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2016年8月5日 第11回外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会 議事録

社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室

○日時

平成28年8月5日(金)10:00~12:00


○場所

TKPガーデンシティ永田町 ホール3A


○議題

1. 本検討会における検討の方向性について(案)
2. EPA介護福祉士受入れ施設等からのヒアリング
3. その他

○議事

○熊野室長補佐 皆様、おはようございます。

 定刻となりましたので、ただいまから第11回「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 私は、社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室室長補佐の熊野と申します。よろしくお願いいたします。

 開会に当たりまして、社会・援護局長の定塚より一言御挨拶を申し上げます。

○定塚社会・援護局長 社会・援護局長の定塚でございます。

 きょうは、大変お暑い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 御挨拶にかえまして、この検討会、久しぶりに再開していただくということで、その趣旨について改めて申し上げさせていただきたいと思います。

 こちらの検討会で28年1月から3月まで開催していただきまして、その中でEPAについての介護福祉士候補者等の更なる活躍を促進するための方策について、皆様方に精力的に御議論いただきまして、根本座長のもと取りまとめをいただいたということ、深く感謝をしているところでございます。

 その際に、残された課題としてEPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たって、人権擁護などの観点から必要な措置を併せて講じることが必要であること。また、この措置の内容としては、引き続きこの検討会において御議論いただくこととされていたところでございまして、今回はこの課題について御議論いただくということをお願いしたいと思います。

 詳細につきましては、後ほど室長から資料に基づいて説明をさせますけれども、既に介護福祉士の国家資格を有するEPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加する場合に講ずる措置を検討するに当たり、現行の制度を前提として、人権擁護及び利用者の安心の観点から、さらにどのような措置を追加的に実施すべきかという方向で御議論いただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 報道関係者の皆様、撮影はここで終了といたします。

(報道関係者退室)

○熊野室長補佐 それでは、本日御出席の構成員の皆様を五十音順で御紹介させていただきます。

 日本労働組合総連合会総合政策局政策福祉局長、伊藤彰久構成員。

○伊藤構成員 伊藤です。よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 株式会社読売新聞東京本社編集局社会保障部長、猪熊律子構成員。

○猪熊構成員 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 公益財団法人日本生産性本部参与、北浦正行構成員。

○北浦構成員 北浦でございます。よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 公益社団法人全国老人福祉施設協議会副会長、熊谷和正構成員。

○熊谷構成員 熊谷でございます。

○熊野室長補佐 学校法人慈慶学園東京福祉専門学校副学校長、白井孝子構成員。

○白井構成員 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会参与、田中愽一構成員。

○田中構成員 田中でございます。よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 公益社団法人日本介護福祉士会副会長、中野朋和構成員。

○中野構成員 中野です。よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 神奈川県立保健福祉大学名誉教授、根本嘉昭座長。

○根本座長 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 なお、本日、公益社団法人全国老人保健施設協会副会長、平川博之構成員は所用のため、代理として本間達也同協会副会長にお越しいただいております。

○平川構成員(代理 本間副会長) 本間でございます。よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 なお、社会福祉法人全国社会福祉協議会、全国社会福祉法人経営者協議会高齢者福祉事業経営委員長、加中英喜構成員は、所用のため御欠席との御連絡をいただいておりますので、御報告をいたします。

 続きまして、事務局の出席者について紹介させていただきます。

 社会・援護局長、定塚由美子。

○定塚社会・援護局長 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 大臣官房審議官、堀江裕。

○堀江房審議官 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 社会・援護局長福祉基盤課長、石垣健彦。

○石垣福祉基盤課長 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長、榎本芳人。

○榎本室長 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室室長補佐、川端輝彦。

○川端室長補佐 お願いいたします。

○熊野室長補佐 大臣官房国際課課長補佐、領五有希。

○領五課長補佐 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 職業安定局派遣・有期労働対策部外国人雇用対策課経済連携協定受入対策室長、松下和生。

○松下室長 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 老健局振興課課長補佐、井樋一哉。

○井樋課長補佐 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 続きまして、オブザーバーの出席者につきまして御紹介させていただきます。

 法務省入国管理局入国在留課法務専門官、杉本律子様。

○杉本法務専門官 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 外務省アジア大洋州局南部アジア部南東アジア第一課交渉官、川口正樹様。

○川口交渉官 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 外務省アジア大洋州局南部アジア部南東アジア第二課地域調整官、石川義久様。

○石川地域調整官 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 以上でございます。

○根本座長 ありがとうございました。

 皆様、改めておはようございます。そして、本当に久しぶりの検討会ですけれども、どうか今期もよろしくお願いいたします。

 本日は、先ほど社会・援護局長さんからもお話がありましたように、前回3月の報告書の中で引き続き本検討会で議論を行うこととしておりました、EPA介護福祉士の就労先に訪問系サービスを追加するに当たりまして、人権擁護等の観点からの必要な措置につきまして、その検討の方向性を議論の上、受入れ施設等からのヒアリングを行いたいと思います。

 まずは議題にありますとおり、「本検討会における検討の方向性について」を確認、議論をいたした上で、現にEPA介護福祉士を受け入れておられる2つの施設からのヒアリング、及びEPA介護福祉士候補者の国内受入れ団体であります国際厚生事業団(JICWELS)から現行の取り組み等につきましてヒアリングを行うことといたします。

 先に事務局より資料の確認と本日お招きした団体の方々の御紹介をお願いいたします。

○熊野室長補佐 それでは、お手元の資料の確認をお願いいたします。皆様のお手元には、まず議事次第、座席表、続きまして、A4横書きの資料1「本検討会における検討の方向性について(案)~EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な措置について~」。同じくA4横書き1枚紙で、資料2「検討会スケジュール(案)」。

 続きまして、参考資料1、2、3としまして、まずA4縦書きで参考資料1「外国人介護人材の受入れの在り方に関する検討会開催要綱」。裏面が構成員名簿となっております。

 続きまして、参考資料2「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会~経済連携協定に基づく介護福祉士候補者等の更なる活躍を促進するための具体的方策について~」。これは前回、平成28年3月7日におまとめいただいた検討会の報告書でございます。

 続きまして、参考資料3としましてEPAの制度概要、その他の基礎資料でございます。

 続きまして、ヒアリング施設からの提出資料としまして、それぞれ資料1、2、3とつけてございます。

 資料の過不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、次に、本日ヒアリングに御参加いただく方々を事務局より御紹介させていただきます。

EPA介護福祉士候補者等受入れ施設である社会医療法人恵仁会介護事業部長、老人保健施設シルバーポートつかばら施設長の藤牧様です。

○藤牧氏 よろしくお願いいたします。

熊野室長補佐 同じく受入れ施設である社会福祉法人不二健育会理事、特別養護老人ホームケアポート板橋施設長の小清水様。

○小清水氏 よろしくお願いします。

○熊野室長補佐 同じく人事総務室長の村上様。

○村上氏 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 候補者のあっせん等の業務を行う公益社団法人国際厚生事業団専務理事の角田様。

○角田氏 角田です。

○熊野室長補佐 受入支援部長の稲垣様。

○稲垣氏 よろしくお願いいたします。

○熊野室長補佐 以上でございます。

○根本座長 ありがとうございました。

 それでは、早速「本検討会における検討の方向性について(案)」と「検討会スケジュール(案)」につきまして、資料1により事務局から御説明をお願いいたします。

○榎本室長 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の榎本でございます。私から資料1「本検討会における検討の方向性について(案)」と資料2「検討会スケジュール(案)」につきまして御説明を申し上げます。

 まず、資料1につきまして御説明を申し上げます。1枚おめくりください。一番上に「これまでの本検討会におけるとりまとめ内容と今後の検討の方向性(案)について」と書いた資料がございます。こちらの資料の上半分では、今年の3月7日に取りまとめられました「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会~経済連携協定に基づく介護福祉士候補者等の更なる活躍を促進するための具体的方策について~」の抜粋が書かれております。

 読み上げますと、「特に訪問系サービスについては、EPA介護福祉士の受入れは、二国間の経済の連携強化という目的で特例的に行われているものであり、外交上の配慮という観点からも、EPA介護福祉士の人権擁護が確実に図られる必要がある。このため、EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっては、人権擁護等の観点から、必要な措置を併せて講じることが必要である。この必要な措置の内容としては、様々な意見があったことから、引き続き、本検討会において議論を行うこととする」ということが報告書で書かれております。

 これを受けまして、「本検討会における今後の検討の方向性(案)」ということで、下半分のほうに書かせていただいております。

 まず、第1点目「EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たって講ずべき必要な措置については、EPA介護福祉士が介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士としての国家資格を有する者であることを前提として、EPA介護福祉士の人権擁護や利用者の安心といった観点から、具体的な検討をしてはどうか」。

 2点目「この場合、現行の介護保険制度等において、訪問介護員の能力や希望を踏まえた業務管理の実施などが義務付けられていることを前提として、さらに、どのような措置を追加的に実施すべきかを検討する必要があるのではないか」ということでございます。

 ここで現行の介護保険制度というものについて言及がございますので、おめくりいただきまして、次の参考1で現行の訪問介護サービス利用の仕組みにつきまして、まとめさせていただいております。簡単に御説明させていただきます。

 まず、一番上に利用者がおられます。この方が利用できる訪問介護サービスとしては身体介護、生活援助ということになるわけですが、具体的に訪問介護サービスを利用しようと思いますと、まず最初に「1サービス利用依頼」というのが上の左のほうにございますけれども、居宅介護支援事業所。そこに「介護支援専門員」と書いてありますが、これはケアマネジャーでございます。ケアマネジャーにサービス利用の依頼をしまして、2として居宅サービス計画書の作成がなされます。さらに3としてサービス担当者会議ということで、サービス担当者会議を通じた利用者の心身の状況等の把握ということが行われます。

 その後、利用者は実際に訪問介護サービスを提供いたします訪問介護事業所とやりとりをいたします。具体的には4訪問介護計画・手順書の作成ということで、こちらにつきましては利用者またはその家族への説明、利用者の同意が必要となってございます。

