ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第6回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG 議事録(2017年8月22日)




2017年8月22日 第6回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG 議事録

○日時

平成29年8月22日(火)10:00~12:00


○場所

中労働委員会講堂(7階)


○出席者

菊池座長、平野委員、藤森委員、山田委員

○議事

○政策評価官室長補佐

 定刻になりましたので、ただいまから、第6回政策評価に関する有識者会議福祉・年金WGを開催いたします。政策評価の担当をしております宮崎です。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、暑い中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は、厚生労働省における政策評価に関する基本計画が第4期になってから初めての会議でございまして、また委員の改選も行いましたので、福祉・年金WGの委員の先生方を御紹介させていただきます。50音順で御紹介させていただきます。本日は欠席ですが、岩崎香委員です。菊池馨実委員です。平野隆之委員です。藤森克彦委員です。山田篤裕委員です。当WGの座長につきましては、当室より菊池馨実委員にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。事務局についても紹介させていただきます。総合政策・政策評価審議官の本多です。政策評価官の牧野です。本日のWGの開催にあたり、総合政策・政策評価審議官の本多より御挨拶をさせていただきます。

 

○総合政策・政策評価審議官

 委員の皆様におかれましては、お忙しいところ、政策評価に関する有識者会議の委員をお引き受けくださいまして誠にありがとうございます。御案内のとおり、政策評価の目的は、評価結果を政策に適切に反映し、効率的で質の高い行政を実現させること、また、評価結果を公表して国民に対する説明責任を果たすことです。平成144月に政策評価法が施行され、15年が経過しまして、昨年度末には、同法に基づいて第4期、今年度、平成29年度から平成33年度の基本計画を策定し、今年はその初年度にあたります。このため、第4期における厚生労働省の政策評価につきまして、中心となって御議論いただきますことを皆様にお願いさせていただきました。

 本日の会議は、第3期計画期間中に策定された政策評価項目のうち、4つの項目の事後評価について、評価書の内容の妥当性を中心に、幅広い観点から御助言を頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 それでは、今後の議事進行につきましては菊池座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○菊池座長

 当WGの座長を務めさせていただきます菊池です。どうぞよろしくお願いいたします。今回、この政策評価に関する有識者会議は、メンバーが半数以上の交代ということになっております。私はこれまでも務めさせていただいたのですが、今回、名だたる重鎮の先生方、高橋紘士先生を始め、森田朗先生、堀田力先生、梅田次郎先生等、有識者会議のそもそもの経緯をご存知の先生方が退かれたということで、我々も、これまではいろいろな経緯を伺いながら関わらせていただいたのですが、その意味で、ここでは山田先生と私が再任ということなのですが、いささか不安が残る部分もあるところではありますが、逆に、この委員会には大きく交代があったということで、また新しい役割が求められているんだろうと思っております。ワーキングの段階から入れ代わるというのは、これまでの経緯等の関係で、委員の先生方も、やりづらい部分があるかもしれませんが、これもしかし、このタイミングというのはどうにもなりませんので是非、委員の先生方には、これまでの経緯等に関係なく自由に、お考えのところを、御意見や御質問を頂ければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、本日は4つのテーマの実績評価書案について御議論いただきたいと存じます。それでは、配布資料及び「平成29年度に実施する政策評価について」の進め方について事務局より御説明をお願いいたします。

 

○政策評価官室長補佐

 まず、資料の確認をさせていただきます。配布資料は、上から議事次第、座席表、本WGの参集者名簿です。

 続いて、資料14は、WGで御議論いただく実績評価書()と、評価書()を説明するための添付資料です。

 政策評価は、あらかじめ立てた目標について、その実績を、目標に対する達成度合いで評価する仕組みになっておりますが、今回の評価は、平成27年末(273)に立てた平成28年度の目標に対する評価ということになっております。ですから、平成29年度は第4期ということです。新しい第4期の第1回目の会議ですが、この評価書及び、それに先立って立てた目標は、第4期ではなく第3期に作成したものになります。これが、本日のWGの本体資料です。参考資料1は、「政策評価の実施予定表」、参考資料2は、「有識者会議開催要項」、参考資料3は「厚生労働省の第4期基本計画」、参考資料4は、平成27度末に、平成28年度の実績評価を見るために目標を立てた有識者会議での御意見を踏まえて作成した「事前分析表」です。資料に不足等がありましたら、事務局までお知らせください。

 次に、議事の進め方について説明します。議事次第を御覧ください。本日は、この議事の中の1から4の順番で、テーマごとに担当課の入替を行い、御説明をして御議論いただきます。1テーマごとの時間につきましては約25分程度と予定しています。その中で、まず担当課より約5分程度で説明をさせていただき、その後20分程度で御議論いただくということで進めていただければと思います。事務局からは以上です。

 

○菊池座長

 それでは、1つ目のテーマ、施策番号7-1-1、生活困窮者に対し適切に福祉サービスを提供するとともに、地域社会のセーフティネット機能を強化し、地域の要援護者の福祉の向上を図ることについて、担当課から5分程度で説明をお願いいたします。

 

○社会・援護局生活困窮者自立支援室

 生活困窮者自立支援室でございます。私のほうからは、ただいまお話がありましたうち、生活困窮者自立支援法に関する部分について、評価書様式に沿って説明いたします。評価書様式の測定指標の指標15までが私どもの担当になっております。

 自立支援法は、平成274月から施行になっており、平成28年現在では2年度目を迎えたところです。そのうち、指標1に関しては、年間の新規相談件数は平成27年度から横ばいの状況になっております。ただ、一方で指標2、指標3にあるように、自立生活を支えるためのプラン作成を行うことになっております。これに関しては、平成28年度は年間新規相談件数の約3割ということで、上昇している状況です。

 指標3にあるように、プランに就労支援が盛り込まれた対象者の数です。こちらは件数自体は先ほど言ったプラン作成件数が相当伸びておりますので、これに引きずられる形で横ばいになっておりますが、実績数は28,000件から32,000件ぐらいまで上昇しているということで、13%ぐらいの伸びになっております。

 指標4は、就労支援プラン対象者のうち、就労された方、就労による収入が増加された方々の割合となっております。これは指標としては平成28年度から取っているものがあります。これに関しては、プラン対象者のうち大体7割の方が就労された方、収入が増加された方ということで、目標をかなり大幅に上回っている状況にあります。

 指標5で、住居確保給付金の受給中に常用就職をされた方の割合は、年々増加している状況です。以上が実績になりますが、私ども事務局としては、2年間で支援状況は着実に増加等しておりますので、定着しているのではないかと考えております。今後、私どもとしては、生活困窮者の方々に対しての支援について、関係機関へのつなぎも含めて、着実に支援できるように自治体等と協力しながら引き続きやっていきたいと考えております。一応、生活困窮者自立支援室からは以上です。

 

○社会・援護局保護課

 続きまして、社会援護局保護課から説明いたします。課長がまいりますところ、今日は体調不良で欠席しておりまして、大変恐縮でございます。指標6以降ですが、指標6に被保護者就労支援事業等の参加率を定めており、平成28年度は今、集計中なのですが、平成27年度が35.8%になっております。目標が60%なのですが、まだ各地方自治体のほうで非常に取り組んでいる所と取り組んでいない所があり、35.8%にとどまっているという状況です。

 指標7ですが、被保護者就労支援事業等に参加した者のうち、就労した者及び就労による収入が増加した者の割合です。この割合が平成27年度が45%になっており、目標となる50%を目指して進めてまいりたいと考えております。

 指標8ですが、被保護者就労支援事業に参加していない者であっても客観的な指標を定めるということで、「その他の世帯」の就労率を指標に定めており、目標値となっているのは45%ですが、平成27年度で35.5%となっているところです。その他の世帯というのは、現役、稼働年齢層がいる世帯ですが、平均年齢が48歳ぐらいで、割と高齢の方もいらっしゃいますので、その辺りに力を入れていかなければいけないかなと考えているところです。

