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2017年10月4日 第107回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成29年10月4日(水)15:57〜17:51


○場所

厚生労働省2階講堂


○議題

1.次回の診療報酬改定に向けた検討
2.骨太2017、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項
3.平成28年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)
4.その他

○議事

 

○遠藤部会長

 それでは、まだ定刻には若干ございますけれども、委員の皆様全員御着席ですので、ただいまより第107回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりをいただきまして、ありがとうございます。

 まず、委員の異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。

 小林剛委員が御退任されまして、新たに全国健康保険協会の理事長に任命された安藤伸樹委員が就任されておりますので、御紹介させていただきます。

○安藤委員

 協会けんぽの安藤でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 よろしくお願いします。

 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は岡崎委員、新谷委員、武久委員、樋口委員、福田委員、横尾委員、和田委員、渡邊委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席をされる方についてお諮りをいたします。

 岡崎委員の代理として村岡参考人。

 武久委員の代理として井川参考人。

 樋口委員の代理として新井参考人。

 福田委員の代理として小竹参考人の出席につき、御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 次に、前回の医療保険部会以降、事務局に人事異動がありましたので御紹介をお願いしたいと思います。

○依田課長

 それでは、人事異動につきまして事務局から御紹介させていただきたいと思います。

 保険課長の安藤でございます。

○安藤課長

 安藤でございます。よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 それでは、議事に移らせていただきます。本日は「次回の診療報酬改定に向けた検討」「骨太2017、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項」。報告事項としまして「平成28年度の医療費・調剤医療費の動向」を議題としております。

 なお、本日はこれらの議題について、事務局に議論の素材としての資料を用意してもらいました。本日は委員の皆様に自由に御意見をいただくことを考えておりまして、本日の部会で何かを決めたり、あるいはまとめたりするようなものではございませんので、最初にそのことは申し上げておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 初めに、次回の診療報酬改定に向けた検討について、事務局から資料の説明をお願いします。

○黒田課長

 連携課長でございます。

 資料1に沿いまして御説明を申し上げます。

 資料1は、前回9月6日の第106回医療保険部会で1回目の御検討をいただきましたが、その検討結果を踏まえて素材として御用意したものでございます。

 1枚おめくりいただきまして1ページでございます。冒頭に「改定に当たっての基本認識について」という部分で御用意をしてございます。

 前回の部会では、この基本認識を中心に御議論をいただきましたので、この部分についてこれまでの御意見を踏まえて文章にしたものとしてまずは御用意いたしました。ごらんいただきますと、三角印で3つポイントを記載しておりますが、まず視点の1点目が「人生100年時代を見据えた社会の実現」でございます。この部分は前回もお示したものでございますが、まず我が国は国民皆保険、すぐれた保健・医療システムの成果によりまして、世界最高水準の平均寿命を達成しておりまして、既に超高齢社会は現実のものとなっておりますが、100歳以上の人口も増加しておりまして、こうした状況を踏まえて、人生100年時代を見据えた社会の実現が求められているのではないかという点が1つ目の○でございます。

 また、2つ目の○は、今後、2025年、2040年といった節目ごとに高齢化が進んでいくということがございますので、こういった中でも活力のある社会の実現が必要ではないかという点。そのためにも、国民一人一人の予防・健康づくりに関する意識を涵養、健康寿命の延伸によって長寿を実現することの重要性、また、国民皆保険の持続可能性の確保、あらゆる世代の国民一人一人の状態に応じた安全・安心で効率的・効果的な質の高い医療の実現も重要ではないかという点。

 3つ目の○といたしまして、あわせまして、我が国の医療制度が直面をする課題、人口減少、地域医療の確保、少子化への対応等々もございますし、あわせて災害時の対応等々もございますので、こういった点についてもテークノートさせていただいているところでございます。

 視点の2点目は、「どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)」でございます。

 この部分につきましては○が2つございますが、1つ目の○といたしましては、地域の実情に応じて、可能な限り住みなれた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、地域包括ケアシステムを実現していくことが重要であるということを1つ目の○に記載しております。

 また、2つ目の○といたしまして、特に今回は6年に一度の同時改定だということ、それから、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けた節目のタイミングであるということも記載しておりまして、特に医療機能の分化・強化・連携、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携という点が重要ではないかということで記載をしてございます。

 3つ目の視点は「 制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新たな働き方の推進」でございます。

 1つ目の○でございますが、制度の安定性・持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持する。このためには、国民各層の制度に対する納得感を高めることが非常に重要だということでございます。この点に関しまして、いわゆる骨太の方針2017、未来投資戦略等々を踏まえながら、保険料などの国民負担、物価・賃金の動向、医療機関の収入や経営状況、保険財政や国の財政に係る状況等に留意するとともに、無駄の排除、医療資源の効率的な配分が重要だということでテークノートさせていただいております。

 次の○は、また、今後の医療ニーズの変化、生産年齢人口の減少、医療技術の進歩等も踏まえて、制度を支える医療現場の人材確保、働き方改革の推進が重要であるという点。

 3つ目の○といたしまして、我が国の医療制度が直面するさまざまな課題に対応するためには、報酬のみではなくて医療法等の制度的な枠組み、予算措置など、総合的な政策の展開が必要だということで、それが3つ目に記載させていただいております。

 2ページ以降で改定の基本的な視点ということで4点、記載をしてございます。ここは前回の資料を踏襲しておりますが、どの点が重点課題なのかということが前回の資料には記載がございませんでしたが、前回の御議論も踏まえますと、視点1にあります地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進が重点課題ではないかということで、その点をテークノートしているということでございます。その他、視点2、3、4につきましてはごらんいただければと存じます。

 続きまして3ページでございます。まず視点1「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」でございます。この点は重点課題と記載をさせていただいております。

 ○でございますが、患者の状態等に応じて質の高い医療が適切に受けられるとともに、必要に応じて介護サービスと連携・協働する等、切れ目のない提供体制が確保されることが重要ではないかということでございます。

 以下は具体的な方向性の例でございまして、今回は例にとどめまして、次回以降また詳細な御議論をいただきたいと存じますが、具体的な方向性の例としましては地域包括ケアシステム構築のための取り組みの強化。その次にはかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価。次のページにまいりまして、医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価、外来医療の機能分化、重症化予防の取り組みの推進、質の高い在宅医療・訪問看護の確保、国民の希望に応じた看取りの推進といった点を記載させていただいているところでございます。

 続きまして5ページ、視点2でございますが「新しいニーズにも対応できる安心・安全で質の高い医療の実現・充実」でございます。

 ○にございますとおり、国民の安心・安全を確保する観点から、今後の医療技術の進展や疾病構造の変化等を踏まえ、新たなニーズにも対応できる医療を実現するとともに、我が国の医療の中で重点的な対応が求められる分野を時々の診療報酬改定において適切に評価していくことが重要ではないかということでございます。

 下の具体的な方向性の例といたしましては、前回の資料をおおむね踏襲しておりますが、これまで中医協を初め、さまざまな場でこういった個別の分野について丁寧な御議論が積み重ねられていると承知しておりますので、そういった中から項目として挙げさせていただいているところでございます。

 6ページ、視点3「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」でございます。

 ○にございますが、医療従事者の厳しい勤務環境が指摘されている中、医療従事者の負担の軽減を図り、あわせて、各々の専門性を発揮でき、柔軟な働き方ができるよう、環境の整備、働き方改革を推進することが必要ではないかということでございます。

 下に考えられる具体的な方向性の例といたしまして、まずチーム医療等の推進、勤務環境の改善。2つ目といたしまして業務の効率化・合理化。3つ目といたしましてICT等の有効活用。4つ目といたしまして地域包括ケアシステム構築のための多職種連携による取り組みの強化。最後に外来医療の機能分化ということで挙げさせていただいているところでございます。

 7ページ、視点4「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」でございます。国民皆保険を維持するためには、制度の安定性・持続可能性を高める不断の取り組みが必要であり、医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療の効率化・適正化を図ることが必要ではないかというふうに置かせていただいております。

 具体的な方向性の例といたしましては、まず薬価制度の抜本改革の推進、後発医薬品の使用促進、費用対効果の評価、医薬品の適正使用の推進、薬局の機能に応じた評価の推進、医薬品、医療機器、検査等について市場実勢価格を踏まえた適正な評価ということで置かせていただいているところでございます。

 以上が資料の説明でございます。

 なお、委員提出資料といたしまして新谷委員からの資料にも、この資料1に関する言及がございますので、あわせて御参照いただければと存じます。

 事務局からは以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、御意見等を承りたいと思いますが、いかがでしょうか。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

 意見と要望なのですけれども、まず1つ意見として、今回、医療と介護の同時改定ということで、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携ということが掲げられているのですけれども、この辺のところで役割分担を線引きするというようなイメージではなく、利用者、患者さんにとっては医療と介護の複合的なサービスが有効な場合が多々あると思われますので、この方向性として必ずしも線引きというような分担ではなく、それぞれの入り組んだ形でどう連携できるかという視点でぜひ進めていただきたいと思う点、これを意見として申し上げたいと思います。

 あと要望なのですけれども、先ほど新谷委員からの意見の中でシステムのところの電算化という要望、明細書の要望が出ておりましたけれども、現在、レセプト電算化、デジタル化についてはレセプトの90%以上になっていると思うのですが、残っているところというのは紙レセプト等で出されている医療機関、結構零細なところ及び高齢化しているところ等ございます。なかなかそういったところはもともと電算化が難しい状況でありますので、推進に当たっては御配慮いただきたい。特に歯科においては小規模零細な医療機関が多数ございます。また、へき地においては医療の提供側も結構高齢化しておりまして、そういったところに医療の提供の不都合が出ないよう御配慮いただきながらやっていただきたいという点。あと、デジタル化の中で、電算化の中ではオンラインと媒体によるもの等があるわけですけれども、我々としては医療データのデジタル化ということで媒体についても、オンラインについても同等の扱いで現在推進しているところですが、もちろん今後オンラインのさまざまなメリットが出てくれば変わってくるところとは思いますが、そういった点も御配慮いただきながら推進に当たっていただきたい。これが要望でございます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 菊池委員、お待たせしました。