 その後、具体的に訪問介護事業所の中でサービス提供責任者、略して「サ責」と言いますが、サ責が実際に利用者宅に伺う訪問介護員に対して、訪問介護手順書で具体的な援助項目及び援助内容を指示いたします。これに基づいて訪問介護員がサービスを提供し、その業務の実施状況についてはサ責のほうに報告が行くということになってございます。

 ここでサービス提供責任者というのは非常に重い責任を負っております。具体的には左の下、サービス提供責任者の責務といたしましては、利用者の状況の変化やサービスに関する意向の定期的な把握。それから訪問介護員等に対し、具体的な援助項目及び援助内容の指示、利用者の状況についての情報伝達。さらに、訪問介護員等の業務の実施状況の把握。訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理の実施。さらに、訪問介護員等に対する研修、技術指導等を実施することとなっております。このような訪問介護サービスの提供に当たって、もし苦情等がある場合には、それについて訪問介護事業者が対応するということになっております。また、事故発生時の対応につきましても定められているところでございます。

 おめくりいただきまして、参考2として「各訪問系サービスの概要」ということで記載させていただいております。具体的に訪問介護としましてはこの4つの類型がございます。それぞれにつきましてサービスの概要を右側のほうに記載させていただいております。

 ただ、上から3番目の定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましての説明でございますが、大変申しわけございませんが、これは看護の説明が抜けておりますので、そこにつきましては、今後ホームページ等へのこの資料の公表の際にはその記述も追加いたしまして掲載をさせていただきたいと思います。この場をお借りいたしまして訂正、それからおわびを申し上げたいと思います。

 続きまして、資料2に移らせていただきます。こちらは「検討会スケジュール(案)」ということでございます。今回の議論のテーマといたしましてはEPA介護福祉士の訪問系サービスの追加ということでございますが、本日第11回ということで、具体的な議論のテーマといたしましては「本検討会における検討の方向性について(案)」「EPA介護福祉士受入れ施設等からのヒアリング」ということでございます。

 次回第12回は、今のところ9月6日の開催を予定しております。論点整理、必要な措置について御議論をいただければと考えております。

 次々回第13回は10月の初め頃をスケジュール的には予定しておりますが、こちらで議論の取りまとめということにしてはどうかというのがこの検討会スケジュール(案)でございます。

 私からの資料1及び資料2の説明を終了させていただきます。

○根本座長 ありがとうございました。

 ただいま御説明がございました検討の方向性につきまして、御質問あるいは御意見等ございましたら承りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。伊藤委員、どうぞ。

○伊藤構成員 伊藤です。

 前回3回で議論を取りまとめたという経緯については、余りにもやり方が雑ではないかというお話もさせていただきましたけれども、今回は間が半年で再開されまして、申し送り事項をきちんと検討していただくこういう場ができたということで、非常によかったなと思っております。

 2月のこの場で最後に確認をしておいた点があるのですが、EPA介護福祉士の訪問介護での就労だけでなく、そのほかの論点、2つあったわけですけれども、候補者の受入れ施設の対象の拡大と候補者の受入れ人数の下限の見直し、両方についても留意点を記載していただいております。確実に学習支援体制ですとか労務管理体制の確保と履行体制の確立、それから同国出身者との交流の場の定期的な確保とか、こういった点についても必要ですということで、これは確認して、最終的に書いてもいただいたわけですが、この点についてはどのように検討し、具体化していくのかということを確認させていただきたいと思います。

○根本座長 事務局、よろしいでしょうか。

○榎本室長 ありがとうございます。

 今、2点お尋ねいただきました。要は、候補者の方の範囲の拡大、受入れの下限の見直しということでございますが、実際にそちらが始まりますのは来年度の受入れからということになりますので、まだ具体的な受け入れが始まっていないというところがございますので、具体的なところについてはなかなか申し上げるのが難しいところがございますけれども、きょうは用意がございませんが、もし何かしら提供できる資料があれば、それは9月の検討会のほうに御提出させていただければと思います。

○根本座長 それでよろしいですか。

○伊藤構成員 どのような対応を厚労省さんのほうでお考えなのかということは、ぜひお聞かせいただいて、それが妥当なのかどうかということをこの場で議論、確認をしていくべきだと思っております。それが次回であるか、あるいはまだ受け入れが間に合うということであれば、募集に遅れない形でこちらの場で議論、確認をしていくということにしていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○根本座長 今の件について、ほかの委員の方々、何か御意見ございますか。

 それでは、今、言われたようなことも含めて次回にまた課題として、場合によっては御提案いただくということも含めて、どうぞ御検討方よろしくお願いいたします。

○榎本室長 検討させていただきます。

○根本座長 伊藤委員、その件についてはそれでよろしゅうございましょうか。

○伊藤構成員 はい。

○根本座長 ほかに直接的に「就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な措置について」の検討の方向性について、事務局からの御提案について、何か御意見ございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、特段御意見がなさそうですので、この方向で検討を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、各施設、団体の方々へのヒアリングに入りたいと思います。

 ヒアリングの対象施設、団体の方々からは、実際に訪問介護事業に取り組まれている中で、業務管理等の工夫点、EPA介護福祉士が訪問系サービスに就労した場合に課題となる事項は何か等、そして、EPA介護福祉士候補者の就労研修の支援を行っておりますJICWELSさんには、現在EPA介護福祉士の就労のサポートの具体的業務内容や工夫をされておられる点等について、それぞれプレゼンテーションをいただくこととしております。

 なお、質疑応答につきましては、3つの施設、団体等からのヒアリングが全て終了した後でまとめて行いたいと思いますので、御協力をお願いいたします。

 それでは、最初に社会医療法人恵仁会シルバーポートつかばら、藤牧様からどうぞよろしくお願いいたします。

○藤牧氏 御紹介いただきましてありがとうございます。また、今回はこうして検討会におきまして報告をさせていただく機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 それでは、私のほうから報告をさせていただきます。

 おめくりいただきまして、法人の概要でございます。私どもは長野県佐久市にございます社会医療法人恵仁会です。事業としては、佐久市は10万人規模の市でございますけれども、佐久市の中込という地域を中心に医療・介護の事業を行わせていただいている法人でございます。

 おめくりいただきまして、組織でございます。職員数は7月1日現在575名。組織的には本部、医療事業部、介護事業部という形で全体管理をさせていただいております。

 おめくりいただきまして、法人の事業概要でございます。一般床43床、医療療養20床、介護療養20床という規模のくろさわ病院を中心に地域の中で医療事業を展開させていただいております。

 そのほかつかばらクリニック、さなだクリニック、菅平高原クリニックといった19床の診療所、また無床診療所をやらせていただいています。

 介護事業におきましては、そちらのほうに事業種別、事業所数などを記載させていただきましたので、参考にごらんいただければと思っております。

 委託事業におきましても、地域包括支援センター事業、療育等支援事業、身体障害者コーディネーター事業等の委託を佐久市、長野県、佐久広域連合等から受けましてやらせていただいているというところでございます。

 資料をおめくりいただきまして、当法人のEPA介護福祉士候補者受入の状況でございます。平成24年、インドネシアより2名の介護福祉士候補者の受入れを開始しております。学習のほうにおきましては、毎週金曜日を学習日と定めさせていただきまして、法人で独自に探し求めました佐久市在住の日本語講師、2名の方に毎週1回当たり90分の指導を行っていただきました。それ以外、日本語講師の方から指示を受けまして、施設職員による補助的な学習を行ってまいりました。

 介護知識につきましては、まずは法人で年数回開講しております介護職員基礎研修講座を無料の形で受講していただきまして、それ以降、それぞれにサポートがつく形で介護業務についていっていただいたという流れになっております。

 また、東京都で行われておりました首都大学東京での学習支援に毎回参加させていただきました。そちらも本人たちにとっては大変貴重な学習の機会ということで、両名ともN2まで取得できております。

 資料をおめくりいただきまして、引き続き介護福祉士候補者受入れの状況でございます。就労に関しましては、介護老人保健施設シルバーポートつかばら通所リハビリテーションに配属といたしまして、通所リハビリにおける介護業務に従事してもらいました。通所の送迎にかかわることで日本人の暮らしや地域の様子を垣間見ることができまして、よい勉強、また刺激になったと当人たちが申しておりました。

 就労開始時より日本語ヒアリングは高いレベルでございましたので、日本の暮らしになじもうとする意欲も高く、御利用者とのコミュニケーションも積極的にとってくれておりました。そのため、御利用者の受け入れも大変好意的でございまして、これまで外国人を理由としたクレームは全く聞かれておりません。

 また、就労の時間帯にも施設内、特定の場にお祈りのためのスペースを確保いたしまして、日中2回のお祈りをしておりましたが、1回は休憩時間に、1回は業務中にということで、施設職員も了解をして、やってもらっていました。

 生活でございますが、法人の関連会社で行います有料老人ホーム、こちらは1階だけ有料老人ホームになっているのですが、2階の部分に3LDKの部屋がありましたので、そちらに2人で居住をしてもらうという形態をとりました。通勤を含めまして移動のための交通手段は自転車ということでしたので、生活面では大変不便なことが多かったかなと思っております。また、長野県佐久市というところは、季節によりまして寒暖の差がなかなか厳しくて、特に冬期の寒さになじめず体調を崩すことが、特に1年目には多かったと記憶しております。また、冬期は積雪や路面凍結となるため、自転車での通勤がなかなか困難ということで、日勤帯の職員が日がわりで通勤における送迎を行ったりもしておりました。宗教上のこともありまして、仕事のときは弁当を持参です。ラマダーンの時期も特に問題なく過ごしております。各種手続に関しまして、契約とか加入のほうは本人たちだけでは困難でありまして、施設職員が同行して行うようにしておりました。また、市内に外国人支援団体の支部もあるのですが、外国人コミュニティーの希薄な点も地方では課題かなと思っております。

 介護福祉士試験とその後ということですが、28年、両名ともに介護福祉士試験に合格しました。4月30日付で1名は退職し帰国、1名は当施設で就労を継続してもらうということになって、現在、入所介護担当としまして早出、遅出等の変則勤務も行ってくれておりますが、夜勤及び日勤リーダー業務につきましては、記録と申し送りに少し課題があるかなということで、検討中でございます。