 指標9以降が医療扶助についてで、指標9が医療扶助の適正化に向けた地方公共団体における後発医薬品使用促進計画の策定率です。これも各地方自治体で後発医薬品の使用割合が75%未満の地方自治体において、使用促進計画を策定することとしており、その指導に努めておりますので、今のところ策定率は100%になっているところです。

 指標10が医療扶助について、頻回受診対策を実施する地方公共団体の数ですが、こちらも生活保護受給者の適正な受診を図るように、頻回受診になっている方については、受診について指導を行うということで、これも計画を作って取り組んでいただいているのですが、頻回受診対策を行う地方自治体は今100%になっております。

 指標11は、生活保護受給者の後発医薬品の使用割合です。これが「経済・財政再生計画改革行程表」において使用割合が75%になっておりますので、平成28年度(6月審査分)69.3%になっており、今年度半ばの75%に向けて、各自治体とも取り組んでいるところです。

 指標12は、指導監査対象福祉事務所に対する監査実施数ですが、都道府県が生活保護指導職員を配置して、毎年度、管内の福祉事務所に対して指導監査を実施しているところですが、こちらの取組も目標となっている福祉事務所に対する監査が100%実施されているところです。参考資料に付けましたが、今後、生活保護受給者に対する就労支援について、今、生活保護制度、生活困窮者自立支援制度の見直しに取り組んでいるところで、平成25年度の改正で入れた就労支援事業、平成25年改正で後発医薬品の使用促進の取組として後発医薬品の使用を促すという規定を設けたのですが、こちらも制度の見直しの中で、ただいま検討しているところで、来年度改正を行って、その後また更にこの推進に取り組んでいくことになっております。これも含めて、指標についても制度改正を行いながら、見直していくのかなと考えております。保護課から以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、御意見、御質問等お願いいたします。

 

○山田委員

 御説明ありがとうございました。私から3つほど質問させていただきたいのですが、1点目は生活困窮者の施策のほうで、主要な指標に○が付いていなくて、主要な指標として○が付いているのは、いわゆる生活保護受給世帯に関するもので、生活困窮者自立支援法に関する主要な指標に○が付いていないのはなぜか、教えていただきたいというのが1点目です。具体的には今申し上げたのは指標1から指標5の中に、多分、生活困窮者自立支援法の施策目標に関する主要な指標が入っていないと、どれが主要な指標なんだろうという、主要な指標がないというお答えなのかもしれないのですが、それがなぜかというのが1点目です。

2点目は、例えば指標9で、指標の選定理由及び目標値の設定の根拠というので、後発医薬品の使用割合が75%未満というのが問題視されているわけで、その対応として、後発医薬品使用促進計画を策定するか、策定しないかというのが問題というよりは、むしろ使用割合が低いというのが問題だとすれば、策定しているかどうかを指標値として100%としているから大丈夫というのが、果たしてよろしいのかどうか、どのように考えているのかと。とりわけ、経済・財政再生計画改革行程表においての目標値は使用割合を100%としていますが、今回の資料の目標値は、後発医薬品使用促進計画の策定が100%という目標値です。この目標値を、使用割合と同じに解釈してもよろしいのかどうかということです。それが2点目です。

3点目としては、幾つかの指標ですね。例えば指標1に関しては、目標値が平成30年度までに40万件となっており、これは何度か、過去の会議でも出ているのですが、これが国民に広く出されたときに、40万件というのがどのように目標値とされたのかという経緯が分からないと、読んだ国民の側はこの意味が分からないので、可能ならば補足説明をしていただきたいというのと、40万件に対して22万件であるとすれば、これはパーセンテージ表記のほうがいいのではないかとか、書き方の問題なのですが、もうちょっと分かりやすい書き方をしたほうがいいのではないかというのが、これは質問ではなくてコメントです。私からは以上です。

 

○社会・援護局生活困窮者自立支援室

 まず、1つ目の御質問で、主な指標のほうが記載されていないということなのですが、今回、記載に当たっての定義としては、主な指標に該当されるという場合が、予算とか人員が多く投入されているものとか、国民の関心が高く行政上も課題になったものが該当になるというところで、私どもが今回記載させていただいたのは、そこの部分にはちょっと該当しないのではないかという判断をさせていただいているものです。

 

○山田委員

 回答の途中で申し訳ないのですが、委員がごっそり入れ代わったので難しいのですが、これまでの経緯を先達の先生方から拝聴したときに、そういうのは必ず1つは入れるべきだということでしたので、該当しないから、ないというよりは、該当するものを入れてくださいと。若しくは該当するものに○を付けてくださいということですので、ないというのは、これまでの趣旨からすると、もう少し工夫の余地があるかもしれないと思います。話の途中で遮ってしまってすみません。

 

○社会・援護局生活困窮者自立支援室

 今言われたところについては、今後考えさせていただきたいと思いますが、今回、提出した資料については、先ほど説明をさせていただいたとおりということです。

 生活困窮者に関する質問ということで、3つ目の御質問ですが、年間の新規相談件数が40万件ということは、過去に相談に行ったけれども生活保護につながらない方々が約40万件おられるということで、それを基に目標値を平成30年度までに40万件まで引き上げるという状況にしたところです。表記の仕方については、今回は目標値が実数なものですから、それに合わせた形にさせていただいておりますが、御指摘があったところも踏まえながら、また判断をさせていただきたいと思っております。

 

○社会・援護局保護課

 医療扶助の後発医薬品使用促進計画の策定率の目標値について、指標9ですが、これは改革行程表のKPIの第1階層に後発医薬品使用促進計画の策定率100%ということで規定されており、KPIの第1階層はインプットといいますか、施策のインプットを定めたものになっており、第2階層で後発医薬品の使用促進割合の75%、それがアウトカムとして規定されております。先生が御指摘のとおり、当然、後発医薬品使用促進というのは、もう全自治体が取り組むべきであると我々も考えて100%ということで規定しているのですが、これを100%とした経緯としてはそのようになっているということです。今後、KPIを見直すときに、後発医薬品の使用促進の計画自体は皆さん取り組まれていると。この先どういうインプットをしていくべきなのか、どういうアウトカムを求めていくべきなのかというのは、それはまた随時、見直していく必要があるのかなと考えております。

 

○平野委員

 まず、生活困窮のほうで指標4です。私もこういう分析をかなり手掛けたものですから、細かな質問で恐縮ですが、これは分母がプラン作成者ということになりますよね。ところが、就労の実績を上げた人は、確か当該年度にプランを作成していなくても、増加すればここに入るという計算だったのではないかと思うのですね。今後ともそれはずっと、つまり就労が増加するというのは、かなり時間的に長い期間を経ていきますよね。ところが、分母はその年度の、あるいはその月のということですが、プランを作成した人というようになっているので、基本的にはそこのずれが比率としては生じていくのかなと思います。指標1からが出発点で、結局、当該年度に新規相談をしたという、それのプラン作成率ということなのですが、実際に支援しているのはずっと経過を追っていきますので、こういった後の就労の成果みたいなものは、何を分母にしていくかというのは、若干、課題があるかなというのが私の意見というか、参考にしていただければと思っています。

 あと2つあるのですが、生活保護と生活困窮の共通している1つの性格は、就労支援を促進するということだと思うのです。両方とも、それが先ほど御指摘があった主要な指標として何を生活困窮のほうから用いるのかという点で考えると、かなり全般的に、就労支援ということが全体の政策評価の中で共通している側面があると思うのです。つまり、生活保護との関係で。ところが、実際に2つの就労支援そのものが必ずしも連携されている状況にないというのを、現実としてはよく耳にする問題があると思うのです。これは若干、指標の問題とは、ずれるかもしれないのですが、つまり制度の複数利用はできないわけですから、結局もともとのこの政策目標自体が、ここに掲げているように、生活保護に至る前の段階で就労支援をやっていると。ところが、生保になった。そうすると、関係としては当然、その就労支援は違う部署の就労支援に移行せざるを得ないということになりますよね。つまり、この2つの関連を何らかの形で、この指標の範囲の中ではそれは難しいと思うのですが、行政運営上、この2つが就労支援を媒介にして、どういう関係になっていくのかということは1つの政策課題なのではないかというように、前からちょっと認識しています。この2つの両者の関係について。先ほどの、つまり保護に至らなかった40万を対象にするということも、もともとそういう政策の対象、ターゲットになっているわけなので、トータルとしての政策評価というのは、そこの連携の問題がかなり大きいのではないかということで、今後少し政策評価の観点として、そこを考えていただければなと、これも自分のコメントということになります。