○菊池委員

 2ページに示されました4つの視点に賛成です。また、介護報酬との同時改定でもありますので、地域包括ケアシステム構築の推進に重点を置くことにも賛同します。

 その上で、視点1の「地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」について、最初に書いてあります「入退院支援」について意見を申し上げます。

 患者に切れ目のないサービスを提供し、安心して在宅療養を継続できるようにするために、今後は入院前からの支援を含めた入退院支援の充実が不可欠と思います。平成28年度診療報酬改定の基本方針において、「地域包括ケアシステム推進のための取り組みの強化」として、「患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるように」退院支援の重要性が指摘されて退院支援加算が充実しました。

 退院支援を充実させてきている病院においては、既に病院の外来の段階から支援を開始しています。手術前の外来通院時から、在宅での生活状況、療養上の課題、入院治療・手術後に予測される問題について、情報収集・整理して看護計画等を立て、退院後、必要となる家族への支援、社会的支援について、入院前から準備を進めているところが増えています。服薬状況、栄養、口腔ケア、経済的困窮、独居など、問題に応じて多くの職種と連携して、入院前から準備をすることにより、入退院がよりスムーズになります。

 患者・家族の方にとっては、入院前に治療や手術に対する不安や疑問、退院後の療養上の問題に対して、医療従事者が説明し、支援が必要であれば解決策を提示して一緒に考えますので、患者・家族にとっても安心感がありますし、退院後の準備がしやすくなるという効果があります。

 病棟の看護師にとっても、入院前に情報収集が終わっていて、転倒・転落、アレルギー情報など事前に把握されていますので、インシデント防止に役立ちます。術前から術後リハの練習をすることで術後リハがスムーズにいきますし、退院後の生活を視野に入れた適切なケア、支援を行うことができます。

 進んでいる病院では、入退院支援センターや患者サポートセンターのような形で、病院全体の入退院支援部門として独立させ、多くの職種、人員を配置して入退院支援を行う病院も出てきております。このような形態をとりますと、退院後の在宅医療機関、訪問看護ステーション、ケアマネジャー、在宅介護事業者や受け入れ先機関との連携も効率的に行えるようになります。最近は、高齢で複数の疾患を持ち、退院後も継続して医療、介護が必要な患者が増えていることから、退院時の患者の状態にあわせて医療と介護サービスを組み立てることがますます必要となってきております。そこで、入院前からの退院支援を促進する方向で医療と介護の連携が構築できていくとよいと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかいかがでしょうか。望月委員、原委員の順番でお願いします。

○望月委員

 まず1ページ目の基本認識の3つの柱立てなのですけれども、前回の会合でも申し上げましたが、医療保険財政の持続可能性を確保することは極めて重要な観点ですので、ぜひ大きな柱立てとして経済財政との調和を位置づけていただきたいとお願いします。

 次に7ページの視点4の「効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」についてですけれども、2点あります。

 1点目は、効率化・適正化のための具体的な項目は、ここでは医薬品関係に偏っているという印象を受けます。例えば視点1〜3で掲げられています入院医療における医療機能の分化・強化、連携の推進あるいは外来医療の機能分化なども、効率化・適正化の観点から検討すべき項目と考えられます。ぜひこうした項目についても視点4に記載をお願いしたいと思っています。

 2点目は、薬価制度の抜本改革の推進についてですが、基本方針ではイノベーションの推進という観点も明示されていますので、この点もしっかりと踏まえて今後、改革に向けた議論を進めていくことが重要であると考えています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 原委員、お待たせしました。

○原委員

 資料6ページの視点3の具体的方向性の例の2つ目の業務の効率化・合理化に関することになろうかと思いますけれども、審査支払業務の効率化・高度化が今、大きな政府の課題になっておりまして、7月初めには支払基金さんと厚生労働省、連名で計画が公表されました。また、本日私ども国保連合会における審査支払業務の改革についても、計画を策定し、公表したところでございます。

 その中にはいろいろ書いてございますが、コンピューターチェックの拡充が大きな柱になっております。これを進めていくためにはコンピューターチェックに見合ったレセプト様式の見直しですとか、あるいは審査基準を統一する、あるいは明確化するといいますか、そういったことが前提になるということで、これは計画にも書かれていることでございますので、ぜひこれは進めていただかないとなかなか簡単にはコンピューターチェックの拡充は進んでいかないと考えておりますので、そういったこともこの辺に含まれてくるのかなと思いまして発言をさせていただきました。可能であれば例示として書いていただければありがたいと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 今のコンピューターチェックのお話なのですけれども、これまで中医協でいろいろな議論をして積み重ねてきたものというのは、実は個々の人に合わせるためにいろいろなバラエティーを考えてつくってきたものです。ですから単純に1つにするには、コンピューターでするのには、よほど現場の感覚に合った適切な形に直さないと、単純に直すことができない難しさがあります。そこのところもぜひ踏まえた上で御検討いただきたいと思います。

 2番目は、今から100年先のことまで医療制度を考えていかなければなりません。2025年には確かに団塊の世代が後期高齢の時代になるし、2035年からは、今度は御高齢の方々もかなり減ってまいります。そのところに立ったときに、いつも議論しているのですけれども、へき地での議論と都会での議論は違うのではないか。現在、へき地で困っている人たちに対して医師の偏在をなくすべく今、私どもも努力しております。

 それと同時に、これから25年、35年に向かってピークを迎える大都会におけるお年寄りの最後の在宅を対応するのにいかに考えていくかということであります。ただ、ここのところを、地域枠でへき地・過疎地域に勉強に行っていただくということになっている総合診療の先生たちに全て任せるのは、まず無理だと思います。というのは、その先生方は今、2425才です。これから20年たって2035年を超えたときに、都市の在宅の人たちが物すごく減ってくる時期が来たときに、その先生たちはまだ45才です。45になった先生たちが都市の在宅を全部担っていれば、当然そのピークが終わったときに、彼らが一体どのような医師となるのかという先が見えません。ですから医師としていろいろな勉強をしたいというのは当然だと思います。

 逆に言えば、現在ある医療機関できちんとチームを組ませて、そのチームが面倒を見るようにすれば在宅の方をかなり多く診ることができます。現在、1医療機関について1人でやっているところは、1人で24時間365日、在宅の面倒を見なければできません。そういったことができるというのはスーパーマンでなければ、まず無理だと思います。内科、外科を中心として、皮膚科、泌尿器科、整形と幾つかのチームをその患者さんに合わせてつくって対応すれば、かなりのことができると同時に、1人が診なくて医師が3人でも4人でもかかわることができれば、24時間ではなくて分担しながら診ることができます。プライマリーの一番簡単なところはどの科の先生もある程度できますから、そういったひとつの医療機関に限って全ての面倒を見るのではなくて、多数の医療機関でチームを組んで、在宅の人たちをきっちり面倒を見る仕組みを今からすみやかに構築すべきであると思います。そうすれば2035年にお年の人たちがかなり減少するところがあっても、そのことを現在のメンバーでやれば十分なことができて、しかもすぐにできるということを考えていただいて、各医療機関が連携してチームをつくって在宅を診るということの考え方をぜひ基本指針の中に入れていただきたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

今回、全体的な基本的な方針に関しては賛成をさせていただきます。

 そうした中、調剤全体の方向性ですけれども、まず対人業務の推進ということでかかりつけ機能を強化して、服用薬剤の一元的・継続的な把握と、それに基づく薬学的管理指導を推進し、かかりつけ医等と連携をして個別最適化した調剤を実施することにより、より安全で効果的・効率的な医療を提供していきたいと思っています。そうしたことを行うことによって、患者さんの自己負担の軽減や、医療保険財政へも貢献できると思います。そうした仕事ができるようにぜひお願いしたいと思います。

 3ページ目の考えられる具体的方向性の例の一番上のポツの地域包括ケアシステム構築のための取り組みの強化の4つ目の病診薬連携のところですが、病院、診療所のかかりつけ医、主治医等とかかりつけ薬剤師との連携を強化することは非常に重要だと思っております。それが入退院時のみならず連携をすることによって、効率的で質の高い医療を実施できるのではないかと思います。ポリファーマシー対策というものが課題の1つとしてありますが、まず患者の服薬に関係した情報を医師へ提供することが重要で、かかりつけ医等へ薬局の薬剤師から服薬の情報を提供して、ポリファーマシーの対策を進めていきたいと思っております。

 4ページ目をごらんいただければと思います。質の高い在宅医療・訪問看護の確保のところなのですけれども、訪問薬剤管理指導ですが、平成23年度は約300万回でしたが、27年度は650万回となり、受け入れ体制ができてきました。そうした中、今後も在宅で医療を受ける患者さんがふえていく中で、在宅医療の受け入れ体制の整備を進めるとともに、質の向上を図っていくことが重要ではないかと思っています。いわゆる居宅で療養されている患者さんはもちろんですけれども、近年、多様な施設ができてきました。そのような療養環境に応じた訪問指導が必要で、どのようなところで療養していても患者さんが適切な薬物治療が行えるようにしていきたいと思っております。そういう中で効率性も踏まえためり張りのある評価も必要だと思います。

 また、医療と介護の同時改定ということで医療と介護の連携ですけれども、これはもちろん必須なことだと思うのですが、有効で、かつ、効率的な連携をとるために、例えば連携する人同士が書類の作成に余りにも追われるようなことがあっては連携も進まないのではないかと思います。ここはぜひ配慮をしていただきたいと思っております。