 資料をおめくりいただきまして、当法人における訪問介護事業について、ここから少し説明をさせていただきます。

 事業でございますが、事業所数は4つ。

 その下に<職員数>という表をつけさせていただきましたが、ヘルパーステーション中込、野沢、長土呂、望月という地名をつけた形でのヘルパーステーション4事業所となっております。それぞれ事業所ごとの職員数、少しばらつきがありますが、4事業所で総勢82名の職員がおります。そのうちの介護福祉士数は65人。また、サービス提供者の数も、それぞれ事業所ごとに規模が違いますので、サ責の数がばらけておりますが、総勢で15人のサービス提供責任者を配置しております。

 「正職員」という表記につきましては、法人の規定に沿ったフル勤務可能な者。「準職員」という表示につきましては、1日8時間の労働が可能でありますけれども、勤務条件に制限がある者。「パート職員」という表記につきましては、1日に数時間あるいは週に数日の勤務希望の者ということになりますので、御了承いただければと思います。

 男女比につきましては、おおむね2対8。正職員と準職、パートの比率はおおむね7対3という形になっております。

 事業内容に関しまして、高齢者事業におきましては、介護保険の身体介護、生活援助、通院等乗降介助。新総合事業におきましては、佐久市から指定を受けまして、本年度から訪問型サービスAの指定を受けて4事業所ともにサービス提供をさせていただいております。

 また、障害者事業におきましても、このヘルパーステーションのほうで障害者総合支援法におきます居宅介護、同行援護、行動援護、地域生活支援事業におきます移動支援、タイムケアなどを行っております。

 その他は、福祉有償運送サービス、配食サービスなどをヘルパーステーションで行わせていただいている状況です。

 次のページはサービス提供状況でございます。

 左側「サービス提供数の年度推移」、その下に「高齢者障がい者別訪問割合の年度推移」というグラフをつけさせていただきました。黄色い一番左側の一番高い棒グラフが介護保険事業、その隣が障害者事業。STSというのは福祉有償運送サービスのことですが、配食の数ということの棒グラフになっております。

 訪問件数が少しずつ減ってきている現状ではありますが、こちらのほうは、職員の確保が難しい状況などが年々ございまして、職員数が集まらない分、訪問数もなかなか伸びてこないというところが現状でございます。

 また、高齢者と障害者への提供の比率に関しましても、平成23年度、高齢者8、障害者2に対しまして、徐々に障害者への提供比率が高まってまいりまして、平成27年度ではおおむね6対4程度の割合ということになっております。

 提供数につきましては、提供時間区分を問わずに、20分~30分という提供区分の方も、長時間にわたります、例えば障害者の行動援護なども1回としてカウントしておりますので、その辺は御了承いただきたいと思います。

 障害者事業における行動援護などでは最長で8時間というケースもございますので、それを同じく1回というカウントでのグラフでございますので、そのように御了承いただければと思います。

 右側のデータは、平成27年度の介護保険の提供区分です。介護保険では、2030分の身体介護の提供数が最も多いという現状でございます。

 年間の割合ですが、全体提供数のおおむね55%という割合になっております。その次が夜間早朝におけます身体介護2030分となります。ちなみに、夜間というのは18時から22時の間、早朝は6時から8時の間の提供ということになっております。

 次のページに移らせていただきます。当法人におきます教育体制と事業所間の連携ということで少しまとめさせていただきました。法人のほうの新入職員の教育につきましては、OJTによりまして事業所ごとにプリセプターを配置して職員教育を行っているという現状でございます。

 訪問介護事業におきましても、導入段階ではサービス提供責任者またはプリセプターとの同行訪問を必ずしておりまして、まず2回同行するということを標準としておりますが、理解度によりまして同行回数を調整、増やしていくということもしております。

 それに加えまして、右側に「OJTシート(記載例)」というものをつけさせていただきましたけれども、こちらのOJTシート、各御利用者の個別の提供内容を記載しております。それを用いまして各訪問先の業務の確認を行い、下の段に学んだことや質問等を書いてもらって、その評価につきまして、プリセプター、主にはサービス提供責任者になることが多いのですが、そちらで評価をするという形にしております。

 また、訪問介護事業のほうの連携でございますけれども、各事業所ごとに全体会議やケース検討会議を月1回、またサービス提供責任者の連携会議として月1回開催しているという状況でございます。

 次の資料でございます。当法人の訪問介護事業におけます事故苦情につきまして、平成27年度の状況を参考にまとめさせていただきました。アクシデント報告、インシデント報告、苦情報告という形になっておりますが、お時間の関係で全部お読みすることは不可能ですけれども、アクシデントの報告が6件。例えば息子さんが1日分の薬をクリップでとめて準備してありましたが、朝食後に夕食後の薬も一緒に飲ませてしまったというようなアクシデントがあったりということであります。

 インシデントのほうにおきましても、転倒に関するインシデント、転落に関するインシデントということが多くございます。

 苦情のほうにおきましては、これは若いヘルパーだったのですけれども、掃除をしていて仏壇の線香立ての灰を捨ててしまったということがございまして、私どもから見てもちょっと驚くようなことがあったりということで、お叱りをいただいたということもございました。

 医療・介護における専門的な知識はもちろんなのですけれども、特に私どものような地方におきましては、地域における習慣的なこととか、地域行事等について知っていること、ある程度世間一般的な生活をしているほうがいろんなことで安心感があるのかなと思っております。

 ちなみに、参考に介護職員の平均年齢を私どもの法人の事業種別で見てみたのですが、訪問介護の4事業所、正職員の平均年齢は43.1歳、通所介護6事業所の介護職員の平均年齢は38.1歳、老健入所・通所2事業所の介護職員の平均年齢は33.7歳ということで、訪問介護の正職員の平均年齢43.1歳というのが年齢が一番高いという状況になっております。

 次のページはシフト作成における留意点。私どもの法人におきますということでございますが、少し読ませていただきます。

 介護サービスの提供におきましては、御利用者より特定のスタッフに関しまして、何らかの感情的嫌悪感を抱かれるケースがございます。その要因につきましては、多角的に精査し、必要な対策を講ずるということはもちろんなのですけれども、要因が明確にならないような場合もありまして、施設及び在宅サービスすべからく、こうしたケースの対応の一つには担当者をかえるということがあるのだろうと考えております。

 訪問介護の場合におきましても、何らかの理由で、あるいは理由は定かにならないまま、担当者を拒絶されるというケースがたまに見受けられております。

 当法人の訪問介護事業におきましては、複数のスタッフが1軒のお宅を入れかわり訪問するシフトをつくらせていただいて、サービス提供をしています。こちらは、訪問の状況を次回訪問者により確認できる、また、御利用者から他の訪問者の満足度の確認ができるなど、さまざまなメリットがあるかなと捉え、こうした提供体制をとっているところでございます。事業所管理者及びサービス提供責任者によりまして日々の情報が確認され、相性が合わないようであれば担当者をかえるということもいたしております。

 御利用者にもそれぞれに個性がありますので、サービス提供責任者が訪問シフトを作成する際、御利用者と職員の相性的なこと、職員の業務の習熟レベルなどをある程度考慮しましてシフトの作成を行っているという状況でございます。

 最後の資料になります。私どもの法人で当施設のEPA介護福祉士が訪問介護業務に従事するということになった場合、現状、私どもで入れておりますEPA介護福祉士としての課題、不安材料と思われることを記させていただきました。

 1「車両の運転」とさせていただきましたが、特に地方におきましては、事業所から訪問先まで、また訪問先から次の訪問先までの移動につきましては車両により行うということになります。また、福祉有償運送サービスを利用して御自身の必要な生活範囲を確保している高齢者の方、障害者の方も多くいらっしゃいます。車両の運転というのは、どうしても訪問介護事業に従事するには欠かせないということになるのだろうと思っております。

 2「記録」でございます。コミュニケーション能力が大変高くて、日常的にもほぼ問題はないと思っておりますが、書くということにつきましては、まだなかなか別かなという状況でございまして、特に訪問の記録につきまして、訪問先では複数の在宅サービスを利用している方が多くいらっしゃいまして、居宅のケアマネジャーを含めたサービス間の連絡・連携、また御家族とのやりとりのためにほとんどの利用者が連絡ノートというものをおうちのほうに御用意されているという状況です。それは、まず訪問時にほかのサービス事業者からの連絡事項を確認し、サービス提供に入ること、そして訪問終了時にその回の御様子や気になったことなどを、御家族やほかのサービス事業者に的確に伝わるように記載しなければならないということがございますので、この辺、記録というところが少し課題かなと思っております。

 3としまして「ご利用者急変時における適切で臨機応変な対応」と書かせていただきましたが、訪問サービスの場合、訪問してみると状態がおかしい、これまでにも訪問したら息を引き取っていたというケースも実際にあります。例えばお亡くなりになっていたことを発見した場合には、警察による検死にも的確に答えなければなりませんし、状態急変を発見したときは臨機応変に対応する必要性もありますので、その辺はもう少し経験を積まないと難しいかなと考えております。

 4「調理、味付け」とさせていただきました。生活援助というサービス区分におきましては、ひとり暮らしのお宅などにおいて食材の買い物をした上で、あるいは御家族などが食材を購入して冷蔵庫の中にストックしてくれてあるものを使いまして調理を行うということが多くあります。味つけ、調理方法などにおきましては、その土地土地の昔ながらのものもありますし、そうしたことを考えますと、宗教上禁食とされている豚の類いや酒類のことであるとか、母国におきます調理、味つけによる風土、習慣的なことを思いますと、生活援助においての調理については、少しいろいろと話し合いながら進めないと難しいかなと思っている状況でございます。

 ただ、いろんなことをクリアしていけば、法人でも訪問介護に携わるスタッフがなかなか確保できないということもございますので、うまく労働していただけるといいかなというところの思いもございます。

 私からの報告は以上でございます。

○根本座長 ありがとうございました。

 御質問等につきましては改めて一緒に行うことといたしまして、それでは、引き続き社会福祉法人不二健育会ケアポート板橋の小清水様、村上様よりプレゼンテーションをよろしくお願いいたします。

○小清水氏 よろしくお願いします。施設長の小清水です。

 お手元の資料、ケアポートの取り組みということで書かせていただいていますが、めくっていただいて、法人概要となります。従業員数は約200名ということで、パートさん、ヘルパーさんを含めて200人です。