 そういう点では、最後の総合判定というか、つまり生保と困窮の総合的な評価という観点が、あるいは効率性という観点でも構わないと思うのですが、両者は非常に密接に関連しているという観点からのそれぞれの効率性の評価、例えば15、それから68というように切り分けるだけではなくて、何らかの総合的な評価の書き方というのは、ちょっと課題検討としてあってもいいのではないかということが意見の2番目です。

 最後ですが、結局この後の介護保険のほうでは、認定の自治体間のずれというか、違いの問題が出てきます。そういう点では、この保護のことや生活困窮のことについても、地域間でのアンバランス差というか、格差というものを測る1つの尺度といいますか、例えば新規相談というものが、これが必ずしも後ろの認定率と一致しているというわけではないのですが、何か格差を是正していくというか、あるいは引き上げていくというか、何かそういう観点も必要になっているのではないかと感じている次第です。一番最初のものはどうなっているかというのは、ちょっと事実として触れていただければ結構ですが、あとは私の意見ということです。

 

○社会・援護局生活困窮者自立支援室

 まず、指標4の分母の話ですが、先生が御指摘のとおり、あくまでもプランを対象にした人たちということで分母を設定しておりますので、当然プラン作成に至らなかったような人でも、就労した方とか、増収した方とか、そういった方はおられるという状況になっております。ここについては、どういう分母を設定するかということについても、この指標として継続性もあるとは思いますので、その辺も含めてちょっと検討させていただきたいと思います。

 

○菊池座長

 ほかに何かコメントはありますか。

 

○社会・援護局保護課

2点目の困窮制度と保護制度の関係ですが、確かに先生が御指摘のとおり、別々の制度になっているので、ちょっと連携ができていないのではないかという御指摘を頂くこともありますし、あるいは一緒に同じ保護を担当している課のほうで、困窮のほうも一緒に担当して、就労支援事業は同じところでやっているとか、就労支援事業を同じNPO法人などに委託して一緒にやっているというところで、取組が様々あるところです。確か保護のほうも、自立支援プログラムの中で就労支援事業をずっと続けてきたものなので、保護のほうでやっているそれまでの取組と、困窮のほうでやっている新しい就労支援事業、就労準備支援事業の取組に少し食い違いがあるようなところも見受けられます。この後、法改正の中でも、そういった保護と生活困窮者自立支援制度の連携ということが、1つのテーマになっておりますので、制度見直しの中で、その辺りは更に連携を進めていくような方策を考えていきたいなと考えております。それを踏まえて、それぞれの関連性、先生が御指摘の相互の総合的な評価というのが、どういった指標を設ければいいのか、すぐには思いつかないところなのですが、そちらについても考えていきたいなと思っております。

 また、自治体間のずれ、アンバランスですが、生活保護に関して言えば、保護率にも自治体間で差がありますし、例えばホームレス支援問題というのは、ちょっと都市問題の様相もあります。各自治体間の取組状況の違いはそういうところからも発生してきますので、必ずどの自治体も同じ取組をするようにというようには思っておりませんが、各自治体ごとに就労支援事業は一定の標準化といいますか、こういった内容は各自治体でやってほしい。それから、医療扶助に関しても、後発医薬品の使用促進について、かなり自治体間にばらつきがありますので、これは全国的に進めてほしいというところもありますので、全国的に進めるところは全国的に進めていただくように、こちらもマニュアルの策定などを頑張っていきたいかなと思っております。

 

○平野委員

 私が言ったのは、保護というよりは、困窮のほうのプラン作成というか、あるいは前の新規相談の率というか、それは先ほど言った認定率みたいなことにかなり近いのではないかという意味ですので、保護のほうで格差の話は今、御指摘のとおりで、地域的な問題の現れ方がはっきり違っていますので、そこを指摘したのではないということだけ補足します。

 

○藤森委員

 私からは3点申し上げたいと思います。1点目は指標1に関してですが、34万件を目標にして22万件ということが平成28年度に示されております。この分野では、潜在的なニーズを掘り起こしていくことが重要ではないかと思っており、アウトリーチがどの程度なされているのかをお尋ねしたいと思います。待っていても、相談支援事業所に来るとは限らない方々がいらっしゃいますので、どのような取組をされているのかをお伺いしたいと思っております。

 それから、40万件という目標もよいと思うのです。ただし、これはあくまでも福祉事務所に来られた方の中で、生活保護受給に至らなかった方々との差を40万件として目標に設定されていて、いずれは潜在的なニーズも含めた目標設定がこの部分も必要ではないかと思っております。これが1点目です。

2点目は、指標4に関わるところです。先ほど平野委員から御指摘があったことに関連しますが、就労困難者の方々がいらっしゃいますので、単年度評価には無理があるのではないかと感じております。就労困難者には2年、3年とかけて就労されている方々がいらっしゃいます。長期的な視点からの達成度を評価するような枠組みが必要ではないかと思っております。

3点目なのですが、これは生活保護と生活困窮自立支援の両方に指摘できることですが、自立といったときに、経済的自立のみならず、社会生活自立、日常生活自立が指摘されています。ところが、こちらの目標に挙げられているのは、経済的な自立、就労による自立です。今後、社会生活自立や日常生活自立といった目標も挙げていく必要があるのではないかと考えています。関係性を作ったり、あるいは日常生活を送れるようになって、就労が実現される側面も強いと思います。社会生活自立や日常生活自立は、現在、目標として挙げられておりませんが、今後挙げていく必要があるのではないかと思っております。私からは以上です。

 

○菊池座長

 いかがでしょうか。

 

○社会・援護局生活困窮者自立支援室

 まず、潜在的ニーズに対するアウトリーチの数などですが、アウトリーチをどのように数字的に拾ってくるかというのがちょっと難しいものですから、現時点ではそういった数字は国のほうでは持っていないという状況になっています。おっしゃられるように、潜在的ニーズに対しても支援が必要ではないかということは、今、社会保障審議会のほうで制度見直しの議論をやっておりまして、そういったところでも御議論いただいておりますので、そういったところも踏まえながら、今後ちょっと考えていきたいと思っております。

 就労困難者に対して、単年度でなくて長期的な観点での指標設定ということですが、先生方が御指摘のことはよく分かりますので、そういったことが技術的にできるのかどうなのかも含めて、その辺は整理していきたいと考えております。社会生活自立だとか、日常生活自立に関しても、出口だけではなくて、そこにつながる支援がどういうものがあるのかということも、確かに、設定が必要なのかもしれませんので、そういったものも含めて全体的な指標設定について、今後考えていきたいと思っております。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。第2点の長期的な枠組みでという話は、そもそもこの自立支援法の枠組みが長期的な支援を制度的に予定しているかという、そもそもの制度の組立てにちょっと関わってくる問題かなと私は思いましたけれども。つまり、基本的には短期の支援が念頭に置かれている中で、長期の指標を設定するということはどうなのかと、そこに関わってくるのかなという気もいたします。

 政策評価の1つの目的としては、厚生労働省が何を目標としているか、それを積極的に示していくと、そういう意味合いもあるのだと、これまでも伺っています。そういう意味で、指標140万件というのは1つの合理的な数字だとは思うのですが、1つの理想型ですよね。アウトリーチというのは更に増えていくのでしょうけれども、その中で40万件に設定して22万件というのは、達成率は半分ぐらいしかやっていないではないかと、そのように見えてしまいかねない。ただ、自立支援法自体は、この2年間で相当、今まで厚生労働省になかった分野に施策を展開しているというのは、非常に積極的な意味合いがあると思うのですが、この目標の設定の仕方では、そこがちょっと減殺されてしまう可能性があるかなと。そんな気もちょっといたした次第です。これは意見です。よろしいでしょうか。

 それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえ、実績評価書への反映をお願いいたします。御苦労さまでした。

(所管課入替)

 

○菊池座長

 それでは、次のテーマに移ります。続きまして、施策番号9-1-1「国民に信頼される持続可能な公的年金制度を構築すること」につきまして、担当課から5分程度で御説明をお願い申し上げます。

 

○年金局

 年金局企画官の江口です。どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは、早速御説明いたします。資料については2-1です。施策目標、国民に信頼される持続可能な公的年金制度を構築することです。この施策目標を達成するために、3つの指標を設定しております。1つ目の指標は、社会保障協定に係る相手国政府等との協議実施回数です。国際化の進展に伴い、年金保険料の二重払いの防止、加入期間の通算を可能とすること等を目的に現在、外国との間で順次社会保障協定の締結を進めているところです。相手国との協定の締結や円滑な運用を行うためには、相手国との精力的な協議が必要ということですので、協議回数を、今回の指標として設定しております。28年度の目標は協議回数10回という目標を設定しており、実績としても10回ということです。これにより、28年度については、新たにスロバキアとの間で署名に至り、インドとの間で協定が発効しております。なお、第3期基本計画期間内の実績を申し上げますと、2か国との間で協定が発効し、3か国との間で署名に至っている状況です。

2つ目の指標ですが、社会保障・税一体改革における年金関連4法の円滑な施行です。平成24年に成立した年金関連4法の円滑な施行については、ここ数年来、公的年金制度にとって大変重要な課題です。28年度、当初の段階において、この年金関連4法の中で施行が残されていた事項は、年金受給資格期間の短縮、そして年金生活者支援給付金の2つでした。この2つの事項は、いずれも消費税率10%への引き上げ時に施行することとされていましたので、それに合わせて294月が施行予定であり、そのための政省令やシステム改修等の順備を28年度に行う予定としておりました。ただ御承知のとおり、昨年6月に消費税率10%の引き上げは2年半延期するということが表明されたわけです。一方で、通常であれば消費税率10%の引き上げの延期に伴い、この施行が連動することとしていた受給資格期間の短縮と、年金生活者支援給付金の施行についても合わせて延期というのが一応、法律上の立て付けになっておりました。ただ、この受給資格期間の短縮については、年金問題は喫緊の課題であるということで、消費税率の引き上げとは切り離して、298月から施行することとして、そのための法案を昨年秋の臨時国会に提出し御審議いただき、昨年11月に成立したところです。このような経過を踏まえ、28年度当初の想定とはちょっと異なる状況にはなりましたが、28年度の実績としては受給資格期間短縮法の成立ということで整理いたしました。

 資料2ページを御覧ください。3つ目の指標は、持続可能な公的年金制度の構築です。28年度の目標については、持続可能な公的年金制度の構築に向けた議論の整理を踏まえた必要な制度改正の実施としております。この目標を設定しましたのが昨年3月の有識者会議になるわけですが、その直前に年金改革法案を国会に提出いたしました。ただ、28年の通常国会では審議をされずに継続法案となり、昨年秋の臨時国会で審議が行われ、12月に成立しております。これを踏まえ、実績としてそのように記載させていただいております。なお、社会保障改革のプログラム法に掲げられていた年金関係の検討課題については、その一部について社会保障審議会年金部会の議論の整理も踏まえた上で、引き続き検討することとしております。これらの課題については、次期財政検証の結果等を踏まえた課題と併せて、引き続き検討していく所存です。

 最後に、昨年3月の有識者会議において、この目標設定について御議論いただいたところですが、当時の高橋委員より、公的年金制度に関する施策目標について定量的な指標を増やすよう検討をお願いしたい旨の発言があったと承知しております。この点について改めて若干、御説明いたします。第3期基本計画における公的年金関係の施策目標は2つあります。28年度の実績評価の対象になっているのは、このうち国民に信頼される持続可能な公的年金制度を構築することです。もう1つの施策目標は、公的年金制度の信頼を確保するため、公的年金制度の適正な事業運営を図ることであり、こちらについては複数の定量的な指標、例えば国民年金の保険料の納付率、厚生年金保険等の適用状況、年金給付事務の所要日数、年金ネットの加入者数などを設定しているところであり、この適正な事業運営という施策目標については、25年度に実績評価を実施しております。今年度からスタートした第4期の基本計画では、第3期基本計画における公的年金制度に関する2つの施策目標を統合して国民に信頼される持続可能な公的年金制度を構築し、適正な事業運営を図ることという目標をした上で、第3期計画と同様の定量的な指標を設定する予定としております。私からの説明は以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明につきまして、御意見等をお願いいたします。いかがでしょうか。

 

○山田委員

 制度を構築することというふうに焦点を当てると、定量的な測定指標を設けるのはなかなか難しいと思います。今回の評価書様式がどうというよりも、やはり長期的に検討していただきたいのは、施策目標の一番上は、やはり国民に信頼される年金制度ということで多分、厚生労働省でも社会保障教育をどうするのかということを含めて、若年世代からの、いろいろな年金を含む社会保障制度に対する信頼をきっちり今以上に確立していく方向性だと思います。そうすると、国民に信頼されるというふうなところに着眼したときに、やはりアウトカムとしては、どれだけそういった社会保障制度に、年金制度を含めて信頼があるかという主観的評価がアウトカムになると思いますので、なかなかインプットとアウトカムの連動が、例えば報道のされ方や何かによって攪乱されてしまう部分もあるでしょうから、なかなか難しいとはいえ、長期的にはそういった国民に信頼されるという部分の定量的な指標も、社会保障教育を含めてやられていると仄聞していますので、考慮していただきたいと、これはコメントですが、お願いしたいと思います。

 

○藤森委員

 私もコメントですが、指標3の目標が「必要な検討の実施」ということですと、これをどう評価するかはなかなか難しいと思っています。

1つあると思ったのは、行程表があって、どこまで進めるかという計画の中で、例えば指標3などは、どこまで達成できたのかという示し方があるのではないかと思いました。

それから今、山田先生からお話があったとおり、社会保障教育、とりわけ年金教育は、国民の信頼を高めていく点から非常に重要だと思います。その辺も目標に入れていただけたらいいのではないかと思っております。以上です。

 

○菊池座長

 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 ただいま御意見がありましたように、なかなか指標の設定が難しいということですが、ただ、これは保険料を含めてですが、年間で40兆ですか、莫大なお金が動いているわけで、その中で、年金に関して指標が1つしかないという問題もありますが、そもそも指標の設定の仕方、目標の設定の仕方について、前々から議論されているのですが、課題かもしれないなという感想を私も持ちました。

 あと年金教育の話もありましたし、あるいは年金委員という、これから地域包括ケアシステムといった、地域で考えていく世界になると、サービスだけではなく、やはり年金も地域経済にとって非常に重要な役割を果たしているということで、ひょっとすると、そういった部分でも持続可能な信頼される年金に関わってくる感じがしました。ほかに、よろしいでしょうか。何か、コメント等ございますか。

 

○年金局

 ありがとうございます。各委員の先生方からお話がありました社会保障教育ですが、その中でも、やはり恐らく年金が中心になってやっていくことになると思います。事業運営を担当しているほうで、年金教育的な、出前講座とか、そのようなことはやっておりますので、そのようなことも併せて、社会保障全体になりますと、これは厚生労働省全体でという話になりますので、それを担当しているところと相談しながら長期的に、どのようなことができるのかを考えていきたいと思っております。

 

○菊池座長

 よろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえ、実績評価書への反映をお願いいたします。どうも御苦労さまでした。

(メインテーブル交替)

 

○菊池座長 

 それでは次のテーマに移ります。続きまして政策番号転10-1-4、介護保険制度の適切な運営を図るとともに、質、量両面にわたり介護サービス基盤の整備を図ることについて、担当課から5分程度で御説明をお願いします。