 最後、7ページ目をごらんいただければと思います。後発医薬品の使用促進のところですけれども、平成28年3月の数字で68.6%まで来ました。ただ、少し細かく数字を見てみますと、2712月までは月平均0.4%程度使用率が伸びていたのですけれども、1月から3月までは月平均0.1%の伸びとなり、かなり厳しくなってきましたが、今後も後発医薬品の使用を進めていくことは重要です。関係者と協力をしていきながら、伸ばしていきたいと思っております。

 私からは以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。では、白川委員、安藤委員の順番でお願いします。

○白川委員

 今、提示されました基本認識、4つの視点については特に異存はございません。

 1点だけ質問をさせていただきたいのですけれども、視点3で「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」と書いておりまして、これ自体、別に異存があるわけではないのですが、特に病院勤務医の負担軽減については10年ぐらい前からいろいろな取り組みをして、例えば看護補助あるいは事務の補助の仕組みを入れたりということで、一定の成果が上がったと考えていますが、昨今、特に病院勤務の方々の長時間労働とか、長時間勤務とか、あるいは勤務管理の問題で大分議論が活発になっていると認識しております。負担軽減策で具体的な例としては6ページに書いておりますので、これも特に異存はないのですけれども、働き方のほうです。これはなかなか診療報酬で手当てをするには難しい項目ではないか。むしろ労働基準監督署とか医政局の視点での改革が必要ではないかという印象を持っていますが、これは医療課長にお聞きしたほうがいいと思うのですけれども、働き方改革について何か具体的なアイデア、今の段階ではアイデアだと思いますが、それはどういうお考えなのかお聞かせいただければと思います。お願いいたします。

○遠藤部会長

 医療課長、どうぞ。

○迫井課長

 御指名でございますので、お答えしますが、御指摘のとおり必ずしも、今の段階で確たるこれということではございません。それから、御指摘のとおり働き方改革そのものを現場の目線で見たときに、どう実効性を持たせるのかというのは相当工夫が必要かなと考えております。

 その前提でですが、例えば今の時点でオーソドックスなアプローチとしては、例えば診療報酬の算定の要件には一定の人員配置とか、職種、スキルを評価するような項目がございますけれども、いわゆるタスクシェアリング、タスクシフティングといった形で、いろいろな方が一定の成果を出せるのであれば、質を担保した上でということにはなりますが、弾力的な運用をしていくことで勤務環境を改善したり、あるいはさまざまなタイムマネジメントをうまく円滑にしていくというアイデアはありますので、そういったことを積み重ねていくことと、本質的には、どういったことをやっていくのかという中身のことを両方やっていくのかなというのが、現時点での私の印象であります。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 白川委員、いかがでしょう。

○白川委員

 おっしゃる意味、それから、現時点でということですので、余り踏み込んだ回答ができないというのは十分理解できますけれども、先ほども申し上げたとおり診療報酬あるいはいろいろな算定基準みたいなもので、働き方改革というのはお気持ちはわかりますけれども、むしろ医政局とか、そちらのほうが主体でやるべきテーマではないかと私は思っておりますので、その点だけ申し添えたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、安藤委員、お待たせしました。

○安藤委員

 今回、初めての参加となりますので、総論的なコメントとなってしまいますが、今回の改定に当たっての基本認識にもありますとおり、2025年には団塊の世代が後期高齢者となりまして、医療費の増大が見込まれます。その一方で少子化により医療保険制度の支え手は減少し続けているというのは皆様御承知のとおりでございます。

 そのような状況におきまして、我々医療保険者としましても加入者に対して必要な医療が確実に提供されることは当然でありますが、限られた財源や医療資源をどのように効率的に配分して、そして、それを常に念頭に置きながら制度の持続可能性を高めていかなければいけないと考えております。

 そうした意味では、今回の診療報酬改定ということは、2025年という節目の年を見据えた重要な同時改定のチャンスでございますので、個別の議論は中医協で行われているとは思いますが、医療と介護をシームレスにつなぐ。そして、先ほど森委員からも御発言にありましたが、シームレスにつなぐときに我々保険者の作業が余分な作業にならないようにということを念頭に置きながら、きちんと地域包括ケアシステムの構築であるとか、ICTを十二分に活用していただきまして、また看取りも含めた終末期の医療、介護のあり方が非常に今後重要になってくると考えています。その議論をさらにより深く進めていただければ非常にありがたいなと思っております。

 以上です。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、本議題につきましてはこれまでとさせていただきたいと思います。本日さまざまな御意見をいただきましたので、それらも踏まえまして次回以降さらに議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に「骨太2017、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項」を議題といたします。本日は改革工程表のうち、平成29年度に議論が必要な事項を中心に御議論をいただくことにしております。

 事務局から3種類の資料が出されております。

 1つ目が資料2−1「先発医薬品価格のうち後発医薬品に係る保険給付額を超える部分の負担の在り方について」。

 2番目が資料2−2「外来時の負担等について」。

 3番目が資料2−3「都道府県のガバナンスの強化について(保険者協議会の位置づけ等)第3期の医療費適正化計画について/高齢者医療確保法第14条について」の3つでございます。

 まず最初の2つ、資料2−1と資料2−2につきまして一括して事務局から資料の説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

○依田課長

 総務課長でございます。

 お手元の資料2−1に基づきまして御説明申し上げたいと思います。

 おめくりいただきまして、まず2ページでございますけれども、これは先ほど座長からもお話がございました改革工程表でございまして、一番下のところの先発医薬品価格のうち後発医薬品に係る保険給付額を超える部分の負担のあり方について、本日、御議論いただくということでございます。

 3ページ以降でございますが、これはこの部会でも5月17日に御議論いただいているところでございまして、その際に検討のイメージということでお示ししたものでございます。

 4ページでございますけれども、この負担のあり方の論点のイメージといたしまして、1つの考え方といたましては、患者負担とする考え方ということで、例えば先発品の使用につきまして選定療養と位置づけまして、その差額につきまして患者から徴収をするという考え方をお示ししております。(2)といたしまして、むしろ価格の問題といたしまして、患者負担にはせずに先発品の薬価を後発品まで引き下げるという考え方をイメージとしてお示しをして御議論いただいたところでございます。

 5ページでございますけれども、その際の医療保険部会の場での主な意見でございますが、まず先発品と後発品の差額を患者負担とする考え方につきましては、書いてございますように、先発・後発の選択は治療にかかわるものであり、選定療養にはなじまないのではないかとか、負担能力によって医療が制限されかねないなどの御意見をいただいたところでございます。

 また、患者負担にせず先発品の薬価を後発品まで引き下げる考え方につきましては、例えば、競争原理が働かずに薬価が高どまりするのではないか、また、薬価の問題でございますので、薬価の引き下げについては後発品の薬価のあり方とセットで、中医協で議論するべきではないかなどの御意見をいただいたところでございます。

 こうした御意見も踏まえまして、続く6ページ以降でございますけれども、中医協の薬価専門部会でも議論がなされておりまして、5月30日に議論されております。中医協におきましても薬価の抜本改革ということで検討しておりまして、その中の1つのテーマとして長期収載品の薬価のあり方が議論されているところでございます。その御議論も紹介させていただきますが、7ページをごらんください。

 中医協での御議論でございますけれども、一番最初のところでございますが、新薬創出等加算、長期収載品、後発医薬品についてはセットで議論すべきでありますとか、これは医療保険部会でもございましたけれども、選定療養で患者負担とすることについて慎重な御意見があったり、また、1号・2号側委員、各号共通して慎重な御意見があったというようなところ。また、専門委員等からは産業構造に係る問題でありますので、そういう観点から御議論がございましたし、同じく新薬のイノベーションの加算の問題であったり、後発品の問題を含めたセットで議論していくべきだとか、そういう御議論をいただいたところでございます。

 こうした医療保険部会、また、中医協でも御議論がなされていることも踏まえまして、本日御議論をただきたいと思いますが、8ページでございますけれども、これまでの議論を若干整理させていただきますと、患者負担とする考え方につきましては医療保険部会、また、中医協を通じまして選定療養になじむのか、また、負担能力によって制限されるおそれがあるなどの慎重な意見が多かったということではないかと思っております。

 本日はこうしたこれまでの御議論も踏まえて、この問題についてどのように考えるか、御議論をいただきたいと思います。資料2−1につきましては以上でございます。

 続きまして、資料2−2をごらんいただきたいと思います。

 こちらもおめくりいただきまして2ページでございますけれども、同じく改革工程表におきますところの検討課題が赤字で囲っている部分でございます。こちら2つに分かれておりまして、まず上段のほうでございますけれども、これは29年度の検討事項でございますが、病院への外来受診時の定額負担に対して、現行の選定療養による定額負担の対象の見直しを含めた検討をしていくというところが1点。それから、30年度にかけての課題でございますが、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入を含めてかかりつけ医の普及方策、また、外来時の定額負担のあり方について、さらに検討を進めるというような全体の検討課題になっているところでございます。

 3ページ以降でございますが、これもこれまで医療保険部会でも種々御議論いただいたところでございまして、昨年1118日の資料を同じくつけさせていただいてます。

 おめくりいただきまして4ページでございますけれども、特に29年度の検討課題になっております選定療養のあり方というところの前提になる今の制度でございますが、平成28年度から一定規模以上の保険医療機関については、紹介状なしで受診する場合に定額徴収が義務となっております。その対象の医療機関といたしましては、特定機能病院、一般病床500床以上の地域医療支援病院となっておりまして、それぞれ85177が対象になっておりますので、合わせて262の病院が対象になってございます。これらの医療機関におきましては、初診については5,000円、また、再診については2,500円で、歯科についてはまた別途、値段が決められておりますけれども、その額を最低金額として負担を求めることになっております。また、緊急やむを得ない事情がある場合については、負担を求めないことも認められているというところで、これが全体の制度の現状でございます。

