ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会)> 第19回予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録(2017年9月14日)




2017年9月14日 第19回予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

○議事

○大林室長補佐 定刻になりましたので、第19回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催します。

 本日は御多忙のところ御出席いただき、まことにありがとうございます。

 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。

 また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。

 続きまして、出欠状況について御報告いたします。山中委員から御欠席の連絡を受けております。また、伊藤委員、池田委員からおくれていらっしゃる旨の連絡を受けております。現在、委員10名のうち7名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立していることを御報告いたします。

 本日は、市役所及び区役所の予防接種担当の方から御発表いただくことから、市役所及び区役所の方に参考人として御出席をいただいております。

 福岡市保健福祉局健康医療部保健予防課、中野優樹参考人。

 練馬区健康部保健予防課、滝川陽一参考人。

 文京区保健衛生部予防対策課、渡瀬博俊参考人。

 君津市保健福祉部健康づくり課、有冨陽子参考人に御出席をいただいております。

 議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表、資料1~9、参考資料1~5、各委員からの審議参加に関する遵守事項の申告書を御用意しております。また、委員のみ机上配付させていただいております分厚い資料ですが、これは麻しん風しんの接種率の市区町村別の資料です。これは傍聴の方には配付しておりません。

 配付資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がございましたら事務局にお申し出ください。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力お願いいたします。

(報道関係者入室)

○大林室長補佐 ここからの進行は、倉根部会長にお願いいたします。

○倉根部会長 それでは、よろしくどうぞお願いをいたします。

 まず事務局から、審議参加に関する遵守事項等について報告をお願いいたします。

○大林室長補佐 審議参加の取り扱いについて御報告いたします。

 本日、御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会の審議会参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について申告をいただきました。各委員からの申告内容については机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の出席委員の申出状況及び本日の議事内容から、今回の審議への不参加委員及び参考人はおりませんことを御報告いたします。

 以上です。

○倉根部会長 それでは、議題(1)「予防接種に関する基本的な計画」におけるPDCAサイクルにかかるヒアリングに入りたいと思います。

 予防接種に関する基本的な計画については、各事項についてヒアリングを実施していくことになっておりますが、本日は予防接種の実施主体である市区町村から、市区町村での実施状況について発表していただくことになっております。

 まずその前提として、事務局から基本計画について説明をお願いいたします。

○大林室長補佐 予防接種に関する基本計画には、予防接種施策の実施状況並びにその効果、意義、成果については、分科会の場でPDCAサイクルによる定期的な検証を行うこととされているため、昨年度よりこの基本方針部会で検証のためのヒアリングを行っているところです。PDCAサイクルのD、すなわち実行の部分ですが、実際の実施主体である市区町村にお話を聞かないと検証ができないため、本日、予防接種の担当の方に来ていただいております。

 資料1をごらんください。この資料は基本計画のうち、本日の議論と関係のある部分を抜き出して、それに関連する取り組み状況を記載したものです。今回は市区町村から御発表いただくということで、市区町村とかかわりのある部分を抜粋しております。

 まず「第二 国、地方公共団体その他関係者の予防接種に関する役割分担に関する事項」のうち「三 市町村の役割」の部分で、市町村は実施主体として予防接種の実施、健康被害の救済、情報提供、感染症発生動向調査の実施への協力などを行うとされております。

 「第三 予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に係る目標に関する事項」では、「三 定期の予防接種の接種率の向上」で市町村も取り組みを進めることとされております。

 「第四 予防接種の適正な実施に関する施策を推進するための基本的事項」において、「三 予防接種記録の整備」の記載があります。記録の整備を行うのは市町村ですが、予防接種記録台帳やデータのあり方については、国も検討することとされております。

 「第八 その他予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関する重要事項」において、「二 関係部局間における連携」として国、都道府県、市町村のそれぞれのレベルで教育部門など、ほかの部局との連携をすることとされております。

 これら取り組み状況については、市区町村によってさまざまな取り組みが行われていますので、本日御出席いただいています自治体から御発表していただきたいと思います。

 なお、この予防接種記録のうち国が関与する部分についてですが、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づきまして、専用のネットワークシステムを用いて、異なる行政機関の間でマイナンバーを基に特定された個人情報をやりとりすること、すなわち情報連携といいますが、これを行うために内閣府を中心として各省庁が今、準備を進めているところです。平成29年7月から情報連携の試行運用が開始されており、1011月に本格的な運用開始をする予定となっております。

 また、マイナンバー制度を活用して児童手当、保育、母子保健等の分野でのサービスを受けることができるマイナポータル・子育てワンストップサービスの運用が開始される予定となっておりまして、これも現在準備中です。マイナポータルには電子申請機能や自己情報開示機能等が予定されており、予防接種については申請行為というものがないため、電子申請機能を使うことは予定されておりませんが、将来的には予防接種履歴を見ることができるようになることが予定されています。

 事務局からは以上です。

○倉根部会長 今、事務局から基本計画について説明を受けましたが、続いてそれぞれ市区町村から発表をお願いしたいと思います。

 福岡市、練馬区、文京区、君津市の順にお願いをしたいと思います。

 まず4人の参考人の方からそれぞれ発表いただきまして、質疑応答はまとめて行うというふうにいたしたいと思います。

 まず福岡市の中野参考人からの御発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中野参考人 福岡市保健予防課の中野と申します。本日はよろしくお願いします。

 本日は予防接種の実施状況について、福岡市の状況を発表させていただきます。

PP

 まず全体の流れでございますが、まず最初に福岡市について概要を説明させていただき、実施状況、広報の状況、市医師会との連携、実務、最後にマイナンバー制度への対応状況を御説明させていただきます。

PP

 まず福岡市についてでございますが、平成29年7月末時点での情報になりますが、人口は約152万人、ゼロ歳児の人口は約1万4,000人、65歳以上の高齢者の人口は約32万人となっており、ことし8月に初めて高齢化率21%を超えております。超高齢社会を迎えております。全国の高齢化率は平成2810月時点で23.7%とのことですので、それと比べると高齢化率は低いほうですけれども、福岡市も高齢化が進んでいる状況です。保健所は全7区それぞれに設置しております。

PP

 次に、予防接種の実施状況について御説明します。こちらは予防接種の実施人数の推移、延べ人数をグラフ化したものです。一見してわかるように、予防接種の種類の増加に伴い実施人数も増加しております。

 年度ごとに見ていきますと、平成24年度から不活化ポリオの定期化。25年度からヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんの定期化。26年度から水痘、高齢者肺炎球菌の定期化。1つ飛びまして28年度からB型肝炎の定期化ということで、年々増加の傾向があります。平成27年度が若干減少しておりますが、これにつきましては三種混合とポリオを別々に接種していたものが平成24年度から徐々に四種混合へと移行し、平成26年度までにほぼ移行が完了していることから27年度は実施人数が減となっております。また、平成27年度から日本脳炎の特例措置で接種を受けた方が減少してきております。これは特例対象となる方が特例措置をひと通り受け終えたためと考えられますけれども、正確なところは把握しておりません。今年度、29年度はB型肝炎が定期化となって、初の丸々1年B型肝炎を行うことになりますので、また増加するのではないかと見込んでおります。

PP

 こちらが予防接種の種類別の平成28年度の接種率をお示ししております。グラフの下段に接種率を記載しておりますが、1期相当分の接種率は全て95%以上となっております。100%を超えているものも幾つかございますが、これは転出入により年間を通して対象年齢の子に増減があるためと考えております。2期の接種分につきましては、麻しん風しんの90%、日本脳炎の80%、二種混合の77%と年齢が上がるごとに接種率も低下してきております。この部分に関しては勧奨のやり方などにより接種率向上の余地がまだある部分なのではないかと考えており、工夫が必要な部分ではないかと感じております。子宮頸がんワクチンは勧奨の差し控えにより、28年度は100件の接種となっております。

PP

 次に、接種を行う機関とその割合をお示ししております。定期予防接種を受けることができる機関は大きく分けて4つございます。1つ目は福岡市内の指定医療機関での接種です。こちらは市医師会との委託契約により行っており、指定医療機関は現在約980件ほどございます。2つ目は、福岡県内の指定医療機関での広域接種。3つ目は、福岡県予防接種センターで、こちらは予防接種要注意者の接種を行っております。この2つ目と3つ目に関しては、福岡県医師会との契約により行っています。最後4つ目は里帰り先など、福岡県外の医療機関での接種分でございます。こちらは償還払いにて接種費用を公費負担しております。払い戻しの際は福岡市医師会への委託単価を上限として、払い戻しの金額を算定しております。円グラフをごらんいただいてわかるとおり、95%以上が市内の指定医療機関での接種であり、次に多いのが県内の広域接種の3.7%で、そのほかの機関は1%未満となっております。