 

○老健局

 老健局です。今日はこのような機会を頂きまして、どうもありがとうございます。早速ですが、設定している指標自体が10個ありますので、これについての進捗状況を御報告します。

 まずは介護保険制度、老健局が介護保険制度の適正な運営を中心に施策を運営しているところです。1枚目にあるように、施策の予算額及び執行額の推移を見ても、給付費が非常に早いスピードで増大しております。そういう中で国としても予算の確保、十分な財源を持って、それでサービスの質と量を確保していくことが非常に重要と考えております。また、認知症対策の重要性は、近年、とみに増しており、私どももオレンジプランという計画に基づいて、目標設定をして施策を進めていますが、この度、今年の7月に改定して新たな目標値を設定しております。測定指標については、介護保険制度自体の運営についての2つの指標、認知症政策についての指標、先ほど平野先生からもコメントがありましたが要介護認定についての設定の指標、それから、地域づくりの関係についての4つの指標という形で構成しております。

 順次申し上げますと、指標1、介護給付適正化事業についての市町村の取組ということです。介護保険については、保険者である市町村が給付費についてきちんとコントロールをしていくことが主軸です。そのため、介護給付の適正化、正に医療の情報や介護の情報をきちんと分析して施策の展開につなげていくことが重要です。私どもは平成20年度からこの施策を推進してきたわけですが、その中でも指標として取り上げたのが医療情報との突合、縦覧の点検です。この実施率については、前年度以上という形で目標を設定しておりまして、今のところは実績については行っている市町村数は増えている状況です。

 もう1つはサービスの面です。地域密着型サービスについては介護保険が発足してから新たにできたサービスです。小規模で、地域の中で住み慣れた環境の中で過ごしていただくための不可欠なサービスです。その中の象徴的なものとして、地域密着型サービスをどのような形で整備していくか。それぞれ市町村はニーズに基づく事業計画を立てておりますが、これがきちんと進捗していくところを見ていきたいと考えておりまして、前年度以上の実績を作っていただくということで測定指標として掲げております。これについても目標として、まず前年度以上の整備が着実に増えているという状況です。

 次のページ、指標3、指標42つについては認知症の関係です。指標3は、認知症サポーターの養成ということです。これは国民の皆さんに認知症の知識を持っていただき、また認知症についての理解を進めるということで研修をし、また登録をしていただくということで進めてきました。従前のオレンジプランでは、800万人という目標値を立てておりましたが、平成28年度では880万人ということで既に達成をしております。したがって、今年の7月、新たに1,200万人の目標値を立てましたので、今後はそれに向かって進めていくことにしております。また指標4として、認知症について専門的な見地から知識を有して、医療を提供する認知症サポート医とか、そういう方々の育成にも努めております。これについても目標は15.2万人ということにさせていただいております。これも新たな指標としては30.5万人という形で、新オレンジプランでは設定して、更に認知症サポート医の養成研修等を進めていきたいと考えております。

 指標5、指標6については、要介護認定の関係です。正にばらつきについてどうなのかということで、前年度よりもばらつきが縮小していることを1つの指標として掲げております。これは習熟度が上がったということもありますし、また認定の制度については徐々に向上しているのではないかと考えております。ただ認定については1次判定と2次判定がありますので、若干、1次判定でできたコンピューター判定の結果について変更するのは、当然、制度上も予定をしておりますので、そういう点ではばらつきはゼロにはならないとは考えております。

 指標710については、地域づくりの関係です。これは平成26年度の法改正で総合事業、地域支援事業という形で、平成29年度、若しくは平成30年度から全市町村で行うということで義務付けておりますので、それに向けてきちんと実施状況を確保して、それでウォッチをしていこうということです。指標7が、介護予防・日常生活総合事業の実施保険者数です。現状では624となっており、目標値としては今年度末1,579として、全市町村実施ということで、今、目標に向かって進めているところです。

 指標8910については、地域支援事業という形で、それぞれのメニューです。在宅医療・介護連携推進事業については平成30年度に達成するということで、今、進めているところです。平成29年度末に目標としては1,579ということです。特に指標10については、昨年の評価委員会で山田先生から、家族に対する負担についてもきちんと見た上での評価指標を立てるべきだという御示唆を頂き、指標10については、認知症総合支援事業の実施保険者数ということで掲げております。選定理由にもあるように、認知症の人の介護者の負担を軽減するということで、このような目的を持った事業を行っている自治体を平成29年度末までに全市町村で行っていただくことを目標に進めたいということです。簡単ですが、10個の指標について駆け足で御説明しました。どうぞよろしくお願いします。

 

○菊池座長 

 それでは御質問等ありましたらお願いします。

 

○平野委員

 まず1つ目は指標2ですが、地域密着型サービスというのは、その前提で全体的には前年度よりどれだけ増加しているかというのが全体を覆っていますよね。それはそれで1つの見方だと思いますが、1つの工夫として、前年度比だけではない指標をどう模索するのかという観点で質問したいという意味ですが。この中で幾つかそういうことが、もし試みられるとすれば、例えば、指標2は地域密着型ですので、日常生活圏域のような数との対比とか、何らかの形で地域密着という性格がどの程度普及しているのかということを図ることも1つかと思います。つまり、前年度というのは、基本的にはほぼいろいろな意味で達成していくことだとは思いますが、特に密着型はなかなか自治体の理解という点で必ずしも、特に定期巡回などは難しい事業の1つだと思います。いずれにしても、自治体にとってそれが1つの政策目標としてなるときに、前年度というよりは、例えば日常生活圏域において、そういうものをどう整備するのかということとして、新しく指標の作り方を考えていくことは1つかなというのが私の意見です。

 もう1つは、今回の施政方針演説の項目が先ほどの根拠の所にはなかったのですが、これは介護離職ゼロという問題が書いてあると思います。それは先ほど指標10で、家族負担の軽減の話がそれに関連するのかと思います。この辺りは制度上も大変難しい仕掛けだとは思いますが、こういう施政方針演説というか、この中に何が書いてあるかということと、後ろの施策指標化というものとが、若干、どういうふうにリンクさせていくのかということは1つの課題かと思います。

 最後ですが、「評価結果と今後の方向性」の施策の分析の3段落目の「現状分析」の所に、ほぼ全ての指標について実績値を伸ばしていますと。そして、「必要な介護サービスの量及び質の確保」という表現が出ています。この「質の確保」というのは、厳しい意見かもしれませんが、どこから引っ張ってきているのかの根拠が読んでも分からなかったものですから、何を指しているのか、補足いただければと思います。以上です。

 

○老健局

 いろいろとアドバイスを頂きましてありがとうございます。まず第1点目の、いわゆる地域密着というものをどういう形で配置していけばいいのかと。地域包括支援センターのように、昔の在宅介護支援センターもそうですが、中学校区というのが日常生活圏域でありますので、そこにある程度完結した形でサービスがあることは非常に望ましいことだと思います。

 一方で、都市部のようになかなかそうも言い切れないところもありますし、正に現場は24時間の巡回介護も含めてなかなか整備ができないときに、そういう実態を踏まえて自治体がどのような形で地域を作っていくかというのは、個々分かれていくかと思います。私たちも、1つはこういう形での整備量ということで、ウォッチする指標は立てておりますが、実際に地域でこれがきちんとしたことになっているかどうかは、市町村がそれぞれ判断するしかない部分が多いと思います。かと言って、一律に中学校区で1つは作るべしということも言い切れるのかどうかというところもありますので、自治体との話をして、本当に地元のニーズに応じたサービスが、どう過不足なく提供されているかを図っていくべきかを少し検討もしていきたいとも思っております。