 その上で、これは中医協で提出されている資料でございますけれども、5ページ以降にこれらの500床以上の病院におけます定額負担徴収についての実施の状況について調査をしたものでございます。

 5ページの下のところをごらんいただければと思いますが、2710月、これは義務化前の状況でございますけれども、その時点と2810月、義務化以降の定額負担の徴収がどのように変わったかというところをその図で示しておりまして、94.3%の医療機関におきまして、2710月の時点では5,000円未満の定額負担から、2810月の時点では5,000円以上の定額負担ということで、こうした改正も踏まえまして定額負担の額に変化が見られるところでございます。その金額につきましては上の段に出ておりますけれども、94.2%のところが5,0006,000円のレンジで負担を求めているところでございます。

 それ以降、調査の詳細をつけておりますが、7ページをごらんいただきたいと思います。同じくこの調査におきまして、こうした定額負担の徴収によりまして患者の受診行動がどのように変わったかというところをデータで示したものでございます。真ん中ほどに、これも○で囲っておりますけれども、500床以上の病院、今回対象となる病院でありますけれども、その病院におきまして初診患者の中で紹介状なしの患者の比率でございます。それがマル2/マル1ということでございますけれども、2710月のこの制度義務化導入前の時点では、42.6%の方が紹介状なしの患者比率になってございます。それに対しまして2810月には39.7%ということで、比較いたしますと2.9%減という結果が出ているということでございます。

 対しまして、この義務化の対象になっていない200床から500床未満の病院と比較したのが右のほうでございまして、そちらでは60.3%から59.4%という変化であるということでございます。こうした結果も踏まえまして、本日、御議論いただきたいと思っております。

10ページでございますが、この問題につきましても、これは昨年来、医療保険部会でも御議論をいただいたところでございまして、10ページの最初の上のところで囲んでおりますのは、昨年末に取りまとめた議論の整理でございます。この問題につきましては、まずは現行の選定療養による定額負担の対象の見直しを含め、具体的に検討を進めるとの方向については異論はなかったということでありますけれども、その上で、これは30年度の課題に関連するかと思いますが、そもそも定額負担導入を含めたかかりつけ医の普及の方策、また、外来時の定額負担のあり方については、幅広く検討していくべきだということが議論の整理でまとめられているところでございます。

 その他、昨年、医療保険部会からあった種々の御議論については下に整理されているとおりでございます。

 こうしたこれまでの御議論、また、今回の中医協の調査も踏まえて御議論いただきたいということで、12ページに簡単な整理をさせていただいておりますけれども、上の点線で囲んでいるところにつきましては、今、申し上げました28年度以降の定額負担の徴収の義務化された医療機関における受診行動の変化等の調査結果でございますが、この結果を見ますと、紹介状なしの患者比率の減少については一定の効果があったと見られるのではないかということで整理させていただいております。こうした結果も踏まえまして、先ほど申し上げましたように工程表での29年度の課題、現行の選定療養による定額負担の対象の見直しも含めた検討をどう考えていくかということでございます。

 さらにその上で、定額負担の導入を含めたかかりつけ普及の方策、また、定額負担のあり方についてさらに検討するということでありますけれども、これについてどう考えるかということで、大きく2つ課題がございますが、これについて御議論いただきたいということでございます。

 私の説明としては以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、2つ資料がありますので、2つに分けて御議論したいと思います。

 前半の資料2−1につきまして御意見はございますか。当部会でも何回も議論してきた内容でございますけれども、改めて御意見等を承りたいと思いますが、いかがでございましょう。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 これは何度も議論したことで、ほぼこの部会では結論が出ていると思うのですが、皆さんいかがでしょうか。患者さんにこれを求めるのも筋がどうも違うようですし、選定療養も導入したときの考え方からすれば、選定療養の考え方と合わないと思いますので、こういう方法ではないほうがよろしいかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 いかがですか。白川委員、どうぞ。

○白川委員

 松原先生がうまくまとめていただいたのですけれども、私も同意見でございまして、この医療保険部会だけではなくて中医協の議論の内容も今回出ておりますが、支払側、診療側、あるいは公益委員の方々もこぞって反対ないしは疑問を投げかけていらっしゃるということだと思います。

 前回も申し上げたとおり、後発医薬品だけ切り離して議論するというのはいかにもおかしな話でございまして、少なくとも長期収載品のZ2の関係とか、後発品の薬価自体も中医協で毎回議論をされておりますから、そういった薬価全体のことを考えて施策を考えていかなければいけないと思いますので、これだけ切り離してまた議論というのは余り生産的ではないかなというのが私の意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

 今までの議論をお伺いしていないので、協会けんぽとしての見解といいますか、後発品と先発品が同等であるとか、後発品が安定供給されることに関する信頼感というものは、まだ余り醸成されていないと我々は認識しておりまして、それが議論が進まない要因の1つであろうと考えています。

 あと、国においては今まで以上に先発品と後発品の同等性、安全性についての周知啓発であるとか、安定供給に関する後発品企業への指導などをより強化していただいて、普及に努めるというふうにしていただければと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。菅原委員、どうぞ。

○菅原委員

 あえて余りつけ加えることもないのですけれども、診療報酬改定に向けた基本認識の中に後発医薬品の使用促進というものが一方で書かれている中で、この制度を入れてしまうと明らかに後発医薬品の使用率という点では、恐らくいい影響が及ばないということは多分、自明だと思うのです。基本的には後発医薬品を利用するインセンティブというのは長期収載品に対して安いからということですので、その値段について長期収載品を後発医薬品の水準に下げてしまったら、基本的にはその市場そのものは長期収載品の寡占市場になるといいますか、少なくともかなりの市場を占めることが考えられます。今の後発医薬品のシェアが上がっている段階でこの政策を導入してしまうと、そもそも後発医薬品の普及促進にはマイナスの効果が及ぶのではないかという懸念もございますので、もう少し慎重に検討をされたほうがいいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それは長期収載品を後発品価格まで下げることに対しての話ですね。もう一方の議論としては、選定療養でやることについてどうなのかという2つの議論なわけでありますので、今まではどちらかというと選定療養としてとることに対してどうかという議論で議論されていたということですね。

 いかがでしょうか。森委員、どうぞ。

○森委員

 私もこの件は何回も議論をして議論が尽くされたのではないかと思います。そして、仮にもしこういうものを導入したときに、国民に本当に説明できるのか、納得してもらえるかということを考えても、これは難しいのではないかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 それは選定療養としてとる場合というケースですね。ありがとうございます。

 いかがでしょうか。

 事務局に1つだけお伺いしたいのは、4ページの参考の真ん中に、後発品よりも高い部分を、保険には入れるけれども、別の給付率でやったらどうかというアイデアもあるわけなのですが、これは特段、単なる参考という位置づけでよろしいわけですね。ここにある理由についてお聞きしたいと思います。

○依田課長

 これも5月17日の資料でございまして、書いてあるとおりでございまして、選定療養とは別の形でということで、制度として考え得るものとして示されたのだと思うのですけれども、特に今回、特に意図を持ってつけているわけではございません。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。随分議論してきたことではありますけれども、何かありますか。あるいはただいま参考として出されたようなアイデアもあるわけでしょうが、村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 参考としての真ん中の資料もあるのですけれども、これまでの議論について私も同感なのですが、基本的に厚労省でも後発医薬品というのが先発医薬品と治療学的には差異がないということで認めておるという議論がある一方で、ここの中の意見にもありますように、治療に関わるということで、ドクターの裁量権の中で先発薬を使用するという権限も認められているという状況ですから、片方で同等であるならば、価格の大きな違いがある薬をそもそも保険収載する必要性があるのかどうかというのは素人から考えると疑問点でもありまして、治療の必要性という議論もあるのであれば、その必要性もしっかりと分析して、こういう場合には対象になりますよということを明らかにしていくことも1つの手法ではないかと思いますので、現状の中でそういったところがきちんと整理をされていない段階で選定療養であったり、定率の自己負担とは別の負担を設けることについては賛同できないということで意見を申し上げておきます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかに御意見が特にないようであれば、よろしゅうございますか。ありがとうございます。

 それでは、もう一つの外来時の定額負担についても議論してきたわけでありますが、今回は中医協の調査結果なども出されたわけですけれども、何か改めて御意見があれば承りたいと思います。

 こちらについては、事務局からもう検討の視点といったようなものが出ていたと思います。資料2−2の12ページですかね。検討の視点と言っても従来と同じと言えば同じなのですが、このような問いかけもありますので、何か御意見が新たにあれば承りたいと思います。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 今回、外来時の負担について2つの考え方が提示されていると思うのですけれども、まず大病院あるいは特定機能病院の5,000円の選定療養の考え方でございますが、工程表ではよく読み取れないのですけれども、多分500床ではなくて、さらに下の何百床かわかりませんが、200床とかそういったところまで下げたらどうかというのが1つ目の提案だと思います。残念ながら500床以上で受診行動がどう変わったかというのを見ると、3%ぐらいしか大病院の紹介状なしの患者さんが減っていない。

 実は健保連でも国民意識調査をやったのですが、その中で大病院の外来を受診しなくなった方がいらっしゃって、その理由は何ですかという問いかけをしたら、特別料金の値上げがあったのでやめましたという方は5%ぐらいしかいないのです。ですから、はっきり申し上げてお金を5,000円だからこうなのか、1万円だったらどうなのかというのはもちろんわからないわけですけれども、お金の問題だけではないというのが私の調査結果を見た意見です。さはさりながら、やはり病院と診療所の役割を分けていくという大きな考え方は支持をいたしますので、500床を何百床まで下げたらいいかというのはいろいろ御意見があるし、それなりの根拠も必要だと思いますので、何百床まで下げるべきだというところまでは申し上げませんが、そういうことは前向きに検討すべきと思っております。