PP

 次に決算額の推移について御説明いたします。まず青の棒グラフにつきましては、左の軸に対応しておりまして、決算額を示しております。緑の折れ線グラフは右側の軸に対応しておりまして、先ほどお示ししました実施人数のグラフを重ねて表示したものでございます。棒グラフのほうの決算額ですが、青の部分が委託料で、その上のオレンジ色の部分が委託料以外の郵便料金や予診票の印刷代などでございます。事業費のほとんどが委託料であることがわかります。実施人数の増加に伴い事業費は増大しており、平成26年度には40億円を超えております。平成23年度と比較して倍増となっております。平成24年度から25年度にかけて実施人数の伸び以上に事業費が増大しております。これはBCGとポリオの保健所での集団接種を平成24年度に終了し、25年度から医療機関での個別接種に切りかえたことにより委託料が増加しているものです。

PP

 こちらは各種申請の受付状況、件数などをお示ししております。福岡市においては平成27年4月より県外接種の償還払い制度を開始しており、ごらんのとおりの件数となっております。次に長期療養者の特例の申請状況ですが、こちらの制度は平成25年2月から開始しております。年間二十数件程度の申請があっております。

 実施状況の説明は以上です。

PP

 次に広報について御説明します。本市におきましては年間を通してさまざまな手法で広報を行っております。まず大きく分けて3つの方法で広報を行っており、まず対象者の自宅へお手紙やチラシなどで接種の勧奨を行うもの。個別通知と私たちは呼んでおりますが、これがまず1つ。そして、学校や幼稚園などを通じてのチラシ配布、市の広報紙での周知、この3つの方法を大きくとっております。

 主なものを挙げますと、表の一番上、個別通知の一番上のところですが、毎月生後2カ月となる子供の自宅へ予防接種手帳というものをお送りしております。また、7月上旬の夏休み前の時期には、高校3年生の自宅へ日本脳炎2期特例の個別通知、それから、学校を通じての勧奨になりますが、こちらも7月上旬に幼稚園と小学校に対して麻しん風しん2期、日本脳炎2期、二種混合2期の接種勧奨のチラシをお配りしております。

PP

 市の広報紙、市政だよりにも機会を捉えて年に何度か掲載をしておりますが、4月1日号には毎年予防接種についての特集を組んで、市民全体への周知も行っております。そのほかホームページやポスターの掲示などにより広報を行っております。

PP

 次に、先ほど少しお話しましたが、予防接種手帳というものを福岡市でおつくりしております。生後2カ月を迎える子供の家庭へこちらの予防接種手帳というものをお送りしております。内容としましては、予防接種についての説明や受け方、スケジュールなどの情報と小学校就学前までの全ての予防接種予診票、接種票をつづっております。また、対象の子の氏名、個人識別番号を印刷したシールを同封しており、接種票に張りつけて使用していただくことで、接種後の予防接種記録の管理がしやすいようにしております。

 メリットとしましては、保護者が接種のスケジュールを立てやすい。受けていない予診票が手元に残りますので、受けていない予防接種がわかりやすいということが挙げられます。デメリットとしましては、手帳の交付後に市外に転出されますと、残りの予診票などが使えなくなりますので、それらが無駄になってしまうということが挙げられます。

PP

 次に福岡市医師会との契約について御説明いたします。医師会との契約の委託料につきましてですが、基本委託料と人員割委託料の2種類からなっております。基本委託料は医療機関からの接種費用請求の取りまとめや相談受付、医療機関への情報提供や指導、そのほか福岡市との連携をサポートする業務、また、予防接種に関する研修会の実施などに対する委託料で、平成28年度の委託料は約2,200万円でした。人員割委託料は予防接種を行った件数に応じて医師会を通じて各医療機関へ支払う委託料で、平成28年度の決算額は約40億円でした。

PP

 人員割委託料についてもう少し御説明をいたします。予防接種の種類ごとの委託料単価は医師会との交渉により決定しており、毎年次年度分の交渉を行っております。診療報酬の改定に伴う見直しやワクチン価格の変動に伴う見直し、同時接種を行った場合の単価の設定などが交渉の材料となります。

 福岡市におきましては、同時接種を行うことが多いヒブと肺炎球菌の単価を単独接種の場合と同時接種の場合とで2通り設定しております。こちらの表をごらんいただいてわかるとおり、例えばヒブですと単独接種の場合は1万634円、同時接種の場合は予診や保護者への説明などの手間が省けるということで少し低く設定しており、9,188円という単価を設定しております。なお、B型肝炎や四種混合など同じく同時接種を行うことが多いものの同時接種単価の設定については、今後検討をしていく予定としております。

PP

 次に実務について御説明いたします。予防接種記録の管理についてですが、平成24年度以前は予防接種の記録はエクセルで管理をしておりました。職員が一枚一枚、接種票をチェックし、全てエクセルに手入力をするということで大変手間がかかっておりました。平成25年度に住民基本台帳と連動した予防接種管理システムを導入し、記録の一括登録が可能となっております。医師会が取りまとめた接種票をデータの変換業者に委託しておりまして、データに変換したものをシステムへ一括取り込みしております。疑義がある場合は医師会を通じて各医療機関へ確認をしております。

PP

 次に、予防接種記録の管理システムへの一括取り込みから接種委託料の支払いまでの毎月の事務処理の流れを図でお示ししております。まず右側の赤の部分が医師会で行う事務で、真ん中の青の部分が福岡市で行う事務、黄色の部分が予防接種管理システムで行う処理をあらわしております。

 簡単に流れを御説明いたしますと、医師会の右上の部分から始まりまして、市医師会が各医療機関からの接種票を取りまとめて、それをデータ変換業者が取り込み用データに変換します。このデータを予防接種管理システムに一括取り込みを行います。大体毎月約3万件ほど件数がございます。取り込みができなかった記録というものが多数出てきますので、これらを福岡市と市医師会が連携しながら、何度も連絡を取り合いながらエラーを修正していきます。エラーの原因としましては、保護者や医療機関の記入の誤りや被接種者の住所が変わっている、名前が変わっているなどさまざまな理由がありますので、これらの修正を行っていきます。

PP

 処理の流れの続きですが、取り込み処理が終わりましたら予防接種管理システムの左上の部分、対象年齢外への接種などがないかというエラーチェックを行い、もしエラーが出てきた場合は医師会を通じて確認を必要に応じて行っております。全ての確認が終わりましたら委託料を計算し、支払いを行っております。支払日は接種を行った月の翌々月の20日としております。例えば7月分ですと9月20日支払いとなります。

 実務についての説明は以上です。

PP

 最後にマイナンバー制度への対応状況について御説明いたします。予防接種管理システムは情報提供ネットワークの直接の接続はありません。予防接種管理システムでは個人番号の参照のみ可能となっております。中間サーバーへの副本登録は日次のバッチ処理により行っています。情報連携につきましては、福岡市共通の統合宛名システムにて行っております。統合宛名システムと予防接種管理システムとの直接の接続はございません。最後にマイナポータルのお知らせ機能についてですが、このお知らせ機能を利用して対象者が予防接種の対象期間であることをお知らせするなどの接種勧奨については、現在検討をしているところでございます。

 福岡市の発表は以上でございます。どうもありがとうございました。

○倉根部会長 どうもありがとうございました。

 次に、練馬区の滝川参考人から御発表をお願いいたします。

○滝川参考人 練馬区の保健予防課長の滝川です。よろしくお願いいたします。

 練馬区の予防接種事務について御紹介したいと思います。

 この予防接種事務というのは、区市町村の数ある業務の中でもかなり複雑で、かつ、ボリュームのある事務でございます。

PP

 練馬区の概要ですけれども、東京都の23区にあって北西部に位置しており、人口が70万という23区の中でも人口規模の多い自治体でございます。

PP

 この事務を担当している組織としては健康部というところに予防係がございまして、その中で予防接種担当の4名で複雑かつ膨大な事務を担当しております。

PP

 実際の事務の種類といいますか、分量として先ほど福岡市さんの御説明でもありましたとおり、定期の予防接種の種類がこれだけあり、また、練馬区独自で行っている任意の予防接種の事業がこれだけあり、そして、対象者の方に対してそれぞれの予防接種法で定められた接種回数を掛け算いたしますと、全体で1年間に23万回の接種が行われているということであります。

PP

 その事務処理の一端といたしまして、練馬区の場合ですと予診票の発送という言い方にしておりまして、発送例の1つとしては生後2カ月の乳児に13連という通称、呼び方をしております。13回の予防接種の予診表を毎月毎月発送しております。13というのはBCGで1回、B型肝炎で3回、ヒブの初回が3回、小児用肺炎球菌の初回が3回、DPT-IPVの四種混合の初回が3回、これら合わせますと13回という、13種類の予診票を発送するということでありまして、同様の発送例2をごらんいただきますと、今度は生後11カ月の乳児に7連としてヒブ追加、小児用肺炎球菌追加、DPT-IPV追加、おたふくかぜ、MR1期の各1回とみずぼうそう2回分を発送する。こういった作業を間違いのないように必ずお手元に届くように集中力を切らさずにやっております。その他、問い合わせの対応や予診票の確認等の事務処理がございます。

