでございます。

 4ページに移っておりますが、まず巡回訪問において、現在、受入れ機関によるEPA介護福祉士等の雇用管理状況、研修実施状況を把握しておりますが、更に、今回の追加的に必要な対応事項が適切に実施されているかどうか、事業管理者やサービス提供責任者から、確認する。

 これにつきましては、1として、受入れ施設の要件として「過去三年間に、受入れ調整機関による巡回訪問の際の求められた必要な協力を拒んだことがない機関」が規定されていることから、受入れ施設において合理的な対応が行われることが想定されること。2厚生労働大臣は、JICWELSに対し、受入れ機関における研修の実施状況その他の必要な事項の報告を徴収し、その他必要な指導及び監督を行うことができることから、留意事項の確実な履行については、一定の担保があると考えられます。一方、対応の履行確保のために、必要な対応については、受入れのための人的及び施設に関する要件にすべきとの意見もありました。

 また、受入れ機関やEPA介護福祉士等からの相談に応じるため、現在、月曜日、木曜日の週2日間、母国語でも対応できる相談窓口を開設しておりますが、更に、相談を受付ける機会を設けるために、必要に応じて、回数等を増やす。また、併せて、相談内容やその対応結果を分析し、相談窓口の質の向上を行う。こういった相談については、厚労省及びJICWELSが連携して対応すべきであるという意見もございました。

 また、受入れ機関に対し、協定の受入れの仕組み、研修、雇用管理等に関する説明会の実施や、広報活動を通じた周知を図っているが、更に、EPA介護福祉士候補者の受入れ実績がない事業者に対してEPA受入れ制度の理解の徹底と必要な援助を図る。

 また、EPA介護福祉士に、外国人のための人権相談所、総合労働相談コーナー、セクハラ等の相談に関する相談窓口について周知するということでございます。

 そして、最後、3 今後の対応についてということでございますが、今回、こういった形で結果を取りまとめましたので、今後、厚生労働省をはじめ関係省庁においては、上記の考え方に基づき、事業者への留意事項の作成等の必要な対応を進めていくことを期待する。

 5ページに参りまして、また、今回の検討の過程においては、実際の運営に携わる方々からの貴重な御意見を伺うことができました。関係省庁においては、こうした御意見について真摯に受け止め、今後の取組において参考とされることを期待するというところでございます。

 6ページ以降につきましては、参考資料でございます。

 6ページは、この検討会の開催要綱。

 7ページは、検討会の構成員名簿。

 それから、8ページ、9ページにつきましては、この検討会のこれまでの開催経緯。

 それから、10ページ、11ページにつきましては、ことしの3月に取りまとめました本検討会の報告書からの必要な部分の抜粋でございます。

 とりまとめ(案)、このような形になってございます。私からの説明は以上とさせていただきます。

○根本座長 ありがとうございました。

 それでは、早速、皆様方からの御意見を伺いたいと思います。ただいま事務局より御説明がありましたとりまとめ(案)につきまして、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。

○伊藤構成員 この間、私のほうで御意見をずっと言わせていただいた点については、意見があったという形で記録されていることには感謝申し上げますが、結論としては、私が主張してきたこと以外の意見が多くを占めたという形で、それぞれまとめられているように読めます。この間ずっと申し上げてきましたけれども、履行確保について、この枠組みで十分行っていけるのかについては疑問がありますので、改めて確認させていただきたいと思います。

 2ページの2つ目の○のところに「次のとおりの対応を行うことが適当である」。そして、その次のところで「留意事項として示されることが適当であるとの意見が多くを占めた」という書きぶりになっております。この留意事項なるものは、誰が、どのように示すものなのか。それで、その法的効果というものはどういうものなのかについて、御説明をお願いします。