 ただ、それだけではなかなか受診行動を変えていただけないということですから、国民の意識を変えるような、それ以外の施策もぜひ厚労省でお考えいただく、あるいは国全体でも考えていただくことの合わせ技でやらないと、お金の問題だけではなかなかうまくいかないと思います。

 繰り返しになりますけれども、国として病院と診療所の機能を分けていくんだという意思を示す意味でも、500床と言わずにもっと下のほうまで定額負担を導入していくということでお考えいただければと思います。

 2つ目の御提案のかかりつけ医の話は、ここにおそろいの委員の方々もみんな異口同音申し上げたとおり、かかりつけ医って何ですかというのがまず定義がされていない段階で、かかりつけ以外を受診した場合に定額を負担してもらうというのはまずもって我々が納得できないし、国民にも納得していただけないと思いますので、厚労省でしかるべき機関をつくってかかりつけ医、あるいは中医協でやっています主治医機能といいますか、このあたりの定義をはっきりすることからスタートしないと、工程表に載ったからといっても、これ以上、議論が進まないのではないかと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 私も今のかかりつけ医のところ、これ以上、議論しても意味がないのではないか。一度これについては現時点において判断すべきことではないという結論を出したように思いますので、これについては議論する余地がないと思います。

 もう一点は、大病院の選定療養の外来はかなりここで議論をして、大英断をもって導入したところであります。ただ、害にはなっていないのは間違いないのと、ある意味では大学病院の初診を受ける人たちが少しでも減っているということであります。ですから私もぜひここのところはむしろ地域支援病院の200床以上のところでも導入して、かなりの病院においてやるべきではないかと思っています。

 さらに、初診のところだけで議論をしますと病診連携のところが十分にいかない。むしろ再診のところで大病院で診断を受けて、ある程度の方針が立ったら地域に戻っていただいて、つまり再診でももっと対応すべきです。再診のところでの機能をはっきりさせて、そして病診連携をして、大病院で診る必要がなくなった方はむしろ自分の地域に戻って診てもらうことを推奨していくべきだと思っています。それがひいて言えば大病院に勤める勤務医の先生方の疲弊につながります。大病院で検査を希望される方もいらっしゃるかと思いますけれども、十分に説明をすれば検査が不要であることも御理解賜れるところですので、そのようなことも必要だと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。逆紹介による再診のところも考えないと外来の負担の問題というのは十分ではないということですので、それはここでも随分議論がありましたし、そのとおりかなと思いますので、そういう御指摘だったと思います。

 ほかにございますか。それでは、菅原委員、安藤委員、お願いします。

○菅原委員

 この制度を導入する際の研究事業を私は担当しましたので、一言申し上げたいのですけれども、実際に定額自己負担を5,000円以上という形で入れているわけですが、現実には患者さんが5,000円以上の定額負担を、紹介状を持ってきていないことに対する一種のペナルティーとして捉えるか、あるいは5,000円を払えば基本的にはそういうものは持ってこなくてもかかれるんだという一種の利用料的に考えるかという受けとめ方がすごく微妙なのです。結果的には3%程度減ということで、これを導入したのは500床以上のところでして、この程度かなと私自身は個人的に思います。既に松原委員がおっしゃったように、基本的にこれは勤務医の負担軽減策の一環として考えられていた制度ですので、初診というよりはむしろ再診の負担が重いという話でしたので、その議論をしないのはまずいかなということです。

 もう一つは、救急で入った場合だとかは当然とっていないわけですけれども、そちらの業務負担がどうなってしまったのか、こういう制度を導入したことによってむしろ紹介状を持ってこないことでペナルティーが課されない、5,000円以上かからないような救急だとか、それ以外の要件の人たちがもし入っているような話になると、これまた本末転倒な話になりますので、そこの部分にも丁寧に調査のメスを入れていただきたいなと思います。

 個人的には何らかの形で患者さんをなるべく機能分化へ乗せていくという方向性は必要だと考えておりますけれども、先ほどかかりつけ医とは何ぞや、そういう機能とは何ぞやという議論がございましたが、徐々にこの適用を病床規模の小さい病院に広げていきますと、調査の段階ではそういった病院に、「私自身はそういうところの病院の先生がかかりつけ医です」といった方々が相当程度いらっしゃったことも事実ですので、そのあたりの選択といいますか、どのように患者さんがお考えになっているかということについても丁寧に議論をしていく必要があるかなと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 安藤委員、お待たせしました。

○安藤委員

 かかりつけ医に関しましては先ほど議論は出し尽くしたというか、これ以上議論できないというような状況で、本当に国民的コンセンサスをきちんとつくった上でやっていかないとだめだと思っております。

 そして、大病院、500床以上の病院に行くときの負担なのですけれども、ここの部分に関しましては健保連さんの調査にありましたように、本当に5,000円という値段だけではないと考えておりまして、それ以外の部分の理由についてもきちんと把握した上で、よりここの部分を医療機関の範囲であるとか、そこの部分が果たして適切なのかどうかということにつきましても、検証してより実効性のある形に見直していっていただければと考えております。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 大体出尽くしましたかね。それでは、井川参考人、どうぞ。

○井川参考人

 菅原委員が先ほどおっしゃいましたけれども、紹介状を持たずに来られる患者さんの中で、定額徴収の対象とならない患者さんに対する救急患者さんであるとか、そのような数といいますか、その変化というのは事務局は把握されておられるのでしょうか。と申しますのは、大阪だけなのかもしれませんが、私の友人なんかがやっております急性期病院では、最近、救急患者の軽症がふえてきているとおっしゃっています。なぜだという話になってきますと、救急で来られると風邪で来ても定額徴収はされない。要するに5,000円浮いてしまうわけです。そのようなことが実態として感じている院長なんかも結構おられますので、救急の数がどんどんふえていっているのであれば、それこそ先ほど菅原委員がおっしゃったような本末転倒の話になってまいりますし、数字で2710月と2810月を大病院500床以上で見てみましても、そのような患者さんは53.2に対して53.8と余り変わっていませんし、中小病院に至っては41.8から43.2という形でふえております。これが1点でございます。

 もう一つあるのですが、ここで一度お答えをいただいたほうがよろしいですか。

○遠藤部会長

 医療課から資料があれば。医療課長、お願いします。

○迫井課長

 お手元の資料2−2でいきますと7ページの数字でありますが、結論的には例えば救急を受診する等の事由といいますか、理由別のものはございませんで、7ページの表が右側にございますけれども、マル2、マル3、マル4となっております。紹介状なしのうち、対象患者数というのがその差でありますので、この差につきまして中には今のお話のような救急でありますとか、必要性のある方もおられるでしょうけれども、そこの部分の区別はつかない形ですが、この差の数字自体がそういった方々に該当するというところまでしかデータとして持ち合わせておりません。

 以上でございます。

○井川参考人

 ぜひともそこら辺のデータをとっていただいたほうが、総務省ともすり合わせがあるのかもしれませんけれども、救急は550万人も突破しておりますので、そこら辺は考えていただかなければならないかと思っております。

 もう一点、かかりつけ医に関して申し上げますが、結論的に非常に難しい問題であって、ある程度話し合いのレベルは過ぎているというお話もあったかと思いますが、実際に一般の患者さんが思っておられるかかりつけ医と、ここで定義されているようなかかりつけ医というのはかなりの乖離がある。それに対してかかりつけ医の歯科医とか、かかりつけ薬局とか、そういうものは割と比較的固定されるのですけれども、医者に関して言いますと例えば大阪には国立循環器病研究センターというものがございますが、そこに肺炎の患者さんが毎年100人ぐらい入院してくるのです。そのうちの7割が救急搬送。なぜそのような形でそのような方が来られるかというと、そこの患者さんは救急隊に向かって、「私のかかりつけは循環器病センター」とおっしゃる。それはなぜかといいますと、例えば目の病気をずっとされておられたとして、ずっとかかっておられても、その先生をかかりつけ医とおっしゃる方はまずいない。心臓の病気であったりとか、肺の病気であったりというふうに大病もしくは命にかかわる部分でしかかかりつけ医とおっしゃらないのです。それが例えば大病院の専門医には3カ月に一度かかっておられる。開業医の先生には毎月かかっておられて投薬を受けておられたとしても、その方々のかかりつけ医というのはあくまでも専門医になってしまう。そこのところを何とかして専門医離れをしていくような方策をとらないと、かかりつけ医問題というのは解決しないのではないかと思っております。例えば突飛なのかもしれませんけれども、3カ月に一度の受診でも例えば定額徴収を行うとか、大病院の外来の診療費をDPCの入院診療の入院期間1、2、3のように段階的に下げてしまうという形のものでもあるかなとは思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ほかにございますか。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 保険財政の影響も鑑み、外来受診時の定額負担の導入の是非が議論されていたかと思うのですが、実際に受診時の定額負担徴収患者の制度を導入したことによって保険財政的にはどの程度の影響があったのか、なかったのか、何かもし情報がありましたら教えていただきたいと思います。

 なぜかというと、初診時選定療養費の制度の対象を拡大化するかどうかという検討する際に、必要な情報であると考えるからです。導入された外来受診時の500床以上の定額負担の制度のあり方と、恐らく従来の選定療養における定額負担のあり方というのは財政的にイコールではないと思います。現時点では、資料がなければ仕方がないと思うのですけれども、もし何か情報があれば教えていただければと思います。以上、質問が1点です。

 あとはコメントですが、かかりつけ医の議論についてはし尽くしたというお話がありましたが、し尽くしたというよりは、定義が統一していないので議論が先に進まないというのがより正確なのではないかと思います。一切議論しないというのではなくて、問題の整理とともに先ほどほかの委員からもありましたけれども、これは以前から言っておりますが、主治医等々の定義も含めて整理を一度したほうがいいと思います。それをした上で議論を再開するか、あるいはもうしないのかというところを考えたほうがいいのではないかと思います。個人的には将来的には必要な議論だと思っています。