 それから、委託契約はどこの区市町村でも同じだと思いますが、この事務に関しましても基本的に3つの契約を行っておりまして、定期及び任意接種としての委託、高齢者肺炎球菌の契約、高齢者インフルエンザの契約、この3種類の契約を基本にしております。これらが練馬区の医師会加入の医療機関に対しては、練馬区医師会とのみこの3つの契約を結べばいいのでございますけれども、医師会に加入されていない医療機関に対しては一つ一つの医療機関と3つの契約を締結していかなくてはいけないので、それらの件数が掛け算すると180件程度になるということでありまして、これらの発送、契約といったものを合わせまして、職員の超過勤務が常態化している現状でありました。

PP

 この事務量の推移につきましては福岡市さんの資料と同様に、定期の予防接種の種類がふえるごとにこの事務量もふえていくということでございます。

PP

 これに関して練馬区では、平成25年度から電話対応や窓口に毎日多数お見えになる方々の受付業務等の委託を開始いたしました。これは予防接種の事務だけでなく、例えば難病の医療費助成の業務も含んでおります。

 業務を委託するポイントとしまして、やはり複雑かつボリュームが大きく、また、人の健康にダイレクトに影響のある業務でございますので、委託業務の責任者や本社の営業担当者との綿密な連絡調整ができる業者であること。御存じのとおり区が直接指示することはできませんので、こういったことを留意しました。また、予防接種事務に関するそれぞれの従事者の方の知識というのも重要でございますし、予防接種の事務で繁忙期、閑散期といったものも出てまいりますので、弾力的な人員配置ができるようなところ。こういったものをポイントにしております。実際に望ましいなと思われる事業者の要件としては、同種の業務をほかの自治体でも受託、履行した実績があるということ。それから、大切なことなのですが、マニュアルの作成や研修体制等の業務のノウハウに長けているということ。こういったことが望ましいと考えております。

PP

 練馬区の予防接種の事務に関して委託を行っているわけですが、その委託の履行内容を少し項目別に挙げてみましたが、先ほど申し上げたように予防接種の事務のみを委託しているのではなく、医療費の助成その他を委託しておりますが、今回は予防接種の事務についてどのようなことを委託しているのかというのを簡単に御紹介いたします。

 まず基本は1の電話対応業務でございまして、(1)予防接種を見ていただきますと、制度についての御案内でありますとか、予診票、他の自治体からの依頼書の交付申請の受付、関係機関等からの問い合わせの対応がございます。

 2の窓口対応業務も連日、多数のお客様がお見えになりますので、予防接種のことに関しましては制度についての御案内や、同じく予診票等の申請の受付や交付をやっていただいております。

 3の内部事務といたしまして、予防接種に関しては予診票の作成や発送する際の封入、封緘、発送、接種済み予診票を点検していく、集計していただく。そして接種済みの予診票のシステム入力をしていただき整理保管していただく。こういったもろもろの事務をやっていただいております。

PP

 日常業務の進め方としては、受付業務時間は平日の8時30分から1715分までとお願いしておりますが、お客様との対応、窓口での対応の関係で1715分では終わらずに、18時近くまで一生懸命窓口で説明していただいたりしている光景もよく見かけます。

 事業報告は毎日やっていただいていまして、翌営業日に事業報告を紙で提出していただいておりますし、月報として月次ミーティングというものも行っています。区とのミーティングも業務責任者の方々に出席していただいてやっております。これらの委託業務の業務量といたしまして、電話の問い合わせは年間に7,000件ほど受けていただいております。窓口にお越しのお客様方への対応は2万5,000件、そして予診票の発送といった作業は1万通、そして、どうしても委託の業者の方では対応し切れない問題に関しては、区の職員に引き継いでいただくのが年間100程度ございます。

PP

 こういった予防接種業務の一部を委託できることがわかって、非常に我々としては画期的なことだったと思っておりますが、これも一挙に成し遂げられたことではございませんで、今まで委託仕様の調整や予算の折衝、事業者の選定等、試行錯誤を繰り返しながら徐々に二人三脚でやっていける委託効果が発揮されるようになってきました。その結果、臨時職員の賃金・超過勤務手当等の人件費の縮減が実現しまして、平成28年度の超過勤務の時間は、27年度から比べて60%減少という劇的な効果が発揮できました。

PP

 こういった委託が今回、区市町村の予防接種業務の中で実現することができるという実例を御紹介したいと思って本日は参りました。

 あとは広報の仕方としまして最近、普及、発達の目覚ましいスマートフォンを利用しまして、予防接種のスケジュール管理ができるサービスを始めておりまして、登録者の方々も順調に増加してきております。

PP

 最後に財源のことをお話させていただきますれば、特別区は地方交付税不交付団体でございまして、そうはいってもそんなにお金が余っているというわけではないので、厳しい状況に変わりはございません。それから、東京都と特別区の間で財政調整制度というものがありまして、それぞれ市町村事務の一部を都が担当している関係上、少しずつ市町村税の一部を都が徴収して、それを各区に振り分けるという機能を果たしております。定期の予防接種に関しては財政調整制度の中で調整がなされております。それから、任意の予防接種は区市町村が独自に考えてやるものですが、これに関して東京都で補助事業をつくっていただいておりまして、予防接種には2分の1の補助が出ますが、これもやはり枠がありますので、枠がいっぱいになってしまえば使えなくなってしまうということでございます。

PP

 それから、相互乗り入れということは住民のサービスにとって欠くことのできないものでして、特別区は各区の間で、それぞれの区の医療機関でも実施できるという相互委託の協定を結んでおります。また、予防接種単価の決め方は、東京23区の場合は東京都と特別区と東京都の医師会の連絡協議会、三者協と呼んでいますが、この場で設定をしておりまして、これらの仕組みによって区民の方はどの区の予防接種協力医療機関でも無料で、また同じ自己負担額で定期の予防接種を受けることができます。

 以上で御説明を終わります。ありがとうございました。

○倉根部会長 どうもありがとうございました。

 次に、文京区の渡瀬参考人から御発表をお願いいたします。

○渡瀬参考人 文京区保健衛生部予防対策課の渡瀬と申します。

 本日は文京区の予防接種行政を御紹介させていただく機会を賜りまして、大変ありがとうございます。

PP

 最初に文京区の概況ということでございますが、文京区、位置的にはいわゆる東京都23区の中でも都心部に近いところに位置してございまして、人口といたしましてはおおよそ214,000人余りということでございます。また、出生数に関しましては2,167人(平成28年)とございますけれども、毎年新たな接種対象としてこれだけの人が対象となってくるところでございます。

PP

 まず最初に、定期予防接種について御説明申し上げます。

PP

 定期予防接種の実務的なところでございますけれども、各区それぞれやっているわけでございますが、文京区としての定期予防接種の実務というところでございますが、まず最初にいわゆる背景として接種をしていただく医療機関との契約でございます。区内の医療機関と委託の契約をするということでございまして、まず最初に実施を希望する調査、これは医師会等に調査をお願いして、その中で接種に協力していただける医療機関をリストアップさせていただいて、それを確認させていただくところがまず最初の段階でございます。その上で契約の単価、こちらにつきましては先ほど練馬区さんよりお話があったかと思いますが、いわゆる三者協という形で東京都、特別区及び東京都の医師会の連絡協議会の中で、いわゆるそれぞれの接種単価を決定しておりますので、それにのっとった形での契約単価という形で実施をしております。

 契約の締結に関しましては、子供の定期予防接種及び高齢者用肺炎球菌予防接種に関しましては1年間の契約。高齢者インフルエンザ予防接種に関しましては10月1日から翌1月31日までという形での契約ということでございます。

PP

 その上で、各医療機関で予防接種を実施した後、接種月の翌月の25日までに予診票が、これは請求用という形になりますけれども、こちらを使って区に請求される。区のほうでは予診票の内容を確認し、適切な接種が行われているかどうか確認させていただくのですけれども、その上で委託料を支払うという流れでございます。

 予防接種歴の台帳化ということでございますが、これはいわゆるマイナンバーが導入されたこともございまして、ことし1月からシステム化ということで、こちらの内容につきましては予診票の内容を確認した後に、業者において入力を委託しているということでございます。接種年月日、医療機関等をシステムに入力するという形でございます。

PP

 こちらは区民の方への対応でございますが、予防接種は対象となる年齢が異なってくるというところもございまして、まずお子さんに関しましては生後1カ月半ごろにB型肝炎と近い時期に接種するものに関してはまとめて送付をさせていただくということで、予防接種の予診票のつづり及び指定医療機関、こういったところで接種ができますという形での指定医療機関の一覧、また、予診票に張りつける形でのお名前シール、こういったものを全てパッケージ化した形で送付させていただく。さらにMR2期の時期に同じようなものを発送させていただく。日本脳炎2期についても該当する時期に発送する。DT2期に関しても該当する時期に発送する。このような形でなるたけ直近の時期でのお知らせという形で、それぞれの方に勧奨を兼ねて送付させていただいているところでございます。

 なお、転入、転出といったものも年度途中でも非常に多くございますので、このうちMR2期に関しましては、転入した方には自動的に送付をさせていただくということでございますが、そのほかの予防接種については転入してきた時期に母子手帳等をもちまして接種歴を確認し、必要なものの予診票をお渡しするということでございます。