 介護離職ゼロについては、総理が3つの柱の中の1つとして出されています。私どもも施設整備については38万床の増。人材確保については別の局も行っていることですが、介護人材の確保に努めているところです。実際は、施設整備等については地方自治体の計画に従って整備をしていただいて、私たちはそのサポートをしていくということです。地域密着も含めて地域医療介護総合確保基金の財源を確保して、自治体の整備への支援をしていくとか、立地に対しての優遇措置なりを考えていくという立場です。リンクがどうしているのかということについては、これとこれはリンクしてとか、なかなか直接的に言いにくいところはありますが、是非その辺も、2020年代初冬にはという話もありますので、もう少し考えてみたいと思います。

 質の確保については、基本的には総合事業等というところで、地域住民のニーズに応じた取組を行っているかどうかというところは1つの指標になるのかとは思います。またサービス自体を着実に増やしていく。これは量の話ではありますが、正に地域密着型が増えていくことは、住み慣れた地域で過ごしやすいサービスが増えているという意味合いでは質の向上にもつながっているのではないかと考えております。また、勉強もさせていただきながら指標については適切なものを考えていきたいと思います。

 

○平野委員

 最後の質の確保が、成熟した段階での介護保険制度をどういうふうに評価指標として設定していくのか。つまり、一定量を前年度対比ということから、次への転換が必要になっていく制度だとも思っています。例えば、指標4の研修とか、先ほどのサポーターや地域づくりのところも、逆に言うと、本当は、専門職の質だけの問題ではなく、新しい質への転換を含んでいるのではないかという気がするのです。これはかなり自分自身の関心事に引き寄せてしまっていますが、成熟した介護保険制度の評価に向かって、どういうふうな評価指標の転換を図っていくか。そういう観点も、少し内部で御議論を頂ければと思っている次第です。

 

○老健局

 分かりました。ありがとうございます。今回の法改正でも、保険者機能の強化が1つの大きな話題になっております。そこで保険者にどのようなインセンティブを与えるか。非常に細かな指標になると思いますが、そういうものも含めて考えていくことは必要だと思います。政策評価の局面もありますし、やはり、市町村に自らを評価していただくという観点からの指標も考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

○菊池座長 

 よろしいですか。

 

○山田委員

 まずは指標10について反映させて頂きましてありがとうございます。私からは3点あります。平野先生と重なる所が多いのですが、やはり、指標2や指標7は数が書かれているだけで、指標3と指標4は人数などが書かれていますが、一応は800万人養成という目標値が設定されて、そこに向かっているのが分かるのは良いと思いますが、やはり、幾ら市町村をサポートする立場であったとしても、多分、要介護発生率がこれだから、これぐらいは必要という形で、市町村の個別の事情があったとしても、整備がどれぐらい進んでいるかという何らかの目標達成値も設定しないと、この数値をどう読み解くかというのは難しいと思います。もちろん市町村はサポートする立場だというのはよく理解できるのですが、やはり、目標値はなるべく作ったほうがいいとは思いますので、御検討いただきたいのが1点です。

2点目は、今、質の話が出ましたが、質の話については一番分かりやすいのは、介護サービスの事業所で起こった事故とか虐待が最悪の質という点で分かりやすい指標ですから、質が分からないという点については、工夫の仕様によっては十分に質を表す指標も作れると思いますので、こちらも御検討いただきたいと思います。もちろん、今回に反映させるかどうかというより、長期的課題として反映させていきたいと。

 あと冒頭で申し上げた指標10は、認知症だけではなく、今、介護離職という非常に大きな政策課題がある中で、例えば、実は介護サービスにもできることがあると。これは、ある研究者が言っているのですが、ケアマネージャーさんに、家族の就労状況などをちゃんと考えてプランを設けているかと聞くと、大半のケアマネージャーさんはそんなことは聞いていないというのがアンケートで分かっているわけです。小さなことかも知れませんが、介護離職を減らすという点ではレバレッジが効くところではあるわけです。そういったことを含めて、どうやったら介護離職を防げるかというのは、実は単に介護休業法の問題ではなく、介護サービスの段階でもいろいろとできることはあると思いますので、将来アウトカムも含めて指標を検討いただければと思います。よろしくお願いします。

 

○老健局

 分かりました。量の見込みをどう図るのかというのがあります。御承知のところがあると思いますが、市町村は3年おきの介護保険事業計画を立てておりまして、これは保険料を出すためもあるのですが、1つは量の見込み、このぐらいの給付費が掛かるという見込みを立てておりますので、それとの対比を本当にすべきかどうかというのは当然あります。実際の利用状況などを駆使して本当にできるのかどうかというのは、課題として受け止めたいと思います。実際、達成したからどうなのかというところも当然ありますし、要するに需要を満たしているかどうか、そこが非常に問題になります。結局は保険制度ですので、自由に市場でサービスの需給が行われる状況の中で、どれだけ基盤を整備しているのか。基盤の整備の過不足を図るのはなかなか難しいので、そこは考えさせていただきたいと思います。

 質の所で事故、事件。事件はともかくとして、事故については、確かにそういうものはあるとは思いますが、報告制度もそろそろ定着していきますので、そういうのはあるのかもしれません。質については負の面だけではなく、もう少し良い面で何か評価をしていくところもあるかと思いますので、少し多面的に考える必要があると思いますので、御示唆は十分に受け止めたいと思います。

 ケアプランの話ですが、ケアプランの評価自体はケアマネジメントが制度化されて17年たつわけですが、客観的にこのケアプランが良いとか悪いとか言えない状況はずっと続いています。ある程度専門職としての確立もありますので、そういう所に任す必要があるかなとは思っております。実績として、満足度を測るわけにもいきませんので、そこは難しいかと思います。ただ、市町村がきちんと事業を行っているかどうかのウォッチ、若しくは保険者として役割を果たしているかということはきちんと図っていく必要があると思います。指標は既に10個もありますので、余り細かく追加していくわけにもいきませんので、そのバランスも考えながら課題として受けたいと思います。

 

○藤森委員

2点お伺いします。1点目は、介護スタッフ不足が進んでいて、これから介護需要が一層高まる中で大きな課題になっていくと思います。私はこれまでの目標設定の経緯を知らないのですが、介護人材の確保に関しての目標設定がなぜされていないのか教えていただければと思います。

 厚生労働省の中のほかの部署だと思いますが、介護人材に関わる需給推計を発表していて、そこで総合的な確保方策を作って介護人材を増やしていくことが挙げられております。需要の目標を設定して、それに供給がどれだけ追い付いているのか、という設定の仕方があり得るのではないかと思います。しかも、介護人材がこれからきちんと確保できるかというのは、今後に大きな影響を与えるところだと思います。こうした目標を設定するのは難しいのかどうなのか、その点を教えていただければと思います。

2点目は、指標9の生活支援体制整備事業です。これは、とても重要だと思いますが、これによって高齢者の社会参加や住民の社会参加はどの程度進んでいるのか。こういった指標を見ていくというのは、これは市町村で見るべきことであって、国ではなかなか見れないということなのかどうなのか。以上2点がお伺いしたいと思います。

 

○老健局

 人材確保については、福祉人材確保ということで社会福祉士や介護福祉士、そういうことも含めて、これは実は部署が違っておりまして、社会・援護局や職業安定局、介護労働者の関係で取組が進められております。離職者対策もいろいろな所が共同してやっているという部分です。当然、需給見通しで、実際には足りないというところはやっておりますので、そこは実績と見通しの差を見ていただくところはあるかと思います。老健局は介護保険事業の運営ですので、そういうことからも言って、制度上の話は、サービスの供給という形での指標は計りますが、それを支える人材という面では違う部署がやっていることは御理解いただきたいと思います。そういうこともあって、指標には介護保険の運営には入っていないということです。