 事業としては、特別養護老人ホームケアポート板橋を105床。これが一番大きな建物となっておりまして、その中にショートステイ、デイサービス、地域包括支援、居宅介護支援、ヘルパーステーション(訪問介護)が入っております。近くでグループホームと認知症のデイサービスをやっております。EPA介護福祉士並びに候補者のほうは、特別養護老人ホームで働いてくれております。

 めくっていただきまして、当法人は、理事長が2004年(平成16年)の経済同友会において「医療先進国ニッポンを目指して」という提言をしていただいておりまして、その中で、人材不足、医療従事者の不足に対応し、これからは外国の方々、人材受け入れを真剣に検討すべき時期に来ているのではないかというところがスタートでありました。

 その後、準備を進めまして、次のページになりますが、我々の法人のEPA候補者、受入れの実績となります。今までに9名の方を受入れさせていただいています。

 まず、平成20年、インドネシアの第1期候補者受入れから始まっておりまして、インドネシア4名、フィリピン5名の方を受入れさせていただきまして、緑で囲っているところが現在就業いただいております。

21年度に入りまして、25年度国家試験で合格して、フィリピンで第1期受入れの候補者から始まって、その後、転籍等がありましたが、現在、下の4名の方がいまして、EPAに合格している方は2人、これから受ける方が3人という形で、来年1月に1人が受ける予定で、今、勉強と仕事を一緒にやっていただいている状況です。

 続きまして、我々の法人の仕組み、EPAの取り組みの形を簡単に御説明いたします。上に書いているのが先ほど私が御説明した5人のスタッフの顔写真と年度、国別になっております。その中で、私、施設長が中心となりながら、それぞれ各担当がおりまして、私の隣にいます管理者、村上のほうが生活等々のフォローアップをする。また、特別養護老人ホームの介護長が中心になりながら、各フロアにフロアリーダーがおりまして、そこが中心に実務を教えます。右側の教育担当のほうが勉強をフォローアップするという体制をとっております。

 入職からの流れは次のページになります。我々はグループホームがありますので、まず入職してもらって、グループホームというのは地域密着として、食事も提供したり、一緒につくったりもしますので、日本人の生活並びに文化、考え方等を大体2週間を目安にここで研修してもらっています。

 続いて、先ほどと同じような感じでデイサービスに行きまして、ここでは介助の基礎や、利用者さんとのコミュニケーション、さまざまなことを学んでいきます。

 その後、特別養護老人ホームのほうに配属になりまして、介護業務並びに日本語の学習、OJT、試験勉強というのを繰り返して、ぐるぐる回っているような形でやっております。

 書いていないのですけれども、大体週1回学習の日を設けておりまして、それ以外、日本語の先生が来ていただいての学習、そういったことで仕組み化しております。

 次をめくっていただきまして、我々のヘルパー事業所は1事業所なのですが、書いているような形です。職員数は23名。サ責、常勤職員が3名。非常勤の者が3名。登録ヘルパーさんが17名。この23名で実際に毎月大体1,500件の訪問をさせていただいておりまして、1日平均で言えば、50件ぐらいが毎日の訪問になります。介護保険サービスになりますので、身体介護、生活援助が主な事業となっておりまして、板橋の中だけしか調べていないのですけれども、訪問介護事業は今、板橋に174事業者ありまして、規模的には中レベルのちょっと上ぐらいの事業所なのかなと思っております。

 8時30分から1730分を基本にしてサービス提供しておりまして、ちょっと早いケース、デイサービスの送りだったり、ちょっと長い部分は延長して事業をさせていただいております。

 次をめくっていただきまして、我々も業務の流れとしては、先ほど説明があったような資料の仕組みの訪問介護の事業の形の中で対応しておりまして、その中で例えばサービス提供責任者においては5年以上の実務経験がある者でやっております。

 また、ヘルパーさんにおいては携帯電話をみんなに持ってもらっております。その辺が工夫している点になるかもしれません。

 また、複数で利用者さんにかかわるようにしております。

 1事業所、板橋区の中ですので、都内というところで、我々の交通手段は原付バイクもしくは自転車というところです。車での訪問はない形です。

 左側になりますが、教育体制としては、入ってきたら、新人、未経験者に同行訪問という形で、慣れていただく、安心できるまでというところで実施しておりまして、平均で3回から4回ぐらい2名体制で訪問させていただいて、その方その方でレベル分けをして対応したり、また、毎月の定例会では全職員、ヘルパーさんも含めて、みんなに来てもらって事例での勉強会等々をやります。当然ですけれども、サ責等々で内部でのミーティングをやって、日々の運営をさせていただいております。

 図で言いますと、利用者さんとサービス提供責任者、ここの部分で利用者さんにかかわりながら、ヘルパーさんもいろんな性格の方がいらっしゃったり、生活援助が得意な方、身体介護が得意な方、様々いますので、利用者さんへのモニタリング等々はサービス提供責任者がしまして、そこでのミスマッチ等を防ぎながら日々やっております。

 参考程度に右下にリスクマネジメントということで、昨年の事故件数を書かせていただいております。事故は13件ほどありまして、インシデントが2件。内訳としては忘れ物等が6件で、例えばヘルパーさんが行ったときの書類の置き忘れ。我々も連絡帳等のメモがありますので、そういった物忘れ。あと、請求書等をお渡しする時の渡し間違いといったことが起きておりまして、日々、利用者さんとか家族との連絡を密にやることによって、昨年はクレーム等の事案はありませんでした。そういったところです。

 また、毎月定例会においてリスクマネジメントとケースカンファレンスというのも実施して対応しております。

 そういった中で、適性というところで書かせていただいておりますが、ある程度の経験、国家資格、当然合格できておりますし、知識を持っていますので、EPA介護福祉士は業務的な意味では十分やっていく能力はあると思っております。懸案があるとすれば、訪問介護特有の部分、いかにフォローすることができるかといった部分で3つ挙げさせていただいております。御利用者やその家庭に合わせた援助・対応。事故や緊急事態発生時の対応。御利用者やその家族からの苦情とクレーム。こういったことが考えられると思っております。

 次のページをお願いします。そういった課題への対応としては、大きく絵に描かせていただいておりますが、まず御利用者やその家族に合わせた援助・対応は、完全にその家の御利用者支援ができるようになってから、御利用者とその家族から信頼を得るまで職員2人対応とさせていただければいいのではないかと思っております。

 2番、3番の事故、緊急事態発生、クレーム等のとき、マニュアルや毎月の勉強会、事例検討等の勉強会、こういったことに参加するとともに、有事の際はすぐに電話を事務所にしてもらうということで、携帯は常に職員全員が持っていますので、緊急時にこういったところでそういった対応ができる部分。

 ここには書いておりませんが、サービス提供責任者のモニタリングでの御利用者、御家族へのヒアリング等も大事なポイントなのかなと思います。

EPA介護福祉士が対応に困ることは、いわゆる我々も同じことなのではないかなと思います。ただ、丁寧に根気強く教えるというのはずっと同じことなのですけれども、教育は常に必要かなと思います。

 最後のページはまとめということで、EPA介護福祉士が訪問介護事業でも働くことができるようになることは、今後外国人の高齢者が増加してくることを考えれば、将来の可能性を拡げるものとして非常に意義のあることであると考えております。

EPA介護福祉士は能力的にもある程度のフォローがあれば十分日本人職員と同等以上の能力を発揮することが可能と思われます。

 むしろ障害があるとすれば、外国人にはヘルパーは難しいのではないかという我々の先入観にあるかもしれません。

 介護福祉士まで合格した人は十分な日本語能力と介護力を身につけている。どのように工夫したら事業所、御利用者、EPA介護福祉士の三者が気持ちよく訪問介護の世界を共存できるか、これからも積極的に考えていきたいと思っております。

 以上になります。

○根本座長 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして公益社団法人国際厚生事業団、JICWELSの角田様、稲垣様よりお願いいたします。

○角田氏 JICWELSでございまして、本日は説明の機会を設けていただきまして、まことにありがとうございました。

 サポートの具体的業務内容ということで、相談、巡回訪問をやっていますので、それを中心に御説明させていただきます。具体的には資料によりまして、受入支援部長より御説明いたします。

○稲垣氏 受入支援部長、稲垣と申します。よろしくお願いいたします。

 それでは、お手元の資料、2ページをお開きください。まず、私どもEPAの受入事業における当事業の位置づけと役割でございます。

 受け入れにおきましては、協定とか厚生労働省の告示に基づきまして、私どもが国内唯一の受入れ調整機関として位置づけられておりまして、相手国の送り出し調整機関と一元的に受入れ調整業務を実施しているところでございます。

 私どもの業務内容等につきましては厚生労働省告示に定められております。今ごらんの2ページ目の下の※印のところにございますが、告示につきましては、インドネシア、フィリピン、ベトナム、3カ国分がございまして、内容については3カ国とも同じ趣旨を規定しております。

 私どものJICWELSは、この告示の範囲内でEPAの特定活動の在留資格を持つ候補者や資格取得者、並びにその受入れ機関(施設)様を対象に業務を行っているところでございます。

 では、次の3ページをお開きください。相談窓口につきまして御説明いたします。

 相談窓口では、受入れ機関、また施設、そして候補者、資格取得者からの相談に対応しております。

 受付の日時は、月・木の週2回、午前9時から午後1時まで、そして午後2時から午後6時までということで、各国1名で、3名の相談員が専用電話やメール等で対応しております。

 その下の相談対応フローについて説明いたします。まず、相談者から窓口に連絡を受けた後、現行の制度や過去の相談事例などを踏まえまして、社内で相談対応、協議いたします。

 次に、相談内容によっては、受入れ施設や資格取得者、両方から事情などを確認することが問題解決には重要になってきますので、相談員が電話で追加的なヒアリングをしたり、また、必要に応じて複数名で受入れ施設を特別巡回訪問して、直接状況をヒアリングするということをいたします。

 ヒアリングをした結果などに基づきまして、問題の内容とかその度合いなどを見て、相談窓口だけでは判断が難しい場合は、労務関係につきましては当社の顧問社労士、また、メンタルヘルスの関係の問題については顧問精神科医に具体的な対応策の相談をいたします。