PP

 一方、高齢者の方への予防接種でございますけれども、こちら高齢者用の肺炎球菌に関しましては、3月下旬に対象となる方に対して、こちらのほうも予診票等を含めたパッケージで送付させていただく。高齢者インフルエンザ予防接種に関しましても、9月下旬に対象の方に対してパッケージで送付させていただいてございます。なお、高齢者用肺炎球菌に関しましては、区のほうで任意予防接種という形での費用助成も実施している部分がありますので、そういった方は対象としては除かせていただいてございます。

PP

 先ほど練馬区からお話があったかと思いますが、いわゆる相互乗り入れ制度というものが東京23区間ではございます。東京23区に関しましては面積がそれほど広くない中で、隣接する自治体とも区境に住んでいる方も非常に多くございますので、そういった意味で利便性を高めるというところもございます。接種単価につきましては、23区内が統一単価でございますので、区を越えた形でほかの医療機関で打った場合についても支払いに関しては区の中で、それぞれの区でやりとりをするというところの中で、実際に利用していただいている、予防接種を接種していただいている方に関して不便が生じないようにという形での実施体制となってございます。

PP

 里帰り等の接種の償還払いということでございますが、こちら実際にお子さんを出産して、地元で出産する方も非常に多くいらっしゃるということでございまして、東京23区以外でも里帰り出産を行った場合、引き続きそこの場所で予防接種を接種する場合もございます。そのような方に関しましては、まず予防接種実施依頼の申請を受け付けてございます。その上で区のほうから接種先の自治体等に依頼書を発行いたしまして、その上で接種した場合について償還払いを実施してございます。その際の履歴は区のシステムに取り込むということで、接種した方に関しましては区の助成金を申請していただいた口座に振り込むという形での償還払いを実施しております。

PP

 こちら実績のほうですけれども、実際に制度を導入した平成27年度から非常にこの件数はふえてございまして、大体年間で390件、平成28年度は実施しております。

PP

 また、接種率向上のための取り組みの1つになるかと思いますが、いわゆる予防接種のスケジュール等、リマインダーの役目があるかと思います。子育て応援ワクチンナビということで、スマートフォンなどを利用して予防接種の忘れがないようにということで、メールでのお知らせということで、予防接種のスケジュールも自動的に立ててお知らせできるようにということで、こういったシステムを導入しております。こちらは開始してから登録者ということでございますと、年々ふえていっている状況でございまして、大体ここまでのところ累積でおよそ3,000名を超える方がこちらに登録していただいてございます。

PP

 実際に定期予防接種というところで見ますと、接種人数ということでいわゆるパーセント表示ではございませんが、特に直近の状況の特徴としては、いわゆる日本脳炎のワクチンの接種者数が27年、28年を比較すると28年に大きく伸びております。おおむね1.5倍以上という形で平成28年のほうは接種者数という形で伸びたということでございます。

 そのほかの予防接種の接種状況に関しましては、特に初期の段階で、生まれてから早い段階で接種するものに関しましては、100%に近い形での接種ができているところでございますが、そこから若干離れてくるMR2期あるいはDTというところの中では、いろいろ勧奨等の工夫は進めているところではございますけれども、なかなか接種率、その前のとは同様の形には持っていけないところが現状でございます。

PP

 区のほうで費用助成という形で実施しております定期以外の任意予防接種でございますが、1つはMRワクチンは1期、2期ございますけれども、1期の接種漏れ者及び2期の接種漏れ者ということで、それぞれ麻しん風しんに関しましては全額助成という形で費用助成をしております。また、ムンプスワクチンに関しましても、これは全額ではございませんけれども、接種の費用助成をしております。

PP

 さらに高齢者用の肺炎球菌ワクチンに関しましては、平成29年度に満75歳以上になる方で接種を希望する方ということで、定期予防接種を接種済みの方は対象外でございますけれども、接種していない方に関しましては定期接種の対象者と同様の自己負担での接種ができるようにということで費用助成をしております。

 風しんワクチンに関しましては、先天性風しん症候群の予防ということで、こちらに関しましても費用助成を実施してございます。

PP

 実績でございますが、麻しん風しんワクチンに関しましては比較的接種率が高いというところもございまして、接種漏れ者の接種数という意味では、それほど人数的には多くないといったところでございますけれども、いわゆる麻しんの流行を防ぐ、風しんの流行を防ぐという意味で、継続して対策を進めているところでございます。

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 最後に、直近でのいわゆる予防接種における課題的なもので御紹介させていただければと思いますけれども、1つはワクチンの供給の話でございます。特に昨年から話題がいろいろ出ておりますが、麻しん風しんワクチンの接種及び直近でも日本脳炎ワクチンについて、大きな混乱ではございませんけれども、一部思ったとおりの日程でなかなか接種できないという状況が区民の方からもお話をいただいているところでございます。調査等は区の中の医師会とも協力して調査等を実施しておりまして、内容については東京都へ話を進めさせていただいているところでございますし、また、国のほうへもそういったところで東京都を通じて要請しているところでございますが、現場としてはいつ接種できるかわからないというのは非常に不安に思うお母さん方も多く、特にお母さん方のネットワークというところもございますので、そういった意味で少なくとも今後の予定という形でいついつぐらいに手に入ります、接種ができますという形でお話しすることができれば、そういった意味での不安解消に大きな意味があるのかなというところでございますけれども、そういった意味でワクチンの安定供給対策について、十分に講じていただければというところでございます。

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 最後に、区の予防接種、費用負担についてでございまして、こちらは先ほども同様の内容を練馬区からも紹介させていただいたところでございますけれども、財源措置という意味では区の負担分という形で予防接種費用が負担になっているところでございまして、特に定期化が種類もふえたというところで、経費そのものが非常にふえている。それに伴って事務的な経費もかかっているところでございまして、こういった財政措置については特別区においても考慮していただければというところで、課題、要望という形で紹介させていただきました。

 文京区からの発表は以上でございます。ありがとうございました。

○倉根部会長 ありがとうございました。

 次に、君津市の有冨参考人から御発表をお願いいたします。

○有冨参考人 皆様こんにちは。君津市の予防接種の取り組みについて発表いたします。

 君津市健康づくり課の有冨です。今回、このような機会をいただきましたので、一生懸命務めさせていただきますので、よろしくお願いします。わかりづらい点も多々あると思いますが、おつき合いいただければ幸いです。

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 では、君津市を紹介いたします。市の花、ミツバツツジをモチーフにした君津市のキャラクター、きみぴょんです。市内に広がる房総の豊かな森の中に住み、湖のほとりや川辺に遊びに来る元気でかわいらしい小さな動物をイメージしています。美しい湖と清らかな水に囲まれつつ、住みやすい環境にも恵まれた君津の特徴です。代表的な農産物といたしまして小糸在来があります。また、恋人と書いて小糸のカラーの愛称で親しまれていますカラーの栽培も盛んです。年間約180万本が出荷され、全国でも有名なカラーの産地です。

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 次に、君津市の概要について説明いたします。君津市は房総半島の中南部にあります産業都市で、臨海地域では新日本製鐵住金を中心とする工業地帯が進出しており、それに伴い従業者とその家族の転出や転入が多くあります。また、内陸部は自然に囲まれ、水と緑の自然が豊富に残っています。隣接します木更津市からは東京湾アクアラインが走っており、都心部へのアクセスも便利な環境にあります。

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 君津市の概要2について話します。平成29年8月現在、君津市の人口は8万5,837人。先ほどの3市と違って少し市になります。世帯数は3万8,711です。年間出生数は平成28年度で555人です。合計特殊出生率は1.54です。高齢化率は27.2で、当市でも急速な高齢化が進んでいるのが現状です。

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 君津市の概要3ですが、君津市役所保健福祉センターと行政センターが市内に4カ所ありますが、予防接種担当は保健センターにおります。

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 続きまして、本題になります。接種率向上に向けた取り組みといたしまして、2810月1日より施行されましたB型肝炎について説明をさせていただきます。

 市民への周知方法といたしまして、広報、ホームページを8月より掲示いたしました。あと医療機関のポスター掲示もしました。リーフレットは君津市作成です。個人通知にもリーフレットを同封いたしました。4月、5月の対象者、こちらの方は定期接種の期間が短いということで、電話で周知をいたしました。こちらの反応ですけれども、大変よかったです。お礼等の声が聞かれました。次に、1月の時点で未接種者に個人通知をいたしました。こちらの反応ですけれども、自費でした方、制度を知らない方もいましたので、とてもよい機会になりました。再度12名の未接種者に電話で周知をいたしました。結果としまして、4月、5月生まれの方の接種率ですけれども、99.8%でした。

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 君津が作成しましたリーフレットと再通知のはがきです。ごらんください。

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 あと、資料にはありませんが、去年の取り組みがとてもよかったということで少しお話させていただきます。