○根本座長 ありがとうございます。

 事務局、よろしいでしょうか。

○榎本室長 留意事項につきましては、関係省庁の通知という形でお示しさせていただきたいと思います。それにつきましては、もし、その留意事項の確認につきまして拒んだ場合には、これは受入れ施設ではなくなってしまうというところがございます。それから、もし、JICWELSが確認しようとした場合に拒んだ場合には、厚生労働大臣がJICWELSに対して、受入れ機関に関する研修の実施状況その他の必要な事項の報告を徴収し、その他必要な指導及び監督を行うことができることになってございます。こういった形で実効性を担保したいと考えてございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 よろしいですか。はい。

○伊藤構成員 そうしますと、4ページの1つ目のポツ、巡回訪問において、追加的に必要な対応事項が適切に実施されているのかを確認しますということですが、指導に従わなかった事業者、先程の話ですけれども、受入れ施設でなくなるとおっしゃったと思いますけれども、どういう対応をすることになるのですか。指導したが従わなかった場合、どういう処分につながるのか、わかりやすく教えてほしいのです。

○根本座長 よろしいですか。お願いいたします。

○榎本室長 EPAに基づきます厚生労働大臣の告示におきまして、受入れ施設の要件として、過去三年間に、受入れ調整機関、これはJICWELSのことですが、による巡回訪問の際の求められた必要な協力を拒んだことがない機関と規定されておりますので、もし協力を拒んだ場合には、新たな受入れについては認められないことになります。

 また、現在いる方についても、基本的にはほかのところに移れるような措置をとっていくことになると思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 よろしいですか。はい。

○伊藤構成員 EPA介護福祉士を雇用した事業所において、この留意事項がきちんと履行されていなかった場合は、その事業所が今度候補者を受け入れると希望しても、それは受け入れられない、認めないということだという意味で受け取ってよろしいですね。

○根本座長 よろしいでしょうか。

○榎本室長 その点については、ちょっと違います。それですと、受入れ要件になってしまいますので、ここはあくまで留意事項ということでJICWELSのほうで確認するということでございます。

○根本座長 どうぞ、伊藤構成員。

○伊藤構成員 先程、受入れられないとおっしゃったのかなと思ったのですけれども、そうすると効果はないのですか。この通知には実効性がないのでしょうか。

○榎本室長 ただ、確認に当たって必要な協力を拒んだ場合には、これは受入れ施設の要件を満たさなくなりますので、そういった効果はあります。また、厚生労働大臣は、JICWELSに対して、受入れ機関における研修の実施状況その他の必要な事項の報告を徴収し、その他必要な指導及び監督を行うことができるということになっておりますので、厚生労働大臣として、そういった状況について把握することが可能であるということが言えます。

○根本座長 まだ何かありますか。どうぞ。

○伊藤構成員 協力を拒んだらということと、報告・徴収に応じなかったらということだと、協力は拒みません、だけれども、指摘どおりにはしないということで、はい、はいと言ってお茶を濁しても何のペナルティーもないように聞こえるのですけれども、そういうことでは実効性が確保できるとは思えません。ぜひその点は、厚生労働大臣にはJICWELSに対する指導監督権限があること、それから、JICWELSに対して、受入れ機関に照会を行わないなどの必要な措置を行うということも、協定に基づく告示で明示されていると思いますので、こういった権限については、きちんと厳正に活用して履行していただきたいと思います。

 あと、加えまして、介護保険法に基づく実地指導についても、サービスの質の観点から行うことがポイントとされていますし、中でも、認知症ケアが重要なポイントとされています。訪問介護を今回認めるということですけれども、これまで認めてこなかった理由の一つには、利用者の人権擁護というものがありますので、その利用者の人権擁護は、まさに介護保険法上の実地指導のポイントに相当しますので、EPA介護福祉士を雇い入れている訪問介護事業者に対しては、ぜひ重点的な実地指導を行うよう求めたいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 ただいまの点について、何かございますか。