 あと、再診を含めて議論をするという松原委員の意見に関しては賛成です。質問のほうだけもしお答えいただければと思います。

○遠藤部会長

 財政影響についてということですが、どうでしょう。

○迫井課長

 まず一義的に御趣旨を確認することも含めましてお答えさせていただきますと、単純に5,000円に、例えば徴収の対象の患者さんの人数を掛けた意味での財政といいますか、単純な影響額は恐らく計算できると思いますが、御趣旨の財政影響というのは、受療行動が変わったことに伴って医療費がどうなったかという御趣旨だろうと思われますので、そういったデータは残念でございますけれども、基本的にはまだ推計できていないということだろうと思います。

○堀委員

 趣旨としては今、言われたとおりなのですが、今回導入された受診時定額負担の金額というのは、すべて選定療養費として扱われているわけではないと思うのですけれども、選定療養費と義務化された定額負担の両方を徴収している医療機関というのはどれくらいあるかというデータはあるのでしょうか。

○遠藤部会長

 制度を説明していただいたほうがいいと思います。つまり定額と、それまでやっていた選定療養というものとの関係です。それまでは選定療養で自由にとれたというものと、定額5,000円というものがあって、それとは違うんだとおっしゃっているので、その辺の制度の整理を事務局からお願いしたいと思います。

○迫井課長

 これは4ページに制度の概要、これは総務課長から既に御説明をさせていただいておりますけれども、まず大前提として選定療養として徴収をするという位置づけであります。そのことを制度上、義務を課したという制度化ということでございます。

○遠藤部会長

 それまで非常に安い金額しかとっていなかったので、一定金額で義務化したということです。

○堀委員

 選定療養ということは、保険外枠の話なので、医療保険の財政的なものに関しては、直接ほとんど影響はないとみなしていいということですか。医療機関がこれまで完全に自由に設定していたものの金額を5,000円というふうに義務化されたと理解すればいいですか。

○遠藤部会長

 ですから受療行動が変わっていれば影響しているでしょうけれども、そうでなければもともと外枠の話です。

 ほかにございますか。それでは、望月委員、どうぞ。

○望月委員

 皆さんの御意見と一緒なのですけれども、平成28年4月から大病院における定額負担の徴収が義務化され、一定の効果が見受けられます。このため定額負担の徴収を義務化する対象を拡大すべきと考えます。

 その際に、医療保険財政の持続可能性の観点とありますが、医療保険財政の負担軽減にも資するように検討を進めていくことが重要ですので、診療報酬も含め、医療保険財政の負担軽減につながる具体的な検討をお願いしたいと考えています。

 2点目は、昨年から継続検討となり、2018年度末が検討期限とされた、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入についてです。これも工程表の指摘事項と認識しています。したがって、先ほどから少し話が出ていますが、事務局に対しては、かかりつけ医機能の明確化に向けて議論を進めていただきたいと考えております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 よろしゅうございますか。それでは、とりあえず1と2につきましては十分な議論ができたと思いますので、次に資料2−3の都道府県の強化につきまして議論を移したいと思いますけれども、まず事務局から資料の説明をお願いしたいと思います。

○高木室長

 適正化室長です。

 資料2−3です。おめくりいただきまして2ページ目です。こちらにつきましては4月に都道府県ガバナンスということで御議論いただいたものでございます。

 2ページ目は、第3期の医療費適正化計画から外来の取り組みを追加した。これらにつきましては保険者、自治体、医療関係者等が課題を共有しながら進めていく必要がある。そのためにデータの共有、活用もできるような仕組みが必要であるというものでございます。

 3ページ目は、保険者協議会の関係でございますけれども、こちらにつきましては30年度から都道府県が保険者になるということで、保険者協議会のメンバーになる。こうした中で下から2つ目の○でございますが、今後、都道府県が主体となり、都道府県民の健康増進と医療費適正化について、自治体をはじめ、医療関係者や企業など、幅広い関係者と連携しながら、さまざまな地域課題について取り組む必要がある。こうした実施体制を確保できる必要があるということをお示しさせていただいております。

 4ページ目は、保険者協議会の現在の仕組み。5ページ目、6ページ目はその実情でございますので、省略させていただきます。

 これらにつきまして7ページ目でございますけれども、4月の医療保険部会でいただいた意見について整理しているものでございます。イでございますが、国、都道府県、市町村がそれぞれの役割を果たしていくことが重要であり、国、都道府県、市町村が信頼関係を持って協議を行っていく必要があるとか、ロでございますけれども、医療費適正化は現場とのタイアップが絶対的に必要であるということで、都道府県の行政の力が大事であるとか、都道府県を中心に関係者が力を合わせて国民の健康増進をしていく考えを実行すべき時期に来ている。地域医療を担う者も構成員に入れて、協議会を発展させてほしい。薬剤師会も構成員になることでそうした取り組みができるので参画したいとか、他方でハでございますけれども、保険者協議会は自ら保険者機能を発揮し、保険者同士が連携して取り組みを進めてきた。これを基本としながら都道府県のガバナンスも考えていくことが大事である。また、ニでございますけれども、データの活用や人材育成も大事だという意見をいただいております。

 7ページ目の下にございますが、知事会、市長会、町村会から緊急要請も5月17日にいただいておりまして、都道府県、市町村の意見を出発点に協議を進めていってほしいという御意見をいただいております。

 8ページ目は、こうした御意見を踏まえまして整理させていただいたものでございますけれども、1つ目の○は、まず保険者協議会でこうした市町村・保険者が自ら共同で保険者機能を発揮してきた。他方で医療関係者にも協力をいただきながら、健康増進と医療費適正化に取り組んできた。その成果を最大限に活用することが合理的である。

 他方で2つ目の○でございますが、都道府県においては、保険者、医療関係者、地元企業、大学等の幅広い関係者も入れて、行政と民間が協力しながら、県民運動によって健康づくりを進めていく体制、協議体を設置する。こうした取り組みを進めている都道府県もございます。

 3つ目の○でございますが、こうした先進事例を踏まえますと、全国で一律に決まるものではないが、都道府県がその実情に応じて機能が発揮できるよう、ガバナンスを強化する観点から、都道府県が保険者協議会の事務局を担う、または国保連合会と共同で事務局を担う。また、都道府県がそうした中核的な役割を発揮していくことで、医療関係者が参画していない保険者協議会については、都道府県から医療関係者等に参画の働きかけていく等によって、住民の健康増進と医療費の適正化のさらなる推進を図っていくことが考えられる。

 なお、都道府県は、そうした保険者協議会の協力を得て、市町村、保険者、医療関係者等を構成員とする協議体を自ら設置することも可能と考えられるとしております。

 9ページ目でございますが、こうした都道府県における保険者協議会の積極的な関与や医療費分析、市町村への提供、こうした取り組みにつきまして、保険者努力支援制度で平成30年度から本格実施されますけれども、都道府県の主導的な取り組みをインセンティブでも評価・支援してまいります。

 ※2でございますけれども、こうした取り組みを支援する観点から、例えば保険者協議会を活用した医療費分析や人材育成を指標として、具体的な指標は31年度からの評価に向けて今後検討するものでございますが、そうしたものを位置づけるとか、※3でございますけれども、都道府県において市町村と協議して合意を得ることによって、保険者努力支援制度の交付金について都道府県において医療費分析等に充てることも可能としております。

10ページ目ですが、こうした保険者横断的な医療費分析の機能の強化につきまして、現在でも国保連でKDBシステムを活用した保険者横断的な医療費の調査分析の取り組みもございますけれども、他方で分析に当たっては都道府県と国保連が共同・連携して調査分析を行っていくことが大事であると整理しております。四角で囲っておりますが、厚生労働省においてはこうした調査分析の取り組みを支援していくため、今年度からNDBについて追加改修しまして、都道府県、市町村別の医療費の構造データも都道府県に提供できるように取り組みを進めてまいります。

12ページ目は、医療費適正化計画、外来医療費の地域差縮減についてでございます。2つ目の○にございますけれども、今回、外来医療費についてはかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の役割の発揮等によりまして、複数の医療機関から薬剤が投与される患者の減少だとか、多量な薬剤が投与されている患者の減少が期待されるということで、3医療機関以上からの重複した投薬の軽減だとか、15剤以上の投薬がされている65歳以上の高齢者等の半減が、外来医療費の算定式に盛り込まれています。

 他方、現在、高齢者の薬物療法の安全性を確保する観点から、医学薬学の専門家等も入っていただきながら、高齢者医薬品適正使用検討会において、適正使用のガイドラインの策定に向けた検討を進めております。この取りまとめにつきましては30年度末を目途にガイドラインを取りまとめるべく検討が進められておりますけれども、こうしたガイドラインが策定されましたら、現場でそうしたものも活用されることで、高齢者の多剤服用の減少もさらに期待できるだろうということで、第3期の医療費適正化計画において、この算定式につきましては、ガイドラインの策定状況等を踏まえ、第3期計画期間中にできるだけ早く、更に変更・追加することを検討すると整理しております。

 続きまして、14ページ目以降が高齢者医療確保法の14条の関係でございます。14ページ目は、現在の高齢者確保法の規定の内容について書いているものでございまして、厚生労働大臣は医療費適正化計画の実績評価の結果、計画における医療の効率的な提供の推進の目標を達成し、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内の診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間で公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる。これについては都道府県とあらかじめ協議するということが法律に規定されております。