 その後、具体的な対応策が固まりましたら、問題の解決に向けて相談員が電話等で対応して、必要に応じて特別巡回という形で受入れ施設を訪問して解決を図ります。このようなサイクルで問題解決を図ります。

 他方で、相談案件の中では労働関係法令とか、あるいは入管法の違反などで当事業団が対応できる範囲というのは、先ほど申しました厚生労働告示や法令を踏まえた改善に向けての助言でありまして、特に私どもには指導権限というところまではございません。従いまして、もし私どもの助言に対して受入れ施設等が従わないといった場合、それで当事業団ではなかなか問題の解決が難しいといった場合は、フロー図の一番下の左側にございますとおり、問題の内容に応じて労働局の相談窓口とか、あるいは地方入管の関係行政機関へ連絡させていただきまして、その後、担当の行政機関が問題の解決に当たるというふうにさせていただいております。

 また、今回の議論になりますEPAの訪問介護に関する相談対応につきましては、もし私どもだけで問題解決が図れない場合、どこの行政機関に連絡、相談したらいいのかということについては、現時点では明らかになっていないのではないかと考えておりますので、その点についても今後、明確にする必要があるのではないかと考えております。

 次に4ページをお開きください。EPAの資格取得者、また受入れ機関からの相談窓口の対応状況でございますけれども、平成25年から昨年度までの対応の件数は、合計100件でございました。内訳といたしましては、雇用管理が約50%、在留管理が約30%、生活管理に関するものが約10%という割合でございました。

 資料の下に具体的な相談事例を挙げておりますが、雇用管理面では、例えば転職の相談とか、あとはもう一度日本で就労する際の手続の方法といったものがあります。

 在留管理では、家族を呼び寄せる手続の方法などの相談。生活管理面では呼び寄せた家族の生活の相談とか、結婚、妊娠後の生活の悩みといったものが挙げられます。

 では、次に5ページをお開きください。資格取得者を受け入れたい受入れ機関、施設の対応について説明いたします。私どもは告示に基づきまして受入れ希望機関や施設が受け入れの要件を満たしているかどうかを確認する業務がございます。

 受入れの要件といたしましては、1番の囲いの中に書かれているとおりでございますけれども、例えば、介護保険の三大施設のほか、単独のデイサービス等の施設でEPA介護福祉士に居宅サービス業務をさせないこととか、あと、過去3年間に不正行為がないこととか、あとは日本人と同等以上の報酬を支払うことといった要件がございます。

 これらの要件を私どもが確認するために、受入れを希望する施設に対しまして、まず私どもから連絡をとらせていただきまして、EPA受入れの要件とか、あるいはこの告示に定められました受入れ機関としての責務等を説明させていただいた上で、求人申請書類や就業規則等の同等報酬の確認書類を当方に送っていただきまして、そういった書類で要件を確認いたします。

 そのほかには、私どもの過去の記録によって、その施設が過去に不正行為がなかったかどうかとか、あと告示で定められた報告あるいは巡回訪問への協力の拒否といったものがなかったかどうかといったものを調べます。

 それで全ての要件を満たしている機関、施設に対してEPA介護福祉士をあっせんするというふうにしております。

 次の6ページをお開きください。次にEPA介護福祉士資格取得者の受入れ施設に対する巡回訪問について御説明いたします。巡回訪問の目的でございますけれども、こちらも厚生労働告示に基づきまして、資格取得者の方の就労状況の把握とか、あるいは相談・助言等のため少なくとも1回、全ての資格取得者の受入れ施設を訪問しております。「少なくとも年1回」という意味でございますが、通常の1回の巡回でもし問題があった場合とか、あとは先ほどの相談業務で実地にヒアリングをする場合といったものがありますので、そういった場合に特別巡回訪問という形で訪問する場合がございますので、こういう表現を使わせていただいております。

 なお、昨年度の介護福祉士の受入れ施設の訪問件数でございますけれども、全部で147施設訪問いたしました。

 次に、2番の実施内容と方法でございます。まず、雇用管理の状況につきましては、事前質問票による書面調査と労務担当者との面談等で、賃金台帳の目視によって、告示で定められた同等報酬の要件の遵守状況の確認や、あとは法令に規定されている外国人雇用状況の届け出等の各種手続状況などを確認させていただきます。

 また、資格取得者の状況につきましては、こちらも事前質問票による書面調査と、それから個人面談によって御本人の就労・定着状況を確認いたします。

 では、次に7ページをお開きください。巡回訪問においてどのような相談対応あるいは助言を行っているかというところを説明いたします。

 まず、(1)相談対応や助言の内容につきましては、基本的には受入れ施設や資格取得者からの受入れ制度とか労務管理、そして入管手続などの質問・相談への回答あるいは助言が主でございます。

 イメージといたしましては、1施設を訪問いたしますと、ささいな質問も含めますと、大体1回か、何らかの御質問をいただきますので、それに対して御回答や助言をさせていただいているというイメージでございます。

 (2)でございます。仮に巡回訪問時で雇用管理等の問題が判明した場合、私どもは告示に従いまして、受入れ施設に対して改善に向けての助言を行うとともに、必要に応じて厚生労働省に報告をいたします。そして、改善の助言を受けた受入れ施設は、後日書面によって改善状況を私どもに報告いただきまして、必要に応じて特別巡回訪問で実地にて改善状況を確認するという仕組みをとっております。

 こういう仕組みをとっておりますけれども、過去に資格取得者の関係で特別巡回訪問によって実地に確認するまでの問題は発生しておりません。

 また、(3)と(4)にございますとおり、相談・助言につきましては、必要に応じて当事業団の顧問社労士や精神科医と相談の上、対応いたしております。

 このほか、巡回訪問や相談窓口で問題を把握した場合、そして受入れ施設に直接の助言が必要なケースは、特別巡回訪問という形で対応する仕組みをとっております。

 下の4番の相談対応・助言の実績でございますけれども、まず資格取得者の職場適応とか、ホームシック等に対する施設の対応状況をヒアリングさせていただきまして、必要に応じて助言をしたり、あるいはJICWELSの相談窓口を紹介させていただきました。

 もう一つ、外国人を10名以上雇用する事業所では、雇用労務責任者の選任が必要なのですが、それが未選任といたケースが平成27年度で4件ございました。これについては、選任の必要性を説明いたしまして助言を行って、3件は選任済みでございますけれども、残り1件はまだ選任中ということで、引き続き選任の助言をしているところでございます。

 もう一つ、法令に定められた外国人雇用状況の届けが未届けだったというケースが平成26年度1件ございましたので、これは助言に従いまして既に届け出済みを確認しております。

 8ページ以降は参考資料でございます。これは冒頭で申し上げました私どものEPAでの受入れ業務や役割の範囲などを規定した厚生労働省告示のインドネシア版を例示で出しております。例えば8ページ目に同等報酬要件の規定を抜粋しておりまして、私どもはこの規定を根拠に受入れ機関や施設から必要な情報収集や要件審査、そして巡回訪問での確認を行っております。

 次の9ページでは資格取得者の受入れ機関のあっせん、あるいは各種報告の受理の規定の抜粋を書いております。

 最後の10ページでございます。5番での巡回訪問や、6から8での相談や助言対応におきまして、何か問題があれば私どもは助言をするということを規定しておりまして、最後の9番におきましては、先ほど申し上げましたように私どもからの助言だけでは対応できなかった場合は、関係行政機関に連絡などして問題解決を図るといったことを規定しているというものでございます。

 では、以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございます。

○根本座長 ありがとうございました。

 3つのプレゼンテーションをいただきました。

 それでは、ここで質疑に移りたいと思います。これまでのそれぞれの施設、団体等からの御説明に関しまして御質問等がありましたら、どうかよろしくお願いいたします。特にございませんか。どうぞ。

○北浦構成員 ありがとうございました。二、三点お伺いしたいと思います。

 1点は恵仁会さんについてですが、大変詳細な御説明ありがとうございました。その中で課題のほうにも指摘されておりますが、資料の5ページの一番最後のところに「記録と申し送りに課題があり」ということが書かれておりまして、それが最後の課題のところにもなっていて、記録と申し送りは大変重要な業務だと思うのですが、そこになかなか難しさがあるようでございますので、その辺をもう少し実態を御説明いただければありがたいなというのが1点でございます。

○根本座長 一つ一ついきましょうか。

 よろしくお願いいたします。

○藤牧氏 漢字を書くことであったり、微妙な表現という部分におきましては、日本人のようにはスムーズにいかないかなという場面だろうと思っております。その辺の記録につきましては、訪問介護のほうでは連絡ノートというものを使っている方々が多くいらっしゃるものですから、その辺では少し懸念材料かなと考えているという状況でございます。

○北浦構成員 よろしゅうございますか。日本語の能力としてはN2の水準で、あとは実際になれていくか、なれていかないか、むしろそういった問題と受けとめてよろしゅうございますか。

○藤牧氏 おっしゃるとおりだと思っております。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○北浦構成員 もう一点はJICWELSさんのほうにお伺いさせていただきたいと思います。大変広範な業務をおやりになっていらっしゃると思うのですが、2点ほどお伺いさせていただきます。

 特に7ページの巡回訪問のところになるかと思うのですが、一つは内容的には雇用労務管理的なところに対する御相談が非常に多いように承りました。もう一つは、JICWELSさんの業務の内容的にも学習支援というのがありますし、本来の介護福祉士受験というところがありますが、そういった学習問題についての御相談なり援助というのが実態的にはどの程度行われているのか。もう施設さんのほうでかなりやられているので十分だということなのかどうか。それが1点。

 2点目は関連しております。もう一つは、巡回相談の中において、施設側のほうの状況を把握されて対応されている、このことの御報告はいただいたのですが、個人に対する面談を実施されているということですが、これがどの程度行われていて、どのような内容なのか。全体としての相談窓口に個人から来ているものが100件ある。これは御説明を伺ったのですが、ほぼそれと同様なのかどうか。

 この2点をお伺いいたします。

○根本座長 よろしくお願いします。

○稲垣氏 御質問ありがとうございます。

 まず、学習支援の関係でございますけれども、巡回訪問に関しましては、まず候補者の場合、日本語の専門家がうちの職員と一緒に回りまして、特に日本語に関して受入れ施設様のほうでも御苦労が多いということで、日本語の専門家が回って、巡回訪問先で日本語のテストとか、あるいは御本人の日本語の学習状況などを確認して、必要な助言・アドバイスをしております。