 地域づくりについてどのような指標で行うのか。これは私どもは今回は生活支援事業の実施市町村という形でやっていましたが、それを実施した結果として高齢者の社会進出がどれだけ進んだのかとか、要介護認定の率がどういうふうに変異したかというところは、当然見るべきものだとは思っております。ただ、政策評価の指標として行うのかどうなのかというところは、若干、私たちも躊躇するところはあります。こういう環境づくりというのは市町村の事業として行うわけですが、個々の人たちが、例えば地域のボランティアに参加するというのは個人の行動の話ですので、そこまでどう案配をしていくかというのは非常に難しいということは直感的には思います。受け止めさせていただいて、政策の内容としては、平成30年度には実績で100%になるはずで法的にも義務付けていますので、そういう段階の中で、自治体がどう動いているのか全部を見るわけにはいきませんが、主だった所を見て、どういうもので私たちはこの事業が適正に運営されているのか図ればいいのか。これは自治体とも意見を交換しながら考えていきたいと思いますので、引き続きアドバイスをよろしくお願いします。

 

○菊池座長 

よろしいですか。各委員から様々な御意見を承りましたが、成熟してきた介護保険制度の中で、量的な拡大の局面からも、質的な評価をどうするかという課題もありました。一方では、保険者である自治体に委ねるべき問題と、然は然りながら国としての目標値の設定もどこまでできるかというのは考えるべきではないかという御意見もありました。それは受け止めていただければと思います。

 ただ、今回の指標の特徴として、平野委員からもありましたように、全て前年度以上あるいは以下ということになっておりまして、前年度より1件でも増えていれば達成、総合判定Aになっているというのは、なかなか難しいという話を承りましたが、せっかくですので、政策評価を実際の事業運営に当たっても積極的に使っていただきたいというのが我々の思いでもあります。できることであれば目標値を、具体的な、あるべき姿を想定されて、そこに向かってどこまで達成していくかというのができれば理想的です。あるいは目標のある中で、どういう行程、プロセスで達成していくのか、そういうことにも使えるかもしれません。難しいとは思いますが、そういう戦略を考える、一助とするためにも前年度以上というのを一歩超えたところで、設定をお考えいただければと思いますので、御検討いただきたいと思います。

 

○老健局

 分かりました。自治体も頑張っておりますし、第7期の事業計画が平成30年度から始まりますので、そういうことも踏まえながらよくよく考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

○菊池座長 

 よろしいですか。それでは、担当課におかれましては、本日の議論を踏まえ、実績評価指標の反映をお願いします。どうも御苦労様でした。

 

○老健局

 どうもありがとうございました。

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○菊池座長

 それでは、次のテーマに移ります。続きまして、本日最後のテーマとなります。施策番号9-2-1、行政分野へのITの活用とこれに併せた業務や制度の見直しにより、国民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率化を図ることについて、担当課から5分程度で御説明をお願いします。

 

○情報化担当参事官室

 情報化担当参事官のスエオカと申します。よろしくお願いします。お手元の資料、4-14-2を用いて御説明します。施策の目標名については、行政分野へのITの活用とこれに合わせた業務や制度の見直しにより、国民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率化を図ることです。施策の概要は、利用者の視点に立ったオンライン利用を推進するものです。施策の背景ですが、申請等の手続を自宅や職場からインターネットを経由して受け付けるオンライン利用については、「e-Japan戦略」をはじめとして、これまで各種の取組を進めてきたところで、この取組を一層、進めていくのがこの施策の位置付けです。

 資料4-22ページ、グラフのようなものが書かれていますが、こちらにボリューム感と申しますか、政府として申請手続を受け付けている中で、社会保険・労働保険分野、登記、国税が三大分野になっていまして、当初所管の社会保険・労働分野についてのオンライン利用可能な手続の申請件数が非常に大きなウエイトを占めていることで、こうした取組について厚労省として重点的に実施しているものです。

 資料4-1、この分野の施策の測定指標については、指標を2つ設定しています。1つ目の指標は、利用者の視点に立った部分に関連してですが、オンライン申請に係る利用者の満足度を指標にしています。指標の目標値については、IT分野のオンライン申請の取組について定めた「厚労省改善取組計画」において定めた数値と整合を図ったものですが、この65%というのは、基準値となった平成24年度の状況に対して、できるだけ満足度を高めていくことで、この値を設定したものです。2つ目の指標ですが、オンライン利用推進という観点から、大規模事業所への社会保険・労働保険手続のオンライン申請利用のための勧奨のための訪問をしています。こちらのオンライン申請については、ホームページなどによっても周知は行っていますが、実際に個々の事業主を個別に訪問して、利用について勧奨し、導入方法などを説明する取組が企業にとっても導入の契機となり、効果的にオンライン利用が推進されることですので、この取組を着実に進めることがオンライン利用促進につながるので、利用勧奨訪問数を指標として選定したものです。

 この取組は、電子政府利用促進週間を毎年度実施していますが、この時期に集中的に訪問することで、年度ごとに各業界の従業員数が多い企業ベスト10を選出して訪問することが効果的であることから、目標値については10箇所と定めたものです。

 達成状況ですが、指標1の満足度については、残念ながら平成28年度において設定した目標を達成することがかないませんでした。この指標の数値ですが、現在厚生労働省のホームページにおいて、電子申請に関するアンケートという項目を設けて、そこを通じて頂載した御意見に基づいて、この数字を算定しています。このオンライン申請に係る利用者の満足度については、アンケート調査の中で「満足」「おおむね満足」「普通」「やや不満」「不満」という5段階の評価をお選びいただく中で、上位2つの「満足」あるいは「おおむね満足」という回答の方の割合を示したものです。結果として、平成28年度は44%となってしまいましたので、当省としては、この利用者満足度を引き上げることをできるだけ進めていきたいと考えています。

2点目の指標2ですが、オンライン申請利用勧奨のための訪問については、予定された箇所の10箇所について訪問し、オンライン申請についての利用勧奨を進めたところで、これについては取組目標を達成することができたものです。

 次ページ、目標達成度合いの測定結果として「B」と記載させていただいていますが、オンライン申請率については、資料4-21ページを御覧いただきますと、徐々にですが着実にオンライン申請率は増加傾向を示しているところです。しかしながら、こうした取組をなお一層進め、かつ行政手続に関する国民の利便性を高めていくことが必要と考えていますので、こうした評価結果として記載させていただいたものです。以上です。

 

○菊池座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について、御意見、御質問等ございましたら、お願いします。

 

○山田委員

 私から2点あります。まず、指標1に関して、平成25年度が何故ミッシングになっているのかというのと、平成26、平成27、平成28で、やはり御説明にもありましたように、だんだん満足度が下がっていっているのです。これは統計的に、ひょっとしたら不満がある人だけが回答してなっているのか、それとも、これを利用した人が必ず回答しなくてはいけないのかということで、この数値の見方が違ってくると思うのですね。この指標が悪いというわけではないのですが、その辺の解説も加えたほうがいいのではないかと。要するに、無回答率がどんどん上がっていく中で、いわゆる満足を表明している人が少なくなっているのか。そもそも満足した人は、そんなアンケートに答えないかもしれないので、そこら辺を少し文章に加えていただければ。もし、今お分かりになる範囲で、教えていただきたいというのが1点目です。

2点目は、今ちょうど、こちらの資料4-21ページ目で御説明いただいたとおり、国税は58%で、社保・労働では8.9%というこの乖離ですよね。私は、この指標2ではなくて、指標2プラスアルファとして、国税とのこの乖離が、改善されているのか、改善されていないのかということです。願わくば、最終的には全員がカバーされたほうがいいので、加入者に対して、事業所とどうつなげるのかというのが難しいと思うのですが、どれぐらいオンライン申請されているのか、もしくは事業所ベースで何%なのか。ただし、御指摘のように、事業所も大きい所と小さい所があるので、そのウエイトをどう付けるのかという話はあるのですが、それで見たほうが、10箇所というよりは、そちらの率で見たほうがやはりよろしいのではないかというのが2点目です。私からは、以上です。

 

○情報化担当参事官室

 ありがとうございます。平成25年度は、調査を実施しなかったので、数値が入っていません。状況については、すぐには確認できないのですが、それで数値がバーになっています。