27年度の麻しん風しん混合第2期の接種率ですけれども、君津市は88.7%でした。95%いかなかったので少しいろいろ協議をしまして、県内でも接種率のよい市町村から情報を受けました。夏休み期間中の個人通知がすごく重要だということを認識いたしましたので、早速行いました。あと、市内の保育園、幼稚園の園長会議に出席をいたしました。こちらのチラシを作成して、幼稚園の方とか保育園の方に送付をいたしました。10月からの就学時健診ですけれども、教育委員会と協議をして未接種者に対して個別指導ができるように配意をしてもらい、個人個人スケジュールを組んでお渡し、保護者の方に予防接種の大切さを再度理解してもらうように努めました。その結果ですけれども、28年度の麻しん風しん混合第2期は95.8%でした。

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 次に、出生時の接種勧奨及びPR1についてです。君津市では出生時に予防接種ガイドを配布し、各種接種時期の約1カ月前にはがきや封書で個人通知をしております。また、新生児訪問、これは1カ月以内に行きますので接種スケジュールや医療機関とかの説明をしております。また、月に2~3回あります育児相談で接種の状況を確認したりとか、予防接種の相談とか勧奨を行っております。

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PR2につきましては、先ほど麻しん風しんでお話をしましたので、園長会議とか就学時健診をごらんください。

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 地域の医療機関、医師会との連携についてですけれども、当市では近隣4市で医師会が構成されています。かかりつけ医からの接種勧奨や予防接種スケジュールの依頼や医師会と近隣市との会議や講習会を行っております。

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 乳幼児期の転入者の接種案内ですが、君津市役所子育て支援課の手続の際に、保健福祉センターに案内のチラシを配布しております。保健福祉センターの窓口では母子手帳のコピーをとり、予診票の交付は必ず職員がダブルチェックでミスのないように行っております。その際に接種勧奨や指導を実施しています。また、転入後1~2カ月たっても手続が済んでいない方は、母子保健推進員さんが家庭訪問で接種の手続を促しております。

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 間違い防止の取り組みについてです。君津市ではここ3年間、間違いはなかったのですけれども、ことしに入って接種間隔のミスがありました。問題点を把握して、再度医療機関に予防接種の実施要領を確認していただいております。あと君津市が作成しましたマニュアルを送付して、こちらも確認してもらっています。

 医療機関から要望がありまして、チェックリストはわかりやすいものを作成してほしいということで、今、作成中です。近隣市や医師会とも会議をしているところです。

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 予防接種の記録の状況ですけれども、平成18年度より健康管理システム、両備システムズ、健康かるてを導入し、データでの予防接種記録を管理しています。システム内には平成8年生まれから、紙ベースでは昭和55年から平成7年生まれの方の記録が保管されています。記録については医療機関から毎月10日までに提出を受け、職員が2~3名で2,000件のシステム入力を行っております。B類のインフルエンザに対しては1万5,000件ですけれども、これも全件システム入力を行っています。

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 最後のほうになりましたけれども、マイナンバーについてです。これは現場の声とか問題点とかになってしまうのですが、接種後に市町村の予防接種の台帳に記録が反映されるのに約1カ月のタイムラグがありますので、転入時に情報連携をしてもすぐに結果が生かせない場合もあります。また、すぐ接種を希望される方がいる場合等で母子手帳のコピーの事務は省けないように思われます。虐待とか諸事情で母子手帳を持っていない方は、情報連携した後も情報がもらえるのか疑問です。あと、システムの入力が絶対に正しいというのは言い切れないので、現場の声ですけれども、母子手帳の情報が一番いいのではという声がありました。

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 最後にですけれども、予防接種は子供を病気から守る大切な手段です。一人でも多くのお子さんが安心・安全に接種ができるようにしていきたいと思っております。

 今回はこのような機会をいただき、改めて予防接種について学ぶことができました。ありがとうございました。

○倉根部会長 どうもありがとうございました。4つの自治体の参考人の皆様、どうもありがとうございます。

 この4つの自治体からの発表に関して、何か御質問なりございましょうか。

 1つだけ確認をお願いしたいのですけれども、福岡市の中野参考人からの御発表のスライド7の左側のX軸の決算額の単位は千円でよろしいですか。

○中野参考人 千円です。なので一番上の5,000のところが50億円になります。

○倉根部会長 ですからこれは単位百万ですね。

○中野参考人 失礼しました。

○倉根部会長 ほかに御質問いかがですか。坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 川崎市の坂元でございます。

 ただいま区市町村の方から御発表いただいたわけですけれども、1つお尋ねしたいのは、皆様方の自治体にほかの自治体から転入されてこられた方がその自治体の役所に来て、前の自治体で受けた予防接種が、わからなくなってしまったといったときに、皆様方の自治体は転入先の自治体に接種歴を自動的に問い合わせて、自分のところのいわゆる予防接種台帳にマイナンバーを介して取り込むシステムを現に稼働させている自治体はあるのでしょうか。もしあったら、どのようにやっているかお教えいただけたらと思います。

○倉根部会長 いかがでしょうか。有冨参考人、どうぞ。

○有冨参考人 うちのほうはマイナンバーで4件ぐらい照会したのですけれども、なかなか返ってこないのです。先週も水曜日、ほかの市町村に照会をかけたのですが、まだ返事が返ってこないような状況で、そういう状況も現実にあります。

○坂元委員 その照会というのは、何か定期的にやっているのか、事例が発生したときにマイナンバーのネットワークを介して相手の自治体に照会をかけているのか、照会という意味が単に電話をかけて聞いているとか、具体的にどのように。

○有冨参考人 マイナンバーが7月18日以降の方からということで通知が来ていまして、その方に関してはまだ全件ではないのですけれども、わかる範囲では照会をかけております。電話とかでは特に今のところは聞いていないのですが、わかりにくいですかね。

○坂元委員 東京都の場合、相互乗り入れという形なのですけれども、おそらく区間の移動とかあると思うときに、東京都の場合はマイナンバーのネットワークを使って接種歴の問い合わせ等を具体的にやっておられるのでしょうか。

○倉根部会長 滝川参考人あるいは渡瀬参考人、いかがでしょうか。

○滝川参考人 自動的に情報を取り入れるというようなことはやっておりませんで、実際にそういった問い合わせ件数といいますか、実例がほとんど発生しないものですから、必要な場合は直接問い合わせをしたりというふうな手作業といいますか、そのような形でやっています。

○倉根部会長 ほかいかがでございますか。中野参考人、どうぞ。

○中野参考人 福岡市におきましては、転入の数も非常に多いので、転入されるたびに転入前の市町村での接種歴を取り込むということはしておりません。転入が最近あった方から接種歴の問い合わせがあった場合のみ情報連携を行うこととしておりますが、その場合も情報連携で得たものをお教えするところまでで、システムに取り込むところまでは考えておりません。

○倉根部会長 中野委員から御質問どうぞ。

○中野委員 4つの自治体からのプレゼンテーションをお伺いして、第三の三の接種率の向上のための取り組みというのに非常に努力をされておられるなというのがひしひしと伝わってきて、すばらしいなと思いました。予診票とか接種手帳を送られる時期とか、何を送るか。それに関して教えていただきたいのですが、接種対象年齢になったときとか、接種対象者に対する個別の勧奨というのは、接種率の向上にすごく有用だと思うのです。それでいろいろ工夫されていると思うのですけれども、プレゼンテーションをお伺いして、私の理解では練馬区と文京区はおたふくかぜは任意接種ですけれども、きっと費用助成をされているので何らかの方法で周知をされているのかなと思ったのですが、練馬区が生後11カ月で予診票を送るときにおたふくかぜを任意ですけれども、送っておられるというプレゼンテーションだったと理解しました。文京区におかれましては特に予診票の送付とかはやられていないと理解したのですが、接種率というか、実施率というか、差があるのかどうかもし今わかれば教えていただければありがたいのですが。おたふくかぜワクチンに関しまして。

○倉根部会長 いかがでしょうか。では渡瀬参考人、どうぞ。

○渡瀬参考人 文京区では、いわゆるおたふくかぜの予防接種という形では1歳以上から小学校就学前ということで、対象としてはおおよそ1万1,000人となっております。そのうち接種に関しましては例年2,000人前後ということで、平成28年に関しましては2,098人、接種率に関しましては19.2%ということでございまして、27年が19.6%ですから、2割を切るぐらいの人ということでございますけれども、その人数の方に任意接種としての費用助成を実施しているところでございます。

○倉根部会長 滝川参考人、どうぞ。

○滝川参考人 任意予防接種の中でおたふくかぜに関しましては、接種率は98.2%となっております。

○中野委員 ありがとうございます。個別勧奨があると接種率が上がるということを理解しました。

○倉根部会長 ほかいかがでしょうか。釜萢委員、どうぞ。

○釜萢委員 まず練馬区の御説明の中で、予防接種事務の業者委託をしておられるということで、スライドで見ると8ページになりますが、電話や窓口の対応、予防接種予診票のデータの入力等があるわけですが、データの入力はほかの市町村でも委託をしているところがあると思いますが、先ほど御説明のそれにかなり精通した業者を選ばないといけないという御指摘がありました。このような業務委託というのはかなり広範に行われているものなのか、あるいは受託できる業者というのがどのくらいあるのかについて、もし教えていただければありがたいです。