○榎本室長 関係機関と適切に御相談させていただければと思っております。

○根本座長 ありがとうございます。

 ほかの構成員の先生方、いかがでしょうか。

 どうぞ、伊藤構成員。

○伊藤構成員 私ばかりで申しわけないのですが、もう一点、非常に重要な点だと思って、以前より御指摘している在留管理の問題です。

 訪問介護を認めていないもう一つの理由は、在留管理が適切に行えるという担保がないからということでした。この点については、この検討会での検討のミッションを超えていると思います。追加的な措置が必要だという点についての検討ということでしたが、今、申し上げた在留管理というのは、今まで行っていないわけですから、それが適切に行えるかどうかというのは、この委員会で判断しようがないことだと思っています。従いまして、この適切な在留管理が行えるようになるということについては、政府のほうで懸念がないなら、ないと明確に説明していただきたいと思います。

 在留管理は公権力の行使の世界の問題であって、それをきちんと行えるかというのは、政府の姿勢とか判断の問題だと思いますので、やるのだというのだったら、検討会の検討ということではなく、ぜひきちんと説明をいただきたいと思います。

○根本座長 では、よろしくお願いします。

○榎本室長 事務局より御説明申し上げます。

 今、伊藤構成員、御指摘のありましたとおり、受入れ制度開始当初においては、国家資格取得前については、管理者の目が届いた適切な研修体制を確保するため、施設での就労を条件とし、資格取得後については、適正な在留管理等の観点から、EPA介護福祉士の就労範囲の対象外とされたという経緯がございます。この点については、制度の開始以降、受入れ機関による不正行為が確認された例はなく、適切な在留管理のために、受入れ機関が相応の役割を果たしているという実績を前提に、今般の対応を行うことにより、EPA介護福祉士の就労範囲を拡大することは適当であると考えます。

○根本座長 ありがとうございます。

 伊藤構成員、それでよろしいですか。

○伊藤構成員 1点だけ済みません。今の御説明で、この間、受入れ機関による、ちょっと言葉は失念しましたけれども、トラブルがなくという趣旨のことで、したがって、訪問介護を行っても問題はないとおっしゃったように聞こえましたけれども、訪問介護を行っていないという現状で、そういう判断がどうしてできるのかは、よくわかりませんけれども、その点については、もうこの検討会の検討ではなく、政府のほうで責任を持って、そのようにきちんと対応していただきたいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。ぜひ、そのこともよろしくお願いいたします。

 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○加中構成員 加中でございます。

 今回の案では、先ほど留意事項という言葉が出ておりましたが、たしか前回まではガイドラインという言葉が使われていたと思います。私のガイドラインの意味は、何ら強制力がない、要件とはならないものであるという理解だったのです。この留意事項というのは、今おっしゃったように、関係省庁の通知であるということですね。ですけれども、通知は通知であるけれども、強制的な要件ではない。つまり、間接的にJICWELSに対して協力しなかったときに、それについてしっかりと求めていかれるものであるが、EPAの介護福祉士を訪問系のサービスに就労範囲の拡大をしている事業所にとってみたら、それは直接的な要件ではないのだという理解でよろしいのですか。

○根本座長 お願いします。

○榎本室長 すみません、言葉の使い方が雑で申しわけありませんでした。

 私どもの理解といたしましては、この前までガイドラインと申し上げておりましたものと、この留意事項というのは同じものであるということでございます。この前の資料では、ガイドラインや留意事項の通知とすべきかという言い方でございました。両方並べて書いていたわけでございますけれども、基本的には同じ意味と捉えていただければ結構でございます。

○加中構成員 それでは、私が先ほど申し上げたような受けとめ方でよろしいわけですね。

○榎本室長 私どもの受けとめも同様でございます。

○加中構成員 では、それを前提にして、1つお話させていただきますが、私どもも今回の必要な措置というのは、留意事項として、前回の言葉で言うとガイドラインとして示されるべきものだということは申し上げたとおりだと思います。そういう面では、今回の案についてはそのとおりだと思います。