 また、具体的な学習支援に関する相談等があった場合は、私どもは学習支援事業というものをやっておりますので、学習支援事業からもいろいろとサポートさせていただいております。

 ただ、資格取得者につきましては、もう既に国家試験を合格したということで、特に日本語の専門家は同行しておりません。職員だけが回っております。

 ただ、資格取得者の中でも例えば学習関係で相談があれば、それは学習支援事業のほうの学習相談等でも対応できるような体制をとっております。

 それから、巡回訪問での資格取得者の個人面談でございますけれども、これは個室を用意していただきまして、うちの職員が資格取得者と大体2030分程度、場合によっては時間が延びることがありますが、面談をしております。

 内容につきましては様々でございまして、資格をとった方々、モチベーションの高い方も中にはいらっしゃいますので、さらに日本で介護福祉士としてキャリアアップするにはどうしたらいいのかとか、あるいはモチベーションが最近下がっているのだけれども、どうしたらいいのかとか、あとは先ほど施設様からも御指摘がありましたが、さらに業務を磨く上で日本語能力をどう磨いたらいいのかといった話。最近多いのは、これから呼び寄せる配偶者とか、呼び寄せた配偶者の仕事の面をどうしたらいいのかといったような生活の相談がございます。そういうものへの対応、相談等がございました。

○根本座長 よろしゅうございますか。

○北浦構成員 ありがとうございました。

 大変多岐にわたる問題に対応されているということで、御苦労も多いかと思うのですが、相談をされる方のいろんな類型の相談があると思いますが、例えば産業カウンセラーとか、あるいはカウンセラーのいろんな資格がありますが、有資格者は結構いらっしゃるのかどうか。そういう点をちょっと教えていただけますか。

○稲垣氏 相談窓口の職員につきましては、専門家によるカウンセリングの研修を受けてもらいまして、どういうふうに相談をスムーズに進めたらいいのかといったような、そういう研修を受けております。

○根本座長 どうぞ。

○北浦構成員 ありがとうございます。

 そういった専門資格を持った方の対応というのも非常に重要な点だと思いましたので、ちょっとお伺いをさせていただきました。

 もう一点、それに関連してですが、帰国後においての内容、例えば将来的なキャリアの問題、そういったものについての不安感があると思うのですが、帰国後というのは、それぞれ国が違いますので、それぞれに対しての情報提供がどれだけ求められているのか、あるいはそれを欲しいといった場合に、それが対応できるのか。この辺を教えていただけますか。

○稲垣氏 私どもは、EPAで在留している方々の資格取得者の対応が主でございますので、帰国後の対応につきましては特にやっておりません。

○北浦構成員 対応はそうですけれども、そういう情報を求められるか。

○稲垣氏 そういった質問はございませんので、特に国内でどうやっていくかというのがメインでございます。

○根本座長 どうぞ。

○田中構成員 今の帰国後の話でございますけれども、私はインドネシアにいささか縁がございまして、日本で介護福祉士の資格を取って帰られた方何名かに面談いたしました。多くは家族の問題ということです。仕事が嫌だとか、あるいは嫌な目に遭ったというのではなくて、女性方はほぼ家族をお持ちなので、ある方などは5年間夫と別れて、子どもを置いて生活していた。もうやめてくれよ、帰ってきてほしいということでありますので、その辺のところがどういうふうに解決するかというのは一概には言えないかと思います。そういう事情があるというふうに私は理解しております。

○根本座長 ありがとうございます。

 北浦委員さん、よろしゅうございますか。

○北浦構成員 結構です。

○根本座長 田中委員さん、質問をお願いいたします。

○田中構成員 今度は質問させていただきたいと思うのですが、二方の事業所のお話をお聞きしまして、大まかに理解をすれば、EPAの候補者、あるいはそれを通して合格者はほぼ介護職としての知識、技能については問題がないと。ただ、強いて言えば日本語の課題と日本文化に対する理解というところだと受け取っておりますけれども、そのときに、教師の経験から申しますと、最低1年ぐらいは日本語、日本文化についての理解を深めるような時期、内容というものが必要ではないかと思うのですが、そういったことに対して、今は御自分でやられていると思うのですけれども、もう少し積極的にそれを拡げていこうとすれば、事業者としてどのような支援策が必要かということを教えていただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 どちらからでもよろしければ。どうぞ。

○村上氏 御質問ありがとうございます。先ほど小清水施設長からの発表にもありましたように、まず来日しまして、6カ月間の日本語研修の中である程度学んだ後にこういった施設に配属されるわけですが、配属した後もそれだけでは日本文化について足りないと我々も思っておりますので、そこで私たちの法人ではまずグループホームというのを先ほどお話しさせていただきました。グループホームになぜ一番に研修をしてもらうかといいますと、御利用者がどういった食事を好んで、どういったものを買い物するのか。つまり、グループホームの御利用者さんというのは、職員と一緒に買い物に出かけます。スーパーなどに行って物を買う、お金を払う、おつりをもらう、そういった買い物の仕方もそこで学ぶことができます。

 買った食材を持ち帰りまして、それを今度は御利用者と一緒に調理をします。そこで日本人の高齢者がどういう味つけが好みなのか、そういったところに触れてもらいまして、食事のつくり方、味つけ、盛りつけ、食べた後、片づけ方。あとは、生活の場になっておりますので、お掃除の仕方、そういったことをグループホームである程度学んでもらうわけです。

 先生がおっしゃるように1年間あれば本当はいいかと思うのですけれども、そこでは大体2週間から1カ月とっております。その後にデイサービスのほうで研修をまた2週間から1カ月するのですが、デイサービスに来られております御利用者の方々は、お話しされることがとても上手といいますか、お話が好きな方が多くいらっしゃいますので、そこで我々職員との会話とはまた違ったお年寄り独特のお話の仕方。当然耳が遠い方もいらっしゃいますし、ちょっと方言がある御利用者さんも中にはいらっしゃったりしますので、そういったところをデイサービスの御利用者とコミュニケーションをとることによってコミュニケーション能力を高め、グループホームで日本の文化、デイサービスでコミュニケーションの能力を高めた後に実際の配属先である特別養護老人ホームに配属するという形をとっております。

 その後は行事、当施設でやっております納涼祭であったり、敬老祝賀会、そういったイベントには必ず参加してもらって、浴衣を着て夏祭りに参加したり、敬老の日にはみんなでスーツを着て尊敬の念を持って対応させていただくとか、そういったところに触れてもらいながら、または地域のお祭りなどにも参加してもらうなど、そういったことで日本の文化に触れてもらう機会はとっておるのですけれども、なかなか1年間びっちりという状況はつくれていない状況でございます。

 ありがとうございました。

○根本座長 ありがとうございます。

 恵仁会さんのほう、何かありますか。

○藤牧氏 ありがとうございます。

 私どもも基本的には住宅サービスなどへの配属によってということが一番有効かなと捉えているところでございます。ただ、途中でお話をさせていただいたとおり、地方におきましてはどうしても車両の運転が訪問介護事業には不可欠ということでございますので、私どものほうではまだそこまでの検討をしていないというところが現状でございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 田中委員さん、よろしゅうございますか。

○田中構成員 結構です。

○根本座長 では、平川委員さん、どうぞ。

○平川構成員(代理 本間副会長) 平川の代理の全老健の本間でございます。

 今回は訪問介護を行っていてEPA介護福祉士を受け入れている法人ということで、大変御苦労なされているなと拝聴させていただきました。参考に教えていただきたいのですが、今までの経験から老健の場合ですと、中重度の方、特に認知症の方のBPSD対応について、外国人の方にはちょっと難しいと感じる面もあるかと思います。日本人の新人介護福祉士に対しても、特にBPSDの対応に関しては慎重に指導していますが、そのあたりを含めて、今までの受け入れのご経験から何か対応策があれば教えていただきたいと思います。

○根本座長 何か御発言ありますか。では、藤牧さん、どうぞ。

○藤牧氏 ありがとうございます。

 今のところ私どもの法人施設での経験からいたしまして、BPSDの方と接する機会もあるのですけれども、その方々が特に何らか拒絶をしているというような場面は余り見ないのです。ですので、彼女たちは、母国、インドネシアの方々ですので、看護における資格の所有であって、日本に来て介護のことを学んでくれているということの知識、専門資格としての知識レベルからある程度認識をしてもらっているのだろうと捉えております。

 お年寄りの皆さんも、海外の方でお一人で暮らしているのだということから、生活面でいろんな心配をしてくれる方々がいらっしゃいまして、それにつきましては、恐らく認知症をお持ちの方でも比較的コミュニケーションをとっていただいていたと見ておりまして、今までその辺で問題となるようなことを見ておりませんので、今の段階でお教えできることがないというのが現状でございます。

○根本座長 ケアポート板橋さん、何かありますか。

○小清水氏 答えにはならないのですけれども、まず中重度については、特別養護老人ホームですので、平均介護度で言えば4.2という形なのです。最近でも看取りをさせていただいていて、空いたところに待機者の方が入所になるわけですが、老健さんから来られる方もいらっしゃって、比較的安定はしていて介護度が重い方というのが多いケースかなという傾向です。

 ただ、困難事例といいましょうか、職員がスキルを上げたり、経験を上げるために、お困りの方がいらっしゃれば、原則困難な方を極力受けようという部分で運営はしております。

BPSDについてなのですが、当然知識はあって、我々もグループホームがあったりするのですけれども、正直我々のところにそこまで困っているような方からの相談は余りないです。恐らくそういった方は精神病院さんで包括とかケアマネさんとかソーシャルワーカーさんが割り振りをするので、社会福祉法人にそういった方は余り来られないように感じております。

○根本座長 本間委員さん、よろしゅうございますか。

○平川構成員(代理 本間副会長) 私どもは福島県の田舎町で社会福祉法人も含め経営しています。サービス利用希望者に対してケアマネジャーが利用施設を適切にトリアージしてくれるのならいいのですが、そうではないケースもあって大変困っております。今後、外国人介護福祉士の受け入れということになりますと、BPSD対応等についても考えていかなければならないと思いまして、質問させていただきました。