○倉根部会長 いかがでしょうか、滝川参考人。

○滝川参考人 こういった予防接種の分野における業務経験のある業者というのは、それほど多くはないと思います。したがって、私どもも最初幾つかの業者の方とお話をして、実際にその中でお仕事をやり始めてみて、どのように委託というものを分担して、二人三脚でやっていけるのかというのを試行錯誤しながら何年かたってお互いの分担の仕方、連携の仕方を確立してきたというような状況であります。

○釜萢委員 ありがとうございます。

 あと2つあるのですが、文京区の御説明の中で12ページですが、文京区の実績を拝見しますとBCG定期が2,108人ということですから、大体出生はそのぐらいなのかなと思うのですが、先ほどの御説明の中で日本脳炎1期の接種が平成27年に比べて1.5倍になったということで、1期が8,000人ぐらいの接種実績になっているのですが、この背景、理由についてはどのようにお考えですか。

○倉根部会長 渡瀬参考人、どうぞ。

○渡瀬参考人 BCGを含めてDPT-IPVといった形でいわゆる接種が早い場合については、ほぼ100%と言っていい人が接種を受けてくださっているところでございます。日本脳炎に関しましても、これまでも特に1期に関しましてはほぼ100%の方に受けていただいていたのですが、やはり影響としては昨年、報道にもあったかと思うのですけれども、早目に接種しましょうということで非常に大きなアナウンスがあったかと思います。その影響が一番大きいのかなということで、接種率というところで見ますと、前年の接種がおよそその前の年度においては1期の初回が1,700、1期の初回第2回が1,700というところで、それぞれ倍増しているところで、そういった意味で言うと非常に早い段階から打ち始めたというところが最も大きな影響かなと思っています。

○釜萢委員 今、日本脳炎のワクチンの供給が大変厳しい状況なので、全国的にこういうものがどう影響してくるかなということが懸念されたので発言いたしました。

 もう一点ですが、これは質問ではありませんが、福岡市の医師会の13ページのところにヒブと肺炎球菌の単独接種と同時接種の接種料金を変えておられるのですが、接種を担当する側としては、どうして福岡市医師会はこのような決定をしたのかというところが大変疑問であります。というのは、同時接種は接種するほうとしては非常に労力が大きいです。説明の内容が同時接種になったから省略できるようなことはなく、それぞれのワクチンについてきちんと説明をしなければなりませんし、終了後の注意についても十分説明をしなければならないので、同時接種になったために接種料金を下げるということはとても考えられないことなので、そのことはぜひ指摘をしておきたいと思います。

○倉根部会長 これは釜萢委員の御意見としてということですね。

 宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 1つは年齢が上がっていくと、どうしても接種率が下がってきます。予防接種の基本計画の中には、厚労省や市町村は教育委員会や文科省と連携をして健診の機会などで勧奨したり、データをとることが書いてあるのですが、自治体は教育委員会とそういう情報のやりとりとか、そういうことが実際にあるかどうか。あるいはそういう健診の機会で接種率が上がっているのかどうかということをお聞きしたいのですが。

○倉根部会長 いかがでしょうか。有冨参考人、どうぞ。

○有冨参考人 君津市ですけれども、就学時健診に行っていまして、先ほどわかりづらかったと思うのですが、前もって接種していない方をリストアップしていまして、教育委員会にこういう子たちがいたら教えてくださいということを言っていまして、個別に指導したりとか、スケジュールを組んで渡したりとか、問診票がないと言ったら問診票を発行したりとかしております。こういった予防接種は大切だからということで皆さんの前でお話もするのです。そうしましたら、戻ってきたらきょうお話を聞いて、保護者の方がやっていなかったので予診票をくださいということで窓口に見える方もいらっしゃいます。

○倉根部会長 滝川参考人、どうぞ。

○滝川参考人 練馬区の場合は、MR2期に関して幼稚園や保育園の年長児の保護者の方に対してアンケートをいたしております。この狙いは接種率をそれぞれの園から報告していただいて、MR2期の接種の勧奨につなげたいということからでございます。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 渡瀬参考人、どうぞ。

○渡瀬参考人 MR2期の話になってしまうのですけれども、接種率そのものは9割を少し下回ってしまうところで、これが例年のいつもの数字となってございます。そういった中で教育との連携というのは非常に重要かと思っておりまして、校園長会等も含めて教育のところで連携しながら情報提供しつつ、接種について促すというところを協力していただいているところになります。

 あと、小学校入学前の就学前健診の場を利用して、接種していない方に対しては接種をするようにということで呼びかけは進めているところでございますけれども、なかなか数値として目に見える形で上げていくというところが難しいところなので、今後どういった工夫があるのかなというのは、周りのいろいろなところの自治体の取り組み等を参考にしながら進めていきたいと思っています。

○倉根部会長 ありがとうございました。

 なかなか議論が尽きないところでございますが、時間の制限がありまして、済みませんが、ここのセッションにつきましてはここで打ち切りといいますか、ひとまず終わりたいと思います。4自治体からおいでいただきました参考人の皆様、本当にありがとうございました。

 まず今いろいろ御意見をいただきましたし、そこにつきましては事務局のほうで取りまとめもお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、議題(2)「肺炎球菌感染症(高齢者がかかるものに限る。)の接種対象者について」に移りたいと思います。事務局から資料の御説明をお願いします。

○佐々木係長 それでは、事務局より肺炎球菌感染症の接種対象者について御説明させていただきます。

 まず資料6をお手元に御用意ください。資料の上段に高齢者がかかる肺炎球菌感染症の定期接種について、これまでの背景をまとめてございます。

 高齢者がかかる肺炎球菌感染症につきましては、平成22年7月に肺炎球菌ポリサッカライドワクチンに関するファクトシートが、また、平成23年3月に肺炎球菌ポリサッカライドワクチン作業チーム報告書及びワクチン評価に関する小委員会報告書がそれぞれ報告されてございます。これらファクトシート等をもとに本基本方針部会等におきまして、高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種化にかかわる検討が行われてございまして、平成26年5月に平成31年度以降の接種対象者については、経過措置対象者の接種状況や接種記録の保管体制の状況等を踏まえ、改めて検討するとされた上で、平成2610月に高齢者の肺炎球菌感染症が定期の予防接種のB類疾病に追加されてございます。

 次に、資料中段の平成30年度までの接種対象者をごらんください。平成30年度までの高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種の対象者につきましては、65歳の者及び60歳以上、65歳未満であって、基礎疾患等により日常生活が極度に制限される程度の障害を有する者としてございます。また、平成30年度までの経過措置といたしまして、年度ごとに65歳から100歳まで5歳年齢ごとに接種対象者としてございます。

 最後に資料下段の平成31年度以降の接種対象者の検討をごらんください。先ほど申し上げましたように、接種対象者の経過措置につきましては、平成30年度までとなってございまして、平成31年度以降の接種対象者につきましては、経過措置対象者の接種状況や接種記録の保管体制の状況等を踏まえ、改めて検討をすることとされてございます。

 これらを踏まえまして、平成31年度以降の接種対象者につきましては、以下の2つの方針で検討してはどうかと考えてございます。

 まず平成31年度以降の定期接種の対象者につきましては、技術的な観点からワクチン評価に関する小委員会において検討を行う。また、小委員会での検討を行うに当たり、国立感染症研究所に改めて肺炎球菌ポリサッカライドワクチンに関するファクトシートを作成いただく。このように考えてございます。

 事務局からは以上でございます。

○倉根部会長 今、説明をいただきましたが、この件に関しまして何か御質問あるいは御意見ございますか。多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 ファクトシートに関してなのですけれども、ファクトシートをつくることになった場合、感染研では半年間の間に担当者がかなり多くの時間をかけてつくっております。ファクトシートが出された後、前回ファクトシートを出したのが2月だったのですけれども、その後、一度もディスカッションの場がないのです。なので半年かけて大急ぎでつくっているファクトシートについては、少なくとも2カ月に1回とか、それに対して議論をする場をぜひ設けていただきたいなと思っておりまして、作業をしている立場としてぜひお願いしたいと思いましたので、よろしくお願いいたします。

○倉根部会長 事務局いかがですか。

○江浪室長 今、多屋先生から御指摘いただきました内容は、肺炎球菌感染症に関するファクトシートということではなくて、小委員会で御議論いただいておりますほかのワクチンに関することだと理解しております。

 小委員会におきましては、新しいワクチンが薬事承認を得たり適用拡大したときに速やかに検討を行うことになっておりますので、感染症研究所の御協力を得てファクトシートを作成いただきまして、小委員会を開催して1回議論をさせていただきました。その後、次の開催の日程を調整したりしておったのですけれども、今まで開催できておらないというのが事実でございまして、可能な限り早く開催いたしまして議論を進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