 ただ、その内容が、日本人であること、外国人であることを問わず、必要なことまで入れるのではなくて、EPAの介護福祉士が外国人であるがゆえのことを配慮した事項に限定すべきではないかと思います。例えば、この1の訪問介護計画書に記載されたとおりのサービスを提供すること。そういうことは、日本人であっても、外国人であっても、このサービスを提供するときには当然必要なことですね。そういうことをあえてこの留意事項の中に入れるということは、EPAの介護福祉士から見たら、ちょっと不適当な条項ではないか。つまり、差別的な条項ではないのか。

 外国人であるがゆえに、こういう条項まで入っているというのは、EPAの介護福祉士の権利擁護をうたう、この留意事項が反対の意味にとられかねないという危険性がないのかと思います。ですから、こういう事柄というのはもろ刃の剣だと思います。その辺はしっかりと区別して示していかないと、ちょっとおかしいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。

○根本座長 ありがとうございます。

 この点について、ほかの構成員の先生方、いかがですか。

 どうぞ。

○伊藤構成員 この点については、ヒアリングで事業所から指摘があった点が盛り込まれているものと私のほうでは受けとめましたので、この点はきちんとこういう形で明記しておくのがふさわしいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 ほかの先生方、いかがでしょうか。

 加中構成員、今、御指摘のあったところ以外にも、何かそれに類するような懸念の部分はほかにございますか。訪問介護計画書のサービス提供以外のところで。

○加中構成員 どこまでの部分を外国人であるがゆえの事情なのかということを考えることがかなり難しい部分だと思いますね。ですから、私は今、端的な一番わかりやすい例を申し上げたのですが、考えようによっては訪問介護の基本事項というのは、当然、事業者として、訪問介護をする方に対して、はっきりと示さなきゃならない。本人がその基本事項を承知されていらっしゃるからこそ、そういうサービスについていただくという事柄だと解釈すれば、それもおかしくなるのではないかという気がします。

 ですから、そういうことをある程度踏まえた上での留意事項というものをおつくりいただくことが適当なのではないか、よろしいのではないかという気がします。

○根本座長 わかりました。

 ほか、いかがでしょうか。

 普段はいろいろと御意見いただく先生方も多いのですが、もう十分議論もしたし、それから、この報告書の中に先生方の御意見はほぼ盛られているのでご発言が少ないという理解でよろしいのでしょうか。

 どうぞ。

○田中構成員 EPAの介護人材は外国人ということで特に留意する必要があるとしますが、就労場所は施設介護でありました。今般議論の対象の訪問介護はそれよりも高い能力の必要な部分もあると思いますので、こういったことを書く必要性があると思います。私は書いておいたほうが良いと思います。

 加えて2点目は、フィンランドの事例ですが、移民で来て介護に従事する場合、約1年間、フィンランド語とフィンランドの生活文化を学びます。それから、介護の知識・技術の学習に入ります。これを参考に、訪問介護従事するには日本の生活様式、コミュニケーションといったところはめりはりをつけて、少し重点的に研修を行うことが望ましいのではないでしょうか。

○根本座長 ありがとうございます。その辺も留意事項の書きぶりのところでございますね。

 どうぞ。

○北浦構成員 特段の意見ということではないのですが、この報告書を読んでみますと、JICWELSの役割というのがこれから大変重要になるということがうかがえます。その意味で、JICWELSはこれまでもいろいろな御活動をしていることは、この検討会でもお聞きしたところですが、更にこの中のものがきちんと対応できるように、体制の整備なり、そういうところをしっかりやっていただくということが重要なのと、また、この活動については、JICWELS任せということではなくて、この中にも出ておりますが、厚生労働省との連携の中で、そこもしっかり見ながら、指導しながらやっていただくということをぜひ期待したいと思います。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。