 ありがとうございました。

○根本座長 ありがとうございました。

 猪熊委員さん、どうぞ。

○猪熊構成員 お三方の説明、ありがとうございました。実際に受け入れているシルバーポートつかばらさんとケアポート板橋さんに同じ質問をさせていただければと思います。

 1点目は、事故やトラブルなどを予想されても、2事業者さんとも前向きに検討していて、訪問系サービスをやりたい意向と受け取りましたけれども、訪問系サービスには、訪問介護、訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護などがございます。また、訪問介護の中には身体介護や生活援助があります。訪問系サービスができるようになった場合、どのサービスを主として念頭に置いてやりたいと思っていらっしゃるか伺いたい、というのが1点です。

 2点目は、受け入れ団体、あるいは外国人介護福祉士さんご当人にとって、訪問系が受け入れオーケーとなった場合、そのメリットは何だと考えていらっしゃるかという点です。

 3点目は、2点目の裏腹ですが、受け入れ団体あるいは外国人介護福祉士の方にとって、そのデメリットがあれば教えて下さい。最後に、今日おいでいただいた受け入れ団体さんは日本語教育に時間をとったり、1人に1台携帯を持たせたりされておりますけれども、そちらだけでなく、全国どこの団体でも訪問系サービスは可能と思われるかどうかということをお尋ねします。

 多くて恐縮ですけれども、教えていただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 どらちからでも。質問が多岐にわたっておりますが、まずお答えいただける範囲で、そしてまたさらに追加いただいても構いません。どちらから行きましょうか。では、恵仁会さん、よろしくお願いします。

○藤牧氏 御質問ありがとうございました。

 どのサービスを念頭に置いてという部分でございますが、基本的には通常の訪問介護業務です。身体介護、生活援助、場合によっては昇降等介助も含めてということを念頭に置いて考えさせていただきたいと私どものほうでは思っております。

 当人にとってのメリット、デメリットにつきましては、本人たちに訪問介護という業務の興味、その他について聞いたことがございませんので、メリット、デメリットという話になりますと、その辺のことについて当人たちと話をしてみながらということも必要かなと思いますが、地域の生活に溶け込んでいくということについて、当事者たちのメリットはあるのかなと思うところでもございます。

 最後のどこの事業所でも可能かというお話につきましては、全国各地全ての事業所で可能かという御質問と捉えましたが、学習における余力をとれるかどうかというところは、事業規模、法人規模によってちょっと違いがあるのかなと思いますので、小規模で少人数の事業運用をしているような事業所では少し厳しい場面があるかなと私自身は感じるところでございます。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

○小清水氏 ケアポートとしては、どのサービスからかというと、訪問介護の中で身体介護からかなと思います。その後、そのスタッフが生活援助というのもやれるのであれば可能かなと思います。

EPAのスタッフのメリット、デメリットについてですが、メリットとしては介護福祉士なり、その次というところ。今、我々のスタッフも次はケアマネを頑張って受けたいというスタッフもいますので、介護福祉士のみならず、次に何かできることがあるということは自信とかやりがいにつながるのではないかなと。ただ、なかなか難しいと思います。

 デメリットについては、先ほどの日本の文化ではないですけれども、お一人お一人御自宅なので、いろんな御家庭がありますので、それでショックを受けたりすることもあるのではないかなと思います。ただ、サ責が訪問に対して、御利用者のところを見ていますので、初めからそういったところに配置はしないと思います。ただ、そういったことはあるのかなと思うのと、もしかしたらそういうことを見て感じて、ちょっと嫌いになる可能性もあるのではないかなと思います。

 また、我々も何年かずっと接していて、日本人とちょっと違うというか、昔であれば、怒られてもへこたれないではないですけれども、もう今は時代が違うと思いますが、怒られ慣れていないので、高齢者の方は結構口が達者な方というか、本当は優しいのですが、結構口がきつい方もいらっしゃいますので、そういったところを敏感に捉えてちょっとショックを受けたり、そういった事例は今まで特養の中でもありましたので、同様なのかなと思います。

 最後に、どこでもできるかなというお話は、今、お話を聞いていて、我々のヘルパーステーションは、バイクと自転車で行っているわけですが、自動車というところがあるのだと思うと、都心部、地域性で一定というのはなく、結果的には法人だったり、事業所が工夫をしたり、スタッフに対して、そういった事故が起きないような体制面を個々にとるべきではないかなと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 猪熊委員さん、まだありますか。

○猪熊構成員 ごめんなさい。ありがとうございます。メリット、デメリットは、働く方御本人にとってという話ですけれども、あともう一つ、受け入れ事業所にとってのメリット、デメリットということで何かコメントがあればいただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

○小清水氏 事業所としてのメリットというか、多分同じで、困っている方は結構いらっしゃいますし、地域包括ケアの中で在宅という流れがありますので、よりかかわっていかなければいけない方は今後ますます増えるのではないかなと想定しております。

 一方で、なかなかヘルパーさんの採用が進まない現実で、定着はしているのですが、それがずっと横並びで、新しい、例えば30代、40代ぐらいの登録ヘルパーさんとかは、現状なかなか採用できないです。ヘルパーさんも10年、15年ということで、ヘルパーさん自身が高齢化している現状もありまして、少し若返りがしたいのですが、件数と職員さんを確保するという面でなかなか厳しいので、門戸が広がって、EPAのスタッフも私、やってみたいという人がいれば、そういったことでチャレンジしていただけるとありがたいなと思います。

○根本座長 恵仁会さんのほう、よろしいですか。

○藤牧氏 ほぼ同様な形かと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 そんなことでよろしゅうございますか。

○猪熊構成員 はい。

○根本座長 伊藤委員さん、どうぞ。

○伊藤構成員 両施設にお聞きしたいのですけれども、どのようにEPA介護福祉士に訪問介護で働いてもらうかということの話になってきているので、ぜひお聞きしたいと思うのが、どういった利用者像の方を対象に考えられるのか。疾患の状態、障害の程度とか、日常生活自立度がどの程度かというようなイメージを教えていただければというのが1つ。

 あと、どのような時間帯のサービス提供が考えられるのかということ。

 先ほどケアポート板橋さんから身体介護のほうかなというお話があったと思うのですが、ケアポートさんでは、現状訪問介護は身体介護と生活援助の担当者を分けているようなオペレーションなのか。両方やることが多いのではないかと思っていますが、サービス内容が訪問介護でも身体介護と生活援助を分けて提供するというやり方がされているのかということを教えていただきたいと思います。両方の施設からお願いします。。

○根本座長 ありがとうございます。

 それでは、どうでしょう。ケアポート板橋さんからお願いします。

○小清水氏 まず、身体介護と生活援助の方は、すみません、数字を頭まで把握できていないのですけれども、基本的には分けていなく、両方やってもらっています。

 ただ、先ほど申しましたヘルパーさんを確保したいというところで言うと、御縁があって働いていただいていて、ただ、自信がないので、その方その方で生活援助からということで、徐々に身体介護ができるようにということで、施設内研修の中で少しずつできるようにしたりして、できれば両方できるようにしているような流れで今やっております。

 時間帯においては、我々は今、365日ではありますが、日中は基本は8時から18時、18時半ぐらいでサービス提供していて、何か突発的なときは対応しますけれども、そんな形でやっております。

 最後に、訪問介護の利用者さん像なのですが、我々、今、EPAスタッフは、特別養護老人ホームで平均介護度で言えば4.12ぐらいなので、基本介護3以上の方を対応させていただいている面では、イメージしやすい部分で身体介護で考えておりまして、利用者像まではちょっと。特別養護老人ホームで生活されている方をイメージしながら訪問に出るようなイメージで今、考えております。

○根本座長 ありがとうございます。

 恵仁会さんのほう、何かありますか。

○藤牧氏 御質問ありがとうございます。

 御質問いただいた中で、どういう利用者像というお話が最初でしたので、最初にそちらのほうから。利用者像につきましては、私どものところでは高齢者、また障害者へのサービス提供ということをさせていただいておりますので、どちらかというと高齢者のほうを中心にイメージしているというところでございます。多動のある障害児の皆さんへの訪問介護事業につきましては、しばらくは余り考えていないというところでございます。

 あと、先ほど本間先生から御指摘がありました、認知症のBPSDがひどくて、在宅で生活をしていらっしゃって、例えば日中通所サービスを使って、夜間・早朝にヘルパーが入るというケースのところも正直申しますと余り想像できないかなと思っております。

 時間帯につきましては、可能な範囲であれば日中に限らず変則的な時間のことも考えたいと思いますが、ずっと申し上げているとおり、私どもは地方におきましては車両の運転がどうしても大前提ということになるものですから、まだそこまで踏み込んだ形で考えがまとまっているということでもございません。

 以上です。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○伊藤構成員 少し聞き方が回りくどかったかもしれないのですけれども、大体お答えいただいたかなとも思っていますが、要は、EPA介護福祉士が1人で訪問介護を行うということをそれぞれの事業所で実際にやっていくということになる場合にどういう利用者のところに出すつもりですかという意味でお聞きしました。

 ケアポートさんのほうは、今は施設のみでいらっしゃるのですね。訪問介護をやっていらっしゃらないのですか。

○小清水氏 やっております。ケアポートの中の1階にステーションがありまして。

○伊藤構成員 わかりました。

 あと、ケアポートさんの報告の中で最後のページですが、記録に少し課題があるかなという話だったのですが、JICWELSさんの巡回訪問実施結果を見ますと、その前の段階になるのだと思うのですけれども、引き継ぎ、申し送りの理解状況とか、業務マニュアル等の記載内容に関する理解というところにかなりばらつきがあるのですが、この間の平均でも2割以上の方がちょっとおぼつかないという感じの調査結果となっています。その点、両施設では記録の前の段階の引き継ぎ、申し送り、マニュアルの記載内容の理解という点については、特に問題なく今、出来ているというような理解でよろしいでしょうか。

○根本座長 どうですか。まず、恵仁会さん、お願いします。

○藤牧氏 記録、申し送りにまだ多少難があるかなというところで、私の報告の途中でも示させていただきましたが、日勤帯のリーダー業務や夜勤業務というところはもう少ししばらく様子を見たいというつもりでおります。