○倉根部会長 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 前回のファクトシートの作成後に13価の肺炎球菌ワクチンが承認されているような気がするのですけれども、今回のファクトシートというのは23価と13価と両方おつくりになるということでよろしいのでしょうか。それとも23価のことだけなのでしょうか。

○佐々木係長 今回のファクトシートにつきましては、まず現状、定期接種に入れられているワクチンとしては肺炎球菌ポリサッカライドワクチン、PPSVでございますので、平成22年に作成されましたポリサッカライドワクチンに関しまして、アップデートしていただければと考えてございます。

○倉根部会長 釜萢委員、どうぞ。

○釜萢委員 13価のものについて、どのように今後扱われることになるのかについて、もう少し踏み込んでお話しいただけますか。

○江浪室長 高齢者の肺炎球菌感染症対策として使われるワクチンとしては、もともとポリサッカライドワクチンということでございまして、使用を開始して以降、次に御意見がございました13価を使うことについての是非についてどう考えるかという検討が行われたとなっております。

 我々としてこの検討の進め方ということでございますけれども、まず現状使われておりますポリサッカライドワクチンに関しまして、技術的な観点で例えば追加接種を行った場合の有効性についてどう考えるかという点につきまして、非常に技術的な内容がございますので、その点についてまずファクトシートを作成いただく過程の中で、技術的な論点を整理したいと考えております。

 そういった中で並行して13価ワクチンに関しましても幾つか小委員会で宿題をいただいておりますので、それを整理して、平成31年度以降の接種対象者の検討という中で、ある程度いろいろなワクチンを念頭に置きながら議論を進めていきたいなと考えております。

 以上でございます。

○倉根部会長 よろしゅうございますか。

 そうしますと本件についてはワクチンの小委員会において今、事務局から申しましたことをもう一度議論し、もんでいただくということ。それから、感染症研究所で改めて肺炎球菌ポリサッカライドワクチンに関してのファクトシートを作成するというような方針であり、そのファクトシートをもとに小委員会では検討を行うということが今の提案でありまして、そのような方向でこの委員会として進むということでよろしゅうございましょうか。

 伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 海外では肺炎球菌ワクチンを、13価と23価のコンビネーションで使ったりとか、さまざまな情報が我が国にも入ってきていますので、せっかくファクトシートをおつくりになるのでしたら、そういうことも含めていただきたい。単独で13価のファクトシートをつくれということではなくて、23価を使う過程でほかの要素も当然、考えなければいけないし、海外の使い方も含めてわかるようなファクトシートにしていただきたいという要望です。

○倉根部会長 そこはいかがですか。

○江浪室長 その点につきまして、ファクトシートを作成いただきます感染症研究所の皆さんと相談しながら、どのような提案ができるか検討したいと思います。

○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 私からのお願いは、地域の医師の先生方からプレベナーの成人定期化についての問い合わせが来ておりまして、つまりどうなるのかというもので、定期化するしないということを含めて、一定の国の見解は出していかないとプレベナーの製造承認はとれていますので、そういう問い合わせが来ていることを踏まえて、その辺の御検討を厚労省にお願いいただければと思います。よろしくお願いします。

○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 今のことに少し関連してなのですけれども、13価の肺炎球菌ワクチンについてのファクトシートは既に出しておりまして、先ほど私が少しお話したのとも関連するのですけれども、このファクトシートを出した後の議論が定期的に行われますと、そういうことも含められるのではないかと思いますので、ぜひそういう方向で考えていただければ23価も今回22年の後からつくるとしても13価は既に出しているので、それとあわせて議論していただければと思います。

○倉根部会長 ただいま委員からこういう意見が出ております。事務局よろしいですか。

○江浪室長 13価の肺炎球菌ワクチンの検討の関係と、先ほど多屋委員に御指摘いただきました2月に開催した以降の話と、若干我々としてはステータスが異なっていると考えてございます。

13価に関しましては1回小委員会である程度御議論をいただきまして、研究を進めた上で議論をする中で、研究には研究のスケジュールがございますので、その結果を見ながら御報告したいということで、その間、小委員会そのものは開催しておりましたけれども、13価に関する御議論というのはしてございませんでした。ただ、今回、今後の肺炎球菌ワクチンについての議論を一方で行うことになりますので、今、多屋委員から御指摘いただきましたように、もう一つのほうのワクチンはどうなのかということも念頭に置きながら議論を進めたいと思います。

○倉根部会長 ありがとうございます。今の議論を含めて小委員会にもその旨をお伝えいただき、議論を進めていただくということでお願いしたいと思います。

 それでは、次に行きたいと思います。風しんの排除に向けた取り組みについてであります。これについて事務局から説明をお願いしたいと思います。

○野田課長補佐 結核感染症課の野田でございます。

 資料7「風しんの排除認定に向けた取組」という資料で御説明をさせていただきます。

 背景といたしましては、風しんに関する特定感染症予防指針につきまして、平成32年までの風しんの排除状態というものを達成することを目標としている状況でございますが、一方で排除状態達成の確認のために必要な積極的疫学調査や遺伝子検査の実施が現状では実施率が低いという状況がございます。

 この背景といたしましては、現行の風しんに関する特定感染症予防指針の中では、我が国における風しんの患者の発生数が一定数以下になった場合には、原則として全例にウイルス遺伝子検査の実施を求めるものとするという状況でございまして、まだまだ風しんの発生数が予防指針を作成した際には高かったという状況がございました。

 一方で近年、風しんの発生報告数に関しましては急激に減少してきた状況でございまして、平成28年度で言いますと125例ということがございましたので、この積極的疫学調査ですとか、遺伝子検査の実施というものが物理的に可能になってきたという状況になっております。

 また、WHOでは麻しんと風しんについてはあわせて計画を推進していくことが奨励されているという状況でございます。これらのことも踏まえまして、6月19日に開催させていただきました第21回感染症部会におきましては、麻しんと風しんの今の対策につきまして、特に風しんについて省令、そして予防指針を改定するということにおきまして、この図に示しておりますように麻しんに合わせて対策を変更していこうということを御了承いただいたという状況でございます。

 すなわち積極的疫学調査につきましては、麻しんでは1例発生したら実施となっておりますけれども、風しんについては集団発生時に実施となっております。また、麻しんにつきましては届け出について直ちに報告となっているものが、風しんについては7日以内に報告というものになっている。さらに遺伝子検査につきましては、先ほど述べさせていただきましたように麻しんについては全例実施となっているものが、可能な限り実施となっているものでございますけれども、これを麻しんに合わせていくということをしていきたいと考えております。

 特にこの基本方針部会におきましては、予防指針に関しまして権限を持っておりまして、予防指針の改正を行うに当たりましては、麻しんに対する小委員会と風しんに関する小委員会において別個に検討してきたというところでございますが、今回、WHOの方針にありますように効率的、効果的に議論を行っていくために、この小委員会につきまして麻しん風しんに関する小委員会というものに合併をして設置をすることにさせていただきたいと考えております。

 なお、別紙につけさせていただいておりますけれども、設置要綱につきましては風しんにおいて今までも行われてきているものを踏襲いたしまして、変更させていただきたいと考えております。また、この風しんの予防指針の関係の小委員会におきましては、利益相反に関しての別紙2でありますけれども、参加規定についても定めておりましたので、それにつきましても継続してつくらせていただきたいと考えております。

 事務局からは以上でございます。

○倉根部会長 ありがとうございました。今、事務局から説明があったところでありますが、御質問、御意見ございますでしょうか。感染症部会でも風しんの現在の指針に合わせるといいますか、麻しんと同様のものにすることについては議論がもう既になされておるところであります。

 多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 風しんの2020年度の排除に向けて、このように対策が国として進んでいくことについて、本当にありがたく思っています。ぜひこの目標に向けてみんなで頑張っていきたいなと思います。

 ただ、1つお願いがあるのですけれども、風しんの感受性者が30代から50代の男性に数百万人規模で蓄積したままであるというところだけが残されてしまっていますので、先ほど文京区の渡瀬先生から御紹介いただきました、文京区では風しんワクチンの任意接種にもこのように費用補助をしてくださっているとお話をいただきましたが、ぜひ感受性者対策のもう一つの車輪も回していただけるように考えていただければうれしいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○倉根部会長 何かコメントございますか。

○野田課長補佐 まさに今後、予防指針を改定する際にはそこは重要な議論になってくると考えています。今回、小委員会の立ち上げをお認めいただけましたら、今後のスケジュールといたしましては、まず今お示しをいたしました特に排除認定に向けて積極的疫学調査ですとか、遺伝子検査の改正について早急に行っていきたいと考えております。その上で麻しんについては平成30年、風疹については31年までに改定をする必要がある。これは5年に一度改定をしていくことがございますので、すなわち本格的な改定というものが今回のある意味、前回定められていた改定の後にすぐにまいりますので、そこについても改定が終わった後に、早急に議論をした上で検討していきたいと考えております。