 これに対しまして15ページ目は、これまでいただいている意見を整理するものでございます。4月22日、26日の医療保険部会におきましても、この設定につきましては制度創設時から妥当性や医療費適正化に向けた実効性に疑問があるので慎重に対応してほしい。都道府県に医療費適正化の権限と責任を一方的に押しつけるのではなく、当事者である都道府県と市町村の意見をしっかり聞いてほしいという意見をいただいております。

 これに対しまして16ページ目は、その考え方でございますけれども、まず法律上の枠組みですが、先ほど申し上げましたが、適正化計画の中で医療の効率的な提供の目標の達成に向けてまず取り組んでいただく。その上で計画終了後に、その目標の達成状況を評価した結果に基づいて、なお目標達成の必要があると認めるときに、都道府県はそうした意見を提出できる。ないしは国があらかじめ都道府県に協議した上で、そうした定めができると規定されております。

 参考の表にございますけれども、医療の効率的な提供の推進に関する目標は、第3期につきましては、後発医薬品の数量のシェアと、医薬品の適正使用の推進に関する目標が規定されております。こちらの目標について評価して、その判断を行うということでございます。

17ページ目は、こうした法律の運用の枠組みを踏まえまして運用の考え方を整理したものです。次のようなプロセスに留意する必要があるのではないかということでございまして、まず14条の規定は、こうした都道府県において保険者、医療関係者の協力を得ながら取り組みを行って、目標の取り組み状況の評価の結果を踏まえて都道府県と協議した上で厚生労働大臣が判断するというプロセスになっております。

 このため、各都道府県においても取り組みの実績を分析し、これを評価した上で既存の診療報酬や政策、取り組みの予定等を踏まえて、適用の必要性について検討していく必要があるのではないか。その際、都道府県においては、保険者・医療関係者等が参画する保険者協議会での議論も踏まえて、その規定の適用の必要性について検討していく必要があるのではないか。国においては都道府県の意見を踏まえ、中医協における諮問・答申を経て診療報酬全体の体系との整合性を図りながら、医療費の適正化や適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て、合理的であると認められるかを議論した上で判断していく必要があるのではないかと整理しております。

 資料の説明につきましては以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 御説明がありましたように3つの事柄、ガバナンスの強化と医療費適正化と高確法14条についての話であります。どの内容でも結構でございます。特に17ページの高確法14条については事務局の意見といいますか、するべきではないかというものが入っておりますので、もし何かコメントがあればいただければと思いますけれども、どこでも結構でございます。

 それでは、小竹参考人、お願いします。

○小竹参考人

 都道府県ガバナンスということで、都道府県の意見を申し上げたいと思います。

 何点かあるのですけれども、まず今の資料でいきますと7ページで御説明いただきましたが、下の欄のところに今年5月に地方三団体として国に緊急要請を提出しているところでございます。

 資料の3ページの欄外、下のところでは、保険者協議会におけます都道府県の役割の強化につきましては、各都道府県に対しましてブロック会議において説明をいただいたという記載がございますけれども、参考資料になりますが、20ページに都道府県の保健ガバナンスといったものが記載されておりますが、これにつきましては書いてありますとおり予防、健康、医療、介護ということで、保険者協議会の役割だけではなくて、もっと幅広い範囲のものと理解をしているところです。その全体像につきまして都道府県に対する説明の機会を設けていただいて、都道府県の意見をよく聞いて議論を進めていただきたいと思います。それとともに国の責任におきまして医療費等のデータ分析に携わる人材の育成確保、それから、財政措置等の支援を確実にお願いしたいと考えております。

 次に資料の8ページになりますけれども、ちょうど真ん中あたりですが、保険者協議会におけます都道府県の位置づけということで、宮城県、高知県での取り組みの実例が示されております。本県におきましても「健康長寿とちぎづくり推進条例」ということで条例を作りまして、県民会議を設置して健康づくりを進めているところでありますが、県や保険者が行う健康づくりにつきましては、インセンティブとなるような仕組みが設けられてきたわけですけれども、健康づくりというものは国民主体でなければなかなか成果は上がらない。国におきましては是非とも健康局と十分に連携をいただいて、健康日本21を含めまして効果的な推進につながるような制度について御検討をいただきたいと考えております。

 最後になりますが、資料15ページの地域別診療報酬の特例につきましては、今年5月の緊急要請の際にも申し上げているところですけれども、その対応につきましては慎重にお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。知事会の立場から御発言がありました。

 原委員、どうぞ。

○原委員

 2点申し上げたいと思います。

 1点目は資料の8ページにかかわることでございますが、住民の健康増進と医療費の適正化を推進するための協議会等の体制についてでございます。4月のこの部会における議論を踏まえまして、本日は事務局から保険者協議会を引き続き活用するということ、また、都道府県が保険者協議会の事務局を担う、または国保連合会と共同で事務局を担うといったような案が示されておりまして、実情に応じて都道府県のガバナンスを強化する視点が入ったということで、私は評価したいと思います。

 資料にありますとおり、都道府県は医療提供体制の整備を担当しており、30年度からは国保の保険者になります。また、医療費適正化を進めていくことや住民の健康増進事業を推進していくといった多面的な役割を担っておりますので、このようなことを考えますと都道府県が保険者協議会においてもリーダーシップを発揮していただくことが極めて重要ではないかと考えます。

 一方、これまで保険者協議会は、各都道府県内の保険者間の問題意識の共有や健康づくりの取り組みの推進を図るとともに、都道府県が医療費適正化計画を策定にするに当たっての協議を行っており、その事務局を都道府県国保連合会が中心に担っております。昨年で言えば地域医療構想案に対する意見の取りまとめでございますとか、あるいは受動喫煙防止対策強化に向けた陳情行動等、一定の実績、取り組みを行ってきております。また、日本健康会議の健康なまち・職場づくり宣言2020の宣言3につきましても、今回、全保険者協議会で目標を達成したということで、今後ともさらなる取り組みをしていきたいと考えております。

 国保連合会としましては、都道府県との連携・協力を図りながら、これまで培ってきた運営のノウハウや保有する国保データベース、KDBシステムによる医療費分析等を活用しまして、引き続き保険者協議会の事務局として役割を果たしていきたいと考えております。また、各都道府県の保険者協議会の活動を支援する観点から、保険者協議会中央連絡会が設置されていますが、国保中央会としてもその事務局機能の発揮に努めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 また、保険者協議会の事務局機能が発揮されていくためには、さまざまな環境整備が必要でございますが、事務局である国保連合会の運営経費の確保、とりわけ医療費分析等の業務を担う人材の育成と体制確保等については大変重要であると考えておりますので、国においては都道府県及び国保連合会に対しまして、保険者努力支援制度等を活用して必要な支援をお願いしたいと思います。

 2点目でございますけれども、資料の10ページ目にかかわることでございます。ここにございますように保険者横断的な医療費の分析等の機能強化を図るために、KDBシステムの活用が書かれてございます。保険者努力支援制度においてもインセンティブをつけた上で、KDBシステムを活用することによって評価していくといったこと等でございます。

 今後、医療費の適正化を進めていくに当たっては、KDB等のデータを利活用した医療費の現状分析により、地域ごとの状況を把握することが大変重要となることは明らかでございます。また、KDBは医療・介護にわたる個別の被保険者のデータを有することから、これをもとにした保健指導の推進を行えるという特性もございます。市町村保険者等の御理解、御協力をいただきながら、このKDBが一層活用されることは大変有意義だと思いますし、システムの管理運用を行う国保連合会・中央会として御期待に添えるよう、これまで以上に努力していきたいと思います。

 つきましては国においてはシステムの維持、運用やさらなる機能の強化のために、保険者努力支援制度の活用も含めてKDBシステムに対する必要な財政支援をお願いしたいと思います。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。高確法14条の話についても何か御意見があれば。村岡参考人、どうぞ。

○村岡参考人

 まず1つ目に都道府県のガバナンス強化という問題ですけれども、保険者協議会への都道府県の関与あるいはKDB等を活用した医療費の分析については、都道府県が関与することによって非常に大きな効果があるのではないかと考えております。特に本市というよりも、どちらかといいますと高知県内にも非常に小規模な市町村がありますが、そういったところでは医療費の分析等をする人材もいないということもございますので、都道府県と国保連合会が連携して医療費の分析を行って、よりその地域特性に合わせた医療費の適正化を進めていくことについては、効果が発揮されるものとして大変期待をしているところです。

 ただ、医療費の適正化がなかなか簡単には進まない課題だろうと思っておりますので、進まないからといって、その全てを都道府県の責任にすることについてはいかがなものかと思いますので、そのあたりについては十分考慮していただきながら、これらの取り組みを推進していただきたいと考えています。

特に本県におきましても高知県の取組を例示の中でもお示しをしていただいておりますけれども、健康長寿県構想等で取り組みも進めておりまして、最近では,高齢者の服薬指導の関係で残薬の管理をより適切にしていくことが必要ではないかということで、特に在宅で介護、医療を受けられている方の服薬管理というのはなかなかできていないという状況もありますので、ケアマネやヘルパーさん等とも連携をしながら、残薬が多い家庭についてはその情報を薬局等に情報提供しながら、多職種が連携をして適正な管理につなげていくということでの取り組みも開始をするようになっておりますので、そういった意味での都道府県の関与について大変期待もしているところです。

 あわせて資料の中では12ページにかかわることなのですが、中段の真ん中の○のところで医薬品の適正使用について、保険者による訪問指導などでの現場での取り組みの広がりということも記載していただいていますが、重複頻回あるいは多剤投与の患者さんに対する現場での服薬指導等についても職員が訪問しながらやっているところですけれども、一方では個人情報の壁ということもありまして、実際にかかっている医療機関に対しての情報提供ができれば、より効果的にできるのではないかという感じもしているのですが、特に精神疾患等の患者さんについてはいろいろな医療機関を重複受診するということで、そこについてはなかなか現場で指導を行っても適正化にはつながらないという実態もありますので、そういう方に対する個人情報の取り扱いの問題も含めて検討がなされていけば、より効果的な支援ができるのではないかと考えますので、そういった点についてはぜひ御検討いただきたいなと思っています。