 今後、記録につきましては、書いてもらうという経験もどんどん必要だと思っておりますので、書いてもらう機会、うちはサポートチームをつくってフォローしておりますので、そちらの者たちがいろいろと当人と話をしながら能力を上げていかれればと考えております。

○根本座長 では、ケアポートさん。

○村上氏 御質問ありがとうございます。

 当法人でも日本語の勉強の仕方とか記録の書き方というのは課題でございます。当初、平成20年度に受け入れまして、合格しないと国に帰らなければいけないという制度上の課題がありますので、本人たちもそうですが、我々スタッフ側もまずは合格を一番の最大の目的に指導していた。最初のほうの候補者はそういったことをやっておりました。まずは合格しなければというところで、どうしても日本語の指導というのはちょっと後に置いていた部分があります。

 ただ、ここ最近では、合格してもケアプランが書けないとか、委員会に参加できないとか、記録が書けないとか、そういうのではいけないというのも受け入れてきて、今、8年目になりますので、我々も最近はその辺に力を入れるようになりました。候補者のうち、助成金が使えるうちに日本語の先生を、基本的には週に1回、月で言いますと3回から4回来ていただきまして、うちで使っておりますケアプランの様式を先生に見てもらったり、記録、申し送りのノートなどを見てもらって、これを書けるようになってもらうにはどういった指導がいいでしょうかということで、先生のほうから指導していただいたり、先生がいないときにはこういう指導をしてほしいというアドバイスをいただいて、週に1回の勉強会の中でそれを落とし込んでやっております。

○根本座長 ありがとうございます。

JICWELSさんのほうで、この件に関してコメント等ありますか。どうぞ。

○角田氏 巡回訪問では介護福祉士の人が何をしているかというのを聞いております。ですから、今の施設におけるEPA介護士ということになりますけれども、そこで記録の作成というのがございまして、項目があって、日本人資格者と比べて同等以上というのが6%になっています。日本人の介護福祉士と同じですというのが40%で、日本人の有資格者には劣るけれども問題なく対応できるというのが35%あります。ですから、81%が何とかやっているという結果はあります。これはあくまで施設の中の話ということでございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○伊藤構成員 JICWELSさんへの質問がありまして、まとめてやりたいと思います。

 資料の4ページの相談窓口の対応状況、3カ年度の平均で書いていただいているかなとは思うのですけれども、今年の1月にこの場で配られたものは、27年度だけ満年度になっていないものというのが各年度出ていたりするのですが、大分数字が違っていて、合計100件。件数が余りにも違うと思っています。これまで出していただいた資料は、25年度172件、26年度183件、27年度の4月から12月まで148件ということで、大分違うので、違う調査なのか。あるいはこの円グラフの横に書いてある数字も「47件;47%」ということで、どう読んだらいいのかがわからないところもありますので、そこを解説いただきたいというのが1つです。

 特別巡回というのは、特に問題あるというところについて行うということなのだと思うのですけれども、特別巡回の件数を教えていただきたいのと、3ページのところで指導権限はJICWELSにはないという話を教えていただきましたが、最終的には誰がどういう処分を行うのかということまで教えていただき、最終的な処分あるいは行政罰なのか、わからないですけれども、そういうところに至る仕組みとその件数、そこまで教えていただきたいと思います。

○根本座長 JICWELSさん、よろしいですか。どうぞ。

○稲垣氏 まず、資料の4ページの相談窓口の件数と1月に出させていただいた件数の件でございます。まず、1月に出させていただいた相談対応の推移というのは、候補者の相談窓口の対応ということでまとめたものでございます。

 きょうお出しいたしました円グラフの100件というのは、EPAの介護福祉士あるいは受入れ施設から受けた相談の件数ということで、きょう提示をさせていただいたものでございます。

 特別巡回でございますけれども、資格取得者に関しての特別巡回というのは、これまで特にそういう案件はございませんでした。そして指導権限がないわけでございますが、最終的な処分というのはどうなるかといいますと、これは行政側、厚生労働省等の処分になりますけれども、例えば違反とかあれば、3年間の受け入れの停止といったことがございます。あとは日本人と同じように関係法令に沿って行政側が指導するという形になります。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○伊藤構成員 今の3年間の受け入れ停止というところは、候補者の受け入れ停止とEPA介護福祉士の受け入れ停止、両方でしょうか。

○稲垣氏 両方でございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 よろしいですか。

○伊藤構成員 はい。

○根本座長 中野委員さん、どうぞ。

○中野構成員 JICWELSさんにお聞きしたいのですけれども、今、EPA介護福祉士の受入れ施設に対する巡回訪問、少なくとも年1回と資料の6ページには書いてあるのですが、例えば訪問介護にもEPA介護福祉士を受入れると仮定した場合、少なくとも年に複数回行くとか、そこのサ責に対しての助言とか確認を重点的に行っていただくことが実質的に可能かどうかということを教えていただきたいと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうでしょうか。

○稲垣氏 今後議論されていくものと思いますけれども、予算的な背景とかそういったものがあると思いますが、基本的に私どもは受入れ施設のほうに巡回訪問しますので、サ責の方と面談をするとか、そういうことは可能かと思います。

○根本座長 どうぞ。

○中野構成員 回数をちょっと多めにということは、予算との絡みの中でというような話ですか。

○稲垣氏 そうなると思います。

○中野構成員 わかりました。ありがとうございます。

○根本座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○白井構成員 時間のないところ、済みません。恵仁会様に少しお聞きしたいことがあります。よろしくお願いします。

 課題の中で記録ということで、日本語のことなのかなと思うのですけれども、訪問介護事業に行きますと、連絡ノートも地域によっていろいろな連絡ノートがあるかと思うのですが、連絡ノートに書く事業、こういうことをしましたよという記録が大変なのか、それとも医療が入ってきたり、多職種が入って、多職種の連絡を読むのが大変なのか、何かそこで具体的なものはございますでしょうか。

○根本座長 お願いします。

○藤牧氏 ありがとうございます。

 心配するのは状態の変化を的確に記録してもらうというところなのだろうと思うのですけれども、先ほど来の記録の漢字のこともですし、ニュアンスとして的確に伝えられるというところに若干まだ心配があるということです。これも経験を積んでいくことによって解決されていくことなのではないかなと思うのですが、現状でのということでの資料になっておりますので、そう御理解いただければと思います。

○根本座長 それでよろしいですか。

○白井構成員 はい。

○根本座長 ありがとうございます。

 予定した時間も過ぎつつありますけれども、何か特に。猪熊委員さん、どうぞ。

○猪熊構成員 時間をオーバーして申しわけありません。

EPA介護福祉士の方自身が訪問系サービスをどう思っているか、やりたいと思っているかに関する調どをJICWELSさん、もしくは事務局のほうで、もし持っているようでしたら教えてください。

○根本座長 ありがとうございます。

 今、お答えできる部分がありますか。

○稲垣氏 事業団のほうでは特にそういった調査はやっておりません。

○根本座長 ありがとうございます。

 あるいは施設のサイドで今、使われている方々がもっと訪問系に行ってみたいとか、そんなような。どうぞ。

○村上氏 実は今日聞いてまいりました。今までやれるということになっていなかったので、本人たちはイメージがまだ湧いていないというのが現状でございます。ただ、もしやるとしたら、どうですかという質問をしてみましたところ、一番不安に思っているのが、1対1になりますので、コミュニケーションの部分で不安がある。あとは、例えば物がなくなったと言われた場合に、今までですと、仲間がいる中で働いてきた人たちなので、言い方は悪いですけれども、犯人はあなたですと言われたりするようなことがあると思うのですね。そういったときにそういったことが不安に思いますというようなことを今日聞いてまいりました。

○根本座長 ありがとうございます。

 そんなところでよろしいですか。

○猪熊構成員 はい。

○根本座長 では、田中委員さん。

○田中構成員 1点だけ。次の機会で結構でございますので、関心のございますのは、今、合格者とか、現在就業中の方の課題でございますけれども、私、介護福祉士の国家試験に通らなかった人たちの対応をどうするかということが大変気になっておりまして、この方たちは専門職の教育をきっちり受けてきています。ただ、日本語ということで不合格と。そういうことで、ここに対する手当てをもう少し考えることがあれば、もっと応募者が増えることの一つのきっかけになるのではないかと思って、発言だけさせていただきます。

○根本座長 どうぞ。

○伊藤構成員 すみません。事務局にちょっとお願いなのですが、相談窓口というのはJICWELSさんだけでなくて、労働相談であれば厚労省にもありますし、都道府県でもやっていますし、もっと言えば司法で紛争解決までやっている。人権擁護で言えば、人権擁護委員とか外国人への人権相談というような窓口が行政の中でも多々あるということで、できる限り今回のEPAの介護福祉士、現状どこまで調べられるかわからないですけれども、ほかの相談窓口で受けている例というものがあるのかどうかというところまで調べていただきたいというお願いです。

○根本座長 事務局、何かございますか。

○榎本室長 まさに委員おっしゃるとおりで、これはなかなか難しいところがございます。やり方をどのようにするかというのは考えさせていただきますが、いずれにせよ、JICWELS以外の相談窓口に相談があった例があるのかどうか、そのあたり、やり方は考えさせていただきますが、もし可能であれば把握した上で御報告させていただければと思います。

○根本座長 ありがとうございます。

 それでよろしいですね。

○伊藤構成員 はい。

○根本座長 ちょっと時間をオーバーしておりますが、どうしても御発言、御質問いただきたい方がいれば。よろしゅうございましょうか。

 それでは、予定の時間より若干過ぎましたけれども、一応、本日消化すべきものは大体検討できたかなと思っております。

 ヒアリングに御出席いただきました施設、団体の皆様、お忙しいところ御協力いただき、本当にありがとうございました。

 事務局には、今回のヒアリングや各委員からの意見等を踏まえまして、次回に向けた論点整理等をお願いいたします。

 次回の開催につきまして、事務局より御連絡をお願いいたします。

○熊野室長補佐 次回の開催につきましては、9月6日火曜日、16時からを予定しております。詳細につきましてはまた追って御連絡させていただきたいと思います。

 事務局からは以上です。

○根本座長 ありがとうございました。

 それでは、本日の検討会をこれで終了いたします。

 皆様、お忙しい中ありがとうございました。


(了)

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