○倉根部会長 宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 疫学調査サーベイランスは、今回示されたような改定が私も合理的だと思います。はしかの場合は特定感染症予防指針が出された後、MRの3期4期、5年間の対策で7年かかって一応排除ができたわけです。風しんの指針が出てちょうど2020年で7年になるのです。しかし、今のところワクチン接種に関する施策が何も打たれていないところがはしかと大きく違うところなので、先ほど多屋委員も言われたように、もう一歩踏み込んだ議論をぜひこの合同の委員会でやっていただきたいと思います。

○倉根部会長 よろしくお願いいたします。

 ほかよろしいですか。そうしますと、この委員会としては麻しん風しんに関しては小委員会を統合して、そして新たに麻しん風しんに関する小委員会として設置する。その方向で進むということを了承し、承認をお願いすることにしたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

 次が議題(4)「インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改定について」でございます。まずこのテーマに関して事務局より説明をお願いします。

○野田課長補佐 資料8をお手元に御用意ください。引き続き結核感染症課の野田が御説明させていただきます。

 「インフルエンザに関する特定感染症予防指針の改正について(案)」という資料でございます。

 背景といたしまして、インフルエンザに関する特定感染症予防指針に関しましては、平成12年、17年、22年、26年、27年にそれぞれ改正されてきているという状況でございますが、一方でそのほかの施策が変わっているものがありながら変えられてこなかった部分がございまして、その点について改定をしていきたいと考えています。

 具体的には下にお示しをしています、改定の主なポイントのところに載せてございます。2つございます。

 1点目が原因の究明のところで、平成28年に施行されています感染症法の改定において、感染症に関する情報の収集体制の強化に伴う修正ということが法的には変わってきておりますので、そこについて修正をさせていただきたい。具体的に病原体の収集などについても強化されておりますので、その点について改定をさせていただきたいと考えています。

 また、第六のところで新型インフルエンザについても特定感染症予防指針に記載されているところがございますけれども、新型インフルエンザに関しましては既に特別措置法ですとか、政府行動計画において総合的な推進を図るための指針の役割をしている文書が出ておりますので、この項については削除させていただきたいと考えております。

 このような2つの点につきまして、主に改定する点が事務局としてはあると思っておりますけれども、そのほか今回この基本方針部会でお話をしてただいた上で、感染症部会にも図らせていただいた上で、この方針について改定をさせていただきたいと考えています。

 ちなみに、この改定につきましては、こちらにつきましても6月19日に開催をさせていただきました第21回の感染症部会におきまして、改正をすることについては御了承いただいているという状況でございます。

 今後の進め方といたしましては、今回この改定につきまして御了承いただきましたら、今回いただきました御意見も踏まえまして事務局で案を作成していただきまして、再度感染症部会及び基本方針部会にその案を諮らせていただきまして、その上でパブコメを踏まえた上で告示の改正をさせていただきたいと考えております。

 事務局からは以上であります。

○倉根部会長 ただいまのような説明でございますが、御意見いかがでしょうか。特によろしいですか。

 そうしますと、まず今回のきょうの会議では、今、御提案いただいた方針で特定感染症予防方針の改定作業を進めるということで御了解いただいたということでよろしゅうございますか。そして、それについては感染症部会でも諮りますが、もう一度ここにしたものを御提示いただくということで進めたいと思っております。それでよろしゅうございましょうか。ありがとうございます。

 次は報告事項に入ります。資料9について事務局から説明をお願いします。

○黒崎室長補佐 資料9をごらんください。1枚めくっていただいて麻しん風しんワクチンの接種状況に関する資料でございます。こちらの資料は国立感染症研究所感染症疫学センターで取りまとめて作成をいただいている資料でございます。

 麻しん風しんにつきましては、感染症法上の特定感染症予防指針に基づきまして、そのほかの定期接種対象疾患とは別に年2回、予防接種の接種率についてそれぞれの自治体への調査を行っておりまして、こちらは平成28年度までの接種率をまとめた内容でございます。

 まず麻しん風しんワクチンの接種率目標は、特定感染症予防指針で第1期、第2期とも95%以上を目標に掲げているところでございます。まず第1期ですが、一番左端が平成28年度のデータでございまして、97.2%と指針の目標をクリアし、昨年度の接種率をわずかに上回っている状況でございました。

 3ページ目、第2期についてでございますが、小学校就学前1年間の時期を対象として行っておりますが、麻しん風しんワクチンともに接種率は93.1%と指針の目標には到達しておりませんが、昨年度とほぼ同等の接種率となっているところでございます。

 第2期の接種率向上のために、文科省と連携して小学校入学前に定期接種の機会を改めて周知するための通知を昨年に引き続きまして発出いたしまして、ことしは9月7日に発出させていただいたところでございます。

 次のページ以降は、都道府県ごとのデータをお示しさせていただいております。

 事務局からは以上になります。

○倉根部会長 今、事務局から報告事項としての説明がありましたが、御質問、御意見ございますか。多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 この接種率は、まさしく各自治体の方々の御尽力と医療機関の先生方の接種という行為、それから、保護者の方々の御理解の賜物だと思っておりまして、1期はどんどん高くなっているというすばらしい成果が出ていると思います。2期もあともう一息というところですので、ぜひ次年度は目標の95%を達成できるように引き続きよろしくお願いしたいと思っています。

 接種率をこんなに高く維持しておくことはなかなか難しいと思いますし、麻しんの今の発生動向を見ましても8割が成人となっていますので、1期、2期、そして既に終わりましたが、3期、4期の効果があってこそ、子供たちの間で学校での集団発生が起こらなくなってきたというすばらしい成果をここから読み取っていただければなと思いました。

 あと、机上配布資料で委員しか配付されていないのですけれども、これは多分、近日中に厚生労働省のホームページにアップされると思います。全ての市区町村の接種率が公表されることになると思いますので、ぜひそれぞれの方のお住まいの都道府県の接種率がどのようになっているのかをごらんいただいて、さらなる接種率の上昇に御尽力お願いできれば、この資料をつくった甲斐もあったかなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○倉根部会長 ありがとうございます。実は本件の取りまとめには多屋委員にも大変御尽力をいただいております。ありがとうございます。

 ほかに御質問、御意見ございますでしょうか。伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員 市区町村の方からお話を伺うと、結構人が移動する。年度の途中に移動したりもするのですけれども、そういうものは相当程度この接種率に影響するような気がするのですが、そこら辺の補正はどうされているのでしょうか。

○倉根部会長 宮崎委員、どうぞ。

○宮崎委員 国が出す数字というのは、結局、自治体から接種者数が報告されて、それを集計して、接種対象年齢の総人口で割り算するので、居住地移動が国全体の数字には影響がないのかもしれません。自治体ごとに出そうとすると結構これは微妙に動く問題かなと思います。

 もう一つ問題は、国が出している数字は実施率であって、何歳までに何%接種を受けているという数字になっていない。そういう意味では時に100%を超えてしまうことがあるので、外国に数字を出すときに日本のナショナルデータとして実施率が使えないという大きな問題があるわけです。ですから今まで研究班等々で無作為抽出の全国調査などで大体の数字は出ていますけれども、本当に堂々と出せる数字をちゃんと国のほうがつくっていくというのもぜひやっていただきたいと思っております。

○倉根部会長 伊藤委員の先ほどの質問は、自治体のデータが出てくるときには影響があるのではないかということですね。

○伊藤委員 そうです。今のデータを見せていただくと、随分移動があるみたいで、そうすると何の数字を拾っているのか。特に年度単位で拾っているので、もしかすると重複して拾っているかもしれないし、落ちてしまっているかもしれないし、そこら辺の補正を実際の統計を集められているところでおやりになられているのかなと思ったのですが。

○倉根部会長 多屋委員、どうぞ。

○多屋委員 この調査を始めるに当たって随分議論いたしました。全ての、全市区町村の方が同じやり方で数字を出していただくことができないと、この調査はできないと考えましたので、ここに書いてありますように、1期はその市区町村の10月1日現在の人口を分母として、4月1日から3月31日までに接種を受けた人を分子としてお届けいただいたものを集計していますので、各市町村の平均という形ではなくて、全日本の10月1日現在の1歳の人口を分母として、そして分子は日本全国で受けた人という形で出しているので、市区町村の平均ではないです。なので全国の結果を見るときは、10月1日現在の1歳児の人口分の4月1日から3月31日までに全国で受けた人の第1期だったら1期で受けた人、第2期は第2期で受けた人なので、麻しん風しんについては学年が1学年なので、そんなに大きく分子、分母のそごはないのではないかと思っています。

 いろいろやり方があるのですが、どこでもできる方法を使わないと継続して見ていくことができないので、MRについてはずっとこの方法で接種率の計算をしております。

○倉根部会長 ほか御質問ございますか。よろしいですか。ありがとうございました。

 それでは、本日の議事は以上でございますが、事務局から何かございますか。

○大林室長補佐 次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。

 本日は4カ所の自治体の方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきましてまことにありがとうございました。

 事務局からは以上でございます。

○倉根部会長 ありがとうございます。

 きょう19回の予防接種基本方針部会を終了したいと思います。

 本日は大変に活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。改めまして4自治体から参考人としておいでいただいた皆様にもお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

 それでは、きょうの会議はこれで終了いたします。


(了)

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