 この指標の取り方、読み方の点についてですが、今、オンライン利用を御利用していただいた方全てに、アンケートに御回答していただくわけではなくて、あくまでもアンケートについては任意で御意見を頂載しているという形で御意見を取っています。この数値については、確かに利用について何らか問題を感じられる方から御意見を頂載するということもあろうかとは思いますが、一方で内容を見ますと、以前と比べて使い方が良くなった、改善しているといったような御意見も頂載しているところで、利用者の意見の様々な意見を、このアンケートを通じてお聞きすることができていると思っています。利用率については、徐々にオンライン申請の利用率が上がっている中で、ここのシステムを初めてお使いになられる方というのは、やはり使い勝手について、まだ慣れてない面で、ここの普通、やや不満といったような傾向の御意見を頂載することが多いかもしれません。このシステムの利用について習熟していく中で、だんだんと利便性についての御理解も賜われるものだと思っています。具体的な取組として、別冊の資料4-26ページ、7ページを御覧いただきたいのですが、この電子申請をするためのシステム的な使い方ですが、当初は厚生労働省のホームページに、この電子申請の窓口システムを設定して、そこに入力をしていただく形から、電子政府ということで、e-Govという政府として統一されたインターフェースから入力をするという形に改善が進み、1件、1件の申請ではなくて、複数の申請、あるいは複数件の申請の手続を一括に行えるという機能改善を図り、現在、APIDO方式(アプリケーションプログラミングインターフェース方式)を用いて、この政府側で設定した窓口に連携する労務管理ソフトがあります。7ページに説明がありますが、役所の側で申請画面として用意したものに、個々の利用主の方々が利用されている労務管理ソフトウエアと連携ができるような仕組を推進する取組を現在進めています。こうした取組を進めることで、使い勝手が良くなるということで、満足度についても推進が見込めるのではないかと思っています。

 次にお尋ねいただいた御質問ですが、資料4-21ページの国税など、他分野の取組状況、国税、あるいは全体に比べて社会保険・労働分野のオンライン申請率に乖離があるのではないかという御指摘をいただきました。社会保険・労働保険の手続については、いわば申請手続自体に手数料もかからないことで、もともと経済的なインセンティブが図りにくいというベースがあります。そういう中で、できるだけ利用者の御理解を賜りながら申請を進めていくことです。実は、社会保険・労働保険関係については、オンラインの申請について重点的に進めていく手続として取り上げているものでは、9.6%という数字になっています。これは、オンライン申請可能な手続の、オンライン全てについて言えば8.9%なのですが、事業主が反復継続して行うようなものについて言えば、9.6%が平成27年度の状況です。これは正に、オンラインで申請をしていただいている件なのですが、電子媒体を利用した電子申請というのをこれとは別にしていただいていまして、電子媒体を含めた電子申請については、年間で6,600万件ありまして、45%ぐらいの利用率になっている現状です。それで、オンラインの利用率を上げていく取組としては、今まだ電子申請をされていない方々に新たに電子申請をしていただくということと、現在は電子媒体を使って、それを郵送するとか持ち込むという形で利用していただいている方をオンラインにシフトする取組が重要ではと考えています。

 

○山田委員

 ひょっとしたら、そういう事情も含めたほうが、分量の制限があるとは思うのですけれども、国民の理解を得るには、今の御説明で非常に合点がいった部分もありますので、もう少し補足された方がいいのではという印象を持ちました。ありがとうございます。

 

○情報化担当参事官室

 ありがとうございます。

 

○菊池座長

 ほかに、いかがでしょうか。

 

○平野委員

 少し今のこととも関係するのですが、このITの活用そのものは何も厚生労働行政に限った話ではないということで、先ほど登記や国税の話も少し御紹介があったと思うのですけれども、つまり、他の行政部門と異なり、厚生労働省がこの領域において、取り分け強化しないといけないのは、社会保険・労働保険関連の事業だと理解しておけばよろしいですか。

 

○情報化担当参事官室

 社会保険・労働保険関係の手続については、非常に加入されている方の数が多くて、国民皆保険・皆年金であることで、その資格を新たに就職された、退職されたというときに、資格を取得した、あるいは喪失したという手続ですとか、現況についての届出をしていただくというような件数は非常に多いということです。

 

○平野委員

 その領域が、つまり政策評価をする対象なのだと理解しておけばいいということでよろしいですか。

 

○情報化担当参事官室

 このオンライン申請については、当初所管の事務手続全てについてが対象ですが、今、対象になっている手続の中のボリューム的に大数を占めるものは、この社会保険と労働保険の分野の手続になります。

 

○平野委員

 おおむねボリューム感は、どんなぐらいなのですか。つまり、全体の、この何で図るかという問題はあると思いますが、ここで社会保険・労働保険関係の領域が、全体の1以下といいますか、オンライン化の中で、中心的な領域なのだとおっしゃっている「おおむねウエイト」というのは、例えば89割なのだというようなお話として理解しておけばよろしいのですか。そこまでではないのでしょうか。

 

○情報化担当参事官室

 この社会保険と労働保険の分野の件数が大数を占めている状況です。これは、一般的な手続でいいますと、必ずしも全ての方が手続をしなければいけないというものでもありませんし、一生の間に何回か手続をされることがあるというものに対して、この社会保険、労働保険関係の手続が、毎年繰り返して行われているというような性質もありますし、国民全体を対象にしているというようなこともありまして、いわゆるウエイトとして大きいものになっているところです。

 

○藤森委員

 確認の質問なのですが、指標2において、各業界の従業員数の多い企業ベスト10を選んで、その中から訪問されているということを書かれていました。業界の選び方は、利用頻度の多いところの業界を選びながら選定されているのでしょうか。

 

○情報化担当参事官室

 業界の選び方について、ただいま資料を持ち合わせていませんが、このいろいろな業界の従業員数の多い所に働きかけるということで、それぞれの業界の中でのある種、波及ということも狙って、こういった各業界ごとのというやり方をしているところです。

 

○藤森委員

 業界ごとに10個選んで、そして今年度はこの業界、次の年度は別の業界という形で訪問されているのですか。

 

○情報化担当参事官室

 左様です。

 

○菊池座長

 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。本テーマは、実体的な給付や規制等に関わるものではなく、手続的な部分に関わるものですが、これからますます重要となると思いますので、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いします。どうも御苦労さまでした。

 

○情報化担当参事官室

 ありがとうございました。

 

○菊池座長

 これで、本日予定しておりました議事は、全て終了しました。大変熱心かつ有意義な御議論を頂載して、ありがとうございます。それでは、事務局より本日の議論の取扱いについて説明をお願いします。

 

○政策評価官室長補佐

 本日の御意見の取扱いについて御説明します。まず、評価書そのものについて、ここの辺りを理由として記載したほうがいいのではないかとか、分析を説明していただいた文を書き加えたほうがいいのではといった御意見をいただきましたが、そういった評価書そのものについての御意見については、今後担当課において実績評価書などに反映させていただくとともに、この実績評価書の中に「学識経験を有する者の知見の活用」という欄がありますので、そちらの御意見を記入して、評価書を修正させていただきます。それを政策評価官室で取りまとめの上、総務省への通知、それから公表手続を進めさせていただきます。併せて、皆様にもこの評価書の最終版をお送りさせていただきます。

 なお、本日は、評価書そのものの理由等についてという御意見以外に、目標の設定、すぐに検討が開始できるもの、それから中長期的に目標を考えてほしいという御意見を多く頂いたかと思います。そういった点については、改めて御意見を整理した上で、どのように反映させていくのか、スケジュールも中長期的になりますので、ちょっとお時間をいただいて、こちらで今後の方針をまとめて、いずれにしても、今後このように検討していくというのをお返しさせていただきたいと思っています。

 それから、本日、時間に制約がある中で、4本の評価書、非常に多くの指標を扱った評価書を見ていただきましたので、この会議の中で伝え切れなかった意見などありましたら、大体1週間をめどに、来週の月曜日までに事務局にメールなり何なりで御提出いただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。事務局からの説明は、以上です。

 

○菊池座長

 それではこれをもちまして、本日の会議は終了とさせていただきます。どうも、御苦労さまでした。ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第6回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG 議事録(2017年8月22日)

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