 どうぞ、伊藤構成員。

○伊藤構成員 小さい話ですが、ここでも私も発言しましたし、恐らくもう前提だったと思います。4ページのちょうど真ん中辺に相談窓口の強化の点で、「必要に応じて、回数等を増やす」とありますが、ここについては、厚労省側からも母国語による相談体制は強化すると明確におっしゃっていたと思いますので、必要に応じてということで、実績を見ながらみたいに読めるような書きぶりではなく、明確に今の体制強化という点とあわせて、ぜひお願いしたいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。

 本日も活発な御議論をいただき、ありがとうございます。この事務局におつくりいただいたとりまとめの案につきましては、皆様方の御意見は大体それで一致しているから、御発言が少ないのではないのではないかと思っています。ただし、今の御指摘もありました。それから、日本語能力の考え方等、幾つかの点におきまして、両論併記の部分がございます。これにつきましては、私、座長のリーダーシップ不足のなせるものと、申しわけなく思っているところでございます。

 本日の御議論を踏まえまして、必要な加筆あるいは修正等を含めまして、もしよろしければ具体的な報告書の書きぶりにつきましては、私のほうに御一任いただければと思っておりますけれども、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○根本座長 ありがとうございます。

 それでは、事務局より補足をお願いいたします。

○榎本室長 委員の先生方、ありがとうございます。非常に活発な御議論をいただきまして、充実したとりまとめ(案)になっているのではないかと思います。このとりまとめ(案)につきましては、今、座長一任ということでございましたが、座長に御確認いただいた上で、最終的なとりまとめとして厚生労働省のホームページにて公表させていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 この検討会が始まってから、途中相当な空白期間がありました。先ほどの経緯の中にもありましたけれども、第1回の検討会、20141030日でありましたから、ちょうど足かけ2年、合計13回の検討会によりまして、当初からこの検討会に課せられた3つの課題につきまして、3つの報告書ないし、とりまとめとしてまとめる見通しが何とかできたわけでございます。これも、ここにおられる検討会構成員の方々の英知と御協力のおかげ、さらに厚生労働省社会・援護局、特に事務局を担当されました福祉基盤課を初めとする関係省庁の辛抱強い真摯、真面目な御努力、あるいは御調整の御努力のおかげと、心から感謝申し上げるところでございます。ありがとうございました。

 それでは、本検討会を締め括るに当たりまして、定塚社会・援護局長より御挨拶をいただきます。

○定塚局長 ただいま座長からもお話ございましたけれども、本検討会につきましては、長い間、皆様、御多忙のところを御参加いただきまして、まことにありがとうございました。

 また、今回の検討に当たりましては、EPA介護福祉士の訪問介護についての要件等、御検討いただきまして、まとめていただいたということ、ありがとうございました。特に、根本座長におかれては、さまざま御尽力をいただきましたこと、改めてお礼を申し上げたいと思います。

 今後、今回取りまとめていただきました内容を座長に御確認いただいた後、ホームページで公表させていただきます。その後、私どものほうでこれを踏まえて、事業者への留意事項の作成などの対応をしっかり進めていきたいと思います。

 また、本日の御議論の中でもありましたけれども、そのフォローアップにつきましては、JICWELSとともに厚生労働省、しっかり行ってまいりたいと思います。

 また、同時に、この介護福祉士候補者の受入れ、それから介護福祉士の方の活躍については、各受入れ施設の皆様を初めとして、関係者の方々の御支援、御協力、引き続き大変重要なものと考えております。今後ともよろしくお願いいたしまして、お礼の御挨拶とさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

○根本座長 ありがとうございました。

 ただいまの御挨拶にもありましたように、この検討会に課せられた課題と、それに対してのこの検討会の報告書、とりまとめの趣旨、さらに両論併記をとらざるを得ないような状況をもよく踏まえられまして、これからの行政を行われることを御期待申し上げまして、この検討会を閉じさせていただきたいと思います。

 本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。また、長い間、どうもありがとうございました。

 


(了)

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