 最後に、高確法14条の問題ですけれども、これまでにも意見を申し上げておりますが、基本的には全国のどの地域にいても、同じ診療が同じ単価で受けられるということが国民皆保険制度の前提と考えておりますので、診療報酬の地域格差を導入することについては基本的にはなかなか無理があるのではないかと考えておりますので、その効果や妥当性についても慎重な検討がなされるべき問題だと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。森委員、どうぞ。

○森委員

 今の在宅での残薬の話なのですけれども、私たちも患者さんのところに行ってみると残薬がないと言われていたのに、押し入れの中にいっぱい隠していたとか、いろいろな事例があります。それで今、進めているのが、ケアマネも含め多職種から情報提供いただいて、訪問をして整理するという取り組みを進めています。

 あとは多剤併用ですけれども、今おっしゃったように患者さんが意図的に情報を隠すと、私どももどうしようもありません。お薬手帳も1つにしつつ、飲んでいる薬剤をきめ細かに管理しているのですが、最終的にはレセプトを名寄せしないとわからないということもありますので、ここは関係者が協力をしながら、きちんと管理ができるような体制にしていくことが重要だと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。菅原委員、どうぞ、

○菅原委員

 地域別の診療報酬の設定ということで、資料で言うと16ページ目だと思うのですけれども、若干確認も含めて御質問を申し上げたいのですが、診療報酬は基本的に目標達成のために必要があると認めるときに、都道府県の地域に別の診療報酬を定めることができるという規定があるということですので、基本的に一般的に一本になっている診療報酬よりも高くすること、あるいは安くすること、どちらの方向にも振ることができるたてつけになっているとこれはこのように理解してよろしいのでしょうか。まずこれが1点目の質問でございます。

 もし仮に両方動かすことができるという前提ですと、これは医療費適正化計画の実効性を果たすためにこのような制度を導入するという話になっているわけですから、例えば地域別の診療報酬を導入した際に、点数を上げるべきなのか下げるべきなのかという議論は必ず出てくると思うのです。つまり目標を達成するためには現場のモチベーションを上げなければいけないので基本的には加算というか、プラスにしたほうがいいような気がするのですけれども、そうすると結局、患者行動で適正化はできないのです。医療費そのものが上がってしまいますから。一方で点数を下げてしまいますと今、挙げられているさまざまな目標を達成するための逆インセンティブになってしまいますので、結局、達成できないという話にもなりそうで、どうもこの議論は何を目指しているのかというところが少しよくわからないのですが、そのあたり最初のたてつけの部分を御説明いただければと思います。

○遠藤部会長

 医療課長、どうぞ。

○迫井課長

 菅原委員の御質問を2つに分けてお答えさせていただこうと思いますが、まずこの高確法の対応ということではなくて、報酬一般論といたしまして、加算を設定して例えば報酬水準を上げるようなインセンティブなり診療行動の変容を期待するという場合であっても、全体で見ますと医療費自体は下がるという誘導は必ずしも不可能ではないということになります。診療報酬は要は算定要件次第でもありますので、加算の報酬について例えば報酬の水準を逆に下げたとしても、算定要件が甘ければ医療費自体は増大し、それは逆のことも起きますので、そもそも一般論として今のようなお話については、一概に言えないということがまず前提であります。

 2点目は、ですからそういったことも含めますとかなり具体的な話になりますので、さまざまな要素があると思われますので、なかなかそういった一概の議論は難しいのかなと理解いたしております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。よろしいですか。

○菅原委員

 よくわかりました。

 もう一つ、こういった制度を要するに地域別に設けてしまうと、結局、他県での受診だとか、流動性のある受診状況、要するに私たちの今の国では基本的にどこの医療機関でもアクセスできるわけですから、そのあたりの影響についても少し考えないといけないかなと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。これまでも随分議論してきた内容でありますので、ある意味、ある程度のことは既に出されているという理解をさせていただきたいと思います。

 それでは、本議題についてはこれまでとさせていただきたいと思います。貴重な御意見等ありがとうございました。

 次に、報告事項になりますけれども、平成28年度の調剤医療費の動向について事務局から報告をお願いしたいと思います。

○山内課長

 調査課長でございます。

 資料3−1をごらんいただけますでしょうか。厚生労働省では毎月診療報酬請求のデータから、国民医療費の約98%に相当する医療費の動向を概算医療費として公表しておりまして、先月15日に平成28年度分を公表いたしましたので、御報告をいたします。

 プレスリリースと書いてある表紙の囲みの調査結果のポイントという欄がございますので、こちらをごらんいただけますでしょうか。

 1つ目の○でございますが、平成28年度の医療費は41.3兆円となりまして、前年度に比べて約0.2兆円の減となりました。

 3つ目の○でございますが、0.2兆円の減に対応する医療費の伸び率はマイナス0.4%であります。診療種別に伸び率を見ますと入院が1.1%、入院外がマイナス0.4%、歯科が1.5%、調剤がマイナス4.8%となっております。

 医療費は1日当たり医療費と延べ患者数に相当する受診延べ日数に分解できるのですが、4つ目の○と5つ目の○でございますが、1日当たり医療費の伸び率は0.3%、受診延べ日数の伸び率はマイナス0.7%となっております。

 最後の○に関しましては、めくっていただきましてその裏面でございますが、参考1、2、3と示しておりますけれども、こちらをごらんいただけますと、参考1で表を示しておりますが、上から2段目が医療費の伸び率となっておりまして、こちらを見ますと平成24から26年度にかけましては大体年率2%ぐらいで推移していたものが、27年度に高くなっていて、28年度にかなり低くなっているという状況になっています。

 これに関しましてはC型肝炎治療薬の影響があるものと考えておりまして、参考2にこれは調剤医療費から見たものでございますが、C型肝炎治療薬を含む薬効分類でいう抗ウイルス剤の薬剤料の推移を月別に示しております。平成27年度、真ん中ほどの9月から薬剤料が大幅に上昇しておりまして、平成28年度の4月からかなり減少している状況になっております。こうしたことを全体的に見ますと、平成27年度はC型肝炎治療薬の大幅な増加などによりまして高い伸びとなって、平成28年度は診療報酬改定における薬価引き下げに加えて、C型肝炎治療薬の使用量も落ち着いているという状況だと考えられますので、そうした状況から薬剤料の大幅な減少があって、それで調剤と入院外を中心に低い伸びとなって、一時的にマイナスになったと考えられます。

 なお、平成27年度と28年度の2年間の伸び率を平均してみますと、1.7%ということになっておりまして、平成24から26年度の動向とそれほど大きくは違わないという状況でありますとか、あと、高齢化の進展と医療の高度化によって医療費が伸びるという基本的な状況には変化はないと考えられますので、引き続き今後の動向をよく見ていきたいと考えております。

 続きまして資料3−2でございますけれども、調剤医療費につきましては電算処理分のレセプトを詳しく分析したものを取りまとめて、概算医療費と同時に公表しております。

 1枚めくっていただきまして1とページが振ってございますけれども、表が細かくて恐縮なのですが、こちらをごらんいただけますと、この調査の分析対象を示しております。一番上の段が調剤医療費全体でありまして、上から4段目が電算処理分の調剤医療費ということで、こちらがこの調査の分析対象なのですが、5段目にあるとおり電算化率99.3%、調剤医療費の99.3%が分析対象となっております。

 めくっていただきますと、2ページと書いてある下の段の表2−2でございますけれども、これは処方せん1枚当たり調剤医療費の内訳の動向を見たものでございますが、一番上の段、処方せん1枚当たり調剤医療費の一番右の列が平成28年度の対前年度比なのですが、調剤医療費がマイナス5.6%となっておりまして、その下の段が技術料ですが、技術料は0.4%の伸び率。真ん中ほどに薬剤料がありますが、薬剤料がマイナス7.4%と薬剤料の減少が顕著ということになっております。

 薬剤料につきましては恐縮ですが、飛びまして6ページ目をごらんいただきますと、表6−1というものがございますが、これは内服薬につきまして薬効分類別に薬剤料を見たものでございまして、右から3列目が平成28年度の対前年度比、4列目が平成27年度の対前年度比となっておりまして、これを縦にずっと見ていきますと、27年度に対して28年度の伸び率がかなり低くなっている。大体マイナスの伸び率になっているという状況がわかりまして、そうした中で一番下、この行が抗ウイルス剤なのですけれども、27年度249.1%、28年度マイナス34.6%というのが他の薬効分類に比べても大きくなっているという、この動きを先ほどグラフでごらんいただいたということでございます。

 最後でございますが、4ページ目をごらんいただきますと表4−1というものがございまして、一番上の行が現在、使用している数量ベースの後発医薬品割合ということでございます。一番上の行の一番左端が28年度4月なので、28年4月の後発医薬品割合が64.8%、その一番右端、3月と書いてあるところが28年度の3月なので平成29年3月ですが、後発医薬品割合が68.6%ということで、28年度中におおむね4%ポイント程度上昇しているということなので、これまでのところ後発医薬品割合は上昇してきていると言えるかと思います。

 ただ、先ほど森委員の御指摘がありましたように、2月と3月のところを見ますと若干ほかの月に比べて対前月の上昇幅が小さいということがございますので、こうしたところは一時的なものなのかといったことも含めまして、引き続き調剤医療費の動向についてもよく見ていきたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 何か御質問等あればお願いします。よろしゅうございますか。

 それでは、特段御質問、御意見等ないようでございますので、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。

 次回の開催日につきましては、追って事務局より連絡するようにお願いいたします。

 それでは、本日はこれにて終了したいと思います。御多用の折お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 


(了)

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